本発明の環状部を有するペプチド化合物の環状部位は環状を形成しているペプチドであれば特に限定されないが、翻訳後環化部は膜透過性と代謝安定性を両立(Druglikeness)できる官能基を形成する環化ユニットであることが必要である。そのような環化法であれば特に限定されない。例えばカルボン酸とアミンから形成されるアミド結合や、鈴木反応、Heck反応(ヘック反応)、Sonogashira反応等の遷移金属を触媒とした炭素―炭素結合反応などが挙げられる。従って本発明のペプチド化合物は、これらの結合反応が可能な少なくとも1組の官能基を含む。特に代謝安定性の観点からは、結合反応によってアミド結合が形成される官能基が含まれることが好ましい。
本発明のペプチド化合物の環状部としては、例えば、スキームAに記載のような翻訳合成後の化学反応により環化されることにより形成される環状部が好ましい。さらに、翻訳後にRNAやDNAなどの核酸に影響を与えることのない反応条件でも形成することができる環状部が好ましい。
環状部の形成はドラックライクな環化であることが好ましい。ドラックライクな環化とは、生成される結合がドラックライクである結合を意味する。例えば、容易に酸化される可能性を有するヘテロ原子を含むような結合であって、代謝安定性の妨げとなる結合が含まれないことが好ましい。環化によって生成される結合としては、例えば、活性エステルとアミンとの結合によるアミド結合、炭素―炭素2重結合とアリールハライドによるHeck反応生成物などによって生成される結合が含まれる。これらはスキームAにも記載の三角ユニット(環化N端側ユニット)や交差ユニットに反応性官能基を要求するため、三角ユニットや交差ユニットには必ずしもドラックライクに適したアミノ酸が選択されない。しかしながら、翻訳後修飾を実施した後にドラックライクな官能基を有する化合物へと変換される。本発明においては、このような結合もドラックライクな環化の結合に含まれる。
スキームAの曲線部分が翻訳後に環化される部位(翻訳後環化部)であり、この部分はアミド結合あるいはHeck反応などの炭素‐炭素結合形成反応に代表される様々な翻訳後修飾化学反応にて結合されて環状部が形成される。なお、本明細書において「翻訳合成」は、ペプチド化合物をコードする核酸(たとえば、DNA、RNA)から、該ペプチド化合物を翻訳して合成すること意味する。翻訳とは、リボゾームの作用によってmRNAを鋳型にアミド結合やエステル結合反応を繰り返すことによって直鎖ペプチドを得る工程である。
翻訳後修飾とは、翻訳後にリボゾームの作用以外で自動的あるいは別試薬を添加させて生じさせる化学反応を指し、例えば環化反応や脱保護反応を挙げることができる。
翻訳後環化とは、翻訳後修飾の中で環形成反応を伴うものである。(スキームA:本発明のペプチド化合物を説明したスキームである。白丸ユニット、黒丸ユニット、三角ユニット、四角ユニットはそれぞれアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体を意味する。また、それぞれのユニットは同一あるいは別々のアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体を意味する。三角ユニットはN末端カルボン酸類縁体の場合もあり得る。例えば、8個の黒丸ユニットはそれぞれ別種類のアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体であってもよく、その中のいくつか、あるいは全てが同一のものであってもよい。また、翻訳後に実施可能な化学修飾により、アミノ酸あるいはアミノ酸類縁体は、別骨格を有する化合物へ化学変換や骨格変換されていてもよい。ここで、1ユニットとは、翻訳後修飾が終了した時点でのアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体が、これに該当するが、1つのtRNAによって翻訳されたアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体が、翻訳後修飾により、別骨格を有する化合物へ化学変換や骨格変換されたものも、これに含まれる。ユニットの数についても同様に計算される。尚、本願では特に限定しない限り、アミノ酸にはアミノ酸類縁体も含まれるものとする。また、本明細書中において、翻訳後環化は単に環化という場合がある。
例えば、環状部とはスキームA−1においては、1つの三角(▲)ユニット(残基)(環化N端側ユニット)と8つの黒丸(●)ユニット(環状部主鎖ユニット)および1つの白丸(○)ユニット(交差ユニット)から成る部位であり、直鎖部とは6つの四角(■)ユニット(直鎖部主鎖ユニット)から成る部位である。またスキームA−2では環状部とは1つの三角ユニットと8個の黒丸ユニットおよび1つの交差ユニットから成る部位であり、直鎖部とは4つの四角および3つの四角ユニットから成る部位である。
本発明において交差ユニットとは、翻訳後に形成される環化前のペプチド化合物(非環化ペプチド化合物)において、アミノ酸側鎖に当該ペプチド化合物中の三角ユニットのアミノ酸又はアミノ酸類縁体が持つ官能基あるいはN末端カルボン酸類縁体が持つ官能基と、化学反応によって環化される官能基を有するアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体であり、当該三角ユニットとの環化に必要な官能基を有していれば特に限定されない。スキームAの白丸ユニットがこれに該当する。交差ユニットは、上記のアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体から選択され、核酸からの翻訳が可能であるものが好ましい。また、そのものが翻訳困難であっても、その誘導体が翻訳される場合には、そのものが翻訳されることが必須ではない。例えば、Asp(SBn)が翻訳される場合には、交差ユニットとしてはAspの側鎖メチレン鎖を自由に置換した化合物も許容される(例えば化合物C−3のR28やR29は、翻訳されないものであってもよい)。交差ユニットでは、主鎖のアミノ基、カルボキシル基が翻訳合成での共有結合形成に使用され、かつ第三の官能基が翻訳後環化に必要であるため、合計3つ以上の官能基を有する必要がある。この中で、翻訳後環化部位は交差ユニットの側鎖部位の官能基により環化される。
ここで、交差ユニットと環化する官能基を有するアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体、もしくはN末端カルボン酸類縁体は、交差ユニットと環化する官能基を有する限り特に限定されない。スキームAの三角ユニットがこれに該当する。三角ユニットは、例えば、スキームA中ではN末端に配置された例を示した。このような例では、三角ユニットとしてアミノ酸を選択した場合には主鎖アミノ基を環化官能基として使用することができる。例えば、交差ユニットに活性エステルを活用した場合、三角ユニットの主鎖アミノ基とアミド結合による翻訳後環化させることが可能である。このように、主鎖アミノ基を反応性官能基として活用する場合、三角ユニットの側鎖には反応性官能基を有していなくともよい。側鎖にSH基(チオール基)などの反応補助基を導入することもできる。また、三角ユニットとしてアミノ酸類縁体を利用した場合、主鎖のヒドロキシル基を反応性官能基として使用してもよく、また側鎖に配置させた反応性官能基を利用してもよい。また、N末端カルボン酸類縁体を利用した場合には、上述と同様アミノ基やヒドロキシル基を反応性官能基として利用してもよいが、アミノ基やヒドロキシル基を持たない自由な反応性ユニットとして様々な官能基を導入させることができる。三角ユニットは、上記のアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体、もしくはN末端カルボン酸類縁体から選択され、翻訳されるものが好ましい。また、そのものが翻訳困難であっても、その誘導体が翻訳される場合には、そのものが翻訳されることが必須ではないことは、交差ユニットと同様である。
交差ユニットと三角ユニットは、環化可能な位置であれば、環化前のペプチド化合物中の所望の位置に組み込むことが可能であるが、環化、もしくは環化後の翻訳後修飾が施された後の環状部位のアミノ酸またはアミノ酸類縁体あるいはN末端カルボン酸類縁体を併せた数が5〜12となるような位置に組み込まれることが好ましい。さらに、環化、もしくは環化後の翻訳後修飾が施された後の環状部のアミノ酸またはアミノ酸類縁体あるいはN末端カルボン酸類縁体を併せた数が5〜11となるような位置に組み込まれることが好ましい。
また、三角ユニットはスキームAではN末端に配置させているが、N末端以外の位置に配置させることもできる。その場合、その位置は、交差ユニットよりN末端側に配置させる必要がある。三角ユニットをN末端以外の位置に配置させる場合、三角ユニットには、アミノ酸およびアミノ酸類縁体から選択され、側鎖に交差ユニットと環化反応する官能基を有する。
黒丸ユニット、四角ユニットは、アミノ酸あるいはアミノ酸類縁体より選択される。また、アミノ酸あるいはアミノ酸類縁体で翻訳された後、翻訳後修飾により生じさせることのできる化学構造も含まれる(例えば直鎖部2の構造)。アミノ酸を選択した場合、黒丸ユニットは特に限定されないが、好ましくはドラックライクなアミノ酸、もしくは反応性官能基を有し翻訳後修飾にて化学反応させてドラックライクな官能基に変換させるアミノ酸から選択される(例えば直鎖部2のアミノ酸残基としてリジンが挙げられる。)。アミノ酸類縁体から選択した場合、黒丸ユニットは特に限定されないが、好ましくはドラックライクなアミノ酸類縁体もしくは側鎖に様々な反応性官能基を有するアミノ酸類縁体が翻訳後の修飾により反応性官能基が化学修飾され、ドラックライクなアミノ酸類縁体に変換されるアミノ酸類縁体から選択される。
直鎖部の数(分枝の数)は特に限定されず、スキームA−1のように1つであってもよく、スキームA−2のように2つ以上であってもよい。また、スキームA−1の四角ユニットの数が0個になった化合物でもよく、またスキームA−2の四角ユニットのうち直鎖部1の数が0個になった化合物でもよい。直鎖部を有することで、本発明の環状部を有するペプチド化合物の機能を強化することが可能である。例えば、あるレセプターとリガンドの結合を阻害するために本発明のペプチド化合物を利用する場合、当該ペプチド化合物が直鎖部を有することで、直鎖部がない場合と比較して、ペプチド化合物の、レセプターあるいはリガンドに対する結合活性を高めることができる。当該結合活性の増強により、レセプターとリガンドの結合阻害効果を高めることが可能である。特に本発明の直鎖部は、例えば後述の方法に従って、環状部の所望の位置に直鎖部を付与することが可能であり、より高い機能を得るために最適の位置に直鎖部が付与されたペプチド化合物を得ることができる(以後、直鎖部2)。
またこれらの直鎖部は、環状部を有するペプチド化合物のライブラリーから、所望の活性を有するペプチド化合物をより効率よく得る上でも好ましい。所望の活性を有するペプチド化合物とは、標的物質に対してけ結合活性を有するもの、標的物質の機能を阻害する作用を有するもの、あるいは標的物質の機能を活性化させる作用を有するもの、標的物質の機能を変更させる作用を有するものなどが挙げられ、これらの中から目的に応じて機能を選択することができる。本発明の環状部を有するペプチド化合物が標的物質に対して結合活性を有する場合、これらのペプチド化合物は膜透過性と脂質安定性に優れていることから、例えば、該ペプチド化合物を標識することで、生体内だけでなく、細胞内の標的物質の分布をリアルタイムでモニタリングすることが可能となる。更に標的物質が疾患の原因因子である場合には、該疾患の診断に利用できる可能性もある。また、本発明の環状部を有するペプチド化合物が、標的物質の機能を阻害、活性化又は変更させる効果を有する場合、例えば、標的物質が疾患の原因因子である場合には該疾患の治療薬として利用できる。また、例えば、本発明の環状部を有するペプチド化合物が直鎖部2を有する場合、無い場合と比較して阻害化合物の取得割合を向上させることが可能となる。タンパクAと結合して、タンパクAとタンパクBのタンパク‐タンパク相互作用を阻害する13残基環状部を有するペプチド化合物の場合、当該ペプチド化合物が結合しているタンパクA内のペプチドの接触部位を図82−2の右側に示した。環状化合物であるため、ペプチドとタンパクAの接触領域を円で近似させると約3〜5残基分の直径であると判断できる。この接触領域にタンパクBが結合する場合には効果的にタンパクAとタンパクBのタンパク‐タンパク相互作用を阻害することが可能であるが、この接触領域以外でタンパクBがタンパクAと結合する場合には、有効な阻害が得られない可能性が考えられる(いわゆるアロステリック阻害例はタンパクータンパク相互作用阻害例としては報告例が少ない)。
このように考えると、なるべく広い領域にてタンパクと結合するペプチド化合物を得ることが重要となる。一方で、膜透過可能な総アミノ酸数は限定されているので、直鎖部が有効となる。例えば、図82−1には先と同じ13残基の環状ペプチドではあるが、10残基にて環状を構築し、残り3つが分枝されたペプチドを示した。特に直鎖部2は後述の手法に従って、ペプチド化合物の任意の場所に直鎖部を付与することが可能であるので、図82−1の4つの分枝ポイントだけでなく、さらに多くの分枝ポイントを獲得できるが、仮に4つを重ねると、図82−2の左に示す領域まで接触領域が拡大される。同一の場所(穴)に作用しているにも関わらず、タンパクAとタンパクBの結合領域と重なることにより阻害剤等の機能を有するペプチド化合物を取得できる割合が高まる。
置換基として、例えば、ハロゲン由来の置換基として、フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)、ヨウド(−I)などが挙げられる。これらで1つ以上置換された、ハロゲンを置換基に有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基などが挙げられる。
O原子由来の置換基としてエーテルを形成させるための置換基として、アルコキシ基(−OR)が挙げられ、アルコキシ基はアルキルアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、アルケニルアルコキシ基、アルキニルアルコキシ基、アリールアルコキシ基、ヘテロアリールアルコキシ基、アラルキルアルコキシ基、などの中から選択される。アルコール部位を形成させる置換基として、ヒドロキシル基(−OH)が挙げられ、カルボニル基を形成させる置換基として、カルボニル基(−C=O−R)が挙げられ、カルボニル基は、ヒドロカルボニル基(−C=O−H,化合物としてはアルデヒドが得られる)、アルキルカルボニル基(化合物としてはケトンが得られる)、シクロアルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アルキニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基などの中から選択される。カルボン酸を形成させる置換基(−CO2H)としてカルボキシル基が挙げられ、エステル基を形成させる置換基として、オキシカルボニル基(−O−C=O−R)およびカルボニルアルコキシ基(−C=O−OR)が挙げられ、カルボニルアルコキシ基は、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アルキニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基などの中から選択され、オキシカルボニル基は、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、アルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ヘテロアリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基などの中から選択される。
チオエステルを形成させる置換基としてメルカプトカルボニル基(−S−C=O−R)およびカルボニルアルキルメルカプト基(−C=O−SR)などが挙げられ、メルカプトアルキルカルボニル基、メルカプトシクロアルキルカルボニル基、メルカプトアルケニルカルボニル基、メルカプトアルキニルカルボニル基、メルカプトアリールカルボニル基、メルカプトヘテロアリールカルボニル基、メルカプトアラルキルカルボニル基などの中から選択され、あるいは、カルボニルアルキルメルカプト基、カルボニルシクロアルキルメルカプト基、カルボニルアルケニルメルカプト基、カルボニルアルキニルメルカプト基、カルボニルアリールメルカプト基、カルボニルヘテロアリールメルカプト基、カルボニルアラルキルメルカプト基が挙げられる。
アミド基を形成する置換基としては、アミノアルキルカルボニル基(−NH−CO−R)、アミノシクロアルキルカルボニル基、アミノアルケニルカルボニル基、アミノアルキニルカルボニル基、アミノシクロアルキルカルボニル基、アミノアリールカルボニル基、アミノヘテロアリールカルボニル基、アミノアラルキルカルボニル基などが挙げられ、もしくはカルボニルアルキルアミノ基(−CO−NHR)、カルボニルシクロアルキルアミノ基、カルボニルアルケニルアミノ基、カルボニルアルキニルアミノ基、カルボニルアリールアミノ基、カルボニルヘテロアリールアミノ基、カルボニルアラルキルアミノ基などが挙げられる。さらに、N原子と結合したH原子がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基に置き換わった化合物も挙げられる。
カルバメート基を形成する置換基としては、アミノアルキルカルバメート基(−NH−CO−OR)、アミノシクロアルキルカルバメート基、アミノアルケニルカルバメート基、アミノアルキニルカルバメート基、アミノシクロアルキルカルバメート基、アミノアリールカルバメート基、アミノヘテロアリールカルバメート基、アミノアラルキルカルバメート基などが挙げられる。さらに、N原子と結合したH原子がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基に置き換わった化合物も挙げられる。
スルファミド基を形成する置換基としては、アミノアルキルスルファモイル基(−NH−SO2−NHR)、アミノシクロアルキルスルファモイル基、アミノアルケニルスルファモイル基、アミノアルキニルスルファモイル基、アミノシクロアルキルスルファモイル基、アミノアリールスルファモイル基、アミノヘテロアリールスルファモイル基、アミノアラルキルスルファモイル基などが挙げられる。さらに、N原子と結合したH原子がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基の中から同一あるいは別物の任意の2つ、あるいはこれらが環を形成しても良い置換基から選択された置換基に置き換わった化合物も挙げられる。
さらに、S原子由来の置換基としてチオール基を形成する置換基としては、チオール基(−SH)が挙げられ、アルキルチオール、シクロアルキルチオール、アルケニルチオール、アルキニルチオール、アリールチオール、ヘテロアリールチオール、アラルキルチオールが形成される。チオエーテル(−S−R)を形成する置換基としては、アルキルメルカプト基、シクロアルキルメルカプト基、アルケニルメルカプト基、アルキニルメルカプト基、アリールメルカプト基、ヘテロアリールメルカプト基、アラルキルメルカプト基などの中から選択され、スルホキシド基(−S=O−R)を形成させる置換基としては、アルキルスルホキシド基、シクロアルキルスルホキシド基、アルケニルスルホキシド基、アルキニルスルホキシド基、アリールスルホキシド基、ヘテロアリールスルホキシド基、アラルキルスルホキシド基などの中から選択され、スルホン基(−S(O)2−R)を形成させる置換基としては、アルキルスルホン基、シクロアルキルスルホン基、アルケニルスルホン基、アルキニルスルホン基、アリールスルホン基、ヘテロアリールスルホン基、アラルキルスルホン基などの中から選択され、スルホン酸を形成させる置換基としてスルホン酸基(−SO3H)が挙げられる。
ウレア基を形成する置換基としては、アミノカルバモイル基(−NR−CO−NR'R")が挙げられる。R,R',R"はそれぞれ水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基の中から同一あるいは別物の任意の3つ、あるいはこれらが環を形成しても良い置換基から選択された置換基などが挙げられる。
またB原子由来の官能基として、アルキルボラン(−BR(R'))やアルコキシボラン(−B(OR)(OR'))などが挙げられる。これらの2つの置換基はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基などの中から、任意の2つあるいは同一の置換基を2つ、あるいはこれらが環を形成しても良い置換基から選択された置換基などが挙げられる。
このように、ハロゲン基等通常低分子化合物にて利用されるO原子、N原子、S原子、B原子、P原子、Si原子、ハロゲン原子が含まれる様々官能基が1つあるいは2つ以上付与されていてもよい。つまり、これら置換基の1つに示されるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基にさらに別の置換基が1つ以上付与されていても良い。これら全てを満たす官能基の条件を、自由に置換基を選択することと定義する。βやγ−アミノ酸の場合にも任意の立体配置が、α―アミノ酸の場合と同様に許容され、その側鎖の選択も特に制限なくα―アミノ酸の場合と同様である。また、アミノ酸の主鎖アミノ基部位はフリー(NH2基)でもよく、N−メチル化などのN−アルキル化(NHR基:Rは自由に置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、シクロアルキル基を示し、またプロリンのようにN原子から出た炭素原子とα位からの炭素原子が環を形成していてもよい。置換基としては、自由に選択することが可能であり、たとえばハロゲン基、エーテル基、ヒドロキシル基などが挙げられる。)されていてもよい。
本明細書では、「翻訳アミノ酸」又は「翻訳可能なアミノ酸」とは、「アミノ酸」のうち、翻訳させることのできる側鎖を有するものを指す。以下明細書で述べるとおり、ハロゲン基、ヒドロキシル基(−OH)、アルコキシ基(−OR)、エステル基(−C(=O)−OR)、チオエステル基(−C(=O)−SR)、カルボキシル基(−CO2H)、アミド基(−CO−NRR"または−NR−CO−R')、チオール基(−SH)、アルキルチオ基(−SR)、スルホキシド基(−S(=O)−R)、スルホン基(−SO2−R)、アミノ基(−NH2)、モノ置換アミノ基(−NHR)、ジ置換アミノ基(−NRR')、アジド基(−N3)、ニトリル基(−CN)、アミジノ基(−N−C(=N)−NH2)などによって1つ以上置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基を有するL型のαアミノ酸や、N−メチル化されたL型のαアミノ酸、N−エチル化やN−プロピル化などのC1〜C4アルキル置換やN−ベンジル化などのN−アラルキル置換されたグリシン誘導体や、チオール基などの反応補助基を有する置換基やアミノ基などの三角ユニットや交差ユニットに活用できる反応性の高い様々な官能基を有するL型のαアミノ酸などが含まれる。また、D−チロシンなど一部のD型のαアミノ酸やβ―アラニンなどのβアミノ酸や、α―メチル−アラニン(Aib)などのα、α―ジアルキルアミノ酸なども含まれる。
本発明のアミノ酸類縁体とは、好ましくはα−ヒドロキシカルボン酸を意味する。α―ヒドロキシカルボン酸の側鎖は、アミノ酸と同様水素原子以外にも様々な置換基を有していてもよい(自由な置換基を有していてもよい)。α−ヒドロキシカルボン酸の立体構造はアミノ酸のL型でもD型に対応するものでもよく、側鎖の選択には特に制限を設けないが、例えば自由に置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、シクロアルキル基などの中から自由に選択される。置換基の数は1つに限定されず、2つ以上有していてもよい。例えば、S原子を有し、さらにアミノ基やハロゲン基などの官能基を有していてもよい。
本明細書では、「翻訳アミノ酸類縁体」又は「翻訳可能なアミノ酸類縁体」とは、「アミノ酸類縁体」のうち、翻訳させることのできるアミノ酸類縁体を意味する。具体的には、例えば、L型アミノ酸の主鎖アミノ基がヒドロキシル基に置き換わった化合物が挙げられる。L−lactic acid、α―ヒドロキシ酢酸、LもしくはD−phenyllactic acidなどが挙げられる。また、「ドラックライクなアミノ酸類縁体」とは「アミノ酸類縁体」のうちドラックライクなペプチド化合物の構成要素として機能するものであれば特に限定されない。この範囲は上述のドラックライクなアミノ酸の側鎖あるいはN置換部分の定義と同様である。具体的には、例えば、LもしくはD−lactic acid、もしくはその側鎖メチル基に様々なドラックライクな置換基(例えば、ハロゲン基、ヒドロキシル基、置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基など)が付与された化合物、α―ヒドロキシ酢酸、LもしくはD−phenyllactic acid、もしくはその側鎖ベンジル基に様々なドラックライクな置換基(例えば、ハロゲン基、ヒドロキシル基、置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基など)が付与された化合物などが挙げられる。また、ドラックライクなアミノ酸類縁体は、翻訳可能な必要は必ずしも無い。「翻訳アミノ酸類縁体」を翻訳後に化学修飾によって、ペプチド化合物がドラックライクとなるような場合には、当該アミノ酸類縁体も「ドラックライクなアミノ酸類縁体」に含まれる。そのようなアミノ酸類縁体としては、例えば、側鎖にSH基が付与されたα―ヒドロキシカルボン酸や側鎖にアミノ基、あるいは保護されたアミン部位が付与されたα―ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。例えば、SH基は、翻訳後修飾後に、脱硫反応によって除去することが可能であり、アミノ基は翻訳後修飾によりアミド等に変換させることができる。個別例として、R−2−hydroxy−3−sulfanylpropanoic acidなどが挙げられる。
本発明のN末端カルボン酸類縁体とはアミノ基とカルボキシル基とを同時に持ち、両者の間の原子数が3つ以上の化合物、アミノ基を持たない様々なカルボン酸誘導体や、2残基〜4残基から形成されるペプチド、主鎖アミノ基がカルボン酸とのアミド結合などで化学修飾されたアミノ酸でもよい。また、曲線部での環化に使用できるホウ酸やホウ酸エステル部位を有していてもよい。また、二重結合部位や三重結合部位を有するカルボン酸でもよく、ケトンやハライドを有するカルボン酸でもよい。なお、これらの化合物も規定した官能基以外の部分は、置換されてもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基などの中から幅広く選択(自由な置換基)される。
本明細書では、「翻訳N末端カルボン酸類縁体」又は「翻訳可能なN末端カルボン酸類縁体」とは、「N末端カルボン酸類縁体」のうち、翻訳させることのできるN末端カルボン酸類縁体を意味する。具体的には、例えば、2重結合とカルボン酸がアルキル基で接続された化合物(ブタ−3−エン酸、ペンタ−4−エン酸など)、N末端がアセチル化などでアミド化されたL型アミノ酸(Ac−Phe,Ac−Ala,Ac−Leuなど)、OH基がアルキル化されたα―ヒドロキシカルボン酸誘導体やジペプチド、トリペプチドなどが挙げられる。また、「ドラックライクなN末端カルボン酸類縁体」とは「N末端カルボン酸類縁体」のうちドラックライクなペプチド化合物の構成要素として機能するものであれば特に限定されない。これらの置換基はドラックライクなアミノ酸の側鎖で定義した置換基と同一のものが含まれる。具体的には、例えば、2重結合とカルボン酸がアルキル基で接続された化合物(ブタ−3−エン酸、ペンタ−4−エン酸など)のうち、炭素原子からドラックライクな範囲で置換基が付与された化合物、N末端がアセチル化などでアミド化されたL型アミノ酸(Ac−Phe,Ac−Ala,Ac−Leuなど)のうち、アセチル基あるいは側鎖あるいはα位の水素原子がドラックライクな範囲で置換された化合物、OH基がアルキル化されたα―ヒドロキシカルボン酸誘導体のうち、OH基のアルキル基やヒドロキシカルボン酸の側鎖やα位の水素原子などがドラックライクな範囲で置換された化合物、ドラックライクな範囲で置換されたジペプチド、トリペプチドなどが挙げられる。また、ドラックライクなN末端カルボン酸類縁体は、翻訳可能な必要は必ずしも無い。「翻訳N末端カルボン酸類縁体」を翻訳後に化学修飾によって、ペプチド化合物がドラックライクとなるような場合には、当該N末端カルボン酸類縁体も「ドラックライクなN末端カルボン酸類縁体」に含まれる。そのようなN末端カルボン酸類縁体としては、例えば、N末端にアミノ基が残存したままのジペプチド、γ―アミノカルボン酸、δ―アミノカルボン酸など挙げられる。
膜透過性を確保するために、より好ましくはアミノ酸側鎖の選択としては、ドラックライクな置換基の中から選択される。例えば、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基の中から、例えば置換基としてハロゲン基、水酸基(−OH)、アミド基(−CO-NRR'あるいは−NR−CO−R')、スルホン基(−SO2−R)、エーテル基(−OR)などが付与されたものがよい(R、R'は同様にこれらで置換されてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基の中から選択される)。アリール基、アラルキル基のアリール基部位としては、フェニル基の他、ピリジン基などの塩基性基、チアゾール基などの2つ以上のヘテロ原子含有基、イミダゾール基などの水素原子ドナー、インドール基などの縮合芳香環も許容される。
一方、膜透過性を獲得するために好ましくない極性官能基としては生体中(pH=7付近)で極度にイオン化される官能基であるアルキルアミノ基やアルキルグアジニノ基などが挙げられ、これらの官能基が含まれないことが好ましい。
膜透過性を獲得する目的で、ペプチド化合物を構成するアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体としてN−メチル化やプロリンのようなα位炭素原子との環化などのN−アルキル化されたものを用いてもよく、その数が1つのペプチド分子あたり2個以上存在することが好ましい。また、1つのペプチド分子あたり、N−アルキル化されていないアミド結合が、少なくとも1個は存在することが好ましい。望ましくは、1つのペプチド分子あたり、N−アルキル化されたものが3個以上存在し、N−アルキル化されていないものが3個以上存在することが好ましい。このN−アルキル化とは、NH以外の化学修飾を全て含み、従って、置換されてもよい(置換基の選択は、上の膜透過性を確保するためのアミノ酸側鎖の置換基と同様)アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基の中から選択されるものとする。また、N−アルキル化とはプロリンのように、N原子とα炭素との間で環構造を形成するものも含まれる。
ペプチド化合物のC末端部位はカルボン酸のままではなく、化学修飾されることがより好ましい。例えば、カルボン酸部位をピペリジンなどと反応させたピペリジンアミドなどの置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基アミド化合物(−CO−NRR':のRとR'の1つが水素原子で、他方が化学修飾されてもよく、RとR'の両方が化学修飾されていてもよく、RとR'が環を形成して、例えばピペリジンアミドのように化学修飾されていてもよい。また、RとR'がともに水素原子でもよい)への変換や、カルボン酸基をメチル基やトリフルオロメチル基などの置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基などの様々な非イオン性官能基に変換させることが好ましい。置換基の選択は、上の膜透過性を確保するためのアミノ酸側鎖の置換基と同様である。また、ペプチド化合物を構成するアミノ酸は、翻訳合成された化合物を最適化することもできる。また、得られたペプチド化合物を構成するアミノ酸は、翻訳合成されるものに限定されるものではない。
ここで最適化とは、「翻訳アミノ酸」から翻訳合成された化合物中のそれぞれのアミノ酸の構造を変換させることにより、よりドラックライクなペプチド化合物となるように化学修飾する、より薬効標的に強い活性を有するペプチド化合物となるように化学修飾する、及び/又は、より毒性が回避されたペプチド化合物となるように化学修飾することを意味する。ここで、回避すべき、あるいは回避した方が好ましい毒性として、例えば、hERG阻害(心臓への毒性)、AMES試験(癌原性試験)、CYP阻害(薬物間相互作用試験)、CYP誘導、GSH結合能測定試験(グルタチオンによるペプチドあるいはペプチド代謝物の共有結合形成試験)、などが挙げられる。これらの試験では、薬効本体のペプチド化合物そのものと、その代謝産物の両方が関与する場合が考えられ、特にAMES試験、CYP誘導、GSH結合能測定試験で陰性結果を確保するためには、共有結合を生成する可能性がある代謝産物を避けることが好ましい。このため、ディスプレイライブラリー中の全てのペプチド化合物に含まれる環化部位がこのような可能性のある官能基を形成しない、特に酸化反応に対してある程度の安定性を有する環化反応で環化されることが好ましい。例えば多くの低分子化合物で実施されている通り、フェニルアラニンが翻訳アミノ酸として同定された場合、フェニル基にアルキル置換、ハロゲン置換など様々な化学修飾が可能である。このような変換は、翻訳合成された化合物の3次元構造を大きく損なうことなく実施できる点で従来の天然ペプチドのN-メチル化や環化による化学修飾とは大きく異なる。なおかつ、天然ペプチドでは多くの場合、極度にイオン化されたアルギニンやリジン残基が活性に寄与することが多いため、これらを容易にドラックライクな官能基に変換させるのが困難であるのに対し、本技術を駆使すれば予めドラックライクな官能基のみで限定された官能基が薬効標的に対する活性を獲得し、ドラックライクな環化法で環化されているため、低分子化学で通常実施するような化学修飾が施され、低分子化学と同様な確度と成功率で臨床候補化合物を獲得することができる。一方、脂溶性の指標であるCLogP値は、最適化の過程で容易に調整することができる。また、通常低分子化合物の最適化でも実施するアルキル化やハロゲン化により、標的に対する結合活性を高めることができる。通常10倍〜50倍の活性向上が期待できる。これらの通常の変換は、同時にCLogP値を高めることもできる。例えばクロロ化にて約0.7、メチル化にて約0.5程度を高めることができる。極度にイオン化された官能基を有する場合、最適化の過程でCLogP値を高めても、優れた膜透過性を得るには不十分であるが、極度にイオン化された官能基を有しない場合、最適化の過程で膜透過に十分なCLogP値を得ることができる。従って、例えば平均のCLogP値が6付近のディスプレイライブラリーから、CLogP値が5のヒット化合物が得られた場合、更にCLogP値を高めて、膜透過に最適な範囲の8〜15の範囲へと最適化することは十分可能であると判断できる
本発明のペプチド化合物の膜透過性の確認は、公知の方法、例えば、ラット腸管法、培養細胞(Caco-2, MDCK, HT-29, LLC-PK1など)単層膜法、Immobilized Artificial Membrane chromatography(固定化人工膜クロマトグラフィー)法、分配係数を用いる方法、リボソーム膜法、PAMPA(Parallel Artificial Membrane Permeation Assay)法等を用いて確認することができる。具体的には、例えばPAMPA法を用いる場合、Holger Fischerらの文献(非特許文献:H.Fischer et. al.Permeation of permanently positive charged molecules through artificial membranes-influence of physic-chemical properties. Eur J. Pharm. Sci. 2007, 31, 32-42)の記載に従って確認することができる。より具体的には、実施例19-2に記載の方法に従って確認することができる。
経口医薬品として膜透過性を有するヒドロクロロジアジド、フロセミド及びメトプロロールの膜透過性をPAMPA法で測定した時のiPAMPA Pe値はそれぞれ0.6X10-6、1.5X10-6及び2.9X10-5である。本発明のペプチド化合物の膜透過性は、例えばPAMPA法で測定したときのiPAMPA Peの値が、通常1.0 x 10-6以上である場合に医薬品として使用可能な膜透過性を得ることができたと考えることが可能であり、1.0x 10-6以上であることが好ましく、1.0X10-5以上であることがより好ましく、1.5X10-5以上であることが特により好ましく、2.0X10-5以上であることが更により好ましい。
本発明のペプチド化合物の代謝安定性の確認は、公知の方法、例えば、肝細胞、小腸細胞、肝ミクロソーム、小腸ミクロソーム、肝S9等を用いて確認することができる。具体的には、例えば、肝ミクロソーム中のペプチド化合物の安定性をLL von Moltke らの文献( Midazolam hydroxylation by human liver microsomes in vitro: inhibition by fluoxetine, norfluoxetine, and by azole antifungal agents. J Clin Pharmacol, 1996, 36(9), 783-791)の記載に従って測定することで確認することができる。より具体的には、実施例18-2に記載の方法に従って確認することができる。
代謝安定性は、例えば肝ミクロソーム中の安定性を上述の方法に従って測定した時の、肝固有クリアランス(CLh int(μL/min/mg protein))の値が、150以下である場合に経口剤の医薬品として使用可能な代謝安定性を得ることができたと考えることが可能であり、好ましくは100以下である。CYP3A4により代謝される薬物の場合、ヒトにおける小腸代謝を回避するためには78以下(非特許文献:M. Kato et al. The intestinal first-pass metabolism of substances of CYP3A4 and P-glycoprotein-quantitative analysis based on information from the literature. Drug Metab. Pharmacokinet. 2003, 18(6), 365-372.)であることが好ましく、ヒトにおいて約30%以上のバイオアベイラビリティを示すためには35以下(FaFg=1、タンパク結合率0%を仮定)であることが、より好ましい。
また、N末端側のアミノ酸残基、アミノ酸類縁体残基又はN末端カルボン酸類縁体の反応点と、C末端側の側鎖に有するアミノ酸残基又はアミノ酸類縁体残基の反応点とを結合させる方法としては、例えば、N末端側の側鎖にアミノ基と反応補助基を有する、アミノ酸残基、アミノ酸類縁体残基又はN末端カルボン酸類縁体と、活性エステル基を側鎖に有するアミノ酸残基又はアミノ酸類縁体残基をアミド結合させて環状化合物を得る方法、N末端アミノ酸残基、アミノ酸類縁体残基又はN末端カルボン酸類縁体にアミノ基を有し、これと活性エステル基を側鎖に有するアミノ酸残基又はアミノ酸残基をアミド結合させて環状化合物を得る方法、N末端のアミノ酸残基、N末端のアミノ酸類縁体残基又はN末端カルボン酸類縁体の反応点と、側鎖に1つの反応点を有するアミノ酸残基又はアミノ酸類縁体の反応点とを炭素‐炭素結合させる方法などが挙げられる。また、上記の例に限定されず、例えば、N末端側のアミノ酸残基、N末端側のアミノ酸類縁体又はN末端カルボン酸側に活性エステル基を有し、C末端側の側鎖にアミノ基(反応補助基を有してもよい)をアミド結合させるなど、上記と逆の官能基配置にしてもよい。
以下にアミド環化を利用する場合を例にした反応設計を述べる。三角ユニットの反応させたいアミノ基と反応させたくない塩基性官能基との反応選択性を獲得するためには反応させたいアミンの反応性をその他の官能基に対して向上させる必要がある場合があり得る。通常アミンより活性化させる手法として、例えば、アミン近傍に反応補助基を導入することが可能である。反応補助基としてはRNAが反応しない程度にアミンを活性化できるものであれば特に限定されないが、例えば末端アミンからメルカプトエチル基やメルカプトプロピル基を導入することも可能であり、また、システインのように、アミンのα位からチオール部位を位置させることも可能である(スキームC参照)。これらのチオール基は翻訳導入の過程では、保護されていても、保護されていなくてもよいが、反応時もしくは事前に必要に応じて脱保護反応によりチオール基を生成させる。このように活性化されたアミンとカルボン酸活性エステルとの反応により望みの位置でのアミド環化されたペプチドが得られる。得られた環状ペプチドのSH基をTCEP(トリス(2−カルボキシルエチル)ホスフィン)とVA−044(2,2'−アゾビスー2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)などの試薬を加えるRNAが反応しない温和な反応条件で脱硫させることができる。
翻訳によりディスプレイライブラリーを実施する場合、翻訳導入させる交差ユニットの活性エステルとしてはチオエステルが好ましい。反応補助基にSH基を用いる場合、例えば次のような組合せで行われる。SH基を無保護の状態で翻訳合成させる場合には、交差ユニットであるチオエステルとしてアスパラギン酸誘導体を用いることが好ましい。この場合、全ての黒丸ユニットと四角ユニットは翻訳アミノ酸や翻訳アミノ酸類縁体の中から任意に選択され得る。一方、SH基に保護基を有する状態で翻訳合成させる場合には、アスパラギン酸チオエステルのC末端側となりの四角ユニットはN−アルキル化されたアミノ酸(例えばプロリンや、N−メチル アラニンなど)の中から選択されることが好ましい。
一般式として、三角ユニットとしてのアミン近傍に反応補助基を有するアミノ酸、N末端カルボン酸類縁体、例えばN末端アミノ酸の例として、化合物N−1あるいはN−2のように書くことができる。これら化合物N−1およびN−2の置換基は、好ましくは、これらのRで表わされる置換基のうち、保護基(R1、R23あるいはトリチル基など)以外で使用される置換基は上述で定義したドラックライクなアミノ酸の側鎖の定義と同様である。また、それらが導入された結果得られた化合物が翻訳合成され得るものがより好ましいが、その誘導体そのものが翻訳合成されなくても、その類縁体が翻訳合成されるものも含まれる(後述の段落(たとえば3つ後ろの段落)を参照)。
R2、R3はドラックライクなアミノ酸の側鎖の定義と同様に定義される。たとえば、R2、R3は、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、もしくはシクロアルキル基を示し、またはR2とR3が環を形成した置換基、またはR2もしくはR3がR4と環を形成した置換基を示す。さらに好ましくは水素原子、あるいはC1−C4アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基などで置換されてもよいC1−C4アルキル基などから選択される。なお、R3基の立体はL型アミノ酸、D型アミノ酸に対応するもの両方が許容される。好ましくはR3基の立体は、R3基が水素原子と仮定した場合のL型アミノ酸に対応するものがよい。
R4は、S(硫黄)原子とアミノ酸部位を連結するユニットである。以下その代表的構造を示す。両ユニットを置換されていてもよいメチレン基(部分構造N−3、C1ユニット)、置換されてもよいエチレン基(部分構造N−4、C2ユニット)、置換されてもよいプロピレン基(部分構造N−5、C3ユニット)などのC1〜C6ユニットで連結させることができる。置換されていてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基における置換基の例としては、たとえば、R13がメチル化された(R14=H)化合物N−1や、R13=R14=Meのようにジメチル化された化合物N−1などが挙げられる。これらのうちで、その誘導体のどれかが翻訳合成される場合、その他の誘導体は、仮に翻訳合成されなくても全てこの定義に含まれる。例えば、R13=R14=Hが翻訳合成される場合には、R13=R14=Meのような誘導体が、仮に翻訳合成されない場合でも、これらの置換基はドラックライクアミノ酸側鎖の定義に含まれるため三角ユニットとして含まれる。R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22らも、R4と同様の定義であるが、例えば、水素原子、C1〜C4アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されてもよいC1〜C4アルキル基から選択される。これらの間で環化構造となっていてもよい。特に好ましくは、水素原子、メチル基から選択される。また芳香族化合物のアリール炭素から直接連結させることもできる(部分構造N−6)。またアラルキル構造で連結させることもできる(部分構造N−7、N−8)。部分構造N-7では、2価のうち、どちらが窒素原子側であっても、硫黄原子側であってもよい。下スキームでは、連結位置をオルトに限定したが、オルトに限定されずメタ、パラなども可能である。アリール基としてフェニル基で示したが、フェニル基はハロゲン基やアルコキシ基やトリフルオロメチル基などの置換基により置換されていてもよく、またフェニル基以外のアリール基(すなわち、ヘテロアリール基を含む様々な芳香環)を用いてもよい。
R11、R12もR4と同様な部分構造から選択される。例えば部分構造N−3、N−4、N−5、N−6、N−7、N−8の中から選択することができる。R12はC0ユニット(連結部位は直接結合している場合)も含むことができる。
ここまで一般式化合物N−1および化合物N−2で表わせる化学構造について述べたが、反応補助基SHを含む三角ユニットの定義としては、これらに限定されない。すなわち、交差ユニットと反応させるユニットであるアミノ基と反応補助基を有しており、翻訳合成可能な構造の中から任意の構造から選択される。アミノ基は主鎖由来でも側鎖由来でもよい。三角ユニットはN末端に存在させる必要は必ずしもなく、三角ユニットよりN末端側に四角ユニット(直鎖部)が存在していてもよい。SH基とアミノ基の位置関係がβ(2つの官能基の間に連結原子2つ)、γ(連結原子3つ)など連結原子2〜6までの範囲に存在する化学構造が好ましい。より好ましくは、SH基とアミノ基の位置関係がβあるいはγであることが好ましい。また、三角ユニットに活性エステル官能基を有するユニットが配置されても交差ユニット側にアミンを含むユニットが配置されていてもよい。
活性エステル基を側鎖に有するアミノ酸残基の一般式として化合物C−1のように記すことができる。好ましくは、これらの活性エステル部位を除いた置換基は上述で定義したドラックライクなアミノ酸の側鎖の定義と同様である。その誘導体そのものが翻訳合成されなくても、その類縁体が翻訳合成されるものも含まれる。本願では活性エステルとはアミノ基部位と直接あるいは反応補助基を介して反応させることが可能なカルボン酸誘導体を意味し、そのような性質を有する活性エステルあるいは活性チオエステルであれば特に制限されないものとする。R25は水素原子あるいは活性エステル基の中から選択されるものである。活性エステルは、例えば広く一般に使用されているように、N−ヒドロキシスクシンイミド(ONSu)基、OAt基、OBt基などや、メチルチオエステルやアリールチオエステル、アラルキルチオエステルなどに代表される。これらの活性エステル部位には通常広く利用されている化合物置換基(たとえば、置換基としては、反応性を高める目的で使用されることが多いハロゲン基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ニトリル基などの電子吸引基や、反応をより低めて反応選択性を高める目的で使用されることが多いメトキシ基などのアルコキシ基、メチル基などのアルキル基のような電子供与基、t−ブチル基やイソプロピル基に代表されるかさ高い置換基、水中での実施を受けて、水との親和性を考慮した、スルホン酸基や、ジメチルアミノ基のようなジ置換アミノ基などが挙げられ、逆に親脂性との親和性を考慮した長鎖アルキル基などの高脂溶性基などが挙げられる。)が付与された誘導体であっても、同様の反応性を示すものは全て含まれる。
R26はR4の定義と同様であり、以下その代表的構造を示す。両ユニットをメチレン基(部分構造N−3)、エチレン基(部分構造N−4)、プロピレン基(部分構造N−5)などのC1〜C6ユニットで連結させることができる。R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22では、好ましくは、これら置換基は上述で定義したドラックライクなアミノ酸の側鎖の定義と同様である。その誘導体そのものが翻訳合成されなくても、その類縁体が翻訳合成されるものも含まれる。例えば、水素原子、C1〜C4アルキル基、ハロゲン原子などで置換されてもよいC1〜C4アルキル基から選択される。これらの間で環化構造となっていてもよい。より好ましくは、メチレン基(C1ユニット、部分構造N−3)の他、C4ユニット、C5ユニットC−6ユニットから選択される。さらに好ましくは、C1ユニット(部分構造N-3)が選択される。また芳香族化合物のアリール炭素から直接連結させることもできる(部分構造N−6)。またアラルキル構造で連結させることもできる(部分構造N−7、N−8)。下スキームでは、連結位置をオルトに限定したが、オルトに限定されずメタ、パラなども可能である。アリール基としてフェニル基で示したが、フェニル基はハロゲン基やアルコキシ基などの置換基により置換されていてもよく、またフェニル基以外のアリール基を用いてもよい。
化合物C−1の中で、好ましい構造を化合物C−2に示した。R27は水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルキル基が付与されていてもよいアラルキル基の中から選択される。これら置換基としては、その置換基が選択された結果得られる化合物C−2が翻訳合成され得るものであれば、特に限定されない。たとえば、置換基としては、反応性を高める目的で使用されることが多いハロゲン基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ニトリル基などの電子吸引基や、反応をより低めて反応選択性を高める目的で使用されることが多いメトキシ基などのアルコキシ基、メチル基などのアルキル基のような電子供与基、t−ブチル基やイソプロピル基に代表される、かさ高い置換基、水中での実施を受けて、水との親和性を考慮した、スルホン酸基や、ジメチルアミノ基のようなジ置換アミノ基、逆に親脂性を考慮した長鎖アルキル基などの高脂溶性基などから選択される。好ましくは、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基から選択される。さらに好ましくは、アルキル基、アリール部位が置換されていてもよいアラルキル基から選択される。
R3はドラックライクなアミノ酸の側鎖の定義と同様に定義されるが、例えばC1−C4アルキル基、ハロゲンなどで置換されてもよいC1−C4アルキル基から選択されるが、特に水素原子が好ましい。なお、R3基の立体はR3基が水素原子と仮定した場合のL型、D型アミノ酸に対応するもの両方が許容されるが、L型アミノ酸に対応するものが好ましい。
さらに好ましい構造を化合物C−3に示した。R28およびR29はそれぞれ、ドラックライクなアミノ酸の側鎖の定義と同様に定義されるが、例えば水素原子、置換されてもよいC1〜C6アルキル基、置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、置換されてもよいC2〜C6アルキニル基、、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいC1〜C6アルキル基が付与されていてもよいアラルキル基、置換されてもよいシクロアルキル基の中から選択される。これら置換基としては、たとえば、モノメチル化(R28=Me、R29=H)やジメチル化(R28=R29=Me)、モノトリフルオロメチル化(R28=CF3、R29=H)などが挙げられる。
R3は水素原子、C1−C4アルキル基、ハロゲンなどで置換されてもよいC1−C4アルキル基などから選択されるが、特に水素原子が好ましい。なお、R3基の立体はR3基が水素原子と仮定した場合のL型、D型アミノ酸に対応するもの両方が許容されるが、L型アミノ酸に対応するものが好ましい。
化合物C-1、化合物C-2、化合物C-3と同様に、化合物COH-1、化合物COH−2、化合物COH−3から選択することもできる。
化合物C−2あるいは化合物C−3を用いた場合、化合物N−1あるいは化合物N−2との反応は温和で選択的に進行させることができる。翻訳液中(例えば、37℃、pHは7.3付近)でもスムースに反応を進行させることができる。反応補助基の除去もRNAが安定な反応条件で容易に進行させることができる。
N末端側(三角ユニット)に活性エステルが配置された場合、C末端側(交差ユニット)には反応補助基を有するアミンユニットが配置されてもよい。この場合には、交差ユニットの側鎖にアミノ基とチオール基が配置される。翻訳段階ではこれらは保護されていてもよいが、反応直前には脱保護されている。アミノ基とチオール基は近傍に存在すれば特に限定されないが、両者の関係がβ位あるいはγ位であることが好ましい。
すなわち、三角ユニットの側鎖にチオエステルなどの活性エステルを有し、もう一方(交差ユニット)に側鎖のアミノ基(近傍にチオールなどの反応補助基を有する)とのアミド縮合反応によりドラックライク環化させる手法も全て本願に含まれ、どちらの官能基が三角ユニットもしくは交差ユニットに配置されていてもよい。
以下、反応補助基を有するアミン部位として、化合物N−1および化合物N−2とは異なる構造の具体例を示した。いずれもアミノ基、チオール基は必要に応じて保護されていてもよい。保護基および脱保護反応条件の選択は、本明細書記載の方法を利用することができる。化合物Na−10では図に記載のとおり、アミノ基とチオール基の間に炭素原子が2つ配置させた構造を選択することができる。化合物Na−11では図に記載のとおり、アミノ基とチオール基の間に炭素原子が3つ配置させた構造を選択することができる。Ra20〜Ra25のどれかにNa−7基、Na−8基あるいはNa−9基が置換基として配置される。またRa7の定義は既に記載のとおりであるが、化合物Na−10あるいは化合物Na−11の場合に限り、Ra7にもNa−7基、Na−8基、Na−9基を選択することができる。Na−7基、Na−8基、Na−9基は、Ra−7もしくはRa20〜Ra25の中のどこか1か所のみに限定されて選択される。Na−7基あるいはNa-8基、Na-9基が選択された置換基以外のRa20〜Ra25には、水素原子の他、ドラックライクな官能基で置換されてもよいアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基などがから選択される。好ましくは水素原子、アルキル基から選択される。
三角ユニット(N末端側)にチオエステル基などの活性エステルを有するユニットが選択される場合、それらは例えば化合物C-1、化合物C-2、化合物C-3の他、化合物Ca−1、化合物COH−1、化合物COH−2、化合物COH-3から選択することができる。化合物C-1などは、環化した後に主鎖アミノ基が保持されてしまうのに対し、化合物Ca−1、化合物COH−1、化合物COH−2、化合物COH-3にはアミノ基が存在しないため、よりドラックライクとなるためより好ましい。この場合には、交差ユニットとして化合物Na−10(Na−7基あるいはNa−8基)や化合物Na−11(Na−7基あるいはNa−8基)などから選択される。これらの化合物は保護された状態で翻訳されてもよい。翻訳されうる保護基、およびRNAに安定な反応条件での脱保護条件は本明細書に記載された方法を用いることができる。より好ましくは、より代謝安定性が高いことから化合物Na−7基を利用することが、Na−8基を利用することより好ましい。
また、交差ユニット(C末端側)に活性エステル基を有する化合物C-1、化合物C-2、化合物C-3、あるいは化合物COH−1、化合物COH−2、化合物COH-3などが選択された場合、三角ユニット(N末端側)には既に述べた化合物N−1や化合物N−2の他にも、化合物Na−10および化合物Na−11から選択することができる。三角ユニットをN末端とする場合には、化合物N−1、化合物N-2の他にも化合物Na−10(Na-8基、およびNa−9基)あるいはNa−11(Na-8基、およびNa−9基)を選択することが好ましい。Na−7基を利用すると、主鎖アミンが保持され、ドラックライクネスが低下するためである。一方で、三角ユニットをN末端としない場合には、化合物Na−10(Na−7基およびNa−8基)および化合物Na-11(Na−7基およびNa−8基)を用いることができる。この場合にはN末端にはアミノ酸誘導体もしくはN末端カルボン酸誘導体を用いることがより好ましい。N末端に主鎖アミノ基を保持させないためである。
また、化合物Na−10および化合物Na−11に付与されるものはNa−7基、Na−8基、Na−9基に限定されない。例えば、Na−7基はαアミノ酸骨格由来であるが、これがβアミノ酸骨格であってもよい。
通常アミンより活性化させる手法としては、前述の反応補助基としてSH基を含有するものに限定されない。通常アミンより活性化させる手法として、アミンに直接ヘテロ原子を導入してアミンの反応性を向上させることも可能である。例えばヒドロキシアミン(化合物F−1、化合物F−4、化合物F−5、化合物F−7)やアルコキシアミン(化合物F−2、化合物F−14、化合物F−15、化合物F-16)、アジド(化合物F−3、化合物F−9、化合物F−10、化合物F―11)などが挙げられる。このように、アミノ基に直接あるいはリンカーを伴って近傍に反応補助基となり得るヘテロ原子を導入させることにより、アミノ基を活性化させる手法は全て本願に含まれる。ヒドロキシアミンとの反応では、活性エステル部としては化合物F−7や化合物F-8などが選択される。アルコキシアミンとの反応では、化合物F−17や化合物F−18などが選択される。アジドとの反応では、化合物F−12や化合物F-13などが選択される。
R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107は通常使用されるアミノ酸側鎖であり、天然型アミノ酸に限定されない置換基である。すなわち、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基、置換されてもよいアラルキル基から選択される。
R101、R102のうち1つが水素原子、R103、R104のうち1つが水素原子、R106、R107のうち1つが水素原子であることがより好ましい。また水素原子の配置はこれらがL型アミノ酸と同じ立体配置になるように配置されることが好ましい。
R105は置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルケニル基、置換されてもよいアルキニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいアラルキル基の中から選択される。
initiation read through(イニシエーション リード スルー:開始コドンの読み飛ばし)を利用することによって、上記のメチオニン以外のアミノ酸、アミノ酸類縁体又はN末端カルボン酸類縁体のN末端導入による末端が多様なペプチド化合物又はペプチド化合物ライブラリーの合成法での複数種類アミノアシル翻訳開始tRNAの用意の必要がない方法がある。initiation read throughとは、一般的にはタンパクやペプチドはAUCコドンとしてコードされる翻訳開始アミノ酸であるメチオニンから翻訳されるが、無細胞翻訳系において翻訳開始メチオニルtRNAが含まれない場合や翻訳効率の低い非天然アミノ酸が翻訳開始tRNAに付加されたものからの翻訳を開始させようとした際に2番目以降のコドンにコードされるアミノ酸からの翻訳産物が生じる現象を意味する。
Initiation read throughを利用する方法としては、ペプチドをコードするmRNAの開始コドンの次の2番目のコドンに三角ユニットをコードさせ、メチオニンもしくは翻訳開始メチオニンtRNAを含まない翻訳系にて翻訳させることによってN末端を三角ユニットとするペプチド又はペプチドライブラリーを作成する方法が使用できる。別報として、酵素、例えば、peptide deformylase(ペプチド デフォルミラーゼ)とMethionine aminopeptidase(メチオニン アミノペプチダーゼ)を作用させることによってペプチドのN末端のメチオニンを削り取る方法が知られている(非特許文献:Meinnel, T., et al. Biochimie (1993) 75, 1061-1075, Methionine as translation start signal: A review of the enzymes of the pathway in Escherichia coli.)。翻訳開始メチオニンから始まるペプチドのライブラリーを用意し、これにMethionine aminopeptidaseを作用させることによってN末端のメチオニンを除去し、N末端がランダムなライブラリーを調製することも出来る。また、翻訳開始メチオニンなどに続く2番目のアミノ酸を利用して環化した後にアミノペプチダーゼ処理することでメチオニンなどのN末端アミノ酸を除去できることを示した。これらによりメチオニン残基はスキームAのユニットには含まれず(ユニット数は全ての翻訳後修飾が終了した化学構造で判断することは既に定義済である)、三角ユニットに対応するアミノ酸残基は2番目にコードされたアミノ酸となる結果、複数のコドンに三角ユニットをコードさせられるため自由度を2種類以上に拡大させ可変箇所が一つ増えることになる。三角ユニットとして2種類以上のアミノ酸又はアミノ酸類縁体を利用することが可能となるため、本発明のペプチド化合物またはペプチド化合物ライブラリーを作製する際に、より多様性の増大したペプチド化合物またはペプチド化合物ライブラリーを作製することが可能となる。最大ではランダム領域と同数のアミノ酸又はアミノ酸類縁体を使用することが可能となり、ランダム領域と同数の自由度にまで拡大させることも可能となった。ここでランダム領域とは、本発明のペプチド化合物において、自由にアミノ酸又はアミノ酸類縁体を選択することができる領域を意味し、本法以外ではスキームAの交差ユニットおよび三角ユニット以外の領域(すなわち黒丸ユニットと四角ユニット)を指すが、本法では三角ユニットもランダム領域となる。三角ユニットの持つ交差ユニットとの反応性を維持したまま、黒丸ユニットや四角ユニットのもつ構造多様性を確保できる。すなわち、本方法を用いれば、翻訳後環化のためにはディスプレイライブラリー中で、従来2つのアミノ酸(三角ユニットと交差ユニットに相当)を固定する必要があったのに対し、固定を1つのアミノ酸(交差ユニット)に減少させることができる。例えば、ランダム領域に選択されるアミノ酸およびアミノ酸類縁体のほとんどは主鎖アミノ基を有しているため、これを三角ユニットにも適用させるとN末端にはアミノ基を有するランダムアミノ酸配列が配置される。この中で共通に存在する主鎖アミノ基との選択的アミド結合形成によりアミド環化を行うことが可能となる。例えば、リジンやアルギニンなどの塩基性アミノ酸を導入しないディスプレイライブラリーを構築する場合に特に有用である。我々の検討結果から、ドラックライクネスを有する残基数は13残基以下であることから、固定すべきユニットの数が2から1へ減少することは、ランダム領域のユニット数は11から12へ増加することを意味する。ランダム化できる残基数が1つ増加することの価値は、ドラックライクネスを維持するための限定された条件下での自由度を最大限活かすという意味で、非常に高い。
N末端(三角ユニット)を固定することなしに環化させたライブラリー構築の手法の例として、アミド環化の例が挙げられる(本手法は、N末端を固定した場合にも利用できる)。交差ユニットとしてアスパラギン酸誘導体を例として挙げるが、これ以外にも制限されず、例えば化合物C-1、化合物C-2、化合物C-3にて表せる化合物群の中から選択される。N−メチルアスパラギン酸などのN−アルキル化体、グルタミン酸誘導体などの側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体であれば何でもよい。(i)側鎖にカルボン酸を有するアミノ酸を導入し、翻訳後に活性エステル化させることが可能である。例えば、化合物E−1に示すとおり、アスパラギン酸自体を翻訳導入させることができる。得られた翻訳ペプチドに対し、カルボン酸とN末端アミンとの縮合反応によりアミド環化させることができる。例えば、化合物E−2に示すようなN−ヒドロキシスクシンイミド活性エステルやHOBt、HOAtなどの活性エステルに変換させることができる。得られた活性エステルは容易にアミンと反応させることができるため、結果としてN末端をランダム化させたアミド環化反応が実現できる。本手法の実現には、カルボン酸部位のみが活性エステル化され、RNA(などの核酸部位)が反応されない手法の選択が鍵となる。 (ii)側鎖にカルボン酸活性エステルを有するアミノ酸を翻訳導入し、その活性エステルとアミンとを反応させることができる。化合物E−2のような活性エステルを予め翻訳合成させる手法である。化合物E−2の他にも化合物E−3のようなベンジルチオエステル、化合物E−4のようなアリールチオエステル、アルキルチオエステルなどを翻訳導入させることも可能である。化合物E−4や化合物E−3の場合、フェニル基を例としているがアリール基やヘテロアリール基であれば制限がない。またアリール基やヘテロアリール基に、たとえば、置換基として、ハロゲン基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ニトリル基などの電子吸引基や、メトキシ基などのアルコキシ基、メチル基などのアルキル基のような電子供与基などを有していてもよい。これらはチオエステル交換反応の速度と交換反応後のチオエステルのアミンとの反応性や水との副反応の選択性を考慮し、これらのバランスが良好な置換基が好ましい。また、置換基としては、t−ブチル基やイソプロピル基に代表されるかさ高い置換基、水中での実施を受けて、水との親和性を考慮した、スルホン酸基や、ジメチルアミノ基のようなジ置換アミノ基、逆に親脂性を考慮した、長鎖アルキル基などの高脂溶性基などから選択される。ニトロ基、トリフルオロメチル基、ハロゲンなど、多種類の置換基が同時に導入されていてもよい。化合物E−4のように、化合物E−3よりも活性化されたチオアリール活性エステルを予め翻訳導入させてもよい。チオエステルとしては、このようなアラルキルやアリールチオエステルの他、アルキルチオエステルからも選択することができる。本手法の実現には、翻訳合成中には安定で、かつ反応補助基の無いアミンと十分な反応性を有する、2つの性質を併せ持つことが鍵となる。(iii)チオエステルなどの中から翻訳合成中に十分に安定性を確保できる活性エステルを翻訳導入させておき、翻訳後に添加剤を添加させて、より活性な活性エステルを系中で発生させて反応補助基の無いアミンと環化反応させることも可能である。例えば、翻訳導入されたチオエステルに対し、より電子不足なチオールを外部から添加してより活性なチオエステルを系中で発生させてアミンと環化反応させることが挙げられる。例えば、化合物E−3などのチオエステルの例の場合、翻訳後に直接アミノ基と反応させてもよいが、トリフルオロメチルフェニルチオールのような、より反応性の高いチオールを翻訳系中に添加して、より活性化された活性エステルE-4に置換させてから、アミノ基と反応させてもよい。その他、例えば、HOBt、HOAt、HONSuなどの活性エステルを形成することが知られている様々な原料を添加させることも可能である。添加剤はこれらの中から1種類選択してもよく、あるいは2種類以上選択してもよい。2種類以上の添加剤を添加する長所は反応性の向上が挙げられる。翻訳液中で十分安定で翻訳可能な活性エステルから、あらゆるアミノ基と十分反応性が高い活性エステルへ返還することはエネルギー的に不利で、このような反応は1段階では困難である場合もある。このような場合、翻訳可能な安定活性エステルから、一度、交換可能なより活性の高い活性エステルへ返還した後、さらにここからあらゆるアミノ基と十分反応性が高い活性エステルへ返還することも可能となる。このような多段階による活性エステルの活性化を用いることで、反応性の低いアミノ基とのアミド化反応も可能となりえる。これらの活性エステルなどの添加剤には置換基が導入されていてもよく、たとえば、置換基として、ハロゲン基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ニトリル基などの電子吸引基や、メトキシ基などのアルコキシ基、メチル基などのアルキル基のような電子供与基などを有していてもよい。t−ブチル基やイソプロピル基に代表されるかさ高い置換基、水中での実施を受けて、水との親和性を考慮した、スルホン酸基や、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基のようなジ置換アミノ基、逆に親脂性を考慮した、長鎖アルキル基などの高脂溶性基などから選択される。(iv)安定な活性エステルを(iii)と同様翻訳導入させておき、翻訳後に化学反応(例えば脱保護反応)を実施させ、分子内反応により活性化させた後に反応補助基を持たないアミンと環化反応させることも可能である。例えば化合物E−5のように、より安定なチオエステルを翻訳導入させておき、翻訳後にS−S結合の脱保護を伴い、分子内反応によって、より反応性の高いアリールチオフェノールなどに変化させてからアミンと反応させてもよい。また、(i)〜(iv)の概念の2つ以上を組み合わせることによって、本課題を達成してもよい。このように、Initiation read through法を有効に活用させる1つの手法として、N末端に共通に存在するアミノ基と交差ユニットを反応させてDruglikeな環化部位を有する、より多様性に富んだDisplay libraryを構築することができる。
この中で、(iii)のアルキルチオエステルもしくはベンジルチオエステルなど翻訳合成中に十分に安定性を確保でき、翻訳導入可能な活性エステルを用い、翻訳後に添加剤を添加させて、より活性な活性エステルを系中で発生させて反応補助基の無いアミンと環化反応させる場合、翻訳合成に用いる活性エステルとして、例えばアスパラギン酸の側鎖カルボン酸をメチルチオエステル(Asp(SMe))などのアルキルチオエステルやベンジルチオエステル(Asp(SBn))などのアラルキルチオエステルを用いることができる。
これらを交差ユニットとして翻訳合成したのち、反応補助基を有しない三角ユニットと化学反応させる目的で加える添加剤として例えば4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールなどのアリールチオールやヘテロアリールチオールが挙げられ、これらは電子吸引基や電子供与基、脂溶性基や水溶性基などで置換されていてもよいが、好ましくは電子吸引基である。電子吸引基としてトリフルオロメチル基やニトロ基やフルオロ基などが挙げられるが、好ましくはトリフルオロメチル基程度の電子吸引基が挙げられる。
これらのチオールの添加量は特に限定されないが、反応性を十分高める目的では10mMより多い方が好ましく、添加剤を溶解させる目的では10Mより少ない方が好ましい。より好ましくは50mM〜5Mの範囲がよいが、さらに好ましくは200mM〜2Mがよい。添加剤をチオール(酸性)のまま加えることもできるが、酸性部をトリエチルアミンなどの塩基を当量数加えて中和させ、中性条件として添加させることが好ましい。
より活性の高い活性エステルは翻訳反応系内に存在する様々な試薬と反応する場合がある。例えば、通常利用されるトリスバッファー中のアミン成分(トリスヒドロキシメチルアミノエタン)もその1つとなりえるため、反応性のアミン成分を含まないバッファー中で翻訳合成および、化学反応のためのバッファーを追加することが好ましい。このようなバッファーとして例えばHEPESバッファー、リン酸バッファーなどが挙げられる。
また、反応の進行とともに副反応である空気中での酸化反応(S-S形成反応)に伴い反応進行に必要なチオール量の減少を避け、かつ、塩基性が高くなり加水分解の生成が優位な条件になることを避ける目的で、反応翻訳液にバッファーを追加することも可能である。また、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンのような還元剤を添加することも可能である。また、環化反応をなるべく空気中酸素に触れさせないことも有効である。
化学反応中の溶媒のpHはRNAが安定に存在する目的では2〜10が好ましい。化学反応を円滑に進行させる目的では7.8以上が好ましく、加水分解の生成を抑制させる目的では9.2以下に維持することが好ましい。反応条件としてはPureSystemなどの反応翻訳液中単独で実施してもよく、これにDMFやNMPなどの有機溶媒を添加してもよい。また、翻訳液をカラム精製などで精製した後に溶媒を変更して実施してもよい。反応温度は通常化学反応が実施できる範囲であれば特に限定されないが、このましくは15℃〜80℃であり、より好ましくは25℃〜50℃である。
環化反応を円滑に進行させる三角ユニットとしては特に制限はなく、アミノ基は1級アミンでも2級アミン(例えばN-メチルなどのN−アルキル基)でも許容され、アミノ酸側鎖部位の置換基も限定されない。特にアミノ基のとなりの炭素原子が無置換(CH2)の場合では1級アミンでも2級アミンでも許容される。2級アミンの中ではメチル基がより好ましい。アミノ基のとなりの炭素原子に置換基が存在する場合、1級アミンがより好ましい。置換基部分としては、AlaやPheのようにβ位がCH2であるほうが、ValやThrなどより好ましい。また、プロリンのように窒素原子とα位の炭素原子とが5員環を形成したアミノ酸や、同様に4員環や6員環などのように、環状の2級アミンも好ましい。
以上、N末端(三角ユニット)を固定することなしに環化させたライブラリー構築の手法の例を述べたが、この反応補助基を用いないアミノ基と活性エステル基との縮合反応によるアミド環化反応の利用は、N末端の主鎖アミノ基との反応に留まらない。アミノ酸、アミノ酸類縁体の側鎖のアミノ基や、N末端カルボン酸誘導体のアミノ基と、アミノ酸、アミノ酸類縁体の側鎖の活性エステルやN末端カルボン酸誘導体の活性エステルとの任意の組み合わせで実施することができる。
また、本手法はスキームCの場合と同様、三角ユニットに活性エステルを有するユニットが配置され、交差ユニット側にアミン側鎖が配置されてもよく、活性エステルとアミノ基が三角ユニットと交差ユニットのどちらに配置されてもよい。
化合物Na-1のRa13は、水素原子あるいはC1-C6アルキル基もしくはアラルキル基などから選択することができる。これらはヒドロキシル基やフルオロ基、エーテル基などドラックライクで定義される官能基で置換されていても良い。好ましくは、水素原子、あるいはメチル基、エチル基、nプロピル基、ベンジル基が良い。
化合物Na-2のRa1は、Ra13と同様に選択することができる。特に好ましくは、水素原子あるいはメチル基から選択される。Ra2はRa13と同様に選択することができるが、好ましくは水素原子あるいはメチル基が良い。特に好ましくは水素原子が良い。水素原子が選択された場合、その立体配置はアミノ酸としてL型とD型のいずれも許容される。より好ましくはL型の立体配置が好ましい。Ra3はR13と同様に選択することができる。Ra3とRa4とで環を形成していても良い。特に好ましくは水素原子が良い。Ra4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アリール基から選択することができる。これらはドラックライクで定義される官能基で置換されていても良い。また、Ra4はRa1と共に環を形成していても良い。例えば、プロリンなどがこの環に相当する。
化合物Na-3のRa11はRa13と同様に選択することができるが、特に好ましくは水素原子、あるいはメチル基、エチル基、nプロピル基、ベンジル基が良い。特に好ましくは水素原子が良い。Ra9はRa4と同様に選択することができる。水素原子あるいはC1-C6アルキル基もしくはアラルキル基から選択されることが好ましい。これらはドラックライクで定義される官能基で置換されていても良い。また、Ra9とRa11とで環を形成していても良い。環のサイズは3〜8員環が好ましい。環形成としては特に5員環と6員環がより好ましい。Ra9の置換基としては特に好ましくは水素原子が良い。Ra10およびRa12は、Ra4と同様に選択することができる。好ましくはRa13と同様に選択することができる。より好ましくは、Ra10もしくはRa12のいずれかが水素原子である。特に好ましくはRa10およびRa12のいずれもが水素原子である。この場合には、N末端にはアミノ酸誘導体あるいはN末端カルボン酸誘導体から選択されることが好ましい。N末端の主鎖にアミノ基が存在すると反応選択性の点で不利となるうえ、翻訳修飾終了後にもアミノ基が保持されてドラックライクネスが低下するためである。
交差ユニットが化合物C-1、あるいは化合物C-2、化合物C-3から選択された場合、三角ユニットとして、三角ユニットをN末端以外に配置させ、三角ユニットを固定させる場合には、三角ユニットは化合物Na-4もしくは化合物Na-5から選択することができる。
化合物Na-4のRa5は、Ra1と同様に選択することができる。Ra6は、Ra2と同様に選択することができる。Ra7はRa4と同様に選択することができる。より好ましくは水素原子あるいはメチル基が良い。特に好ましくは水素原子である。Ra8は、R4と同様で部分構造N-3、N-4,N-5などのC1〜C6ユニットのアルキレン基、N-6、N-7、N-8(オルト置換のみならず、メタ置換、パラ置換も含む)から選択することができる。なお、ここではR13〜R22の置換基はドラックライクで選択させる官能基のうち、活性エステルやアミノ基と反応しない官能基の中から選択することができる。好ましくは、置換基を有していてもよい、C4〜C6アルキレンユニットやアリール基を有する部分構造N-6、N-7、N-8などから選択されることが好ましい。
化合物Na-5のRa5は、Ra1と同様に選択することができる。Ra6は、Ra2と同様に選択することができる。Ra7はRa4と同様に選択することができる。より好ましくは水素原子あるいはメチル基が良い。特に好ましくは水素原子である。Ra8は、R4と同様で部分構造N-3、N-4,N-5などのC1〜C6ユニットのアルキレン基、N-6、N-7、N-8(オルト置換のみならず、メタ置換、パラ置換も含む)から選択することができる。なお、ここではR13〜R22の置換基はドラックライクで選択させる官能基のうち、活性エステルやアミノ基と反応しない官能基の中から選択することができる。好ましくは、置換基を有していてもよい、C4〜C6アルキレンユニットやアリール基を有する部分構造N-6、N-7、N-8などから選択されることが好ましい。
化合物Na-4および化合物Na-5のどちらでも側鎖アミノ基は保護されていてもよい。保護されている場合には、環化反応と同時あるいは事前に脱保護させてから環化反応を行う。保護基あるいは脱保護の条件は本明細書に記載の方法を利用することができる。
交差ユニットが化合物C-1、あるいは化合物C-2、化合物C-3から選択された場合、三角ユニットとして、三角ユニットをN末端に配置させ、側鎖のアミノ基と環化させる場合には、三角ユニットは、化合物Na−4、化合物Na−5のほか、アミノ基とカルボキシル基を有する幅広い化合物群の中から選択することができる。翻訳合成ではN末端カルボン酸類縁体として、様々なユニットが翻訳合成させることができる。アミド環化されるアミノ基とペプチド翻訳されるカルボン酸を有していれば特に限定されない。好ましくは、アミノ基とカルボン酸基を接合させる2価のユニットの有する官能基はドラックライクな官能基の中から選択される。そのような化合物の一例として例えば化合物Na-6が挙げられる。化合物Na-6のRa9は、ドラックライクな官能基にて置換されてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基から選択されても良い。それ以外にも、−NRCOR'基(RおよびR'はドラックライクな置換基)や‐OR(Rはドラックライクな置換基)やNR基(R部分にアミノ酸やジペプチド、トリペプチドなどを含む)などが許容される。
一方、交差ユニットにアミノ基側のユニットが存在する場合も可能である。例えば化合物Na−4や化合物Na−5が選択された場合、三角ユニットには化合物C-1、化合物C-2、化合物C-3、化合物COH−1、化合物COH−2、化合物COH−3などを選択することもできる。この場合、三角ユニットよりN末端側にも直鎖部が存在して、かつN末端にはN末端カルボン酸誘導体から選択されることが、ドラックライクの点から好ましい。
例えば化合物Na−4や化合物Na−5が選択された場合、三角ユニットには化合物COH−1、化合物COH−2、化合物COH−3などを選択することもできる。この場合、三角ユニットがN末端に存在してもよく、あるいは三角ユニットよりN末端側にも直鎖部が存在して、かつN末端にはN末端カルボン酸誘導体から選択されることが、ドラックライクの点から好ましい。
アミノ基側鎖を有するアミノ酸の種類も、アミノ基を有してれば、置換されてもよいアルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、アラルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロアリールアミノ基、シクロアルキルアミノ基、のどれも可能であり特に限定されないが、側鎖に同時にチオール基(SH基)あるいは保護されたチオール基を有していてもよい。これらの置換基は反応補助基(例えばSH基)を除けば、ドラックライクなアミノ酸の側鎖で定義された置換基であることが好ましい。さらに、翻訳合成可能な置換基から選択されることがより好ましい。また、スキーム中NH2で表わされている部位の水素原子のうち1つは水素原子に特定されるが、もう1つの水素原子は置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、にて置換されていてもよく、これらに反応補助基が付与されていても良いが、このましくはNH2基がよい。これらの置換基も反応補助基(例えばSH基)を除けば、ドラックライクなアミノ酸の側鎖で定義された置換基であることが好ましい。さらに、翻訳合成可能な置換基から選択されることがより好ましい。α―ヒドロキシカルボン酸などのアミノ基を持たずにエステル結合を形成できるアミノ酸類縁体をコードするコドン(A)、これをアシル化tRNA、アミノ基側鎖を有するアミノ酸をコードするコドン(B)、これをアミノアシル化したtRNAを用意し、コドン(A)とコドン(B)の間に所望の数(好ましくは0〜7個、より好ましくは0〜2個)のランダムなコドンを配置したmRNAを鋳型に翻訳させて得たペプチドを上記の方法あるいは別法にてまず環化させる。コドンAをコドンBよりN末端側に配置させる。得られた環化ペプチド(例えば、スキームBやスキームCの手法を用いることができる)を必要に応じて側鎖アミノ基に保護基が存在する場合には脱保護し、加水分解あるいは外部から添加剤を加えてエステル部位を活性化させるとアミド結合は加水分解されずにエステル結合を加水分解あるいは活性化(活性エステル化、活性チオエステル化)させることができる。得られた主鎖カルボン酸あるいは活性(チオ)エステルと側鎖アミンを分子内環化反応させることにより望みの分枝ペプチドである直鎖部2を有するペプチドを得ることができる。例えば、外部から加える添加剤として、チオール化合物、HONSu、HOBt、HOAtなど様々な活性エステルを形成させる化合物群、あるいはこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。スキームEでは、コドンAとしてRe1置換されたヒドロキシカルボン酸、コドンBとしてリジンを用いた例を挙げた。
Re1が水素原子の場合、1回目の環化(三角ユニットと交差ユニットの環化)反応では、三角ユニットにはアミン部位に反応補助基を有するものを選択してもよいが、反応補助基を持たないものを選択してもよい。反応補助基を有するユニットが三角ユニットとして選択された場合(例えば化合物N−1や化合物N-2)、1回目の環化反応は容易に進行させることができる。翻訳合成可能な側鎖にチオエステルを有する交差ユニットとの反応は、pHが7付近(翻訳条件)にて、反応添加物を加えてもよいが加えなくてもよい。一方、反応補助基を有しないユニットが三角ユニットとして選択された場合(例えば化合物Na−2に含まれるAlaやPheが選択された場合)、1回目の反応を進行させるためにはトリフルオロメチルチオフェノールのような添加剤を加えることがより好ましい。pHは7.8付近にまで上昇させ、37℃〜50℃付近の反応温度にて6〜10時間程度の反応時間をかけることがより好ましい。また、2回目の分枝化反応を行うにはアミン部位に反応補助基の無いものでもよいが、アミン部位に反応補助基を有することがより好ましくその場合にはNH基は保護されていることが好ましい。この場合のエステルの活性化剤としては、チオールを添加することが好ましい。チオールとしては、アルキルチオールが好ましく、特に添加剤の溶解性の点から水溶性置換基を有するアルキルチオールが好ましく、中でも2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトエタンスルホン酸が好ましい。これらチオールの添加量は特に限定されないが、反応性を十分高める目的では10mMより多い方が好ましく、添加剤を溶解させる目的では10Mより少ない方が好ましい。より好ましくは100mM〜5Mの範囲で良いが、さらに好ましくは500mM〜4Mが良い。アミン部位の選択は特に限定されないが、脱保護を有する場合の反応条件はスキームF2に記載と同様である。
スキームEの方法の変法として様々な手法も可能である。例えば、Re1部位にSH基、あるいは保護されたSH基を有するヒドロキシカルボン酸を用い、アミン側鎖部位もしくは保護されたアミン側鎖部位のアミン近傍にSH基、あるいは保護されたSH基などの反応補助基を導入させたアミノ酸などを翻訳導入してもよい。この場合、翻訳により得られたペプチドのSH基に付与された保護基、および必要に応じて保護された場合のアミン部位が脱保護されると、容易にスキームFに示すエステル→チオエステル交換が生じる。得られたチオエステルは反応補助基を有するアミンと容易に反応するため、望みの分枝ペプチド(直鎖部2)を有するペプチドを得ることができる。得られたSH基を含む分枝ペプチドのSH基はRNAが化学反応に関与しない程度の温和な反応条件で、容易に脱硫させることが可能である。この場合にも、より(チオ)エステルを活性化させる目的で、外部から添加剤を加えてもよい。スキームFの手法では翻訳後環化部の環化反応を本直鎖部2形成反応の前後どちらで行なってもよい。
上記のようにヒドロキシカルボン酸とアミン側鎖部位の両方にSH基あるいは保護されたSH基などの反応補助基を有してもよく、もしくはいずれか片方のみに反応補助基を有していてもよく、もしくは両方ともに反応補助基を有していなくともよい。また、アミン側鎖部位に保護基を有していてもよく、保護基を有していなくてもよい。
またいずれの場合でも、反応を加速させる添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば置換していてもよいアルキルチオール、置換されていてもよいアルケニルチオール基、置換されてもよいアルキニルチオール基、置換されていてもよいアラルキルチオール、置換されていてもよいアリールチオール、置換されてもよいヘテロアリールチオール基、置換されてもよいシクロアルキルチオール基でもよい。また、HOBt、HONSu、HOAt、パラニトロフェノールなど通常活性エステル化させる試薬、あるいはその誘導体でもよい。添加剤を加える場合には、翻訳後環化部の環化反応を実施後に本直鎖部2形成反応を実施することが好ましい。添加剤の置換基は、前記"アミノ酸"の側鎖で定義したのと同様、自由な置換基を選択することができる。
また、直鎖部2を発生させる手法として、α―ヒドロキシカルボン酸などのエステル官能基を足がかりにしてチオエステルを発生させる点では同様であるが、α―ヒドロキシカルボン酸のN末端側直前の2配列にCysとProを配置した、例えばCys-Pro-HOGly配列からチオエステルを発生させる手法を用いることもできる(スキームF2参照)。スキームF2では、分枝させるための活性チオエステル発生配列としてCys-Proに続いて側鎖にRf5を有するα―ヒドロキシカルボン酸を有し、これと反応させるアミノ酸として側鎖にアミノ基を有するリジンを用いた例を示した。α―ヒドロキシカルボン酸などのアミノ基を持たずにエステル結合を形成できるアミノ酸類縁体をコードするコドン(A)、これをアシル化tRNA、アミノ基側鎖を有するアミノ酸をコードするコドン(B)、これをアミノアシル化したtRNAを用意し、コドン(A)とコドン(B)の間に所望の数(好ましくは0〜7個、より好ましくは0〜2個)のランダムなコドンを配置したmRNAを鋳型に翻訳させて得たペプチドを上記の方法あるいは別法にてまず環化させる(例えばスキームBやスキームC)。コドンAをコドンBよりN末端側に配置させる。Cys-Pro-HOGlyなどの分枝発生部位は、1回目の環化反応条件では安定に化学反応を生じさせずに存在し、その後、必要に応じて4−トリフルオロメチルフェニルチオールなどのチオールを添加剤として加えると共に、pHを塩基性側(例えば9)に調整して活性チオエステルを新たに発生させた後、より活性なトリフルオロメチルフェニルチオエステルを経由して、リジンの側鎖アミノ基などとアミド結合を形成させた分枝ペプチドが生成する(側鎖アミノ基に保護基が存在する場合には脱保護反応を先行させる)。その後、必要に応じて脱SH反応など反応補助基を除去する反応を実施してもよい。この反応では、分枝ペプチド生成前にあったCys-Pro-HOGly構造のうち、CysとProは脱離されて分枝ペプチド生成時(全ての翻訳後修飾終了時)には含まれない。従って、これらは黒丸ユニットにも四角ユニットにも含まれない。従って、分枝ペプチド生成時のユニット数によって、ドラックライクなユニット数も計算される。
α―ヒドロキシカルボン酸部位のα位(Rf5)は、水素原子、置換されてもよいアルキル基、アラルキル基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、アリール基などの中から選択される。置換基はドラックライクな官能基が好ましい。特に、このチオエステル発生部位は、1回目の環化の反応条件では安定で前駆体(例えばCys-Pro-HOGly)構造を維持することが好ましく、水素原子、メチル基などのアルキル基やベンジル基などのアラルキル基が好ましい。
また、この部分のRf5の置換基は主鎖OH基をアミノ基に置き換えた場合の立体としてL型およびD型のアミノ酸に対応するもののいずれもが許容されるが、特に翻訳効率の点でL型の立体に対応するこものが好ましい。特にARSにより翻訳可能なユニットであれば、翻訳効率を高めることができるので好ましい。このような例として、Lacなどが挙げられる。このチオエステルと反応させて分枝を形成させるアミノ基側鎖を有するアミノ酸の側鎖としては、アミノ基および保護されていてもよいアミノ基を有していれば特に限定されないが、保護されていないアミノ基を利用する場合には1回目の環化に用いるアミノ基より十分反応性が低い必要がある。アミノ基は2級アミンでも1級アミンでもよいが、分枝化反応を効率よく進行させる目的で1級アミンがより好ましい。アミノ基あるいは保護されていても良いアミノ基の近傍にSH基などのような反応補助基が存在しても良いし、これらも保護されていてもよい。アミノ基側鎖を有するアミノ酸の種類は、アミノ基を有してれば、置換されてもよいアルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロアリールアミノ基、シクロアルキルアミノ基、のどれも可能であり特に限定されないが、側鎖に同時にチオール基(SH基)あるいは保護されたチオール基を有していてもよい。これらの置換基は反応補助基(例えばSH基)を除けば、ドラックライクなアミノ酸の側鎖で定義された置換基であることが好ましい。さらに、翻訳合成可能な置換基から選択されることがより好ましい。また、スキーム中NH2で表わされている部位の水素原子のうち1つは水素原子に特定されるが、もう1つの水素原子は置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、にて置換されていてもよく、これらに反応補助基が付与されていても良いが、このましくはNH2基がよい。これらの置換基も反応補助基(例えばSH基)を除けば、ドラックライクなアミノ酸の側鎖で定義された置換基であることが好ましい。さらに、翻訳合成可能な置換基から選択されることがより好ましい。
1回目の環化と分枝化がともにアミド結合反応である例をスキームF3に示した。本分枝ペプチドを得るためには、三角ユニットは化合物N-1や化合物N-2に代表される反応補助基を有するアミノ酸あるいはアミノ酸誘導体あるいはN末端カルボン酸誘導体、もしくは反応補助基を有さない化合物Na-1、化合物Na-2、化合物Na-3、もしくは化合物Na-4、Na-5、Na-6などから選択される。交差ユニットは化合物C-1に代表される活性エステルの中から選択される。2回目の分枝化反応の際に活性エステル化される部位として化合物e1に代表されるα―ヒドロキシカルボン酸誘導体か、あるいは化合物F5として示されるCys−Pro-α―ヒドロキシカルボン酸の3つの構成要素からなる部位か、化合物C-1に代表される活性エステルなどから選択される(Cys、Pro、α―ヒドロキシカルボン酸はそれぞれ別途のユニットとしてtRNAにより翻訳されるが、翻訳修飾後にCysとProは脱離されるため、この2つは黒丸ユニットにも四角ユニットにも属さない。α―ヒドロキシカルボン酸は四角ユニットとなる)。また、この分枝化反応でのアミノ基を有する部位は、化合物Na-4や化合物Na−10、化合物Na-11(また、これらのNHで表わされるH原子は翻訳合成中には保護されてもよい)に代表される化合物から選択される。そのような例として、リジンなどの無保護アミンの他、化合物tk100、tk101、tk102、tk103、tk104、tk34、tk7、tk14、tk105、tk106、tk107、tk108などが挙げられる。
本コンセプトでは、分枝化によって従来より多彩な構造体をディスプレイライブラリーにて提示することが可能となった。このことにより、従来では困難であった薬効標的に対して結合する分子や阻害する分子などの様々な機能を有する化合物を取得できる可能性がより高まると期待される。このような分枝化を可能とするため、本手法の価値は1回目の環化反応がドラックライクな環化のケースには留まらず、2回目の環化反応によってドラックライクな環化が形成されれば、1回目の環化反応がどのような環化反応であってもよい。多彩な構造体を形成させる点で、1回目の環化反応がドラックライクな環化反応に留まらない本方法は有用である。そのような場合、活性エステルを翻訳物から発生させる全ての手法は本手法の範疇に含まれる。例えば、化合物F5、化合物e1、化合物C-1、化合物C-2、化合物C-3などが挙げられる。また、2回目アミン基部位としては、保護されていてもよい化合物Na-4、化合物Na-5、化合物Na-10(Na-7基とNa-8基の場合)、化合物Na-11(Na-7基とNa-8基の場合)などが挙げられる。
反応補助基を有するユニットが三角ユニットとして選択された場合(例えば化合物N−1や化合物N-2)、1回目の環化反応は容易に進行させることができる。翻訳合成可能な側鎖にチオエステルを有する交差ユニットとの反応は、pHが7付近(翻訳条件)にて、反応添加物を加えてもよいが加えなくてもよい。この場合、2回目の分枝化に用いる部位の選択は大きくなる。すなわち、化合物e1は安定に存在させることができ、化合物F5ではRf5は水素原子以外が好ましいが、水素原子でも安定に存在させることができ許容される。アミノ基側のユニットも、アミノ基が保護されていないユニットである、例えばLysのような反応補助基を有しないアミノ基も許容される。また、アミノ基が保護されていてもよく、反応補助基を有するアミンで保護されていても良い。これら全ての場合を利用することができる。必要に応じて保護基を除去した後、分枝反応を経、続いて反応補助基を除去する工程を経て、望みの分枝ペプチドを得ることができる。
化合物e1のRf1基の選択は先に述べたとおりであるが、より好ましくは水素原子、保護されても良いメルカプトアルキル基(保護されるのはSH基)から選択される。特に好ましくは水素原子、あるいは保護されても良いメルカプトメチル基あるいは2−メルカプトエチル基から選択される。
化合物F5のRf2基は保護されても良いメルカプトアルキル基から選択される。Rf2を含むアミノ酸の立体配置はL型が好ましい。さらに好ましくは保護されてもよいメルカプトメチル基あるいは2−メルカプトエチル基から選択される。Rf3基はRa13と同様に選択させることができる。好ましくはRa1と同様に選択させることができる。特に好ましくはメチル基あるいは、Rf4とで環を形成することが好ましい。環のサイズは3〜8員環が好ましく、より好ましくは4〜6員環である。これら環を形成する炭素原子はドラックライクなアミノ酸の側鎖で定義される置換基にて置換されていてもよい。5員環の代表例としてプロリンなどが好ましい。Rf4はRa4と同様に選択させることができる。
一方、反応補助基を有しないユニットが三角ユニットとして選択された場合(例えば化合物Na−2に含まれるAlaやPheが選択された場合)、1回目の反応を進行させるためにはトリフルオロメチルチオフェノールのような添加剤を加えることがより好ましい。pHは7.8付近にまで上昇させ、37℃〜50℃付近の反応温度にて6〜10時間程度の反応時間をかけることがより好ましい。そのため、分枝化部位にはこのような反応条件で化学反応せず、安定して存在することが好ましい。従って、分枝反応でアミド結合生成に関与するアミノ基部位にはLysのような保護されていないアミノ基を有するユニットは選択しないことが好ましい。すなわち、化合物Na-4や化合物Na-10や化合物Na-11のNH基(反応補助基も)は保護されることが好ましい。保護されたアミノ基を有していれば、保護されていてもよい反応補助基を有していても(例えば化合物tk100)有していなくとも(例えばtk104)よい。これらの保護基は翻訳中および1回目の環化反応中には安定に存在している必要がある。このような保護基として、例えばトリフロオロアセチル基、4−アジドベンジルオキシカルボニル基、3−ニトロー2−ピリジンスルフェニル基、チアゾリジン環による保護基が挙げられる。トリフロオロアセチル基はpHを8より大きくした場合に、初めて選択的に脱保護される。4−アジドベンジルオキシカルボニル基は還元剤トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンを加えた場合に初めて選択的に脱保護される。3−ニトロー2−ピリジンスルフェニル基はpH4で添加剤2−メルカプトピリジンを加えた場合に初めて選択的に脱保護される。チアゾリジン環による保護基はpH4で添加剤ジチオジピリジンを加えチアゾリジン環を開環させたのち、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンの添加により初めて選択的に脱保護される。このように、翻訳合成されえるアミノ基の保護基であって、翻訳合成中および1回目の環化反応中に安定であり、なおかつRNAが安定な反応条件で1回目の環化後に選択的に脱保護することが可能な保護基から選択することができる。また、2回目の分枝化時に発生させるチオエステルの前駆体部位としては化合物e1から選択される場合には、Rf1部位が水素原子または、Rf1部位には反応補助基(例えばSH基)が存在することが好ましいが、その反応補助基は保護されていることが好ましい。化合物F5から選択される場合、Rf5は水素原子以外が好ましい。例えばそのような例としてRf5がメチル基やベンジル基などが挙げられる。ヒドロキシル部位のα位(Rf5)が水素原子である場合には、チオエステル生成が避けらず、1回目の環化反応を選択的に行うことができなくなるのに対し、この位置に炭素原子を1つ以上配置した場合には1回目の環化反応条件ではチオエステルの生成を抑制することができる。このように分枝化部位を選択した場合には、アミン部位あるいはチオエステル部位の脱保護反応を必要に応じて実施した後、pHを8.2以上に上昇させて分枝化させる。このように1回目の環化反応中には安定に存在させ、脱保護工程を経て分枝化反応を実行させ、最後に必要に応じて反応補助基を除去させて、分枝ペプチドを得ることができる。
上述した保護基とは、1)酸性条件で外れる保護基、2)塩基性条件で外れる保護基、3)酸化的条件で外れる保護基、4)還元的条件で外れる保護基、5)光照射により外れる保護基、6)求核剤の添加で外れる保護基のうち、1)から6)のいずれか、もしくは1)から6)までを複数組み合わせることで脱保護可能な保護基を指す。
酸性条件で外れる保護基とはpH1からpH7の範囲で外れる保護基であり、好ましくはpH2からpH6の範囲で脱保護可能な保護基であり、例えば以下に示したトリチル基(Tr)、N−(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル基(MMTr)、3、5−ジメトキシフェニルイソプロポキシカルボニル基(Ddz)、2−(4−ビフェニル)イソプロポキシカルボニル基(Bpoc)である。(非特許文献 i)Greene's Protective Groups in Organic Synthesis, Fourth Edition, ii) Chemical Reviews, 2009, 109(6), 2455−2504)これらの保護基を形成する炭素原子は置換されていてもよい。
ペプチド構造中のチアゾリジン環のアミノ基、チオール基への脱保護方法は、pH4からpH7の緩衝液中にメトキシアミンを添加する方法が公知(例えば非特許文献v1(Angewandte Chemie, International Edition, 2006, 45(24), 3985-3988)および非特許文献v2(Journal of the American Chemical Society, 2011, 133, 11418-11421))であるが、例えば本特許に記載しているペプチド化合物中にエステル、またはチオエステルが含まれている構造では、脱保護反応時もしくはワンポットで次の反応を行う際、副反応としてメトキシアミンとエステル部分が反応したアルコキシアミドの生成が危惧される。
チアゾリジン環を開環するためのpH範囲は、反応を12時間以内に完結させることを目的とした場合、pH1〜5が好ましい。更に酸性で不安定なチアゾリジン環を有する化合物を取り扱う場合、pH4〜5が好ましい。
チアゾリジン環を開環するための反応温度は、反応を12時間以内に完結させることを目的とした場合、15℃以上が好ましい。更に熱に不安定なチアゾリジン環を有する化合物を取り扱う場合、15〜50℃の範囲が好ましい。
添加するジスルフィド化合物は、例えばジアルキルジススフィドやジアリールジスルフィドを用いることができるが、ジアリールジスルフィドが好ましく、更にジチオジピリジンがより好ましい。
ジチオジピリジンの使用量はチアゾリジン誘導体の使用量によって決まるが、例えば1.0mMのチアゾリジン誘導体に対して30mMのジチオジピリジンを使用し、pH4.2、36℃で反応を行うと、12時間以内にチアゾリジン環の開環は完了する。
アミノジスルフィド構造からアミノチオールへ変換する還元剤としては、アルキルホスフィン、アリールホスフィン、還元力を有するチオール化合物を用いることができ、例えばTCEP、DTTを用いる。アミノチオールへの変換を速やかに進める場合にはTCEPが好ましい。
TCEPの使用量は使用するチアゾリジン誘導体とジチオジピリジンの使用量によって決まるが、例えば1mMのチアゾリジン誘導体を30mMのジチオジピリジンにより2−(2−ピリジルジチオ)エチルアミン体へと導いた場合、40mMのTCEPを使用し、pH4.5、24℃で反応を行うと、1時間以内にアミノエタンチオール体への誘導が完了する。
このようにmRNAの一次配列情報から翻訳される直鎖ペプチド配列から分枝構造を形成させる技術は、従来の技術では到達できない分枝構造を有する構造多様性の高いペプチド群のmRNAディスプレイライブラリー構築を可能とする。
このようにヒドロキシカルボン酸を足がかりにしたChemical Space拡大ペプチド合成法を述べたが、本概念はスキームEおよびスキームF、スキームF2、スキームF3の手法に限らない。1回目の環化反応は上述の環化反応に限らず、分枝化反応を可能にする(1回目の環化反応中に安定に存在し、RNAに安定な反応条件で分枝化のための活性化が可能であること)反応条件で適用できる全ての環化反応に適用できる。2回目の活性エステル発生部位として化合物F5もしくは化合物E1を用い、2回目アミノ基部位として化合物Na-4、化合物Na-5、化合物Na-10(Na-7基又はNa-8基)あるいは化合物Na-11(Na-7基又はNa-8基)を用いる任意の方法で活用できる。ヒドロキシカルボン酸とアミン部位を有するアミノ酸を所望の位置に配置させ、適切な化学反応を実施させれば望みの分枝ペプチド(直鎖部2)が得られる。ヒドロキシカルボン酸とアミン、それぞれのアミノ酸あるいはアミノ酸類縁体の選択は必要な官能基を有していれば自由であるが、ヒドロキシカルボン酸部位はN末端側に配置されることが好ましい。ヒドロキシカルボン酸は、α―ヒドロキシカルボン酸と制限されず、βやγ―ヒドロキシカルボン酸に代表される様々なヒドロキシカルボン酸を取り得る。またヒドロキシカルボン酸ではなく、チオカルボン酸を翻訳導入させ、エステルではなくチオエステルを足がかりにした分枝ペプチド形成反応も可能である。本手法は、アミノ酸数が限定された中分子でのヒット創出には欠かせないChemical space拡大を実現するものである。
次に、C-C結合環化を利用する場合を例にした反応設計を述べる。例えば、三角ユニットには、N末端カルボン酸類縁体である2重結合を有するカルボン酸を翻訳導入させ、交差ユニット(○ユニット)には、側鎖にヨードフェニル基を有するアミノ酸を翻訳導入させることができる(スキームC-2)。このように三角ユニットと交差ユニットにそれぞれ、Pdを用いたHeck反応により縮合反応させる官能基を導入させた場合、Pdを用いた反応によりC-C結合環化生成物が得られる。Pdの配位子として様々な選択肢が可能である。通常のPd触媒反応において使用されている配位子としてホスフィン配位子、ホスフィンオキシド配位子、窒素原子からなる配位子、ヒ素原子からなる配位子、カルベン型配位子などが使用可能である。これらは分子内に配位可能な官能基を1つ有する一座配位子でも、これらPdに配位可能な官能基のなかから2つを組み合わせた二座配位子でも良い。反応を水中で行う必要があることから水溶性官能基を有する配位子を使用してもよい。ここでは翻訳液中に含まれるRNA成分、GTP、ATPなどの核酸成分によりPdが錯体形成による不活性化を受けるためPdと強固な配位結合を形成する配位子が好ましく、例えば1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンのような二座のホスフィン配位子が挙げられ、含水系溶媒への溶解性の点から2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニルがより好ましい。通常有機合成化学反応では、Pdは触媒量(多くの場合には1mol%以下)の使用で十分であるが、翻訳合成後のDisplay libraryへの適用では、Pdが翻訳合成に必要なRNA部分と錯形成してしまうため、Pdを過剰量利用しないと所望の化学反応が十分な速度で進行しない一方で、Pdを過剰に利用しすぎるとRNAとの錯体の溶解度が低下してしまって、所望の化学反応が十分な速度で進行しない。Pd使用量はm−RNAを1pmol含有する翻訳合成物に対し1nmol以上使用するのが好ましく、更に60nmol使用するのが好ましい。後述の実施例に記載のようにミセルを利用すると反応の加速が得られるため、好ましい。
使用可能なミセルはアニオン性、カチオン性、双性、非イオン性のいずれも使用可能であるが、特に非イオン性ミセルであるセバシン酸ポリオキシエタニル-α-トコフェリル(PTS)を使用するのが好ましい。セバシン酸ポリオキシエタニル-α-トコフェリルの使用濃度としては任意の濃度で使用可能であるが最終濃度1%以上であることが好ましく、最終濃度7.5%以上で使用することがより好ましい。反応進行には塩基を使用することが必要であり、Pdに配位しない成分からなるバッファーを使用することが好ましく、リン酸バッファー、炭酸塩バッファーなどが使用可能である。反応溶媒のpHはm−RNAが安定に存在可能でかつ環化反応が進行する範囲に調節することが好ましく、7以上、10以下がより好ましく、7.5以上、8.5以下が更により好ましい。反応温度はm−RNAが安定に存在可能で通常化学反応が実施できる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは15℃〜80℃であり、より好ましくは40℃〜60℃である。
C-C結合反応として、Pdを利用したHeck反応の例を述べたが、本出願ではC-C結合環化反応として、Pdを利用したHeck反応に限定されない。Suzuki反応やSonogashira反応など、Pdを用いた様々な反応も、同様に実施することができる。この場合、配位子や塩基の選択が重要となる場合がある。また、遷移金属としても、Pdに限定されず、Ni, Ru, Coなど様々な金属でC-C結合反応を実施することが可能である(非特許文献Matthew S. Sigman らAdvances in Transition Metal (Pd,Ni,Fe)-Catalyzed Cross-Coupling Reactions Using Alkyl-organometallics as Reaction Partners. Chem. Rev., 2011, 111, 1417-1492, Lutz AckermannらRuthenium-Catalyzed Direct Arylations Through C-H Bond Cleavages. Top Curr Chem. 2010, 292, 21. Paul Knochel らPd-, Ni-, Fe-, and Co-Catalyzed Cross-Couplings Using Functionalized Zn-, Mg-, Fe-, and In-Organometallics. Isr. J. Chem. 2010, 50, 547. Gwilherm EvanoらCopper-Mediated Coupling Reactions and Their Applications in Natural
Products and Designed Biomolecules Synthesis. Chem. Rev. 2008, 108, 3054)。
スキームC-2を構成する三角ユニットであるアミノ酸、アミノ酸類縁体、N末端カルボン酸類縁体には反応性官能基を有していれば特に限定されない。しかし、アミノ酸を選択すれば、N末端にアミンが残存するため、これが残存しない場合と比較して膜透過に不利である。このため、三角ユニットとしては、ヘテロ原子の数が少ないものがより好ましい。このようなN末端カルボン酸類縁体の例として、化合物CC‐1〜CC-4に記載の化合物を挙げることができる。化合物CC-1では炭素‐炭素2重結合が反応点となる。化合物CC-2では、炭素‐炭素3重結合が反応点となる。化合物CC-3では、Xが反応点となる。Xとしてはハロゲンが好ましく、Cl, Br, I, Fの中から選択される。反応性の点からはBrとIが好ましく、Iが最も好ましい。化合物CC-4では、ほう酸エステル部分が反応点となる。R301, R302, R303は水素原子の他、置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基の中から選択される。これら置換基としては、置換された結果得られる化合物CC−1〜CC−4が翻訳合成可能なものであれば特に限定されない。そのような置換基としてたとえば、ハロゲン基、アルコキシ基などが挙げられる。
R304は反応点と翻訳点(カルボン酸部位)を連結するユニットである。以下その代表的構造を示す。両ユニットをメチレン基(部分構造N-3)、エチレン基(部分構造N-4)、プロピレン基(部分構造N-5)などのC1〜C6ユニットで連結させることができる。また、芳香族化合物のアリール炭素から直接連結させることもできる(部分構造N-6)。またアラルキル構造で連結させることもできる(部分構造N-7、N-8)。なお、連結位置はオルトに限定されずメタ、パラであってもよく、またフェニル基以外の置換アリール基や置換アラルキル基であってもよい。置換基としては、たとえば、ハロゲン基、アルコキシ基などが挙げられる。
また、スキームC-2を構成する三角ユニットのアミノ酸の例としては、側鎖に2重結合、3重結合、ハロゲン、ほう酸エステルを有するアミノ酸であれば特に限定されない。L型アミノ酸やD型アミノ酸、α‐α‐ジアルキルアミノ酸でもよいが、特にL型アミノ酸が好ましい。ドラックライクなペプチドを取得する上では、N末端のアミノ基は置換されていることが好ましい。N-メチルなどのアルキル化も可能であるが、むしろ、アシル化などのアミド化など窒素原子の塩基性を失わせる置換基の導入が好ましい。
スキームC-2を構成する交差ユニット(○ユニット)の例としては、側鎖に2重結合、3重結合、ハロゲン、ほう酸エステルを有するアミノ酸あるいはα―ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。アミノ酸あるいはα―ヒドロキシカルボン酸の側鎖としては、これらの反応性官能基が存在していれば、その他は特に限定されない。それぞれの反応性官能基にて置換された、置換されてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基などの中から選択される。これら置換基としては、たとえば、ハロゲン基、アルコキシ基などが挙げられる。
L型、D型、α―α―ジアルキル型のいずれも許容されるが、α位に水素原子が存在する場合にはL型アミノ酸もしくはアミノ酸類縁体が好ましい。
ここで、上述の工程(i)に記載のアミノ酸及びアミノ酸類縁体の総数、及び、工程(ii)に記載の環状部のアミノ酸及びアミノ酸類縁体の残基数の合計には、翻訳後修飾によって除かれるアミノ酸又はアミノ酸類縁体は含まれない。例えば、上述のスキームF3において、直鎖部2を有するペプチド化合物の製造中で翻訳後修飾中に当該ペプチドから脱離されるCys-Pro配列は、工程(i)及び(ii)のアミノ酸及びアミノ酸類縁体の数には含まれない、その他、例えば、ペプチド化合物とRNAのリンカー部位としてGly-Serの繰り返し構造部を含むものを利用する場合は当該Gly-Serの繰り返し構造部や、固定されているアミノ酸領域、本発明の環状部を有するペプチド化合物、特にドラックライクなペプチド化合物部分と核酸とを結合させる目的の部分はリンカーに含まれ、工程(i)及び(ii)のアミノ酸及びアミノ酸類縁体の数には含まれない。その場合には、工程(ii)の環化後の環部の残基数は5〜11ではなくそれより長い残基数であるが、直鎖部2を生成させる反応後に環部の残基数が5〜11になればよい。
なお、本製造方法では、工程(ii)や工程(v)において、上述のドラックライクなペプチド化合物とするための化学修飾、最適化するための化学修飾を行ってもよい。また、本発明において、標的物質は生体内分子が好ましい。本発明における「生体内分子」とは、生体内の分子であれば特に限定されないが、疾患治療のターゲットとなる分子が好ましく、特に、従来の分子量500未満の低分子化合物が結合し得る穴(キャビティ)を有していない分子や、抗体等の高分子化合物がアクセスすることのできない細胞内蛋白、核酸、膜蛋白の細胞内領域又は膜蛋白の膜貫通ドメイン等が好ましい。
具体的には例えば、STAT, AP1, CREB, SREBPなどの転写因子、ムスカリン性アセチルコリン受容体, カンナビノイド受容体、GLP−1受容体、PTH受容体などのGタンパク質共役型受容体(GPCR)、TNF、TNFR、IL-6、IL-6R等のサイトカインやそのレセプター、P2X受容体, ニコチン性アセチルコリン受容体などのイオンチャネル型受容体、イオンチャネル、トランスポーター、miR-21, miR206などのmicroRNAなどが挙げられる。
また、環状部の形成には、例えば、上述の環化反応を利用して形成することが可能であり、当該環化反応によって、アミド結合や炭素-炭素結合を形成させることが可能である。
また、ペプチド化合物-核酸複合体の合成工程において、無細胞翻訳系など公知の技術を用いることができる。具体的には、以下のような方法を用いて作製することができる。
転移RNA(tRNA)は、分子量25000から30000で、3'末端のCCA配列を含む鎖長73〜93塩基からなるRNAで、3'末端を介してアミノ酸のカルボキシ末端とエステル結合したアミノアシル化tRNAとしてポリペプチド伸長因子(EF−Tu)、GTPと三重複合体を形成しribosomeに運ばれ、ribosomeによるmRNAの塩基配列情報のアミノ酸配列への翻訳において、tRNAの配列中のアンチコドンとmRNAのコドンとの塩基対形成によってコドンの識別に関与するRNAである。細胞内で生合成されるtRNAには共有結合的に修飾された塩基が含まれており、tRNAのコンフォメーションやアンチコドンの塩基対形成に影響し、tRNAのコドン識別を助けていることがある。一般的な試験管内転写にて合成したtRNAは所謂核酸塩基であるアデニン、ウラシル、グアニン、シトシンから成るが、細胞内から調製したものや化学的に合成したものにはその他のメチル化体、含硫誘導体、脱アミノ誘導体、イソペンテニル基やトレオニンを含むアデノシン誘導体などの修飾塩基を含むものもあり、pdCpA法などを利用した場合にデオキシ塩基を含む場合もある。
所望のtRNA配列をコードし、上流にT7, T3もしくはSP6プロモーターを配置した鋳型DNAを用意し、T7 RNA polymeraseやT3, SP6 RNA polymeraseなどプロモーターに適応したRNAポリメラーゼを利用して転写によってRNAを合成することが出来る。細胞からtRNAを抽出精製し、tRNAの配列の相補配列のプローブを用いて目的の生成tRNAを抽出することも出来る。この際目的のtRNAの発現ベクターで形質転換した細胞をソースにすることも出来る。化学合成によって目的の配列のRNAを合成することも出来る。例えば、このようにして得られた3'末端のCCA配列からCAを除いたtRNAと別途調製したアミノアシル化したpdCpAとをRNAリガーゼで結合させることでアミノアシルtRNAを得ることが出来る(pdCpA法)。全長tRNAを用意し、種々の非天然アミノ酸の活性エステルをtRNAに担持させるリボザイムであるフレキシザイムによるアミノアシル化も可能である。この他にも後述の方法を用いることによってアシル化tRNAを得ることが出来る。
大腸菌の翻訳に必要な蛋白因子類(メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ、 EF-G、RF1、RF2、RF3、RRF、IF1、IF2、IF3、EF-Tu、EF-Ts、ARS(AlaRS、ArgRS、AsnRS、AspRS、CysRS、GlnRS、GluRS、GlyRS、HisRS、IleRS、LeuRS、LysRS、MetRS、PheRS、ProRS、SerRS、ThrRS、TrpRS、TyrRS、ValRSから必要なものを選ぶ) )、リボソーム、アミノ酸、クレアチンキナーゼ、ミオキナーゼ、無機ピロフォスファターゼ、ヌクレオシド二リン酸キナーゼ、E. coli 由来tRNA、クレアチンリン酸、グルタミン酸カリウム、HEPES-KOH pH7.6、酢酸マグネシウム、スペルミジン、ジチオスレイトール、GTP、ATP、CTP、UTPなどを混合したPUREsystemにmRNAを加えることによってペプチドに翻訳することが出来る。また、T7 RNA polymeraseを加えておけばT7プロモーターを含む鋳型DNAからの転写、翻訳を共役して行なうこともできる。このとき所望のアシル化tRNA群やARSが許容する非天然アミノ酸群(例えばF-Tyr)を系に添加することによって非天然アミノ酸群を含むペプチドを翻訳合成することが出来る(Kawakami T, et al. Ribosomal synthesis of polypeptoids and peptoid-peptide hybrids. J Am Chem Soc. 2008, 130, 16861-3., Kawakami T, et al. Diverse backbone-cyclized peptides via codon reprogramming. Nat Chem Biol. 2009, 5, 888-90.)。あるいは、ribosomeやEF-Tuなどの変異体を利用することによって非天然アミノ酸の翻訳導入の効率を高めることも出来る(Dedkova LM, et al. Construction of modified ribosomes for incorporation of D-amino acids into proteins. Biochemistry. 2006, 45, 15541-51., Doi Y,et al. Elongation factor Tu mutants expand amino acid tolerance of protein biosynthesis system. J Am Chem Soc. 2007, 129, 14458-62., Park HS,et al. Expanding the genetic code of Escherichia coli with phosphoserine. Science. 2011, 333, 1151-4.)。
mRNAディスプレイライブラリーは、まずT7プロモーターなどのプロモーターの下流に所望の配列を配置したDNAのライブラリーを化学合成し、これを鋳型にプライマー伸長反応にて二本鎖DNAにする。これを鋳型にT7 RNApolymeraseなどのRNAポリメラーゼを用いてmRNAに転写する。このRNAの3'末端にアミノアシルtRNAのアナログである抗生物質ピューロマイシンなどがつながったリンカー(スペーサー)を結合する。これを上記のPUREsystemなど公知の無細胞翻訳系に加え、保温することによってmRNAが翻訳され、mRNAとこれにコードされるペプチドがピューロマイシンを介して連結される。このようにしてmRNAとその産物が対応付けられたmRNAとその産物の複合体からなるディスプレイライブラリーを構築することが出来る。
さらに、所望の固定した標的に当該ライブラリーを接触させ、標的に結合しない分子を洗い流すことで標的に結合する分子を濃縮することが出来る(パニング)。このように選択された分子についている遺伝子情報を含むタグであるmRNAからcDNAを合成し、PCR増幅し、塩基配列を解析することで結合したペプチドの配列を明らかにすることが出来る。
本発明では、環化ペプチド化合物-核酸複合体ディスプレイライブラリーの構築、さらには構築されたディスプレイライブラリーから、標的に結合する環化ペプチド化合物(環状部を有するペプチド化合物)もしくは環化分枝ペプチド(環状部に更に直鎖部2を有するペプチド化合物)の取得は、具体的には、例えば以下の様態に示す方法〔I〕〜〔XVII〕によって行なうことができる。
〔VIII−1〕 メチオニン以外のアミノ酸をN末端に有するペプチドの環化 あるいは本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、N末端アミノ酸の異なる複数種類のペプチドを同時に翻訳することで実施可能となる環化部位の構造の異なるアミド環化ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物C−X(本明細書において「化合物C−X」とは化合物C−1、化合物C−2および化合物C―3から選択されるいずれかの化合物を指す。本明細において以下同じ)をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと前記の工程B)のtRNAを連結させ、化合物C−Xをアミノアシル化した開始tRNAを提供する工程
D) 工程C)のtRNAを含む無細胞翻訳系を提供する工程
E) プロモーターの下流に、工程C)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを途中に含むペプチド配列をコードした鋳型DNAライブラリーを提供する工程
F) 工程E)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
G) 工程F)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
H) 工程D)の無細胞翻訳系に工程G)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ディスプレイライブラリーを提供する工程
I) 工程H)のライブラリーにペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを作用させる工程
H,Iの工程は翻訳時にペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを系に加えることにより同時に実施することもできる。
J) 環状構造を形成させる工程
環状構造の形成においては、必要に応じて脱硫反応を行うことができる。また本発明においては、工程H)ないし工程I)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程を含むことができる。
さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
J) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
K) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
L) 塩基配列を解析する工程
〔IX〕 グリシン、アラニン、フェニルアラニンをN末端に有するペプチドの環化 あるいは本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、N末端アミノ酸の異なる複数種類のペプチドを同時に翻訳することで実施可能となる環化部位の構造の異なるアミド環化ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物C−Xをアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと前記の工程B)のtRNAを連結させ、化合物C−Xをアミノアシル化した開始tRNAを提供する工程
D) 工程C)のtRNAを含む無細胞翻訳系を提供する工程
E) プロモーターの下流に、翻訳開始ATGの直後にグリシン、アラニン、フェニルアラニンのいずれかのコドンを、工程C)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを途中に含むペプチド配列をコードした鋳型DNAライブラリーを提供する工程
F) 工程E)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
G) 工程F)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
H) 工程D)の無細胞翻訳系に工程G)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ディスプレイライブラリーを提供する工程
I) 工程H)のライブラリーにペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを作用させる工程
H,Iの工程は翻訳時にペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを系に加えることにより同時に実施することもできる。
J) 環状構造を形成させる工程
環状構造の形成においては、必要に応じて脱硫反応を行うことができる。また本発明においては、工程H)ないし工程I)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程を含むことができる。
さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
J) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
K) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
L) 塩基配列を解析する工程
〔X〕 メチオニン以外のアミノ酸をN末端に有するペプチドの環化 あるいは本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、N末端アミノ酸の異なる複数種類のペプチドを同時に翻訳することで実施可能となる環化部位の構造の異なるアミド環化ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) Asp(SBn)をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと前記の工程B)のtRNAを連結させ、Asp(SBn)をアミノアシル化した開始tRNAを提供する工程
D) 工程C)のtRNAを含む無細胞翻訳系を提供する工程
E) プロモーターの下流に、工程C)のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを途中に含むペプチド配列をコードした鋳型DNAライブラリーを提供する工程
F) 工程E)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
G) 工程F)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
H) 工程D)の無細胞翻訳系に工程G)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ディスプレイライブラリーを提供する工程
I) 工程H)のライブラリーにペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを作用させる工程
H,Iの工程は翻訳時にペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを系に加えることにより同時に実施することもできる。
J) 環状構造を形成させる工程
環状構造の形成においては、必要に応じて脱硫反応を行うことができる。また本発明においては、工程H)ないし工程I)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程を含むことができる。
さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
J) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
K) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
L) 塩基配列を解析する工程
〔XI〕 あるいは本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、環状分枝ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物N−1又は化合物N−2をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損する開始tRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと工程B)の開始tRNAを連結させ、化合物N−1又は化合物N−2をアミノアシル化した開始tRNAを提供する工程、
D) 化合物C−1をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
E) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
F) 工程D)のpdCpAと工程E)のtRNAを連結させ、化合物C−1をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
G) 工程C)の開始tRNAと工程F)のtRNAを含みメチオニン、メチオニルtRNA合成酵素(MetRS)、メチオニン用翻訳開始tRNA、フォルミルドナー、メチオニルtRNAトランスフェラーゼのいずれかを含まない無細胞翻訳系を提供する工程
H) プロモーターの下流に、工程C)の翻訳開始tRNAのアンチコドンに対応するコドンを1番目のコドンとして有し、その下流にHOGlyのコドンとリジンのコドンとで挟んだ0個から2個の任意のコドンを(アラニンがよりN末端側)、さらにその下流に工程F)のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、化合物N-1もしくは化合物N-2のSH基が保護されている場合には、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを含むペプチド配列をコードする鋳型DNAライブラリーを提供する工程
I) 工程H)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
J) 工程I)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
K) 工程J)の無細胞翻訳系に工程J)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ペプチドディスプレイライブラリーを提供する工程
L) 環を形成させる工程
M) HOGlyと直前のN末端側のアミノ酸とで形成されるエステルを活性化させてチオエステルを生成させる工程
N) リジン側鎖アミノ基とアミド結合形成させて直鎖部位2を生成させる工程
本発明においては、工程J)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程する工程を含むことができる。さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
O) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
P) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
Q) 塩基配列を解析する工程
〔XII〕 あるいは本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、環状分枝ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物N−1又は化合物N−2をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと工程B)のtRNAを連結させ、化合物N−1又は化合物N−2をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
D) 化合物C−1をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
E) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
F) 工程D)のpdCpAと工程E)のtRNAを連結させ、化合物C−1をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
G) 工程C)のtRNAと工程F)のtRNAと乳酸を含む無細胞翻訳系を提供する工程
H) プロモーターの下流に、工程C)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを2番目のコドンとして有し、その下流にシステイン、プロリン、乳酸と連なるコドンを、さらにその下流にリジンを、さらにその下流に工程F)のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、化合物N-1もしくは化合物N-2のSH基が保護されている場合には、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを含むペプチド配列をコードする鋳型DNAライブラリーを提供する工程
I) 工程H)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
J) 工程I)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
K) 工程J)の無細胞翻訳系に工程J)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ペプチドディスプレイライブラリーを提供する工程
L) 環を形成させる工程
M) システイン、プロリン、乳酸部位から活性チオエステルを発生させる工程
N) 生成した活性チオエステルを、リジン側鎖アミノ基とアミド結合形成させて直鎖部位2を生成させる工程、さらに続いて脱硫反応を実施させる工程
本発明においては、工程J)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程する工程を含むことができる。さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
O) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
P) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
Q) 塩基配列を解析する工程
〔XIII〕 あるいは本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、環状分枝ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物N−1又は化合物N−2をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと工程B)のtRNAを連結させ、化合物N−1又は化合物N−2をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
D) 化合物C−1をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
E) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
F) 工程D)のpdCpAと工程E)のtRNAを連結させ、化合物C−1をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
G) 工程C)のtRNAと工程F)のtRNAと乳酸を含む無細胞翻訳系を提供する工程
H) プロモーターの下流に、工程C)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを2番目のコドンとして有し、その下流にシステイン、プロリン、乳酸と連なるコドンを、その下流にリジンのコドンを、さらにその下流に工程F)のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを含むペプチド配列をコードする鋳型DNAライブラリーを提供する工程
I) 工程H)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
J) 工程I)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
K) 工程J)の無細胞翻訳系に工程J)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ペプチドディスプレイライブラリーを提供する工程
L) 工程K)のライブラリーにペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを作用させる工程
K, Lの工程は翻訳時にペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを系に加えることにより同時に実施することもできる。
M) 環状構造を形成させる工程
環状構造の形成においては、必要に応じて脱硫反応を行うことができる。
N) システイン、プロリン、乳酸ユニットから活性チオエステルを発生させる工程
O) 生成したカルボン酸を活性エステル化し、リジン側鎖アミノ基とアミド結合形成させて直鎖部位2を生成させる工程、続いて必要に応じて脱硫反応させる工程
本発明においては、工程J)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程する工程を含むことができる。さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
P) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
P) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
Q) 塩基配列を解析する工程
〔XIV〕 あるいは本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、環状分枝ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物C−1をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
E) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
F) 工程D)のpdCpAと工程E)のtRNAを連結させ、化合物C−1をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
G) 工程C)のtRNAと工程F)のtRNAと乳酸を含む無細胞翻訳系を提供する工程
H) プロモーターの下流に、システインコドンを2番目のコドンとして有し、その下流にシステイン、プロリン、乳酸と連なるコドンを、さらに保護されたアミン化合物Na-4のコドンを、さらにその下流に工程F)のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンをを含むペプチド配列をコードする鋳型DNAライブラリーを提供する工程
I) 工程H)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
J) 工程I)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
K) 工程J)の無細胞翻訳系に工程J)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ペプチドディスプレイライブラリーを提供する工程
L) 環を形成させる工程
M) 化合物Na-4の側鎖アミノ基を脱保護させる工程、およびシステイン、プロリン、乳酸ユニットから、活性チオエステルを発生させる工程
N) 生成した活性チオエステルを化合物Na-4の側鎖アミノ基とアミド結合形成させて直鎖部位2を生成させる工程
本発明においては、工程J)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程する工程を含むことができる。さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
O) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
P) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
Q) 塩基配列を解析する工程
〔XV〕 あるいは本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、環状分枝ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物N−1又は化合物N−2をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと工程B)のtRNAを連結させ、化合物N−1又は化合物N−2をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
D) 化合物C−1をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
E) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
F) 工程D)のpdCpAと工程E)のtRNAを連結させ、化合物C−1をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
G) アミノ基および必要に応じてチオール基も保護された化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
H) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
I) 工程G)のpdCpAと工程H)のtRNAを連結させ、アミノ基および必要に応じてチオール基も保護された化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
J) 工程C)のtRNAと工程F)のtRNAと工程I)のtRNAを含む無細胞翻訳系を提供する工程
K) プロモーターの下流に、工程C)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを2番目のコドンとして有し、その下流のCys、Pro、乳酸のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、その下流に工程G)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを、さらにその下流に工程D)のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを含むペプチド配列をコードする鋳型DNAライブラリーを提供する工程
L) 工程K)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
M) 工程L)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
N) 工程M)の無細胞翻訳系に工程J)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ペプチドディスプレイライブラリーを提供する工程
O) 工程K)のライブラリーにペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを作用させる工程
K, Lの工程は翻訳時にペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを系に加えることにより同時に実施することもできる。
P) 環状構造を形成させる工程
Q) アミノ基および必要に応じてチオール基も保護された化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)を脱保護する工程
R) 直鎖部位2を生成させる工程
環状構造の形成においては、必要に応じて脱硫反応を行うことができる。
本発明においては、工程J)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程する工程を含むことができる。さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
S) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
T) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
U) 塩基配列を解析する工程
〔XVI〕 メチオニン以外のアミノ酸をN末端に有するペプチドの環化による環状分枝ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、N末端アミノ酸の異なる複数種類のペプチドを同時に翻訳することで実施可能となる環化部位の構造の異なるアミド環化ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物C−1をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと工程B)のtRNAを連結させ、化合物C−1をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
D) 化合物アミノ基および必要に応じてチオール基も保護された化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
E) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
F) 工程D)のpdCpAと工程E)のtRNAを連結させ、アミノ基および必要に応じてチオール基も保護された化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
G) 工程C)のtRNAと工程F)のtRNAと工程I)のtRNAを含む無細胞翻訳系を提供する工程
H) プロモーターの下流に、工程F)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを、その下流にCys、Pro、乳酸のtRANのアンチコドンに対応するコドンを、さらにその下流に工程C)のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを含むペプチド配列をコードする鋳型DNAライブラリーを提供する工程
I) 工程H)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
J) 工程I)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
K) 工程J)の無細胞翻訳系に工程J)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ペプチドディスプレイライブラリーを提供する工程
L) 工程K)のライブラリーにペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを作用させる工程
K, Lの工程は翻訳時にペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを系に加えることにより同時に実施することもできる。
L) 環状構造を形成させる工程
M) アミノ基および必要に応じてチオール基も保護された化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)を脱保護する工程
N) 直鎖部位2を生成させる工程
環状構造の形成においては、必要に応じて脱硫反応を行うことができる。
本発明においては、工程J)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程する工程を含むことができる。さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
O) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
P) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
Q) 塩基配列を解析する工程
工程G)にてメチオニンの代わりにノルマルロイシンを加えることもできる。
〔XVII〕 メチオニン以外のアミノ酸をN末端に有するペプチドの環化による環状分枝ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。本発明の環状部を有するペプチド化合物の製造方法は、N末端アミノ酸の異なる複数種類のペプチドを同時に翻訳することで実施可能となる環化部位の構造の異なるアミド環化ペプチドライブラリーを構築する方法であって、以下の1又は複数の工程を含む方法に関する。
A) 化合物C−1をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
B) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
C) 工程A)のpdCpAと工程B)のtRNAを連結させ、化合物C−1をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
D) 化合物アミノ基および必要に応じてチオール基も保護された化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)をアミノアシル化したpdCpAを提供する工程
E) 3'末端のCAを欠損するtRNAを提供する工程
F) 工程D)のpdCpAと工程E)のtRNAを連結させ、化合物アミノ基および必要に応じてチオール基も保護された化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)をアミノアシル化したtRNAを提供する工程、
G) 工程C)のtRNAと工程F)のtRNAと乳酸を含む無細胞翻訳系を提供する工程
H) プロモーターの下流に、工程C)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを2番目のコドンとして有し、その下流にシステイン、プロリン、乳酸と連なるコドンを、さらにその下流に工程F)のtRNAのアンチコドンに対応するコドン、その3'側にプロリンもしくは他のARSの基質となるN−メチルアミノ酸のコドンを含むペプチド配列をコードする鋳型DNAライブラリーを提供する工程
I) 工程H)の鋳型DNAライブラリーからmRNAライブラリーを提供する工程
J) 工程I)のmRNAライブラリーの3'末端にスペーサーを結合させる工程
K) 工程J)の無細胞翻訳系に工程J)のスペーサーを結合したmRNAライブラリーを加え、翻訳することで、環化前ペプチド化合物-mRNA複合体ペプチドディスプレイライブラリーを提供する工程
L) 工程K)のライブラリーにペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを作用させる工程
K, Lの工程は翻訳時にペプチドデフォルミラーゼ、メチオニン アミノペプチダーゼを系に加えることにより同時に実施することもできる。
M) 環状構造を形成させる工程
環状構造の形成においては、必要に応じて脱硫反応を行うことができる。
N) 化合物Na−4もしくは化合物Na−10(Na−7基)もしくは化合物Na−11(Na−7基)の側鎖保護基を脱保護させる工程、およびCys、Pro、乳酸ユニットから活性チオエステルを発生させる工程
O) 生成した活性チオエステル化と側鎖アミノ基とアミド結合形成させて直鎖部位2を生成させる工程
本発明においては、工程J)の後、mRNAライブラリーの3'領域にアニールするプライマーにてcDNAを合成する工程する工程を含むことができる。さらに本発明の方法は、以下の工程を含むことができる。
P) パニングにて、標的物質に結合したmRNAライブラリーを濃縮する工程
Q) 逆転写酵素にてcDNAを合成する工程
R) 塩基配列を解析する工程
工程G)にてメチオニンの代わりにノルマルロイシンを加えることもできる。
アミノアシルtRNAの調製は、pdCpAの利用に限らずアミノアシルtRNA合成酵素、フレキシザイム、カチオンミセル中超音波混合法、PNAアミノ酸活性エステル法などの利用も含む。
本明細書において、「アルキル基」とは脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される1価の基であり、骨格中にヘテロ原子または不飽和炭素−炭素結合を含有せず、水素および炭素原子を含有するヒドロカルビルまたは炭化水素基構造の部分集合を有する。炭素鎖の長さnは1〜20個の範囲である。アルキル基としては、たとえば、「C1〜C6アルキル基」が挙げられ具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
本明細書において前記「アルキル基」は、下記の「アルケニル基」、「アルキニル基」が含まれる場合がある。
本明細書において「アルケニル基」とは、少なくとも1個の二重結合(2個の隣接SP2炭素原子)を有する1価の基である。二重結合および置換分(存在する場合)の配置によって、二重結合の幾何学的形態は、エントゲーゲン(E)またはツザンメン(Z)、シスまたはトランス配置をとることができる。アルケニル基としては、直鎖状または分枝鎖状のものが挙げられ、内部オレフィンを含む直鎖などを含む。好ましくはC2−C10アルケニル基、さらに好ましくはC2−C6アルケニル基が挙げられる。 このようなアルケニルは、具体的には、たとえば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基(シス、トランスを含む)、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられる。
