JP6967432B2 - セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、セラミックグリーンシートを製造する工程で使用する剥離フィルムおよびその製造方法に関するものである。
従来より、積層セラミックコンデンサや多層セラミック基板といった積層セラミック製品を製造するには、セラミックグリーンシートを成形し、得られたセラミックグリーンシートを複数枚積層して焼成することが行われている。
セラミックグリーンシートは、チタン酸バリウムや酸化チタンなどのセラミック材料を含有するセラミックスラリーを剥離フィルム上に塗工することにより成形される。剥離フィルムには、当該剥離フィルム上に成形した薄いセラミックグリーンシートから当該剥離フィルムを、ヒビ、破断等が生じることなく、適度な剥離力により剥離できる剥離性が要求される。
上記剥離フィルムとしては、通常、フィルム状の基材にポリシロキサン等のシリコーン系化合物で剥離処理し、剥離剤層を形成したものが使用されている(特許文献1〜6)。
特許第5157350号 特許第5381860号 特許第5423975号 特許第5423976号 特許第5482368号 特許第5531712号
ところで、セラミックグリーシートは、剥離フィルムごと所定のサイズに打ち抜かれ、剥離フィルムから剥離されて積層される。当該剥離フィルムとして、上記のようなシリコーン系化合物で剥離処理された剥離フィルムを使用すると、当該積層の際に、セラミックグリーンシートの剥離剤層と接していた面に、剥離剤層からシリコーンが移行することがある。このような移行が生じると、セラミックグリーンシート同士の接着力が低下し、その結果、歩留まりが低下するという問題がある。
さらに、上述のようにシリコーンが移行したセラミックグリーンシートを用いて、コンデンサ等の電子部品を製造した場合、当該電子部品もシリコーンを含有するものとなる。この場合、当該電子部品が組み込まれた装置において、当該シリコーンに起因したトラブルが生じる可能性もある。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、シリコーン系化合物を使用しなくても剥離性に優れるセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材の片側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムであって、前記剥離剤層が、アミノ樹脂と、活性エネルギー線硬化性成分と、前記アミノ樹脂および前記活性エネルギー線硬化性成分の少なくとも一方が有する少なくとも一種の官能基と反応し得る反応性官能基を有する長鎖アルキル基含有化合物と、酸触媒と、光重合開始剤とを含有する剥離剤組成物から形成されたことを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)では、剥離剤層が上述した剥離剤組成物から形成されることにより、長鎖アルキル基含有化合物が、剥離剤層における基材とは反対側の面(以下、「剥離面」という場合がある。)側に偏在するものとなり、その結果、シリコーン系化合物を使用しなくても、剥離性が優れたものとなる。
上記発明(発明1)において、前記長鎖アルキル基含有化合物は、炭素数12以上、40以下の長鎖アルキル基を含有することが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記反応性官能基は、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、カルボキシ基およびチオール基から選択される少なくとも一種であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記アミノ樹脂は、メラミン樹脂であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記剥離剤組成物中における前記活性エネルギー線硬化性成分の配合量は、前記アミノ樹脂100質量部に対して、10質量部以上、1000質量部以下であることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)において、前記剥離剤組成物中における前記長鎖アルキル基含有化合物の配合量は、前記アミノ樹脂100質量部に対して、0.01量部以上、50量部以下であること
が好ましい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)において、前記剥離剤組成物中における前記酸触媒の配合量は、前記アミノ樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上、20質量部以下であることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明1〜7)において、前記剥離剤組成物中における前記光重合開始剤の配合量は、前記活性エネルギー線硬化性成分100質量部に対して、0.5質量部以上、25質量部以下であることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明1〜8)において、前記活性エネルギー線硬化性成分は、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシ基を有することが好ましい(発明9)。
