JP2024044907A - セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】剥離剤層の硬化性を維持しつつ、優れた帯電防止性を発揮できるセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを提供する。【解決手段】基材と、前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムであって、前記剥離剤層が、硬化性化合物(A)と、ポリオルガノシロキサン(B)と、4級アンモニウム塩基、および、前記硬化性化合物(A)との反応性基を有する化合物(C)とを含有する剥離剤組成物から形成されているセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックグリーンシートを製造する工程で使用する剥離フィルムに関するものである。
剥離フィルムは、一般に基材と剥離剤層とから構成される。セラミックグリーンシートは、このような剥離フィルム上に、セラミックス粒子とバインダー樹脂とを有機溶剤に分散させ、溶解させたセラミックスラリーを塗工して乾燥することで製造される。また、製造されたセラミックグリーンシートは、剥離フィルムから剥離して、セラミックコンデンサの製造に用いられる。
また、剥離フィルムを用いてセラミックグリーンシートを製造する場合、剥離フィルムの表面の凹凸がセラミックグリーンシートに転写されることで、セラミックグリーンシートの表面にピンホールが生じるなどの問題があった。そこで、剥離フィルムには、表面の凹凸が少ないという平滑性が求められている。一方で、近年のセラミックコンデンサの小型化、高密度化に伴って、セラミックグリーンシートの更なる薄膜化が求められている。そして、セラミックグリーンシートの更なる薄膜化により、剥離フィルムには、平滑性の更なる向上が求められている。
しかしながら、剥離フィルムの平滑性を向上させるほど、剥離フィルムに静電気が発生しやすくなるという問題があった。すなわち、剥離フィルムは、一般に、ロール状に巻かれた状態で保管・輸送され、セラミックグリーンシートを形成する際には、ロール状の状態から繰り出して使用される。そのため、この巻き取った剥離フィルムを繰り出す際には、剥離フィルムの表面に静電気が発生し、発生した静電気によって埃などの異物が付着してしまうという問題があった。また、形成されたセラミックグリーンシートから剥離フィルムを剥離する際に静電気が発生すると、セラミックグリーンシートの扱いが困難になり次の工程にうまく搬送することができなくなったり、静電気によりコンデンサとしての製品特性を劣化させる可能性があった。このように、平滑性が優れた剥離フィルムにおいては、帯電防止性が求められている。
剥離フィルムの帯電防止性を向上させる技術として、例えば、特許文献1には、基材フィルムと重合体層とを備える剥離フィルムであって、当該重合体層が、(メタ)アクリレート重合体成分およびシリコーン重合体成分を含む重合体と、リチウム塩とを含む剥離フィルムが記載されている。
特開2011-206996号公報
特許文献1に記載の剥離フィルムは、リチウム塩を使用していることで、所定の帯電防止性を達成することができる一方で、重合体層の硬化性が低下するという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、剥離剤層の硬化性を維持しつつ、優れた帯電防止性を発揮できるセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムであって、前記剥離剤層が、硬化性化合物(A)と、ポリオルガノシロキサン(B)と、4級アンモニウム塩基、および、前記硬化性化合物(A)との反応性基を有する化合物(C)とを含有する剥離剤組成物から形成されていることを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムでは、剥離剤組成物に含有される化合物(C)が硬化性化合物(A)との反応性基を有することにより、硬化性化合物(A)と化合物(C)とが結合することができ、これにより、形成される剥離剤層は十分な硬化性を有するものとなる。さらに、化合物(C)が4級アンモニウム塩基を有することにより、剥離剤層が優れた帯電防止性を発揮することができる。
上記発明(発明1)において、前記化合物(C)における前記反応性基は、活性エネルギー線硬化性の炭素-炭素二重結合を含む基であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1)において、前記硬化性化合物(A)は、活性エネルギー線硬化性化合物であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1)において、前記ポリオルガノシロキサン(B)は、活性エネルギー線硬化性の炭素-炭素二重結合を含む基を有することが好ましい(発明4)。
