JP2619238B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2619238B2 JP61050078A JP5007886A JP2619238B2 JP 2619238 B2 JP2619238 B2 JP 2619238B2 JP 61050078 A JP61050078 A JP 61050078A JP 5007886 A JP5007886 A JP 5007886A JP 2619238 B2 JP2619238 B2 JP 2619238B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料に関し、
更に詳しくは、経時安定性が優れ、高感度かつ鮮鋭性の
優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
近年、ハロゲン化銀写真感光材料、とりわけ撮影用の
ハロゲン化銀写真感光材料は、高感度でかつ画質が優れ
ているものが要望されている。特に、近年、当業界にお
いては、携帯に便利な小型カメラの普及からネガの撮影
フォーマットが縮小するに伴ない、スモールフォーマッ
トの画面で、ラージフォーマットの画面から引伸したの
と同等の画質が望まれるようになった。即ち、プリント
時の拡大倍率が大きくなっても粒状度や鮮鋭度が損なわ
れないハロゲン化銀写真感光材料の開発が強く望まれて
いる。
鮮鋭度を向上させるためには、乳剤膜での光散乱を大
巾に小さくする必要がある。これには、ハロゲン化銀乳
剤粒子の粒径を光散乱の小さな領域まで粗大化すること
や平板粒子を用いることなど、塗布銀量を大巾に削減す
ることが知られているが、該技術でも限界があり、更に
鮮鋭性の向上を計るために、拡散性のDIRを用いること
も知られているが、これは感度、階調の劣化を招き、更
には、経時による変化が大きくなり好ましくない。
また、乳剤膜の光散乱を減少させるために、染料を用
いてイラジエーション防止効果及びハレーション防止効
果で鮮鋭度を向上させる方法が知られているが、該技術
によれば、感度の低下及びカラーバランスの崩壊を招
く。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、高感度でかつ鮮鋭性・階調性の良好
な、更に経時安定性の優れたハロゲン化銀写真感光材料
を提供するものである。
〔発明の構成〕
本発明は、支持体の感光性ハロゲン化銀乳剤層の少な
くとも1層が平均アスペクト比≧5である平板状ハロゲ
ン化銀乳剤を含有し、該乳剤を含有する層および/また
は該乳剤と同一の感色性を有する感光性ハロゲン化銀乳
剤層と組み合わされて、該乳剤層中の耐拡散性カプラー
から形成される色素の主吸収波長域に主たる吸収を有す
る有色化合物またはその前駆体を含有し、現像主薬酸化
体との反応によりアンシャープポジ画像を形成すること
を特徴とするネガ型ハロゲン化銀カラー写真感光材料に
より、上記目的が達成されることを見い出し、本発明に
至った。
以下、本発明について、詳説する。
本発明の「感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1
層」とは、多層カラー感光材料における青感性層、緑感
性層、赤感性層のいずれかの層であり、又同一感色性層
が2つ以上の異なる感度の層から構成されている場合に
は、最高感度層、中間度層、最低感度層のいずれの層で
もよいが、特に中・高感度層が好ましい。
次に「平均アスペクト比≧5である平板状ハロゲン化
銀乳剤」について説明する。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、平均アスペクト比が5:
1以上である平板状ハロゲン化銀粒子群を含有するもの
である。アスペクト比は粒子の直径:厚みの比を言う。
ハロゲン化銀粒子の直径は粒子の投影面積に等しい面積
の円の直径を言う。本発明のハロゲン化銀乳剤の好まし
い平均アスペクト比は6:1以上100以下、より好ましくは
7:1以上50以下、特に好ましくは8:1以上20以下である。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン
化銀粒子の平均厚さは0.5〜0.01μmが好ましく、特に
好ましくは0.3〜0.05μmである。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン
化銀粒子の平均粒径は0.5〜30μmが好ましく、より好
ましくは1.0〜20μmである。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は沃素化銀又は塩沃
臭化銀であることが好ましい。
平板状ハロゲン化銀乳剤は特開昭52−153428、同54−
155827、同54−118823、同58−127921、同58−113928号
公報等に開示された公知の方法によって得ることができ
る。
本発明のハロゲン化銀乳剤は前記平板状粒子の中心部
の沃化銀含有率に対しそれをとり囲む円盤状の外周部の
沃化銀含有率が低い形態、すなわち沃化銀が中心部に局
在化した粒子から成ることが好ましい。
中心部の高沃度含有相は粒子の全体積の80%以下が好
ましく、特に60%〜10%が好ましい。
中心部の沃化銀含有率は5〜40モル%が好ましく、特
に10〜30モル%が好ましい。
中心の高沃度有相をとりまく低沃度含有相(周辺部)
は沃化銀の含有率が0〜10モル%、より好ましくは0.1
〜6.0モル%である沃素化銀から成ることが好ましい。
沃化銀が中心部に局在している平板状ハロゲン化銀乳
剤は特開昭59−99433号公報等に開示された公知の方法
によって得ることができる。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有率
が3〜20モル%であることが好ましくより好ましくは4
〜15モル%であり、特に好ましくは6〜12モル%であ
る。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤において中心部の周
辺部に対する沃化銀含有率の比は4倍以上であることが
好ましく特に好ましくは5倍以上である。
中心部と周辺部の境界におけるハロゲン組成は連続的
に変化するものでもよいし明瞭な境界を有するものでは
ない。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤を含有する層中には
該平板状粒子が該層の全ハロゲン化銀粒子に対し重量比
で40%以上、特に60%以上存在することが好ましい。
本発明のハロゲン化銀粒子の粒子内ハロゲン組成構造
の確認方法としてはJ.I:ゴールドシュタイン(goldatie
n)およびD.B.ウィリアムズ(Willtams)「TEM/ATEMに
おけるX−線分析」、スキャンニング・エレクトロン・
マイクロコピィ(1977)、第1巻、IITリサーチ・イン
スティテュート、1977年3月、P.651に記載されている
方法を用いることができる。検査すれき粒子をグリッド
上におき、液体窒素の温度まで冷却した。電子の集中ビ
ームを検査すべきそれぞれの粒子上の0.2マイクロメー
トルスポットに当てる。75キロボルト加速電圧で試料を
検査する。電子ビームによって発生したX線の強さおよ
びエネルギーを測定することにより電子が突き当たった
スポットにおける粒子中のヨウ化物と臭化物の比率を決
定することができる。
次に「該乳剤を含有する層および/または該乳剤と同
一の感色性を有する感光性ハロゲン化銀乳剤層と組み合
わされて」とは、該乳剤を含有する層でも良く又は該乳
剤を含有する層と同感色性層が2層以層の場合は、該乳
剤を含有していていない層でも良い。
例えば、最高感度層に該乳剤を含有し、その同一感色
性層の中感度および/または最低感度層でも良い。
又、「組み合わされて」とは、該乳剤含有層および/
または、該乳剤含有層と同一感色性層によって反応する
ことを意味し、例えば、該層と同一層でも良く、又はそ
の隣接層などで現像主薬の酸化体が拡散してくる層、即
ち、非感光層でも良い。
次に「アンシャープポジ画像を形成する手段」とは例
えば現像主薬の酸化体と反応する有色化合物が現像処理
中に適度に拡散することによって達成できる。
アンシャープポジ画像を形成する手段として好ましい
ものとしては耐拡散性カプラーを含有するカラーネガ画
像形成用ハロゲン化銀乳剤層と組み合わされたアンシャ
ープポジ画像形成化合物(以下、ポジ化合物と称す。)
が挙げられる。
ポジ化合物として好ましい1例は小拡散性であり、前
述の耐拡散性カプラーが発色現像主薬の酸化体との反応
により生ずる色素(以下、発色色素と称す。)の主吸収
波長域に主たる吸収を有する有色化合物又は、現像処理
中に該有色化合物に変色する化合物いわゆる前駆体であ
って、現像主薬の酸化体との反応の結果、消色又は発色
色素の主吸収波長域に主たる吸収を有する耐拡散性色素
を生成する化合物(以下、小拡散性ポジ化合物と称
す。)である。
又、ポジ化合物として好ましい他の1例は、耐拡散性
であり、発色色素の主吸収波長域に主たる吸収を有する
有色化合物又は現像処理中に該有色化合物に変色する化
合物であって、現像主薬の酸化体との反応の結果、消色
する化合物(以下、耐拡散性ポジ化合物と称す。)であ
る。
小拡散性ポジ化合物について、詳細に説明する。
小拡散性とは写真材料を用いた作画工程に於て、その
中の特に現像工程に於て、組合わせて用いられる耐拡散
性カプラー以上に拡散するが、処理工程の終了後に、添
加量の少なくとも30wt%以上が写真材料中に留まってい
ることを言う。
又、変色の程度としては最大吸収波長の変化が10nm以
上であることが好ましい。かかる変色機構としては、ポ
ジ化合物が加水分解を受けることにより色調が変化する
ものが好ましく挙げられる。
又、消色とは、有色の化合物を生成しない、あるいは
生成した有色化合物が現像処理中に写真材料外へ流出す
る等により、作画工程終了時において、アンシャープポ
ジ画像形成を損なう程には、有色化合物が写真材料中に
残留しないことをいう。
かかる消色型小拡散性ポジ化合物は、発色現像主薬と
上記耐拡散性カプラーとの反応により、色画像が生ずる
区域では、現像主薬の酸化体と反応し、消色する。又、
耐拡散性カプラーによる色画像が生じない区域では未反
応又は、変色した状態で残留する。その結果、耐拡散性
カプラーによる色画像と消色型小拡散性ポジ化合物とは
逆関係の色画像、即ち、前者がネガ画像を形成するのに
対し、後者がポジ画像を形成することになる。しかも、
小径拡散ポジ化合物は小拡散性を有していることより、
アンシャープな画像、即ち、アンシャープポジ画像を形
成することとなる。
次に現像主薬の酸化体との反応の結果、発色色素の主
吸収波長域に主たる吸収を有する耐拡散性色素を生成す
