JP2017105092A - セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム - Google Patents

セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】剥離剤層からセラミックグリーンシートへのポリオルガノシロキサンの移行が抑制されたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを提供する。
【解決手段】基材11と、基材11の片側に設けられた剥離剤層12とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム1Aであって、剥離剤層12が、メラミン樹脂とポリオルガノシロキサンとを含有する剥離剤組成物を硬化して成るものであり、ナノインデンテーション試験により、剥離剤層12における基材11とは反対側の面から測定される被膜弾性率が、3.5〜7.0GPaであることを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム1A。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックグリーンシートを製造する工程で使用する剥離フィルムに関するものである。
従来より、積層セラミックコンデンサや多層セラミック基板といった積層セラミック製品を製造するには、セラミックグリーンシートを成形し、得られたセラミックグリーンシートを複数枚積層して焼成することが行われている。
セラミックグリーンシートは、チタン酸バリウムや酸化チタンなどのセラミック材料を含有するセラミックスラリーを剥離フィルム上に塗工することにより成形される。剥離フィルムには、当該剥離フィルム上に成形した薄いセラミックグリーンシートを当該剥離フィルムから、変形、破断等が生じることなく、適度な剥離力により剥離できる剥離性が要求される。また、剥離フィルムには、セラミックスラリーを塗工し乾燥させたときに、セラミックグリーンシートにピンホールや厚みむら等の欠陥が発生しないよう、セラミックスラリーを塗工する面(セラミックスラリー・セラミックグリーンシートと接する面;以下「剥離面」という場合がある。)における平滑性が要求される。
特許文献1および2には、このような剥離フィルムの例が開示されている。特許文献1に開示される剥離フィルムでは、基材上に紫外線硬化型樹脂からなる層を設け、その上に、剥離剤層として、オルガノポリシロキサンが付加反応して形成されるシリコーン樹脂層が設けられている。特許文献2に開示される剥離フィルムは、(メタ)アクリレート成分と(メタ)アクリロイル基及び/又はビニル基で変性された変性シリコーンオイルとを含有する塗布液を基材上に塗布し、その塗膜を硬化させることで製造され、これにより、基材上に(メタ)アクリレート成分の硬化物を含む層が形成され、その上に、剥離剤層として、シリコーン重合体成分を含む層が形成されている。
特許第5675246号 特許第5423975号
ところで、剥離剤組成物中のシリコーン成分は、セラミックグリーンシートにおける剥離剤層に接触した面に容易に転移することがある。シリコーンが転移した面は滑り性が生じ、接着性が低下する。このようなシリコーン成分の転移しやすい剥離シートでセラミックグリーンシートを製造し、さらに当該セラミックグリーンシートを用いて積層セラミック製品を製造すると、積層されたセラミックグリーンシート同士に圧力がかけられたときに、積層セラミック製品の層間において面方向のズレが発生する場合がある。このようなズレが生じると、得られる積層セラミック製品において電極等の位置精度が低下し、積層セラミック製品の製品性能が得られなくなる。このため、セラミックグリーンシートへのシリコーン成分の転移の少ない剥離フィルムが求められている。
しかしながら、特許文献1および2に記載される剥離フィルムでは、シリコーン成分の転移を十分に抑制することはできない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、剥離剤層からセラミックグリーンシートへのポリオルガノシロキサンの移行が抑制されたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材の片側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムであって、前記剥離剤層が、メラミン樹脂とポリオルガノシロキサンとを含有する剥離剤組成物を硬化して成るものであり、ナノインデンテーション試験により、前記剥離剤層における前記基材とは反対側の面から測定される被膜弾性率が、3.5〜7.0GPaであることを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)は、剥離剤層が、ポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物によって形成されていることで、表面自由エネルギーが適度に低く、セラミックグリーンシートから剥離フィルムを剥離する際の剥離性に優れる。また、剥離剤層において、被膜弾性率が上述の範囲となるようにメラミン樹脂が十分に硬化していることにより、その網目状の構造の中に閉じ込められたポリオルガノシロキサンは強固に拘束されるものとなり、剥離剤層からセラミックグリーンシートへのポリオルガノシロキサンの移行が抑制される。
なお、一般的に、「メラミン樹脂」とは、複数種のメラミン化合物および/または当該メラミン化合物が縮合してできる多核体を含む混合物を意味する。本明細書においては、「メラミン樹脂」という語句は、上記混合物または1種のメラミン化合物の集合物を意味するものとする。さらに、本明細書では、当該メラミン樹脂が硬化したものを「メラミン硬化物」というものとする。
上記発明(発明1)において、前記熱硬化性成分は、メラミン樹脂であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記ポリオルガノシロキサンの質量平均分子量は、500〜20000であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記ポリオルガノシロキサンの前記剥離剤組成物中の含有量は、メラミン樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記剥離剤組成物に含有される前記メラミン樹脂は、メチル化メラミンおよび/またはイミノメチロールメラミンを含むことが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)においては、前記基材と前記剥離剤層との間に樹脂層をさらに備えたことが好ましい(発明6)。
上記発明(発明6)において、前記樹脂層は、活性エネルギー線硬化性成分または熱硬化性成分を含有する樹脂組成物を硬化して成るものであることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明7)において、前記活性エネルギー線硬化性成分は、多官能アクリレートであることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明1〜8)においては、前記基材における前記剥離剤層とは反対側に設けられた第2の樹脂層をさらに備えたことが好ましい(発明9)。
