JPH0681759B2 - ポリペプチドの製造方法 - Google Patents

ポリペプチドの製造方法

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JPH0681759B2
JPH0681759B2 JP63080116A JP8011688A JPH0681759B2 JP H0681759 B2 JPH0681759 B2 JP H0681759B2 JP 63080116 A JP63080116 A JP 63080116A JP 8011688 A JP8011688 A JP 8011688A JP H0681759 B2 JPH0681759 B2 JP H0681759B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリペプチドの製造方法に関し、特にはTyrとS
erおよび/またはThr残基を有するポリペプチドのTyrの
OH基を選択的に硫酸化する方法に関するものである。
(従来の技術) ポリペプチドは遺伝子操作の研究対象となるタンパク質
として近年大いに注目され、各種のポリペプチドが合成
されている。この合成法としては固相法と液相法が知ら
れているが、固相法は得られるペプチドの純度が低く、
最終工程での精製に多くの困難があるため工業的製法と
しては適当でない。一方、液相法にはステップワイズ法
とフラグメント縮合法があるが、前者は固相法と同様に
生成物の精製が困難であるため、後者のフラグメント縮
合法が多く利用されている。フラグメント縮合法は合成
をフラグメントごとに分割できるので損失が少なくで
き、最終生成物の純度も高く、生成しやすい利点を持つ
反面、縮合反応においてC末端アミノ酸残基がラセミ化
を受けやすい欠点を伴うため、フラグメントの組合せを
どのように選ぶかが重要である。
これまで、ポリペプチドとしてヒトコレシストキニン
(hCCK-33)をフラグメント縮合法で全合成する試みが
なされてきたが、いずれも成功していない。その理由は
保護基を有する複数個のフラグメントを順次アジド縮合
させる場合に、アミノ酸残基(SerまたはThr)の存在下
にTyr残基のみを選択的に硫酸化する試薬がなく、かつ
試薬による硫酸化は目的とするTyr-OHに起こらず、優先
的にSer-OHまたはThr-OHに起こるためである。
本発明者らはこの点について種々検討の結果、塩基性条
件下において脱保護可能なアミノ基およびTyr残基を選
択的に硫酸化できる試薬と方法を見出し本発明を完成す
ることができた。
(発明の構成) 本発明はTyrとSerおよび/またはThr残基を有する出発
物質としてのポリペプチドのアミノ基を塩基性条件下に
おいて脱離可能なアミノ保護基で保護し、ターシャリブ
チルジフェニルシリル基(tBuPh2Si)によりSerおよび
/またはThrのOH基をマスキングした後、TyrのOH基を選
択的に硫酸化し、ターシャリブチルジフェニルシリル基
とアミノ保護基を脱保護することを特徴とするポリペプ
チドの製造方法を要旨とするものである。
以下、本発明を詳しく説明するが、この説明において用
いたアミノ酸はグリシンを除きいずれもL型のものであ
り、アミノ酸の略号は英文3文字による一般の用法に従
い、その他の略号は次の通りである。
Bzl:ベンジル CHA:シクロヘキシルアミン Chp:シクロヘプチル Cl2-Bzl:2,6−ジクロロベンジル DCHA:ジシクロヘキシルアミン DMF:ジメチルホルムアミド DMSO:ジメチルスルホキシド EDT:エタンジチオール Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル HMPA:ヘキサメチルホスホアミド Mts:メシチレン−2−スルホニル NMM:N−メチルモルホリン (O):スルホキシド Su:N−ヒドロキシサクシンイミジル TEA:トリエチルアミン TFA:トリフルオロ酢酸 THF:テトラヒドロフラン TMSOTf:トリメチルシリルトリフルオロメタンス ルホネート tBuPh2Si:tert−ブチルジフェニルシリル tBuMe2Si:tert−ブチルジメチルシリル Me3Si:トリメチルシリル Z:ベンジルオキシカルボニル Z(OMe):p−メトキシベンジルオキシカルボニル 本発明の方法はTyrとSerおよび/またはThr残基を有す
るポリペプチドを出発物質とするのであり、ヒトコレシ
ストキニン(hCCK-33)の未硫酸化形がこれに該当す
る。
したがって、以下フラグメント縮合法によるhCCK-33の
合成を例として本発明を説明する。
本発明の方法は次の3段階の工程からなる。すなわち、
第1段階は保護基を有するhCCK-33の合成、第2段階は
保護基の除去・脱離による硫酸化されていないhCCK-33
の取得、そして第3段階はTyr残基の選択的硫酸化であ
る。
第1段階においては第1図に示すように下記7個のポリ
ペプチドフラグメントを順次アジド法で縮合させること
によって保護基を有するhCCK-33が合成される。