本明細書において「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合(2個の隣接SP炭素原子)を有する、1価の基である。直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基が挙げられ、内部アルキレンを含む。好ましくはC2−C10アルキニル基、さらに好ましくはC2−C6アルキニル基が挙げられる。 アルキニルとしては具体的には、たとえば、エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、3−フェニル−2−プロピニル基、3−(2'−フルオロフェニル)−2−プロピニル基、2−ヒドロキシ−2−プロピニル基、3−(3−フルオロフェニル)−2−プロピニル基、3−メチル−(5−フェニル)−4−ペンチニル基などが挙げられる。
「シクロアルキル基」とは、飽和または部分的に飽和した環状の1価の脂肪族炭化水素基を意味し、単環、ビシクロ環、スピロ環を含む。好ましくはC3−C10シクロアルキル基が挙げられる。シクロアルキル基としては具体的には、たとえば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基などが挙げられる。
「ハロゲンを置換基に有していてもよいC1〜C6アルキル基」とは、1つ以上のハロゲン原子で置換された「C1〜C6アルキル基」を意味する。例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、フルオロメチル基、ペンタプルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、フルオロエチル基、トリクロロメチル基、ジクロロメチル基、クロロメチル基、ペンタクロロエチル基、テトラクロロエチル基、トリクロロエチル基、ジクロロエチル基、クロロエチル基等が挙げられる。
本明細書において「アリール基」とは1価の芳香族炭化水素環を意味し、好ましくはC5−C10アリールが挙げられる。アリールとしては具体的には、たとえば、フェニル基、ナフチル(たとえば、1−ナフチル基、2−ナフチル基)などが挙げられる。
本明細書において前記「アリール基」は、下記の「ヘテロアリール」が含まれる場合がある。
本明細書において「ヘテロアリール」とは、環を構成する原子中に好ましくは1〜5個のヘテロ原子を含有する芳香族性の環の1価の基を意味し、部分的に飽和されていてもよい。環は単環、または2個の縮合環(たとえば、ベンゼン環または単環へテロアリール環と縮合した2環式ヘテロアリール)であってもよい。環を構成する原子の数は好ましくは5〜10である(C5−C10ヘテロアリール)。
ヘテロアリールとしては具体的には、たとえば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンゾジオキソリル基、インドリジニル基、イミダゾピリジル基などが挙げられる。
「C5〜C10アリールC1−C6アルキル基(アラルキル基)」とは、前記、C1−C6アルキル基の水素原子のうちの1個が前記C5〜C10アリール基で置換されているアルキル基を指す。
アリールアルキル基(アラルキル基)とは、アリール基とアルキル基を共に含む基であり、例えば、前記アルキル基の少なくとも一つの水素原子がアリール基で置換された基を意味し、好ましくは、「C5〜C10アリールC1−C6アルキル基」が挙げられる。たとえば、ベンジル基などが挙げられる。「置換基を有していてもよいC5〜C10アリールC1−C6アルキル基」とは、前記「C5〜C10アリールC1−C6アルキル基」のアリール基および/またはアルキル基の少なくとも一つの水素原子が、置換基により置換された基を示す。これら置換基としては、たとえば、"アミノ酸"の側鎖の置換基で定義した様々置換基などが挙げられる。
本明細書において、「活性エステル基」とは、アミノ基と反応してアミド結合を生成するカルボニル基を含む基であって、該カルボニル基に、たとえばOBt、OAt、OSu、OPfp、SR1などが結合した基であり、アミノ基との反応を促進しうる基である。
「反応補助基」とは、望みの位置で選択的に反応を起こさせるために、結合させる官能基の近傍に導入されて、該官能基を結合反応に対して活性化する基であり、たとえば、カルボニル基とアミノ基を反応させるため、カルボニル基とアミノ基側のいずれか、あるいは両方に反応補助基を導入させることができる。このような反応補助基としては、たとえば、SHなどが挙げられる。このような反応補助基は、結合反応とともに、あるいは結合反応後に脱離させることもできる。
「通常アミン」とは、反応補助基により活性化されていないアミンを意味する。
displayライブラリーは表現型であるペプチドとその遺伝子型であるペプチドをコードするRNAもしくはDNAが対応付けられているライブラリーである。所望の固定した標的にライブラリーを接触させ、標的に結合しない分子を洗い流すことで結合するペプチドの濃縮が可能である(パニング法)。このような過程を経て選択されたペプチドに対応付けられている遺伝子情報を解析することで標的に結合したタンパク質の配列を明らかにすることが出来る。例えば、アミノアシルtRNAのアナログである抗生物質ピューロマイシンがribosomeによるmRNA翻訳伸長中の蛋白質に非特異的に連結されることを利用する方法がmRNA display(Proc Natl Acad Sci USA. 1997;94:12297-302. RNA-peptide fusions for the in vitro selection of peptides and proteins. Roberts RW, Szostak JW.)ないしはin vitro virus(FEBS Lett. 1997;414:405-8. In vitro virus: bonding of mRNA bearing puromycin at the 3'-terminal end to the C-terminal end of its encoded protein on the ribosome in vitro. Nemoto N, Miyamoto-Sato E, Husimi Y, Yanagawa H.)として報告されている。
T7プロモーターなどのプロモーターを含むDNAライブラリーから転写にて得たmRNAのライブラリーの3'端にピューロマイシンなどのスペーサーを結合しておき、無細胞翻訳系でmRNAをタンパク質に翻訳させるとピューロマイシンがribosomeによってアミノ酸と間違ってタンパク質に取り込まれ、mRNAとこれにコードされる蛋白質が連結され、mRNAとその産物が対応付けられたライブラリーになる。この過程では大腸菌などの形質転換を含まないため高い効率が実現され、大規模なdisplayライブラリー(1012−1014種類)を構築することが出来る。パニングで濃縮、選択された分子についている遺伝子情報を含むタグであるmRNAからcDNAを合成し、PCR増幅し、塩基配列を解析することで結合した蛋白の配列を明らかにすることが出来る。ライブラリーの鋳型となるDNAライブラリーのアミノ酸残基を固定しない箇所は塩基を混ぜて合成することによって得ることができる。A, T, G, Cの 4塩基の混合(N)の3の倍数個の繰り返し、もしくはコドンの一文字目二文字目はN、三文字目はW, M, K, Sなどの 2塩基の混合として合成する、さらに導入するアミノ酸の種類を16以下に抑えるのであれば、三文字目を1種類の塩基にする方法もある。また、実施例のようにコドンの3文字に相当するコドンユニットを用意し、これを任意の割合で混合して合成に用いることによってアミノ酸残基の出現頻度を自由に調整できる。
無細胞翻訳系を利用したdisplayライブラリーには、mRNA displayの他に、ペプチドとピューロマイシンの複合体が結合しているペプチドをコードするcDNAからなるライブラリーであるcDNA display(Nucleic Acids Res. 2009;37(16):e108.cDNA display: a novel screening method for functional disulfide-rich peptides by solid-phase synthesis and stabilization of mRNA-protein fusions.Yamaguchi J, Naimuddin M, Biyani M, Sasaki T, Machida M, Kubo T, Funatsu T, Husimi Y, Nemoto N.)、mRNA翻訳中にribosomeと翻訳産物が比較的安定な複合体であることを利用したribosome display(Proc Natl Acad Sci U S A. 1994;91:9022-6. An in vitro polysome display system for identifying ligands from very large peptide libraries. Mattheakis LC, Bhatt RR, Dower WJ.)、bacteriophage endonuclease P2AがDNAと共有結合を形成することを利用したcovalent display(Nucleic Acids Res. 2005;33:e10.Covalent antibody display--an in vitro antibody-DNA library selection system.Reiersen H, Lobersli I, Loset GA, Hvattum E, Simonsen B, Stacy JE, McGregor D, Fitzgerald K, Welschof M, Brekke OH, Marvik OJ.)、微生物のプラスミドの複製開始蛋白RepAが複製開始点oriに結合することを利用したCIS display(Proc Natl Acad Sci U S A. 2004;101:2806-10. CIS display: In vitro selection of peptides from libraries of protein-DNA complexes. Odegrip R, Coomber D, Eldridge B, Hederer R, Kuhlman PA, Ullman C, FitzGerald K, McGregor D.)が知られている。また、DNAライブラリーを構成するDNAの1分子毎に転写翻訳系をwater-in-oilエマルジョンやリポソームに封入し、翻訳反応を行うin vitro compartmentalization(Nat Biotechnol. 1998;16:652-6. Man-made cell-like compartments for molecular evolution. Tawfik DS, Griffiths AD.)も知られている。適宜、公知の方法を用いて上記方法を使用することができる。
本発明では、以下に記載の無細胞翻訳系を用いてこれら核酸ライブラリーを翻訳することができる。無細胞翻訳系を使用する場合、目的の核酸の下流にスペーサーをコードする配列を含むことが好ましい。スペーサー配列としては、グリシンやセリンを含む配列が挙げられるがこれに限定しない。またピューロマイシン、その誘導体などリボソームによる翻訳時にペプチドに取り込まれる化合物と核酸ライブラリーの間には、RNA、DNA、ヘキサエチレングリコール(spc18)のポリマー(例えば5つのポリマー)などで形成されるリンカーを含むことが好ましい。
無細胞翻訳系は材料の細胞を破砕し、遠心分離、透析などによって調製した抽出液にtRNA、アミノ酸、ATPなどを加えたものである。例えば、大腸菌(Methods Enzymol. 1983;101:674-90. Prokaryotic coupled transcription-translation. Chen HZ, Zubay G.)、酵母(J. Biol. Chem. 1979 254: 3965-3969. The preparation and characterization of a cell-free system from Saccharomyces cerevisiae that translates natural messenger ribonucleic acid. E Gasior, F Herrera, I Sadnik, C S McLaughlin, and K Moldave)、小麦胚芽(Methods Enzymol. 1983;96:38-50. Cell-free translation of messenger RNA in a wheat germ system. Erickson AH, Blobel G.)、ウサギ網状赤血球(Methods Enzymol. 1983;96:50-74. Preparation and use of nuclease-treated rabbit reticulocyte lysates for the translation of eukaryotic messenger RNA. Jackson RJ, Hunt T.)、Hela細胞(Methods Enzymol. 1996;275:35-57.Assays for poliovirus polymerase, 3D(Pol), and authentic RNA replication in HeLa S10 extracts. Barton DJ, Morasco BJ, Flanegan JB.)、昆虫細胞(Comp Biochem Physiol B. 1989;93:803-6. Cell-free translation in lysates from Spodoptera frugiperda (Lepidoptera: Noctuidae) cells. Swerdel MR, Fallon AM.)を材料にしたものを用いることができる。T7 RNA polymeraseなどのRNAポリメラーゼを加えることでDNAからの転写、翻訳を共役させることができる。一方、PURE systemは大腸菌の翻訳に必要な蛋白因子類、エネルギー再生系酵素、ribosomeそれぞれを抽出、精製し、tRNA、アミノ酸、ATP、GTPなどと混合した再構成無細胞翻訳系である。不純物の含有量が少ないだけでなく、再構成系であるため排除したい蛋白因子、アミノ酸を含まない系を容易に作製することができる。((i)Nat Biotechnol. 2001;19:751-5. Cell-free translation reconstituted with purified components. Shimizu Y, Inoue A, Tomari Y, Suzuki T, Yokogawa T, Nishikawa K, Ueda T.(ii)Methods Mol Biol. 2010;607:11-21.PURE technology.Shimizu Y, Ueda T.) 。適宜、公知の方法を用いて上記方法を使用することができる
ribosome、tRNA等、無細胞翻訳系に含まれる種々の因子は大腸菌細胞や酵母細胞から当業者に周知の方法によって精製することができる。またtRNAやアミノアシルtRNA合成酵素は天然に存在するものに加え、人工tRNAや非天然アミノ酸を認識する人工アミノアシルtRNA合成酵素を用いることもできる。人工tRNAや人工アミノアシルtRNA合成酵素を用いることにより部位特異的に非天然アミノ酸を導入したペプチドを合成することができる。
非天然アミノ酸のペプチドへの翻訳導入には、直交性を有し効率よくribosomeに取り込まれるtRNA((i)Biochemistry. 2003;42:9598-608.Adaptation of an orthogonal archaeal leucyl-tRNA and synthetase pair for four-base, amber, and opal suppression. Anderson JC, Schultz PG., (ii)Chem Biol. 2003;10:1077-84.Using a solid-phase ribozyme aminoacylation system to reprogram the genetic code.Murakami H, Kourouklis D, Suga H.)のアミノアシル化が必要である。tRNAをアミノアシル化する方法として以下の5つの方法を用いることができる。
細胞内ではtRNAのアミノアシル化をアミノ酸別にアミノアシルtRNA合成酵素が用意されている。ある種のアミノアシルtRNA合成酵素がN-Me Hisなど非天然アミノ酸を許容することを利用する方法、非天然アミノ酸を許容する変異アミノアシルtRNA合成酵素を用意し、これを利用する方法である((i)Proc Natl Acad Sci U S A. 2002;99:9715-20. An engineered Escherichia coli tyrosyl-tRNA synthetase for site-specific incorporation of an unnatural amino acid into proteins in eukaryotic translation and its application in a wheat germ cell-free system.Kiga D, Sakamoto K, Kodama K, Kigawa T, Matsuda T, Yabuki T, Shirouzu M, Harada Y, Nakayama H, Takio K, Hasegawa Y, Endo Y, Hirao I, Yokoyama S.(ii)Science. 2003;301:964-7.An expanded eukaryotic genetic code.Chin JW, Cropp TA, Anderson JC, Mukherji M, Zhang Z, Schultz PG. Chin,JW.(iii) Proc Natl Acad Sci U S A. 2006;103:4356-61.Enzymatic aminoacylation of tRNA with unnatural amino acids.Hartman MC, Josephson K, Szostak JW.)。試験管内でtRNAをアミノアシル化しその後アミノ酸を化学修飾する方法も用いることができる(J Am Chem Soc. 2008;130:6131-6.Ribosomal synthesis of N-methyl peptides.Subtelny AO, Hartman MC, Szostak JW.)。tRNAの3'末端のCCA配列からCAを除いたものと別途調製したアミノアシル化したpdCpAとをRNAリガーゼで結合させることでアミノアシルtRNAを得ることが出来る(Biochemistry. 1984;23:1468-73.T4 RNA ligase mediated preparation of novel "chemically misacylated" tRNAPheS.Heckler TG, Chang LH, Zama Y, Naka T, Chorghade MS, Hecht SM.)。種々の非天然アミノ酸の活性エステルをtRNAに担持させるリボザイムであるフレキシザイムによるアミノアシル化もある(J Am Chem Soc. 2002;124:6834-5.Aminoacyl-tRNA synthesis by a resin-immobilized ribozyme.Murakami H, Bonzagni NJ, Suga H.)。tRNAとアミノ酸活性エステルとをカチオン性ミセル中で超音波混合する方法も用いることができる(Chem Commun (Camb). 2005;(34):4321-3.Simple and quick chemical aminoacylation of tRNA in cationic micellar solution under ultrasonic agitation. Hashimoto N, Ninomiya K, Endo T, Sisido M.)。tRNAの3'末端付近に相補的なPNAにアミノ酸活性エステルを結合したものをtRNAに加えることによってもアミノアシル化が可能である(J Am Chem Soc. 2004;126:15984-9.In situ chemical aminoacylation with amino acid thioesters linked to a peptide nucleic acid.Ninomiya K, Minohata T, Nishimura M, Sisido M.)。
非天然アミノ酸を導入するコドンとして終止コドンを利用する方法が多く報告されているが、前述のPUREsystemを用いることで天然アミノ酸、ARSを除いた合成系を構築できるため、アミノ酸をコードするコドンについて除外した天然アミノ酸の代わりに非天然アミノ酸を導入することが出来る(J Am Chem Soc. 2005;127:11727-35.Ribosomal synthesis of unnatural peptides. Josephson K, Hartman MC, Szostak JW.)。さらにコドンの縮重を解くことにより天然アミノ酸を除外することなく非天然アミノ酸を加えることが出来る(Kwon I,et al. Breaking the degeneracy of the genetic code. J Am Chem Soc. 2003, 125, 7512-3.)。N-メチルアミノ酸を含むペプチドがPureSystemなどの無細胞翻訳系の活用によりリボゾームにて合成できる。
本発明の環状部を有するペプチド化合物からなるライブラリーは、アミノ酸及び/又はアミノ酸類縁体の数が9〜13残基からなる環状部を有するペプチド化合物から構成されるが、この9〜13残基はディスプレイライブラリーのランダム領域が始まる直前のN末端側アミノ酸を1として、13残基目までのアミノ酸にてカウントされる(翻訳後修飾がすべて完了された後のユニット数としてカウントされる)。当該環状部を有するペプチド化合物を形成する9〜13残基中、N-メチルアミノ酸の数の平均が3〜10、好ましくは4〜9、より好ましくは5〜8含まれるように、ランダム領域に含まれるアミノ酸をN-アルキルアミノ酸とNH2を有するアミノ酸の割合を考慮することが必要である。同様に、この13残基のペプチドのClogP値の平均が4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上に設定されるように、ランダム領域に含まれるアミノ酸の種類を選定させる必要がある。
選定されるアミノ酸としては、選択されるすべてのアミノ酸が中性(例えばpH=7.0)で極度にイオン化されない官能基の中であることが好ましい。例えば酸としてはpKaが3.5以上であることが好ましい。より好ましくは4.5以上であり、さらに好ましくは5以上である。例えばアスパラギン酸の側鎖カルボキシル基のpKa=3.9であり、チロシンの側差フェノール性水酸基のpKa=10である。またテトラゾールのpKa=5.6である。また、塩基としてはpKaが9以下であることが好ましく、より好ましくは7.5以下であり、更に好ましくは6.5以下である。例えば、アルギニンの側鎖グアニジノ基のpKaは12.5であり、リジンの側鎖アミノ基のpKaは10.5であり、ヒスチジンのイミダゾリル基のpKaは6.1である。また、ピリジンのpKaは5.2である。ペプチドのN末端αアミノ酸の主鎖のアミノ基のpKaは8付近である。
実際に我々の実施例24に記載の通り、このルールに則ると、可変領域のアミノ酸の種類は21種類であり、そのうち10種類がNメチルなどのNアルキルアミノ酸が選定された。Initiation read through法では固定アミノ酸2つのうち、両方ともがNH2であったため、平均のN-アルキル数は4.4と計算された。Inhitiation suppression法では2つの固定アミノ酸のうち1つがNアルキルであり、また交差ユニットのC末端側もN-アルキルアミノ酸の中から選定されたこともあり平均のN−アルキルアミノ酸数は6.0と計算された。
同様に両者の平均のCLogP値は、それぞれ5.97と6.12であった。
単離されたシアノメチルエステルをpdCpAと反応させてコンジュゲート化させた後、例えばLigationによりtRNAとアミノ酸又はアミノ酸類縁体のコンジュゲートとすることができる。
tRNAとアミノ酸のコンジュゲートとする手法としては、このようなpdCpA法に拘らず、Flexizymeを使用する手法によっても、あるいはARSを使用する手法によっても合成できる。
活性エステル化法では、例えば、カルボン酸をPureSystemなどにて翻訳させた後に反応系中で活性エステル化反応により活性化エステルを発生させる手法、予め活性エステルとして単離した化合物をPureSystemにて翻訳させる手法などを用いることができる。一般的には、活性エステルの中でも反応性のより低いチオエステルなどは予め活性エステルとして単離後に翻訳させるのに適しているのに対し、より反応性の高いHOAt活性エステルなどは翻訳後に活性化エステルを発生させるのが望ましい。
また、望みの位置で選択的にカルボン酸とアミノ基を反応させるため、カルボン酸とアミノ基側のいずれか、あるいは両方に反応補助基を導入させることも可能である。
カルボン酸側の活性エステル基にアルデヒド部位があるため、アミノ基近傍にアルコール部位がある基質と選択的にN,O−ベンジリデンアセタールを素早く形成させることができる。これを酸性条件下で転移反応させるとアミド結合が生成する。この活性エステルを、フェニルチオエステル共存下、選択的にセリンと反応させることができる。また、OH基を含むセリンはリジン存在下、選択的に本活性エステルと反応させることができる。
活性エステルを経由せず、カルボン酸とアミンを直接反応させることもできる。活性エステルを経由しない場合には脱水反応のため、例えば縮合にて生成する水を除去(トルエンとの共沸やモレキュラーシーブスなどの脱水剤の併用)する。プロトン酸ではなく、より温和な反応条件が報告されている。また、遷移金属などの触媒を用いた反応として、例えば鉄触媒を用いることができる(Dasら, J. Org. Chem. 2003, 68, 1165.)。
カルボン酸とアミンとの反応ではなく、いずれかもしくは両方を別官能基として反応させることもでき、例えばアミンではなくアジドを用いて活性エステルと反応させる手法である。
これらの成分としては例えば、大豆油、牛脂、合成グリセライド等の動植物油;流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン等の炭化水素;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;シリコン樹脂;シリコン油;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの水溶性高分子;エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール;グルコース、ショ糖などの糖;無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどの無機粉体、精製水などがあげられる。
結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリオキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミンなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カルシウム等が挙げられる。
これらの錠剤・顆粒剤には糖衣、その他必要により適宜コーティングすることはもちろん差支えない。また、シロップ剤や注射用製剤等の液剤を製造する際には、本発明にかかる化合物またはその薬理学的に許容される塩にpH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤などを加えて、常法により製剤化する。
例えば、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することが考えられる。具体的には、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を担体として挙げることができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(登録商標)、HCO−50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
投与は好ましくは経口投与であるが、投与方法は経口投与に拘らない。非経口投与としては、具体的には、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺投与剤型、経皮投与型などが挙げられる。注射剤型の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などにより全身または局部的に投与することができる。
また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。本発明の方法で製造されたペプチド化合物を含有する医薬組成物の投与量としては、例えば、一回につき体重1kgあたり0.0001 mgから1000 mgの範囲で選ぶことが可能である。あるいは、例えば、患者あたり0.001から100000 mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができるが、これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]側鎖カルボン酸が活性エステル化された化合物(1g)の合成
チオエステルを有する一連の活性エステル(化合物1g)の合成を実施し、Rex1=Me、Et、iPr、tBu、Bn、Ph、Phenetyl基の合成を図1の方法に従って行った。
なお、実施例中では以下の略号を使用した。
DCM ジクロロメタン
DIC N,N−ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DTT ジチオスレイロール
FA ギ酸
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
HFIP 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール
HOBT 1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール
WSCI・HCl 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド塩酸塩
TCEP トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン
NMP N-メチル‐2‐ピロリドン
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
なお、ペプチド合成及び、固相合成に用いる反応溶媒はペプチド合成用(関東化学、和光純薬あるいは渡辺化学から購入)を用いた。例えばDCM、DMF、DMSO、2% DBU in DMF,20% piperidine in DMFなどである。また、水を溶媒として加えない反応では脱水溶媒や無水溶媒(関東化学、和光純薬などから購入)を用いた。
1.1g−IDの合成
1−1.(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (化合物1b−I)の合成
(S)−3−アミノ−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタン酸(化合物1a−I)(21.1mmol、4.00g)とNa2CO3(63.3mmol,6.71g)のTHF(70mL)、水(140ml)溶液に塩化ペンタ−4−エノイル(42.2mmol,4.66ml)を0℃で加え、室温で20分間攪拌した。その後、反応混合物に濃塩酸を0℃で滴下し、pH2とした。酢酸エチルで希釈した後に、適量のNaClを加え塩析抽出を行った。得られた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。そして、減圧濃縮により(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1b−I)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物A(7.69g、100%)を得た。
1−2.(S)−4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (化合物1f−ID)の合成
(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1b−I)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物A(2.51g、12.9mmol)のCH2Cl2(35ml)溶液にDIC(N、N'−ジイソプロピルカルボジイミド)(2.41ml、15.5mmol)、DMAP(N、N−ジメチルアミノピリジン)(315mg、2.58mmol)およびフェニルメタンチオール(1.82ml、15.5mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。その後、反応混合物にTFA(21ml)を加え、室温で9時間半攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=80/20→40/60)にて精製し、(S)−4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−ID)(1.65g、74%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 322 (M+H)+
保持時間:0.78分(分析条件SQDAA05)
1−3.4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の合成
(S)−4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−ID)(1.00g、3.12mmol)のDMSO(4.35ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(4.35ml、62.4mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.651ml、3.74mmol)を加え、室温で40分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(5ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→40/60)にて精製し、4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)(885.2mg、79%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 361 (M+H)+
保持時間:0.91分(分析条件SQDAA05)
2.1g−IEの合成
2−1.(S)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (化合物1f−IE)の合成
化合物1f−IDの製造例と同様の条件で(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1b−I)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物A(1.3g、6.65mmol)を用い、さらにフェニルメタンチオールの代わりに2−フェニルエタンチオール(0.889ml、6.63mmol)を用いることで、(S)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (化合物1f−IE)(607mg、49%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 336 (M+H)+
保持時間:0.83分(分析条件SQDAA05)
2−2.4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IE)の合成
((S)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (化合物1f−IE)(300mg、0.894mmol)の2−ブロモアセトニトリル(1.87ml)溶液にN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.187ml、1.07mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(5ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→60/40)にて精製し、4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IE)(295mg、88%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 375 (M+H)+
保持時間:0.95分(分析条件SQDAA05)
3.1g−IGの合成
3−1. (S)−4−(エチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (化合物1f−IG)の合成
化合物1f−IDの製造例と同様の条件で(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1b−I)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物A(889mg、4.55mmol)を用い、さらにフェニルメタンチオールの代わりにエタンチオール(0.338ml、4.56mmol)を用いることで、(S)−4−(エチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (化合物1f−IG)(233mg、36%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 260 (M+H)+
保持時間:0.58分(分析条件SQDAA05)
3−2. 4−(エチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IG)の合成
化合物1g−IDの製造例と同様の条件で(S)−4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−ID)の代わりに(S)−4−(エチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (化合物1f−IG)(100mg、0.386mmol)を用いることで4−(エチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IG)(59.8mg、52%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =299(M+H)+
保持時間:0.69分(分析条件SQDFA05)
4.1g−IBの合成
4−1. (S)−4−(イソプロピルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IB)の合成
化合物1f−IDの製造例と同様の条件で(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1b−I)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物A(788mg、4.23mmol)を用い、さらにフェニルメタンチオールの代わりにプロパン−2−チオール(0.393ml、4.23mmol)を用いることで、(S)−4−(イソプロピルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IB)(485mg、76%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 274 (M+H)+
保持時間:0.70分(分析条件SQDAA05)
4−2.4−(イソプロピルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IB)の合成
(S)−4−(イソプロピルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IB)(200mg、0.732mmol)のDMF(1ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(0.510ml、7.32mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.153ml、0.878mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(1ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→60/40)にて精製し、4−(イソプロピルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IB)(161mg、70%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 313 (M+H)+
保持時間:0.75分(分析条件SQDFA05)
5.1g−ICの合成
5−1.(S)−4−(tert−ブチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IC)の合成
化合物1f−IDの製造例と同様の条件で(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1b−I)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物A(1.23g、6.64mmol)を用い、さらにフェニルメタンチオールの代わりに2−メチルプロパン−2−チオール(0.748ml、6.63mmol)を用いることで、(S)−4−(tert−ブチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IC)(653mg、62%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 288 (M+H)+
保持時間:0.79分(分析条件SQDAA05)
5−2. 4−(tert−ブチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IC)の合成
化合物1g−IEの製造例と同様の条件で((S)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (化合物1f−IE)の代わりに(S)−4−(tert−ブチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IC)(300mg、1.04mmol)を用いることで4−(tert−ブチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IC)(293mg、86%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 327 (M+H)+
保持時間:0.90分(分析条件SQDAA05)
6.1e−IFの合成
6−1.4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェニルチオ)ブタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IF)の合成
(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1b−I)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物A(2.53g、13.0mmol)のCH2Cl2(35ml)溶液にDIC(2.43ml、15.6mmol)、DMAP(318mg、2.60mmol)およびベンゼンチオール(1.59ml、15.6mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物をろ過し、得られたろ液を濃縮後、酢酸エチルで希釈した後に、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、さらに得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→65/35)にて精製し、4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェニルチオ)ブタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IF)(1.99g、79%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 364 (M+H)+
保持時間:1.01分(分析条件SQDAA05)
7.1g−IAの合成
7−1. 4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IA)の合成
(S)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソ−3−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1b−I)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物A(1.96g、9.68mmol)のTHF(44ml)溶液にEt3N(1.54ml、11.0mmol)とカルボノクロリド酸エチル(1.05ml、11.0mmol)を加え、室温で25分攪拌した。その後、反応混合物にナトリウム メタンチオラート(1.06g、15.1mmol)のDMF(18ml)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、ジクロロメタンで希釈し、有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→40/60)にて精製し、4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IA)(1.38g、85%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 302 (M+H)+
保持時間:0.90分(分析条件SQDAA05)
7−2.(S)−4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IA)の合成
4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IA、69.3mg、0.23mmol)のジクロロメタン(1.2ml)溶液にトリフルオロ酢酸(0.684ml、9.20mmol)を加え、室温で6時間半攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=100/0→60/40)にて精製し、(S)−4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IA)(46.9mg、83%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 246 (M+H)+
保持時間:0.51分(分析条件SQDAA05)
7−3.4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IA)の合成
(S)−4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−IA)(1.17g、3.78mmol)のDMF(5ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(2.64ml、37.8mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(3.29ml、18.9mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(3ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→30/70)にて精製し、4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IA)(368mg、34%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 285 (M+H)+
保持時間:0.69分(分析条件SQDAA05)
8.1g−IIDの合成
8−1.(S)−5−(tert−ブトキシ)−5−オキソ−4−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸(化合物1b−II)の合成
化合物1b−Iの製造例と同様の条件で(S)−3−アミノ−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタン酸(化合物1a−I)の代わりに(S)−4−アミノ−5−(tert−ブトキシ)−5−オキソペンタン酸(化合物1a−II、5.00g、24.2mmol)用いることで、(S)−5−(tert−ブトキシ)−5−オキソ−4−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸(化合物1b−II)とペンタ−4−エン酸(1:0.8)の混合粗生成物B(9.28g、100%)を得た。
8−2.(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸(化合物1f−IID)の合成
化合物1f−IDの製造例と同様の条件で混合粗生成物Aの代わりに混合粗生成物B(2.30g、10.80mmol)を用いることで、(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸(化合物1f−IID)(1.45g、72%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 336 (M+H)+
保持時間:0.82分(分析条件SQDAA05)
8−3. 5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IID)の合成
化合物1g−IDの製造例と同様の条件で(S)−4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸(化合物1f−ID)の代わりに(S)−5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸(化合物1f−IID)(964mg、2.87mmol)を用いることで、5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IID)(951mg、89%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 375 (M+H)+
保持時間:0.93分(分析条件SQDAA05)
9.1g−IIAの合成
9−1. 5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IIA)の合成
化合物1e−IAの製造例と同様の条件で、混合粗生成物Aの代わりに混合粗生成物B(1.94g、9.11mmol)を用いることで、5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IIA)(1.22g、76%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 316 (M+H)+
保持時間:0.92分(分析条件SQDAA05)
9−2. (S)−5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸(化合物1f−IIA)の合成
化合物1f−IAの製造例と同様の条件で4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IA)の代わりに5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IIA)(1.02g、3.24mmol)を用いることで、(S)−5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸(化合物1f−IIA)(790mg、94%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 260(M+H)+
保持時間:0.54分(分析条件SQDAA05)
9−3. 5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IIA)の合成
(S)−5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸(化合物1f−IIA)(673mg、2.60mmol)のDMSO(5、5ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(3.60ml、52.0mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.297ml、2.86mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(3ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→30/70)にて精製し、5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IIA)(772mg、100%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =299(M+H)+
保持時間:0.75分(分析条件SQDAA05)
10. 1g−IIFの合成
10−1. 5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−5−(フェニルチオ)ペンタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IIF)の合成
化合物1e−IFの製造例と同様の条件で、混合粗生成物Aの代わりに混合生成物B(2.11g、9.90mmol)を用いることで5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−5−(フェニルチオ)ペンタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IIF)(1.52g、73%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =378(M+H)+
保持時間:1.03分(分析条件SQDAA05)
10−2. 5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−5−(フェニルチオ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IIF)の合成
5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−5−(フェニルチオ)ペンタン酸 (S)−tert−ブチル(化合物1e−IIF)(978mg、2.59mmol)のジクロロメタン(6.74ml)溶液にトリフルオロ酢酸(3.85ml、51.8mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣の2−ブロモアセトニトリル(8ml)溶液にN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(1.30ml、7,47mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に水を加えた後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=60/40→20/80)にて精製し、5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−5−(フェニルチオ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IIF)(722mg、64%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 361 (M+H)+
保持時間:0.89分(分析条件SQDAA05)
[実施例2]側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpAの合成
実施例1で合成した側鎖カルボン酸が活性エステル化された化合物(化合物1g)を用いてアミノアシル化pdCpA(化合物1i)の合成を行った。
1. 4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル (化合物1i−ID)の合成
pdCpA(リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル 化合物1h)の合成を文献、Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids, 20(3), 197-211; 2001、Xue-Feng Zhu and A. lan Scott、に従って合成した。
緩衝液A(113ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(200mg、0.314mmol)の水溶液(6.25ml)と4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)(454mg、1.26mmol)のテトラヒドロフラン(3.15ml)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。その後、トリフルオロ酢酸(2.52ml、33.9mmol)を加えた後に、凍結乾燥させた。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液=100/0→60/40)にて精製し、4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−ID)(70.9mg、24%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 940 (M+H)+
保持時間:0.53分(分析条件SQDFA05)
なお、緩衝液Aは以下のように調整した。
N,N,N−トリメチルヘキサデカン−1−アミニウム 塩化物(6,40g、20mmol)とイミダゾール(6.81g、100mmol)の水溶液に酢酸を添加し、pH8、20mM N,N,N−トリメチルヘキサデカン−1−アミニウム、100mMイミダゾールの緩衝液A(1L)を得た。
2.4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル (化合物1i−IE)の合成
化合物1i−IDの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(50mg、0.079mol)を用い、さらに4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の代わりに4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IE)(118mg、0.314mmol)用いることで、4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−4−(フェネチルチオ)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル (化合物1i−IE)(22.8mg、30%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =954(M+H)+
保持時間:0.80分(分析条件SMDmethod1)
3. 4−(エチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IG)の合成
化合物1i−IDの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(50mg、0.079mmol)を用い、さらに4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の代わりに4−(エチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IG)(94mg、0.314mmol)用いることで、4−(エチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IG)(23.9mg、35%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =878(M+H)+
保持時間:0.66分(分析条件SMDmethod1)
4. 4−(イソプロピルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IB)の合成
化合物1i−IDの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(50mg、0.079mmol)を用い、さらに4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の代わりに4−(イソプロピルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IB)(98mg、0.314mmol)用いることで、4−(イソプロピルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IB)(27.3mg、39%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =892(M+H)+
保持時間:0.70分(分析条件SMDmethod1)
5. 4−(tert−ブチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IC)の合成
化合物1i−IDの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(50mg、0.079mmol)を用い、さらに4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の代わりに4−(tert−ブチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IC)(103mg、0.314mmol)用いることで、4−(tert−ブチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IC)(26.2mg、37%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =906(M+H)+
保持時間:0.74分(分析条件SMDmethod1)
6. 4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IA)の合成
化合物1i−IDの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(150mg、0.236mmol)を用い、さらに4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の代わりに4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IA)(268mg、0.943mmol)用いることで、4−(メチルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IA)(83.6mg、41%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =864(M+H)+
保持時間:0.40分(分析条件SQDFA05)
7. 5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IID)の合成
化合物1i−IDの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(200mg、0.314mol)を用い、さらに4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の代わりに5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IID)(472mg、1.26mmol)用いることで、5−(ベンジルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IID)(31.3mg、10%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =954(M+H)+
保持時間:0.55分(分析条件SQDFA05)
8. 5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IIA)の合成
化合物1i−IDの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(200mg、0.314mmol)を用い、さらに4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の代わりに5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IIA)(376mg、1.26mmol)用いることで、5−(メチルチオ)−5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IIA)(68.0mg、25%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =878(M+H)+
保持時間:0.43分(分析条件SQDFA05)
9. 5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−5−(フェニルチオ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IIF)の合成
化合物1i−IDの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(150mg、0.236mmol)を用い、さらに4−(ベンジルチオ)−4−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−ID)の代わりに5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−5−(フェニルチオ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物1g−IIF)(534mg、0.944mmol)を用いることで、5−オキソ−2−(ペンタ−4−エンアミド)−5−(フェニルチオ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物1i−IIF)と化合物1i−IIFのチオエステル部位とpdCpA部位のアルコール部位あるいはアミノ基部位と分子内縮合した推定化合物2種類(化合物1i−IIF−B1)、(化合物1i−IIF−B2)をLCMS分析により観測した。その割合は、LCMSのUVエリア%比より、化合物1i−IIF:(化合物1i−IIF−B1)+(化合物1i−IIF−B2)=20:9であった。
(化合物1i−IIF)
LCMS(ESI) m/z =940(M+H)+
保持時間:0.70分(分析条件SQDFA05)
(1i−IIF−B1)
LCMS(ESI) m/z =828(M−H)−
保持時間:0.65分(分析条件SQDFA05)
(1i−IIF−B2)
LCMS(ESI) m/z =828(M−H)−
保持時間:0.66分(分析条件SQDFA05)
これまで示してきたように、Rex1=Me、Et,iPr,Ph,Bz、Phenetyl基を有する側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i)を合成した。
[実施例3] 側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシルtRNAの合成
以下の方法に従って、側鎖カルボン酸がチオエステル化されたアミノアシル化tRNAの合成を行なった。
1. 転写によるtRNA(CA欠損)の合成
鋳型DNA(配列番号D−1)から、RiboMAX Large Scale RNA production System T7(Promega社,P1300)を用いたin vitro の転写により3'端のCAを欠くtRNAEnAsnGAG (-CA)(配列番号R−1)を合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen社)により精製した。
配列番号D−1(配列番号:1)
tRNAEnAsnGAG (-CA) DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGGCTCTGTAGTTCAGTCGGTAGAACGGCGGACTgagAATCCGTATGTCACTGGTTCGAGTCCAGTCAGAGCCGC
配列番号R−1(配列番号:30)
tRNAEnAsnGAG (-CA) RNA配列:
GGCUCUGUAGUUCAGUCGGUAGAACGGCGGACUgagAAUCCGUAUGUCACUGGUUCGAGUCCAGUCAGAGCCGC
2. 側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i)とtRNA(CA欠損)(配列番号:R−1)のligationによるアミノアシル化tRNA(化合物AT−1)の合成
50μM 転写tRNAEnAsnGAG (-CA)(配列番号R−1) 10μLに、10X ligation buffer (500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2, 10 mM ATP) 2μL、Nuclease free water 4μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。 20unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)2μLおよび、5mMの側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。ライゲーション反応液 20μLに、3M酢酸ナトリウム 4μLと125mM ヨウ素(水:THF=1:1溶液)24μLを加え、室温で1時間、脱保護を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−1)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−1)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−1−IA
Asp(SMe)−tRNAEnAsnGAG
化合物AT−1−IB
Asp(SiPr)−tRNAEnAsnGAG
化合物AT−1−IG
Asp(SEt)−tRNAEnAsnGAG
化合物AT−1−IC
Asp(StBu)−tRNAEnAsnGAG
化合物AT−1−ID
Asp(SBn)−tRNAEnAsnGAG
化合物AT−1−IE(配列番号:31)
Asp(SPhenetyl)−tRNAEnAsnGAG
化合物AT−1−IIA
Glu(SMe)−tRNAEnAsnGAG
化合物AT−1−IID
Glu(SBn)−tRNAEnAsnGAG
[実施例4] 側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノ酸を用いた翻訳合成
様々なアミノ酸によりアミノアシル化されたtRNAを、無細胞翻訳系に加えて翻訳を開始することにより、所望の非天然アミノ酸を含有するポリペプチドの翻訳合成を行った。翻訳系は、鋳型DNAからの転写系を含む原核生物由来の再構成無細胞タンパク質合成系であるPURE systemを用いた。具体的には、転写翻訳液(5%(v/v) T7 RNA polymerase RiboMAX Enzyme Mix (Promega社,P1300),2mM GTP,2mM ATP,1mM CTP,1mM UTP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM グルタミン酸カリウム,12mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,1mM ジチオスレイトール,1.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.6μM メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ,0.26μM EF−G,0.25μM RF1,0.24μM RF2,0.17μM RF3,0.5μM RRF,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,40μM EF−Tu,84μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,0.73μM AlaRS,0.03μM ArgRS,0.38μM AsnRS,0.13μM AspRS,0.02μM CysRS,0.06μM GlnRS,0.23μM GluRS,0.09μM GlyRS,0.02μM HisRS,0.4μM IleRS,0.04μM LeuRS,0.11μM LysRS,0.03μM MetRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.02μM TyrRS,0.02μM ValRS(自家調製タンパクは基本的はHisタグ付加タンパクとして調製した))に、0.02μM 鋳型DNA、それぞれの鋳型DNAにコードされているタンパク質性アミノ酸群をそれぞれ300μMずつ、ならびに50μMの側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化tRNA(化合物AT−1)を翻訳反応混合物に添加し、37℃で30分から1時間静置することで行った。
翻訳産物はマトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を用いてMALDI−MSスペクトルを測定して同定した。
1.チオエステル化されたグルタミン酸誘導体を含むペプチド(化合物P−1)の翻訳合成
20nM 鋳型DNA Mtyg_R(配列番号D−2)に、0.3mM Gly,0.3mM Met,0.3mM Arg,0.3mM Thr,0.3mM Tyrおよび、50μM Glu(SBn)-tRNAEnAsnGAG(化合物AT−1−IID)を含む前述の転写翻訳液を37℃で60分間保温した。得られた翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析した。しかしながら、図2に示すように分子量799から2000の範囲に翻訳ペプチドに由来するマススペクトルのピークをMALDI−MSにて確認することが出来なかった。例えば、分子量882、918、1256付近に検出されたピークは、陰性対照として鋳型DNAを加えないPURESystemを分析したときにも観測されるピークであることから、翻訳ペプチド由来のピークではない。
配列番号 D−2(配列番号:2)
Mtyg_R DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATatgACTACAACGCGActttactaccgtcgtggcggcTAATAAATAGATAG
ペプチド配列P−1
MetThrThrThrArg[Glu(SBn)]TyrTyrArgArgGlyGly
MALDI-MS:
Not detected (calc. 1595.7)
2.チオエステル化されたアスパラギン酸誘導体を含むペプチドの翻訳合成
2−1.Asp(SMe)を含むモデルペプチドの翻訳合成
20nM 鋳型DNA Mtryg3(配列番号D−3)、Leuを除く各0.3mMの19種類のタンパク質性アミノ酸、50μM Asp(SMe)-tRNAEnAsnGAG(化合物AT−1−IA)を加えた転写翻訳液を、37℃で60分間保温した。SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析した。その結果、チオエステルを含む全長ペプチドから、脱MeSHされた分子量を示すマススペクトル(MS)が主生成物として観測された(図3)。
配列番号D−3(配列番号:3)
Mtryg3 DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATatgACTACAACGCGActttactaccgtggcggcTAGTAGATAGATAG
ペプチド配列P−2
MetThrThrThrArg[Asp(SMe)]TyrTyrArgGlyGly
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1302.5 (チオエステル含む全長ペプチドCalc. 1349.6, 脱MeSHペプチドCalc. 1301.6) (観測された分子量1302の化合物をペプチドP−3とする)
2−2.最も反応性の高いTyrを含まず、チオエステルを含むペプチド(化合物P−5)の翻訳
20nM 鋳型DNA Ft02A_dR(配列番号D−4)に、前述の転写翻訳液に、Leuを除く各0.3mMの19種類のタンパク質性アミノ酸,および前記の方法で調製した50μM 化合物AT-1-ID(Asp(SBn)-tRNAEnAsnGAG)を加え、37℃で60分間翻訳した。翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析したところ、チオエステルアミノ酸を含む全長ペプチドP−5が生成した後に、脱BnSH化されたMSスペクトルが同様に主生成物として確認された(ペプチドP−6)。このことから脱BnSH化される反応点としてはフェノール性水酸基では無いことが確認された(図5)。
Ft02A_dR DNA配列(配列番号D−4)(配列番号:4)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAgaaggagatatacatATGACTACAACGgcgggcggcCTTttttttggcggcAAATAATAA
ペプチド配列 P−5
MetThrThrThrAlaGlyGly[Asp(SBn)]PhePheGlyGlyLys
MALDI-MS: m/z: [H+M]+ = 1271.8 (ペプチドP-5が脱BnSH化されたペプチド P-6 Calc. 1270.6)
2−3.翻訳ペプチドP−6の構造推定のための加水分解実験
前述の翻訳反応物P−6を、333mM Bicine KOH pH9.0中で、95℃で15分間加水分解を行い、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析した。その結果、脱BnSHペプチドP−6が加水分解され18分子量の増加が確認された(ペプチド化合物P−4)。想定されるチオエステル部位の縮合反応はアミノ基とのアミド形成反応ではなく、比較的加水分解され易いOH基やSH基とのエステル化反応やチオエステル化反応などであると示唆された(図4)。
ペプチド化合物P−4
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1289.6 (P-6の加水分解体Calc. 1288.7)
2−4.N末端アミノ基を持たないMeOFlac(化合物7a)で翻訳開始させたチオエステル含有ペプチドの翻訳合成
N末端にアミノ基を持たないペプチドの翻訳合成を行い、以下のように解析した。
2−4−1. MeOFlac-pdCpAの合成
2−4−1−1.(S)−2−メトキシ−3−フェニルプロパン酸の合成(化合物7a、MeOFlac)
(S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸(1.0g、6.02mmol)をTHF(100ml)に溶解し、水素化ナトリウム(0.48g、12.00mmol)およびヨウ化メチル(1.71g、12.04mmol)を加えて65度で一時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、6Mの塩酸水溶液を加えてpH4とした。この水層を酢酸エチルで抽出し、この有機層を濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製し、標題化合物(0.71g、59%)を得た。
2−4−1−2.2−メトキシ−3−フェニルプロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物7b)の合成
(S)−2−メトキシ−3−フェニルプロパン酸(化合物7a、0.50g、2.50mmol)および2−ブロモアセトニトリル(1.20g、10.00mmol)をアセトニトリル(60ml)に溶解させ、氷冷下、トリエチルアミン(0.50g、4.99mmol)を滴下して加えた。室温で40分攪拌した後、反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で精製し、標題化合物(0.39g、65%)を得た。
2−メトキシ−3−フェニルプロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物7c)の合成
イミダゾール(3.40g、50.00mmol)およびN,N,N−トリメチルヘキサデカン−1−アミニウム 塩化物(3.20g、10.00mmol)を溶かした水溶液(30ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h、0.32g、0.50mmol)および2−メトキシ−3−フェニルプロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物7b、0.44g、2.01mmol)を加えて室温で30分攪拌した。反応液にTFA(1.0ml)を加えて濃縮し、得られた残渣をpreparative−HPLC(0.05%TAF水溶液:アセトニトリル=84:16〜60:40)で精製し、標題化合物(66mg、16%)を得た。
LCMS:m/z 799(M+H)+
保持時間:0.609分 (分析条件 SMDmethod1)
2−4−2.転写によるtRNA(CA欠損)の合成
鋳型DNA(配列番号D−5)から、RiboMAX Large Scale RNA production System T7(Promega社,P1300)を用いたin vitro の転写により3'端のCAを欠くtRNAfMetCAU(-CA)(配列番号R−5)を合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen社)により精製した。
配列番号D−5(配列番号:5):
GGCGTAATACGACTCACTATAGGCGGGGTGGAGCAGCCTGGTAGCTCGTCGGGCTCATAACCCGAAGATCGTCGGTTCAAATCCGGCCCCCGCAAC
配列番号R−5(配列番号:32):
GGCGGGGUGGAGCAGCCUGGUAGCUCGUCGGGCUCAUAACCCGAAGAUCGUCGGUUCAAAUCCGGCCCCCGCAAC
2−4−3. N末端アミノ基を含まないアシル化pdCpA(化合物7c)とtRNA(CA欠損)(配列番号:R−5)のligationによるアシル化tRNA(化合物AT−2)の合成
50μM 転写tRNAfMetCAU(-CA)(配列番号R−5) 10μLに、10X ligation buffer (500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl
2, 10 mM ATP)2μL、Nuclease free water 4μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。10unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)2μLおよび、5mMのN末端アミノ基を含まないアシル化pdCpA(化合物7c)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。アシル化tRNA(化合物AT−2)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アシル化tRNA(化合物AT−2)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−2
MeOFlac−tRNAfMetCAU(配列番号:33)
20nM 鋳型DNA Mtyg_R(配列番号D−2)に、前述の転写翻訳液、アミノ酸0.3mM Gly,0.3mM Arg,0.3mM Thr,0.3mM Tyr,および前記の方法で調製した50μM Asp(SBn)-tRNAEnAsnGAG(化合物AT−1−ID),50μM MeOFlac-tRNAfMetCAU(化合物AT−2)を加え、37℃で60分間翻訳した。翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析したところ、チオエステルを含む全長ペプチドP−7から、脱BnSH化されたペプチドに相当するMSが主生成物として観測された(翻訳ペプチド P−8)。MeOFlacを翻訳開始に用いてN末端にアミンを持たないペプチドを翻訳したにも関わらず、分子量の減少が見られたため、N末端アミンとの反応も否定された(図6)。
ペプチド配列 P−7
[MeOFlac]ThrThrThrArg[Asp(SBn)]TyrTyrArgArgGlyGly
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1489.6 (ペプチド配列P-7から脱BnSH化されたペプチドP−8 Calc. 1488.6)
2−5.側鎖がチオエステル化されたアミノ酸に続くC末端側アミノ酸にN−アルキル化されたアミノ酸を導入させたモデルペプチドの翻訳合成
20nM 鋳型DNA KA03(配列番号 D−6)に、前述の転写翻訳液、0.1mM 10-HCO-H4folate(10-formyl-5, 6, 7, 8, -tetrahydrophilic acid、特開2003−102495参照)、Leuを除く各0.3mMの19種類のタンパク質性アミノ酸,および前記の方法で調製した50μM Asp(SMe)-tRNAEnAsnGAG(化合物AT−1−IA)を加え、37℃で60分間翻訳した。翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析したところ、チオエステルを含む全長ペプチドのMSが主生成物として観測され、脱MeSH化されたピークは認められなくなった。
以上の結果により、アスパラギン酸型のチオエステル残基は、直後のアミド結合に水素原子が存在する場合、これと反応してアスパルチミドを形成したことが明らかとなった(翻訳ペプチドP−3、P−6、P−8ではいずれもチオエステルのC末端側となりのアミド結合の水素原子と反応してアスパルチミドを形成していた)。一方で、直後のアミノ酸残基をN−アルキルのアミノ酸にすることによって望みのチオエステルを含む全長ペプチドの翻訳に成功した(図7)。
配列番号 D−6(配列番号:6)
KA03 DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATatgACTAGAACTaaggcgTACTGGAGCcttCCGggcggctaa
ペプチド配列 P−9
MetThrArgThrLysAlaTyrTrpSer[Asp(SMe)]ProGlyGly
MALDI-MS: m/z: [H+M]+ = 1527.7 (翻訳ペプチドP−9 Calc. 1526.7,)
翻訳ペプチドP−3の化学構造(配列番号:34)
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1302.5 (チオエステル含む全長ペプチドCalc. 1348.6, 脱MeSHペプチドCalc. 1301.6) (観測された分子量1302の化合物をペプチドP−3とする)
翻訳ペプチドP−6の化学構造(配列番号:35)
チオエステルアミノ酸を含む全長ペプチドP−5が生成した後に、脱BnSH化されたペプチド
MALDI-MS: m/z: [H+M]+ = 1271.8 (ペプチドP−5が脱BnSH化されたペプチド Calc. 1270.6)
翻訳ペプチドP−8の化学構造
MALDI-MS:m/z: [H+M]+ = 1489.6 (ペプチド配列P−7から脱BnSH化されたペプチドCalc. 1488.6)
また、鋳型DNAとしてKA01チオエステルアミノ酸のC末端側をNMe−フェニルアラニンとしても、同様にチオエステルアミノ酸を含む全長ペプチド(Met-Thr-Arg-Thr-Lys-Ala-Tyr-Trp-Ser-Asp(SBn)-MePhe-Gly-Gly)がMSスペクトルで確認された。
MALDI-MS:m/z: [H+M]+ = 1639.7 (Calc. 1638.7)
[実施例5]チオエステルと反応させるアミノ基側ユニットを選択するための実験
チオエステルの翻訳合成が可能となったため、これとアミド結合縮合させるアミノ基側のユニットとして良好な要件を特定するための実験を以下のような手順で行った。
1.チオエステル部位を有するモデル化合物の合成
図8に記載の方法に従って、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸のチオエステルを有するペプチドモデルとして化合物5b−1および5b−2を合成した。
1−1. 4−(ベンジルチオ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (S)−ベンジル(化合物5b−1)の合成
(S)−4−(ベンジルオキシ)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (化合物5a−1)(1.00g、3.09mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液にN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(1.06ml、6.80mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(94.4mg、0.773mmol)、ベンジルメルカプタン(0.380ml、3.24mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。その後、反応液に水を加え、酢酸エチルで希釈後、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→65/35)にて精製し、4−(ベンジルチオ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (S)−ベンジル(化合物5b−1)(478mg、36%)を得た。尚、化合物5a−1は一般に入手可能である。
LCMS(ESI) m/z = 430 (M+H)+
保持時間:1.10分(分析条件SQDAA05)
1−2. 5−(ベンジルチオ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5b−2)の合成
(S)−5−(ベンジルオキシ)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸(化合物5a−2)(1.00g、2.96mmol)のジクロロメタン(14.8ml)溶液にN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(1.02ml、6.51mmol)とN,N−ジメチルアミノピリジン(90.4mg、0.740mmol)、ベンジルメルカプタン(0.365ml、3.11mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。その後、反応液に水を加え、酢酸エチルで希釈後、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→65/35)にて精製し、5−(ベンジルチオ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5b−2)(1.18g、90%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 444 (M+H)+
保持時間:1.11分(分析条件SQDAA05)
1−3.2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−((4−フルオロフェニル)チオ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5e−2)の合成
(S)−5−(ベンジルオキシ)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸(化合物5a−2)(500mg、1.48mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液にN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(0.510ml、3.26mmol)とN,N−ジメチルアミノピリジン(45.2mg、0.370mmol)、4−フルオロベンゼンチオール(0.164ml、1.55mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。その後、反応混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→20/80)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−((4−フルオロフェニル)チオ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5e−2)(540mg、82%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 448 (M+H)+
保持時間:1.09分(分析条件SQDAA05)
1−4.2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソ−5−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオ)ペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5f−2)の合成
(S)−5−(ベンジルオキシ)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸(化合物5a−2)(500mg、1.48mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液にN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(0.510ml、3.26mmol)とN,N−ジメチルアミノピリジン(45.2mg、0.370mmol)、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(0.211ml、1.55mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。その後、反応混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→20/80)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソ−5−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオ)ペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5f−2)(373mg、51%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 498 (M+H)+
保持時間:1.12分(分析条件SQDAA05)
2.チオエステルを含むモデル化合物とアミノ基側ユニットとの反応検討による良好な反応性を有するアミノ基側ユニットの選択
図8に示すように、チオエステルモデル化合物5bまたは5e、5fと、システインあるいはグリシン誘導体モデル化合物とを反応させることで、チオエステルと容易にアミド結合を生成する基質を選択した。
2−1. 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (S)−ベンジル(化合物5c−1)の合成
4−(ベンジルチオ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (S)−ベンジル(化合物5b−1)(201.5mg、0.469mmol)と2−アミノ−3−メルカプトプロパン酸 (R)−エチル塩酸塩(104.5mg、0.563mmol)のDMF(1.2ml)と水(0.3ml)溶液に、DIPEA(0.098ml、0.563mmol)を加え50度で3時間攪拌した。その後、反応液に水を加えた後に、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=80/20→0/100)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (S)−ベンジル(化合物5c−1)(133mg、67%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 455 (M+H)+
保持時間:0.98分(分析条件SQDAA05)
2−2. 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5c−2)の合成
5−(ベンジルチオ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5b−2)(208.2mg、0.469mmol)と2−アミノ−3−メルカプトプロパン酸 (R)−エチル塩酸塩(104.5mg、0.563mmol)のDMF(1.2ml)と水(0.3ml)溶液に、DIPEA(0.098ml、0.563mmol)を加え50度で3時間攪拌した。その後、後処理として反応液に0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(3.27ml)、DMF(3.27ml)を加えた後に、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→20/80)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (S)−ベンジル(化合物5c−2)(192.4mg、88%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 469 (M+H)+
保持時間:0.99分(分析条件SQDAA05)
尚、0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液の調整は以下のように行った。
トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(1.0g、3.49mmol)の水(6.8ml)溶液にトリエチルアミン(1.64ml)加え、pH7とし、0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液を得た。
2−3. 4-((2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソブタン酸 (S)-ベンジル(化合物5d−1)の合成
4−(ベンジルチオ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (S)−ベンジル(化合物5b−1)(30.0mg、0.0698mmol)と2-アミノ酢酸ベンジル塩酸塩(16.8mg、0.0834mmol)のDMF(0.18ml)と水(0.045ml)溶液に、DIPEA(0.0145ml、0.0834mmol)を加え50度で攪拌した。反応の経時変化はLCMSを用いて観測した。3日間攪拌後、目的の化合物5d−1が観測されたが、化合物5d−1のベンジルエステルが1つ加水分解した化合物5d−1bもまた観測され、原料である化合物5b−1の多く残る結果となった。その割合は、化合物5b−1:化合物5d−1:化合物5d−1のベンジルエステルが1つ加水分解した化合物5d−1b=22:1:8(LCMSのUVエリア比より)であった。
化合物5d−1
LCMS(ESI) m/z = 472 (M+H)+
保持時間:0.99分(分析条件SQDAA05)
化合物5d−1b
LCMS(ESI) m/z = 380(M+H)+
保持時間:0.90分(分析条件SQDAA05)
2−4.5−((2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5d−2)の合成
5−(ベンジルチオ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5b−2)(31.8mg、0.0717mmol)と2−アミノ酢酸ベンジル塩酸塩(17.3mg、0.0860mmol)のDMF(0.19ml)と水(0.048ml)溶液に、DIPEA(0.0150ml、0.0860mmol)を加え50度で攪拌した。反応の経時変化はLCMSを用いて観測した。3日間攪拌後、目的の化合物5d−2が観測されたが、原料である化合物5b−2が多く残る結果となった。その割合は、化合物5b−2:化合物5d−2=22:10(LCMSのUVエリア比より)であった。
化合物5d−2
LCMS(ESI) m/z = 485 (M+H)+
保持時間:1.01分(分析条件SQDAA05)
2−5.5−((2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5d−2)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−((4−フルオロフェニル)チオ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5e−2)(30.0mg、0.0670mmol)のDMF(0.463ml)と水(0.220ml)溶液に、2−アミノ酢酸ベンジル塩酸塩(17.6mg、0.0871mmol)とDIPEA(0.0152ml、0.0871mmol)のDMF溶液(0.0871ml)を加え50度で6時間攪拌した。その後、反応混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→20/80)にて精製し、5−((2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5d−2)(29.4mg、91%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 485 (M+H)+
保持時間:2.80分(分析条件ZQAA05)
2−6.5−((2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5d−2)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−((4−トリフルオロフェニル)チオ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5f−2)(30.0mg、0.0603mmol)のDMF(0.541ml)と水(0.200ml)溶液に、2−アミノ酢酸ベンジル塩酸塩(15.8mg、0.0784mmol)とDIPEA(0.0136ml、0.0784mmol)のDMF溶液(0.0784ml)を加え50度で45分間攪拌した。その後、反応混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→20/80)にて精製し、5−((2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエチル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5d−2)(26.4mg、90%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 485 (M+H)+
保持時間:2.80分(分析条件ZQAA05)
以上のように、チオエステルとの反応性は反応補助基のあるアミンのモデル化合物であるCys誘導体と反応補助基のないアミンのモデルであるGly誘導体の間では大きな差があった。反応補助基のあるCys誘導体はRNAが安定な条件で十分高い環化反応性を有することが明らかとなった。また、反応補助基のあるアミンは反応補助基のないアミンに対して十分な選択性を持つため、翻訳後の環化にて複数の反応点の中から反応補助基のあるアミンとの選択的な反応が可能であると判断できる。また、チオエステルの反応性はチオアリールの場合とチオアルキルもしくはチオアラルキルの場合を比較すると、チオアリールエステルの場合で高く、この場合には反応補助基のないアミノ基とも良好な反応性を有することが明らかとなった。
3.チオエステルと反応補助基のないアミンとの反応で高い反応性を示す条件として知られるイミダゾール添加条件での化学反応
Yangmeiらの文献(Journal of combinatorial chemistry2009, 11, 1066-1072)に従い、アセトニトリル−1.5Mイミダゾール水溶液(7:1)の条件下で反応を行った(図9)。
液性はpH6.4、pH7.4の2条件で、反応温度を37度、70度、100度と3条件行った。最も反応転化率が良好な反応条件(pH7.4、100度)では、望みのアミド化反応の進行が46LC area%程度確認された。
[実施例6]SH基にて活性化されたアミノ酸及び、そのアミノアシル化pdCpAの合成
チオエステル部位と翻訳後環化させるN末端に使用するアミノ酸として、CysおよびMeCysなどのSH基にて活性化されたアミノ酸の合成及びそれらを用いたアミノアシル化pdCpAの合成を、図10に示す手法に従って以下のように行った。
1. 2n−Aの合成
1−1. 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−A)の合成
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2k−A)(700mg、2.26mmol)のDMF(5ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(0.473ml、6.78mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.444ml、2.49mmol)を加え、室温で10分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(1ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→70/30)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−A)(748mg、95%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 347 (M−H)−
保持時間:1.00分(分析条件SQDAA05)
1−2. 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(2m−A)の合成
緩衝液A(113ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(200mg、0.314mmol)の水溶液(6.25ml)と2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−A)(454mg、1.26mmol)のTHF(3.15ml)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物を凍結乾燥させた。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液=100/0→60/40)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−A)(129mg、46%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =928(M+H)+
保持時間:0.58分(分析条件SQDFA05)
1−3. 2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(2n−A)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−A)(40mg、0.045mmol)にトリフルオロ酢酸(0.5ml)を加え、室温で10分攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2n−A)(45.1mg、100%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =828(M+H)+
保持時間:0.35分(分析条件SQDFA05)
2. 2n−Bの合成
2−1. 4−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−5−オキソオキサゾリジン−3−カルボン酸 (R)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(化合物2b−B)の合成
(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2a−B)(2.00g、4.63mmol)のトルエン(10ml)溶液に、パラ−フォルムアルデヒド(843mg、9.26mmol)と10−ショウノウスルホン酸(75mg、0.324mmol)を加え、100度で4時間攪拌した。反応混合物を室温に戻した後に、減圧濃縮させた。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→70/30)にて精製し、4−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−5−オキソオキサゾリジン−3−カルボン酸 (R)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(化合物2b−B)(1.936g、94%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 444 (M+H)+
保持時間:1.16分(分析条件SQDAA05)
2−2. (R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2c−B)の合成
4−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−5−オキソオキサゾリジン−3−カルボン酸 (R)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(化合物2b−B)(1.68g、3.78mmol)のジクロロメタン(18ml)溶液に、トリエチルシラン(6.04ml、37.8mmol)とトリフルオロ酢酸(9ml)を加え室温で1日攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→20/80→0/100)にて精製し、(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2c−B)(1.22g、72%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 446 (M+H)+
保持時間:1.02分(分析条件SQDAA05)
2−3. (R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2k−B)の合成
(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2c−B)(1.06g、2.37mmol)のテトラヒドロフラン(11ml)溶液にピペリジン(0.586ml、5.93mmol)を加え、室温で70分攪拌した。その後、反応混合物に二炭酸ジ−tert−ブチル(4.15g、19.0mmol)とトリエチルアミン(3.30ml、23.7mmol)を加え、室温で30分攪拌した。その後反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→20/80→0/100)にて精製し、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2k−B)(586mg、76%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 322 (M−H)−
保持時間:0.88分(分析条件SQDAA05)
2−4. 2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−B)の合成
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2K−B)(309mg、0.955mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.5ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(0.200ml、2.87mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.183ml、1.05mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(3ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→70/30)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−B)(272mg、78%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =363(M+H)+
保持時間:1.05分(分析条件SQDAA05)
2−5. 2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−B)の合成
化合物2m−Aの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(112mg、0.176mmol)を用い、さらに2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−A)の代わりに2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−B)(255mg、0.704mmol)を用いることで、2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−B)(38.6mg、23%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =942(M+H)+
保持時間:0.62分(分析条件SQDFA05)
2−6. 3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2n−B)の合成
化合物2n−Aの製造例と同様の条件で、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(2m−A)の代わりに2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−B)(23.2mg、0.025mmol)を用いることで、3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2n−B)(26.3mg、100%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =842(M+H)+
保持時間:0.36分(分析条件SQDFA05)
3.2m−cの合成
3−1.(R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸(化合物2k−C)の合成
(R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(1g、4.58mmol)と炭酸ナトリウム(1.46g、13.7mmol)のテトラヒドロフラン(7ml)、水(14ml)溶液に塩化ペンタ−4−エノイル(1.015ml,9.16mmol)を0℃で加え、室温で20分間攪拌した。その後、反応混合物に濃塩酸を0℃で滴下し、pH2とした。酢酸エチルで希釈した後に、適量のNaClを加え塩析抽出を行った。得られた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。そして、減圧濃縮により(R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸(2k−C)とペンタ−4−エン酸(1:0.9)の混合粗生成物C(1.71g、100%)を得た。
3−2. 3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−C)の合成
(R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸(化合物2k−C)とペンタ−4−エン酸(1:0.9)の混合粗生成物C(1.75g、8.70mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(11ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(0.957ml、13.74mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(1.76ml、10.1mmol)を加え、室温で50分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(6ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→50/50)にて精製し、3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−C)(940mg、62%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =331(M+H)+
保持時間:0.94分(分析条件SQDAA05)
3−3. 3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−C)の合成
化合物2m−Aの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(200mg、0.314mmol)を用い、さらに2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−A)の代わりに3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (R)−シアノメチル(2l−C)(415mg、1.23mmol)を用いることで、3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−C)(42.0mg、15%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =910(M+H)+
保持時間:0.53分(分析条件SQDFA05)
4.2m−Dの合成
4−1. (R)−2−(ペンタ−4−エンアミド)−3−(トリチルチオ)プロパン酸(化合物2h)の合成
(R)−2−アミノ−3−(トリチルチオ)プロパン酸(1.50g、4.13mmol)と炭酸ナトリウム(1.31g、12.4mmol)のテトラヒドロフラン(3.5ml)、水(7ml)溶液に塩化ペンタ−4−エノイル(0.915ml,8.25mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物に濃塩酸を0℃で滴下し、pH2とした。酢酸エチルで希釈した後に、適量のNaClを加え塩析抽出を行った。得られた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、(R)−2−(ペンタ−4−エンアミド)−3−(トリチルチオ)プロパン酸(化合物2h)(1.14g、62%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 444 (M−H)−
保持時間:0.95分(分析条件SQDAA05)
4−2. 3−(メチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−D)の合成
(R)−2−(ペンタ−4−エンアミド)−3−(トリチルチオ)プロパン酸(化合物2h)(1.01g、2.28mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液にトリフルオロ酢酸(1.76ml、22.8mmol)とトリイソプロピルシラン(0.934ml、4.56mmol)を加え、室温で10分攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣と炭酸ナトリウム(1.21g、11.4mmol)の水(5ml)溶液に、メタンスルホノチオ酸 S−メチル(1.44g、11.4mmol)のエタノール(5ml)溶液を0℃で滴下し、その後室温で30分攪拌した。その後、反応混合物に濃塩酸を0℃で滴下し、pH2とした。酢酸エチルで希釈し抽出を行った。得られた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣のDMF(1ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(0.438ml、6.29mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.440ml、2.52mmol)を加え、室温で10分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(3ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、3−(メチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−D)(291mg、48%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 289 (M+H)+
保持時間:0.79分(分析条件SQDAA05)
4−3. 3−(メチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−D)の合成
化合物2m−Aの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(150mg、0.236mmol)を用い、さらに2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−A)の代わりに3−(メチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−D)(272mg、0.943mmol)用いることで、3−(メチルジスルファニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−D)(21.2mg、10%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =868(M+H)+
保持時間:0.45分(分析条件SQDFA05)
5.2m−Eの合成
5−1. 3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−E)の合成
(R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2f−E、500mg、2.29mmol)と炭酸ナトリウム(534mg、5.04mmol)のジオキサン(5ml)、水(5ml)溶液にカルボノクロリド酸 4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル(694mg、2.52mmol)を加え、室温で30分攪拌した。その後、反応液に1N塩酸を加えpH2とし、酢酸エチルを加え抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣のDMF(6ml)溶液に2−ブロモアセトニトリル(0.284ml、4.08mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.285ml、1.63mmol)を加え、室温で20分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(3ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→60/40)にて精製し、3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−E)(653mg、98%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 486 (M−H)−
保持時間:0.99分(分析条件SQDAA05)
5−2. 3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−E)の合成
化合物2m−Aの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(150mg、0.236mmol)を用い、さらに2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−A)の代わりに3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−E)(460mg、0.943mmol)用いることで、3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−E)(10.6mg、4%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =1067(M+H)+
保持時間:0.62分(分析条件SQDFA05)
6.2m−Fの合成
6−1. 4−((エチルジスルファニル)メチル)−5−オキソオキサゾリジン−3−カルボン酸 (R)−tert−ブチル(2e−F)の合成
ジシクロヘキシルアミン (R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸塩(化合物2d−f)(2.00g、4.32mmol)のトルエン(8ml)溶液に((1S,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホン酸(1.07g、4.62mmol)、パラホルムアルデヒド(847mg、2.89mmol)を加え100℃で終夜攪拌した。その後、反応液を室温に戻し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→87/13)にて精製し、4−((エチルジスルファニル)メチル)−5−オキソオキサゾリジン−3−カルボン酸 (R)−tert−ブチル(2e−F)(847mg、67%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 294(M+H)+
保持時間:0.98分(分析条件SQDAA05)
6−2. (R)−3−(エチルジスルファニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸(2f−F)の合成
4−((エチルジスルファニル)メチル)−5−オキソオキサゾリジン−3−カルボン酸 (R)−tert−ブチル(化合物2e−F)(819mg、2.79mmol)のジクロロメタン(14ml)溶液にトリエチルシラン(4.46ml、27.9mmol)、トリフルオロ酢酸(6.88ml、89.0mmol)を0℃で加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=100/0→60/40)にて精製し、(R)−3−(エチルジスルファニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸(化合物2f−F)(232mg、43%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 196 (M+H)+
保持時間:0.39分(分析条件SQDAA05)
6−3. (R)−2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸(2k−F)の合成
(R)−3−(エチルジスルファニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸(化合物2f−F)(232mg,1.19mmol)と炭酸ナトリウム(252mg、2.38mmol)のジオキサン(3ml)、水(3ml)溶液に、カルボノクロリド酸 4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル(394mg、1.43mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(3ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、(R)−2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2k−F)(483mg、93%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 435 (M+H)+
保持時間:0.82分(分析条件SQDAA05)
6−4.2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(2l−F)の合成
(R)−2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2k−F)(238mg、0.549mmol)のDMF(2.5ml)溶液に、2−ブロモアセトニトリル(0.115ml、1.65mmol)とN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.105ml、0.604mmol)を加え、室温で10分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(3ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−F)(221mg、85%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 474 (M+H)+
保持時間:0.97分(分析条件SQDAA05)
6−5. 2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(2m−F)の合成
化合物2m−Aの製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(66.0mg、0.104mmol)を用い、さらに2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−A)の代わりに2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−F)(196mg、0.415mmol)用いることで、2−((((4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(エチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−F)(18.6mg、17%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =1053(M+H)+
保持時間:0.59分(分析条件SQDFA05)
7. 2m−Gの合成
7−1. (R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸(化合物2f−G)の合成
(R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物2c−B)(2.70g、6.06mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液にピペリジン(1.8ml、18.2mmol)を加え、室温で30分攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=100/0→60/40)にて精製し、(R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸(化合物2f−G)(610mg、45%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 224 (M+H)+
保持時間:0.63分(分析条件SQDAA05)
7−2. 2−((tert−ブチルジスルファンンカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−G)の合成
塩化クロロカルボニルスルフェニル(0.497ml、6.00mmol)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液に2−メチルプロパン−2−チオール(0.663ml、5.88mmol)を0℃で滴下し、0℃で30分攪拌し、0.8Mカルボノクロリド(ジチオペルオキソ酸) SS−tert−ブチル−テトラヒドロフラン溶液を調整した。(R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸(化合物2f−G、500mg、2.24mmol)のテトラヒドロフラン(3.4ml)、水(14.4ml)溶液に炭酸水素ナトリウム(752mg、8.95mmol)、0.8Mカルボノクロリド(ジチオペルオキソ酸) SS−tert−ブチル−テトラヒドロフラン溶液(4.2ml、3.36mmol)を加え、室温で5分攪拌した。その後、反応混合物に濃塩酸を0℃で滴下し、pH2とした。酢酸エチルで希釈した後に、適量のNaClを加え塩析抽出を行った。得られた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣の2−ブロモアセトニトリル(1.02ml)溶液にN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.282ml、1.62mmol)を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(3ml)を加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→80/20)にて精製し、2−((tert−ブチルジスルファンンカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−G)(205mg、68%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 411 (M+H)+
保持時間:1.11分(分析条件SQDAA05)
7−3. 2−((tert−ブチルジスルファンンカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−G)の合成
緩衝液A(46ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(77mg、0.121mmol)の水溶液(2.40ml)と2−((tert−ブチルジスルファンンカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (R)−シアノメチル(化合物2l−G)(198mg、0.483mmol)のテトラヒドロフラン(1.21ml)溶液を加え、室温で2時間攪拌した。その後、トリフルオロ酢酸(0.967ml)を加えた後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液=100/0→60/40)にて精製し、2−((tert−ブチルジスルファンンカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸 (2R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物2m−G)(3.8mg、3%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =990(M+H)+
保持時間:0.65分(分析条件SQDFA05)
[実施例7]Cys誘導体を有するアミノアシル化tRNAの合成
50μM 転写tRNAfMetCAU(-CA)(配列番号R−5) 10μlに、10X ligation buffer (500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2, 10 mM ATP) 2μl、Nuclease free water 4μlを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。 10unit/μl T4 RNAリガーゼ(New england bio lab.社) 2μLおよび、5mMのCys(StBu)のアミノアシル化pdCpA (化合物2n−A)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−2−A)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−2−A)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−2−A(配列番号:33)
Cys(StBu)-tRNAfMetCAU
[実施例8]pdCpA法を用いたCys(StBu)の翻訳合成
1.ペプチド配列P−10の翻訳合成
20nM 鋳型DNA Mtryg3(配列番号 D−3)に、前述の転写翻訳液、0.1mM 10-HCO-H4folate、0.3mM Gly,0.3mM Arg, 0.3mM Thr, 0.3mM Tyr, 0.3mM Leu,および前記の方法で調製した50μM Cys(StBu)-tRNAfMetCAU(化合物AT−2−A)を加え、37℃で60分間翻訳した。翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析したところ、標的分子であるペプチド配列P−10を観測することはできなかった(図12)。すなわち、開始AUGからの翻訳ペプチドは検出されなかった。Cys誘導体をN末端に配置させて翻訳導入させるには工夫が必要である。一方で、2番目コドンにコードされるアミノ酸であるThrから全長にわたって翻訳されたペプチド(ペプチドP−11)のMSが特異的に観測される興味深い現象が確認された。
ペプチド配列 P−10
[Cys(StBu)]ThrThrThrArgLeuTyrTyrArgGlyGly
MALDI-MS: m/z: Not detected (Calc. 1345.7)
ペプチド配列 (P−11)(配列番号:36)
ThrThrThrArgLeuTyrTyrArgGlyGly
MALDI-MS: m/z: [M+H]+ = 1300.7 (Calc. 1299.7)
2.ペプチド配列P−12の翻訳合成
20nM 鋳型DNA(配列番号 D−7)に、前述の転写翻訳液、0.1mM 10-HCO-H4folate、MetとLysを除く各0.3mMの18種類のタンパク質性アミノ酸,および前記の方法で調製した50μM Cys(StBu)-tRNAfMetCAU(化合物AT−2−A)を加え、37℃で60分間翻訳した。翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析したところ、標的分子であるペプチド配列P−12を観測することが出来た。一方で、2番目コドンにコードされるアミノ酸であるThrから全長にわたって翻訳されたペプチドP―13のMSが主生成物として観測された。Cys(StBu)をN末端に配置させたペプチド翻訳合成が可能であることが示されたが、その効率は低く改良検討を以下行った。
DNA配列(D−7)
AKC17 DNA配列 (配列番号D−31と同一) (配列番号:7)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGACTAGAACTGCCTACTGGAGCcttTGCGGCAGCGGCAGCGGCAGC
ペプチド配列(P−12)
[Cys(StBu)]ThrArgThrAlaTyrTrpSerLeuCysGlySerGlySerGlySer
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1723.7 (Calc.1722.7)
ペプチド配列(P−13)(配列番号:37)
ThrArgThrAlaTyrTrpSerLeuCysGlySerGlySerGlySer
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1532.7 (Calc.1531.7)
[実施例9] pdCpA法によるN末端Cys導入効率低い原因の特定
pdCpA法によるN末端Cys(StBu)導入効率が低い原因を特定するために以下の実験を行った。
1. 化合物2n−A側鎖StBuの脱保護
前駆体である化合物2n−Aを用いてpdCpA−Cysの側鎖StBuの脱保護および脱保護された化合物2e−Aの安定性を調べる以下の実験を行った。250μM の化合物2n−A、pH7の50mM Tris・HCl buffer、DTT 10mMの条件下、室温で側鎖の脱保護を行い、その経時変化をLC−MS(SQD)を用いて観測した。目的の化合物2e−Aは観測されず、アミノ酸が加水分解し脱離したpdCpAが観測された。5分後、化合物2n−A 51%、化合物2e−A 0%,pdCpA49%であり、2時間後に脱保護は完了し化合物2n−Aが 0%になったが、化合物2e−Aは0%で、全てpdCpA100%に加水分解された(図13)。
以上のことから、pdCpA−Cys(化合物2e−A)は通常翻訳条件下で不安定であり、ほぼ生成と同時に加水分解されるため、翻訳に不利であることが判明した。
2. 化合物2n−Aの安定性評価
CysのSH基を保護した化合物2n−Aの安定性を評価した。以下の表2の通りに5条件の保存サンプルをそれぞれ調整し、LC−MSを用いて分析した。
HEPES buffer中、pH7で1時間後の化合物2n−Aの残存%は30%であった。先に記載したとおり、側鎖を脱保護した化合物2e−Aは脱保護されると速やかに加水分解してしまった結果と比較すると、側鎖を保護することで安定性が増す結果となった。
3. 化合物2n−Bの安定性評価
MeCysのSH基を保護した化合物2n−Bの安定性もあわせて評価した。以下の表3の通りに4条件の保存サンプルを調整し、LC−MSを用いて分析した。
pH7のbuffer中においては、化合物2n−Aと同等の安定性であった。pH5 buffer中、あるいはDMSO溶液中の安定性は化合物2n−Aと比較して安定化した。化合物2n−BはN−メチル化されているため、メチル原子の電子効果によってpdCpA−アミノ酸の安定度が上がったと考えられる。
以上のことからpdCpA法によるN末端Cys(StBu)導入効率が低い原因の一つとして、側鎖SH基の存在によるアミノアシル化tRNAの不安定化を特定した。
[実施例10] Initiation read through法を用いたN末端Cysの効率的翻訳導入
実施例9で観測された2番目のコドンからの翻訳開始が効率的に得られた現象(Intiation read through)を積極的に活用することで、ペプチドのN末端にCysの導入を以下のように試みた。
1. Initiation read through法
以下の方法により翻訳を行った。20nM 鋳型DNA Mctryg3(配列番号D−8)に、前述の転写翻訳液、0.3mM Gly,0.3mM Arg,0.3mM Thr, 0.3mM Tyr,0.3mM Leu、0.3mM Cysを加え、37℃で60分間翻訳した。翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析したところ、開始コドンであるAUGからではなく、AUGの次にコードされるコドン(TGC、Cysに相当)から翻訳された標的ペプチドP−14のMSが期待どおり主生成物として観測された(図14参照)。
配列番号D−8(配列番号:8)
Mctryg3 DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATatgtgcACTACAACGCGTctttactaccgtggcggcTAGTAGATAGATAG
翻訳ペプチド P−14(配列番号:38)
CysThrThrThrArgLeuTyrTyrArgGlyGly
MALDI-MS: m/z: [M+H]+ = 1290.6 (Calc. 1289.6)
2. Cys直後の3番目のコドンの違いによるinitiation read through効率の差異の検討
三文字目のコドンがinitiation read throughにどのように影響するか評価した。20nM 鋳型DNA IniRt_XXX_am(配列番号D−9からD−28まで)に、前述の大腸菌由来の再構成無細胞転写翻訳液、Metを除く各0.3mMの19種類のタンパク質性アミノ酸を加え、37℃で60分間翻訳した。対照実験としてMetを含む翻訳も別途行った。翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析したところ、開始のAUGの次にコードされるCysから翻訳されたペプチドのMSが観測された。
本来の翻訳開始アミノ酸であるメチオニンを翻訳系から除き、翻訳開始コドンATGの直後にCysをコードするmRNAを翻訳させるとCysをN末端残基とするペプチドが、実施した19翻訳ペプチドすべて(翻訳ペプチドP−15からP−33)で再現性よく主生成物として翻訳合成されることを見出した。これにより不安定なCysacyl tRNAを系外で調製して翻訳系に添加することなく、N末端にCysを導入することが可能となった(図15〜23参照)。また、対照実験として上記翻訳系にメチオニンも添加して、initiation read throughさせずに全長ペプチドを翻訳させる試験も同時におこなった。
IniRt_XXX_am 鋳型DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGtgcXXXACTACAACGctttactaccgtggcggcTAGTAGATAGATAG
(XXX: TTT(配列番号D−9(配列番号:9)), TTG(配列番号D−10(配列番号:10)), TAC(配列番号D−11(配列番号:11)), TGC(配列番号D−12(配列番号:12)), TGG(配列番号D−13(配列番号:13)), CTT(配列番号D−14(配列番号:14)), CTA(配列番号D−15(配列番号:15)), CCG(配列番号D−16(配列番号:16)), CAT(配列番号D−17(配列番号:17)), CAG(配列番号D−18(配列番号:18) CGT(配列番号D−19(配列番号:19)), CGG(配列番号D−20(配列番号:20)), ATT(配列番号D−21(配列番号:21)), ACT(配列番号D−23(配列番号:22)), AAC(配列番号D−24(配列番号:23)), AGT(配列番号D−25(配列番号:24)), AGG(配列番号D−26(配列番号:25)), GTT(配列番号D−27(配列番号:26)), GCT(配列番号D−28(配列番号:27))
IniRt_XXX_am ペプチド配列 (翻訳ペプチド番号 P−15からP−33まで)
CysXaaThrThrThrLeuTyrTyrArgGlyGly(配列番号:39〜57)
[実施例11] Cys以外のSH基付非天然型アミノ酸および、そのアミノアシル化pdCpAの合成
天然型アミノ酸であるCysは、ARSを活用したIntiation read through法により効率的に翻訳導入されたが、非天然型アミノ酸をARS導入するには限界があるため、アミノアシル化pdCpAのうち、活性エステル部分の加水分解速度を遅くする工夫をした化合物を合成・評価した。すなわち、SH基をカルボン酸活性エステル部位からより離した一連の化合物群を合成・評価した。
まず、Cys以外のSH基を有し、活性エステル部位が加水分解に対し安定なN末端非天然型アミノ酸を有するアミノアシル化pdCpAの合成を行った(図24)
1.化合物6i−Aの合成
1−1.(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物6b−A)の合成
窒素雰囲気下、1−クロロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(1.73g、11.28mmol)および1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(0.67g、5.64mmol)をDCM(24.0ml)に溶解させ、−78度に冷却した後、(2−メルカプトエチル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物6a)(1.00g、5.64mmol)のDCM溶液(3.0ml)を滴下した。−78度で10分間攪拌した後、チオ尿素(1.29g、16.92mmol)のTHF懸濁液(6.0ml)を加え、さらに10分間攪拌した。その後、2−メチルプロパン−2−チオール(0.76g、8.46mmol)のDCM溶液(3.0ml)を滴下し、室温まで昇温させながら20時間攪拌した。反応液中の固体をろ過して除き、減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して、標題化合物(1.15g、77%)を得た。
LCMS:m/z 266 (M+H)+
保持時間:1.05分(分析条件 SQDAA05)
1−2.2−(tert−ブチルジスルファニル)エタンアミン(化合物6c−A)の合成
(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物6b−A、100mg、0.377mmol)にTFA(1.0ml)のDCM溶液(1.0ml)を加え、室温で15分攪拌した。反応液を減圧濃縮して標題化合物(209mg、quant.)を得た。
LCMS:m/z 166 (M+H)+
保持時間:0.63分(分析条件 SQDAA05)
1−3.2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸エチル(化合物6e−A)の合成
2−(tert−ブチルジスルファニル)エタンアミン(化合物6c−A、0.21g、1.26mmol)、2−ブロモ酢酸エチル(0.23g、1.39mmol)をDCM(6.0ml)に溶解し、DIPEA(1.10ml、6.31mmol)を加えて室温で17時間攪拌した。反応液にtert−ブチルジカーボネート(358mg、1.64mmol)を加えて室温で15分攪拌した後、反応液をそのままカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、標題化合物(334.8mg、75%)を得た。
LCMS:m/z 352 (M+H)+
保持時間:1.11分(分析条件 SQDAA05)
1−4.2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸(化合物6f−A)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸エチル(化合物6e−A、320mg、0.91mmol)をメタノール(80ml)に溶解し、水酸化カリウム水溶液(0.18mol/l、30.3ml)を加えて室温で2時間攪拌した。反応液中のメタノールを減圧濃縮で除去し、水層をジエチルエーテルで洗浄した後、1mol/l塩酸水溶液でpH3とした。この水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮することで標題化合物(268.1mg、91%)を得た。
LCMS:m/z 322(M−H)−
保持時間:0.89分 (分析条件 SQDAA05)
1−5.2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物6g−A)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸(化合物6f−A、268.1mg、0.83mmol)および2−ブロモアセトニトリル(199mg、1.66mmol)をDMF(1.0ml)に溶解し、DIPEA(0.43ml、2.49mmol)を加えて室温で15分攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ジエチルエーテルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標題化合物(287.7mg、96%)を得た。
LCMS:m/z 363(M+H)+
保持時間:1.04分 (分析条件 SQDAA05)
1−6.2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物6h−A)の合成
イミダゾール(272.3mg、4.00mmol)およびN,N,N−トリメチルヘキサデカン−1−アミニウム 塩化物(256.0mg、0.80mmol)を溶かし、酢酸でpH8に調節した緩衝液(40ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h、100mg、0.157mmol)の水溶液(1.0ml)を加えた後、2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物6g−A、198mg、0.546mmol)のTHF(1.2ml)溶液を加えて室温で4時間攪拌した。反応液をそのまま凍結乾燥し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(0.05%TFA水溶液:0.05%TFAアセトニトリル溶液=85:15)で精製し、標題の化合物(57.7mg、39%)を得た。
LCMS:m/z 942(M+H)+
保持時間:0.89分 (分析条件 SMDmethod1)
1−7.2−((2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物6i−A)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物6h−A、56.2mg、0.060mmol)をTFA(1.0ml)に溶解し、室温で5分攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をカラムクロマトグラフィ(0.05%TFA水溶液:0.05%TFAアセトニトリル溶液=85:15=85:15)で精製して標題化合物(40.6mg、81%)を得た。
LCMS:m/z 842(M+H)+
保持時間:0.39分 (分析条件 SQDAA05)
2.化合物6i−Bの合成
2−1.3−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)プロパン酸メチル(化合物6e−B)の合成
2−(tert−ブチルジスルファニル)エタンアミン(化合物6c−A、0.80g、0.84mmol)およびアクリル酸メチル(1.74ml、19.36mmol)をジクロロエタン(14.0ml)に溶解し、DIPEA(4.23ml、24.20mmol)を加えて85℃で2時間攪拌した。放冷し、tert−ブチルジカーボネート(1.37g、6.29mmol)を加えて室温で45分攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、DCMで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標題化合物(1.14g、67%)を得た。