る型の小拡散性ポジ化合物、即ち、耐拡散性色素生成型
小拡散性ポジ化合物について述べる。
耐拡散性色素生成型小拡散性ポジ化合物は耐拡散性カ
プラーによる色画像が生じない区域では未反応又は、変
色する。その結果、耐拡散性カプラーによる色画像と未
反応又は変色した小拡散性ポジ化合物とは逆関係の色画
像、即ち、前者がネガ画像の場合には後者はポジ画像を
形成することになる。しかも小拡散性ポジ化合物は小拡
散性を有していることにより、アンシャープな画像、即
ち、アンシャープポジ画像を形成することとなる。
耐拡散性色素生成型小拡散性ポジ化合物は、上述の如
く、アンシャープポジ画像を形成すると共に、現像主薬
の酸化体との反応により、発色色素の主吸収波長域に主
たる吸収を有する耐拡散性色素を生成する。この耐拡散
性色素は上述の耐拡散性カプラーと発色現像主薬の酸化
体との反応により生ずる耐拡散性色素と一緒になって色
画像を形成する。
この耐拡散性色素生成型生拡散性ポジ化合物は上述の
如く、アンシャープポジ画像と、耐拡散性色素からなる
ネガ画像の両方を生ずる。従って、両画像が重なって、
マクロ的には濃度変化を生じないように見えることもあ
るが、エッジ部(照射光の強度が変化する境界部分)で
は該ポジ化合物と、生成した耐拡散性色素の拡散性の相
違により、ミクロ的な濃度変化(エッジ効果)を生じて
おり、アンシャープポジ画像形成手段として有効なもの
である。
消色型小拡散性ポジ化合物としては、例えば、下記一
般式〔I〕で示される化合物が挙げられる。一般式
〔I〕A−Link−B 式中Aは現像主薬酸化体と反応してLink−B部分を上
記現像主薬酸化体の量に応じて放出できる有機残基であ
り、LinkはAとBを結合する基、Bは有機残基を表わ
す。
又、一般式〔I〕で表わされる化合物は現像処理中わ
ずかに写真材料中を拡散する有色または変色する化合物
であり、反応後A及びLink−Bに起因して生ずる生成物
が有色化合物の場合には、該生成物は反応後、写真材料
中より系外に流出する様に親水性或は親油性のバランス
をとった置換基を付帯させてある。
一般式〔I〕におけるAとしては、例えば発色現像主
薬の酸化体とカップリング反応して有色又は無色の生成
物を生ずるカプラーの残基或は現像主薬の酸化体とクロ
ス酸化反応する成分が挙げられる。
前者の具体例としては、例えば、フェノール類、ナフ
トール類、5−ピラゾロン類、ピラゾコトリアゾール
類、ピラゾロベンツイミダゾール類、インダゾロン類、
アシルアセトアニリド類、RCOCH3(Rは、例えばアルキ
ル、アリール、ヘテロ環基) (Zは、例えば5乃至8員の飽和又は不飽和の脂環或は
ヘテロ環を完成する原子群で、R′はアリール残基を示
す。)の残基が挙げられる。
後者の具体例としては、例えば酸化された後、アルカ
リ開裂によりLink−BとしてB−SO2NH を放出するフ
エノール類、ナフトール類、インダノン類、インドール
類、ハイドロキノン類の残基、酸化された後、分子内閉
環反応を受け、Link−BとしてB−SO2 を放出するフ
エノール類(詳しくは米国特許第3,443,939号、同3,44
3,940号、同3,443,941号に記載されている。)の残基が
挙げられる。
Linkとしては、例えば−N=N−,−O−,−S−,
−NH−SO2−,−SO2NH−, −CH=などが挙げられる。
ここで、 は含窒素ヘテロ環残基で、例えばコハク酸イミドイル、
フタル酸イミドイル、ピリドイル、イミダゾリルイミダ
ゾロンイル、ベンツイミダゾリル、ヒダントイル、チオ
ヒダントイル、トリアゾリル、ベンツトリアゾリル、ウ
ラゾリル、2,4−ジオキシオキサゾリル、2,4−ジオキソ
チアゾリル、チアジアゾリール、テトラゾリールなどが
ある。又、Rはそれぞれ置換基を有してもよいアルキ
ル、アリール等である。
Bとしては、Linkが−N=N−、−CH=の如き発色団
の場合は、例えばアリール基又はヘテロ環基で、好まし
くは助色団を有する有機残基であっても色素残基であっ
てもよい。又、Linkが発色団でない場合には色素(例え
ば、アゾ、アントラキノン、アゾメチン、インドフェノ
ール、インドアニリン等)残基であることが好ましい。
かかる構成により一般式〔I〕で示される化合物は、B
部分またはA−Link−B全体として有色又は変色する化
合物たりうる。
一般式〔I〕で示される化合物に現像処理中わずかに
拡散する性質を付与し、且つ、反応後の望ましくない生
成物を系外へ流出するための拡散性を付与するには、例
えばカルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基、スル
ファモイル基の如きアルカリ可溶性基及び、例えばアル
キル基の如き拡散性を低下せしめる基を適宜導入して反
応前後の拡散性のバランスをとればよい。
本発明の化合物をその性質から分類すると、例えば下
記の如き分類が挙げられる。
CLASS I:発色色素生成型 この分類に属する化合物は、一般式〔I〕のA部分が
カプラー残基でLink部はカプラーの活性点に結合する。
但し、Linkが、−NHSO2−(窒素原子がカプラー部に結
合)の場合には活性点の隣接位であってもよい。
そして、写真材料中、小拡散するよう好ましくはアル
カリ可溶性基及び、例えば炭素数16以下のアルキル基を
有する。A部分が発色現像主薬の酸化体とカップリング
して有色化合物を生ずる場合には、該化合物が処理中に
系外へ流出するようA部分にアルカル可溶性基を存在せ
しめるか発色現像主薬としてアルカリ可溶性基を有する
ものを用いることが好ましい。
又、B部分が色素を形成している場合には反応後のB
部分が系外に流出するようB部分がアルカリ可溶性基を
有していることが好ましい。
この分類に属する化合物は、露光部ではA部がネガ発
色色素像を作るが系外に流出し、B部分が色素である場
合には、該B部分もA部分から離脱後系外に流出するの
で、非露光部に残る一般式〔I〕で示される化合物又は
発色後の化合物によりポジ画像を作る。その上この化合
物は小拡散性をもっているので現像処理中に層中をわず
かに移動してアンシャープポジ画像を形成する。更にこ
の類の中でも好ましいものとしては、次の二つのタイプ
のものが挙げられる。
(Type A):カラードカプラー型 一般式〔II〕 Coup−Link2−Ar 一般式〔II〕のCoup−はカプラー残基でアルカリ可溶
性基をもつことが好ましく発色現像反応によって生じた
色素は写真材料系外に流出する。
Arは置換基を有してもよいアリール基、例えばベンゼ
ン系又はナフタリン系及び置換基を有してもよいヘテロ
環基、例えばイソオキサゾールなどが好ましく、又、一
般式〔II〕の化合物が写真材料中をわずかに移動するた
め好ましくは半拡散防止基をもち、特にAr部にもつこと
が好ましい。Link2は−N=N−又は−CH=である。こ
れらの化合物の一部は既にカラードカプラーとして、例
えば米国特許第2,449,969号、同2,688,538号、同2,706,
684号、同2,808,329号、同3,005,712号、ベルギー特許
第570,271号、特公昭44−32461号などで知られている。
しかし、本発明とこれら先行技術は化合物の使用法が
全く異っている上使用目的も異っており、得られる効果
は完全に異質なものである。即ち、前記先行技術は、一
般式〔II〕で示されるCoup部分即ちカプラー部分によっ
て生ずる色相が画像形成をする主吸収であるのでこの部
分から生じた色素は動かないのが原則である上、一般式
〔II〕で示される化合物の色相は上記主吸収波長域と異
る二次吸収部分である。本発明は、Coup部分から生ずる
色素は系外に出すことが必須であることと、一般式〔I
I〕で表わされる化合物又は変色後の化合物の色相は画
像形成層の主吸収と同一である。即ち、本発明の化合物
と組み合わされたハロゲン化銀層の感光波長域は、例え
ばコンベンショナルネガ写真材料であるならば化合物色
相の補色である。具体的には、例えば緑感光性ネガ層で
説明すると、先行技術のカラードカプラーはこの層に黄
色の化合物を使うのに対し本発明ではマゼンタ色の又は
マゼンタ色に変色する化合物を使用している。
(Type B):活性点置換型 一般式〔III〕 Coup−Link3−Dye Coupは一般式〔II〕と同様である。又、Link3は一般
式〔I〕のLinkと同義であり、同様なものが例示され、
好ましくはカップリング反応後アルカリ可溶性を生ずる
基、例えば−O−、−SO2−NH−、−NHSO2−などが望ま
しい。Dyeは色素部分又は色素前駆体部分を表わし、ア
ルカリ可溶性基をもつことが望ましいが、Link3の種類
によっては必須ではない。
一般式〔III〕で示される化合物は写真材料中をわず
かに拡散するよう調節するため、半拡散防止基を有する
ことが好ましい。
該基は、発色色素及びLink3−Dyeのうち拡散性のよい
ものの方に付することが好ましい。尚、この種の分類に
属する化合物は、米国特許第3,227,550号、同3,476,563
号などに開示されているが、これら先行技術もType Aと
同じく全く使用法が異っていて、本発明の概念は含まれ
ていない。即ち一部はType Aと同じカラードカプラー的
色補正に使われる場合と、拡散転写して流出して来るDy
e部を画像に利用する場合で明らかに本発明の態様とは
異っている。
次に、発色反応後、色像を生じない化合物群について
説明する。
CLASS II:無色カップリング体形成型 この分類に属する化合物は一般式〔I〕のA部分はCL
ASS Iの化合物と同様に反応するが、反応生成物が無色
であるので、カップリング反応後層中に残存してもよ
い。
(Type C):ワイスカプラー型 一般式〔IV〕 Wcoup−Link4−Dye Wcoupとして例えば、R2COCH2−(R2はアルキル、アリ
ール、ヘテロ環基で炭素数16以下のアルキルをもつ)、 (Zは5乃至8員の脂環、縮合環又はヘテロ環を完成す
る原子群でR3はアリール残基を示す。)である。
Link4は−O−、−S−又は−SO2−を示す。
Dyeはアルカリ可溶性基を好ましくは有する色素残基
又はその前駆体部分でありLink4−Dyeは層外に流出す
る。
又、この化合物はDye部分に有することがあるアルカ
リ可溶性基と協動して化合物自体が層中をわずかに拡散
するように半拡散防止基を有していることが好ましく、
特にW−coup部分にあることが好ましい。
CLASS III:レドックス反応型 この分類に属する化合物はCLASS I又はIIの様なカッ
プリング反応は行なわれない。その代り現像主薬酸化体
と反応してキノン、キノイミド体等を生成するが、この
生成物が現像液中のアルカリと反応又は、分子内閉環反
応して初めて色素を放出する。
(Tyep D):DRR化合物型 一般式〔V〕 FUN−Link5−Dye FUNはレドックス母核を示し、2−,3−又は4−フェ
