JP2519031B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2519031B2 JP61035499A JP3549986A JP2519031B2 JP 2519031 B2 JP2519031 B2 JP 2519031B2 JP 61035499 A JP61035499 A JP 61035499A JP 3549986 A JP3549986 A JP 3549986A JP 2519031 B2 JP2519031 B2 JP 2519031B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高感度でありながら鮮鋭性に優れ、処理のラ
ンニング特性が改良されたハロゲン化銀写真感光材料に
関する。
(従来の技術) アマチュア用カラー写真感光材料の分野においては、
高感度化とスモールフォーマット化が進み、高感度であ
り高画質であるハロゲン化銀カラー写真感光材料に対す
る期待はますます大きくなってきている。
このような期待に応えるために、現像時に現像主薬の
酸化体と反応して、拡散性の現像抑制剤又はその前駆体
を放出する化合物(拡散性DIR化合物と称す)を含有す
るハロゲン化銀カラー写真感光材料の研究が盛んに行な
われてきたが、色再現性、鮮鋭性および粒状性等を改良
する手段として今や欠くべからざる技術となりつつあ
る。一方、高感度化の手段として内部にカブリ核を有す
るハロゲン化銀乳剤を感光性のハロゲン化銀乳剤と組み
合わせて用いる技術が特開昭59−214852号、同60−1708
49〜170853号公報に開示されている。
しかし前記拡散性DIR化合物は処理時に現像液中に蓄
積され、くり返しの処理(ランニング)で感度低下およ
びγ低下を招き、大きな問題となっている。特に自家処
理の普及に伴う管理バラツキ増大の動向の中で、大幅な
改善が望まれている。
また拡散性DIR化合物には、感光材料に添加したとき
大幅な感度の犠牲を伴うという根本的な問題点も内在し
ていた。
一方、内部にカブリを有するハロゲン化銀乳剤の適用
には、鮮鋭性の大幅な劣化という問題点があり、実用上
の障害となっていた。
このように高感度かつ高画質を達成すべくさまざまな
技術が検討されているが、半面克服すべき技術的課題も
山積している。
本発明は特に前述のDIR化合物と内部にカブリ核を有
する化合物のもつこれらの欠点を改良し、さらに高感度
であり高画質であるハロゲン化銀写真感光材料を提供す
べく試みるものである。
(発明の目的) したがって本発明の目的は、高感度でありながら画質
(特に鮮鋭性)に優れたハロゲン化銀写真感光材料を提
供することにある。
本発明の第2の目的は、くり返しの現像処理における
処理液の特性変化が改良されたハロゲン化銀写真感光材
料を提供することにある。
(発明の構成) 本発明の目的は、支持体上の感光性ハロゲン化銀乳剤
層の少なくとも1層が、現像時に現像主薬の酸化生成物
との反応で拡散性の現像抑制剤又はそのプレカーサを放
出する化合物を含有し、該化合物を含有する層及び/又
はその隣接層が内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳
剤層を含有し、かつ像様露光後、黒白現像することなし
に少なくとも発色現像処理工程を行うことを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料によって達成された。
本発明において、抑制基の拡散性は下記の方法により
評価できる。
(透明)支持体上に下記組成の層よりなる感光材料試
料(IV)及び(V)を作成した。
試料(IV):緑感性ハロゲン化銀乳剤層を有する試料 緑感性に分光増感した沃臭化銀(沃化銀6モル%、平
均粒径0.48μm)及び例示カプラー(M−2)を銀1モ
ル当り、0.07モル含有するゼラチン塗布液を塗布銀量が
1.1g/m2、ゼラチン付量が3.0g/m2になるように塗布し、
その上に保護層;化学増感及び分光像感を施していない
沃臭化銀(沃化銀2モル%、平均粒径0.08μm)を含有
するゼラチン塗布液を塗布銀量が0.1g/m2、ゼラチン付
量が0.8g/m2になるように塗布した。
試料(V):上記試料(IV)の保護層から沃臭化銀を除
いたもの。
各層には上記の他にゼラチン硬化剤や界面活性剤を含
有させてある。
試料(IV)、(V)をウエッジを用いて白色露光後、
現像時間を2分40秒にする以外は後記実施例1の処理方
法に従って処理した。現像液には試料(V)の感度を60
%(対数表示で、−△logE=0.22)に抑制する量の各種
現像抑制剤を添加したものと、現像抑制剤を添加してい
ないものとを用いた。
現像抑制剤未添加の時の試料(IV)の感度をSoとし、
試料(V)の感度をSo′とし、現像抑制剤添加の時の試
料(IV)の感度をSIVとし、試料(V)の感度をSVとす
ると、 試料(V)の減感度 △So=So′−SV 試料(IV)の減感度 △S=So−SIV 拡散性=△S/△Soと表される。
但し、感度は全て、かぶり濃度+0.3の濃度点の露光
量の逆数の対数(−logE)とした。
この方法により求めた値を拡散性の尺度とした。数種
の現像抑制剤の拡散性を第1表に例示する。
本発明において拡散性DIR化合物とは、前記拡散性が
0.35以上のものであり、拡散性が0.40以上のものが好ま
しい。
本発明に用いられる拡散性DIR化合物は、たとえば以
下のような一般式であらわされる化合物より選ぶことが
できる。
拡散性DIR化合物一般式(1) AY)m 式中Aはカプラー成分を表わし、mは1または2を表
わし、Yはカプラー成分Aのカップリング位と結合しカ
ラー現像主薬の酸化体との反応により離脱する基で拡散
性の大きい現像抑制剤もしくは現像抑制剤を放出できる
化合物を表わす。
Aはカプラーの性質をもっていればよく、必ずしもカ
ップリングによって色素を作る必要はない。拡散性DIR
化合物一般式(1)においてYは下記一般式(2A)〜
(5)を表わす。
上記一般式(2A)〜(2D)及び(3)において、R1
アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、ハロゲン
原子、アルコキシカルボニル基、チアゾリリデンアミノ
基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、カ
ルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジ
アルキルカルバモイル基、ニトロ基、アミノ基、N−ア
リールカルバモイルオキシ基、スルファモイル基、N−
アルキルカルバモイルオキシ基、ヒドロキシ基、アルコ
キシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルキルス
ルホニル基もしくはアリールオキシカルボニルアミノ基
を表わす。nは1又は2を表わし、nが2のときR1は同
じでも異なっていてもよく、n個のR1に含まれる炭素数
の合計は0〜10である。
上記一般式(2E)のR2は(2A)〜(2D)のR1と同義で
あり、Xは酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表わ
し、及び一般式(4)においてR2はアルキル基、アリー
ル基もしくはヘテロ環基を表わす。
一般式(5)においてR3は水素原子、アルキル基、ア
リール基もしくはヘテロ環基を表わし、R4は水素原子、
アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アシルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、アルカンスルホンアミド基、シアノ
基、ヘテロ環基、アルキルチオ基もしくはアミノ基を表
わす。
R1,R2,R3もしくはR4がアルキル基を表わすとき、置換
もしくは無置換、直鎖もしくは分岐鎖のいずれであって
もよいし、環状アルキルであってもよい。置換基はハロ
ゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アリール基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、スルファモイル基、カルバ
モイル基、ヒドロキシ基、アルカンスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、アルキルチオ基もしくはアリールチ
オ基などである。
R1,R2,R3もしくはR4がアリール基を表わすとき、アリ