第2に本発明は、基材と、前記基材の片側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの製造方法であって、アミノ樹脂と、活性エネルギー線硬化性成分と、前記アミノ樹脂および前記活性エネルギー線硬化性成分の少なくとも一方が有する少なくとも一種の官能基と反応し得る反応性官能基を有する長鎖アルキル基含有化合物と、酸触媒と、光重合開始剤とを含有する剥離剤組成物を前記基材の片面側に塗布して、塗布層を形成する工程、および前記塗布層を加熱し、さらに、前記塗布層に対して活性エネルギー線を照射して、前記剥離剤層を形成する工程を含むことを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの製造方法を提供する(発明10)。
本発明に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムは、シリコーン系化合物を使用しなくても剥離性に優れる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム〕
本実施形態に係るセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム(以下、単に「剥離フィルム」という場合がある。)は、基材と、基材の一方の面に積層された剥離剤層とを備えて構成される。
1.剥離剤層
本実施形態における剥離剤層は、アミノ樹脂と、活性エネルギー線硬化性成分と、当該アミノ樹脂および当該活性エネルギー線硬化性成分の少なくとも一方が有する少なくとも一種の官能基と反応し得る反応性官能基を有する長鎖アルキル基含有化合物と、酸触媒と、光重合開始剤とを含有する剥離剤組成物から形成されたものである。
本実施形態における剥離剤層は、上記剥離剤組成物を含む塗布液を基材の片側に塗布することで塗布層を形成した後、当該塗布層に対して加熱および活性エネルギー線の照射を行うことで形成することができる。このとき、加熱によって、アミノ樹脂間において縮合反応が生じ、活性エネルギー線の照射によって、活性エネルギー線硬化性成分間で重合反応が生じる。その結果、アミノ樹脂によって形成された三次元構造が、活性エネルギー線硬化性成分によって補強された構造が形成される。また、上記長鎖アルキル基含有化合物は、それが有する反応性官能基を介して、アミノ樹脂または活性エネルギー線硬化性成分に結合する。これにより、長鎖アルキル基含有化合物は、上述の通り形成される構造中に繋ぎとめられることとなる。なお、酸触媒は、アミノ樹脂における上記縮合反応を促進し、光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化性成分の上記重合反応を促進する。
そして、上述の通り形成された塗布層では、上記長鎖アルキル基含有化合物が、基材に対して近位な側に比べて、遠位な側の方により多く存在するものとなる。そのように長鎖アルキル基含有化合物が偏在した状態で、活性エネルギー線の照射により上述した構造が形成されることで、得られた剥離剤層においても、長鎖アルキル基含有化合物が剥離面側に偏在するものとなる。これにより、本実施形態に係る剥離フィルムでは、剥離面側に偏在する長鎖アルキル基含有化合物によって、優れた剥離性が発揮されるものとなる。
さらに、上述の通り、長鎖アルキル基含有化合物が上述した構造中に繋ぎとめられることにより、形成されるセラミックグリーンシートへの剥離剤層からの長鎖アルキル基含有化合物の移行も抑制されるものとなる。そのため、長鎖アルキル基含有化合物が、積層されるセラミックグリーンシート同士の接着に悪影響を与えることが抑制されるともに、当該セラミックグリーンシートから製造される電子部品や当該電子部品が組み込まれる装置において、長鎖アルキル基含有化合物に起因したトラブルの発生が抑制される。
また、一般的に、剥離剤組成物の塗布液を調製するために、剥離剤組成物の各成分を溶媒中にて混合する際、溶媒に溶解しない成分が発生する場合がある。しかしながら、本実施形態における剥離剤組成物の塗布液では、そのような溶媒に溶解しない成分が生じ難い。そのため、当該塗布液を基材の片側の面に塗布した場合には、塗布層の表面の平滑性が優れたものとなり、当該塗布層を硬化して得られる剥離剤層においても、その剥離面の平滑性が優れたものとなる。その結果、本実施形態に係る剥離フィルムによれば、表面の平滑性に優れたセラミックグリーンシートを成形することが可能となる。
なお、本実施形態に係る剥離フィルムによる剥離性は、一般的な剥離フィルムの剥離剤層に含有されるシリコーン系化合物に依らずとも良好に実現することができる。そのため、本実施形態に係る剥離フィルムでは、剥離剤層中にシリコーン系化合物を含有させる必要がない。これにより、本実施形態に係る剥離フィルムから、成形されるセラミックグリーシートへのシリコーン系化合物の移行を防止することができ、セラミックグリーンシートを積層して電子部品を製造する際の歩留まりの低下を抑制することができるとともに、当該電子部品が組み込まれた装置におけるシリコーン系化合物によるトラブルを抑制することができる。なお、本実施形態における剥離剤層はシリコーン系化合物を含有してもよいものの、セラミックグリーシートへのシリコーン系化合物の移行を防止する観点からは、剥離剤層がシリコーン系化合物を実質的に含有しないことが好ましく、特に、剥離剤層がシリコーン系化合物を全く含有しないことが好ましい。ここで、剥離剤層がシリコーン系化合物を実質的に含有しないとは、例えば、剥離剤層中のシリコーン系化合物の含有量が1質量%未満であることをいい、特に0.5質量%未満であることをいい、さらには0.1質量%未満であることをいう。