LCMS:m/z 352(M+H)+
保持時間:1.11分 (分析条件 SQDAA05)
2−2.3−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)プロパン酸(化合物6f−B)の合成
3−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)プロパン酸メチル(化合物6e−B、1.14g、3.24mmol)を原料とし、化合物6f−Aの合成と同様の方法で標題化合物(1.04g、95%)を得た。
LCMS:m/z 336(M−H)−
保持時間:0.96分 (分析条件 SQDAA05)
2−3.3−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)プロパン酸シアノメチル(化合物6g−B)の合成
3−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)プロパン酸(化合物6f−B、1.03g、3.05mmol)を原料とし、化合物6g−Aの合成と同様の方法で標題化合物(1.05g、91%)を得た。
LCMS:m/z 377(M+H)+
保持時間:1.09分 (分析条件 SQDAA05)
2−4.3−((2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)プロパン酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物6i−B)の合成
氷冷下、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル テトラブチルアンモニウム塩(化合物1h、44.6mg、0.314mmol)と3−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)プロパン酸シアノメチル(化合物6g−B、236mg、0.628mmol)をDMFに溶解させ、トリエチルアミン(0.088ml、0.628mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応液をカラムクロマトグラフィ(0.05%TFA水溶液:0.05%TFAアセトニトリル溶液=70:30)で精製した。得られた残渣にTFA(1.5ml)を加えて室温で5分攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(0.05%TFA水溶液:0.05%TFAアセトニトリル溶液=80:20)で精製し、標題化合物(66.9mg、25%)を得た。
LCMS:m/z 856(M+H)+
保持時間:0.629分 (分析条件 SMDmethod1)
3.化合物6i−Cの合成
3−1.4−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)ブタン酸エチル(化合物6e−C)の合成
2−ブロモ酢酸エチルの代わりに4−ブロモブタン酸エチル(2.68ml、18.15mmol)を用い、化合物6e−Aの合成と同様の方法で標題化合物(556.2mg、24.2%)を得た。
LCMS:m/z 380(M+H)+
保持時間:1.15分 (分析条件 SQDAA05)
3−2.4−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)ブタン酸(化合物6f−C)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸エチル(化合物6e−A)の代わりに4−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)ブタン酸エチル(化合物6e−C、0.96g、2.53mmol)を原料とし、化合物6f−Aの合成と同様の方法により標題化合物(0.86g、97%)を得た。
LCMS:m/z 352(M+H)+
保持時間:0.99分 (分析条件 SQDAA05)
3−3.4−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)ブタン酸シアノメチル(化合物6g−C)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)酢酸(化合物6f−A)の代わりに4−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)ブタン酸(化合物6f−C、0.86g、2.45mmol)を原料とし、化合物6g−Aの合成と同様の方法により標題化合物(0.71g、74%)を得た。
LCMS:m/z 391(M+H)+
保持時間:1.05分 (分析条件 SQDAA05)
3−4.−((2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)ブタン酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物6i−C)の合成
3−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)プロパン酸シアノメチル(化合物6g−B)の代わりに4−((tert−ブトキシカルボニル)(2−(tert−ブチルジスルファニル)エチル)アミノ)ブタン酸シアノメチル(化合物6g−C、245mg、0.628mmol)原料とし、化合物6i−Bの合成と同様の方法により、標題化合物(103mg、37.6%)を得た。
LCMS:m/z 870(M+H)+
保持時間:0.641分 (分析条件 SMDmethod1)
[実施例12]SH基を有する安定アミノアシル化pdCpAを用いたアミノアシル化tRNA合成
50μM 転写tRNAfMetCAU(-CA) (配列番号R−5) 10μlに、10X ligation buffer (500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2, 10 mM ATP)2μl、Nuclease free water 4μlを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。10unit/μl T4 RNAリガーゼ(New england bio lab.社)2μLおよび、5mMのアミノアシル化pdCpA(化合物6i−A、B、C、2n−A、2m−c、2m−E)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−2−A、C、E、AT−6−A、B、C)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−2−A、C、E、AT−6−A、B、C)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−2−A
Cys(StBu)-tRNAfMetCAU
化合物AT−2−C
PenCys(StBu)-tRNAfMetCAU
化合物AT−2−E
NVOCCys(StBu)-tRNAfMetCAU
化合物AT−6−A
tBuSSEtGly-tRNAfMetCAU
化合物AT−6−B
tBuSSEtβAla-tRNAfMetCAU
化合物AT−6−C(配列番号:33)
tBuSSEtGABA-tRNAfMetCAU
[実施例13] SH基含有安定化アミノアシル化tRNAを用いた翻訳合成
以下の実験で示すとおり、CysのSH基や主鎖アミノ基を保護すると、Cys自身と比較してアミノアシル化pdCpAの翻訳液モデル系中(HEPES buffer)の安定性が向上し、翻訳合成効率も向上することが示された。また、SH基の位置をα―カルボン酸部位から遠くに配置させた、各種新規SH基含有各種非天然型アミノ酸の翻訳導入効率も向上された。
20nM 鋳型DNA AKC17 (配列番号D−31)もしくはKA03(配列番号D−6)に、前述の転写翻訳液、0.1mM 10-HCO-H4folate、Metを除く各0.3mMの19種類のタンパク質性アミノ酸,および前記の方法で調製した25〜50μM Xaa-tRNAfMetCAU(Xaa:Cys(StBu), PenCys(StBu), NVOC-Cys(StBu), tBuSSEtGly,tBuSSEtβAla,tBuSSEtGABA)を加え、37℃で30分間翻訳した。翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析したところ、N末端にXaaが導入されたペプチドのMSが観測された(MALDI−MS)。
結果、Cysと比較して、SH基やNを保護すると、pdCpA−アミノ酸体の安定性が向上し、かつ翻訳合成効率も向上することが示された。また、Cysをより安定化させたSH含有各種非天然型アミノ酸の翻訳導入効率も向上された(図25、26参照)。
配列番号 D−31(配列番号:7)
AKC17 DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGACTAGAACTGCCTACTGGAGCcttTGCGGCAGCGGCAGCGGCAGC
ペプチド配列番号 P−34〜P−41のScaffold配列
KA03 ペプチド配列
[Xaa]ThrArgThrLysAlaTyrTrpSerLeuProGlyGly
AKC17 ペプチド配列
[Xaa]ThrArgThrAlaTyrTrpSerLeuCysGlySerGlySerGlySer
[実施例14]Intiation supression法を用いた翻訳および環化反応
1.側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシルtRNAの合成
以下の方法に従って、側鎖カルボン酸がチオエステル化されたアミノアシル化tRNAの合成を行なった。
1−1. 転写によるtRNA(CA欠損)の合成
鋳型DNA(配列番号D−33)から、RiboMAX Large Scale RNA production System T7(Promega社,P1300)を用いたin vitro の転写により3'端のCAを欠くtRNAEnAsnGAG(-CA)(配列番号R−33)を合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen社)により精製した。
配列番号D−33 (配列番号D−1と同一)(配列番号:1)
tRNAEnAsnGAG(-CA) DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGGCTCTGTAGTTCAGTCGGTAGAACGGCGGACTgagAATCCGTATGTCACTGGTTCGAGTCCAGTCAGAGCCGC
配列番号R−33 (配列番号R−1と同一)(配列番号:30)
tRNAEnAsnGAG(-CA) RNA配列:
GGCUCUGUAGUUCAGUCGGUAGAACGGCGGACUgagAAUCCGUAUGUCACUGGUUCGAGUCCAGUCAGAGCCGC
1−2. 側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i)とtRNA(CA欠損)(配列番号:R−33)のligationによるアミノアシル化tRNA(化合物AT−1)の合成
50μM 転写tRNAEnAsnGAG(-CA)(配列番号R−33)10μLに、10X ligation buffer (500mM HEPES-KOH pH7.5,200mM MgCl2,10mM ATP)2μL、Nuclease free water 4μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。10unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)2μLおよび、5mMの側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。ライゲーション反応液 20μLに、125mM ヨウ素(水:THF=1:1溶液)4μLを加え、室温で1時間、脱保護を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−1)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−1)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−1−IA2(化合物AT−1−IAと同一)
Asp(SMe)-tRNAEnAsnGAG
化合物番号 AT−1−IB2(化合物AT−1−IBと同一)
Asp(SiPr)-tRNAEnAsnGAG
化合物番号 AT−1−IC2(化合物AT−1−ICと同一)
Asp(StBu)-tRNAEnAsnGAG
化合物番号 AT−1−ID2(化合物AT−1−IDと同一)
Asp(SBn)-tRNAEnAsnGAG
化合物番号 AT−1−IE2(化合物AT−1−IEと同一)
Asp(SPhenetyl)-tRNAEnAsnGAG
化合物番号 AT−1−IG2(化合物AT−1−IGと同一)
Asp(SEt)-tRNAEnAsnGAG
2.メチオニン以外のアミノ酸、アミノ酸類縁体又はN末端カルボン酸類縁体をN末端に導入する方法を用いた翻訳合成およびアミド環化反応
鋳型DNAとしてKA03 DNA配列(配列番号 D−6)を用いて翻訳反応を行った。
鋳型DNAに、前述の転写翻訳液、MetおよびLeuを除く各0.3mMの18種類のタンパク質性アミノ酸,および前記の方法で調製した25μM tBuSSEtGABA-tRNAfMetCAU(化合物番号 AT−6−C)と50μM Asp(SMe)-tRNAEnAsnGAG(化合物番号 AT−1−IA2)を加え37℃で3時間翻訳した。翻訳産物に、1/20(v/v)量の200mM TCEP(pH6.6)を添加し、37℃で15分反応させ、Asp(SMe)部位と分子内環化反応を行った。その結果、目的の環状ペプチド(ペプチド配列P−43)がMSスペクトルで確認された(図27)。チオエステルに続くアミノ酸をN−アルキルアミノ酸とすることで効率的に翻訳・環化が実現された。
ペプチド配列P−42
[tBuSSEtGABA]ThrArgThrLysAlaTyrTrpSer[Asp(SMe)]ProGlyGly
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1601.7 (Calc.1601.0)
ペプチド配列P−43
[HSEtGABA]ThrArgThrLysAlaTyrTrpSer[Asp(SMe)]ProGlyGlyのGABAの主鎖窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1465.6 (Calc.1465.0)
[実施例15]Intioation read through法を用いた翻訳および環化
1.NCL(Native Chemical Ligation)を介したアミド型環化ペプチドの合成
鋳型DNAとしてKA02.5U DNA配列(配列番号 D−32)を用いて翻訳反応を行った。
鋳型DNAに、前述の転写翻訳液、MetおよびAla、Leuを除く各0.3mMの17種類のタンパク質性アミノ酸,3 mM乳酸、および前記の方法で調製した50μM Asp(SRex2)-tRNAEnAsnGAG (Rex2:ベンジル,メチル,エチル,イソプロピル、ターシャリーブチル、フェネチル)(化合物番号 AT−1−IA2、IB2、IC2、ID2、IE2,IG2)を加え37℃で3時間翻訳した。その結果、環化した全長ペプチドがMSスペクトルで確認された(図28〜図29)。
配列番号 D−32(配列番号:28)
KA02.5U DNA配列:
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATG
tgcACTAGAACTaaggcgTACTGGAGCcttCCGggctaa
翻訳ペプチド
CysThrArgThrLys[Lac]TyrTrpSer[Asp(SRex2)]ProGly
(Rex2:ベンジル、メチル、エチル、イソプロピル、ターシャリーブチル、フェネチル、Lac:乳酸)
翻訳後、環化したペプチドの化学構造(ペプチド配列番号P−44からP−49)
CysThrArgThrLys[Lac]TyrTrpSer[Asp(SRex2)]ProGlyのCysの主鎖アミノ基とAspの側鎖カルボン酸との分子内アミド化された化合物
以上の結果からIninitiation read through法によりCysが翻訳導入され、翻訳および環化がスムースに進行し、様々なチオエステル体から主生成物としてアミド環化体が得られることが明らかとなった。さらに、乳酸を含む本配列が有効に翻訳されたことから、乳酸がAlaRSにより選択的かつ効率的に導入できることが初めて明らかとなった。
Initiation read through法にて述べたように、アミンを活性化させる役割のSH基が保護されていない場合には、チオエステルに続く非天然型アミノ酸(タンパク性アミノ酸も含む)はN−アルキル基を有するアミノ酸に拘らなくとも良い。翻訳後すぐにSH基との反応を経由してアミドが生成するためである。SH基が保護されたアミノ酸を翻訳させる場合には、翻訳工程終了後から脱保護工程に至る時間内にアスパルチミド形成される。
2.翻訳によるアミド環化ペプチドの構造決定
2−1.LC-MS分析用翻訳ペプチド調製
20nM 鋳型DNA Mctryg3(配列番号D−8)に、前述の転写翻訳液、0.1mM 10-HCO-H4folate(10-formyl-5, 6, 7, 8, -tetrahydrophilic acid)、MetおよびLeuを除く各0.3mMの18種類のタンパク質性アミノ酸,および前記の方法で調製した50μM Asp(SMe)-tRNAEnAsnGAG(化合物AT−1−IA)を加え、37℃で3時間翻訳した。翻訳反応物に1mM ジチオスレイトールを添加し、37℃で30分間還元を行った後、10mM ヨードアセトアミドを添加し、遮光・室温で40分間、チオールのカルボキシアミドメチル化を行った。
ペプチド配列 P−52
CysThrThrThrArg[Asp(SMe)]TyrTyrArgGlyGly
ペプチド配列 P−53(配列番号:59)
CysThrThrThrArg[Asp(SMe)]TyrTyrArgGlyGlyのCysの主鎖アミノ基とAspの側鎖カルボン酸が分子内アミド環化された化合物 massスペクトル calc. 1273.6
ペプチド配列P−54 アセトアミド化後 Exact Mass Calc. 1330.6
CysThrThrThrArg[Asp(SMe)]TyrTyrArgGlyGly(ペプチド配列P−52)のCysの主鎖アミノ基とAspの側鎖カルボン酸が分子内アミド環化されたペプチド配列P−53のCysのSH基がアセトアミド化された化合物
2−2. 翻訳合成品と同一の配列を有するペプチドの化学合成
2−2−1.自動合成機によるペプチド固相合成の一般法
ペプチド合成機(Multipep RS; Intavis社製)を用いて、Fmoc法によりペプチド合成を行った。Fmoc-Cys(Mmt)-OHをノバビオケム社から購入し、Fmoc-Cys(Mmt)-OHを除く他のFmocアミノ酸を渡辺化学工業から購入した。なお、操作の詳細な手順については合成機に付属のマニュアルに従った。
合成機にC末端のFmocアミノが結合した2−クロロトリチルレジン(1カラムあたり250−300mg)と、各種Fmocアミノ酸(0.6mol/L)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(0.375mol/L)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液と、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液(10%v/v)をセットし、Fmoc脱保護溶液として、5%(wt/v)の尿素を含むピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20%v/v)、またはジアザビシクロウンデセン(DBU)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(2%v/v)を用いて合成を行った。レジンはDMF溶液で洗浄した後、Fmoc脱保護に次いでFmocアミノ酸の縮合反応を1サイクルとし、このサイクルを繰り返すことでレジン表面上にペプチドを伸長させた。このような実験例としてRamon Subiros-funosasらの非特許文献(Org. Biomol. Chem. 2010, 8, 3665-3673)などを参考にして合成した。
2−2−2.H-Cys(CH
2
CONH
2
)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp-OBn(ペプチドP−55)の合成
Fmocアミノ酸としてFmoc-Cys(Mmt)-OH,Fmoc-Thr(tBu)-OH,Fmoc-Arg(Pbf)-OH(いずれも渡辺化学工業から購入)を用いた。合成機にFmoc-Asp-OBnが結合した2−クロロトリチルレジン(250 mg、13カラム、1.36mmol)をセットし、ペプチドを固相合成した。
伸長終了後、レジンをジクロロメタンで洗浄し、トリフルオロ酢酸/トリイソプロピルシラン/ジクロロメタン(=2/5/93, 100mL)を加え、レジンからペプチドの切り出しとS−メトキシトリチル基の脱保護を行った。1.5時間後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、反応液に2−ヨードアセトアミド(252mg、1.36mmol),DIPEA(15mL),DMF(15mL)を加え、Sのアルキル化を行った。1.5時間後、減圧濃縮し得られた残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液=95/5→0/100)にて精製し、直鎖ペプチドH-Cys(CH2CONH2)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Asp-Arg(Pbf)-Asp-OBn(ペプチドP−55)を得た。(180mg、10%)
LCMS(ESI) m/z =1262(M−H)−
保持時間:0.71分(分析条件SQDFA05)
2−2−3.c(Cys(CH
2
CONH
2
)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-OBn(ペプチドP−56)の合成
H-Cys(CH2CONH2)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp-OBn(ペプチドP−55、180mg)をジクロロメタン/ジメチルスルホキシド(9/1)(141mL)に溶解させ、O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(81mg、0.214mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン(0.149mL、0.855mmol)を加え、攪拌した。1.5時間後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液=50/50→0/100)にて精製し、環状ペプチドc(Cys(CH2CONH2)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-OBn(ペプチドP−56)を得た。(92mg、52%)
LCMS(ESI) m/z =1246(M+H)+
保持時間:1.02分(分析条件SQDFA05)
2−2−4.c(Cys(CH
2
CONH
2
)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-OH(ペプチドP−57)の合成
c(Cys(CH2CONH2)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-OBn(ペプチドP−56、90mg)をエタノール(2mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(100mg)を加え、水素雰囲気下攪拌した。18時間後、反応液を減圧濃縮し、環状ペプチドc(Cys(CH2CONH2)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-OH(ペプチドP−57)を得た。(72mg、86%)
LCMS(ESI) m/z =1156(M+H)+
保持時間:0.93分(分析条件SQDFA05)
2−2−5.C(Cys(CH
2
CONH
2
)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Arg(Pbf)-Gly-Gly-OH(ペプチドP−58)の合成
Fmocアミノ酸としてFmoc-Gly-OH,Fmoc-Tyr(tBu)-OH,Fmoc-Arg(Pbf)-OH(いずれも渡辺化学工業から購入)を用い、合成機にFmoc-Gly-OHが結合した2−クロロトリチルレジン(250mg)をセットし、H-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Arg(Pbf)-Gly-Gly-OH配列を有するペプチド(ペプチドP−59)を固相合成した。
上記レジンに、c(Cys(CH2CONH2)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-OH(ペプチドP−57、46mg、0.04mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(5.4mg、0.04mmol)ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(0.075mL0.048mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を加えた。17時間後、レジンをジクロロメタンで洗浄し、トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(=1/99, 4mL)を加え、レジンからペプチドの切り出しを行った。1.5時間後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、減圧濃縮し得られた残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=50/50→0/100)にて精製し、C(Cys(CH2CONH2)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Arg(Pbf)-Gly-Gly-OH(ペプチドP−58)を得た。(6.2mg、7.3%)
LCMS:1059 m/z (M+2H)2+
保持時間:0.83分 (分析条件SQDAA50)
2−2−6.C(Cys(CH
2
CONH
2
)-Thr-Thr-Thr-Arg-Asp)-Tyr-Tyr-Arg-Gly-Gly-OH(ペプチドP−54)の合成
C(Cys(CH2CONH2)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Thr(tBu)-Arg(Pbf)-Asp)-Tyr(tBu)-Tyr(tBu)-Arg(Pbf)-Gly-Gly-OH(ペプチドP−58、6.2 mg)に、トリフルオロ酢酸/トリイソプロピルシラン/水(= 9/1/1, v/v/v、1mL)を加え、攪拌した。4時間後、減圧濃縮し得られた残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=95/5→0/100)にて精製し、C(Cys(CH2CONH2)-Thr-Thr-Thr-Arg-Asp)-Tyr-Tyr-Arg-Gly-Gly-OH(ペプチドP−54)を得た。(0.8mg、20%)
LCMS:664 m/z (M−2H)2−、1329.4(M−H)−
LCMS:1331.4 m/z (M+H)+
保持時間:0.49分 (分析条件SQDAA05)
2−3.翻訳ペプチドのLC/MS分析による環化部位特定と構造決定
翻訳合成品(ペプチドP−54)と同一の配列を有する有機合成品を作製したので、高分解能LC/MS装置(Orbitrap Velos、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、USA)を用いて比較分析した。翻訳品については、翻訳溶液約30uLに0.5%トリフルオロ酢酸60uLを加え攪拌後、遠心分離上清をOasis HLBカートリッジ(30mg、1cc、Waters Corporation、USA)にアプライした。0.5%トリフルオロ酢酸含有5%アセト二トリル溶液1mLで洗浄後、0.5%トリフルオロ酢酸含有60%アセト二トリル溶液1mLで溶出した。溶出液を窒素乾固し、0.5%トリフルオロ酢酸含有20%アセト二トリル溶液60uLに再溶解しLC/MS分析に付した。翻訳産物の精密質量をポジティブイオンモードで測定した結果、m/z 666.2937に2価のプロトン化分子[M+2H]2+を与え、理論値m/z 666.2935と良く一致していた。高速液体クロマトグラフにおける保持時間ならびにMS/MSスペクトルパターンを有機合成品と比較した結果、いずれも良く一致していた。以上の結果、翻訳合成産物は有機合成による環化ペプチドと同一のものであることが確認された(図30)。
[実施例16]翻訳合成、環化後の脱硫反応
翻訳合成にてアミド環化反応が進行した一方、我々の目的のためには反応補助基のSH基の除去が必要となる。SH基は様々なタンパクと共有結合を形成することが知られているため、SH基依存的な結合化合物が得られる可能性が高い一方で、そのような化合物は高い反応性のため薬剤になりにくい。
SH基の除去には分子間反応が必要である。既に述べたように分子間反応を1uM濃度にて、かつ様々な反応性官能基が共存する条件下での実現の難易度は高い。このような反応を実現させる手法として、以下の2つが考えられる。(i)過剰に用いる試薬は、望みの反応点以外では可逆的な反応(例えば配位結合)のみが生じ、反応完結後の後処理により除去される。(ii)過剰に用いる試薬はRNAには全く影響を与えない。
このような各種条件をクリアできる反応基質と反応条件を様々検討した結果を以下に示す。
1.モデル基質を用いたラジカル脱硫反応
モデル基質2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)を用いてWanら(Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 9248)と同様の方法でラジカル脱硫反応が進行することを確認した(図31および図32)。ラジカル脱硫反応としてMethodA及びMethodBを行った。
1−1.MethodAの実験例
以下、図32に記載の実験を行った。
1−1−1.図32 Entry 1の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b) の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(20.0mg、0.0427mmol)のDMF(0.8ml)溶液に0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.428ml、0.171mmol)を加え室温で15分間攪拌後、tBuSH(0.0144ml、0.128mmol) 1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.0427ml、0.0427mmol)を加え、50度で2時間半攪拌した。その後反応溶液に水を加え希釈後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→20/80)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)(18.1mg、97%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 437 (M+H)+
保持時間:0.96分(分析条件SQDAA05)
反応に使用する試薬等は以下のように調製した。
0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液の調整
トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(1.0g、3.49mmol)の水(6.8ml)溶液にトリエチルアミン(1.64ml)加え、pH7とし、0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液を得た。
1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液の調整
2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)塩酸塩(100mg、0.309mmol)に水(0.309ml)加え1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液を調整した。
0.1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液の調整
2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)塩酸塩(100mg、0.309mmol)に水(3,09ml)加え0.1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液を調整した。
1−1−2.図32 Entry2、Entry3の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(10.0mg、0.0213mmol)のDMF(0.5ml)あるいはメタノール(0.5ml)溶液に、グルタチオン(19.7mg、0.064mmol)と0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.214ml、0.0852mmol)を加え室温で10分間攪拌後、1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.0213ml、0.0213mmol) を室温で加え、50度で2時間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、entry2は2時間で原料化合物3aがすべて消失し、目的の化合物3bが観測された。
LCMS(ESI) m/z = 437 (M+H)+
保持時間:0.96分(分析条件SQDAA05)
1−1−3. 図32 Entry4の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(10.0mg、0.0213mmol)のメタノール(4.66ml)、水(2.06ml)溶液に0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.268ml、0.107mmol)を加え室温で10分間攪拌後、1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.0213ml、0.0213mmol) を室温で加え、50度で1時間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全には消失されなかったが、目的化合物3bが観測された。さらに、副生成物として、推定化合物3c、3dもまた観測された。その割合は、LCMS UVエリア強度比より、原料化合物3a:目的化合物3b:3c:3d=7:20:16:11であった。
化合物3b
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.96分(分析条件SQDAA05)
構造推定化合物3c
LCMS(ESI) m/z =453(M+H)+
保持時間:0.91分(分析条件SQDAA05)
構造推定化合物3d
LCMS(ESI) m/z =337(M+H)+
保持時間:0.87分(分析条件SQDAA05)
1−1−4. 図32 Entry5の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(10.0mg、0.0213mmol)のメタノール(4.66ml)、水(0.20ml)溶液にグルタチオン(196mg、0.639mmol)と0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.268ml、0.107mmol)を加え室温で10分間攪拌後、1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.0213ml、0.0213mmol) を室温で加え、50度で1時間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全には消失され、目的化合物3bが観測された。
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.96分(分析条件SQDAA05)
1−1−5. 図32 Entry6の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(10.0mg、0.0213mmol)のメタノール(4.66ml)、水(2.06ml)溶液にグルタチオン(19。6mg、0.0639mmol)と0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.268ml、0.107mmol)を加え室温で10分間攪拌後、1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.0213ml、0.0213mmol) を室温で加え、50度で1時間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全には消失され、目的化合物3bが観測された。さらに、副生成物として、推定化合物3c、3dもまた観測された。その割合は、LCMS UVエリア強度比より、原料化合物3a:目的化合物3b:3c:3d=0:79:14:6であった。
化合物3b
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.96分(分析条件SQDAA05)
構造推定化合物3c
LCMS(ESI) m/z =453(M+H)+
保持時間:0.91分(分析条件SQDAA05)
構造推定化合物3d
LCMS(ESI) m/z =337(M+H)+
保持時間:0.87分(分析条件SQDAA05)
1−1−6. 図32 Entry7の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(10.0mg、0.0213mmol)のメタノール(0.5ml)溶液に0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.268ml、0.107mmol)を加え室温で10分間攪拌後、1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.0213ml、0.0213mmol)を室温で加え、50度で1時間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全に消失され、目的化合物3bが観測された。さらに、副生成物として、推定化合物3c、3dもまた観測された。その割合は、LCMS UVエリア強度比より、原料化合物3a:目的化合物3b:3c:3d=0:24:32:19であった。
化合物3b
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.96分(分析条件SQDAA05)
構造推定化合物3c
LCMS(ESI) m/z =453(M+H)+
保持時間:0.91分(分析条件SQDAA05)
構造推定化合物3d
LCMS(ESI) m/z =337(M+H)+
保持時間:0.87分(分析条件SQDAA05)
1−2.Method Bの実験例
Method Aとほぼ同様の製造方法であるが、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)のMeOH−H2O溶液に0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液、グルタチオンを加え、目的の反応温度30度、40度あるいは50度に加熱後 1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液を加え、そのまま30度、40度あるいは50度の反応温度で攪拌した。反応の経時変化をLC−MSを用いて観測した。
尚、0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液の調整は以下のように行った。
トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(1.0g、3.49mmol)の水(6.8ml)溶液にトリエチルアミン(1.64ml)加え、pH7とし、0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液を得た。
また、1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液の調整は以下のように行った。
2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)塩酸塩(100mg、0.309mmol)に水(0.309ml)加え1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液を調整した。
1−2−1. 図32 Entry8の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(1.1mg、0.0023mmol)のメタノール(0.5ml),水(0.06ml)溶液に0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.192ml、0.092mmol)を加え50度で10分間攪拌後、0.1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.023ml、0.0023mmol) を50度で加え、その後、50度で30分間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全に消失され、目的化合物3bが観測された。
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.95分(分析条件SQDAA05)
1−2−2. 図32 Entry9の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(1.1mg、0.0023mmol)のメタノール(0.5ml),水(0.06ml)溶液にグルタチオン(21.2mg、0.069mmol)と0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.192ml、0.092mmol)を加え50度で10分間攪拌後、0.1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.023ml、0.0023mmol) を50度で加え、その後、50度で30分間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全に消失され、目的化合物3bが観測された。
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.95分(分析条件SQDAA05)
1−2−3. 図32 Entry10の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(1.1mg、0.0023mmol)のメタノール(0.5ml),水(0.06ml)溶液に0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.192ml、0.092mmol)を加え40度で15分間攪拌後、0.1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.023ml、0.0023mmol)を40度で加え、40度で30分間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全に消失され、目的化合物3bが観測された。
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.96分(分析条件SQDAA05)
1−2−4. 図32 Entry11の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(1.1mg、0.0023mmol)のメタノール(0.5ml),水(0.06ml)溶液にグルタチオン(21.2mg、0.069mmol)と0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.192ml、0.092mmol)を加え40度で15分間攪拌後、0.1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.023ml、0.0023mmol)を40度で加え、その後40度で30分間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全に消失され、目的化合物3bが観測された。
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.95分(分析条件SQDAA05)
1−2−5. 図32 Entry12の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(1.1mg、0.0023mmol)のメタノール(0.5ml),水(0.06ml)溶液に0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.192ml、0.092mmol)を加え30度で15分間攪拌後、0.1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.023ml、0.0023mmol)を30度で加え、その後30度で1時間30分間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全に消失され、目的化合物3bが観測された。
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.95分(分析条件SQDAA05)
1−2−6. 図32 Entry13の実験
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((S)−1−エトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3b)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物3a)(1.1mg、0.0023mmol)のメタノール(0.5ml),水(0.06ml)溶液にグルタチオン(21.2mg、0.069mmol)と0.4Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(0.192ml、0.092mmol)を加え30度で15分間攪拌後、0.1M 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン(VA−044)水溶液(0.023ml、0.0023mmol)を30度で加え、その後30度で1時間30分間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、原料3aが完全に消失され、目的化合物3bが観測された。
LCMS(ESI) m/z =437(M+H)+
保持時間:0.95分(分析条件SQDAA05)
図32に示す通り、様々な条件でラジカル脱硫反応を検討した。Entry4,6,7において、チオールの総量が低濃度である場合、methodAでは3c、3dが副生成物として観測された。Display Library(ペプチド低濃度)に適応させる為、チオールが低濃度でも副生成物3c,3dが生成しない条件を検討したところ、ラジカル開始剤(VA−044)を反応溶液加熱下加える(MethodB)ことで副生成物3c,3dの生成を抑えることができた。(entry8,10,12)
結果、チオエステルを側鎖に持つアスパラギン酸誘導体をカルボン酸誘導体として翻訳導入させ、アミノ基としてCysあるいはその誘導体をN末端に翻訳導入させた後、これらを環化させる手法を見出した。initiataion read-through法によってN末端にCysを導入した場合、Asp(SBn)をペプチドに翻訳導入することによって目的の環状ペプチドが得られた。
2.脱硫反応におけるRNA安定性評価
RNA化合物を脱硫反応の条件に付し、安定性の確認を行った。
2−1.5´-AGCUUAGUCA-ピューロマイシン-3´(化合物RP-1、(配列番号:178))の合成
グレンリサーチ社製ピューロマイシンCPG(22.7mg、0.999μmol)を用い、DNA合成機によりRNA結合伸長を行った。A、G、C、Uの伸長反応に用いるアミダイド試薬はグレンリサーチ社製A−TOM−CEホスホアミダイド、G−TOM−CEホスホアミダイド、C−TOM−CEホスホアミダイド、U−TOM−CEホスホアミダイドを使用し、縮合活性化剤として5−ベンジルチオ−1H−テトラゾールを使用し実施した。縮合後の固相担体を乾燥後、エタノール(0.25mL)、40%メチルアミン水溶液(0.25mL)を加え65℃にて1時間攪拌した。固相担体を濾別し、メタノール(0.5mL)で洗浄した。得られた溶液を濃縮しメタノール(1.0mL)に溶解し、そのうち0.8mLを濃縮しテトラメチルアンモニウムフルオライド水和物(50μL)に溶かし65℃にて15分間攪拌した。反応液に0.1M酢酸アンモニウム水溶液を加え逆相カラムで精製した。濃縮後、得られた化合物を再度逆相カラムで精製した。得られた溶液に水を加え逆相カラムに添着後、水(30mL)で洗浄したのちメタノール(50mL)で目的物を溶出した。得られた溶液を濃縮し水(1.0mL)に溶解し5´-AGCUUAGUCA-ピューロマイシン-3´(化合物RP-1)水溶液を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1224.6 (M−3H)3−
保持時間:0.38分(分析条件SQDAA05)
2−2.脱硫反応による2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(((S)-1-エトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン酸 (S)-ベンジル(化合物5e−2)の合成とその反応条件における5´-AGCUUAGUCA-ピューロマイシン-3´(化合物RP-1)の安定性評価
5´-AGCUUAGUCA-ピューロマイシン-3´(化合物RP-1)水溶液(10μL)、標準物質として5mM 3−フェニル安息香酸メタノール溶液(10μL)、5mM 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸 (S)−ベンジル(化合物5c−2)メタノール溶液(5μL)、100mM グルタチオン水溶液(15μL)、トリエチルアミンを使用しpHを7.1に事前調整した0.4M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(5μL)、10mM 2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン水溶液(5μL)を混合し50℃にて2時間反応した。反応液をLC/MSで分析し5´-AGCUUAGUCA-ピューロマイシン-3´(化合物RP-1)の残存量に変化がないことが確認された。この条件において2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(((R)−1−エトキシ−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−5−オキソペンタン酸 (S)−ベンジル(化合物5c−2)は消失し脱硫反応の生成物である2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(((S)-1-エトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン酸 (S)-ベンジル(化合物5e−2)が確認された。
LCMS(ESI) m/z = 437.3 (M+H)+
保持時間:0.96分(分析条件SQDAA05)
このように脱硫反応が進行する反応条件においてRNAが反応することなく安定に存在することが確認された。
2. 翻訳産物を用いた脱硫反応
以下の方法により翻訳を行った。
鋳型DNA配列番号D−34として以下の配列を用いて翻訳反応を行った。
配列番号 D−34(配列番号:29)
Mctryg3_08U05U: GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGtgc
ACTACAACGCGTctttactaccgtggcggcTAGTAGATAGATA
反応系中において、アミノ酸はメチオニンを除く19種類のタンパク質性アミノ酸を加えた。その結果、開始コドンにコードされるメチオニンが欠如し、二番目のコドンにコードされるシステインから翻訳が開始したペプチドを合成した。この反応液に、VA−044 (250mM)、TCEP(200mM)、L−システイン(20mM)を加えて、40℃で1時間反応させた。その結果、ペプチド鎖中のシステイン側鎖のSH基が脱硫され分子量が32減少したMSスペクトルが確認された(図33)。
ペプチド番号P−50 脱硫前 (配列番号:38)
CysThrThrThrArgLeuTyrTyrArgGlyGly
(Calc. 1289.6)
ペプチド番号P−51 脱硫後 (配列番号:58)
AlaThrThrThrArgLeuTyrTyrArgGlyGly
m/z: [M+H]+ = 1258.7 (Calc. 1257.7)
[実施例17]環化脱硫反応下での蛋白変性の評価
脱硫反応液によるタンパク質変性の評価を行った(図34)。モデル系として、電気化学発光免疫測定法によるIL−6およびIL−6Rの相互作用検出系において、脱硫反応条件が、IL−6Rに対して、どのような影響を及ぼすか評価した。まず、MSD Multi-array 384 well (MSD社)に750ngの抗IL−6R抗体クローン番号17506(R&D biosystems社)を4度で一晩保存し、抗体の固相化を行った。80μlのPBSTでプレートを三回洗浄し、未反応の抗体を除いた後、2%スキムミルクで1時間ブロッキングを行った。ブロッキング剤を80μlのPBSTでプレートを三回洗浄後、10μlのsoluble human IL−6R(IL−6R)を25nM加え、室温で50分間振とうした。80μlのPBSTでプレートを三回洗浄し、脱硫反応液(25mM HEPES−K(pH7.6),200mM TCEP,250mM VA−044,10mM Cys)を添加し、室温で50分間振とうした。80μlのPBSTでプレートを三回洗浄し、10μlのhuman IL−6−BAP(500nM)を添加し、室温で50分間振とうした。80μlのPBSTでプレートを三回洗浄し、10μL SULFO-TAG StAv(MSD社,cat#R32AD−5,1μg/mL)を添加後、室温で50分間振とうした。80μlのPBSTでプレートを三回洗浄し、35μlの2X read buffer (MSD社,R92SC−3)を添加後、SECTOR Imager 2400 (MSD社)で測定した(図34)。
その結果、脱硫反応液を添加することで、IL6−Rが影響を受け、IL−6との相互作用が弱まることが示された。また、脱硫反応液に、酸化型のDTT(DTTox)を添加することで、IL−6Rへの影響が弱まり、IL−6との相互作用が回復することが示された。
[実施例18]チオエーテル化法との比較
チオエーテル環化法と本発明の環化法の比較を行った。脂質膜透過速度が速いと考えられる脂溶性が高いチオエーテル環化ペプチドを合成した。
1.チオエーテル環化ペプチドの合成
Fmocアミノ酸として、Fmoc-MePhe-OH、Fmoc-MeAla-OH、Fmoc-MeLeu-OH、Fmoc-MeGly-OH、Fmoc-MeIle-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Thr(Trt)-OH、Fmoc−Ser(Trt)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Bip−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Cha−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Cys(Mmt)OHなどを用いてペプチドの伸長を行った(略語は渡辺化学カタログによる)。ペプチドの伸長後、N末端のFmoc基を脱保護し、HOAt,DICを縮合剤としてクロロ酢酸を縮合させた後、レジンをジクロロメタンにて洗浄した。レジンにトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール/トリイソプロピルシラン(=1/62/31/6,v/v/v/v、4mL)を加えて2時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しと同時にO−トリチル基、S−ジメトキシトリチル基の脱保護を行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、反応液をジイソプロピルエチルアミン(1mL)溶液を入れたチューブに反応液を加え、クロロアセチル基とシステインとの環化反応を行った。反応終了後、溶媒を留去した。得られた租生成物を、DMF中、ピペリジン(1.9eq.)O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(1.7eq.)にてC末端カルボン酸のピペリジンアミド化を行った。反応終了後、Genevacにて溶媒留去した。得られた租生成物はジメチルスルホキシドに溶解し、得られたペプチド溶液は高速逆相クロマトグラフィー(HPLC)で精製した。
化合物P−101
Ac*-MePhe-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1063 m/z (M+H)+
保持時間:0.77分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−102
Ac*-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1045 m/z (M+H)+
保持時間:0.76分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−103
Ac*-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1087 m/z (M+H)+
保持時間:2.72分 (分析条件 ZQAA50)
化合物P−104
Ac*-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser-MeIle-Bip-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1093 m/z (M+H)+
保持時間:2.52分 (分析条件 ZQAA50)
化合物P−105
Ac*-MePhe-MeAla-Phe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1049 m/z (M+H)+
保持時間:0.77分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−106
Ac*-MeAla-Phe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1031 m/z (M+H)+
保持時間:0.74分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−107
Ac*-Phe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1073 m/z (M+H)+
保持時間:0.82分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−108
Ac*-MePhe-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1206 m/z (M+H)+
保持時間:2.60分 (分析条件 ZQAA50)
化合物P−109
Ac*-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1172 m/z (M+H)+
保持時間:2.75分 (分析条件 ZQAA50)
化合物P−110
Ac*-MePhe-MeAla-Phe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1192 m/z (M+H)+
保持時間:0.81分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−111
Ac*-MeAla-Phe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1158 m/z (M+H)+
保持時間:2.75分 (分析条件 ZQAA50)
化合物P−112
Ac*-MePhe-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Cys*-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1333 m/z (M+H)+
保持時間:2.87分 (分析条件 ZQAA05)
化合物P−113
Ac*-Leu-MeAla-Cha-Thr-Thr-Ala-Cys*-Cha-piperidine
(2つの*部位にて環化)
LCMS:1007 m/z (M+H)+
保持時間:2.46分 (分析条件 ZQAA50)
2.安定性の評価
2−1.チオエーテル環化ペプチドのSerum安定性、肝ミクロソーム中安定性試験
得られた化合物を2uMの濃度にてマウス血清(雄雌混合、Valley Biomedical社、USA)(33.5mM HEPES緩衝液によりpH7.4に調製)と2時間代謝反応させた。経時的にアセトニトリルによる除タンパク処理を施し、LC/MSを用いて残存する未変化体量を分析し、代謝半減期(t1/2)を算出した。NADPH存在下および非存在下、マウス肝ミクロソームならびに小腸ミクロソーム(雄、XENOTECH社、USA)を100mM リン酸緩衝液(pH7.4)を用いて0.5mg protein/mLになるよう調製したミクロソーム溶液と化合物を1uMの濃度にて30分間代謝反応させた。経時的にアセトニトリルによる除タンパク処理を施し、LC/MSを用いて残存する未変化体量を分析し,肝固有クリアランス(CLh,int)ならびに小腸固有クリアランス(CLg,int)を算出した。(表7)。これらのペプチドはマウス血清中並びにミクロソーム中においてペプチダーゼなどの加水分解による代謝を受ける速度は十分遅く、脂溶性の低い天然アミノ酸からなるペプチドと比較して対照的な結果となった。これらの結果と比較し、ミクロソーム中NADPH存在下における代謝速度は高く、代謝の主な経路は酸化代謝であることが明らかとなった。
表7のそれぞれのペプチドはAc部位とC部位で環化されている。
2−2.比較的代謝安定性の高かったチオエーテル環化ペプチドおよびチオエーテル部位の酸化化合物(スルホキシド体およびスルホン体)のヒト肝ミクロソーム中代謝安定性試験、マウス小腸ミクロソーム中代謝安定性試験
2−1.にて示したのと同様の実験にて、代謝安定性試験を行った。
マウスにて比較的代謝安定性の高かったチオエーテル化合物の小腸での代謝安定性試験と、ヒトでの肝ミクソーム中での代謝安定性試験を実施した(化合物P−112、103、102、109)。ヒトでの肝ミクロソームでの代謝安定性は、マウスの場合と比較しておよそ3倍程度悪化した。
続いて化合物P−112(配列 Ac*-MeA-MeF-MeL-Thr-MeG-MeL-SertBu-MeI-Cys*- piperidine)のS原子を酸化させたスルホキシド体(化合物P−114)の肝および小腸酸化代謝速度を測定した結果、化合物P−112と比較してそれぞれマウス肝0.6倍、ヒト肝およそ0.3倍、小腸0.2倍となり、ヒト肝および小腸代謝に改善が観測された(表8)。スルホン体P−115の小腸酸化代謝速度は0.5倍となった。
チオエーテルからスルホキシドへの変換での代謝安定化はマウスの肝ミクロソームでいくつか他の合成検体でも観測された(表9)。
表8のペプチドはAc部位とC部位で環化されている。
表9のペプチドはAc部位とC部位とで環化されている。
3.代謝部位の特定
化合物P−113環化ペプチドを10uMの濃度にてNADPH存在下、マウス肝臓(雄、XENOTECH社製、USA)を100mMリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて0.5mg protein/mLになるよう調製したミクロゾーム溶液と1時間代謝反応させた(図35)。反応後アセト二トリルによる除タンパク処理を施し、得られた代謝産物を高分解能LC/MS装置(Q-TOF Ultima API、Waters Corporation社製、USA)にて分析した。代謝産物のマスクロマトグラムを以下に示した。比較的強度の強い代謝産物として、水酸化体に相当するピークが4本検出された。各ピークのMS/MSスペクトルを下記に示した。Peak1およびPeak2の代謝物については高い脂溶性側鎖のシクロヘキシル基を含む部分構造に水酸化を受けていることが推察された。Peak3の代謝物についてはピペリジン環に水酸化を受けた際の特徴的なイオンをm/z 102に与えたが、Peak1およびPeak2と類似のフラグメントイオンも与えており、Peak3中にはPeak1とPeak2の類縁体が存在するか、もしくは分離不十分によりPeak1およびPeak2が混入している可能性が示唆された。Peak4の代謝物はチオールを含む部位が酸化されていることが推察されたが、この部位での酸化容易度を考慮すると硫黄原子が代謝部位である可能性が高いと考えられた。
4.チオエーテル環化ペプチドの直接酸化反応
代謝部位をより特定させるために、得られたチオエーテル環化ペプチドを直接酸化反応した。チオエーテル体誘導体に対し、オキソンを用いて直接酸化させるとメチオニン誘導体(ペプチドP−130)が選択的に酸化され、一方トリプトファン誘導体(ペプチドP−132)は同一条件下で酸化反応が進行しないことを確認した。本条件を用いていくつかのチオエーテル体(ペプチドP−109、P−112、P−111、P−103)のチオエーテル部分を選択的に酸化させたペプチドP−114、P−115、P−116、P−117、P−118が得られた。
18−4−1.(5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,7,10,16,19,25−ヘプタメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン 1−オキシド(化合物 P−114)の合成
Ac*-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Cys*-piperidine化合物(2つの*にて環化、化合物P−109)のスルホキシド体
(5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,7,10,16,19,25−ヘプタメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン(化合物P−109)(9.5mg、8.11x10−3mmol)をメタノール(0.5ml)に溶解し、水(0.25ml)を加えた。溶液を撹拌しながら氷浴にて冷却し、OXONE(5.5mg、8.92x10−3mmol)を添加した。反応混合物を氷冷下25分間撹拌後、DMSO(80μl)を添加した。混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=60/40→0/100)にて精製し、(5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,7,10,16,19,25−ヘプタメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン 1−オキシド(化合物P−114)(8.6mg、90%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1187 (M+H)+
保持時間:2.48分、2.62分(分析条件ZQAA50)
18−4−2.(5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,7,10,16,19,25−ヘプタメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン 1,1−ジオキシド(化合物P−115)の合成
Ac*-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)‐MeIle-Cys*-piperidine化合物(2つの*にて環化、化合物P−109)のスルホン体
(5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,7,10,16,19,25−ヘプタメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン(9.6mg、8.19x10−3mmol)をメタノール(0.6ml)に溶解し、水(0.3ml)を加えた。溶液を撹拌しながら、OXONE(15.1mg、2.46x10−2mmol)を添加した。反応混合物を室温にて14時間撹拌後、DMSO(80μl)を添加した。混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=60/40→0/100)にて精製し、5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,7,10,16,19,25−ヘプタメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン 1,1−ジオキシド(8.3mg、84%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1203 (M+H)+
保持時間:0.82分(分析条件SQDAA50)
18−4−3.(5S,8S,11S,14S,17S,23S,26S,29S,32R)−5,11−ジベンジル−26−(tert−ブトキシメチル)−29−((S)−sec−ブチル)−17−((R)−1−ヒドロキシエチル)−14,23−ジイソブチル−4,7,8,10,13,19,22,28−オクタメチル−32−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオン 1−オキシド(化合物P−116)の合成
Ac*-MePhe-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Cys*-piperidine(化合物P−112)の直接酸化によるスルホキシド体
18−4−1.と同様の方法で(5S,8S,11S,14S,17S,23S,26S,29S,32R)−5,11−ジベンジル−26−(tert−ブトキシメチル)−29−((S)−sec−ブチル)−17−((R)−1−ヒドロキシエチル)−14,23−ジイソブチル−4,7,8,10,13,19,22,28−オクタメチル−32−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオン(16.9mg、1.27x10−2mmol)から5S,8S,11S,14S,17S,23S,26S,29S,32R)−5,11−ジベンジル−26−(tert−ブトキシメチル)−29−((S)−sec−ブチル)−17−((R)−1−ヒドロキシエチル)−14,23−ジイソブチル−4,7,8,10,13,19,22,28−オクタメチル−32−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオン 1−オキシド(11.6mg、68%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1348 (M+H)+
保持時間:0.84分(分析条件SQDAA50)
18−4−4.(5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,10,16,19,25−ヘキサメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン 1−オキシド(化合物P−117)の合成
Ac*-MeAla-Phe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Cys*-piperidine(化合物P-111)の直接酸化によるスルホキシド体(化合物P−117)
18−4−1.と同様の方法で(5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,10,16,19,25−ヘキサメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン(12.5mg、1.08x10−2mmol)から(5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29R)−8−ベンジル−23−(tert−ブトキシメチル)−26−((S)−sec−ブチル)−14−((R)−1−ヒドロキシエチル)−11,20−ジイソブチル−4,5,10,16,19,25−ヘキサメチル−29−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−3,6,9,12,15,18,21,24,27−ノナオン 1−オキシド(10.5mg、83%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1173 (M+H)+
保持時間:2.57分(分析条件ZQAA50)
18−4−5.(5S,8S,11S,17S,20S,23S,26R)−5−ベンジル−20−(tert−ブトキシメチル)−23−((S)−sec−ブチル)−11−((R)−1−ヒドロキシエチル)−8,17−ジイソブチル−4,7,13,16,22−ペンタメチル−26−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロヘプタコサン−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオン 1−オキシド(化合物P−118)の合成
化合物P−103の直接酸化反応による合成
18−4−1.と同様の方法で((5S,8S,11S,17S,20S,23S,26R)−5−ベンジル−20−(tert−ブトキシメチル)−23−((S)−sec−ブチル)−11−((R)−1−ヒドロキシエチル)−8,17−ジイソブチル−4,7,13,16,22−ペンタメチル−26−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロヘプタコサン−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオン(21.4mg、1.97x10−2mmol)から18−4−5.(5S,8S,11S,17S,20S,23S,26R)−5−ベンジル−20−(tert−ブトキシメチル)−23−((S)−sec−ブチル)−11−((R)−1−ヒドロキシエチル)−8,17−ジイソブチル−4,7,13,16,22−ペンタメチル−26−(ピペリジン−1−カルボニル)−1−チア−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザシクロヘプタコサン−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタオン 1−オキシド(16.8mg、77%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1102 (M+H)+
保持時間:0.80分(分析条件SQDAA50)
18−4−6.(S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−メチルスルファニル−酪酸の酸化
(S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−メチルスルファニル−酪酸(ペプチドP−130、38mg、0.102mmol)をメタノール(2mL)に室温で溶解して、水(0.2mL)を添加後、氷浴にて冷却した。混合物にOXONE(69mg、0.113mmol)を添加し、反応混合物を20分間撹拌後、DMSO(100μL)を添加した。LCMSにて反応進行を確認したところ、原料とは異なる保持時間に単一ピークを与えた(ペプチドP−131)。
(S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−メチルスルファニル−酪酸(ペプチドP−130)
LCMS(ESI) m/z = 372 (M+H)+
保持時間:0.94分(分析条件SQDAA05)
生成物P-131
LCMS(ESI) m/z = 388 (M+H)+
保持時間:0.86分(分析条件SQDAA05)
18−4−7.(S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオン酸 ・ 2−イソプロポキシ−プロパン (1:2/3)の酸化
(S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオン酸 ・ 2−イソプロポキシ−プロパン (ペプチドP−132、1:2/3)(50mg、0.101mmol)をメタノール(2mL)に室温で溶解して、水(0.2mL)を添加後、氷浴にて冷却した。混合物にOXONE(68mg、0.113mmol)を添加し、反応混合物を20分間撹拌後、DMSO(100μL)を添加した。LCMSにて反応進行を確認したところ、原料と同一のピークを与えた。
(S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオン酸(ペプチドP−132)
LCMS(ESI) m/z = 427 (M+H)+
保持時間:0.95分(分析条件SQDAA05)
このように、ペプチドの酸化反応により容易にチオールが酸化反応を受けたことから、チオエーテルは広く一般に認知されているように酸化代謝され易いことと関連させる。
これらの実験より以下のことが明らかとなった。我々が膜透過可能と定義するペプチドでは、チオエーテル環化ペプチドの代謝速度は速い。ペプチドであるにも関わらず主な代謝はアミド結合の加水分解にはなく、酸化代謝であることが示された。チオエーテル部位を予め酸化させて酸化代謝部位をブロックされた化合物では代謝安定化が得られることを、対応するスルホキシドとの比較より明らかにした。チオエーテル部位が代謝部位の1つであると推定された。化学反応による酸化反応でも、チオエーテル部位が選択的に酸化されたことから、チオエーテル部位が他の部位よりも容易に酸化されることが示された。チオエーテルが酸化代謝を受けやすいことは広く一般に知られていることである。チトクロムP450によりRSCH2R'→RSH+R'CHOに分解されることや、フラビン含有モノオキシゲナーゼにより、スルホキシドへと代謝されることが報告されている(非特許文献、薬物代謝学 医療薬学・毒性学の基礎として第2版 加藤隆一・鎌滝哲也 編)。前者は生成するとReactive metaboliteとなるため、毒性発現にもつながる可能性がある。
以上の知見から、アミド結合が代謝に対して安定である一方、酸化され易いチオエーテルを有する環化法には改良の余地があると結論された。各ユニットが全てアミド結合である本発明の方法による環状ペプチドは、従来の環化法による環状ペプチドよりも優れていると考察できる。
5.チオエーテル環化とアミド環化化合物の代謝安定性の比較
脂溶性が高いチオエーテル環化ペプチド群の中で、比較的代謝安定性の高かったチオエーテル3種類を選択し、環化部位以外は同じ配列(MeAla-MePhe-MeLeu−Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)、MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle、MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle)のアミド環化ペプチドを合成し、それらの代謝安定性を比較した。下表のようにマウス、ヒトともにミクロゾーム代謝安定性はマウスで2倍程度、ヒトで3倍程度向上した。一連の化合物で安定して代謝安定化が得られたことから、Displayされる全ての化合物に含まれていたチオエーテル部分構造が除去されたアミド環化法では、Displayされる化合物の多くがより代謝安定化された、よりDruglikeなDisplay手法であると考えられた。
表10のペプチドはN末端アミノ酸とAspもしくはGluとでアミド環化しているか、Ac部位とCysとでチオエーテル環化しているかのどちらかである。
化合物P−119
Ala-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-Asp-piperidine
N末端アミンとAsp側鎖がアミド環化
LCMS: 1067.8 m/z (M-H)-
保持時間:0.72分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−120
MeAla-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-Asp-piperidine
N末端アミンとAsp側鎖がアミド環化
LCMS: 1081.9 m/z (M-H)-
保持時間:0.73分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−121
Ala-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-Glu-piperidine
N末端アミンとGlu側鎖がアミド環化
LCMS: 1082.0 m/z (M-H)-
保持時間:0.73分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−122
MeAla-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-Glu-piperidine
N末端アミンとGlu側鎖がアミド環化
LCMS: 1096.0 m/z (M-H)-
保持時間:0.73分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−123
Ala-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Asp-piperidine
N末端アミンとAsp側鎖がアミド環化
LCMS: 1110.0 m/z (M-H)-
保持時間:0.82分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−124
MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)- MeIle-Glu-piperidine
N末端アミンとGlu側鎖がアミド環化
LCMS: 1137.8 m/z (M-H)-
保持時間:0.81分 (分析条件 SQDAA50)
化合物P−125
Ala-MeAla-MePhe-MeLeu-Thr-MeGly-MeLeu-Ser(tBu)-MeIle-Asp-piperidine
N末端アミンとAsp側鎖がアミド環化
LCMS: 1194.7 m/z (M-H)-
保持時間:0.81分 (分析条件 SQDAA50)
[実施例18−2]チオエステル環化ペプチドを用いた酵素によるN末端アミノ酸除去とアミド環化への応用
N末端でない位置のシステインと側鎖カルボン酸が活性化されたアミノ酸を含むペプチドを翻訳し、両官能基が反応したチオエステル環化ペプチドを調製した。続いて、同システインよりもN末端部に位置するアミノ酸を酵素的に除去することで、システイン残基のα-アミノ基を露出させ、それを用いたペプチドのアミド環化が進行するかを以下のように試みた。
1. 転写によるtRNA(CA欠損)の合成
鋳型DNA(配列番号DT−E1)から、RiboMAX Large Scale RNA production System T7(Promega社,P1300)を用いたin vitro の転写により3'端のCAを欠くtRNAGluAAG (-CA)(配列番号RT−E1)を合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen社)により精製した。
配列番号DT−E1(配列番号:179)
tRNAGluAAG (-CA) DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTAAGACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号RT−E1(配列番号:180)
tRNAGluAAG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUAAGACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
2. 側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i−IA)とtRNA(CA欠損)(配列番号:RT−E1)のligationによるアミノアシル化tRNA(化合物AT−E1)の合成
50μM 転写tRNAGluAAG (-CA)(配列番号RT−E1) 10μLに、10X ligation buffer(500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2) 2μL、10 mM ATP 2μL、Nuclease free water 2.8μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。 20unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)1.2μLおよび、5mMのアミノアシル化pdCpA(化合物1i−IA)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。ライゲーション反応液 20μLに、3M酢酸ナトリウム 4μLと125mM ヨウ素(水:THF=1:1溶液)24μLを加え、室温で1時間、脱保護を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−E1)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−E1)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−E1(配列番号:181)
Asp(SMe)−tRNAGluAAG
3. N末端に位置しないシステイン残基と側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノ酸を含むペプチドの翻訳合成
側鎖カルボン酸をチオエステルにより活性化したアスパラギン酸誘導体でアミノアシル化されたtRNAを、無細胞翻訳系に加えて翻訳を開始することにより、所望の非天然アミノ酸を含有するポリペプチドの翻訳合成を行った。翻訳系は、原核生物由来の再構成無細胞タンパク質合成系であるPURE systemを用いた。具体的には、翻訳液,1%(v/v) RNasein Ribonuclease inhibitor (Promega社,N2111), 1mM GTP,1mM ATP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,6mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,2mM ジチオスレイトール,0.1mM 10−HCO−H4folate, 1.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.6μM メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ,0.26μM EF−G,0.24μM RF2,0.17μM RF3,0.5μM RRF,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,40μM EF−Tu,93μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,0.73μM AlaRS,0.03μM ArgRS,0.38μM AsnRS,0.13μM AspRS,0.02μM CysRS,0.06μM GlnRS,0.23μM GluRS,0.09μM GlyRS,0.4μM IleRS,0.04μM LeuRS,0.11μM LysRS,0.03μM MetRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.02μM TyrRS,0.02μM ValRS(自家調製タンパクは基本的にはHisタグ付加タンパクとして調製した))に、1μM 鋳型RNA、それぞれの鋳型DNAにコードされているタンパク質性アミノ酸群をそれぞれ250μMずつ、ならびに50μMの側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化tRNA(化合物AT−E1)を翻訳反応混合物に添加し、37℃で1時間静置することで行った。
翻訳産物はマトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を用いてMALDI−MSスペクトルを測定して同定した。
4.チオエステル環化ペプチドの翻訳合成と酵素を用いたN末端アミノ酸除去を利用したアミド環化への変換
1μM 鋳型RNA OT43 RNA(配列番号RM−E1)に、0.25mM Met,0.25mM Cys,0.25mM Thr,0.25mM Arg,0.25mM Tyr,0.25mM Pro,0.25mM Glyおよび、50μM Asp(SMe)−tRNAGluAAG(化合物AT−E1)を含む前述の翻訳液を37℃で60分間保温した。得られた翻訳溶液1μLに9μLの0.2%トリフルオロ酢酸を加え、そのうち1μLをMALDIターゲットプレート上に載せた後、1μLのCHCA溶液(10mg/ml α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、50%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸溶液)と混和し、プレート上乾固し、MALDI−MSで分析した。その結果、N末端フォルミルメチオニンを含み、側鎖チオール基とカルボン酸でチオエステル環化したペプチドP−E1に相当するピークが観測された(図62、ピークI)。続いて、上記翻訳反応物に終濃度がそれぞれ2μM、14μMとなるように酵素ペプチドデフォルミラーゼ、メチオニンアミノペプチダーゼを加え、37℃で5分間保温した。得られた反応物を上述したようにMALDI−MSで分析したところ、原料のチオエステル環化ペプチドのピークは小さくなり、その代わりに、N末端フォルミルメチオニンが除去され、その結果露出したN末端アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物P−E2に相当するピークが観測された(図62、ピークII)。このことから、チオエステル環化が進行した後でも、CysよりN末端部を除去することで、目的のアミド環化ペプチドが得られる事が示された。
配列番号 RM−E1(配列番号:182)
OT43 RNA
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUaugUGCACUACAACGCGUCUUCCGUACCGUGGCGGCuaagcuucg
ペプチド配列P−E1(配列番号:183)
fMetCysThrThrThrArgAspProTyrArgGlyGlyの側鎖硫黄原子とAspの側鎖カルボン酸でチオエステル環化した化合物
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1367.5 (Calc.1367.6)
ペプチド配列P−E2(配列番号:184)
CysThrThrThrArgAspProTyrArgGlyGlyのN末端アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1208.3 (Calc.1208.6)
[実施例19]ペプチド化合物
1.アミド環化ペプチドの合成
以下に示す環化ペプチドを合成した(表11−1:合成したペプチド化合物例(計965化合物))。特に明示しない限り表中の1に位置するアミノ酸が前記スキームAなどで示した白丸○に対応する交差ユニットに対応し、アミノ酸配列中左端に表記したアミノ酸が同じく▲ユニットに対応する。これら2つの部位が結合を形成し環化ペプチドを構成する。また、表中H-1からH-6で示したアミノ酸は前記スキームAなどで示した直鎖部に相当する。ここで、表中右端に存在する部位がC末端を形成する。ここで表記したpipとはC末端カルボン酸がピペリジンとアミド結合を形成してピペリジンアミドを形成したことを意味している。また、H-1に何も記載されていない環化ペプチドはC末端カルボン酸が削除された化合物を意図する。この場合、1に位置するアミノ酸の持つ1つのカルボン酸とN末端のアミンとがアミド化反応して環化され、C末端カルボン酸部位が削除された誘導体、例えばメチル基やトリフルオロメチル基に置換された化合物がC末端に位置される。表11−1に示した略号は表11−2(アミノ酸略号が意図する構造との関連表)に表記したアミノ酸を意味する。
既に記載の方法と同様の手法を用いて表11−1に表記した環化ペプチドを合成し、それぞれの化合物の同定を行った(表11−3−1、表11−3−2:合成したペプチド化合物の同定(計965化合物))。
1−1.レジンに結合させるC末端部位アミノ酸もしくはペプチドの合成例およびそのレジンへの担持方法
C末端部位の主鎖部位がアミドにて化学修飾(多くの実施例ではピペリジンアミド)され、かつアスパラギン酸の側鎖カルボン酸部位(交差ユニット)がN末端側のアミノ基(三角ユニット)とアミド結合させた様々な化合物を合成する目的で、以下のアミノ酸もしくはペプチドの担持レジンを合成した。以下に合成例のより詳細な内容を述べる。なお、以下の方法に限定されず、本明細書の他に記載の部分や、一般的なペプチドの合成法によっても合成できる。
1−1−1.Fmoc-Asp-pip(化合物SP401)の側鎖カルボン酸にてレジンと結合させた化合物(化合物SP402)合成
(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸 tert-ブチル(化合物SP403、Fmoc-Asp(OtBu)-pip)の合成
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブタン酸(化合物SP404、Fmoc-Asp(OtBu)-OH)(30g、72.9mmol)をDMF(243mL)に溶解させ、0℃にてN-メチルモルホリン(9.6ml、87mmol)、ついでO−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(33.3g、87mmol)を加え、10分間攪拌した。さらにピペリジン(7.1ml、71.5mmol)を滴下し、30分間攪拌した。反応混合物をヘキサン/酢酸エチル=1/1(1500ml)で希釈し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮をし、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸 tert-ブチル(化合物SP403)(35.2g、99%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =479.5(M+H)+
保持時間:1.10分(分析条件SQDAA05)
(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸(Fmoc-Asp-pip、化合物SP401)の合成
(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸 tert-ブチル(化合物SP403)(9.3g、19.4mmol)をトルエン(300mL)に溶解させ、これを減圧下に濃縮した。この操作をさらに2回繰り返し行い、減圧下に終夜乾燥させた。反応容器に脱水ジクロロメタン(8.6ml)を入れ、窒素雰囲気下、0℃にて5分間攪拌した後、トリフルオロ酢酸(8.6ml、116mmol)を滴下した。室温にて4時間攪拌した後、0℃にてトリエチルアミン(16.2ml、116mmol)を滴下した。反応混合物をジクロロメタン(100ml)で希釈し、有機層を5%リン酸2水素ナトリウム水溶液で6回洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮をし、得られた残渣を再度ジクロロメタン(100ml)で希釈し、有機層を5%リン酸二水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮をし、(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸(Fmoc-Asp-pip、化合物SP401)(7.8g、96%)を得た。この化合物はこれ以上の精製操作をせずに次の工程に使用した。
LCMS(ESI) m/z =423(M+H)+
保持時間:0.88分(分析条件SQDAA05)
(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸-2−クロロトリチルレジン(化合物SP402、Fmoc-Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)-pip)の合成
なお、本明細書では、ポリマーやレジンと化合物が結合した場合、ポリマーやレジン部位を○にて表記する場合がある。また、レジン部位の反応点を明確にさせる目的で、○に接続させて反応部位の化学構造を表記させる場合がある。下の構造では、レジンの2−クロロトリチル基がAspの側鎖カルボン酸とエステル結合を介して結合している様子を示している。
フィルター付きの反応容器に2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、Chem−Impexから購入、29.6g、33.4mmol)と脱水ジクロロメタン(300ml)を入れ、室温にて10分間振盪した。窒素圧をかけジクロロメタンを除いた後、(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸(化合物SP401)(7.8g)の脱水ジクロロメタン(334ml)溶液に脱水メタノール(5.4ml)およびジイソプロピルエチルアミン(14ml)を加えた混合液を反応容器に添加し、10分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、脱水ジクロロメタン(334ml)に脱水メタノール(41.6ml)およびジイソプロピルエチルアミン(14ml)を加えた混合液を反応容器に添加し、90分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、ジクロロメタン(300ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、再度ジクロロメタン(300ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、減圧下にレジンを終夜乾燥させ、(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸-2−クロロトリチルレジン(化合物SP402)(34.8g)を得た。
得られた(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸-2−クロロトリチルレジン(化合物SP402)(13.42mg)を反応容器に入れ、DMF(0.2ml)およびピペリジン(0.2ml)を加え、室温にて1時間振盪した。反応容器にDMF(1.6ml)を加えた後、反応混合液(0.4ml)をDMF(9.6ml)で希釈し、その吸光度(301.2nm)を測定した。次の計算式により、(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソ-4-(ピペリジン-1-イル)ブタン酸-2−クロロトリチルレジン(化合物SP402)のローディング率を27.8%、0.267mmol/gと算出した。
(吸光度(301.2nm)x1000x50)/(13.42x7800)=0.267mmol/g
0.267mmol/gx100/(33.4/34.8)=27.8%
1−1−2.Fmoc−Asp−MePhe−Ala−pip(化合物SP454)のAspの側鎖カルボン酸にてレジンと結合させた化合物(化合物SP455)の合成及び、Fmoc−Asp−MePhe−MePhe−Ala−pip(化合物SP458)のAspの側鎖カルボン酸にてレジンと結合させた化合物(化合物SP459)の合成
以下のスキームに従い、(3S)−3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−[メチル−[(2S)−1−オキソ−1−[[(2S)−1−オキソ−1−ピペリジン−1−イルプロパン−2−イル]アミノ]−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−4−オキソブタン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP455,Fmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−Ala−pip)の合成を行った。
(2S)−2−[[(2S)−2−[[(2S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−4−フェニルメトキシブタノイル]−メチルアミノ]−3−フェニルプロパノイル]アミノ]プロパン酸(化合物SP451,Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−Ala−OH)の合成
(2S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(Fmoc−Ala−OH)(4.86g、15.8mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(14.5mL、83mmol)を脱水ジクロロメタン(60ml)に溶解し、2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、渡辺化学から購入、6.5g、10.5mmol)を加え、室温で90分振とうすることで、アミノ酸をレジンに担持させた。反応溶液を除去し、レジンを脱水ジクロロメタン(100ml)で4回洗浄した。レジンに20%ピペリジン N,N−ジメチルホルムアミド溶液(52ml)を加え60分振とうし、Fmoc基の脱保護を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(45ml)で3回洗浄した。続いて(2S)−2−[9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル(メチル)アミノ]−3−フェニルプロパン酸(Fmoc−MePhe−OH)(3.74g、9.3mmol)、3H−(1,2,3)トリアゾロ(4,5−b)ピリジン−3−オール(HOAt)(1.27g、9.3mmol)およびN,N’−メタンジイリデンビス(プロパン−2−アミン)(DIC)(1.44ml、9.3mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(13.5ml)に溶解し、レジンに加えて室温で90分間振とうし、ペプチド化を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(23ml)で3回洗浄後、ジクロロメタン(23ml)でさらに3回洗浄した。続いて前述のレジンに2%2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン N,N−ジメチルホルムアミド溶液(2%DBU in DMF)(40ml)を加え180分振とうし、Fmoc基の脱保護を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(45ml)で3回洗浄した。続いて(2S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−4−フェニルメトキシブタン酸(Fmoc−Asp(OBn)−OH)(5.14g、11.5mmol)、3H−(1,2,3)トリアゾロ(4,5−b)ピリジン−3−オール(HOAt)(1.58g、11.6mmol)およびN,N’−メタンジイリデンビス(プロパン−2−アミン)(DIC)(1.78ml、211.6mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解し、レジンに加えて室温で16時間振とうし、ペプチド化を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(45ml)で3回洗浄後、ジクロロメタン(45ml)でさらに3回洗浄した。続いて4N塩酸酢酸エチル溶液(1.92ml、7.69mmol)をジクロロメタン(100ml)と混ぜた溶液を前述のレジンに加え、1時間振とうを2回行い、アミノ酸のレジンからの切り出しをおこなった。レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、25mL)にて2回洗浄した後、全ての抽出液を混合し減圧下濃縮し、Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−Ala−OH(化合物SP451)(7.11g)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 678.6 (M+H)+
保持時間:0.65分(分析条件SQDAA50)
(3S)−3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−[メチル−[(2S)−1−オキソ−1−[[(2S)−1−オキソ−1−ピペリジン−1−イルプロパン−2−イル]アミノ]−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−4−オキソブタン酸ベンジル(化合物SP453,Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−Ala−pip)の合成
窒素雰囲気下、Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−Ala−OH(化合物SP451)(7.11g、10.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(3.29ml、18.9mmol)およびO−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)(5.19g、13.6mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(40ml)に溶解し、ピペリジン(化合物SP452)(0.99ml、10.0mmol)を加えて室温で10分攪拌した。反応液に150mlの酢酸エチルを加え、有機層を150mlのアンモニウムクロリド飽和水溶液、150mlの純水および150mlの飽和食塩水で洗浄した。有機層を回収し、減圧濃縮し、Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−Ala−pip(化合物SP453)(7.44g、95%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 745.7 (M+H)+
保持時間:0.82分(分析条件SQDAA50)
(3S)−3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−[メチル−[(2S)−1−オキソ−1−[[(2S)−1−オキソ−1−ピペリジン−1−イルプロパン−2−イル]アミノ]−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−4−オキソブタン酸(化合物SP454, Fmoc−Asp−MePhe−Ala−pip)の合成
窒素雰囲気下、Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−Ala−pip(化合物SP453)(7.44g、10.0mmol)、および20%パラジウム−活性炭素(1.49g、2.8mmol)をメタノール(50ml)に加え、反応容器中を水素ガスで置換し、室温で5時間攪拌した。反応液をセライトで濾過後、有機層を減圧濃縮し、Fmoc−Asp−MePhe−Ala−pip(化合物SP454)(5.69g、86%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 655.6 (M+H)+
保持時間:0.61分(分析条件SQDAA50)
(3S)−3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−[メチル−[(2S)−1−オキソ−1−[[(2S)−1−オキソ−1−ピペリジン−1−イルプロパン−2−イル]アミノ]−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−4−オキソブタン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP455, Fmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−Ala−pip)の合成
フィルター付きの反応容器に2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、渡辺化学から購入、10.8g、17.2mmol)と脱水ジクロロメタン(100ml)を入れ、室温にて10分間振盪した。窒素圧をかけジクロロメタンを除いた後、Fmoc−Asp−MePhe−Ala−pip(化合物SP454)(5.64g、8.61mmol)の脱水ジクロロメタン(100ml)溶液に脱水メタノール(1.4ml)およびジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(7.2ml,41.3mmol)を加えた混合液を反応容器に添加し、40分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、ジクロロメタン(100ml)に脱水メタノール(22.4ml)およびジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(7.2ml,41.3mmol)を加えた混合液を反応容器に添加し、2時間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、ジクロロメタン(100ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、再度ジクロロメタン(100ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、減圧下にレジンを終夜乾燥させ、Fmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−Ala−pip(化合物SP455)(14.0g)を得た。
ローディング率:0.317mmol/g、25.7%
以下のスキームに従い、(3S)−3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−[メチル−[(2S)−1−[メチル−[(2S)−1−オキソ−1−[[(2S)−1−オキソ−1−ピペリジン−1−イルプロパン−2−イル]アミノ]−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−4−オキソブタン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP459, Fmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−MePhe−Ala−pip)の合成を行った。
(2S)−2−[[(2S)−2−[[(2S)−2−[[(2S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−4−フェニルメトキシブタノイル]−メチルアミノ]−3−フェニルプロパノイル]−メチルアミノ]−3−フェニルプロパノイル]アミノ]プロパン酸(化合物SP456, Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−MePhe−Ala−OH)の合成
(2S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(Fmoc−Ala−OH)(4.86g、15.8mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(14.5mL、83mmol)を脱水ジクロロメタン(60ml)に溶解し、2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、渡辺化学から購入、6.5g、10.5mmol)を加え、室温で90分振とうすることで、アミノ酸をレジンに担持させた。反応溶液を除去し、レジンをジクロロメタン(100ml)で4回洗浄した。レジンに20%ピペリジン N,N−ジメチルホルムアミド溶液(52ml)を加え60分振とうし、Fmoc基の脱保護を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(45ml)で3回洗浄した。続いて(2S)−2−[9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル(メチル)アミノ]−3−フェニルプロパン酸(Fmoc−MePhe−OH)(3.74g、9.3mmol)、3H−(1,2,3)トリアゾロ(4,5−b)ピリジン−3−オール(HOAt)(1.27g、9.3mmol)およびN,N’−メタンジイリデンビス(プロパン−2−アミン)(DIC)(1.44ml、9.3mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(13.5ml)に溶解し、レジンに加えて室温で90分間振とうし、ペプチド化を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(23ml)で3回洗浄後、ジクロロメタン(23ml)でさらに3回洗浄した。続いてレジンに2%2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン N,N−ジメチルホルムアミド溶液(2% DBU in DMF)(40ml)を加え60分振とうし、Fmoc基の脱保護を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(45ml)で3回洗浄した。続いて(2S)−2−[9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル(メチル)アミノ]−3−フェニルプロパン酸 (Fmoc−MePhe−OH)(4.61g、11.5mmol)、3H−(1,2,3)トリアゾロ(4,5−b)ピリジン−3−オール(HOAt)(1.58g、11.6mmol)およびN,N’−メタンジイリデンビス(プロパン−2−アミン)(DIC)(1.78ml、11.6mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解し、レジンに加えて室温で16時間振とうし、ペプチド化を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(45ml)で3回洗浄後、ジクロロメタン(45ml)でさらに3回洗浄した。続いてレジンに2%2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン N,N−ジメチルホルムアミド溶液(2% DBU in DMF)(40ml)を加え60分振とうし、Fmoc基の脱保護を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(45ml)で3回洗浄した。続いて(2S)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−オキソ−4−フェニルメトキシブタン酸(Fmoc−Asp(OBn)−OH)(5.14g、11.5mmol)、3H−(1,2,3)トリアゾロ(4,5−b)ピリジン−3−オール(HOAt)(1.58g、11.6mmol)およびN,N’−メタンジイリデンビス(プロパン−2−アミン)(DIC)(1.78ml、11.6mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解し、レジンに加えて室温で16時間振とうし、ペプチド化を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(45ml)で3回洗浄後、ジクロロメタン(45ml)でさらに3回洗浄した。続いて4N塩酸酢酸エチル溶液(1.92ml、7.69mmol)をジクロロメタン(100ml)と混ぜた溶液を前述のレジンに加え、1時間振とうを2回行い、アミノ酸のレジンからの切り出しをおこなった。レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、25mL)にて2回洗浄した後、全ての抽出液を混合し減圧下濃縮し、Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−MePhe−Ala−OH(化合物SP456)(7.81g)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 839.6(M+H)+
保持時間:0.71分(分析条件SQDAA50)
(3S)−3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−[メチル−[(2S)−1−[メチル−[(2S)−1−オキソ−1−[[(2S)−1−オキソ−1−ピペリジン−1−イルプロパン−2−イル]アミノ]−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−4−オキソブタン酸ベンジル(化合物SP457, Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−MePhe−Ala−pip)の合成
窒素雰囲気下、Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−MePhe−Ala−OH(化合物SP456)(7.81g、9.70mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(3.04ml、17.5mmol)およびO−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)(4.80g、12.6mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(40ml)に溶解し、ピペリジン(化合物SP452)(0.94ml、9.51mmol)を加えて室温で15分攪拌した。反応液に150mlの酢酸エチルを加え、有機層を150mlのアンモニウムクロリド飽和水溶液、150mlの純水および150mlの飽和食塩水で洗浄した。有機層を回収し、減圧濃縮し、Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−MePhe−Ala−pip(化合物SP457)(8.06g、92%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 906.7 (M+H)+
保持時間:0.87分(分析条件SQDAA50)
(3S)−3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−[メチル−[(2S)−1−[メチル−[(2S)−1−オキソ−1−[[(2S)−1−オキソ−1−ピペリジン−1−イルプロパン−2−イル]アミノ]−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−4−オキソブタン酸(化合物SP458, Fmoc−Asp−MePhe−MePhe−Ala−pip)の合成
窒素雰囲気下、Fmoc−Asp(OBn)−MePhe−MePhe−Ala−pip(化合物SP457)(8.06g、8.90mmol)、および20%パラジウム−活性炭素(1.61g、3.0mmol)をメタノール(50ml)に加え、反応容器中を水素ガスで置換し、室温で5時間攪拌した。反応液をセライトで濾過後、有機層を減圧濃縮し、Fmoc−Asp−MePhe−MePhe−Ala−pip(化合物SP458)(4.79g、66%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 816.7 (M+H)+
保持時間:0.69分(分析条件SQDAA50)
(3S)−3−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−4−[メチル−[(2S)−1−[メチル−[(2S)−1−オキソ−1−[[(2S)−1−オキソ−1−ピペリジン−1−イルプロパン−2−イル]アミノ]−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ]−4−オキソブタン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP459, Fmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−MePhe−Ala−pip)の合成
フィルター付きの反応容器に2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、渡辺化学から購入、6.69g、11.7mmol)と脱水ジクロロメタン(50ml)を入れ、室温にて10分間振盪した。窒素圧をかけジクロロメタンを除いた後、Fmoc−Asp−MePhe−MePhe−Ala−pip(化合物SP458)(4.79g、5.87mmol)の脱水ジクロロメタン(100ml)溶液に脱水メタノール(0.95ml)およびジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(4.91ml、28.2mmol)を加えた混合液を反応容器に添加し、40分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、脱水ジクロロメタン(100ml)に脱水メタノール(15.2ml)およびジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(4.9ml, 28.2mmol)を加えた混合液を反応容器に添加し、2時間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、ジクロロメタン(100ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、再度ジクロロメタン(100ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、減圧下にレジンを終夜乾燥させ、Fmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−MePhe−Ala−pip(化合物SP459)(8.66g)を得た。
ローディング率:0.285mmol/g、21.0%
1−1−3.Fmoc-Aspの側鎖カルボン酸にてレジンと結合させた化合物誘導体として主鎖カルボン酸部位を除去した化合物(化合物SP405、L-3-ABUのカルボン酸部位とレジンとが結合した化合物)の合成
(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ブタン酸−2−クロロトリチルレジン(Fmoc−L−3−ABU−(O−Trt−(2−Cl)−Resin、化合物SP405)の合成
フィルター付きの反応容器に2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、渡辺化学から購入、3.84g、6.15mmol)と脱水ジクロロメタン(61ml)を入れ、室温にて10分間振盪した。窒素圧をかけジクロロメタンを除いた後、(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ブタン酸(化合物SP406、Fmoc−L−3−ABU−OH)(1.00g)の脱水ジクロロメタン(61ml)溶液に脱水メタノール(980μl)およびジイソプロピルエチルアミン(2.52ml)を加えた混合液を反応容器に添加し、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、脱水ジクロロメタン(64ml)に脱水メタノール(8.0ml)およびジイソプロピルエチルアミン(2.5ml)を加えた混合液を反応容器に添加し、2時間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、ジクロロメタン(61ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、再度ジクロロメタン(61ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、減圧下にレジンを終夜乾燥させ、(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ブタン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP405)(4.16g)を得た。ローディング率:0.470mmol/g、31.8%
1−1−4.Fmoc-Aspの側鎖カルボン酸にてレジンと結合させた化合物誘導体として主鎖カルボン酸部位を除去した化合物(3−CF3−bAlaのカルボン酸部位とレジンとが結合した化合物、化合物SP407)の合成
(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸−2−クロロトリチルレジン(Fmoc−3−CF3−bAla−(O−Trt−(2−Cl)−Resin、化合物SP407)の合成
フィルター付きの反応容器に2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、渡辺化学から購入、1.65g、2.64mmol)と脱水ジクロロメタン(26ml)を入れ、室温にて10分間振盪した。窒素圧をかけジクロロメタンを除いた後、(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸(化合物SP408、Fmoc―CF3−bAla−OH)(500mg)の脱水ジクロロメタン(26ml)溶液に脱水メタノール(428μl)およびジイソプロピルエチルアミン(1.03ml)を加えた混合液を反応容器に添加し、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、脱水ジクロロメタン(25ml)に脱水メタノール(3.0ml)およびジイソプロピルエチルアミン(1.0ml)を加えた混合液を反応容器に添加し、2時間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、ジクロロメタン(25ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、再度ジクロロメタン(25ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、減圧下にレジンを終夜乾燥させ、(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP407)(1.76g)を得た。
ローディング率:0.234mmol/g、15.6%
1−2.アミノ酸誘導体の合成
ドラックライクネスを評価するための多くのアミノ酸誘導体は購入可能もしくは文献既知であり、定法により合成することができる。以下には文献未知のアミノ酸誘導体の合成法を記載した。
(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-(1-トリチルテトラゾール-5-イル)プロパン酸と(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-(2-トリチルテトラゾール-5-イル)プロパン酸(化合物SP409、Fmoc−Ala(5-Tet(Trt))−OH)の合成
以下のスキームに従い、合成を行った
上のスキームで、トリチル基はテトラゾール環上の4つの窒素原子のいずれかと結合していることを意味する。
(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-テトラゾール-5-イル)プロパン酸と(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-(2H-テトラゾール-5-イル)プロパン酸(化合物SP410、Fmoc-Ala(5-Tet)-OH)(900mg、2.37mmol)をテトラヒドロフラン(2.7ml)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.36mL、2.61mmol)を加え5分攪拌した。上述の反応溶液にトリチルクロリド(628mg、2.25mmol)をテトラヒドロフラン(0.6ml)に溶解した溶液を加え90分攪拌した。反応液を濾過し、回収した反応液を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)で精製し、(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-(1-トリチルテトラゾール-5-イル)プロパン酸と(2S)-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-3-(2-トリチルテトラゾール-5-イル)プロパン酸(化合物SP409、Fmoc-Ala(5-Tet(Trt))-OH)(644mg、44%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 620.3 (M-H)-
保持時間:1.06分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(エチル)アミノ)−3−フェニルプロパン酸(化合物SP443、 Fmoc−EtPhe−OH)の合成
(S)−2−(エチルアミノ)−3−フェニルプロパン酸(化合物SP442)の合成を、文献、Tetrahedron Asymmetry、19(8)、970−975;2008、Stodulski, Maciej and Mlynarski, Jacek、に従って合成した。
(S)−2−(エチルアミノ)−3−フェニルプロパン酸(化合物SP442)(4.00g、20.7mmol)を1,4−ジオキサン(100ml)と水(100ml)の混合液に溶解させ、炭酸カリウム(8.69g、62.9mmol)および炭酸 (2,5−ジオキソピロリジン−1−イル) (9H−フルオレン−9−イル)メチル(6.98g、20.7mol)を加え、室温で8時間攪拌した。水層を硫酸水素カリウム水溶液でpH4に調整し、減圧下で1,4−ジオキサンを留去した。得られた水溶液を酢酸エチルにて抽出し、得られた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後に減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)で精製し、(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−エトキシピロリジン−2−カルボン酸(化合物SP443)(3.2g、37%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 416 (M+H)+
保持時間:1.97分(分析条件SMDmethod11)
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-(メチルアミノ)-5-オキソペンタン酸(Fmoc−Gln(Me)−OH、化合物SP446)及び(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-(ジメチルアミノ)-5-オキソペンタン酸(Fmoc−Gln(Me2)−OH、化合物SP448)の合成
以下のスキームに従って合成した。
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-(メチルアミノ)-5-オキソペンタン酸 tert-ブチル(化合物SP445)の合成
(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタン酸(化合物SP444)(7.00g、17.0mmol)をジメチルホルムアミド(50ml)に溶解し、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)(10.3g、19.8mmol)と、メチルアミン(42mmol)を2mol/lのテトラヒドロフラン溶液として加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を重曹水、水で順に洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒留去することで、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルアミノ)−5−オキソペンタン酸 tert−ブチル(化合物SP445)(13.3g)を粗生成物として得た。
LCMS(ESI) m/z = 439 (M+H)+
保持時間:1.05分(分析条件SQDAA05)
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-(メチルアミノ)-5-オキソペンタン酸(化合物SP446)の合成
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルアミノ)−5−オキソペンタン酸 tert−ブチル(化合物SP445)(13.3g、粗生成物)をジクロロメタン(140ml)とトリフルオロ酢酸(140ml)の混合液に溶解し、室温にて2時間攪拌した。減圧下溶媒留去し、得られた固体をヘキサンで洗浄後、真空乾燥して(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルアミノ)−5−オキソペンタン酸(化合物SP446)(5.84g、93%、2工程)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 383 (M+H)+
保持時間:2.07分(分析条件ZQAA05)
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-(ジメチルアミノ)-5-オキソペンタン酸 tert-ブチル(化合物SP447)の合成
(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタン酸(化合物SP444)(10.0g、23.5mmol)をジメチルホルムアミド(70ml)に溶解し、((ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロリン酸塩(BOP)(12.5g、28.3mmol)と、ジメチルアミン(58mmol)を2mol/lのテトラヒドロフラン溶液として加え、室温で30分攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒留去することで、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−5−(ジメチルアミノ)−5−オキソペンタン酸 tert−ブチル(化合物SP447)(15.2g)を粗生成物として得た。
LCMS(ESI) m/z = 453 (M+H)+
保持時間:3.00分(分析条件SQDAA05)
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-(ジメチルアミノ)-5-オキソペンタン酸(化合物SP448)の合成
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−5−(ジメチルアミノ)−5−オキソペンタン酸 tert−ブチル(化合物SP447(15.2g、粗生成物)をジクロロメタン(200ml)とトリフルオロ酢酸(200ml)の混合液に溶解し、室温にて2.5時間攪拌した。減圧下溶媒留去し、得られた固体をヘキサンとtert−ブチルメチルエーテルの混合溶液で洗浄後、真空乾燥して(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−5−(ジメチルアミノ)−5−オキソペンタン酸(化合物SP448)(9.12g、85%、2工程)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 397 (M+H)+
保持時間:2.18分(分析条件ZQAA05)
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸(Fmoc−Tyr(3−F)−OH、化合物SP450)の合成
(S)−2−アミノ−3−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸(H-Tyr(3-F)-OH、SP449)(7.2g、36.2mmol)を10%炭酸ナトリウム水溶液(250ml)に溶解し、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)−スクシンイミド(12.2g、36.2mmol)を加えて室温で1時間半攪拌した。反応液に水(120ml)を加えた後、200mlのジエチルエーテルで2回洗浄し、100mlのジエチルエーテルで1回洗浄した。水層に6NのHCl水溶液を加えて酸性(pH=2)とした後、250ml酢酸エチルで2回、200ml酢酸エチルで1回抽出した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮して、標題化合物(SP450、15.3g、100%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =420.3(M−H)−
保持時間:0.39分 (分析条件 SQDAA50)
1−3.アミド環化ドラックライクペプチドの合成
1−3−1. C末端のAspが交差ユニットとして機能し、すなわち主鎖カルボン酸がピペリジンなどによりアミド化され、側鎖カルボン酸でN末端の主鎖アミン(三角ユニット)とアミド環化したアスパラギン酸を有するペプチド群の合成例
C末端がアミド化(本例ではピペリジン化)されたアスパラギン酸側鎖カルボン酸とN末端の主鎖アミノ基がアミド結合により環化されたペプチド群の合成例を述べる。本例を1つの代表例として述べるが、ペプチド化学合成については、本明細書の異なる場所に記載されているどの手法を用いてもよい。以下のスキームG1にその合成の一例を示した。
化合物SP402(化合物SP401(Fmoc-Asp-pip)を担持させた2−クロロトリチルレジン)(200mg)を用い、Fmocアミノ酸としてFmoc−MePhe−OH、Fmoc−EtPhe−OH(化合物SP443)、Fmoc−MeAla−OH、Fmoc−MeLeu−OH、Fmoc−D−MeAla−OH、Fmoc−MeGly−OH、Fmoc−MeVal−OH、Fmoc−MeIle−OH、Fmoc−g−MeAbu−OH、Fmoc−b−MeAla−OH、Fmoc−nPrGly−OH(化合物SP815)、Fmoc−MeAla(4−Thz)−OH(化合物SP811)、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Aze(2)−OH、Fmoc−Pic(2)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Phg−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−D−Val−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(Trt)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−D−Leu−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−D−Ala−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Lys(Me2)−OH、Fmoc−Arg(Me2)−OH、Fmoc−Gln(Me2)−OH(化合物SP448)、Fmoc−Gln(Me)−OH(化合物SP446)、Fmoc−Gln−OH、Fmoc−Algly−OH、Fmoc−Ala(4−Thz)−OH、Fmoc−Ala(CN)−OH、Fmoc−Hph−OH、Fmoc−Phe3−OH、Fmoc−Ala(3Pyr)−OH、Fmoc−Tyr(3−F)−OH(化合物SP450)などを用いてペプチドの伸長を行った(アミノ酸の略語は表11−2に記載)。既に実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従い、ペプチドの伸長を行った。ペプチドの伸長後、N末端のFmoc基の除去をペプチド合成機上にて行った後、レジンをDMFにて洗浄した。レジンに4N HClの1,4−ジオキサン溶液/ジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール/トリイソプロピルシラン(=1/60/30/5.7,v/v、4mL)を加えて2時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内の溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、1mL)にて2回洗浄した。全ての抽出液を混合し、DIPEA(43.2μL、0.248mmol)にて中和した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(8mL)に溶解した。O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(0.24mmol)のDMSO溶液 (0.24mL), DIPEA (50.2μL、0.29mmol)を加え、室温にて2時間振とうした。減圧下、溶媒を留去した後、DMSOに溶解し、preparative−HPLCで精製し、表題のアミド環化ドラックライクペプチドの合成を行った。なお、DP−1〜39、DP−47〜122、DP−125〜176、DP−215〜277、DP−317〜343、DP−408〜442、DP−465〜482、DP−485〜489、DP−494、DP−511〜564、DP−587〜588、DP−590〜591、DP−593〜594、DP−597〜630、DP−632〜638、DP−673〜675、DP−677〜751が本合成法に準拠した方法で合成可能である。各化合物のマススペクトルの値と液体クロマトグラフィーの保持時間は表11−3−2に記載した。

なお、記載のLC-Mass条件の詳細を表11−4に記載した
1−3−2.直鎖部1を有するペプチドの合成例その1
固定された直鎖部(MePhe−Ala−pip及び、MePhe−MePhe−Ala−pip)を有するペプチドの合成
C末端がアミド化(本例ではピペリジン化)され、C末端以外に配置されたアスパラギン酸側鎖カルボン酸とN末端アミノ基がアミド結合により環化された合成例を述べる。本例を1つの代表例として述べるが、ペプチド化学合成については、本明細書の異なる場所(例えば142、512(実施例15の2−2)、553(実施例18)など)の各所に記載されているどの手法を用いてもよい。以下のスキームXにその合成の一例を示した。
化合物SP455と同様の手法にて合成したFmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−Ala−pip(200mg)を用い、Fmocアミノ酸としてFmoc−MePhe−OH、Fmoc−EtPhe−OH(化合物SP443)、Fmoc−MeAla−OH、Fmoc−MeLeu−OH、Fmoc−D−MeAla−OH、Fmoc−MeGly−OH、Fmoc−MeVal−OH、Fmoc−MeIle−OH、Fmoc−g−MeAbu−OH、Fmoc−b−MeAla−OH、Fmoc−nPrGly−OH(化合物SP815)、Fmoc−MeAla(4−Thz)−OH(化合物SP811)、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Aze(2)−OH、Fmoc−Pic(2)−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Phg−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−D−Val−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(Trt)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−D−Leu−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−D−Ala−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Lys(Me2)−OH、Fmoc−Arg(Me2)−OH、Fmoc−Gln(Me2)−OH(化合物SP448)、Fmoc−Gln(Me)−OH(化合物SP446)、Fmoc−Gln−OH、Fmoc−AlGly−OH、Fmoc−Ala(4−Thz)−OH、Fmoc−Ala(CN)−OH、Fmoc−Hph−OH、Fmoc−Phe3−OH、Fmoc−Ala(3Pyr)−OH、Fmoc−Tyr(3−F)−OH(化合物SP450)、Fmoc−Glu(OAl)−OH, Fmoc−His(Mmt)−OH, Fmoc−Ala(5−Tet(Trt))−OH(化合物SP409)などを用いてペプチドの伸長を行った(アミノ酸の略語は表11−2に記載)。既に実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従い、ペプチドの伸長を行った。例えば、化合物DP−177の合成の場合、ペプチドの伸長後、N末端のFmoc基の除去をペプチド合成機上にて行った後、レジンをDMFにて洗浄した。レジンに4N HClの1,4−ジオキサン溶液/ジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール/トリイソプロピルシラン(=1/60/30/5.7,v/v、4mL)を加えて2時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内の溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、1mL)にて2回洗浄した。全ての抽出液を混合し、DIPEA(50.0μL、0.286mmol)にて中和した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(8mL)に溶解した。O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(68mg、0.18mmol)のDMSO溶液(0.20mL),DIPEA(37μL、0.21mmol)を加え、室温にて2時間振とうした。減圧下、溶媒を留去した後、DMSOに溶解し、preparative−HPLCで精製し、DP−177(4.27mg、5%)を得た。上述と同様の方法、もしくはFmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−Ala−pipの代わりに化合物SP459と同様に調製したFmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−MePhe−Ala−pipを用い、表題のアミド環化ドラックライクペプチドの合成を行った。なお、DP−123〜124、DP−177〜214、DP−278〜316、DP−344〜407、DP−443〜464、DP−483〜484、DP−490〜493、DP−495〜510、DP−587〜588、DP−590〜591、DP−593〜594、DP−597〜613、DP−631が本合成法に準拠した方法で合成可能である。各化合物のマススペクトルの値と液体クロマトグラフィーの保持時間は表11−3−2に記載した。
1−3−3. 直鎖部1を有するペプチドの合成例その2
C末端がアミド化(本例ではピペリジン化)され、C末端以外に配置されたアスパラギン酸側鎖カルボン酸とN末端アミノ基がアミド結合により環化された合成例を述べる。本例を1つの代表例として述べるが、ペプチド化学合成については、本明細書の異なる場所の各所に記載されているどの手法を用いてもよい。以下のスキームG2にその合成の一例を示した。
N末端にFmocアミノ酸の代わりにBocアミノ酸を用い、Fmoc−Ile−OHもしくはFmoc−Phe−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Ala−OHを坦持させた2−クロロトリチルレジン(100mg)(アミノ酸のレジンへの担持方法は前述の方法に従った)を用い、アスパラギン酸のソースとしてFmoc−Asp(OtBu)−OHを用い、既に実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従い、ペプチドの伸長を行った。ペプチドの伸長後、レジンにジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール/トリイソプロピルシラン(=1/1/0.2,v/v、2mL)を加えて2時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内の溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、1mL)にて2回洗浄した後、全ての抽出液を混合し減圧下濃縮した。得られた残渣をO−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(0.12mmol)、DIPEA(0.145mmol)、ピペリジン(0.145mmol)にてC末端のカルボン酸をピペリジンアミド化した後、減圧下、溶媒を留去した。得られた残渣をTFA/トリイソプロピルシラン/ジクロロメタン(3/1/6、v/v、0.5mL)で処理し、N末端のBoc基、o−トリチル基およびアスパラギン酸側鎖カルボン酸のtert−ブチル基の除去を同時に行った。反応完結後、氷冷したDMF(3mL)を加えた後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をジクロロメタン(3mL)に溶かした。さらに、水(0.5mL)を加えた後、水(0.5mL)で湿らせた珪藻土カラム(1mL、Chem Elut、アジレントテクノロジー社製)に溶液を通し、ジクロロメタン(3mL)で2回抽出した。全ての抽出液を混合し、溶液をO−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(0.12mmol)、DIPEA(0.145mmol)にて処理することによりペプチドの環化を行った。減圧下、溶媒を留去した後、DMSOに溶解し、preparative−HPLCで精製し、直鎖部1を有するアミド環化ドラックライクペプチドの合成を行った。なお、DP−40〜46、DP−565〜584、DP−658〜672、DP−910〜956、DP−960〜963、DP−965が本合成法に準拠した方法で合成可能である。各化合物のマススペクトルの値と液体クロマトグラフィーの保持時間は表11−3−2に記載した。

1−3−4. 直鎖部1および2を有するペプチドの合成
C末端以外に配置されたアスパラギン酸側鎖カルボン酸がアミド化され(本例ではピペリジンであるが直鎖部1を構成するペプチドが結合していてもよい)、N末端以外に配置されたアミノ基側鎖を有するアミノ酸の側鎖アミノ基とC末端に配置されたアミノ酸のカルボン酸とで環化したペプチドの化学合成例を述べる。ここでは直鎖部1および2を有するペプチドの例として、交差ユニット(○ユニット)としてAsp−pip、アミノ基ソースとして保護基のついたアミノ基側鎖を有するアミノ酸、N末端にカルボン酸類縁体を用いたケースを代表例として示した。本例でN末端に用いた
HOGlyはヒドロキシル基を保護した化合物を用いても良い。ペプチド化学合成については、本明細書の異なる場所の各所に記載されているどの手法を用いてもよい。以下のスキームG3にその合成の一例を示した。
本例を1つの代表例として述べるが、合成法は本法に拘らず、この応用として様々な方法も可能である。例えば、非特許文献(Tetrahedron Lett.1993,34,4709−4712)などのように、側鎖カルボン酸の保護基としてアリルエステル、環化部位アミノ基の保護基として1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)エチル基(Dde)を用いてペプチドの伸長を行った後、Dde基を脱保護したアミノ基にオリゴペプチドを縮合し、アリルエステルの脱保護を行ったカルボン酸とレジン上で環化を行うことでも合成可能である。
DP−964
HOGly−Pro−MeLeu−*Lys−MeAla−Leu−MeLeu−MeLeu−Asp−piperidine−MeLeu−MePhe(3−Cl)−Ile*
(2つの*部位にて環化)
N末端にFmocアミノ酸の代わりにHOGlyを用い、アスパラギン酸のソースとしてFmoc-Asp-Piperidineを用い、Fmoc−Ile−OHを担持させた2−クロロトリチルレジン(100mg)を用い、Fmocアミノ酸としてFmoc−MePhe(3−Cl)−OH(化合物SP812)、Fmoc−MeAla−OH、Fmoc−MeLeu−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、などを用いてペプチドの伸長を行った(アミノ酸の略語は表11−2に記載)。既に実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従い、ペプチドの伸長を行った。4N HClの1,4−ジオキサン溶液/ジクロロメタン/トリフルオロエタノール/トリイソプロピルシラン (1/40/20/4、v/v、2mL)をレジンに加えて2時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内の溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、DMF(1mL)を入れたチューブに反応液を加えた。レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、1mL)にて2回洗浄した後、逆相カラムクロマトグラフィー精製を行った。得られた生成物をジクロロメタン(8mL)に溶解した後、O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(0.129mmol)のDMSO溶液 (0.129mL)、DIPEA (30.0μL、0.155mmol)を加え、室温にて1時間振とうした。減圧下、溶媒を留去した後、DMSOに溶解し、逆相カラムクロマトグラフィー(Wakosil 25C18、0.1%ギ酸水溶液/0,1%ギ酸アセトニトリル)で精製し、標題化合物DP−964(1.6mg、1.6%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1479(M−H)−