(1)H−Asp(OChp)−Arg(Mts)−Asp(OChp)−Ty
r-Met(O)−Gly-Trp(Mts)−Met(O)−Asp(OCh
p)−Phe-NH2 (2)Z(OMe)−His-Arg(Mts)−Ile-Ser-NHNH2 (3)Z(OMe)−Asp(OBzl)−Pro-Ser(Bzl)−NHNH
2 (4)Z(OMe)−Asn-Leu-Gln-Asn-Leu-NHNH2 (5)Z(OMe)−Ser(Bzl)−Ile-Val-Lys(Z)−NH
NH2 (6)Z(OMe)−Gly-Arg(Mts)−Met(O)−NHNH2 (7)Z(OMe)−Lys(Z)−Ala-Pro-Ser-NHNH2 この場合フラグメント(1)は第2図に示すように、最
初にTyr(Cl2-Bzl)を用い、Suエステル法によりZ(OM
e)−Tyr(Cl2-Bzl)−OHを、Z(OMe)−Met(O)−G
ly-Trp(Mts)−Met(O)−Asp(OChp)−Phe-NH2のTF
A処理試料と縮合させることによって得られる。
第2図の方法で得られたC末端デカペプチドアミド
(1)(位置24〜33)から出発して各フラグメントを順
次縮合させる場合、DMF-DMSO-HMPA(1:1:1)を用いてフ
ラグメントを溶解し、アシル成分を1.5〜5当量用いて
反応の完結に努めた。過剰のアシル成分を用いたが、各
反応は過アシル化することなく、スムースに進行した。
反応後過剰のアシル成分は再沈殿法ないしはゲルろ過に
よって精製した。
酸加水分解の生成物中のアミノ酸組成比は第1表に示す
通りである。これによって保護されたhCCK-33を合成す
るルートが確立できた。
第2段階として保護されたhCCK-33からすべての保護基
を除いて硫酸化されていないhCCK-33を得た。保護基を
除くに先立って、Met(O)残基をフェニルチオトリメ
チルシランで処理してMetに還元し、還元されたペプチ
ドをTMSOTf−チオアニソール/TFAで処理して、すべての
保護基を除いた。保護基を除去したペプチドをSephadex
G-25を用いてゲルろ過し、重炭酸アンモニウム緩衝液
を使用してCM−トリスアクリルM上でイオン交換クロマ
トグラフィーを行った。合成された硫酸化されていない
hCCK-33の均質性を、6N塩酸による加水分解後のアミノ
酸分析と逆相系カラムを用いたHPLCによって確かめた。
次に第3段階としてTyr残基を選択的に硫酸化するので
あるが、このためにTyr、Ser、Trp、Met、HisおよびLys
について若干のモデル実験を行った。
本発明者らはこのモデル実験からSer-OHがTyr-OHより遥
かに速い速度でシリル化されることを発見した。ピリジ
ン−SO3錯体で行う硫酸化の条件下24時間後の時点で、S
er(Me3Si)誘導体およびSer(tBuMeSi)誘導体は分解
されるが、Ser(tBuPh2Si)誘導体はそのままの形で残
ることがわかり、シリル化剤としてtBuPh2Si塩化物を選
択するに至った。tBuPh2Si塩化物によるZ(OMe)−Ser
-OMeのシリル化はイミダゾールの存在下で30分以内に定
量的に進行した。一方、この条件でTyr-OHは一部シリル
化されるのであるが、氷冷下フェノール化合物の添加に
よりこれを抑制できることが判った。フェノール化合物
として3種類を選んで試験を行ったが、この中でフェノ
ールが最も良い結果を与えた。
第3図に示されるように、フェノール(20当量)の添加
はTyr-OHのシリル化を46%から31%(4時間後)に抑制
する。tBuPh2Si基はDMF中の1Mのテトラブチルアンモニ
ウムふっ化物(Bu4NF)による簡単な処理(0℃、60
分)で分解されることが知られているが、これに対して
Tyr(SO3H)はこのハード塩基処理の下に安定であっ
た。薄層クロマトグラフィー(TLC)で検査したとこ
ろ、シリル化および脱シリル化の条件の下にHis、Mrtお
よびTrpは不変に残っていた。これらのモデル実験からS
er-OHの存在下でのTyr-OHの優先的硫酸化はtBuPh2Si基
によるSer-OHの水酸基の可逆的マスキングによって行わ
れると結論された。なお、ThrはhCCK-33中には無い。
1970年にカルピノ(Carpino)とハン(Han)により塩基
で除去可能なアミノ保護基として紹介されたFmoc基は、
DMF中の1MのBu4NFによる処理で、tBuPh2Si基と共に分解
されることがわかったので、本発明では硫酸化に先立っ
て二つのLys残基(位置1、11)のα−およびε−アミ
ノ官能基をFmoc基でマスクした。TLCで検査すると、Tyr
のFmoc-OSuによる部分的アシル化はフェノールの添加に
より効果的に抑制されていた。
最近になって、アセチル硫酸ピリジニウム(PAS試薬)
がペンケ(Penke)らによって硫酸化剤として紹介され
た。この試薬はペンケらによりDMF−ピリジン中で、ク
ラノ(Kurano)らによりTFA中で、Ser-OHをそれぞれア
