【発明の詳細な説明】
VIPアナログの合成
本発明は、4つの保護ぺプチド断片から、血管作動性腸管ペプチドアナログ、
Ac(1−31)−NH2を合成するための新規な方法に関する。
血管作動性腸管ペプチド(VIP)は、気道の粘液分泌を調節し、抗アレルギ
ーおよび抗炎症特性を有する、平滑筋弛緩/気管支拡張物質である。最近の研究
により、代謝安定性およびレセプター結合特性が増強されたVIPのアナログが
発見された。このVIPアナログは、欧州特許出願第92/117,185号の
主題である。
現在のところ、VIPアナログは、固相合成を用いて調製されている。固相合
成には、例えば、クロロメチル化樹脂またはヒドロキシメチル樹脂に、エステル
結合により、アルファーアミノ酸を結合させ、例えばt−ブチルオキシカルボニ
ル(Boc)で保護することが含まれる。樹脂に連続的にアミノ酸を追加してゆ
く。酸性条件下でアルファアミノ酸Boc保護を除去し、次の保護されたアミノ
酸を順次縮合させ、中間体としての保護ペプチド一樹脂を得る。保護基を除去し
、複数のフッ化水素による結合開裂反応により、ペプチドを樹脂から切断する。
ペプチドの精製は、a)サイズ排除ゲルクロマトグラフィーおよびb)分取高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)の2段階で行う。この多段階を要する方法
には、多くの時間がかかり、標的ペプチドの回収率も不充分である。
したがって、本発明の目的は、VIPアナログ合成のための、比較的単純でよ
り効率的でより経済的な方法を提供することである。
本発明は、保護ペプチド断片から、下記式を有するVIPアナログ、AC(1−31)−NH2を合成するための新規な方
法を提供する。好ましくは、反応は、Fmoc保護断片を結合させることを特徴
とし、より好ましくは、以下の4つの断片:ペプチド断片I(配列番号2)、ペ
プチド断片II(配列番号3)、ペプチド断片III(配列番号4)およびペプチド
断片IV(配列番号5)を結合させることを特徴とする。固相合成によりアナログ
を調製する場合には、ペプチド断片を予め分取HPLCで精製することが必要で
あるが、新規な方法ではそれが不要であり、また、標的環状VIPアナログの合
成の間に形成される中間体の精製も不要である。得られた生成物は、組立て後の
最終段階で、分取HPLCで1回通過させることにより、精製した。
環状VIPアナログ、Ac−(1−31)−NH2の合成のための本発明の方
法には、2つまたはそれ以上の保護ぺプチド断片の結合が含まれる。好ましい保
護断片は、以下の4つのFmoc保護断片である。すなわち、断片I、Fmoc
−(26−31)−NH2(配列番号2);断片II、Fmoc−(19−25)
−OH(配列番号3);断片III、Fmoc−(9−18)−OH(配列番号4
);および断片IV、Ac−(1−8)−OH(配列番号5)であり、これらはそ
れぞれ以下のように表される。 4つのFmoc保護ペプチド断片、ペプチド断片I(配列番号2)、ペプチド
断片II(配列番号3)、ペプチド断片III(配列番号4)およびペプチド断片IV
(配列番号5)を結合させることにより、化合物Ac−(1−31)−NH2(
配列番号1)を合成するための本発明の方法は、(a)ペプチド断片IのFmo
c保護基を脱保護し、脱保護ペプチド断片Iを保護ペプチド断片IIと結合させる
工程;(b)工程(a)で得られたぺプチドのFmoc保護基を脱保護し、それ
を保護断片IIIと結合させる工程;(c)工程(b)で得られたペプチドのFm
oc保護基を脱保護し、それを保護断片IVと結合させる工程;(d)工程(c)
で得られた保護ペプチドを脱保護して、脱保護Ac(1−31)−NH2を得る
工程を含む。
保護ペプチド断片I−IV は、各結合反応生成物の最大の結合効率および最小
のラセミ化に基づき選択された。各結合反応には、当量の各断片を使用したため
、
標的ペプチドへの経済的な経路が提供された。各結合後に形成される中間体は、
さらなる精製を行うことなく、次の結合反応に直接使用した。
本明細書に記載されているように、固相合成後に生成した各断片の1回の精製
工程の後の純度は、約82%〜約97%であることが分析用HPLCにより決定
され、各断片は、さらなる精製を行うことなく環状VIPアナログの合成のため
に使用した。
より詳細には、式Ac−(1−31)−NH2(配列番号1)の精製された化
合物を合成するための方法は、(a)ペプチド断片I(配列番号2)のFmoc
保護基を脱保護し、脱保護ペプチド断片Iを保護ペプチド断片II(配列番号3)
と結合させて、保護中間体ぺプチドFmoc(19−31)−NH2(配列番号
6)を得る工程;(b)中間体Fmoc(19−31)−NH2のFmoc保護
基を脱保護し、脱保護中間体Fmoc(19−31)−NH2を保護断片III(配
列番号4)と結合させて、保護中間体ペプチドFmoc(9−31)−NH2(
配列番号7)を得る工程;(c)中間体Fmoc(9−31)−NH2のFmo
c保護基を脱保護し、脱保護中間体Fmoc(9−31)−NH2を保護断片IV
(配列番号5)と結合させて、保護中間体ペプチドAc−(1−31)−NH2
を得る工程;(d)保護ペプチドAc(1−31)−NH2を脱保護する工程;
および(e)例えば分取HPLCにより、脱保護ペプチドAc(1−31)−N
H2を精製する工程を含む。
本明細書で用いられるように、ペプチドを定義するために用いる命名法は、当
分野で典型的に用いられているものであり、N末端のアミノ基は左方に、C末端
のカルボキシル基は右方に示される。天然のアミノ酸とは、タンパク質中に見出
される天然に存在するアミノ酸、即ち、Gly、Ala、Val、Leu、Il
e、Ser、Thr、Lys、Arg、Asp、Asn、Glu、Gln、Cy
s、Met、Phe、Tyr、Pro、Trp、およびHisのうちの一つを意
味する。アミノ酸が異性体の形で存在する場合には、特に示さない限り、L型ア
ミノ酸が表されている。
本明細書の他の箇所に記載されているものに加えて、アミノ酸、保護基、溶媒
、試薬などを表すため、以下のような略語または記号を使用する。記号 意味
Ac アセチル
Nle ノルロイシン
Fm 9−フルオレニルメチル
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
末尾に「−OH」および「−NH2」が付された「VIP」は、それぞれ、遊
離酸型およびアミド型のポリペプチドを意味する。末尾が付されていない場合に
は、その表現は両方の型を含むものとする。
本明細書で定義されるように、環状ペプチドとは、ペプチド中のあるアミノ酸
の側鎖カルボキシル末端が、ペプチド鎖中の別のアミノ酸の側鎖アミノ末端と、
アミド結合を形成することにより共有結合しているペプチドである。環状ペプチ
ドを表すには、いくつかの命名法および記号が用いられる。例えば、以下のよう
なものである。
a.シクロ(Lys21−Asp25)−Fmoc−Ala19−Lys(Boc)20
−Lys21−Tyr(tBu)22−Leu23−Asn24−Asp25−OH;
b.Fmoc−(19−25)−OH;
c.Fmoc−〔A1a19−Asp25〕−VIPシクロ(21→25);
d.〔Fmoc−(配列番号3)−OH〕;
e.Fmoc−〔Ala19−Asp25〕−VIPシクロ(Lys21→Asp25)
;
f.〔Fmoc−(配列番号3)−OH〕;
g.
上記の構造(a−g)および「(配列番号)」を用いた表記は、それぞれ、N
末端の水素原子がFmoc基に置換されたVIPペプチド断片に相当するアミ
ノ酸配列を有する同一ペプチドを表し、定義する。さらに、21位のリシンの側
鎖カルボキシルと25位のアスパラギン酸の側鎖アミンとの間にアミド結合が形
成され、したがって、環状ペプチド断片が形成されている。ペプチド構造の上記
の表記は、等価であり交換可能であると考えられる。
本発明の環状ペプチドにおいては、他に断らない限り、以下の配置が適合する
。
鎖中のアミノ酸 環状ぺプチドを形成するために結合するアミノ酸の末端
Lys εアミノ ε
Asp βカルボキシル(β=ベータ)
Glu γカルボキシル(γ=ガンマ)
本発明のVIPアナログを含むペプチド断片は、アミノ酸間のペプチド結合を
形成するための、いかなる公知の常法によっても容易に合成できる。そのような
常法としては、例えば、カルボキシル基もしくは他の反応性基が保護されている
アミノ酸またはその残基の遊離のアルファアミノ基と、アミノ基もしくは他の反
応性基が保護されている別のアミノ酸またはその残基の遊離の第一カルボキシル
基との結合を可能とするすべての液相法が挙げられる。
VIPアナログを含むペプチド断片を合成するための方法は、目的の配列中の
各アミノ酸を一つずつ別のアミノ酸もしくはその残基に連続的に付加していく方
法により、または目的のアミノ酸配列を有するペプチド断片をまず常法により合
成した後、それを結合させて目的のペプチドを得る方法により、実施される。
そのようなペプチド断片を合成するための常法としては、例えば、すべての固
相ペプチド合成法が挙げられる。そのような方法では、固相法の一般的な原理に
従い、伸長中のペプチド鎖に、連続的に一つずつ目的のアミノ酸残基を組み込む
ことによって、ペプチド断片を合成できる〔Merrifield,R.B.,J.Amer.Chem.Soc.