ール基は置換されてもよい。置換基として、アルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルファモ
イル基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アリールオキ
シカルボキシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アシルアミノ基、シアノ基もしくはウレイド基など
である。
R1,R2,R3もしくはR4がヘテロ環基を表わすとき、ヘテ
ロ原子として窒素原子、酸素原子、及びイオウ原子を含
む5員または6員環の単環もしくは縮合環を表わし、ピ
リジル基、キノリル基、フリル基、ベンゾチアゾリル
基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、
トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、イミド基、オ
キサジン基などから選ばれ、これらはさらに前記アリー
ル基について列挙した置換基によって置換されてもよ
い。
一般式(2E)及び(4)において、R2に含まれる炭素
数は1〜15である。
上記一般式(5)において、R3及びR4に含まれる炭素
数の合計は1〜15である。
上記一般式(1)おいてYは下記一般式(6)を表わ
す。
拡散性DIR化合物一般式(6) −TIME−INHIBIT 式中、TIME基はカプラーのカップリング位と結合し、
カラー現像主薬との反応により開裂できる基であり、カ
プラーより開裂した後INHIBIT基を適度に制御して放出
できる基である。INHIBIT基は現像抑制剤である。
一般式(6)において−TIME−INHIBIT基は下記一般
式(7)〜(13)を表わす。
一般式(7)〜(13)において、R5は水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アニリノ基、
アシルアミノ基、ウレイド基、シアノ基、ニトロ基、ス
ルホンアミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、
アリール基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基ま
たはアルカンスルホニル基を表わし、 一般式(7),(8),(9),(11)及び(13)に
おいて、lは1または2を表わし、 一般式(7),(11),(12)及び(13)において、
kは0から2の整数を表わし、 一般式(7),(10)及び(11)において、R6はアル
キル基、アルケニル基、アラルキル基、シクロアルキル
基またはアリール基を表わし、 一般式(12)及び(13)において、Bは酸素原子また
(R6はすでに定義したのと同じ意味を表わす。)を表わ
し、 INHIBIT基は一般式(2A),(2B),(3),(4)
及び(5)で定義した一般式と炭素数以外は同じ意味を
表わす。
ただし一般式(2A),(2B)及び(3)において、一
分子中各々のR1に含まれる炭素数は合計して1〜32であ
り、一般式(4)において、R2に含まれる炭素数は1〜
32であり、一般式(5)において、R3及びR4に含まれる
炭素数の合計は0〜32である。
R5及びR6がアルキル基を表わすとき置換もしくは無置
換、鎖状もしくは環状いずれであってもよい。置換基と
しては、R1〜R4アルキル基のときに列挙した置換基が挙
げられる。
R5及びR6がアリール基を表わすときアリール基は置換
されていてもよい。置換基としてはR1〜R4がアリール基
のときに列挙した置換基が挙げられる。
上記の拡散性DIR化合物のうち、一般式(2A),(2
B),(2E)ないし(5)で表わされる離脱基をもつも
のは特に好ましい。
一般式(1)においてAで表わされるイエロー色画像
形成カプラー残基としては、ピバロイルアセトアニリド
型、ベンゾイルアセトアニリド型、マロンジエステル
型、マロンジアミド型、ジベンゾイルメタン型、ベンゾ
チアゾリルアセトアミド型、マロンエステルモノアミド
型、ベンゾチアゾリルアセテート型、ベンズオキサゾリ
ルアセトアミド型、ベンズオキサゾリルアセテート型、
マロンジエステル型、ベンズイミダゾリルアセトアミド
型もしくはベンズイミダゾリルアセテート型のカプラー
残基、米国特許3,841,880号に含まれるヘテロ環置換ア
セトアミドもしくはヘテロ環置換アセテートから導かれ
るカプラー残基又は米国特許3,770,446号、英国特許1,4
59,171号、西独特許(OLS)2,503,099号、特開昭50−13
9738号もしくはリサーチディスクロージャー15737号等
に記載のアシルアセトアミド類から導かれるカプラー残
基又は、米国特許4,046,574号に記載のヘテロ環型カプ
ラー残基等が挙げられる。
Aで表されるマゼンタ色画像カプラー残基としては5
−オキソ−2−ピラゾリン核、ピラゾロ−[1,5−a]
ベンズイミダゾール核又はシアノアセトフェノン型カプ
ラー残基を有するカプラー残基が好ましい。
Aで表わされるシアン色画像形成カプラー残基として
はフェノール核またはα−ナフトール核を有するカプラ
ー残基、インダゾロン系又はピラゾロトリアゾール系カ
プラー残基が好ましい。
さらに、カプラーが現像主薬の酸化体とカップリング
し現像抑制剤を放出した後、実質的に色素を形成しなく
てもDIRカプラーとしての効果は同じである。Aで表わ
されるこの型のカプラー残基としては米国特許4,052,21
3号、同4,088,491号、同3,632,345号、同3,958,993号又
は同3,961,959号に記載のカプラー残基等が挙げられ
る。
以下、本発明の拡散性DIR化合物の具体例を挙げるが
これらに限定されない。
[例示化合物] これらの化合物は米国特許4,234,678号、同3,227,554
号、同3,617,291号、同3,958,993号、同4,149,886号、
同3,933,500号、特開昭57−56837号、特公昭51−13239
号、英国特許2,072,363号、同2,070,266号、リサーチデ
ィスクロージャー1981年12月第21228号などに記載され
た方法で容易に合成できる。
本発明に有用な内部にカブリ核を有する乳剤は、たと
えば支持体上に3g/m2となるように塗布し、像様露光の
後、漂白液Aで20℃、5分間処理したのち内部現像液B
で20℃、5分間現像したとき、実質的に画像を形成しえ
ない程度にまでかぶらされていることが好ましいが、内
部に画像を形成する能力を有するもの(内部潜像型)で
あってもよい。特に好ましくは前記漂白−現像処理にお
いて、最低画像濃度(Dmin)の最高画像濃度(Dmax)に
対する比(内部カブリ度を称する)が0.3〜1.0のもので
ある。
本発明に有用な内部にカブリ核を有する乳剤は、表面
にカブリ核が存在しないことが好ましく、前記塗布試料
を表面現像液Cで20℃、6分間現像したときのカブリ銀
の量を蛍光X線法によって測定したとき、全塗布銀量に
対して20モル%以下であることが好ましい。
(漂白液A) 赤血塩 3g フェノサフラニン 0.0125g 水を加えて全量1とする。
(内部現像液B) N−メチル−p−アミノフェノール サルフェイト 2.0g 亜硫酸ナトリウム 90g ハイドロキノン 8.0g 炭酸ナトリウム1水和物 52.5g 臭化カリウム 5g チオ硫酸ナトリウム 10g 水を加えて全量1とする。
(表面現像液C) N−メチル−p−アミノフェノール サルフェイト 2.5g アスコルビン酸 10g 2−ジエチルアミノエタノール 25g 臭化カリウム 1g 炭酸ナトリウム1水和物 55.6g 水を加えて全量1とする。
ハロゲン化銀粒子内部にカブリを与えるには単に光を
乳剤に照射することでもよいし、あるいは他の方法、例
えば化学的にカブラせる方法も使用できる。
高い内部カブリと低い表面カブリを有する乳剤は、内
部と表面ともに感度を有する乳剤をカブラせた後フエリ
シアン化カリウム液で漂白することによっても得ること
ができる。
その他の内部にカブリ核を有する乳剤の製造方法とし
て、X線の如き高いエネルギー放射、又は紫外線、又は
可視光線をカブリのない内部潜像型乳剤に露光する方法
も可能である。
内部潜像型乳剤は、たとえば米国特許第2,592,250号
に記載されているが、沃化銀を含む必要のないその他の
乳剤も本発明に使用できる。内部潜像型の塩臭化銀乳剤
及び臭化銀乳剤は、その他の各種の内部潜像型乳剤と同
様に本発明に使用することができる。本発明に有用な内
部潜像型ハロゲン化銀乳剤は、種々の方法で調製される