本発明の第1の実施形態に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム〕
図1に示すように、第1の実施形態に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム1A(以下単に「剥離フィルム1A」という場合がある。)は、基材11と、剥離剤層12とを備えて構成される。
また、図2に示すように、第2の実施形態に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム1B(以下単に「剥離フィルム1B」という場合がある。)は、基材11と、基材11の一方の面(図2では上面)に積層された樹脂層13と、樹脂層13における基材11と反対側の面に積層された剥離剤層12とを備えて構成される。
さらに、図3に示すように、第3の実施形態に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム1C(以下単に「剥離フィルム1C」という場合がある。)は、基材11と、基材11の一方の面(図3では上面)に積層された樹脂層13と、樹脂層13における基材11と反対側の面に積層された剥離剤層12と、基材11の他方の面(図3では下面)に積層された第2の樹脂層14とを備えて構成される。
剥離フィルム1A,1B,1Cでは、剥離剤層12が、メラミン樹脂とポリオルガノシロキサンとを含有する剥離剤組成物から形成されている。また、ナノインデンテーション試験により、剥離剤層12における樹脂層13とは反対側の面から測定される被膜弾性率が、3.5〜7.0GPaである。
剥離フィルム1A,1B,1Cでは、剥離剤層12がポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物を使用して形成されるため、剥離剤層12の剥離面における表面自由エネルギーが適度に低いものとなる。さらに、剥離フィルム1A,1B,1Cが上述の被膜弾性率を有する。これらにより、剥離フィルム1A,1B,1Cの剥離面上に成形されたセラミックグリーンシートから剥離フィルム1A,1B,1Cを剥離する際の剥離力が適度に低いものとなり、優れた剥離性が発揮される。
さらに、剥離フィルム1A,1B,1Cでは、メラミン樹脂が硬化することで形成される網目状の構造の中に、ポリオルガノシロキサンが閉じ込められている。ここで、被膜弾性率が上述の範囲となるようにメラミン樹脂が十分に硬化していることにより、上記網目状の構造の中に閉じ込められたポリオルガノシロキサンは強固に拘束されることとなり、ポリオルガノシロキサンは、硬化したメラミン樹脂の中での自由な移動が制限される。したがって、剥離フィルム1A,1B,1Cの剥離面上にセラミックグリーンシートを成形した場合に、剥離剤層12からセラミックグリーンシートへのポリオルガノシロキサンの移行が抑制される。これにより、剥離フィルム1A,1B,1Cを用いて成形したセラミックグリーンシートを積層した際、セラミックグリーンシート同士の接着力が向上し、積層セラミック製品の製造においてセラミックグリーンシート間または電極印刷面とそれに接するセラミックグリーンシートの面との間におけるズレの発生が抑制される。
また、剥離フィルム1A,1B,1Cでは、剥離剤層12が、メラミン樹脂を含有する剥離剤組成物から形成される。そのため、剥離剤層をポリオルガノシロキサンのみを使用して形成する場合と比較して、剥離剤層12の表面自由エネルギーが過度に低くなることが回避される。また、酸素阻害により表層の硬化が不十分となる活性エネルギー線硬化性樹脂とは異なり、メラミン樹脂は熱硬化により硬化が進むため、剥離剤層12では、全体の被膜弾性率が向上するだけでなく、層内および表層のそれぞれにおいても十分に弾性率が向上する。これにより、剥離剤層12の表層付近に存在するポリオルガノシロキサンを十分に固定することができるようになる。さらに、メラミン樹脂は、後述する樹脂層13に含まれる樹脂との親和性が高い。そのため、樹脂層13が設けられた剥離フィルム1B,1Cでは、剥離剤層12と樹脂層13との間の密着性が優れたものとなり、樹脂層13からの剥離剤層12の剥がれの発生が抑制される。
1.剥離剤層
(1)メラミン樹脂
剥離剤組成物に含有されるメラミン樹脂は、下記一般式(a)で示されるメラミン化合物、または当該メラミン化合物が2個以上縮合してなる多核体を含有する。
Figure 2017105092
式(a)中、Xは、−H、−CH−OH、または−CH−O−Rを示す。これらの基は、上記メラミン化合物同士の縮合反応における反応基を構成する。具体的には、XがHとなることで形成される−NH基は、−N−CH−OH基および−N−CH−R基との間で縮合反応を行うことができる。また、Xが−CH−OHとなることで形成される−N−CH−OH基、およびXが−CH−O−Rとなることで形成される−N−CH−O−R基は、ともに、−NH基、−N−CH−OH基および−N−CH−O−R基との間で縮合反応を行うことができる。
上記−CH−O−R基において、Rは、炭素数1〜8個のアルキル基を示す。当該炭素数は、1〜6個であることが好ましく、特に1〜3個であることが好ましい。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
上記Xは、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、上記Rは、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
メラミン化合物には、一般に、全てのXが−CH−O−Rであるフルエーテル型、少なくとも1個のXが−CH−OHであり且つ少なくとも1個のXがHであるイミノ・メチロール型、少なくとも1個のXが−CH−OHであり且つHであるXが存在しないメチロール型、および、少なくとも1個のXがHであり且つ−CH−OHであるXが存在しないイミノ型といった種類が存在する。上記メラミン樹脂に含有されるメラミン化合物としては、メチル化メラミン(Rがメチル基であるフルエーテル型)、イミノメチロールメラミン(イミノ・メチロール型)、メチロールメラミン(メチロール型)、ブチル化メラミン(Rがブチル基であるフルエーテル型)等を使用することが好ましい。さらに、有機溶媒に溶解し易く、且つ低温で硬化し易いという観点から、メチル化メラミンまたはイミノメチロールメラミンを使用することが好ましい。特に、保護基を外す反応が不要となり、反応速度がより向上するという観点から、イミノメチロールメラミンを使用することが好ましい。
上記メラミン樹脂は、上記式(a)で表される化合物が2〜50個縮合してなる多核体を含んでいてもよく、また2〜30個縮合してなる多核体を含んでいてもよく、特に2〜10個縮合してなる多核体を含んでいてもよく、さらには2〜5個縮合してなる多核体を含んでいてもよい。