保持時間:0.85分 (分析条件 SQDAA50)
1−3−5.ペプチド環化後、弱酸を用いた脱保護を必要とするアミノ酸(本件ではFmoc−Ala(5−Tet(Trt))−OH及び、Fmoc−His(Mmt)−OH)を有するペプチドの合成
化合物SP402と同様の手法にて合成したFmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−pip(100mg)を用い、Fmocアミノ酸としてFmoc−MePhe−OH、Fmoc−MeAla−OH、Fmoc−MeLeu−OH、Fmoc−D−MeAla−OH、Fmoc−MeGly−OH、Fmoc−MeVal−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−D−Val−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(Trt)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−D−Leu−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−D−Ala−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−His(Mmt)−OH, Fmoc−Ala(5−Tet(Trt))−OH(化合物409)などを用いてペプチドの伸長を行った(アミノ酸の略語は表11−2に記載)。既に実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従い、ペプチドの伸長を行った。例えば、化合物DP−908の合成の場合、N末端のFmoc基を脱保護し、レジンにジクロロメタン/トリフルオロエタノール(=2/1、v/v、2ml)を加えて2時間振盪させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除いた。さらにレジンにジクロロメタン/トリフルオロエタノール(=2/1、v/v、1ml)を加えて15分間振盪させ、上記の溶液とあわせて溶媒留去した。得られた残渣をDCM(8ml)に溶解し、DIPEA(17μL、0.096mmol)を加えた。これに1M−O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(30mg,0.08mmol)in DMSO(250μL)を加えてN末アミンとAsp側鎖カルボン酸との環化反応を行った。反応終了後、溶媒留去した。得られた残渣をトリフルオロエタノール(1.0ml)に溶解した。これにTFA/トリイソプロピルシラン/DCM(1/5/94、v/v/v、1.0ml)を加えて10分間攪拌し、保護基の脱保護を行った。反応終了後、DIPEA(50μL,0.286mmol)を加えてTFAを中和し、溶媒留去した。得られた粗生成物はジメチルスルホキシドに溶解し、得られたペプチド溶液は高速逆相クロマトグラフィー(HPLC)で精製し、溶媒留去した。得られた残渣をトリフルオロエタノール(1.5ml)に溶解し、水(0.5ml)とヘキサン(2ml)を加えて攪拌し、ヘキサン層を除去した。もう一度ヘキサン(2ml)を加えて攪拌し、ヘキサン層を除去した後に溶媒留去し,化合物DP−908(1.92mg,4.8%)を得た。上述と同様の方法、もしくはFmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−pipの代わりに化合物SP455と同様に調製したFmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−Ala−pipを用い、表題のアミド環化ドラックライクペプチドの合成を行った。DP−585〜586、DP−592、DP−676、DP−904〜909が本合成法に準拠した方法で合成可能である。各化合物のマススペクトルの値と液体クロマトグラフィーの保持時間は表11−3−2に記載した。
1−3−6.ペプチド環化後、還元反応を用いた脱保護を必要とするアミノ酸(本件ではFmoc−Glu(OAl)−OH)を有するペプチドの合成
化合物SP455と同様の手法にて合成したFmoc−Asp(O−Trt(2−Cl)−Resin)−MePhe−Ala−pip(100mg)を用い、Fmocアミノ酸としてFmoc−MePhe−OH、Fmoc−MeAla−OH、Fmoc−MeLeu−OH、Fmoc−MeGly−OH、Fmoc−MeVal−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−D−Val−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(Trt)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−D−Ala−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Glu(OAl)−OHなどを用いてペプチドの伸長を行った(アミノ酸の略語は表11−2に記載)。既に実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従い、ペプチドの伸長を行った。例えば、化合物DP−595の合成の場合、N末端のFmoc基を脱保護し、レジンにジクロロメタン/トリフルオロエタノール(=2/1、v/v、2ml)を加えて2時間振盪させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除いた。さらにレジンにジクロロメタン/トリフルオロエタノール(=2/1、v/v、1ml)を加えて15分間振盪させ、上記の溶液とあわせて溶媒留去した。得られた残渣をDCM(8ml)に溶解し、DIPEA(20μL、0.115mmol)を加えた。これに1M O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(37mg,0.096mmol)in DMSO(200μL)を加えてN末端アミンとAsp側鎖カルボン酸との環化反応を行った。反応終了後、溶媒留去した。得られた粗生成物をDMFに溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)(7mg、0.006mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を加えた。続いてフェニルシラン(7.4ul, 0.06mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を濾過後、有機層を減圧濃縮し、得られた粗生成物をDMSOに溶解し、得られたペプチド溶液は高速逆相クロマトグラフィー(HPLC)で精製後、溶媒を留去し、化合物DP−595(14.7mg,22%)を得た。上述と同様の方法でアミド環化ドラックライクペプチドDP−589、DP−596の合成を行った。各化合物のマススペクトルの値と液体クロマトグラフィーの保持時間は表11−3−2に記載した。
1−3−7.C末端アミノ酸が有する主鎖カルボン酸部位を除去し、アルキル基などに置き換えたペプチド誘導体の合成
C末端にベータアミノ酸誘導体を用い、C末端のベータアミノ酸誘導体とN末端アミノ基がアミド結合により環化された、直鎖部を有さない化合物の合成例を述べる。ペプチド化学合成については、本明細書の異なる場所の各所に記載されているどの手法を用いてもよい。
2−クロロトリチルレジンと結合させた化合物(化合物SP405、100mg)を用い、Fmocアミノ酸としてFmoc−MePhe−OH、Fmoc−MePhe(3−Cl)−OH、Fmoc−MeAla−OH、Fmoc−b−MeAla−OH、Fmoc−g−MeAbu−OH、Fmoc−MeLeu−OH、Fmoc−MeIle−OH、Fmoc−MeVal−OH、Fmoc−D−MeAla−OH、Fmoc−MeGly−OH、Fmoc−MeSer(DMT)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Phe(4−CF3)−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−D−Val−OH、Fmoc−Ser(Trt)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(Trt)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−D−Leu−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−AOC(2)−OH、Fmoc−Abu−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−D−Ala−OH、Fmoc−Gly−OHなどを用いて、既に実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従い、ペプチドの伸長を行った(アミノ酸の略語は表11−2に記載)。ペプチドの伸長後、例えば化合物DP−639の場合、N末端のFmoc基を脱保護し、レジンにジクロロメタン/トリフルオロエタノール(=2/1、v/v、2ml)を加えて2時間振盪させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除いた。さらにレジンにジクロロメタン/トリフルオロエタノール(=2/1、v/v、1ml)を加えて15分間振盪させ、上記の溶液とあわせて溶媒留去した。得られた残渣をDCM(4ml)に溶解し、DIPEA(31.6μl、3.6eq.)を加えた。これに1M O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU) in DMSO(155μl、3.0eq.)を加えてN末端の主鎖アミンとC末端のカルボン酸との環化反応を行った。反応終了後、溶媒留去した。得られた残渣をトリフルオロエタノール(1.1ml)に溶解し、トリイソプロピルシラン(5.0eq.)を加えた。これにTFA/DCM(1/99、v/v、1.1ml)を加えて10分間攪拌し、保護基の脱保護を行った。反応終了後、DIPEA(43.9μl、5.0eq.)を加えてTFAを中和し、溶媒留去した。得られた粗生成物はジメチルスルホキシドに溶解し、得られたペプチド溶液は高速逆相クロマトグラフィー(HPLC)で精製し、溶媒留去した。得られた残渣をトリフルオロエタノール(1.5ml)に溶解し、水(0.5ml)とヘキサン(2ml)を加えて攪拌し、ヘキサン層を除去した。もう一度ヘキサン(2ml)を加えて攪拌し、ヘキサン層を除去した後に溶媒留去することでDP−639を得た。DP−639と同様の手法、もしくはFmoc−L−3−ABU−(O−Trt−(2−Cl)−Resin((S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ブタン酸−2−クロロトリチルレジン)の代わりにFmoc−3−CF3−bAla−(O−Trt−(2−Cl)−Resin((S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4,4,4−トリフルオロブタン酸−2−クロロトリチルレジン、化合物SP407)を用いて、DP−640〜DP−657、DP−752〜DP829を得た。各化合物のマススペクトルの値と液体クロマトグラフィーの保持時間は表11−3−2に記載した。
2.C−C環化ペプチドの合成
2−1.C−C環化ペプチドを合成するためのN末端カルボン酸誘導体の合成
2−1−1. ペンタ−4−イン酸メチル
ペンタ−4−イン酸(5.0g 、51.0mmol)をMeOH(20ml)に溶解し、氷冷下でトリメチルシリルジアゾメタンのジエチルエーテル溶液(2.0M、50ml、100mmol)を加えた。室温で30分攪拌した後、反応液を減圧濃縮して標題化合物(5.7g、100%)を得た。
1H−NMR(Varian 400−MR,400 MHz, CDCl3) δ ppm 3.72 (3H, s),2.50−2.60 (4H, m), 1.99 (1H, m)
2−1−2. (E)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ペンタ−4−エン酸 メチル
ペンタ−4−イン酸メチル(5.0g、44.6mmol)と4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(7.42g、58.0mmol)を混合し、ジルコノセン クロリド ヒドリド(1.18g、4.46mmol)およびトリエチルアミン(0.622ml、4.46mmol)を加えて65度で終夜攪拌した。放冷後、反応液をジエチルエーテルで希釈し、析出した白色固体をセライトろ過で除去した。ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、標題化合物(5.36g、50.1%)を得た。
1H−NMR(Varian 400−MR,400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.02 (1H, dt,18, 5.6Hz), 5.48 (1H, d, 18Hz), 3.68 (3H, s), 2.40−2.53 (4H, m), 1.28 (12H, s)
2−1−3. (E)−5−ボロノペンタ−4−エン酸
(E)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ペンタ−4−エン酸 メチル(2.0g、8.33mmol)をMeOH(100ml)に溶解し、0.8M水酸化カリウム水溶液(52.1ml、41.6mmol)を加えて室温で終夜攪拌した。減圧濃縮によりMeOHを除去した後、pHが3になるまで3Mの塩酸を加えた。この水溶液を、tert−ブチル−メチルエーテルで洗浄した後に減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(10mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール)で精製し、減圧濃縮して得られた固体を再度tert−ブチル−メチルエーテルで洗浄して、標題化合物(674.6mg、56.3%)を得た。
1H−NMR(Varian 400−MR,400 MHz, D2O) δ ppm 6.59 (1H, m), 5.51 (1H, d, 18Hz), 2.44−2.51 (4H, m)
2−2.C−C環化したドラックライクペプチドの合成
2−2−1. *Phe−MeLeu−MeVal−MeGly−Thr−MeAla−Ala−MeLeu−Leu−Phe*−piperidine(2つの*の間でC−C結合されている)(化合物DCC−1)の合成
既に実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従い、N末端にはFmocアミノ酸の代わりに、(E)−5−ボロノペンタ−4−エン酸を用いて合成した((2S,5S,8S,11S,14S,17S,23S,26S,29S,E)−29−ベンジル−17−((R)−1−ヒドロキシエチル)−2−(3−ヨードベンジル)−5,8,26−トリイソブチル−23−イソプロピル−9,11,14,15,21,24,27−ヘプタメチル−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−ウンデカオキソ−1−(ピペリジン−1−イル)−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカアザペンタトリアコンタ−34−エン−35−イル)ボロン酸(Phe−MeLeu−MeVal−MeGly−Thr−MeAla−Ala−MeLeu−Leu−Phe(3−I)−piperidine、上記反応式の原料化合物、0.02g、0.0405mmol)をDMF(7.0ml)に溶解し、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(10.0mg、0.012mmol)、トリエチルアミン(0.282ml、2.025mmol)を加えて、80度で2時間半攪拌した。反応液を放冷、減圧濃縮した後、DMSOに溶解し、preparative−HPLCで精製し、標題化合物DCC−1(3.32mg、6.5%)を得た。
LCMS:m/z 1268.8(M+H)+
保持時間:0.75分 (分析条件 SQDAA50)
2−2−1. *Phe−
Me
Leu−
Me
Val−
Me
Gly−Thr−
Me
Ala−Ala−
Me
Leu−Leu−Phe*−piperidine(2つの*の間でC−C結合されている)(化合物DCC-2)の合成
上記DCC−1を合成する反応の反応副生成物として、標題化合物DCC−2(2.43mg、4.8%)を得た。
LCMS:m/z 1268.8(M+H)+
保持時間:0.78分 (分析条件 SQDAA50)
2−3.C−C結合化合物ドラックライクネス評価
C−C結合環化ペプチド合成の別法も述べる。C−C結合環化を利用したDisplay libraryでは、例えばN末端側の三角ユニット部位に炭素−炭素二重結合、C末端側の交差ユニットのアミノ酸の側鎖にヨードフェニル基を有するペプチドを翻訳合成した後(スキームC−2)、Pdを使用したHeck反応によりC−C結合環化生成物を得ることができる。
上記手法で得られるC−C結合環化生成物のドラックライクネスを評価するために、C−C結合環化ペプチドの合成を行った。以下のスキームHにその合成の一例を示した。環化ペプチドの合成に際して、Pdによる環化反応ではなく、アミド化反応で環化ペプチドを合成した。すなわち、交差ユニットであるC末端フェニルアラニンの主鎖カルボン酸がアミドにて化学修飾(ピペリジンアミド化)され、かつ側鎖上のカルボン酸部位でレジンに結合させたフェニルアラニン誘導体を合成し、このレジンを用いて、Fmoc合成法に従いペプチドの伸張反応を行った。伸張後、ペプチドをレジンから切り出し、N末端側のアミノ基(三角ユニット)とC末端フェニルアラニン誘導体側鎖上のカルボン酸部位(交差ユニット)をアミド結合で縮合させて環化体とすることで、Display libraryの生成物に相当するC−C結合環化ペプチドの合成を行った。スキームHではC-C結合によりC-Cの2重結合が得られる場合のみを記載したが、C-Cの1重結合や3重結合も可能であり、その場合に応じて化合物群を合成した。
2−3−1.アミノ酸ユニットおよび、レジンに結合させたアミノ酸ユニットの合成
ドラックライクネス評価に使用した交差ユニット部位のフェニルアラニン誘導体として、以下に示すアミノ酸およびそのレジン結合化合物を合成した。
化合物SP416および化合物SP417の合成
(S)−(3−(4−ヨードフェニル)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP413、Boc-Phe(4-I)-pip)の合成
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−ヨードフェニル)プロパン酸(Boc-Phe(4-I)-OH)(15.0g、38.3mmol)をDMF(180.0ml)に溶解させ、氷冷下、ピペリジン(7.95ml、80.6mmol)、HATU(17.5g、46.0mmol)およびDIPEA(8.01ml、46.0mmol)を加えた。室温で30分攪拌した後、反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1、400ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮して標題化合物SP413(16.9g、96%)を淡黄色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z =459.5(M+H)+
保持時間:1.05分 (分析条件 SQDAA05)
(S)−(1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP414)の合成
(S)−(3−(4−ヨードフェニル)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP413)(6.0g、13.09mmol)をDMSO(60.0ml)に溶解し、ビス(ピナコラート)ジボロン(4.99g、19.64mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(0.538g、0.655mmol)および酢酸カリウム(5.40g、55.02mmol)を加えて、室温で5時間攪拌した。反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜60:40)で精製し、標題化合物SP414(5.55g、92%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =459.4(M+H)+
保持時間:0.99分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−4−(4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸 tert−ブチル(化合物SP415)の合成
(S)−(1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP414)(3.00g、6.54mmol)をDMF(24.0ml)および水(6.0ml)に溶解し、文献(Organic Letters、 2011、13、5830−5833)記載の方法で合成した4−ブロモペンタ−4−エン酸 tert−ブチル(2.31g、9.82mmol)、Pd(PPh3)4(1.13g、0.978mmol)および炭酸カリウム(1.81g、13.10mmol)を加えて、80℃で2時間攪拌した。放冷後、反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜75:25)で精製し、標題化合物SP415(2.72g、85%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =487.6(M+H)+
保持時間:1.05分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−4−(4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸(化合物SP416)の合成
(S)−4−(4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸 tert−ブチル(化合物SP415)(0.50g、1.03mmol)を酢酸(7.0ml、122.28mmol)および水(7.0ml)に懸濁させ、加熱還流条件で8時間攪拌した。同様の反応を追加で4回実施し、反応液をまとめて減圧濃縮して得られた残渣を10%炭酸ナトリウム水溶液(38ml)に懸濁させ、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)−スクシンイミド(1.65g、4.89mmol)の1,4−ジオキサン溶液(19.0ml)を加えて室温で1時間攪拌した。反応液をジエチルエーテルで洗浄し、酢酸を加えて酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜40:60)で精製して、標題化合物SP416(1.60g、56.3%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =553.4(M+H)+
保持時間:0.89分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−4−(4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP417)の合成
2−クロロトリチルクロライドレジン(1.07mmol/g、100−200mesh、1%DVB、Chem−Impex社製、2.50g、2.68mmol)とジクロロメタン(18ml)を混合し、室温で5分間振とうした。ジクロロメタンを除いた後、(S)−4−(4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸(化合物SP416)(0.74g、1.34mmol)のジクロロメタン溶液(16.5ml)にメタノール(0.43ml、10.7mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.1ml、6.32mmol)を加えた混合液を添加して、室温で10分間振とうさせた。反応液を除いた後、ジクロロメタン(16.5ml)にメタノール(5ml)およびジイソプロピルエチルアミン(1.7ml)を加えた混合液を添加して、室温で2時間振とうさせた。この反応液を除いた後、ジクロロメタン(18ml)を入れて振とうし、ジクロロメタンを除いた後、再度ジクロロメタン(18ml)を入れ振とうさせた。ジクロロメタンを除いた後、減圧下でレジンを乾燥させ標題化合物SP417(2.53g)を得た。
得られた(S)−4−(4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP417)(7.94mg)にDMF(0.2ml)およびピペリジン(0.2ml)を加え、室温にて30分振とうさせた。反応液にDMF(1.6ml)を加えた後、反応混合液(0.4ml)をDMF(9.6ml)で希釈し、その吸光度(301nm)を測定したところ0.328であった。次の計算式により、(S)−4−(4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸(化合物SP416)のローディング率を25.0%、0.265mmol/gと算出した。
(吸光度(301nm)x1000x50)/(用いたレジン量x7800)=0.265mmol/g
0.265mmol/gx100/(2.68/2.53)=25.0%
(S)−(3−(3−ヨードフェニル)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP418、Boc-Phe(3-I)-pip)の合成
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(3−ヨードフェニル)プロパン酸(Boc-Phe(3-I)-OH)(10.0g、25.6mmol)をDMF(100.0ml)に溶解させ、氷冷下、ピペリジン(5.30ml、53.7mmol)、HATU(11.7g、30.8mmol)およびDIPEA(5.34ml、30.7mmol)を加えた。室温で30分攪拌した後、反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮して標題化合物SP418(11.6g、99%)を淡黄色アモルファスとして得た。
LCMS(ESI)m/z =459.2(M+H)+
保持時間:0.95分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−(1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)−3−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP419)の合成
(S)−(3−(3−ヨードフェニル)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP418)(6.76g、14.75mmol)をDMSO(60.0ml)に溶解し、ビス(ピナコラート)ジボロン(5.62g、22.12mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(607.0mg、0.737mmol)および酢酸カリウム(6.08g、61.9mmol)を加えて、室温で6時間攪拌後、さらにビス(ピナコラート)ジボロン(5.62g、22.12mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(607.0mg、0.737mmol)および酢酸カリウム(6.08g、61.9mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜60:40)で精製し、標題化合物SP419(6.50g、96%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =459.6(M+H)+
保持時間:0.99分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−4−(3−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸 tert−ブチル(化合物SP420)の合成
(S)−(1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)−3−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP419)(3.00g、6.54mmol)をDMF(24.0ml)および水(6.0ml)に溶解し、文献(Organic Letters、 2011、13、5830−5833)記載の方法で合成した4−ブロモペンタ−4−エン酸 tert−ブチル(2.31g、9.82mmol)、Pd(PPh3)4(1.134g、0.982mmol)および炭酸カリウム(1.81g、13.1mmol)を加えて、80℃で2時間攪拌した。放冷後、反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜75:25)で精製し、標題化合物SP420(2.94g、92%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =487.6(M+H)+
保持時間:1.05分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−4−(3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸(化合物SP421)の合成
(S)−4−(3−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸 tert−ブチル(化合物SP420)(0.50g、1.03mmol)を酢酸(7.0ml、122.28mmol)および水(7.0ml)に懸濁させ、加熱還流条件で8時間攪拌した。同様の反応を追加で4回実施し、反応液をまとめて減圧濃縮して得られた残渣を10%炭酸ナトリウム水溶液(38ml)に懸濁させ、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)−スクシンイミド(1.65g、4.89mmol)の1,4−ジオキサン溶液(19.0ml)を加えて室温で1時間攪拌した。反応液をジエチルエーテルで洗浄し、酢酸を加えて酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜50:50)で精製し、標題化合物SP421(0.78g、27.5%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =553.5(M+H)+
保持時間:0.90分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−4−(3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP422)の合成
2−クロロトリチルクロライドレジン(1.07mmol/g、100−200mesh、1%DVB、Chem−Impex社製、2.50g、2.68mmol)とジクロロメタン(18ml)を混合し、室温で5分間振とうした。ジクロロメタンを除いた後、(S)−4−(3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−エン酸(化合物SP421)(0.74g、1.34mmol)のジクロロメタン溶液(16.5ml)にメタノール(0.43ml、10.7mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.1ml、6.32mmol)を加えた混合液を添加して、室温で10分間振とうさせた。反応液を除いた後、ジクロロメタン(16.5ml)にメタノール(5ml)およびジイソプロピルエチルアミン(1.7ml)を加えた混合液を添加して、室温で2時間振とうさせた。この反応液を除いた後、ジクロロメタン(18ml)を入れて振とうし、ジクロロメタンを除いた後、再度ジクロロメタン(18ml)を入れ振とうさせた。ジクロロメタンを除いた後、減圧下でレジンを乾燥させ標題化合物SP422(2.52g)を得た。
ローディング率:0.278mmol/g、26.1%
ヘキサ−5−イン酸 tert−ブチル(化合物SP423)の合成
ヘキサ−5−イン酸(化合物SP424)(8.0g、71.3mmol)、2−メチルプロパン−2−オール(10.6g、143.0mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.44g、3.60mmol)をDCM(17.5ml)に溶解させ、ジシクロヘキシルカルボジイミド(16.2g、78.5mmol)のDCM溶液(17.5ml)を加えて、室温で終夜攪拌した。反応液中の白色固体をろ過して除いた後、0.5M塩酸水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過、減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜90:10)で精製し、標題化合物SP423(6.73g、56.1%)を得た。
1H−NMR(Varian 400−MR, 400 MHz, CDCl3) δ ppm 2.39 (2H, t,7.2 Hz), 2.28 (2H, m), 2.08 (1H, s), 1.85 (2H, m), 1.49(9H, s)
(S)−6−(4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ヘキサ−5−イン酸 tert−ブチル(化合物SP425)の合成
(S)−(3−(4−ヨードフェニル)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP413、Boc-Phe(4-I)-pip)(6.00g、13.09mmol)、ヘキサ−5−イン酸 tert−ブチル(化合物SP423)(4.40g、26.2mmol)、トリエチルアミン(5.47ml、39.3mmol)をDMF(60.0ml)に溶解し、CuI(0.125g、0.655mmol)およびPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(0.538g、0.655mmol)を加えて室温で4時間攪拌した。反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜60:40)で精製し、標題化合物SP425(6.19g、95%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =499.4(M+H)+
保持時間:1.07分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−6−(4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ヘキサン酸 tert−ブチル(化合物SP426)の合成
(S)−6−(4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ヘキサ−5−イン酸 tert−ブチル(化合物SP425)(5.74g、11.51mmol)を酢酸エチル(40ml)に溶解し、窒素雰囲気下、10%パラジウム(II) 炭素(1.72g)を加えた。その後、水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。セライトろ過後、ろ液を減圧濃縮し、標題化合物SP426(5.65g、98%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =503.6(M+H)+
保持時間:1.14分 (分析条件 SQDAA05)
(S)−6−(4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ヘキサン酸(化合物SP427)の合成
(S)−6−(4−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ヘキサン酸 tert−ブチル(化合物SP426)(5.65g、11.24mmol)をDCM(30.0ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(15.0ml、195mmol)を加えて、室温で30分間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をジオキサン(40ml)、10%炭酸ナトリウム水溶液(80ml)に溶解し、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)−スクシンイミド(3.68g、10.90mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応液をジエチルエーテルで洗浄し、5N HCl水溶液を加えて酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過、減圧濃縮し、標題化合物SP427(6.39g、100%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =569.6(M+H)+
保持時間:1.02分 (分析条件 SQDAA05)
(S)−6−(4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ヘキサン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP428)の合成
2−クロロトリチルクロライドレジン(1.07mmol/g、100−200mesh、1%DVB、Chem−Impex社製、3.00g、3.21mmol)とジクロロメタン(20ml)を混合し、室温で振とうさせた。ジクロロメタンを除いた後、(S)−6−(4−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ヘキサン酸(化合物SP427)(0.91g、1.60mmol)のジクロロメタン溶液(14ml)にメタノール(0.52ml、12.85mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.35ml、7.75mmol)を加えた混合液を添加して、室温で5分間振とうさせた。反応液を除いた後、ジクロロメタン(14ml)にメタノール(4.2ml)およびジイソプロピルエチルアミン(1.4ml)を加えた混合液を添加して、室温で2.5時間振とうさせた。この反応液を除いた後、ジクロロメタン(20ml)を入れて振とうし、ジクロロメタンを除いた後、再度ジクロロメタン(20ml)を入れ振とうさせた。ジクロロメタンを除いた後、減圧下でレジンを乾燥させ標題化合物(化合物SP428)(3.15g)を得た。
ローディング率:0.217mmol/g、21.3%
ペンタ−4−イン酸 tert−ブチル(化合物SP429)の合成
ペンタ−4−イン酸(5.0g、51.0mmol)、2−メチルプロパン−2−オール(7.56g、102.0mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.31g、2.54mmol)をDCM(17.5ml)に溶解させ、ジシクロヘキシルカルボジイミド(11.6g、56.2mmol)のDCM溶液(17.5ml)を加えて、室温で終夜攪拌した。反応液中の白色固体をろ過して除いた後、0.5M塩酸水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM)で精製し、標題化合物(化合物SP429)(7.15g、91.0%)を得た。
1H−NMR(Varian 400−MR, 400 MHz, CDCl3) δ ppm 2.48−2.50 (4H, m), 2.00 (1H, s), 1.49(9H, s)
(S)−5−(3−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−イン酸 tert−ブチル(化合物SP430)の合成
(S)−(3−(3−ヨードフェニル)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸 tert−ブチル(化合物SP418、Boc-Phe(3-I)-pip)(5.00g、10.91mmol)、ペンタ−4−イン酸 tert−ブチル(3.36g、21.82mmol)、トリエチルアミン(4.56ml、32.7mmol)をDMF(50.0ml)に溶解し、CuI(0.104g、0.545mmol)およびPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(0.449g、0.545mmol)を加えて室温で5時間攪拌した。反応液をヘキサン/酢酸エチル(1/1)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜60:40)で精製し、標題化合物(化合物SP430)(4.84g、92%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =485.6(M+H)+
保持時間:1.03分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−5−(3−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタン酸 tert−ブチル(化合物SP431)の合成
(S)−5−(3−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタ−4−イン酸 tert−ブチル(化合物SP430)(4.84g、9.99mmol)を酢酸エチル(40ml)に溶解し、窒素雰囲気下、10%パラジウム(II) 炭素(968mg)を加えた。その後、水素雰囲気下、室温で3.5時間攪拌した。セライトろ過後、ろ液を減圧濃縮し、標題化合物(化合物SP431)(4.74g、97%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =489.6(M+H)+
保持時間:1.08分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−5−(3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタン酸(化合物SP432)の合成
(S)−5−(3−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタン酸 tert−ブチル(化合物SP431)(4.70g、9.62mmol)をDCM(30.0ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(15.0ml、195mmol)を加えて、室温で50分間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をジオキサン(34ml)、10%炭酸ナトリウム水溶液(68ml)に溶解し、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)−スクシンイミド(3.15g、9.33mmol)を加えて室温で3時間攪拌した。5N HCl水溶液を加えて酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜30:70)で精製し、標題化合物(化合物SP432)(4.65g、87%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =555.6(M+H)+
保持時間:0.92分 (分析条件 SQDFA05)
(S)−5−(3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタン酸−2−クロロトリチルレジン(化合物SP433)の合成
2−クロロトリチルクロライドレジン(1.07mmol/g、100−200mesh、1%DVB、Chem−Impex社製、5.00g、5.35mmol)とジクロロメタン(35ml)を入れ、室温で振とうさせた。ジクロロメタンを除いた後、(S)−5−(3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−オキソ−3−(ピペリジン−1−イル)プロピル)フェニル)ペンタン酸(化合物SP432)(1.48g、2.67mmol)のジクロロメタン溶液(33ml)にメタノール(0.87ml、21.50mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.24ml、12.86mmol)を加えた混合液を添加して、室温で10分間振とうさせた。反応液を除いた後、ジクロロメタン(33ml)にメタノール(10ml)およびジイソプロピルエチルアミン(3.3ml)を加えた混合液を添加して、室温で2時間振とうさせた。この反応液を除いた後、ジクロロメタン(33ml)を入れて振とうし、ジクロロメタンを除いた後、再度ジクロロメタン(33ml)を入れ振とうさせた。ジクロロメタンを除いた後、減圧下でレジンを乾燥させ標題化合物(化合物SP433)(5.80g)を得た。
ローディング率:0.326mmol/g、35.3%
2.合成した環化ペプチドのPAMPA法による膜透過性評価
合成した環化ペプチドの膜透過性を比較検討する目的でPAMPA(Parallel Artificial Membrane Permeability Assay)による試験を実施した。
ミリポア96穴メンブレンフィルター(疎水性PVDF(ポリビニリデンジフルオリド)、pore size 0.45μm)(日本ミリポア社より購入)に、Egg lecithin10%(w/v)、コレステロール0.5%(w/v)、ドデカン(以上Fluka社より購入)からなるリン脂質有機溶媒溶液を4μL添加することで、人工リン脂質膜を作製した。
グリココール酸5.0%(w/v)を含むpH6.5 50mM MOPSO緩衝液に、化合物を10mMの濃度で含むDMSO溶液を0.5%(v/v)の割合で添加し、それを96穴テフロン製プレートに330μL添加した(ドナープレート)。ドナープレート上に上記の人工リン脂質膜プレートを装着し、グリココール酸5.0%(w/w)を含むpH6.5 50mM MOPSO緩衝液にDMSOを0.5%(v/v)の割合で添加した溶液280μLを、人工リン脂質膜上に添加した(アクセプタープレート)。これらを18時間、37℃にて静置後、ドナープレートおよびアクセプタープレートにおける溶液中化合物濃度をLC/MS又はLC/UVにより測定し、下記(1)、(2)式より化合物の膜透過速度(Pe)を算出した。但しtを試験時間、Aをメンブレンフィルター面積、VDをドナー液量、VAをアクセプター液量、CD、tを時間tにおけるドナー液中化合物濃度、CA、tを時間tにおけるアクセプター液中化合物濃度とする。本手法により得られた結果を表11−5(PAMPA法による環状ペプチドの膜透過評価結果)に記載した。
3.環化ペプチド化合物のヒト肝ミクロソーム中代謝安定性試験
合成した環化ペプチドの代謝安定性を比較検討する目的で、ヒト肝ミクロソーム中代謝安定性試験を実施した。(方法は既に記載済み、結果は表11−6:ヒト肝ミクロソーム中代謝安定性試験結果)。
ペプチドのマウスPK試験
我々が明らかにしたドラッグライクを兼ね備えるためのペプチドの条件(鎖長、N−メチルアミノ酸数、ClogP)を満たす8種のペプチドのマウスにおける静脈内ならびに経口投与後の血漿中濃度推移を評価した。雄性マウス(C57BL/6J、6週齢、日本クレア社製:1群3匹)に化合物を20 mg/kgの用量で静脈内ならびに経口投与し、投与後24時間までの血液を抗凝固剤としてヘパリン処理済みのヘマトクリット管を用い、背中足静脈より経時的に採取した。血液は遠心分離により血漿を分離し、アセト二トリルによる除タンパク処理後、LC/MS/MS装置(API3200、AB SCIEX社製、USA)を用いて血漿中濃度を測定した。得られた血漿中濃度推移より、解析ソフトPhoenix WinNonlin 6.1(Pharsight Corporation社製、USA)を用いて、ノンコンパートメント解析により薬物動態パラメータを算出した。
以下に各パラメータの定義を示した。静脈内投与後の時間0における濃度(C0;外挿値、ng/mL)、経口投与後の最高血漿中濃度(Cmax;ng/mL)、最高血漿中濃度到達時間(Tmax; 時間)、血漿中濃度―時間曲線下面積(AUC;ng・時間/mL)、全身クリアランス(CL;mL/分/kg)、定常状態分布容積(Vss; mL/kg)、消失半減期(t1/2;時間)、及びバイオアバイラビリティー(F;%)を算出した。静脈内投与後の全身クリアランスはいずれも小さく(1.7-9.5 mL/分/kg)、代謝的安定性が高いことが示唆された。化合物のバイオアベイラビリティーは最大で35%であり、評価した8種類のペプチドは期待通り経口投与剤として開発可能な経口吸収性を有していた。
[実施例20]反応補助基を持たないN末端アミノ酸とC末端側活性エステルとのアミド化縮合反応
1.反応補助基を持たないN末端アミノ基と活性エステルとの翻訳液中でのアミド化反応
1−1.比較的安定な活性エステルを翻訳合成しておき、翻訳後に活性エステル部分を活性化させ、同時に系外から活性化剤を添加させて、反応補助基を有さないアミンと反応させる手法例
1−1−1.モデル反応原料化合物の合成
(化合物P−145)
(9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,17,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸(Boc-Gly-Ala- Me Phe-Gly- Me Leu-Ala-Val-Phe-Asp- Me Ala-Ser(tBu)-Gly−NH2)の合成
N末端にFmocアミノ酸の代わりにBocアミノ酸を用い、既に記載のFmoc法によるペプチド合成により合成した(9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,17,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸 ベンジル(Boc-Gly-Ala-MePhe-Gly-MeLeu-Ala-Val-Phe-Asp(OBn)-MeAla-Ser(tBu)-Gly−NH2、919mg, 0.657mmol)のメタノール(6ml)溶液に窒素雰囲気下、ジヒドロキシパラジウム/炭素(312mg、50%wet w/w)を加え、水素置換した後に室温で2時間攪拌した。その後、反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(10mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール=70/30−0/100)で精製して、標題化合物P−145(Boc-Gly-Ala-MePhe-Gly-MeLeu-Ala-Val-Phe-Asp-MeAla-Ser(tBu)-Gly−NH2)(374mg、44%)を得た。LCMS:m/z 1307(M−H)−
保持時間:1.09分 (分析条件 SQD AA05)
(化合物P−146)
(9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,17,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−チオ酸 S−ベンジル(Boc-Gly-Ala- Me Phe-Gly- Me Leu-Ala-Val-Phe-Asp(SBn)- Me Ala-Ser(tBu)-Gly−NH2)の合成
(9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,17,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸(化合物P−145,(Boc-Gly-Ala-MePhe-Gly-MeLeu-Ala-Val-Phe-Asp-MeAla-Ser(tBu)-Gly−NH2))(50.0mg、0.038mmol)をジクロロメタン(320μL)およびDMF(80μL)に溶解させ、フェニルメタンチオール(9.49mg、0.076mmol)、DIC(9.64mg、0.076mmol)およびN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(3.54mg、0.029mmol)を加えて室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(10mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール)で精製して、標題化合物(11.8mg、21.8%)を得た。
LCMS:m/z 1414.8(M+H)+
保持時間:1.08分 (分析条件 SQD AA05)
(化合物P−147)
(4S,7S,13S,16S,19S,22S,25S)−1−アミノ−25−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−7,22−ジベンジル−13−イソブチル−19−イソプロピル−4,6,12,16−テトラメチル−2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキソ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタアザヘプタコサン−27−チオ酸 S−ベンジル(Gly-Ala- Me Phe-Gly- Me Leu-Ala-Val-Phe-Asp(SBn)- Me Ala-Ser-Gly−NH2)の合成
(9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,17,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−チオ酸 S−ベンジル(化合物P−146)(11.8mg、0.0083mmol)をジクロロメタン(150μL)に溶解し、TFA(75.0μL,0.973mmol)を加えて室温で1時間半攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(0.1%FA水溶液:0.1%FAアセトニトリル溶液)で精製し、標題化合物(7.3mg、69.5%)を得た。
LCMS:m/z 1258.6(M+H)+
保持時間:0.58分 (分析条件 SQD FA05)
(化合物P−133)
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸(Boc-Ala-Val-MeLeu-Thr(Trt)-MePhe-Gly-MeLeu-MeVal-Phe-Asp-MePhe-Ala-piperidine)の合成
なお、本明細書ではAla-piperidineもしくはAla-pipとは、ピペリジンの窒素原子とAlaの主鎖カルボン酸部位とでアミド結合を形成した化合物とする。この部分構造をペプチド部位に有する場合にも、同様の表記を用いる。
常法に従って合成した(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸 ベンジル(Boc-Ala-Val-MeLeu-Thr(Trt)-MePhe-Gly-MeLeu-MeVal-Phe-Asp(OBn)-MePhe-Ala-piperidine)(770mg, 0.412mmol)のメタノール(4ml)溶液に窒素雰囲気下、ヒドロキシパラジウム/炭素(256mg、50%wet. w/w)を加え、水素置換した後に室温で2.5時間攪拌した。その後、反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮し標題化合物(726mg、99%)を得た。
LCMS:m/z 1777.6(M−H)−
保持時間:0.86分 (分析条件 SQD AA50)
(化合物P−134)
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−チオ酸 S−ベンジル(Boc-Ala-Val-MeLeu-Thr(Trt)-MePhe-Gly-MeLeu-MeVal-Phe-Asp(SBn)-MePhe-Ala-piperidine)の合成
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸(化合物P−133)(50.0mg、0.028mmol)を原料とし、化合物P−146の合成と同様にして標題化合物(33.0mg、62.3%)を得た。
LCMS:m/z 1883.3(M−H)−
保持時間:0.93分 (分析条件 SQD AA50)
(化合物P−135)
(3S,6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−アミノ−6,18−ジベンジル−21−((R)−1−ヒドロキシエチル)−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−10,13,19,25−テトラメチル−3−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザヘントリアコンタン−1−チオ酸 S−ベンジル(Ala-Val-MeLeu-Thr-MePhe-Gly-MeLeu-MeVal-Phe-Asp(SBn)-MePhe-Ala-piperidine)の合成
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−チオ酸 S−ベンジル(化合物P−134)(33.0mg、0.018mmol)を原料とし、化合物P−147の合成と同様にして標題化合物(6.0mg、22.9%)を得た。
LCMS:m/z 1541.0(M−H)−
保持時間:0.77分 (分析条件 SQD FA05)
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(化合物P-138)の合成
N末端にFmocアミノ酸の代わりにBocアミノ酸を用い、既に記載のFmoc法によるペプチド合成により合成した(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸(Boc‐Ala-Val-MeLeu-Thr(Trt)-MePhe-Gly-MeLeu-MeVal-Phe-Asp-MePhe-Ala−piperidine、60.9mg、0.034mmol)のジクロロメタン(300ul)溶液に、常法に従い(J. AM. CHEM. SOC. 2009, 131, 5432-5437)別途合成した2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェノール(10.3mg、0.051mmol)、N,N'−メタンジイリデンビス(プロパン−2−アミン) (8.0ul、0.051mmol)、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(4.2mg、0.034mmol)を加え室温で終夜攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(化合物P−138)(53.8mg, 80%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =1959.2(M―H)―
保持時間:1.05分(分析条件SQDAA50)
(3S,6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−アミノ−6,18−ジベンジル−21−((R)−1−ヒドロキシエチル)−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−10,13,19,25−テトラメチル−3−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザヘントリアコンタン−1−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(化合物P−139)の合成
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,6,11,17,23,26−ヘプタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(化合物P−138)(53.0mg、27umol)のジクロロメタン(200ul)溶液にトリフルオロ酢酸(300ul)とトリイソプロピルシラン(27.7ul、0.135mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液=70/30→0/100)にて精製し、(3S,6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−アミノ−6,18−ジベンジル−21−((R)−1−ヒドロキシエチル)−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−10,13,19,25−テトラメチル−3−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザヘントリアコンタン−1−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(化合物P−139)(22.4mg、51%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =1620(M+H)+
保持時間:0.88分(分析条件SQDAA50)
(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,6,9,11,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸(Boc−Ala−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp−MeAla−Ser(tBu)−Gly−NH2)(化合物SP−501)の合成
常法に従って合成した(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,6,9,11,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸 ベンジル(化合物SP−502、Boc−Ala−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp(OBn)−MeAla−Ser(tBu)−Gly−NH2)(749mg,0.536mmol)のメタノール(5ml)−酢酸エチル(5ml)溶液に窒素雰囲気下、ヒドロキシパラジウム/炭素(250mg、50%wet.w/w)を加え、水素置換した後に室温で3.5時間攪拌した。その後、反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮し標題化合物(SP−501)(620mg、88%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1306.4(M−H)−
保持時間:0.74分 (分析条件 SQD FA05)
(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,6,9,11,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−チオ酸 S−ベンジル(Boc−Ala−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp(SBn)−MeAla−Ser(tBu)−Gly−NH2)(化合物SP−503)の合成
(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,6,9,11,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸(化合物SP−501)(325.5mg、0.249mmol)を原料とし、化合物P−146の合成と同様にして標題化合物(SP−503)(178.2mg、51%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1412.6(M−H)−
保持時間:0.87分 (分析条件 SQD FA05)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(Ala−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp(SBn)−MeAla−Ser−Gly−NH2)(化合物SP−504)の合成
(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−12,27−ジベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,6,9,11,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−503)(72.9mg、0.052mmol)を原料とし、化合物P−147の合成と同様にして標題化合物(SP−504)(47.3.mg、73%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1256.8(M−H)−
保持時間:0.58分 (分析条件 SQD FA05)
(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,12,27−トリベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,21−ペンタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸(Boc−Phe−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp−MeAla−Ser(tBu)−Gly−NH2))(化合物SP−505)の合成
常法に従って合成した(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,12,27−トリベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,21−ペンタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸 ベンジル(Boc−Phe−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp(OBn)−MeAla−Ser(OtBu)−Gly−NH2)(化合物SP−506)(831mg,0.563mmol)のメタノール(5ml)−酢酸エチル(5ml)溶液に窒素雰囲気下、ヒドロキシパラジウム/炭素(277mg、50%wet. w/w)を加え、水素置換した後に室温で3.5時間攪拌した。その後、反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮し標題化合物(SP−505)(648mg、83%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1382.6(M−H)−
保持時間:0.80分 (分析条件 SQD FA05)
(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,12,27−トリベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,21−ペンタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−チオ酸 S−ベンジル(Boc−Phe−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp(SBn)−MeAla−Ser(tBu)−Gly−NH2)(化合物SP−507)の合成
(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,12,27−トリベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,21−ペンタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−酸(化合物SP−505)(344.5mg、0.249mmol)を原料とし、化合物P−146の合成と同様にして標題化合物(SP−507)(143.8mg、39%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1490.6(M+H)+
保持時間:0.93分 (分析条件 SQD FA05)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(Phe−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp(SBn)−MeAla−Ser−Gly−NH2)(化合物SP−508)の合成
(6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,12,27−トリベンジル−18−イソブチル−24−イソプロピル−2,2,9,11,21−ペンタメチル−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタン−32−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−507)(72.1mg、0.048mmol)を原料とし、化合物P−147の合成と同様にして標題化合物(SP−508)(56.1mg、87%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1332.7(M−H)−
保持時間:0.60分 (分析条件 SQD FA05)
1−1−2.環化モデル反応例
N末端がGlyである場合の反応例を示す。
(化合物P−136)
(5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,13,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミドの合成
その1
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(0.018g、0.10mmol)およびトリエチルアミン(10.1mg、0.10mmol)を100mMのリン酸水素2ナトリウム水溶液(80μL)およびNMP(10μL)に溶解させた。この溶液に(4S,7S,13S,16S,19S,22S,25S)−1−アミノ−25−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−7,22−ジベンジル−13−イソブチル−19−イソプロピル−4,6,12,16−テトラメチル−2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキソ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタアザヘプタコサン−27−チオ酸 S−ベンジル(化合物P−147)のNMP溶液(10mM、10μL、0.10μmol)を加えて、室温で5時間攪拌した。反応液をLCMSで分析し、標題化合物の生成を確認した。なお、標題化合物と原料(保持時間0.58分、分析条件 SQDFA05)およびAspのチオエステルが加水分解されたカルボン酸体(保持時間:0.51分、分析条件 SQDFA05)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ74:11:15であった。結果を図36に示す。
LCMS:m/z 1134.6(M+H)+
保持時間:0.64分 (分析条件 SQDFA05)
その2
ベンゼンチオール(0.110mg、0.001mmol)およびトリエチルアミン(0.202mg、0.002mmol)を100mMリン酸水素2ナトリウム水溶液(80μL)およびNMP(10μL)に溶解させた。この溶液に(4S,7S,13S,16S,19S,22S,25S)−1−アミノ−25−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−7,22−ジベンジル−13−イソブチル−19−イソプロピル−4,6,12,16−テトラメチル−2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキソ−3,6,9,12,15,18,21,24−オクタアザヘプタコサン−27−チオ酸 S−ベンジル(化合物P−147)のNMP溶液(10mM、10μL、0.10μmol)を加えて、室温で8時間攪拌した。反応液をLCMSで分析し、標題化合物の生成を確認した。なお、標題化合物と原料(保持時間0.58分、分析条件 SQDFA05)およびAspのチオエステルが加水分解されたカルボン酸体(保持時間:0.50分、分析条件 SQDFA05)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ89:8:3であった。結果を図37に示す。
LCMS:m/z 1134.6(M+H)+
保持時間:0.63分 (分析条件 SQDFA05)
N末端がAlaである場合の反応例を示す。
(化合物P−137)
(2R,5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29S)−14,26−ジベンジル−11−((R)−1−ヒドロキシエチル)−8,20−ジイソブチル−5,23−ジイソプロピル−N,2,7,13,19,22−ヘキサメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,31−デカオキソ−N−((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28−デカアザシクロヘントリアコンタン−29−カルボキサミドの合成
その1
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(8.91mg、0.05mmol)およびトリエチルアミン(5.06mg、0.05mmol)の水溶液(25μL)と(3S,6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−アミノ−6,18−ジベンジル−21−((R)−1−ヒドロキシエチル)−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−10,13,19,25−テトラメチル−3−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザヘントリアコンタン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物P−135)のNMP溶液(5mM、20μL、0.1μmol)を混合し、さらに水(25μL)とNMP(30μL)を加え、50度で終夜攪拌した。LCMS測定により、原料の消失とともに標題化合物の生成を確認した。なお、標題化合物とAspのチオエステルが加水分解されたカルボン酸体(保持時間:0.68分、分析条件 SQDFA05)の生成比はLCMSのUVエリア比で、おおよそ72:28であった。結果を図38に示す。
LCMS:m/z 1417(M−H)−
保持時間:1.04分 (分析条件 SQDFA05)
その2
(3S,6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−アミノ−6,18−ジベンジル−21−((R)−1−ヒドロキシエチル)−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−10,13,19,25−テトラメチル−3−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザヘントリアコンタン−1−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(0.162mg, 0.1umol)(化合物P−139)と1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン(0.575mg、5umol)のDMF−400mMリン酸緩衝溶液(pH8.5)1:1混合溶液(95ul)に1Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(5ul)を加え、室温で30分攪拌した後、LCMSを用いて反応を観測したところ、環化前駆体は完全に消失し、標題化合物P−137と加水分解体P−140が3:1(LCMS:UVエリア比)で観測された。
LCMS(ESI) m/z =1417.2(M−H)―
保持時間:1.04分(分析条件SQDFA05)
加水分解体P−140
(3S,6S,9S,12S,18S,21S,24S,27S,30S)−30−アミノ−6,18−ジベンジル−21−((R)−1−ヒドロキシエチル)−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−10,13,19,25−テトラメチル−3−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−5,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザヘントリアコンタン−1−酸
LCMS(ESI) m/z =1435.3(M−H)―
保持時間:0.67分(分析条件SQDFA05)
N末端がPheである場合の反応例を示す。
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2,8,23−トリベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,17−テトラメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−509)の合成
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(13.6ul、0.10mmol)およびトリエチルアミン(13.9ul、0.10mmol)を100mMのリン酸水素2ナトリウム水溶液(80μL)およびNMP(10μL)に溶解させた。この溶液に(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−508)のNMP溶液(10mM、10μL、0.10μmol)と内部標準としてフタル酸のアセトニトリル溶液(50mM、1.0μl)を加えて、30度で3時間攪拌した。反応開始時のpHは9.7であった。反応液をLCMSで分析し、標題化合物の生成を確認した。3時間攪拌後で内部標準と原料のエリア面積比より転化率は90%であり、標題化合物(SP−509)と加水分解体(化合物SP−510)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ3:2であった。
・標題化合物
LCMS(ESI) m/z =1210.4(M+H)+
保持時間:1.04分(分析条件SMDmethod1)
・加水分解体(化合物SP−510)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−酸
LCMS(ESI) m/z =1228.5(M+H)+
保持時間:0.89分(分析条件SMDmethod1)
モデルペプチドを用いたPureSystem(翻訳液)中での環化反応例その1
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(6.8μL、0.050mmol)およびトリエチルアミン(7.0μl、0.050mmol)を水(8.2μl)に溶解させ、チオール溶液を調整した。
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)のNMP溶液(10mM、5.0μl、0.050μmol)に内部標準として4−プロピル安息香酸のNMP溶液(11mM、2.25μl)を加えた。次に翻訳用緩衝液(6.25μl)、PURESYSTEM(r) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(10μl)、20種の天然アミノ酸溶液(それぞれ5mM,2.5μl)を加えた。
なお翻訳用緩衝液の成分は8mM GTP,8mM ATP,160mMクレアチンリン酸,400mM HEPES−KOH pH7.6,800mM 酢酸カリウム,48mM 酢酸マグネシウム,16mMスペルミジン,8mM ジチオスレイトール,0.8mM 10−HCO−H4folate, 12mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社)である。これにトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.5、1.25M、2.0μl)および先に調整したチオール溶液を加えた。この時点での反応液のpHは7.8であった。
反応液を30℃で20時間攪拌した後、LC/MSで分析し、標題化合物の生成を確認した。20時間攪拌後の反応液のpHは9.4であった。また、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)との生成比はUVエリア比で1:1.6であった。
標題化合物
LCMS(ESI)m/z =1134.4(M+H)+
保持時間:0.64分(分析条件 SQDFA05)
加水分解体(化合物SP−512)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−酸
LCMS(ESI)m/z =1152.5(M+H)+
保持時間:0.48分(分析条件 SQDFA05)
以上示したとおり、Cys(反応補助基を有する)やGly(α位に置換基が存在せず最も反応性が高い)に続き、AlaやPheでも水中で、翻訳可能なチオエステルをさらに活性化させる手法を用いて環化反応が進行することが明らかとなった。翻訳液中でも反応進行を確認できた。
1−1−3.環化用活性エステルを有したpdCpA-AAの合成
7−メチルベンゾ[d][1,3]オキサチオール−2−オン(化合物102)の合成
o−クレゾール(化合物101)(27.7mmol、3.00g)とトリブチルアミン(30.5mmol, 7.35ml)のジクロロエタン(48mL)溶液に塩化クロロカルボニルスルフェニル(30.5mmol, 2.58ml)を0℃で加え、室温で2時間攪拌した。その後、反応混合物に塩化アルミニウム(66.6mmol、8.88g)を0℃で加え、室温で終夜攪拌した。その後、反応混合物に水(10ml)を0度で加えた後に、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液=100/0→30/70)にて精製し、7−メチルベンゾ[d][1,3]オキサチオール−2−オン(化合物102)(2.46g、53%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 167 (M+H)+
保持時間:0.81分(分析条件SQDFA05)
2−メルカプト−6−メチルフェノール(化合物103)の合成
7−メチルベンゾ[d][1,3]オキサチオール−2−オン(化合物102)(2.34g、14.44mmol)のエタノール(15ml)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(15ml)を加え、60度で1時間攪拌した。その後、反応混合物に濃塩酸を0度で加えクエンチ後、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、2−メルカプト−6−メチルフェノール(化合物103)(1.90g)を得た。この化合物はこれ以上の精製操作をせずに次の工程に使用した。
LCMS(ESI) m/z = 139 (M−H)−
保持時間:0.70分(分析条件SQDFA05)
6,6'-ジスルファンジイルビス(2-メチルフェノール)(化合物104)の合成
上記で得られた2−メルカプト−6−メチルフェノール(化合物103)(1.90g)の水(10ml)2層溶液にI2(1.717g、6.76mmol)のメタノール(7ml)溶液を加え、室温で10分攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和Na2S2O3水溶液、及び水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→92/8)にて精製し、6,6’−ジスルファンジイルビス(2−メチルフェノール)(化合物104)(1.61g、43%(2工程))を得た。
LCMS(ESI) m/z = 277 (M−H)−
保持時間:0.95分(分析条件SQDFA05)
2-(エチルジスルファニル)-6-メチルフェノール(化合物105)の合成
6,6’−ジスルファンジイルビス(2−メチルフェノール)(化合物104)(1.61g、5.78mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液に二硫化ジエチル(14.24ml、 116mmol)とBF3・OEt2(14.66mml, 16.42mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。その後、反応混合物に飽和NaHCO3溶液を0度でゆっくり滴下しクエンチ後、酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。その後、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→90/10)にて精製し、2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェノール(化合物105)(1.67g、72%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 199 (M−H)−
保持時間:0.92分(分析条件SQDFA05)
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)コハク酸 1-(2-フェニルプロパン-2-イル) 4-アリル(化合物107)の合成
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4−(アリルオキシ)−4−オキソブタン酸(化合物106)(1.80g、4.55mmol)のジクロロメタン(40ml)溶液に常法により別途合成した2,2,2−トリクロロアセトイミド酸 2−フェニルプロパン−2−イル(2.17g、 7.74mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→65/35)にて精製し、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)コハク酸 1−(2−フェニルプロパン−2−イル) 4−アリル(化合物107)(2.17g、93%)を得た。
LC 保持時間:1.12分(分析条件SQDAA05)
1H−NMR(Varian 400−MR, 400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.76 (2H, d, 7.6 Hz), 7.49 (2H, d, 7.2 Hz), 7.41−7.24. (9H, m),5.90(1H, m) 5.77 (1H,d, 8.4Hz), 5.29(2H, m), 4.62(3H, m), 4.37(2H, m), 4.21(1H, t, 6.8Hz),3.08(1H, dd, 17.2, 4.4Hz), 2.90(1H, dd, 17.2, 4.8Hz), 1.80 (3H, s), 1.78 (3H, s)
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 1−(2−フェニルプロパン−2−イル) 4−アリル(化合物108)の合成
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)コハク酸 1−(2−フェニルプロパン−2−イル) 4−アリル(化合物107)(1.03g、2.00mmol)のTHF(6ml)−DMF(1.5ml)溶液にピペリジン(0.297ml、 3.00mmol)を加え、室温で3時間半攪拌した。その後、反応混合物に二炭酸ジ−tert−ブチル(1.31g、 6.00mmol)とトリエチルアミン(0.837ml、 6mmol)を加え室温で15分攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 1−(2−フェニルプロパン−2−イル) 4−アリル(化合物108)(710mg、91%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 390(M−H)−
保持時間:0.63分(分析条件SQDAA50)
(S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソ−4−((2−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)ブタン酸(化合物109) の合成
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 1−(2−フェニルプロパン−2−イル) 4−アリル(化合物108)(710mg、1.81mmol)のジクロロメタン(20ml)−酢酸(1.08ml)−N−メチルモルホリン(0.541ml)溶液にPd(Ph3P)4(210mg、 0.181mmol)を加え、室温で3時間半攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=100/0→30/70)にて精製し、(S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソ−4−((2−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)ブタン酸(化合物109)(525mg、82%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 350(M−H)−
保持時間:0.80分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 1−(2−フェニルプロパン−2−イル) 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル)(化合物110)の合成
(S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソ−4−((2−フェニルプロパン−2−イル)オキシ)ブタン酸(化合物109)(495mg、1.41mmol)のジクロロメタン(7ml)溶液に2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェノール(化合物105)(423mg、 2.11mmol)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(0.329ml, 2.11mmol), N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(34.4mg, 0.282mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、反応液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 1−(2−フェニルプロパン−2−イル) 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル)(化合物110)(249mg、33%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 532(M−H)−
保持時間:1.15分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル) 1−(シアノメチル)(化合物112)の合成
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 1−(2−フェニルプロパン−2−イル) 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル) (化合物110)(240mg、0.450mmol)のジクロロメタン(4ml)溶液にトリフルオロ酢酸 (0.040ml, 0.519mmol)を加え、室温で1時間半攪拌し、さらにトリフルオロ酢酸 (0.040ml, 0.519mmol)を加え、室温で1時間半攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣のブロモアセトニトリル(4.70ml)溶液にDIPEA(0.259ml, 1.49mmol)を加え、室温で10分攪拌し、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→50/50)にて精製し、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル) 1−(シアノメチル)(化合物112)(151mg、74%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 453(M−H)−
保持時間:1.04分(分析条件SQDAA05)
(2S)−2−アミノコハク酸 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル) 1−((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)(化合物114)の合成
緩衝液A(29.2ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(pdCpA,化合物1h)(49.0mg、0.077mmol)の水溶液(1.52ml)と(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル) 1−(シアノメチル)(140mg、0.308mmol)のテトラヒドロフラン(0.764ml)溶液を加え、室温で1時間半攪拌した。その後、トリフルオロ酢酸(0.396ml、5.37mmol)を加えた後に、凍結乾燥させた。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液=100/0→50/50)にて精製し、(2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)コハク酸 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル) 1−((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)とN,N,N−トリメチルヘキサデカン−1−アミニウム の混合物を得た。得られた混合物をトリフルオロ酢酸(0.10ml)に溶解させ、10分間室温攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液=100/0→60/40)にて精製し、(2S)−2−アミノコハク酸 4−(2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル) 1−((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)(化合物114)(2.9mg, 40%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 932 (M−H)−
保持時間:0.70分(分析条件SQDAA05)
2.翻訳されたペプチドでのアミド化反応
翻訳合成後の反応補助基を利用しないアミド化反応をTOF-MSにて生成を確認した。
2−1. 転写によるtRNA(CA欠損)の合成
鋳型DNA(配列番号D−40)から、RiboMAX Large Scale RNA production System T7(Promega社,P1300)を用いたin vitro の転写により3'端のCAを欠くtRNAGluAAG (-CA)(配列番号R−40)を合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen社)により精製した。
配列番号D−40(配列番号:64)
tRNAGluAAG (-CA) DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTAAGACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号R−40(配列番号:65)
tRNAGluAAG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUAAGACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
2−2. 側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i−ID)とtRNA(CA欠損)(配列番号:R−40)のligationによるアミノアシル化tRNA(化合物AT−7−A)の合成
50μM 転写tRNAGluAAG (-CA)(配列番号R−40) 10μLに、10X ligation buffer(500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2, 10 mM ATP)2μL、Nuclease free water 4μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。 20unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)2μLおよび、5mMの側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i−ID)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。ライゲーション反応液 20μLに、3M酢酸ナトリウム 4μLと125mM ヨウ素(水:THF=1:1溶液)24μLを加え、室温で1時間、脱保護を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−7−A)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−7−A)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−7−A(配列番号:66)
Asp(SBn)−tRNAGluAAG
2−3. 側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノ酸を用いた翻訳合成
側鎖カルボン酸をチオエステルにより活性化したアスパラギン酸誘導体でアミノアシル化されたtRNAを、無細胞翻訳系に加えて翻訳を開始することにより、所望の非天然アミノ酸を含有するポリペプチドの翻訳合成を行った。翻訳系は、原核生物由来の再構成無細胞タンパク質合成系であるPURE systemを用いた。具体的には、翻訳液,1%(v/v) RNasein Ribonuclease inhibitor (Promega社,N2111), 1mM GTP,1mM ATP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,6mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,1mM ジチオスレイトール,0.1mM 10−HCO−H4folate, 1.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.6μM メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ,0.26μM EF−G,0.24μM RF2,0.17μM RF3,0.5μM RRF,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,40μM EF−Tu,93μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,0.73μM AlaRS,0.03μM ArgRS,0.38μM AsnRS,0.13μM AspRS,0.02μM CysRS,0.06μM GlnRS,0.23μM GluRS,0.09μM GlyRS,0.02μM HisRS,0.4μM IleRS,0.04μM LeuRS,0.11μM LysRS,0.03μM MetRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.02μM TyrRS,0.02μM ValRS(自家調製タンパクは基本的にはHisタグ付加タンパクとして調製した))に、1μM 鋳型RNA、それぞれの鋳型DNAにコードされているタンパク質性アミノ酸群をそれぞれ250μMずつ、ならびに50μMの側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化tRNA(化合物AT−7−A)を翻訳反応混合物に添加し、37℃で1時間静置することで行った。
翻訳産物はマトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を用いてMALDI−MSスペクトルを測定して同定した。
2−4.ベンジルチオエステル化されたアスパラギン酸誘導体を含むペプチド(化合物P−141)の翻訳合成
1μM 鋳型RNAMgtp_R(配列番号R−41(配列番号:67))に、0.25mM Gly,0.25mM Pro,0.25mM Arg,0.25mM Thr,0.25mM Tyrおよび、50μM Asp(SBn)−tRNAGluAAG(化合物AT−7−A)を含む前述の翻訳液を37℃で60分間保温した。得られた翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、MALDI−MSで分析した。その結果、開始メチオニン直後のGlyから翻訳開始された、N末端α―アミノ基とチオエステルを含むペプチドP-141(図39、ピークI)、及びそのGly直後に位置するThrから翻訳開始されたペプチドP-142(図39、ピークII)が主生成物として観測された(図39)
配列番号 R−41(配列番号:67)
Mgtp_R RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUaugGGUACUACAACGCGUCUUCCGUACCGUGGCGGCuaagcuucg
ペプチド配列P−141
GlyThrThrThrArg[Asp(SBn)]ProTyrArgGlyGly
ペプチド配列P−142
ThrThrThrArg[Asp(SBn)]ProTyrArgGlyGly
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1286.6(配列P-141に対応するペプチド。Calc.1286.6)
m/z: [H+M]+ = 1229.6(配列P-142に対応するペプチド。Calc.1229.6)
2−5.翻訳ペプチドP-141上のチオエステルとN末端α―アミノ基を用いたペプチドのアミド環化実験
前述の翻訳反応物P−141を含む翻訳溶液3.5μL、1μLチオフェノール溶液(5M 4−トリフルオロメチルチオフェノール、5Mトリエチルアミンを等量混合したもの)、0.5μL 500mM トリカルボキシエチルホスフィン溶液 (pH7.5)を混合し、50℃で2時間保温した。その結果、出発物質であるP−141のピークは消失し、代わりにN末端α―アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物P-143に相当するピークを観測した(図40、ピークI)。
ペプチド配列P−143(配列番号:68)
GlyThrThrThrArg[Asp(SBn)]ProTyrArgGlyGlyのN末端アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1162.4 (Calc.1162.6)
2−6.Initiation read through法を用いた複数種の非Cys残基N末端アミノ酸含有ペプチド合成と、それを用いた反応補助基を利用しないペプチド環化
側鎖カルボン酸をチオエステルにより活性化したアスパラギン酸誘導体でアミノアシル化されたtRNAと、開始メチオニンを除いたタンパク質性アミノ酸混合物を無細胞翻訳系に加えて翻訳することで、所望の非天然アミノ酸を含有するポリペプチドの翻訳合成を行った。翻訳系は、原核生物由来の再構成無細胞タンパク質合成系であるPURE systemを用いた。具体的には、翻訳液,1%(v/v) RNasein Ribonuclease inhibitor (Promega社,N2111), 1mM GTP,1mM ATP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,6mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,0.1mM 10−HCO−H4folate, 1.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.6μM メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ,0.26μM EF−G,0.24μM RF2,0.17μM RF3,0.5μM RRF,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,40μM EF−Tu,93μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,0.73μM AlaRS,0.03μM ArgRS,0.38μM AsnRS,0.13μM AspRS,0.02μM CysRS,0.06μM GlnRS,0.23μM GluRS,0.09μM GlyRS,0.4μM IleRS,0.04μM LeuRS,0.11μM LysRS,0.03μM MetRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.02μM TyrRS,0.02μM ValRS(自家調製タンパクは基本的にはHisタグ付加タンパクとして調製した))に、1μM 鋳型RNA、タンパク質性アミノ酸群をそれぞれ250μMずつ、ならびに50μMの側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化tRNA(化合物AT−7−A)を翻訳反応混合物に添加し、37℃で1時間静置することで行った。
翻訳産物はマトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を用いてMALDI−MSスペクトルを測定して同定した。
2−7.N末端Phe, Alaとベンジルチオエステル化されたアスパラギン酸誘導体を含むペプチド(P−D1,P−D2)の翻訳合成
1μM 鋳型RNA OT89(配列番号RM−D1)に、0.25mM Phe,0.25mM Gly,0.25mM Pro,0.25mM Arg,0.25mM Thr,0.25mM Tyrおよび、50μM Asp(SBn)−tRNAGluAAG(化合物AT−7−A)を含む前述の翻訳液を37℃で60分間保温した。同様に別容器にて1μM 鋳型RNA OT90(配列番号RM−D2)に、0.25mM Ala,0.25mM Gly,0.25mM Pro,0.25mM Arg,0.25mM Thr,0.25mM Tyrおよび、50μM Asp(SBn)−tRNAGluAAG(化合物AT−7−A)を含む前述の翻訳液を37℃で60分間保温した。得られた2つの翻訳反応物1μLにそれぞれ9μLの0.2%トリフルオロ酢酸を加え、そのうち1μLずつをMALDIターゲットプレート上に載せた後、1μLのCHCA溶液(10mg/ml α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、50%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸溶液)と混和し、プレート上乾固した。MALDI−MS分析の結果、RM−D1、RM−D2それぞれの鋳型から、開始メチオニン直後のPheもしくはAlaから翻訳開始された望みのペプチドP−D1(図44、ピークI)及びペプチドP−D2(図45、ピークI)が主生成物として観測された。
配列番号RM−D1(配列番号:78)
OT89 RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUaugUUUACUACAACGCGUCUUCCGUACCGUGGCGGCuaagcuucg
ペプチド配列P−D1
PheThrThrThrArg[Asp(SBn)]ProTyrArgGlyGly
配列番号RM−D2(配列番号:79)
OT90 RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUaugGCUACUACAACGCGUCUUCCGUACCGUGGCGGCuaagcuucg
ペプチド配列P−D2
AlaThrThrThrArg[Asp(SBn)]ProTyrArgGlyGly
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1376.4(配列P−D1に対応するペプチド。Calc.1376.6)
m/z: [H+M]+ = 1300.4(配列P−D2に対応するペプチド。Calc.1300.6)
2−8.翻訳ペプチドP-D1、P−D2上のチオエステルとN末端α―アミノ基を用いたペプチドのアミド環化実験
前述の翻訳反応物P−D1を含む翻訳溶液3.5μLそれぞれに、1μLチオフェノール溶液(5M 4−トリフルオロメチルチオフェノール、5Mトリエチルアミンを等量混合したもの)、0.5μL 500mM トリカルボキシエチルホスフィン溶液 (pH7.5)を混合し、50℃で2時間保温した。得られた反応液2μLに12μLの2%トリフルオロ酢酸を加え、そのうち1μLをMALDIターゲットプレート上に載せた後、1μLのCHCA溶液(10mg/ml α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、50%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸溶液)と混和し、プレート乾固した後、MALDI−MSにて解析を行った。その結果、出発物質であるP−D1のピークは消失し、代わりにN末端α―アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物P-D3に相当するピークを観測した(図44、ピークII)。前述の翻訳反応物P−D2を含む翻訳溶液についても、上記と同様な操作を行いMALDI−MSにて解析したところ、N末端α―アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物P-D4に相当するピークを観測した(図45、ピークII)
ペプチド配列P−D3(配列番号:80)
PheThrThrThrArg[Asp(SBn)]ProTyrArgGlyGlyのN末端アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1252.3 (Calc.1252.6)
ペプチド配列P−D4(配列番号:81)
AlaThrThrThrArg[Asp(SBn)]ProTyrArgGlyGlyのN末端アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物
MALDI-MS:m/z: [M+H]+ = 1176.3 (Calc.1176.6)
2−9.環化反応条件におけるRNA安定性評価
反応補助基を利用しないアミド化環化反応条件においてRNAが分解しないことを評価するため、反応条件に伏したRNAをゲル電気泳動により解析した。
1uM Mgtp_R RNA(配列番号R−41)を含む溶液(1mM GTP,1mM ATP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,6mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,1mM ジチオスレイトール,0.1mM 10−HCO−H4folate,)3.5μL、1μLチオフェノール溶液(5M 4−トリフルオロメチルチオフェノール、5Mトリエチルアミンを等量混合したもの)、0.5μL 500mM トリカルボキシエチルホスフィン溶液 (pH7.6)を混合し、50℃で0.5〜2時間保温した。その後反応液をRNeasy minelute(qiagen社)により精製した。環化条件に付していない対照実験として、保温時間をなくしたもの、チオフェノール溶液の代わりに水を加えたもの、それらに加えて精製操作を行わなかったものも同様の操作を施した。得られたRNA溶液は、6M尿素を含む10%ポリアクリルアミドゲルにて電気泳動を行った後、SYBR gold nucleic acid stain (Invitrogen社)により染色を行った。
その結果、対象実験として環化条件に付していないRNA (lane 1−3)と比べても、反応条件に付したRNA(lane 6)はバンドパターンやバンド濃さに変化がなく、環化反応条件においてもRNAが安定であることが明らかとなった(図46)。
本実験より以下の事柄が明らかとなった。(1)Intiation read through法はCysやGlyと同様にAlaやPheであっても有効に機能し、選択的に望みのペプチド配列が翻訳できることが明らかとなった。(2)Ala、Pheともに望みの環化反応を進行させることができた。翻訳液中でCys(反応補助基有)やGly(α位置換基無のため最も反応性高い)以外のアミノ酸でもチオエステルを経由したアミド化反応が進行することを初めて示すことができた。本反応を進行させる目的には翻訳液中で安定な活性エステルを翻訳合成させ、その活性エステルを含む交差ユニットのC末端側となりのユニットのアミノ酸にはN−メチル化などのN-アルキル化されたユニット(プロリンも含む)が選択されることが必要である(アスパルチミド形成を避ける目的)。(3)主な副生成物はチオエステル部位の加水分解であった。(4)本反応条件ではRNAは安定に存在させることができ、ペプチドーRNA複合体でも、同様の反応が進行させることができる。
3−1.環化反応条件の最適化
翻訳ペプチドでの環化反応例と合成ペプチドでの翻訳合成液中での反応例では類似の結果を得たことから、合成ペプチドでの翻訳合成液中での反応収率向上が確認されれば、翻訳ペプチドの環化反応収率向上が得られたと解釈できる。以下、合成ペプチドでの翻訳液中での反応最適化検討を行った。
3−1−1.pHの効果
pHを9から10付近で反応を実施していたが、pH7.8, 8.1, 9.2の3点で環化反応を行った結果、pHが小さい方が環化:加水分解の比が目的の方向に向上することが明らかとなった。
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(13.6ul、0.10mmol)およびトリエチルアミン(13.9ul、0.10mmol)を100mMのリン酸水素2ナトリウム水溶液(80μl)およびNMP(10μl)に溶解させた。この溶液に(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)のNMP溶液(10mM、10μl、0.10μmol)と内部標準として4−プロピル安息香酸のアセトニトリル溶液(50mM、1.0μl)を加え、30度で終夜攪拌した。反応開始時のpHは9.0であった。反応液をLCMSで分析し、標題化合物の生成を確認した。2時間攪拌後の転化率は内部標準とのLCMS−UVエリア比より72%で、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比(LCMSのUVエリア比による)は12:1であった。さらに、4時間後は転化率は81%、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比(LCMSのUVエリア比による)は8:1であった。そして、終夜攪拌後、原料化合物(SP−504)は消失したが、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比(LCMSのUVエリア比及びマス強度比の変化(6時間後データと終夜攪拌後データの比較)による)は3:1であった。つまり、反応時間の延長と供に、標題化合物の加水分解に対する選択性は低下する結果となった(表12)。終夜攪拌後の反応液のpHを測定するとpH10.0となっていた。
・標題化合物
LCMS(ESI)m/z =1132.3(M−H)−
保持時間:0.64分(分析条件SQDFA05)
・加水分解体(化合物SP−512)
LCMS(ESI) m/z =1150.4(M−H)−
保持時間:0.49分(分析条件SQDFA05)
以上の結果より、反応時間の経過とともに、pHが上昇しており、これに従って環化体(標題化合物)/加水分解体の選択性が低下していくことがわかった。時間経過と共にpHが上昇するのは、系内でフリーのトリエチルアミンが発生することが原因である。本反応では水溶性を高める目的で、添加剤として用いる4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールをトリエチルアミンとの塩として添加している。この、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールが酸化されてジスルフィドとなると、これまでSH基にて中和されていたアミンが過剰となり、系内にフリーのトリエチルアミンが生成し、結果としてpHが上昇する。
環化体(標題化合物)/加水分解体の選択性を向上させるには、反応中、塩基性を維持して、塩基性が高くならない反応条件設定が鍵であると結論される。そのための方法として、使用する緩衝液の濃度を上げ、フリーのトリエチルアミンが発生しても緩衝作用によってpHの上昇を抑えることが挙げられる。また、系内でフリーのトリエチルアミンが発生しないようにチオールの酸化を抑制する方法も考えられる。つまり、反応を窒素雰囲気下で行う、または還元剤であるトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンなどを共存させて行うことが望ましい。
従って、このような観点から、反応のpH上昇を抑えるため、反応液中の緩衝剤の濃度を62mMから500mMに上げ、還元剤としてトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン50mM を添加した条件で実験した。以下、環化体(標題化合物)/加水分解体の選択性に対するpHの影響を確認する為に、反応のpHは、pH7.8, 8.1, 9.2の3点で実施した。
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
pH7.8における化合物SP−511の合成
水(10.9ul)、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(6.80ul、0.050mmol)とトリエチルアミン(6.97ul、0.050mmol)の混合溶液を調整した。その混合溶液に1.9M HEPES緩衝溶液(pH=7.5, 13.1ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、5.0ul)を加えた。さらに、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)の10mM N−メチルピロリドン溶液5ulと11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(2.25ul)を加え30℃で6時間攪拌した。反応開始時のpHは7.8であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、標題化合物の生成を確認した。6時間で内部標準とのエリア面積比より転化率は96%であり、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ38:1であった。
・標題化合物
LCMS(ESI)m/z =1132.3(M−H)−
保持時間:0.63分(分析条件SQDFA05)
・加水分解体(化合物SP−512)
LCMS(ESI) m/z =1150.5(M−H)−
保持時間:0.48分(分析条件SQDFA05)
pH8.1における化合物SP−511の合成
上記のpH7.8における化合物SP−511の合成と同様の方法で、1.9M HEPES緩衝溶液(pH=7.5, 13.1ul)の代わりに1.9M HEPES緩衝溶液(pH=8.1, 13.1ul)を用い反応を行った。30℃で6時間攪拌した。反応開始時のpHは8.1であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、標題化合物の生成を確認した。6時間で内部標準とのエリア面積比より転化率は93%であり、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ40:1であった。
・標題化合物(SP−511)
LCMS(ESI) m/z =1132.3(M−H)−
保持時間:0.63分(分析条件SQDFA05)
・加水分解体(化合物SP−512)
LCMS(ESI) m/z =1150.4(M−H)−
保持時間:0.48分(分析条件SQDFA05)
pH9.2における化合物SP−511の合成
上記のpH7.8における化合物SP−511の合成と同様の方法で、1.9M HEPES緩衝溶液(pH=7.5, 13.1ul)の代わりに1.9M Bicine緩衝溶液(pH=9.5, 13.1ul)を用い反応を行った。30℃で6時間攪拌した。反応開始時のpHは9.2であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、標題化合物の生成を確認した。6時間で内部標準とのエリア面積比より転化率は87%であり、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ22:1であった。
・標題化合物(SP−511)
LCMS(ESI) m/z =1132.4(M−H)−
保持時間:0.63分(分析条件SQDFA05)
・加水分解体(化合物SP−512)
LCMS(ESI) m/z =1150.3(M−H)−
保持時間:0.48分(分析条件SQDFA05)
3−1−2.添加剤(4-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)の濃度効果
濃度1Mではなく100mMとした場合には、加水分解比率が増加することが明らかとなった。
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
水(41.6ul)、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(1.36ul、0.01mmol)とトリエチルアミン(1.39ul、0.01mmol)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、1.9MHEPES緩衝溶液(pH=8.1, 26.2ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10ul)を加えた。さらに、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ul、11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)とN−メチルピロリドン(4.89ul)を加え30℃で終夜攪拌した。反応開始時のpHは7.9であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、標題化合物の生成を確認した。終夜攪拌後で内部標準とのエリア面積比より転化率は98%であり、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ6:1であった。
・標題化合物(SP−511)
LCMS(ESI) m/z =1132.3(M−H)−
保持時間:0.63分(分析条件SQDFA05)
・加水分解体(化合物SP−512)
LCMS(ESI) m/z =1150.2(M−H)−
保持時間:0.48分(分析条件SQDFA05)
3−1−3.有機溶媒と水の比率変化による環化と加水分解体生成比変化
有機溶媒比率は向上させる方が有利である結果を得た。
添加剤(4-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)濃度1M、有機溶媒(NMP):水=50:50での反応例
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
HEPES緩衝溶液(5M、pH=7.5、10.0μl)、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(13.6μl、0.10mmol)およびトリエチルアミン(13.9μl、0.10mmol)の混合溶液を調整した。その混合溶液に水(21.75μl)、NMP(21.75μl)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(1.1M、pH=7.5、4.5μl)を加えた。さらに、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)のNMP溶液(10mM、10μl、0.10μmol)および内部標準として4−プロピル安息香酸のNMP溶液(11mM、4.5μl)を加えて30℃で攪拌した。反応開始時のpHは7.5であった。6時間後、LC/MSで反応を分析したところ、標題化合物の生成を確認した。内部標準とのエリア面積比から、反応の転換率は91%であり、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比はLC/MSのUVエリア比でおよそ35:1であった。
・標題化合物(SP−511)
LCMS(ESI)m/z =1134.5(M+H)+
保持時間:0.64分(分析条件SQDFA05)
添加剤(4-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)濃度1M、有機溶媒(NMP):水=10:90での反応例
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
HEPES緩衝溶液(5M、pH=7.5、10.0μl)、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(13.6μl、0.10mmol)およびトリエチルアミン(13.9μl、0.10mmol)の混合溶液を調整した。その混合溶液に水(50.75μl)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(1.1M、pH=7.5、4.5μl)を加えた。さらに、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)のNMP溶液(18.2mM、5.5μl、0.10μmol)および内部標準として4−プロピル安息香酸のNMP溶液(28.5mM、1.75μl)を加えて30℃で攪拌した。反応開始時のpHは7.4であった。6時間後、LC/MSで反応を分析したところ、標題化合物の生成を確認した。内部標準とのエリア面積比から、反応の転換率は93%であり、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比はLC/MSのUVエリア比でおよそ12:1であった。
・標題化合物
LCMS(ESI)m/z =1134.5(M+H)+
保持時間:0.64分(分析条件SQDFA05)
3−1−4. 添加剤の最適化
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2,8,23−トリベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,17−テトラメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−509)の合成
水(21.8ul)、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(13.6ul、0.100mmol)とトリエチルアミン(13.9ul、0.100mmol)の混合溶液を調整した。その混合溶液に1.9M HEPES緩衝溶液(pH=8.1, 26.2ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.0、10.0ul)を加えた。さらに、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(Phe−Ala−MePhe−Gly−Leu−Ala−Val−Phe−Asp(SBn)−MeAla−Ser−Gly−NH2)(化合物SP−508)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ulと11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)を加え30℃で終夜攪拌した。反応開始時のpHは8.1であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、原料化合物SP−508は消失し、標題化合物(SP−509)と加水分解体(化合物SP−510)のMASSを観測し、LCMSのMASS強度比(+)はおおよそ8:1であった。
・標題化合物(SP−509)
LCMS(ESI)m/z =1210.4(M+H)+
・加水分解体(化合物SP−510)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−酸
LCMS(ESI)m/z =1228.4(M+H)+
3−1−4−1.添加剤として(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)(1M)ではなく、4−ニトロベンゼンチオール(1M)を用いた場合
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2,8,23−トリベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,17−テトラメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−509)の合成
水(32.68ul)、4−ニトロベンゼンチオール(16.0mg、0.100mmol)、トリエチルアミン(13.94ul、0.100mmol)、1.9M HEPES緩衝溶液(pH=8.1, 26.2ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10.0ul)とN−メチルピロリドン(2.66ul)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−508)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ulと11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)を加え30℃で終夜攪拌した。反応開始時のpHは8.3であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、終夜攪拌すると原料化合物は消失し、標題化合物(SP−509)と加水分解体(化合物SP−510)とチオエステル交換体(化合物SP−513)のMASSを観測し、LCMSのMASS強度比(+)はおおよそ7:7:2であった。
・標題化合物(SP−509)
LCMS(ESI)m/z =1210.4(M+H)+
・加水分解体(化合物SP−510)
LCMS(ESI)m/z =1228.4(M+H)+
・チオエステル交換体(化合物SP−513)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−(4−ニトロフェニル)
LCMS(ESI)m/z =1365.3(M+H)+
3−1−4−2.添加剤として(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)(1M)ではなく、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンチオール(1M)を用いた場合
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2,8,23−トリベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,17−テトラメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−509)の合成
水(22.04ul)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンチオール(13.3ul、0.100mmol)、トリエチルアミン(13.94ul、0.100mmol)、1.9MHEPES緩衝溶液(pH=8.1, 26.2ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10.0ul)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−508)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ulと11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)を加え30℃で終夜攪拌した。反応開始時のpHは8.0であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、終夜攪拌後も原料化合物(化合物SP−508)は消失せず、標題化合物(SP−509)とチオエステル交換体(化合物SP−514)のMASSは観測されなかった。一方、加水分解体(化合物SP−510)のMASSは観測された。原料化合物(化合物SP−508)と加水分解体(化合物SP−510)のLCMSのMASS強度比(+)はおおよそ18:1であった。
・原料化合物(化合物SP−508)
LCMS(ESI)m/z =1334.4(M+H)+
・加水分解体(化合物SP−510)
LCMS(ESI)m/z =1228.4(M+H)+
・チオエステル交換体(化合物SP−514)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−(ペルフルオロフェニル)
LCMS(ESI)m/z は観測されなかった。
3−1−4−3.添加剤として(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)(1M)ではなく、2−メルカプト安息香酸(1M)を用いた場合
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2,8,23−トリベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,17−テトラメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−509)の合成
水(32.68ul)、2−メルカプト安息香酸(15.0mg、0.100mmol)、トリエチルアミン(13.94ul、0.100mmol)、1.9M HEPES緩衝溶液(pH=8.1, 26.2ul)、0.5M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10.0ul)とN−メチルピロリドン(2.66ul)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−508)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ulと11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)を加え30℃で終夜攪拌した。反応開始時のpHは8.0であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、終夜攪拌すると原料化合物は消失し、標題化合物(SP−509)と加水分解体(化合物SP−510)とチオエステル交換体(化合物SP−515)のMASSを観測し、LCMSのMASS強度比(−)はおおよそ1:10:7であった。
・標題化合物(SP−509)
LCMS(ESI)m/z =1208.9(M−H)−
・加水分解体(化合物SP−510)
LCMS(ESI)m/z =1226.3(M−H)−
・チオエステル交換体(化合物SP−515)
2−(((3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−オイル)チオ)安息香酸
LCMS(ESI)m/z =1362.1(M−H)−
3−1−4−4.添加剤として(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)(1M)ではなく、2−メルカプトフェノール(1M)を用いた場合
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2,8,23−トリベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,17−テトラメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−509)の合成
水(24.64ul)、2−メルカプトフェノール(10.05ul、0.100mmol)、トリエチルアミン(13.94ul、0.100mmol)、1.9M HEPES緩衝溶液(pH=8.1, 26.2ul)、0.5M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10.0ul)とN−メチルピロリドン(0.65ul)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−508)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ulと11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)を加え30℃で1時間攪拌した。反応開始時のpHは8.0であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、1時間攪拌すると原料化合物は消失し、標題化合物(SP−509)と加水分解体(化合物SP−510)のMASSを観測し、LCMSのMASS強度比(+)はおおよそ1.1:1であった。
・標題化合物(SP−509)
LCMS(ESI)m/z =1210.4(M+H)+
・加水分解体(化合物SP−510)
LCMS(ESI)m/z =1228.4(M+H)+
3−1−4−5.添加剤として(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)(1M)ではなく、2−メルカプトフェノール(0.5M)と2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸 (S,Z)−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(0.5M)を用いた場合
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2,8,23−トリベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,17−テトラメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−509)の合成
水(2.46ul)、2−メルカプトフェノール(5.03ul、0.050mmol)、常法(Organic Letter, 2012,14, 3372−3375)に従い別途合成した2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸 (S,Z)−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(化合物SP517)(11.0mg、0.050mmol)、トリエチルアミン(13.94ul、0.100mmol)、1Mリン酸緩衝溶液(pH=7.7, 52.4ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10.0ul)とN−メチルピロリドン(1.65ul)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−508)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ulと11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)を加え30℃で1時間攪拌した。反応開始時のpHは7.0であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、1時間攪拌後、標題化合物(SP−509)、加水分解体(化合物SP−510)とエステル交換体(化合物SP−516)のMASSを観測し、LCMSのMASS強度比(−)はおおよそ4:5:2であった。
・標題化合物(SP−509)
LCMS(ESI)m/z =1208.1(M−H)−
・加水分解体(化合物SP−510)
LCMS(ESI)m/z =1226.2(M−H)−
・エステル交換体(化合物SP−516)
(7S,10S,13S,16S,19S,25S,28S,31S,E)−31−アミノ−7−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−10,25−ジベンジル−2−シアノ−19−イソブチル−13−イソプロピル−16,26,28−トリメチル−5,9,12,15,18,21,24,27,30−ノナオキソ−32−フェニル−4−オキサ−3,8,11,14,17,20,23,26,29−ノナアザドトリアコンタ−2−エン−1−酸 ((S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル
LCMS(ESI)m/z =1436.4(M−H)−
3−1−4−6.添加剤として(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)(1M)ではなく、2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸 (S,Z)−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(0.5M)を用いた場合
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2,8,23−トリベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,5,7,17−テトラメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−509)の合成
水(6.48ul)、常法(Organic Letter, 2012,14, 3372−3375)に従い別途合成した2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸 (S,Z)−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(化合物SP−517)(11.0mg、0.050mmol)、トリエチルアミン(13.94ul、0.100mmol)、1Mリン酸緩衝溶液(pH=7.7, 52.4ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10.0ul)とN−メチルピロリドン(2.7ul)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−508)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ulと11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)を加え30℃で1時間攪拌した。反応開始時のpHは9.8であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、1時間攪拌後、加水分解体(化合物SP−510)のMASSを観測した。標題化合物(SP−509)及びエステル交換体(化合物SP−516)のMASSは観測されなかった。
・加水分解体(化合物SP−510)
LCMS(ESI)m/z =1226.7(M−H)−
3−1−4−7.添加剤として(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)(100mM)ではなく、ベンゼンチオール(100mM)を用いた場合
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
水(41.86ul)、ベンゼンチオール(1.03ul、0.01mmol)とトリエチルアミン(1.39ul、0.01mmol)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、1.9MHEPES緩衝溶液(pH=8.1, 26.2ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10ul)を加えた。さらに、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ul、11mMの内部標準(4−プロピル安息香酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)とN−メチルピロリドン(4.96ul)を加え30℃で終夜攪拌した。反応開始時のpHは7.9であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、標題化合物の生成を確認した。終夜攪拌後で内部標準とのエリア面積比より転化率は94%であり、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ3:1であった。
・標題化合物(SP−511)
LCMS(ESI) m/z =1132.3(M−H)−
保持時間:0.63分(分析条件SQDFA05)
・加水分解体(化合物SP−512)
LCMS(ESI) m/z =1150.2(M−H)−
保持時間:0.48分(分析条件SQDFA05)
3−1−4−8.添加剤として(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)(1M)ではなく、ベンゼンチオール(1M)を用いた場合
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
水(24.44ul)、ベンゼンチオール(10.3ul、0.10mmol)とトリエチルアミン(13.9ul、0.10mmol)の混合溶液を調整した。その混合溶液に、1.9MHEPES緩衝溶液(pH=8.1, 26.2ul)、0.5Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.6、10ul)を加えた。さらに、(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−28−フェニル−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)の10mM N−メチルピロリドン溶液10ulと11mMの内部標準(フタル酸)N−メチルピロリドン溶液(4.56ul)を加え30℃で40時間攪拌した。反応開始時のpHは8.1であった。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、標題化合物の生成を確認した。40時間攪拌後、原料(化合物SP-504)は消失し、標題化合物(SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)の生成比はLCMSのUVエリア比でおおよそ7:1であった。
・標題化合物(SP−511)
LCMS(ESI) m/z =1132.3(M−H)−
保持時間:0.63分(分析条件SQDFA05)
・加水分解体(化合物SP−512)
LCMS(ESI) m/z =1150.4(M−H)−
保持時間:0.48分(分析条件SQDFA05)
以上の結果、添加剤として様々なアリールチオエステルが使用可能なことが明らかとなった。翻訳可能なチオエステルを早い反応速度で活性化する目的ではチオール基の電子供与性が高い方が有利であり、活性化されたチオエステルがアミンと十分な速度で環化反応するには電子吸引性が高い方が有利であり、両者のバランスが重要であることが明らかとなった。
グリシンなどの反応性が高いアミンの場合、添加剤としてベンゼンチオールを用いた場合、その濃度は10mMで充分な環化反応の選択性(環化反応:加水分解=30:1)を得ることができる。一方、アラニンなどより反応性が低いアミンの場合、ベンゼンチオール濃度を10mMから100mMへ上げた条件で、環化反応と加水分解の比率は3:1と低下してしまう。さらに、ベンゼンチオール濃度を1Mへ上げた条件でもその比率は7:1であり、反応性が高いアミンほどの選択性(30:1)は得られない。その場合、添加剤としてベンゼンチオールではなく、電子吸引性基を導入した4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールを1M用いると、環化反応と加水分解の比率は30:1となり、選択性を向上させることができる。ところが、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール濃度を100mMへ下げると、その選択性は低下(6:1)してしまう。したがって、反応性が低いアミンの場合、添加剤として用いる4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール濃度は高濃度であることが望ましい。
また、活性エステルへの交換反応を単一の添加剤を加えて実施するのではなく、複数の添加剤を加えて実現させることも可能である。2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸 (S,Z)−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(化合物SP−517)での活性化は、翻訳可能なチオエステルからの直接変換は達成できなかったが、まず、2−メルカプトフェノールにて翻訳可能なチオエステルを活性化した後、ここからのさらなる活性化が可能であることが明らかとなった。2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸 (S,Z)−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(化合物SP−517)では、水中で高効率でN-メチル化されたアミノ酸やペプチドへの高効率なアミド化反応が報告されており(Organic Letter, 2012,14, 3372−3375)、2段階の活性化を経て本活性種への活性化が達成された事実は、注目に値する。
3−2−1.反応翻訳液中での反応最適化条件での環化反応
上に述べた反応条件最適化に伴い、反応翻訳液中で環化反応を実施した結果、翻訳ペプチドの環化実験実施条件と比較して加水分解比率を低下させ、目的化合物割合を向上させることができた。
(2S,5S,8S,14S,17S,20S,23S,26S)−N−((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−8,23−ジベンジル−14−イソブチル−20−イソプロピル−N,2,5,7,17−ペンタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,28−ノナオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25−ノナアザシクロオクタコサン−26−カルボキサミド(化合物SP−511)の合成
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(6.8μL、0.050mmol)およびトリエチルアミン(7.0μl、0.050mmol)をHEPES緩衝液(pH=7.6、1.9M、8.2μl)に溶解させ、チオール溶液を調整した。
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)−27−アミノ−3−(((S)−1−(((S)−1−((2−アミノ−2−オキソエチル)アミノ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)(メチル)カルバモイル)−6,21−ジベンジル−15−イソブチル−9−イソプロピル−12,22,24−トリメチル−5,8,11,14,17,20,23,26−オクタオキソ−4,7,10,13,16,19,22,25−オクタアザオクタコサン−1−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−504)のNMP溶液(10mM、5.0μl、0.050μmol)に内部標準として4−プロピル安息香酸のNMP溶液(11mM、2.25μl)を加えた。次に翻訳用緩衝液(6.25μl)、PURESYSTEM(r) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(10μl)、20種の天然アミノ酸溶液(それぞれ5mM,2.5μl)を加えた。
なお翻訳用緩衝液の成分は8mM GTP,8mM ATP,160mMクレアチンリン酸,400mM HEPES−KOH pH7.6,800mM 酢酸カリウム,48mM 酢酸マグネシウム,16mMスペルミジン,8mM ジチオスレイトール,0.8mM 10−HCO−H4folate, 12mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社)である。これにトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(pH=7.5、1.25M、2.0μl)および先に調整したチオール溶液を加えた。この時点での反応液のpHは7.7であった。
反応液を30℃で22時間攪拌した後、LC/MSで分析し、標題化合物の生成を確認した。22時間攪拌後の反応液のpHは9.4であった。また、標題化合物(化合物SP−511)と加水分解体(化合物SP−512)との生成比はUVエリア比で2.6:1であった。
標題化合物(SP−511)
LCMS(ESI)m/z =1134.4(M+H)+
保持時間:0.64分(分析条件 SQDFA05)
加水分解体(化合物SP−512)
LCMS(ESI)m/z =1152.5(M+H)+
保持時間:0.48分(分析条件 SQDFA05)
3−3.N末MeAlaモデルペプチドを用いた環化反応
N末端をAlaやPheに続き、N−アルキルアミノ酸であるMeAlaのモデル反応も実施し、環化体の生成を確認した。
3−3−1.N末端MeAlaモデルペプチドの合成
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,5,6,11,17,23,26−オクタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸 (Boc−MeAla−Val−MeLeu−Thr(Trt)−MePhe−Gly−MeLeu−MeVal−Phe−Asp−MePhe−Ala−piperidine)(化合物SP−518)の合成