ノール,4−α−ナフトール,1−β−ナフトール,2−ハイ
ドロキノン,3−インドール,4−ピラゾロン−5残基であ
り、Link5は−NHSO2−(窒素原子がFUN部分に結合),
−O−,−SO2−,−S−などであり、Dyeは色素残基又
はその前駆体部分であり、アルカリ可溶性基を有するこ
とが好ましい。
一般式〔V〕の化合物が層中をわずかに拡散するよう
にするためDye部分に有することがあるアルカリ可溶性
基と協働する半拡散防止基を用いる場合にはFUN部に付
することが好ましい。
耐拡散性色素生成型小拡散性化合物は、前述の如くそ
れ自体色素又はその前駆体であるとともに、発色現像主
薬の酸化体との反応により、耐拡散性色素を生成するも
のであるが、該反応により、新たに色素部分を形成する
ものであってもよいし、新たには色素部分を形成せず、
反応前の色素部分又は、その前駆体部分が現像処理工程
後、耐拡散性色素の色素部分として残留するものであっ
てもよい。
耐拡散性色素生成型小拡散性化合物としては、その機
能上から以下のタイプのものが挙げられる。
タイプI 発色現像主薬の酸化体とのカップリングにより予め有
している色素部分又は、その前駆体が現像処理工程中に
生ずる色素部分と実質的に同色の色素部分を新たに生ず
ると共に、耐拡散化する化合物(色素形成型)。
このタイプのものは更に詳しく以下のタイプのものに
分類できる。
タイプI−1 発色現像主薬の酸化体とのカップリングにより予め有
している色素部分又はその前駆体部分が消色し、新たに
該色素部分又は、その前駆体部分が現像処理工程後に有
すべき色素部分と実質的に同色の色素部分を形成すると
共に耐拡散化する化合物。
タイプI−2 発色現像主薬の酸化体とのカップリングにより予め有
している色素部分又はその前駆体部分が消色することは
なく、更に新たに該色素部分又は該前駆体部分が現像処
理工程後に生ずべき色素部分と実質的に同色の色素部分
を形成すると共に耐拡散化する化合物。従ってこのタイ
プの化合物は現像主薬の酸化体とのカップリングの結
果、予め有する色素部分又はその前駆体に起因する色素
部分の他に、新たに形成される色素部分をも有する耐拡
散性色素を生ずることとなる(上乗せ型)。
タイプII 発色現像主薬の酸化体とのカップリングにより予め有
している色素部分又はその前駆体部分が消色することは
なく、又新たな色素部分を形成することもなく耐拡散化
する化合物。
タイプIII 発色現像主薬の酸化体とのクロスオキシデーションに
より耐拡散化する化合物。
以上の各タイプのものについて更に詳しく説明する。
タイプI−1の化合物としては、例えば下記一般式
〔I−1〕で示される化合物が挙げられる。
一般式〔I−1〕 A1−Link1−B1 式中A1は現像主薬酸化体とカップリングしてLink−B1
部分を上記現像主薬酸化体の量に応じて放出するととも
に、カップリング色素を形成しうる有機残基であり、Li
nk1はA1とB1を結合する基、B1は有機残基を表わす。
A1の具体例としては、例えば、フェノール類、ナフト
ール類、5−ピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類、
ピラゾロテトラゾール類、ピラゾロベンツイミダゾール
類、インダゾロン類、アシルアセトアニリド類などが挙
げられる。
Link1としては、例えば−N=N−,−O−,−S
−,−SO2, などが挙げられる。ここで、 は含窒素ヘテロ環残基で、例えばコハク酸イミドイル、
フタル酸イミドイル、ピリドイル、イミダゾリル、イミ
ダゾロンイル、ベンツイミダゾリル、ヒダントイル、チ
オヒダントイル、トリアゾリル、ベンツトリアゾリル、
ウラゾリル、2,4−ジオキシオキサゾリル、2,4−ジオキ
ソチアゾリル、チアジアゾリール、テトラゾリールなど
がある。
B1としては、Link1が−N=N−の如き発色団の場合
は、例えばアリール基又はヘテロ環基等が好ましくは、
Link1が発色団でない場合には色素(例えば、アゾ、ア
ントラキノン、アゾメチン、インドフェノール、インド
アニリン等)残基または、その前駆体であることが好ま
しい。
以上の如き構成により一般式〔I−1〕で示される化
合物は、B1またはA1−Link1−B1全体として色素又はそ
の前駆体たりうる。
一般式〔I−1〕で示される化合物に現像処理工程中
わずかに拡散する性質を付与し、B1が色素又はその前駆
体の場合には、これらに起因して生ずる色素を系外へ流
出させ、かつカップリングにより生成する色素を耐拡散
化するため例えばカルボキシル基、スルホ基、ヒドロキ
シル基、スルファモイル基の如きアルカリ可溶性基及
び、例えばアルキル基の如き拡散性を低下せしめる基を
適宜導入して反応前後の拡散性のバランスをとればよ
い。
タイプI−2の化合物としては、例えば下記一般式
〔I−2〕で示される化合物が挙げられる。
一般式〔I−2〕 D1−A2 式中、D1は色素部分又はその前駆体部分を表し、A2
現像主薬の酸化体とカップリングして、色素を形成しう
る有機残基を表すが、D1はカップリングに際してA2から
離脱することはない。
A2の具体例としては前述のA1の具体例として示したも
のが挙げられる。
D1の例としては前述のB1の例として挙げた色素残基及
びその前駆体が挙げられる。又A2はカップリング位置に
カップリングに際して離脱可能な基を有していてもよ
い。離脱可能な基は、色素又はその前駆体であってもよ
いが、色素又はその前駆体であることは必須ではない。
又、一般式〔I−2〕で示される化合物に現像処理中
わずかに拡散する性質を付与し、且つ、一般式〔I−
2〕の化合物が現像主薬の酸化体とカップリングした結
果生ずる色素を耐拡散化するためには、例えばカルボキ
シル基、スルホ基、ヒドロキシル基、スルファモイル基
の如きアルカリ可溶性基及び、例えばアルキル基の如き
拡散性を低下せしめる基を適宜導入して反応前後の拡散
性のバランスをとればよい。
例えばA2のカップリング位置にカップリングに際して
離脱可能なアルカリ可溶性基または、アルカリ可溶性基
を含有する基を結合させておくこともできる。
タイプIIの化合物としては、例えば下記一般式〔II−
1〕で示される化合物が挙げられる。
一般式〔II−1〕 W−D2 式中、D2は一般式〔I−2〕におけるD1同義であり、
同様なものが例示される。
Wは、現像主薬の酸化体をカップリングはするがカッ
プリングに起因して色素を形成することはない化合物残
基を表す。
Wとしては、例えば5−ピラゾロン核、β−ジケトメ
チレン基等のカプラー残基のカップリング位置にカップ
リング後、色素へ移行するための反応(例えば酸化反
応、離脱反応)を起こさない基(例えばメチル基、ブチ
ル基等のアルキル基)を置換したもの及びビスアルキル
カルバモイル−アリールオキシメタン系またはビスアル
キルカルバモイル−アリールチオメタン系の化合物残基
が挙げられる。
一般式〔II−1〕においてD2はWのカップリング位置
に上記の色素へ移行する反応を起こさない基の一部とし
て存在せしめてもよいし、カップリング位置以外の位置
に結合せしめてもよい。
タイプIIIの化合物としては例えば下記一般式〔III−
1〕により示されるものが挙げられる。
一般式〔III−1〕 Fun−D3 式中、D3は一般式〔I−2〕におけるD1と同義であ
り、同様なものが例示される。
Funは、発色現像主薬の酸化体と反応して一般式〔III
−1〕で示される化合物を耐拡散化する機能をもつ有機
基で、ハイドロキノン核を有する基、カテコール核を有
する基が挙げられる。
次に耐拡散性ポジ化合物について詳細に説明する。
ここに、消色及び変色については、小拡散性ポジ化合
物における、それらと同義である。
発色現像主薬の酸化体と耐拡散性カプラーとの反応に
より色画像が生ずる区域では耐拡散性ポジ化合物も現像
主薬の酸化体と反応し、無色化又は系外へ溶出する化合
物を生成するかいずれかの特性が発現される。又、耐拡
散性カプラーによる色画像が生じない区域では耐拡散性
ポジ化合物は未反応のまま又は変色した状態で残ってい
る。その結果、耐拡散性カプラーと耐拡散性ポジ化合物
とは逆関係の色画像、即ち、前者がネガ画像の場合には
後者はポジ画像を形成することになる。しかも、耐拡散
性ポジ化合物は前記耐拡散性カプラーを含有した層から
現像主薬酸化体が拡散をしながら耐拡散性ポジ化合物を
含有する層へ到達することにより、アンシャープな画
像、即ち、アンシャープポジ画像を形成することとな
る。
耐拡散性ポジ化合物としては、例えば下記一般式〔A
−1〕で示される化合物が挙げられる。
一般式〔A−1〕 A3−Link−B3 式中A3は現像主薬酸化体と反応してLink−B3部分を上
記現像主薬酸化体の量に応じて無色化もしくは溶出可能
とする有機残基であり、LinkはA3とB3を結合する基、B3
は有機残基を表わす。
又、一般式〔A−1〕で表わされる化合物は現像処理
中写真材料中に於て耐拡散性の有色又は変色する化合物
であり、反応後A3及びLink−B3に起因して生ずる生成物
が画像形成上不適当な色相を現わす化合物の場合には、
該生成物は反応後、写真材料の色相構成系中より系外に
溶出する様に親水性或は親油性のバランスをとった置換
基を付帯させてある。
一般式〔A−1〕におけるA3としては、例えば発色現
像主薬の酸化体とカップリング反応して有色又は無色の
生成物を生ずるカプラーの残基或は現像主薬の酸化体と
クロス酸化反応する成分が挙げられる。
前者の具体例としては、例えば、フェノール類、ナフ
トール類、5−ピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール
類、ピラゾロンベンツイミダゾール類、インダゾロン
類、アシルアセトアニリド類、RCOCH3(Rは、例えばア
ルキル、アリール、ヘテロ環基) (Zは、例えば5乃至8員の飽和又は不飽和の脂環或は
ヘテロ環を完成する原子群で、R′はアリール残基を示
す。)の残基が挙げられる。
後者の具体例としては、例えば酸化された後、アルカ
リ開裂によりLink−BとしてB−SO2NH を放出するフ
ェノール類、ナフトール類、インダノン類、インドール
類の残基、酸化された後アルカリ開裂によりLink−Bと
して、B−O ,B−S ,B−SO2 を放出するハイドロ
キノン類の残基、酸化された後、分子内閉環反応を受
け、Link−BとしてB−SO2 を放出するフェノール類
(詳しくは米国特許第3,443,939号、同3,443,940号、同
3,443,941号に記載されている。)の残基が挙げられ
る。
Linkとしては、例えば−N=N−,−O−,−S−,
−SO2−,−NH−SO2−,−SO2−NH−, −CH=などが挙げられる。
ここで、 は含窒素ヘテロ環残基で、例えばコハク酸イミドイル、
フタル酸イミドイル、ピリドイル、イミダゾリル、イミ
ダゾロンイル、ベンツイミダソイル、ヒダントイル、チ