85,2149-2154(1963);Barany et al.,The Peptides,Analysis,Synthesis an
d Biology,Vol.2,Gross,E.and Meienhofer,J.,Eds.Academic Press 1-2
84(1980)〕。
ペプチドの化学合成に共通しているのは、適当な保護基による、様々なアミノ
酸残基の反応性側鎖基の保護であり、それにより、最終的に保護基が除去される
までその部位で化学反応が起こるのを防止する。また、アミノ酸または断片上の
アルファアミノ基を、カルボキシル基における反応の間保護し、その後、アルフ
ァアミノ保護基を選択的に除去することによりその部位において以降の反応が起
きることを可能とすることもよく知られている。固相合成法に関して、特定の保
護基が開示されているが、各アミノ酸は、液相合成において各アミノ酸に対して
通常用いられる保護基により保護することができることに注意されたい。
アルファアミノ基は、ベンジルオキシカルボニル(Z)および置換されたベン
ジルオキシカルボニル、例えばp−クロロベンジルオキシカルボニル、p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−ビフ
ェニルイソプロピルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニ
ル(Fmoc)およびp−メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)などの
芳香族ウレタン型保護基;t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロ
ピルメチルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、およびアリルオ
キシカルボニルなどの脂肪族ウレタン型保護基から選択される適当な保護基によ
り保護できる。アルファアミノ保護には、Bocが最も好ましい。
カルボキシル基は、ベンジル(OBzl)、または低級アルキル、ハロ、ニト
ロ、チオ、もしくは置換されたチオ(すなわち低級アルキル(1〜7炭素原子)
チオ)により置換されたベンジルのような芳香族エステル;低級アルキル、t−
ブチル(Ot−Bu)、シクロペンチル、シクロヘキシル(OcHx)、シクロ
ヘプチル、および9−フルオレニルメチル(OFm)のような脂肪族エステルか
ら選択される適当な保護基により保護できる。グルタミン酸(Glu)には、O
BzlおよびOFmが最も好ましく、アスパラギン酸(Asp)には、OChx
、OBzlおよびOFmが最も好ましい。
水酸基は、ベンジル(Bzl)、または低級アルキル、ハロ(例えば2,6−
ジクロロベンジル(DCB))、ニトロ、もしくはメトキシで置換されたベンジ
ルのようなエーテル;t−ブチル(t−Bu)、テトラヒドロピラニル、および
トリフェニルメチル(トリチル)から選択される適当な保護基により保護できる
。セリン(Ser)およびトレオニン(Thr)には、Bzlが最も好ましい。
チロシン(Tyr)には、BzlおよびDCBが最も好ましい。
側鎖アミノ基は、ベンジルオキシカルボニル(Z)および置換されたベンジル
オキシカルボニル、例えばp−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベ
ンジルオキシカルボニル(2−Cl−Z)、p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−ビフェニルイソプロピルオキシ
カルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)およびp−
メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)などの芳香族ウレタン型保護基;
t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメチルオキシカルボニ
ル、イソプロピルオキシカルボニル、およびアリルオキシカルボニルのような脂
肪族ウレタン型保護基から選択される適当な保護基により保護できる。オルニチ
ン(Orn)にはZが最も好ましい。リシン(Lys)には2−Cl−Zおよび
Fmocが最も好ましい。
グアニジノ基は、ニトロ、p−トルエンスルホニル(Tos)、Z、アダマン
チルオキシカルボニル、およびBocから選択される適当な保護基により保護で
きる。アルギニン(Arg)には、Tosが最も好ましい。
側鎖アミド基は、キサンチル(Xan)により保護できる。アスパラギン(A
sn)およびグルタミン(Gln)は、保護しないことが好ましい。
イミダゾール基は、p−トルエンスルホニル(Tos)、9−フルオレニルメ
チルオキシカルボニル(Fmoc)、トリフェニルメチル(トリチル)、2,4
−ジニトロフェニル(Dnp)、Bocおよびベンジルオキシメチル(Bom)
から選択される適当な保護基により保護できる。ヒスチジン(His)には、T
osおよびBomが最も好ましい。
本発明の目的のためには、保護アミノ酸は、例えばLys(Boc)、Glu
(OtBu)、およびTyr(tBu)のように表される。
メタノール(MeOH)、塩化メチレン(CH2Cl2)、アセトニトリル(C
H3CN)、エーテル、ヘキサンおよびジメチルホルムアミド(DMF)を含む
すべての溶媒は、フィッシャー(Fisher)またはブルディック(Burdick)およ
びジャクソン(Jackson)から購入した。トリフルオロ酢酸(TFA)は、ハロ
カーボン(Halocarbon)から購入し、さらなる精製を行うことなく使用した。ジ
イソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,2−エタンジチオール(EDT
)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−ヒドロキシスク
シンイミド(HOSu)およびチオアニソールは、アルドリッチ・ケミカル社(
ウィスコンシン州、ミルウォーキー)から購入した。1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール(HOBT)は、シグマ・ケミカル社(ミシガン州、セントルイス)か
ら、2−(1H−べンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメ
チルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)およびベンゾトリアゾ
ール−1-イルオキシートリー(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオ
ロホスフェート(BOP)は、リチェリウ・バイオテクノロジース(RichelieuBi
otechnologies)(カナダ、ケベックリ州、セントヒヤシンセ(St.Hyacinthe))
から購入した。2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコールコポリスチレ
ン1%ジビニルベンゼン(サスリン樹脂(Sasrin-resin))は、ベーケム・バイオサ
イエンス(BachemBioscience)から入手した。Fmoc/tBu保護アミノ酸は
、すべてL配置であり、ベーケム社(Bachem,Inc)(カリフォルニア州、トラ
ンス)から購入した。
分析用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、グラジエント・マスター
(Gradient Master)およびスペクトロモニターIII UV可変波長検出器(Spect
romonitor III UV-Variable Wavelength Detector)を装備したLDCコンスト
ラメトリックIIG(LDC Constrametric IIG)を用い、リクロソルブ(Lichrosorb
)RP−8(5μ)カラム(4.6mm×25cm);溶離剤:(A)0.1M Na
ClO4(pH2.5)−(B)CH3CN、20分間の直線勾配;流速1ml/分;
検出214nmで行った。保護中間体、Fmoc−(19−31)−NH2およ
びFmoc−(9−31)−NH2のHPLCは、リクロソルブRP−8(5μ)
カラム(4.6mm×25cm);溶離剤:(A)NaClO4(pH2.5)−(B
)CH3CN;20分間40〜90%(B)の直線勾配;流速1ml/分;検出21
4nmで行った。保護Ac−(1−31)−NH2のHPLCは、(B)CH3CN
:IPrOH(1:1);20分間60〜95%(B)の直線勾配を用いて、同
カラムで行った。環状VIPアナログのHPLCは、(i)ビダック(Vydac)
C−18カラム;溶離剤:(A)H2O(0.1%TFA)−(B)CH3CN(
0.1%TFA);20分間15〜30%(B)の直線勾配;流速1ml/分;検
出214nm、(ii)ゾルバックス・プロテイン・プラス(Zorbax Protein
Plus)カラム;溶離剤:(A)H2O(0.1%TFA)−(B)CH3CN(0
.1%TFA);20分間20〜35%(B)の直線勾配;流速2ml/分;検出
210nm、(iii)リクロソルブRP−8(5μ)カラム;溶離剤:(A)Na
ClO4(pH2.5)−(B)CH3CN;20分間30〜50%(B)の直線勾
配;流速1ml/分;検出206nmで行った。分取HPLCは、デルタプレップ(D
eltaPrep)3000システムYMC ODS−A(120Å、15μ)カラム(
4.7×50cm);溶離剤:(A)H2O(0.1%TFA)−(B)CH3CN
:MeOH(1:1)(0.1%TFA);3時間20〜50%(B)の直線勾
配;流速80ml/分;検出215nmで行った。
高速原子衝撃質量分析法(FAB−MS)は、ベックマン(Beckman)VG2
AB−1FまたはVG70E−HF質量分析計で記録した。アミノ酸解析は、ベ
ックマンモデル121Mアミノ酸分析器で行った。保護ペプチド断片および遊離
のペプチドは、密封された真空チューブ内で、6N HCl(ピアース・ケミカル
社(Pierce Chemical Co.))中で110℃で24時間加水分解した。
本発明では、4つのペプチド断片I−IVを、反復的固相合成により調製した。
合成の間を通して、結合反応は、カイザー・ニンヒドリン試験(Kaiseretal.,A
nal.Biochem.,34,595-598(1970))によりモニターし、反応の進行および完了
を決定した。樹脂の調製は、以下のようにしてUV解析によりモニターした。
合成過程中の各時点における、保護アミノ酸(AA)樹脂(Fmoc−AA−
樹脂)の置換には、N−(9−フルオレニルメチル)ピペリジンの301nm(ε
=7800)における吸光度を用いた。試験管内で4〜8mgの樹脂を正確に秤量
し、20%ピペリジンを含む0.5mlのDMFで処理した。例えば、5.05mg
のFmoc−Gly−樹脂を含む試験管に、20%ピペリジンを含む0.5mlの
DMFを添加した。20%ピペリジンを含む0.5mlのDMFのみを含む空の試
験管をブランクとして用いた。その後15分にわたり、Fmoc−Gly−樹脂
を含む試験管を2回または3回撹拌して、樹脂全体が確実にピペリジン溶液と接
触するようにした。DMFを両方の試験管に添加して、量を50mlとした。分光
光度計を、ブランクを用いて301nmでゼロ点調整した。
Fmoc置換の吸光度は以下のように計算した。
概して、ペプチド樹脂断片からのFmoc保護基の脱保護は、以下の手順に従
い行った。
実施例1〜8に記載されている、断片I、Fmoc−(26−31)−NH2
の合成には、XALリンカー樹脂を用いて、そして結合試薬としてベンゾトリア
ゾール−1−イルオキシトリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオ
ロホスフェート(BOP)を用いて、C末端アミド断片を調製することが含まれ
ていた。概して、最終純度を確実にするため各アミノ酸について、二重の結合を
行った。典型的には、1回目の結合には4当量の試薬を用い、2回目の結合には
2当量の試薬を用いた。
実施例9〜15に記載されている、断片II、Fmoc−(19−25)−OH
の合成には、保護ヘプタペプチドの段階的な固相組立てが含まれており、COO
H末端残基Aspを、Fmoc−Asp(O−サスリン)−OBzlを経
由してβ−COOHでサスリン樹脂と結合させた。出発樹脂に、ジペプチド、F
moc−Leu−Asn−OHを結合させた。Fmoc−Leu−Asn−OH
は、Fmoc−Leu−OHおよびH−Asn−OHから(Fmoc−Leu−
OHからFmoc−Leu−OSuへの前活性化を介して)、71.3%の収率
で調製された(分析用HPLCで純度は>95%であると推定された)。トリペ
プチド−樹脂を、それぞれ、Fmoc−Tyr(tBu)−OHおよびFmoc
−Lys(Alloc)−OHを用いた2サイクルの固相合成に付した。得られ
たペンタペプチド−樹脂の一部を、次は、Fmoc−Lys(Boc)−OHお
よびFmoc−Ala−OHを用いたさらに2サイクルの固相合成に付した。完
全保護ヘプタペプチド−樹脂の一部を0.5%TFA−CH2Cl2で切断し、H
PLCで1つのメジャーピーク(純度は>82%と推定された)を得た。Pd〔
(C6H5)3P〕2およびBu3SnHを用いて、Lys(Alloc)21−保護基
を選択的に除去し、得られた部分保護ヘプタペプチド−樹脂を0.5%TFA−
CH2Cl2で切断した。完全に樹脂から切断するには、10分間にわたる切断が
合計5回必要であった。生成物、Fmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys
−Tyr(tBu)−Leu−Asn−Asp(OBzl)は、分析用HPLC
で純度が>80%であることが決定され、全収率は75.7%(出発樹脂、Fm
oc−Asp(O−サスリン)−OBzlの負荷量に対して)であった。
直鎖状ヘプタペプチドの側鎖−側鎖環化(Lys21−Asp25)は、BOPお
よびDIPEAを用いて、DMFを含む溶液中で行い、1.25時間で完了した
。この粗生成物を分析用HPLCに付したところ、ほぼ完全に直鎖状ヘプタペプ
チドが変換されていることが示された。得られた環状ヘプタペプチドの一回の精
製工程は、シリカゲルで行った。この精製工程で、ラクタム化の間に形成された
オリゴマーが除去された。この精製した生成物を分析用HPLCに付したところ
、環状ヘプタペプチドの純度は>98%であった。出発樹脂に対する、精製され
た環状ヘプタペプチドの全収率は37%であった。
C末端ベンジルエステルの最終的な脱保護は、ビブロミキサー(vibromixer)
装置内で、10%Pd担持炭素を用いて、約6時間にわたり水素化分解を行うこ
とにより行った。反応は、分析用HPLCにより追跡し、最終生成物、シク
ロ(Lys21−Asp25)−Fmoc−Ala19−Lys(Boc)20−Lys21
−Tyr(tBu)22−Leu23−Asn24−Asp25−OHは、>97%の
純度で、(出発樹脂に対して)33.7%の全収率で得られた。最終生成物の構
造および同定を、1H−NMR分光法により確認し、アミノ酸解析および質量分
析により完全に特徴決定した。
実施例16〜26に記載されている、断片III、Fmoc−(9−18)−O
H、および実施例27〜36に記載されている、断片IV、Ac−(1−8)−O
Hの反復的な固相合成は、結合試薬としてBOPを用い、Fmoc保護基の脱保
護にはピペリジンを用いて行った。断片上の側鎖保護基が保持されるように、酸
に対して極めて不安定なサスリン・リンカーを用いた。概して、最終純度を確実
にするために、各アミノ酸について、2回の結合反応を行った。第1回の結合に
は2当量の試薬を用い、2回目または3回目の結合には1当量の試薬を用いた。
切断後に得られた平均純度は、ペプチド断片IIIについては91%、ペプチド
断片IVについては95%であった。切断後に得られたこれらのペプチドの純度は
、さらなる精製を行うことなく、VIPアナログのペプチド断片集合合成に直接
使用するのに充分なものであった。
本発明の新規な環状VIPアナログの合成は、以下に示すようにして、4つの
断片I〜IVの結合により達成された。断片結合の各サイクルは、以下のような同一の手順に従い行った。(i)10%
Et2NHを含むDMFにより、1つのペプチド断片のFmoc保護基を脱保護
し(2時間);(ii)ヘキサン・エーテルを用いた洗浄によりフルオレンを除去
し;(iii)0°/30分〜1時間、HBTU(1.2当量)、HOBt(3.
6当量)を含むDMF−CH2Cl2を用い、そして25°/3時間、DIPEA
(4.8当量)を用いて、脱保護ペプチド断片と、1.0当量の別の保護断片1.
0当量とを結合させ;そして、(iv)蒸発およびCH2Cl2への溶解を行い、そ
して飽和NaHCO3および10%クエン酸を用いて抽出した。
好ましい実施態様において、断片結合の各サイクルは、以下のようにして行っ
た。(i)10%Et2NHを含むDMFにより、ペプチド断片IのFmoc保
護基を脱保護し(2時間);(ii)ヘキサン・エーテルを用いた洗浄によりフル
オレンを除去し;(iii)0°/30分〜1時間、DMF−CH2Cl2中、HB
TU(1.2当量)、HOBt(3.6当量)を用い、そして25°/3時間、
DIPEA(4.8当量)を用いて、脱保護ペプチド断片Iと、1.0当量の保
護ペプチド断片IIとを結合させ;(iv)蒸発およびCH2Cl2への溶解を行い、
そして飽和NaHCO3および10%クエン酸を用いて抽出して、保護中間体F
moc(19−31)−NH2を得;(v)10%Et2NHを含むDMFにより
、中間体Fmoc(19−31)−NH2のFmoc保護基を脱保護し(2時間
);(vi)ヘキサン・エーテルを用いた洗浄によりフルオレンを除去し;(vii
)0°/30分〜1時間、DMF−CH2Cl2中、HBTU(1.2当量)、H
OBt(3.6当量)を用い、そして25°/3時間、DIPEA(4.8当量
)を用いて、脱保護中間体Fmoc(19−31)−NH2と、1.0当量の保
護断片IIIとを結合させ;(viii)蒸発およびCH2Cl2への溶解を行い、そし
て飽和NaHCO3および10%クエン酸を用いて抽出して、保護中間体Fmo
c(9−31)−NH2を得;(ix)10%Et2NHを含むDMFにより、中間
体Fmoc(9−31)−NH2のFmoc保護基を脱保護し(2時間);(x
)ヘキサン・エーテルを用いた洗浄によりフルオレンを除去し;(xi)0°/3
0分〜1時間、DMF−CH2Cl2中、HBTU(1.2当量)、HOBt(3
.6当量)を用い、そして25°/3時間、DIPEA(4.8当量)を用いて
、脱保護中間体Fmoc(9−31)−NH2と、1.0当量の保
護断片IVとを結合させ;そして(xii)蒸発およびCH2Cl2への溶解を行い、
そして飽和NaHCO3および10%クエン酸を用いて抽出して、保護中間体A
c−(1−31)−NH2を得た。
環状VIPアナログの断片集合合成は、実施例37から41に詳細に記載され
ている。保護中間体、Fmoc(19−31)−NH2、Fmoc(9−31)
−NH2、およびAc(1−31)−NH2は、各反応混合物サイクルから主要生
成物として得られた。これらの粗製の保護中間体は、さらに精製せずに、それぞ
れの以降の結合サイクルに粗生成物の形で使用した。分析用HPLCにより、使
用された条件下で、出発物質は完全に消費されていたことが確認された。
25°で2時間の、TFA(90%)、EDT(3%)、チオアニソール(5
%)およびアニソール(2%)を用いた反応により、完全に保護されたペプチド
であるAc(1−31)−NH2の最終的な脱保護を行った。分析用HPLCに
より、環状VIPアナログが合成の主要生成物(72〜75%)であることが確
認された。
粗生成物の精製は、YMC ODS−A逆相カラム(4.7×50cm)を用い
た分取HPLCにより一回通過させることにより、行った。このカラムを用いて
、容易に、粗生成物4.0gまでスケールアップし、合計で8.48gの精製さ
れた環状VIPアナログ、即ち、粗生成物中に合計で9.95g存在すると推定
(HPLC解析より)された環状VIPアナログのうちの85.2%が単離され
た。これは、結合反応、脱保護および精製の工程を含む全工程を通じての合成収
23.9%と対応する。この方法により調製された環状VIPアナログは、分析
用HPLCおよびキャピラリーゾーン電気泳動により均一(>99%)であるこ
とが示された。環状VIPアナログの同定は、FAB質量分析およびアミノ酸解
析により確認された。実施例
実施例1〜8には、保護断片I、Fmoc−(26−31)−NH2、Fmo
c−Leu−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(
t−Bu)−NH2の固相合成が記載されている。実施例9から15には、断片I
I、シクロ(Lys21−Asp25)−Fmoc−Ala19−Lys
(Boc)20−Lys21−Tyr(tBu)22−Leu23−Asn24−Asp25
−OHの合成が記載されている。実施例16から26には、保護断片III、Fm
oc−(9−18)−OH、Fmoc−Asn−Tyr(tBu)−Thr(t
Bu)−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−G
ln−Nle−Ala−OHの固相合成が記載されている。実施例27から36
には、保護断片IV、Ac−(1−8)−OH、Ac−His(Trt)−Ser
(tBu)−Asp(OtBu)−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−
Glu(OtBu)−OHの固相合成が記載されている。実施例37から41には
、環状VIPアナログ、Ac(1−31)−NH2の合成が記載されている。実施例1 (3)−XAL−樹脂の調製
150gのベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂(負荷量:0.54ミリ当量
/g、ロット番号13933)を、10%トリエチルアミンを含有する2×150
0mlのNMPで中和し、1000mlのDMF、1000mlのMeOH、1000
mlのCH2Cl2、1000mlのMeOHおよび3×1000mlのCH2Cl2で洗
浄した。96.3gの(3)−XAL−リンカー(0.18mol、2.2当量)
、79.6gのBOP(0.18mol)および24.3gのHOBt(0.18m
mol)を、200mlのNMPに溶解した。47.03mlのDIPEAを添加し、
溶液を、中和された樹脂を含有する反応器に一度に添加した。混合液を90分間
撹拌した。
一部を取り出し、DMFおよびMeOHで洗浄した。XAL−リンカーの負荷
量は、UV解析により0.365mmol/gであると決定された。XAL−樹脂を1
000mlのDMF、1000mlのMeOH、1000mlのCH2Cl2および2×
1000mlのMeOHで洗浄した。結合していないBHA樹脂を、1000mlの
10%無水酢酸および10%DIPEAを含むCH2Cl2で30分間ブロックし
た。次に、樹脂を濾過し、1000mlのCH2Cl2、1000mlのMeOH、2
×1000mlのCH2Cl2および2×1000mlのMeOHで洗浄した。実施例2 Fmoc−Thr(t−Bu)−XAL−BHAの調製
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、119.2gのFmoc−Thr
(t−Bu)−OH(300mmol)、132gのBOP(300mmol)および4
0.5gのHOBt(300mmol)を1000mlのNMPに溶解させた。78.
4mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試
薬を一度に、実施例1で調製されたXAL−樹脂に添加した。混合物を90分間
撹拌した。
濾過後、樹脂を1000mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分
間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeOH(3
分間)で洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、59.6gのFmoc−Thr(
t−Bu)−OH(150mmol)、66.3gのBOP(150mmol)および2
0.2gのHOBt(150mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた
。39.2mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合液を激しく撹拌した。得
られた試薬を一度に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Thr(t−Bu)−XAL−BHA樹脂を1000mlの
DMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分間)、1000mlのCH2Cl2
(3分間)および2×1000mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例3 Fmoc−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHAの調製
Fmoc−Thr(t−Bu)−XAL−BHAのFmoc保護基の脱保護を
、プロトコル1に記載の手順に従い行った。Fmoc−Gly−OHのThr(
t−Bu)−XAL−BHAへの結合は、以下のようにして行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、89.2gのFmoc−Gly−
OH(300mmol)、132gのBOP(300mmol)および40.5gのHO
Bt(300mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。78.4mlの
DIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一
度に、Thr(t−Bu)−XAL−BHA樹脂に添加した。混合物を90分
間撹拌した。
濾過後、樹脂を1000mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分
間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeOH(3
分間)で洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、44.6gのFmoc−Gly−
OH(150mmol)、66.3gのBOP(150mmol)および20.2gのH
OBt(150mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。39.2ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHA樹脂を10
00mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分間)、1000mlのC
H2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例4 Fmoc−Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHAの調製
Fmoc−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHAのFmoc保護基の
脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。Fmoc−Gly−OHの
Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHAへの結合は、以下のようにして行
った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、89.2gのFmoc−Gly−
OH(300mmol)、132gのBOP(300mmol)および40.5gのHO
Bt(300mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。78.4mlの
DIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一
度に、Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHA樹脂に添加した。混合物を
90分間撹拌した。
濾過後、樹脂を1000mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分
間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeOH(3
分間)で洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、44.6gのFmoc−Gly−
OH(150mmol)、66.3gのBOP(150mmol)および20.2gのH
OBt(150mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。39.2ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHA樹
脂を1000mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分間)、1000ml
のCH2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeOH(3分間)で洗浄した
。実施例5 Fmoc−Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL− BHAの調製
Fmoc−Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHAのFmoc
保護基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。Fmoc−Lys
−(Boc)−OHのGly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHAへ
の結合は、以下のようにして行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、140.5gのFmoc−Lys
(Boc)−OH(300mmol)、132gのBOP(300mmol)および40.5g
のHOBt(300mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。78.
4mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試
薬を一度に、Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHA樹脂に添加
した。混合物を90分間撹拌した。
濾過後、樹脂を1000mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分
間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeOH(3
分間)で洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、70.3gのFmoc−Lys(
Boc)−OH(150mmol)、66.3gのBOP(150mmol)および20.2g
のHOBt(150mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。39.
2mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試
薬の一部を樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(t−Bu)
−XAL−BHA樹脂を1000mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH
(3分間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeO
H(3分間)で洗浄した。実施例6 Fmoc−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(t −Bu)−XAL−BHAの調製
Fmoc−Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL
−BHAのFmoc保護基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った
。Fmoc−Lys−(Boc)−OHのLys(Boc)−Gly−Gly−
Thr(t−Bu)−XAL−BHAへの結合は、以下のようにして行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、140.5gのFmoc−Lys
(Boc)−OH(300mmol)、132gのBOP(300mmol)および40.5
gのHOBt(300mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。78
.4mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた
試薬を一度に、Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XA
L−BHA樹脂に添加した。混合物を90分間撹拌した。
濾過後、樹脂を1000mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分
間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeOH(3分
間)で洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、70.3gのFmoc−Lys(
Boc)−OH(150mmol)、66.3gのBOP(150mmol)および20.2g
のHOBt(150mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。39.
2mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試
薬を一度に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−Gly−
Thr(t−Bu)−XAL−BHA樹脂を1000mlのDMF(3分間)、1
000mlのMeOH(3分間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)および2×
1000mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例7 Fmoc−Leu−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−Gly−T hr(t−Bu)−XAL−BHAの調製
Fmoc−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(
t−Bu)−XAL−BHAのFmoc保護基の脱保護を、プロトコル1に記載
の手順に従い行った。Fmoc−Leu−OHのLys(Boc)−Lys(B
oc)-Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHAへの結合は、以
下のようにして行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、106gのFmoc−Leu−O
H(300mmol)、132gのBOP(300mmol)および40.5gのHOB
t(300mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。78.4mlのD
IPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度
に、Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(t−Bu
)−XAL−BHA樹脂に添加した。混合物を90分間撹拌した。
濾過後、樹脂を1000mlのDMF(3分間)、1000mlのMeOH(3分
間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)および2×1000mlのMeOH(3
分間)で洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、53gのFmoc−Leu−OH
(150mmol)、66.3gのBOP(150mmol)および20.2gのHOB
t(150mmol)の混合物を1000mlのNMPに溶解させた。39.2mlのD
IPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度
に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Leu−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−
Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHA樹脂を1000mlのDMF(3分
間)、1000mlのMeOH(3分間)、1000mlのCH2Cl2(3分間)お
よび2×1000mlのMeOH(3分間)で洗浄した。
ペプチド樹脂断片、Fmoc−Leu−Lys(Boc)−Lys(Boc)
−Gly−Gly−Thr(t−Bu)−XAL−BHA、即ちFmoc−(2
6−31)−XAL−BHAの最終重量は、267gであった。実施例8 Fmoc−(26−31)−XAL−BHAの切断
500mlの丸底フラスコ内で、10gの保護Fmoc−(26−31)−XA