(1)アミノ樹脂
本実施形態に係る剥離フィルムおいて、剥離剤組成物はアミノ樹脂を含有する。剥離剤組成物から剥離剤層を形成する際、アミノ樹脂は酸触媒の存在下で縮合反応を行うため、得られる剥離剤層中には、アミノ樹脂による三次元構造が形成される。アミノ樹脂の縮合反応は、例えば加熱することにより生じさせることができる。剥離剤層は、上述した三次元構造を含むため、十分な弾性を示すものとなり、これにより、本実施形態に係る剥離フィルムは優れた剥離性を発揮することができる。なお、本明細書においては、「アミノ樹脂」という語句は、縮合反応を生じ得る成分を指し、必ずしも高分子化合物でなくてもよい。ここにおいて、当該成分は、全く縮合反応を生じていないものであってもよく、または部分的に縮合反応が生じたものであってもよい。
上記アミノ樹脂としては、既知のものを使用することができ、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂またはアニリン樹脂を使用することができる。これらの中でも、縮合反応の速度が非常に速いメラミン樹脂を使用することが好ましい。なお、本明細書においては、「メラミン樹脂」という語句は、1種のメラミン化合物の集合物、あるいは、複数種のメラミン化合物および/または当該メラミン化合物が縮合してできる多核体を含む混合物を意味する。
上記メラミン樹脂は、具体的には、下記一般式(a)で示されるメラミン化合物、または2個以上の当該メラミン化合物が縮合してなる多核体を含有することが好ましい。
Figure 0006967432
式(a)中、Xは、−H、−CH−OH、または−CH−O−Rを示すことが好ましい。これらの基は、上記メラミン化合物同士の縮合反応における反応基を構成する。具体的には、XがHとなることで形成される−NH基は、−N−CH−OH基および−N−CH−R基との間で縮合反応を行うことができる。また、Xが−CH−OHとなることで形成される−N−CH−OH基およびXが−CH−Rとなることで形成される−N−CH−R基は、ともに、−NH基、−N−CH−OH基および−N−CH−R基との間で縮合反応を行うことができる。
上記−CH−O−R基において、Rは、炭素数1〜8個のアルキル基を示すことが好ましい。当該炭素数は、1〜6個であることが好ましく、特に1〜3個であることが好ましい。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
上記Xは、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、上記Rは、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
メラミン化合物には、一般に、全てのXが−CH−O−Rであるフルエーテル型、少なくとも1個のXが−CH−OHであり且つ少なくとも1個のXがHであるイミノ・メチロール型、少なくとも1個のXが−CH−OHであり且つHであるXが存在しないメチロール型、および、少なくとも1個のXがHであり且つ−CH−OHであるXが存在しないイミノ型といった種類が存在する。本実施形態に係る剥離フィルムでは、これらのいずれの型のメラミン化合物を使用してもよい。
剥離剤層を形成するための剥離剤組成物において、メラミン樹脂の重量平均分子量は、350以上であることが好ましく、特に500以上であることが好ましく、さらには700以上であることが好ましい。また、上記重量平均分子量は、10000以下であることが好ましく、特に5000以下であることが好ましく、さらには4000以下であることが好ましい。上記重量平均分子量が350以上であることで、架橋速度が安定し、より平滑な剥離面を形成することができる。一方、重量平均分子量が10000以下であることで、剥離剤組成物の粘度が適度に低いものとなり、基材上に剥離剤組成物の塗布液を塗布し易くなる。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
(2)活性エネルギー線硬化性成分
本実施形態に係る剥離フィルムにおいて、剥離剤組成物は活性エネルギー線硬化性成分を含有する。本実施形態に係る剥離フィルムでは、剥離剤層を形成する際、上述したアミノ樹脂による三次元構造の形成に続いて、剥離剤組成物の塗布層に活性エネルギー線を照射することで、活性エネルギー線硬化性成分の重合反応が進行し、当該成分が上記三次元構造を補強する構造が形成される。上述した三次元構造がさらに補強されることで、剥離剤層の弾性がより向上し、これにより、本実施形態に係る剥離フィルムは優れた剥離性を発揮することができる。
活性エネルギー線硬化性成分は、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基よりなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有するものであることが好ましい。なお、上記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基など炭素数2〜10のものが例示される。特に、かかる反応性官能基を、1分子中に2つ以上有することが好ましく、1分子中に3つ以上有することがより好ましい。これにより、剥離剤層は、硬化性、耐溶剤性および剥離性がより優れたものとなる。