ものが含まれる。例えば、米国特許第2,592,250号明細
書、特開昭52−18309号公報に記載されているコンバー
ジョン型ハロゲン化銀乳剤、米国特許第3,206,313号、
同第3,317,322号、同第3,367,778号明細書、特公昭43−
29405号公報に記載されている内部化学増感されたハロ
ゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、米国特許第3,
271,157号、同第3,447,927号、同第3,531,291号、同第
3,703,584号明細書に記載されている多価金属イオンを
内蔵しているハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳
剤、英国特許第1,027,146号、英国特許第3,761,266号、
同第3,761,276号明細書、特開昭49−106321号、同50−8
524号、同53−60222号公報に記載されている積層構造を
有する粒子からなるハロゲン化銀乳剤、および英国特許
第3,511,622号明細書、特開昭51−74062号公報に記載さ
れているアンモニア法により調製された沃化銀を含有す
るハロゲン化銀乳剤などである。
本発明において好ましく用いられる内部にカブリ核を
有するハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子に光学的
又は化学的にカブリ核を与えたのち、銀塩水溶液を加え
て粒子上にハロゲン化銀を成長させて被覆したものであ
る。
化学的にカブリを与える方法としては、たとえばpAg1
〜8、pH6〜14、温度30〜80℃で10〜180分間程度熟成す
る方法を用いうる。
熟成時に硫黄増感剤、還元増感剤および貴金属増感剤
等を単独又は組合わせて用いることにより、さらに有効
にカブリ核を与えることができ、好ましい。
硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チア
ゾール類、ローダニン類、その他の化合物を用いること
ができ、それらの具体例は、米国特許1,574,944号、2,4
10,689号、2,278,947号、2,728,668号、3,656,955号、
4,032,928号、4,067,740号に記載されている。還元増感
剤としては二酸化チオ尿素類、第1すず塩、アミン類、
ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラ
ン化合物などを用いることができ、それらの具体例は米
国特許2,487,850号、2,419,974号、2,518,698号、2,98
3,609号、2,983,610号、2,694,637号、3,930,867号、4,
054,458号に記載されている。
貴金属増感剤としては金錯塩のほか、白金、イリジウ
ム、パラジウム等の周期律表VIII族の金属の錯塩を用い
ることができ、その具体例は米国特許2,399,083号、同
2,448,060号、英国特許618,061号などに記載されてい
る。
前記カブリを与えたハロゲン化銀粒子上にハロゲン化
銀を成長させる方法としては、水溶性銀塩溶液と水溶性
ハロゲン塩溶液を、前記カブリを与えたハロゲン化銀粒
子を含む水溶性保護コロイド液中に、ハロゲン化銀の成
長スピードに合わせて同時に注入するダブルジェット法
をはじめ、シングルジェット法、トリプルジェット法、
或いはそれらの組合わせ等任意の混合法により調製する
ことができ、また、アンモニア法、中性法、酸性法のい
ずれを用いてもよい。乳剤調製時における乳剤液相中の
pAg,pHは必要に応じてコントロールすることができる。
好ましいpAgは2〜13の範囲であり、好ましいpHは2乃
至13の範囲である。また、乳剤調製時の乳剤液温は30乃
至90℃、より好ましくは35℃〜70℃で行われる。
本発明に用いられる内部にカブリ核を有するハロゲン
化銀乳剤は、そのハロゲン化銀組成は任意のハロゲン化
銀、例えば臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃
臭化銀等が包含される。
そのハロゲン化銀組成は好ましくは臭化銀または塩臭
化銀から実質的になる(Ag I≦5モル%)ものである。
本発明に用いられる内部にカブリ核を有するハロゲン
化銀の粒子サイズには特別な限定はないが、どちらかと
言えば微粒子が好ましく、特に平均粒子サイズとして0.
01〜0.75μm、更には0.01〜0.5μmが好ましい。
また、内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤の粒
子形状には特別な限定はなく、規則的な(regular)粒
子でも不規則な(irregular)粒子でもよいが、8面
体、立方体、14面体のような正常晶であることが好まし
い。
内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤は、多分散
でも良いが、単分散(特に粒径分布の変動係数が20%以
下のもの)である方が好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料における感光性ハ
ロゲン化銀粒子と内部のかぶったハロゲン化銀粒子との
含有比率は、使用される乳剤の型(例えばハロゲン組
成)、使用される感光材料の種類、使用される乳剤のコ
ントラストなどによって変えることができるが、一般に
感光性ハロゲン変銀粒子の内部にカブリ核を有するハロ
ゲン化銀粒子に対する比がハロゲン化銀のモル比におい
て等しいか、又は大きい場合に有用な結果が得られる。
通常、感光性ハロゲン化銀粒子に対して、ハロゲン化銀
のモルで0.5〜100%、特に2〜50%、更には5〜30%の
範囲で内部カブリ核を有するハロゲン化銀粒子を用いる
ことが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤層は、感光性ハロゲン
化銀乳剤と内部カブリを与えたハロゲン化銀乳剤との混
合物から成ることができる。或いは、これらの二つの型
の乳剤は接した層として塗布することもできる。この二
つの型の乳剤を別の層に塗布する場合に於ては、どちら
の層を上にしてもかまわない。何故なら内部カブリを与
えた乳剤は、充分な透明性を有するので感光性ハロゲン
化銀乳剤を支持体に密接して置いても、露光に対し内部
カブリを与えた乳剤を通して充分に透過光を受けること
ができるからである。なお、これらの二つの型の乳剤を
隣接した層として塗設する場合、これらの乳剤層の間
に、本発明の効果を損わない範囲で透水性の層が設けら
れていてもよい。
本発明はカラーネガフィルムに適用される。
カラーネガフィルムは、一般に青感性、緑感性、赤感
性のハロゲン化銀乳剤層と非感光性親水性コロイド層と
からなり、本発明は支持体上のこれらの層の配列になん
ら制限を受けるものではない。
本発明による効果を特に発揮しうる層構成は、支持体
から順次、コロイド銀ハレーション防止層(中間層)、
赤感性層(中間層)、緑感性層(中間層)、コロイド銀
黄色フィルター層、青感性層(中間層)、保護層を塗布
したもの、更には支持体から順次、コロイド銀ハレーシ
ョン防止層(中間層)、赤感性層(中間層)、緑感性層
(中間層)、青感性層(中間層)、赤感性層(中間
層)、緑感性層(コロイド銀黄色フィルター層)、青感
性層(中間層)、保護層を塗布した層構成である。
なお( )中の層は省略しても良い。上記赤感性層、
緑感性層及び青感性層は低感度と高感度の層に各々分割
されていても良い。また特公昭49−15495号に見られる
様な赤感性層、緑感性層、青感性層の少なくとも1つを
3つの部分層に分けた層構成、特開昭51−49027号に見
られる様な高感度乳剤層単位と低感度入再層単位を分け
た層構成、並びに西独公開2,622,922号、同2,622,923
号、同2,622,924号、同2,704,826号及び同2,704,797号
に見られる層構成等が挙げられる。
本発明は青感性層、緑感性層、赤感性層のいずれにも
適用可能であり、各感色性層が複数から成る場合、高感
度層、中感度層、低感度層のいずれの層にも適用が可能
である。
本発明の効果は最高感度層に適用されたとき最も効果
が大きく、さらに好ましくは同一感色性のすべての層に
適用されることである。
本発明において感光性ハロゲン化銀乳剤には、ハロゲ
ン化銀として臭化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、
塩沃臭化銀、および塩化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤
を使用される任意のものを用いることができるが特に臭
化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀であることが好ましい。
感光性ハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒
子は、酸性法、中性法及びアンモニア法のいずれで得ら
れたものでもよい。該粒子は一時に成長させてもよい
し、種粒子をつくった後成長させてもよい。種粒子をつ
くる方法と成長させる方法は同じであっても、異なって
もよい。
感光性ハロゲン化銀乳剤はハロゲン化物イオンと銀イ
オンを同時に混合しても、いずれか一方が存在する液中
に、他方を混合してもよい。また、ハロゲン化銀結晶の
臨界成長速度を考慮しつつ、ハロゲン化物イオンと銀イ
オンを混合釜内のpH、pAgをコントロールしつつ逐次同
時に添加することにより生成させてもよい。この方法に
より、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲ
ン化銀粒子が得られる。Ag Xの形成の任意の工程でコン
バージョン法を用いて、粒子のハロゲン組成を変化させ
てもよい。
感光性ハロゲン化銀粒子の成長時にアンモニア、チオ
エーテル、チオ尿素等の公知のハロゲン化銀溶剤を存在
させることができる。
感光性ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程及び
/又は成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛
塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジウ
ム塩(錯塩を含む)及び鉄塩(錯塩を含む)から選ばれ
る少なくとも1種を用いて金属イオンを添加し、粒子内
部に及び/又は粒子表面にこれらの金属元素を含有させ
ることができ、また適当な還元的雰囲気におくことによ
り、粒子内部及び/又は粒子表面に還元増感核を付与で
きる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化
銀粒子の成長の終了後に不要な可溶性塩類を除去しても
よいし、あるいは含有させたままでもよい。該塩類を除
去する場合には、リサーチ・ディスクロジャー(Resear
ch Disclosure以下RDと略す)17643号II項に記載の方
法に基づいて行うことができる。
感光性ハロゲン化銀粒子は、粒子内において均一なハ
ロゲン化銀組成分布を有するものでも、粒子の内部と表
面層とでハロゲン化銀組成が異なるコア/シェル粒子で
あってもよい。
本発明の感光性のハロゲン化銀粒子は、潜像が主とし
て表面に形成されるような粒子であることが好ましい。
感光性ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面
体のような規則的な結晶形を持つものでもよいし、球状
や板状のような変則的な結晶形を持つものでもよい。こ
れらの粒子において、{100}面と{111}面の比率は任
意のものが使用できる。又、これら結晶形の複合形を持
つものでもよく、様々な結晶形の粒子が混合されてもよ
い。
ハロゲン化銀粒子のサイズとしては0.05〜30μ、好ま
しくは0.1〜20μのものを用いうる。
感光性ハロゲン化銀乳剤は、いかなる粒子サイズ分布
を持つものを用いても構わない。粒子サイズ分布の広い
乳剤(多分散乳剤と称する)を用いてもよいし、粒子サ
イズ分布の狭い乳剤(単分散乳剤と称する。ここでいう
単分散乳剤とは、粒径の分布の標準偏差を平均粒径で割
ったときに、その値が0.20以下のものをいう。ここで粒
径は球状のハロゲン化銀の場合はその直径を、球状以外
の形状の粒子の場合は、その投影像を同面積の円像に換
算したときの直径を示す。)を単独又は数種類混合して
もよい。又、多分散乳剤と単分散乳剤を混合して用いて
もよい。
ハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種以上のハロ
ゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
感光性ハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感する
ことができる。即ち、硫黄増感法、セレン増感法、還元
増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増感法
などを単独で又は組み合わせて用いることができる。
感光性ハロゲン化銀乳剤は、写真業界において増感色
素として知られている色素を用いて、所望の波長域に光
学的に増感できる。増感色素は単独で用いてもよいが、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。増感色素ととも
にそれ自身分光増感作用を持たない色素、あるいは可視
光を実質的に吸収しない化合物であって、増感色素の増
感作用を強める強色増感剤を乳剤中に含有させてもよ
い。
増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色
素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素ホロポー
ラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ステリル色素お
よびヘミオキサノール色素が用いられる。
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色
素、および複合メロシアニン色素である。
ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存
中、あるいは写真処理中のカブリの防止、又は写真性能
を安定に保つことを目的として化学熟成中、化学熟成の
終了時、及び/又は化学熟成の終了後、ハロゲン化銀乳
剤を塗布するまでに、写真業界においてカブリ防止剤又
は安定剤として知られている化合物を加えることができ
る。
ハロゲン化銀乳剤のバインダー(又は保護コロイド)
としては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、ゼラチ
ン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、
それ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一
あるいは共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水
性コロイドも用いることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳
剤層、その他の親水性コロイド層は、バインダー(又は
保護コロイド)分子を架橋させ、膜強度を高める硬膜剤
を1種又は2種以上用いることにより硬膜することがで
きる。硬膜剤は、処理液中に硬膜剤を加える必要がない
程度に感光材料を硬膜できる量添加することができる
が、処理液中に硬膜剤を加えることも可能である。
例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキ
サール、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロール
化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダン
トインなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシ
ジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリア
クリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3−ビ
ニルスルホニル−2−プロパノールなど)、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコ
フェノキシクロル酸など)、などを単独または組み合わ
せて用いることができる。
感光材料のハロゲン化銀乳剤層及び/又は他の親水性
コロイド層には柔軟性を高める目的で可塑剤を添加でき
る。好ましい可塑剤は、RD 17643号のXII項のAに記載
の化合物である。
感光材料の写真乳剤層その他の親水性コロイド層には