L−BHAに、0.5%TFAを含む200mlのCH2Cl2を添加した。スラリ
ーを室温で0.5分間撹拌した後、濾過した。ピペリジンを添加することにより
、濾液を直ちにpH7に調整した。濾液をロトバック(rotovac)で室温で蒸発さ
せた。残渣を200mlの蒸留水で磨砕し、2×200mlのエーテルで洗浄した。
得られた固体物質を真空下で乾燥させて、保護Fmoc−(26−31)−NH2
を得た。
次に、濾過されたペプチド樹脂をさらに5回200mlの0.5%TFA溶液で
15分間処理した後、ピリジンでpHを7に調整した。蒸発、磨砕および乾燥の後
、各切断反応後の試料をHPLCで解析した。HPLC条件は、カラム:リクロ
ソルブRP−18、5m、25cm;溶離剤:(a)0.1MHClO4/H2O
(pH2.5)、(b)MeCN;勾配:34%から39%MeCN/20分間
;流速:1ml/分;検出器:210nm Knauであった。
90%以上の純度のペプチド断片をすべて合わせたところ、合計で3.01g
が得られた。合わせた物質の純度は、94.5%であった。実施例9 Fmoc−Asp(O−サスリン)−OBzlの調製
2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコールコポリスチレン1%ジビニ
ルベンゼン架橋樹脂(サスリン樹脂、25g、0.96ミリ当量/g、24ミリ当
量)を、DMF(2×500ml)およびCH2Cl2(3×500ml)で洗浄した
。Fmoc−Asp−α−O−ベンジルエステル(35g、78.56mmol、3
.27当量)を含むCH2Cl2(400ml)を添加し、機械的な振とう機を用い
て振とうした。DCC(16.2g、78.5rnmol、3.27当量)を含むC
H2Cl2溶液(100ml)を添加した後、N−メチルモルホリン(3.36ml、
30mmol、3.27当量)および4−ジメチルアミノピリジン(0.293g、
2.4mmol、0.1当量)を添加し、5時間振とうした。一部を取り出し、メタ
ノールで洗浄し、乾燥させた。負荷量は、UV解析により、1gの樹脂当たり
0.60mmolであると決定された。樹脂をDMF(2×500ml)およびメタノ
ール(5×500ml)で洗浄し、真空下で乾燥させて、32.8gのFmoc−
Asp(O−サスリン樹脂)−OBzlを得た。この樹脂の一部、10gをDM
F(180ml)に懸濁させ、安息香酸無水物(6.78g、30mmol、5当量)
のDMF溶液(40ml)を添加した後、DIPEA(5.22ml、30mmol)5
当量)を添加し、懸濁液を30分間振とうした。樹脂をDMF(5×200ml)
で洗浄し、置換は0.60mmol/gであることを決定した。実施例10 Nα−Fmoc−L−ロイシル−L−アスパラギン(Fmoc−Leu−Asn −OH)の合成
Fmoc−L−Leu−OH(10g、28.32mmol)をDMF(10ml)
−CH2Cl2(70ml)の混合物に溶解し、氷浴中で冷却した。N−ヒドロキシ
スクシンイミド(3.58g、31.14mmol、1.1当量)およびジシクロヘ
キシルカルボジイミド(6.06g、31.14mmol、1.1当量)を添加し、
混合物を0℃で1時間、そして25℃で14時間撹拌した。反応混合物を氷浴中
で冷却し、濾過し、沈殿物をCH2Cl2(40ml)で洗浄した。濾過液を蒸発乾
固させ、残渣をジオキサン(80ml)−H2O(10ml)の混合物中に溶解して
、Fmoc−Leu−OSuの溶液を作成した。無水L−アスパラギン(5.6
06g、42.48mmol、1.5当量)を含む60mlのNa2CO3(2.50g
、42.28mmol、1.5当量)の溶液を、上記のFmoc−Leu−OSuの
溶液に添加した。さらに10mlのジオキサンを添加し、反応混合物を25℃で2
時間撹拌した。酢酸エチル(200ml)を反応混合物に添加し、撹拌しながら5
%HCl水溶液を添加することにより、pHを約2に調整した。EtOAc層を分
離し、水層を、各100mlで4回抽出した。合わせたEtOAc抽出液を、飽和
NaCl(100ml)、H2O(3×10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥
させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を暖めながら(40〜45℃)DMF(6
0ml)に溶解し、曇点までH2Oを加えた。生成物は、一晩の放置の後、結晶化
した。それを濾過し、エーテルで洗浄し、DMF−H2Oから再結晶化させた。
ジオキサンから凍結乾燥することにより、
9.45g(71.3%)の生成物が得られた。NMRおよびFAB質量分析に
より、分子式がC25H29N3O6であり、見かけの分子量(M+H)+が468.3で
あることが確認された。生成物Fmoc−Leu−Asn−OHは、>95%の
純度を有することが、分析用HPLCにより示された(図4)。HPLC条件は
、以下の通りであった。カラム:リクロソルブRP−8(5μ);溶離剤:(A
)0.1M NaClO4(pH2.5)−(B)CH3CN;勾配:20分間40%
〜80%(B);流速1ml/分;検出:210nm。実施例11 Fmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys(Alloc)−Tyr(tBu )−Leu−Asn−Asp(O−サスリン)−OBzlの調製
固相ペプチド合成を以下のように行った(樹脂1g当たり20mlの溶媒を用い
た)。1)20%ピペリジン/DMF、1分間;2)20%ピペリジン、DMF
、10分間;3)DMF、4×2分間;4)NMP、1×2分間;5)本明細書
に記載されたような保護アミノ酸の結合;および6)DMF、3×2分間。
Fmoc−Asp(O−サスリン)−OBzl10g、0.60mmol/g、6.0mm
olを出発原料として、上記のようにして固相ペプチド合成を行った。以下のよう
にして、ジペプチド、Fmoc−Leu−Asn−OHを、H−Asp(O−サ
スリン−樹脂)−OBzlに結合させることにより、Fmoc−Leu−Asn
−Asp(O−サスリン−樹脂)−OBzlを調製した。
4.2g、9mmol、1.5当量のFmoc−Asn−Leu−OHに、3.4
1g、9mmol、1.5当量のHBTU;4.13g、27mmol、4.5当量のH
OBT;3.135g、18mmol、3当量のDIPEA;および220mlのNM
P/CH2Cl2(1:1)を添加した。混合物を1.25時間結合させた。この
特定の結合では、Fmoc−Leu−Asn−OHを、160mlのNMP−CH2
Cl2(1:1)に溶解させた。NMPとCH2Cl2との混合は、発熱性であっ
たため、ペプチドへ添加する前に溶媒を冷却してから、H−Asp(O−サスリ
ン−樹脂)−OBzlに添加し、DIPEAおよびHOBtを添加し、反応管を
2分間振とうした。その後、30mlの冷CH2Cl2を添加し、最後に、HBTU
を溶解した29mlのNMP−CH2Cl2(1:1)溶液および
10mlのNMPを添加した。NMP:CH2Cl2の比率は(1:1)に維持した
。結合反応のpHは、5〜6に維持した。
Fmoc−Tyr(tBu)−Leu−Asn−Asp(O−サスリン−樹脂)
−OBzlは、以下のように、Fmoc−Tyr(tBu)−OHを樹脂へ結合
させることにより調製した。5.4g、12mmol、2当量のFmoc−Tyr(
tBu)−OHへ、3.4g、12mmol、2当量のHBTU;1.8g、12mmo
l、2当量のHOBt;5.75ml、33mmol、5.5当量のDIPEA;および2
20mlのNMPを添加した。この混合物を樹脂へ添加し、1時間結合させた。
Fmoc−Lys(Alloc)−Tyr(tBu)−Leu−Asn−As
p(O−サスリン−樹脂)−OBzlは、以下のように、Fmoc−Lys(A
lloc)−OHを樹脂へ結合させることにより調製した。5.4g、12mmol、
2当量のFmoc−Lys(Alloc)−OHへ、3.4g、12mmol、2当量
のHBTU;1.8g、12mmol、2当量のHOBt;5.75ml、33mmol、
5.5当量のDIPEA;および220mlのNMPを添加した。この混合物を樹
脂へ添加し、1時間結合させた。
Fmoc−Lys(Alloc)21−OHの添加後、樹脂をメタノールで洗浄
し、乾燥させて、保護Fmoc−(21−25)−(O−サスリン−樹脂)−O
Bzl13.3g(0.45mmol/g、5.98mmol)を得た。このペプチド−樹
脂の半量(6.65g、2.99mmol)を、上記と同様のさらに2サイクルの固
相合成に付し、以下のようにして、Fmoc−Lys(Boc)−OHと結合さ
せた。2.8g、6mmol、2当量のFmoc−Lys(Boc)−OHに、2.6
5g、6mmol、2当量のBOP;0.918g、6mmol、2当量のHOBt;3
.25ml、18.65mmol、6.2当量のDIPEA;および120mlのNMP
を添加した。これを樹脂へ添加し、1時間結合させた。次に、以下のようにして
、Fmoc−Ala−OHと結合させた。1.86g、6mmol、2当量のFmo
c−Ala−OHに、2.27g、6mmol、2当量のHBTU;0.90g、6
mmol、2当量のHOBt;および120mlのNMPを添加した。この混合液を樹
脂へ添加し、1時間結合させた。
樹脂を、DMF(3×120ml)およびメタノール(4×120ml)で洗浄し
、
真空下で乾燥させて、7.3g(0.39mmol/g、2.84mmol)の保護Fmo
c(19−25)−(O−サスリン−樹脂)−OBzlを得た。Fmoc(19
−25)−(O−サスリン−樹脂)−OBzlの一部を、0.5%TFA−CH2
Cl2で切断し、分析用HPLCにより評価したところ、>82%の純度を有し
ていた。実施例12 Fmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys(Alloc)−Tyr(tBu )−Leu−Asn−As(O−サスリン)−OBzlの脱保護によるFmoc −Ala−Lys(Boc)−Lys−Tyr(tBu)−Leu−Asn−A sp(O−サスリン)−OBzl
保護ヘキサペプチド樹脂、Fmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys(A
lloc)−Tyr(tBu)−Leu−Asn−Asp(O−サスリン)−O
Bzl(7.2g、0.39mmol/g、2.8mmol)を、130mlのCH2Cl2に
懸濁させ、ヘリウムを送通した。酢酸(0.330ml、5.75mmol)、ビス(
トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(0.138g、0.196mm
ol)および水素化トリブチルスズ(3.165ml、11.9mmol)を加え、ペプ
チド樹脂に、1.5時間ヘリウムを送通し、反応管から液を取り出した。All
oc基が完全に脱保護されるよう、上記の反応を合計5回繰り返した。ペプチド
−樹脂の一部を、0.5%TFA−CH2Cl2で切断し、分析用HPLCを行っ
たところ、Alloc基が完全に脱保護されていることが示された。樹脂をCH2
Cl2(2×120ml)およびメタノール(4×120ml)で洗浄し、真空下で
乾燥させて、7.1g(0.40mmol/g、2.84mmol)の部分保護ペプチド−
樹脂であるFmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys−Tyr(tBu)−
Leu−Asn−Asp(O−サスリン)−OBzlを得た。実施例13 Fmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys−Tyr(tBu)−Leu−A sn−Asp(O−サスリン)−OBzlの切断:Fmoc−Ala−Lys( Boc)Lys−Tyr(tBu)−Leu−Asn−Asp−OBzlの調製
7.1g(2.84mmol)の部分保護Fmoc−(19−25)−サスリン−
樹脂−OBzlを、0.5%TFAを含むCH2Cl2(140ml)で室温で10
分間処理し、濾過し、ピリジンを添加して濾液を直ちにpH6〜7に調整した。ペ
プチド−樹脂をさらに4回、上記と同様に0.5%TFAを含むCH2Cl2で処
理し、濾液を合わせ、蒸発させた。ペプチドを水で磨砕し、濾過し、水で簡単に
洗浄し、真空下で乾燥させた。粗製のペプチドを、無水エーテルで洗浄し、真空
下で乾燥させて、3.26g(全収率75.7%)の部分保護Fmoc−Ala
−Lys(Boc)Lys−Tyr(tBu)−Leu−Asn−Asp−OB
zlを得た。これは、分析用HPLCにより、>80%の純度を有すると決定さ
れた。実施例14 直鎖状ヘプタペプチドの環化:Fmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys− Tyr(tBu)−Leu−Asn−Asp−OBzlシクロ(lys21→A sp25)の調製
3.26g(2.271mmol)の、部分保護直鎖状ヘプタペプチド、Fmoc
−Ala−Lys(Boc)−Lys−Tyr(tBu)−Leu−Asn−A
sp−OBzlを含む100mlのDMF溶液を、2.0g(4.53mmol、2当
量)のBOP試薬および3.16ml(18.14mmol、8当量)のDIPEAを
含む500mlのDMF溶液へ、磁石で撹拌しながら、20分間をかけて徐々に添
加した。室温で1.25時間撹拌した後、一部を取り出し、分析用HPLCによ
り、直鎖状ペプチドが完全に環化されていることが示された。反応混合物をさら
に1時間撹拌し、酢酸で酸性化し、約20mlになるまで蒸発させ、蒸留水(20
0ml)を添加した。濾過により沈殿物を回収し、蒸留水で充分に洗浄し、真空下
で乾燥させた。生成物を無水エーテルで洗浄し、乾燥させて、3.0gの保護環
状ヘプタペプチドを得た。分析用HPLCにより、直鎖状ペプチドがほぼ完全に
環状ヘプタペプチドに変換されていることが示された。この物質を10%メタノ
ールを含む100mlのCH2Cl2に溶解させた。溶液をセライトで濾過すること
により不溶物(オリゴマー)を除去し、濾液を蒸発させて2.85gの粗製の保
護環状ペプチドを得た。この物質を100mlの
CH2Cl2に溶解させ、ウォーターズ・プレップ・パック・シリカゲルカラム(
Waters Prep Pack Silica Gel Column)(4.7×30cm、15〜20μ);流
速:50ml/分;検出:280nmへ負荷した。カラムを、順に、CH2Cl2(5
00ml)、5%MeOHを含むCH2Cl2(2000ml)で溶離し、最後に、8
%MeOHを含むCH2Cl2で溶離した。純粋なペプチド(分析用HPLCで決
定)を含む画分をプールし、蒸発乾固させ、ジオキサンから凍結乾燥して、1.