上記活性エネルギー線硬化性成分の具体例としては、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびペンタエリスリトールテトラアクリレートの少なくとも1種の多官能アクリレートを用いることが好ましい。
また、上記活性エネルギー線硬化性成分は、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシ基を有することが好ましい。さらに、上記活性エネルギー線硬化性成分は、1分子中に3個以下のヒドロキシ基を有することが好ましく、特に1分子中に2個以下のヒドロキシ基を有することが好ましい。活性エネルギー線硬化性成分が1分子中に少なくとも1個のヒドロキシ基を有することで、アミノ樹脂が当該ヒドロキシ基と反応可能な基を有する場合に、活性エネルギー線硬化性成分とアミノ樹脂とが、これらの基を介して結合することが可能となり、上述した三次元構造をさらに補強することが可能となる。
本実施形態に係る剥離フィルムにおいて、剥離剤組成物中における活性エネルギー線硬化性成分の配合量は、アミノ樹脂100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、特に50質量部以上であることが好ましく、さらには75質量部以上であることが好ましい。また、剥離剤組成物中における活性エネルギー線硬化性成分の配合量は、アミノ樹脂100質量部に対して、1000質量部以下であることが好ましく、特に750質量部以下であることが好ましく、さらには500質量部以下であることが好ましい。活性エネルギー線硬化性成分の配合量が上述の範囲となるように、アミノ樹脂と活性エネルギー線硬化性成分とが配合されることで、本実施形態に係る剥離フィルムは、剥離性、生産性および経時安定性により優れたものとなる。
(3)長鎖アルキル基含有化合物
本実施形態に係る剥離フィルムにおいて、剥離剤組成物は、上述のアミノ樹脂および上述の活性エネルギー線硬化性成分の少なくとも一方が有する少なくとも一種の官能基と反応し得る反応性官能基を有する長鎖アルキル基含有化合物を含有する。前述したとおり、当該長鎖アルキル基含有化合物は、剥離剤層における剥離面側に偏在するものとなるため、剥離フィルムの剥離面上に成形されたセラミックグリーンシートから剥離フィルムを剥離する際の剥離力が適度に低下し、優れた剥離性が発揮される。また、長鎖アルキル基含有化合物は、上記反応性官能基を介して、アミノ樹脂および活性エネルギー線硬化性成分によって形成される三次元構造に結合することができ、これにより、剥離剤層からセラミックグリーンシートへの長鎖アルキル基含有化合物の移行を抑制することができる。
本実施形態における長鎖アルキル基含有化合物は、長鎖アルキル基を含有するとともに、上述のアミノ樹脂および上述の活性エネルギー線硬化性成分の少なくとも一方が有する少なくとも一種の官能基と反応し得る反応性官能基を有するものである限り、特に限定されない。
本実施形態における長鎖アルキル基含有化合物は、炭素数12以上の長鎖アルキル基を含有することが好ましく、特に炭素数13以上の長鎖アルキル基を含有することが好ましく、さらには炭素数14以上の長鎖アルキル基を含有することが好ましい。また、上記長鎖アルキル基含有化合物は、炭素数40以下の長鎖アルキル基を含有することが好ましく、特に炭素数30以下の長鎖アルキル基を含有することが好ましく、さらには炭素数18以下の長鎖アルキル基を含有することが好ましい。長鎖アルキル基含有化合物が上記範囲の炭素数の長鎖アルキル基を含有することで、剥離剤層の剥離面における表面自由エネルギーを適度に低下させることができ、これにより、セラミックグリーンシートから剥離フィルムを剥離する際の剥離力を効果的に低下させることができる。
本実施形態における長鎖アルキル基含有化合物において、上述の反応性官能基は、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、カルボキシ基およびチオール基から選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの反応性官能基は、アミノ樹脂または活性エネルギー線硬化性成分が有する官能基との間で良好に反応することができ、その結果、剥離剤層からセラミックグリーンシートへの長鎖アルキル基含有化合物の移行を効果的に抑制することができる。特に、アミノ樹脂が有する官能基(−NH基、−N−CH−OH基、または前述した−N−CH−R基)との反応性に優れる反応性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基およびチオール基から選択される少なくとも一種が挙げられる。また、活性エネルギー線硬化性成分が有する官能基(ビニル基またはヒドロキシ基)との反応性に優れる反応性官能基としては、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基から選択される少なくとも一種が挙げられる。
本実施形態における長鎖アルキル基含有化合物の例としては、上述した反応性官能基が付加された長鎖アルカンが挙げられる。この場合、反応性官能基は、長鎖アルカンのいずれの位置に付加されていてもよいものの、アミノ樹脂または活性エネルギー線硬化性成分が有する官能基との反応性に優れる観点から、長鎖アルカンの末端に付加されていることが好ましい。