セチル基またはフェノキシアセチル基でマスクした後、
ブタCCK-33の製造に使用された。
Tyr(SO3H)の酸不安定性および本発明の場合の未硫酸
化hCCK-33中のマスクされていないTrp残基の存在を考慮
して、本発明では塩基性の条件下にTyr残基を硫酸化し
た。DMF中のピリジンの存在の下では、ピリジン−SO3
体はPAS試薬よりも容易にZ(OMe)−Tyr-OMeを硫酸化
した(第4図)。
Z(OMe)−Ser-OMeの硫酸化反応でも同様の傾向が観察
された。TLCで検査すると、Hisはピリジン−SO3錯体に
より部分的に硫酸化されていたが(4時間後、32%)水
の添加により60分以内に定量的にHisが再生された。硫
酸化の間のMetの部分的酸化およびTrpの変化を抑制する
にはEDTの使用が有効であった。第4図はDMF−ピリジン
中でのピリジン−SO3錯体またはアセチル硫酸ピリジニ
ウムによるZ(OMe)−Tyr-OMeおよびZ(OMe)−Ser-O
Meの硫酸化を示すものである。
これらのモデル実験の後、第1図および第5図に示すよ
うに、前記未硫酸化形のhCCK-33に対し、次の反応を逐
次行わせて硫酸化hCCK-33に転化させた。: 1)TEAの存在下にFmoc-OSuで処理して、すべてのアミ
ノ官能基を保護した(0℃、2時間)。Tyr残基を保護
するためにフェノールを加えた。
2)イミダゾールの存在下にtBuPh2Si-Clで処理して、
4個のSer-OH官能基を優先的に保護した(4℃、14時
間、モデル実験より長い時間)。フェノールを加えてTy
r残基のシリル化を最小にした。
3)20%のピリジンを含むDMF中のピリジン−SO3錯体で
の処理によりTyr-OHを硫酸化(25℃、24時間)し、EDT
を加えてMetとTrpを保護した。
4)DMF中の1MのBu4NFで処理して、tBuPh2Si保護基とFm
oc保護基を除去した(4℃、1時間、次いで25℃、1時
間)。EDTを添加してFmoc基から由来するジベンゾフル
ベンをクエンチングさせた。
このようにして硫酸化されたhCCK-33の粗試料を、0.2M
のNH4HCO3緩衝液による傾斜溶離法を用いてCM−トリス
アクリルM上でイオン交換クロマトグラフィーにかけ、
次いで0.1MのAcONH4溶液中のMeCN(31%)を用いるアイ
ソクラチックエルーション(isocratic elution)によ
るAsahipak ODP-50カラムでのHPLCで精製した。前者の
精製は過度に硫酸化されたhCCKと未硫酸化hCCKを除去す
るのに有効であった。このHPLCカラムでは、YMC-ODS 30
2カラムより、所望の生成物の分離がより良好であっ
た。総合収率は未硫酸化hCCK-33より計算して15%であ
った。収率は用いられたシリル化条件に全く依存するよ
うに思われる。最適のシリル化条件は確認されていない
がシリル化を25℃、3時間で行ったときの収率は13%で
あった。
このようにして得られた合成hCCK-33の純度は分析的HPL
Cと酸加水分解後のアミノ酸分析によって確かめられ
た。Try(SO3 -)の存在はロイシン−アミノペプチダー
ゼ(LAP)消化によって確認された。
合成hCCK-33は並行して合成hCCK−8によるバイオアッ
セイにかけられ、活性が測定された。バイオアッセイは
ペントバルビタールで麻酔された雑種犬(n=4)にお
けるすい臓毛細血管流とすい臓のタンパク質放出で行わ
れた。すい臓毛細血管の血液流はレーザードップラー灌
流モニターで測定し、すい臓のタンパク質の濃度はロー
リ(Lowry)らの方法で測られた。
大腿静脈カテーテルを経て、合成hCCK-33およびCCK−8
のBolus注射(1.0、3.125、6.25、12.5、25、50、100、
200ピコモル/kg・体重)が60分の間隔を置いて与えられ
た。すい臓血管流は合成hCCK-33の投与により、用量に
従って増加した。すい臓のタンパク質放出も合成hCCK-3
3の投与により、用量に従って増加した。3.125ピコモル
/kgの最小用量で増加効果が観察された。最大の効果は
用量200ピコモル/kgで観察された。すい臓毛細血管血液
流およびすい臓のタンパク質放出に対する影響に関して
は、モル量を基準として、合成hCCK-33の活性が合成CCK
−8の活性の92%であった。ラットの生体標本における
胃酸、ペプシン放出、すい臓分泌から見ると、合成hCCK
-33はモル基準でCCK−8の約2ないし3倍強力であっ
た。切離されたモルモツトの胃組織からペプシノーゲン
分泌の刺激においては、モル基準で合成hCCK-33はCCK−
8と同程度に有効であった。モル基準でCCK−8は全ブ
タCCK-33分子の2.5倍強力であった。従って、本発明に
よる合成hCCK-33は天然のブタCCK−33の活性に匹敵する
か、これより高い活性を持つものと判断できる。前記犬
アッセイ系では、未硫酸化hCCK-33の活性はCCK−8の活
性(モル基準で1とする)に対する比が0.074であった
ので、CCKの生体活性にとって分子の硫酸部分が重要な
