JP5908478B2 - h「Gly2」GLP−2の固相合成 - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを製造する方法に関する。特に、本方法は、第一の保護基を持つ第一のペプチドフラグメントを用意し、このペプチドフラグメントは担体に連結されており;第二の保護基を持つ第二のペプチドフラグメントを用意し;第一のペプチドフラグメントから第一の保護基を除去し;そして、N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに、第二のペプチドフラグメントをカップリングさせる、の各段階を含む。本発明はさらに、ペプチドを含む医薬組成物を製造する方法に関する。
グルカゴン様ペプチド-2(GLP-2)は、消化管疾患の治療に適用しうる33アミノ酸のペプチドである。この天然に生ずるホルモンは、消化管内壁(lining)にある細胞の成長、増殖及び維持を制御することが判明している。特に、GLP-2及びその類似体は栄養剤として機能して、消化管の機能を増進及び維持し、腸組織の成長を促進する(欧州特許出願第EP1 246 639 A2参照)(特許文献1)。
以後「h[Gly2]GLP-2」とも称するテヅグルチド(teduglutide)は、以下の配列をもつ一本鎖の非グリコシル化33アミノ酸ペプチドである。
His1-Gly2-Asp3-Gly4-Ser5-Phe6-Ser7-Asp8-Glu9-Met10-Asn11-Thr12-Ile13-Leu14-Asp15-Asn16-Leu17-Ala18-Ala19-Arg20-Asp21-Phe22-Ile23-Asn24-Trp25-Leu26-Ile27-Gln28-Thr29-Lys30-Ile31-Thr32-Asp33 (配列番号1)
このGLP-2類似体は、一つのアミノ酸の変化により天然GLP-2と異なる。すなわち、2位のアラニンがグリシンに置き換わっている。この変化により、ペプチドの半減期がより長くなることが判明している。特に動物実験では、このペプチドを投与すると、腸内壁の上皮組織の質量及び吸収性のある表面積をいずれも増加させるだけでなく、胃腸透過性を減少させる顕著な作用があることが示されている。
他の多くの治療用ペプチドと同様に、このGLP-2類似体は、大腸菌での発現によって組み換えによって作ることができる。しかしながら生産収率を高め、製造時に動物由来の原材料を使う必要性を排除するために、テヅグルチドを製造する代替法を提供する必要があった。
従来の技術では、一般にペプチドを化学合成するための幾つかの解決策が模索されてきた。
固相ペプチド合成(solid-phase peptide synthesis:SPPS)は、1963年にメリーフィールドにより導入された方法である(メリーフィールド、J.Amer.Chem.Soc.1963年、85巻:2149〜2154頁)(非特許文献1)。以来、この方法を使用して多くのペプチドが合成されてきた。ペプチド及びタンパク質の化学合成の総説は、S.B.H.Kentによって提供されている(Annu.Rev.Biochem.1988年、57巻:957〜989頁)(非特許文献2)。
通常、固相合成によりペプチド鎖を合成する一つの戦略は、段階的な固相合成である。段階的SPPSでは、N-α-保護化、必要により側鎖保護化した反応性誘導体の形状のC-末端アミノ酸を、有機溶媒で膨潤したポリマー樹脂などの固体担体に、直接または好適なリンカーを用いて共有結合させる。N-α-保護基を除去し、続いて保護化アミノ酸を段階的に加える。所望のペプチド鎖長が得られたら、側鎖の保護基を除去し、ペプチドを担体から切り出す。ここ何年かの間に、異なるN-α-保護基とそれに合う側鎖保護基を使用することに基づく二つの主なカップリング法が開発された。メリーフィールドは、N-α-保護基としてt-ブトキシカルボニル(Boc)を使用するのに対し、Carpino及びHanは、9-フルオレニルメチルオキシ-カルボニル(Fmoc)を導入した(J.Org.Chem.1972年、37巻:3404〜3409頁)(非特許文献3)。
テヅグルチドを含むGLP-2分子を製造する一般的な合成法は、たとえば国際特許出願WO2006/117565(特許文献2)及びWO2008/056155(特許文献3)に記載されている。これらの出願に従って、N-α-アミノ保護基及び側鎖官能基の好適な一般的な保護基として9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)を使用して、濾過用のポリプロピレンフィルターを備えたポリエチレン容器でバッチ式でペプチドを合成した。このアミノ酸は、DMF中のジイソプロピルカルボジイミド(DIC)により、適切なN-α-保護化アミノ酸及びHOBtまたはHOAtから生成した、インサイチュで生じたN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)または1-ヒドロキシ-7-アザ-ベンゾトリアゾール(HOAt)エステルとしてカップリングされた。これらの物質は、DICとアミノ酸のカルボン酸基との反応により形成したO-アシルウレアと反応して、活性エステルを形成することができる。Fmoc基の脱保護は、DMF中でピペリジンで処理することにより実施した。続いて、95%トリフルオロ酢酸(TFA)で処理することによりペプチドを樹脂から切り出した。凍結乾燥粗生成物を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析し、質量分析(MS)により同定した。
従来法では、GLP-2分子は、Fmoc-固相アプローチによる標準的化学合成法のための候補と考えられている。GLP-2分子はアセンブリ(assembly)が比較的容易であること、及び最終的な製造スケールのため、固相化学により線形的におそらく最もよくアセンブリされるというのが共通認識であろう。しかしながら固相合成の間には多くの副反応が起きることがあり、その幾つかはFmoc法を使用する化学に特有である。
特にFmoc-固相化学によるテヅグルチド合成における問題点の一つは、分子内の3-4位の-Asp-Gly-結合の転位(rearrangement)であり、これによってβ-Asp類似体が形成される(いわゆる「アスパルチミド(aspartimide)副生成物形成」)。-Asp-Gly-結合のβ-異性化には、アスパラギン酸由来のカルボキシ側鎖基が関与しており、スクシンイミド中間体を介して隣接するグリシンのα-アミノ基とペプチド結合を形成する。この反応の主因は、Fmoc除去段階においてテヅグルチド-固相をピペリジンまたは他の塩基で処理することである。この反応により、望ましくない副生成物は、N-末端脱保護1サイクル当たり約10%であるが、それよりかなり高いこともある。
特に、テヅグルチドを実験室スケールでアセンブリする場合、N-末端のFmoc保護基を除去するためのピペリジン処理は通常、最大で約10分間を要する。しかしながら大スケールでは、添加、濾過、及びペプチド-ポリマーからのピペリジンの除去は、はるかに長時間を要する。プロセススケールでは、試薬の添加及び混合が遅くなれば、ペプチドポリマーはピペリジンにはるかに長く暴露されることになり、アスパルチミド副生成物形成の問題がさらに悪化するかもしれない。
従って、アスパルチミド副生成物の形成を低減するか、さらには回避しうる、テヅグルチドを製造する代替法が必要とされている。特定の態様では、そのようなテヅグルチド合成経路は容易に達成でき、且つ安価であるべきである。さらに、そのようなテヅグルチド合成経路は工業用スケールにも適合しなければならない。
テヅグルチドなどの治療用ペプチドの投与には、さらに貯蔵の間に安定でる組成物が必要である。ペプチドは、そのサイズのため生体膜の通過が困難であり、並びに消化に対して感受性であるため、しばしば非経口投与される。しかしながら、ペプチドは経時的に分解する傾向及び/または凝集及び沈降する傾向があるため、製剤が特に難しい。分解、凝集及び沈降はいずれも、組成物が不安定であることを示しており、商業的に実現可能ではないかもしれない。貯蔵の間にペプチドの分解に影響を与える組成物の変数としては、pH、存在する塩の量、並びに賦形剤の種類及び量が挙げられる。
従って商業的に許容可能なプロセスを使用して製造することができるテヅグルチドの商業的に好適な組成物に対する需要もある。
EP 1 246 639 A2 WO2006/117565 WO2008/056155
Merrifield、J.Amer.Chem.Soc.1963年、85巻:2149〜2154頁 S.B.H.Kent、Annu.Rev.Biochem.1988年、57巻:957〜989頁 Carpino and Han、J.Org.Chem.1972年、37巻:3404〜3409頁
本発明の目的は、アスパルチミド形成を低減し、さらには回避し得る、テヅグルチドの製造法を提供することである。従って本発明のさらなる目的は、容易に実施可能であり且つ安価なテヅグルチドの製造法を提供することである。さらにテヅグルチドのかかる製造法は工業用スケールに適合しなければならない。本発明のさらなる目的は、テヅグルチド組成物の商業的に許容可能な製造方法を提供することである。
本発明の態様に従えば、アセンブリを二つのフラグメントに分けることを特徴とする、テヅグルチドの製造方法が提供される。
本発明に従う方法は、公知の合成法と比較して一連の利点を提供しうることが見出された。特に、フラグメントに基づくアセンブリによりペプチドを製造することによって、3-4位のAsp-Glyにおける転位のレベルを低減しうることが見出された。このことは、ペプチドは固相アセンブリによって5位までアセンブリしうることを意味する。テヅグルチドの1-4位に相当するテトラペプチド(His-Gly-Asp-Gly)を別にアセンブリして、次いで任意に精製してβ-Asp類似体を除去してから、固相上で5-33フラグメントとカップリングさせることができる。従って、ペプチドはこのテトラペプチドフラグメントのカップリングの後、ピペリジンなどに暴露されない。驚くべきことに、本発明に従う方法はペプチドの純度を高めるだけでなく、全体の収量も高める。