反応性官能基として、(メタ)アクリロイル基が付加された長鎖アルカンの具体例としては、ステアリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ミリスチルアクリレート、ラウリルアクリレート等が挙げられ、これらの中でも、剥離性に優れるとともに、アミノ樹脂または活性エネルギー線硬化性成分が有する官能基との反応性に優れる観点から、ステアリルアクリレートが好ましい。
反応性官能基として、ヒドロキシ基が付加された長鎖アルカンの具体例としては、ステアリルアルコール、1−ヘキサデカノール(パルミチルアルコール)、1−テトラデカノール(ミリスチルアルコール)、1−ドデカノール(ラウリルアルコール)等が挙げられ、これらの中でも、剥離性に優れるとともに、アミノ樹脂または活性エネルギー線硬化性成分が有する官能基との反応性に優れる観点から、1−ドデカノールが好ましい。
反応性官能基として、エポキシ基が付加された長鎖アルカンの具体例としては、ステアリルアルコール、1−ヘキサデカノール(パルミチルアルコール)、1−テトラデカノール(ミリスチルアルコール)、1−ドデカノール(ラウリルアルコール)等のアルコールのグリシジルエーテルが挙げられ、これらの中でも、剥離性に優れるとともに、アミノ樹脂または活性エネルギー線硬化性成分が有する官能基との反応性に優れる観点から、ステアリルアルコールのグリシジルエーテルが好ましい。
反応性官能基として、カルボキシ基が付加された長鎖アルカンの具体例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等が挙げられ、これらの中でも、剥離性に優れるとともに、アミノ樹脂または活性エネルギー線硬化性成分が有する官能基との反応性に優れる観点から、ステアリン酸が好ましい。
反応性官能基として、チオール基が付加された長鎖アルカンの具体例としては、1−オクタデカンチオール、1−ヘキサデカンチオール、1−テトラデカンチオール、1−ドデカンチオール等が挙げられ、これらの中でも、剥離性に優れるとともに、アミノ樹脂または活性エネルギー線硬化性成分が有する官能基との反応性に優れる観点から、1−オクタデカンチオールが好ましい。
本実施形態における長鎖アルキル基含有化合物の別の例としては、長鎖アルキル基および反応性官能基を側鎖として有するポリエステル樹脂が挙げられ、その具体例としては、ヒドロキシ基含有ステアリル変性アルキド化合物等が挙げられる。
本実施形態における長鎖アルキル基含有化合物のさらに別の例としては、ポリビニルアルコール系重合体に長鎖アルキルイソシアネートを反応させて得られたポリビニルカーバメート、ポリエチレンイミンに長鎖アルキルイソシアネートを反応させるとともに、上記反応性官能基を導入して得られたアルキル尿素誘導体等が挙げられる。
上記長鎖アルキル基含有化合物の分子量または重量平均分子量は、150以上であることが好ましく、特に1000以上であることが好ましく、さらには3000以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量は100000以下であることが好ましく、特に90000以下であることが好ましく、さらには80000以下であることが好ましい。長鎖アルキル基含有化合物の重量平均分子量が150以上であることで、剥離剤層の剥離面における表面自由エネルギーが適度に低下し、セラミックグリーンシートから剥離フィルムを剥離する際の剥離力を効果的に低下させることができる長鎖アルキル基含有化合物の重量平均分子量が100000以下であることで、剥離剤組成物の粘度が過度に高くなることが抑制され、剥離剤組成物の塗布液を基材に塗布し易くなる。
剥離剤組成物中における上記長鎖アルキル基含有化合物の配合量は、アミノ樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.05質量部以上であることが好ましく、さらには0.1質量部以上であることが好ましい。また、剥離剤組成物中における上記長鎖アルキル基含有化合物の配合量は、アミノ樹脂100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、特に25質量部以下であることが好ましく、さらには15質量部以下であることが好ましい。剥離剤組成物中における上記長鎖アルキル基含有化合物の含有量が上述の範囲であることで、剥離剤層の剥離面の表面自由エネルギーが適度に低下し、優れた剥離力を達成することができる。
(4)酸触媒
本実施形態に係る剥離フィルムにおいて、剥離剤組成物は酸触媒を含有する。剥離剤組成物が酸触媒を含むことにより、アミノ樹脂の縮合反応が効率的に進行し、十分な弾性を示す剥離剤層が形成される。
上記酸触媒の例としては、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等が挙げられる。アミノ樹脂として、フルエーテル型メラミン樹脂を主に使用する場合には、縮合反応を効率よく進行できる観点から、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸を使用することが好ましい。また、アミノ樹脂として、イミノ・メチロール型メラミン樹脂を主に使用する場合には、同様の観点から、酸触媒としてリン酸を使用することが好ましい。