役割をしていることが確かめられた。
第6図は麻酔された犬における3種のCCK−ペプチドに
応答したすい臓のタンパク質放出の増加を示すものであ
る。
本発明によれば、ペンケおよびクラノらによって報告さ
れたブタCCK-33の合成と異なり、ペプチドを強塩基にさ
らすことなく、高度に活性なhCCK-33製品を得ることが
できる。
(実施例) つぎに本発明の方法によるヒトコレシストキニンhCCK-3
3の合成について実施例を挙げてさらに具体的に説明す
る。
なお、Rf値はシリカゲル(メルク社製キーゼルゲルG)
上の薄相クロマトグラフィー(TLC)にて下記混合溶媒
を用いて測定したものである。
ニンヒドリン発色の強さは島津二波長TLCスキヤナー型C
S-900で測定した。Fab-MSスペクトルはFABイオン源とJE
OL JM HX-100二重収束質量分析計で得た。LAPはシグマ
社Lot No.L-6007で、CCK−8はタンパク質研究所から購
入し、HPLCはWaters 204 modelで行った。すい臓毛細管
血液流はレーザードップラー灌流モニター(米国ワシン
トン州シアトルモデルパシフィック社のモデルLD5000)
を使用した。
「洗浄操作」は特記しない限り溶媒を蒸発した後、残滓
を5%クエン酸およびエーテルで処理し、得られた粉末
を5%クエン酸、5%NaHCO3、および水で洗い、適当な
溶媒から再結晶または沈殿させる操作を意味する (1) Z(OMe)−Tyr(Cl2-Bzl)−Met(O)−Gly-
Trp(Mts)−Met(O)−Asp(OChp)−Phe-NH2〔1〕
(位置27〜33)の製法 TFAで処理したZ(OMe)−Met(O)−Gly-Trp(Mts)
−Met(O)−Asp(OChp)−Phe-NH2(4.57g、3.63ミリ
モル)を、TEA(0.51ml、1当量)を含むDMF(25ml)中
に溶解し、次いでZ(OMe)−Tyr(Cl2-Bzl)−OSu(2.
62g、1.2当量)及びNMM(0.40ml、1当量)を加え、混
合物を一夜かきまぜた。生成物を、洗浄操作と、次にAc
OEtを含むDMFから沈殿させることにより精製した: 物理的定数と分析データは、保護された中間体のそれら
のものと共に、第2表に示されている。
(2) Z(OMe)−Asp(OChp)−Tyr(Cl2-Bzl)−Me
t(O)−Gly-Trp(Mts)−Met(O)−Asp(OChp)−P
he-NH2〔1〕(位置26〜33)の製造 前記7個残基のペプチドアミドのTFAで処理した試料
(4.95g、3.13ミリモル)を、TEA(0.43ml、1当量)を
含むDMF(30ml)中に溶解し、次にTHF(15ml)中のZ
(OMe)−Asp(OChp)−OSu〔DCHA塩2.70g、1.5当量か
ら調製〕とNMM(0.41ml、1.2当量)を添加し、混合物を
一夜かきまぜた。生成物に洗浄操作を施し、次いでAcOE
tを含むDMFから沈殿させて、精製した: (3) Z(OMe)−Arg(Mts)−Asp(OChp)−Tyr(C
l2-Bzl)−Met(O)−Gly-Trp(Mts)−Met(O)−As
p(OChp)−Phe-NH2〔1〕(位置25〜33)の製造 前記8個残基のペプチドアミドのTFAで処理した試料
(4.75g、2.65ミリモル)を、TEA(0.37ml、1当量)を
含むDMF(30ml)中に溶解し、次いでTHF(20ml)中のZ
(OMe)−Arg(Mts)−OSu(CHA塩3.28g、2当量から調
製)とNMM(0.35ml、1.2当量)を加え、混合物を一夜か
きまぜた。生成物に洗浄操作を施して、次いでAcOEtを
含むDMFから沈殿させて精製した: (4) Z(OMe)−Asp(OChp)−Arg(Mts)−Asp(O
Chp)−Tyr(Cl2-Bzl)−Met(O)−Gly-Trp−(Mts)
−Met(O)−Asp(OChp)−Phe-NH2〔1〕(位置24〜3
3)の製造 前記9個残基のペプチドアミドのTEAで処理した試料
(4.15g、1.95ミリモル)をTEA(0.27ml、1当量)を含
むDMF(40ml)中に溶解し、次いでTHF(15ml)中のZ
(OMe)−Asp(OChp-OSu〔DCHA塩1.68g、1.5当量から調
製とNMM(0.26ml、1.2当量)を加え、混合物を18時間か
きまぜた。生成物に洗浄操作を施し、次にMeOHを含むDM
Fから沈殿させて精製した: (5) Z(OMe)−His-Arg(Mts)−Ile-Ser-Asp(OC
hp)−Arg(Mts)−Asp(OChp)−Tyr(Cl2-Bzl)−Met
(O)−Gly-Trp(Mts)−Met(O)−Asp(OChp)−Ph
e-NH2(位置20〜33)の製造 DMF(40ml)のフラグメント〔2〕(7.99g、2当量)か
ら調製したアジド体とNMM(0.61ml、1.2当量)とを、TE
A(0.64ml、1当量)を含むDMF(30ml)中のフラグメン
ト〔1〕のTFA処理試料(10.73g、4.58ミリモル)の氷