これらの目的並びに次の記載から明らかになる他の目的は、独立請求項に記載の主題により達成される。本発明の態様の幾つかは、従属項の主題によって定義される。
一態様において、本発明は、アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを製造する方法であって、
(a)アミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)を含む第一のペプチドフラグメントを用意し、ここでXは第一の保護基であり、第一のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結(conjugate)されており;
(b)アミノ酸配列:Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)を含む第二のペプチドフラグメントを用意し、ここでYは第二の保護基であり;
(c)第一のペプチドフラグメントから第一の保護基を除去し;そして
(d)N-末端が脱保護された、担体に担持された第一のペプチドフラグメントに、第二のペプチドフラグメントをカップリング(coupling)させる、
の各段階を含む上記方法に関する。
一態様において、第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントは、固相ペプチド合成により製造される。たとえば、第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントは、担体にC-末端アミノ酸残基を連結し、続いてC-末端が担体に連結された残基(単数または複数)のN-末端に、適切に保護したアミノ酸を加えることにより提供される。
特に第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントのC-末端が担体に連結された残基(単数または複数)のN-末端に続いて加えるべきアミノ酸は、Boc及びFmocからなる群から選択される保護基で保護することができる。
本発明の別の態様では、第一の保護基はFmocである。
本発明の別の態様では、第二の保護基は、Boc及びベンジルオキシカルボニル(Z)からなる群から任意に選択される、酸に不安定な保護基である。
通常、第二のペプチドフラグメントのヒスチジン残基は、トリチル、Boc及びBumからなる群から選択されるような保護基を用いて側鎖で保護することができる。
また、第二のペプチドフラグメントのアスパラギン酸残基は、tert-ブチルエステル保護基を用いて側鎖で保護することができる。
別の態様では、N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングする前に、第二のペプチドフラグメントを担体から切り出す。
ある態様では、N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングする前に、切り出した第二のペプチドフラグメントを任意にクロマトグラフィー及び/または結晶化によって精製する。
一態様に従えば、Fmoc保護基は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びジシクロヘキシルアミンからなる群から選択される二級アミンを加えることにより、第一のペプチドフラグメントから除去することができる。
さらなる態様に従えば、本発明はさらに第二のペプチドフラグメントにカップリングした第一のペプチドフラグメントを担体から切り出すことを含む。
別の態様では、本発明に従う方法はさらに、切り出した第二のペプチドフラグメントにカップリングした第一のペプチドフラグメントを、クロマトグラフィーにより精製することを含む。
特定の態様では、本発明は、アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを製造する方法であって、
(a)アミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)を含む第一のペプチドフラグメントをペプチド合成により用意し、ここでXはFmoc保護基であり、第一のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
(b)アミノ酸配列:Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)を含む第二のペプチドフラグメントをペプチド合成により用意し、ここでYは、Boc及びベンジルオキシカルボニルからなる群から任意に選択される、酸に不安定な保護基であり、第二のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
(c)担体から第二のペプチドフラグメントを切り出し;そして
(d)任意に逆相高圧液体クロマトグラフィーなどにより、切り出した第二のペプチドフラグメントを精製し;
(e)任意にピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びジシクロヘキシルアミンからなる群から選択される二級アミンを加えることにより、第一のペプチドフラグメントからFmoc保護基を除去し;
(f)N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに、精製した第二のペプチドフラグメントを加えることにより、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせ;
(g)第二のペプチドフラグメントにカップリングした、担体に連結された第一のペプチドフラグメントを担体から切り出し;そして
(h)任意に逆相高圧液体クロマトグラフィーなどによって、第二のペプチドフラグメントにカップリングした、切り出した、第一のペプチドフラグメントを精製する、
の各段階を含む上記方法に関する。
一態様に従えば、担体は、ポリスチレン、ポリジメチルアクリルアミド及びポリエチレングリコールからなる群から任意に選択される、官能基化ポリマーである。
通常、第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントのC-末端アミノ酸は、リンカー、任意に4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸(HMPA)により官能基化ポリマーに結合されている。
ある態様では、第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントは、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)、臭化水素(HBr)、塩化水素(HCl)及びフッ化水素(HF)からなる群から選択される酸によって、または塩基、任意に水酸化物によって、担体から切り出される。
別の側面では、本発明は、アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを含む医薬組成物を製造する方法であって、
(a)上述のように本発明の方法に従ってペプチドを製造し;そして
(b)段階(a)で製造したペプチドを含む医薬組成物を製造する、
の各段階を含む上記方法に関する。
一態様において、本発明の医薬組成物は任意に、組成物のpHを生理学的に許容可能なレベル、たとえば約6〜約9、または約6.5〜約8、または約7〜約7.5の間のpHに調整するのに十分な量のリン酸塩緩衝液をさらに含む。
別の態様では、医薬組成物はさらにL-ヒスチジンを含む。
さらに医薬組成物は、マンニトール及びショ糖からなる群から任意に選択される増量剤を含むことができる。
特定の態様に従えば、医薬組成物は注射可能な剤形として提供される。
さらなる態様では、本発明は、アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドに関し、該ペプチドは、上述の本発明の方法により得ることが可能である。
図1は、標準的なFmoc固相手順(線状アセンブリ:linear assembly)を使用してアセンブリされた粗テヅグルチド分子のHPLCを示す。二つの主なピーク:すなわち粗テヅグルチドペプチド(ピーク1)及びβ-Asp副生成物(ピーク2)が観察された。このHPLCはアセンブリされた粗ペプチドの純度がHPLCにより52%であり、24%のβ-Asp類似体を含んでいたことを示す。 図2は、標準的なFmoc-固相手順を使用してアセンブリし、最後の4つのアミノ酸のために延長したピペリジン処理を行った粗テヅグルチド分子のHPLCを示す。二つの主なピーク:すなわち粗テヅグルチドペプチド(ピーク1)及びβ-Asp副生成物(ピーク2)が観察された。このHPLCは、アセンブリした粗ペプチドの純度がHPLCによりわずか39%であり、45%のβ-Asp類似体を含んでいたことを示す。 図3は、本発明に従う方法を使用してアセンブリした粗テヅグルチド分子のHPLCを示す(フラグメントに基づくアセンブリ)。主なピークとより小さなピーク:すなわち粗テヅグルチドペプチド(ピーク1)及びβ-Asp副生成物(ピーク2)が観察された。このHPLCは、アセンブリされた粗ペプチドの純度がHPLCにより59%であり、わずか17%のβ-Asp類似体を含むことを示す。
本発明は、フラグメントに基づくアセンブリによってペプチドを合成することにより、テヅグルチドの合成の間にアスパルチミド副生成物が形成する可能性を低減できるか、さらには回避することができるという知見に基づく。本発明に従う方法により、テヅグルチドを高収率及び/または高純度で提供することができる。さらには本発明に従う方法を使用して、工業的プロセススケールで高収率及び/または高純度でテヅグルチドを製造することができる。さらに、本発明の方法に従ってテヅグルチドを製造することにより、少なくとも80%の未精製品純度(crude purity)が達成できることが見出された。