剥離剤組成物中における酸触媒の配合量は、アミノ樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、特に1.0質量部以上であることが好ましく、さらには2.0質量部以上であることが好ましい。また、剥離剤組成物中における酸触媒の配合量は、アミノ樹脂100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、特に15質量部以下であることが好ましく、さらには10質量部以下であることが好ましい。酸触媒の配合量が0.5質量部以上であることで、アミノ樹脂の縮合反応を効率的に進行させることができる。また、酸触媒の配合量が20質量部以下であることで、低分子量成分が三次元構造中に保持され、剥離剤層からの析出を効果的に防止できる。
(5)光重合開始剤
本実施形態に係る剥離フィルムにおいて、剥離剤組成物は光重合開始剤を含有する。これにより、活性エネルギー線硬化性成分の重合反応を効率的に進行させることができる。
光重合開始剤としては、例えば、α−アミノアルキルフェノン系化合物、α−ヒドロキシケトン系化合物、芳香族ケトン類等が挙げられる。これらの中でも、重合反応を促進し、硬化性を向上する点から、α−アミノアルキルフェノン系化合物が好ましい。上記光重合開始剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
α−アミノアルキルフェノン系化合物としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。これらの中でも、特に2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンを使用することが好ましい。これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
α−ヒドロキシケトン系化合物としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシ−2−メチルプロピオフェノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}等が挙げられる。これらの中でも、特に1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを使用することが好ましい。
芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、チオキサントン等が挙げられる。
剥離剤組成物中における光重合開始剤の配合量は、活性エネルギー線硬化性成分100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、特に1.0質量部以上であることが好ましく、さらには2.0質量部以上であることが好ましい。また、剥離剤組成物中における光重合開始剤の配合量は、活性エネルギー線硬化性成分100質量部に対して、25質量部以下であることが好ましく、特に20質量部以下であることが好ましく、さらには15質量部以下であることが好ましい。光重合開始剤の配合量が0.5質量部以上であることで、活性エネルギー線硬化性成分の重合反応を効率的に進行させることができる。また、光重合開始剤の配合量が25質量部以下であることで、その反応残渣物による悪影響を効果的に低減することができる。
(6)その他の成分
剥離剤組成物は、上記成分の他、架橋剤、反応抑制剤、増感剤、帯電防止剤、硬化剤等を含有していてもよい。なお、剥離剤組成物は、シリコーン系化合物を含有してもよい。しかしながら、前述の通り、セラミックグリーシートへのシリコーン系化合物の移行を防止する観点からは、剥離剤組成物は、シリコーン系化合物を実質的に含有しないことが好ましく、特に、剥離剤組成物は、シリコーン系化合物を全く含有しないことが好ましい。
(7)厚さ
剥離剤層の厚さは、0.1μm以上であることが好ましく、特に0.5μm以上であることが好ましく、さらには0.75μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、5μm以下であることが好ましく、特に4μm以下であることが好ましく、さらには3μm以下であることが好ましい。当該厚さが0.1μm以上であることで、剥離剤層としての機能を効果的に発揮することができる。一方、当該厚さが5μm以下であることで、剥離フィルムをロール状に巻き取った際のブロッキングの発生を効果的に抑制することができる。
2.基材
剥離フィルムの基材は、剥離剤層を積層することができれば特に限定されるものではない。かかる基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルなどのプラスチックからなるフィルムが挙げられ、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。これらの中でもポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、さらには二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、加工時、使用時等において、埃等が発生しにくいため、例えば、埃等によるセラミックスラリー塗工不良等を効果的に防止することができる。さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルムに帯電防止処理を行うことで、有機溶剤を使用するセラミックスラリーを塗工する際の静電気による発火を防止したり、塗工不良等を防止する効果を高めることができる。
また、この基材においては、その表面に設けられる剥離剤層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にコロナ放電処理法が効果及び操作性の面から好ましく用いられる。