剥離剤層12を形成するための剥離剤組成物において、メラミン樹脂の質量平均分子量は、120〜10000であることが好ましく、特に200〜5000であることが好ましく、さらには1000〜4000であることが好ましい。質量平均分子量が120以上であることで、メラミン樹脂が安定に架橋し、より平滑な剥離面を形成することができる。一方、質量平均分子量が10000以下であることで、剥離剤組成物の粘度が過度に高くなることが抑制され、基材11上に剥離剤組成物を塗工する際の塗工性が良好なものとなる。なお、本明細書における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
(2)ポリオルガノシロキサン
剥離剤組成物に含有されるポリオルガノシロキサンとしては、下記の一般式(b)で示されるケイ素含有化合物の重合体を使用することができる。
Figure 2017105092
式(b)中、mは1以上の整数である。式(b)中、R〜Rは、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、特に、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜8のアリール基であることが好ましい。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、炭素数6〜8のアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基が挙げられ、この中でも、特にメチル基が好ましい。
〜Rは同一であっても異なっていてもよい。また、RおよびRが複数存在する場合、RおよびRは、繰り返し単位間で同一であっても異なっていてもよい。
剥離剤組成物に含有されるポリオルガノシロキサンとしては、末端または側鎖に有機基を有しているものが好ましい。すなわち、式(b)中のR〜Rの少なくとも1個は、有機基であることが好ましい。本明細書において、「有機基」は上述したアルキル基およびアリール基を含まない基をいう。このような有機基としては、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン等の繰り返し構造をもつ有機基が挙げられる。このような有機基では、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン等のそれぞれの片末端の原子がポリオルガノシロキサンの末端または鎖中のケイ素原子に結合している。
また、ポリオルガノシロキサンは、架橋反応が可能な官能基を含有することが好ましい。架橋反応が可能な官能基は、ポリオルガノシロキサンのケイ素原子に直接結合したものであってもよく、前述の有機基を介してポリオルガノシロキサンに結合したものであってもよい。すなわち、式(b)中のR〜Rの少なくとも1個は、架橋可能な官能基または架橋可能な官能基を有する有機基であることが好ましい。ケイ素原子に直接結合する架橋可能な官能基としては、アルケニル基、水素基(ヒドロシリル基)、水酸基(ヒドロキシシリル基)等が挙げられ、有機基を介してポリオルガノシロキサンに結合した官能基としては、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。これらの官能基の中でも、ケイ素原子に直接結合する水酸基(ヒドロキシシリル基)または有機基を介した水酸基が特に好ましい。なお、本明細書における「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。
水酸基を有するポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物を硬化させて剥離剤層12を形成すると、メラミン樹脂とポリオルガノシロキサンとが当該水酸基を介して化学結合し、ポリオルガノシロキサンがメラミン硬化物に固定される。これにより、ポリオルガノシロキサンは剥離剤層12の中で自由な移動が効果的に制限され、剥離剤層12からセラミックグリーンシートへのポリオルガノシロキサンの移行が効果的に抑制される。その結果、セラミックグリーンシートを積層した際の、セラミックグリーンシート間または電極印刷面とそれに接するセラミックグリーンシートの面との間の面方向のズレの発生が効果的に抑制され、電極等の位置精度が向上する。
ポリオルガノシロキサンの質量平均分子量は500〜20000であることが好ましく、特に1000〜10000であることが好ましく、さらには3000〜8000であることが好ましい。ポリオルガノシロキサンの質量平均分子量が500以上であることで、剥離剤層12の剥離面における表面自由エネルギーが適度に低下し、セラミックグリーンシートから剥離フィルム1A,1B,1Cを剥離する際の剥離力を効果的に低下させることができる。ポリオルガノシロキサンの質量平均分子量が20000以下であることで、剥離剤組成物の粘度が過度に高くなることが抑制され、剥離剤組成物を塗工し易くなる。
剥離剤組成物中におけるポリオルガノシロキサンの含有量は、メラミン樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、特に0.3〜25質量部であることが好ましく、さらには0.5〜20質量部であることが好ましい。剥離剤組成物中におけるポリオルガノシロキサンの含有量が0.1質量部以上であることで、剥離剤層12の剥離面の表面自由エネルギーが十分に低下し、適度な剥離力を達成することができる。一方、剥離剤組成物中におけるポリオルガノシロキサンの含有量が30質量部以下であることで、上述したポリオルガノシロキサンの移行性を抑制できる。これによって剥離剤組成物の表面自由エネルギーが過度に低下することが防止され、樹脂層13上に剥離剤組成物の塗液を塗工した際のハジキの発生を抑制することができ、剥離フィルム1A,1B,1Cを良好に製造することができる。
(3)その他の成分
剥離剤組成物は、酸触媒をさらに含有することが好ましい。酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、p−トルエンスルホン酸等が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸が好ましい。剥離剤組成物が酸触媒を含有することにより、上記メラミン樹脂における縮合反応が効率よく進行する。
剥離剤組成物中における酸触媒の含有量は、メラミン樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、特に0.5〜20質量部であることが好ましく、さらには1〜15質量部であることが好ましい。
剥離剤組成物は、上記成分の他、架橋剤、反応抑制剤等を含有していてもよい。
(4)剥離剤層の厚さ