445gの精製された環状ヘプタペプチド(全収率、37%)を得た。これは、
分析用HPLCにより>98%の純度を有することが示された。実施例15 Fmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys−Tyr(tBu)−Leu−A sn−Asp−OHシクロ(ls21→Asp25)の調製
実施例14の完全保護環状ヘプタペプチド(1.445g、1.111mmol)
を、ヘリウム流下、ビブロミキサー・フラスコ中の60mlのMeOHに溶解させ
た。これに、0.314gの10%Pd担持炭素を添加し、ビブロミキサー装置
中で、反応混合物を3.5時間水素化した。分析用HPLCにより、約30%の
ベンジルエステル完全保護環状ヘプタペプチドが残存していることが示された。
さらに0.2gの10%Pd担持炭素を添加し、水素化を2.75時間続行した
。分析用HPLCにより、ベンジル基が完全に脱保護されたことが示された。反
応混合液をセライトで濾過し、MeOHで洗浄した。濾液および洗浄液を蒸発さ
せ、ジオキサンから凍結乾燥して、1.225g(91.1%の収率:全収率33.
7%)の環状ヘプタペプチド酸を得た。分析用HPLCにより、生成物は>97
%の純度を有することが示された。生成物の同定は、アミノ酸解析、FAB−M
S、旋光度および1H−NMR分光法により、特徴決定し、確認した。実施例16 Fmoc−Ala−サスリン樹脂の調製
50gの2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコールコポリスチレン1
%ジビニルベンゼン架橋樹脂(サスリン樹脂)を、500mlの塩化メチレンおよ
び2×500mlのDMFで洗浄した。
74.6gのFmoc−Ala−OH(240mmol)を、650mlの
CH2Cl2/DMF(2:1容量比)に溶解させた。溶液を氷浴中で冷却し、4
9.5gのDCC(240mmol)を添加した後、1.46gの4−ジメチルアミ
ノピリジン(12mmol)および6.27mlのN−メチルモルホリン(60mmol)
を添加した。混合物をオービタルロータリー振とう器で9時間撹拌した。
樹脂を濾過し、500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および500mlのMeOH(3分間)で洗浄
した。
一部を取り出し、乾燥させ、負荷量をUV定性分析により決定したところ、0
.54mmol/gであった。
次に、樹脂を2×500mlのCH2Cl2(3分間)および500mlのDMF(
3分間)で洗浄した。次に、樹脂を400mlのDMFに懸濁させ、54.3gの
安息香酸無水物(240mmol)を添加し、100mlのDMF、および41.7ml
のジイソプロピルエチルアミン(240mmol)を添加した。懸濁液を30分間振
とうした。樹脂を濾過し、500mlのCH2Cl2(3分間)、500mlのMeO
H(3分間)、2×500mlのCH2Cl2(3分間)、500mlのDMF(3分
間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例17 Fmoc−Nle−Alaサスリン樹脂の調製
Fmoc−Ala−サスリン樹脂のFmoc基の脱保護を、プロトコル1に記
載の手順に従い行った。Fmoc−Nle−OHのAla−サスリンへの結合は
、以下のようにして行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、19.08gのFmoc−Nle
−OH(54mmol)、23.9gのBOP(54mmol)および7.3gのHOB
t(54mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。14.1mlのDIP
EAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に、
Ala−サスリン樹脂に添加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、9.54gのFmoc−Nle−OH(27mmol)、11
.9gのBOP(27mmol)および3.65gのHOBt(27mmol)の混合物
を400mlのNMPに溶解させ、室温で撹拌した。7.05mlのDIPEAを上
記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に樹脂に添加
し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Nle−Ala−サスリン樹脂を500mlのDMF(3分
間)、500mlのMeOH(3分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および
2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例18 Fmoc−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂の調製
Fmoc−Nle−Ala−サスリンのFmoc基の脱保護を、プロトコル1
に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、19.9gのFmoc−Gln−
OH(54mmol)、23.9gのBOP(54mmol)および7.3gのHOBt
(54mmol)を400mlのNMPに溶解させた。14.1mlのDIPEAを上記
の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に、Nle−A
la−サスリン樹脂に添加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、9.9gのFmoc−Gln−OH(27mmol)、11.9
gのBOP(27mmol)および3.65gのHOBt(27mmol)を400mlの
NMPに溶解させ、室温で撹拌した。7.05mlのDIPEAを上記の溶液に添
加し、混合液を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に樹脂に添加し、混合物を
2時間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂を500mlのDM
F(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、500mlのCH2Cl2(3分間
)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例19 Fmoc−Lys(Boc)−Gln−Nle−Al−サスリン樹脂の調製
Fmoc−Gln−Nle−Ala−サスリンのFmoc基の脱保護を、プロ
トコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、25.3gのFmoc−Lys(
Boc)−Gln−OH(54mmol)、23.9gのBOP(54mmol)および
7.3gのHOBt(54mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。1
4.1mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られ
た試薬を一度に、Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂に添加し、混合物を2
時間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、12.7gのFmoc−Lys(Boc)−OH(27
mmol)、11.9gのBOP(27mmol)および3.65gのHOBt(27mm
ol)を400mlのNMPに溶解させ、室温で撹拌した。7.05mlのDIPEA
を上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試を一度に樹脂に添
加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹
脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、500mlの
CH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例20 Fmoc−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Alaサス リン樹脂の調製
Fmoc−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリンのFmoc
基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、40.1gのFmoc−Arg(
Pmc)−OH(54mmol)、23.9gのBOP(54mmol)および7.3g
のHOBt(54mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。14.1ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に、Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂に添加し、混
合物を2時間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、20.1gのFmoc−Arg(Pmc)−OH(27
mmol)、11.9gのBOP(27mmol)および3.65gのHOBt(27mm
ol)を400mlのNMPに溶解させ、室温で撹拌した。7.05mlのDIPEA
を上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に樹脂に
添加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−
Ala−サスリン樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3
分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分
間)で洗浄した。実施例21 Fmoc−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−A la−サスリン樹脂の調製
Fmoc−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−
サスリンのFmoc基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、19.1gのFmoc−Leu−
OH(54mmol)、23.9gのBOP(54mmol)および7.3gのHOBt
(54mmol)を400mlのNMPに溶解させた。14.1mlのDIPEAを上記
の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に、Arg(P
mc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂に添加し、
混合物を2時間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、9.6gのFmoc−Leu−OH(27mmol)、11.9
g
のBOP(27mmol)および3.65gのHOBt(27mmo1)の混合物を400ml
のNMPに溶解させ、室温で撹拌した。7.05mlのDIPEAを上記の溶液に
添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に樹脂に添加し、混合物
を2時間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−
Nle−Ala−サスリン樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMe
OH(3分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeO
H(3分間)で洗浄した。実施例22 Fmoc−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)− Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂の調製
Fmoc−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−
Ala−サスリンのFmoc基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行
った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、25.4gのFmoc−Lys(
Boc)−OH(54mmol)、23.9gのBOP(54mmol)および7.3g
のHOBt(54mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。14.1ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に、Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Al
a−サスリン樹脂に添加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、12.7gのFmoc−Lys(Boc)−OH(27
mmol)、11.9gのBOP(27mmol)および3.65gのHOBt(27mm
ol)の混合物を400mlのNMPに溶解させ、室温で撹拌した。7.05mlのD
IPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度
に樹脂に添加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)−Lys
(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂を500mlのDMF(3分
間)、500mlのMeOH(3分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および
2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例23 Fmoc−Thr(tBu)−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)− Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂の調製
Fmoc−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)
−Gln−Nle−Ala−サスリンのFmoc基の脱保護を、プロトコル1に
記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、28.7gのFmoc−Thr(
tBu)−OH(54mmol)、23.9gのBOP(54mmol)および7.3g
のHOBt(54mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。14.1ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に、Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−G
ln−Nle−Ala−サスリン樹脂に添加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、14.4gのFmoc−Thr(tBu)−OH(27
mmol)、11.9gのBOP(27mmol)および3.65gのHOBt(27mm
ol)の混合物を400mlのNMPに溶解させ、室温で撹拌した。7.05mlのD
IPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度
に樹脂に添加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Thr(tBu)−Lys(Boc)−Leu−Arg(
Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂を500
mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、500mlのCH2Cl2
(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例24 Fmoc−Tyr(tBu)−Thr(tBu)−Lys(Boc)−Leu− Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂 の調製
Fmoc−Thr(tBu)−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)
−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂のFmoc基の脱
保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、24.8gのFmoc−Tyr(
tBu)−OH(54mmol)、23.9gのBOP(54mmol)および7.3g
のHOBt(54mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。14.1ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に、Thr(tBu)−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)−L
ys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂に添加し、混合物を2
時間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、12.4gのFmoc−Tyr(tBu)−OH(27
mmol)、11.9gのBOP(27mmol)および3.65gのHOBt(27mm
ol)の混合物を400mlのNMPに溶解させ、室温で撹拌した。7.05mlのD
IPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度
に樹脂に添加し、混合物を2時間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Tyr(tBu)−Thr(tBu)−Lys(Boc)
−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サ
スリン樹脂のFmoc基を、500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH
(3分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(
3分間)で洗浄した。実施例25 Fmoc−Asn−Tyr(tBu)−Thr(tBu)−Lys(Boc)− Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サス リン樹脂の調製
対称無水物法(symmetric anhydride method)によるFmoc−Asn−OHの
結合の前に、Fmoc−Tyr(tBu)−Thr(tBu)−Lys(Boc
)−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−
サスリンのFmoc基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。
19.4gのFmoc−Asn−OH(54mmol)および7.3gのHOBt
(54mmol)を、135mlのCH2Cl2および270mlのDMFの混合物に溶解
させた。混合物を氷浴中で撹拌した後、11.2gのDCC(54mmol)を添加
した。混合物を30分間撹拌し、濾過し、濾液を一度にTyr(tBu)−Th
r(tBu)−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc
)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂((10−18)サスリン樹脂)に
添加した。結合は90分間で完了した。
次に、得られた樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3
分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分
間)で洗浄した。
2回目の結合のため、19.4gのFmoc−Asn−OH(54mmol)およ
び7.3gのHOBt(54mmol)を135mlのCH2Cl2および270mlのD