基材の厚さは、10μm以上であることが好ましく、特に15μm以上であることが好ましく、さらには20μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、300μm以下であることが好ましく、特に200μm以下であることが好ましく、さらには125μm以下であることが好ましい。
3.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの物性等
本実施形態に係る剥離フィルムの剥離面上に成形されたセラミックグリーンシートから、当該剥離フィルムを剥離する際に要する剥離力は、適宜設定することができるが、100mN/20mm以下であることが好ましく、特に50mN/20mm以下であることが好ましい。本実施形態に係る剥離フィルムによれば、前述した剥離剤組成物を使用して剥離剤層が形成されることにより、セラミックグリーンシートに対して上述のような優れた剥離性を発揮することができる。また、上記剥離力の上限値については、成形されたセラミックグリーンシートからの意図しない剥離が生じない剥離力であることが好ましく、例えば、5mN/20mm以上であることが好ましく、特に10mN/20mm以上であることが好ましい。なお、当該剥離力の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
本実施形態に係る剥離フィルムでは、その剥離面に粘着シートの粘着面が積層されてなる積層体において、当該粘着シートと当該剥離フィルムとを剥離する際に要する剥離力は、適宜設定することができるものの、7000mN/20mm以下であることが好ましく、特に6000mN/20mm以下であることが好ましい。本実施形態に係る剥離フィルムによれば、前述した剥離剤組成物を使用して剥離剤層が形成されることにより、粘着シートに対して上述のような優れた剥離性を発揮することができる。また、上記剥離力の上限値については、上記粘着シートからの意図しない剥離が生じない剥離力であることが好ましく、例えば、10mN/20mm以上であることが好ましく、特に30mN/20mm以上であることが好ましい。なお、当該剥離力の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
本実施形態に係る剥離フィルムでは、剥離剤層の剥離面における算術平均表面粗さ(Ra)が、20nm以下であることが好ましく、特に15nm以下であることが好ましく、さらには10nm以下であることが好ましい。本実施形態に係る剥離フィルムでは、上述した剥離剤組成物を使用して剥離剤層を形成していることにより、上記の範囲の高い平滑性を達成することができる。なお、本明細書における算術平均表面粗さ(Ra)は、JIS B0601:2013に準拠して、接触型粗さ計(例えば、ミツトヨ社製のSV3000S4)を用いて測定される粗さ曲線より求められるものとする。
本実施形態に係る剥離フィルムの厚さは、10μm以上であることが好ましく、特に15μm以上であることが好ましく、さらには20μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、300μm以下であることが好ましく、特に200μm以下であることが好ましく、さらには125μm以下であることが好ましい。
4.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの製造方法
実施形態に係る剥離フィルムは通常の方法により製造することができる。例えば、上述の剥離剤組成物を有機溶剤で希釈することで塗布液を調製し、当該塗布液を基材の片面側に塗布して、塗布層を形成した後、当該塗布層を加熱する。この加熱の前に、塗布層を乾燥してもよい。この加熱により、アミノ樹脂の縮合反応が生じ、三次元構造が形成される。加熱の後に、当該塗布層に対して活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー線の照射によって、活性エネルギー線硬化性樹脂の重合反応が生じ、上記三次元構造が補強される。以上により、剥離剤層が形成される。
上記有機溶剤としては特に制限はなく、様々なものを用いることができる。例えばトルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素化合物をはじめ、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びこれらの混合物等が用いられる。特に、メチルエチルケトンとトルエンとの混合液を使用することが好ましい。
上記塗布液の塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法などが使用できる。
上記加熱の加熱温度としては、90℃以上であることが好ましく、特に110℃以上であることが好ましい。また、当該加熱温度としては、140℃以下であることが好ましく、特に130℃以下であることが好ましい。さらに、上記加熱の加熱時間としては、10秒以上であることが好ましく、特に20秒以上であることが好ましい。また、当該加熱温度としては、120秒以下であることが好ましく、特に70秒以下であることが好ましい。
活性エネルギー線としては、通常、紫外線、電子線等が用いられ、紫外線が特に好ましい。活性エネルギー線の照射量は、エネルギー線の種類によって異なるが、例えば紫外線の場合には、光量で50mJ/cm以上が好ましく、特に100mJ/cm以上が好ましい。また、紫外線の照射量は、光量で1000mJ/cm以下が好ましく、特に500mJ/cm以下が好ましい。電子線の場合には、0.1kGy以上が好ましく、また、50kGy以下が好ましい。