本発明に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムは、剥離剤層の硬化性を維持しつつ、優れた帯電防止性を発揮できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム(以下単に「剥離フィルム」という場合がある。)は、基材と、当該基材の少なくとも一方の面側に設けられた剥離剤層とを備える。なお、本明細書において、剥離剤層における基材とは反対側の表面を、「剥離面」と記載する場合がある。
本実施形態に係る剥離フィルムでは、剥離剤層が、硬化性化合物(A)と、ポリオルガノシロキサン(B)と、化合物(C)とを含有する剥離剤組成物から形成されている。そして、上記化合物(C)は、4級アンモニウム塩基、および、硬化性化合物(A)との反応性基を有する。
本実施形態に係る剥離フィルムは、ポリオルガノシロキサン(B)の作用により、剥離剤層が良好な剥離性を発揮するものとなる。また、本実施形態における剥離剤層では、硬化性化合物(A)同士が反応して硬化するとともに、化合物(C)が上記反応性基を介して硬化性化合物(A)と反応することもできるため、剥離剤層が十分に硬化したものとなり、耐溶剤性に優れ、また、基材と剥離剤層との密着性に優れたものとなる。さらに、本実施形態に係る剥離フィルムは、化合物(C)の4級アンモニウム塩基の作用により、剥離剤層の使用時における帯電量が良好に低下し、優れた帯電防止性を有するものとなる。
また、基材における剥離剤層が積層される側の面(以下「第1の面」という場合がある。)に、所定の凹凸が存在する場合であっても、剥離剤組成物(特に硬化性化合物(A))が当該凹凸を良好に埋め込むことができる。それによって、形成される剥離剤層の表面(剥離面)に、基材表面の凹凸が反映されにくくなり、剥離面の高い平滑性を達成することが可能となる。また、剥離フィルムが上述の通り帯電し難くなることで、剥離フィルムを積層した際におけるブロッキングの発生が抑制される。これにより、基材の裏面(剥離剤層とは反対側の面;以下「第2の面」という場合がある。)の凹凸が、当該裏面に接触して積層される剥離面に転写されることが抑制され、このことによっても高い平滑性が達成される。
以上の通り、本実施形態に係る剥離フィルムは、剥離性、剥離剤層の硬化性、帯電防止性および剥離面の平滑性に優れることにより、優れた性能を示すセラミックグリーンシートを効率的に生産することが可能となる。
1.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの構成
(1)基材
本実施形態における基材を構成する材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリエチレンナフタレート樹脂など)、ポリオレフィン樹脂(ポリプロピレン樹脂およびポリメチルペンテン樹脂など)、およびポリカーボネートなどのプラスチックからなるフィルムなどが挙げられる。基材は、単層フィルムであってもよく、同種または異種の2層以上の多層フィルムであってもよい。これらの中でも、加工時または使用時などにおいて、埃などが発生しにくいという観点から、ポリエステルフィルムが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。ポリエステルフィルムを用いて製造した剥離フィルムを使用して、セラミックグリーンシートを製造する場合には、埃などによるセラミックスラリーの塗工不良などを効果的に防止できる。
基材には、上記のような材料に加え、フィラーなどを含有させてもよい。フィラーとしては、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、および酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。このようなフィラーを含むことにより、基材の機械的強度を付与すると共に、表裏面の滑り性が向上し、ブロッキングを抑制し易くなる。
また、基材においては、その表面に設けられる剥離剤層との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、酸化法や凹凸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にコロナ放電処理法が効果および操作性の面から好ましく用いられる。
基材の厚さは、特に限定されず、例えば、10μm以上であることが好ましく、特に15μm以上であることが好ましい。また、基材の厚さは、300μm以下であることが好ましく、特に200μm以下であることが好ましい。
(2)剥離剤層
本実施形態における剥離剤層は、前述の通り、硬化性化合物(A)と、ポリオルガノシロキサン(B)と、化合物(C)とを含有する剥離剤組成物から形成されている。上記化合物(C)は、4級アンモニウム塩基、および、硬化性化合物(A)との反応性基を有する。
(2-1)硬化性化合物(A)
硬化性化合物(A)は、硬化することにより剥離剤層の形成に寄与する成分であり、剥離剤層の機械的強度をより適度なものとすることができる。硬化性化合物(A)としては、熱硬化性化合物であってもよいものの、活性エネルギー線硬化性化合物であることが好ましい。