剥離剤層12の厚さは、5〜2000nmであることが好ましい。特に、基材11と剥離剤層12とからなる剥離シート1Aでは、剥離剤層12の厚さが、100〜2000nmであることが好ましく、特に150〜1000nmであることが好ましく、さらには200〜600nmであることが好ましい。また、基材11と剥離剤層12との間に樹脂層13をさらに備えた剥離シート1Bまたは剥離シート1Cでは、剥離剤層12の厚さが、5〜300nmであることが好ましく、特に10〜250nmであることが好ましく、さらには15〜200nmであることが好ましい。剥離剤層12の厚さが5nm以上であることで、剥離剤層12としての機能を効果的に発揮することができる。また、剥離剤層12の厚さが2000nm以下であることで、カールが発生することを抑制することができる。
2.基材
剥離フィルム1A,1B,1Cの基材11は、樹脂層13を積層することができれば特に限定されるものではない。かかる基材11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルなどのプラスチックからなるフィルムが挙げられ、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。これらの中でもポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、さらには二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、加工時、使用時等において、埃等が発生しにくいため、例えば、埃等によるセラミックスラリー塗工不良等を効果的に防止することができる。さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルムに帯電防止処理を行うことで、有機溶剤を使用するセラミックスラリーを塗工する際の静電気による発火を防止したり、塗工不良等を防止する効果を高めることができる。
また、この基材11においては、その表面に設けられる剥離剤層12または樹脂層13との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にコロナ放電処理法が効果及び操作性の面から好ましく用いられる。
基材11の厚さは、通常10〜300μmであればよく、好ましくは15〜200μmであり、特に好ましくは20〜125μmである。
3.樹脂層
本実施形態に係る剥離フィルムは、基材11と剥離剤層12との間に樹脂層13を備えていてもよい。図2および3には、樹脂層13を備える剥離フィルム1Bおよび1Cがそれぞれ示されている。剥離フィルム1B,1Cでは、基材11と剥離剤層12との間に設けられた樹脂層13が、基材11における樹脂層13側の面における凹凸を吸収する。これにより、樹脂層13の基材11とは反対側の面は高い平滑性を有することとなる。そして、樹脂層13の当該面に剥離剤層12が設けられることにより、剥離剤層12の剥離面における平滑性が優れたものとなる。
樹脂層13を形成する樹脂としては、本発明の効果を妨げることなく、剥離面に平滑性を付与できるものであれば、特に限定されない。樹脂層13を形成する樹脂としては、剥離フィルム1B,1Cが3.5〜7.0GPaという被膜弾性率を達成し易いものを使用することが好ましい。特に、樹脂層13は、硬化性成分を含有する樹脂組成物から形成されることが好ましい。この硬化性成分は、活性エネルギー線硬化性成分であってもよく、熱硬化性成分であってもよい。
(1)活性エネルギー線硬化性成分
活性エネルギー線硬化性成分としては、本発明の効果を妨げることなく、活性エネルギー線の照射によって硬化する成分であれば特に制限されず、モノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれであってもよいし、それらの混合物であってもよい。特に、活性エネルギー線硬化性成分として、アクリル樹脂を構成する成分を使用することが好ましく、特に多官能アクリレートを使用することが好ましい。
多官能アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート等の2官能型;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能型;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能型;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能型;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能型などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。多官能アクリレートとしては、架橋構造を形成し易く、剥離フィルム1B,1Cの被膜弾性率を後述する値に設定し易いという観点から、官能基数が3〜15個のものが好ましく、特に3〜6個のものが好ましい。上述の多官能アクリレートの中でも、基材表面の凹凸を効果的に吸収し、剥離面における優れた平滑性を達成できるという観点から、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを使用することが好ましい。
樹脂層13を、活性エネルギー線硬化性成分を含有する樹脂組成物から形成する場合、樹脂組成物は、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤を含有することにより、活性エネルギー線硬化性成分を効率良く硬化させることができ、また重合硬化時間および活性エネルギー線の照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものを使用できる。活性エネルギー線硬化性成分として多官能アクリレートを使用する場合、重合反応を促進し、硬化性を向上する観点から、α−アミノアルキルフェノン系化合物を使用することが好ましい。α−アミノアルキルフェノン系化合物としては、例えば、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。α−アミノアルキルフェノン系化合物の樹脂組成物中における含有量は、多官能アクリレート100質量部に対し、1〜20質量部であることが好ましく、特に3〜15質量部であることが好ましく、さらには5〜10質量部であることが好ましい。
(2)熱硬化性成分
熱硬化性成分としては、本発明の効果を妨げることなく、加熱することによって硬化する成分であれば特に制限されない。特に、熱硬化性成分として、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂またはアクリル樹脂を使用することが好ましく、特にメラミン樹脂を使用することが好ましい。メラミン樹脂を使用することにより、樹脂層13と剥離剤層12との間の接着力が向上し、剥離剤層12の樹脂層13からの剥がれを効果的に抑制することができる。また、メラミン樹脂を使用することにより、剥離フィルム1B,1Cの被膜弾性率が向上し、セラミックグリーンシートから剥離フィルム1B,1Cを剥離する際の剥離性が向上する。
樹脂層13を形成するためのメラミン樹脂は、特に限定されないものの、剥離剤層12を形成するために使用するメラミン樹脂と同種のものを使用すること好ましい。この場合、樹脂層13と剥離剤層12との間におけるメラミン樹脂同士が高い親和性を示すことにより、樹脂層13と剥離剤層12との間で高い密着性が得られ、剥離剤層12の剥がれをより効果的に抑制することができる。