オヒダントイル、トリアゾリル、ベンツトリアゾリル、
ウラゾリル、2,4−ジオキシオキサゾリル、2,4−ジオキ
ソチアゾリル、チアジアゾリール、テトラゾリールなど
がある。又、Rはそれぞれ置換基を有していてもよいア
リキル、アリール等である。
Bとしては、Linkが−N=N−,−CH=の如き発色団
の場合は、例えばアリール基又はヘテロ環基で、好まし
くは助色団を有する有機残基であっても色素残基であっ
てもよい。又、Linkが発色団でない場合には色素(例え
ば、アゾ,アントラキノン,アゾメチン,インドフェノ
ール,インドアニリン等)残基又は、その前駆体である
ことが好ましい。かかる構成により一般式〔A−1〕で
示される化合物は、B3部分またはA3−Link−B3全体とし
て有色又は変色する化合物たりうる。
一般式〔A−1〕で示される化合物に現像処理中拡散
しない性質を付与し、且つ、反応後の望ましくない生成
物に系外へ溶出するための拡散性を付与するには、例え
ばカルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基、スルフ
ァモイル基の如きアルカリ可溶性基及び、例えばアルキ
ル基の如き拡散性を低下せしめる基を適宜導入して反応
前後の拡散性のバランスをとればよい。
本発明の化合物をその性質から分類すると、例えば下
記の如き分類が挙げられる。
CLASS I:発色色素生成型 この分類に属する化合物は、一般式〔A−1〕のA3
分がカプラー残基でLink部はカプラーの活性点に結合す
る。但し、A3部分がフェノール残基又はナフトール残基
であって、Linkが−NHSO2−(窒素原子がCoup部に結
合)の場合には活性点の隣接位であってもよい。そし
て、写真材料中で耐拡散性を有するようバラスト基、例
えば炭素数17以上のアルキル基を有する。A3部分が発色
現像主薬の酸化体とカップリングして生ずる発色色素が
画像形成上不適当な場合には、該発色色素が処理中に系
外へ流失するようA3部分にアルカリ可溶性基を存在せし
めるか発色現像主薬としてアルカリ可溶性基を有するも
のを用いることが好ましい。
又、B3部分が色素又は、その前駆体を形成している場
合には反応後のB3部分が系外に流出するようB3部分がア
ルカリ可溶性基を有していることが好ましい。
この分類に属する化合物は、露光部ではA3部分がネガ
発色色素像を作るが系外に流失し、B3部分が色素である
場合には、該B3部分もA3部分から離脱後系外に流失する
ので、非露光部に残る一般式〔A−1〕で示される化合
物又は、その変色した化合物によりポジ画像を作る。そ
の上この化合物によるポジ画像の周縁は拡散して来た現
像主薬酸化体との反応によって現像処理中に前記層中に
アンシャープポジ画像を形成する。更にこの類の中でも
好ましいものとしては、次の二つタイプのものが挙げら
れる。
(Type A):カラードカプラー型 一般式〔A−2〕 Coup−Link2−Ar 一般式〔A−2〕のCoup−はカプラー残基でアルカリ
可溶性基をもつことが好ましく発色現像反応によって生
じた色素は写真材料系外に溶出する。
Arは置換基を有してもよいアリール基、例えばベンゼ
ン系又はナフタリン系及び置換基を有してもよいヘテロ
環基、例えばイソオキサゾールなどが好ましく、又、一
般式〔A−2〕の化合物は写真材料中を拡散しないよう
拡散防止基をもち、特にAr部にもつことが好ましい。Li
nk2は発色団、好ましくは−N=N−又は−CH=であ
る。これらの化合物の一部は既にカラードカプラーとし
て、例えば米国特許第2,449,966号、第2,688,538号、同
2,706,684号、同2,808,329号、同3,005,712号、特公昭4
4−32461号などで知られている。
しかし、本発明とこれら先行技術は化合物の使用法が
全く異っている上使用目的も異っており、得られる効果
は完全に異質なものである。即ち、前記先行技術は、一
般式〔A−2〕で示されるCoup部分即ちカプラー部分に
よって生ずる色相が画像形成をする主吸収であるのでこ
の部分から生じた色素は動かないのが原則である上、一
般式〔A−2〕で示される化合物の色相は上記主吸収波
長域と異る二次吸収部分である。本発明は、Coup部分か
ら生ずる色素は系外に出すことが必須であることと、一
般式〔A−2〕で表わされる化合物の色相は画像形成層
の主吸収と同一である。即ち、一般式〔A−2〕の化合
物と組み合わされたハロゲン化銀層の感光波長域は、例
えばコンベンショナルネガ写真材料であるならば化合物
色相の補色である。具体的には、例えば緑感光性ネガ層
で説明すると、先行技術のカラードカプラーはこの層に
黄色の化合物を使うのに対し本発明ではマゼンタ色の化
合物を使用している。
(Type B):活性点置換型 一般式〔A−3〕 Coup−Link3−Dye Coupは一般式〔A−2〕と同様である。又、Link3
一般式〔A−1〕のLinkと同義であり、同様なものが例
示され、好ましくはカップリング反応後アルカリ可溶性
を生ずる基、例えば−O−,−SO2−NH−,−NHSO2−な
どが望ましい。Dyeは色素部分又はその前駆体部分を表
わし、アルカリ可溶性基をもつことが望ましいが、Link
3の種類によっては必須ではない。尚、この種の分類に
属する化合物は、米国特許第3,227,550号、同3,476,563
号などに開示されているが、これら先行技術もType Aと
同じく全く使用法が異っていて、本発明の概念は含まれ
ていない。即ち一部はType Aと同じカラードカプラー的
色補正に使われる場合と、撹拌転写して流出して来るDy
e部を画像に利用する場合で明らかに本発明の態様とは
異っている。
次に、発色反応後、色像を生じない化合物群について
説明する。
CLASS II:無色カップリング体形成型 この分類に属する化合物は一般式〔A−1〕のA3部分
はCLASS Iの化合物と同様に反応するが、反応生成物が
無色であるので、カップリング反応後層中に残存しても
よい。
(Type C):ワイスカプラー型 一般式〔A−4〕 Wcoup−Link4−Dye Wcoupとして例えば、R2COCH2−(R2はアルキル、アリ
ール、ヘテロ環基を示す。) (Zは5乃至8員の脂環、縮合環又はヘテロ環を完成す
る原子群でR3はアリール残基を示す。)である。そして
Wcoup部は一般式〔A−4〕で表わされる化合物を耐拡
散化するため、好ましくは拡散防止基例えば炭素数17以
上の基を有する。
Link4は−O−,−S−又は−SO2−を示す。
Dyeはアルカリ可溶性基を好ましくは有する色素又
は、その前駆体残基で反応後Link4−Dyeは層外に流出す
る。
CLASS III:レドックス反応型 この分類に属する化合物はCLASS I又はIIの様なカッ
プリング反応は行なわない。その代り現像主薬酸化体と
反応してキノン、キノイミド体等を生成するが、この生
成物が現像液中のアルカリと反応又は、分子内閉環反応
して初めて色素を放出する。
(Tyep D):DRR化合物型 一般式〔A−5〕 FUN−Link5−Dye FUNはレドックス母核を示し、好ましくは2−,3−又
は4−フェノール,4−α−ナフトール,1−β−ナフトー
ル,2−ハイドロキノン,3−インドール,4−ピラゾロン−
5残基であり、Link5は−NHSO2−(窒素原子がFUN部分
に結合),−O−,−SO2−,−S−などであり、Dyeは
色素又はその前駆体残基であり、アルカリ可溶性基を有
することが好ましい。又、一般式〔A−5〕の化合物が
層中を移動しないようFUN部は好ましくは拡散防止基を
有する。
以上述べたポジ化合物は一般的な合成法に従って合成
されるが大別して二つの主たるルートがある。即ち一つ
は色素部分を予め合成して最後に色素部分をオキシ塩化
燐又はチオニールクロライドなど適当な酸クロリド化剤
によってスルフォクロリド又は酸クロリドとしアミノ基
を有する他の部分と結合する方法であり、もう一つの合
成法は、最終段階でジアゾカップリングによって色素部
分を得る方法である。
又、色素の前駆体の場合は例えば色素形成後、助色団
をアシル化等することにより、得ることができる。
ポジ化合物は前述の耐拡散性カプラーを含有する本発
明のハロゲン化銀乳剤層中及び/又は該ハロゲン化銀乳
剤層とは別の写真構成層中に含有せしめられる。
上記別の写真構成層は、本発明ハロゲン化銀乳剤層の
隣接層である必要はないが、隣接層であることが好まし
く、又、ポリ化合物自体が該乳剤層の主要感光波長域に
主たる吸収を有する場合には本発明ハロゲン化銀乳剤層
に対して露光時の光の入射側とは反対側に位置せしめる
ことが感度の低下を防ぐうえで好ましい。更に、上記別
の写真構成層は上記感光性ハロゲン化銀乳剤層と感色性
を同じくする感光性ハロゲン化銀乳剤層であってもよい
し、非感光性層であってもよい。
又、耐拡散性ポジ化合物は、非感光性に含有せしめる
ことが好ましい。
ポジ化合物を非感光性層に含有せしめた場合は、上記
感光性ハロゲン化銀乳剤層の現像により生じた現像主薬
の酸化体のうち、該非感光性層に拡散してきたものとポ
ジ化合物が反応して、アンシャープポジ画像を形成する
こととなる。
例えば、以下の様な層構成において I・L−2にマゼンタ色本発明化合物、I・L−1に
シアン色本発明化合物が感度のロス及びハレーション効
果防止の点で好ましく、I・L−2にマゼンタ色本発明
化合物でかつRH、GHが本発明ハロゲン化銀粒子から成る
と、光の透過及び、色にごり防止の点でますます良好と
なる。
ポジ化合物の使用量としては該化合物と組み合わせて
用いられる耐拡散性カプラー1モル当り0.01〜1.00モル
が好ましく、特に0.05〜0.60モルが好ましい。又、その
添加方法としては後述の耐拡散カプラーと同様な方法が
使用できる。
本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀
粒子は、酸性法、中性法及びアンモニア法のいずれで得
られたものでもよい。該粒子は一時に成長させてもよい
し、種粒子をつくった後成長させてもよい。種粒子をつ
くる方法と成長させる方法は同じであっても、異なって
もよい。
本発明ハロゲン化銀乳剤はハロゲン化物イオンと銀イ
オンを同時に混合しても、いずれか一方が存在する液中
に、他方を混合してもよい。また、ハロゲン化銀結晶の
臨界成長速度を考慮しつつ、ハロゲン化物イオンと銀イ
オンを混合釜内のpH,pAgをコントロールしつつ逐次同時
に添加することにより生成されてもよい。この方法によ
り、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン
化銀粒子が得られる。AgXの形成の任意の工程でコンバ
ージョン法を用いて、粒子のハロゲン組成を変化させて
もよい。
本発明のハロゲン化銀粒子の成長時にアンモニア、チ
オエーテル、チオ尿素等の公知のハロゲン化銀溶剤を存
在させることができる。
ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程及び/又は
成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリ
ウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジウム塩(錯
塩を含む)及び鉄塩(錯塩を含む)から選ばれる少なく
とも1種を用いて金属イオンを添加し、粒子内部に及び
/又は粒子表面にこれらの金属元素を含有させることが
でき、また適当な還元的雰囲気におくことにより、粒子
内部及び/又は粒子表面に還元増感核を付与できる。
ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了
後に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、あるいは含
有させたままでもよい。該塩類を除去する場合には、リ
サーチ・ディスクロジャー(Research Disclosure以下R
Dと略す)17643号II項に記載の方法に基づいて行うこと
ができる。
本発明のハロゲン化銀粒子は、潜像が主として表面に
形成されるような粒子であってもよく、また主として粒
子内部に形成されるような粒子でもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、いかなる粒子サイズ分布を持つ
ものを用いても構わない。粒子サイズ分布の広い乳剤
(多分散乳剤と称する)を用いてもよいし、粒子サイズ
分布の狭い乳剤(単分散乳剤と称する)。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種以
上の任意のハロゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感す
ることができる。即ち、硫黄増感法、セレン増感法、還
元増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増感
法などを単独で又は組み合わせて用いることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、写真業界において増感
色素として知られている色素を用いて、所望の波長域に
光学的に増感できる。増感色素は単独で用いてもよい
が、2種以上を組み合わせて用いてもよい。増感色素と
ともにそれ自身分光増感作用を持たない色素、あるいは
可視光を実質的に吸収しない化合物であって、増感色素
の増感作用を強める強色増感剤を乳剤中に含有させても
よい。
増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色
素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポ
ーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ステリル色素
およびヘミオキサノール色素が用いられる。
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色
素、および複合シアニン色素である。
本発明のハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工
程、保存中、あるいは写真処理中のカブリの防止、又は
写真性能を安定に保つことを目的として化学熟成中、化
学熟成の終了時、及び/又は化学熟成の終了後、ハロゲ
ン化銀乳剤を塗布するまでに、写真業界においてカブリ
防止剤又は安定剤として知られている化合物を加えるこ
とができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤のバインダー(又は保護コ
ロイド)としては、ゼラチンを用いるのが有利である
が、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフト
ポリマー、それ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘
導体、単一あるいは共重合体の如き合成親水性高分子物
質等の親水性コロイドも用いることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳
剤層、その他の親水性コロイド層は、バインダー(又は
保護コロイド)分子を架橋させ、膜強度を高める硬膜剤
を1種又は2種以上用いることにより硬膜することがで
きる。硬膜剤は、処理液中に硬膜剤を加える必要がない
程度に感光材料を硬膜できる量添加することができる
が、処理液中に硬膜剤を加えることも可能である。
例えばアルデヒド類、(ホルムアルデヒド、グリオキ
サール、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロール
化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダン
トインなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシ
ジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリア
クリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3−ビ
ニルスルホニル−2−プロパノールなど)、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコ
フェノキシクロル酸など)、などを単独または組み合わ
せて用いることができる。
感光材料のハロゲン化銀乳剤層及び/又は他の親水性
コロイド層には柔軟性を高める目的で可塑剤を添加でき
る。好ましい可塑剤は、RD17643号のXII項のAに記載の
化合物である。
感光材料の写真乳剤層その他の親水性コロイド層には
寸度安定性の改良などを目的として、水不溶性又は難溶
性合成ポリマーの分散物(ラテックス)を含有させるこ
とができる。
例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシア
ルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル
(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィ
ン、スチレンなどの単独もしくは組合せ、又はこれらと
アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン
酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホ
アルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等
の組合せを単量体成分とするポリマーを用いることがで
きる。
感光材料の乳剤層には、発色現像処理において、芳香
族第1級アミン現像剤(例えばp−フェニレンジアミン
誘導体や、アミノフェノール誘導体など)の酸化体とカ
ップリング反応を行い色素を形成する色素形成カプラー
が用いられる。該色素形成カプラーは各々の乳剤層に対
して乳剤層の感光スペクトル光を吸収する色素が形成さ
れるように選択されるのが普通であり、青感性乳剤層に
はイエロー色素形成カプラーが、緑感性乳剤層にはマゼ
ンタ色素形成カプラーが、赤感性乳剤層にはシアン色素
形成カプラーが用いられる。しかしながら目的に応じて
上記組み合わせと異なった用い方でハロゲン化銀カラー
写真感光材料をつくってもよい。
これら色素形成カプラーは分子中にバラスト基と呼ば
れるカプラーを非拡散化する、炭素数8以上の基を有す
ることが望ましい。又、これら色素形成カプラーは1分
子の色素が形成されるために4分子の銀イオンが還元さ
れる必要がある4等量性であっても、2分子の銀イオン
が還元されるだけでよい2等量性のどちらでもよい。色
素形成カプラーには色補正の効果を有しているカラード
カプラー及び現像主薬の酸化体とのカップリングによっ
て現像抑制剤、現像促進剤、漂白促進剤、現像剤、ハロ
ゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜剤、カブリ剤、カブリ防止
剤、化学増感剤、分光増感剤、及び減感剤のような写真
的に有用なフラグメントを放出する化合物が包含され
る。これらの中、現像に伴って現像抑制剤を放出し、画
像の鮮鋭性や画像の粒状性を改良するカプラーはDIRカ
プラーと呼ばれる。DIRカプラーに代えて、現像主薬の
酸化体とカップリング反応し無色の化合物を生成すると
同時に現像抑制剤を放出するDIR化合物を用いてもよ
い。
用いられるDIRカプラー及びDIR化合物には、カップリ
ング位に直接抑制剤が結合したものと、抑制剤が2価基
を介してカップリング位に結合しており、カップリング
反応により離脱した基内での分子内求核反応や、分子内
電子移動反応等により抑制剤が放出されるように結合し
たもの(タイミングDIRカプラー、及びタイミングDIR化
合物と称する)が含まれる。又、抑制剤も離脱後拡散性
のものとそれほど拡散性を有していないものを、用途に
より単独で又は併用して用いることができる。芳香族第
1級アミン現像剤の酸化体とカップリング反応を行う
が、色素を形成しない無色カプラー(競合カプラーとも
言う)を色素形成カプラーと併用して用いることもでき
る。
イエロー色素形成カプラーとしては、公知のアシルア
セトアニリト系カプラーを好ましく用いることができ
る。これらのうち、ベンゾイルアセトアニリド系及びピ
バロイルアセトアニリド系化合物は有利である。用い得
る黄色発色カプラーの具体例は、例えば米国特許第2,87
5,057号、同第3,265,506号、同第3,408,194号、同第3,5
51,155号、同第3,582,322号、同第3,725,072号、同第3,
891,445号、西独特許第1,547,868号、西独出願公開2,21
9,917号、同2,261,361号、同2,414,006号、英国特許第
1,425,020号、特公昭51−10783号、特開昭47−26133
号、同48−73147号、同50−6341号、同50−87650号、同
50−123342号、同50−130442号、同51−21827号、同51
−102636号、同52−82424号、同52−115219号、同58−9
5346号等に記載されたものである。
マゼンタ色素形成カプラーとしては、公知の5−ピラ
ゾロン系カプラー、ピラゾロベンツイミダゾール系カプ
ラー、ピラゾロトリアゾール系カプラー、開鎖アシルア
セトニトリル系カプラー、インダゾロン系カプラー等を