寸度安定性の改良などを目的として、水不溶性又は難溶
性合成ポリマーの分散物(ラテックス)を含有させるこ
とができる。
例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシア
ルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル
(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィ
ン、スチレンなどの単独もしくは組合せ、又はこれらと
アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン
酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホ
アルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等
の組合せを単量体成分とするポリマーを用いることがで
きる。
感光材料の乳剤層には、発色現像処理において、芳香
族第1級アミン現像剤(例えばp−フェニレンジアミン
誘導体や、アミノフェノール誘導体など)の酸化体とカ
ップリング反応を行い色素を形成する色素形成カプラー
が用いられる。該色素形成カプラーは各々の乳剤層に対
して乳剤層の感光スペクトル光を吸収する色素が形成さ
れるように選択されるのが普通であり、青感性乳剤層に
はイエロー色素形成カプラーが、緑感性乳剤層にはマゼ
ンタ色素形成カプラーが、赤感性乳剤層にはシアン色素
形成カプラーが用いられる。しかしながら目的に応じて
上記組み合わせと異なった用い方でハロゲン化銀カラー
写真感光材料をつくってもよい。
これら色素形成カプラーは分子中にバラスト基と呼ば
れるカプラーを非拡散化する、炭素数8以上の基を有す
ることが望ましい。又、これら色素形成カプラーは1分
子の色素が形成されるために4分子の銀イオンが還元さ
れる必要がある4等量性であっても、2分子の銀イオン
が還元されるだけでよい2等量性のどちらでもよい。色
素形成カプラーには色補正の効果を有しているカラード
カプラー及び現像主薬の酸化体とのカップリングによっ
て現像促進剤、漂白促進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶
剤、調色剤、硬膜剤、カブリ剤、化学増感剤、分硬増感
剤のような写真的に有用なフラグメントを放出する化合
物が包含される。
芳香族第1級アミン現像剤の酸化体とカップリング反
応を行うが、色素を形成しない無色カプラー(競合カプ
ラーとも言う)を色素形成カプラーと併用して用いるこ
ともできる。
イエロー色素形成カプラーとしては、公知のアシルア
セトアニリド系カプラーを好ましく用いることができ
る。これらのうち、ベンゾイルアセトアニリド系及びピ
バロイルアセトアニリド系化合物は有利である。用い得
る黄色発色カプラーの具体例は、例えば米国特許第2,87
5,057号、同第3,265,506号、同第3,408,194号、同第3,5
51,155号、同第,3,582,322号、同第3,725,072号、同第
3,891,445号、西独特許1,547,868号、西独出願公開2,21
9,917号、同2,261,361号、同2,414,006号、英国特許第
1,425,020号、特公昭51−10783号、特開昭47−26133
号、同48−73147号、同50−6341号、同50−87650号、同
50−123342号、同50−130442号、同51−21827、同51−1
02636号、同52−82424号、同52−115219号、同58−9534
6号等に記載されたものである。
マゼンタ色素形成カプラーとしては、公知の5−ピラ
ゾロン系カプラー、ピラゾロベンツイミダゾール系カプ
ラー、ピラゾロトリアゾール系カプラー、開鎖アシルア
セトニトリル系カプラー、インダゾロン系カプラー等を
用いることができる。用い得るマゼンタ発色カプラーの
具体例は、例えば米国特許第2,600,788号、同第2,983,6
08号、同第3,062,653号、同第3,127,269号、同第3,311,
476号、同第3,419,391号、同第3,519,429号、同第3,55
8,319号、同第3,582,322号、同第3,615,506号、同第3,8
34,908号、同第3,891,445号、西独特許1,810,464号、西
独特許出願(OLS)2,408,665号、同2,417,945号、同2,4
18,959号、同2,424,467号、特公昭40−6031号、特開昭4
9−74027号、同49−74028号、同49−129538号、同50−6
0233号、同50−159336号、同51−20826号、同51−26541
号、同52−42121号、同52−58922号、同53−55122号、
特願昭55−110943号等に記載のものが挙げられる。
シアン色素形成カプラーとしては、フェノールまたは
ナフトール系カプラーが一般的に用いられる。用い得る
シアン発色カプラーの具体例は例えば米国特許第2,423,
730号、同第2,474,293号、同第2,801,171号、同第2,89
5,826号、同第3,476,563号、同第3,737,326号、同第3,7
58,308号、同第3,893,044号明細書、特開昭47−37425
号、同50−10135号、同50−25228号、同50−112038号、
同50−117422号、同50−130441号公報等に記載されてい
るものや、特開昭58−98731号公報に記載されているカ
プラーが好ましい。
ハロゲン化銀結晶表面に吸着させる必要のない色素形
成カプラー、カラードカプラー、DIR化合物、画像安定
剤、色カブリ防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等のう
ち、疎水性化合物は固体分散法、ラテックス分散法、水
中油滴型乳化分散法等、種々の方法を用いることがで
き、これはカプラー等の疎水性化合物の化学構造等に応
じて適宜選択することができる。水中油滴型乳化分散法
は、カプラー等の疎水性添加物を分散させる従来公知の
方法が適用でき、通常、沸点約150℃以上の高沸点有機
溶媒に必要に応じて低沸点、及び又は水溶性有機溶媒を
併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダ
ー中に界面活性剤を用いて撹はん器、ホモジナイザー、
コロイドミル、フロージットミキサー、超音波装置等の
分散手段を用いて、乳化分散した後、目的とする親水性
コロイド液中に添加すればよい。分散液又は分散と同時
に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。
高沸点溶媒としては現像主薬の酸化体と反応しないフ
ェノール誘導体、フタール酸アルキルエステル、リン酸
エステル、クエン酸エステル、安息香酸エステル、アル
キルアミド、脂肪酸エステル、トリメシン酸エステル等
の沸点150℃以上の有機溶媒が用いられる。
高沸点溶媒と共に、又はその代わりに低沸点又は水溶
性有機溶媒を使用できる。低沸点の実質的に水に不溶の
有機溶媒としてはエチレアセテート、プロピルアセテー
ト、ブチルアセテート、ブタノールクロロホルム、四塩
化炭素、ニトロメタン、ニトロエタン、ベンゼン等があ
る。
色素形成カプラー、カラードカプラー、DIR化合物、
画像安定剤、色カブリ防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白
剤等がカルボン酸、スルフォン酸のごとき酸基を有する
場合には、アルカリ性水溶液として親水性コロイド中に
導入することもできる。
疎水性化合物を低沸点溶媒単独又は高沸点溶媒と併用
した溶媒に溶かし、機械的又は超音波を用いて水中に分
散するときの分散助剤として、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性
界面活性剤を用いることができる。
感光材料の乳剤層間(同一感色性層間及び/又は異な
った感色性層間)で、現像主薬の酸化体又は電子移動剤
が移動して色濁りが生じたり、鮮鋭性が劣化したり、粒
状性が目立つのを防止するために色カブリ防止剤を用い
ることができる。
該色カブリ防止剤は乳剤層自身に含有させてもよい
し、中間層を隣接乳剤層間に設けて、該中間層に含有さ
せてもよい。
感光材料には、色素画像の劣化を防止する画像安定剤
を用いることができる。好ましく用いることのできる化
合物はRD 17643号のVII項Jに記載のものである。