(3)その他の成分
樹脂組成物は、上述の成分の他に、架橋剤、反応抑制剤、帯電防止剤、密着向上剤等を含有してもよい。
(4)樹脂層の厚さ
樹脂層13の厚さは、100〜3000nmであることが好ましく、特に300〜2000nmであることが好ましく、さらには500〜1000nmであることが好ましい。樹脂層13の厚さが100nm以上であることで、基材11表面の凹凸を効果的に吸収することができ、剥離面における優れた平滑性を達成することができる。また、樹脂層13の厚さが3000nm以下であることで、剥離フィルム1B,1Cのカールの発生を効果的に抑制することができる。
4.第2の樹脂層
剥離フィルム1Cでは、基材11における樹脂層13とは反対側の面(以下、「基材裏面」という場合がある。)に第2の樹脂層14が設けられる。第2の樹脂層14は、基材裏面に存在する凹凸を吸収するため、第2の樹脂層14における基材11とは反対側の面における平滑性は、基材裏面の平滑性よりも高いものとなる。そして、セラミックグリーンシートが成形された剥離フィルム1Cをロール状に巻き取った場合、セラミックグリーンシートは、第2の樹脂層14における高い平滑性を有した面と接触するため、より平滑性の高いセラミックグリーンシートが提供される。また、第2の樹脂層14が存在することで、樹脂層13および/または剥離剤層12の硬化収縮が、第2の樹脂層14の硬化収縮によって相殺されるため、剥離フィルム1Cにおけるカールの発生を抑制することができる。
第2の樹脂層14を形成するための樹脂は、特に限定されるものではない。第2の樹脂層14のための樹脂としては、樹脂層13を形成するために使用される前述の樹脂を使用することができる。剥離フィルム1Bにおいて、樹脂層13と第2の樹脂層14とは、同種の樹脂から形成されたものであってもよく、異種の樹脂から形成されたものであってもよい。しかしながら、カール抑制の観点から、樹脂層13と第2の樹脂層14とは、同種の樹脂から形成されることが好ましい。
第2の樹脂層14の厚さは、樹脂層13と同様に設定することができる。しかしながら、カールの発生を効果的に抑制する観点から、樹脂層13および剥離剤層12の厚さの合計に対する、第2の樹脂層14の厚さの比は、0.2〜2であることが好ましく、特に0.7〜1.5であることが好ましく、さらには0.8〜1.2であることが好ましい。
5.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの物性
剥離フィルム1A,1B,1Cでは、ナノインデンテーション試験により、剥離剤層12における樹脂層13とは反対側の面から測定される被膜弾性率が、3.5〜7.0GPaであり、4.0〜6.5GPaであることが好ましく、特に4.5〜6.3GPaであることが好ましい。剥離フィルム1A,1B,1Cの被膜弾性率が3.5GPa以上であることで、セラミックグリーンシートから剥離フィルム1A,1B,1Cを剥離する際における良好な剥離性を効果的に実現することができる。また、剥離フィルム1A,1B,1Cの被膜弾性率が7.0GPa以下であることで、剥離フィルム1A,1B,1Cの巻き取りが容易となる。
なお、本明細書における被膜弾性率の測定は、ナノインデンテーション試験により行われる。具体的には、アルミニウム製の台座に接着したガラス板上に、10mm×10mmサイズに裁断した剥離フィルム1A,1B,1Cを2液系エポキシ接着剤で固定する。このとき、剥離フィルム1A,1Bでは、基材11における剥離剤層12とは反対側の面に2液系エポキシ接着剤を塗布し、この面をガラス板に固定する。一方、剥離フィルム1Cでは、第2の樹脂層14における基材11とは反対側の面に2液系エポキシ接着剤を塗布し、この面をガラス板に固定する。その後、微小硬度評価装置を使用(試験例では、MTS社製の「Nano Indenter SA2」を使用)して、剥離剤層12における基材11とは反対側の面から被膜弾性率を測定する。
剥離フィルム1A,1B,1Cの剥離面上に成形されたセラミックグリーンシートから、当該剥離フィルム1A,1B,1Cを剥離する際に要する剥離力は、適宜設定することができるが、5〜100mN/40mmであることが好ましく、特に7〜50mN/40mmであることが好ましく、さらには10〜30mN/40mmであることが好ましい。剥離フィルム1A,1B,1Cでは、剥離剤層12がポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物を使用して形成され、さらに、剥離フィルム1A,1B,1Cが適度な弾性を有するため、5〜100mN/40mmといった剥離力に適宜設定することが可能である。
剥離フィルム1A,1B,1Cを用いてセラミックグリーンシートを成形すると、剥離剤層12からセラミックグリーンシートへのポリオルガノシロキサンの移行が抑制される。これにより、剥離フィルム1A,1B,1Cの剥離面上にセラミックグリーンシートを成形した後、当該セラミックグリーンシートを剥離フィルム1A,1B,1Cから剥離したときに、セラミックグリーンシートにおける剥離面に接触していた面のポリオルガノシロキサンの移行量が低いものとなる。具体的には、剥離フィルム1A,1B,1Cを用いてセラミックグリーンシートを成形した場合、当該セラミックグリーンシートにおける剥離面に接触していた面を測定して得られるケイ素原子比率が、1.0原子%未満であることが好ましく、特に0.5原子%未満であることが好ましく、さらには0.3原子%以下であることが好ましい。なお、ケイ素原子比率は、例えばX線光電子分光分析法(XPS)によって測定される、ケイ素原子(Si)、炭素原子(C)及び酸素原子(O)の量(XPSカウント数)に基づき、下記の式により算出される。
ケイ素原子比率(原子%)=[(Si元素量)/{(C元素量)+(O元素量)+(Si元素量)}]×100
なお、測定用のセラミックグリーンシートは、XPSによりケイ素が検出されない(すなわち、ケイ素化合物を含まない)セラミックグリーンシートを適宜選択して、当該ケイ素原子比率を剥離剤層12のポリオルガノシロキサンの移行量の評価基準として利用することができる。
剥離フィルム1A,1B,1Cの剥離面における最大突起高さRpは、5〜800nmであることが好ましく、特に10〜400nmであることが好ましく、さらには20〜200nmであることが好ましい。特に、樹脂層13を備える剥離フィルム1B,1Cでは、剥離面における最大突起高さRpが、5〜300nmであることが好ましく、特に10〜150nmであることが好ましく、さらには20〜75nmであることが好ましい。剥離面の最大突起高さRpが上述の範囲であることにより、剥離フィルム1A,1B,1Cを使用して形成されたセラミックグリーンシートが優れた平滑性を示し、優れた性能を示す積層セラミック製品を製造することが可能となる。特に、剥離フィルム1B,1Cでは、樹脂層13を備えることにより、最大突起高さRpが上述のように非常に小さい値となり、より平滑性に優れたセラミックグリーンシートを形成することができる。なお、剥離面における最大突起高さRpの測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