冷溶液に加え、混合物を一夜かきまぜた。生成物に洗浄
操作を施した後、MeOHを含むDMFから沈殿させて精製し
た: このものの物理恒数及び分析データは、他の保護基を有
するペプチドについての結果と共に、第3表に示した。
(6) Z(OMe)−Asp(OBzl)−Pro-Ser(Bzl)−Hi
s-Arg(Mrs)−Ile-Ser-Asp(OChp)−Arg(Mts)−Asp
(OChp)−Tyr(Cl2-Bzl)−Met(O)−Gly-Trp(Mt
s)−Met(O)−Asp(OChp)−Phe-NH2(位置17〜33)
の製造 DMF(10ml)中のフラグメント〔3〕3.46g(1.5当量)
から調製したアジド体とNMM(0.52ml、1.2当量)とを、
TEA(0.55ml、1当量)を含むDMF(30ml)中の前記17個
残基のペプチドアミドのTFA試料の氷冷溶液に加え、混
合物を一夜かきまぜた。生成物に洗浄操作を施し、AcOE
tを含むDMFから沈殿させて精製した: (7) Z(OMe)−Asn-Leu-Gln-Asn-Leu-Asp(OBzl)
−Pro-Ser(Bzl)−His-Arg(Mts)−Ile-Ser-Asp(OCh
p)−Arg(Mts)−Asp(OChp)−Tyr(Cl2-Bzl)−Met
(O)−Gly-Trp(Mts)−Met(O)−Asp(OChp)−Ph
e-NH2(位置12〜33)の製造 DMF-DMSO-HMPA(1:1:1、90ml)中のフラグメント〔4〕
7.57g(4当量)から調製したアジド体とTEA(0.41ml、
1.2当量)とを、TEA(0.34ml、1当量)を含むDMF(30m
l)中の前記17個残基のアミドのTFA処理試料(8.50g、
2.43ミリモル)の氷冷溶液に加え、混合物を48時間かき
まぜた。生成物をSepha-dex LH-60でゲルろ過し、AcOEt
を含むDMFから沈殿させて精製した: (8) Z(OMe)−Ser(Bzl)−Ile-Val-Lys(Z)−
Asn-Leu-Gln-Asn-Leu-Asp(OBzl)−Pro-Ser(Bzl)−H
is-Arg(Mts)−Ile-Ser-Asp(OChp)−Arg(Mts)−As
p(OChp)−Tyr(Cl2-Bzl)−Met(O)−Gly-Trp(Mt
s)−Met(O)−Asp(OChp)−Phe-NH2(位置8〜33)
の製造 DMF(20ml)中のブラグメント〔5〕から調製したアジ
ド体(2.10g、4当量)とTEA(0.10ml、1.2当量)を、T
EA(86μl、1当量)を含むDMF(10ml)中の前記22個
残基ペプチドアミドのTEA処理試料(2.53g、0.62ミリモ
ル)の氷冷溶液に加え、混合物を一夜かきまぜた。生成
物をSephadex LH-60でゲルろ過した後、AcOEtを含むDMF
から沈殿させて精製した: (9) Z(OMe)−Gly-Arg(Mts)−Met(O)−Ser
(Bzl)−Ile-Val-Lys(Z)−Asn-Leu-Gln-Asn-Leu-As
p(OBzl)−Pro-Ser(Bzl)−His-Arg(Mts)−Ile-Ser
-Asp(OChp)−Arg(Mts)−Asp(OChp)−Tyr(Cl2-Bz
l)−Met(O)−Gly-Trp(Mts)−Met(O)−Asp(OC
hp)−Phe-NH2(位置5〜33)の製造 DMF(5ml)中のフラグメント〔6〕から調製したアジド
体(0.98g、4当量)とNMM(0.15ml、4当量)とを、TE
A(46μl、1当量)を含むDMF(5ml)中の前記26個残
基のペプチドのTFA処理試料(1.51g、0.33ミリモル)の
氷冷溶液に加え、混合物を一夜かきまぜた。生成物に洗
浄操作を施した後、MeOHを含むDMFから沈殿させて精製
した: (10) Z(OMe)−Lys(Z)−Ala-Pro-Ser-Gly-Arg
(Mts)−Met(O)−Ser(Bzl)−Ile-Val-Lys(Z)
−Asn-Leu-Gln-Asn-Leu-Asp(OBzl)−Pro-Ser(Bzl)
−His-Arg(Mts)−Ile-Ser-Asp(OChp)−Arg(Mts)
−Asp(OChp)−Tyr(Cl2-Bzl)−Met(O)−Gly-Trp
(Mts)−Met(O)−Asp(OChp)−Phe-NH2(保護され
たhCCK-33)の製造 DMF(5ml)中のフラグメント〔7〕から調製したアジド
体(0.81g、5当量)とNMM(38μl、5当量)とを、TE
A(32μl、1当量)を含むDMF(5ml)中の前記29個残
基のペプチドアミドのTFA処理試料(1.20mg、0.23ミリ
モル)の氷冷溶液に加え、混合物を24時間かきまぜた。
生成物をSephadex LH-60でゲルろ過し、次いでAcOEtを
含むDMFから沈殿させて精製した: (11) H−Lys-Ala-Pro-Ser-Gly-Arg-Met-Ser-Ile-Va
l-Lys-Asn-Leu-Gln-Asn-Leu-Asp-Pro-Ser-His-Arg-Ile-