感光材料の保護層、中間層等の親水性コロイド層は感
光材料が摩擦等で帯電することに起因する放電によるカ
ブリ防止及び画像の紫外線による劣化を防止するために
紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
感光材料の保存中のホルマリンによるマゼンタ色素形
成カプラー等の劣化を防止するために、感光材料のホル
マリンスカベンジャーを用いることができる。
感光材料の親水性コロイド層に染料や紫外線吸収剤等
を含有させる場合に、それらはカチオン性ポリマー等の
媒染剤によって媒染されてもよい。
感光材料のハロゲン代銀乳剤層及び/又はその他の親
水性コロイド層に現像促進剤、現像遅延剤等の現像性を
変化させる化合物や漂白促進剤を添加できる。現像促進
剤として好ましく用いることのできる化合物は、RD 176
43号のXXI項B〜D項記載の化合物であり、現像遅延剤
は、17643号のXXI項E項記載の化合物である。現像促
進、その他の目的で白黒現像主薬、及び/又はそのプレ
カーサーを用いてもよい。
写真感光材料の乳剤層は、感度上昇、コントラスト上
昇、又は現像促進の目的でポリアルキレンオキシド又は
そのエーテル、エステル、アミン等の誘導体、チオエー
テル化合物、チオモルフォリン類、4級アンモニウム化
合物、ウレタン誘導体、尿素誘導体、イミダゾール誘導
体等を含んでもよい。
感光材料には、白地の白さを強調するとともに白地部
の着色を目立たせない目的で蛍光増白剤を用いることが
できる。蛍光増白剤として好ましく用いることのできる
化合物がRD 17643号のV項に記載されている。
感光材料には、フィルター層、ハレーション防止層、
イラジエーション防止層等の補助層を設けることができ
る。これらの層中及び/又は乳剤層には現像処理中に感
光材料から流出するかもしくは漂白される染料が含有さ
せられてもよい。このような染料には、オキソノール染
料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、メロシアニ
ン染料、シアニン染料、アゾ染料等を挙げることができ
る。
感光材料のハロゲン化銀乳剤層及び/又はその他の親
水性コロイド層に感光材料の光沢の低減、加筆性の改
良、感光材料相互のくっつき防止等を目的としてマット
剤を添加できる。マット剤としては任意のものが用いら
れるが、たとえば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸
化マグネシウム、二酸化アルミニウム、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体
およびそれらエステル、ポリビニル樹脂、ポリカーボネ
ートならびにスチレンの重合体およびその共重合体など
があげられる。マット剤の粒径は0.05μ〜10μのものが
好ましい。添加する量は1〜30mg/m2が好ましい。
感光材料には滑り摩擦を低減させるために滑剤を添加
できる。
感光材料に、帯電防止を目的とした帯電防止剤を添加
できる。帯電防止剤は支持体の乳剤を積層してない層の
帯電防止層に用いてもよく、乳剤層及び/又は支持体に
対して乳剤層が積層されている側の乳剤層以外の保護コ
ロイド層に用いられてもよい。好ましく用いられる帯電
防止剤はRD17643号XIIIに記載されている化合物であ
る。
感光材料の写真乳剤層及び/又は他の親水性コロイド
層には、塗布性改良、帯電防止、滑り性改良、乳化分
散、接着防止、写真特性(現像促進、硬膜化、増感等)
改良等を目的として、種々の界面活性剤を用いることが
できる。
本発明の感光材料に用いられる支持体には、α−オレ
フィンポリマー(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン/ブテン共重合体)等をラミネートした
紙、合成紙等の可撓性反射支持体、酢酸セルロース、硝
酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド
等の半合成又は合成高分子からなるフィルムや、これら
のフィルムに反射層を設けた可撓性支持体、ガラス、金
属、陶器などが含まれる。
感光材料は必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫
外線照射、火焔処理等を施した御、直接に又は支持体表
面の接着性、帯電防止性、寸法安定性、耐摩耗性、硬
さ、ハレーション防止性、摩擦特性、及び/又はその他
の特性を向上するための1層以上の下塗層を介して塗布
されてもよい。
感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させる為に増
粘剤を用いてもよい。又、例えば硬膜剤の如く、反応性
が早いために予め塗布液中に添加すると塗布する前にゲ
ル化を起こすようなものについては、スタチックミキサ
ー等を用いて塗布直前に混合するのが好ましい。
塗布法としては、2種以上の層を同時に塗布すること
のできるエクストルージョンコーティング及びカーテン
コーティングが特に有用であるが、目的によってはパケ
ット塗布も用いられる。又、塗布速度は任意に選ぶこと
ができる。
界面活性剤としては、特に限定しないが、例えばサポ
ニン等の天然界面活性剤、アルキレンオキシド系、グリ
セリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤、
高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウ
ム類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸、スルホン
酸、リン酸、硫酸エステル、リン酸エステル等の酸性基
を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホ
ン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル
類等の両性界面活性剤を添加してもよい。また、同様の
目的の為に、フッ素系界面活性剤を使用することも可能
である。
本発明の感光材料は、像様露光後、黒白現像すること
なしに少なくとも発色現像処理工程、漂白処理工程、定
着処理工程からなるカラー写真処理を行って、色素画像
を得る。カラー処理は、発色現像処理工程、漂白処理工
程、定着処理工程、水洗処理工程及び必要に応じて安定
化処理工程を行うが、漂白液を用いた処理工程と定着液
を用いた処理工程の代わりに、1浴漂白定着液を用い
て、漂白定着処理工程を行うこともできるし、発色現
像、漂白、定着を1浴中で行うことができる1浴現像漂
白定着処理液を用いたモノバス処理工程を行うこともで
きる。
これらの処理工程に組み合わせて前硬膜処理工程、そ
の中和工程、停止定着処理工程、後硬膜処理工程等に行
ってもよい。これら処理において発色現像処理工程の代
わりに発色現像主薬、またはそのプレカーサーを材料中
に含有させておき現像処理をアクチベーター液で行うア
クチベーター処理工程を行ってもよいし、そのモノバス
処理にアクチベーター処理を適用することができる。こ
れらの処理中、代表的な処理を次に示す。(これらの処
理は最終工程として、水洗処理工程、水洗処理工程及び
安定化処理工程のいずれかを行う。) ・発色現像処理工程−漂白処理工程−定着処理工程 ・発色現像処理工程−漂白定着処理工程 ・前硬膜処理工程−発色現像処理工程−停止定着処理工
程−水洗処理工程−漂白処理工程−定着処理工程−水洗
処理工程−後硬膜処理工程 ・発色現像処理工程−水煙処理工程−補足発色現像処理
工程−停止処理工程−漂白処理工程−定着処理工程 ・アクチベーター処理工程−漂白定着処理工程 ・アクチベーター処理工程−漂白処理工程−定着処理工
程 ・モノバス処理工程 処理温度は通常、10℃〜65℃の範囲に選ばれるが、65
℃をこえる温度としてもよい。好ましくは25℃〜45℃で
処理される。
発色現像液は、一般に発色現像主液を含むアルカリ性
水溶液からなる。発色現像主薬は芳香族第1級アミン発
色現像主薬であり、アミノフェノール系及びp−フェニ
レンジアミン系誘導体が含まれる。これらの発色現像主
薬は有機酸及び無機酸の塩として用いることができ、例
えば塩機酸、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、亜硫
酸塩、シュウ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等を用いるこ
とができる。
これらの化合物は一般に発色現像液1について約0.