用いることができる。用い得るマゼンタ発色カプラーの
具体例は、例えば、米国特許第2,600,788号、同第2,98
3,608号、同第3,062,653号、同第3,127,269号、同第3,3
11,476号、同第3,419,391号、同第3,519,429号、同第3,
558,319号、同第3,582,322号、同第3,615,506号、同第
3,834,908号、同第3,891,445号、西独特許1,810,464
号、西独特許出願(OLS)2,408,665号、同2,417,945
号、同2,418,959号、同2,424,467号、特公昭40−6031
号、特開昭49−74027号、同49−74028号、同49−129538
号、同50−60233号、同50−159336号、同51−20826、同
51−26541号、同52−42121号、同52−58922号、同53−5
5122号、特願昭55−110943号等に記載のものが挙げられ
る。
シアン色素形成カプラーとしては、フェノールまたは
ナフトール系カプラーが一般的に用いられる。用い得る
シアン発色カプラーの具体例は例えば米国特許第2,423,
730号、同第2,474,293号、同第2,801,171号、同第2,89
5,826号、同第3,476,563号、同第3,737,326号、同第3,7
58,308号、同第3,893,044号明細書、特開昭47−37425
号、同50−10135号、同50−25228号、同50−112038号、
同50−11742号、同50−130441号公報等に記載されてい
るものや、特開昭58−98731号公報に記載されているカ
プラーが好ましい。
ハロゲン化銀結晶表面に吸着させる必要のない色素形
成カプラー、カラードカプラー、DIRカプラー、DIR化合
物、画像安定剤、色カブリ防止剤、紫外線吸収剤、蛍光
増白剤等のうち、疎水性化合物は固体分散法、ラテック
ス分散法、水中油滴型乳化分散法等、種々の方法を用い
ることができ、これはカプラー等の疎水性化合物の化学
構造等に応じて適宜選択することができる。水中油滴型
乳化分散法は、カプラー等の疎水性添加物を分散させる
従来公知の方法が適用でき、通常、沸点約150℃以上の
高沸点有機溶媒に必要に応じて低沸点、及び又は水溶性
有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水
性バインダー中に界面活性剤を用いて撹はん器、ホモジ
ナイザー、コロイドミル、フロージットミキサー、超音
波装置等の分散手段を用いて、乳化分散した後、目的と
する親水性コロイド液中に添加すればよい。分散液又は
分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れても
よい。
高沸点溶媒としては現像主薬の酸化体と反応しないフ
ェノール誘導体、フタール酸アルキルエステル、リン酸
エステル、クエン酸エステル、安息香酸エステル、アル
キルアミド、脂肪酸エステル、トリメシン酸エステル等
の沸点150℃以上の有機溶媒が用いられる。
高沸点溶媒と共に、又はその代わりに低沸点又は水溶
性有機溶媒を使用できる。低沸点の実質的に水に不溶の
有機溶媒としてはエチルアセテート、プロピルアセテー
ト、ブチルアセテート、ブタノール、クロロホルム、四
塩化炭素、ニトロメタン、ニトロエタン、ベンゼン等が
ある。
色素形成カプラー、DIRカプラー、カラードカプラ
ー、DIR化合物、画像安定剤、色カブリ防止剤、紫外線
吸収剤、蛍光増白剤等がカルボン酸、スルフォン酸のご
とき酸基を有する場合には、アルカリ性水溶液として親
水性コロイド中に導入することもできる。
疎水性化合物を低沸点溶媒単独又は高沸点溶媒と併用
した溶媒に溶かし、機械的又は超音波を用いて水中に分
散するときの分散助剤として、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び量性
界面活性剤を用いることができる。
感光材料の乳剤層間(同一感色性層間及び/又は異な
った感色性層間)で、現像主薬の酸化体又は電子移動剤
が移動して色濁りが生じたり、鮮鋭性が劣化したり、粒
状性が目立つのを防止するために色カブリ防止剤を用い
ることができる。
該色カブリ防止剤は乳剤層自身に含有させてもよい
し、中間層を隣接乳剤層間に設けて、該中間層に含有さ
せてもよい。
感光材料には、色素画像の劣化を防止する画像安定剤
を用いることができる。好ましく用いることのできる化
合物はRD17643号のVII項にJに記載のものである。
感光材料の保護層、中間層等の親水性コロイド層は感
光材料が摩擦等で帯電することに起因する放電によるカ
ブリ防止及び画像の紫外線による劣化を防止するために
紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
感光材料の保存中のホルマリンによるマゼンタ色素形
成カプラー等の劣化を防止するために、感光材料にホル
マリンスカベンジャーを用いることができる。
感光材料の親水性コロイド層に染料や紫外線吸収剤等
を含有させる場合に、それらはカチオン性ポリマー等の
媒染剤によって媒染されてもよい。
感光材料のハロゲン化銀乳剤層及び/又はその他の親
水性コロイド層に現像促進剤、現像遅延剤等の現像性を
変化させる化合物や漂白促進剤を添加できる。現像促進
剤として好ましく用いることのできる化合物はRD17643
号のXXI項B〜D項記載の化合物であり、現像遅延剤
は、17643号のXXI項E項記載の化合物である。現像促
進、その他の目的で白黒像主薬、及び/又はそのプレカ
ーサーを用いてもよい。
写真感光材料の乳剤層は、感度上昇、コントラスト上
昇、又は現像促進の目的でポリアルキレンオキシド又は
そのエーテル、エステル、アミン等の誘導体、チオエー
テル化合物、チオモルフォリン類、4級アンモニウム化
合物、ウレタン誘導体、尿素誘導体、イミダゾール誘導
体等を含んでもよい。
感光材料には、白地の白さを強調するとともに白地部
の着色を目立たせない目的で蛍光増白剤を用いることが
できる。蛍光増白剤として好ましく用いることのできる
化合物がRD17643号のV項に記載されている。
感光材料には、フィルター層、ハレーション防止層、
イラジエーション防止層等の補助層を設けることができ
る。これらの層中及び/又は乳剤層中には現像処理中に
感光材料から流出するかもしくは漂白される染料が含有
させられてもよい。このような染料には、オキソノール
染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、メロシア
ニン染料、シアニン染料、アゾ染料等を挙げることがで
きる。
感光材料のハロゲン化銀乳剤層及び/又はその他の親
水性コロイド層に感光材料の光沢の低減、加筆性の改
良、感光材料相互のくっつき防止等を目的としてマット
剤を添加できる。マット剤としては任意のものが用いら
れるが、たとえば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸
化マグネシウム、二酸化アルミニウム、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体
およびそれらエステル、ポリビニル樹脂、ポリカーボネ
ートならびにスチレンの重合体およびその共重合体など
があげられる。マット剤の粒径は0.05μ〜10μのものが
好ましい。添加する量は1〜300mg/m2が好ましい。
感光材料には滑り摩擦を低減させるために滑剤を添加
できる。
感光材料に、帯電防止を目的とした帯電防止剤を添加
できる。帯電防止剤は支持体の乳剤を積層してない側の
帯電防止層に用いてもよく、乳剤層及び/又は支持体に
対して乳剤層が積層されている側の乳剤層以外の保護コ
ロイド層に用いられてもよい。好ましく用いられる帯電
防止剤はRD17643号X IIIに記載されている化合物であ
る。
感光材料の写真乳剤層及び/又は他の親水性コロイド
層には、塗布性改良、帯電防止、滑り性改良、乳化分
散、接着防止、写真特性(現像促進、硬膜化、増感等)
改良等を目的として、種々の界面活性剤を用いることが
できる。
本発明の感光材料に用いられる支持体には、α−オレ
フィンポリマー(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン/ブテン共重合体)等をラミネートした
紙、合成紙等の可撓性反射支持体、酢酸セルロース、硝
酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド
等の半合成又は合成高分子からなるフィルムや、これら
のフィルムに反射層を設けた可撓性支持体、ガラス、金
属、陶器などが含まれる。
感光材料は必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫
外線照射、火焔処理等を施した後、直接に又は支持体表
面の接着性、帯電防止性、寸法安定性、耐摩耗性、硬
さ、ハレーション防止性、摩擦特性、及び/又はその他
の特性を向上するための1層以上の下塗層を介して塗布
されてもよい。
感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させる為に増
粘剤を用いてもよい。又、例えば硬膜剤の如く、反応性
が早いために予め塗布液中に添加すると塗布する前にゲ
ル化を起こすようなものについては、スタチックミキサ
ー等を用いて塗布直前に混合するのが好ましい。
塗布法としては、2種以上の層を同時に塗布すること
のできるエクストルージョンコーティング及びカーテン
コーティングが特に有用であるが、目的によってはパケ
ット塗布も用いられる。又、塗布速度は任意に選ぶこと
ができる。
界面活性剤としては、特に限定しないが、例えばサポ
ニン等の天然界面活性剤、アルキレンオキシド系、グリ
セリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤、
高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウ
ム類等のカチオン界面活性剤、カルボン酸、スルホン
酸、リン酸、硫酸エステル、リン酸エステル等の酸性基
を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホ
ン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル
類等の両性界面活性剤を添加してもよい。また、同様の
目的の為に、フッ素系界面活性剤を使用することも可能
である。
本発明の感光材料を用いて色素画像を得るには露光
後、カラー写真処理を行う。カラー処理は、発色現像処
理工程、漂白処理工程、定着処理工程、水洗処理工程及
び必要に応じて安定化処理工程を行うが、漂白液を用い
た処理工程と定着液を用いた処理工程の代わりに、1浴