常法に従って合成した(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,5,6,11,17,23,26−オクタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸 ベンジル(化合物SP−519、Boc−MeAla−Val−MeLeu−Thr(Trt)−MePhe−Gly−MeLeu−MeVal−Phe−Asp(OBn)−MePhe−Ala−piperidine)(516mg、0.274mmol)のメタノール(3.5ml)溶液にヒドロキシパラジウム/炭素(172mg、50%wet. w/w)を加えて、水素置換した後に室温で2.5時間攪拌した。その後、反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮して標題化合物(SP−518)(468mg、95%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1790.9(M−H)−
保持時間:0.87分(分析条件 SQDAA50)
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,5,6,11,17,23,26−オクタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−チオ酸 S−ベンジル(Boc−MeAla−Val−MeLeu−Thr(Trt)−MePhe−Gly−MeLeu−MeVal−Phe−Asp(SBn)−MePhe−Ala−piperidine)(化合物SP−520)の合成
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,5,6,11,17,23,26−オクタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸(化合物SP−518)(50.0mg、0.028mmol)をジクロロメタン(320μl)およびDMF(80μl)に溶解させ、フェニルメタンチオール(6.93mg、0.056mmol)、DIC(7.04mg、0.056mmol)およびN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(2.58mg、0.021mmol)を加えて室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(10mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール)で精製して、標題化合物(SP−520)(37.6mg、71.0%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1897.3(M−H)−
保持時間:0.99分(分析条件 SQDAA50)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S,30S)−15,27−ジベンジル−12−((R)−1−ヒドロキシエチル)−9,21−ジイソブチル−6,24−ジイソプロピル−3,8,14,20,23−ペンタメチル−30−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカアザドトリアコンタン−32−チオ酸 S−ベンジル(MeAla−Val−MeLeu−Thr−MePhe−Gly−MeLeu−MeVal−Phe−Asp(SBn)−MePhe−Ala−piperidine)(化合物SP−521)の合成
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,5,6,11,17,23,26−オクタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−520)(37.6mg、0.020mmol)をジクロロメタン(300μl)に溶解し、TFA(150.0μl、1.95mmol)を加えて室温で1時間半攪拌した。反応液にトリイソプロピルシラン(15.7mg、0.099mmol)を加えた後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(0.1%FA水溶液:0.1%FAアセトニトリル溶液)で精製して標題化合物(SP−521)(18.5mg、60.0%)を得た。
LCMS(ESI)m/z =1555.1(M−H)−
保持時間:0.79分(分析条件 SQDFA05)
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,5,6,11,17,23,26−オクタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(Boc−MeAla−Val−MeLeu−Thr(Trt)−MePhe−Gly−MeLeu−MeVal−Phe−Asp(O(2−EtSS−6−Me−Ph))−MePhe−Ala−piperidine)(化合物SP−522)の合成
なお、本明細書では、Aspの側鎖カルボン酸が2-(エチルジスルファニル)-6-メチルフェニルエステル基にて置換された化合物をAsp(O(2-EtSS-6-Me-Ph))と記載する。この部位がペプチドに含まれる場合にも同様に記載することとする。
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,5,6,11,17,23,26−オクタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸(化合物SP−518)(50.0mg、0.028mmol)のジクロロメタン(300ul)溶液に、常法に従い(J. AM. CHEM. SOC. 2009, 131, 5432−5437)別途合成した2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェノール(8.38mg、0.042mmol)、N,N’−メタンジイリデンビス(プロパン−2−アミン) (6.52ul、0.042mmol)、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(3.41mg、0.028mmol)を加え室温で終夜攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=70/30→0/100)にて精製し、標題化合物(化合物SP−522)(43.8mg, 80%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =1973.5(M―H)−
保持時間:1.01分(分析条件SQDAA50)
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S,30S)−15,27−ジベンジル−12−((R)−1−ヒドロキシエチル)−9,21−ジイソブチル−6,24−ジイソプロピル−3,8,14,20,23−ペンタメチル−30−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカアザドトリアコンタン−32−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(MeAla−Val−MeLeu−Thr−MePhe−Gly−MeLeu−MeVal−Phe−Asp(O(2−EtSS−6−Me−Ph))−MePhe−Ala−piperidine)(化合物SP−523)の合成
(6S,9S,12S,15S,18S,24S,27S,30S,33S)−18,30−ジベンジル−12,24−ジイソブチル−9,27−ジイソプロピル−2,2,5,6,11,17,23,26−オクタメチル−33−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカオキソ−15−((R)−1−(トリチルオキシ)エチル)−3−オキサ−5,8,11,14,17,20,23,26,29,32−デカアザペンタトリアコンタン−35−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(化合物SP−522)(42.9mg、22umol)のジクロロメタン(200ul)溶液にトリフルオロ酢酸(100ul)とトリイソプロピルシラン(22.3ul、0.109mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液=70/30→0/100)にて精製し、標題化合物(化合物SP−523)(11.7mg、33%)を得た。
LCMS(ESI) m/z =1632.9(M+H)+
保持時間:0.83分(分析条件SQDFA05)
3−3−2.N末端MeAlaモデルペプチドでの環化反応例
(2R,5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29S)−14,26−ジベンジル−11−((R)−1−ヒドロキシエチル)−8,20−ジイソブチル−5,23−ジイソプロピル−N,1,2,7,13,19,22−ヘプタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,31−デカオキソ−N−((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28−デカアザシクロヘントリアコンタン−29−カルボキサミドの(化合物SP−524)合成
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S,30S)−15,27−ジベンジル−12−((R)−1−ヒドロキシエチル)−9,21−ジイソブチル−6,24−ジイソプロピル−3,8,14,20,23−ペンタメチル−30−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカアザドトリアコンタン−32−チオ酸 S−ベンジル(化合物SP−521)のNMP溶液(10mM、10μl、0.10μmol)に4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールの400mMリン酸水素二ナトリウム緩衝液(0.2M、50.0μl、10.0μmol)、トリエチルアミンのNMP溶液(1M、10μl、10.0μmol)およびNMP(30.0μl)を加えて、室温で4時間攪拌した。LC/MSでの分析により、標題化合物(SP−524)の生成を確認した。
LCMS(ESI)m/z =1432.8(M+H)+
保持時間:1.06分(分析条件 SQDFA05)
(
2S,5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29S)−14,26−ジベンジル−11−((R)−1−ヒドロキシエチル)−8,20−ジイソブチル−5,23−ジイソプロピル−N,1,2,7,13,19,22−ヘプタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,31−デカオキソ−N−((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28−デカアザシクロヘントリアコンタン−29−カルボキサミド(化合物SP−524)の合成
(3S,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S,30S)−15,27−ジベンジル−12−((R)−1−ヒドロキシエチル)−9,21−ジイソブチル−6,24−ジイソプロピル−3,8,14,20,23−ペンタメチル−30−(メチル((S)−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−(ピペリジン−1−イル)プロパン−2−イル)アミノ)−3−フェニルプロパン−2−イル)カルバモイル)−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナオキソ−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカアザドトリアコンタン−32−酸 2−(エチルジスルファニル)−6−メチルフェニル(化合物P−523)(0.163mg, 0.100umol)と1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン(0.575mg、5.0umol)のDMF(50ul)溶液に1Mリン酸緩衝溶液(pH8.5、20ul)、水(25ul)を加えた。さらに1Mトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)水溶液(5ul)を加え、室温で2時間攪拌した。LCMSを用いて反応を観測したところ、標題化合物(化合物SP−524)が観測された。
LCMS(ESI) m/z =1432.9(M+H)+
保持時間:1.09分(分析条件SQDFA05)
5.RNA−ペプチド複合体を用いた反応補助基を利用しないペプチド環化
RNA−ペプチド複合体において反応補助基を利用しないペプチド環化反応を施し、生成物を電気泳動にて解析した。
5−1.ピューロマイシンを含む鋳型mRNAの調製とそれを用いたRNA−ペプチド複合体の翻訳合成
PCRにより調製した3つのDNA(配列番号 DM−D1、DM−D2、DM−D3)を鋳型に、それぞれIn vitro転写によりmRNA(配列番号 RM−D3、R−D4、R−D5)を調整し、RNeasy mini kit (Qiagen社)を用いて精製した。各々に対し、10μMのmRNAに、50μMのピューロマイシンリンカー(Sigma社)(配列番号C−D1) 1X T4 RNAライゲースリアクションバッファー(NEB社)、1mM DTT、1mM ATP、0.02%BSA(Takara社)、510μM (PEG2000)(Wako社)、10% DMSO、1%(v/v) RNasein Ribonuclease inhibitor (Promega社,N2111)0.85 unit/μl T4 RNAライゲース(NEB社)を加え、15℃で一晩ライゲーション反応させた後、RNeasy MinElutekit(Qiagen社)により精製した。次に、上記で調製した3つのmRNA-ピューロマイシンリンカー連結体1 μMそれぞれを鋳型に、前述の無細胞翻訳液と0.25mM Ser、0.25mM Gly,0.25mM Pro,0.25mM Arg,0.25mM Thr,0.25mM Tyrおよび、50μM Asp(SBn)−tRNAGluAAG(化合物AT−7−A)を加え、37℃で60分間保温した後、続けて室温で12分間保温した。また、OT98RNA(配列番号 RM−D4)、OT99RNA(配列番号 RM−D5)由来のmRNA-ピューロマイシンを鋳型にする場合、それぞれ0.25mMのPhe, 0.25mM のAlaを加えて翻訳を行った。その後、反応液をRNeasy minelute(qiagen社)により精製し、RNA-ペプチド複合体を得た。
配列番号 DM−D1 OT-97 (配列番号:82)
OT-97 DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGGGTACTACAACGCGTCTTCCGTACCGTAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTAAAAAAA
配列番号 DM−D2 OT-98 (配列番号:83)
OT-98 DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTTTACTACAACGCGTCTTCCGTACCGTAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTAAAAAAA
配列番号 DM−D3 OT-99 (配列番号:84)
OT-99 DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGGCTACTACAACGCGTCTTCCGTACCGTAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTAAAAAAA
配列番号 RM−D3 OT-97 (配列番号:85)
OT-97 RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUGGGUACUACAACGCGUCUUCCGUACCGUAGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUAAAAAAA
配列番号 RM−D4 OT-98 (配列番号:86)
OT-98 RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUGUUUACUACAACGCGUCUUCCGUACCGUAGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUAAAAAAA
配列番号 RM−D5 OT-99 (配列番号:87)
OT-99 RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUGGCUACUACAACGCGUCUUCCGUACCGUAGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUAAAAAAA
配列番号 C−D1 HY_C18_dCdClinker
[P]dCdC [Fluorecein-dT][Spacer18][Spacer18][Spacer18][Spacer18]dCdC[puromycin] ([P]:5'リン酸化)
5−2.ペプチドーRNA複合体を用いた反応補助基を利用しないペプチド環化反応
窒素雰囲気下、上記で調整したOT-97 RNA配列(配列番号RM−D3)に由来する70μLのRNA-ペプチド複合体に、20.1μLのチオフェノール溶液(5M 4−トリフルオロメチルチオフェノール水溶液、5Mトリエチルアミン水溶液を等量混合したもの)、10μL 500mM トリカルボキシエチルホスフィン溶液 (pH7.5)を混合し、50℃で2時間反応させた。また、HEPES緩衝液(pH7.6)を用いて5M 4−トリフルオロメチルチオフェノール溶液および5M トリエチルアミン溶液を調整し、これらを等量混合してチオフェノール溶液を調整した後、OT-98 RNA配列(配列番号RM−D4)、OT-99 RNA配列(配列番号RM−D5)に由来するRNA-ペプチド複合体70μLそれぞれに対し、20.1μLのNMP、上述のチオフェノール溶液20.1μL、500mM トリカルボキシエチルホスフィン溶液 (pH7.5) 10μL を窒素雰囲気下で混合し、30℃で22時間攪拌した。
得られた3つの反応液それぞれから、RNeasy minelute(qiagen社)を用いてペプチドーRNA複合体を精製し、純水70μLにてカラムから溶出した。続けて、8.4μLの10xRNase ONE ribonuclease反応バッファー(promega社)、2.8μLのRNase ONE ribonuclease (promega社)、2.8μLのRNase H (Life technologies社)を加え、37度にて一晩保温した。続いて、得られた反応溶液と何も反応させていないピューロマイシンリンカー(配列番号C-D1)をpeptide-PAGE mini(TEFCO社)にて電気泳動し、ピューロマイシンリンカーに由来するFluoreceinにてバンドを可視化した。その結果、いずれの反応溶液に関してもピューロマイシンリンカーにペプチドが結合したことに由来するバンド移動度の差が観測された((図47)。このことから、目的の環化ペプチド−RNA複合体の存在が示された。
6.ノルロイシンを使ったメチオニン代替とアミノペプチダーゼを利用したペプチド環化への応用
翻訳後に、N末端のフォルミル化された翻訳開始アミノ酸をメチオニンアミノペプチダーゼ、及びペプチドデフォルミラーゼにて切断し、それにより露出したα-アミノ基を用いてペプチド環化反応を施し、MALDI-MSにて分析した。なお、翻訳開始アミノ酸としては、メチオニンの代わりに、酸化されやすい硫黄原子を含まないアミノ酸であるノルロイシン(CAS番号327−57−1)を使用した。
6−1.ノルロイシンで翻訳開始され、ベンジルチオエステル化されたアスパラギン酸誘導体を側鎖に含むペプチドを用いた、翻訳後開始アミノ酸除去と反応補助基を利用しないペプチド環化
1μM 鋳型RNA Mgtp_R(配列番号R−41)に、0.25mM Pro,0.25mM Gly,0.25mM Thr,0.25mM Arg,0.25mM Tyr,2.5mM ノルロイシン(Nle)および、50μM Asp(SBn)−tRNAGluAAG(化合物AT−7−A)を含む前述の翻訳液を37℃で60分間保温した。得られた翻訳溶液1μLに9μLの0.2%トリフルオロ酢酸を加え、そのうち1μLをMALDIターゲットプレート上に載せた後、1μLのCHCA溶液(10mg/ml α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、50%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸溶液)と混和し、プレート上乾固した。MALDI-MSの結果、フォルミルノルロイシンより翻訳開始された目的のペプチドP−D5に由来するピークが観測された(図48、ピークI)。続いて上記で得られた翻訳溶液4μLに、Hisタグ付加タンパクとして調製した150μM メチオニンアミノペプチダーゼ、20μM ペプチドデフォルミラーゼをそれぞれ0.5μLずつ加え、37℃で30分間保温した。得られた反応液1μLを前述したように前処理し、MALDI-MSにて分析したところ、開始フォルミルノルロイシンが外れ、N末端にGlyが露出したペプチドP−141に相当するピークが観測された(図48、ピークII)。最後に、このP−141を含む翻訳溶液3.5μL、1μLチオフェノール溶液(5M 4−トリフルオロメチルチオフェノール、5Mトリエチルアミンを等量混合したもの)、0.5μL 500mM トリカルボキシエチルホスフィン溶液 (pH7.6)を混合し、50℃で2時間保温した。得られた反応溶液2μLを使って、12μLの2%トリフルオロ酢酸を加え、そのうち1μLをMALDIターゲットプレート上に載せた後、1μLのCHCA溶液(10mg/ml α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、50%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸溶液)と混和し、プレート乾固した後、MALDI−MSにて解析を行った。その結果N末端α―アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した目的の化合物P-143に相当するピークを観測した(図48、ピークIII)。
ペプチド配列P−D5
fNleGlyThrThrThrArg[Asp(SBn)]ProTyrArgGlyGly
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1427.4(配列P-D5に対応するペプチド。Calc.1427.7)
m/z: [H+M]+ = 1286.4(配列P-141に対応するペプチド。Calc.1286.6)
m/z: [H+M]+ = 1162.3(配列P-143に対応するペプチド。Calc1162.6)
[実施例21]分枝ペプチドの翻訳産物からの生成(直鎖部2の生成)
1.分枝ペプチドの翻訳産物からの生成を可能とするユニットの選択および、反応条件検討
1−1.分子間モデル反応によるアミド化反応
以下に示す1-(2-メルカプトエチルアミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イルカルバミン酸 (S)-tert-ブチル(化合物10)の合成検討の結果、エステル官能基を水中でチオールの添加によりチオエステルに活性化させることが出来、かつ活性化させたチオエステルからアミンとの縮合反応によりアミド結合を選択的に生成させることができることが明らかとなった。
以下の反応の結果を図41に示す。
Entry 1
2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(33mg、 0.200mmol)と2-アミノエタンチオール 塩酸塩(22.7mg、 0.200mmol)にpH7.7の0.2M HEPES緩衝液(1.60ml)、DMF(0.400ml)を加えpH7.4に調整し、室温で5分間攪拌した。その後、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-フェニルプロパン酸 (S)-2-アミノ-2-オキソエチル(化合物11)(6.4mg、 0.02mmol)を加え、50度で24時間攪拌した。
LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、24時間で1-(2-メルカプトエチルアミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イルカルバミン酸 (S)-tert-ブチル(化合物10)が生成していることを確認した。加水分解物と目的化合物10との生成比は、LCMSのUVエリア比で46:43であった。
Entry 2
2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(164mg、 1.000mmol)と2-アミノエタンチオール 塩酸塩(11.4mg、 0.100mmol)にpH7.0の0.2M HEPES緩衝液(0.250ml)、DMF(0.200ml)、水(0.500ml)を加え室温で5分間攪拌した。さらに1M 水酸化ナトリウム水溶液(0.050ml)を加えてpH7.6に調整した後に、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-フェニルプロパン酸 (S)-2-アミノ-2-オキソエチル(化合物11)(3.2mg、 0.01mmol)を加え、40度で24時間攪拌した。
LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、24時間で1-(2-メルカプトエチルアミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イルカルバミン酸 (S)-tert-ブチル(化合物10)が生成していることを確認した。加水分解物と目的化合物10との生成比は、LCMSのUVエリア比で24:60であった。
Entry 3
2-ジメチルアミノエタンチオール塩酸塩(142mg、 1.000mmol)と2-アミノエタンチオール 塩酸塩(11.4mg、 0.100mmol)にpH7.0の0.2M HEPES緩衝液(0.750ml)、DMF(0.200ml)、水(0.100ml)を加え室温で5分間攪拌した。さらに1M 水酸化ナトリウム水溶液(0.150ml)を加えてpH7.3に調整した後に、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-フェニルプロパン酸 (S)-2-アミノ-2-オキソエチル(化合物11)(3.2mg、 0.01mmol)を加え、40度で24時間攪拌した。
LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、24時間で1-(2-メルカプトエチルアミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イルカルバミン酸 (S)-tert-ブチル(化合物10)が生成していることを確認した。加水分解物と目的化合物10との生成比は、LCMSのUVエリア比で23:71であった。
Entry 4
2-ジメチルアミノエタンチオール塩酸塩(425mg、 3.000mmol)と2-アミノエタンチオール 塩酸塩(11.4mg、 0.100mmol)にpH7.0の0.5M HEPES緩衝液(0.300ml)、DMF(0.200ml)、水(0.200ml)を加え室温で5分間攪拌した。さらに1M 水酸化ナトリウム水溶液(0.300ml)を加えてpH6.9に調整した後に、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-フェニルプロパン酸 (S)-2-アミノ-2-オキソエチル(化合物11)(3.2mg、 0.01mmol)を加え、40度で24時間攪拌した。
LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、24時間で1-(2-メルカプトエチルアミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イルカルバミン酸 (S)-tert-ブチル(化合物10)が生成していることを確認した。加水分解物と目的化合物10との生成比は、LCMSのUVエリア比で15:84であった。
LCMS(ESI) m/z = 325 (M+H)+
保持時間:0.71分(分析条件SQDFA05)
1−2.翻訳ペプチドモデル化合物による分子内分枝ペプチド(直鎖部2)生成反応例
既に環化されたペプチド(1回目のアミド環化)が生成後のペプチドを想定したモデルからの反応にて分枝化(直鎖部2の生成)を確認した。以下のスキームに従い、アミド環化(アミド環化部も主鎖環化を用いた)され、かつ主鎖にエステル官能基を有し、アミノ酸側鎖に反応補助基を有するアミノ基を有するモデル化合物の合成を行った。続いて分枝化実験を行い、環状ペプチドからRNAが安定に存在できる温和な反応条件にて水中にて分枝化が観測された。
1−2−1.翻訳ペプチドモデル化合物P-150の合成
(S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-6-((R)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)-3-(tert-ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(Fmoc−Lys(Alloc-Cys(StBu))-OH)(化合物150a)の合成
(R)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)-3-(tert-ブチルジスルファニル)プロパン酸(Alloc-Cys(StBu)-OH)(1.9g、 6.48mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド(0.745g、6.48mmol)のジクロロメタン (10 ml)溶液を0度に冷却した後に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl、1.24g、6.48mmol)を加え、反応液を室温で20時間攪拌した。20時間後、反応液を0度に冷却した後にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.49ml、14.25mmol)とFmoc−Lys−OH(2.39g、6.48mmol)を加え、反応液を室温で2時間攪拌した。反応混合物にジクロロメタンと1M塩酸を加えて、ジクロロメタンにて抽出を行った。有機層を25wt%食塩水で洗浄し、得られた溶液を減圧濃縮し、濃縮残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-6-((R)-2-(アリルオキシカルボニルアミノ)-3-(tert-ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(化合物150a、Fmoc−Lys(Alloc-Cys(StBu))-OH)(2.66g、64%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 644.6 (M+H)+
保持時間:0.91分(分析条件SQD FA05)
(R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソ−1−(4−((5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29S)−5,14,20,29−テトラベンジル−11−イソブチル−4,10,16,19,23,25,26−ヘプタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−8−イル)ブチルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸アリル(化合物150b)の合成
Fmocアミノ酸として、Fmoc-MePhe-OH、Fmoc-MeAla-OH、Fmoc-MeLeu-OH、Fmoc-MeGly-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Lys(Alloc-Cys(StBu))-OH(化合物150a)を用いてペプチドの伸長を行った。ペプチドの伸長後、N末端のFmoc基を脱保護し、HOAt,DICを縮合剤としてクロロ酢酸を縮合させた後、レジンをDMFにて洗浄した。レジンにジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、4mL)を加えて1時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、1mL)にて洗浄した。得られた溶液を減圧濃縮し、粗生成物(2S,5S,8S,11S,17S,20S,23S,30R)−2,11,17−トリベンジル−30−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−23−((S)−2−(2−クロロ−N−メチルアセトアミド)−3−フェニルプロパンアミド)−20−イソブチル−5,6,8,12,15,21−ヘキサメチル−4,7,10,13,16,19,22,29,32−ノナオキソ−33−オキサ−3,6,9,12,15,18,21,28,31−ノナアザヘキサトリアコンタ−35−エン−1−酸(ClAc-MePhe-Lys(Alloc-Cys(StBu))-MeLeu-Phe-MeGly-MePhe-Ala-MeAla-Phe)(87.2mg)を得た。得られた粗生成物(ClAc-MePhe-Lys(Alloc-Cys(StBu))-MeLeu-Phe-MeGly-MePhe-Ala-MeAla-Phe)(87.2mg, 0.059mmol)とヨウ化ナトリウム(22.2mg, 0.148mmol)のDMF(7.5ml)溶液に窒素雰囲気下、炭酸カリウム(12.3mg、0.089mmol)を加え、反応液を35度で2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、標題化合物150b(74.2mg、87%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1433 (M+H)+
保持時間:0.66分(分析条件SQD FA50)
化合物P−150
(R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)−N−(4−((5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29S)−5,14,20,29−テトラベンジル−11−イソブチル−4,10,16,19,23,25,26−ヘプタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−8−イル)ブチル)プロパンアミドの合成
(R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソ−1−(4−((5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29S)−5,14,20,29−テトラベンジル−11−イソブチル−4,10,16,19,23,25,26−ヘプタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30−デカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28−ノナアザシクロトリアコンタン−8−イル)ブチルアミノ)プロパン−2−イルカルバミン酸アリル(化合物150b)(23.1mg, 0.016mmol))のTHF(0.16ml)溶液に窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.0mg、0.002mmol)とモルホリン(5.62ml、0.064mmol)を加え、反応液を30度で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、標題化合物P−150(10.2mg、47%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1349 (M+H)+
保持時間:0.74分(分析条件SQD FA05)
1−2−2.翻訳モデルペプチドからの分子内分枝ペプチド生成反応
化合物P−151
(S)-2-(2-ヒドロキシ-N-メチルアセトアミド)-3-フェニル-N-((3R,6S,9S,12S,15S,21S,24S,27S)-6,15,21-トリベンジル-24-イソブチル-3-(メルカプトメチル)-9,10,12,16,19,25-ヘキサメチル-2,5,8,11,14,17,20,23,26-ノナオキソ-1,4,7,10,13,16,19,22,25-ノナアザシクロヘントリアコンタン-27-イル)プロパンアミドの合成
2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(99mg、 0.600mmol)とトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(2.9mg、 0.010mmol)にpH7.0の0.5M HEPES緩衝液(0.060ml)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)(0.010ml)、水(0.010ml)を加え室温で5分間攪拌した。さらに2M 水酸化ナトリウム水溶液(0.060ml)を加えてpH8.5に調整した後に、R)-2-アミノ-3-(tert-ブチルジスルファニル)-N-(4-((5S,8S,11S,14S,20S,23S,26S,29S)-5,14,20,29-テトラベンジル-11-イソブチル-4,10,16,19,23,25,26-ヘプタメチル-3,6,9,12,15,18,21,24,27,30-デカオキソ-1-オキサ-4,7,10,13,16,19,22,25,28-ノナアザシクロトリアコンタン-8-イル)ブチル)プロパンアミド(化合物P−150)の0.01M 1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)溶液(0.050ml、 0.5μmol)を加え、30度で6時間30分間攪拌した。反応の変化をLCMSを用いて観測したところ、6時間30分後、目的化合物が生成していることを確認し、目的化合物P−151と加水分解化合物との生成比はLCMSのUVエリア比で55:9であった。(図42、加水分解化合物 保持時間:0.64分)
LCMS(ESI) m/z = 1261 (M+H)+
保持時間:0.87分(分析条件SQDFA05)
2.1回目の環化で反応補助基を有するN末端に位置する三角ユニットとC末端側の活性チオエステル(交差ユニット)のアミド化反応を用い、2回目の分枝化にてCys-Pro- HO Glyから活性エステルを発生させ、無保護の側鎖アミノ基と反応させて分枝させる例の実施
2−1.自動合成機による主鎖にエステル基を含むペプチドの固相合成一般法
合成機にSieber Amide resin(1カラムあたり160−200mg、Novabiochemより購入)と、各種Fmocアミノ酸(0.6mol/L)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(0.375mol/L)のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液と、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液(10%v/v)をセットし、Fmoc脱保護溶液として、ピペリジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20%v/v)を用い、Fmoc脱保護反応時間を5分として合成を行った。DMF溶液で洗浄した後、Fmoc脱保護に次いでFmocアミノ酸の縮合反応を1サイクルとし、このサイクルを繰り返すことでレジン表面上にペプチドを伸長させた。このような実験例として相本らの非特許文献(Tetrahedron 2009, 65, 3871−3877)を参考にして合成することもできる。なお、本法は、他ペプチドの合成法としても、本明細書一般に渡って適切なケースに使用できる。
2−2.1回目の環化で反応補助基を有するN末端に位置する三角ユニットとC末端側の活性チオエステル(交差ユニット)のアミド化反応を用い、2回目の分枝化にてCys-Pro- HO Glyから活性エステルを発生させ、無保護の側鎖アミノ基と反応させて分枝させる例の化学反応条件の設定 2−2−1.翻訳ペプチドモデル化合物SP605の合成
以下のスキームに従い、N末端にCysを有し、C末端側の1回目の環化ユニットとしてAsp(SBn)を有し、2回目の分枝化ユニットとして、活性チオエステル発生パートとしてCys-Pro-
HOGlyを有し、側鎖アミン反応部位としてLysを有するモデルペプチド合成を行った。
(5S,8R)-5-((1H-インドール-3-イル)メチル)-1-(9H-フルオレン-9-イル)-12,12-ジメチル-3,6-ジオキソ-2-オキサ-10,11-ジチア-4,7-ジアザトリデカン-8-カルボン酸(化合物SP602、Fmoc-Trp-Cys(StBu)-OH)の合成
Fmoc-Trp-OH(5g、 11.72mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド(1.35g、11.72mmol)のジクロロメタン (23 ml)溶液を0度に冷却した後に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl、2.25g、11.72mmol)を加え、反応液を室温で5.5時間攪拌した。反応液を0度に冷却した後にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.05ml、11.72mmol)とH−Cys(StBu)−OH(2.45g、11.72mmol)を加え、反応液を室温で14時間攪拌した。反応混合物にジクロロメタンと1M塩酸を加えて、ジクロロメタンにて抽出を行った。有機層を25wt%食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。得られた溶液を減圧濃縮し、濃縮残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(5S,8R)-5-((1H-インドール-3-イル)メチル)-1-(9H-フルオレン-9-イル)-12,12-ジメチル-3,6-ジオキソ-2-オキサ-10,11-ジチア-4,7-ジアザトリデカン-8-カルボン酸(化合物SP602、Fmoc-Trp-Cys(StBu)-OH)(4.15g、57%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 618 (M+H)+
保持時間:0.93分(分析条件SQD FA05)
(S)-3-((S)-2-(2-((S)-1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボニルオキシ)アセトアミド)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)ヘキサンアミド)-4-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(化合物SP603、Acbz-Cys(StBu)-Gly-Lys(Me
2
)-Trp-Cys(StBu)-Pro-
HO
Gly-Lys(Acbz)-Asp-Pro-NH2)の合成
用語の定義
Acbz: 4−アジドベンジルオキシカルボニル基
HOGly: グリコール酸
Fmoc-Lys(Me
2)-OH・HCl: N-α-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-N-ε,N-ε-ジメチル-L-リシン 塩酸塩
Fmoc-Asp(OPis)-OH: N-α-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-L-アスパラギン酸 β-(2-フェニル)イソプロピル エステル
N末端のアミノ酸としてAcbz-Cys(StBu)-OH、Fmocアミノ酸として、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-Lys(Me2)-OH・HCl、Fmoc-Trp-Cys(StBu)-OH、Fmoc-Pro-HOGly-OH(化合物 SP632)、Fmoc−Lys(Acbz)−OH(化合物 SP661)、Fmoc-Asp(OPis)-OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Trp−Cys(StBu)−OH(化合物SP602)を用いて、実施例2−1記載の方法に基づいてペプチドの伸長を行った。
ペプチドの伸長後、レジンをDMF,ジクロロメタンにて洗浄した。レジンに2%TFA(v/v)を含むジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、4mL)を加えて室温で3時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、2mL)にて4回洗浄した。得られた溶液を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、標題化合物(Acbz-Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys(Acbz)-Asp-Pro-NH2)(化合物SP603)(360mg、39%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1645 (M+H)+
保持時間:0.75分(分析条件SQD FA05)
1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボン酸 (S)-2-((9S,12S)-1-(4-アジドフェニル)-12-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-カルボニル)-3,10,14-トリオキソ-16-フェニル-2-オキサ-15-チア-4,11-ジアザヘキサデカン-9-イルアミノ)-2-オキソエチル(化合物SP604、Acbz-Cys(StBu)-Gly-Lys(Me
2
)-Trp-Cys(StBu)-Pro-
HO
Gly-Lys(Acbz)-Asp(SBn)-Pro-NH2)の合成
(S)-3-((S)-2-(2-((S)-1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボニルオキシ)アセトアミド)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)ヘキサンアミド)-4-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(化合物SP603、Acbz-Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys(Acbz)-Asp-Pro-NH2)(180mg, 0.110mmol)とHOBt(44.4mg, 0.329mmol)のDMF(1.096ml)溶液を0度に冷却した後に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl、63mg、0.329mmol)を加え、3分間攪拌後にベンジルメルカプタン(64.3μl,0.548mmol)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌し、反応液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、標題化合物(化合物SP604、Acbz-Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys(Acbz)-Asp(SBn)-Pro-NH2)(136.3mg、71%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1751 (M+H)+
保持時間:0.78分(分析条件SQD FA05)
1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-アミノ-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボン酸 (S)-2-((S)-6-アミノ-1-((S)-4-(ベンジルチオ)-1-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-1,4-ジオキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イルアミノ)-2-オキソエチル(化合物SP605、H−Cys(StBu)-Gly-Lys(Me
2
)-Trp-Cys(StBu)-Pro-
HO
Gly-Lys-Asp(SBn)-Pro-NH2)の合成
1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボン酸 (S)-2-((9S,12S)-1-(4-アジドフェニル)-12-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-カルボニル)-3,10,14-トリオキソ-16-フェニル-2-オキサ-15-チア-4,11-ジアザヘキサデカン-9-イルアミノ)-2-オキソエチル(化合物SP604、Acbz-Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys(Acbz)-Asp(SBn)-Pro-NH2)(136.3mg, 0.078mmol)の1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)(1.6ml)溶液を0度に冷却した後に、TCEP(トリス(2−カルボキシルエチル)ホスフィン)塩酸塩(66.9mg, 0.234mmol)の水溶液(1.6ml)溶液を加えた。反応液を室温で90分間攪拌し、反応液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、標題化合物(化合物SP605、H−Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys-Asp(SBn)-Pro-NH2)(63mg、58%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1401 (M+H)+
保持時間:0.46分(分析条件SQD FA05)
2−2−2.直鎖ペプチドを基質としたnative chemical ligationによる環化反応とN−S転移を利用した反応補助基を持たないアミノ基のアミド化の連続反応による分子内分枝ペプチド化合物SP606生成反応例(緩衝溶液中)
0.5M HEPES緩衝液(pH7.0、 10μl)、水(78μl)、1M水酸化ナトリウム水溶液(5μl)、0.5M TCEP塩酸塩水溶液(2μl)をそれぞれ加えて溶液を調製した。この溶液に、1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-アミノ-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボン酸 (S)-2-((S)-6-アミノ-1-((S)-4-(ベンジルチオ)-1-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-1,4-ジオキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イルアミノ)-2-オキソエチル(化合物SP605、H−Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys-Asp(SBn)-Pro-NH2)(20mM, 0.10μmol)と内部標準として4-ペンチル安息香酸(20mM, 0.10μmol)のDMA溶液(5μl)を室温下で添加し、反応液を37℃で60分間静置した。その後、2-(4-メルカプトフェニル)酢酸溶液(100mM 2-(4-メルカプトフェニル)酢酸、250mM HEPES、100mM TCEP)(50μl)に反応液(50μl)を室温下で添加し(反応液を加えた後の混合溶液のpH 8.2)、反応液を30℃で7時間静置し、LCMSを用いて反応の変化を観測した。7時間で(S)-1-((3S,6S,12R,16S,19S)-3-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-19-(2-ヒドロキシアセトアミド)-12-(メルカプトメチル)-2,5,8,11,14,18-ヘキサオキソ-1,4,7,10,13,17-ヘキサアザシクロトリコサン-16-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物SP606)が生成していることを確認した。化合物SP606と加水分解物(副生成物)との生成比は、LCMSのUVエリア比で19:81であった。 (図49、加水分解化合物 保持時間:0.30分)
LCMS(ESI) m/z = 900 (M+H)+
保持時間:0.36分(分析条件SQD FA05)
2−3.翻訳されたペプチドでの分子内分枝ペプチド(直鎖部2)生成反応例
2−2にて合成されたペプチドが緩衝液中(水中)にてRNAが安定である温和な反応条件にて分枝させる反応条件が得られたため、翻訳合成後でも同様に分子内分枝ペプチドが生成することをMALDI−MSにて確認した。
2−3−1. 転写によるtRNA(CA欠損)の合成
2つの鋳型DNA(配列番号DT−H1、配列番号DT−H2)から、それぞれRiboMAX Large Scale RNA production System T7(Promega社,P1300)を用いたin vitro の転写により3'端のCAを欠くtRNAGluAAG (-CA)(配列番号RT−H1)、tRNAGluCUG (-CA)(配列番号RT−H2)を合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen社)により精製した。
配列番号DT−H1(配列番号D−40と同じ)(配列番号:64)
tRNAGluAAG (-CA) DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTAAGACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DT−H2(配列番号:88)
tRNAGluCTG (-CA) DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTCTGACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号RT−H1(配列番号:65)
tRNAGluAAG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUAAGACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号RT−H2(配列番号:89)
tRNAGluCUG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUCUGACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
2−3−2. 側鎖カルボン酸が活性エステル化されたアミノアシル化pdCpA(化合物1i−IA)とtRNA(CA欠損)(配列番号:RT−H1)のligationによるアミノアシル化tRNA(化合物AT−H1)の合成
50μM 転写tRNAGluAAG (-CA)(配列番号RT−H1) 10μLに、10X ligation buffer(500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2) 2μL、10 mM ATP 2μL、Nuclease free water 2.8μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。 20unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)1.2μLおよび、5mMのアミノアシル化pdCpA(化合物1i−IA)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。ライゲーション反応液 20μLに、3M酢酸ナトリウム 4μLと125mM ヨウ素(水:THF=1:1溶液)24μLを加え、室温で1時間、脱保護を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−H1)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−H1)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−H1
Asp(SMe)−tRNAGluAAG(配列番号:66)
2−3−3. グリコール酸でアシル化されたpdCpA(化合物20)とtRNA(CA欠損)(配列番号:RT−H2)のligationによるアミノアシル化tRNA(化合物AT−H2)の合成
50μM 転写tRNAGluCTG (-CA)(配列番号RT−H2) 10μLに、10X ligation buffer(500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2) 2μL、10 mM ATP 2μL、Nuclease free water 2.8μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。 20unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)1.2μLおよび、5mMのグリコール酸でアシル化されたpdCpA(化合物20)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−H2)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−H2)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−H2(配列番号:90)HOGly−tRNAGluCUG
2−3−4. システニルプロリルエステル配列及び側鎖アミノ基を持つ環状ペプチド(化合物P−H1)の翻訳合成
前述したアシル化されたtRNA(化合物AT−H1、化合物AT−H2)を、無細胞翻訳系に加えて翻訳を開始することにより、所望の非天然アミノ酸を含有するポリペプチドの翻訳合成を行った。翻訳系は、原核生物由来の再構成無細胞タンパク質合成系であるPURE systemを用いた。
具体的には、翻訳液,1%(v/v) RNasein Ribonuclease inhibitor (Promega社,N2111), 1mM GTP,1mM ATP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,6mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,1mM ジチオスレイトール,1.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.6μM メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ,0.26μM EF−G,0.24μM RF2,0.17μM RF3,0.5μM RRF,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,40μM EF−Tu,93μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,0.73μM AlaRS,0.03μM ArgRS,0.38μM AsnRS,0.13μM AspRS,0.02μM CysRS,0.06μM GlnRS,0.23μM GluRS,0.09μM GlyRS,0.4μM IleRS,0.04μM LeuRS,0.11μM LysRS,0.03μM MetRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.02μM TyrRS,0.02μM ValRS(自家調製タンパクは基本的にはHisタグ付加タンパクとして調製した))に、1μM 鋳型RNAOT86b(配列番号RM−H1)、0.25mM Cys,0.25mM Thr,0.25mM Trp,0.25mM Phe,0.25mM Arg,0.25mM Pro,0.25mM Lys,0.25mM Ser、20mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、および、50μM Asp(SMe)−tRNAGluAAG(化合物AT−H1)、50μM HOGly−tRNAGluCUG(化合物AT−H2)を含む前述の翻訳液を37℃で60分間保温した。得られた翻訳反応物を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、マトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を用いてMALDI−MSにて分析した。その結果、開始メチオニン直後のCysから翻訳開始され、そのα―アミノ基上の窒素原子とアスパラギン酸の側鎖カルボン酸でアミド環化したペプチドP-H1(図50、ピークI)が観測された(図50)。また、対照実験として、上記の翻訳反応組成から鋳型RNAOT86b(配列番号RM−H1)のみを除いた翻訳溶液に関しても37℃で60分間の保温を行った。
配列番号 RM−H1(配列番号:91)
OT86b RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUaugUGCACUACAUGGUUCCGUUGGUGCCCACAGUUCAAGUGGCUUCCUCGUAGUUAAGG
ペプチド配列P−H1
CysThrThrTrpPheArgTrpCysProHOGlyPheLysTrp[Asp(SMe)]ProArgSerのN末端アミノ基の窒素原子とAspの側鎖カルボン酸でアミド環化した化合物(HOGlyはグリコール酸を指す)
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 2155.6(配列P−H1に対応するペプチド。Calc.2156.0)
2−3−5.翻訳ペプチドP-H1を用いた分子内分枝ペプチド(直鎖部2)生成反応
前述の翻訳反応物P−H1を含む翻訳溶液5μLと、pH8.5に調整した5μLの環化反応試薬溶液(0.3M HEPES−KOH、0.1M TCEP、0.1M p−メルカプトフェニル酢酸)を混合し、30℃で17時間保温した。その後、得られた反応溶液を、SPE C-TIP(日京テクノス社)で精製し、マトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を用いてMALDI−MSで分析した。対象実験として、前述した鋳型RNAOT86b(配列番号RM−H1)を含まない翻訳溶液に対しても同様の操作を施し、両者を比較することで、鋳型RNA依存的に合成される翻訳産物由来のピークを判別し、解析を行った。その結果、鋳型RNAOT86b(配列番号RM−H1)を含む翻訳反応液には、目的の分子内分枝骨格をもつ化合物H1に相当するピークが観測され、翻訳ペプチドを用いた分子内分枝ペプチド(直鎖部2)の生成が確認された(図51、ピークI)。
化合物H1
さらに詳細な構造(アミノ酸の3文字表記を全て化学構造に変換)を以下に示す。
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1955.4(化合物H1に対応するペプチド。Calc.1955.9)
化合物H2
さらに詳細な構造(アミノ酸の3文字表記を全て化学構造に変換)を以下に示す。
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1973.4(化合物H2に対応するペプチド。Calc.1973.9)
3.1回目の環化で反応補助基を有するN末端に位置する三角ユニットとC末端側の活性チオエステル(交差ユニット)のアミド環化反応を行い、2回目の分枝化にてCys−Pro− HO Glyから活性エステルを発生させ、無保護のアミノ基と反応させて分枝させる例の化学反応条件の改良と改良された条件下生成した直鎖部2を有する分枝ペプチドの持つチオール基を除去するための脱硫反応例
上に示したとおり、合成ペプチド化合物SP605から化合物SP606への変換にて設定した分枝化反応条件を翻訳ペプチドに適用した結果、翻訳ペプチドでも分枝化反応の進行が確認された。以下の実験では、化合物SP605から化合物SP606への合成ペプチドをモデルとした反応最適化である。水中での反応、および翻訳液中での反応を実施し、翻訳ペプチドによる分枝化反応の最適化を行った結果、反応選択性に優れた反応条件の設定に至った。
3−1.緩衝溶液中における分子内分枝ペプチド生成反応
有機溶媒の効果の比較実験
変更点として、1回目の環化反応では有機溶媒(DMA)含有率を5%から50%へと増大させ、2回目の分枝化反応では2.5%から50%へと増大させた結果を示す。
0.5M HEPES緩衝液(pH7.0, 10μl)、水(33μl)、1M水酸化ナトリウム水溶液(5μl)、DMA(45μl),0.5M TCEP塩酸塩水溶液(2μl)をそれぞれ加えて溶液を調製した。この溶液に、1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-アミノ-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボン酸 (S)-2-((S)-6-アミノ-1-((S)-4-(ベンジルチオ)-1-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-1,4-ジオキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イルアミノ)-2-オキソエチル(化合物SP605、 H−Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys-Asp(SBn)-Pro-NH2)(20mM, 0.10μmol)と内部標準として4-ペンチル安息香酸(20mM, 0.10μmol)のDMA溶液(5μl)を室温下で添加し、反応液を37℃で60分間静置した。60分後、125mM 2-(4-メルカプトフェニル)酢酸のDMA溶液(40μl)、0.5M HEPES緩衝液(pH7.0, 18μl)、水(6μl)、5M水酸化ナトリウム水溶液(6μl)、0.5M TCEP塩酸塩水溶液(10μl)をそれぞれ加えた溶液に、反応液(20μl)を室温下で添加し(反応液を加えた後の混合溶液のpH 8.2)、反応液を30℃で24時間静置し、LCMSを用いて反応の変化を観測した。24時間後、(S)-1-((3S,6S,12R,16S,19S)-3-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-19-(2-ヒドロキシアセトアミド)-12-(メルカプトメチル)-2,5,8,11,14,18-ヘキサオキソ-1,4,7,10,13,17-ヘキサアザシクロトリコサン-16-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物SP606)が生成していることを確認した。化合物SP606と加水分解物(副生成物)と反応中間体の生成比は、LCMSのUVエリア比で40:4:56であった。
以上の結果から、1回目の環化反応には有機溶媒含有率の向上が有利であることがわかり、加水分解が抑制されて目的化合物を得る選択性が高まった。一方、2回目の分枝化反応では、目的化合物を得るための化学反応速度が低下するため、さらに改良検討を継続した。
2-(4-メルカプトフェニル)酢酸の代わりにチオフェノールを用いた場合の効果比較実験
0.5M HEPES緩衝液(pH7.0, 10μl)、水(33μl)、1M水酸化ナトリウム水溶液(5μl)、DMA(45μl),0.5M TCEP塩酸塩水溶液(2μl)をそれぞれ加えて溶液を調製した。この溶液に、1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-アミノ-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボン酸 (S)-2-((S)-6-アミノ-1-((S)-4-(ベンジルチオ)-1-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-1,4-ジオキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イルアミノ)-2-オキソエチル(化合物SP605、 H−Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys-Asp(SBn)-Pro-NH2)(20mM, 0.10μmol)と内部標準として4-ブチル安息香酸(20mM, 0.10μmol)のDMA溶液(5μl)を室温下で添加し、反応液を37℃で30分間静置した。その後、チオフェノール(0.52μl, 5μmol)にDMA(40μl),2M Bicine(N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)グリシン) 緩衝液(pH8.7, 18μl)、0.5M TCEP塩酸塩水溶液(10μl)をそれぞれ加え1M 水酸化ナトリウム水溶液(12μl)により溶液を調整した後に、反応液(20μl)を室温下で添加し(反応液を加えた後の混合溶液のpH 8.1)、反応液を30℃で24時間静置し、LCMSを用いて反応の変化を観測した。24時間で(S)-1-((3S,6S,12R,16S,19S)-3-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-19-(2-ヒドロキシアセトアミド)-12-(メルカプトメチル)-2,5,8,11,14,18-ヘキサオキソ-1,4,7,10,13,17-ヘキサアザシクロトリコサン-16-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物SP606)が生成していることを確認した。化合物SP606と加水分解物(副生成物)との生成比は、LCMSのUVエリア比で84:16であった。
分枝化反応が良好に進行する反応条件での実施例
検討の結果、以下に示す反応条件が上の条件(2−2−2)よりも優れていることを見出した。変更点として、1回目の環化反応では有機溶媒含有率増大(50%)し、2回目の分枝化反応でも有機溶媒含有率増大(50%)と共に、添加剤のチオールを変更(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)と共に添加剤濃度の増大(500mM)とした。さらに緩衝溶液としてHEPES 150mMから、Bicine(N,N-ビスー(2―ヒドロキシルエチル)グリシン)360mMに変更した。0.5M HEPES緩衝液(pH7.0, 10μl)、水(33μl)、1M水酸化ナトリウム水溶液(5μl)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)(45μl),0.5M TCEP塩酸塩水溶液(2μl)をそれぞれ加えて溶液を調製した。この溶液に、1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-アミノ-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボン酸 (S)-2-((S)-6-アミノ-1-((S)-4-(ベンジルチオ)-1-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-1,4-ジオキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イルアミノ)-2-オキソエチル(化合物SP605、 H−Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys-Asp(SBn)-Pro-NH2)(20mM, 0.10μmol)と内部標準として4-ブチル安息香酸(20mM, 0.10μmol)のNMP溶液(5μl)を室温下で添加し、反応液を37℃で30分間静置した。その後、4-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(6.8μl, 50μmol)にNMP(40μl),2M Bicine(N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)グリシン) 緩衝液(pH8.7, 18μl)、0.5M TCEP塩酸塩水溶液(10μl)をそれぞれ加え5M 水酸化ナトリウム水溶液(12μl)により溶液を調整した後に、反応液(20μl)を室温下で添加し(反応液を加えた後の混合溶液のpH 8.2)、反応液を30℃で24時間静置し、LCMSを用いて反応の変化を観測した。24時間で(S)-1-((3S,6S,12R,16S,19S)-3-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-19-(2-ヒドロキシアセトアミド)-12-(メルカプトメチル)-2,5,8,11,14,18-ヘキサオキソ-1,4,7,10,13,17-ヘキサアザシクロトリコサン-16-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物SP606)が生成していることを確認した。化合物SP606と加水分解物(副生成物)との生成比は、LCMSのUVエリア比で98:2であった。 (図52、加水分解化合物 保持時間:0.31分)
3−2.改良された緩衝液中での化学反応条件を適用させた、化合物SP605からSP606への変換反応をPURE system(翻訳合成液)中で実施した分子内分枝ペプチド生成反応
翻訳用緩衝液(6.25μl)、水(1.25μl)、PURESYSTEM(r) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(10μl)、20種類の天然型アミノ酸溶液(それぞれ5mM,2.5μl)を混合しジメチルアセトアミド(DMA)(22.5μl), TCEP水溶液(100mM、5μl)、をそれぞれ加えて溶液を調製した。翻訳用緩衝液の成分は8mM GTP,8mM ATP,160mMクレアチンリン酸,400mM HEPES−KOH pH7.6,800mM 酢酸カリウム,48mM 酢酸マグネシウム,16mMスペルミジン,8mM ジチオスレイトール,0.8mM 10−HCO−H4folate, 12mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社)である。この溶液に、1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-アミノ-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボン酸 (S)-2-((S)-6-アミノ-1-((S)-4-(ベンジルチオ)-1-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-1,4-ジオキソブタン-2-イルアミノ)-1-オキソヘキサン-2-イルアミノ)-2-オキソエチル(化合物SP605、H−Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Lys-Asp(SBn)-Pro-NH2)(20mM, 0.05μmol)と内部標準として4-ブチル安息香酸(20mM, 0.05μmol)のDMA溶液(2.5μl)を室温下で添加し、反応液を37℃で30分間静置した。4-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(6.8μl, 50μmol)にDMA(40μl)、2M Bicine(N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)グリシン) 緩衝液(pH8.7, 18μl)、0.5M TCEP塩酸塩水溶液(10μl)をそれぞれ加え5M 水酸化ナトリウム水溶液(12μl)により溶液を調整した後に、反応液(20μl)を室温下で添加し(反応液を加えた後の混合溶液のpH 8.2)、反応液を30℃で24時間静置し、LCMSを用いて反応の変化を観測した。24時間で(S)-1-((3S,6S,12R,16S,19S)-3-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-19-(2-ヒドロキシアセトアミド)-12-(メルカプトメチル)-2,5,8,11,14,18-ヘキサオキソ-1,4,7,10,13,17-ヘキサアザシクロトリコサン-16-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物SP606)が生成していることを確認した。化合物SP606と加水分解物(副生成物)との生成比は、LCMSのUVエリア比で91:9であった。(図53、加水分解化合物 保持時間:0.30分)
3−3.PURE SYSTEMの翻訳溶媒をRNeasy(r) MinElute TM Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液中での分枝ペプチド生成反応(化合物SP605から化合物SP606への変換)
翻訳ペプチドでディスプレイライブラリーを実施する際には、翻訳液に直接試薬を追加した翻訳後修飾を実施することもできる一方、ペプチドーRNA複合体を一度精製した後に、一部あるいは全ての翻訳後修飾を実施することもできる。そのような精製過程の1つとして、RNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)を用いた精製が挙げられる。そのような精製を実施した後の翻訳後修飾の例として以下の実験を実施した。
PURE SYSTEMの翻訳溶媒をRNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液(35μl)とジメチルアセトアミド(DMA)(45μl)、100mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(10μl、1.0μmol)を混ぜ、1−((6R,12S,15S,18R)−15−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−アミノ−18−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−12−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13,16−テトラオキソ−3,4−ジチア−8,11,14,17−テトラアザノナデカン)ピロリジン−2−カルボン酸 (S)−2−((S)−6−アミノ−1−((S)−4−(ベンジルチオ)−1−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1,4−ジオキソブタン−2−イルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イルアミノ)−2−オキソエチル(H-Cys(StBu)−Gly−Lys(Me2)−Trp−Cys(StBu)−Pro−HOGly−Lys−Asp(SBn)−Pro−NH2) (化合物SP605)(20mM、0.10μmol)と内部標準として用いた4−ブチル安息香酸(20mM、0.10μmol)のDMA溶液(5.0μl)を室温下で添加した。2M HEPES緩衝液(5μl、pH=7.5)と1N 水酸化ナトリウム水溶液(1.5μl)を加え、pH=7.5にてサーマルサイクラー中、37℃で30分間静置した。
4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(6.8μl, 50μmol)にジメチルアセトアミド(DMA)(40μl)、2M Bicine(N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)グリシン)緩衝液(pH8.7、16μl)、0.5M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩水溶液(10μl)、5N 水酸化ナトリウム水溶液(14μl)で調整した溶液に、得られた反応液(20μl)を室温下で添加し、pH 8.2にてサーマルサイクラー中、37℃で20時間静置し、LCMSを用いて反応の変化を観測した。20時間後(S)−1−((3S,6S,12R,16S,19S)−3−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−19−(2−ヒドロキシアセトアミド)−12−(メルカプトメチル)−2,5,8,11,14,18−ヘキサオキソ−1,4,7,10,13,17−ヘキサアザシクロトリコサン−16−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(化合物SP606)が生成していることを確認した。目的化合物と加水分解物(LCMS保持時間0.29分)との生成比は、LCMSのUVエリア比で95:5であった。(図54)
LCMS(ESI) m/z = 900 (M+H)+
保持時間:0.36分(分析条件SQDFA05)
PURE SYSTEMの翻訳溶媒をRNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液は以下のように調整した。既に実施例に記載済みの翻訳用緩衝液(12.5μl)、PURESYSTEM(r) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(20μl)、20種の天然アミノ酸溶液(それぞれ5mM,5.0μl)、水(62.5μl)を混合し翻訳液を調整した。翻訳液(20μl)にBuffer RLT(70μl)、EtOH(135μl)を加えピペッティングを行い、RNeasy MinElute Spin Columnにアプライした。10000rpmで15秒遠心し、ろ液を除いた。RNeasy MinElute Spin ColumnにBuffer RPE(500μl)を添加し、10000rpmで15秒遠心し、ろ液を除いた。RNeasy MinElute Spin Columnに80%EtOH水溶液(500μl)を添加し、10000rpmで2分遠心し、ろ液を除いた。RNeasy MinElute Spin Columnの蓋を開け、15000rpmで5分遠心し、カラムを乾燥させた後、水(22μl)を加え、溶出した液を用いた。なお、この際使用した水はRNaseフリー水を用いている。
100mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。500mMトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩水溶液(20μl、10μmol)に2N水酸化ナトリウム水溶液(18μl)、水(62μl)を加え調整した。
以上、水中(緩衝液中)およびPureSystem(反応翻訳液中)で同様に、両者の差は大きくなく、目的の反応が進行することが確認された。これらの反応条件は、RNAが十分安定な範囲であり、このことから、反応翻訳後に直鎖ペプチド化合物から効率的に分枝反応が進行すること、およびペプチドーRNA複合体においても、RNAを分解させることなく効率的に分枝反応を進行させることができることが明らかとなった。
これらの結果より以下の事柄が明らかとなった。
三角ユニットに反応補助基を有するアミノ基が配置された場合、1回目の環化反応は高選択に進行して、2回目の分枝化のためのCys-Pro-HOGlyの活性化との選択性が獲得できた。特に水と混じり合う有機溶媒含有率が高いと反応選択性に優れる。2回目の分枝化では、添加剤としてチオール存在下(好ましくはアリールチオール)にて、水と混じるあう有機溶媒存在下が好ましく、反応溶液のpHが7.0から9.0の間が好ましく、反応温度は0℃から100℃(より好ましくは15℃から50℃)が好ましい。これまで示した結果から、本条件は緩衝液(水中)のみならず、翻訳液中(PureSystem)でも同様の結果を与える。
3−4.直鎖部2を有する分子内分枝ペプチドからの脱硫反応
(S)-1-((3S,6S,12S,16S,19S)-3-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-19-(2-ヒドロキシアセトアミド)-12-メチル-2,5,8,11,14,18-ヘキサオキソ-1,4,7,10,13,17-ヘキサアザシクロトリコサン-16-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物SP607)の合成
PURE system中における分子内分枝ペプチドからの脱硫反応
上述の3−2.に記載の翻訳ペプチドモデル化合物(化合物SP605)からの分子内分枝ペプチド生成反応に用いた反応溶液(10μl)に0.5M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩水溶液(10μl)を加えた。混合溶液をヘキサン(200μl)にて洗浄した後に(ヘキサンによる洗浄を7回実施)、得られた水層に、500mM グルタチオン水溶液(4μl)、1M 2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリンー2−イル)プロパン]二塩酸塩(VA−044)水溶液(2μl)、5M 水酸化ナトリウム水溶液(2μl)を室温にて加え、40℃で3時間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、3時間後に原料である化合物SP606が完全に消費され、目的物である(S)-1-((3S,6S,12S,16S,19S)-3-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-19-(2-ヒドロキシアセトアミド)-12-メチル-2,5,8,11,14,18-ヘキサオキソ-1,4,7,10,13,17-ヘキサアザシクロトリコサン-16-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物SP607)に変換されていることを確認した。(図55、56)
LCMS(ESI) m/z = 868(M+H)+
保持時間:0.35分(分析条件SQD FA05)
PURE SYSTEMの翻訳溶媒をRNeasy(r) MinElute
TM
Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液中で行った反応により生成した分枝ペプチドからの脱硫反応
上述の3−3.PURE SYSTEMの翻訳溶媒をRNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液中での分枝ペプチド生成反応(化合物SP605から化合物SP606への変換)に用いた反応溶液(50μl)に0.5M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩水溶液(50μl)を加えた。混合溶液をヘキサン(1.0ml)にて洗浄した後に(ヘキサンによる洗浄を7回実施)、得られた水層に、500mM グルタチオン水溶液(20μl)、1M 2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリンー2−イル)プロパン]二塩酸塩(VA−044)水溶液(10μl)、5N 水酸化ナトリウム水溶液(8μl)を室温にて加え、45℃で30分静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、1時間後目的物である(S)-1-((3S,6S,12S,16S,19S)-3-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-19-(2-ヒドロキシアセトアミド)-12-メチル-2,5,8,11,14,18-ヘキサオキソ-1,4,7,10,13,17-ヘキサアザシクロトリコサン-16-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド(化合物SP607)が生成していることを確認した。(図57、58)
LCMS(ESI) m/z = 868(M+H)+
保持時間:0.35分(分析条件SQD FA05)
4.1回目の環化で反応補助基を有するN末端とC末端側の活性チオエステルのアミド化反応を用い、2回目の分枝化にてエステルから直接活性エステルを発生させ、また保護アミノ基を脱保護させた反応補助基を有するアミンとの反応により分枝させる例の実施。
3にて記載と同様の考え方で、有効性を確認した。
4−1.翻訳ペプチドモデル化合物(化合物SP616)の合成
以下のスキームに従い、1回目の環化としてN末端にCysを用い、C末端側にAsp(SBn)を用いてアミド化環化反応を行い、2回目の分枝化として、活性エステルをグリコール酸のエステルの活性化にて実施し、Lysの側鎖アミノ基にN原子とS原子を保護させたCysを配置させた化合物のS原子とN原子を脱保護してアミド化反応を行う例を実施する目的で、以下のモデル化合物SP616の合成を行った。
(R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボン酸(Acbz−Thz−OH)(化合物SP610)の合成
窒素雰囲気下、(R)−チアゾリジン−4−カルボン酸(H−Thz−OH)(化合物SP609)(1.48g、11.1mmol)とトリエチルアミン(Et3N)(4.66ml、33.4mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(11.0ml)に0度にて、文献既知法(Bioconjugate Chem.2008, 19, 714)により調整した炭酸(4−ニトロフェニル)4−アジドベンジル(3.50g、11.1mmol)を加え、室温にて19時間攪拌した。反応液にギ酸(2.1ml)を加え、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボン酸(Acbz−Thz−OH)(化合物SP610)(3.17g、92%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 307 (M―H)―
保持時間:0.68分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−6−((R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサン酸(Fmoc−Lys(Acbz−Thz)−OH)(化合物SP611)の合成
なお、本明細書中では、他の例と同様Fmoc-Lys-OHの側鎖アミノ基とAcbz-Thz−OHのカルボキシル基がアミド結合した化合物をFmoc-Lys(Acbz-Thz)−OHと定義する。
窒素雰囲気下、(R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボン酸(Acbz−Thz−OH)(化合物SP610)(3.17g、10.3mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(17.0ml)に4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム塩化物(DMT−MM)(2.85g、10.3mmol)を室温にて加え、同温度にて1時間30分攪拌した。反応液に(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−6−アミノヘキサン酸(Fmoc−Lys−OH)塩酸塩(4.16g、10.3mmol)とジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(2.69ml、15.4mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(17ml)を室温にて加え、同温度にて4時間攪拌した。反応液にギ酸(1.9ml)を加え、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−6−((R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサン酸(Fmoc−Lys(Acbz−Thz)−OH)(化合物SP611)(3.48g、51%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 659 (M+H)+
保持時間:0.87分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−((2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパノイル)オキシ)酢酸(Fmoc−Trp−
HO
Gly−OH)(化合物SP612)の合成
窒素雰囲気下、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インドール−3−イル)プロパン酸(Fmoc−Trp(Boc)−OH)(化合物SP613)(5.0g、9.50mmol)とジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(4.98ml、28.5mmol)のジクロロメタン(DCM)溶液(9.5ml)に2−ブロモ酢酸 tert−ブチル(2.09ml、14.2mmol)を室温にて加え、同温度にて48時間攪拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン(DCM)で2回抽出し、有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過を行い、減圧濃縮した。得られた残渣を順相シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエトキシ)−3−オキソプロピル)−1H−インドール−1−カルボン酸 (S)−tert−ブチル(Fmoc−Trp(Boc)−HOGly−OtBu)(化合物SP614)を混合物(5.25g)として得た。
得られた混合物(5.25g)のジクロロメタン(DCM)溶液(8.19ml)にトリイソプロピルシラン(TIPS)(4.20ml、20.5mmol)とトリフルオロ酢酸(TFA)(8.21ml、107mmol)を室温にて加え、反応液を同温度にて5時間30分攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパノイル)オキシ)酢酸(Fmoc−Trp−HOGly−OH)(化合物SP612)(3.40g、2段階収率74%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 485 (M+H)+
保持時間:0.83分(分析条件SQDFA05)
(S)−3−((S)−2−((S)−1−((6R,9S,12S)−12−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13−トリオキソ−14−オキサ−3,4−ジチア−8,11−ジアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−6−((R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサンアミド)−4−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−4−オキソブタン酸(Acbz−Cys(StBu)−Lys(Me
2
)−Trp−
HO
Gly−Pro−Lys(Acbz−Thz)−Asp−Pro−NH
2
)(化合物SP615)の合成
既に、実施例に記載の自動合成機による主鎖にエステル基を含むペプチドの固相合成一般法(2−1)に従いペプチド鎖の伸長を行った。レジンはSieber Amide Resin(1カラムあたり160mg、8カラム使用、Novabiochemより購入)を用いた。N末端のアミノ酸として(R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Acbz−Cys(StBu)−OH)(化合物tk20)を用い、Fmocアミノ酸として、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Asp(OPis)−OH、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−6−((R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサン酸(Fmoc−Lys(Acbz−Thz)−OH)(化合物SP611)、(S)−2−((2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパノイル)オキシ)酢酸(Fmoc−Trp−HOGly−OH)(化合物SP612)、Fmoc−Lys(Me2)−OH・HClを用いた。
ペプチドの伸長後、レジンをジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)で洗浄した。レジンに2%トリフルオロ酢酸(TFA)のジクロロメタン(DCM)/2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)(=1/1、v/v、4.0ml)溶液を加えて室温にて3時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン(DCM)/2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)(=1/1,v/v、4.0mL)にて4回洗浄した。得られた溶液を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−3−((S)−2−((S)−1−((6R,9S,12S)−12−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13−トリオキソ−14−オキサ−3,4−ジチア−8,11−ジアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−6−((R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサンアミド)−4−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−4−オキソブタン酸(Acbz−Cys(StBu)−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(Acbz−Thz)−Asp−Pro−NH2)(化合物SP615)(179mg、13%)で得た。
LCMS(ESI) m/z = 1511.4 (M+H)+
保持時間:0.69分(分析条件SQDFA05)
4−(((S)−5−((S)−1−((6R,9S,12S)−12−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13−トリオキソ−14−オキサ−3,4−ジチア−8,11−ジアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−6−(((S)−4−(ベンジルチオ)−1−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (R)−4−アジドベンジル(Acbz−Cys(StBu)−Lys(Me
2
)−Trp−
HO
Gly−Pro−Lys(Acbz−Thz)−Asp(SBn)−Pro−NH
2
)(化合物SP616)の合成
窒素雰囲気下、(S)−3−((S)−2−((S)−1−((6R,9S,12S)−12−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13−トリオキソ−14−オキサ−3,4−ジチア−8,11−ジアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−6−((R)−3−(((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサンアミド)−4−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−4−オキソブタン酸(Acbz−Cys(StBu)−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(Acbz−Thz)−Asp−Pro−NH2)(化合物SP615)(50mg、0.033mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(331μl)に1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(13.4mg、0.099mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)(19.2mg、0.099mmol)、ベンジルメルカプタン(BnSH)(19.4μl、0.165mmol)を室温にて加え、同温度にて1時間攪拌した。反応液に1N 塩酸水溶液(43μl)を加え、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、4−(((S)−5−((S)−1−((6R,9S,12S)−12−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13−トリオキソ−14−オキサ−3,4−ジチア−8,11−ジアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−6−(((S)−4−(ベンジルチオ)−1−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (R)−4−アジドベンジル(Acbz−Cys(StBu)−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(Acbz−Thz)−Asp(SBn)−Pro−NH2)(化合物SP616)(45.7mg、85%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1617.4 (M+H)+
保持時間:0.74分(分析条件SQDFA05)
4−2.翻訳ペプチドモデル化合物(化合物SP616)からの水中あるいは翻訳反応液中での分枝(直鎖部2)ペプチド生成反応
(S)−N−((3R,6S,9S,12R,16S,19S)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−16−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−3,12−ビス(メルカプトメチル)−2,5,8,11,14,18−ヘキサオキソ−1,4,7,10,13,17−ヘキサアザシクロトリコサン−19−イル)−1−(2−ヒドロキシアセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド( HO Gly−Pro−Lys(*Cys−Lys(Me 2 )−Trp−Cys)−Asp*−Pro−NH 2 、2つの*部位にて環化)(化合物SP617)の合成
なお、本明細書中では他の例と同様、Lysの側鎖アミノ基とH−Cys−Lys(Me
2)−Trp−Cys−OHのC末端のカルボキシル基がアミド結合した化合物を、H−Lys(H−Cys−Lys(Me
2)−Trp−Cys)−OHと記載する。
4−2−1.HEPES緩衝液中での分枝ペプチド生成反応
以下のスキームに従い反応を行った。すなわち、化合物SP616からステップ1では2つのアミノ基の保護基を脱保護した後(この時点で反応を構成するための各ユニットは翻訳ペプチドと同様の構造となる。C末端がカルボン酸ではなく、カルボン酸アミドとなっている他は翻訳ペプチドと同様)、そのまま1回目の環化反応を実施したところ、選択的に目的化合物SP618を得ることができた。続いて、化合物618から分枝化反応で用いるためのアミン側のユニットの脱保護をステップ2およびステップ3にて実施し、反応補助基を有するアミノ基の脱保護が達成された化合物SP620が得られた。RNAに安定な化学反応条件にて、アミンの保護基を脱保護することができた。エステル官能基から直接チオエステルを発生させる手法にて分枝化ペプチド化合物SP617が得られた。
step1(化合物SP616から化合物SP618への変換反応)
窒素雰囲気下、50mM HEPES緩衝液(70μl、pH=7.5)に4mM 4−(((S)−5−((S)−1−((6R,9S,12S)−12−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13−トリオキソ−14−オキサ−3,4−ジチア−8,11−ジアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−6−(((S)−4−(ベンジルチオ)−1−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボン酸(R)−4−アジドベンジル(化合物SP616、Acbz−Cys(StBu)−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(Acbz−Thz)−Asp(SBn)−Pro−NH2)のジメチルアセトアミド(DMA)溶液(25μl、0.1μmol)、内部標準として用いた20mM 2、4−ジメチル安息香酸のジメチルアセトアミド(DMA)溶液(5.0μl、0.1μmol)、別途調整した200mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(10μl、2.0μmol、pH=7.4)を室温にて加え、pH=7.4にて、同温度で1時間30分静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、1時間30分後目的物SP618が主要生成物であり、副反応は観測されなかった(目的化合物SP618(LCMS保持時間0.38分)と内部標準(LCMS保持時間0.64分)はLCMSのUVエリア比で54:46であった)。(図59)
200mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(5.0mg、17μmol)を50mM HEPES緩衝液(57.0μl、pH=7.5)、2N 水酸化ナトリウム水溶液(30μl)で溶解させ、pH=7.4に調整した。
LCMS(ESI) m/z = 1053 (M―H)―
保持時間:0.38分(分析条件SQDFA05)
step2(化合物SP618から化合物SP619への変換)
窒素雰囲気下、step1で調整した反応液(90μl)に80mM 2,2'−ジチオジピリジン(化合物SP622、2,2'−PySSPy)溶液(90μl)を室温にて加え、pH=3.0にてサーマルサイクラー中、37度で12時間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、12時間後目的物が生成していることを確認した。目的化合物(化合物SP619、LCMS保持時間0.43分)と加水分解体(副生成物、LCMS保持時間0.41分)はLCMSのUVエリア比で97:3であった。(図60)
80mM 2,2'−ジチオジピリジン(2,2'−PySSPy)溶液の調整法は以下の通りである。400mM 2,2'−ジチオジピリジン(2,2'−PySSPy)のジメチルアセトアミド(DMA)溶液(20μl、8.0μmol)にジメチルアセトアミド(DMA)(10μl)、100mM 塩酸水溶液(70μl)を加えた。
LCMS(ESI) m/z = 1261.3 (M+H)+
保持時間:0.43分(分析条件SQDFA05)
step3(化合物SP619から化合物SP620への変換)
窒素雰囲気下、step2で調整した反応液(90μl)に別途調整した600mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(10μl、6.0μmol、pH=7.2)を室温にて加え、pH=4.6にて同温度で1時間間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、1時間後目的物(化合物SP620)が生成していることを確認した。
600mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(13.8mg、48μmol)に2N 水酸化ナトリウム水溶液(80μl)を加え、pH=7.2に調整した。
LCMS(ESI) m/z = 1041 (M―H)―(図61)
保持時間:0.36分(分析条件SQDFA05)
step4(化合物SP620から化合物SP617への変換)
窒素雰囲気下、step3で調整した反応液(30μl)に別途調整した5.0M 2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム溶液(30μl、pH=8.5)を室温にて加え、pH=8.5にてサーマルサイクラー中、30度で15時間間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、15時間後目的物である(S)−N−((3R,6S,9S,12R,16S,19S)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−16−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−3,12−ビス(メルカプトメチル)−2,5,8,11,14,18−ヘキサオキソ−1,4,7,10,13,17−ヘキサアザシクロトリコサン−19−イル)−1−(2−ヒドロキシアセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド(HOGly−Pro−Lys(*Cys−Lys(Me2)−Trp−Cys)−Asp*−Pro−NH2、2つの*部位にて環化)(化合物SP617)が生成していることを確認した。
5.0M 2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム溶液の調整法は以下の通りである。2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(74.0mg、0.45mmol)に1N 水酸化ナトリウム水溶液(45μl)、水(45μl)を加え、pH=8.5に調整した。
LCMS(ESI) m/z = 1043 (M+H)+
保持時間:0.40分(分析条件SQDFA05)
4−2−2.翻訳条件溶液中での分枝ペプチド生成反応
実際に行われる翻訳条件を模擬して、以下の条件で反応を行った。脱保護(化合物SP620)までPURE SYSTEMの翻訳系において反応を実施した。その後の分枝ペプチド生成反応において、ディスプレイライブラリー実験ではRNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)での精製を行うこともできる。この精製過程で、RNAとペプチドの複合体の精製が可能で、特にたんぱく成分や低分子成分が除去される。本実験では、化合物SP620が得られた時点で、精製を実施することを仮定して化合物SP620を単離し、分枝化反応を実施した。そのために、使用する反応溶媒としてディスプレイライブラリーでの精製を考慮してPURE SYSTEMの翻訳系溶媒をRNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液を用いた。なお、化合物SP620の精製中にペプチドに存在する2つのSH基が分子内にてS-S結合を形成した化合物SP623に変換された。よって化合物SP623から、再びディスプレイライブラリー模擬中で化合物SP620を再発生させてから分枝化反応を行い、化合物SP617を得た。
PURE SYSTEMの翻訳系において下記のスキームに従い反応を行った。
step1(化合物SP616から化合物SP618への変換)
窒素雰囲気下、翻訳用緩衝液(12.5μl)、PURESYSTEM(r) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(20μl)、20種の天然アミノ酸溶液(それぞれ5mM,5.0μl)、水(32.5μl)を混合し、ジメチルアセトアミド(DMA)(26.25μl)を加えて溶液を調製した。4mM 4−(((S)−5−((S)−1−((6R,9S,12S)−12−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13−トリオキソ−14−オキサ−3,4−ジチア−8,11−ジアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−6−(((S)−4−(ベンジルチオ)−1−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボン酸(R)−4−アジドベンジル(Acbz−Cys(StBu)−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(Acbz−Thz)−Asp(SBn)−Pro−NH2)(化合物SP616)のジメチルアセトアミド(DMA)溶液(2.5μl、0.01μmol)、内部標準として用いた8mM 2、4−ジメチル安息香酸のジメチルアセトアミド(DMA)溶液(1.25μl、0.01μmol)、別途調整した100mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(10μl、1.0μmol、pH=7.6)を室温にて加え、pH=7.5にて、同温度で1時間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、1時間後目的物(化合物SP618)が生成していることを確認した。目的化合物(LCMS保持時間0.37分)と内部標準(LCMS保持時間0.64分)はLCMSのUVエリア比で45:55であったことから、翻訳液中でも緩衝液と同等の反応の選択性と速度が得られていることがわかる。(図63)
翻訳用緩衝液の成分は以下の通りである。8mM GTP,8mM ATP,160mM クレアチンリン酸,400mM HEPES−KOH pH7.6,800mM 酢酸カリウム,48mM 酢酸マグネシウム,16mM スペルミジン,8mM ジチオスレイトール,0.8mM 10−HCO−H4folate, 12mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社)。
100mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(5.0mg、17μmol)を50mM HEPES緩衝液(122μl、pH=7.5)、1N 水酸化ナトリウム水溶液(52μl)で溶解させ、pH=7.6に調整した。
LCMS(ESI) m/z = 1053 (M―H)―
保持時間:0.37分(分析条件SQDFA05)
step2(化合物SP618から化合物SP619への変換)
窒素雰囲気下、step1で調整した反応液(80μl)に80mM 2,2'−ジチオジピリジン(化合物SP622、2,2'−PySSPy)溶液(80μl)を室温にて加え、500mM 水酸化ナトリウム水溶液(2.0μl)を室温にて加え、pH=4.0にてサーマルサイクラー中、37度で13時間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、13時間後目的物(化合物SP619)が生成していることを確認した。目的化合物(LCMS保持時間0.44分)と加水分解体(LCMS保持時間0.40分)はLCMSのUVエリア比で90:10であった。(図64)
80mM 2,2'−ジチオジピリジン(化合物SP622、2,2'−PySSPy)溶液の調整法は以下の通りである。400mM 2,2'−ジチオジピリジン(化合物SP622、2,2'−PySSPy)のジメチルアセトアミド(DMA)溶液(20μl、8.0μmol)にジメチルアセトアミド(DMA)(10μl)230mMの塩酸水溶液(70μl)を加えた。
LCMS(ESI) m/z = 1261.3 (M+H)+
保持時間:0.44分(分析条件SQDFA05)
step3(化合物SP619から化合物SP620への変換)
窒素雰囲気下、step2で調整した反応液(81μl)に別途調整した600mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(9.0μl、pH=7.2)を室温にて加え、pH=5.1にて同温度で1時間間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、1時間後目的物(化合物SP620)が生成していることを確認した。HEPES 緩衝液中での反応と比較し、PURE SYSTEMの使用による新たな副生成物は観測されなかった。(図65)
600mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(17.6mg、61μmol)に2N 水酸化ナトリウム水溶液(102μl)を加え、pH=7.2に調整した。
LCMS(ESI) m/z = 1041 (M―H)―保持時間:0.36分(分析条件SQDFA05)
精製した結果S-S結合を新たに形成した分枝ペプチド前駆体(化合物SP623)(調整法は下記(4−2−4)に記載)(S)−1−((3S,10R,15R,18S,21S,29aS,33S)−21−((1H−インドール−3−イル)メチル)−10−アミノ−18−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−1,9,16,19,22,25,31,35−オクタオキソヘキサコサヒドロ−15,3−(エピミノプロパノイミノメタノ)ピロロ[2,1−x][1,11,12,4,7,16,22,25]オキサジチアペンタアザシクロヘプタコシン−33−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(*Cys#−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(H−Cys#)−Asp*−Pro−NH2、2つの*部位、#部位にて環化、#部位で2つのSH基がジスルフィド結合を形成している)を使用し、PURE SYSTEMの翻訳溶媒をRNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液中で、化合物SP620を再生成させた後に分枝ペプチド(化合物SP617)生成反応を下記スキームに従い行った。
窒素雰囲気下、PURE SYSTEMの翻訳系溶媒をRNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液(25μl)に500mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(5.0μl、2.5μmol)、2N 水酸化ナトリウム(8μl)、2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(24.8mg、0.15mmol)を混ぜた溶液に10mM (S)−1−((3S,10R,15R,18S,21S,29aS,33S)−21−((1H−インドール−3−イル)メチル)−10−アミノ−18−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−1,9,16,19,22,25,31,35−オクタオキソヘキサコサヒドロ−15,3−(エピミノプロパノイミノメタノ)ピロロ[2,1−x][1,11,12,4,7,16,22,25]オキサジチアペンタアザシクロヘプタコシン−33−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(*Cys#−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(H−Cys#)−Asp*−Pro−NH2、2つの*部位、#部位にて環化、#部位で2つのSH基がジスルフィド結合を形成している)(化合物SP623)のジメチルイミダゾリジノン(DMI)溶液(12.5μl、0.125μmol)、内部標準として用いた50mM 2、4−ジメチル安息香酸のジメチルイミダゾリジノン(DMI)溶液(2.5μl、0.125μmol)を加え、pH=8.4にてサーマルサイクラー中、30度で30時間間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、30時間後目的物である(S)−N−((3R,6S,9S,12R,16S,19S)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−16−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−3,12−ビス(メルカプトメチル)−2,5,8,11,14,18−ヘキサオキソ−1,4,7,10,13,17−ヘキサアザシクロトリコサン−19−イル)−1−(2−ヒドロキシアセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド(HOGly−Pro−Lys(*Cys−Lys(Me2)−Trp−Cys)−Asp*−Pro−NH2、2つの*部位にて環化)(化合物SP617)が生成していることを確認した。HEPES緩衝液中での反応と比較し、PURE SYSTEMの翻訳溶媒を精製した溶出液の使用による新たな副生成物は観測されなかった。
PURE SYSTEMの翻訳溶媒をRNeasy(r) MinEluteTM Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液は以下のように調整した。既に実施例に記載の翻訳用緩衝液(12.5μl)、PURE SYSTEM(r) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(20μl)、20種の天然アミノ酸溶液(それぞれ5mM,5.0μl)、水(62.5μl)を混合し翻訳液を調整した。翻訳液(20μl)にBuffer RLT(70μl)、EtOH(135μl)を加えピペッティングを行い、RNeasy MinElute Spin Columnにアプライした。10000rpmで15秒遠心し、ろ液を除いた。カラムにBuffer RPE(500μl)を添加し、10000rpmで15秒遠心し、ろ液を除いた。カラムに80%EtOH水溶液(500μl)を添加し、10000rpmで2分遠心し、ろ液を除いた。カラムの蓋を開け、15000rpmで5分遠心し、乾燥させた後、水(22μl)を加え、溶出した。なお、この際使用した水はRNaseフリー水を用いている。
LCMS(ESI) m/z = 1043 (M+H)+
保持時間:0.40分(分析条件SQDFA05)
以上、水中およびPureSystem(反応翻訳液中)で同様に、両者の差は大きくなく、目的の反応が進行することが確認された。これらの反応条件は、RNAが十分安定な範囲であり、このことから、反応翻訳後に直鎖ペプチド化合物から効率的に分枝反応が進行すること、およびペプチドーRNA複合体においても、RNAを分解させることなく効率的に分枝反応を進行させることができることが明らかとなった。
これらのことから、翻訳反応液中の反応進行の見積もりには、これらと類似の反応の場合には水中(緩衝液中)での反応性を測定すれば評価できることも明らかとなった。
4−2−3.翻訳条件を模擬した条件下で分枝(直鎖部2)ペプチドからの脱硫反応
4−2−2で用いた、化合物617を含むPure SYSTEMの翻訳系溶媒をRNeasy(登録商標)MinElute(登録商標) Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液中での分枝ペプチド精製反応で用いた反応溶液に対し脱硫反応を行った。
(S)−N−((3S,6S,9S,12S,16S,19S)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−16−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−3,12−ジメチル−2,5,8,11,14,18−ヘキサオキソ−1,4,7,10,13,17−ヘキサアザシクロトリコサン−19−イル)−1−(2−ヒドロキシアセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド(化合物SP624、 HO Gly−Pro−Lys(*Ala−Lys(Me 2 )−Trp−Ala)−Asp*−Pro−NH 2 、2つの*部位にて環化)の合成
なお、本明細書中では他の例と同様、Lysの側鎖アミノ基とH−Ala−Lys(Me2)−Trp−Ala−OHのC末端のカルボキシル基がアミド結合した化合物を、H−Lys(H−Ala−Lys(Me2)−Trp−Ala)−OHと記載する。
窒素雰囲気下、4−2−2で用いた化合物SP617を含むPURE SYSTEMの翻訳系溶媒をRNeasy(登録商標)MinElute(登録商標) Cleanup Kit(キアゲン社)を用い精製した溶出液中での分枝ペプチド生成反応に用いた反応溶液(9.0μl)に1.5M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(20μl、pH=7.4)を加え50℃で5分攪拌した。250mM 2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリンー2−イル)プロパン]二塩酸塩(VA−044)水溶液(1.2μl)を室温にて加え、50℃で1時間攪拌した。反応の変化をLCMSで追跡し、1時間後目的物である(S)−N−((3S,6S,9S,12S,16S,19S)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−16−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−3,12−ジメチル−2,5,8,11,14,18−ヘキサオキソ−1,4,7,10,13,17−ヘキサアザシクロトリコサン−19−イル)−1−(2−ヒドロキシアセチル)ピロリジン−2−カルボキサミド(化合物SP624、HOGly−Pro−Lys(*Ala−Lys(Me2)−Trp−Ala)−Asp*−Pro−NH2、2つの*部位にて環化)が生成していることを確認した。
1.5M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(24.5mg、85.5μmol)5N 水酸化ナトリウム水溶液(57μl)を加え、pH=7.4に調整した。
LCMS(ESI) m/z = 979(M+H)+
保持時間:0.36分(分析条件SQDFA05)
4−2−4.1回目の環化を実施し、その後アミノ基部位の脱保護を実施した後の精製工程
分枝ペプチド生成反応に使用した(S)−1−((3S,10R,15R,18S,21S,29aS,33S)−21−((1H−インドール−3−イル)メチル)−10−アミノ−18−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−1,9,16,19,22,25,31,35−オクタオキソヘキサコサヒドロ−15,3−(エピミノプロパノイミノメタノ)ピロロ[2,1−x][1,11,12,4,7,16,22,25]オキサジチアペンタアザシクロヘプタコシン−33−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(*Cys#−Lys(Me 2 )−Trp− HO Gly−Pro−Lys(H−Cys#)−Asp*−Pro−NH 2 、2つの*部位、#部位にて環化、#部位で2つのSH基がジスルフィド結合を形成している)(化合物SP623)の合成
精製した結果、SP620のままでは精製できず、化合物SP623となった。化合物SP623は容易にSP620へと還元条件にて再び変換可能なため、化合物SP623を精製し、単離した。なお、精製には化合物重量が多く必要なため、上記実験とは別に再合成を行った。
(S)−1−((3S,6S,10R,13S,16S,24aS)−16−((1H−インドール−3−イル)メチル)−3−(4−((R)−2−アミノ−3−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−13−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−1,4,8,11,14,17,20−ヘプタオキソ−10−((ピリジン−2−イルジスルファニル)メチル)ドコサヒドロ−1H−ピロロ[1,2−d][1,4,7,10,14,17,20]オキサヘキサアザシクロドコシン−6−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(*Cys(SPy)−Lys(Me
2
)−Trp−
HO
Gly−Pro−Lys(H−Cys(SPy))−Asp*−Pro−NH
2
、2つの*部位にて環化)(化合物SP619)の合成
窒素雰囲気下、200mM リン酸緩衝液(691μl、pH=7.6)にジメチルアセトアミド(DMA)(797μl)を混ぜた溶液に4−(((S)−5−((S)−1−((6R,9S,12S)−12−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13−トリオキソ−14−オキサ−3,4−ジチア−8,11−ジアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−カルボキサミド)−6−(((S)−4−(ベンジルチオ)−1−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボン酸(R)−4−アジドベンジル(Acbz−Cys(StBu)−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(Acbz−Thz)−Asp(SBn)−Pro−NH2)(化合物SP616)(8.0mgl、4.94μmol)を室温にて加えた。別途調整した1M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(100μl、100μmol、pH=7.4)を室温にて加え、反応液をpH=7.4にて、同温度で2時間静置した。反応の変化をLCMSで追跡し、2時間後環化反応が進行し化合物SP618が生成していることを確認した。
1M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(39mg、0.136mmol)を5N 水酸化ナトリウム水溶液(91μl)、水(45μl)で溶解させ、pH=7.4に調整した。
窒素雰囲気下、得られた化合物SP618を含む反応液(1.5ml)に330mM 2,2'−ジチオジピリジン(化合物SP622、2,2'−PySSPy)溶液(1.5ml)を室温にて加え、pH=2.1にて37度で13時間静置した。得られた反応液を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−1−((3S,6S,10R,13S,16S,24aS)−16−((1H−インドール−3−イル)メチル)−3−(4−((R)−2−アミノ−3−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−13−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−1,4,8,11,14,17,20−ヘプタオキソ−10−((ピリジン−2−イルジスルファニル)メチル)ドコサヒドロ−1H−ピロロ[1,2−d][1,4,7,10,14,17,20]オキサヘキサアザシクロドコシン−6−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(*Cys(SPy)−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(H−Cys(SPy))−Asp*−Pro−NH2、2つの*部位にて環化)(化合物SP619)(3.7mg、60%)を得た。
330mM 2,2'−ジチオジピリジン(化合物SP622、2,2'−PySSPy)溶液の調整法は以下の通りである。400mM 2,2−ジチジオピリジン(化合物SP622、2,2'−PySSPy)のジメチルアセトアミド(DMA)溶液(1.5ml、0.6mmol)に2N 塩酸水溶液(238μl)、水(80μl)を加えた。
LCMS(ESI) m/z = 1261.4 (M+H)+
保持時間:0.43分(分析条件SQDFA05)
分枝ペプチド前駆体、(S)−1−((3S,10R,15R,18S,21S,29aS,33S)−21−((1H−インドール−3−イル)メチル)−10−アミノ−18−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−1,9,16,19,22,25,31,35−オクタオキソヘキサコサヒドロ−15,3−(エピミノプロパノイミノメタノ)ピロロ[2,1−x][1,11,12,4,7,16,22,25]オキサジチアペンタアザシクロヘプタコシン−33−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(*Cys#−Lys(Me
2
)−Trp−
HO
Gly−Pro−Lys(H−Cys#)−Asp*−Pro−NH
2
、2つの*部位、#部位にて環化、#部位で2つのSH基がジスルフィド結合を形成している)(化合物SP623)の合成
窒素雰囲気下、200mM リン酸緩衝液(720μl、pH=7.6)とジメチルアセトアミド(DMA)(720μl)の溶液に、(S)−1−((3S,6S,10R,13S,16S,24aS)−16−((1H−インドール−3−イル)メチル)−3−(4−((R)−2−アミノ−3−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−13−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−1,4,8,11,14,17,20−ヘプタオキソ−10−((ピリジン−2−イルジスルファニル)メチル)ドコサヒドロ−1H−ピロロ[1,2−d][1,4,7,10,14,17,20]オキサヘキサアザシクロドコシン−6−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(*Cys(SPy)−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(H−Cys(SPy))−Asp*−Pro−NH2、2つの*部位にて環化)(化合物SP619)(9.1mg、7.2μmol)を室温にて加えた。別途調整した600mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(100μl、60μmol、pH=3.7)を室温にて加え、pH=5.6にて同温度で30分間静置した。得られた反応液を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製した。得られたフラクションを凍結乾燥することで、ジスルフィド形成が起こり、分枝ペプチド前駆体として、(S)−1−((3S,10R,15R,18S,21S,29aS,33S)−21−((1H−インドール−3−イル)メチル)−10−アミノ−18−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−1,9,16,19,22,25,31,35−オクタオキソヘキサコサヒドロ−15,3−(エピミノプロパノイミノメタノ)ピロロ[2,1−x][1,11,12,4,7,16,22,25]オキサジチアペンタアザシクロヘプタコシン−33−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(*Cys#−Lys(Me2)−Trp−HOGly−Pro−Lys(H−Cys#)−Asp*−Pro−NH2、2つの*部位、#部位にて環化、#部位で2つのSH基がジスルフィド結合を形成している)(化合物SP623)(3.7mg、49%)を得た。
600mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(22.5mg、78.5mmol)を1N 水酸化ナトリウム水溶液(131μl)で溶解させ、pH=3.7に調整した。
LCMS(ESI) m/z = 1039 (M―H)―
保持時間:0.34分(分析条件SQDFA05)
5.2回目の分枝化反応で発生させる活性チオエステル創出ユニットの最適化検討
Cys-Pro-HOGlyからチオエステルが発生させる反応条件は温和でpH=7.3でもゆっくりと進行することが明らかとなった(後述)。1回目の環化反応との選択性を最大化する目的、さらには1回目の環化反応でより温和でない反応条件を使用できるようにすることを目的として、Cys-Pro-HOGlyよりも安定で、反応進行のスイッチオンーオフが可能なユニットを探索した結果、より好ましいユニットの条件が明らかとなった。望ましいCys-Pro-Lacユニットを用いて、翻訳液中での環化反応および分枝化反応が進行することを確認した。
5−1.モデル化合物原料の合成
Cys-Pro-HOGlyおよびその代替ユニットを含む5残基ペプチドの合成を、そのチオエステル発生の条件を得るためのモデルペプチドとした。そのモデル化合物を合成した。
ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 2−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル) (S)−1−((9H−フルオレン−9−イル)メチル)(Fmoc-Pro-
HO
Gly-OtBu)(化合物SP631)の合成
(S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(Fmoc-Pro-OH)(5.00g、14.8mmol)の塩化メチレン溶液(59mL)にN−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(7.77mL、44.5mmol)と2−ブロモ酢酸 tert−ブチル(4.34g、22.2mmol)を室温にて攪拌しながら混合し、反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え洗浄し、有機層は塩化メチレンにて抽出をおこなった。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 2−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル) (S)−1−((9H−フルオレン−9−イル)メチル)(Fmoc-Pro-HOGly-OtBu) (化合物SP631)(6.40g、14.2mmol、96%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 396 (M−tBu+H)+
保持時間:1.02分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−((1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)酢酸(Fmoc-Pro-
HO
Gly-OH)(化合物SP632)の合成
ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 2−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル) (S)−1−((9H−フルオレン−9−イル)メチル)(Fmoc-Pro-HOGly-OtBu)(化合物SP631)(6.40g、14.2mmol)の塩化メチレン溶液(29mL)にトリイソプロピルシラン(7.29mL、35.4mmol)とトリフルオロ酢酸(14.2mL、184mmol)を室温にて攪拌しながら混合し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)酢酸(Fmoc-Pro-HOGly-OH)(化合物SP632)(5.6g、14.2mmol、100%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 396 (M+H)+
保持時間:0.77分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパン酸(Fmoc-Pro-Lac-OH)(化合物SP633)の合成
窒素雰囲気下、(S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(Fmoc-Pro-OH)(6.00g、17.8mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(69μL、0.889mmol)の塩化メチレン溶液(71mL)に0度にて攪拌しながら塩化オキサリル(2.34mL、26.7mmol)を滴下した後、反応混合物を室温にて1時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣に塩化メチレン(71mL)、N−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(46.6mL、267mmol)、L−(+)−乳酸(24.0g、267mmol)を0度にて混合し、反応混合物を室温にて2時間攪拌した。反応溶液を1N塩酸で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧濃縮をおこなった。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパン酸(Fmoc-Pro-Lac-OH)(化合物SP633)(5.2g、12.7mmol、71%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 410 (M+H)+
保持時間:0.81分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパン酸(Fmoc-Pro-PhLac-OH) (化合物SP634)の合成
窒素雰囲気下、(S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(Fmoc-Pro-OH)(3.00g、8.89mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(34μL、0.445mmol)の塩化メチレン溶液(40mL)に0度にて攪拌しながら塩化オキサリル(1.17mL、13.3mmol)を滴下した後、反応混合物を室温にて1時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣に塩化メチレン(36mL)、N−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(2.33mL、13.3mmol)、(S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸(HO-PhLac-OH、2.22g、13.3mmol)を0度にて混合し、反応混合物を室温にて2時間攪拌した。反応溶液を1N塩酸で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧濃縮をおこなった。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパン酸(Fmoc-Pro-PhLac-OH) (化合物SP634)(3.00g、6.18mmol、70%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 486 (M+H)+
保持時間:0.92分(分析条件SQDFA05)
なお、PhLacとは、本明細書では(S)−ヒドロキシ‐3−フェニルプロパン酸のヒドロキシル基とカルボン酸官能基を形成するヒドロキシル基を取り除いた部分構造とする。
(R)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパン酸(Fmoc-Pro-D-PhLac-OH)(化合物SP635)の合成
窒素雰囲気下、(S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(Fmoc-Pro-OH)(3.00g、8.89mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(34μL、0.445mmol)の塩化メチレン溶液(36mL)に0度にて攪拌しながら塩化オキサリル(1.17mL、13.3mmol)を滴下した後、反応混合物を室温にて1時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣に塩化メチレン(36mL)、N−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(2.33mL、13.3mmol)、(R)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸(2.22g、13.3mmol)を0度にて混合し、反応混合物を室温にて2時間攪拌した。反応溶液を1N塩酸で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧濃縮をおこなった。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(R)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパン酸(Fmoc-Pro-D-PhLac-OH) (化合物SP635)(3.20g、6.59mmol、74%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 486 (M+H)+
保持時間:0.91分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−((1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−2−メチルプロパン酸(Fmoc-Pro-
HO
Gly(Me)
2
-OH)(化合物SP636)の合成
窒素雰囲気下、(S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(Fmoc-Pro-OH)(3.00g、8.89mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(34μL、0.445mmol)の塩化メチレン溶液(36mL)に0度にて攪拌しながら塩化オキサリル(1.17mL、13.3mmol)を滴下した後、反応混合物を室温にて1時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣に塩化メチレン(36mL)、N−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(4.66mL、26.7mmol)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(2.78g、26.7mmol)を0度にて混合し、反応混合物を室温にて2時間攪拌した。反応溶液を1N塩酸で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧濃縮をおこなった。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−2−メチルプロパン酸(Fmoc-Pro-HOGly(Me)2-OH)(化合物SP636)(3.70g、8.74mmol、98%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 424 (M+H)+
保持時間:0.85分(分析条件SQDFA05)
なお、HOGly(Me)2とは、本明細書では2−ヒドロキシ‐2−メチルプロパン酸のヒドロキシル基とカルボン酸官能基を形成するヒドロキシル基を取り除いた部分構造とする。
2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)酢酸 2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル(Fmoc-MeGly-
HO
Gly-OtBu)(化合物SP637)の合成
2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(Fmoc-MeGly-OH)(1.94g、6.23mmol)の塩化メチレン溶液(25mL)にN−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(3.26mL、18.7mmol)と2−ブロモ酢酸 tert−ブチル(1.82g、9.34mmol)を室温にて攪拌しながら混合し、反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物に1N塩酸を加え洗浄し、有機層は塩化メチレンにて抽出をおこなった。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、続いて硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)酢酸 2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル(Fmoc-MeGly-HOGly-OtBu)(化合物SP637)(2.30g、5.41mmol、87%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 370 (M−tBu+H)+
保持時間:0.99分(分析条件SQDFA05)
2−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)アセトキシ)酢酸(Fmoc-MeGly-
HO
Gly-OH) (化合物SP638)の合成
2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)酢酸 2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル(Fmoc-MeGly-HOGly-OtBu) (化合物SP637)(2.30g、5.41mmol)の塩化メチレン溶液(18mL)にトリイソプロピルシラン(2.78mL、13.5mmol)とトリフルオロ酢酸(5.41mL、70.3mmol)を室温にて攪拌しながら混合し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)アセトキシ)酢酸(Fmoc-MeGly-HOGly-OH) (化合物SP638)(2.00g、5.41mmol、100%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 370 (M+H)+
保持時間:0.75分(分析条件SQDFA05)
(R)−2−((S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-Trp-Cys(StBu)-OH)(化合物SP639)の合成
調製した(R)−2−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Fmoc-Trp-Cys(StBu)-OH)(化合物SP602)(500mg、0.809mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1.6mL)に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)(134μL、0.890mmol)を室温で攪拌しながら混合し、反応溶液を室温で30分攪拌した。反応溶液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(R)−2−((S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-Trp-Cys(StBu)-OH) (化合物SP639)(290mg、0.733mmol、91%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 396 (M+H)+
保持時間:0.49分(分析条件SQDFA05)
(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-OH)(化合物SP640)の合成
(R)−2−((S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-Trp-Cys(StBu)-OH)(化合物SP639)(280mg、0.708mmol)の塩化メチレン溶液(1.4mL)に、室温にて攪拌しながらN−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(371μL、2.12mmol)と無水酢酸(66.8μL、0.708mmol)を混合し、反応溶液を室温にて1時間攪拌した。反応溶液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-OH) (化合物SP640)(270mg、0.617mmol、87%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 438 (M+H)+
保持時間:0.66分(分析条件SQDFA05)
メタンスルホノチオ酸 S-tert-ブチル(化合物SP684)の合成
ナトリウム 2-メチル-2-プロパンチオラート(7.83g、69.8mmol)にテトラヒドロフラン(100ml)を加え、−60度以下に冷却した。この懸濁液にメタンスルホニルクロリド(6.77ml、87.0mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を25分かけて滴下した。反応液を2時間かけて室温まで昇温し、更に室温で1時間攪拌させた。反応液をジクロロメタン(300ml)で希釈し、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮しメタンスルホノチオ酸 S-tert-ブチル(化合物SP684)(11.17g、76%)を得た。得られた化合物は非特許文献(Inorganic Chemistly、2010、49、8637−8644)に掲載されている化合物データにて確認した。
(S)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP641)の合成
(S)−2−アミノ−3−メルカプトプロパン酸 塩酸塩 水和物(1.00g、5.69mmol)のメタノール溶液(5.1mL)に、0度にて攪拌しながら調製したメタンスルホノチオ酸 S−tert−ブチル(化合物SP684、1.05g、6.26mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2.0mL)とトリエチルアミン(2.38mL、17.1mmol)を混合し、反応混合物を室温にて3時間攪拌した。反応混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP641)(620mg、2.96mmol、52%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 210 (M+H)+
保持時間:0.56分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Fmoc-Trp-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP642)の合成