純度及び収率は、ペプチド合成の全ての経路で重要な観点である。純度は、薬理学的に活性な関連す純物(たとえばアスパルチミド副生成物など)の存在の程度により表される。ペプチド合成において、それぞれの段階で精製を繰り返すと、最終ペプチドの収率はより低くなる。本発明は、既知の固相合成法と比較して、固相方法論により、目的とするペプチドであるテヅグルチドの改善された収率と共に高い純度を達成する方法を提供する。
本発明の方法を特定の態様及び図面を参照して記載するが、本発明はこれらに限定されない。
本明細書及び請求の範囲で「〜を含む(comprising)」なる用語を使用する場合、これは他の要素または段階を除外しない。本発明の目的に関して、「〜からなる(consisting of)」なる用語は、「〜を含む」の用語の任意選択の態様であると考えられる。以後、ある群が少なくとも幾つかの態様を含むと定義される場合、このことは場合によりこれらの態様のみからなる群を開示するとも理解される。
単数名詞、たとえば「a」または「an」、「the」を参照する際に不定冠詞または定冠詞を使用する場合、特に記載しない限り、これは複数の名詞を包含する。
本発明の文脈で「約」なる用語は、当業者が当該特徴の技術的効果が確実であると理解するであろう区間精度(interval of accuracy)を示す。この用語は通常、表示数値の±10%の偏差を示し、ある態様では±5%の偏差を示す。
さらに本明細書の記載及び請求の範囲における第一、第二、第三などの用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも逐次順や時系列で記載するとは限らない。このように使用される用語は、適切な状況下では交換可能であり、本明細書に記載の本発明の態様は、本明細書に記載または示されたものと異なる順番で操作可能であることが理解される。
用語のさらなる定義は、当該用語を使用する文脈中で与えられる。
一態様において、本発明は、アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを製造する方法であって、
(a)アミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)を含む第一のペプチドフラグメントを用意し、ここでXは第一の保護基であり、第一のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
(b)アミノ酸配列:Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)を含む第二のペプチドフラグメントを用意し、ここでYは第二の保護基であり;
(c)第一のペプチドフラグメントから第一の保護基を除去し;そして
(d)N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに、第二のペプチドフラグメントをカップリングさせる、
の各段階を含む上記方法に関する。
すなわち、本発明は、以下の配列:
His1-Gly2-Asp3-Gly4-Ser5-Phe6-Ser7-Asp8-Glu9-Met10-Asn11-Thr12-Ile13-Leu14-Asp15-Asn16-Leu17-Ala18-Ala19-Arg20-Asp21-Phe22-Ile23-Asn24-Trp25-Leu26-Ile27-Gln28-Thr29-Lys30-Ile31-Thr32-Asp33 (配列番号1)
を有する、一本鎖の非グリコシル化33アミノ酸ペプチドである、テヅグルチドの製造方法に関する。
GLP-2(グルカゴン様ペプチド2)のこの類似体は、天然GLP-2と1個のアミノ酸が異なる。すなわち2位のアラニンがグリシンで置き換えられている。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、「オリゴペプチド」及び「タンパク質」なる用語は、連続するアミノ酸残基のポリマーまたはオリゴマーを表すものとして互換的に使用される。そのようなポリマー中のアミノ酸は、隣接するアミノ酸残基のカルボキシル基とアミノ基との間のペプチド結合によって一緒に連結している。本明細書中に記載するように、「アミノ酸」なる用語は、アミノ酸分子またはアミノ酸残基自体をさすだけでなく、アミノ酸残基、たとえばペプチドの一部であるアミノ酸残基を表す省略形、文字,記号または用語のリストをさす。。アミノ酸は、一般的に知られる三文字記号により、またはIUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨される1文字記号のいずれかにより、本明細書中で言及される。
他に記載しない限り、ペプチドのN-末端(たとえば1位)は、-Hであるか、ペプチド結合(たとえば、N-末端ブロッキング基/保護基または別のアミノ酸またはペプチドフラグメントに結合している)であることができる。他に記載しない限り、ペプチドのC-末端(たとえば33位)は-OHまたはペプチド結合(たとえば、C-末端ブロッキング基/保護基に結合しているか、または別のアミノ酸またはペプチドフラグメントに結合している)であることができる。
他に記載しない限り、すべてのアミノ酸の位置の番号は、配列番号1により表されるテヅグルチドの塩基配列に従う位置番号である。
本発明の文脈において、「ペプチドフラグメント」なる用語は、テヅグルチドの特定のフラグメント、特にアミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)
を含む第一のペプチドフラグメント(ここでXは第一の保護基である)、およびアミノ酸配列:
Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)
を含む第二のペプチドフラグメント(ここでYは第二の保護基である)を含む。
本発明の一態様において、テヅグルチドは、一つのアミノ酸またはペプチドフラグメントのカルボキシル基またはC-末端を、別のアミノ酸またはペプチドフラグメントのアミノ基またはN-末端にカップリングすることにより合成する。化学的ペプチド合成は通常、ペプチドのC-末端で開始し、N-末端で停止する。これは、N-末端で開始するタンパク質生合成の方向とは逆方向である。それぞれの合成段階の間で完全なカップリングを確実にするために、アミノ酸は典型的には過剰量使用されるため、それぞれのアミノ酸が保護されない反応ではアミノ酸の重合がよくみられる。この重合を抑えるために、本発明に従う方法では通常、保護基を使用する。
好適な保護基は当業者によく知られている(たとえば、"Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach"、W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク、2000年を参照されたい)。
ペプチドフラグメントからの保護基の除去は、適切な脱保護試薬を加えることにより行うことができ、この脱保護試薬は使用される保護基によって異なる。カップリングしたアミノ酸のα-アミノ官能基の典型的な標準的保護基は、強酸との処理により除去することができるBoc、または塩基で除去できるFmocである。本明細書中で使用する略語「Fmoc」及び「Boc」は、それぞれ9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル及びt-ブチルオキシカルボニルを意味する。
t-Boc(tert-ブチルオキシカルボニル、またはより簡単にBoc)基は、通常、ペプチドの末端アミンを保護するために使用され、直交戦略(orthogonal strategy)で側鎖を保護するために、より酸に安定な基を使用しなければならない。Boc基は、Boc無水物と適切な塩基を用いてアミノ酸に付加することができる。
Fmoc(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)は現在広く使用されている保護基である。Fmocは非常に温和な塩基性条件(たとえばピペリジン)下で切断される。これにより、塩基性条件下で安定であり温和な酸に不安定な保護基、たとえばBoc及びt-ブチル基を、目的とするペプチドのアミノ酸残基の側鎖で使用することができる。
本発明の方法に従えば、第一のペプチドフラグメントは第一の保護基を含み、第二のペプチドフラグメントは第二の保護基を含む。ある態様では、第一の保護基は第二の保護基とは異なる。あるいは、第一及び第二の保護基は同一であってもよい。
さらに、ペプチドのプレ配列中の側鎖の官能基は通常、カップリング段階の間に保護されている。ペプチドで通常みられるアミノ酸の半分以上が、反応性基を含む側鎖をもつ。ペプチド合成では、特に固相合成では、使用されるやや厳しい条件及び、すべての化学反応で最高レベルの効率を達成する必要性により、これらすべての潜在的に反応性の基をマスクするのが通常である。日常的な合成に関しては、トリフルオロ酢酸(TFA)で除去される保護基が通常使用される。これによって担体からペプチドを切断または脱離させると同時に、ペプチドを全体的に脱保護できるためである。さらに、合成の間に(たとえば固相上で)選択的に除去することができる広範囲の基も利用可能であるため、ペプチド鎖中の個々の残基の側鎖を選択的に修飾することができる。
たとえば、Boc基はアミノ官能基(たとえばLys及びHis)で使用することができ、tert-ブチルエステルは酸性基(たとえばAsp及びGlu)で使用することができ、tert-ブチルエステルはヒドロキシル基(たとえばTyr、Thr及びSer)で使用することができる。側鎖保護に適したさらに別の保護基は容易に入手可能であり、当業者によく知られている(たとえば、"Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach",W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク、2000年の20〜25頁、表4を参照されたい。これは本明細書中、参照として含まれる)。