上記活性エネルギー線硬化性化合物の例としては特に制限はなく、従来公知のものの中から選択できる。特に、活性エネルギー線硬化性化合物としては、活性エネルギー線硬化性のモノマー、オリゴマーおよび樹脂、並びにこれらを含む組成物等を使用することが好ましい。
活性エネルギー線硬化性化合物の具体例としては、多官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、並びに、トリアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、剥離剤層に適度な堅硬性を付与できることから、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを用いることがより好ましい。
また、多官能(メタ)アクリレートとしては、官能基を含有する多官能(メタ)アクリレートであってもよい。使用される官能基としてはヒドロキシ基が好ましい。ヒドロキシ基含有アクリル系化合物の具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、剥離剤層に適度な堅硬性を付与できることから、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートを用いることがより好ましい。また、多官能(メタ)アクリレートが官能基を有していれば架橋剤による架橋によって、剥離剤層をエネルギー線と加熱の2系統の手段で硬化することができ、硬化の程度を所望のレベルとすることができる。
剥離剤組成物中における硬化性化合物(A)の含有量は、65質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、70質量%以上、90質量%以下であることがより好ましい。これらの範囲であることで、形成される剥離剤層が良好に硬化し易いものとなる。
(2-2)ポリオルガノシロキサン(B)
本実施形態に係るポリオルガノシロキサン(B)としては、特に限定されず、従来公知のものを選択して使用することができる。ポリオルガノシロキサン(B)が有する有機基は、任意の炭化水素基の他、種々の官能基であってもよい。特に、ポリオルガノシロキサン(B)は、上記有機基として、活性エネルギー線硬化性の炭素-炭素二重結合を含む基を有することが好ましく、その例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられ、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
また、本実施形態に係るポリオルガノシロキサン(B)としては、市販品が用いられてもよい。例えば、ビックケミージャパン株式会社製の製品名「BYK-UV3510」、「BYK-UV3530」および「BYK-UV3575」、信越化学工業株式会社製の製品名「X-22-2445」、アヅマックス株式会社製の製品名「DMS-R05」、「DMS-R11」、「DMS-R18」、「DMS-R22」および「DMS-R31」などが挙げられる。
剥離剤組成物中におけるポリオルガノシロキサン(B)の含有量は、硬化性化合物(A)100質量部に対し、0.1質量部~10質量部であることが好ましく、0.5質量部~5質量部以下であることがより好ましい。これらの範囲であることで、剥離剤層が良好な剥離性を発揮し易いものとなる。
(2-3)化合物(C)
本実施形態に係る化合物(C)は、4級アンモニウム塩基、および、硬化性化合物(A)との反応性基を有するものである限り、特に限定されない。当該化合物(C)は、低分子化合物であってもよいものの、ポリマーであることが好ましい。ポリマーであることで、化合物(C)とその他の成分との相溶性が向上し、より優れた耐溶剤性を発揮し易いものとなる。
特に、上記ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル重合体であることが好ましく、特に4級アンモニウム塩基および上記反応性基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル重合体であることが好ましい。
上記4級アンモニウム塩基の例としては、トリアルキルアンモニウム基が挙げられ、より具体的には、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基等が挙げられる。また、上記4級アンモニウム塩基を構成するアニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、水酸化物イオン等が挙げられる。
また、上記反応性基としては、活性エネルギー線硬化性の炭素-炭素二重結合を含む基を有することが好ましく、その例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられ、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