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパン酸(Fmoc-Trp-OH)(1.26g、2.96mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド(341mg、2.96mmol)の塩化メチレン(5.9mL)に、0度にて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl)(568mg、2.96mmol)を混合し、反応溶液を室温にて16時間攪拌した。続いてN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(DIPEA、517μL、2.96mmol)と(S)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-D-Cys(StBu)-OH) (化合物SP641)(620mg、2.96mmol)を0度にて混合し、反応溶液を室温にて5時間攪拌した。1N塩酸を加えて洗浄し、有機層を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて粗精製し、(S)−2−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Fmoc-Trp-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP642)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 618 (M+H)+
保持時間:0.94分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−((S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-Trp-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP643)の合成
((S)−2−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Fmoc-Trp- D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP642)(1.93g、3.12mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(6.3mL)に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)(706μL、4.69mmol)を室温で攪拌しながら混合し、反応溶液を室温で1時間攪拌した。反応溶液に1N塩酸を加え、有機層を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-Trp-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP643)(870mg、2.20mmol、70%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 396 (M+H)+
保持時間:0.83分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP644)の合成
(S)−2−((S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(H-Trp-D-Cys(StBu)-OH) (化合物SP643)(870mg、2.20mmol)の塩化メチレン溶液(4.4mL)に、室温にて攪拌しながらN−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(1.15mL、6.60mmol)と無水酢酸(208μL、2.20mmol)を混合し、反応溶液を室温にて1時間攪拌した。反応溶液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)-OH) (化合物SP644)(960mg、2.20mmol、100%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 438 (M+H)+
保持時間:0.67分(分析条件SQDFA05)
Fmoc−Ala−O−Trt(2−Cl) resin(化合物SP645)の調製
クロロ−トリチル(2−クロロ)レジン(Cl-Trt-(2-Cl)-Resin (100〜200Mesh、1% DVB)、渡辺化学から購入、14.4g、22.96mmol)に塩化メチレン(100mL)を加え、混合物を室温にて45分間静置した。液相を取り除き、固相を塩化メチレン(100mL)で洗浄した。固相に対して、塩化メチレン(100mL)、メタノール(3.5mL)、N−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(10mL)、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン酸(3.57g、11.5mmol)を混合し、反応混合物を室温にて5分間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂に塩化メチレン(100mL)、メタノール(30mL)、N−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(10mL)を混合し、反応混合物を室温にて2時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂を塩化メチレン(100mL)にて3回洗浄し、減圧乾燥をし、標題化合物(化合物SP645)15.96gを得た。本明細書に記載の方法に従い、ローディング値を計算したところ、25.4%であった。
(S)−2−(2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)アセトアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-
HO
Gly-Ala-OH)(化合物SP646)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(200mg、0.405mmol/g、80.9μmol)にDMF(0.8mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄し、続いて(S)−2−((1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)酢酸(Fmoc-Pro-HOGly-OH) (化合物SP632)(154mg、0.388mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(33.0mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて3時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)にて4度洗浄した後、(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-OH) (化合物SP640)(170mg、0.388mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt(39.6mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.8mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(1.0mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。
固相と液相を分離し、固相を塩化メチレン(1.0mL)で洗浄し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−(2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)アセトアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-HOGly-Ala-OH) (化合物SP646)(37.8mg、57μmol、70%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 664 (M+H)+
保持時間:0.80分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((S)−2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-Lac-Ala-OH)(化合物SP647)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(200mg、0.405mmol/g、80.9μmol)にDMF(0.8mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄し、続いて(S)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパン酸(Fmoc-Pro-Lac-OH) (化合物SP633)(159mg、0.388mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(33.0mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて3時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)にて4度洗浄した後、(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-OH) (化合物SP640)(170mg、0.388mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)(39.6mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.8mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(1.0mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。
固相と液相を分離し、固相を塩化メチレン(1.0mL)で洗浄し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((S)−2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-Lac-Ala-OH) (化合物SP647)(51.4mg、76μmol、94%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 678 (M+H)+
保持時間:0.82分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((S)−2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-PhLac-Ala-OH)(化合物SP648)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(200mg、0.405mmol/g、80.9μmol)にDMF(0.8mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄し、続いて(S)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパン酸(Fmoc-Pro-PhLac-OH) (化合物SP634)(189mg、0.388mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(33.0mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて3時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)にて4度洗浄した後、(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-OH) (化合物SP640)(170mg、0.388mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt(39.6mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.8mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(1.0mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。
固相と液相を分離し、固相を塩化メチレン(1.0mL)で洗浄し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((S)−2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-PhLac-Ala-OH) (化合物SP648)(51.2mg、68μmol、84%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 754 (M+H)+
保持時間:0.92分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((R)−2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-D-PhLac-Ala-OH)(化合物SP649)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(200mg、0.405mmol/g、80.9μmol)にDMF(0.8mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄し、続いて(R)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパン酸(Fmoc-Pro-D-PhLac-OH) (化合物SP635)(189mg、0.388mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(33.0mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて3時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)にて4度洗浄した後、(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-OH) (化合物SP640)(170mg、0.388mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)(39.6mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.8mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(1.0mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。
固相と液相を分離し、固相を塩化メチレン(1.0mL)で洗浄し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((R)−2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−3−フェニルプロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-D-PhLac-Ala-OH) (化合物SP649)(50.0mg、66.0μmol、82%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 754 (M+H)+
保持時間:0.93分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−(2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−2−メチルプロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro- HO Gly(Me) 2 -Ala-OH)(化合物SP650)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(200mg、0.405mmol/g、80.9μmol)にDMF(0.8mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄し、続いて(S)−2−((1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−2−メチルプロパン酸(Fmoc-Pro-
HOGly(Me)
2-OH) (化合物SP636)(164mg、0.388mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(33.0mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて3時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)にて4度洗浄した後、(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-OH) (化合物SP640)(170mg、0.388mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)(39.6mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.8mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(1.0mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。固相と液相を分離し、固相を塩化メチレン(1.0mL)で洗浄し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−(2−(((S)−1−((R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)−2−メチルプロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-
HOGly(Me)
2-Ala-OH) (化合物SP650)(46.4mg、67μmol、83%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 692 (M+H)+
保持時間:0.84分(分析条件SQDAA05)
(4S,7R,16S)−4−((1H−インドール−3−イル)メチル)−7−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−9,16−ジメチル−2,5,8,11,14−ペンタオキソ−12−オキサ−3,6,9,15−テトラアザヘプタデカン−17−酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-MeGly-
HO
Gly-Ala-OH)(化合物SP651)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(200mg、0.405mmol/g、80.9μmol)にDMF(0.8mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄し、続いて2−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)アセトキシ)酢酸(Fmoc-MeGly-HOGly-OH)(化合物SP638)(143mg、0.388mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(33.0mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて3時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)にて4度洗浄した後、(R)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-OH)(化合物SP640)(170mg、0.388mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)(39.6mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.8mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(1.0mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。固相と液相を分離し、固相を塩化メチレン(1.0mL)で洗浄し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(4S,7R,16S)−4−((1H−インドール−3−イル)メチル)−7−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−9,16−ジメチル−2,5,8,11,14−ペンタオキソ−12−オキサ−3,6,9,15−テトラアザヘプタデカン−17−酸(Ac-Trp-Cys(StBu)-MeGly-HOGly-Ala-OH)(化合物SP651)(26.7mg、42μmol、52%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 638 (M+H)+
保持時間:0.79分(分析条件SQDAA05)
(4S,7S,16S)−4−((1H−インドール−3−イル)メチル)−7−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−9,16−ジメチル−2,5,8,11,14−ペンタオキソ−12−オキサ−3,6,9,15−テトラアザヘプタデカン−17−酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)-MeGly-
HO
Gly-Ala-OH)(化合物SP652)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(200mg、0.405mmol/g、80.9μmol)にDMF(0.8mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄し、続いて2−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)アセトキシ)酢酸(Fmoc-MeGly-HOGly-OH) (化合物SP638)(143mg、0.388mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(33.0mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて3時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.8mL)にて4度洗浄した後、(S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP644)(170mg、0.388mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)(39.6mg、0.243mmol)のNMP溶液(0.64mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(65μL、0.417mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.52mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.8mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(1.0mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。固相と液相を分離し、固相を塩化メチレン(1.0mL)で洗浄し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(4S,7S,16S)−4−((1H−インドール−3−イル)メチル)−7−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−9,16−ジメチル−2,5,8,11,14−ペンタオキソ−12−オキサ−3,6,9,15−テトラアザヘプタデカン−17−酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)- MeGly-HOGly-Ala-OH) (化合物SP652)(36.5mg、57μmol、71%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 638 (M+H)+
保持時間:0.81分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−(2−(((S)−1−((S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)アセトアミド)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)-Pro-
HO
Gly-Ala-OH)(化合物SP653)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(50mg、0.405mmol/g、20.2μmol)にDMF(0.2mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.2mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)にて4度洗浄し、続いて(S)−2−((1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)酢酸(Fmoc-Pro-HOGly-OH)(化合物SP632)(38.4mg、0.097mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(8.26mg、60.7μmol)のNMP溶液(0.16mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(16μL、0.104mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.13mL)を混合し、室温にて6時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.2mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.2mL)にて4度洗浄した後、(S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)-OH)(化合物SP644)(42.5mg、0.097mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)(9.9mg、60.8mol)のNMP溶液(0.160mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(16μL、0.104mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.13mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.2mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(0.25mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、(S)−2−(2−(((S)−1−((S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)アセトアミド)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys (StBu)-Pro-HOGly-Ala-OH)(化合物SP653)(3.0mg、4.5μmol、22%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 664 (M+H)+
保持時間:0.85分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((S)−2−(((S)−1−((S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)-Pro-Lac-Ala-OH)(化合物SP654)の合成
調製したFmoc-Ala-O-resin(化合物SP645)(50mg、0.405mmol/g、20.2μmol)にDMF(0.2mL)を加え、室温にて15分間振とうし、固相と液相を分離した。得られた樹脂に2%DBU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.2mL)を加え、室温にて30分間振とうし、液相を取り除くという作業を2度繰り返した。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)にて4度洗浄し、続いて(S)−2−(((S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパン酸(Fmoc-Pro-Lac-OH) (化合物SP633)(39.8mg、0.097mmol)と1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(8.2633.0mg、60.7μ0.243mmol)のNMP溶液(0.16mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(16μL、0.104mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.13mL)を混合し、室温にて63時間振とうした。
固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)にて4度洗浄した後、5%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.2mL)を混合し、室温にて1時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.2mL)にて4度洗浄した後、(S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys(StBu)-OH) (化合物SP644)(42.5mg、0.097mmol)と3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシー4−オキソー1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)(9.9mg、60.8mol)のNMP溶液(0.160mL)とジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(16μL、0.104mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.13mL)を混合し、室温にて15時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)にて4度、続いて塩化メチレン(0.2mL)にて4度洗浄した後、50%2,2,2−トリフルオロエタノール/塩化メチレン溶液(0.5mL)を混合し、室温にて2時間振とうした。固相と液相を分離し、得られた液相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム/メタノール)にて精製し、(S)−2−((S)−2−(((S)−1−((S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−(1H−インドール−3−イル)プロパンアミド)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパノイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパンアミド)プロパン酸(Ac-Trp-D-Cys (StBu)-Pro-Lac-Ala-OH) (化合物SP654)(3.0mg、4.4μmol、22%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 678 (M+H)+
保持時間:0.86分(分析条件SQDAA05)
5−2.翻訳用PURESYSTEM中での5残基モデル化合物の反応性評価
各pH中での安定性(1回目の環化反応中では反応せず安定に存在することが望まれる)および、pHを向上させた場合の反応選択性(メルカプトエチルアミンとの反応にて確認した)を評価した。
翻訳用PURESYSTEM中、pH 7.3での5残基モデル化合物の2−アミノエタンチオールとの反応性確認
各pH中での安定性(1回目の環化反応中では反応せず安定に存在することが望まれる。)および、pHを向上させた場合の反応選択性(2−アミノエタンチオールとの反応にて確認した)を評価した。
10mM Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-RRR-Ala-OH/25%DMA水溶液(2.0μL)、10mM2,4−ジメチル安息香酸/25%DMA水溶液(2.0μL、内部標準として使用)、100mMTCEP/50mMHEPES緩衝液溶液(pH7.6、2.0μL)を混合し、窒素雰囲気下、室温にて1時間静置した。続いて、翻訳用緩衝液(3.8μL)、PURESYSTEM(r) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(4.0μL)、50mM1,2−ジチアン−4,5−ジオール水溶液(4.2μL)、500mM2−アミノエタンチオール/50mMHEPES緩衝液溶液(pH7.6、2.0μL)を混合し、窒素雰囲気下、37度にて静置した。なお翻訳用緩衝液の成分の反応溶液中での濃度はそれぞれ次のとおりである。2mM GTP,2mM ATP,1mM CTP,1mM UTP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,14mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,1mM ジチオスレイトール,0.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),アミノ酸(Ala, Cys, Phe, Gly, His, Ile, Leu, Met, Pro, Ser, Thr, Val, Trpがそれぞれ0.3mM)。反応の進行状況はLCMS測定によって確認した。なおRRRはHOGly、Lac、PhLac、D-PhLac、HOGly(Me)2のいずれかを表わす。
(8hの収率/24hの収率), 収率はLCのUVエリア比
上記表中、基質とは5残モデルAc-Trp-Cys-Pro-RRR-Ala-OHのうち、中核を示すCys-Pro-RRR部位を示した(一部Cysの代わりにD-Cysを、またProの代わりにMeGlyを用いた例も記載した)。基質回収とは、Ac-Trp-Cys-Pro-RRR-Ala-OHと、Cys部位が反応剤である2-メルカプトエチルアミンとジスルフィド結合したAc-Trp-Cys(SCH2CH2NH2)-Pro-RRR-Ala-OH、およびCys部位が反応系中に含まれているジチオスレイトール(DTT)の脱水体と推定される1,4-ジメルカプトブタン-2-オンとジスルフィド結合したAc-Trp-Cys(SCH2COCH2CH2SH)-Pro-RRR-Ala-OHもしくはAc-Trp-Cys(SCH2CH2COCH2SH)-Pro-RRR-Ala-OHの割合の合計を示した。すなわち、主鎖の基本骨格が維持されたままの化合物群の合計となる。相本反応とは5残基モデルからチオエステルが生じた結果、2-メルカプトエチルアミンと反応したAc-Trp-NHCH2CH2SHと、それが反応剤である2-メルカプトエチルアミンとジスルフィド結合したAc-Trp-NHCH2CH2SSCH2CH2NH2の割合の合計を示した。直接アミド化とは副反応によって得られたAc-Trp-Cys-Pro-NHCH2CH2SHと、Ac-Trp-Cys*-Pro-NHCH2CH2S*において*でジスルフィド結合し環を巻いた生成物、およびAc-Trp-Cys(SCH2CH2NH2)-Pro-NHCH2CH2SSCH2CH2NH2の合計の割合を示した。加水分解とは5残基モデルから発生したチオエステルが2-メルカプトエチルアミンと反応せず、代わりに水と反応して得られたAc-Trp-OHの割合を示した。
従って、指定されたpHにて1回目の環化反応が実施されることが想定される場合、基質回収割合が高いほど望ましい。また、指定されたpHにて2回目の環化反応が想定される場合には相本反応の割合が高いほど望ましい。
なお表13のentry 6および7については、ピークどうしの保持時間の重なりのため、UVエリア比は算出していないが、各化合物群のマス強度比(ネガティブモード)は次のとおりである。
Entry 6
(8時間)基質回収:27% 相本反応:39% 直接アミド化:33% 加水分解:0%
(24時間)基質回収:13% 相本反応:31% 直接アミド化:56% 加水分解:0%
Entry 7
(8時間)基質回収:12% 相本反応:50% 直接アミド化:38% 加水分解:0%
(24時間)基質回収:0% 相本反応:50% 直接アミド化:50% 加水分解:0%
翻訳用PURESYSTEM中、pH 7.8での5残基モデル化合物の2−アミノエタンチオールとの反応性確認
10mM Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-RRR-Ala-OH/25%DMA水溶液(5.0μL)、10mM4−ペンチル安息香酸/25%DMA水溶液(5.0μL、内部標準として使用)、100mMTCEP/50mMHEPES緩衝液溶液(pH7.6、5.0μL)を混合させ、システイン残基側鎖保護基を素早く脱保護し、窒素雰囲気下、室温にて1時間静置した。続いて、翻訳用緩衝液(9.5μL)、PURESYSTEM(登録商標) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(10μL)、50mM1,2−ジチアン−4,5−ジオール水溶液(10.5μL)、500mM2−アミノエタンチオール/50mMHEPES緩衝液溶液(pH7.6、5.0μL)を混合し、さらに1N水酸化ナトリウム水溶液(1.0μL)を混合して反応液をpH7.8に調整して、窒素雰囲気下、37度にて静置した。なお翻訳用緩衝液の成分の反応溶液中での濃度はそれぞれ次のとおりである。2mM GTP,2mM ATP,1mM CTP,1mM UTP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,14mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,1mM ジチオスレイトール,0.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),アミノ酸(Ala, Cys, Phe, Gly, His, Ile, Leu, Met, Pro, Ser, Thr, Val, Trpがそれぞれ0.3mM)。反応の進行状況はLCMS測定によって確認した。
(8hの収率/27hの収率), 収率はLCのUVエリア比
実施例にて示したとおり、Cys-Pro-HOGlyを用いた場合には、1回目の環化としてCysとAsp(SBn)を用いた場合には高選択的であった。しかし、本結果から、1回目の環化として用いるpH=7.8付近では、Cys-Pro-HOGlyは反応性を有し、この条件でも安定に存在せず、チオエステルが生じることが明らかとなった(反応補助基を有するアミノ基を用いた場合には、1回目の環化反応が十分速いため、結果として反応選択性を有していたと解釈できる。)。1回目の反応中では反応せず、2回目の反応時にチオエステルが始めて発生する状態を得るには、Cys-Pro-Lacなど、よりエステル付近の立体障害を高めることが、選択性を高める目的ではより好ましいことが明らかとなった。
Buffer中、pH 8.5での5残基モデル化合物の2−アミノエタンチオールとの反応性確認
10mM Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-RRR-Ala-OH/25%DMA水溶液(5.0μL)、10mM4−ペンチル安息香酸/25%DMA水溶液(5.0μL、内部標準として使用)、100mMTCEP/50mMHEPES緩衝液溶液(pH7.8、5.0μL)を混合させ、システイン残基側鎖保護基を素早く脱保護し、窒素雰囲気下、室温にて1時間静置した。続いて、100mMBicine緩衝液(pH8.9、19.5μL)、50mM1,2−ジチアン−4,5−ジオール/100mMBicine緩衝液溶液(pH8.9、10.5μL)、500mM2−アミノエタンチオール/100mMBicine緩衝液溶液(pH8.5、5.0μL)を混合し、さらに0.5N水酸化ナトリウム水溶液(1.0μL)を混合して反応液をpH8.5に調整して、窒素雰囲気下、37度もしくは57度にて静置した。反応の進行状況はLCMS測定によって確認した。
Cys-Pro-LacやCys-Pro-PhLacなどは、pHを8.5にまで上昇させた場合、初めてチオエステルが選択的に生じて、望みの反応が翻訳液中で加水分解に対して選択的に進行することが明らかとなった。pHが7.8付近では反応を進行させずに、8.5で望みの反応を進行させることができた。
Buffer中、pH 9.0での5残基モデル化合物の2−アミノエタンチオールとの反応性確認
10mM Ac-Trp-Cys(StBu)-Pro-RRR-Ala-OH/25%DMA水溶液(5.0μL)、10mM4−ペンチル安息香酸/25%DMA水溶液(5.0μL、内部標準として使用)、100mMTCEP/50mMHEPES緩衝液溶液(pH7.8、5.0μL)を混合させ、システイン残基側鎖保護基を素早く脱保護し、窒素雰囲気下、室温にて1時間静置した。続いて、100mMBicine緩衝液(pH8.9、19.5μL)、50mM1,2−ジチアン−4,5−ジオール/100mMBicine緩衝液溶液(pH8.9、10.5μL)、500mM2−アミノエタンチオール/100mMBicine緩衝液溶液(pH8.5、5.0μL)を混合し、さらに0.5N水酸化ナトリウム水溶液(2.0μL)を混合して反応液をpH9.0に調整して、窒素雰囲気下、37度もしくは57度にて静置した。反応の進行状況はLCMS測定によって確認した。
pHが9.0でもRNAが安定に存在して分解しないことも実施例記載済みであるため、本条件を用いればペプチドーRNA複合体でも望みの分枝化が可能であることが示された。
5−3.1回目の環化で反応補助基を有するN末端に位置する三角ユニットとC末端側の活性チオエステル(交差ユニット)のアミド化反応を用い、2回目の分枝化にて反応補助基を有する保護アミノ基を脱保護反応後にCys-Pro-Lacから活性エステルを発生させ、側鎖アミノ基と反応させて分枝させる例の化学反応条件の設定 5−3−1.翻訳ペプチドモデル化合物SP655の合成
以下のスキームに従い、1回目の環化としてN末端にCysを用い、C末端側にAsp(SBn)を用いてアミド化環化反応を行い、2回目の分枝化として、活性チオエステル発生パートとしてCys-Pro-Lacを有し、Lysの側鎖アミノ基にN原子とS原子を保護させたCysを配置させた化合物のS原子とN原子を脱保護してアミド化反応を行う例を実施する目的で、以下のモデル化合物SP655の合成を行った。
(S)-3-((S)-2-((S)-2-((S)-1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボニルオキシ)プロパンアミド)-6-((R)-3-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニル)チアゾリジン-4-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-4-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(化合物SP681、Acbz−Cys(StBu)−Gly−Lys(Me 2 )−Trp−Cys(StBu)−Pro−Lac-Lys(Acbz−Thz)−Asp−Pro−NH2)の合成
本明細書では、Lysの側鎖のアミノ基とAcbz-Thzの有するカルボキシル基とでアミド結合した化合物をLys(Acbz-Thz)と表記する。
既に、実施例に記載の自動合成機による主鎖にエステル基を含むペプチドの固相合成一般法に従いペプチド鎖の伸長を行った。レジンはSieber Amide Resin(1カラムあたり160mg、Novabiochemより購入)を用いた。N末端のアミノ酸としてAcbz-Cys(StBu)-OH、Fmocアミノ酸として、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-Lys(Me2)-OH・HCl、Fmoc−Trp−Cys(StBu)−OH(化合物 SP602)、Fmoc-Pro-Lac-OH(化合物 SP633)、Fmoc−Lys(Acbz−Thz)−OH(化合物 SP611)、Fmoc−Asp(OPis)−OH、Fmoc−Pro−OH、を用いて、ペプチドの伸長を行った。
ペプチドの伸長後、レジンをジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)で洗浄した。レジンに2%トリフルオロ酢酸(TFA)のジクロロメタン(DCM)/2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)(=1/1、v/v、4.0ml)溶液を加えて室温にて3時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン(DCM)/2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)(=1/1,v/v、4.0mL)にて4回洗浄した。得られた溶液を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)-3-((S)-2-((S)-2-((S)-1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボニルオキシ)プロパンアミド)-6-((R)-3-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニル)チアゾリジン-4-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-4-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(Acbz−Cys(StBu)−Gly−Lys(Me2)−Trp−Cys(StBu)−Pro−Lac−Lys(Acbz−Thz)−Asp−Pro−NH2)(化合物SP681)(184.6mg、24%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1773.9 (M+H)+
保持時間:0.76分(分析条件SQDFA05)
4−(((S)−5−((S)−2−(((S)−1−((6R,12S,15S,18R)−15−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−18−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−12−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13,16−テトラオキソ−3,4−ジチア−8,11,14,17−テトラアザノナデカン−19−オイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパンアミド)−6−(((S)−4−(ベンジルチオ)−1−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン-3-カルボン酸 (R)−4−アジドベンジル(化合物SP655、Acbz−Cys(StBu)−Gly−Lys(Me
2
)−Trp−Cys(StBu)−Pro−Lac-Lys(Acbz−Thz)−Asp(SBn)−Pro−NH2)の合成
(S)-3-((S)-2-((S)-2-((S)-1-((6R,12S,15S,18R)-15-((1H-インドール-3-イル)メチル)-6-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニルアミノ)-18-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12-(4-(ジメチルアミノ)ブチル)-2,2-ジメチル-7,10,13,16-テトラオキソ-3,4-ジチア-8,11,14,17-テトラアザノナデカン)ピロリジン-2-カルボニルオキシ)プロパンアミド)-6-((R)-3-((4-アジドベンジルオキシ)カルボニル)チアゾリジン-4-カルボキサミド)ヘキサンアミド)-4-((S)-2-カルバモイルピロリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(化合物SP681、Acbz−Cys(StBu)−Gly−Lys(Me2)−Trp−Cys(StBu)−Pro−Lac-Lys(Acbz−Thz)−Asp−Pro−NH2)(102mg, 0.057mmol)とHOBt(23.2mg, 0.172mmol)のDMF(0.6ml)溶液を0度に冷却した後に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl、32.9mg、0.172mmol)を加え、5分間攪拌後にベンジルメルカプタン(34μl,0.286mmol)を加えた。反応液を室温で70分間攪拌し、反応液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、標題化合物(化合物SP655、Acbz−Cys(StBu)−Gly−Lys(Me2)−Trp−Cys(StBu)−Pro−Lac-Lys(Acbz−Thz)−Asp(SBn)−Pro−NH2)(75.7mg、70%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1880.0 (M+H)+
保持時間:0.80分(分析条件SQDFA05)
5−4.翻訳用PURESYSTEM中、配列にCys−Pro−Lacを有する直鎖モデルペプチドを用いた、NCL反応による環化とそれに続く分枝形成反応
Cys-Pro-Lacユニットでは、1回目の環化反応中、反応補助基の有無にかかわらず安定に存在することが可能であり、また2回目の分枝化反応では高い選択性で望みの分枝化反応が実現できることが明らかとなったため、モデルペプチドにて分枝化反応を翻訳液中にて確認した。
1段階目:NCL反応による直鎖モデルペプチド(化合物SP655、Acbz-Cys(StBu)-Gly-Lys(Me
2
) -Trp-Cys(StBu)-Pro-Lac-Lys(Acbz-Thz)-Asp(SBn)-Pro-NH
2
)の環化による化合物SP656の生成反応
54mM4−(((S)−5−((S)−2−(((S)−1−((6R,12S,15S,18R)−15−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−18−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−12−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−2,2−ジメチル−7,10,13,16−テトラオキソ−3,4−ジチア−8,11,14,17−テトラアザノナデカン−19−オイル)ピロリジン−2−カルボニル)オキシ)プロパンアミド)−6−(((S)−4−(ベンジルチオ)−1−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−イル)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (R)−4−アジドベンジル (化合物SP655、Acbz-Cys(StBu)-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys(StBu)-Pro-Lac-Lys(Acbz-Thz)-Asp(SBn)-Pro-NH2)/DMA溶液(9.4μL)、54mM 2,4−ジメチル安息香酸/DMA溶液(9.4μL、内部標準として使用)、翻訳用緩衝液(6.3μL)、PURESYSTEM(登録商標) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)(10μL)、20種天然アミノ酸溶液(2.5μL)、1.0M TCEP(12.5μL、pH7.5)を混合し、25度にて2時間静置した。なお、翻訳用緩衝液の成分は8mM GTP,8mM ATP,160mMクレアチンリン酸,400mM HEPES−KOH pH7.6,800mM 酢酸カリウム,48mM 酢酸マグネシウム,16mMスペルミジン,8mM ジチオスレイトール,0.8mM 10−HCO−H4folate, 12mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社)である。反応溶液をLCMS測定したところ、目的の環化体である(R)−N−(4−((3S,6S,9S,13R,19S,22S,25R,30aS)−22−((1H−インドール−3−イル)メチル)−9−((S)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボニル)−19−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−13,25−ビス(メルカプトメチル)−3−メチル−1,4,7,11,14,17,20,23,26−ノナオキソオクタコサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4,7,10,13,16,19,23,26]オキサオクタアザシクロオクタコシン−6−イル)ブチル)チアゾリジン−4−カルボキサミド (化合物SP656、*Cys-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys-Pro-Lac-Lys(Thz)-Asp*-Pro-NH2において、*で環を巻いた化合物)の生成が確認された。(図68)
LCMS(ESI) m/z = 1227 (M−H)−
保持時間:0.76分(分析条件SQDAA05)
2段階目:化合物SP656のThzの脱保護反応による化合物SP657の生成反応
NCLによって環化した化合物SP656の反応混合物(上の反応混合物、25μL)、DMA(25μL)、6.7M 1,2−ジ(ピリジン−2−イル)ジスルファン/DMA溶液(15μL)を混合し、5N塩酸にてpH3.8に調整した混合物を、37度にて15時間静置した。つづいて、反応混合物のうち25μLを取り出し、1.25M TCEP水溶液(50μL、pH7.5)を混合し、25度にて3時間静置した。反応溶液をLCMS測定したところ、Thz部位が脱保護された化合物、(S)−1−((3S,6S,9S,13R,19S,22S,25R,30aS)−22−((1H−インドール−3−イル)メチル)−6−(4−((R)−2−アミノ−3−メルカプトプロパンアミド)ブチル)−19−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−13,25−ビス(メルカプトメチル)−3−メチル−1,4,7,11,14,17,20,23,26−ノナオキソオクタコサヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4,7,10,13,16,19,23,26]オキサオクタアザシクロオクタコシン−9−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド (化合物SP657、*Cys-Gly-Lys(Me2) -Trp-Cys-Pro-Lac-Lys(H-Cys)-Asp*-Pro-NH2で、*で環を巻いた化合物)の生成が確認された。
LCMS(ESI) m/z = 1215 (M−H)−(図69)
保持時間:0.73分(分析条件SQDAA05)
3段階目:化合物SP657環状ペプチドの分枝形成反応による化合物SP658の生成反応
Thzの脱保護をし、ジスルフィドを還元した化合物SP657の反応混合物(上の反応混合物、25μL)と2.0M Bicine緩衝液(pH8.7、30μL)を混合し、5N水酸化ナトリウム水溶液でpH9.5に調整し、反応溶液を37度にて4時間静置した。反応溶液をLCMS測定したところ、環状ペプチドに分枝形成した、(S)−1−((3R,6S,9S,15R,19S,22S)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(4−(ジメチルアミノ)ブチル)−22−((S)−2−ヒドロキシプロパンアミド)−3,15−ビス(メルカプトメチル)−2,5,8,11,14,17,21−ヘプタオキソ−1,4,7,10,13,16,20−ヘプタアザシクロヘキサコサン−19−カルボニル)ピロリジン−2−カルボキサミド(化合物SP658、H-Lac-Lys(*Cys-Gly-Lys(Me2)-Trp-Cys)-Asp*-Pro-NH2で、*で環を巻いた化合物)の生成が確認された。
LCMS(ESI) m/z = 1017 (M+H)+
保持時間:0.65分(分析条件SQDAA05)(図70)
6.1回目の環化が終了済であることを想定し、2回目の分枝化にてCys-Pro- HO Glyから活性エステルを発生させ、また保護アミノ基を脱保護させて分枝させる例の実施。
2回目の分枝化のコンセプト証明のための別実験である。1回目の環化が終了済であることを想定している。従って、Aspの側鎖のカルボン酸とN末端のアミノ基によるアミド環化を実施せず、主鎖環化したモデル化合物とした。2回目の分枝化にてCys-Pro-HOGlyから活性エステルを発生させ、その前後にて保護されたアミンを脱保護させて分枝化させるモデル反応性を以下のように実施した。
6−1.翻訳ペプチドモデル化合物SP662の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(5S,8R)-5-ベンジル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-12,12-ジメチル-3,6-ジオキソ-2-オキサ-10,11-ジチア-4,7-ジアザトリデカン-8-カルボン酸(化合物SP663、Fmoc-Phe-Cys(StBu)-OH)の合成
Fmoc-Phe-OH(4g、 10.32mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド(1.19g、10.32mmol)のジクロロメタン (20 ml)溶液を0度に冷却した後に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl、1.98g、10.32mmol)を加え、反応液を室温で6時間攪拌した。反応液を0度に冷却した後にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.80ml、10.23mmol)とS-(t-ブチルチオ)-L-システイン(H−Cys(StBu)−OH)(2.16g、10.32mmol)を加え、反応液を室温で12時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルと2M塩酸を加えて、酢酸エチルにて抽出を行った。有機層を25wt%食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。得られた溶液を減圧濃縮し、濃縮残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(5S,8R)-5-ベンジル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-12,12-ジメチル-3,6-ジオキソ-2-オキサ-10,11-ジチア-4,7-ジアザトリデカン-8-カルボン酸(化合物SP663、Fmoc-Phe-Cys(StBu)-OH)(4.22g、71%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 579 (M+H)+
保持時間:0.97分(分析条件SQD FA05)
(6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,36R,41aS)-9-(4-アジドブチル)-6,24,33-トリベンジル-36-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12,18-ジイソブチル-14,15,17,21,23,26,27,30-オクタメチルヘキサコサヒドロピロロ[2,1-c][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37]オキサドデカアザシクロノナトリアコンチン-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37(3H)-トリデカオン(化合物SP662、c( HO Gly-Phe-Lys(N3)-Leu-MeAla-MeLeu-Ala-MePhe-MeAla-Ala-Phe-Cys(StBu)-Pro))の合成
(
HOGlyはグリコール酸を示す)
用語の定義
Fmoc-Lys(N3)-OH: (S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-6-アジドヘキサン酸
Fmocアミノ酸として、Fmoc-MePhe-OH、Fmoc-MeAla-OH、Fmoc-MeLeu-OH、Fmoc-Lys(N3)-OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc−Phe-Cys(StBu)-OH(化合物SP663)を用いてペプチドの伸長を行った。ペプチドの伸長後、N末端のFmoc基を脱保護し、HOAt,DICを縮合剤としてクロロ酢酸を縮合させた後、レジンをDMF,ジクロロメタンにて洗浄した。レジンにジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、4mL)を加えて1時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン/2,2,2−トリフルオロエタノール(=1/1,v/v、1mL)にて洗浄した。得られた溶液を減圧濃縮し、粗生成物((S)-1-((2R,5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S)-29-(4-アジドブチル)-5,14,32-トリベンジル-2-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-35-クロロ-20,26-ジイソブチル-8,11,12,15,17,21,23,24-オクタメチル-4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34-ウンデカオキソ-3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカアザペンタトリアコンタン)ピロリジン-2-カルボン酸(ClAc-Phe-Lys(N3)-Leu-MeAla-MeLeu-Ala-MePhe-MeAla-Ala-Phe-Cys(StBu)-Pro)(419mg)を得た。得られた粗生成物(ClAc-Phe-Lys(N3)-Leu-MeAla-MeLeu-Ala-MePhe-MeAla-Ala-Phe-Cys(StBu)-Pro)(419mg, 0.271mmol)とヨウ化ナトリウム(102mg, 0.678mmol)のDMF(20ml)、THF(20ml)溶液に窒素雰囲気下、炭酸カリウム(56.2mg、0.407mmol)を加え、反応液を40度で5.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、標題化合物(化合物SP662、158mg、39%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1509 (M+H)+
保持時間:0.63分(分析条件SQD FA50)
6−2.翻訳モデルペプチドからの分子内分枝ペプチド生成反応
(S)-N-((3S,6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S)-3,12-ジベンジル-18,24-ジイソブチル-6,9,10,13,15,19,21,22-オクタメチル-2,5,8,11,14,17,20,23,26-ノナオキソ-1,4,7,10,13,16,19,22,25-ノナアザシクロヘントリアコンタン-27-イル)-2-(2-ヒドロキシアセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド(化合物SP664)の合成
緩衝溶液中における分子内分枝ペプチド生成反応
0.5M HEPES緩衝液(pH7.0、 60μl)と1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)(40μl)の混合溶液に、TCEP塩酸塩(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩)(2.9mg、 0.010mmol)、2-(4-メルカプトフェニル)酢酸(1.7mg、 0.010mmol)を加えた。さらにこの溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(35μl)と水(45μl)を加えてpH8.5に調整し、室温で5分攪拌した。
その後、(6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,36R,41aS)-9-(4-アジドブチル)-6,24,33-トリベンジル-36-((tert-ブチルジスルファニル)メチル)-12,18-ジイソブチル-14,15,17,21,23,26,27,30-オクタメチルヘキサコサヒドロピロロ[2,1-c][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37]オキサドデカアザシクロノナトリアコンチン-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37(3H)-トリデカオン(c(HOGly-Phe-Lys(N3)-Leu-MeAla-MeLeu-Ala-MePhe-MeAla-Ala-Phe-Cys(StBu)-Pro)) (化合物SP662)の0.01M 1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)溶液(20μl、 0.2μmol)を加え、反応液を30℃で24時間攪拌した。LCMSを用いて反応の変化を観測したところ、24時間で(S)-N-((3S,6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S)-3,12-ジベンジル-18,24-ジイソブチル-6,9,10,13,15,19,21,22-オクタメチル-2,5,8,11,14,17,20,23,26-ノナオキソ-1,4,7,10,13,16,19,22,25-ノナアザシクロヘントリアコンタン-27-イル)-2-(2-ヒドロキシアセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド(化合物SP664)が生成していることを確認した。加水分解物と化合物SP664との生成比は、LCMSのUVエリア比で12:88であった。(図71、加水分解化合物 保持時間:0.62分)
LCMS(ESI) m/z = 1195 (M+H)+
保持時間:0.77分(分析条件SQD FA05)
7.1回目の環化反応が終了後を想定し、2回目の分枝化にて反応補助基を有するエステルから直接活性エステルを発生させ、また(保護)アミノ基をアミド化反応により分枝させる例の実施。
コンセプト証明のための別実験である。1回目の環化反応終了後を想定した。従ってAspの側鎖カルボン酸とN末端アミンとの環化ではなく、C末端Alaのカルボン酸とN末端アミンとをアミド環化させた。2回目の分枝化のためのアミノ基の保護基もディスプレーライブラリーでの使用を想定したものではない。反応補助基を有するエステルからの分枝化反応が進行することを確認することを目的としたコンセプト証明のためのモデル実験である。
7−1.翻訳ペプチドモデル化合物(化合物665)の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−ヒドロキシプロパン酸(化合物SP666、H−tBuSSlac−OH)の合成
文献既知法(J.Am.Chem.Soc.2008,130,4919.) により調整した2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロピオン酸(化合物24)(30.0mg、 0.092mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(300μl)に室温にて1N 塩酸水溶液(300μl)を加え、60度で16時間攪拌した。反応液を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−ヒドロキシプロパン酸(H−tBuSSlac−OH)(化合物SP666)(7.4mg、54%)を得た。
なお、本明細書中では、化合物SP666のヒドロキシル基上の水素原子とカルボン酸上のヒドロキシル基を除いた2価の構造をtBuSSlacとする。
LCMS(ESI) m/z = 209 (M―H)―
保持時間:0.60分(分析条件SQDFA05)
2−(((S)−2−((((9H―フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパノイル)オキシ)−3−(tetr−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Fmoc−Phe−tBuSSlac−OH)(化合物SP667)の合成
窒素雰囲気下、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパン酸(Fmoc−Phe−OH)(500mg、1.29mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)(149mg、1.29mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(4.5ml)に室温にて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)(247mg、1.29mmol)を加え、同温度にて18時間攪拌した。反応液(1.7ml)に3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−ヒドロキシプロパン酸(化合物SP666)(100mg、0.475mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(58.1mg、0.475mmol)を室温にて加え、同温度で5時間攪拌した。反応液にギ酸(18μl)を加え、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−(((S)−2−((((9H―フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパノイル)オキシ)−3−(tetr−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Fmoc−Phe−tBuSSlac−OH)(化合物SP667)(110mg、40%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 580.5 (M+H)+
保持時間:1.05分(分析条件SQDFA05)
(5S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S,35S)−14−(4−((R)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5,11,29−トリベンジル−8−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−1−(9H−フルオレン−9−イル)−17,23−ジイソブチル−19,20,22,26,28,31,32,35−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−2,7−ジオキサ−4,10,13,16,19,22,25,28,31,34−デカアザヘキサトリアコンタン−36−酸(Fmoc−Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH)(化合物SP668)の合成
なお、本明細書中では、他の例と同様H−Lys−OHの側鎖アミノ基とAlloc−Cys(StBu)−OHのカルボキシル基とがアミド結合した化合物をH−Lys(Alloc−Cys(StBu))−OHと記載する。
既に、実施例に記載のFmoc法によるペプチド合成法に従いペプチド鎖の伸長を行って、H−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH(化合物SP669)を合成した。レジンはCl−Trt(2−Cl)−Resin(100〜200Mesh,1% DVB,渡辺化学より購入)を用いた。Fmocアミノ酸として、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−MeAla−OH、Fmoc−MePhe−OH、Fmoc−MeLeu−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Lys(Alloc−Cys(StBu))−OH(化合物150a)、Fmoc−Phe−OHを用いた。ペプチドの伸長後、N末端のFmoc基を20%ピペリジンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液(4.0ml)で脱保護し、レジンをジメチルホルムアミド(DMF)で洗浄した。レジンにジクロロメタン(DCM)/2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)(=1/1、v/v、4.0ml)を加えて1時間反応させ、レジンからのペプチドの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することによりレジンを除き、レジンをジクロロメタン(DCM)/2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)(=1/1,v/v、1mL)にて4回洗浄した。得られた溶液を減圧濃縮し、粗生成物として(2S,5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,30R)−23−((S)−2−アミノ−3−フェニルプロパンアミド)−8−ベンジル−30−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−14,20−ジイソブチル−2,5,6,9,11,15,17,18−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,29,32−ノナオキソ−33−オキサ−3,6,9,12,15,18,21,28,31−ノナアザヘキサトリアコンタ−35−エン−1−酸(H−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH)(化合物SP669)(71.0mg)を得た。
窒素雰囲気下、2−(((S)−2−((((9H―フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパノイル)オキシ)−3−(tetr−ブチルジスルファニル)プロパン酸(Fmoc−Phe−tBuSSlac−OH)(化合物SP667)(10.0mg、17μmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)(1.99mg、17μmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(100μl)に室温にて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)(3.31mg、17μmol)を加え、同温度にて15時間攪拌した。反応液に(2S,5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,30R)−23−((S)−2−アミノ−3−フェニルプロパンアミド)−8−ベンジル−30−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−14,20−ジイソブチル−2,5,6,9,11,15,17,18−オクタメチル−4,7,10,13,16,19,22,29,32−ノナオキソ−33−オキサ−3,6,9,12,15,18,21,28,31−ノナアザヘキサトリアコンタ−35−エン−1−酸(H−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH)(化合物SP669)(22.1mg)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(220μl)とジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(3.01μl、17μmol)を室温にて加え、30度で3時間30分攪拌した。
反応液を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(10mM 酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、(5S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S,35S)−14−(4−((R)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5,11,29−トリベンジル−8−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−1−(9H−フルオレン−9−イル)−17,23−ジイソブチル−19,20,22,26,28,31,32,35−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−2,7−ジオキサ−4,10,13,16,19,22,25,28,31,34−デカアザヘキサトリアコンタン−36−酸(Fmoc−Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH)(化合物SP668)(17.0mg、54%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1844.6 (M+H)+
保持時間:0.84分(分析条件SQDAA50)
(9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S)−12−(4−((R)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−6−(((S)−2−アミノ−3−フェニルプロパノイル)オキシ)−9,27−ジベンジル−15,21−ジイソブチル−2,2,17,18,20,24,26,29,30,33−デカメチル−7,10,13,16,19,22,25,28,31−ノナオキソ−3,4−ジチア−8,11,14,17,20,23,26,29,32−ノナアザテトラトリアコンタン−34−酸(H−Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH)(化合物SP670)の合成
(5S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S,35S)−14−(4−((R)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5,11,29−トリベンジル−8−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−1−(9H−フルオレン−9−イル)−17,23−ジイソブチル−19,20,22,26,28,31,32,35−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−2,7−ジオキサ−4,10,13,16,19,22,25,28,31,34−デカアザヘキサトリアコンタン−36−酸(Fmoc−Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH)(化合物SP668)(23.0mg、0.012mmol)に5%ピペリジンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液(250μl)を室温にて加え、同温度で10分攪拌した。反応液にギ酸(5.0μL)を加え、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S)−12−(4−((R)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−6−(((S)−2−アミノ−3−フェニルプロパノイル)オキシ)−9,27−ジベンジル−15,21−ジイソブチル−2,2,17,18,20,24,26,29,30,33−デカメチル−7,10,13,16,19,22,25,28,31−ノナオキソ−3,4−ジチア−8,11,14,17,20,23,26,29,32−ノナアザテトラトリアコンタン−34−酸(H−Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH)(化合物SP670)(21.0mg)を定量的に得た。
LCMS(ESI) m/z = 1622 (M+H)+
保持時間:0.30分、0.34分(分析条件SQDFA50)
tBuSSlac部位が光学異性体混合物であるため、化合物としてジアステレオマーが存在し、2本のピークを観測した。
((2R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソ−1−((4−((5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S)−5,23,32−トリベンジル−2−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−11,17−ジイソブチル−13,14,16,20,22,25,26,29−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−8−イル)ブチル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバミン酸アリル(*Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala*、2つの*部位にて環化)(化合物SP671)の合成
(9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S)−12−(4−((R)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−6−(((S)−2−アミノ−3−フェニルプロパノイル)オキシ)−9,27−ジベンジル−15,21−ジイソブチル−2,2,17,18,20,24,26,29,30,33−デカメチル−7,10,13,16,19,22,25,28,31−ノナオキソ−3,4−ジチア−8,11,14,17,20,23,26,29,32−ノナアザテトラトリアコンタン−34−酸(H−Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−OH)(化合物SP670)(1.2mg、0.74μmmol)のジメチルホルムアミド(DMF)/ジクロロメタン(DCM)(=4/1、v/v、800μl)溶液にO−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)(0.42mg、1.11μmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(4.2μl)とジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(0.194μl、1.11μmol)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液(2.0μl)を室温にて加え、同温度で3時間攪拌した。反応液にギ酸(0.28μL)を加え、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、((2R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソ−1−((4−((5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S)−5,23,32−トリベンジル−2−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−11,17−ジイソブチル−13,14,16,20,22,25,26,29−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−8−イル)ブチル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバミン酸アリル(*Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala*、2つの*部位にて環化)(化合物SP671)(0.90mg、76%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1604.5 (M+H)+
保持時間:0.79分(分析条件SQDFA50)
(2R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)−N−(4−((5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S)−5,23,32−トリベンジル−2−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−11,17−ジイソブチル−13,14,16,20,22,25,26,29−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−8−イル)ブチル)プロパンアミド(*Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(H−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala*、2つの*部位にて環化)(化合物SP665)の合成
((2R)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソ−1−((4−((5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S)−5,23,32−トリベンジル−2−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−11,17−ジイソブチル−13,14,16,20,22,25,26,29−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−8−イル)ブチル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバミン酸アリル(*Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(Alloc−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala*、2つの*部位にて環化)(化合物SP671)(2.5mg、1.56μmol)にフェニルシラン(PhSiH3)(0.385μl、3.12μmol)の1,3−ジメチルー2−イミダゾリジノン(DMI)溶液(140μl)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(Ph3P)4)(1.80mg、1.56μmol)を室温にて加え、反応液を30度で1時間30分攪拌した。反応液を逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(2R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)−N−(4−((5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S)−5,23,32−トリベンジル−2−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−11,17−ジイソブチル−13,14,16,20,22,25,26,29−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−8−イル)ブチル)プロパンアミド(*Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(H−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala*、2つの*部位にて環化)(化合物SP665)(2.60mg、88%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1520 (M+H)+
保持時間:0.83分(分析条件SQDFA05)
7−2.翻訳ペプチドモデル化合物(化合物SP665)からの分枝ペプチド生成反応 (2S)−N−((3R,6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S)−6,15−ジベンジル−21,27−ジイソブチル−3−(メルカプトメチル)−9,12,13,16,18,22,24,25−オクタメチル−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28−デカアザシクロテトラトリアコンタン−30−イル)−2−(2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロパンアミド)−3−フェニルプロパンアミド(H−HSlac−Phe−Lys(*Cys)−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−Phe*、2つの*部位にて環化)(化合物SP672)の合成
なお、本明細書では、HSlacとは化合物SP666の側鎖tBuS基が脱保護されたもので、ヒドロキシル基上の水素原子とカルボン酸上のヒドロキシル基を除いた2価の構造を意味する。
窒素雰囲気下、1M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩水溶液(1μl)、2M HEPES緩衝液(1.5μl、pH=7.6)、1N 水酸化ナトリウム水溶液(1.8μl)、水(38.2μl)を混ぜた溶液に(2R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)−N−(4−((5S,8S,11S,14S,17S,20S,23S,26S,29S,32S)−5,23,32−トリベンジル−2−((tert−ブチルジスルファニル)メチル)−11,17−ジイソブチル−13,14,16,20,22,25,26,29−オクタメチル−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16,19,22,25,28,31−デカアザシクロトリトリアコンタン−8−イル)ブチル)プロパンアミド(*Phe−tBuSSlac−Phe−Lys(H−Cys(StBu))−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala*、2つの*部位にて環化)(化合物SP665)(76μg、0.05μmol)の1,3−ジメチルー2−イミダゾリジノン(DMI)溶液(7.5μl)を室温にて加え、pH=6.6にて、30度で13時間攪拌した。反応の変化をLCMSで追跡し、13時間後目的物である化合物SP672が生成していることを確認した。目的化合物の他に、加水分解体(m/z = 1359.8 (M−H)−)、m/z = 1309.6(M−H)−(ともにLCMS保持時間0.64分)、m/z = 1377.8(M−H)−(LCMS保持時間0.82分)、m/z = 1559.9(M−H)−(LCMS保持時間0.56分)が副生成物として観測された。目的化合物はLCMSのUVエリア比で43%であった。(図72)
LCMS(ESI) m/z = 1342 (M―H)―
保持時間:0.81分(分析条件SQDFA05)
7−3.分枝ペプチドからの脱硫反応
(2S)−N−((3S,6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S)−6,15−ジベンジル−21,27−ジイソブチル−3,9,12,13,16,18,22,24,25−ノナメチル−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28−デカアザシクロテトラトリアコンタン−30−イル)−2−(2−ヒドロキシプロパンアミド)−3−フェニルプロパンアミド(H−lac−Phe−Lys(*Ala)−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−Phe*、2つの*部位にて環化)(化合物SP673)の合成
窒素雰囲気下、上述の7−2.に記載の化合物SP673を含む翻訳ペプチドモデル化合物(化合物SP665)からの分枝ペプチド生成反応に用いた反応溶液(20μl)に330mM グルタチオン水溶液(10.8μl)、670mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液(7.2μl、pH=7.1)を加え50℃で5分攪拌した。250mM 2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリンー2−イル)プロパン]二塩酸塩(VA−044)水溶液(1.6μl)を室温にて加え、50℃で20分攪拌した。反応の変化をLCMSで追跡し、20分後目的物である(2S)−N−((3S,6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S)−6,15−ジベンジル−21,27−ジイソブチル−3,9,12,13,16,18,22,24,25−ノナメチル−2,5,8,11,14,17,20,23,26,29−デカオキソ−1,4,7,10,13,16,19,22,25,28−デカアザシクロテトラトリアコンタン−30−イル)−2−(2−ヒドロキシプロパンアミド)−3−フェニルプロパンアミド(H−lac−Phe−Lys(*Ala)−Leu−MeAla−MeLeu−Ala−MePhe−MeAla−Ala−Phe*、2つの*部位にて環化)(化合物SP673)が生成していることを確認した。
670mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩溶液の調整法は以下の通りである。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)塩酸塩(29mg、101μmol)に水(100μl)、トリエチルアミン(Et3N)(50μl)を加え、pH=7.1に調整した。
LCMS(ESI) m/z = 1280(M+H)+
保持時間:0.77分(分析条件SQDFA05)
8.ペプチドーRNA複合体を用いた分子内分枝ペプチド(直鎖部2)生成反応
RNA−ペプチド複合体において分子内分枝ペプチド反応を施し、生成物を電気泳動により分析した。
8−1.ピューロマイシンを含む鋳型mRNAの調製とそれを用いたRNA−ペプチド複合体の翻訳合成
PCRにより調製したDNA(配列番号 DM-H1)を鋳型に、In vitro転写によりmRNA(配列番号RM−H2)を調整し、RNeasy mini kit (Qiagen社)を用いて精製した。10μMのmRNAに、15μMのピューロマイシンリンカー(Sigma社)(配列番号C-H1) 1X T4 RNAライゲースリアクションバッファー(NEB社)、1mM ATP、10% DMSO、0.63 unit/μl T4 RNAライゲース(NEB社)を加え、室温で30分間ライゲーション反応させた後、RNeasy MiniElutekit(Qiagen社)により精製した。次に、前述した翻訳系の鋳型RNAOT86b(配列番号RM−H1)の代わりに上記で調製した1 μMのmRNA-ピューロマイシンリンカー連結体を鋳型として用い、さらに0.25mM Glyを追加した翻訳反応液を調製し、37℃で60分間保温した後、続けて室温で12分間保温した。その後、反応液をRNeasy minelute(qiagen社)により精製し、ペプチド−RNA複合体分子を得た。
配列番号DM-H1 OT-104(配列番号:92)
OT-104 DNA配列
GGCGTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATatgTGCACTACATGGTTCCGTTGGTGCCCACAGTTCAAGTGGCTTCCTCGTAGTGGCTCTGGCTCTGGCTCTTAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号RM−H2 OT-104(配列番号:93)
OT-104 RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUaugUGCACUACAUGGUUCCGUUGGUGCCCACAGUUCAAGUGGCUUCCUCGUAGUGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号C−H1 S2PuFLin配列 (配列番号:76)
[P]CCCGTCCCCGCCGCCC [Fluorecein-dT][Spacer18][Spacer18][Spacer18][Spacer18][Spacer18]CC[Puromycin] ([P]:5'リン酸化)
8−2.分子内分枝ペプチド(直鎖部2)を有するペプチド−RNA複合体の生成
上記で調製したペプチドーRNA複合体溶液100μLに対して100μLのN, N‐ジメチルアセトアミド(DMA)、5.5μLの2M HEPES−KOH(pH7.6)、2.1μLの1M トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)(pH7.6)を加え、37℃で2時間保温した。続けて848μLの試薬溶液(59mMトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、425mM N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)(pH8.7)、590mM 水酸化ナトリウム、47%(v/v)N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、593mM 4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール)を反応溶液に加え、37℃でさらに20時間保温した。得られた反応液から、RNeasy minelute (qiagen社)を用いてペプチド−RNA複合体を精製し、純水100μLにてカラムから溶出した。続けて、12μLの10xRNase ONE ribonuclease反応バッファー(promega 社)、6μLのRNase ONEribonuclease (promega社)、6μLのRNase H (Life Technologies社)を加え、室温にて3日間保温した。得られた反応溶液と何も反応させていないピューロマイシンリンカー(配列番号C-H1)をpeptide-PAGE mini(TEFCO社)にて電気泳動し、ピューロマイシンリンカーに由来するFluoreceinにてバンドを可視化した(図74)。その結果、分枝ペプチド(直鎖部2) 生成反応を行ったサンプルに関して、ピューロマイシンリンカーにペプチドが 結合したことに由来するバンド移動度の差が観測された(図74、レーン2、バンドI)。このことから、目的の分子内分枝ペプチド−RNA複合体の存在が示された。
9.分枝ペプチドの翻訳産物からの生成を可能とするユニットのアミノアシル化pdCpAの合成
なお、本明細書では、アミノ酸あるいはアミノ酸誘導体、アミノ酸類縁体の主鎖カルボン酸とpdCpAのヒドロキシル基(2位あるいは3位)とエステル結合を形成した化合物をアミノ酸−pdCpAと記載する。アミノ酸、アミノ酸誘導体、アミノ酸類縁体部位は略称で示しており、各略称は以下のように定義する。
9−1.アミノアシル化pdCpA化合物20の合成
化合物21
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)酢酸シアノメチルの合成
グリコール酸(1.0g、 13.15mmol)とイミダゾール(4.48g、65.7mmol)のDMF (13.15 ml)溶液を0度に冷却した後に、tert−ブチルジメチルクロロシラン(4.76g、 31.6mmol)を加え、反応液を室温で12時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル/水で抽出操作を行い、有機層を25wt%食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣にTHF(30mL)を加えて0度に冷却した後に、メタノール(90mL)と9.1wt%炭酸カリウム水溶液(30mL)を加え、反応液を室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、粗生成物(4.25g)得た。
粗生成物(1.53g)にアセトニトリル(6.7ml)とDMF(6.7ml)を加えて、混合物を0度に冷却した後に、ジイソプロピルエチルアミン(3.51mL、20.1mmol)と2−ブロモアセトニトリル(0.93ml、13.4mmol)を加え、反応液を室温で6時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル/水で抽出操作を行い、有機層を25wt%食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)酢酸シアノメチル(化合物21)(556mg、52%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 230 (M+H)+
保持時間:0.54分(分析条件SQDAA50)
化合物22
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−(ホスホノオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イルの合成
緩衝液A(30mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(144mg、0.227mmol)の水溶液(1ml)と2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)酢酸シアノメチル(化合物21)(104mg、0.453mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−(ホスホノオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物22)(104.5mg、57%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 809.5 (M+H)+
保持時間:0.52分(分析条件SQDFA05)
化合物20
2−ヒドロキシ酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−(ホスホノオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル( HO Gly−pdCpA)の合成
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−(ホスホノオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物22)(70.0mg、87μmol)のジクロロメタン(2ml)溶液に室温にてトリフルオロ酢酸(2ml)を添加し、同温度で30分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−ヒドロキシ酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−(ホスホノオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(HOGly−pdCpA)(化合物20)(14.0mg、23%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 695 (M+H)+
保持時間:0.28分(分析条件SQDAA05)
2−2.アミノアシル化pdCpA化合物23の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロピオン酸シアノメチル(化合物25)の合成
文献既知法(J.Am.Chem.Soc.2008,130,4919.) により調整した2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロピオン酸(化合物24、60.0mg、 0.185mmol)と2−ブロモアセトニトリル(26.0μl、0.373mmol)のDMF(1.8ml)溶液に室温にて、ジイソプロピルエチルアミン(98.0μl、0.56mmol)を加え、反応液を同温度で1.5時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロピオン酸シアノメチル(化合物25)(48mg、71%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 364 (M+H)+
保持時間:0.84分(分析条件SQDAA50)
3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−ヒドロキシプロピオン酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−(ホスホノオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物23)(tBuSSlac -pdCpA)の合成
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロピオン酸シアノメチル(化合物25)(23.4mg、0.064mmol)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)のテトラブチルアンモニウム塩(48mg、0.032mmol)のDMF(640μl)溶液、トリエチルアミン(44.8μl、0.321mmol)を室温で加え、反応液を35度で1時間攪拌した。反応混合物にギ酸(30μl)を加え、逆相シリカゲルクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(tert−ブチルジメチルスルファニル)プロピオン酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−(ホスホノオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物26)を混合物(29.4mg)として得た。
得られた混合物(29.4mg)に対し、トリフルオロ酢酸(1ml、13.0mmol)を加え、反応液を室温で5時間攪拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−ヒドロキシプロピオン酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−(ホスホノオキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルオキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(18.0mg、2段階収率68%)(化合物23)(tBuSSlac -pdCpA)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 829 (M+H)+
保持時間:0.41分(分析条件SQDFA05)
2−4.アミノアシル化pdCpA化合物27の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ペンタ-4-エン酸 tert-ブチルエステル(化合物29)の合成
L-アリルグリシン(化合物28)(25.0g、 217mmol)の1,4−ジオキサン (250 ml)/水(125ml)懸濁液を0℃に冷却した後、二炭酸ジ-tert-ブチル(52.1g、 239mol)および炭酸水素ナトリウム(36.5g、434mol)を加え、反応液を室温で12時間攪拌した。反応が完結した後、反応液を0℃に冷却し、液性がpH4になるまで1M塩酸を加えた。この混合物を酢酸エチルで抽出操作を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮し(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ペンタ-4-エン酸を得た。得られた(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ペンタ-4-エン酸をトルエン(200ml)に溶解させ、N,N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(130ml)を加え、90℃で4時間攪拌した。更にN,N-ジメチルホルムアミドジ-tert-ブチルアセタール(25ml)を加え90℃で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ペンタ-4-エン酸 tert-ブチルエステル(化合物29)(33.16g、56%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 294 (M+Na)+
保持時間:1.05分(分析条件SQDAA05)
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-オキシラニル-プロピオン酸 tert-ブチルエステル(化合物30)の合成
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ペンタ-4-エン酸 tert-ブチルエステル(化合物29)(32.0g、 118mmol)のジクロロメタン(384ml)溶液にメタクロロ過安息香酸(40.7g、 236mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、炭酸水素ナトリウム(20g)水溶液(300ml)および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(100ml)を加え、反応を終了させた。混合物を酢酸エチルで抽出操作を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-オキシラニル-プロピオン酸 tert-ブチルエステル(化合物30)(18.53g、55%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 310 (M+Na)+
保持時間:1.03分(分析条件SQDAA05)
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-チイラニル-プロピオン酸 tert-ブチルエステル(化合物31)の合成
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-オキシラニル-プロピオン酸 tert-ブチルエステル(化合物30)(315mg、 1.096mmol)にメタノール (4ml)およびチオ尿素(83mg、 1.096mmol)を加え、反応液を1.5時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-チイラニル-プロピオン酸 tert-ブチルエステル(化合物31)(278mg、84%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 326 (M+Na)+
保持時間:0.59分(分析条件SQDAA50)
(S)-5-ブロモ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物32)の合成
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-チイラニル-プロピオン酸 tert-ブチルエステル(化合物31)(2.28g、 7.51mmol)のジクロロメタン(35ml)溶液にテトラメチル尿素(1.06ml、 9.02mmol)を加え、−78℃に冷却した。非特許文献(J.Org.Chem.2001、66、910−914)に掲載されている手法に従い、別途調製した1.60Mメタンスルフェニルブロミド 1,2−ジクロロエタン溶液(5.17ml)を加えた。反応液を2時間かけて攪拌しながら−78℃から0℃まで昇温させた。反応液を減圧下濃縮し、 (S)-5-ブロモ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物32)を粗生成物として得た。
LCMS(ESI) m/z = 430 (M+H)+
保持時間:0.74分(分析条件SQDAA50)
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物33)の合成
前述で得られた未精製の(S)-5-ブロモ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物32)のN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)溶液にアジ化ナトリウム(2.44g、 37.6mmol)を加え、反応混合物を室温で6時間攪拌した。反応終了後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物33)(1.87g、64%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 415 (M+Na)+
保持時間:0.80分(分析条件SQDAA50)
(S)-2-アミノ-5-アジド-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 塩酸塩(化合物34)の合成
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物33)(92mg、 0.234mmol)の2,2,2−トリフルオロエタノール (0.9ml)溶液にクロロトリメチルシラン(297μl、 2.344mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。更にクロロトリメチルシラン(150μl、 1.184mmol)を加え、反応液を室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル/ジクロロメタン(3:1:0.1)の混合溶媒で洗浄し、(S)-2-アミノ-5-アジド-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 塩酸塩(化合物34)(58mg、91%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 237 (M+H)+
保持時間:0.36分(分析条件SQDFA05)
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸(化合物35)の合成
(S)-2-アミノ-5-アジド-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 塩酸塩(化合物34)(70mg、 0.257mmol)の1,4−ジオキサン (0.7 ml)/水(0.35ml)懸濁液に二炭酸ジ-tert-ブチル(112mg、 0.513mmol)および炭酸水素ナトリウム(54mg、0.642mmol)を加え、反応液を室温で3時間攪拌した。反応が完結した後、反応液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸(化合物35)(79mg、92%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 335 (M−H)−
保持時間:0.78分(分析条件SQDFA05)
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 シアノメチルエステル(化合物36)の合成
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸(化合物35)(75mg、 0.223mmol)のアセトニトリル (2 ml)溶液にブロモアセトニトリル(45μl、 0.669mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(58μl、0.334mmol)を加え、反応液を室温で5時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル/飽和塩化アンモニウムで抽出操作を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 シアノメチルエステル(化合物36)(81mg、97%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 374 (M−H)−
保持時間:0.87分(分析条件SQDFA05)
(2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル 5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(メチルジスルファニル)ペンタノエート(化合物37)の合成
緩衝液A(29mL)にリン酸二水素((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(45mg、0.071mmol)の水溶液(1ml)と(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 シアノメチルエステル(化合物36)(80mg、0.213mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を加え、室温で3時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル 5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(メチルジスルファニル)ペンタノエート(化合物37)(15mg、22%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 955 (M+H)+
保持時間:0.55分(分析条件SQDFA05)
2-アミノ-5-アジド-4-(メチルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル(Orn(N3)(4-SSMe)-pdCpA)(化合物27)の合成
(2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル 5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(メチルジスルファニル)ペンタノエート(化合物37)(10mg、10.47μmol)に室温にてトリフルオロ酢酸(0.2mL)を添加し、同温度で20分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2-アミノ-5-アジド-4-(メチルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル(Orn(N3)(4-SSMe)-pdCpA)(化合物27)(2mg、26%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 855 (M+H)+
保持時間:0.32分(分析条件SQDFA05)
2−5.アミノアシル化pdCpA化合物43の合成 (2S,2'S)-ジ-tert-ブチル 4,4'-ジスルファンジイルビス(5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタノエート) (化合物38)の合成
前述した(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-メチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物33)の合成において、副生成物として、(2S,2'S)-ジ-tert-ブチル 4,4'-ジスルファンジイルビス(5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタノエート) (化合物38)(414mg)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 691.7 (M+H)+
保持時間:0.80分(分析条件SQDAA50)
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物39)の合成
(2S,2'S)-ジ-tert-ブチル 4,4'-ジスルファンジイルビス(5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタノエート)(化合物38)(312mg、0.452mmol)にジ-tert-ブチルジスルフィド(5.67ml、29.4mmol)およびヨウ素(57mg、0.226mmol)を加え、60度で18時間攪拌した。反応液を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物39)(161mg、81%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 435.5 (M+H)+
保持時間:0.77分(分析条件SQDAA50)
(S)-2-アミノ-5-アジド-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 塩酸塩(化合物40)の合成
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 tert-ブチルエステル(化合物39)(160mg、 0.368mmol)の2,2,2−トリフルオロエタノール (3.2ml)溶液にクロロトリメチルシラン(467μl、 2.344mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。更にクロロトリメチルシラン(467μl、 2.344mmol)を加え、反応液を室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル/ジクロロメタン(3:1:0.1)の混合溶媒で洗浄し、(S)-2-アミノ-5-アジド-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 塩酸塩(化合物40)(113mg、97%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 279 (M+H)+
保持時間:0.78分(分析条件SQDAA05)
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸(化合物40a)の合成
(S)-2-アミノ-5-アジド-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 塩酸塩(化合物40)(110mg、 0.349mmol)の1,4−ジオキサン (1 ml)/水(0.5ml)溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(152mg、 0.699mmol)および炭酸水素ナトリウム(73mg、0.873mmol)を加え、反応液を室温で1.5時間攪拌した。更に二炭酸ジ-tert-ブチル(152mg、 0.699mmol)および炭酸水素ナトリウム(73mg、0.873mmol)を加え、反応液を室温で2時間攪拌した。反応が完結した後、反応液を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)にて精製し、(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸(化合物40a)(120mg、91%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 377 (M−H)−
保持時間:0.89分(分析条件SQDFA05)
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 シアノメチルエステル(化合物41)の合成
(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸(化合物40a)(115mg、 0.304mmol)のアセトニトリル (1 ml)溶液にブロモアセトニトリル(62μl、 0.911mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(79μl、0.456mmol)を加え、反応液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル/飽和塩化アンモニウムで抽出操作を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮した。得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 シアノメチルエステル(化合物41)(120mg、95%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 416 (M−H)−
保持時間:0.97分(分析条件SQDFA05)
(2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル 5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(tert-ブチルジスルファニル)ペンタノエート(化合物42)の合成
緩衝液A(29mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(56mg、0.088mmol)の水溶液(1ml)と(S)-5-アジド-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-tert-ブチルジスルファニル-ペンタン酸 シアノメチルエステル(化合物41)(110mg、0.263mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を加え、室温で3時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル 5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(tert-ブチルジスルファニル)ペンタノエートの粗精製物(化合物42)(55mg)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 997 (M+H)+
保持時間:0.64分(分析条件SQDFA05)
2-アミノ-5-アジド-4-(tert-ブチルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル(Orn(N3)(4-SStBu)-pdCpA)(化合物43)の合成
前述した(2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル 5-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(tert-ブチルジスルファニル)ペンタノエート(化合物42)の粗精製物(53mg)にジクロロメタン(2ml)を加えて懸濁させ、室温にてトリフルオロ酢酸(0.5mL)を添加し、同温度で30分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2-アミノ-5-アジド-4-(tert-ブチルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)-(2R,3S,4R,5R)-2-((((((2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル(Orn(N3)(4-SStBu)-pdCpA)(化合物43)(24mg、2ステップ 31%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 897 (M+H)+
保持時間:0.41分(分析条件SQDFA05)
2−6.アミノアシル化pdCpA化合物47の合成
以下に述べる手法により、化合物36のSHの保護基を1工程にて変更でき、容易にpdCpA誘導体を合成する手法を確立した。
5−アジド−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−(イソプロピルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−シアノメチル(化合物45)の合成
5−アジド−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−(メチルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−シアノメチル(化合物36)(110mg、0.293mmol)にジイソプロピルジスルフィド(4.67ml、29.3mmol)およびヨウ素(30mg、0.117mmol)を加え、60度で24時間攪拌した。反応液を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、5−アジド−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−(イソプロピルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−シアノメチル(化合物45)(89mg、75%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 402 (M−H)−
保持時間:0.61分(分析条件SQDAA50)
化合物46
5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(イソプロピルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン-1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イルの合成
緩衝液A(12mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h、43.6mg、0.069mmol)の水溶液(0.3mL)と5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(イソプロピルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−シアノメチル(化合物45)(83mg、0.206mmol)のテトラヒドロフラン(0.2mL)溶液を加え、室温で55分間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(イソプロピルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン-1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物46)(27.7mg、41%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 981.6 (M−H)−
保持時間:0.58分(分析条件SQDFA05)
化合物47
2−アミノ−5−アジド−4−(イソプロピルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(N3)(4-SSiPr)-pdCpA)の合成
5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(イソプロピルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン-1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物46)(27.7mg、28μmol)のジクロロメタン(0.4mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.1mL)を添加し、室温で35分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−5−アジド−4−(イソプロピルジスルファニル)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(N3)(4-SSiPr)-pdCpA)(化合物47)(21.5mg、86%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 881.4 (M−H)−
保持時間:0.39分(分析条件SQDFA05)
2−5.アミノアシル化pdCpA化合物48(Lys(Cys(StBu))-pdCpA)の合成
以下のスキームに従い合成を行った。
(S)−2,6−ジアミノヘキサン酸, ジアンモニア塩 塩酸塩(化合物56)の合成
L(+)−リジン一塩酸塩(3.08g、 16.86mmol)を氷浴で冷却後、アンモニア水(15mL)を添加した。反応液を同温度で25分間撹拌後、減圧濃縮して得た粗生成物(3.20g)をそのまま次工程に用いた。
(1R,4'S,5S)−4'−(4−アミノブチル)−5'−オキソスピロ[ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン]−3'−イウム−11−ウイド(化合物49)の合成
窒素雰囲気下、(S)−2,6−ジアミノヘキサン酸, ジアンモニア塩 塩酸塩(化合物56)(3.20g、14.77mmol)及び9−BBNダイマー(4.11g、16.98mmol)のメタノール(40mL)懸濁液を1時間加熱還流した。室温に冷却後、溶媒を減圧留去して得た粗生成物をそのまま次工程に用いた。
LCMS(ESI) m/z = 265 (M−H)−
保持時間:0.43分(分析条件SQDFA05)
(1R,4'S,5S)−4'−(4−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5'−オキソスピロ[ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン]−3'−イウム−11−ウイド(化合物50)の合成
窒素雰囲気下、(1R,4'S,5S)−4'−(4−アミノブチル)−5'−オキソスピロ[ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン]−3'−イウム−11−ウイド(化合物49)(3.73g、14mmol)及びBoc−Cys(StBu)−OH(4.33g、14mmol)のDMF(10mL)懸濁液に室温で撹拌しながら、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.66mL、21mmol)を添加した。得られた混合物にHATU(5.86g、15.4mmol)を添加後、室温にて1日間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を添加し、酢酸エチルにて抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル)にて精製し、(1R,4'S,5S)−4'−(4−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5'−オキソスピロ[ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン]−3'−イウム−11−ウイド(化合物50)(7.34g、94%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 558.5 (M+H)+
保持時間:0.98分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−アミノ−6−((R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(Lys(Cys(StBu)))(化合物51)の合成
(1R,4'S,5S)−4'−(4−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5'−オキソスピロ[ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン]−3'−イウム−11−ウイド(化合物50)(715.8mg、1.28mmol)の1,4−ジオキサン(3mL)溶液に室温にて濃塩酸(1.1mL)を添加し、得られた反応混合物を40℃で13時間15分間撹拌した。室温に冷却後、減圧濃縮して得られた粗生成物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、(S)−2−アミノ−6−((R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(Lys(Cys(StBu)))(化合物51)(394.1mg、91%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 336 (M−H)−
保持時間:0.67分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(化合物52)の合成
(S)−2−アミノ−6−((R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(Lys(Cys(StBu)))(化合物51)(390mg、1.16mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)及び水(6mL)混合物を氷浴にて冷却し、炭酸水素ナトリウム(388mg、4.62mmol)、続いてBoc
2O(807mg、3.70mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。氷浴にて冷却後、硫酸水素カリウム(157mg、1.16mmol)及び飽和硫酸水素カリウム水溶液(1mL)を添加して、pH2に調整した。得られた混合物を酢酸エチルにて抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(化合物52)(579.5mg、93%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 536 (M−H)−
保持時間:0.86分(分析条件SQDFA05)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物53)の合成
窒素雰囲気下室温にて、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(化合物52)(206mg、0.383mmol)のアセトニトリル(0.3mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.073mL、0.421mmol)、続いてブロモアセトニトリル(0.080mL、1.15mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて5時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物53)(172.2mg、78%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 577.6 (M+H)+
保持時間:0.92分(分析条件SQDFA05)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物55)の合成
緩衝液A(11mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(37.9mg、0.060mmol)の水溶液(0.3mL)と2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物53)(103mg、0.179mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物55)(12mg、17%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1156.7 (M+H)+
保持時間:0.63分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−((R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Cys(StBu))-pdCpA)(化合物48)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物55)(12mg、10.38μmol)のジクロロメタン(0.4mL)溶液に室温にてトリフルオロ酢酸(0.1mL)を添加し、同温度で15分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−((R)−2−アミノ−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Cys(StBu))-pdCpA)(化合物48)(9.3mg、94%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 956 (M+H)+
保持時間:0.29分(分析条件SQDFA05)
10.保護基を有するアミン部位の合成(その2)
翻訳合成可能であり、かつRNAに安定な反応条件にて脱保護できる保護基の探索、およびアミノ酸ユニットとの組み合わせ例を以下に示す。また、以下に示すように、本明細書中に使用する各アミノ酸の略称も化合物番号と共に示した。これらの略称はペプチド内に含有されても、あるいはpdCpAなどのRNAやDNAに含有されても同じユニットが含まれるものとする。また、例えばH-Gly-OHなどの場合、N末端もしくはC末端が化学修飾されてない場合には、HやOH基の記載を省略して単にGlyなどとすることもある。
また、翻訳合成可能なアミノ酸として、本明細書中に使用する各アミノ酸の略称を以下の様に定義する。
10−1.pdCpA−側鎖アミノ基が保護されたアミノ酸の合成 10−1−1.保護基を有するアミン部位の探索:アミノアシル化pdCpA化合物tk5の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−((S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)チアゾリジン−5−イル)ブタン酸(化合物tk2)の合成
文献記載(J.Am.Chem.Soc.2011,133,10708.)の方法で合成した(1S,4S)−1−カルボキシ−4−(メチルスルフィノチオイル)ペンタン−1,5−ジアミニウム 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩(化合物tk1)(273.4mg、0.604mmol)を室温で2M水酸化ナトリウム水溶液(2.1mL)に溶解後、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(182mg、0.635mmol)を添加した。同温度で15分間撹拌後、37%ホルマリン水溶液(0.9mL)を添加した。同温度で1.5時間撹拌後、2M水酸化ナトリウム水溶液(0.15mL)及びBoc2O(528mg、2.417mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)溶液を添加した。反応混合物を同温度で17.5時間撹拌後、Boc2O(250mg)を添加した。6.5時間撹拌後、酢酸エチルで希釈した混合物を氷浴で冷却し、飽和硫酸水素カリウム水溶液(0.8mL)を添加した。酢酸エチルで抽出し(2回)、有機相を飽和食塩水(4mL)で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−((S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)チアゾリジン−5−イル)ブタン酸(化合物tk2)(131.7mg、56%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 389 (M−H)−
保持時間:0.83分(分析条件SQDAA05)
5−((S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(シアノメトキシ)−4−オキソブチル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (S)−tert−ブチル(化合物tk3)の合成
窒素雰囲気下、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−((S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)チアゾリジン−5−イル)ブタン酸(化合物tk2)(98mg、0.251mmol)のアセトニトリル(0.5mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(48μL、0.276mmol)、続いてブロモアセトニトリル(88μL、1.255mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて3時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、5−((S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(シアノメトキシ)−4−オキソブチル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (S)−tert−ブチル(化合物tk3)(94.0mg、87%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 428.1 (M−H)−
保持時間:0.85分(分析条件SQDFA05)
5−((3S)−4−(((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソブチル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (5S)−tert−ブチル(化合物tk4)の合成
緩衝液A(12.5mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(44.0mg、0.069mmol)と5−((S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(シアノメトキシ)−4−オキソブチル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (S)−tert−ブチル(化合物tk3)(89mg、0.207mmol)のアセトニトリル(0.3mL)溶液を加え、室温で1.25時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、5−((3S)−4−(((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソブチル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (5S)−tert−ブチル(化合物tk4)(17.4mg、25%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1007.7 (M−H)−
保持時間:0.54分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−4−((S)−チアゾリジン−5−イル)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Ala(Tzm)-pdCpA)(化合物tk5)の合成
5−((3S)−4−(((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−オキソブチル)チアゾリジン−3−カルボン酸 (5S)−tert−ブチル(化合物tk4)(8.5mg、8.43μmol)のジクロロメタン(0.2mL)溶液に、10%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(0.16mL)を添加し、室温で1.25時間撹拌した。減圧濃縮後、2−アミノ−4−((S)−チアゾリジン−5−イル)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Ala(Tzm)-pdCpA)(化合物tk5)(10.6mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 807.5 (M−H)−
保持時間:0.14分(分析条件SQDFA05)
10−1−2. アミノアシル化pdCpA化合物tk12の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(2S,5S)−2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(Lys(5S-SSMe)(Acbz))(化合物tk7)の合成
(2S,5S)−2,6−ジアミノ−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(化合物tk6)(176mg、0.785mol)と炭酸水素ナトリウム(659mg、7.85mmol)の水(1.2mL)溶液に、室温で硫酸銅五水和物(100mg、0.4mmol)の水(0.3mL)溶液を添加し、続いて文献記載(Bioconjugate Chem.2008,19,714.)の方法で合成した炭酸(4−ニトロフェニル)4−アジドベンジル(296mg、0.941mmol)のアセトン(2.7mL)溶液を添加した。同温度で25.75時間撹拌後、反応混合物をろ過し、水でろ紙上の固体を洗浄した。ろ取した固体を水(10mL)−メタノール(1mL)に懸濁し、室温でエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(350mg、0.941mmol)を添加した。同温度で7.75時間撹拌後、反応混合物をろ過し、ろ紙上の白色固体を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、(2S,5S)−2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(Lys(5S-SSMe)(Acbz))(化合物tk7)(50.2mg、16%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 398 (M−H)−
保持時間:0.85分(分析条件SQDAA05)
(2S,5S)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(化合物tk8)の合成
(2S,5S)−2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(Lys(5S-SSMe)(Acbz))(化合物tk7)(70mg、0.175mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)−アセトニトリル(1mL)溶液に、室温で炭酸水素ナトリウム(44.2mg、0.526mmol)、水(1mL)及びBoc2O(115mg、0.526mmol)を添加した。同温度で22.5時間撹拌後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた粗生成物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、(2S,5S)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(化合物tk8)(71.6mg、82%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 498.4 (M−H)−
保持時間:0.91分(分析条件SQDAA05)
6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−シアノメチル(化合物tk9)の合成
窒素雰囲気下、(2S,5S)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(化合物tk8)(132mg、0.264mmol)のアセトニトリル(0.4mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(51μL、0.291mmol)、続いてブロモアセトニトリル(92μL、1.321mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて4.5時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−シアノメチル(化合物tk9)(127.3mg、89%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 537.6 (M−H)−
保持時間:0.91分(分析条件SQDFA05)
6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk10)の合成