Ser-Asp-Arg-Asp-Tyr-Met-Gly-Trp-Met-Asp-Phe-NH2(h
CCK-33の遊離形) DMF(3ml)中の保護されたhCCK-33(317mg、54.7マイク
ロモル)をフェニルチオトリメチルシラン(300μl、3
0当量)で室温において60分間処理した後、留去により
溶媒を除去し、AcOEtを加えて粉末を得た:収量289mg
(89%)、Rf10.72。
m−クレゾール(244μl、130当量)とEDT(38μl、2
3当量)の存在下に、保護されたhCCK-33の還元形(100m
g、17.4マイクロモル)をTFA(5ml)中の1MのTMSOTf−
チオアニソールで氷浴中2.5時間処理した後、乾燥エー
テルを加えた。得られた粉末を氷冷したMeOH-H2O(1ml-
2ml)中に溶解し、2−メルカプトエタノール(200μ
l)と1MのNH4F(600μl、36当量)とを加えた。溶液
のpHをTEAにより8.0に調整した後、30分後に1N AcOHで
6.0に調整した。遠心分離により多少の不溶物を除いた
後、溶液をSephadex G-25(3.3×105cm)のカラムに加
え1NのAcOHで溶離した。フロントメインピークに相当す
るフラクション(各8.0ml、管番号30〜44、280nmの紫外
線(UV)吸収の測定により監視)を集め、凍結乾燥によ
り溶媒を除去して粉末を得た:収量64.2mg(95.4%)。
次に、粗粉末をCM−トリスアクリルM(2.0×4.2cm)に
よるイオン交換クロマトグラフィーにかけ、pH7.9の1M
のNH4HCO3緩衝液(250ml)を含む混合フラスコを通しpH
7.9の0.2MのNH4HCO3緩衝液(250ml)の形成する線形傾
斜で溶離した。メインピークに相当するフラクション
(各8.2ml、管番号24〜31、280nmのUVで監視)を集め、
凍結乾燥で溶媒を除いて羽毛状の粉末を得た:20.1mg(3
1.1%)。
次の精製はSynchropak RPPカラム(4.0×25cm)上の逆
相HPLCで行い、0.1%TFA水溶液中のMeCNの傾斜(30分間
に25%から35%)をもって1.0ml/分の流速で溶離した。
メインピーク(第7a図、保持時間37分、280nmのUVで検
出)に相当する溶離液を集め、凍結乾燥で溶媒を除去し
て羽毛状の粉末を得た:収量10.6mg(53%)、▲〔α〕
20 D▼−65.7°(C=0.1、0.5N AcOH)。
精製したペプチドはHPLCにかけ(第7b図、保持時間27
分)、YMC AM-302-ODSカラム(4×150mm)から、1%T
FA中のMeCNの線形傾斜(30分間に40〜45%)により1.0m
l/分の流速で溶離したとき、唯1個のピークしか示さな
かった。
FAB-MSm/g:3864.4(M+H)(C167H264N51O49S3とし
ての計算値:3864.9)。
6Nの塩酸加水分解物中のアミノ酸の割合は第1表に示し
たが、LAP消化物中のアミノ酸の割合は次の通りである
(括弧内の数字は理論値を示す)。Asp 3.62(4)、Se
r 4.53(4)、Pro 1.66(2)、Gly 2.13(2)、Ala
1.18(1)、Val 1.10(1)、Met 2.70(3)、Ile 2.
28(2)、Leu 2.44(2)、Tyr 1.12(1)、Phe 1.00
(1)、Lys 2.14(2)、His 1.08(1)、Trp 0.99
(1)、Arg 3.24(3)、Asn及びGlnは定量しなかった
(Pheの回収率77%)。
第7図は未硫酸化hCCK-33のHPLC精製の様子を示す。
モデル実験 1) LysとFmoc保護及びその脱保護: H2O-DMF(1:9、2ml)中のH−Lys-OH(14.6mg、0.1ミリ
モル)を、TEA(59μl、4当量)の存在下にFmoc-OSu
(141mg、4当量)で60分間氷浴中で処理した。その間
に出発物質とモノFmoc誘導体 はTLCでは消失し、新たにニンヒドリン反応に陰性なス
ポット が検出された。溶媒を蒸発した後、生成物をAcOEtまた
は他の有機溶媒に溶解し、有機物相を5%クエン酸、5
%NaHCO3、およびH2O-NaClで洗い、Na2SO4上で乾燥し濃
縮した。残留物を適当な溶媒から再結晶または沈殿させ
て単離した。このようにして単離したジFmoc誘導体をDM
F(1ml)に溶解し、溶液をEDT(39μl、10当量)の存
在下に、THF中の1MのBu4NF(1ml、10当量)で25℃にお
いて60分間処理した。その間に の化合物は完全にH−Lys-OH に転化した。
フェノールの不存在又は存在の下にDMF(2ml)中でZ
(OMe)−Tyr-OMeを、同様にFmoc-OSu(4当量)とTEA
(4当量)で60分間冷浴中で処理した。TLCスキャナー
で調べると、Z(OMe)−Tyr(Fmoc)−OMe の形成はそれぞれ7.8%及び0%であった。これによっ
てフェノールの添加はTyrの変性の抑制に有効であるこ
とが判明した。同様に、Z(OMe)−His-OMe(0.1ミリ