漂白定着液を用いて、漂白定着処理工程を行うこともで
きるし、発色現像、漂白、定着を1浴中で行うことがで
きる1浴現像漂白定着処理液を用いたモノバス処理工程
を行うこともできる。
これらの処理工程に組み合わせて前硬膜処理工程、そ
の中和工程、停止定着処理工程、後硬膜処理工程等を行
ってもよい。これら処理において発色現像処理工程の代
わりに発色現像主薬、またはそのプレカーサーを材料中
に含有させておき現像処理をアクチベーター液で行うア
クチベーター処理工程を行ってもよいし、そのモノバス
処理にアクチベーター処理を適用することができる。こ
れらの処理中、代表的な処理を次に示す。(これらの処
理は最終工程として、水洗処理工程、水洗処理工程及び
安定化処理工程のいずれかを行う。) ・発色現像処理工程−漂白処理工程−定着処理工程 ・発色現像処理工程−漂白定着処理工程 ・前硬膜処理工程−発色現像処理工程−停止定着処理工
程−水洗処理工程−漂白処理工程−定着処理工程−水洗
処理工程−後硬膜処理工程 ・発色現像処理工程−水洗処理工程−補足発色現像処理
工程−停止処理工程−漂白処理工程−定着処理工程 ・アクチベーター処理工程−漂白定着処理工程 ・アクチベーター処理工程−漂白処理工程−定着処理工
程 ・モノバス処理工程 処理温度は通常、10℃〜65℃の範囲に選ばれるが、65
℃をこえる温度としてもよい。好ましくは25℃〜45℃で
処理される。
発色現像液は、一般に発色現像主薬を含むアルカリ性
水溶液からなる。発色現像主薬は芳香族第1級アミン発
色現像主薬であり、アミノフェノール系及びp−フェニ
レジンアミン系誘導体が含まれる。これらの発色現像主
薬は有機酸及び無機酸の塩として用いることができ、例
えば塩機酸、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、亜硫
酸塩、シュウ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等を用いるこ
とができる。
これらの化合物は一般に発色現像液1について約0.
1〜30gの濃度、更に好ましくは、発色現像液1につい
て約1〜15gの濃度で使用する。0.1gよりも少ない添加
量では充分なる発色濃度が得られない。
上記アミノフェノール系現像剤としては例えば、o−
アミノフェノール、p−アミノフェノール、5−アミノ
−2−オキシ−トルエン、2−アミノ−3−オキシ−ト
ルエン、2−オキシ−3−アミノ−1,4−ジメチル−ベ
ンゼン等が含まれる。
特に有用な第1級芳香族アミン系発色現像剤はN,N−
ジアルキル−p−フェニレンジアミン系化合物であり、
アルキル基及びフェニル基は置換されていても、あるい
は置換されていなくてもよい。その中でも特に有用な化
合物例としてはN−N−ジメチル−p−フェニレンジア
ミン塩酸塩、N−メチル−p−フェニレンジアミン塩酸
塩、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩、
2−アミノ−5−(N−エチル−N−ドデシルアミノ)
−トルエン、N−エチル−N−β−メタンスルホンアミ
ドエチル−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩、N
−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノアニリン、
4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン、4
−アミノ−N−(2−メトキシエチル)−N−エチル−
3−メチルアニリン−p−トルエンスルホネート等を挙
げることができる。
また、上記発色現像主薬は単独であるいは2種以上併
用して用いてもよい。更に又、上記発色現像主薬はカラ
ー写真材料中に内蔵されてもよい。この場合、ハロゲン
化銀カラー写真感光材料を発色現像液のかわりにアルカ
リ液(アクチベーター液)で処理することも可能であ
り、アルカリ液処理の後、直ちに漂白定着処理される。
本発明に用いる発色現像液は、現像液に通常用いられ
るアルカリ剤、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、硫酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウムまたは硼砂
等を含むことができ、更に種々の添加剤、例えばベンジ
ルアルコール、ハロゲン化アルカリ金属、例えば、臭化
カリウム、又は塩化カリウム等、あるいは現像調節剤と
して例えばシトラジン酸等、保恒剤としてヒドロキシル
アミンまたは亜硫酸塩等を含有してもよい。さらに各種
消泡剤や界面活性剤を、またメタノール、ジメチルホル
ムアミドまたはジメチルスルホキシド等の有機溶剤等を
適宜含有せしめることができる。
本発明に用いる発色現像液のpHは通常7以上であり、
好ましくは約9〜13である。
また、本発明に用いられる発色現像液には必要に応じ
て酸化防止剤としてジエチルヒドロキシアミン、テトロ
ン酸、テトロンイミド、2−アニリンエタノール、ジヒ
ドロキシアセトン、芳香族第2アルコール、ヒドロキサ
ム酸、ベントースまたはヘキソース、ピロガロール−1,
3−ジメチルエーテル等が含有されていてもよい。
本発明に用いる発色現像液中には、金属イオン封鎖剤
として、種々のキレート剤を併用することができる。例
えば、該キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸、ジ
エチレントリアミノ五酢酸等のアミンポリカルボン酸、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸等の
有機ホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)も
しくはエチレンジアミンテトラリン酸等のアミノポリホ
スホン酸、クエン酸もしくはグルコン酸等のオキシカル
ボン酸、2−ホスホノブタン、1,2,4−トリカルボン酸
等のホスホノカルボン酸、トリポリリン酸もしくはヘキ
サメタリン酸等のポリリン酸等、ポリヒドロキシ化合物
等が挙げられる。
漂白処理工程は、前述したように定着処理工程と同時
に行われてもよく、個別に行われてもよい。漂白剤とし
ては有機酸の金属錯塩が用いられ、例えばポリカルボン
酸、アミノポリカルボン酸又は蓚酸、クエン酸等の有機
酸で、鉄、コバルト、銅等の金属イオンを配位したもの
が用いられる。上記の有機酸のうちで最も好ましい有機
酸としては、ポリカルボン酸又はアミノポリカルボン酸
が挙げられる。これらの具体例としてはエチレンジアミ
ンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチ
レンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′
−トリ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロ
トリ酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、イミノ
ジ酢酸、ジヒロキシエチルグリシンクエン酸(又は酒石
酸)、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコール
エーテルジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ
プロピオン酸、フェニレンジアミンテトラ酢酸等を挙げ
ることができる。これらのポリカルボン酸はアルカリ金
属塩、アンモニウム塩もしくは水溶性アミン塩であって
もよい。これらの漂白剤は5〜450g/、より好ましく
は20〜250g/で使用する。
漂白液には前記の如き漂白剤以外に、必要に応じて保
恒剤として亜硫酸塩を含有する組成の液が適用される。
又、エチレンジアミンテトラ酢酸鉄(III)錯塩漂白剤
を含み、臭化アンモニウムに如きハロゲン化物を多量に
添加した組成からなる漂白液であってもよい。前記ハロ
ゲン化物としては、臭化アンモニウムの他に塩化水素
酸、臭化水素酸、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム、沃化アンモ
ニウム等も使用することができる。
本発明に用いられる漂白液には、特開昭46−280号、
特公昭45−8506号、同46−556号、ベルギー特許第770,9
10号、特公昭45−8836号、同53−9854号、特開昭54−71
634号及び同49−42349号等に記載されている種々の漂白
促進剤を添加することができる。
漂白剤のpHは2.0以上で用いられるが、一般には4.0〜
9.5で使用され、望ましくは4.5〜8.0で使用され、最も
好ましくは5.0〜7.0である。
定着液は一般に用いられる組成のものを使用すること
ができる。定着剤としては通常の定着処理に用いられる
ようなハロゲン化銀と反応して水溶性の錯塩を形成する
化合物、例えば、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸アンモニウムの如きチオ硫酸塩、チオシア
ン硫酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン
酸アンモニウムの如きチオシアン酸塩、チオ尿素、チオ
エーテル等がその代表的なものである。これらの定着剤
は5g/以上、溶解できる範囲の量で使用するが、一般
には70〜250g/で使用する。尚、定着剤はその一部を
漂白槽中に含有することができるし、逆に漂白剤の一部
を定着槽中に含有することもできる。
尚、漂白液及び/又は定着液には硼酸、硼砂、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸、酢
酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各種pH緩衝剤を
単独であるいは2種以上組み合わせて含有せしめること
ができる。さらに又、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるい
は界面活性剤を含有せしめることもできる。又、ヒドロ
キシルアミン、ヒドラジン、アルデヒド化合物の重亜硫
酸付加物等の保恒剤、アミノポリカルボン酸等の有機キ
レート化剤あるいはニトロアルコール、硝酸塩等の安定
剤、水溶性アルミニウム塩の如き硬膜剤、メタノール、
ジメチルスルホアミド、ジメチルスルホキシド等の有機
溶媒等を適宜含有せしめることができる。
定着液のpHは3.0以上で用いられるが、一般には4.5〜
10で使用され、望ましくは5〜9.5で使用され、最も好
ましくは6〜9である。
漂白定着液に使用される漂白剤として上記漂白処理工
程に記載した有機酸の金属錯塩を挙げることができ、好