4級アンモニウム塩基および上記反応性基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル重合体としては、市販されるものを使用してもよく、例えば大成ファインケミカル社製の製品名「アクリット 8WX-030」、「アクリット 8WX-018」、三井化学社製の製品名「ノストラ H2」、「ノストラ SA」、「ノストラ SA3」等が挙げられる。
剥離剤組成物中における化合物(C)の含有量は、硬化性化合物(A)100質量部に対し、0.5質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~25質量部以下であることがより好ましい。これらの範囲であることで、剥離剤層が良好な剥離性を発揮し易いものとなる。
(2-4)光重合開始剤(D)
硬化性化合物(A)が活性エネルギー線硬化性化合物である場合、剥離剤組成物の硬化性を高める観点から、当該剥離剤組成物は光重合開始剤(D)を含有することも好ましい。
光重合開始剤(D)の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ターシャリーブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p-ジメチルアミン安息香酸エステル、およびオリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン]などが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
剥離剤組成物中における光重合開始剤(D)の含有量は、硬化性化合物(A)100質量部に対し、1質量部~20質量部であることが好ましく、3質量部~15質量部以下であることがより好ましい。これらの範囲であることで、剥離剤層が良好に硬化し易いものとなる。
(2-5)その他
本実施形態に係る剥離剤組成物は、上述した成分以外の成分を含有してもよい。その例としては、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤(上記化合物(C)を除く)、重合促進剤、重合禁止剤、赤外線吸収剤、可塑剤等が挙げられる。
また、剥離剤組成物は、上述した成分を混合することで得ることができるものの、必要に応じて、溶媒中にこれらの成分を溶解・分散させることで塗布液としてもよい。当該溶媒の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、エチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、および水等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(2-6)厚さ
剥離剤層の厚さは、0.2~2μmであることが好ましく、0.3~1.5μm以下であることがより好ましい。剥離剤層の厚さが上記範囲であることで、より優れた剥離性を発揮し易くなり、また、カールの発生を良好に抑制し易いものとなる。
2.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの物性
本実施形態に係る剥離フィルムでは、剥離面上に成形されたセラミックグリーンシートを当該剥離フィルムから剥離する際に要する剥離力(セラミックグリーンシートに対する剥離力)は、5~80mN/40mmであることが好ましく、特に10~70mN/40mmであることが好ましく、さらには20~60mN/40mmであることが好ましい。これにより、薄膜のセラミックグリーンシートを破損等することなく良好に形成し易いものとなる。なお、上記剥離力の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載のとおりである。
3.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの製造方法
本実施形態における剥離フィルムの製造方法は、前述した剥離剤組成物から剥離剤層を形成することを含む限り、特に制限されない。例えば、基材の一方の面に、前述した剥離剤組成物および所望により有機溶剤を含有する塗布液を塗工した後、得られた塗膜を乾燥および硬化させることで剥離剤層を形成し、これにより剥離フィルムを得ることが好ましい。
上述した塗工の具体的な方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ゲートロールコート法、ダイコート法などが挙げられる。
上記乾燥の方法としては、特に限定されないが、例えば、熱風乾燥炉などで乾燥する方法などが挙げられる。乾燥条件としては、特に限定されないが、乾燥温度は、50℃以上100℃以下であることが好ましく、乾燥時間は5秒間以上1分間以下であることが好ましい。
上記硬化の方法としては、硬化性化合物(A)が熱硬化性化合物である場合には加熱による硬化を行い、活性エネルギー線硬化性化合物である場合には活性エネルギー線照射による硬化を行うことが好ましい。