6.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの製造方法
剥離フィルム1Aを製造する場合、基材11の一方の面に、剥離剤組成物および所望により有機溶剤を含有する塗工液を塗工した後、その塗膜を乾燥および硬化させることで剥離剤層12を形成する。これにより剥離フィルム1Aが得られる。
また、剥離フィルム1Bを製造する場合、基材11の一方の面に、樹脂組成物および所望により有機溶剤を含有する塗工液を塗工した後、その塗膜を乾燥および硬化させることで樹脂層13を形成する。さらに、樹脂層13の基材11とは反対側の面に、剥離剤組成物および所望により有機溶剤を含有する塗工液を塗工した後、乾燥および加熱することで剥離剤組成物を硬化させ、剥離剤層12を形成する。これにより剥離フィルム1Bが得られる。
また、剥離フィルム1Cを製造する場合、基材11の一方の面に、樹脂層13のための樹脂組成物および所望により有機溶剤を含有する塗工液を塗工した後、その塗膜を乾燥および硬化させることで樹脂層13を形成する。さらに、基材11の他方の面に、第2の樹脂層14のための樹脂組成物および所望により有機溶剤を含有する塗工液を塗工した後、その塗膜を乾燥および硬化させることで第2の樹脂層14を形成する。続いて、樹脂層13の基材11とは反対側の面に、剥離剤組成物および所望により有機溶剤を含有する塗工液を塗工した後、乾燥および加熱することで剥離剤組成物を硬化させ、剥離剤層12を形成する。これにより剥離フィルム1Cが得られる。なお、第2の樹脂層14は、樹脂層13よりも先に形成してもよく、あるいは剥離剤層12に続いて形成してもよい。
上述する方法において、樹脂組成物が活性エネルギー線硬化性成分を含む場合、樹脂組成物からなる塗膜に対して活性エネルギー線を照射することで硬化させる。活性エネルギー線としては、例えば、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを使用でき、具体的には、紫外線や電子線などを使用することができる。特に、取扱いが容易な紫外線が好ましい。紫外線の照射は、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等によって行うことができ、紫外線の照射量は、照度が50〜1000mW/cm程度であることが好ましい。また、光量は、50〜10000mJ/cmであることが好ましく、80〜5000mJ/cmであることがより好ましく、200〜2000mJ/cmであることが特に好ましい。一方、電子線の照射は、電子線加速器等によって行うことができ、電子線の照射量は、10〜1000krad程度が好ましい。また、塗膜に対する活性エネルギー線の照射は、窒素等の不活性気体の雰囲気下で行ってもよい。
また、樹脂組成物が熱硬化性成分を含む場合、樹脂組成物からなる塗膜を加熱することで硬化させる。この場合の加熱温度は90〜140℃であることが好ましく、特に110〜130℃であることが好ましい。また、加熱時間は10〜120秒程度であることが好ましく、特に50〜70秒程度であることが好ましい。
上述する方法において、塗工液の塗工方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法などが使用できる。
上述した有機溶剤としては特に制限はなく、様々なものを用いることができる。例えばトルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素化合物をはじめ、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びこれらの混合物等が用いられる。
7.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの使用方法
剥離フィルム1A,1B,1Cは、セラミックグリーンシートを製造するために使用することができる。具体的には、剥離剤層12の剥離面に対し、チタン酸バリウムや酸化チタンなどのセラミック材料を含有するセラミックスラリーを塗工した後、当該セラミックスラリーを乾燥させることでセラミックグリーンシートを得ることができる。塗工は、例えば、スロットダイ塗工方式やドクターブレード方式等を用いて行うことができる。
セラミックスラリーに含まれるバインダー成分の例としては、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。また、セラミックスラリーに含まれる溶媒の例としては、有機溶媒、水系溶媒等が挙げられる。
剥離フィルム1A,1B,1Cでは、剥離剤層12がポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物によって形成されること、および、剥離フィルム1A,1B,1Cが適度な弾性を有することにより、優れた剥離性が発揮される。さらに、剥離剤層12において、メラミン樹脂が硬化することで形成される網目状の構造の中にポリオルガノシロキサンが閉じ込められ、ポリオルガノシロキサンの自由な移動が制限されるため、剥離剤層12からセラミックグリーンシートへのポリオルガノシロキサンの移行が抑制される。これにより、成形したセラミックグリーンシートを積層した際、セラミックグリーンシート同士の接着力が向上し、セラミックグリーンシート間におけるズレの発生が抑制される。また、樹脂層13を備える剥離フィルム1B,1Cでは、基材11表面の凹凸が樹脂層13に吸収されることにより、剥離剤層12の剥離面における優れた平滑性が達成される。さらに、剥離剤層12が、メラミン樹脂を含有する剥離剤組成物から形成されることで、剥離剤層12と樹脂層13との間の密着性が優れたものとなるため、樹脂層13からの剥離剤層12の剥がれの発生が抑制される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、剥離フィルム1Aにおける基材11と剥離剤層12との間、剥離フィルム1B,1Cにおける基材11と樹脂層13との間もしくは樹脂層13と剥離剤層12との間、または剥離フィルム1Cにおける基材11と第2の樹脂層14との間には、帯電防止層等の他の層が設けられてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)樹脂層の形成
活性エネルギー線硬化性成分としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製,商品名:A−TMM−3L)100質量部(固形分として換算した量;以下同じ)と、光重合開始剤としての2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(BASFジャパン社製,商品名:IRGACURE907,α−アミノアルキルフェノン系化合物)10質量部とを、溶媒としてのトルエンにて混合し、固形分濃度15質量%の樹脂組成物の塗布液を得た。