ましい化合物及び処理液における濃度も上記漂白処理工
程におけると同じである。
漂白定着液には前記の如き漂白剤以外にハロゲン化銀
定着剤を含有し、必要に応じて保恒剤として亜硫酸塩を
含有する組成の液が適用される。また、エチレンジアミ
ン四酢酸鉄(III)錯塩漂白剤と前記のハロゲン化銀定
着剤の他の臭化アンモニウムの如きハロゲン化物を小量
添加した組成からなる漂白定着液、あるいは逆に臭化ア
ンモニウム如きハロゲン化物を多量に添加した組成から
なる漂白定着液、さらにはエチレンジアミン四酢酸鉄
(III)錯塩漂白剤と多量の臭化アンモニウムの如きハ
ロゲン化物との組み合わせからなる組成の特殊な漂白定
着液等も用いる事ができる。前記ハロゲン化物として
は、臭化アンモニウムの他に塩化素酸、臭化水素酸、臭
化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化ナト
リウム、沃化カリウム、沃化アンモニウム等も使用する
ことができる。
漂白定着液に含有させることができるハロゲン化銀定
着剤として上記定着処理工程に記載した定着剤を挙げる
ことができる。定着剤の濃度及び漂白定着液に含有させ
ることができるpH緩衝剤その他の添加剤については上記
定着処理工程におけると同じである。
漂白定着液のpHは4.0以上で用いられるが、一般には
5.0〜9.5で使用され、望ましくは6.0〜8.5で使用され、
最も好ましくは6.5〜8.5である。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。
以下の全ての実施例において、ハロゲン化銀写真感光
材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当りのものを
示す。またハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して示
した。
トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に
示すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多
層カラー写真要素試料−1を作製した。
試料−1(比較) 第1層;ハレーション防止層(HC−1) 黒色コロイド銀を含むゼラチン層。
第2層;中間層(I.L.) 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンの乳化分散物を
含むゼラチン層。
第3層;低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RL−1) 平均粒径()0.30μm,AgI6モル%を含むAgBrIからな
る。
単分散剤(Em−1)……銀塗布量1.8g/m2 増感色素I……銀1モルに対して6×10-5モル 増感色素II……銀1モルに対して1.0×10-5モル シアンカプラー(C−1)……銀1モルに対して0.06モ
ル カラードシアンカプラー(CC−1)……銀1モルに対し
て0.003モル DIR化合物(D−1)……銀1モルに対して0.0015モル DIR化合物(D−2)……銀1モルに対して0.002モル 第4層;高感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RH−1) 表−1…塗布銀量 1.4g/m2 増感色素I……銀1モルに対して1.5×10-5モル 増感色素II……銀1モルに対して5.0×10-6モル シアンカプラー(C−1)……銀1モルに対して0.02モ
ル カラードシアンカプラー(CC−1)……銀1モルに対し
て0.0015モル 第5層;中間層(I.L.) 第2層と同じ、ゼラチン層。
第6層;低感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GL−1) Em−I……塗布銀量1.5g/m2 増感色素III……銀1モルに対して2.5×10-5モル 増感色素IV……銀1モルに対して1.2×10-5モル マゼンタカプラー(M−1)……銀1モルに対して0.05
0モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)……銀1モルに対
して0.009モル DIR化合物(D−1)……銀1モルに対して0.0010モル DIR化合物(D−3)……銀1モルに対して0.0030モル 第7層;高感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GH−1) 表−1……塗布銀量1.4g/m2 増感色素III……銀1モルに対して7.0×10-6モル 増感色素IV……銀1モルに対して2×10-6モル マゼンタカプラー(M−1)……銀1モルに対して0.02
0モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)……銀1モルに対
して0.002モル 第8層;イエローフィルター層(YC−1) 黄色コロイド銀と2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノ
ンの乳化分散分とを含むゼラチン層。
第9層;低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(BL−1) 平均粒径0.48μm,AgI6モル%を含むAgBrIからなる 単分散乳剤(Em−2)……銀塗布量0.9g/m2 増感色素V……銀1モルに対して1.3×10-5モル イエローカプラー(Y−1)……銀1モルに対して0.34
モル 第10層;高感度青感性乳剤層(BH−1) 平均粒径0.8μm,AgI15モル%を含むAgBrIからなる 単分散乳剤(Em−3)……銀塗布量0.5g/m2 増感色素V……銀1モルに対して1.0×10-5モル イエローカプラー(Y−1)……銀1モルに対して0.13
モル DIR化合物(D−2)……銀1モルに対して0.0015モル 第11層;第1保護層(Pro−1) 沃素化銀(AgI1モル%平均粒径0.07μm)銀塗布量0.5g
/m2 紫外線吸収剤UV−1,UV−2を含むゼラチン層。
第12層;第2保護層(Pro−2) ポリメチルメタクリレート粒子(直径1.5μm)及びホ
ルマリンスカベンジャー(HS−1)を含むゼラチン層 尚各層には上記組成物の他に、ゼラチン硬化剤(H−
1)や界面活性剤を添加した。
試料1の各層に含まれる化合物は下記の通りである。
増感色素I;アンヒドロ5,5′−ジクロロ−9−エチル−
3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)チアカルボシアニ
ンヒドロキシド 増感色素II;アンヒドロ9−エチル−3,3′−ジ−(3−
スルホプロピル)−4,5,4′,5′−ジベンゾチアカルボ
シアニンヒドロキシド 増感色素III;アンヒドロ5,5′−ジフェニル−9−エチ
ル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカルボ
シアニンヒドロキシド 増感色素IV;アンヒドロ9−エチル−3,3′−ジ−(3−
スルホプロピル)−5,6,5′,6′−ジベンゾオキサカル
ボシアニンヒドロキシド 増感色素V;アンヒドロ3,3′−ジ−(3−スルホプロピ
ル)−4,5−ベンゾ−5′−メトキシチアシアニン 更に、第3〜第7層に表−1に示した如く、乳剤及び
添加剤(追加)を添加して試料−1同様に試料−2〜試
料14までを作成した。また試料No.10〜13には第4層と
第5層の間に第2層と同じ中間層を設けた。尚Emは表−
2に示した。
このようにして作成した試料を、それぞれ、白色光
(W)を用いて、相対感度(S)、及び鮮鋭青(MTF)
及び階調の直線性を調べた。なお、相対感度(S)はカ
ブリ濃度+0.1を与える露光量の逆数の相対値であり、
試料No.1のW感度を100とする値で示した。鮮鋭性の改
良効果は、色素画像のMTF(Modulation Transfer Funct
ion)を求め、10本/mmでのMTFの相対値(試料No.1を100
とする)で示した。
また同一試料の一部を40℃4相対湿度80%の高温・高
湿条件下で7日間放置したのち、上記同様白色光(W)
を用いて相対感度(S)を測定した。(No.1が100とし
た相対値) 結果を表−1に示した。
尚、現像は下記現像処理を行った。
処理工程(38℃) 発色現像 3分15秒 漂白 6分30秒 水洗 3分15秒 定着 6分30秒 水洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。
〔発色現像液〕
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)−アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1とする。
〔漂白液〕
エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH=6.0
に調整する。
〔定着液〕
チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH=6.0に調整す
る。
〔安定液〕
ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(小西六写真工業社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
表−2のEm−4〜Em−5は特開昭59−99433号公報に
記載された方法で作った。
表−1から明らかなように、本発明のハロゲン化銀乳
剤と本発明の化合物を併用することにより、即の感度・
階調、鮮鋭性が優れかつ保存性が優れていることが判
る。
又、同じアスペクト比の平板状ハロゲン化銀でも、中
心部に添化銀が局在化しているものの方が優れている。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上の感光性ハロゲン化銀乳剤層の少
    なくとも1層が平均アスペクト比≧5である平板状ハロ
    ゲン化銀乳剤を含有し、該乳剤を含有する層および/ま
    たは該乳剤と同一の感色性を有する感光性ハロゲン化銀
    乳剤層と組み合わされて、該乳剤層中の耐拡散性カプラ
    ーから形成される色素の主吸収波長域に主たる吸収を有
    する有色化合物またはその前駆体を含有し、現像主薬酸
    化体との反応によりアンシャープポジ画像を形成するこ
    とを特徴とするネガ型ハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
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