1〜30gの濃度、更に好ましくは、発色現像液1につい
て約1〜15gの濃度で使用する。0.1gよりも少ない添加
量では充分なる発色濃度が得られない。
本発明に用いられるアミノフェノール系現像主薬とし
ては例えば、o−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、5−アミノ−2−オキシ−トルエン、2−アミノ
−3−オキシ−トルエン、2−オキシ−3−アミノ−1,
4−ジメチル−ベンゼン等が含まれる。
特に有用な第1級芳香族アミン系発色現像主薬はN,
N′−ジアルキル−p−フェニレンジアミン系化合物で
あり、アルキル基及びフェニル基は置換されていても、
あるいは置換されていなくてもよい。その中でも特に有
用な化合物例としてはN−N′−ジメチル−p−フェニ
レンジアミン塩酸塩、N−メチル−p−フェニレンジア
ミン塩酸塩、N,N′−ジメチル−p−フェニレンジアミ
ン塩酸塩、2−アミノ−5−(N−エチル−N−ドデシ
ルアミノ)−トルエン、N−エチル−N−β−メタンス
ルホンアミドエチル−3−メチル−4−アミノアニリン
硫酸塩、N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ
アニリン、4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルア
ニリン、4−アミノ−N−(2−メトキシエチル)−N
−エチル−3−メチルアニリン−p−トルエンスルホネ
ート等を挙げることができる。
また、上記発色現像主薬は単独であるいは2種以上併
用して用いてもよい。更に又、上記発色現像主薬はカラ
ー写真材料中に内蔵されてもよい。この場合、ハロゲン
化銀カラー写真感光材料を発色現像液のかわりにアルカ
リ液(アクチベーター液)で処理することも可能であ
り、アルカリ液処理の後、直ちに漂白定着処理される。
本発明に用いる発色現像液は、現像液に通常用いられ
るアルカリ剤、例えば水酸化ナトリウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、硫酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウムまたは硼
砂等を含むことができ、更に種々の添加剤、例えばベン
ジルアルコール、ハロゲン化アルカリ金属、例えば、臭
化カリウム、又は塩化カリウム等、あるいは現像調節剤
として例えばシトラジン酸等、保恒剤としてヒドロキシ
ルアミンまたは亜硫酸塩等を含有してもよい。さらに各
種消泡剤や界面活性剤を、またメタノール、ジメチルホ
ルムアミドまたはジメチルスルホキシド等の有機溶剤等
を適宜含有せしめることができる。
本発明に用いる発色現像液のpHは通常7以上であり、
好ましくは約9〜13である。
また、本発明に用いられる発色現像液には必要に応じ
て酸化防止剤としてジエチルヒドロキシアミン、テトロ
ン酸、テトロンイミド、2−アニリノエタノール、ジヒ
ドロキシアセトン、芳香族第2アルコール、ヒドロキサ
ム酸、ベントースまたはヘキソース、ピロガロール−1,
3−ジメチルエーテル等が含有されていてもよい。
本発明に用いる発色現像液中には、金属イオン封鎖剤
として、種々のキレート剤を併用することができる。例
えば、該キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸、ジ
エチレントリアミノ五酢酸等のアミンポリカルボン酸、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸等の
有機ホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)も
しくはエチレンジアミンテトラリン酸等のアミノポリホ
スホン酸、クエン酸もしくはグルコン酸等のオキシカル
ボン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸
等のホスホノカルボン酸、トリボリリン酸もしくはヘキ
サメタリン酸等のポリリン酸等、ポリヒドロキシ化合物
等が挙げられる。
漂白処理工程は、前述したように定着処理工程と同時
に行われてもよく、個別に行われてもよい。漂白剤とし
ては有機酸の金属錯塩が用いられ、例えばポリカルボン
酸、アミノポリカルボン酸又は蓚酸、クエン酸等の有機
酸で、鉄、コバルト、銅等の金属イオンを配位したもの
が用いられる。上記の有機酸のうちで最も好ましい有機
酸としては、ポリカルボン酸又はアミノポリカルボン酸
が挙げられる。これらの具体例としてはエチレンジアミ
ンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチ
レンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′
−トリ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロ
トリ酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、イミノ
ジ酢酸、ジヒロキシエチルグリシンクエン酸(又は酒石
酸)、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコール
エーテルジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ
プロピオン酸、フェニレンジアミンテトラ酢酸等を挙げ
ることができる。
これらのポリカルボン酸はアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩もしくは水溶性アミン塩であってもよい。これら
の漂白剤は5〜450g/、より好ましくは20〜250g/で
使用する。
漂白液には前記の如き漂白剤以外に、必要に応じて保
恒剤として亜硫酸塩を含有する組成の液が適用される。
又、エチレンジアミンテトラ酢酸鉄(III)錯塩漂白剤
を含み、臭化アンモニウムの如きハロゲン化物を多量に
添加した組成からなる漂白液であってもよい。前記ハロ
ゲン化物としては、臭化アンモニウムの他に塩化水素
酸、臭化水素酸、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム、沃化アンモ
ニウム等も使用することができる。
本発明に用いられる漂白液には、特開昭46−280号、
特公昭45−8506号、同46−556号、ベルギー特許第770,9
10号、特公昭45−8836号、同53−9854号、特開昭54−71
634号及び同49−42349号等に記載されている種々の漂白
促進剤を添加することができる。
漂白液のpHは2.0以上で用いられるが、一般には4.0〜
9.5で使用され、望ましくは4.5〜8.0で使用され、最も
好ましくは5.0〜7.0である。
定着液は一般に用いられる組成のものを使用すること
ができる。定着剤としては通常の定着処理に用いられる
ようなハロゲン化銀と反応して水溶性の錯塩を形成する
化合物、例えば、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸アンモニウムの如きチオ硫酸塩、チオシア
ン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸
アンモニウムの如きチオシアン酸塩、チオ尿素、チオエ
ーテル等がその代表的なものである。これらの定着剤は
5g/以上、溶解できる範囲の量で使用するが、一般に
は70〜250g/で使用する。尚、定着剤はその一部を漂
白槽中に含有することができるし、逆に漂白剤の一部を
定着槽中に含有することもできる。
尚、漂白液及び/又は定着液には硼酸、硼砂、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸、酢
酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各種pH緩衝剤を
単独であるいは2種以上組み合わせて含有せしめること
ができる。さらに又、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるい
は界面活性剤を含有せしめることもできる。又、ヒドロ
キシアルミン、ヒドラジン、アルデヒド化合物の重亜硫
酸付加物等の保恒剤、アミノポリカルボン酸等の有機キ
レート化剤あるいはニトロアルコール、硝酸塩等の安定
剤、水溶性アルミニウム塩の如き硬膜剤、メタノール、
ジメチルスルホアミド、ジメチルスルホキシド等の有機
溶媒等を適宜含有せしめることができる。
定着液のpHは3.0以上で用いられるが、一般には4.5〜
10で使用され、望ましくは5〜9.5で使用され、最も好
ましくは6〜9である。
漂白定着液に使用される漂白剤として上記漂白処理工
程に記載した有機酸の金属錯塩を挙げることができ、好
ましい化合物及び処理液における濃度も上記漂白処理工
程におけると同じである。
漂白定着液には前記の如き漂白剤以外のハロゲン化銀
定着剤を含有し、必要に応じて保恒剤として亜硫酸塩を
含有する組成の液が適用される。また、エチレンジアミ
ン四酢酸鉄(III)錯塩漂白剤と前記のハロゲン化銀定
着剤の他の臭化アンモニウムの如きハロゲン化物を少量
添加した組成からなる漂白定着液、あるいは逆に臭化ア
ンモニウムの如きハロゲン化物を多量に添加した組成か
らなる漂白定着液、さらにはエチレンジアミン四酢酸鉄
(III)錯塩漂白剤と多量の臭化アンモニウムの如きハ
ロゲン化物との組み合わせからなる組成の特殊な漂白定
着液等も用いる事ができる。前記ハロゲン化物として
は、臭化アンモニウムの他に塩化水素酸、臭化水素酸、
臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化ナ
トリウム、沃化カリウム、沃化アンモニウム等も使用す
ることができる。
漂白定着液に含有させることができるハロゲン化銀定
着剤として上記定着処理工程に記載した定着剤を挙げる
ことができる。定着剤の濃度及び漂白定着液に含有させ
ることができるpH緩衝剤、その他の添加剤については上
記定着処理工程におけると同じである。
漂白定着液のpHは4.0以上で用いられるが、一般には
5.0〜9.5で使用され、望ましくは6.0〜8.5で使用され、
最も好ましくは6.5〜8.5である。
[実施例] 以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。
以下の全ての実施例において、ハロゲン化銀写真感光
材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当りのものを
示す。また、ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して
示した。
(比較試料の作成) トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に
示すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多
層カラー写真要素試料1を作製した。
試料−1(比較) 第1層;ハレーション防止層(HC−1) 黒色コロイド銀を含むゼラチン層。
第2層;中間層(I.L.) 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンの乳化分散物
を含むゼラチン層。
第3層;低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RL−1) 平均粒径()0.30μm、Ag I 6モル%を含むAg Br
Iからなる 単分散乳剤(乳剤I)…… 銀塗布量1.8g/m2 増感色素I…… 銀1モルに対して6×10-5モル 増感色素II…… 銀1モルに対して1.0×10-5モル シアンカプラー(C−1)…… 銀1モルに対して0.06モル カラードシアンカプラー(CC−1)…… 銀1モルに対して0.003モル DIR化合物(A)…… 銀1モルに対して0.0015モル DIR化合物(B)…… 銀1モルに対して0.002モル 第4層;高感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RH−1) 平均粒径()0.5μm、Ag I 7.0モル%を含むAg Br
Iからなる 単分散乳剤(乳剤II)…… 銀塗布量1.3g/m2 増感色素I…… 銀1モルに対して3×10-5モル 増感色素II…… 銀1モルに対して1.0×10-5モル シアンカプラー(C−1)…… 銀1モルに対して0.02モル カラードシアンカプラー(CC−1)…… 銀1モルに対して0.0015モル DIR化合物(B)…… 銀1モルに対して0.001モル 第5層;中間層(I.L.) 第2層と同じ、ゼラチン層。
第6層;低感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GL−1) 乳剤−I……塗布銀量1.5g/m2 増感色素III…… 銀1モルに対して2.5×10-5モル 増感色素IV…… 銀1モルに対して1.2×10-5モル マゼンタカプラー(M−1)…… 銀1モルに対して0.050モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)…… 銀1モルに対して0.009モル DIR化合物(A)…… 銀1モルに対して0.0010モル DIR化合物(C)…… 銀1モルに対して0.0030モル 第7層;高感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GH−1) 乳剤−II……塗布銀量1.4g/m2 増感色素III…… 銀1モルに対して1.5×10-5モル 増感色素IV…… 銀1モルに対して1.0×10-5モル マゼンタカプラー(M−1)…… 銀1モルに対して0.020モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)…… 銀1モルに対して0.002モル DIR化合物(C)…… 銀1モルに対して0.0010モル 第8層;イエローフィルター層(YC−1) 黄色コロイド銀と2,5−ジ−t−オクチルハイロドキ
ノンの乳化分散物とを含むゼラチン層。
第9層;低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(BL−1) 平均粒径0.48μm、Ag I 6モル%を含むAg Br Iからな
る 単分散乳剤(乳剤III)……銀塗布量0.9g/m2 増感色素V…… 銀1モルに対して1.3×10-5モル イエローカプラー(Y−1)…… 銀1モルに対して0.29モル 第10層;高感度青感性乳剤層(BH−1) 平均粒径0.8μm、AgI15モル%を含むAg Br Iからな
る 単分散乳剤(乳剤IV)……銀塗布量0.5g/m2 増感色素V…… 銀1モルに対して1.0×10-5モル イエローカプラー(Y−1)…… 銀1モルに対して0.08モル DIR化合物(D)…… 銀1モルに対して0.0015モル 第11層;第1保護層(Pro−1) 沃臭化銀(Ag I 1モル%平均粒径0.07μm)銀塗布量
0.5g/m2紫外線吸収剤UV−1,UV−2を含むゼラチン層。
第12層;第2保護層(Pro−2) ポリメチルメタクリレート粒子(直径1.5μm)及び
ホルマリンスカベンジャー(HS−1)を含むゼラチン層 尚各層には上記組成物の他に、ゼラチン硬化剤(H−
1)や界面活性剤を添加した。
試料1の各層に含まれる化合物は下記の通りである。
増感色素I;アンヒドロ5,5′−ジクロロ−9−エチル−
3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)チアカルボシアニ
ンヒドロキシド 増感色素II;アンヒドロ9−エチル−3,3′−ジ−(3−
スルホプロピル)−4,5,4′5′−ジベンゾチアカルボ
シアニンヒドロキシド 増感色素III;アンヒドロ5,5′−ジフェニル−9−エチ
ル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカルボ
シアニンヒドロキシド 増感色素IV;アンヒドロ9−エチル−3,3′−ジ−(3−
スルホプロピル)−5,6,5′6′−ジベンゾオキサカル
ボシアニンヒドロキシド 増感色素V;アンヒドロ3,3′−ジ−(3−スルホプロピ
ル)−4,5−ベンゾ−5′−メトキシアシアニン (A)〜(D)は比較化合物 (実施例1) (内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤の調整) 公知の方法によって得られた単分散であって、平均粒
径が0.15μである立方晶の純臭化銀乳剤をpAg6、pH7に
調整し、二酸化チオ尿素と塩化金酸水溶液を加え、60℃
で60分間熟成することによりカブリ乳剤を作った。
次にこの乳剤を一部分割して60℃で激しく撹拌し、ダ
ブルジェット法を用い、pAg9、pH6を保ちながら硝酸銀
水溶液と、臭化カリウム水溶液を加えて成長させ、平均
粒径0.25μで立方晶から成る単分散乳剤を作った。
この乳剤の内部カブリ度は0.99であり、表面現像にお
けるカブリ銀の比率は1%未満であった。また粒径の変
動係数は0.17であった(Em−1と呼ぶ)。Em−1と同様
な操作でカブリ熟成時間のみを5分間に短縮させてEm−
2を作成した。Em−2の内部カブリ度は0.65で表面現像
におけるカブリ銀量の粒径の変動係数はEm−1と同じで
あった。
次に比較試料No.1における第3,4,6,7層のDIR化合物B,
Cを表−2に示す化合物に入れかえ、第3〜7層に内部
にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤を表−2に示すよ
うに添加して試料No.2〜14を作った。
このようにして作成した各試料No.1〜14を、白色光を
用いてウエッジ露光と鮮鋭性測定用パターンを介した白
色露光を行ない、下記現像処理を行なった。
処理工程(38℃) 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。
[発色現像液] 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)−アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1とする。
[漂白液] エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH=6.0
に調整する。
[定着液] チオ硫酸アンモニウム 175.0 g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5 g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3 g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH=6.0に調整す
る。
[安定液] ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(小西六写真工業社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
表−3に赤色光及び緑色光濃度として測定したときの
感度とMTF鮮鋭度を示した。この結果、本発明の拡散性D
IR化合物と内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤と
を組み合わせた試料においては、高感度でありながら顕
著な鮮鋭性改良効果が認められた。
また内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤におい
て、内部カブリ度の高い方が効果の大きいことも分っ
た。
(実施例2) 表−2に示した試料No.1〜14を白色ウエッジ露光し、
処理ランニング特性を評価した。
ランニング時の発色現像液の組成、温度等は実施例1
と同一とし、ランニング時の発色現像液の補充量は220m
l/dm2とし、母液交換率が90%まで行なった。
表−4に青色濃度でみたかぶり、及びそれぞれの試料
のテスト開始時の感度を100とした相対感度を示した。
表−4の結果から分るように本発明の拡散性DIR化合物
と、内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤とを組み
合わせた試料においては、感度、カブリの変動に顕著な
改良効果が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−214852(JP,A) 特開 昭60−170849(JP,A) 特開 昭60−170850(JP,A) 特開 昭60−170852(JP,A) 特開 昭60−170853(JP,A) 特開 昭56−116029(JP,A) 特開 昭59−131937(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上の感光性ハロゲン化銀乳剤層の少
    なくとも1層が、現像時に現像主薬の酸化生成物との反
    応で拡散性の現像抑制剤又はそのプレカーサを放出する
    化合物を含有し、該化合物を含有する層および/又はそ
    の隣接層が内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤を
    含有し、かつ像様露光後、黒白現像することなしに、少
    なくとも発色現像処理工程を行うことを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
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