一態様において、第二のペプチドフラグメントを、N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントにカップリングする。アミド結合形成の殆どの方法では、カルボキシ成分を化学的に活性化する。有機合成で一般的に使用される方法は、ペプチド合成で使用するには過酷すぎると通常みなされており、過度に活性化された中間体の形成につながる。これらの中間体は反応において非選択的であり、結果として副反応を起こす傾向がある。従って、ペプチド化学者は、主として、予め形成されたかまたはインサイチュで生成する活性エステルの形成に基づく、より温和な活性化方法を求めてきた。
保護化フラグメントと樹脂に結合したN-フラグメントとの縮合速度は、通常、フラグメントの濃度と共に増加する。通常、できるだけ高い濃度のフラグメント溶液を適用する。フラグメント縮合に適切なカップリング試薬は容易に入手可能であり、当業者によく知られている(たとえば、本明細書中、参照として含まれる、"Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach",W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク,2000年、221〜223頁を参照されたい)。DMSOは溶媒として使用することができる。さらに、DCC/HOBt(ジシクロヘキシルカルボジイミド/1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール)またはDIC/HOBt(ジイソプロピルカルボジイミド/1-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール)を縮合剤として使用することができる。
ある態様では、第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントを固相ペプチド合成により製造する。たとえば、第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントは、C-末端アミノ酸残基を担体に連結させ、続いてC-末端が担体に連結された残基(単数または複数)のN-末端に、適切に保護したアミノ酸を順番に付加することにより製造することができる。
固相ペプチド合成(以後、SPPSという)は、溶液ペプチド合成に伴う中間精製問題の多くを克服する目的で導入された。固相合成の間、鎖の一端(C-末端)を不溶性担体に固定しながら、アミノ酸を任意の所望の配列のペプチドに組み込む(すなわちカップリングする)。所望の配列が担体上に一緒に結合されたら、ペプチドを担体から脱ブロックする(すなわち切り出す)。SPPSは、完全自動化または半自動化鎖アセンブリ化学に適しているという利点を一般的にもつ。
固相合成の原理は、当業者にはよく知られている(たとえば、本明細書中、参照として含まれる、"Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach",W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク,2000年の10頁の図1及び9〜13頁を参照されたい)。特に、目的とするぺプチドのC-末端アミノ酸残基を、そのカルボキシル基を介して不溶性担体に結合させる。アミノ酸残基鎖中の任意の官能基は、ペプチドアセンブリの間に使用される反応条件によって影響を受けない不変の(permanent)保護基でマスクすることができる。初期の樹脂負荷の間にα-アミノ基をマスクしている一時的な保護基を除去する。通常、過剰量の第二のアミノ酸を導入する。このアミノ酸のカルボキシ基は、活性化エステルの生成によって、またはカップリング剤との反応によって、アミド結合形成のために活性化されている。適切なカップリング剤は容易に入手可能であり、当業者によく知られている(たとえば、本明細書中、参照として含まれる、"Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach",W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク,2000年の28頁の表5及び52〜60頁を参照されたい)。
カップリング後、過剰量の試薬を洗浄により除去することができ、ジペプチドのN-末端から保護基を除去してから、第三のアミノ酸残基を付加することができる。このプロセスを、所望のペプチド配列がアセンブリされるまで繰り返す。最終段階では、ペプチドを担体から脱離させ、側鎖保護基を除去する。通常、側鎖保護基及び担体結合は、同一条件下で保護基が除去され、アセンブリされたペプチドが脱離するように選択される。
上述のα-アミノ保護スキームか、当業界で知られる任意の他の保護スキームのいずれかを使用する固相法によりペプチド合成を設計する際、構成成分であるアミノ酸の任意の反応性「側基」は、鎖アセンブリの間じゅう不都合な化学反応から保護することが通常望ましい。また、種々の側基を保護するために選択される化学基は、α-アミノ保護基を除去するのに使用される試薬による除去に対して耐性であることが望ましい。さらに、成長しつつあるペプチド鎖と担体との結合は、鎖アセンブリの間にいずれかのタイプのα-アミノ保護基を除去するために使用される試薬に対して安定でなければならない。
一態様において、第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントのC-末端の担体に連結された残基(単数または複数)のN-末端に順に加えられるアミノ酸は、Boc及びFmocからなる群から選択される保護基によってそれぞれ保護される。
Fmocα-アミノ保護スキームの場合には、側基保護用の官能基は通常、Fmocを除去するのに使用される塩基性試薬に対して耐性であるように選択される。実際、これらの側鎖保護基は通常、ペプチド鎖がアセンブリされた後、温和な酸性試薬によって除去することができる。Bocα-アミノ保護スキームを使用する場合、側鎖保護基は通常、各サイクルでBoc基を脱保護するのに使用される温和な酸試薬による除去に対して耐性であるように選択する。実際、Bocα-アミノ保護スキームのためのこれらの側鎖保護基は通常、ペプチド鎖がアセンブリされた後に無水HFにより除去することができる。従って、ある態様では、Fmocα-アミノ保護で通常使用される側鎖保護基はBocα-アミノ脱保護で使用される条件下では安定ではなく、α-アミノ保護スキームのこの二つのタイプは、固相ペプチド合成によるペプチド鎖のアセンブリでは混用されない。
(Bocを使用する)メリーフィールドSPPS及び/または(Fmoc)を使用するFmoc/t-Bu SPPSは当業者によく知られている(たとえば、本明細書中、参照として含まれる"Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach",W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク,2000年の11〜13頁を参照されたい)。
詳細には、メリーフィールド法に従って、通常実施されているように、C-末端アミノ酸は、ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチルポリスチレン(RAM樹脂)でベンジルエステルを形成することによって担体に結合させることができる。Boc基は、α-アミノ基の一時的な保護のために使用することができる。この基の除去は、純粋なトリフルオロ酢酸(TFA)で、またはジクロロメタン(DCM)中のTFAで実施することができる。得られたトリフルオロアセテートは、たとえばカップリングさせる前にDCM中のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)で中和することができるか、またはカップリング反応の間にインサイチュで中和することができる。カップリングは、加えられるアミノ酸をDCM中ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)で活性化することにより、またはDMF若しくはN-メチルピロリドン(NMP)中で予備形成したアミノ酸対称無水物(symmetrical anhydride)若しくはベンゾトリアゾールエステルを使用することにより実施することができる。樹脂からのペプチドの脱離及び側鎖保護基の除去は、無水フッ化水素(HF)で実施することができる。
保護の除去の際に選択性を実現するために段階的酸分解の方法を使用するメリーフィールドアプローチとは異なり、Fmoc/t-Bu法は、α-アミノ基の保護のための塩基不安定性Fmoc基と酸不安定性側鎖保護基を使用する、直交保護基戦略に基づく。保護の除去は全く異なる化学的機構により行うことができるので、メリーフィールドアプローチで使用されるものよりもかなり温和な条件下で除去される側鎖保護基及び結合試薬を使用することができる。たとえば、t-ブチル-及びトリチル系の側鎖保護及びアルコキシベンジル系のリンカーは、これらがTFAで除去できるので使用することができる。一時的なFmoc保護基は、DMF中、20%ピペリジンで除去することができる。カップリングは、DMF若しくはNMP中、予備形成した活性エステルか、インサイチュでベンゾトリアゾイルエステルを生成する活性化試薬を使用して実施することができる。樹脂からのペプチド切り出し及び広範囲の側鎖脱保護は、95%TFAを用いて行うことができる。
本発明の一態様において、第一の保護基はFmocである。別の態様では、第二の保護基は、t-ブトキシカルボニル(Boc)及びベンジルオキシカルボニル(Z)からなる群から任意に選択される酸不安定性保護基である。本発明の文脈において、「酸不安定性保護基」なる用語は通常、Boc及びベンジル基などの塩基性条件下で安定である保護基を表す。