MFの混合物に溶解させた。混合物を氷浴中で撹拌した後、11.2gのDCC
(54mmol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、濾過し、濾液を一度に(1
0−18)−サスリン樹脂に添加した。結合は90分間で完了した。
次に、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、
500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗
浄した。結合完了後には脱保護は行わなかった。生成物、Fmoc−Asn−T
yr(tBu)−Thr(tBu)−Lys(Boc)−Leu−Arg(Pm
c)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−サスリン樹脂(Fmoc(
9−18)−サスリン樹脂)の最終重量は、112gであった。実施例26 Fmoc(9−18)−サスリン樹脂からのFmoc(9−18)の切断
20gのFmoc(9−18)−サスリン樹脂を、0.2%TFAを含む40
0ml
のCH2Cl2で室温で1分間処理した後、濾過した。ピリジン添加により、濾液
のpHを直ちにpH7に調整した。濾液を蒸発させ、残渣を50mlの蒸留水で磨砕し
、50mlのエーテルで洗浄した。得られた固体状の物質を、真空下で乾燥させた
。
濾過したペプチド−樹脂を、さらに6回、400mlの0.2%TFA溶液で1
0分間処理した後、ピリジンでpHを7に調整した。蒸発、磨砕および乾燥の後、
HPLC解析を行った。分析用HPLCの条件は、以下の通りであった。カラム
:リクロソルブRP−18、5m、25cm;溶離剤:(a)0.1MHClO4/
H2O(pH2.5)、(b)MeCN;勾配:34%から39%MeCN/20
分間;流速:1ml/分;検出器:210nm Knau。純度が90%以上のペプチ
ド断片をすべて合わせると、全量は9.9gとなった。112gのペプチド樹脂
の切断から得られた52gの生成物は、91%の平均純度を有していた。実施例27 Fmoc−Glu(OtBu)−サスリン樹脂の調製
50gの2−メトキシ−4−アルコキシベンジルアルコールコポリスチレン1
%ジビニルベンゼン架橋樹脂(サスリン樹脂)を、500mlの塩化メチレンおよ
び2×500mlのDMFで洗浄した。
102gのFmoc−Glu(OtBu)−OH(240mmol)を、500ml
のCH2Cl2/DMF(9:1容量比)に溶解させた。溶液を氷浴中で冷却し、
49.5gのDCC(240mmol)を100mlのCH2C12/DMF(9:1)
に溶解させることにより調製したDCC溶液を添加した。混合物を30分間撹拌
した後、濾過によりDCUを除去した。濾液を上記の洗浄されたサスリン樹脂に
添加し、1.46gの4−ジメチルアミノピリジン(12mmol)および6.27
mlのN−メチルモルホリン(60mmol)を添加した。混合物を回転式振とう器(
orbital rotary)上で9時間撹拌した。
樹脂を濾過し、500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および500mlのMeOH(3分間)で洗浄
した。一部を取り出し、乾燥させ、負荷量をUV分析により決定したところ、
0.59mmol/gであった。
樹脂を2×500mlのCH2Cl2(3分間)および500mlのDMF(3分間
)で洗浄した。次に、樹脂を400mlのDMFに懸濁させ、54.3gの安息香
酸無水物(240mmol)を添加し、100mlのDMF、および41.7mlのジイ
ソプロピルエチルアミン(240mmol)を添加した。懸濁液を30分間振とうし
た。Fmoc−Glu(OtBu)−サスリン樹脂を濾過し、500mlのCH2
Cl2(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、2×500mlのCH2Cl2
(3分間)、500mlのDMF(3分間)および2×500mlのMeOH(3分
間)で洗浄した。実施例28 Fmoc−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂の調製
Fmoc−Glu(OtBu)−サスリン樹脂のFmoc基の脱保護を、プロ
トコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、23.4gのFmoc−Thr(
tBu)−OH(59mmol)、26.1gのBOP(59mmol)および8.0g
のHOBt(59mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。15.4ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に、Glu(OtBu)−サスリン樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌し
た。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、11.7gのFmoc−Thr(
tBu)−OH(29.5mmol)、13.1gのBOP(29.5mmol)および
4.0gのHOBt(29.5mmo1)の混合物を400mlのNMPに溶解させた
。7.7mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得ら
れた試薬を一度に樹脂に添加し、混合物液を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂を
500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、500mlの
CH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例29 Fmoc−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂の調 製
Fmoc−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂のFmoc
基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、22.8gのFmoc−Phe−
OH(59mmol)、26.1gのBOP(59mmol)および8.0gのHOBt
(59mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。15.4mlのDIPE
Aを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に、T
hr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂に添加し、混合物を90分
間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリ
ン樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、500
mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した
。
ニンヒドリン試験で、結合反応が完了したことが示されたため、2回目の結合
は不要であった。実施例30 Fmoc−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン 樹脂の調製
Fmoc−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂の
Fmoc基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、20gのFmoc−Val−OH
(59mmol)、26.1gのBOP(59mmol)および8.0gのHOBt(5
9mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。15.4mlのDIPEAを
上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に、Phe
−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂に添加し、混合物を9
0分間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、
500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗
浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、10gのFmoc−Val−OH
(29.5mmol)、13.1gのBOP(29.5mmol)および4.0gのHO
Bt(29.5mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。7.7mlのD
IPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度
に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)
−サスリン樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。実施例31 Fmoc−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)− サスリン樹脂の調製
Fmoc−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリ
ン樹脂のFmoc基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、18.4gのFmoc−Ala−
OH(59mmol)、26.1gのBOP(59mmol)および8.0gのHOBt
(59mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。15.4mlのDIPE
Aを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を一度に、V
al−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂に添加し
、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、9.2gのFmoc−Ala−O
H(29.5mmol)、13.1gのBOP(29.5mmol)および4.0gのH
OBt(29.5mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。7.7mlの
DIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(o
tBu)−サスリン樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(
3分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3
分間)で洗浄した。実施例32 Fmoc−Asp(OtBu)−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)− Glu(OtBu)−サスリン樹脂の調製
Fmoc−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)
−サスリン樹脂のFmoc基の脱保護を、プロトコル1に記載の手順に従い行っ
た。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、24.3gのFmoc−Asp(
OtBu)−OH(59mmol)、26.1gのBOP(59mmol)および8.0
gのHOBt(59mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。15.4
mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬
を一度に、Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−
サスリン樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、12.1gのFmoc−Asp(
OtBu)−OH(29.5mmol)、13.1gのBOP(29.5mmol)およ
び4.0gのHOBt(29.5mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させ
た。7.7mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得
られた試薬を一度に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Asp(OtBu)−Ala−Val−Phe−Thr(
tBU)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂を500mlのDMF(3分間)、
500mlのMeOH(3分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×5
00mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例33 Fmoc−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Ala−Val−Phe− Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂の調製
Fmoc−Asp(OtBu)−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)
−Glu(OtBu)−サスリン樹脂のFmoc基の脱保護を、プロトコル1に
記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、22.6gのFmoc−Ser(
tBu)−OH(59mmol)、26.1gのBOP(59mmol)および8.0g
のHOBt(59mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。15.4ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に、Asp(OtBu)−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−G
lu(OtBu)−サスリン樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、11.3gのFmoc−Ser(
tBu)−OH(29.5mmol)、13.1gのBOP(29.5mmol)および
4.0gのHOBt(29.5mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた
。7.7mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得ら
れた試薬を一度に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Ala−Val
−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂を500mlの
DMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、500mlのCH2Cl2(3
分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例34 Fmoc−His(Trt)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Ala −Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂の調 製
Fmoc−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Ala−Val−Phe
−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂のFmoc基の脱保護
を、プロトコル1に記載の手順に従い行った。
1回目の結合のため、室温で撹拌しながら、36.6gのFmoc−His(
Trt)−OH(59mmol)、26.1gのBOP(59mmol)および8.0g
のHOBt(59mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた。15.4ml
のDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得られた試薬を
一度に、Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Ala−Val−Phe−T
hr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂に添加し、混合物を90分
間撹拌した。
濾過後、樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)
、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で
洗浄した。
2回目の結合のため、室温で撹拌しながら、18.3gのFmoc−His(
Trt)−OH(29.5mmol)、13.1gのBOP(29.5mmol)および
4.0gのHOBt(29.5mmol)の混合物を400mlのNMPに溶解させた
。7.7mlのDIPEAを上記の溶液に添加し、混合物を激しく撹拌した。得ら
れた試薬を一度に樹脂に添加し、混合物を90分間撹拌した。
濾過後、Fmoc−His(Trt)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)
−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン
樹脂を500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3分間)、500ml
のCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分間)で洗浄した。実施例35 His(Trt)−Ser(tBu)−As(OtBu)−Ala−Val−P he−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂のアセチル化
保護ペプチド樹脂、Fmoc−His(Trt)−Ser(tBu)−Asp
(OtBu)−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu
)−サスリン樹脂を、2×25%ピペリジンで処理し、プロトコル1に記載の脱
保護工程のようにして洗浄した。Fmoc基を脱保護した後、N末端アミンのア
セチル化を以下のようにして行った。
100mlのAc2Oおよび100mlのDIPEAを800mlのCH2Cl2に含
む溶液をペプチド樹脂に添加し、反応を90分間進行させた。
樹脂を濾過し、順に、500mlのDMF(3分間)、500mlのMeOH(3
分間)、500mlのCH2Cl2(3分間)および2×500mlのMeOH(3分
間)で洗浄し、真空下で乾燥させて、110gの保護されたAc(1−8)−サ
スリン樹脂、Ac−His(Trt)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)
−Ala−Val−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン
樹脂を得た。実施例36 Ac−His(Trt)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Ala−V al−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−サスリン樹脂の切断
20gの保護Ac(1−8)サスリン樹脂を、0.5%TFAを含む400ml
のCH2Cl2で室温で1分間処理した後、濾過した。ピリジン添加により、濾液
のpHを直ちにpH7に調整した。濾液を蒸発させ、残渣を50mlの蒸留水で磨砕し
、50mlのエーテルで洗浄した。得られた固体状の物質を、真空下で乾燥させた
。濾過したペプチド樹脂を、さらに3回、400mlの0.5%TFA溶液で10
分間処理した後、ピリジンでpHを7に調整した。蒸発、磨砕および乾燥の後、H
PLC解析を行った。
濾過したペプチド−樹脂を、さらに3回、400mlの0.3%TFA溶液で1
0分間処理した後、ピリジンでpHを7に調整した。蒸発、磨砕および乾燥の後、
ペプチド断片のHPLC解析を行った。分析用HPLCの条件は、以下の通りで
あった。カラム:リクロソルブRP−18、5m、25cm;溶離剤:(a)0.