上記活性エネルギー線としては、例えば、電磁波(赤外線、可視光線、紫外線およびX線など)および粒子線(電子線、イオンビーム、中性子線およびα線など)などが挙げられる。これらの中でも、紫外線または可視光線を用いることが好ましく、紫外線を用いることがより好ましい。紫外線光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、およびエキシマランプなどの光源ランプを用いることができる。また、紫外線の照射量としては、積算光量が30~400mJ/cmであることが好ましく、50~300mmJ/cmであることがより好ましい。また、照度が0.1~4.0W/cmであることが好ましい。
4.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの使用方法
本実施形態に係る剥離フィルムは、セラミックグリーンシートを製造するために使用することが好ましい。この場合、最初に、剥離剤層の剥離面に対し、チタン酸バリウムや酸化チタンなどのセラミック材料を含有するセラミックスラリーを塗工する。
上記塗工は、例えば、スロットダイ塗工方式やドクターブレード方式等を用いて行うことができる。また、セラミックスラリーに含まれるバインダー成分の例としては、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。セラミックスラリーに含まれる溶媒の例としては、有機溶媒、水系溶媒等が挙げられる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、基材と剥離剤層との間、または基材における剥離剤層とは反対側の面には、その他の層が設けられてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
基材として、のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製,製品名「ルミラーU48」,厚さ:50μm)を用意した。当該基材では、第1の面の算術平均粗さRa(Ra1)が2nmであり、第1の面の最大突起高さRp(Rp1)が15nmであり、第2の面の算術平均粗さRa(Ra2)が2nmであり、第2の面の最大突起高さRp(Rp2)が15nmであった。
続いて、硬化性化合物(A)としての、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業社製,製品名「NKエステル A-TMM-3L」,活性エネルギー線硬化性を有する)100質量部(固形分換算値,以下同じ)と、ポリオルガノシロキサン(B)としての、アクリロイル基含有ポリオルガノシロキサン(ビックケミージャパン製,製品名「BYK-UV3505」)1質量部と、化合物(C)としての、4級アンモニウム塩基およびビニル基を側鎖として有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(大成ファインケミカル社製,製品名「8WX-022A」)5質量部と、光重合開始剤(D)としての、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(IGM Resin社製,製品名「Omnirad907」)10質量部とを、溶媒としてのイソプロピルアルコール中で十分に混合し、固形分15質量%の剥離剤組成物の塗布液を得た。
得られた剥離剤組成物の塗布液を、マイヤーバーを用いて、上述した基材における第1の面上に塗布して塗膜を形成した。当該塗膜を70℃で1分間乾燥させた後、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射(積算光量:300mJ/cm)することで硬化させ、剥離剤層(厚さ:1μm)とした。これにより、基材と剥離剤層とが積層されてなるセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを得た。
〔実施例2~3および比較例1~3〕
剥離剤組成物の組成を表1に記載の通り変更したこと以外、実施例1と同時にしてセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを得た。なお、表1中の「4級アンモニウム塩」としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム(東邦化学工業社製,製品名「カチナールCTC-70ET」)を使用した。
〔試験例1〕(耐溶剤性の評価)
実施例および比較例で得られた剥離フィルムの剥離面を、メチルエチルケトンを適量含ませたウエスにて、2kg/cm荷重で20往復擦った。擦った後の剥離面における、曇りおよび脱落を、蛍光灯下にて目視で観察した。そして、以下の基準に基づいて、剥離剤層の耐溶剤性を評価した。結果を表1に示す。
A:剥離面に変化がなかった。
B:剥離面に曇りが生じた。
C:剥離面に脱落が生じた。
〔試験例2〕(剥離面の表面粗さの測定)
実施例および比較例で得られた剥離フィルムの剥離面について、Veeco社製の光干渉式表面粗さ計「WYKO-1100」を用いて、PSIモードで、レンズ倍率50倍の条件で、算術平均粗さRa(nm)および最大突起高さRp(nm)をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(剥離剤層と基材との密着性の評価)