緩衝液A(13mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(49.2mg、0.077mmol)と6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−シアノメチル(化合物tk9)(125mg、0.232mmol)のアセトニトリル(0.5mL)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。アセトニトリル(0.5mL)を添加して1.25時間撹拌後、アセトニトリル(0.5mL)を添加した。更に1.25時間撹拌後、アセトニトリル(0.5mL)を添加して、1.5時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk10)(14.0mg、16%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1116.7 (M−H)−
保持時間:0.62分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(5S-SSMe)(Acbz)-pdCpA)(化合物tk11)及び2,6−ジアミノ−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(5S-SSMe)-pdCpA、化合物tk12)の合成
6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk10)(14.0mg、0.013mmol)のジクロロメタン(0.2mL)溶液に、10%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(0.24mL)を添加し、室温で30分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(5S-SSMe)(Acbz)-pdCpA)(化合物tk11)(3.2mg、25%)及び2,6−ジアミノ−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(5S-SSMe)-pdCpA)(化合物tk12)(1.5mg、14%)を得た。
2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(5S-SSMe)(Acbz)-pdCpA)(化合物tk11)
LCMS(ESI) m/z = 1016.5 (M−H)−
保持時間:0.45分(分析条件SQDFA05)
2,6−ジアミノ−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(5S-SSMe)-pdCpA)(化合物tk12)
LCMS(ESI) m/z = 841.4 (M−H)−
保持時間:0.20分(分析条件SQDFA05)
10−1−3. アミノアシル化pdCpA化合物tk18の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
炭酸 (4−ニトロフェニル) 2−アジドベンジル(化合物tk13)の合成
文献記載(Bioconjugate Chem. 2008, 19, 714.)の方法と同様に(2−アジドフェニル)メタノール及びクロロギ酸 4−ニトロフェニルから合成した。
LCMS(ESI) m/z = 138 (HOC6H4NO2−H)−
保持時間:1.03分(分析条件SQDAA05)
(2S,5S)−2−アミノ−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(Lys(5S-SSMe)(oAcbz))(化合物tk14)の合成
文献記載(J.Am.Chem.Soc.2011,133,10708.)の方法で合成した(1S,4S)−1−カルボキシ−4−(メチルスルフィノチオイル)ペンタン−1,5−ジアミニウム 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩(化合物tk1)(226mg、0.50mmol)と炭酸水素ナトリウム(420mg、5.00mmol)の水(1.2mL)溶液に、室温で硫酸銅五水和物(63.6mg、0.255mmol)の水(0.3mL)溶液を添加し、続いて炭酸 (4−ニトロフェニル) 2−アジドベンジル(化合物tk13)(188mg、0.599mmol)のアセトニトリル(6mL)溶液を添加した。同温度で49時間撹拌後、反応混合物をろ過し、水でろ紙上の固体を洗浄した。ろ取した固体を水(10mL)−メタノール(1mL)に懸濁し、室温でエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(223mg、0.599mmol)を添加した。同温度で17.25時間撹拌後、反応混合物をろ過し、ろ紙上の白色固体を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、((2S,5S)−2−アミノ−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(Lys(5S-SSMe)(oAcbz))(化合物tk14)(30.2mg、15%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 398 (M−H)−
保持時間:0.85分(分析条件SQDAA05)
(2S,5S)−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(化合物tk15)の合成
((2S,5S)−2−アミノ−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(Lys(5S-SSMe)(oAcbz))(化合物tk14)(78mg、0.195mmol)及び炭酸水素ナトリウム(65.6mg、0.781mmol)の混合物に、室温で水(1mL)及びBoc2O(170mg、0.781mmol)の1,4−ジオキサン(1mL)溶液を添加した。同温度で12.5時間撹拌後、氷浴で冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した混合物に硫酸水素カリウム(115mg)水溶液を添加した。酢酸エチルにて抽出し(2回)、有機相を食塩水(1mLで2回)にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(2S,5S)−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(化合物tk15)(90.3mg、93%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 498 (M−H)−
保持時間:0.90分(分析条件SQDAA05)
6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−シアノメチル(化合物tk16)の合成
窒素雰囲気下、(2S,5S)−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸(化合物tk15)(89.5mg、0.179mmol)のアセトニトリル(0.3mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(34μL、0.197mmol)、続いてブロモアセトニトリル(62μL、0.896mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて1.25時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−シアノメチル(化合物tk16)(77.5mg、80%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 539.5 (M+H)+
保持時間:0.92分(分析条件SQDFA05)
6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk17)の合成
緩衝液A(8mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(30.3mg、0.048mmol)と6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−シアノメチル(化合物tk16)(77mg、0.143mmol)のアセトニトリル(0.7mL)溶液を加え、室温で40分間撹拌した。アセトニトリル(3mL)を添加して55分間撹拌した。更にアセトニトリル(2mL)を添加して、5時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk17)(2.8mg、5%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1116.2 (M−H)−
保持時間:0.65分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(5S-SSMe)(oAcbz)-pdCpA)(化合物tk18)の合成
6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk17)(2.8mg、2.504μmol)のジクロロメタン(0.1mL)溶液に、10%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(0.1mL)を添加し、室温で60分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−5−(メチルジスルファニル)ヘキサン酸 (2S,5S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(5S-SSMe)(oAcbz)-pdCpA)(化合物tk18)(1.4mg、55%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1016.0 (M−H)−
保持時間:0.44分(分析条件SQDFA05)
10−1−4. アミノアシル化pdCpA化合物tk26の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物tk20)の合成
窒素雰囲気下、S−tert−ブチルメルカプト−L−システイン(化合物tk19)(116mg、0.554mmol)と文献記載(Bioconjugate Chem. 2008, 19, 714.)の方法で合成した炭酸(4−ニトロフェニル)4−アジドベンジル(209mg、0.665mmol)の混合物に室温にてDMF(0.5mL)を添加した。混合物を氷浴で冷却後、トリエチルアミン(232μL、1.663mmol)を添加した。反応混合物を氷冷下から25℃で15.5時間撹拌後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物tk20)(211.4mg、99%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 383 (M−H)−
保持時間:0.84分(分析条件SQDFA05)
(1R,4'S,5S)−4'−(4−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5'−オキソスピロ)−5'−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン−9,2'−[1,3,2]イウム−11−ウイド(化合物tk21)の合成
窒素雰囲気下、(1R,4'S,5S)−4'−(4−アミノブチル)−5'−オキソスピロ[ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン]−3'−イウム−11−ウイド(化合物49)(166mg、0.625mmol)及び(R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物tk20)(200.3mg、0.521mmol)のDMF(0.6mL)懸濁液に室温で撹拌しながら、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(136μL、0.781mmol)を添加した。得られた混合物を氷浴で冷却後、HATU(238mg、0.625mmol)を添加した。反応混合物を室温にて45分間撹拌後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(1R,4'S,5S)−4'−(4−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5'−オキソスピロ)−5'−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン−9,2'−[1,3,2]イウム−11−ウイド(化合物tk21)(313.1mg、95%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 631.5 (M−H)−
保持時間:1.01分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−アミノ−6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(Lys(Acbz-Cys(StBu)))(化合物tk22)の合成
窒素雰囲気下、(1R,4'S,5S)−4'−(4−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ブチル)−5'−オキソスピロ)−5'−ビシクロ[3.3.1]ノナン−9,2'−[1,3,2]オキサザボロリジン−9,2'−[1,3,2]イウム−11−ウイド(化合物tk21)(300mg、0.474mmol)の1,4−ジオキサン(2.4mL)の懸濁液に濃塩酸(395μL)を添加した。反応混合物を40〜45℃で3.5時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−アミノ−6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(Lys(Acbz-Cys(StBu)))(化合物tk22)(121.9mg、50%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 513 (M+H)+
保持時間:0.61分(分析条件SQDFA05)
(S)−6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk23)の合成
(S)−2−アミノ−6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸(Lys(Acbz-Cys(StBu)))(化合物tk22)(121.9mg、0.238mmol)に室温で1,4−ジオキサン(1mL)及び水(1mL)を添加した。得られた混合物を氷浴で冷却後、炭酸水素ナトリウム(59.9mg、0.713mmol)を添加し、次にBoc2O(104mg、0.476mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で21時間撹拌後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk23)(111.0mg、76%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 611 (M−H)−
保持時間:0.88分(分析条件SQDFA05)
6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk24)の合成
窒素雰囲気下、(S)−6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk23)(110mg、0.180mmol)のアセトニトリル(0.3mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(34μL、0.197mmol)、続いてブロモアセトニトリル(38μL、0.539mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて15.5時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk24)(97.3mg、83%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 650.6 (M−H)−
保持時間:0.95分(分析条件SQDFA05)
6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk25)の合成
緩衝液A(9mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(30.3mg、0.048mmol)の水溶液(0.3mL)と6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk24)(93mg、0.143mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を加え、室温で4.5時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk25)(6.7mg、11%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1231.7 (M+H)+
保持時間:0.90分(分析条件SQDAA05)
2−アミノ−6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Acbz-Cys(StBu))-pdCpA)(化合物tk26)の合成
6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk25)(6.7mg、5.44μmol)のジクロロメタン(0.4mL)溶液を氷浴で冷却後、トリフルオロ酢酸(0.1mL)を添加し、室温で25分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−((R)−2−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Acbz-Cys(StBu))-pdCpA)(化合物tk26)(1.7mg、28%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1130.1 (M−H)−
保持時間:0.54分(分析条件SQDFA05)
10−1−5. アミノアシル化pdCpA化合物tk30の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
チアゾリジン−3,4−ジカルボン酸 4−(シアノメチル) (R)−3−tert−ブチル(化合物tk28)の合成
窒素雰囲気下、Boc−Thiopro−OH(化合物tk27)(377mg、1.616mmol)のアセトニトリル(1mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(310μL、1.778mmol)、続いてブロモアセトニトリル(563μL、8.08mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて2.25時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、チアゾリジン−3,4−ジカルボン酸 4−(シアノメチル) (R)−3−tert−ブチル(化合物tk28)(272.9mg、62%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 273.3 (M+H)+
保持時間:0.71分(分析条件SQDFA05)
チアゾリジン−3,4−ジカルボン酸 3−tert−ブチル (4R)−4−((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)(化合物tk29)の合成
緩衝液A(30mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(148mg、0.233mmol)とチアゾリジン−3,4−ジカルボン酸 4−(シアノメチル) (R)−3−tert−ブチル(化合物tk28)(254mg、0.933mmol)のアセトニトリル(0.7mL)溶液を加え、室温で1.5時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、チアゾリジン−3,4−ジカルボン酸 3−tert−ブチル (4R)−4−((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)(化合物tk29)(64.7mg、33%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 850.3 (M−H)−
保持時間:0.41分(分析条件SQDFA05)
チアゾリジン−4−カルボン酸 (4R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Thiopro-pdCpA)(化合物tk30)の合成
チアゾリジン−3,4−ジカルボン酸 3−tert−ブチル (4R)−4−((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk29)(19mg、0.022mmol)のジクロロメタン(0.4mL)溶液に10%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(0.4mL)を添加し、室温で60分間撹拌後、減圧濃縮してチアゾリジン−4−カルボン酸 (4R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Thiopro-pdCpA)(化合物tk30)(25mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 750.4 (M−H)−
保持時間:0.34分(分析条件SQDAA05)
10−1−6. アミノアシル化pdCpA化合物tk38の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物SP661)の合成
氷冷下、Fmoc−リシン塩酸塩(化合物tk31)(4.9g、12.10mmol)と炭酸水素ナトリウム(2.77g、33.0mmol)のDMF(22mL)懸濁液に文献記載(Bioconjugate Chem. 2008, 19, 714.)の方法で合成した炭酸(4−ニトロフェニル)4−アジドベンジル(化合物tk32)(3.46g、11.0mmol)を添加した。反応混合物を25℃で8時間撹拌後、1N塩酸を添加し、酢酸エチルにて抽出した。有機相を食塩水にて3回洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物SP661)(5.5g、92%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 542 (M−H)−
保持時間:0.89分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸(Lys(Acbz))(化合物tk34)の合成
窒素雰囲気下、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物SP661)(210mg、0.386mmol)のDMF(0.7mL)溶液に室温でDBU(0.064mL、0.425mmol)を添加した。得られた反応混合物を同温度で20分間撹拌後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸(Lys(Acbz))(化合物tk34)(100mg、81%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 320 (M−H)−
保持時間:0.47分(分析条件SQDFA05)
(S)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk35)の合成
2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸(Lys(Acbz))(化合物tk34)(100mg、0.311mmol)に室温で1,4−ジオキサン(5mL)及び水(2mL)を添加した。得られた混合物を氷浴で冷却後、炭酸水素ナトリウム(78mg、0.934mmol)を添加し、次にBoc2O(136mg、0.622mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で2時間20分間撹拌後、Boc2O(70mg)を添加した。同温度で40分間撹拌後、氷冷下で酢酸エチル及び水を添加した。得られた混合物に飽和硫酸水素カリウム水溶液(0.3mL)を添加後、酢酸エチルにて2回抽出した。有機相を水及び食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk35)(103.9mg、79%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 420 (M−H)−
保持時間:0.76分(分析条件SQDFA05)
6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(S)−シアノメチル(化合物tk36)の合成
窒素雰囲気下、(S)−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk35)(100.9mg、0.239mmol)のアセトニトリル(0.4mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(46μL、0.263mmol)、続いてブロモアセトニトリル(83μL、1.197mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて2.5時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(S)−シアノメチル(化合物tk36)(108.5mg、98%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 459 (M−H)−
保持時間:0.84分(分析条件SQDFA05)
6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk37)の合成
緩衝液A(14mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(47.9mg、0.075mmol)の水溶液(0.3mL)と6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(S)−シアノメチル(化合物tk36)(104mg、0226mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を加え、室温で1.75時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk37)(14.6mg、19%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1040.8 (M+H)+
保持時間:0.56分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Acbz)-pdCpA)(化合物tk38)の合成
6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk37)(14.6mg、0.014mmol)のジクロロメタン(0.4mL)溶液を氷浴で冷却後、トリフルオロ酢酸(0.05mL)を添加し、室温で35分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Acbz)-pdCpA)(化合物tk38)(1.1mg、8%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 938.5 (M−H)−
保持時間:0.39分(分析条件SQDFA05)
10−1−7. アミノアシル化pdCpA化合物tk43の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk40)の合成
Boc−Lys−OH(化合物tk39)(295mg、1.198mmol)と炭酸水素ナトリウム(252mg、2.99mmol)の1,4−ジオキサン(3mL)−水(2mL)の懸濁液に炭酸 (4−ニトロフェニル) 2−アジドベンジル(414mg、1.317mmol)を添加した。反応混合物を室温で22時間撹拌後、氷浴で冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した混合物に飽和硫酸水素カリウム水溶液(0.7mL)を添加した。酢酸エチルにて抽出し(2回)、有機相を水(10mLで2回)及び食塩水(10mL)にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk40)(431.5mg、85%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 420 (M−H)−
保持時間:0.76分(分析条件SQDFA05)
6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk41)の合成
窒素雰囲気下、(S)−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk40)(114mg、0.270mmol)のアセトニトリル(0.4mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(52μL、0.298mmol)、続いてブロモアセトニトリル(94μL、1.352mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて1.5時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk41)(140.2mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 459.5 (M−H)−
保持時間:0.84分(分析条件SQDFA05)
6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk42)の合成
緩衝液A(14mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(46.3mg、0.073mmol)の水溶液(0.3mL)と6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk41)(134mg、0.291mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を加え、室温で1.75時間撹拌した。アセトニトリル(0.6mL)を添加し、同温度で1.25時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk42)(11.1mg、15%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1038.6 (M−H)−
保持時間:0.58分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(oAcbz)-pdCpA)(化合物tk43)の合成
(2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk42)(10mg、9.62μmol)のジクロロメタン(0.4mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.075mL)を添加し、室温で20分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(oAcbz)-pdCpA)(化合物tk43)(8.0mg、89%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 938.5 (M−H)−
保持時間:0.39分(分析条件SQDFA05)
10−1−8. アミノアシル化pdCpA化合物tk47の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
6−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk45)の合成
窒素雰囲気下、Boc−Lys(Z)−OH(化合物tk44)(160mg、0.421mmol)のアセトニトリル(0.6mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(81μL、0.463mmol)、続いてブロモアセトニトリル(147μL、2.103mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて13時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、6−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk45)(180mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 418 (M−H)−
保持時間:0.79分(分析条件SQDFA05)
6−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk46)の合成
緩衝液A(18mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(65.6mg、0.103mmol)の水溶液(0.3mL)と6−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk45)(173mg、0.412mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を加え、室温で0.75時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、6−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk46)(18.6mg、18%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 999.7 (M+H)+
保持時間:0.53分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Z)-pdCpA)(化合物tk47)の合成
6−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk46)(18.6mg、0.019mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.075mL)を添加し、室温で40分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Z)-pdCpA)(化合物tk47)(13.4mg、80%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 897.4 (M−H)−
保持時間:0.35分(分析条件SQDFA05)
10−1−9. アミノアシル化pdCpA化合物tk51の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk48)の合成
Boc−Lys−OH(化合物tk39)(1.0g、4.06mmol)と硫酸銅五水和物(20mg、0.081mmol)のメタノール(15mL)−水(3mL)混合物に室温で炭酸水素ナトリウム(0.65g、7.74mmol)を添加し、続いて文献記載(Org.Lett., 2007, 9, 3797.)の方法で合成したアジ化 1H−イミダゾール−1−スルホニル塩酸塩(1.02g、4.87mmol)を加えた。反応混合物に炭酸水素ナトリウム(0.65g、7.74mmol)を添加後、室温で23時間撹拌した。反応混合物を氷浴で冷却後、飽和硫酸水素カリウム水溶液(10mL)を添加した。得られた混合物をセライトろ過し、酢酸エチルにて洗浄後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk48)(948.7mg、86%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 271 (M−H)−
保持時間:0.66分(分析条件SQDFA05)
6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk49)の合成
窒素雰囲気下、(S)−6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk48)(140mg、0.514mmol))のアセトニトリル(0.6mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(99μL、0.566mmol)、続いてブロモアセトニトリル(179μL、2.57mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて3.75時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk49)(175mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 310 (M−H)−
保持時間:0.77分(分析条件SQDFA05)
6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk50)の合成
緩衝液A(18mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(78mg、0.122mmol)の水溶液(0.3mL)と6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk49)(152mg、0.488mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を加え、室温で0.75時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk50)(30.2mg、28%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 889.4 (M−H)−
保持時間:0.47分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−アジドヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(N3)-pdCpA)(化合物tk51)の合成
6−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk50)(30.2mg、0.034mmol)のジクロロメタン(1.5mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.1mL)を添加し、室温で30分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−アジドヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(N3)-pdCpA)(化合物tk51)(19.4mg、72%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 789.4 (M−H)−
保持時間:0.27分(分析条件SQDFA05)
10−1−10. アミノアシル化pdCpA化合物tk55の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk53)の合成
窒素雰囲気下、Boc−Lys(Tfa)−OH(化合物tk52)(182mg、0.532mmol)のアセトニトリル(0.5mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(102μL、0.585mmol)、続いてブロモアセトニトリル(185μL、2.66mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて5.25時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン酸(S)−シアノメチル(化合物tk53)(200.8mg、99%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 379.9 (M−H)−
保持時間:0.70分(分析条件SQDFA05)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk54)の合成
緩衝液A(20mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(81mg、0.127mmol)と2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン酸(S)−シアノメチル(化合物tk53)(194mg、0.509mmol)のアセトニトリル(0.7mL)溶液を加え、室温で1.75時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk54)(5.3mg、4%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 959.5 (M−H)−
保持時間:0.44分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Tfa)-pdCpA)(化合物tk55)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk54)(5.3mg、5.52μmol)のジクロロメタン(0.1mL)溶液に10%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(0.21mL)を添加し、室温で55分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Tfa)-pdCpA)(化合物tk55)(4.2mg、88%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 859.4 (M−H)−
保持時間:0.26分(分析条件SQDFA05)
10−1−11. アミノアシル化pdCpA化合物tk60の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk57)の合成
Boc−Orn−OH(化合物tk56)(321mg、1.382mmol)と炭酸水素ナトリウム(290mg、3.45mmol)の1,4−ジオキサン(3mL)−水(2mL)の懸濁液に文献記載(Bioconjugate Chem. 2008, 19, 714.)の方法で合成した炭酸(4−ニトロフェニル)4−アジドベンジル(化合物tk32)(521mg、1.658mmol)を添加した。反応混合物を室温で23時間撹拌後、氷浴で冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した混合物に飽和硫酸水素カリウム水溶液(2mL)を添加した。酢酸エチルにて抽出し(2回)、有機相を水(10mLで2回)及び食塩水(10mL)にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、((S)−5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk57)(501.3mg、89%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 406 (M−H)−
保持時間:0.73分(分析条件SQDFA05)
5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk58)の合成
窒素雰囲気下、(S)−5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk57)(367mg、0.901mmol)のアセトニトリル(1mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(173μL、0.991mmol)、続いてブロモアセトニトリル(314μL、4.50mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて1時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk58)(417.2mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 445 (M−H)−
保持時間:0.82分(分析条件SQDFA05)
x.5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk59)の合成
緩衝液A(33mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(143mg、0.224mmol)と5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk58)(400mg、0.896mmol)のアセトニトリル(1mL)溶液を加え、室温で1.5時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk59)(54.7mg、24%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1024.5 (M−H)−
保持時間:0.54分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(Acbz)-pdCpA)(化合物tk60)の合成
5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk59)(22.7mg、0.022mmol)のジクロロメタン(0.4mL)溶液に、10%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(0.4mL)を添加し、室温で20分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−5−((((4−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(Acbz)-pdCpA)(化合物tk60)(4.3mg、21%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 924.3 (M−H)−
保持時間:0.37分(分析条件SQDFA05)
10−1−12. アミノアシル化pdCpA化合物tk64の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk61)の合成
Boc−Orn−OH(化合物tk56)(308mg、1.326mmol)と炭酸水素ナトリウム(278mg、3.32mmol)の1,4−ジオキサン(3mL)−水(2mL)の懸濁液に炭酸(4−ニトロフェニル)2−アジドベンジル(化合物tk13)(458mg、1.459mmol)を添加した。反応混合物を室温で20.25時間撹拌後、氷浴で冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した混合物に飽和硫酸水素カリウム水溶液(1.5mL)を添加した。酢酸エチルにて抽出し(2回)、有機相を水(10mLで2回)及び食塩水(10mL)にて洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)−5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk61)(556.0mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 406 (M−H)−
保持時間:0.73分(分析条件SQDFA05)
5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk62)の合成
窒素雰囲気下、(S)−5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk61)(435.5mg、1.069mmol)のアセトニトリル(1mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(205μL、1.176mmol)、続いてブロモアセトニトリル(373μL、5.34mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて3.5時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk62)(477.2mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 445.4 (M−H)−
保持時間:0.81分(分析条件SQDFA05)
5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk63)の合成
緩衝液A(33mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(160mg、0.252mmol)と5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk62)(450mg、1.008mmol)のアセトニトリル(1.5mL)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk63)(51.3mg、20%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1024.5 (M−H)−
保持時間:0.54分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(oAcbz)-pdCpA)(化合物tk64)の合成
5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk63)(51mg、0.050mmol)のジクロロメタン(0.45mL)溶液に、10%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(0.45mL)を添加し、室温で45分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−5−((((2−アジドベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(oAcbz)-pdCpA)(化合物tk64)(42.6mg、93%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 924.4 (M−H)−
保持時間:0.37分(分析条件SQDFA05)
10−1−13. アミノアシル化pdCpA化合物tk68の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
5−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk66)の合成
窒素雰囲気下、Boc−Orn(Z)−OH(化合物tk65)(160mg、0.437mmol)のアセトニトリル(0.5mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(84μL、0.480mmol)、続いてブロモアセトニトリル(152μL、2.183mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて1時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、5−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk66)(186.7mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 404 (M−H)−
保持時間:0.77分(分析条件SQDFA05)
5−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk67)の合成
緩衝液A(18mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(67.9mg、0.107mmol)の水溶液(0.3mL)と5−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk66)(173mg、0.427mmol)のアセトニトリル(0.3mL)溶液を加え、室温で1.25時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、5−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk67)(30.1mg、29%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 983.4 (M−H)−
保持時間:0.54分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−5−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(Z)-pdCpA)(化合物tk68)の合成
5−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk67)(30mg、0.030mmol)のジクロロメタン(1.1mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.117mL)を添加し、室温で35分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−5−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(Z)-pdCpA)(化合物tk68)(24.4mg、91%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 883.3 (M−H)−
保持時間:0.33分(分析条件SQDFA05)
10−1−14. アミノアシル化pdCpA化合物tk72の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk69)の合成
Boc−Orn−OH(化合物tk56)(1.0g、4.31mmol)と硫酸銅五水和物(21mg、0.086mmol)のメタノール(20mL)−水(6mL)混合物に室温で炭酸水素ナトリウム(1.99g、23.68mmol)を添加し、続いて文献記載(Org.Lett., 2007, 9, 3797.)の方法で合成したアジ化 1H−イミダゾール−1−スルホニル塩酸塩(1.08g、5.17mmol)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を氷浴で冷却後、飽和硫酸水素カリウム水溶液(8mL)を添加した。得られた混合物を酢酸エチルにて抽出し(3回)、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk69)(1.19g、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 257 (M−H)−
保持時間:0.61分(分析条件SQDFA05)
5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk70)の合成
窒素雰囲気下、(S)−5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸(化合物tk69)(150mg、0.581mmol)のアセトニトリル(0.8mL)溶液に、室温でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(111μL、0.639mmol)、続いてブロモアセトニトリル(203μL、2.90mmol)を添加した。反応混合物を同温度にて4時間撹拌後、減圧濃縮して得られた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk70)(185mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 296 (M−H)−
保持時間:0.73分(分析条件SQDFA05)
5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk71)の合成
緩衝液A(18mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(77mg、0.121mmol)の水溶液(0.3mL)と5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (S)−シアノメチル(化合物tk70)(144mg、0.484mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を加え、室温で0.5時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk71)(24.5mg、23%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 875.4 (M−H)−
保持時間:0.44分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−5−アジドペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(N3)-pdCpA)(化合物tk72)の合成
5−アジド−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物tk71)(24.5mg、0.028mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.09mL)を添加し、室温で25分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−5−アジドペンタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Orn(N3)-pdCpA)(化合物tk72)(18.8mg、87%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 775.4 (M−H)−
保持時間:0.25分(分析条件SQDFA05)
10−1−15. アミノアシル化pdCpA化合物tk85の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−3−(tert−ブトキシカルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサン酸(化合物tk82)の合成
(R)−3−(tert−ブトキシカルボニル)チアゾリジン−4−カルボン酸(化合物tk81)(208mg、 0.892mmol)のDMF(1ml)溶液に4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(247mg、0.892mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。(S)−6−アミノ−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(220mg、 0.892mmol)の水(1ml)溶液を室温で3分間かけて滴下し、滴下終了後、室温で30分間攪拌した。反応液を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−3−(tert−ブトキシカルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサン酸(化合物tk82)(156mg、38%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 462 (M+H)+
保持時間:0.66分(分析条件SQDFA05)
(R)−tert−ブチル 4−(((S)−5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(シアノメトキシ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボキシレート(化合物tk83)の合成
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−((R)−3−(tert−ブトキシカルボニル)チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサン酸(化合物tk82)(130mg、0.282mmol)のアセトニトリル(5ml)溶液にブロモアセトニトリル(57μl、0.845mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(147μl、0.845mmol)を加え、反応液を室温で3時間攪拌した。反応混合物をエバポレーターで減圧濃縮し、残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(R)−tert−ブチル 4−(((S)−5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(シアノメトキシ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボキシレート(化合物tk83)(140mg、99%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 501.5(M+H)+
保持時間:0.76分(分析条件SQDFA05)
(4R)−tert−ブチル 4−(((5S)−6−(((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)−5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボキシレート(化合物tk84)の合成
緩衝液A(40mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(50mg、0.079mmol)の水溶液(0.5ml)と(R)−tert−ブチル 4−(((S)−5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(シアノメトキシ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボキシレート(化合物tk83)(118mg、0.236mmol)のテトラヒドロフラン(0.5ml)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル溶液)にて精製し、(4R)−tert−ブチル 4−(((5S)−6−(((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)−5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボキシレート(化合物tk84)の粗精製物(80mg)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1078(M−H)−
保持時間:0.55分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−((R)−チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Thz)-pdCpA)(化合物tk85)の合成
前述した(4R)−tert−ブチル 4−(((5S)−6−(((2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)−5−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバモイル)チアゾリジン−3−カルボキシレート(化合物tk84)の粗精製物(20mg)をジクロロメタン(0.3ml)に懸濁させ、室温にてトリフルオロ酢酸(0.1mL)を添加し、同温度で30分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−((R)−チアゾリジン−4−カルボキサミド)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Thz)-pdCpA)(化合物tk85)(1.6mg、2ステップ 7%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 878(M−H)−
保持時間:0.17分(分析条件SQDFA05)
10−1−16. アミノアシル化pdCpA化合物tk90の合成
以下のスキームに従い、合成を行った。
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk87)の合成
ニトロ−2−ピリジンスルフェニルクロリド(313mg、1.644mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液に(S)−6−アミノ−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk86)(270mg、1.096mmol)を加え、この懸濁液にトリエチルアミン(1.53ml、10.96mmol)を3分間かけて滴下した。反応液を室温で3時間攪拌した後、エバポレーターで減圧濃縮し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk87)(62mg、14%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 401(M+H)+
保持時間:0.74分(分析条件SQDFA05)
(S)−シアノメチル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサノエート(化合物tk88)の合成
((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサン酸(化合物tk87)(150mg、 0.375mmol)のアセトニトリル (6ml)溶液にブロモアセトニトリル(76μl、 1.124mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(196μl、1.124mmol)を加え、反応液を室温で5時間攪拌した。反応を完結させるため更にブロモアセトニトリル(49μl、 0.413mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物をエバポレーターで減圧濃縮し、残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(S)−シアノメチル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサノエート(化合物tk88)(152mg、92%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 440(M+H)+
保持時間:0.83分(分析条件SQDFA05)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサノエート(化合物tk89)の合成
緩衝液A(30mL)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(20mg、0.031mmol)の水溶液(0.5ml)と(S)−シアノメチル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサノエート(化合物tk88)(30mg、0.069mmol)のアセトニトリル(0.5ml)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。凍結乾燥後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサノエート(化合物tk89)の粗精製物(16mg)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1017(M−H)−
保持時間:0.54分(分析条件SQDFA05)
2−アミノ−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Npys)-pdCpA)(化合物tk90)の合成
前述した2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサノエート(化合物tk89)の粗精製物(16mg)をジクロロメタン(1ml)に懸濁させ、室温にてトリフルオロ酢酸(0.25mL)を添加し、同温度で15分間撹拌した。減圧濃縮後、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)にて精製し、2−アミノ−6−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)ヘキサン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Lys(Npys)-pdCpA(化合物tk90)(12mg、2ステップ 42%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 917(M−H)−
保持時間:0.34分(分析条件SQDFA05)
10−2.脱保護条件の確認
RNAが安定な反応条件にてアミノ基保護基が脱保護されることを確認、もしくは新条件を探索する目的で以下の実験を行い、RNAが安定に存在する反応条件でのアミノ基脱保護反応を得た。
10−2−1. 脱保護方法の評価化合物tk94の合成および脱保護反応
以下のスキームに従い、合成を行った。
(R)−tert−ブチル (1−(ベンジルアミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(化合物tk92)の合成
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパン酸(化合物tk91)(1.95g、6.30mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液にO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N、N′、N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)(2.52g、6.62 mmol)、ベンジルアミン(0.723ml、6.62mmol)、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(1.153ml、6.62mmol)を加え、反応液を室温で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(R)−tert−ブチル(1−(ベンジルアミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(化合物tk92)(2.357g, 5.91mmol、94%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 399 (M+H)+
保持時間:0.93分(分析条件SQDFA05)
(R)−2−アミノ−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド(化合物tk93)の合成
(R)−tert−ブチル(1−(ベンジルアミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(化合物tk92)(1.049g、2.63mmol)のジクロロメタン(9ml)溶液にトリフルオロ酢酸(3ml)を加え、反応液を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、酢酸エチル/飽和炭酸水素ナトリウムで抽出操作を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮することで、(R)−2−アミノ−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド(化合物tk93)(810mg、100%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 297 (M−H)−
保持時間:0.93分(分析条件SQDAA05)
(R)−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)プロパンアミド(化合物tk94)の合成
(R)−2−アミノ−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド (化合物tk93)(60 mg, 0.201 mmol)およびトリエチルアミン(0.034 ml、0.241mmol)をジクロロメタン(1ml)に溶解し、この溶液を0℃に冷却した。3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルクロリド(46.0 mg, 0.241 mmol)を加え、0℃で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(R)−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)プロパンアミド(化合物tk94)(87mg、96%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 453 (M+H)+
保持時間:1.03分(分析条件SQDAA05)
3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基(Npys)の脱保護実験
(R)−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)プロパンアミド(化合物tk94)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)に溶解し、50mMのDMA溶液を調製した。このDMA溶液50μlに対して、DMA(50μl)、pH7.4に調製した100mM HEPES緩衝液(250μl)、200mM 2−メルカプトピリジンDMA溶液(50μl)を順に加えた後、最後に1M塩酸(13μl)を加えることでpH4.1の反応液を調製した。この反応液を室温で静置することで脱保護反応を行った。反応の進行はLCMSによる(R)−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)−2−(((3−ニトロピリジン−2−イル)チオ)アミノ)プロパンアミド(化合物tk94)の減少、および脱保護体である(R)−2−アミノ−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド(化合物tk93)の増加を追跡した。反応後1時間で、化合物tk93と化合物tk94のUVエリア比は100:0であり、脱保護反応が完結したことを確認した。
化合物tk93のLCMSの保持時間と質量電荷比は以下のとおりである。
LCMS(ESI) m/z = 299 (M+H)+
保持時間:0.90分(分析条件SQDAA05)
既知のNpys基の脱保護手法として、有機溶媒中、求核剤2−メルカプトピリジンを用い、更に反応液中に酢酸を添加することで脱保護反応を加速させる条件が報告されている(非特許文献 International journal of peptide and protein research, 1990, 35, 545-549)。本発明者らは、従来法の改良を行った結果、RNAが安定して存在する条件で、かつNpys基の脱保護反応が容易に進行する手法を見出した。実際にRNAを本反応条件に伏した結果、RNAは安定性して存在することが確認され(表19 反応条件E、および図80 レーン5)、本反応条件の有用性が証明された。
10−2−2. 脱保護方法の評価化合物tk95の合成およびその脱保護実験
以下のスキームに従い、合成を行った。
(R)−4−アジドベンジル(1−(ベンジルアミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(化合物tk95)の合成
(R)−2−アミノ−N−ベンジル−3−(tert−ブチルジスルファニル)プロパンアミド(化合物tk93)(145mg、0.486mmol)と炭酸水素ナトリウム(102mg、1.215mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)懸濁液に、室温で炭酸 (4−ニトロフェニル) 2−アジドベンジル(168mg、0.534mmol)を添加した。反応混合物を同温度で15.5時間撹拌後、酢酸エチル及び水を添加した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を水(5mLで2回)及び食塩水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(R)−4−アジドベンジル(1−(ベンジルアミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(化合物tk95)(148.9mg、65%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 474.4 (M+H)+
保持時間:0.97分(分析条件SQDFA05)
2−アジドベンジルオキシカルボニル基(oAcbz)の脱保護実験
(R)−4−アジドベンジル(1−(ベンジルアミノ)−3−(tert−ブチルジスルファニル)−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート(化合物tk95)をアセトニトリルに溶解し、10mMのアセトニトリル溶液を調製した。このアセトニトリル溶液10μlに対して、アセトニトリル(5μl)、pH7.4に調製した100mM HEPES緩衝液(50μl)、蒸留水(25μl)、pH7.0に調製した100mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン水溶液(10μl)を順に加え、pH7.4の反応液を調製した。この反応液を37℃で静置して脱保護反応を行った。反応の進行はLCMSによる化合物tk95の減少、および脱保護体であるR)−2−アミノ−N−ベンジル−3−メルカプトプロパンアミド(化合物tk99)の増加を追跡した。反応後1.5時間で、化合物tk99と化合物tk95のUVエリア比は100:0であり、脱保護反応が完結したことを確認した。
化合物tk99のLCMSの保持時間と質量電荷比は以下のとおりである。
LCMS(ESI) m/z = 211(M+H)+
保持時間:0.61分(分析条件SQDAA05)
このように、2−アジドベンジルオキシカルボニル基は、還元剤トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンを添加することで容易に脱保護できることが明らかとなった。本脱保護手法はRNAが安定な条件として見出されており、実際にRNAを本反応条件に伏した結果、RNAは安定性して存在することが確認され(表19 反応条件C、および図80 レーン3)、本反応条件の有用性が証明された。
2−3. 脱保護方法の評価化合物tk97の合成およびその脱保護実験
以下のスキームに従い、合成を行った。
(1−(ベンジルアミノ)−1−オキソ−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン−2−イル)カルバミン酸 (S)−tert−ブチル(化合物tk97)の合成
窒素雰囲気下、Boc−Lys(Tfa)−OH(化合物tk96)(104mg、0.304mmol)及び1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(HOBT)(61.6mg、0.456mmol)のDMF(0.5mL)溶液を氷浴で冷却後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl)(87mg、0.456mmol)を添加した。反応混合物を同温度で5分間撹拌後、ベンジルアミン(40μL、0.365mmol)を添加した。反応混合物を室温にて17.5時間撹拌後、酢酸エチル、ヘキサン及び食塩水を添加した。得られた混合物を酢酸エチルにて抽出し、有機相を食塩水(1mLで2回)にて洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、(1−(ベンジルアミノ)−1−オキソ−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン−2−イル)カルバミン酸 (S)−tert−ブチル(化合物tk97)(134.4mg、quant.)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 430.4 (M−H)−
保持時間:0.73分(分析条件SQDFA05)
(1−(ベンジルアミノ)−1−オキソ−6−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ヘキサン−2−イル)カルバミン酸 (S)−tert−ブチル(化合物tk97)をジメトキシエタンに溶解し、20mMのジメトキシエタン溶液を調製した。このジメトキシエタン溶液15μlに対して、ジメトキシエタン(30μl)、pH9.1に調製した100mM Bicine緩衝液(210μl)を順に加えた。この溶液85μLに100mM Bicine緩衝液(15μl)を添加してpH9.1の反応液とし、この反応液を37℃で静置することで脱保護反応を行った。反応の進行は、LCMSによるトリフルオロアセチル保護体(化合物tk97)の減少、および脱保護体である(6−アミノ−1−(ベンジルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバミン酸 (S)−tert−ブチル(化合物tk98)の増加を追跡した。
17時間後および93.5時間後の化合物tk98と化合物tk97のUVエリア比は以下のとおりであった。
17時間後:化合物tk98:化合物tk97=19:81
93.5時間後:化合物tk98:化合物tk97=70:30
化合物tk98のLCMSの保持時間と質量電荷比は以下のとおりである。
LCMS(ESI) m/z = 336.4 (M+H)+
保持時間:0.74分(分析条件SQDAA05)
このようにトリフルオロアセチル基はpH9の反応液中37℃で脱保護が可能であることが明らかとなった。本脱保護手法はRNAが安定な条件として見出されており、実際にRNAを本条件のpH、温度に伏した結果、RNAは安定して存在していることが確認され(図83 レーン7)、本反応条件の有意性が証明された。
10−3−4.4−アジドベンジルオキシカルボニル基(Acbz)の脱保護反応
以下に示す化合物SP616から化合物618への変換反応の実験にて、別途証明済である
10−3−5.チアゾリジン環の脱保護反応
以下に示す化合物SP618から化合物620への変換反応の実験にて、別途証明済である
明細書中の実施例等における用語において下記略語または用語の意義は、特段の説明がある場合を除き以下のとおりである。
solA: 次の成分を含んだ混合物 8mM GTP,8mM ATP,160mMクレアチンリン酸,400mM HEPES−KOH pH7.6,800mM 酢酸カリウム,48mM 酢酸マグネシウム,16mMスペルミジン,8mM ジチオスレイトール,0.8mM 10−HCO−H4folate, 12mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社)
solB: PURESYSTEM(r) classic II Sol. B(バイオコゥマー社、製品番号PURE2048C)
20種天然アミノ酸溶液: 20種の天然アミノ酸溶液(それぞれ5mM)
HO Gly:グリコール酸
Lac:L−(+)−乳酸
PhLac:(S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸
D PhLac: (R)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸
HO Gly(Me) 2 :2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸
3.分子内分枝ペプチド(直鎖部2)生成反応を拡張するアミノ酸ユニットの探索
環状化反応と続く分枝骨格生成反応の二つの反応を厳密に制御することを可能にする、温和な条件下で脱保護可能な側鎖アミノ基を含むアミノ酸の翻訳導入、及びMALDI−MSによる解析を行った。
3−1. 転写によるtRNA(CA欠損)の合成
鋳型DNA(配列番号DT−H3)から、RiboMAX Large Scale RNA production System T7(Promega社,P1300)を用いたin vitro の転写により3'端のCAを欠くtRNAAsn-E2GUU(-CA)(配列番号RT−H3)を合成し、RNeasy Mini kit(Qiagen社)により精製した。
配列番号DT−H3(配列番号:94)
tRNAAsn-E2GUU (-CA) DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGGCTCTGTAGTTCAGTCGGTAGAACGGCGGACTgttAATCCGTATGTCACTGGTTCGAGTCCAGTCAGAGCCGC
配列番号RT−H3(配列番号:95)
tRNAAsn-E2GUU (-CA) RNA配列:
GGCUCUGUAGUUCAGUCGGUAGAACGGCGGACUguuAAUCCGUAUGUCACUGGUUCGAGUCCAGUCAGAGCCGC
3−2. 側鎖アミノ基が保護されたアミノアシルpdCpA(化合物tk5、tk60、tk64、tk90、tk38、tk11)とtRNA(CA欠損)(配列番号:RT−H3)のligationによるアミノアシル化tRNA(化合物AT−H3)の合成
50μM 転写tRNAAsn-E2GUU (-CA)(配列番号RT−H3) 20μLに、10X ligation buffer (500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2) 4μL、, 10 mM ATP 4μL、Nuclease free water 5.6μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。 T4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)2.4μLおよび、5mMの側鎖アミノ基が保護されたアミノアシル化pdCpA(化合物tk5、tk60、tk64、tk90、tk38、tk11のいずれか一種類)のDMSO溶液 4μLを加え、16℃で45分間ライゲーション反応を行った。アミノアシル化tRNA(化合物AT−H3)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−H3)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−H3A
Ala(Tzm)−tRNAAsn-E2GUU(配列番号:96)
化合物AT−H3B
Orn(Acbz)−tRNAAsn-E2GUU(配列番号:96)
化合物AT−H3C
Orn(oAcbz)−tRNAAsn-E2GUU(配列番号:96)
化合物AT−H3D
Lys (Npys)−tRNAAsn-E2GUU(配列番号:96)
化合物AT−H3E
Lys(Acbz)−tRNAAsn-E2GUU(配列番号:96)
化合物AT−H3F
Lys(5S-SSMe)(Acbz)−tRNAAsn-E2GUU(配列番号:96)
3−3.保護された側鎖アミノ基ペプチドを含むペプチドの翻訳合成
様々なアミノ酸によりアミノアシル化されたtRNA(化合物AT−H3)を、無細胞翻訳系に加えて翻訳を開始することにより、所望の非天然アミノ酸を含有するポリペプチドの翻訳合成を行った。翻訳系は、原核生物由来の再構成無細胞タンパク質合成系であるPURE systemを用いた。具体的には、翻訳液,1%(v/v) RNasein Ribonuclease inhibitor (Promega社,N2111), 1mM GTP,1mM ATP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,6mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,0.1mM 10−HCO−H4folate, 1.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.6μM メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ,0.26μM EF−G,0.24μM RF2,0.17μM RF3,0.5μM RRF,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,40μM EF−Tu,93μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,0.73μM AlaRS,0.03μM ArgRS,0.38μM AsnRS,0.13μM AspRS,0.02μM CysRS,0.06μM GlnRS,0.23μM GluRS,0.09μM GlyRS,0.4μM IleRS,0.04μM LeuRS,0.11μM LysRS,0.03μM MetRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.02μM TyrRS,0.02μM ValRS(自家調製タンパクは基本的にHisタグ付加タンパクとして調製した))に、1μM 鋳型RNA、タンパク質性アミノ酸群をそれぞれ250μMずつ、ならびに50μMずつアシル化tRNAを翻訳反応混合物に添加し、37℃で1時間静置することで行った。
3−3−1.Ala(Tzm)を含むモデルペプチドの翻訳合成
1μM 鋳型RNA CT32(配列番号RM−H3)、0.25mM Met、0.25mM Arg,0.25mM Asp、0.25mM Tyr、0.25mM Lys、1mM ジチオスレイトール、50μM Ala(Tzm)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3A)を含む前述の翻訳液を37℃で60分間保温した。得られた翻訳反応物1μLに9μLの0.2%トリフルオロ酢酸を加え、そのうち1μLをMALDIターゲットプレート上に載せた後、1μLのCHCA溶液(10mg/ml α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、50%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸溶液)と混和し、プレート上乾固した。MALDI−MS分析の結果、Ala(Tzm)を含む全長ペプチド(ペプチド配列P−H2)が主生成物として観測された(図75、ピークI)。
配列番号RM−H3(配列番号:97)
CT32 RNA配列
GGGUUAACUUUAACAAGGAGAAAAACAUGCGUaacCGUGACUACAAGGACGACGACGACAAGUAAGCUUCG
ペプチド配列P−H2
fMetArg[Ala(Tzm)] ArgAspTyrLysAspAspAspAspLys
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1656.4 (Calc. 1656.7)
3−3−2.Orn(Acbz), Orn(oAcbz), Lys(Npys)を含むモデルペプチドの翻訳合成
1μM 鋳型RNA CT32(配列番号RM−H3)、0.25mM Met、0.25mM Arg,0.25mM Asp、0.25mM Tyr、0.25mM Lys、及び前記の方法で調製した50μMのOrn(Acbz)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3B)、Orn(oAcbz)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3C)、Lys (Npys)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3D)をそれぞれ1種類含む前述の翻訳液、計3反応溶液を37℃で60分間保温した。Orn(Acbz)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3B)を含む翻訳サンプルに関して、得られた翻訳溶液1μLに9μLの0.2%トリフルオロ酢酸を加え、そのうち1μLをMALDIターゲットプレート上に載せた後、1μLのCHCA溶液(10mg/ml α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、50%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸溶液)と混和し、プレート乾固した後、MALDI−MSにて解析を行った。その結果、目的の全長ペプチドに由来するピークでなく、側鎖Acbz基が外れたペプチドP−H3Aに対応するピークが主生成物として観測された(図75ピークII)。これは上述の測定前処理操作あるいは測定中のレーザー照射により側鎖脱保護反応が進行したことに由来すると考え、測定をLC-ESI-MSに変更して続けて同翻訳産物の解析をおこなった。上述のOrn(Acbz)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3B)を含む翻訳溶液5μLと水5μLを混合したものを用いLC-MS分析した結果、Acbz基を有する全長の目的ペプチド(Orn(Acbz):ペプチド配列P−H3)に由来するピークを確認することができた(図76 ピークI)。その一方で、側鎖脱保護されたP−H3Aに由来するピークは観測されなかったことから、上述したように側鎖Acbz基の脱保護反応はMALDI測定あるいは分析前処理過程で起こっていることが明らかとなった(図77)。同様に、Orn(oAcbz)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3C)、Lys (Npys)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3D)を含む翻訳溶液に関しても、LC-MSによる分析を行った結果、目的どおりOrn(oAcbz):ペプチド配列P−H4、Lys (Npys):ペプチド配列P−H5)に相当するピークが観測された(図78ピークI及び図79ピークI)。
ペプチド配列P−H3
fMetArg[Orn(Acbz)] ArgAspTyrLysAspAspAspAspLys
LC‐ESI−MS:m/z 885.3733(M−2H)2−,(Calcd for C72H106O27N24S:885.3695)
保持時間:4.99分(分析条件 OrbitrapHFIP−Et3N−3)
ペプチド配列P−H3A
fMetArgOrn ArgAspTyrLysAspAspAspAspLys
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1598.5 (Calc. 1598.7)
ペプチド配列P−H4
fMetArg[Orn(oAcbz)] ArgAspTyrLysAspAspAspAspLys
LC‐ESI−MS:m/z 885.3735(M−2H)2−,(Calcd for C72H106O27N24S:885.3695)
保持時間:5.23分(分析条件 OrbitrapHFIP−Et3N−3)
ペプチド配列P−H5
fMetArg[Lys(Npys)] ArgAspTyrLysAspAspAspAspLys
LC‐ESI−MS:m/z 881.8500(M−2H)2−,(Calcd for C70H105O27N23S2:881.8501)
保持時間:4.34分(分析条件 OrbitrapHFIP−Et3N−3)
3−3−3.Lys(Acbz)、Lys (5S-SSMe) (Acbz)を含むモデルペプチドの翻訳合成
1μM 鋳型RNA CT32(配列番号RM−H3)、0.25mM Met、0.25mM Arg,0.25mM Asp、0.25mM Tyr、0.25mM Lys、及び前記の方法で調整した50μMのLys(Acbz)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3E)、Lys(5S-SSMe)( Acbz)-tRNAAsn-E2GUU(化合物AT−H3F)、をそれぞれ1種類含む前述の翻訳液、計3反応溶液を37℃で60分間保温した。得られた翻訳反応物1μLに9μLの0.2%トリフルオロ酢酸を加え、そのうち1μLをMALDIターゲットプレート上に載せた後、1μLのCHCA溶液(10mg/ml α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、50%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸溶液)と混和し、プレート上乾固した。MALDI−MS分析の結果、いずれにおいても側鎖Acbz基がMALDI測定中及び前処理中に外れたことに由来するペプチド配列P−H6,P−H7が観測された(それぞれ図75ピークIII、IV)。
ペプチド配列P−H6
fMetArgLysArgAspTyrLysAspAspAspAspLys(配列番号:98)
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1612.4(Calc. 1612.7)
MALDI-MS:
m/z: [H+M]+ = 1690.1 (Calc. 1690.7)
3−4.側鎖アミノ基脱保護条件でのRNA安定性評価
前述した側鎖アミノ基の保護基各々の脱保護条件下においてRNAが安定に存在するかを確認するため、RNAをそれぞれの脱保護条件に伏した後、ゲル電気泳動による解析を行った。
表19に示す反応条件にあるように各反応溶液を調製し、各々の反応温度、反応時間に従ってRNAを保温した。反応条件B−Eに伏した反応溶液それぞれに対しては、その後RNeasy minelute(qiagen社)を用いてRNAを精製し、10μLの水にて溶出した。これらと、反応溶液Aの各々10μLの溶液に対して10μLのTBE−Ureaサンプルバッファー(2x)(Invitrogen社)を加え、そのうち1μLを使って10%TBE−ウレアゲルにて電気泳動を行い、SYBR gold nucleic acid stain (Invitrogen社)により染色を行った(図80)。
その結果、対照実験として電気泳動した反応条件AのRNAと比べ反応条件B-Eに伏したRNAはバンドパターンやバンド濃さに大きな変化は観測されず、(図80、レーン1vsレーン2−5)、RNAがこれらの反応条件にて安定に存在することが示された。なおB−Eの条件とは、それぞれ、B:4−アジドベンジルオキシカルボニル基(Acbz)、C:2−アジドベンジルオキシカルボニル基(oAcbz)、D:チアゾリジン環、E:3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基(Npys)の脱保護条件を模している。
続いて、酸性、あるいは塩基性条件下におけるRNA安定性を電気泳動を用いて評価した。2μLのRNA溶液(20μM OT95 RNA(配列番号RM−H4)、100 mM 塩化カリウム、 10 mM 酢酸マグネシウム)に対して、20μLの100mM 塩酸-塩化カリウム緩衝液 (pH 2.0)、100mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH 3.0)、100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.0)、100mM酢酸ナトリウム緩衝液 (pH 5.0)、100mM HEPES-K緩衝液(pH 7.0)、100mMトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)、Bicine-K緩衝液(pH 9.0)をそれぞれ加え、各反応溶液を37℃にて22時間保温した。対象実験として、上述のRNA溶液に対して緩衝液の代わりに水20μLを加え、37℃での保温を行わなかったものをマーカーRNAとして調製し、上記反応サンプルとの泳動比較に用いることとした。得られた反応溶液とマーカーRNA22μLに対し、その後等量のTBE−Ureaサンプルバッファー(2x)(Invitrogen社)を加え、そのうち4μLを使って10%TBE−ウレアゲルにて電気泳動を行い、SYBR gold nucleic acid stain (Invitrogen社)により染色を行った。その結果、いずれの反応サンプルにおいても、マーカーRNAと比較して顕著なRNA分解はみられなかった(図83)。この事から、上記反応条件においてRNAは安定に存在する事が示された。
配列番号RM−H4(配列番号:185)
OT95 RNA配列
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUGUGCACUACAACGCGUCUUCCGUACCGUAGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
[実施例22] RNA-ペプチド複合体モデル化合物を用いたHeck反応
実際にディスプレイライブラリー構築で合成される化合物はmRNAの長さが約100のmRNA−ペプチドフュージョンであり、そのような高分子化合物の反応の詳細な解析は困難である。そこで分子内に分子量分析可能な長さのRNA構造を有し、かつ分子内に金属触媒による環化反応が可能なペプチド構造を有するモデル化合物を用いmRNA−ペプチドフュージョンでの環化反応条件特定を実施した。
Pdを用いた翻訳後修飾でディスプレイライブラリーに適用させるためにはRNAに影響を与えることなく、望みの化学修飾反応を進行させる必要がある。その目的を達するため、以下のような実験を行った。(1)tRNAなどが混在した系(PureSystem)中でのHeck反応を実施し、tRNAに影響を与えることなく、Heck反応が進行する反応条件を見出した。(2)ペプチドとRNAのコンジュゲートを作成の上、Heck反応を実施し、ペプチドとRNAが結合していてもRNAに影響を与えることなくHeck反応が進行する反応条件を見出した。
モデル化合物として使用したのは以下の3種類の化合物である。
4-mer RNA-ペプチドコンジュゲート
10-mer RNA-ペプチドコンジュゲート
20-mer RNA-ペプチドコンジュゲート
1−1.RNA-ペプチドコンジュゲートモデル反応原料の合成
以下の一般製法‐1に従って、モデル反応実施のための原料合成を行った。
(一般製法−1)RNA−ペプチドコンジュゲートの合成
1−1−1. 4-mer RNA-ペプチドコンジュゲート(5'-AGCU-3'-Peptide)(化合物70a)の合成 (2S、4R)−4−ヒドロキシ−2−[2−(2−ヒドロキシ―エトキシ)−エチルカルバモイル]−ピロリジン−1−カルボン酸 9H−フルオレン―9−イルメチルエステル(化合物72)の合成
FMOC-L-ヒドロキシプロリン(化合物71)(2.12g、6.00mmol)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(0.661mg、6.60mmol)をDMSO(4.0mL)に溶解し室温にて4-(4,6-ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドn水和物(1.98g、6.60mmol)を加え5時間攪拌した。反応液を逆相シリカ(ギ酸0.1%、H2O、CH3CN、グラジエント)で精製し、標題化合物(化合物72)(1.69g、64%)を淡黄色アモルファスとして得た。
LCMS(ESI) 441.2(M+H)+
保持時間:1.57分(分析条件ZQAA05)
(2S、4R)−2−(2−{2−[ビス−(4−メトキシ−フェニル)−フェニル−メトキシ]−エトキシ}−エチルカルバモイル)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸 9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(化合物73)の合成
(2S、4R)−4−ヒドロキシ−2−[2−(2−ヒドロキシ―エトキシ)−エチルカルバモイル]−ピロリジン−1−カルボン酸 9H−フルオレン―9−イルメチルエステル(化合物72)(1.69g、3.83mmol)、4、4'−ジメトキシトリチルクロライド(2.47g、7.66mmol)をピリジン(5.0mL)に溶解し室温にて3時間攪拌した。反応液を逆相シリカ(酢酸アンモニウム0.1%、H2O、CH3OH、グラジエント)で精製し、標題化合物(化合物73)(2.24g、79%)を淡黄色アモルファスとして得た。
LCMS(ESI) 760.8(M+NH4)+、765.7(M+Na)+
保持時間:1.15分(分析条件SQDAA05)
コハク酸 モノ−[(3R,5S)−5−(2−{2−[ビス−(4―メトキシ−フェニル)−フェニル−メトキシ]−エトキシ}−エチルカルバモイル)−1−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−ピロリジン−3−イル]エステル(化合物74)の合成
(2S、4R)−2−(2−{2−[ビス−(4−メトキシ−フェニル)−フェニル−メトキシ]−エトキシ}−エチルカルバモイル)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸 9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(化合物73)(1.00g、1.35mmol)、無水コハク酸(192mg、2.02mmol)、N、N−ジメチルアミノピリジン(246mg、2.02mmol)をアセトニトリル(3.0mL)に溶解し室温にて2.5時間攪拌した。反応液を逆相シリカ(酢酸アンモニウム0.1%、H2O、CH3OH、グラジエント)で精製し、標題化合物(化合物74)(349mg、31%)を無色アモルファスとして得た。
LCMS(ESI) 860.5(M+NH4)+、865.5(M+Na)+
保持時間:1.11分(分析条件SQDAA05)
固相担持FMOC脱保護ピロリジン誘導体(化合物76)の合成
コハク酸 モノ−[(3R,5S)−5−(2−{2−[ビス−(4―メトキシ−フェニル)−フェニル−メトキシ]−エトキシ}−エチルカルバモイル)−1−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル)−ピロリジン−3−イル]エステル(化合物74)(85.1mg、0.101mmol)、Custom Primer Support 200 Amino(GE Healthcare、1.01g)にアセトニトリル(5.0mL)を加えた。これに酢酸(5.8μL、0.101mmol)のアセトニトリル(0.1mL)溶液を加えたのち、室温にて4-(4,6-ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドn水和物(60.6mg、0.202mmol)を加え室温にて1.5時間攪拌した。その後、反応液に4-(4,6-ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドn水和物(300mg、1.01mmol)を加え15分攪拌の後、酢酸(58μL、1.01mmol)のアセトニトリル(0.5mL)溶液を加え1時間攪拌した。反応物をろ取し得られた固体(化合物75)を乾燥した。固体取得物に20%ピペリジンDMF溶液(10mL)を加え1時間反応させた。反応物をろ取し、DMF、アセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥し固相担持FMOC脱保護ピロリジン誘導体(化合物76)(1.05g)を得た。
固相担持ヨードフェニルアラニン誘導体(化合物78)の合成
Fmoc−3−ヨード−L-フェニルアラニン(622mg、1.21)、HOAt(136mg、0.909)、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(0.206mL、1.33)をDMF(5.0mL)に溶解し、固相担持FMOC脱保護ピロリジン誘導体化合物76(1.05g)を加えた。室温にて3時間攪拌した。得られた固相担体をろ取、DMF(10mL)で3回洗浄し、続いて20%ピペリジンDMF溶液(10mL)を加え室温にて1時間攪拌した。得られた固相担体をDMF(10mL)、アセトニトリル(10mL)でそれぞれ3回ずつ洗浄し減圧下乾燥し、3−ヨード−L-フェニルアラニンが結合された固相担持ヨードフェニルアラニン誘導体化合物78(1.00g)を得た。
固相担持フェニルアラニン誘導体(化合物80)の合成
化合物78を得る手法と同様の方法により、固相担持ヨードフェニルアラニン誘導体(化合物78)(1.00g)、Fmoc−L-フェニルアラニン(234mg、0.606)との縮合、それに続くFmocの脱保護によりL-フェニルアラニンが結合された固相担持フェニルアラニン誘導体(化合物80)(1.00g)を得た。
固相担持4−ペンテン酸誘導体(化合物81)の合成
化合物78を得る手法と同様の方法により、L-フェニルアラニンが結合された固相担持フェニルアラニン誘導体(化合物80)(250mg)、4−ペンテン酸(30.6μL、0.300mm)の縮合により4−ペンテン酸が結合された固相担持4−ペンテン酸誘導体(化合物81)(249mg)を得た。
化合物70aの合成
固相担持4−ペンテン酸誘導体(化合物81)(8.0mg、0.8μmol)を用い、DNA合成機によりRNA結合伸長を行った。A、G、C、Uの伸長反応に用いるアミダイド試薬はグレンリサーチ社製A−TOM−CEホスホアミダイド、G−TOM−CEホスホアミダイド、C−TOM−CEホスホアミダイド、U−TOM−CEホスホアミダイドを使用し、縮合活性化剤として5−ベンジルチオ−1H−テトラゾールを使用し実施した。縮合後の固相担体を乾燥後、エタノール(0.10mL)、40%メチルアミン水溶液(0.10mL)を加え65℃にて15分間攪拌した。溶媒を減圧留去しテトラメチルアンモニウムフルオライド水和物(10mg)、DMSO(0.10mL)を加え65℃にて15分間攪拌した。反応液に0.1M酢酸アンモニウム水溶液を加え逆相カラムで精製した。濃縮後、得られた化合物を精製水(0.50mL)に溶かし4-mer RNA-ペプチドコンジュゲート(化合物70a)(5'-AGCU-3'-Peptide)水溶液を得た。紫外分光計により得られた溶液の濃度は0.736mM、収率は46%であった。
LCMS(ESI) 668.0(M−3H)3−、1002.4(M−2H)2−
保持時間:5.15分(分析条件ZQHFIP−Et3N)
1−1−2.10-mer RNA-ペプチドコンジュゲート(5'-AGCUUAGUCA-3'(配列番号:69)-Peptide)(化合物70b)の合成
化合物70aを得る手法と同等の方法により表記化合物水溶液(化合物70b)を得た。濃度0.33mMの水溶液0.50mLが得られた。収率は21%であった。
LCMS(ESI) 784.8(M−5H)5−、981.2(M−4H)4−、1308.5(M−3H)3−
保持時間:4.87分(分析条件ZQHFIP−Et3N)
1−1−3.20-mer RNA-ペプチドコンジュゲート(5'- AGCUUAGUCACCGUCAGUCA-3'(配列番号:70)-Peptide)(化合物70c)の合成
化合物70aを得る手法と同等の方法により表記化合物水溶液(化合物70c)を得た。濃度0.147mMの水溶液0.30mLが得られた。収率は15%であった。
LCMS(ESI) 887.9(M−8H)8−、1015.0(M−7H)7−、1184.3(M−6H)6−、1421.0(M−5H)5−、1776.6(M−4H)4−
保持時間:4.60分(分析条件ZQHFIP−Et3N)
2−1.RNA−ペプチドコンジュゲートの環化反応 2−1−1. 10-mer RNA−ペプチドコンジュゲート(化合物70b)のHeck環化反応(化合物83b)の合成
10-mer RNA−ペプチドコンジュゲート(化合物70b)(0.33mM水溶液 3.7μL、1.2nmol)、内部標準(10mM p−n−プロピル安息香酸DMF溶液 3μL、30nmol)、リン酸バッファー(K2HPO4 1.0mmolとK3PO4 0.10mmolの水10mLの水溶液 10μL)、5%PTS(Polyoxyethanyl―α―tocopheryl sebacate)水溶液(30μL)を混合し、逆相LCにより分析の後、PdCl2(MeCN)2(1.0mg、3.9μmol)、2,2'−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−1,1'−ビフェニル(6.2mg、12.0μmol)をN−メチルピロリジノン(0.2mL)に窒素雰囲気下溶解したPd溶液(8.0μL)を加え50℃にて窒素雰囲気下3時間攪拌した。反応液(5.0μL)に1Mジチオスレイトール水溶液(10.0μL)を加えLC分析サンプルとし分析した。反応前のLC分析結果との比較から生成物(化合物83b)の収率は57%であった。
LCMS(ESI) 759.4(M−5H)5−、949.5(M−4H)4−、1265.9(M−3H)3−
保持時間:3.40分(分析条件ZQHFIP−Me2NEt)
2−1−2. 20-mer RNA−ペプチドコンジュゲート(化合物70c)のHeck環化反応(化合物83c)の合成
20-mer RNA−ペプチドコンジュゲート(化合物70c)(0.15mM水溶液 2.0μL、0.29nmol)、内部標準(10mM p−n−ブチル安息香酸DMF溶液 2μL、20nmol)、100mM トリエチルアミン水溶液(5μL、500mmol)、5%PTS(Polyoxyethanyl―α―tocopheryl sebacate)水溶液(30μL)を混合し、逆相LCにより分析の後、PdCl2(MeCN)2(0.5mg、1.9μmol)、2,2'−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−1,1'−ビフェニル(3.1mg、6.0μmol)をN−メチルピロリジノン(0.4mL)に窒素雰囲気下溶解したPd溶液(8.0μL)を加え50℃にて窒素雰囲気下2時間攪拌した。反応液(5.0μL)に0.1Mジチオスレイトール水溶液(10.0μL)を加えLC分析サンプルとし分析した。反応前のLC分析結果との比較から生成物(化合物83c)の収率は61%であった。
LCMS(ESI) 997.0(M−7H)7−、1163.0(M−6H)6−、1395.5(M−5H)5−、1745.0(M−4H)4−
保持時間:4.08分(分析条件ZQHFIP−Et3N)
〔実施例23〕 翻訳ペプチドのHeck反応
1.翻訳合成に活用させるためのC-C結合ユニットの合成
1−1.pdCpAアミノアシル化化合物85の合成
1−1−1.ブタ−3−エン酸シアノメチル(化合物86)の合成
ブタ−3−エン酸(0.500g、5.81mmol)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、2−ブロモアセトニトリル(3.33g、27.76mmol)およびトリエチルアミン(1.40g、13.86mmol)を室温でゆっくり加えた。室温で30分攪拌した後、反応液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で精製し、標題化合物86(0.550g、75%)を得た。
1H−NMR(Bruker, avanceIII, 400 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.92 (1H, m), 5.22−5.26 (2H, m), 4.75 (2H, s), 3.21 (2H, m)
1−1−2.ブタ−3−エン酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物85)の合成
リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル テトラブチルアンモニウム塩(化合物1h)(0.20g、0.150mmol)のDMF溶液(1.0ml)にブタ−3−エン酸シアノメチル(化合物86)(0.050g、0.400mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応液に0.05%TFA水溶液を加え、凍結乾燥して得られた残渣をpreparative−HPLC(0.05%TFA水溶液:アセトニトリル)で精製し、標題化合物85(0.010g、10%)を得た。
LCMS:m/z 705(M+H)+
保持時間:0.461、0.488分 (分析条件 SMDmethod1)
1−2.pdCpAアミノアシル化化合物87の合成 1−2−1.ペンタ−4−エン酸シアノメチル(化合物88)の合成
ブタ−3−エン酸の代わりにペンタ−4−エン酸(0.500g、4.99mmol)を原料とし、化合物86の合成と同様の手法で、標題化合物88(0.52g、75%)を得た。
1H−NMR(Bruker, avanceII, 300 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.82 (1H, m), 5.04−5.32 (2H, m), 4.74 (2H, s), 2.39−2.57 (4H, m)
1−2−2.ペンタ−4−エン酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物87、pdCpA−PenteA)の合成
ブタ−3−エン酸シアノメチルの代わりにペンタ−4−エン酸シアノメチル(化合物88)(0.066g、0.480mmol)を原料とし、化合物85を得る手法と同様の方法により、標題化合物87(0.010g、12%)を得た。
LCMS:m/z 719(M+H)+
保持時間:0.506、0.523分 (分析条件 SMDmethod1)
1−3.pdCpAアミノアシル化化合物89の合成 1−3−1. 2−(アリルオキシ)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物89)の合成
2−(アリルオキシ)酢酸(0.500g、4.31mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、2−ブロモアセトニトリル(2.06g、17.18mmol)およびトリエチルアミン(0.87g、8.61mmol)を室温でゆっくり加えた。室温で3時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で精製し、2−(アリルオキシ)酢酸シアノメチル(0.40g、60%)を得た。
イミダゾール(1.0g、15.7mmol)およびN,N,N−トリメチルヘキサデカン−1−アミニウム 塩化物(1.0g、3.14mmol)を溶かし、酢酸でpH8に調節した緩衝液(100ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(100mg、0.157mmol)を加えた後、上記方法で得られた2−(アリルオキシ)酢酸シアノメチル(93mg、0.628mmol)のTHF(3.0ml)溶液を加えて室温で30分攪拌した。反応液に酢酸を加えて凍結乾燥し、得られた残渣をpreparative−HPLC(0.05%TFA水溶液:アセトニトリル)で精製し、標題化合物89(24.7mg、22%)を得た。
LCMS:m/z 735(M+H)+
保持時間:0.473、0.491分 (分析条件 SMDmethod1)
1−4.pdCpAアミノアシル化化合物90の合成 1−4−1.2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−ヨードフェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物91)の合成
ブタ−3−エン酸の代わりに(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−ヨードフェニル)プロパン酸(1.0g、2.56mmol)を原料とし、化合物86を得る手法と同様の手法で標題化合物91(0.40g、36%)を得た。
保持時間:1.59分 (分析条件 SMDmethod4)
1H−NMR(Bruker, avanceII, 300 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.67 (2H, d,8.1 Hz), 6.93 (2H, d, 8.1 Hz), 4.62−4.94 (4H, m), 2.98−3.14 (2H, m), 1.44 (9H, s)
1−4−2.3−(4−ヨードフェニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物92)の合成
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−ヨードフェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物91)(0.89g、2.07mmol)をジエチルエーテル(20.0ml)に溶解させた。この溶液に塩酸ガスを吹き込んだ後、室温で2時間攪拌した。反応液中の固体をろ過し、減圧乾燥させることで2−アミノ−3−(4−ヨードフェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(0.65g、86%)を得た。
窒素雰囲気下、2−アミノ−3−(4−ヨードフェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(0.65g、1.78mmol)をジクロロメタン(25.0ml)に溶解し、氷冷下でトリエチルアミン(0.45g、4.45mmol)を滴下した。その後、氷冷下で塩化ペンタ−4−エノイル(0.25g, 2.14mmol)のジクロロメタン溶液(25.0ml)を滴下し、室温で2時間半攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=50:50〜33:67)で精製し、3−(4−ヨードフェニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物92)(0.57g、78%)を得た。
LCMS:m/z 413.2(M+H)+
保持時間:1.51分 (分析条件 SMDmethod5)
1−4−3.3−(4−ヨードフェニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物90)の合成
イミダゾール(680.8mg、10.00mmol)およびN,N,N−トリメチルヘキサデカン−1−アミニウム 塩化物(640.0mg、2.00mmol)を溶かし、酢酸でpH8に調節した緩衝液(100ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(96mg、0.150mmol)を加えた後、3−(4−ヨードフェニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物92)(249mg、0.60mmol)のTHF溶液(1.0ml)を加えて室温で2時間攪拌した。反応液にTFA(1.0ml)を加えて凍結乾燥した後、得られた残渣をpreparative−HPLC(0.05%TFA水溶液:アセトニトリル=80:20〜60:40)で精製し、標題化合物90(35mg、23%)を得た。
LCMS:m/z 990(M−H)−
保持時間:1.45分 (分析条件 ZQFA05)
1−5.pdCpAアミノアシル化化合物93の合成 1−5−1. 3−(3−ヨードフェニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物93、pdCpA−Phe(3−I))の合成
窒素雰囲気下、2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、渡辺化学から購入、2.78g)をジクロロメタン(30ml)に浸し、室温で20分攪拌して膨潤させた。ジクロロメタンを除いた後、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(3−ヨードフェニル)プロパン酸(Fmoc−Phe(3−I)−OH、1.50g、2.92mmol)およびDIPEA(1.50g、11.7mmol)のジクロロメタン溶液(30ml)を加えて室温で5時間攪した。その後、メタノール(3ml)を加えて室温でさらに1時間攪拌した。反応液を除去して得られたレジンをジクロロメタン(30ml×3回)およびDMF(30ml×2回)で洗浄し、化合物93aを得た。
Fmoc基の脱保護のために、化合物93aに20%ピペリジンのDMF溶液(20ml)を加えて室温で2時間攪拌した後、反応液を除去した。このレジンをDMF(30ml×4回)で洗浄し、化合物93bを得た。
化合物93bにペンタ−4−エン酸(0.39g、3.90mmol)、DIC(0.550g、4.29mmol)、HOAt(0.870g、4.29mmol)のDMF溶液(20ml)を加えて室温で5時間攪拌した。反応液を除去し、レジンをDMF(30ml×4回)およびジクロロメタン(50ml×4回)で洗浄して化合物93cを得た。
化合物93cに2%TFAのジクロロメタン溶液(20ml)を加えて、室温で1時間攪拌し、レジンをろ過して除いた。同様の操作をさらに3回繰り返し、得られた反応液をまとめて減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン:メタノール=30:1)で精製し、(S)−3−(3−ヨードフェニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸(化合物93d)(0.494g、68%)を得た。
化合物93d(0.494g、1.324mmol)をDMF(10ml)に溶解し、2−ブロモアセトニトリル(0.63g、5.30mmol)およびDIPEA(0.341g、2.65mmol)を室温でゆっくり加えた。室温で30分攪拌した後、反応液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)で精製し、(S)−3−(3−ヨード−フェニル)−2−ペンタ−4−エノイルアミノ−プロピオン酸 シアノメチル エステル(化合物93e)(0.392g、72%)を得た。
イミダゾール(476.6mg、7.0mmol)およびN,N,N−トリメチルヘキサデカン−1−アミニウム 塩化物(448.0mg、1.4mmol)を溶かし、酢酸でpH8に調節した緩衝液(70ml)にリン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h、pdCpA)(70mg、0.11mmol)を加えた後、(S)−3−(3−ヨード−フェニル)−2−ペンタ−4−エノイルアミノ−プロピオン酸 シアノメチル エステル(化合物93e)(181.3mg、0.44mmol)のTHF溶液(3.0ml)を加えて室温で2時間攪拌した。反応液にTFA(1.0ml)を加えて凍結乾燥した後、得られた残渣をpreparative−HPLC(0.05%TFA水溶液:アセトニトリル=80:20〜60:40)で精製し、標題化合物93(17.9mg、16%)を得た。
LCMS:m/z 992(M+H)+
保持時間:0.75分 (分析条件 SQDAA05)
1−6.pdCpAアミノアシル化化合物94の合成 1−6−1.3−(2−ヨードフェニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イルの合成
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(3−ヨードフェニル)プロパン酸の代わりに(2S)−2−[[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ]−3−(2−ヨードフェニル)プロパン酸(1.50g、2.92mmol)を原料とし、化合物93を得る手法と同様の手法で標題化合物94(14.2mg、13%)を得た。
LCMS:m/z 992(M+H)+
保持時間:0.71、0.73分 (分析条件 SQDAA05)
2−1.アミノアシル化tRNAの合成
pdCpA−PenteA(化合物87)とtRNA(CA欠損)(配列番号:R−5)のligationによるアシル化tRNA(化合物AT−2−IIIA)の合成
50μM 転写tRNAfMetCAU(-CA)(配列番号R−5) 10μLに、10X ligation buffer (500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2, 10 mM ATP)2μL、Nuclease free water 4μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。10unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)2μLおよび、5mMのpdCpA−PenteA(化合物87)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。アシル化tRNA(化合物AT−2−IIIA)は、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アシル化tRNA(化合物AT−2−IIIA)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−2−IIIA
PenteA−tRNAfMetCAU
アミノアシル化pdCpA(化合物93)とtRNA(CA欠損)(配列番号:R−1)のligationによるアミノアシル化tRNA(化合物AT−1−IIIA)の合成
50μM 転写tRNAEnAsnGAG (-CA)(配列番号R−1) 10μLに、10X ligation buffer (500 mM HEPES-KOH pH 7.5, 200 mM MgCl2, 10 mM ATP) 2μL、Nuclease free water 4μLを加え、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、tRNAのリフォールディングを行った。 20unit/μLのT4 RNAリガーゼ(New England Bio Lab.社)2μLおよび、5mMのpdCpA−Phe(3−I)(化合物93)のDMSO溶液 2μLを加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。ライゲーション反応液 20μLに、3M酢酸ナトリウム 4μLと125mM ヨウ素(水:THF=1:1溶液)24μLを加え、室温で1時間、脱保護を行った。アミノアシル化tRNAは、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。アミノアシル化tRNA(化合物AT−1−IIIA)は、翻訳混合物に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。
化合物AT−1−IIIA
Phe(3−I)−tRNAEnAsnGAG(配列番号:33)
2−2.翻訳合成
Hc1 mRNA配列(配列番号R−41')(配列番号:71)
GGGUUAACUUUAAgaaggagauauacauAUGUUUCUUCCGagcggcucuggcucuggcucuUAGGGCGGCGGGGACAAA
Hc2 mRNA配列(配列番号R−42)(配列番号:72)
GGGUUAACUUUAAgaaggagauauacauAUGACUACAACGagcggcucuggcucuUUUCUUCCGggcucuUAGGGCGGCGGGGACAAA
Hc3 mRNA配列(配列番号R−43)(配列番号:73)
GGGUUAACUUUAAgaaggagauauacauAUGAACAACAACAACAACACUACAACGggcCUUCCGggcucuUAGGGCGGCGGGGACAAA
Hc1 ペプチド配列 P−160
[PenteA]Phe[Phe(3-I)]ProSerGlySerGlySerGlySer
Hc2 ペプチド配列 P−161
[PenteA] ThrThrThrSerGlySerGlySerPhe[Phe(3-I)]ProGlySer
Hc3 ペプチド配列 P−162
[PenteA]AsnAsnAsnAsnAsnThrThrThrGly[Phe(3-I)]ProGlySer
ペプチドP−160、P−161、P−162の翻訳合成
Met、Leuを除く各0.3mMの18種類のタンパク質性アミノ酸、20μM Phe(3-I)-tRNAEnAsnGAG(化合物AT―1−IIIA)、20μM PenteA-tRNAfMetCAU(化合物AT−2−IIIA)を加えた翻訳液に、1μM 鋳型mRNA Hc1、Hc2、もしくはHc3(配列番号R−41'、R−42、R−43)を添加し、37℃で60分間保温した。続いて、以下に示す方法でHeck型の環化反応を行った。
Hc1(ペプチド配列P−160)の環化反応
リン酸バッファー(K2HPO4 1.0mmolとK3PO4 0.2mmolの水10mLの水溶液 80μL)、5%PTS(Polyoxyethanyl―α―tocopheryl sebacate)水溶液(200μL)を混合し配列番号R−41'により得られた翻訳生成物(Hc1, 20μL)を加え窒素置換した。得られた混合物にPdCl2(MeCN)2(1.0mg、3.9μmol)、2,2'−ジフェニルフォスフィノ−1,1'−ビフェニル(6.2mg、12μmol)をN−メチルピロリジノン(0.2mL)に窒素雰囲気下溶解したPd溶液(60.0μL)を加え50℃にて窒素雰囲気下12時間攪拌した。反応液に0.2Mチオシアヌル酸 1.5カリウム塩水溶液(73.5μL)を加えた。
得られた反応溶液に水を加え2mLとし、遠心を行った(10000rpm、6分間、室温)。上清について凍結乾燥を行い、得られた残渣を水:アセトニトリル=9:1溶液 100μLに再溶解させLC/MS分析を行い、環化体の生成をを確認した。
LC―HRMS:m/z 1007.4149(M−H)−,(Calcd for C46H59N10O16:1007.4116)
保持時間:6.43分 (分析条件 OrbitrapHFIP−Et3N)
Hc2(ペプチド配列P−161)の環化反応
Hc1の場合と同様の方法により環化反応を実施した。得られた生成物をHc1の場合と同様の方法によりLC/MS分析を行い、環化体を示す二種類の化合物の生成を確認した。
LC―HRMS:m/z 1310.5579(M−H)−,(Calcd for C58H80N13O22:1310.5546)
保持時間:4.91分
LC―HRMS:m/z 1310.5570(M−H)−,(Calcd for C58H80N13O22:1310.5546)
保持時間:5.17分
(分析条件 OrbitrapHFIP−Et3N)
Hc3(ペプチド配列P−162)の環化反応
Hc1の場合と同様の方法により環化反応を実施した。得られた生成物をHc1の場合と同様の方法によりLC/MS分析を行い、環化体の生成を確認した。
LC―HRMS:m/z 1415.5860(M−H)−, Calcd for C58H83N18O24:1415.5833)
保持時間:3.35分 (分析条件 OrbitrapHFIP−Et3N)
逆転写実施例
mRNA−ペプチドフュージョンをHeck環化反応条件に付し回収したmRNA−ペプチドフュージョンを逆転写し逆転写が問題なく進行することを確認しmRNAがHeck環化反応条件において安定であることを確認した。
mRNA−ペプチドフュージョン溶液調整
PCRにより調製したDNA(配列番号 D-50)を鋳型に、In vitro転写によりmRNAを調整し、RNeasy mini kit (Qiagen社)を用いて精製した。1μMのmRNAに、1.5 μMのピューロマイシンリンカー(Sigma社)(配列番号C-1) 1X T4 RNAライゲースリアクションバッファー(NEB社)、20% DMSO、2 unit/μl T4 RNAライゲース(NEB社)を加え、37℃で30分間ライゲーション反応させた後、RNeasy MiniElutekit(Qiagen社)により精製した。次に、1 μMのmRNA-ピューロマイシンリンカー連結体(以下、mRNA-Pu)を鋳型に、前述の無細胞翻訳液からRF1を除いたものを加え、37℃で30分間翻訳し、mRNA-ペプチドフュージョン分子(化合物Fusion-1)を得た。
配列番号 D-50(配列番号:74)
KA03S2 DNA配列:
gtaatacgactcactataGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATatgACTAGAACTaaggcgTACTGGAGCcttCCGggcggcAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTTAGGGCGGCGGGGACAAA
KA03S2 mRNA 配列:(配列番号:75)
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUaUgACUAGAACUaaggcgUACUGGAGCcUUCCGggcggcAGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号C-1(配列番号:76)
S2PuFLin配列:
[P]CCCGTCCCCGCCGCCC[Fluorecein-dT][Spacer18][Spacer18][Spacer18][Spacer18][Spacer18]CC[Puromycin] ([P]:5'リン酸化)
環化反応
得られたmRNA-ペプチドフュージョン分子(化合物Fusion-1, 11.0μL)に10-mer RNA−ペプチドコンジュゲート(化合物70b)(0.33mM水溶液 5.0μL、1.65nmol)、リン酸バッファー(K2HPO4 1.0mmolとK3PO4 0.20mmolの水10mLの水溶液 40μL)、5%PTS(Polyoxyethanyl―α―tocopheryl sebacate)水溶液(100μL)を混合し、PdCl2(MeCN)2(1.0mg、3.9μmol)、2,2'−ジフェニルフォスフィノ−1,1'−ビフェニル(6.2mg、12μmol)をN−メチルピロリジノン(0.2mL)に窒素雰囲気下溶解したPd溶液(30.0μL)を加え50℃にて窒素雰囲気下12時間攪拌した。得られた反応液に0.2Mチオシアヌル酸 1.5カリウム塩水溶液(37.0μL)を加え室温にて30分間放置し、環化反応液を得た。反応液(5.0μL)を水(10.0μL)で希釈しLC分析サンプルとし分析し10-mer RNA−ペプチドコンジュゲート(化合物70b)の消失および10-mer RNA−ペプチドコンジュゲートの環化体(化合物83b)の生成を確認した。
LCMS(ESI) 1265.9(M−3H)3−
保持時間:3.48分(分析条件ZQHFIP−Me2NEt)
逆転写確認
環化反応後のmRNA-ペプチドフュージョン分子をRNeasy MiniElute Kit(Qiagen社)で精製した。0.5 μM mRNA-ペプチドフュージョン分子を鋳型に、逆転写反応液(1X M-MLV逆転写反応バッファー(Promega社), 各0.5 mMのdNTP mix, 4 unit/μl M-MLV逆転写酵素RNaseHマイナス点変異, 3 μM 逆転写プライマー(配列番号C-2))を添加し、42°Cで20分間逆転写反応を行った。反応産物を、TGX gel anykD(Biorad社)を用いて電気泳動を行い、ピューロマイシンリンカーに付加されたフルオレセインの蛍光を検出した。その結果、環化反応の有無にかかわらず、効率良く逆転写反応が進行していることが確認された。結果を図43に示す。
配列番号C-2(配列番号:77)
逆転写プライマー
TTTGTCCCCGCCGCCCTAAGAGCCAGAGCCAGAGCCGCT
[実施例24]
RNA-複合体のHeck反応
mRNA−ペプチド複合体溶液調製
6μMのmRNA(Hc1 mRNA配列(配列番号R−41))に、9 μMのピューロマイシンリンカー(Sigma社)(配列番号C-1) 1X T4 RNAライゲースリアクションションバッファー(New England Biolab社、カタログ番号M0204L)、10% DMSO、0.63 unit/μl T4 RNAライゲース(New England Biolab社、カタログ番号M0204L)を加え、37℃で30分間ライゲーション反応させた後、RNeasy MiniElute kit(Qiagen社)によりmRNA-ピューロマイシンリンカー連結体(以下、mRNA-Pu)を精製した。精製した1 μMのmRNA-Puを鋳型に、無細胞翻訳液(1mM GTP,1mM ATP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,9mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,1mM ジチオスレイトール,0.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.6μM メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ,0.26μM EF−G,0.24μM RF2,0.17μM RF3,0.5μM RRF,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,40μM EF−Tu,84μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,0.73μM AlaRS,0.03μM ArgRS,0.38μM AsnRS,0.13μM AspRS,0.02μM CysRS,0.06μM GlnRS,0.23μM GluRS,0.09μM GlyRS,0.02μM HisRS,0.4μM IleRS,0.04μM LeuRS,0.11μM LysRS,0.03μM MetRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.02μM TyrRS,0.02μM ValRS(自家調製タンパクは基本的はHisタグ付加タンパクとして調製した),各300μMのメチオニンとロイシンを除く18種類のタンパク質性アミノ酸),20μMの化合物AT−1−IIIA、20μM 4−PenteA-tRNAfMetCAU(化合物AT−2−IIIA)を加え、37℃で30分間翻訳し、18mM EDTA pH8.0を加え、mRNA-ペプチド複合体を得た。
環化反応
得られたmRNA-ペプチド複合体(20.0μL)に、リン酸バッファー(K2HPO4 1.0mmolとK3PO4 0.40mmolの水10mLの水溶液 120μL)、15%PTS(Polyoxyethanyl―α―tocopheryl sebacate)水溶液(200μL)を混合し、PdCl2(MeCN)2(4.0mg、15.4μmol)、2,2'−ジフェニルフォスフィノ−1,1'−ビフェニル(24.8mg、47.5μmol)をN−メチルピロリジノン(0.8mL)に窒素雰囲気下溶解したPd溶液(60.0μL)を加え50℃にて窒素雰囲気下24時間攪拌した。得られた反応液に0.2Mチオシアヌル酸 1.5カリウム塩水溶液(73.5μL)を加え室温にて30分間放置し、環化反応液を得た。
RNase処理
上記の環化反応液を卓上遠心機で遠心分離し、上澄みをRNeasy miniElute Cleanup kit(Qiagen社、Catalog No.74204)で精製し、RNaseフリー水で溶出した。溶出液を、1×Reaction buffer (Promega社、Catalog No.M217A、10mM TrisHCl pH7.5, 5mM EDTA, 0.2M AcONa)、0.5unit/μl RNaseONE ribonuclease(Promega社、Catalog No.M425A)、0.1Unit/μl RNaseH(LifeTechnologies社Catalog No.18021-014)を用いて37℃で3時間反応させ、以下の化合物(化合物Fusion-2)を得た。
LC分析
RNase処理済みサンプル(10μL)に400mM HFIP、15mM トリエチルアミン水溶液を90μL加えた後、Oasis HLB μElution(Waters社)を用いて固相抽出を行った。50%アセトニトリル溶出画分について凍結乾燥を行い、水に再溶解したサンプルについてLC/MS分析を行い、ペプチドフュージョン環化生成物の生成を確認した。(図81)
LC―HRMS:m/z 666.2124(M−14H)14−,621.7293(M−15H)15−,582.8100(M−16H)16−(Calcd for C333H466N80O188P24:Molecular Weight 9341)
保持時間:29.74分 (分析条件 OrbitrapHFIP−Et3N−2)
[実施例25] アミド環化にて環化されたディスプレイライブラリーの実施
pdCpA-アミノ酸群の合成、続いてtRNA−アミノ酸複合体の合成により、導入される非天然型アミノ酸のうち、ARSによらずに導入されるものの準備を行った。続いて、多様性が高いランダムDNAの準備を行った。転写、翻訳、化学修飾によるRNAと環化ペプチドとの複合体作製に続き、パニングを実施してTNFα、TNFR1、IL-6Rに対する結合ペプチドを取得するための実験を行った
1.ディスプレイライブラリ構築のためのpdCpA−アミノ酸の合成
pdCpAとの複合体として、以下の非天然型アミノ酸(MeGly、Phg、Phe(4−CF3)、Met(O2)、βAla、MeAla(4−Thz)、MePhe(3−Cl)、nPrGly、MeSer、Hyp(Et))を翻訳導入するための合成を行った。すなわち、以下のスキームに従い、化合物SP705(Pen−MeGly−pdCpA)、化合物SP710(Pen−Phg−pdCpA)、化合物SP715(Pen−Phe(4−CF3)−pdCpA)、化合物SP720(Pen−Met(O2)−pdCpA)、化合物SP725(Pen−βAla−pdCpA)、化合物SP731(Pen−MeAla(4−Thz)−pdCpA)、化合物SP737(Pen−MePhe(3−Cl)−pdCpA)、化合物SP742(Pen−nPrGly−pdCpA)、化合物SP754(Pen−Hyp(Et)−pdCpA)を合成した。化合物6i−C(tBuSSEtGABA)、化合物1i−IAの合成は既に記載済である。
化合物SP749(Pen−MeSer−pdCpA)については以下のスキームに従い合成を行った。
2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の合成
窒素雰囲気下、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)(10.0g、52.9mmol)およびN−エチル−イソプロピルプロパン−2−アミン(DIPEA)(18.9mL、108mmol)をジクロロメタン(100ml)に溶解し、2−ブロモアセトニトリル(26.0g、217mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:石油エーテル=1:10→1:4)で精製し、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)(4.80g、80%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 251 (M+Na)+
保持時間:1.82分(分析条件SMDmethod6)
2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の合成
2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)(4.80g、21.0mmol)をジエチルエーテル(50ml)に溶解し、塩酸ガスをバブリングさせ、室温で2時間攪拌した。析出した固体をろ過にて集め、減圧下乾燥させて 2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)(3.00g、87%)を粗生成物として得て、そのまま次の反応に用いた。
2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(Pen−MeGly−OCH 2 CN)(化合物SP704)の合成
なお、本明細書では、4−ペンテノイル基をPen基と略称し、シアノメチル基をCH
2CNと記載する。
窒素雰囲気下、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)(3.00g、18.3mmol)およびトリエチルアミン(6.34ml、45.5mmol)をジクロロメタン(30ml)に溶解させ、塩化ペンタ−4−エノイル(2.60g、22.0mmol)を0℃で滴下した。室温で2時間30分攪拌後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解させ、固体をろ過にて取り除いた。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:石油エーテル=1:10→2:7)で精製し、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)(3.40g、88%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 211 (M+H)+
保持時間:1.50分(分析条件SMDmethod6)
2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−MeGly−pdCpA)(化合物SP705)の合成
緩衝液A(1l)に、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(1.00g、1.57mmol)を溶解させ、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)(2.00g、9.51mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液を加え、室温で30分撹拌した。反応液を凍結乾燥し、得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.5%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル)にて精製し、表題化合物(化合物SP705)(139mg、11%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 790.5 (M+H)+
保持時間:0.46分(分析条件SQDAA05)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル(化合物SP707)の合成
化合物SP702の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)の代わりに(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニル酢酸(化合物SP706)(1.00g、3.98mmol)を用いることで、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル(化合物SP707)(1.02g、88%)を得た。
2−アミノ−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP708)の合成
化合物SP703の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の代わりに2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル(化合物SP707)(4.50g、15.5mmol)を用いることで、2−アミノ−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP708)(2.80g、80%)を粗生成物として得て、そのまま次の反応に用いた。
2−(ペンタ−4−エンアミド)−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル(Pen−Phg−OCH
2
CN)(化合物SP709)の合成
化合物SP704の製造例と同様の条件で、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の代わりに、2−アミノ−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP708)(2.80g、12.4mmol)を用いることで、2−(ペンタ−4−エンアミド)−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル(化合物SP709)(1.90g、56%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 273 (M+H)+
保持時間:1.88分(分析条件SMDmethod7)
2−(ペンタ−4−エンアミド)−2−フェニル酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−Phg−pdCpA)(化合物SP710)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(700mg、1.10mmol)を用い、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)の代わりに、2−(ペンタ−4−エンアミド)−2−フェニル酢酸 (S)−シアノメチル(化合物SP709)を用いることで、表題化合物(化合物SP710)(79.7mg、8.5%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 852.5 (M+H)+
保持時間:0.42分(分析条件SQDFA05)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP712)の合成
化合物SP702の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)の代わりに(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸(化合物SP711)(1.00g、3.00mmol)を用いることで、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP712)(1.01g、90%)を得た。
2−アミノ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP713)の合成
化合物SP703の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の代わりに、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP712)(9.30g、25.0mmol)を用いることで、2−アミノ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP713)(7.00g、91%)を粗生成物として得て、そのまま次の反応に用いた。
2−(ペンタ−4−エンアミド)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(Pen−Phe(4−CF3)−OCH
2
CN)(化合物SP714)の合成
化合物SP704の製造例と同様の条件で、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の代わりに、、2−アミノ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP713)(7.00g、22.7mmol)を用いることで、表題化合物(化合物SP714)(3.50g、44%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 355 (M+H)+