1M HClO4/H2O(pH2.5)、(b)MeCN;勾配:34%から39%
MeCN/20分間;流速:1ml/分;検出器:210nm Knau。
純度が90%以上のペプチド断片をすべて合わせると、全量は10.8gとな
った。110gのペプチド樹脂の切断から得られた全収量は、46gであり、純
度は平均で95%であった。実施例37 Fmoc−Ala−Lys(Boc)−Lys−Tyr(tBu)−Leu−A sn−Asp−Leu−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−Gly −Thr(tBu)−NH2(保護Fmoc(19−31)−NH2)の 合成
断片I、Fmoc(26−31)−NH2(配列番号2)(8.91g、8.
24mmol)を、10%ジエチルアミンを含む90mlのDMFに溶解させ、室温で
2時間撹拌した。アミンおよび溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をヘキサンおよび
エーテルの混合物(4:1)で磨砕し、固体状の生成物をフィルター上に回収し
、ヘキサンおよびエーテルの混合物(4:1)で洗浄して、7.0gのH−(2
6−31)−NH2を無色の粉末として得た(収率98.9%)。
断片II、Fmoc(19−25)−OH(配列番号3)(9.89g、8.15m
mol)、H−(26−31)−NH2(7.0g、8.15mmol)、HOBt(4
.49g、29.3mmol)およびDIPEA(6.81ml、39.1mmol)を、
120mlのDMF/CH2Cl2(1:1)に溶解させ、氷−水浴中で撹拌した。
固体状のHBTU(3.71g、9.78mmol)を、10分間かけて数回に分け
て上記の溶液に添加した。撹拌を、0℃で30分間、その後室温で3時間継続し
た。溶液を真空下で蒸発させて、溶媒を除去し、残渣をCH2Cl2に溶解させた
。この溶液を、順に、飽和NaHCO3(3回)、10%クエン酸水溶液(2回
)、水およびブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。溶液を濾過し、
濾液を蒸発させて、粗製の保護中間体、Fmoc(19−31)−NH2を17
.4g、無色の固体として得た(収率100%)。分析用HPLCにより、純度
は約70%であると推定された。実施例38 Fmoc−Asn−Tyr(tBu)−Thr(tBu)−Lys(Boc)− Leu−Arg(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−Al a−Lys(Boc)−Lys−Tyr(tBu)−Leu−Asn−Asp− Leu−Lys(Boc)−Lys(Boc)−Gly−GlyThr(tBu )−NH2(保護Fmoc(9−31)−NH2)の合成
Fmoc(19−31)−NH2(17.4g)を、10%ジエチルアミンを
含む90mlのDMFに溶解させ、室温で2時間撹拌した。アミンおよび溶媒を真
空下で除去し、残渣をヘキサンおよびエーテルの混合物(3:1)で磨砕し、固
体をフィルター上に回収し、ヘキサンおよびエーテルの混合物(3:1)で洗
浄して、16.67gのH−(19−31)−NH2を無色の固体として得た(
収率100%)。
Fmoc(9−18)−OH(配列番号4)(16.59g、8.15mmol)
、H−(19−31)−NH2(16.67g)、HOBt(4.49g、29.
3mmol)およびDIPEA(6.81ml、39.1mmol)を、150mlのDMF
/CH2Cl2(2:1)に溶解させ(溶液はわずかに濁っていた)、それから氷
−水浴中で撹拌した。HBTU(3.70g、9.78mmol)を、10分間かけ
て数回に分けて上記の溶液に添加した。溶液は透明になり、撹拌を、0℃で30
分間、その後室温で3時間継続した。溶液を真空下で蒸発させて、溶媒を除去し
、残渣をCH2Cl2に溶解させた。この溶液を、順に、飽和NaHCO3(3回
)、10%クエン酸水溶液(2回)、水およびブラインで洗浄し、無水MgSO4
で乾燥させた。溶液を濾過し、濾液を真空下で蒸発させて、粗製の保護中間体
、Fmoc(9−31)−NH2を24.77g、約79%の収率で、無色の固
体として得た。分析用HPLCにより、生成物の純度は約69%であると決定さ
れた。実施例39 Ac−His(Trt)−Ser(tBu)−Asp(OtBu)−Ala−V al−Phe−Thr(tBu)−Glu(OtBu)−Asn−Tyr(tB u)−Thr(tBu)−Thr(tBu)−Lys(Boc)−Leu−Ar g(Pmc)−Lys(Boc)−Gln−Nle−Ala−Ala−Lys( Boc)−Lys−Tyr(tBu)−Leu−Asn−Asp−Leu−Ly s(Boc)−Lys(Boc)−Gly−Gly−Thr(tBu)−NH2 (保護Ac(1−31)−NH2)の合成
Fmoc(9−31)−NH2(24.77g)を、10%ジエチルアミンを
含む100mlのDMFに溶解させ、室温で2時間撹拌した。アミンおよび溶媒を
真空下で除去し、残渣をヘキサンおよびエーテルの混合物(3:1)で磨砕し、
固体をフィルター上に回収し、ヘキサンおよびエーテルの混合物(3:1)で洗
浄して、22.56gのH−(9−31)−NH2を無色の固体として得た(収
率96.7%)。
H−(9−31)−NH2(22.56g、6.22mmol)、Ac(1−8)
−OH(配列番号5)(8.79g、6.22mmol)、HOBt(3.43g、
22.38mmol)およびDIPEA(5.19ml、29.84mmol)を含む、200
mlのDMF/CH2Cl2(1:1)の溶液を、氷−水浴中で撹拌しながら、HB
TU(2.83g、7.46mmol)を、10分間かけて数回に分けて上記の溶液
に添加した。0℃で30分間、その後室温で3時間溶液を撹拌した。溶液を蒸発
させ、残渣をCH2Cl2に溶解させた。この溶液を、順に、飽和NaHCO3(
3回)、10%クエン酸水溶液(2回)、水およびブラインで洗浄し、無水Mg
SO4で乾燥させた。溶液を濾過し、濾液を蒸発させて、粗製の保護Ac(1−
31)−NH2を29.54g(約72.2%の収率)、無色の固体として得た
。分析用HPLCにより、純度は約78%であると推定された。実施例40 保護Ac(1−31)−NH2の脱保護: 環状VIPアナログの合成
保護Ac(1−31)−NH2(29.54g)を、TFA(135ml)、E
DT(4.5ml)、チオアニソール(7.5ml)、アニソール(3ml)の混合物
150mlに溶解させ、室温で2時間撹拌した。この溶液を蒸発させて、TFAを
除去し、500mlの予冷されたエーテル中に添加して、沈殿物を形成させ、その
沈殿物を回収し、エーテルで充分に洗浄した。生成物を真空下で乾燥させて、2
5.5gのAc(1−31)−NH2を無色の粉末として得た。この生成物は、
HPLCにより、約72〜75%の純度を有すると推定された。実施例41 環状VIPアナログの精製
粗製のペプチド、Ac(1−31)−NH2の精製は、デルタ・プレップ30
00システムを用いた分取HPLCにより、複数回に分けて行った。粗生成物の
一部を、ゾルバックス・プロテクション・プラス・カラム(環状VIPアナログ
標品と比較)で定量的HPLC解析したところ、9.95gのアナログが、25
.5gの粗生成物中に存在することが示された。典型的な回では、ペプチド(4
g)を200mlの0.1%TFA/H2Oに溶解させ、YMC ODS−A
(120Å、15μ)カラム(4.7×50cm)に適用した。移動相は、(A)
0.1%TFA/H2O−(B)0.1%TFA)50%MeOH−CH3CNで
あった。勾配溶離は、流速80ml/分で、20%(B)(10分間)で出発し、
次に20%〜50%(B)180分間で行った。UV検出を215nmで行った。
主要なピークを含む画分を回収し、分析用HPLCにより評価した。高純度であ
ると判断した画分を集め、冷却したフィンガー・ロータリー・エバボレーターで
濃縮し、凍結乾燥により1.2gの環状VIPアナログAc(1−31)−NH2
を得た。残りの粗生成物を、同方法により処理して、合計で8.48g(85.
2%回収率)の精製された環状VIPアナログを得た。全収率は23.9%であっ
た。分析用HPLCおよびキャピラリー電気泳動により、生成物は、>99%の
純度を有することが確認された。生成物は、アミノ酸解析、FAB−MS、旋光
度、紫外線吸収および円二色性により特徴解析され、同定が確認された。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 37/08 A61K 31/00 637E
A61K 38/00 37/02
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AU,BA,BB,BG
,BR,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IL,
IS,JP,KP,KR,LK,LR,LT,LV,M
G,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG
,SI,SK,TR,TT,UA,UZ,VN
(72)発明者 フェリクス,アーサー・エム
アメリカ合衆国、ニュージャージー
07006、ウェスト・コールドウェル、セン
トラル・アベニュー 257