得られた樹脂組成物の塗布液を、基材としての二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:31μm)における、算術平均粗さRaが10nmであり、且つ最大突起高さRpが80nmである面上にマイヤーバー♯6により均一に塗布した。次いで、塗膜を80℃で60秒間乾燥させ、窒素雰囲気下(酸素濃度1%以下)にて、無電極ランプにより紫外線を照射(照度:150mW/cm,光量:約350mJ/cm)して、樹脂組成物を硬化させ、基材上に厚さ500nmの樹脂層が積層された積層体を得た。
(2)剥離剤層の形成
イミノ型メチル化メラミン樹脂(日本カーバイド工業社製,商品名:MX730,質量平均分子量:1508)100質量部と、ポリジメチルシロキサン(信越化学工業社製,商品名:X−62−1387,質量平均分子量:2000)10質量部と、酸触媒としてのp−トルエンスルホン酸(日立化成ポリマー社製,商品名:ドライヤー900)8質量部とを、溶媒としてのトルエンにて混合し、固形分濃度2質量%の剥離剤組成物の塗布液を得た。
得られた剥離剤組成物の塗布液を、上記積層体の樹脂層における基材とは反対側の面上にマイヤーバー♯6により均一に塗布した。次いで、塗膜を120℃で60秒間加熱乾燥し、剥離剤組成物を硬化させ、上記積層体上に厚さ100nmの剥離剤層を形成した。以上により、剥離フィルムを得た。
〔実施例2〕
イミノ型メチル化メラミン樹脂(日本カーバイド工業社製,商品名:MX730,質量平均分子量:1508)100質量部と、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製,商品名:BYK−370,質量平均分子量:5000)0.1質量部と、酸触媒としてのp−トルエンスルホン酸(日立化成ポリマー社製,商品名:ドライヤー900)8質量部とを、溶媒としてのトルエンにて混合することで調製した、固形分濃度15質量%の剥離剤組成物の塗布液を使用し、且つ、その塗膜を120℃で60秒間加熱乾燥させることで樹脂層を形成した以外、実施例1と同様にして剥離フィルムを製造した。
〔実施例3〕
剥離剤組成物中におけるポリジメチルシロキサンの含有量を30質量部に変更した以外、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
〔実施例4〕
剥離剤組成物中におけるポリジメチルシロキサンの含有量を40質量部に変更した以外、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
〔実施例5〕
剥離剤組成物中における、10質量部のポリジメチルシロキサンを、30質量部のポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製,商品名:BYK−370,質量平均分子量:5000)に変更した以外、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
〔比較例1〕
ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製,商品名:A−TMM−3L)100質量部と、ポリジメチルシロキサン(信越化学工業社製,商品名:X−62−1387,質量平均分子量:2000)10質量部と、光重合開始剤としての2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(BASFジャパン社製,商品名:IRGACURE907,α−アミノアルキルフェノン系化合物)10質量部とを、溶媒としてのトルエンにて混合し、固形分濃度15質量%の塗布液を得た。
得られた塗布液を、基材としての二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:31μm)における、算術平均粗さRaが10nmであり、且つ最大突起高さRpが80nmである面上にマイヤーバー♯6により均一に塗布した。次いで、塗膜を80℃で60秒間乾燥させ、窒素雰囲気下(酸素濃度1%以下)にて、無電極ランプにより紫外線を照射(照度:150mW/cm,光量:約350mJ/cm)して、樹脂組成物を硬化させることで、基材上に厚さ500nmの剥離剤層が積層された剥離フィルムを得た。
〔比較例2〕
付加型シリコーン系剥離剤(東レ・ダウコーニング社製,商品名:CF−2172,質量平均分子量:300000)100質量部と、白金系触媒(東レ・ダウコーニング社製,BY24−835)2質量部とを、溶媒としてのトルエンにて混合することで調製した、固形分濃度1.5質量%の剥離剤組成物の塗布液を使用した以外、実施例1と同様にして剥離フィルムを製造した。
〔試験例1〕(被膜弾性率の測定)
実施例および比較例で得られた剥離フィルムを10mm×10mmサイズに裁断し、次いで、アルミニウム製の台座に接着したガラス板上に、裁断した剥離フィルムの基材裏面を2液系エポキシ接着剤で固定した。そして、微小硬度評価装置(MTS社製,Nano Indenter SA2)を使用して、圧子の最大押し込み深さ100nm、歪速度0.05sec−1、変位振幅2nm、振動周波数45Hzにてナノインデンテーション試験を行い、上記剥離フィルムの被膜弾性率を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(ポリオルガノシロキサン移行性の評価)
実施例および比較例にて製造してから常温で48時間保管した剥離フィルムにおいて、剥離剤層の剥離面に、アクリル粘着テープ(日東電工社製,商品名:31Bテープ)を貼付し、24時間保管した。
その後、上記粘着テープを剥離フィルムから剥離し、当該粘着テープにおける剥離剤層表面と接触していた面について、X線光電子分光分析法(XPS)によって測定されるケイ素原子(Si)、炭素原子(C)及び酸素原子(O)の量(XPSカウント数)に基づき、下記の式によりケイ素原子比率(原子%)を算出した。
ケイ素原子比率(原子%)=[(Si元素量)/{(C元素量)+(O元素量)+(Si元素量)}]×100
測定装置としては、パーキンエルマー社製のESCA 5600を使用し、測定条件は以下の通りとした。
X線原:Mg standard(15kv,400W)
取り出し角度:45°
測定時間:3分間
測定元素:ケイ素原子(Si),炭素原子(C),酸素原子(O)
そして、以下の判断基準により、ポリオルガノシロキサン移行性を評価した。ケイ素原子比率および評価結果を表1に示す。
◎…ケイ素原子比率が0.35原子%未満
○…ケイ素原子比率が0.35原子%以上、0.5原子%未満
△…ケイ素原子比率が0.5原子%以上、1.0原子%未満
×…ケイ素原子比率が1.0原子%以上
〔試験例3〕(剥離フィルムを構成する層間における密着性の評価)
実施例1〜5および比較例2で剥離剤層を形成する前における、樹脂層の基材とは反対側の面(以下「樹脂層表面」という場合がある。)、ならびに実施例および比較例で得られた剥離フィルムの剥離面を指で10回擦り、スミア(曇り)およびラブオフ(脱落)の発生の有無を蛍光灯下、目視にて判断した。そして、以下の評価基準により、剥離フィルムを構成する層間における密着性を評価した。結果を、表1に示す。