上述のように、構成成分のアミノ酸の任意の反応性「側基」は通常、鎖アセンブリの間を通して、不都合な化学反応から保護される。一態様において、第二のペプチドフラグメントのヒスチジン残基は、トリチル(Trt)、t-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシメチル(Bom)及びt-ブトキシメチル(Bum)からなる群から選択される保護基を用いて側鎖を保護する。さらに第二のペプチドフラグメントのアスパラギン酸残基は、tert-ブチルエステル保護基を用いて側鎖を保護することができる。
本発明の別の態様では、N-末端を脱保護した、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせる前に、第二のペプチドフラグメントを担体から切り出す。保護化フラグメントの担体からの切り出しは当業者によく知られている(たとえば、本明細書中、参照として含まれる"Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach",W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク,2000年、216〜220頁を参照されたい)。
特定の態様では、N-末端で脱保護した、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせる前に、切り出した第二のペプチドフラグメントを、任意にクロマトグラフィー及び/または結晶化により精製する。
本明細書中で使用する場合、「精製」なる用語は、不純物からペプチドを分離するのに適した当業界で知られる任意の分離法を含み、クロマトグラフィー分離(たとえばアフィニティクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー若しくは逆相HPLC(高圧液体クロマトグラフィー))、限外濾過(UF)、等電点沈殿または任意の他の好適な分離法が含まれる。
本発明の文脈において、「クロマトグラフィー」なる用語は、混合物を分離するための一連の実験室技術を含む。通常、「移動相」に溶解した混合物を「固定相」に沿って通過させ、これにより移動相と固定相との間の分配差に基づいて、目的とするペプチドを混合物中の副生成物から分離する。本発明の文脈において、液体クロマトグラフィーは分取用でも分析用でもよい。分取用クロマトグラフィーの目的は通常、さらに使用するために混合物の成分を分離することであり、したがって精製の一形態である。分析用クロマトグラフィーは、通常、より少量の物質で実施し、混合物中の分析物の相対的な割合を測定するためのものである。この二つの方法は相互排他的ではない。
本明細書中で使用するとき、「結晶化」なる用語は、液相若しくは供給流を冷却することにより、または結晶を形成するように所望の生成物の溶解度を低下させる沈殿剤を添加することにより、液相若しくは供給流からペプチド生成物を非常に純粋な形態で分離することを含む。
特定の態様では、N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングする前に、切り出した第二のペプチドフラグメントを逆相HPLCで精製する。
別の態様に従えば、Fmoc保護基は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びジシクロヘキシルアミンからなる群から選択される二級アミンを加えることにより、第一のペプチドフラグメントから除去する。
別の態様に従えば、本発明の方法は、さらに第二のペプチドフラグメントにカップリングした第一のペプチドフラグメントを担体から切り出すことを含む。特に、本発明の方法はさらに、任意にたとえば逆相HPLCなどのクロマトグラフィーにより、第二のペプチドフラグメントにカップリングした切り出した第一のペプチドフラグメントを精製することを含む。
特定の態様では、本発明は、アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを製造する方法に関し、該方法は、
(a)たとえば固相ペプチド合成により、アミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)を含む第一のペプチドフラグメントをペプチド合成により用意し、ここでXはFmoc保護基であり、第一のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
(b)たとえば固相ペプチド合成により、アミノ酸配列:Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)を含む第二のペプチドフラグメントをペプチド合成により用意し、ここでYは、Boc及びベンジルオキシカルボニルからなる群から任意に選択される、酸に不安定な保護基であり、第二のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
(c)担体から第二のペプチドフラグメントを切り出す;及び
(d)任意に逆相高圧液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーにより、及び/または結晶化によって、切り出した第二のペプチドフラグメントを精製し;
(e)任意にピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びジシクロヘキシルアミンからなる群から選択される二級アミンを加えることによって、第一のペプチドフラグメントからFmoc保護基を除去し;
(f)N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに精製した第二のペプチドフラグメントを加えることによって、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせ;
(g)第二のペプチドフラグメントにカップリングした、担体に連結された第一のペプチドフラグメントを担体から切り出し;そして
(h)任意に逆相高圧液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー及び/または結晶化によって、第二のペプチドフラグメントにカップリングした切り出した第一のペプチドフラグメントを精製する、
の各段階を含む。
原理上は、固相ペプチド合成に有用であることが知られている担体はいずれも、本発明に従う方法で使用することができる(たとえば、Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach,W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク,2000年に記載されているものを参照されたい)。
一態様に従えば、担体は、官能基化ポリマーまたは樹脂であり、任意にポリスチレン、ポリジメチルアクリルアミド及びポリエチレングリコールからなる群から選択される。バッチ式及び連続流として知られる二つの実用的な手順が通常使用される。これらは主として合成の各段階の間で樹脂を洗浄するために使用される方法が異なる。バッチ式プロセスでは、ぺプチジル樹脂はフリット反応容器内に含まれ、試薬は容器上部を通して少しずつ添加され、窒素の陽圧または真空を好適に適用することによって除去する。連続流合成では、樹脂はカラムに充填されており、洗浄は、ポンプで溶媒を樹脂床に通すことによって行う。任意に、本発明の方法はバッチ式プロセスである。
第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントのC-末端アミノ酸は、リンカーによって官能基化ポリマーに結合させることができ、リンカーは任意に4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸(HMPA)であってもよい。しかしながら、原理上、固相ペプチド合成で有用であることが知られるリンカーはいずれも本発明の方法で使用することができる。好適なリンカーは容易に入手可能であり、当業者によく知られている(たとえば本明細書中、参照として含まれる"Fmoc-Solid Phase Peptide Synthesis-A practical approach",W.C.Chan,P.D.White,Oxford University Press Inc.ニューヨーク,2000年、15〜19頁を参照されたい)。
ある態様では、第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントは、任意にトリフルオロ酢酸(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)、臭化水素(HBr)、塩化水素(HCl)及びフッ化水素(HF)からなる群から選択される酸によって、または塩基、任意に水酸化物によって、担体から切り出される。
さらなる側面において、本発明は、アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを含む医薬組成物を製造する方法であって、
(a)上述のように本発明の方法に従ってペプチドを製造し;そして
(b)段階(a)で製造したペプチドを含む医薬組成物を製造する、の各段階を含む上記方法に関する。
すなわち、本発明はまた、配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチドの商業的に好適な医薬組成物を提供し、この組成物は商業的に許容可能なプロセスを使用して製造することができる。本明細書中で使用する場合、「製造」、「製剤」及び「組成物」なる用語は、本明細書中で互換的に使用することができ、二種以上の成分、または物質の組み合わせをさす。
本明細書中で使用する場合、「医薬組成物」とは、有意な量または有効量で被験者に投与した時に、測定可能な特定のまたは選択された生理学的活性をもつ組成物を指すために使用される。本発明の組成物は、医学的に有効量、すなわち治療的または診断的に有用な量のテヅグルチドを含む。そのような量は、組成物の目的の最終用途に応じて決定することができる。テヅグルチドの治療的有用量は、当業者には一般に知られている。