モル)をFmoc-OSuとTEAで処理したとき、Z(OMe)−Hi
s(Fmoc)−OMeの形成はほとんど認められなかった。
ピリジン−SO3錯体(10当量)を含むDMF−ピリジン(8:
2、2ml)中のFmoc-Lys(Fmoc)−OH(0.1ミリモル)を2
5℃で18時間保った。TLCでは何の変化も観察されなかっ
た。
2) Ser-OHの優先的tBuPh2シリル化: 最初に、シリル化Z(OMe)−Ser-OMe誘導体の安定性を
ピリジン−SO3錯体による処理で検査した。DMF(1ml)
中のZ(OMe)−Ser-OMe(各14mg、0.05ミリモル)を、
イミダゾール(20当量)の存在の下に、氷浴中60分間R
−Cl(RはMe3Si、tBuMe2Si、又はtBuPh2Si、各10当
量)で処理した。溶媒を留去し、残渣をn−ヘキサンで
洗った。各生成物(各68マイクロモル、R=Me3Siのも
の: R=tBuMe2Siのもの: を、EDT(20μl)を含むDMF−ピリジン(8:2、1ml)に
溶解し、ピリジン−SO3錯体(94mg、10当量)を加え
た。各溶液を25℃に保ち、定期的にTLCスキャナーで検
査した。
Me3Si化合物は30分以内に完全に脱シリル化され、tBuMe
2Si化合物は24時間内で約15%が脱シリル化された。し
かしtBuPh2Si化合物は24時間後でも変化しないで残っ
た。
次に、Try-OHの存在下でのSer-OHの優先的なtBuPh2シリ
ル化を検査した。Z(OMe)−Ser-OMe(0.05ミリモ
ル)、Z(OMe)−Tyr-OMe(0.05ミリモル)及びイミダ
ゾール(20当量)の混合物のDMF(1ml)に溶解したもの
を、フェノール化合物(各20当量のフェノール、m−ク
レゾールとp−メチルチオフェノール)の不存在又は存
在の下に、4℃で4時間、tBuPh2Si-Cl(20当量)で処
理した。各生成物をTLCスキャナーで定量した。この結
果を第3図に示した。
反応を25℃で4時間行ったとき、Z(OMe)−Tys-OMeは
フェノールの不存在下で75%がシリル化され、フェノー
ルの存在下で44%がシリル化された。
3) Z(OMe)−Ser(t−tBuPh2Si)−OMeのtBuPh2S
i基脱保護: DMF(1ml)中のZ(OMe)−Ser(t−BuPh2Si)−OMe
(36mg、68マイクロモル)を、EDT(20μl)の存在下
に、DMF中の1MのBu4NF(1ml、15当量)で25℃、60分間
処理した。その間に出発物質 は完全に消失し、Z(OMe)−Ser-OMeに相当するスポッ
が検出された。
4) Tyr-OHの硫酸化: 20%のピリジンを含むDMF(1ml)中のZ(OMe)−Ser-O
MeとZ(OMe)−Tyr-OMe(各0.05ミリモル)を25℃にお
いてそれぞれピリジン−SO3錯体(5当量)又はPAS(10
当量)で処理して、溶液を定期的にTLCスキャナーで検
査した。その結果を第4図に示した。
Z(OMe)−Trp-OH、Z(OMe)−Met-OH、及びZ(OM
e)−His-OMe(各0.05ミリモル)を、同様にピリジン−
SO3錯体又はPASで4時間処理した。前二者は変化しない
で残ったが、Z(OMe)−His-OMeはピリジン−SO3錯体
で32%、PASで18%が硫酸化された。これに水を加える
と(pH6.0)、硫酸化His化合物 が60分以内に分解し、出発物質 が再生された。
5) 未硫酸化hCCK-33の硫酸化hCCK-33への転化: Fmoc-OSu(79mg、30当量)を、TEA(33μl、30当量)
を含むDMF-H2O(900-100μl)中の未硫酸化hCCK-33(3
0mg、7.8マイクロモル)とフェノール(22mg、30当量)
の氷冷溶液中に加え、混合物を氷浴中で2時間かきまぜ
た。乾燥エーテルを加え、得られた粉末をDMFからエー
テルで再沈殿した。このようにして得られたFmoc誘導体 を、イミダゾール(6.3mg、120当量)及びフェノール
(88mg、120当量)と共に、DMF(2ml)中に溶解した
後、tBuPh2Si-Cl(216μl、120当量)を加え、溶液を
4℃で14時間かきまぜた。エーテルを加え、得られた粉
末をDMFからエーテルで再沈殿した。生成物 をSephadex LH-20(4×47cm)でゲルろ過しDMFで溶離
して精製した。所望のフラクション(各9.2ml、管番号2
1〜29、280nmのUV吸収で監視、他の精製の場合も同じ)
を一緒にし、溶媒を蒸発によって除いた。
残渣を20%のピリジンを含むDMF(1ml)に溶解した後、
EDT(22μl、30当量)とピリジン−SO3錯体(124mg、1
00当量)を加え、混合物を25℃で24時間かきまぜた。前
記したように、溶液をSephadex LH-20のカラム(4×47
cm)に加えDMFで溶離した。所望のフラクション(管番
号20〜24)を合わせ、溶液を濃縮した(約1mlに)。こ
の溶液をEDT(22μl、30当量)の存在下に、DMF(1.0m