保持時間:1.47分(分析条件SMDmethod7)
2−(ペンタ−4−エンアミド)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−Phe(4−CF
3
)−pdCpA)(化合物SP715)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(1.00g、1.57mmol)を用い、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)の代わりに、2−(ペンタ−4−エンアミド)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP714)を用いることで、表題化合物(化合物SP715)(258mg、18%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 934.6 (M+H)+
保持時間:0.73分(分析条件SQDAA05)
2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルスルホニル)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP717)の合成
化合物SP702の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)の代わりに(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルスルホニル)ブタン酸(化合物SP716)(5.00g、17.8mmol)を用いることで、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルスルホニル)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP717)(4.50g、79%)を得た。
2−アミノ−4−(メチルスルホニル)ブタン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP718)の合成
化合物SP703の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の代わりに、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルスルホニル)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP717)(4.50g、14.0mmol)を用いることで、2−アミノ−4−(メチルスルホニル)ブタン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP718)(3.50g、98%)を粗生成物として得て、そのまま次の反応に用いた。
4−(メチルスルホニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(Pen−Met(O
2
)−OCH
2
CN(化合物SP719)の合成
化合物SP704の製造例と同様の条件で、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の代わりに、2−アミノ−4−(メチルスルホニル)ブタン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP718)(3.50g、13.7mmol)を用いることで、4−(メチルスルホニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP719)(2.00g、48%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 303 (M+H)+
保持時間:1.28分(分析条件SMDmethod7)
4−(メチルスルホニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−Met(O
2
)−pdCpA)(化合物SP720)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(1.00g、1.57mmol)を用い、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)の代わりに、4−(メチルスルホニル)−2−(ペンタ−4−エンアミド)ブタン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP719)を用いることで、表題化合物(化合物SP720)(153mg、11%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 882.3 (M+H)+
保持時間:0.40分(分析条件SQDAA05)
3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸シアノメチル(化合物SP722)の合成
化合物SP702の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)の代わりに3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(化合物SP721)(5.00g、26.4mmol)を用いることで、3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸シアノメチル(化合物SP722)(4.70g、78%)を得た。
3−アミノプロパン酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP723)の合成
化合物SP703の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の代わりに3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸シアノメチル(化合物SP722)(4.70g、20.6mmol)を用いることで、3−アミノプロパン酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP723)(3.00g、88%)を粗生成物として得て、そのまま次の反応に用いた。
3−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸シアノメチル(化合物SP724)の合成
化合物SP704の製造例と同様の条件で、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の代わりに、3−アミノプロパン酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP723)(3.00g、18.2mmol)を用いることで、3−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸シアノメチル(化合物SP724)(2.80g、73%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 211 (M+H)+
保持時間:1.37分(分析条件SMDmethod8)
3−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−βAla−pdCpA)(化合物SP725)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(700mg、1.10mmol)を用い、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)の代わりに、3−(ペンタ−4−エンアミド)プロパン酸シアノメチル(化合物SP724)を用いることで、表題化合物(化合物SP725)(134mg、15%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 790.6 (M+H)+
保持時間:0.41分(分析条件SQDAA05)
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸(化合物SP727)の合成
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(470mg、11.8mmol、60%)のテトラヒドロフラン(30ml)懸濁液に、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸(化合物SP726)(800mg、2.94mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)に溶液を滴下した。続いてヨードメタン(1.67g、11.8mmol)を加えて室温で18時間攪拌した。反応液を6mol/lの塩酸水でpHを4に調整し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥後に減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル)で精製し、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸(化合物SP727)(560mg、67%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 287 (M+H)+
保持時間:1.24分(分析条件SMDmethod7)
2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP728)の合成
化合物SP702の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)の代わりに(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸(化合物SP727)(3.94g、13.8mmol)を用いることで、2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP728)(3.04g、68%)を得た。
2−(メチルアミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP729)の合成
化合物SP703の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の代わりに、2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP728)(3.04g、9.34mmol)を用いることで、2−(メチルアミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP729)(1.85g、76%)を粗生成物として得て、そのまま次の反応に用いた。
2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP730)の合成
化合物SP704の製造例と同様の条件で、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の代わりに、2−(メチルアミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP729)(1.85g、7.07mmol)を用いることで、表題化合物(化合物SP730)(1.48g、68%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 308 (M+H)+
保持時間:1.28分(分析条件SMDmethod7)
2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−MeAla(4−Thz)−pdCpA)(化合物SP731)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(700mg、1.10mmol)を用い、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)の代わりに、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP730)を用いることで、表題化合物(化合物SP731)(60.9mg、6%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 887.4 (M+H)+
保持時間:0.40分(分析条件SQDFA05)
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(3−クロロフェニル)プロパン酸(化合物SP733)の合成
化合物SP727の製造例と同様の条件で、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸(化合物SP726)の代わりに、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(3−クロロフェニル)プロパン酸(化合物SP732)(5.00g、16.7mmol)を用いることで、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(3−クロロフェニル)プロパン酸(化合物SP733)(5.10g、97%)を得た。
2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(3−クロロフェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP734)の合成
化合物SP702の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)の代わりに(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(3−クロロフェニル)プロパン酸(化合物SP733)(5.10g、16.3mmol)を用いることで、2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(3−クロロフェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP734)(4.75g、83%)を得た。
3−(3−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP735)の合成
化合物SP703の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の代わりに、2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)−3−(3−クロロフェニル)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP734)(4.75g、13.5mmol)を用いることで、3−(3−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP735)(3.31g、84%)を粗生成物として得て、そのまま次の反応に用いた。
3−(3−クロロフェニル)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP736、Pen−MePhe(3−Cl)−OCH
2
CN)の合成
化合物SP704の製造例と同様の条件で、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の代わりに、3−(3−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸 (S)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP735)(3.31g、11.4mmol)を用いることで、3−(3−クロロフェニル)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP736)(2.72g、71%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 335 (M+H)+
保持時間:1.67分(分析条件SMDmethod4)
3−(3−クロロフェニル)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−MePhe(3−Cl)−pdCpA)(化合物SP737)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(1.00g、1.57mmol)を用い、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)の代わりに、3−(3−クロロフェニル)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP736)を用いることで、表題化合物(化合物SP737)(389mg、27%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 914.6 (M+H)+
保持時間:0.75分(分析条件SQDAA05)
2−((tert−ブトキシカルボニル)(プロピル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP739)の合成
化合物SP702の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)の代わりに2−((tert−ブトキシカルボニル)(プロピル)アミノ)酢酸(化合物SP738)(5.00g、23.0mmol)を用いることで、2−((tert−ブトキシカルボニル)(プロピル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP739)(4.20g、71%)を得た。
2−(プロピルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP740)の合成
化合物SP703の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の代わりに、2−((tert−ブトキシカルボニル)(プロピル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP739)(4.20g、16.4mmol)を用いることで、2−(プロピルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP740)(2.50g、79%)を粗生成物として得て、そのまま次の反応に用いた。
2−(N−プロピルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP741、Pen−nPrGly−OCH
2
CN)の合成
化合物SP704の製造例と同様の条件で、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の代わりに、2−(プロピルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP740)(2.55g、13.2mmol)を用いることで、2−(N−プロピルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP741)(2.10g、67%)を得た。
1H−NMR(Bruker AVANCE II、300MHz、CDCl3) δ ppm 6.19−6.32 (1H、m)、5.38−5.49 (2H、m)、5.17−5.22 (2H、m)、4.49−4.55 (2H、m)、3.70−3.78 (2H、m)、2.78−2.90 (4H、m)、1.84−2.07 (2H、m)、1.34 (3H、t、J = 8.1 Hz)
2−(N−プロピルペンタ−4−エンアミド)酢酸 (2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−nPrGly−pdCpA)(化合物SP742)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(1.00g、1.57mmol)を用い、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)の代わりに、2−(N−プロピルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP741)を用いることで、表題化合物(化合物SP742)(314mg、24%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 818.4 (M+H)+
保持時間:0.57分(分析条件SQDAA05)
4−エトキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸 2−(シアノメチル) (2S,4R)−1−tert−ブチル(化合物SP751)の合成
化合物SP702の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸(化合物SP701)の代わりに(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−エトキシピロリジン−2−カルボン酸(化合物SP750)(4.75g、18.3mmol)を用いることで、4−エトキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸 2−(シアノメチル) (2S,4R)−1−tert−ブチル(化合物SP751)(5.00g、91%)を得た。
4−エトキシピロリジン−2−カルボン酸 (2S,4R)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP752)の合成
化合物SP703の製造例と同様の条件で、2(−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)酢酸シアノメチル(化合物SP702)の代わりに、4−エトキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸 2−(シアノメチル) (2S,4R)−1−tert−ブチル(化合物SP751)(5.00g、16.8mmol)を用いることで、4−エトキシピロリジン−2−カルボン酸 (2S,4R)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP752)(3.25g、83%)を得た。
4−エトキシ−1−(ペンタ−4−エノイル)ピロリジン−2−カルボン酸 (2S,4R)−シアノメチル(Pen−Hyp(Et)−OCH
2
CN)(化合物SP753)の合成
化合物SP704の製造例と同様の条件で、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP703)の代わりに、4−エトキシピロリジン−2−カルボン酸 (2S,4R)−シアノメチル塩酸塩(化合物SP752)(3.00g、12.8mmol)を用いることで、4−エトキシ−1−(ペンタ−4−エノイル)ピロリジン−2−カルボン酸 (2S,4R)−シアノメチル(化合物SP753)(2.75g、77%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 281 (M+H)+
保持時間:1.45分(分析条件SMDmethod4)
4−エトキシ−1−(ペンタ−4−エノイル)ピロリジン−2−カルボン酸 (2S,4R)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−Hyp(Et)−pdCpA)(化合物SP754)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(1.00g、1.57mmol)を用い、2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)酢酸シアノメチル(化合物SP704)の代わりに、4−エトキシ−1−(ペンタ−4−エノイル)ピロリジン−2−カルボン酸 (2S,4R)−シアノメチル(化合物SP753)を用いることで、表題化合物(化合物SP754)(154mg、11%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 860.4 (M+H)+
保持時間:0.55分(分析条件SQDAA05)
(S)−3−(tert−ブトキシ)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸(化合物SP746)の合成
(S)−2−(3−(9H−フルオレン−9−イル)−N−メチルプロパンアミド)−3−(tert−ブトキシ)プロパン酸(化合物SP745)(4,35g、11.0mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(EtN(iPr)2)(10.4mL、60.0mmol)を脱水ジクロロメタン(46ml)に溶解し、2−クロロトリチルクロライドレジン(100−200mesh、1%DVB、渡辺化学から購入、4.65g、7.30mmol)を加え、室温で60分振とうすることで、アミノ酸をレジンに担持させた。反応溶液を除去し、レジンを脱水ジクロロメタン(46ml)で4回洗浄した。レジンに20%ピペリジンN,N−ジメチルホルムアミド溶液(15ml)を加え90分振とうし、Fmoc基の脱保護を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(15ml)で3回洗浄した。続いてペンタ−4−エン酸(2.3ml、21.9mmol)、3H−(1,2,3)トリアゾロ(4,5−b)ピリジン−3−オール(HOAt)(1.99g、14.6mmol)およびN,N’−メタンジイリデンビス(プロパン−2−アミン)(DIC、3.71ml、24.1mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(15ml)に溶解し、レジンに加えて室温で60分振とうし、ペンテノイル化を行った。反応溶液を除去し、レジンをN,N−ジメチルホルムアミド(15ml)で3回洗浄後、ジクロロメタン(15ml)でさらに3回洗浄した。続いて1%トリフルオロ酢酸ジクロロメタン溶液(1% TFA in CH2Cl2)(40ml)を前述のレジンに加え30分振とうし、アミノ酸のレジンからの切り出しを行った。反応溶液を回収し、レジンをジクロロメタン(40ml)で3回洗浄した。回収した反応液を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール溶液)で精製し、(S)−3−(tert−ブトキシ)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸(化合物SP746)(1.02g、54%)を得た。なお、この合成に使用されたジクロロメタンとN,N−ジメチルホルムアミドはペプチド合成用特製溶媒(渡辺化学から購入)を使用した。
LCMS(ESI) m/z = 258 (M+H)+
保持時間:0.71分(分析条件SQDAA05)
3−(tert−ブトキシ)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP747)の合成
窒素雰囲気下、(S)−3−(tert−ブトキシ)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸(化合物SP746)(1.01g、3.92mmol)およびN−エチル−イソプロピルプロパン−2−アミン(EtN(iPr)2、1.37mL、7.85mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(3.92ml)に溶解し、2−ブロモアセトニトリル(0.82ml、11.8mmol)を加えて室温で45分攪拌した。反応液に50mlの酢酸エチルを加え、有機層を50mlのアンモニウムクロリド飽和水溶液と50mlの飽和食塩水で分液した。有機層を回収し、減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール溶液)で精製し、3−(tert−ブトキシ)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP747)(1.00g、86%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 297.6 (M+H)+
保持時間:0.77分(分析条件SQDFA05)
3−(tert−ブトキシ)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物SP748、Pen−MeSer(tBu)−pdCpA)の合成
化合物SP705の製造例と同様の条件で、リン酸二水素 ((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2R,3S,4R,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル(化合物1h)(519mg、0.816mmol)を用い、2−(メチルアミノ)酢酸シアノメチル塩酸塩(化合物SP704)の代わりに、3−(tert−ブトキシ)−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (S)−シアノメチル(化合物SP747)を用いることで、表題化合物(化合物SP748)(300mg、42%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 876.7 (M+H)+
保持時間:0.47分(分析条件SQDFA05)
3−ヒドロキシ−2−(N−メチルペンタ−4−エンアミド)プロパン酸 (2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(Pen−MeSer−pdCpA)(化合物SP749)の合成
(2S)−(2R,3S,4R,5R)−2−((((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−2−((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル(化合物SP748)(299mg、0.341mmol)をトリフルオロ酢酸(3.38ml、43.9mmol)で溶解し、30分攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.1%蟻酸水溶液/アセトニトリル溶液)にて精製し、表題化合物(化合物SP749)(144mg、52%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 820.5 (M+H)+
保持時間:0.31分(分析条件SQDFA05)
2.ディスプレイライブラリ構築のための転写tRNAおよび転写tRNA(CA欠損)の合成
パニングに使用する転写tRNAおよび転写tRNA(CA欠損)を以下の通り調製した。
鋳型DNA(配列番号DTL−1〜14)から、RiboMAX Large Scale RNA production System T7(Promega社,P1300)を用いたin vitro の転写により3'端のCAを欠くtRNA (-CA)(配列番号MTL−1〜12)および転写tRNA(配列番号MTL−13〜14)を合成し、RNeasy Maxi kit(Qiagen社)により精製した。ただし、In vitro転写はPromega社の標準プロトコールから、GTP濃度を3.75mMに減らし、新たにGMPを7.5mM加えた条件下で行った。ATP、CTP、UTPは標準プロトコール通り、7.5mMずつ加えた。
配列番号DTL−1(配列番号:99)
tRNAGluCUG (-CA) CAG DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTctgACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−2(配列番号:100)
tRNAGluACG (-CA) CGU DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTacgACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−3(配列番号:101)
tRNAGluUUC (-CA) GAA DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTttcACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−4(配列番号:102)
tRNAGluCCU (-CA) AGG DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTcctACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−5(配列番号:103)
tRNAGluCAA (-CA) UUG DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTcaaACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−6(配列番号:104)
tRNAGluUAG (-CA) CUA DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTtagACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−7(配列番号:105)
tRNAGluCUA (-CA) UAG DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTctaACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−8(配列番号:106)
tRNAGluCCG (-CA) CGG DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTccgACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−9(配列番号:107)
tRNAGluAAG (-CA) CUU DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTaagACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−10(配列番号:108)
tRNAGluGCA (-CA) UGC DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTgcaACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−11(配列番号:109)
tRNAGluCAU (-CA) AUG DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGTCCCCTTCGTCTAGAGGCCCAGGACACCGCCCTcatACGGCGGTAACAGGGGTTCGAATCCCCTAGGGGACGC
配列番号DTL−12(配列番号:110)
tRNAAsn-E2GUU (-CA) AAC DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGGCTCTGTAGTTCAGTCGGTAGAACGGCGGACTgttAATCCGTATGTCACTGGTTCGAGTCCAGTCAGAGCCGC
配列番号DTL−13(配列番号:111)
tRNAAla1B DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGGGGCTATAGCTCAGCTGGGAGAGCGCCTGCTTAGCACGCAGGAGGTCTGCGGTTCGATCCCGCATAGCTCCACCA
配列番号DTL−14(配列番号:112)
tRNATyr1 DNA配列:
GGCGTAATACGACTCACTATAGGTGGGGTTCCCGAGCGGCCAAAGGGAGCAGACTGTAAATCTGCCGTCATCGACTTCGAAGGTTCGAATCCTTCCCCCACCACCA
配列番号MTL−1(配列番号:113)
tRNAGluCUG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUcugACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−2(配列番号:114)
tRNAGluACG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUacgACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−3(配列番号:115)
tRNAGluUUC (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUuucACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−4
tRNAGluCCU (-CA) RNA配列:(配列番号:116)
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUccuACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−5(配列番号:117)
tRNAGluCAA (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUcaaACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−6(配列番号:118)
tRNAGluUAG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUuagACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−7(配列番号:119)
tRNAGluCUA (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUcuaACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−8(配列番号:120)
tRNAGluCCG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUccgACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−9(配列番号:121)
tRNAGluAAG (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUaagACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−10(配列番号:122)
tRNAGluGCA (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUgcaACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−11(配列番号:123)
tRNAGluCAU (-CA) RNA配列:
GUCCCCUUCGUCUAGAGGCCCAGGACACCGCCCUcauACGGCGGUAACAGGGGUUCGAAUCCCCUAGGGGACGC
配列番号MTL−12(配列番号:124)
tRNAAsn-E2GUU (-CA) RNA配列:
GGCUCUGUAGUUCAGUCGGUAGAACGGCGGACUguuAAUCCGUAUGUCACUGGUUCGAGUCCAGUCAGAGCCGC
配列番号MTL−13(配列番号:125)
tRNAAla1B RNA配列:
GGGGCUAUAGCUCAGCUGGGAGAGCGCCUGCUUAGCACGCAGGAGGUCUGCGGUUCGAUCCCGCAUAGCUCCACCA
配列番号MTL−14(配列番号:126)
tRNATyr1 RNA配列:
GGUGGGGUUCCCGAGCGGCCAAAGGGAGCAGACUGUAAAUCUGCCGUCAUCGACUUCGAAGGUUCGAAUCCUUCCCCCACCACCA
3.tRNA(CA欠損)とpdCpA−アミノ酸との反応による、tRNA-アミノ酸複合体の合成
アミノアシル化pdCpAと転写tRNA(CA欠損)のligationによるパニング用アミノアシル化tRNA(化合物ATL−1〜13)の合成、およびアミノアシル化tRNA混合物の調製
まず、個別にアミノアシル化tRNA(化合物ATL-1〜13)を調製した。ライゲーションは、ligation buffer (50mM HEPES-KOH pH7.5, 20mM MgCl2, 1mM ATP)、25μM転写tRNA (-CA)(配列番号MTL−1〜12、R−5)、0.6U/μl T4 RNAリガーゼ(New england bio lab.社)、0.5mM アミノアシル化pdCpAの条件で行った。25μM転写tRNA (-CA) と0.5 mM アミノアシル化pdCpAの組み合わせは、以下の表20〜22の通りに行った。
ライゲーションを行う前に、ligation buffer、転写tRNA (-CA)(配列番号MTL−1〜12、R−5)およびNuclease free waterを混合したものを、95℃で2分間加熱した後、室温で5分間放置し、予めtRNAのリフォールディングを行った。その後、T4 RNAリガーゼ、アミノアシル化pdCpAのDMSO溶液を上述の通り加え、15℃で45分間ライゲーション反応を行った。
ライゲーション反応液に、0.3M 酢酸ナトリウムと、62.5mMヨウ素(水:THF=1:1溶液)を加え、室温で1時間(ただし、化合物SP749を用いる際は室温で5分間)、ペンテノイル基の脱保護を行い、化合物ATL-1〜12を得た。ペンテノイル基を持たない化合物6i−Cを用いる際は、脱保護は行わず、ライゲーション反応まで行い、化合物ATL-13を得た。
次に、翻訳液S用アミノアシル化tRNA 混合物(Initiation suppression翻訳に使用)、翻訳液S用Initiatorアミノアシル化tRNA(Initiation suppression翻訳に使用)、および翻訳液T用アミノアシル化tRNA混合物(Read through翻訳に使用)を調製した。得られた化合物 ATL-1〜13を、表20〜22に示す混合比で混合し、翻訳液S用アミノアシル化tRNA混合物、翻訳液S用Initiatorアミノアシル化tRNA、翻訳液T用アミノアシル化tRNA混合物として、フェノール抽出した後、エタノール沈殿により回収した。調製したアミノアシル化tRNAは、翻訳液に添加する直前に1mM酢酸ナトリウムに溶解した。以降、翻訳で使用する際には、表20〜22に示す最終濃度となるよう翻訳液を調製した。
化合物ATL−1(配列番号:127)
βAla−tRNAGluCUG (-CA)
化合物ATL−2(配列番号:128)
Asp(SMe)−tRNAGluACG (-CA)
化合物ATL−3(配列番号:129)
MeAla(4-Thz)−tRNAGluUUC (-CA)
化合物ATL−4(配列番号:130)
MePhe(3-Cl)−tRNAGluCCU (-CA)
化合物ATL−5(配列番号:131)
MeGly−tRNAGluCAA (-CA)
化合物ATL−6(配列番号:132)
Phe(4-CF3)−tRNAGluUAG (-CA)
化合物ATL−7(配列番号:133)
Hyp(Et)−tRNAGluCUA (-CA)
化合物ATL−8(配列番号:134)
MeSer−tRNAGluCCG (-CA)
化合物ATL−9(配列番号:135)
Phg−tRNAGluAAG (-CA)
化合物ATL−10(配列番号:136)
Met(O2)−tRNAGluGCA (-CA)
化合物ATL−11(配列番号:137)
Met(O2)−tRNAGluCAU (-CA)
化合物ATL−12(配列番号:138)
nPrGly−tRNAAsn-E2GUU (-CA)
化合物ATL−13(配列番号:139)
tBuSSEtGABA−tRNAfMetCAU (-CA)
4.ディスプレイライブラリ構築のためのランダムDNA構築のためのコドンユニットの合成
ATG, GTT, CCG, ACT, GCT, CAT, TGG, GGT, TAC, CAG, AAC, TGC, 及びGAAの各ユニットはGlen Researchから購入した。TTT(化合物SP779)、ATT(化合物SP780)、AGT(化合物SP768)、CGG(化合物SP781)、AGG(化合物SP782)、TTG(化合物SP775)、CTT(化合物SP776)、CTA(化合物SP777)、TAG(化合物SP778) Trimer Phosphoramiditeの各ユニットは以下のスキームに従い、合成を行った。なお上記の化合物は文献Yagodkin, A.; Azhayev, A.; Roivainen, J.: Antopolsky, M.; Kayushin, A.; Korosteleva, M.; Miroshnikov, A.; Randolph, J.; and Mackie, H. Nucleosides, Nucleotides, and Nucleic Acids 2007, 26, 473-497の合成法でも合成可能である。コドンユニットとは本明細書において、ホスホジエステル結合で連結したDNA様のトリヌクレオチドで構成される化合物で、DNAの化学合成に応用できる化合物と定義する。例えばCAGユニットとは、5'位の水酸基が4,4'―ジメトキシトリチル基(DMT)で保護されており、リン酸塩が2−クロロフェニル基で保護されているのに加え、下スキームによって定義される、アミノ基が保護された核酸塩基(C(Bz)、A(Bz),G(iBu))を5'側から連続して有しており、3'末端にシアノエチル基で保護されたN,N’−ジイソプロピルアミノフォスフォールアミダイト基を有する化合物である。
4−オキソペンタン酸 [(2R,3S,5R)−2−(ヒドロキシメチル)−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−3−イル](化合物SP762)の合成
窒素雰囲気下、1−[(2R,4S,5R)−5−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−4−ヒドロキシオキソラン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2,4−ジオン(化合物SP761)(1.09g、2mmol)、レブリン酸(0.29ml、2.8mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)(73mg、0.6mmol)、及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl、538mg、2.8mmol)をジクロロメタン(2ml)に溶解し室温で15分攪拌した。反応液に0.6mlのメタノールを加え、p−トルエンスルホン酸(532mg、2.8mmol)を加えて1分間室温で攪拌した。上述の反応溶液に3mlのリン酸緩衝液(pH=6, 1M)を加え、2分間攪拌した。反応溶液に10mlのジクロロメタン/エタノール溶液(5:1)を加え、7mlのリン酸緩衝液(pH=6, 1M)で分液操作した。有機層を回収し、水層を15mlのジクロロメタン/エタノール溶液(5:1)で分液操作を2度行ない有機層を回収した。 回収した有機層を合わせて硫酸ナトリウムを加え、乾燥後、濾過により硫酸ナトリウムを取り除き、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=65:35→100:0)で精製し、表題化合物(化合物SP762)(632.5mg、93%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 341.3 (M+H)+
保持時間:0.52分(分析条件 SQDAA05)
4−オキソペンタン酸 [(2R,3S,5R)−2−[[(2−クロロフェノキシ)−[(2R,3S,5R)−2−(ヒドロキシメチル)−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−3−イル]オキシホスホリル]オキシメチル]−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−3−イル](化合物SP764)の合成
窒素雰囲気下、化合物SP763(328mg、0.97mmol)及び、化合物SP762(862mg、0.92mmol)を脱水ピリジン(2.5ml)に溶解した。1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1H−1,2,4−トリアゾール(MSNT)(681mg、2.3mmol)の脱水ピリジン(2.5ml)溶液を上述の反応液に10分間で滴下し、室温で2時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残渣を6mlのジクロロメタン/メタノール(5:1)に溶解し、p−トルエンスルホン酸(350mg、1.84mmol)を加えて1分間室温で攪拌した。上述の反応溶液に8mlのリン酸緩衝液(pH=6, 1M)を加え、2分間攪拌した。反応溶液に10mlのジクロロメタン/エタノール溶液(5:1)を加え、分液操作をした。有機層を回収し、水層を更に10mlのジクロロメタン/エタノール溶液(5:1)で分液操作を2度行ない、有機層を回収した。 回収した有機層を合わせて硫酸ナトリウムを加え、乾燥後、濾過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=50:50→100:0)で精製し、表題化合物(化合物SP764)(725.4mg、93%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 850.4 (M+H)+
保持時間:0.62分(分析条件 SQDFA05)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−ヒドロキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP766)の合成
窒素雰囲気下、化合物SP765(1.0g、1.05mmol)及び、化合物SP764(850mg、1.0mmol)を脱水ピリジン(2.5ml)に溶解した。1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1H−1,2,4−トリアゾール(MSNT)(740mg、2.5mmol)の脱水ピリジン(2.5ml)溶液を上述の反応液に10分間で滴下し、室温で2時間攪拌した。反応溶液を0oCに冷却し、酢酸(1.0ml)を滴下した。反応溶液にヒドラジン一水和物(0.24ml、5.0mmol)を加え、5分間攪拌した。上述の反応溶液に10mlのリン酸緩衝液(pH=6, 1 M)及び、ジクロロメタン(5ml)を加え、1分間攪拌した。反応溶液を10mlのジクロロメタン/エタノール溶液(10:1)で3回分液操作をし、有機層を回収した。回収した有機層に硫酸ナトリウムを加え、乾燥した。濾過により硫酸ナトリウムを取り除き、有機層を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)で精製し、表題化合物(化合物SP766)(1.22g、77%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1581.8 (M+H)+
保持時間:1.11分(分析条件 SQDAA05)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミド−1,6−ジヒドロプリン−9−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP768、AGTユニット)の合成
窒素雰囲気下、化合物766(2.5g、1.71mmol)と5−エチルチオ−1H−テトラゾール(667mg、5.13mmol)をジクロロメタン(17ml)に溶解し、2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(化合物767)(5.43ml、17.1mmol)を加え、室温で15分攪拌した。反応液にトリエチルアミン(0.71ml、5.13mmol)を加え、反応液を減圧濃縮し、残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル水溶液)で精製し、表題化合物(化合物768、AGTユニット)(1.84g、60%)を得た。
なお、AGTユニットは本明細書では、AGT部位を有し、上化合物(SP768)のように5'位の水酸基が4,4'―ジメトキシトリチル基(DMT)で保護されており、リン酸塩が2−クロロフェニル基で保護されているのに加え、アミノ基が保護された核酸塩基(A(Bz)、G(iBu)、T)を5'側から連続して有しており、3'末端にシアノエチル基で保護されたN,N’−ジイソプロピルアミノフォスフォールアミダイト基を有する化合物であると定義する。以下、例えばTTTユニットなど別名称でも、TTT部位を有し、同様に核酸部が保護され、N,N’−ジイソプロピルアミノフォスフォールアミダイト基を有する化合物であると定義する。LCMS(ESI) m/z = 1781.8 (M+H)+
保持時間:1.17分(分析条件 SQDAA05)
4−オキソペンタン酸 [(2R,3S,5R)−2−(ヒドロキシメチル)−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−3−イル](化合物SP770)の合成
化合物SP762の製造例と同様の条件で、1−[(2R,4S,5R)−5−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−4−ヒドロキシオキソラン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2,4−ジオン(化合物761)の代わりにN−[9−[(2R,4S,5R)−5−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−4−ヒドロキシオキソラン−2−イル]−6−オキソ−1H−プリン−2−イル]−2−メチルプロパンアミド(化合物769)を用いる事で、4−オキソペンタン酸 [(2R,3S,5R)−2−(ヒドロキシメチル)−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−3−イル](化合物SP770)(2.9g、85%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 435.9 (M+H)+
保持時間:1.205分(分析条件 SMDMethod9)
4−オキソペンタン酸 [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−イル](化合物SP772)の合成
(化合物SP762)の製造例と同様の条件で、1−[(2R,4S,5R)−5−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−4−ヒドロキシオキソラン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2,4−ジオン(化合物SP761)の代わりにN−[9−[(2R,4S,5R)−5−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−4−ヒドロキシオキソラン−2−イル]プリン−6−イル]ベンズアミド(化合物SP771)を用いる事で、4−オキソペンタン酸 [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−イル](化合物SP772)(50.0g、56%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 454.2 (M+H)+
保持時間:1.177分(分析条件 SMDMethod4)
4−オキソペンタン酸 [(2R,3S,5R)−5−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−イル](化合物SP774)の合成
(化合物SP762)の製造例と同様の条件で、1−[(2R,4S,5R)−5−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−4−ヒドロキシオキソラン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2,4−ジオン(化合物SP761)の代わりにN−[1−[(2R,4S,5R)−5−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−4−ヒドロキシオキソラン−2−イル]−2−オキソピリミジン−4−イル]ベンズアミド(化合物SP773)を用いる事で、4−オキソペンタン酸 [(2R,3S,5R)−5−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−イル](化合物SP774)(2.4g、89%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 430.2 (M+H)+
保持時間:3.193分(分析条件 SMDMethod10)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−3−イル](化合物SP775、TTGユニット)の合成
化合物SP761からSP768の製造例と同様の条件で、リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−3−イル](化合物SP775,TTGユニット)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1668.8 (M+H)+
保持時間:1.15分(分析条件 SQDAA05)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP776、CTTユニット)の合成
化合物SP761からSP768の製造例と同様の条件で、リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP776,CTTユニット)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1662.4 (M+H)+
保持時間:1.18分(分析条件 SQDAA05)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[[(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシオキソラン−2−イル]メトキシ−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP777、CTAユニット)の合成
化合物SP761からSP768の製造例と同様の条件で、リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[[(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシオキソラン−2−イル]メトキシ−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP777,CTAユニット)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1775.9 (M+H)+
保持時間:1.20分(分析条件 SQDAA05)
リン酸 [(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メチル (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−[[[(2R,3S,5R)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−3−イル]オキシ−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル]オキシメチル]オキソラン−3−イル](化合物SP778、TAGユニット)の合成
化合物SP761からSP768の製造例と同様の条件で、リン酸 [(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メチル (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−[[[(2R,3S,5R)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−3−イル]オキシ−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル]オキシメチル]オキソラン−3−イル](化合物SP778,TAGユニット)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1781.9 (M+H)+
保持時間:1.17分(分析条件SQDAA05)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−3−イル](化合物SP779,TTTユニット)の合成
化合物SP761からSP768の製造例と同様の条件で、リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−3−イル](化合物SP779,TTTユニット)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1573.8 (M+H)+
保持時間:1.15分(分析条件 SQDAA05)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP780、ATTユニット)の合成
化合物SP761からSP768の製造例と同様の条件で、リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−(5−メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP780、ATTユニット)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1686.4 (M+H)+
保持時間:1.16分(分析条件 SQDAA05)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP781、CGGユニット)の合成
化合物SP761からSP768の製造例と同様の条件で、リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP781、CGGユニット)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1852.5 (M+H)+
保持時間:0.87分(分析条件 SQDAA50)
リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP782、AGGユニット)の合成
化合物SP761からSP768の製造例と同様の条件で、リン酸 (2−クロロフェニル) [(2R,3S,5R)−3−[(2−クロロフェノキシ)−[[(2R,3S,5R)−3−[2−シアノエトキシ−[ジ(プロパン−2−イル)アミノ]ホスファニル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メトキシ]ホスホリル]オキシ−5−[2−(2−メチルプロパノイルアミノ)−6−オキソ−1H−プリン−9−イル]オキソラン−2−イル]メチル [(2R,3S,5R)−5−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−2−[[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニルメトキシ]メチル]オキソラン−3−イル](化合物SP782、AGGユニット)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1876.5 (M+H)+
保持時間:0.84分(分析条件 SQDAA50)
5.ディスプレイライブラリーに用いるDNAのランダム化されたパーツの化学合成
上記載の方法もしくは購入して得たコドンユニットを用いて、以下のような手法でランダム化された多様性の高いDNAを合成した。
化合物SP791
5'-GAA GGA GAT ATA CAT ATG (PPP)7 CGT (XXX) (PPP) AGC GGC TCT GGC TCT GGC TCT-3'(配列番号:140)
DNA/RNA合成機(NTS H-6、日本テクノサービス株式会社製)を用いて、ホスホロアミダイト法によりランダムDNA合成を行った。脱水アセトニトリルおよびデブロッキング溶液-1(3w/v% トリクロロ酢酸 ジクロロメタン溶液)は和光純薬から購入し、ホスホロアミダイト試薬(dA, dC, dG, dT-CE phosphoramidite)、Cap Mix A(THF/Pyridine/Acetic anhydride)、Cap Mix B(16% 1-Me-Imidazole/THF)、Oxidizing Solution(0.02M I2 in THF/Pyridine/H2O)、Activator(5-Benzylthio-1H-tetrazole in MeCN)、トリマーホスホロアミダイト試薬(GTT、CCG、ACT、ATG、GCT、CAT、TGG、GGT、TAC、CAG、AAC、TGC、GAA Trimer Phosphoramidite)についてはGlen Research社から購入した。また、トリマーホスホロアミダイト試薬(TTT(化合物SP779)、ATT(化合物SP780)、AGT(化合物SP768)、CGG(化合物SP781)、AGG(化合物SP782)、TTG(化合物SP775)、CTT(化合物SP776)、CTA(化合物SP777)、TAG(化合物SP778) Trimer Phosphoramidite)については、上記載のとおり合成したものを用いた。
配列中に(PPP)と示した箇所には、トリマーホスホロアミダイト試薬(TTT、ATT、GTT、AGT、CCG、ACT、GCT、CAT、TGG、GGT、TAC、CAG、AAC、CGG、AGG、TTG、CTT、CTA、TAG、TGC、GAA Trimer Phosphoramidite)を混合したものを適用し、(XXX)と示した箇所には、トリマーホスホロアミダイト試薬(TTT、CCG、GCT、CAT、AAC、CGG、AGG、TTG、TAG、GAA Trimer Phosphoramidite)を混合したものを適用した。従って、PPPはTTTのみを意味するのではなく、ATTやTACなどを意味する。また、(PPP)7は任意のPPPが7回結合していることを意味しており(ATT)7のみを意味するのでなく、、例えば21種類から選択すると217の多様性が生じることを模式的に示したものである。
なお、操作の詳細な手順については合成機に付属のマニュアルに従った。
フィルター付きの反応容器にGlenUnySupport CPG(1000Å、44μmol/g、5.2mg、0.229μmol)を詰め、合成機にセットし、DNAを固相合成した。ここで5'末端水酸基の保護基(DMT:4,4'−ジメトキシトリチル基)は脱保護することなく合成機による伸長反応を終了とした。
伸長反応終了後、固相担体をスクリューキャップ付きガラスチューブに移し、30%アンモニア水溶液(0.4ml)を加え、60℃にて6時間攪拌することによりCPGからDNAの切り出しと脱保護を行い、反応混合液を分取HPLCにて精製した(分析条件LC05)。HPLCフラクションを凍結乾燥して得られた残渣を水(0.8ml)に溶かし、これに酢酸(3ml)を加え、室温にて10分間攪拌することにより、5'末端水酸基のDMT基を脱保護した。反応液を水(10ml)で希釈し、酢酸エチル(10ml)で5回抽出操作を行った後、得られた水層を凍結乾燥することにより、目的とするランダム化DNA(化合物SP791)(6.7%)を得た。なお収率については260nmにおける吸光度から算出した。
保持時間:8.55分(分析条件LC04)
化合物SP792
5'-GAA GGA GAT ATA CAT ATG (PPP)8 CGT (XXX) (PPP) AGC GGC TCT GGC TCT GGC TCT-3'(配列番号:141)
化合物SP791と同様の方法により、目的とするランダム化DNA(化合物SP792)(7.6%)を得た。
保持時間:8.71分(分析条件LC04)
化合物SP793
5'-GAA GGA GAT ATA CAT ATG (PPP)9 CGT (XXX) (PPP) AGC GGC TCT GGC TCT GGC TCT-3'(配列番号:142)
化合物SP791と同様の方法により、目的とするランダム化DNA(化合物SP793)(5.8%)を得た。
保持時間:8.67分(分析条件LC04)
化合物SP794
5'-GAA GGA GAT ATA CAT ATG TGC (QQQ)7 CGT (QQQ)2 AGC GGC TCT GGC TCT GGC TCT-3'(配列番号:143)
化合物SP791と同様の方法により、目的とするランダム化DNA(化合物SP794)(6.5%)を得た。配列中に(QQQ)と示した箇所には、トリマーホスホロアミダイト試薬(TTT、ATT、ATG、GTT、AGT、CCG、ACT、GCT、CAT、TGG、GGT、TAC、CAG、AAC、CGG、AGG、TTG、CTT、CTA、TAG、GAA Trimer Phosphoramidite)を混合したものを適用した。従って、QQQはTTTのみを意味するのではなく、ATTやTACなどを意味する。また、(QQQ)7は任意のQQQ が7回結合していることを意味しており(ATT)7のみを意味するのでなく、、例えば21種類から選択すると217の多様性が生じることを模式的に示したものである。
保持時間:8.56分(分析条件LC04)
化合物SP795
5'-GAA GGA GAT ATA CAT ATG TGC (QQQ)8 CGT (QQQ)2 AGC GGC TCT GGC TCT GGC TCT-3'(配列番号:144)
化合物SP791と同様の方法により、目的とするランダム化DNA(化合物SP795)(6.0%)を得た。
保持時間:8.54分(分析条件LC04)
化合物SP796
5'-GAA GGA GAT ATA CAT ATG TGC (QQQ)9 CGT (QQQ)2 AGC GGC TCT GGC TCT GGC TCT-3'(配列番号:145)
化合物SP791と同様の方法により、目的とするランダム化DNA(化合物SP796)(4.5%)を得た。
保持時間:8.80分(分析条件LC04)
6.ディスプレイライブラリーに用いるDNAライブラリーの調製
合成オリゴDNA(化合物SP791、SP792、SP793、SP794、SP795、SP796)と合成オリゴDNA(配列番号 DOL−1)を用いて、ExTaq (Takara社)により伸長反応を行った。95℃で二分間変性した後、50℃で一分、72℃で一分のサイクルを5ないし10回繰り返した。続いて、この伸長反応産物を鋳型に合成オリゴDNA(配列番号DOL−1)と合成オリゴDNA(配列番号DOL−2)を用いて、ExTaq (Takara社)によりPCRを行った。95℃で二分間変性した後、95℃で一分、50℃で一分、72℃で一分のサイクルを5から10回繰り返し、DNAライブラリー(配列番号DML−1〜DML−6)を構築した。
配列中に(PPP)と示した箇所は、TTT、ATT、GTT、AGT、CCG、ACT、GCT、CAT、TGG、GGT、TAC、CAG、AAC、CGG、AGG、TTG、CTT、CTA、TAG、TGC、GAA がランダムに出現することを、(XXX)と示した箇所には、TTT、CCG、GCT、CAT、AAC、CGG、AGG、TTG、TAG、GAAがランダムに出現することを、(QQQ)と示した箇所には、TTT、ATT、ATG、GTT、AGT、CCG、ACT、GCT、CAT、TGG、GGT、TAC、CAG、AAC、CGG、AGG、TTG、CTT、CTA、TAG、GAAがランダムに出現することを意味する。
配列番号 DOL−1(配列番号:146)
TTTGTCCCCGCCGCCCTAAGAGCCAGAGCCAGAGCCGCT
配列番号DOL−2(配列番号:147)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATG
配列番号DML−1(配列番号:148)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATG(PPP)7 CGT(XXX)(PPP)AGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTTAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号DML−2(配列番号:149)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATG(PPP)8CGT(XXX)(PPP)AGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTTAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号DML−3(配列番号:150)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATG(PPP)9CGT(XXX)(PPP)AGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTTAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号DML−4(配列番号:151)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGC(QQQ)7CGT(QQQ)2AGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTTAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号DML−5(配列番号:152)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGC(QQQ)8CGT(QQQ)2AGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTTAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号DML−6(配列番号:153)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGC(QQQ)9CGT(QQQ)2AGCGGCTCTGGCTCTGGCTCTTAGGGCGGCGGGGACAAA
7.mRNA−ピューロマイシンリンカーライゲーション産物調製
PCRにより調製したDNAライブラリー(配列番号 DML−1〜DML−3(Initiation suppression翻訳用)、DML−4〜DML−6(Read throuth翻訳用)) を鋳型に、in vitro転写により以下のmRNA(配列番号MML−1〜MML−3(Initiation suppression翻訳用)、配列番号MML−4〜MML−6(Read throuth翻訳用))を調製し、RNeasy mini kit (Qiagen社)を用いて精製した。10μMのmRNAに、15μMのピューロマイシンリンカー (Sigma社)(配列番号C−1)、 1X T4 RNAライゲースリアクションバッファー(New england bio lab.社)、1mM ATP、10% DMSO、0.625unit/μl T4 RNAライゲース(New england bio lab.社)を加え、37℃で30分間ライゲーション反応させた後、RNeasy Mini kit(Qiagen社)により精製した。配列番号MML−1とMML−4は30μlスケール、配列番号MML−2とMML−5は60μlスケール、配列番号MML−3とMML−6は240μlスケールで、ライゲーションを行い、精製した。ピューロマイシンリンカー(配列番号C−1)と連結したMML−1,MML−2,MML−3をそれぞれモル比1:21:441となるように、ピューロマイシンリンカー(配列番号C−1)と連結したMML−4,MML−5,MML−6をそれぞれモル比1:21:441となるように混合し、前者をinitiation suppression翻訳用mRNA−ピューロマイシンリンカーライゲーション産物混合物と、後者をRead throuth 翻訳用mRNA−ピューロマイシンリンカーライゲーション産物混合物とした。
配列中に(RRR)と示した箇所は、UUU、AUU、GUU、AGU、CCG、ACU、GCU、CAU、UGG、GGU、UAC、CAG、AAC、CGG、AGG、UUG、CUU、CUA、UAG、UGC、GAA がランダムに出現することを、(YYY)と示した箇所には、UUU、CCG、GCU、CAU、AAC、CGG、AGG、UUG、UAG、GAAがランダムに出現することを、(SSS)と示した箇所には、UUU、AUU、AUG、GUU、AGU、CCG、ACU、GCU、CAU、UGG、GGU、UAC、CAG、AAC、CGG、AGG、UUG、CUU、CUA、UAG、GAAがランダムに出現することを意味する。
配列番号MML−1(配列番号:154)
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUG(RRR)7CGU(YYY)(RRR)AGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号MML−2(配列番号:155)
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUG(RRR)8CGU(YYY)(RRR)AGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号MML−3(配列番号:156)
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUG(RRR)9CGU(YYY)(RRR)AGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号MML−4(配列番号:157)
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUGUGC(SSS)7CGU(SSS)2 AGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号MML−5(配列番号:158)
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUGUGC(SSS)8CGU(SSS)2 AGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
配列番号MML−6(配列番号:159)
GGGUUAACUUUAAGAAGGAGAUAUACAUAUGUGC(SSS)9CGU(SSS)2 AGCGGCUCUGGCUCUGGCUCUUAGGGCGGCGGGGACAAA
ビオチン化標的タンパク質の調製
パニングに使用する標的タンパク質として、インターロイキン6受容体(IL−6R)、Tumor Necrosis Factor-α(TNFα)、Tumor Necrosis Factor Receptor1(TNFR1)を用いた。IL−6Rのビオチン化は非特許文献BMC biotechnology, 2008,8,41、および非特許文献Protein Science,1999,8,921-929の方法を用いた。IL−6Rの調製は非特許文献J Biochem. 1990;108(4):673-6.に従って行った。TNFαはProspec社のRcombinant Human Tumor Necrosis Factor-alpha(Catalog Number #CYT-223)を、TNFR1はSinoBiological社のRecombinant Human TNFR1/Fc Chimera(Catalog Number 10872-H03H)を購入した。それぞれThermo scientific社のEZ-Link NHS-PEG4-Biotin(Catalog Number 21329)を用いてビオチン化を行った。
・パニングに使用する翻訳液の定義
パニングに使用した翻訳液Sは以下の組成で構成される。1mM GTP,1mM ATP,20mMクレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,10mM 酢酸マグネシウム,2mMスペルミジン,1mM ジチオスレイトール,0.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.26μM EF−G,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,40μM EF−Tu,84μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,2.73μM AlaRS,0.09μM GlyRS,0.4μM IleRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.22μM TyrRS,0.02μM ValRS、3μM 転写tRNA Ala1B(配列番号MTL−13)、3μM 転写tRNA Tyr1(配列番号MTL−14)、250μMグリシン、250μMイソロイシン、250μMプロリン、250μMスレオニン、250μMトリプトファン、250μMバリン、100μMセリン、5mM N−メチルアラニン、5mM N−メチルフェニルアラニン、2mM D−チロシン。さらに翻訳液S用アミノアシル化tRNA混合物および翻訳液S用Initiatorアミノアシル化tRNAを加えて調製した。また翻訳液Tは上記の翻訳液S用アミノアシル化tRNA混合物および翻訳液S用Initiatorアミノアシル化tRNAを含まない翻訳液Sに0.02μM CysRS、250μMシステイン、および翻訳液T用アミノアシル化tRNA混合物を加えて調製した。
・ラウンド1のパニングを行うための翻訳、環化、脱硫、逆転写反応、パニング、PCR
1μM initiation suppression翻訳用もしくはRead throuth 翻訳用mRNA−ピューロマイシンリンカーライゲーション産物混合物を含む前述のS用、T用それぞれ2ml翻訳液を調製し、37℃で120分間保温後、室温で12分間放置した。この翻訳混合物に対して、200μlの200mM EDTA溶液(pH8.0、Nacalai社、14362-24)および100μlの200mM TCEP溶液(pH7.0)を加え、37℃で120分間保温し、環化反応を行った。その後、翻訳混合物に対して、260μlの250mM Cys溶液および4000μlの400mM TCEP溶液(pH7.0)を加え、40℃で5分間保温した。続けて、1600μlの1M VA−044(Wako社、CAS No.27776-21-2)を加えて、40℃で1時間脱硫反応後、RNeasy mini kit(Qiagen社)により精製し、1mlのペプチド−mRNA複合体溶液を調製した。この溶液に、3μM プライマー(配列番号DOL−3)、M-MLV reverse transcriptase reaction buffer(Promega社、M368B)、0.5mM dGTP,0.5mM dATP,0.5mM dCTP,0.5mM dTTP、8U/μl M-MLV Reverse transcriptase (H-) (Promega社、M368B)を加えNuclease free waterで2mlにメスアップし、42℃、1時間保温し、逆転写反応を行った。逆転写溶液に対してブロッキング剤SuperBlock T20(Pierce社、37516)を等量加え、4mlのペプチド−mRNA複合体溶液とした。
上記の溶液に対して、ビオチン化標的タンパク質を200nMとなるように加え、4℃、30分間回転混和を行った。その後、Dynabeads M-270 streptavidin(invitrogen社、653-05)を加え、4℃、5分間回転混和を行った。上清を取り除き、1xTBST(Nacalai社)で2度洗浄した。DNAポリメラーゼを含まず、0.5μM プライマー(配列番号DOL−4)および0.5μM プライマー(配列番号DOL−5)を含むPCR溶液をDynabeadsに加え、95℃で10分間加熱溶出し、上清を回収した。上清に対してDNAポリメラーゼ Ex taq(Takara社、RR001A-24)を加え、PCRによってcDNAを増幅後、QIAquick PCR purification kit(Qiagen社)によりDNAを精製した。
配列番号DOL−3(配列番号:160)
TTTGTCCCCGCCGCCCTAAGAGCCAGAGCCAGAGCCGCT
配列番号DOL−4(配列番号:161)
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGA
配列番号DOL−5(配列番号:162)
TTTGTCCCCGCCGCCcta
・ラウンド2のパニングを行うための転写、ライゲーション、翻訳、環化、脱硫、逆転写反応→パニング操作→PCR
ラウンド1で増幅したcDNAから、RiboMAX Express Large Scale RNA Production System (Promega社,P1320)を用いてmRNAを合成し、RNeasy MinElute kit(Qiagen社)により精製した。次にT4 RNA ligase(NEB, M0204L)を利用してmRNAとピューロマイシンリンカーを連結し、RNeasy MinElute kit(Qiagen社)により精製した。1μM mRNA−ピューロマイシンリンカーライゲーション産物を含む前述の100μl翻訳液を調製し、37℃で60分間保温後、室温で12分間放置した。この翻訳混合物に対して環化反応のために、10μlの200mM EDTA溶液(pH8.0、Nacalai社、14362-24)および5μlの200mM TCEP溶液(pH7.0)を加え、37℃で120分間保温した。翻訳液Sに0.5M KOHを加えて、pH10に調整後、42℃で30分間保温した。その後、0.5M HClを加えて、pH7に調整した。その後、それぞれの翻訳混合物に対して、13μlの250mM Cys溶液および200μlの400mM TCEP溶液(pH7.0)を加え、40℃で1分間保温した。続けて、80μlの1M VA−044(Wako社、CAS No.27776-21-2)を加えて、40℃で1時間脱硫反応後、RNeasy MinElute kit(Qiagen社)により精製し、100μlのペプチド−mRNA複合体溶液を調製した。この溶液に、3μM プライマー(配列番号DOL−3)、M-MLV reverse transcriptase reaction buffer(Promega社、M368B)、0.5mM dGTP,0.5mM dATP,0.5mM dCTP,0.5mM dTTP、8U/μl M-MLV Reverse transcriptase (H-) (Promega社、M368B)を加えNuclease free waterでメスアップし、200μl溶液で42℃、15分間保温し、逆転写反応を行った。逆転写溶液に対してブロッキング剤SuperBlock T20(Pierce社、37516)を等量加え、400μlのペプチド−mRNA複合体溶液とした。
上記の溶液に対して、Dynabeads M-270 streptavidinを加え、4℃、5分間回転混和を行い、上清を回収した。上清に対してビオチン化標的タンパク質を200nMとなるように加え、4℃、30分間回転混和を行った。その後、Dynabeads M-270 streptavidinを加え、4℃、5分間回転混和し、上清を取り除き、1xTBST(Nacalai社)で3度洗浄した。DNAポリメラーゼを含まず、0.5μM プライマー(配列番号DOL−4)および0.5μM プライマー(配列番号DOL−5)を含むPCR溶液をDynabeadsに加え、95℃で10分間加熱溶出し、上清を回収した。上清に対してDNAポリメラーゼ Extaq(Takara社、RR001A-24)を加え、PCRによってcDNAを増幅後、QIAquick PCR purification kit(Qiagen社)によりDNAを精製した。
・ラウンド3のパニングを行うための転写、ライゲーション、翻訳、環化、脱硫、逆転写反応→パニング操作→PCR
ラウンド2で増幅したcDNAから、RiboMAX Express Large Scale RNA Production System (Promega社,P1320)を用いてmRNAを合成し、RNeasy MinElute kit(Qiagen社)により精製した。次にT4 RNA ligase(NEB, M0204L)を利用してmRNAとピューロマイシンリンカーを連結し、RNeasy MinElute kit(Qiagen社)により精製した。1μM mRNA−ピューロマイシンリンカーライゲーション産物を含む前述の10μl翻訳液を調製し、37℃で60分間保温後、室温で12分間放置した。この翻訳混合物に対して環化反応のために、1μlの200mM EDTA溶液(pH8.0、Nacalai社、14362-24)および0.5μlの200mM TCEP溶液(pH7.0)を加え、37℃で120分間保温した。翻訳液Sに0.5M KOHを加えて、pH10に調整後、42℃で30分間保温した。その後、0.5M HClを加えて、pH7に調整した。その後、それぞれの翻訳混合物に対して、1.3μlの250mM Cys溶液および20μlの400mM TCEP溶液(pH7.0)を加え、40℃で1分間保温した。続けて、8μlの1M VA−044(Wako社、CAS No.27776-21-2)を加えて、40℃で1時間脱硫反応後、RNeasy MinElute kit(Qiagen社)により精製し、10μlのペプチド−mRNA複合体溶液を調製した。この溶液に、3μM プライマー(配列番号DOL−3)、M-MLV reverse transcriptase reaction buffer(Promega社、M368B)、0.5mM dGTP,0.5mM dATP,0.5mM dCTP,0.5mM dTTP、8U/μl M-MLV Reverse transcriptase (H-)(Promega社、M368B)を加えNuclease free waterで200μlにメスアップし、42℃、15分間保温し、逆転写反応を行った。逆転写溶液に対してブロッキング剤SuperBlock T20(Pierce社、37516)を等量加え、40μlのペプチド−mRNA複合体溶液とした。
上記の溶液10μlに対して、Dynabeads M-270 streptavidinを加え、4℃、5分間回転混和を行い、上清を回収した。この操作を計3回繰り返した上清に対してビオチン化標的タンパク質を200nMとなるように加え、4℃、30分間回転混和を行った。その後、Dynabeads M-270 streptavidinを加え、4℃、5分間回転混和を行った。上清を取り除き、1xTBST(Nacalai社)で3度洗浄した。DNAポリメラーゼを含まず、0.5μM プライマー(配列番号DOL−4)および0.5μM プライマー(配列番号DOL−5)を含むPCR溶液をDynabeadsに加え、95℃で10分間加熱溶出し、上清を回収した。上清に対してDNAポリメラーゼ Ex taq(Takara社、RR001A-24)を加え、PCRによってcDNAを増幅後、QIAquick PCR purification kit(Qiagen社)によりDNAを精製した。
ラウンド4−6においても、ラウンド3と同じ操作を繰り返すことで標的タンパク質特異的な結合を示すcDNAの濃縮を行った。濃縮されたDNAプールの塩基配列解析を行い、濃縮されたペプチド配列を同定した。
計算機によるシミュレーションを活用した仮想ライブラリによるCLOGP値、NMeアミノ酸数、分子量の平均値および分布の推測(図66、67)
今回設計されたディスプレイライブラリーのドラックライクネスの程度を評価した。すなわち、選択されたアミノ酸が均等にランダムにディスプレイされた場合のCLogP値、NMeアミノ酸が1つのペプチドに含まれる数の分布を計算によりシミュレーションした。
現実のディスプレイライブラリのサイズは1012種類以上であり、コンピュータ上の仮想ライブラリとしても網羅的に発生することは困難である。したがってディスプレイライブラリで翻訳合成されるペプチドをランダムに5万ペプチド発生させ、そのCLOGP、NMe数、アミノ酸数、分子量の分布および平均値を近似的に推測した。
ランダムなペプチドの構造はプログラムを作成して、SMILES形式で出力させた。その際、C末端の構造はピペリジンとした。出力されたペプチドの構造ファイルをCLOGP(daylight社)およびPipelinePilot(accelrys社)を用い、各パラメータの分布と平均値を求めた。なおCLOGP値の計算においては分子サイズの制限により、約6.5%のペプチドが計算不能となりそれらを除外した値(全体の93.5%が有効)となっている。
[実施例26] Electrochemiluminescence(ECL)を利用した翻訳産物のスクリーニング
パニングにて濃縮されたクローンの一部について、各クローンの翻訳産物ペプチドを用いたイムノアッセイを実施した。その際、低濃度のペプチド産物を高感度に検出するため、電気化学発光法(ECL)測定装置(SECTOR Imager 2400)を利用した。その結果、IL-6R、TNFα、TNFR1に対する結合ペプチドが同定された。
1.Fl(urea)−dC−Puromycin(化合物SP806)の合成
dC−Puromycin CPG (化合物SP802)の合成
Puromycin CPG(化合物SP801)(Glen Research社製、44μmol/g、 450mg)をDeblocking Mix(Glen Research社製、3%トリクロロ酢酸/DCM)で処理(3ml×4)し、アセトニトリルで洗浄(3ml×4)した。
得られたCPG担体にdC−CE Phosphoramidite(Glen Research社製、250mg、0.300mmol)のアセトニトリル溶液(3.0ml)とActivator(Glen Research社製、5−Benzylthio−1H−tetrazole in Acetonitrile、3ml)を加えて室温で10分間振とうさせた後、反応液を除去し、CPG担体をアセトニトリルで洗浄(3ml×4)し、乾燥させた。
次いでOxidizing Solution(Glen Research社製、0.02M Iodine in THF/Pyridine/Water、3ml)を加えて室温で振とうさせた後、反応液を除去した。担体をアセトニトリルで洗浄(3ml×4)後、乾燥させて標題のdC−Puromycin CPG(化合物SP802)(450mg)を得た。
少量のdC−Puromycin CPGに25%アンモニア水溶液を加えて60℃で1時間半攪拌して担体から切り出し、反応液をLC/MSで分析することで、反応の進行、およびdC−Puromycin(化合物SP803)の生成を確認した。
LCMS(ESI)m/z =1061.4(M−H)−
保持時間:0.53分 (分析条件 SQDAA50)
Fl−dC−Puromycin CPG(化合物SP804)の合成
dC−Puromycin CPG(化合物SP802)(44μmol/g、450mg)をDeblocking Mix(Glen Research社製、3%トリクロロ酢酸/DCM)で処理した後、アセトニトリルで洗浄した。
得られたCPG担体にFluorescein Phosphoramidite(Glen Research社製、125mg、0.104mmol)のアセトニトリル溶液(1.0ml)とActivator(Glen Research社製、5−Benzylthio−1H−tetrazole in Acetonitrile、1.0ml)を加えて室温で30分間振とうさせた後、反応液を除去し、CPG担体をアセトニトリルで洗浄し、乾燥させた。
次いでOxidizing Solution(Glen Research社製、0.02M Iodine in THF/Pyridine/Water、3ml)を加えて室温で振とうさせた後、反応液を除去した。CPG担体をアセトニトリルで洗浄後、乾燥させて標題のFl−dC−Puromycin CPG(450mg)を得た。
少量のFl−dC−Puromycin CPGに25%アンモニア水溶液を加えて60℃で1時間半攪拌して担体から切り出し、反応液をLC/MSで分析することで、反応の進行、およびFl−dC−Puromycin(化合物SP805)の生成を確認した。
LCMS(ESI)m/z =1659.2(M−H)−
保持時間:0.94分 (分析条件 SQDAA05)
5−(3−(6−(((((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−3−(((((2S,3S,4R,5R)−3−((S)−2−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド)−5−(6−(ジメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシ)−7−ヒドロキシヘプチル)ウレイド)−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)安息香酸(化合物SP806)(Fl(urea)−dC−Puromycin)の合成
Fl−dC−Puromycin CPG(化合物SP804)(44μmol/g、105mg)にOxidizing Solution(Glen Research社製、0.02M Iodine in THF/Pyridine/Water、3ml)を加えて室温で16時間振とうさせた。反応液を除去した後、アセトニトリルで洗浄し、CPG担体を乾燥させた。
その後、CPG担体をDeblocking Mix(Glen Research社製、3%トリクロロ酢酸/DCM)で処理(3ml×4)した後、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥させた。
次いでCPG担体に25%アンモニア水溶液(1.0ml)を加えて60℃で1時間半攪拌した。放冷後、反応液をカラムクロマトグラフィ(0.1%ギ酸水溶液/0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)で精製し、標題化合物(化合物SP806)(2.1mg、33.8%)を黄色固体として得た。
LCMS(ESI)m/z =1341.8(M−H)−
保持時間:0.44分 (分析条件 SQDFA05)
2.濃縮配列の解析
配列解析の結果をもとに、配列番号DME-2からDME−11,DME−13からDME−15に示す鋳型DNAを合成した。これらをECL用転写翻訳液に加えて翻訳によるペプチド合成を行った。ECL用転写翻訳液の組成は下記の通りである。5%(v/v) T7 RNA polymerase RiboMAX Enzyme Mix (Promega社,P1300),2mM GTP,2mM ATP,1mM CTP,1mM UTP,20mM クレアチンリン酸,50mM HEPES−KOH pH7.6,100mM 酢酸カリウム,15mM 酢酸マグネシウム,2mM スペルミジン,1mM ジチオスレイトール,0.5mg/ml E.coli MRE600(RNaseネガティブ)由来tRNA(Roche社),3μM 転写tRNA Ala1B(配列番号MTL−13)、3μM 転写tRNA Tyr1(配列番号MTL−14)、4μg/ml クレアチンキナーゼ,3μg/ml ミオキナーゼ,2unit/ml 無機ピロフォスファターゼ,1.1μg/ml ヌクレオシド二リン酸キナーゼ,0.26μM EF−G,0.24μM RF2,0.17μM RF3,0.5μM RRF,2.7μM IF1,0.4μM IF2,1.5μM IF3,53μM EF−Tu,112μM EF−Ts,1.2μM リボソーム,2.73μM AlaRS,0.09μM GlyRS,0.4μM IleRS,0.68μM PheRS,0.16μM ProRS,0.04μM SerRS,0.09μM ThrRS,0.03μM TrpRS,0.22μM TyrRS,0.02μM ValRS,250μM グリシン、250μM イソロイシン、250μM プロリン、250μM スレオニン、250μM トリプトファン、250μM バリン、100μM セリン、5mM N−メチルアラニン、5mM N−メチルフェニルアラニン、2mM D−チロシン,さらにS用ECL転写翻訳液には、翻訳液S用アミノアシル化tRNA混合物および翻訳液S用Initiatorアミノアシル化tRNAを、T用ECL転写翻訳液には0.02μM CysRS、250μMシステイン、および翻訳液T用アミノアシル化tRNA混合物を加えて調製した。
このECL転写翻訳液に、0.05μM 鋳型DNA,12.5μM FlPu(urea)(化合物SP806)を加え、37℃で1時間、室温で12分間放置することで、C末端がFlPu(urea)にてラベルされたペプチドを合成した。ネガティブコントロールとして用いるサンプルには、鋳型DNAの代わりにNuclease Free waterを添加した。この翻訳混合物5μLに対して、0.5μlの200mM EDTA溶液(pH8.0、Nacalai社、14362-24)および0.5μlの100mM TCEP溶液(pH6.6)を加え、37℃で120分間保温し、環化反応を行った。環化産物に11μLの脱硫バッファー(15mM システイン,36mM TCEP)を加え、42℃で1分間加温した後、1M VA-044 (Wako社、CAS No.27776−21−2)を4μL加え42℃で1時間静置した。未反応のTCEPを失活させるため、125mMシステインを3μL加え、さらに42℃で1時間静置した後、1μLの0.5 M Tris、6μL SuperBlock T20(Pierce社、37516)を加えてECLアッセイ用ペプチド溶液とした。
上記のECLアッセイ用ペプチド溶液を用いて、イムノアッセイを実施した。MSD Streptavidin MULTI-ARRAY 384-well plate (Meso Scale Discovery、L25SB-1)に1ウェルあたり10μLの500nMビオチン化標的タンパク質を添加し、500rpmで振とうしながら室温で1時間反応させることにより、標的タンパク質の固定化を行った。1ウェルあたり50μLの2%スキムミルクPBSを添加し、室温で2時間静置することで、ブロッキングを行った。反応液を除去し、0.05%のTween20をふくむPBS(PBST)にて3回洗浄を行った後、10μLのECLアッセイ用ペプチド溶液を添加し、室温にて50分間、500rpmにて振とうした。反応液の除去、PBSTでの洗浄を3回実施した後、2%スキムミルクPBSにて0.5μg/mLに希釈したIgG Fraction Monoclonal Mouse Anti−Fluorescein (Jackson Immno Research, 200−002−037)10μLを添加し、500rpmで振とうしながら室温で50分間反応させた。反応液の除去、PBSTでの洗浄を3回実施した後、2%スキムミルクPBSにて1μg/mLに希釈したSULFO−TAG Anti−Mouse Antibody (Meso Scale Discovery,R32AC-5)10μLを添加し、500rpmで振とうしながら室温で50分間反応させた。反応液の除去、PBSTでの3回洗浄の後、35μLの2×Read Buffer T (Meso Scale Discovery,R92TC−3)を添加し、SECTOR Imager 2400(Meso Scale Discovery)にて測定した。
各サンプルの測定値を表24に示した。
[ECL鋳型DNA配列]
配列番号DME−2(配列番号:164)
(IL-6R binder) DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCCCGATTATTTTTATGCCGAGGTACGTTCGTAGTACTAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−3(配列番号:165)
(IL-6R binder) DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCCCGATTATTTGGAGGATGCCGAGGTACCGTGTTTACAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−4(配列番号:166)
(TNFR1 binder) DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCTACATTTGGATGAGTATGAGGGTTTTTCGTACTAGGAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−5(配列番号:167)
(TNFR1 binder) DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCCCGTTGATTATTGTTAGTCGGCTTCTTCGTGAAACTAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−6(配列番号:168)
(TNFR1 binder) DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCCCGTTGGTTATTACTGTTCGGCTTAGTCGTGCTAGGAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−7(配列番号:169)
TNFα binder DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGACTCTTATTGAATGGTGGCTATACAGGCGTCCGTTGAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−8(配列番号:170)
TNFα binder DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCCTATGGTGGGTTTTGGGTCCGTAGAGTCGTCGGATGAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−9(配列番号:171)
TNFα binder DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCGAAATTCCGGTTTGGTGGCTAATGGTTCGTTGGGAAAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−10(配列番号:172)
TNFα binder DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCACTATTCCGTACTGGTGGCTAATGGTTCGTTGGGAAAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−11(配列番号:173)
TNFα binder DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCACTTGGATTTTTCTTTGGCAGCTACTTCGTGTTACTAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−13(配列番号:175)
IL−6R binder DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCCCGGTTATTTTTATGCCGAGGGTTATGCGTCCGTTGAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−14(配列番号:176)
IL−6R binder DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGTGCATTATTGAATGGCCGAGGATGTACCAGCGTCCGAGGAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
配列番号DME−15(配列番号:177)
IL−6R binder DNA配列
GTAATACGACTCACTATAGGGTTAACTTTAAGAAGGAGATATACATATGATTGTTTGGAGGTGCCCGAGGTACTGCCGTGAAGCTAGCGGCTCTGGCTCTGGCTCT
[ECLペプチド配列]
以下に示すペプチドは、いずれもN末端のアミノ基と11残基目のアスパラギン酸の側鎖のカルボン酸との間でペプチド結合が形成された環状ペプチドである。略号は、通常の文献や渡辺化学の商品カタログ記載に沿っているが、その詳細を以下に示す。
MeAla(4−Thz):(S)−2−(メチルアミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸
MePhe(3−Cl):(S)−3−(3−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸
Hyp(Et):(2S,4R)−4−エトキシピロリジン−2−カルボン酸
γEtAbu:4−(エチルアミノ)ブタン酸
nPrGly:2−(プロピルアミノ)酢酸
MePhe:(S)−2−(メチルアミノ)−3−フェニルプロパン酸
MeAla:(S)−2−(メチルアミノ)プロパン酸
MeGly:2−(メチルアミノ)酢酸
Pro:(S)−ピロリジン−2−カルボン酸
Thr:(2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタン酸
Phg:(S)−2−アミノ−2−フェニル酢酸
Ile:(2S,3S)−2−アミノ−3−メチルペンタン酸
Val:(S)−2−アミノ−3−メチルブタン酸
Asp:(S)−2−アミノコハク酸
Trp:(S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパン酸
DTyr:(R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸
Phe(4−CF3):(S)−2−アミノ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸
Ser:(S)−2−アミノ−3−ヒドロキシプロパン酸
Met(O2):(S)−2−アミノ−4−(メチルスルホニル)ブタン酸
βAla:3−アミノプロパン酸
Ala:(S)−2−アミノプロパン酸
Gly:2−アミノ酢酸
MeSer:(S)−3−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)プロパン酸
FlPu(urea):化合物SP806
配列番号PE−2
(IL-6R binder) ペプチド配列
Ala−Pro−Ile−Ile−MePhe−Met(O2)−Pro−MePhe(3-Cl)−DTyr−Val−Asp−Ser−Thr−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−FlPu(urea)
配列番号PE−3
(IL-6R binder) ペプチド配列
Ala−Pro−Ile−Ile−Trp−MePhe(3-Cl)−Met(O2)−Pro−MePhe(3-Cl)−DTyr−Asp−Val−DTyr−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−FlPu(urea)
配列番号PE−4
(TNFR1 binder)ペプチド配列
Ala−DTyr−Ile−Trp−Met(O2)−Ser−Met(O2)−MePhe(3-Cl)−Val−MePhe−Asp−Thr−MePhe(3-Cl)−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−FlPu(urea)
配列番号PE−5
(TNFR1 binder)ペプチド配列
Ala−Pro−MeGly−Ile−Ile−Val−Ser−MeSer−Phg−Phg−Asp−MeAla(4-Thz)−Thr−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−6
(TNFR1 binder) ペプチド配列
Ala−Pro−MeGly−Val−Ile−Thr−Val−MeSer−Phg−Ser−Asp−MeAla−MePhe(3-Cl)−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−7
(TNFα binder) ペプチド配列
γEtAbu-Thr-Phg-Ile-MeAla(4-Thz)-Trp-Trp-Phe(4-CF3)-DTyr-MePhe(3-Cl)-Asp-Pro-MeGly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−8
(TNFα binder) ペプチド配列
Ala-Phe(4-CF3)-Trp-Trp-Val-MeGly-Gly-Pro-Hyp(Et)-Ser-Asp-MeSer-Met(O2)-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−9
(TNFα binder) ペプチド配列
Ala-MeAla(4-Thz)-Ile-Pro-Val-Trp-Trp-Phe(4-CF3)-Met(O2)-Val-Asp-Trp-MeAla(4-Thz)-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−10
(TNFα binder) ペプチド配列
Ala-Thr-Ile-Pro-DTyr-Trp-Trp-Phe(4-CF3)-Met(O2)-Val-Asp-Trp-MeAla(4-Thz)-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−11
(TNFα binder) ペプチド配列
Ala-Thr-Trp-Ile-MePhe-Phg-Trp-βAla-Phe(4-CF3)-Phg-Asp-Val-Thr-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−13
(IL−6R binder) ペプチド配列
Ala-Pro-Val-Ile-MePhe-Met(O2)-Pro-MePhe(3-Cl)-Val-Met(O2)-Asp-Pro-MeGly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−14
(IL−6R binder) ペプチド配列
Ala-Ile-Ile-MeAla(4-Thz)-Trp-Pro-MePhe(3-Cl)-Met(O2)-DTyr-βAla-Asp-Pro-MePhe(3-Cl)-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser−FlPu(urea)
配列番号 PE−15
(IL−6R binder)ペプチド配列
γEtAbu-Ile-Val-Trp-MePhe(3-Cl)-Met(O2)-Pro-MePhe(3-Cl)-DTyr-Met(O2)-Asp-MeAla(4-Thz)-MeAla-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser-Gly-Ser−FlPu(urea)
配列番号PE−2からPE−11、PE−13からPE−15で示されたペプチドの特徴を以下に示す。
共通配列であるSer−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−FlPu(urea)を除いた配列は13アミノ酸で構成されており、11アミノ酸で環状ペプチド部位を構成し、2アミノ酸で直鎖部位を構成している。含まれるアミノ酸はα、βおよびγアミノ酸であり、アミノ酸側鎖はアルキル基、シクロアルキル基、エーテル基置換シクロアルキル基、水酸基(−OH)置換アルキル基、スルホン基(−SO2−R)置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、水酸基(−OH)置換アラルキル基、ハロゲン基置換アラルキル基、ヘテロアリール基で構成されており、これらのことはいずれもドラッグライクなペプチド化合物として好ましい範囲である。
表25に配列番号と、含まれるN−アルキルアミノ酸の数、共通領域であるSer−Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−FlPu(urea)を除き、C末端をピペリジンアミドとした化合物のclogP値を示す。
*は主鎖と側鎖、直鎖部位を個別にcLogP値を求め、合計することで算出した。
PE−2からPE−11、PE13からPE−15のうち、N−アルキルアミノ酸を2つ以上有し、かつ、cLogPが6以上を満たすペプチドは10配列で、いずれか一方を満たすものが3配列あり、これら標的結合ペプチドはドラッグライクネスを有することが十分に期待される化合物群である。
3.濃縮され、かつECLでの結合が確認されたペプチド配列の化学合成
ペプチド合成はスキームJ−1に示すFmoc固相ペプチド合成法に従って行った。実施例中のアミノ酸の略号は、通常文献や商品カタログ(渡辺化学)などに記載の略号を用いているが、詳細を以下に示す。
MeAla(4−Thz):(S)−2−(メチルアミノ)−3−(チアゾール−4−イル)プロパン酸
MePhe(3−Cl):(S)−3−(3−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)プロパン酸
Hyp(Et):(2S,4R)−4−エトキシピロリジン−2−カルボン酸
γEtAbu:4−(エチルアミノ)ブタン酸
nPrGly:2−(プロピルアミノ)酢酸
MePhe:(S)−2−(メチルアミノ)−3−フェニルプロパン酸
MeAla:(S)−2−(メチルアミノ)プロパン酸
MeGly:2−(メチルアミノ)酢酸
Pro:(S)−ピロリジン−2−カルボン酸
Thr:(2S,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシブタン酸
Phg:(S)−2−アミノ−2−フェニル酢酸
Ile:(2S,3S)−2−アミノ−3−メチルペンタン酸
Val:(S)−2−アミノ−3−メチルブタン酸
Asp:(S)−2−アミノコハク酸
Trp:(S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパン酸
DTyr:(R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸
Phe(4−CF3):(S)−2−アミノ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸
Ser:(S)−2−アミノ−3−ヒドロキシプロパン酸
Met(O2):(S)−2−アミノ−4−(メチルスルホニル)ブタン酸
βAla:3−アミノプロパン酸
Ala:(S)−2−アミノプロパン酸
Gly:2−アミノ酢酸
MeSer:(S)−3−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)プロパン酸
実施例中のFmocアミノ酸の保護基の構造を下記に示す。なお、下記構造中の*印にてそれぞれFmocアミノ酸の極性基と結合している。
ペプチド伸長に用いるFmocアミノ酸のうち、Fmoc-MePhe-OH、Fmoc-MeAla-OH、Fmoc-MeGly-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Thr(Trt)-OH、Fmoc-Phg-OH、Fmoc-Ile-OH、Fmoc-Val-OH、Fmoc-Asp(OPis)-OH、Fmoc-Trp-OH、Fmoc-DTyr(tBu)-OH、Fmoc-Phe(4-CF3)-OH、Fmoc-Ser(Trt)-OH、Fmoc-Met(O2)-OH、Fmoc-βAla-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Gly-OHは、渡辺化学工業、米国Chempep社、米国Chem-Impex社のいずれかから購入したものを用いた。
Fmoc−MeAla(4−Thz)−OH(化合物SP811)、Fmoc−MePhe(3−Cl)−OH(化合物SP812)はスキームK−1に示すスキームに従って合成した。Fmoc−Hyp(Et)−OH(化合物SP813)、Fmoc−γEtAbu−OH(化合物SP814)、Fmoc−nPrGly−OH(化合物SP815)はスキームK−2に示すスキームに従って合成した。Fmoc−MeSer(DMT)−OH(化合物SP816)はスキームK−3に示すスキームに従って合成した。
5-オキソ-4-(チアゾール-4-イルメチル)オキサゾリジン-3-カルボン酸 (S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(化合物SP817)の合成
窒素雰囲気下、(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-(チアゾール-4-イル)プロパン酸(Fmoc-Ala(4-Thz)-OH、化合物SP818)(50g、127mmol)、カンファースルホン酸(2.10g、9.04mmol)およびパラホルムアルデヒド(110g、3.66mol)をトルエン(2l)に溶解し、80℃で2日間攪拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄した。得られた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥後に減圧濃縮し、5-オキソ-4-(チアゾール-4-イルメチル)オキサゾリジン-3-カルボン酸 (S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(化合物SP817)(40.0g、98%)を粗生成物として得た。
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-(チアゾール-4-イル)プロパン酸(化合物SP811, Fmoc-MeAla(4-Thz)-OH)の合成
窒素雰囲気下、5-オキソ-4-(チアゾール-4-イルメチル)オキサゾリジン-3-カルボン酸 (S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(化合物SP817)(40.0g、98.4mmol)、トリフルオロ酢酸(245ml、3.18mol)およびトリエチルシラン(160ml、1.00mol)をジクロロメタン(1l)に溶解し、35℃で2日間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、ジエチルエーテルに溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した。水層を硫酸水素カリウム水溶液でpH3に調製し、ジクロロメタンで抽出した。得られた全有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後に減圧濃縮し、(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-(チアゾール-4-イル)プロパン酸(化合物SP811, Fmoc-MeAla(4-Thz)-OH)(35g、87%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 409 (M+H)+
保持時間:0.44分(分析条件SQDAA50)
4-(3-クロロベンジル)-5-オキソオキサゾリジン-3-カルボン酸 (S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(化合物SP819)の合成
化合物SP817の製造例と同様の条件で、(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-(チアゾール-4-イル)プロパン酸(化合物SP818)の代わりに、(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-(3-クロロフェニル)プロパン酸(化合物SP851)(60.0g、142mmol)を用いることで、4-(3-クロロベンジル)-5-オキソオキサゾリジン-3-カルボン酸 (S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(化合物SP819)(39.0g、63%)を得た。
(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-(3-クロロフェニル)プロパン酸(化合物SP812, Fmoc-MePhe(3-Cl)-OH)の合成
化合物SP811の製造例と同様の条件で、5-オキソ-4-(チアゾール-4-イルメチル)オキサゾリジン-3-カルボン酸 (S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(化合物SP817)の代わりに、4-(3-クロロベンジル)-5-オキソオキサゾリジン-3-カルボン酸 (S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(化合物SP819)(20.0g、46.1mmol)を用いることで、(S)-2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-3-(3-クロロフェニル)プロパン酸(化合物SP812)(17.0g、85%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 436 (M+H)+
保持時間:0.66分(分析条件SQDAA50)
(2S,4R)-1-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-4-エトキシピロリジン-2-カルボン酸(化合物SP813、 Fmoc-Hyp(Et)-OH)の合成
(2S,4R)-4-エトキシピロリジン-2-カルボン酸 塩酸塩(化合物SP820)(45g、230mmol)を1,4−ジオキサン(500ml)と水(500ml)の混合液に溶解し、炭酸カリウム(79.4g、574mmol)および炭酸 (2,5-ジオキソピロリジン-1-イル) (9H-フルオレン-9-イル)メチル(Fmoc−OSu、69.8g、207mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液をジエチルエーテルで洗浄し、水層を硫酸水素カリウム水溶液でpH3に調整し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後に減圧濃縮し、(2S,4R)-1-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-4-エトキシピロリジン-2-カルボン酸(化合物SP813、Fmoc−Hyp(Et)−OH)(90.7g、103%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 382 (M+H)+
保持時間:0.92分(分析条件SQDAA05)
4-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(エチル)アミノ)ブタン酸(化合物SP814、Fmoc-γEtAbu-OH)の合成
化合物SP813の製造例と同様の条件で、(2S,4R)-4-エトキシピロリジン-2-カルボン酸(化合物SP820)の代わりに、4−(エチルアミノ)ブタン酸 塩酸塩(化合物SP852)(7.00g、41.8mmol)を用いることで、4−((((9H−フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(エチル)アミノ)ブタン酸(化合物SP814、Fmoc-γEtAbu-OH)(9.60g、65%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 354 (M+H)+
保持時間:0.93分(分析条件SQDAA05)
(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(プロピル)アミノ)酢酸(化合物SP815)の合成
化合物SP813の製造例と同様の条件で、(2S,4R)−4−エトキシピロリジン−2−カルボン酸(化合物SP820)の代わりに、2−(プロピルアミノ)酢酸 塩酸塩(化合物SP821)(105g、684mmol)を用いることで、(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(プロピル)アミノ)酢酸(化合物SP815、Fmoc−nPrGly−OH)(215g、93%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 340 (M+H)+
保持時間:0.94分(分析条件SQDAA05)
(2S)−2−[9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル(メチル)アミノ]−3−ヒドロキシプロパン酸 (化合物SP823)の合成
窒素雰囲気下、FmocCl(1.35g、5.21mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を、N−メチル−L−セリン(化合物SP822)(621mg、5.21mmol)及び炭酸ナトリウム(580mg、5.47mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)−水(20mL)溶液に室温にて添加した。反応混合物を同温度にて20分間撹拌後、ジエチルエーテル(10mL)及びヘキサン(5mL)を添加した。得られた混合物を水で抽出し、水相をエーテル(15mL)にて洗浄後、濃塩酸(1mL)を添加した。得られた混合物を酢酸エチルにて3回抽出し、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液/0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液)にて精製し、(化合物SP823)(1.49g、84%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 342 (M+H)+
保持時間:0.67分(分析条件SQDFA05)
N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミニウム (S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)プロパン酸塩(化合物SP816)の合成
(2S)−2−[9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル(メチル)アミノ]−3−ヒドロキシプロパン酸(化合物SP823)(920mg、2.70mmol)を脱水ピリジン(2.5mL)に溶解し、減圧下濃縮した。この操作を2回繰り返した後、窒素雰囲気下、脱水ピリジン(2.5mL)に溶解し、4,4'−ジメトキシトリチルクロリド(931mg、2.75mmol)を室温にて添加した。反応混合物を同温度にて13時間撹拌後、減圧濃縮した。得られた残渣をクロロホルム(15mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム(5mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮してえられた粗生成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%ジイソプロピルエチルアミン含有ジクロロメタン/メタノール)にて精製し、(N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミニウム (S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)−3−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)プロパン酸塩(化合物SP816)(1.92g、92%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 642 (M−H)−
保持時間:0.72分(分析条件SQDAA50)
ペプチド合成の出発原料として、カルボン酸が1-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン基(Pis(4−CF3)基)で保護され、アミノ基がFmoc基で保護されたSerを担持させたレジンを用いた。その合成を以下に示す。
ペプチド合成に用いる、Fmocアミノ酸を担持させたレジンはスキームLに示すスキームに従って行った。
スキームL
2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−2−オール(化合物SP824)の合成
窒素雰囲気下、4−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(化合物SP825)(37.1g、181mmol)を脱水THF(90ml)に溶解させ、0℃にてメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.5M、360ml、544mmol)を2時間かけて滴下し、室温で30分間攪拌した。50%塩化アンモニウム水溶液をゆっくりと加えたのち、酢酸エチル(200ml×2)で抽出した。これを硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮をし、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/DCM=100/0→25/75)で精製し、2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−2−オール(化合物SP824)(84%、31.0g)を得た。
保持時間:0.73分(分析条件SQDFA05)
1H−NMR (Varian 400−MR,400 MHz,DMSO−D6) δ ppm 7.69 (2H, d, 8.7 Hz), 7.65(2H,8.7Hz),5.24 (1H, s), 1.45 (6H, s)
2,2,2−トリクロロアセトイミド酸 2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル(化合物SP853)の合成
2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−2−オール(化合物SP824)(27.0g、132mmol)をTHF(54ml)で3回共沸した。窒素雰囲気下、これを脱水THF(270ml)に溶解させ、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの脱水THF溶液(1.9M、13.9ml、26.4mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。これにトリクロロアセトニトリル(13.3ml、132mmol)を0℃で加え、30分間攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮をし、得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2,2,2−トリクロロアセトイミド酸 2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル(化合物SP853)(86%、39.7g)を得た。
保持時間:0.75分(分析条件SQDAA50)
1H−NMR (Varian 400−MR,400 MHz,DMSO−D6) δ ppm 9.17 (1H, s), 7.73 (2H, d, 8.5 Hz), 7.63 (2H, d, 8.5 Hz), 1.84 (6H, s)
2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸 (S)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル(化合物SP826、Fmoc−Ser−OPis(4−CF3))の合成
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸(化合物SP827、Fmoc−Ser−OH)(96.0g、292mmol)をTHF(100ml)で8回共沸した。窒素雰囲気下、これを脱水THF(200ml)に溶解させ、2,2,2−トリクロロアセトイミド酸 2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル(化合物SP853)(67.9g、195mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。反応混合物をそのままアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM)で精製して減圧下に濃縮した。さらに逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=95/5→0/100)にて精製し、2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸 (S)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル(化合物SP826、Fmoc−Ser−OPis(4−CF3)(38%、38.4g)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 536 (M+Na)+
保持時間:0.72分(分析条件SQDAA50)
2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸 (S)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル−トリチルレジン(化合物SP828、Fmoc−Ser(Trt−Resin)−OPis(4−CF3))の合成
なお、本明細書ではポリマー(例えばレジン)と化合物を結合させた場合、構造式ではポリマー部を○で示す場合がある。○が有する反応性官能基(下の場合にはトリチル基)を示してポリマーと化合物の反応点が理解しやすいように記載する場合がある。以下の例ではレジンのトリチル基とセリンのヒドロキシル基がエーテル結合にて結合しているため、レジンのトリチル基とセリンのエーテル結合部位を記載した。
フィルター付きの反応容器にトリチルクロライドレジン(100−200mesh、ChemPep社から購入、23.0g、25.3mmol)と脱水ジクロロメタン(200ml)を入れ、室温にて10分間振盪した。窒素圧をかけジクロロメタンを除いた後、2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸 (S)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル(化合物SP826)(6.49g)の脱水ジクロロメタン(150ml)溶液にDIPEA(11.0ml)を加えた混合液を反応容器に添加し、3時間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、脱水ジクロロメタン(300ml)に脱水メタノール(30.0ml)およびジイソプロピルエチルアミン(11ml)を加えた混合液を反応容器に添加し、90分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、ジクロロメタン(300ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、再度ジクロロメタン(300ml)を入れ、5分間振盪した。窒素圧をかけ反応液を除いた後、減圧下にレジンを終夜乾燥させ、2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−ヒドロキシプロパン酸 (S)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン−2−イル−トリチルレジン(化合物SP828、Fmoc−Ser(Trt−Resin)−OPis(CF3))(25.7g、ローディング率:0.347mmol、34.7%)を得た。
(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタン酸 2−クロロトリチルレジン(化合物SP864)の合成
化合物SP402の製造例と同様の条件で、(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4−オキソ−4−(ピペリジン−1−イル)ブタン酸(化合物SP401)の代わりに、(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタン酸(化合物SP863)を用いることで、(S)−3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタン酸 2−クロロトリチルレジン(化合物SP864)を得た。
化合物SP842、SP844、SP845、SP846、SP848、SP854、SP855、SP856の合成。
配列番号PE−2から配列番号PE−15の構造のうち、ランダム領域の13残基にC末端側のSerを追加した化合物(合計14残基ペプチド)を目的化合物が獲得できたことを確認するために合成した。さらに、数化合物については、直鎖部1に相当する部分を削除した11残基ペプチドも合成した。
ポリスチレンレジン(化合物SP828)を用い、Fmocアミノ酸として、Fmoc−MeAla(4−Thz)−OH(化合物SP811)、Fmoc−MePhe(3−Cl)−OH(化合物SP812)、Fmoc−MePhe−OH、Fmoc−MeSer(DMT)−OH(化合物SP816)、Fmoc−MeAla−OH、Fmoc−nPrGly−OH(化合物SP815)、Fmoc−MeGly−OH、Fmoc−Hyp(Et)−OH(化合物SP813)、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Thr(Trt)−OH、Fmoc−Phg−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Asp(Pis)−OH、Fmoc−Trp−OH、Fmoc−DTyr(tBu)−OH、Fmoc−Phe(4−CF3)−OH、Fmoc−Ser(Trt)−OH、Fmoc−Met(O2)−OH、Fmoc−γEtAbu−OH(化合物SP814)、Fmoc-βAla-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Gly-OHを用いて合成を行った。
縮合剤としてジイソプロピルカルボジイミドと、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)もしくはエチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセタート(Oxyma)を用い、Fmoc脱保護剤として5%のウレアを含む20%ピペリジンのジメチルホルムアミド溶液、洗浄溶媒として5%のウレアを含むジメチルホルムアミドを用いてペプチド鎖の伸長を行った。ペプチドの伸長後、N末端のFmoc基を脱保護し、レジンをジメチルホルムアミド、トリフルオロエタノール、ジクロロメタンで順に洗浄した。塩酸(ペプチドに対し10等量)のトリイソプロピルシラン/ジクロロエタン(=5/95、v/v)でペプチドのレジンからの切り出しを行った。反応終了後、チューブ内溶液を合成用カラムでろ過することでレジンを除き、反応液をジイソプロピルエチルアミン(ペプチドに対し10等量)と混合し、塩酸を中和した。レジンはジメチルホルムアミドで洗浄を行い、すべての溶液を混合した。
得られた溶液に、O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)と、ジイソプロピルエチルアミンを加えてペプチドの環化を行った。反応終了後、減圧下で溶媒留去した。
得られた残渣をジクロロエタンに溶解し、t−ブチルメチルエーテルを加え、ペプチドを沈殿させた。遠心分離にて上清を除き、残渣にトリフルオロ酢酸/トリイソプロピルシラン/ジクロロエタン(=5/5/90)を加え、Pis(4−CF3)を含む側鎖保護基の脱保護を行った。減圧下で溶媒留去し、得られた粗生成物を高速逆相クロマトグラフィー(HPLC)で精製を行った。
化合物SP842
配列番号PE−7に由来するペプチド
γEtAbu*−Thr−Phg−Ile−MeAla(4−Thz)−Trp−Trp−Phe(4−CF3)−DTyr−MePhe(3−Cl)−Asp*−Pro−MeGly−Ser−OH
(2つの*部位にて環化)
LCMS(ESI) m/z = 1945 (M+H)+
保持時間:0.81分(分析条件SQDFA05)
化合物SP844
配列番号PE−8に由来するペプチド
Ala*−Phe(4−CF3)−Trp−Trp−Val−MeGly−Gly−Pro−Hyp(Et)−Ser−Asp*−MeSer−Met(O2)−Ser−OH
(2つの*部位にて環化)
LCMS(ESI) m/z = 1678 (M+H)+
保持時間:0.64分(分析条件SQDFA05)
化合物SP845
配列番号PE−9に由来するペプチド
Ala*−MeAla(4−Thz)−Ile−Pro−Val−Trp−Trp−Phe(4−CF3)−Met(O2)−Val−Asp*−Trp−MeAla(4−Thz)−Ser−OH
(2つの*部位にて環化)
LCMS(ESI) m/z = 1955 (M+H)+
保持時間:0.82分(分析条件SQDFA05)
化合物SP846
配列番号PE−10に由来するペプチド
Ala*−Thr−Ile−Pro−DTyr−Trp−Trp−Phe(4−CF3)−Met(O2)−Val−Asp*−Trp−MeAla(4−Thz)−Ser−OH
(2つの*部位にて環化)
LCMS(ESI) m/z = 1952 (M+H)+
保持時間:0.75分(分析条件SQDFA05)
化合物SP848
配列番号PE−11に由来するペプチド
Ala*−Thr−Trp−Ile−MePhe−Phg−Trp−βAla−Phe(4−CF3)−Phg−Asp*−Val−Thr−Ser−OH
(2つの*部位にて環化)
LCMS(ESI) m/z = 1774 (M+H)+
保持時間:0.81分(分析条件SQDFA05)
化合物SP854
配列番号PE−13に由来するペプチド
Ala*−Pro−Val−Ile−MePhe−Met(O2)−Pro−MePhe(3−Cl)−Val−Met(O2)−Asp*−Pro−MeGly−Ser−OH
(2つの*部位にて環化)
LCMS(ESI) m/z = 1630 (M+H)+
保持時間:0.70分(分析条件SQDFA05)
化合物SP855
配列番号PE−14に由来するペプチド
Ala*−Ile−Ile−MeAla(4−Thz)−Trp−Pro−MePhe(3−Cl)−Met(O2)−DTyr−βAla−Asp*−Pro−MePhe(3−Cl)−Ser−OH
(2つの*部位にて環化)
LCMS(ESI) m/z = 1836 (M+H)+
保持時間:0.80分(分析条件SQDFA05)
化合物SP856
配列番号PE−15に由来するペプチド
γEtAbu*−Ile−Val−Trp−MePhe(3−Cl)−Met(O2)−Pro−MePhe(3−Cl)−DTyr−Met(O2)−Asp*−MeAla(4−Thz)−MeAla−Ser−OH
(2つの*部位にて環化)
LCMS(ESI) m/z = 1944 (M+H)+
保持時間:0.76分(分析条件SQDFA05)
化合物SP859の合成。
Ala*−Pro−Val−Ile−MePhe−Met(O2)−Pro−MePhe(3−Cl)−Val−Met(O2)−Asp*−Pro−MeGly−Ser−NH(CH
2)
2NMe
2
(2つの*部位にて環化)
SP854(Ala*−Pro−Val−Ile−MePhe−Met(O2)−Pro−MePhe(3−Cl)−Val−Met(O2)−Asp*−Pro−MeGly−Ser−OH)をDMF(200μl)に溶解し、N1,N1-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(1.43μl、13.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(3.82μl、22.0μmol)、O−(7−アザー1Hベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,Nテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)(5.00mg、13.0μmol)のジメチルスルホキシド(10.0μl)溶液を加え、30分攪拌した。得られた残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール)にて精製し、化合物SP859(Ala*−Pro−Val−Ile−MePhe−Met(O2)−Pro−MePhe(3−Cl)−Val−Met(O2)−Asp*−Pro−MeGly−Ser−NH(CH2)2NMe2)(6.8mg、91%)を得た。
LCMS(ESI) m/z = 1698 (M−H)−
保持時間:0.59分(分析条件SQDFA05)
4.Surface plasmon resonance (SPR) を利用した合成ペプチドの標的タンパク質への結合評価
4−1.TNFαへの結合評価
試薬として、以下のものを使用した。Dimethylsulfoxyde (DMSO), phosphate buffered saline (以上Sigma-Aldrich Co. LLC.),surfactant P-20 (GE healthcare)
合成ペプチドとTNFαとの相互作用解析のSPR実験はBiacoreT200 (GE healthcare) を用いて、20 oCにて実施した。固定化したタンパク質に対して、合成ペプチドを添加し、相互作用を評価した。
ランニングバッファーとして上述のphosphate buffered salineにSurfactant P-20およびDMSOをそれぞれ終濃度0.01vol%, 5vol%となるように添加したものを用いた。ビアコア用センサーチップ Series S sensor chip CAP (GE healthcare) 上に取扱指示書にしたがってCAP reagentを固定化し, ビオチン化したTNFαを固定化させた。解離定数(KD)を測定するため、各合成ペプチドを複数の濃度で添加し、固定化TNFαに対する結合のセンサーグラムを得た。
得られたセンサーグラムの解析は、T200 evaluation software (GE healthcare)またはScrubber2 (Biologic software) を用いて行った。まず、DMSOに対する溶媒補正およびダブルリファレンス (TNFαが固定化されていないフローセルへのセンサーグラム、およびバッファーを添加した場合のセンサーグラムを差し引くことによる補正) を行い、次に、補正後のセンサーグラムに対するカーブフィッティングから、結合速度定数(kon)、解離速度定数(koff)を算出し、KDをKD=koff/konの関係式を用いて決定した。
以上のように解析して得られたKDを以下の表26に示す。
4−2.IL-6Rへの結合評価
試薬として、以下のものを使用した。Dimethylsulfoxyde (DMSO) (Sigma-Aldrich Co. LLC.), HBS-EP, Surfactant P-20 (以上GE healthcare)
合成ペプチドとIL-6Rとの相互作用解析のSPR実験は、BiacoreT200 (GE healthcare) を用いて、20 oCにて実施した。固定化したIL-6Rに対して、合成ペプチドを添加し、相互作用を評価した。
ランニングバッファーとして、上述のHBS-EPにSurfactant P-20およびDMSOをそれぞれ終濃度0.01vol%, 1vol%となるように添加したものを用いた。
ビアコア用センサーチップ Series S sensor chip CAP, (GE healthcare) 上に取扱指示書にしたがってCAP reagentを固定化し, さらにビオチン化IL-6Rを固定化した。
解離定数(KD)を測定するため、各合成ペプチドを複数の濃度で添加し、固定化IL-6Rに対する結合のセンサーグラムを得た。
得られたセンサーグラムの解析は、T200 evaluation software (GE healthcare)またはScrubber2 (Biologic software) を用いて行った。まず、DMSOに対する溶媒補正およびダブルリファレンス (IL-6Rが固定化されていないフローセルへのセンサーグラム、およびバッファーを添加した場合のセンサーグラムを差し引くことによる補正) を行い、次に、補正後のセンサーグラムに対するカーブフィッティングから、結合速度定数(kon)、解離速度定数(koff)を算出し、KDをKD=koff/konの関係式を用いて決定した。
以上のように解析して得られたKDを以下の表27に示す。
5.細胞を用いたIL-6R阻害実験
[実施例27]Human gp130発現Ba/F3細胞を用いた合成ペプチドの中和活性評価
実施例26にて確認されたhuman IL-6 receptor(hIL-6R)結合活性を有する合成ペプチドの阻害活性は、human gp130 cDNAを導入し強制発現させることによってhIL-6及び可溶型hIL-6R(shIL-6R)用量依存的に増殖するBa/F3細胞株(gp130 Ba/F3細胞)を用いて評価した。また、カウンターアッセイとしてgp130 Ba/F3細胞のmouse IL-3 (mIL-3)用量依存的な増殖に対する合成ペプチドの影響を評価した。
まず、gp130 Ba/F3細胞を培養液(10%FBS(Moregate Biotech)、100 units/mL Penicillin - 100 μg/mL Streptomycin(GIBCO)を含むRPMI1640(GIBCO))にて1.5×105個 /mLになるように調製し、96well flat bottom plate(CORNING)に50 μLずつ播種した。引き続き、60 ng/mLのhIL-6(鎌倉テクノサイエンス)及びshIL-6R(中外製薬株式会社)または100 pg/mLのmIL-3(R&D Systems)を含む培養液を25 μLずつ添加した。続いて、実施例26にて選択、合成した合成ペプチドを希釈公比2、合計6系列となるようにDMSOおよび培地を用いて調製した(final conc.;≦100 μmol/L)。調製した合成ペプチドをDMSOの最終濃度が0.25%となるように25μLずつ加え、37℃、5% CO2インキュベーターで3日間培養した。培養終了後、各wellにCell Counting Kit-8(DOJINDO)とPBS(-)を等量混合した溶液を20 μLずつ添加し、マイクロプレートリーダー(Bio-Rad Laboratories, Inc.)にて吸光度(450 nm/620 nm)を測定した(前値)。3〜4時間ののち、再度プレートリーダーを用いて吸光度を測定した(後値)。後値から前値を差し引いた値を細胞増殖算出値として、阻害率を計算した。
hIL-6、shIL-6R、mIL-3非存在下かつ合成ペプチド非存在下の細胞増殖算出値の平均値(A)を100%阻害、hIL-6及びshIL-6RまたはmIL-3存在下かつ合成ペプチド非存在下の細胞増殖算出値の平均値(B)を0%阻害として、hIL-6及びshIL-6RまたはmIL-3存在下かつ合成ペプチド存在下の細胞増殖算出値(C)から合成ペプチドの各濃度の阻害率を算出した。
阻害率(%)=(B−C)/(B−A) x 100
その結果、実施例26にて選択、合成した合成ペプチドはgp130 Ba/F3細胞のhIL-6及びshIL-6Rによる細胞増殖を濃度依存的に抑制することが明らかになり、ヒトIL-6シグナリングに対する特異的な阻害活性を有することが示された(図73)。