本明細書中で使用する場合、「有効量」及び「十分量」は互換的に使用することができ、組成物中に配合される場合には、目的の組成物の効果または生理学的効果を達成するのに十分な量のテヅグルチドを指す。従って、「治療的有効量」とは、薬学的に活性なペプチドが有効であることが知られている病気の治療において、非毒性であり且つ、治療的、予防的または診断的結果を達成するのに十分量の薬学的活性ペプチドをさす。
様々な生物学的因子は、ある物質がその目的とする機能を果たす能力に影響を与えうることが認識されている。従って、「有効量」または「治療的有効量」は、場合によりかかる生物学的因子に依存することがある。
さらに治療的効果の達成は、当業界で知られる評価を使用して医師または他の有資格医療関係者により測定することができるが、治療に対する個人差及び応答により、治療効果の達成は主観的な判断であることが認識されている。有効量の決定は、薬学及び医学の当業者の能力の範囲内である。
一態様において、薬学的組成物はさらに、組成物のpHを生理学的に許容可能なレベルに調整するのに十分な量のリン酸塩緩衝液を含む。本明細書中で使用する「緩衝液」なる用語は、使用しない場合には起きてしまうであろう、クロマトグラフィー溶液などの溶液のpHが継時で変化する傾向を低減させる化学化合物を指す。好適な緩衝液としては、限定されないが、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、グリシルグリシン、グリシン、ヒスチジン、リジン、リン酸塩、ホウ酸塩、トリスヒドロキシメチル-アミノメタン、エタノールアミン及びこれらの混合物が挙げられる。通常、組成物のpHは約5.5より高く、たとえば約6より高く、たとえば約6.9〜約7.9、または約7.3〜約7.4である。特に、緩衝剤はリン酸塩系のものであることができ、ある態様では35mMリン酸塩緩衝液を使用する。
別の態様では、医薬組成物はさらに、マンニトール及びショ糖からなる群から選択される増量剤を含む。組成物中に含まれる増量剤は、非結晶質アモルファスケーキを生成することができる。
さらに別の態様に従えば、医薬組成物はさらに、薬学的に許容可能な賦形剤を含む。たとえば、本組成物はさらに等張剤(すなわち、等張性調節剤)、たとえば生理学的に許容性の無機塩、たとえば塩化ナトリウム若しくは塩化カリウム、または生理学的に許容性の糖若しくは糖アルコール、たとえばソルビトール、または生理学的に許容性のアミノ酸を含むことができる。特に、医薬組成物はさらにL-ヒスチジンを含むことができる。
別の態様に従えば、医薬組成物は注射可能な剤形として提供される。別の態様に従えば、医薬組成物は非経口剤形として提供される。一つの適用において、本発明の組成物は、消化器疾患、たとえば腸の疾患、疾病または症状の治療のために開発することができる。
本明細書中で使用する場合、「投与」及び「投与する」とは、テヅグルチドまたはこれを含む組成物を被験者に与える方法をさす。本明細書中で使用する場合、「被験者」とは、本明細書中に記載される組成物または方法の適用から恩恵を受けることができる哺乳類をさす。ほとんどの場合、被験者はヒトであるが、他の動物であってもよい。
本発明の特定の態様に従えば、本組成物は、
(a)上述の本発明の方法に従って製造した医薬的有用量のテヅグルチド;
(b)製剤のpHを薬学的に許容可能なレベル、特に約6.0〜約9.0、たとえば約6.5〜約8.0または約7.0〜約7.5に調節するのに十分なリン酸塩緩衝液;
(c)安定化量のアミノ酸L-ヒスチジン;及び
(d)ショ糖及びマンニトールから選択される増量剤
を含む。
特に、本組成物は、
(a)ペプチド約0.1〜約50mg/ml、たとえば約5〜約40mg/ml、または約7〜約30mg/ml、または約10〜約20mg/ml、または約20mg/mlを含む、上述の本発明の方法に従って製造した医学的有用量のテヅグルチド;
(b)pHを生理学的に許容しうるレベル、たとえば約5.5または6を超え、特に約6.0〜約9.0、例えば約6.5〜約8.0、または約7.0〜約7.5で保持するためのリン酸塩緩衝液;
(c)安定化アミノ酸、特にL-ヒスチジン;及び
(d)増量剤、特にマンニトール
を含むことができる。
特に、本組成物は再構成された製品中に、以下のもの:
(a)再構成された製品を約6.9〜7.9のpHに保持するのに必要な量、たとえばpH約7.3〜約7.4に保持する量のリン酸塩緩衝液;
(b)約0.5〜約1%のL-ヒスチジン;
(c)約2〜約5%のマンニトール、たとえば約2.5〜約3.5%のマンニトール、または約3%のマンニトール;及び
(d)上述の本発明の方法に従って製造したテヅグルチドを約0.1〜約50mg/ml、たとえば約5〜約40mg/ml、または約7〜約30mg/ml、または約10〜約20mg/ml、または約20mg/ml
を含む凍結乾燥製剤であってもよい。
本発明の特定の態様では、本組成物は、再構成された製品中に、
(a)上述の本発明の方法に従って製造したテヅグルチド約7〜約30mg/ml、たとえば約10〜約20mg/ml、または約20mg/ml;
(b)pHを約7.3〜約7.4に保持するのに十分なリン酸塩緩衝液;
(c)約0.5〜約1%L-ヒスチジン;及び
(d)約3%マンニトール
を含む凍結乾燥組成物であってもよい。
本発明の文脈において、凍結乾燥(freeze-drying)(凍結乾燥(lyophilization)または低温乾燥(cryodesiccation)としても知られる)としては、ペプチドを保存するか、ペプチドを輸送するのにより好都合にするために通常使用される脱水プロセスを包含する。凍結乾燥は通常、ペプチドを含む液体組成物を凍結し、次いで周囲圧力を下げ、組成物中の凍結水分が固相から気相に直接昇華できるようにするために十分な熱を加えることにより実施する。
従って、本組成物は凍結乾燥状態で、たとえば注射可能な液体組成物として再構築及び続く投与に好適な凍結乾燥粉末として提供することもできる。再構築するためには、滅菌水をシリンジに吸い込み、次いでこれを凍結乾燥組成物を含むバイアルに移すことができる。本発明の凍結乾燥組成物は通常、約5重量%以下の水、たとえば2重量%以下の水、さらには約1重量%以下の水を含む粉末形で提供する。
本発明の別の側面では、配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチドの凍結乾燥組成物を製造する方法を提供する。かかるプロセスは以下の段階を含む:
(a)本発明の方法に従ってペプチドを製造し;
(b)本発明の方法に従って組成物を製造し;
(c)組成物を約−40℃に凍結し;
(d)第一の乾燥段階を約−20℃で実施し;そして
(e)第二の乾燥段階を+20℃で実施する。
別の態様では、凍結乾燥プロセスに供するための組成物は、
(a)上述の本発明の方法に従って製造したテヅグルチド;
(b)再構築した生成物を約6.9〜約7.9のpH、たとえば約7.3〜約7.4のpHに保持するための35mMリン酸塩緩衝液;
(c)約0.5〜約1%のL-ヒスチジン;及び
(d)約3%のマンニトール
を含む。
さらなる側面では、本発明はアミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドに関し、このペプチドは上述の本発明の方法により得ることが可能である。
ある態様では、本発明の方法はハイスループット・フォーマットで実施される。さらなる態様では、本発明は配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチドを製造するための、本発明に記載の方法の使用に関する。
本発明をその態様の幾つかに関して記載してきたが、これは本発明の範囲を限定するものではない。当業者には明らかなように、先に記載の態様に対するさらなる態様及び変更も本発明の範囲内である。
実施例1:ペプチド-ポリマー担体アセンブリ
H-His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp-OH(配列番号1)
1.Fmoc-Asp(OBut)-OH(1.235g,3mmol)(Fmoc=9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)及びジイソプロピルカルボジイミド(0.623g,4mmol)(DIC)を、N,N-ジメチルホルムアミド(15cm3)(DMF)中の4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸-ジメチルアクリルアミドポリマー担体(1g,1mmol)に加え、続いて4-ジメチルアミノピリジン(0.012g,0.1mmol)(DMAP)を加えた。このエステル化を1時間進行させた。ポリマー担体をDMF(10×10cm3)で洗浄し、反応を繰り返した。ポリマー担体を再びDMF(10×10cm3)で洗浄した。
2.ピペリジン/DMF(20cm3,20%v/v)を固体担体に加えた。3分間反応させた。ピペリジン/DMF(20cm3,20%v/v)との第二の処理を7分間実施し、ポリマー担体をDMF(10×10cm3)で洗浄した。
3.Fmoc-Thr(But)-OH(0.994g,2.5mmol)及び2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)(0.755g,2.35mmol)をDMF(10cm3)に溶解した。4-メチルモルホリン(NMM)(0.33cm3,3mmol)を加え、混合物を2〜3分間予備活性化してから、ポリマー担体に加えた。ニンヒドリンアッセイにより、カップリング反応が完了するまでモニターした。次いでポリマー担体をDMF(10×10cm3)で洗浄した。
4.ピペリジン/DMF(20cm3,20%v/v)を固体担体に加えた。3分間反応させた。ピペリジン/DMF(20cm3,20%v/v)との第二の処理を7分間実施し、ポリマー担体をDMF(10×10cm3)で洗浄した。
次いで、上述の3〜4で設定した手順を使用して、ただしFmoc-Ile-OHをFmoc-Thr(But)-OHの代わりに使用して、Fmoc-Ile-OH(0.884g,2.5mmol)をピペリジン/DMFでカップリング及び処置した。