○…樹脂層表面および剥離面のいずれを擦った場合においても、スミアおよびラブオフが発生しておらず、密着性が良好である
×…樹脂層表面および剥離面の少なくとも一方を擦った場合において、スミアおよびラブオフの少なくとも一方が発生しており、密着性不良である
〔試験例4〕(剥離力の測定)
チタン酸バリウム(BaTiO;堺化学工業社製,商品名:BT−03)100質量部、ポリビニルブチラール(積水化学工業社製,商品名:エスレックB・KBM−2)8質量部、およびフタル酸ジオクチル(関東化学社製,商品名:フタル酸ジオクチル鹿1級)1.4質量部に、トルエン69質量部およびエタノール46質量部を加え、ボールミルにて混合分散させて、セラミックスラリーを調製した。
実施例および比較例にて製造してから常温で48時間保管した剥離フィルムにおいて、剥離剤層の剥離面に、アプリケーターを用いて上記セラミックスラリーを均一に塗工し、その後、乾燥機にて80℃で1分間乾燥させた。これにより、剥離フィルム上に厚さ3μmのセラミックグリーンシートが得られた。このようにして、セラミックグリーンシート付剥離フィルムを製造した。
このセラミックグリーンシート付剥離フィルムを、室温23度、相対湿度50%の雰囲気下に24時間静置した。次に、セラミックグリーンシートにおける剥離フィルムとは反対側の面に対し、アクリル粘着テープ(日東電工社製,商品名:31Bテープ)を貼付し、その状態で20mm幅に裁断した。これを測定サンプルとした。
当該測定サンプルの粘着テープ側を平板に固定し、引張試験機(島津製作所社製,製品名:AG−IS500N)を用いて180°の剥離角度、100mm/分の剥離速度でセラミックグリーンシートから剥離フィルムを剥離し、剥離するのに必要な力(剥離力;mN/20mm)を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例5〕(表面粗さの測定)
ガラス板に両面テープを貼付し、実施例および比較例で得られた剥離フィルムを、剥離剤層とは反対側の面がガラス板側となるように上記両面テープを介してガラス板に固定した。その剥離フィルムの剥離面について、最大突起高さ(Rp;nm)を、光干渉式表面形状観察装置(ブルカー・エイエックスエス社製,製品名:WYKO−1100)を使用し、PSIモードにて50倍率で観察し、得られた表面形状画像における91.2×119.8μmの範囲に基づいて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2017105092
表1から明らかなように、実施例で得られた剥離フィルムでは、セラミックグリーンシートから剥離する際に適度な剥離力で剥離することが可能であった。さらに、実施例で得られた剥離フィルムに接触していたアクリル粘着テープの接触面では、ケイ素原子比率が比較的小さいことがわかった。すなわち、実施例の剥離フィルムを用いて形成されたセラミックグリーンシートに対する、剥離剤層からのポリオルガノシロキサンの移行が効果的に抑制されていることがわかった。これにより、積層セラミック製品の製造時、ポリオルガノシロキサンの移行を要因とする、セラミックグリーンシートの積層物の層間における面方向のズレが抑制されることが予想される。また、実施例で得られた剥離フィルムでは、各層の密着性が十分に高く、樹脂層からの剥離剤層の剥がれが発生しにくいことがわかった。さらに、樹脂層を設けた実施例で得られた剥離フィルムでは、樹脂層を設けていない比較例1の剥離フィルムと比較して、剥離面の最大突起高さRpが比較的低く、平滑性にも優れていることが確認された。
一方、比較例で得られた剥離フィルムに接触していたアクリル粘着テープの接触面では、ケイ素原子比率が比較的大きく、当該剥離フィルムを使用して形成されたセラミックグリーンシートへのポリオルガノシロキサンの移行が十分抑制されないことがわかった。また、比較例2の剥離フィルムについては、各層の密着性が低く、剥がれが生じ易いことがわかった。さらに、樹脂層を有しない比較例1の剥離フィルムについては、実施例の剥離フィルムと比較して、剥離面の最大突起高さRpが高く、平滑性が低いことが確認された。
本発明のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムは、ポリオルガノシロキサンの移行が少ないセラミックグリーンシートを成形するのに好適である。
1A,1B,1C…セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム
11…基材
12…剥離剤層
13…樹脂層
14…第2の樹脂層

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材の片側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムであって、
    前記剥離剤層が、メラミン樹脂とポリオルガノシロキサンとを含有する剥離剤組成物を硬化して成るものであり、
    ナノインデンテーション試験により、前記剥離剤層における前記基材とは反対側の面から測定される被膜弾性率が、3.5〜7.0GPaである
    ことを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  2. 前記熱硬化性成分は、メラミン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  3. 前記ポリオルガノシロキサンの質量平均分子量は、500〜20000であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  4. 前記ポリオルガノシロキサンの前記剥離剤組成物中の含有量は、メラミン樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  5. 前記剥離剤組成物に含有される前記メラミン樹脂は、メチル化メラミンおよび/またはイミノメチロールメラミンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  6. 前記基材と前記剥離剤層との間に樹脂層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  7. 前記樹脂層は、活性エネルギー線硬化性成分または熱硬化性成分を含有する樹脂組成物を硬化して成るものであることを特徴とする請求項6に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  8. 前記活性エネルギー線硬化性成分は、多官能アクリレートであることを特徴とする請求項7に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  9. 前記基材における前記剥離剤層とは反対側に設けられた第2の樹脂層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
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