実施例および比較例で得られた剥離フィルムの剥離面に対し、粘着テープ(日東電工社製,製品名「NITTO31Bテープ」)の粘着面を貼付し、直後に、高速でこの粘着テープを引き剥がし、剥離剤層を蛍光灯下にて目視にて観察した。そして、以下の基準に従って、剥離剤層と基材との密着性を評価した。結果を表1に示す。
A:剥離剤層に変化がなかった。
B:剥離剤層の少なくとも一部が基材から剥がれた。
C:剥離剤層の31Bテープ接触面全てが基材から剥がれた。
〔試験例4〕(プレス後帯電量の測定)
実施例および比較例で得られた剥離フィルムをカットし、各々が10cm×20cmのサイズの剥離フィルムサンプルを10枚得た。そして、剥離剤層と基材とが交互になるように10枚のサンプルを重ね合わせ、23℃、50%RH条件下で、20kg/cmの荷重を印加して24時間プレスした。
プレス後、最も外側に位置する1枚のサンプルを、剥離角度90℃、剥離速度20cm/secでその他のサンプルから剥離し、剥離した1枚のサンプルにおける剥離直後における帯電量(kV)をデジタル静電電位測定器(春日電機株式会社製,製品名「MODEL KSD-100」)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
なお、一般的に、上記帯電量が10kV未満である場合に、帯電防止性に優れると評価され、上記帯電量が10kV以上である場合に、帯電防止性に劣ると評価される。
〔試験例5〕(剥離力の測定)
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製,製製品「エスレックBL-S」)60質量部に対し、トルエン144質量部およびエタノール96質量部を加え、十分攪拌してポリビニルブチラール溶液を調製した。
実施例および比較例で得られた剥離フィルムを常温で24時間保管した後、その剥離面に、25μmアプリケーターを用いて上記ポリビニルブチラール溶液を均一に塗工し、その後、乾燥機にて60℃で1分間乾燥させた。これにより、剥離フィルム上に厚さ3μmのポリビニルブチラールシートが形成されてなるポリビニルブチラールシート付剥離フィルムを得た。
このポリビニルブチラールシート付剥離フィルムを、室温23度、湿度50%の雰囲気下に24時間静置した後、中心部を40mm×130mmの大きさに切り出した。そして、その切り出したものについて、ポリビニルブチラールシート面側の面に対し、長さ40mmの一方の辺に沿って、アクリル粘着テープ(日東電工社製,製品名「31Bテープ」)を貼付し、これを測定サンプルとした。
この測定サンプルの粘着テープ側を平板に固定し、引張試験機を用いて180°の剥離角度、100m/分の剥離速度でポリビニルブチラールシートから剥離フィルムを剥離し、剥離するのに必要な力(剥離力;単位:mN/40mm)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2024044907000001
表1から分かるように、実施例で得られたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムは、耐溶剤性に優れるとともに、剥離剤層と基材とが十分な密着性を示すものであり、剥離剤層が良好に硬化していることがわかった。さらに、実施例に係る剥離フィルムは、プレス後帯電量が十分に低いものであり、優れた帯電防止性を示すことがわかった。また、実施例に係る剥離フィルムは、剥離力も十分に低いものであり、良好な剥離性を示すこともわかった。また、実施例に係る剥離フィルムは、剥離面の表面粗さが十分に小さく、良好な平滑性を有するものであった。
本発明のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムは、セラミックグリーンシートを成形することに好適である。

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムであって、
    前記剥離剤層が、
    硬化性化合物(A)と、
    ポリオルガノシロキサン(B)と、
    4級アンモニウム塩基、および、前記硬化性化合物(A)との反応性基を有する化合物(C)と
    を含有する剥離剤組成物から形成されていることを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  2. 前記化合物(C)における前記反応性基は、活性エネルギー線硬化性の炭素-炭素二重結合を含む基であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  3. 前記硬化性化合物(A)は、活性エネルギー線硬化性化合物であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  4. 前記ポリオルガノシロキサン(B)は、活性エネルギー線硬化性の炭素-炭素二重結合を含む基を有することを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
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