全ペプチド配列のアセンブリは、上述の段階3〜4に記載のように段階的な方式で行った。必要により、ニンヒドリンアッセイが陰性になるまで繰り返しカップリングを実施した。ペプチドは好適な容器中で側鎖官能基に適した一般的な保護基を用いてバッチ式で合成した。使用したすべての試薬は市販されている。
5位でFmocを除去した後、ポリマー担体の半分を、延長したピペリジン処理のために取り出し、四分の一をフラグメントカップリングのために取り出した。
ポリマー担体の半分については、上述のようにアセンブリを続けたが、ただしペプチド-ポリマー担体は、Fmoc除去の間にDMF中ピペリジンでさらに20分間処理して、工業スケールで合成を実施する際に観察されるかもしれない長時間の反応時間を再現した。
ペプチド-ポリマー担体の四分の一については、上述の標準的プロトコルを使用して、アセンブリを続けた。
保護化テトラペプチドフラグメントBoc-His(Trt)-Gly-Asp(OBut)-Gly-OHは、上述のものと類似した標準的プロトコルを使用して、1mmolスケールでH-Gly-2-クロロトリチル-ポリスチレンポリマー担体上で製造した。
実施例2:テヅグルチドの切り出し
二つの完全にアセンブリされたテヅグルチド-ポリマー担体サンプルは、それぞれジクロロメタンで十分に洗浄し、トリイソプロピルシラン(5%v/v)(TIPS)を含むトリフルオロ酢酸(TFA)を加えて切り出しを実施した。
TFA及びTIPSを留去し、ペプチドをジエチルエーテルですりつぶしてすべての残存TIPSを除去した。
実施例3:Boc-His(Trt)-Gly-Asp(OBu t )-Gly-OHの切り出し
保護化テトラペプチドは、ジクロロメタン中のTFA(1%v/v,6×10cm3)を使用してクロロトリチル-ポリスチレンポリマー担体から切り出した。TFA/ジクロロメタンの各部分は、メタノール中のピリジン(2%v/v,40cm3)に加えて酸を中和した。
溶媒をロータリーエバポレーター処理により除去してから精製した。
実施例4:Boc-His(Trt)-Gly-Asp(OBu t )-Gly-OHの精製
Boc-His(Trt)-Gly-Asp(OBut)-Gly-OHは、以下の条件を使用して、Luna C18逆相カラム(15μm,5cm直径×25cm)で精製した。
緩衝液A=水。
緩衝液B=MeCN。
勾配:20〜40%Bを60分で、続いて40〜90%Bを60分で。
波長:230nm。
実施例5:フラグメントのカップリング
精製したBoc-His(Trt)-Gly-Asp(OBut)-Gly-OHは、Fmoc-アミノ酸カップリングに関して上述したTBTUを使用する標準的カップリング手順を適用して、55μmolスケールで、5位で切り取られたペプチド-ポリマー担体にカップリングさせた。
ペプチドは、縮小スケールで実施例2に記載のようにポリマー担体から切り出した。
実施例6:粗ペプチドの分析
粗ペプチドの三バッチ分を、以下の条件を使用してVydac C18カラム(5μm,4.6mm×250mm)の逆相HPLCにより分析した。
緩衝液A=0.1%v/v TFA/水。
緩衝液B=0.1%v/v TFA/MeCN。
勾配液:1〜99%B、20分で。
波長:230nm。
実施例7:HPLCの結果
全テヅグルチド分子は、上述のFmoc-固相プロトコルを使用してアセンブリした。アセンブリした粗ペプチドの純度は、HPLCにより52%であり、24%のβ-Asp類似体を含んでいた(図1を参照)。
また、全テヅグルチド分子は、大規模スケールで観察されるかもしれない塩基との接触時間の増加効果を示すために、最後の4つのアミノ酸に関して延長したピペリジン処理を使用してアセンブリした。この粗ペプチドは39%の純度であり、45%のβ-Asp類似体を含んでいた(図2を参照)。
さらに5〜33フラグメントは、上述のFmoc-固相プロトコルを使用して固相上でアセンブリした。保護化テトラペプチドBoc-His(Trt)-Gly-Asp(OBut)-Gly-OHをアセンブリし、精製してから、固相上の5〜33フラグメントにカップリングさせた。テトラペプチドを担体から切り出し、精製し、固体担体に結合している5〜33フラグメントにカップリングさせた。このアセンブリの粗ペプチドは59%の純度であり、17%のβ-Asp類似体を含んでいた(図3を参照)。
まとめると、標準的アセンブリにおける線形分子対分岐分子の比は2.18であった。延長ピペリジン処理を行ったアセンブリでの比は0.88であった。2フラグメントアセンブリにおける線形ペプチド対分岐β-Asp類似体の比は3.52であった。従ってこのデータは明らかに、本発明に従う2フラグメントアセンブリではβ-Asp類似体のレベルが顕著に低下したことを示している。
特定の理論に縛られることを望むものではないが、簡便なテトラペプチド精製段階を上記実施例で実施し、及び上記段階のさらなる最適化は当業者に知られているので、80%以上の未精製品純度が達成可能であると考えられる。本方法により精製段階での負荷を同時に軽減するとともに費用と製造スケールをかなり低減できるだろう。
本発明の幾つかの態様は以下のものに関連する。
1.アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを製造する方法であって、
(a)アミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)を含む第一のペプチドフラグメントを用意し、ここでXは第一の保護基であり、第一のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
(b)アミノ酸配列:Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)を含む第二のペプチドフラグメントを用意し、ここでYは第二の保護基であり;
(c)第一のペプチドフラグメントから第一の保護基を除去し;そして
(d)N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせる、
の各段階を含む上記方法。
2.第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントが固相ペプチド合成により製造される、1に記載の方法。
3.第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントは、C-末端アミノ酸残基を担体に連結させ、続いてC-末端が担体に連結された残基(単数または複数)のN-末端に、適切に保護されたアミノ酸を加えることにより提供される、2に記載の方法。
4.C-末端が担体に連結された残基(単数または複数)のN-末端に続いて加えるべき第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントのアミノ酸は、Boc及びFmocからなる群から選択される保護基でそれぞれ保護される、3に記載の方法。
5.第一の保護基はFmocである、1〜4のいずれかに記載の方法。
6.第二の保護基は、Boc及びベンジルオキシカルボニルからなる群から任意に選択される酸に不安定な保護基である、1〜5のいずれかに記載の方法。
7.第二のペプチドフラグメントのヒスチジン残基は、トリチル、Boc、Bom及びBumからなる群から選択される保護基を用いて側鎖で保護される、1〜6のいずれかに記載の方法。
8.第二のペプチドフラグメントのアスパラギン酸酸残基は、tert-ブチル、エステル保護基を用いて側鎖で保護される、1〜7のいずれかに記載の方法。
9.第二のペプチドフラグメントを担体から切り出してから、N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせる、3〜8のいずれかに記載の方法。
10.切り出された第二のペプチドフラグメントを、任意にクロマトグラフィー及び/または結晶化により精製してから、N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせる、9に記載の方法。
11.Fmoc保護基は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びジシクロヘキシルアミンからなる群から選択される二級アミンを加えることにより、第一のペプチドフラグメントから除去される、5〜10のいずれかの方法。
12.第二のペプチドフラグメントにカップリングされた第一のペプチドフラグメントを担体から切り出すことをさらに含む、1〜11のいずれかの方法。
13.第二のペプチドフラグメントにカップリングされた切り出された第一のペプチドフラグメントを、任意にクロマトグラフィーにより精製することをさらに含む、12に記載の方法。
14.(a)アミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)を含む第一のペプチドフラグメントをペプチド合成により用意し、ここでXはFmoc保護基であり、第一のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
(b)アミノ酸配列:Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)を含む第二のペプチドフラグメントをペプチド合成により用意し、ここでYは、Boc及びベンジルオキシカルボニルからなる群から任意に選択される酸に不安定な保護基であり、第二のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
(c)担体から第二のペプチドフラグメントを切り出し;そして
(d)任意に逆相高圧液体クロマトグラフィーにより、切り出した第二のペプチドフラグメントを精製し;
(e)任意にピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びジシクロヘキシルアミンからなる群から選択される二級アミンを加えることによって、第一のペプチドフラグメントからFmoc保護基を除去し;