l)中の1MのBu4NF(1.0ml)で氷浴中60分間、次いで室
温で60分間処理した。氷で冷却しつつ1MのNH4HCO3(4m
l)を加え、少量の不溶物質を遠心分離で除いた。上澄
液をSephadex G-10のカラム(2.4×49cm)に加え、1Mの
NH4HCO3緩衝液(pH 8.2)で溶離した。フロントメイン
ピークに相当するフラクション(各7.8ml、管番号11〜1
7)を合わせ、凍結乾燥を繰返して塩と共に溶媒を除い
て白色粉末を得た:収量19.2mg(63.9%)。
次に粗試料を、CM−トリスアクリルM(1.6×4.5cm)に
よるイオン交換クロマトグラフィーにかけ、0.01MのNH4
HCO3緩衝液(pH 7.8、300ml)を含む混合フラスコを通
る0.2MのNH4HCO3緩衝液(pH8.4、500ml)で形成される
グラジエントで傾斜溶離した。第二のピーク(第8a図)
に相当するフラクション(各7.8ml、管番号21〜29)を
合わせ、溶媒と塩を凍結乾燥を繰返して除き粉末を得
た:収量7.5mg(39.1%、総合収率25.0%)。
ここに得られた生成物を、Asahipak ODS-50のカラム(1
0×250mm)によるHPLCを行い、毎分2mlの流速の0.1M Ac
ONH4(pH6.5)中の31%MeCN溶液によるアイソクラチッ
クエルージョンで、さらに精製した。所望の溶出液(第
8b図、保持時間42分)を集め、溶媒を凍結乾燥で除いて
白色のふわふわした粉末を得た:収量4.1mg(61%、未
硫酸化hCCK-33を基準とする総合収率15%)。シリル化
を25℃で3時間行ったときは、同様の精製後の収率は13
%であった。
Asahi Pak ODP-50(4×150mm)から0.1MのAcONH4(pH
7.8)中のMeCNの傾斜(30分間に20〜40%)を用い1ml/
分の流速で溶離した場合(第8c図)のHPLCの保持時間は
14分であった。6N HCl加水分解生成物中のアミノ酸組成
は第1表に示したが、LAP消化物中のアミノ酸組成(括
弧の中の数字は理論値)は次の通りであった。Asp 3.49
(4)、Ser 4.22(4)、Pro 1.50(2)、Gly 2.12
(2)、Ala 1.13(1)、Val 1.14(1)、Met 2.92
(3)、Ile 1.96(2)、Leu 2.07(2)、Tyr(SO
3H) 0.91(1)、Phe 1.00(1)、Lys 2.00(2)、H
is 0.92(1)、Trp 0.96(1)、Arg 2.87(3)、Asn
とGlnは検出されなかった(Pheの回収率81%)。Asp-Pr
o結合は用いられたLAPの作用に抵抗した。
【図面の簡単な説明】 第1図は保護基を有するヒトコレシストキニン(hCCK-3
3)を合成する説明図、第2図は保護基を有するC末端
デカペプチドアミドを合成する説明図、第3図はSerお
よびTyrのtert−ブチルジフェニルシリル化を示すグラ
フ、第4図はDMF−ピリジン中でのピリジン−SO3錯体又
はアセチル硫酸ピリジニウムによるZ(OMe)−Try-OMe
およびZ(OMe)−Ser-OMeの硫酸化を示すグラフ、第5
図は未硫酸化hCCK-33を硫酸化hCCK-33に転化する説明
図、第6図は麻酔された犬におけるCCK−ペプチドに応
答したすい臓のタンパク質放出増を示すグラフ、第7図
は未硫酸化hCCK-33のHPLC精製におけるイオン交換クロ
マトグラフィーのチャート、第8図は硫酸化hCCK-33のC
MおよびHPLC精製におけるイオン交換クロマトグラフィ
ーのチャートである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TyrとSerおよび/またはThr残基を有する
    出発物質としてのポリペプチドのアミノ基を塩基性条件
    下において脱離可能なアミノ保護基で保護し、ターシャ
    リブチルジフェニルシリル基(tBuPh2Si)によりSerお
    よび/またはThrのOH基をマスキングした後、TyrのOH基
    を選択的に硫酸化し、ターシャリブチルジフェニルシリ
    ル基とアミノ保護基を脱保護することを特徴とするポリ
    ペプチドの製造方法。
  2. 【請求項2】出発物質としてのポリペプチドが、式 H−Lys-Ala-Pro-Ser-Gly-Arg-Met-Ser-Ile-Val-Lys-As
    n-Leu-Gln-Asn-Leu-Asp-Pro-Ser-His-Arg-Ile-Ser-Asp-
    Arg-Asp-Tyr-Met-Gly-Trp-Met-Asp-Phe-NH2 で表されるヒトコレシストキニン(hCCK-33)の未硫酸
    化形である請求項1記載のポリペプチドの製造方法。
  3. 【請求項3】脱離可能なアミノ保護基が、9−フルオレ
    ニルメチルオキシカーボニル基(Fmoc)である請求項1
    記載のポリペプチドの製造方法。
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