(f)N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに精製した第二のペプチドフラグメントを加えることによって、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせ;
(g)第二のペプチドフラグメントにカップリングした担体に連結された第一のペプチドフラグメントを担体から切り出し;そして
(h)任意に逆相高圧液体クロマトグラフィーによって、第二のペプチドフラグメントに結合した、切り出した第一のペプチドフラグメントを精製する、
の各段階を含む、1〜13のいずれかの方法。
15.担体は、任意にポリスチレン、ポリジメチルアクリルアミド及びポリエチレングリコールからなる群から選択される官能基化ポリマーである、1〜14のいずれかの方法。
16.第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントのC-末端アミノ酸は、任意に4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸(HMPA)により官能基化ポリマーに結合している、15の方法。
17.第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントは、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)、臭化水素(HBr)、塩化水素(HCl)及びフッ化水素(HF)からなる群から選択される酸によって、または塩基、任意にり水酸化物によって、担体から切り出される、1〜16のいずれかの方法。
18.アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを含む医薬組成物を製造する方法であって、
(a)1〜17のいずれかに記載の方法に従ってペプチドを製造し;そして
(b)段階(a)で製造したペプチドを含む医薬組成物を製造する、
の各段階を含む上記方法。
19.医薬組成物は、組成物のpHを生理学的に許容可能なレベルに調整するのに十分な量のリン酸塩緩衝液をさらに含む、18に記載の方法。
20.医薬組成物はさらにL-ヒスチジンを含む、18または19の方法。
21.医薬組成物はさらに、マンニトール及びショ糖からなる群から選択される増量剤をさらに含む、18〜20のいずれかに記載の方法。
22.医薬組成物は注射可能な剤形として提供される、18〜21のいずれかの方法。

Claims (16)

  1. アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを製造する方法であって、
    (a)アミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)を含む第一のペプチドフラグメントを用意し、ここでXは第一の保護基であり、第一のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
    (b)アミノ酸配列:Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)を含む第二のペプチドフラグメントを用意し、ここでYは第二の保護基であり;
    (c)第一のペプチドフラグメントから第一の保護基を除去し;そして
    (d)N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせる、
    の各段階を含む上記方法。
  2. 第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントが固相ペプチド合成により製造され、第二のペプチドフラグメントが固相合成により製造される場合、第二のペプチドフラグメントを担体から切り出してから、N-末端が脱保護された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせるか、及び/または、第一のペプチドフラグメントが固相ペプチド合成により製造される場合、第二のペプチドフラグメントにカップリングされた第一のペプチドフラグメントを担体から切り出す、請求項1に記載の方法。
  3. 第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントは、C-末端アミノ酸残基を担体に連結し、続いてC-末端が担体と連結された残基(単数または複数)のN-末端に適切に保護されたアミノ酸を加えることにより提供される、請求項2に記載の方法。
  4. C-末端が担体に連結された残基(単数または複数)のN-末端に続いて加えるべき第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントのアミノ酸は、Boc及びFmocからなる群から選択される保護基でそれぞれ保護される、請求項3に記載の方法。
  5. 第一の保護基はFmocである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 第二の保護基は酸に不安定な保護基である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 酸に不安定な保護基が、Boc及びベンジルオキシカルボニルからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 第二のペプチドフラグメントのヒスチジン残基は、トリチル、Boc、Bom及びBumからなる群から選択される保護基で側鎖において保護される、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  9. 第二のペプチドフラグメントのアスパラギン酸酸残基は、tert-ブチルエステル保護基を用いて側鎖で保護される、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  10. (a)アミノ酸配列:X-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号2)を含む第一のペプチドフラグメントをペプチド合成により固相合成により用意し、ここでXはFmoc保護基であり、第一のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
    (b)アミノ酸配列:Y-His-Gly-Asp-Gly(配列番号3)を含む第二のペプチドフラグメントをペプチド合成により固相合成により用意し、ここでYは、Boc及びベンジルオキシカルボニルからなる群から任意に選択される酸に不安定な保護基であり、第二のペプチドフラグメントのC-末端残基は担体に連結されており;
    (c)担体から第二のペプチドフラグメントを切り出し;そして
    (d)任意に逆相高圧液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーにより、及び/または結晶化などによって、切り出された第二のペプチドフラグメントを精製し;
    (e)任意にピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びジシクロヘキシルアミンからなる群から選択される二級アミンを加えるることによって、第一のペプチドフラグメントからFmoc保護基を除去し;
    (f)N-末端が脱保護された、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに精製した第二のペプチドフラグメントを加えることによって、担体に連結された第一のペプチドフラグメントに第二のペプチドフラグメントをカップリングさせ;
    (g)第二のペプチドフラグメントにカップリングした担体に連結された第一のペプチドフラグメントを担体から切り出し;そして
    (h)任意に逆相高圧液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーなどによって、第二のペプチドフラグメントに結合した、切り出された第一のペプチドフラグメントを精製し、担体は任意に官能基化ポリマー、たとえばポリスチレン、ポリジメチルアクリルアミド及びポリエチレングリコールからなる群から選択されるポリマーである、
    の各段階を含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  11. 第一のペプチドフラグメント及び/または第二のペプチドフラグメントのC-末端アミノ酸は、リンカー、任意に4-ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸(HMPA)によって官能基化ポリマーに結合している、請求項10に記載の方法。
  12. アミノ酸配列:His-Gly-Asp-Gly-Ser-Phe-Ser-Asp-Glu-Met-Asn-Thr-Ile-Leu-Asp-Asn-Leu-Ala-Ala-Arg-Asp-Phe-Ile-Asn-Trp-Leu-Ile-Gln-Thr-Lys-Ile-Thr-Asp(配列番号1)を含むペプチドを含む医薬組成物を製造する方法であって、
    (a)請求項1〜11のいずれかに記載の方法に従ってペプチドを製造し;そして
    (b)段階(a)で製造したペプチドを含む医薬組成物を製造する、
    の各段階を含む上記方法。
  13. 医薬組成物は、組成物のpHを生理学的に許容可能なレベルに調整するのに十分な量のリン酸塩緩衝液をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 医薬組成物はさらにL-ヒスチジンを含む、請求項12または13の方法。
  15. 医薬組成物はさらに、マンニトール及びショ糖からなる群から選択される増量剤をさらに含む、請求項1214のいずれかに記載の方法。
  16. 医薬組成物は注射可能な剤形として提供される、請求項1215のいずれかに記載の方法。
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