5.セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの使用方法
剥離フィルムは、セラミックグリーンシートを製造するために使用することができる。具体的には、剥離剤層の剥離面に対し、チタン酸バリウムや酸化チタンなどのセラミック材料を含有するセラミックスラリーを塗工した後、当該セラミックスラリーを乾燥させることでセラミックグリーンシートを得ることができる。塗工は、例えば、スロットダイ塗工方式やドクターブレード方式等を用いて行うことができる。
セラミックスラリーに含まれるバインダー成分の例としては、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。また、セラミックスラリーに含まれる溶媒の例としては、有機溶媒、水系溶媒等が挙げられる。
本実施形態に係る剥離フィルムでは、剥離剤層が前述の剥離剤組成物により形成されたものであることにより、前述の長鎖アルキル基含有化合物が、剥離剤層における剥離面側に偏在するものとなる。その結果、剥離フィルムの剥離面上に成形されたセラミックグリーンシートから剥離フィルムを剥離する際の剥離力が適度に低下し、優れた剥離性が発揮される。また、長鎖アルキル基含有化合物は、上記反応性官能基を介して、アミノ樹脂および活性エネルギー線硬化性成分によって形成される三次元構造に結合することができ、これにより、剥離剤層からセラミックグリーンシートへの長鎖アルキル基含有化合物の移行を抑制することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、基材における剥離剤層の反対側の面、または基材と剥離剤層との間には、帯電防止層等の他の層が設けられてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
アミノ樹脂としてのフルエーテル型メチル化メラミン樹脂(日本カーバイド社製,製品名「MW−30」,重量平均分子量608,分子量分布(Mw/Mn)1.005)100質量部(固形分として換算した量、以下同じ)と、活性エネルギー線硬化性成分としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製,製品名「A−TMM−3L」)175質量部と、長鎖アルキル基含有化合物としてのヒドロキシ基含有ステアリル変性アルキド化合物(日立化成ポリマー社製,製品名「テスファイン303」)3質量部と、酸触媒としてのp−トルエンスルホン酸(日立化成社製,製品名:ドライヤー900)4.5質量部と、光重合開始剤としての2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Ciba社製,製品名「Irgacure907」)8.75質量部とをメチルエチルケトンとトルエンとの混合溶剤にて混合し、固形分20質量%の剥離剤組成物の塗布液を得た。
得られた塗布液を、基材としての二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製,製品名「ルミラーS10」,厚さ:23μm,両面の最大突起高さRp:452nm)の片面にマイヤーバー♯5により均一に塗布し、塗布層を得た。次いで、塗布層を120℃で15秒間加熱した後、窒素雰囲気下にて高圧水銀ランプで塗布層側から50mJ/cmの紫外線を照射することで、剥離剤組成物を硬化させ、基材上に厚さ1.2μmの剥離剤層が積層された剥離フィルムを得た。
〔実施例2〜8〕
長鎖アルキル基含有化合物の配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
〔比較例1〕
長鎖アルキル基含有化合物を配合することなく調製した剥離剤組成物の塗布液を使用した以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
〔比較例2〕
光重合開始剤を配合することなく調製した剥離剤組成物の塗布液を使用した以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
〔試験例1〕(剥離剤層の硬化性の評価)
実施例および比較例で得られた剥離フィルムの剥離面を、指で10回擦り、曇り(スミア)および剥離剤層の脱落(ラブオフ)の有無を目視にて確認した。そして、以下の判断基準により、剥離剤層の硬化性を評価した。結果を表1に示す。
○…スミアおよびラブオフの両方とも確認されなかった。
×…スミアおよびラブオフの少なくとも一方が確認された。
〔試験例2〕(平滑性の評価)
試験例1において剥離剤層の硬化性について○という評価を得た実施例1〜12および比較例1に係る剥離フィルムについて、剥離剤層の剥離面の平滑性を目視にて評価した。剥離面に凹凸が発生していない例については○と、剥離面に凹凸が発生している例については×と評価した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(粘着シートに対する剥離性の評価)
試験例1において剥離剤層の硬化性について○という評価を得た実施例1〜12および比較例1に係る剥離フィルムについて、その剥離面に、20mm幅のアクリル粘着テープ(日東電工社製,製品名「31Bテープ」)を2kgのハンドローラーによって貼付した。
23℃、50%RHの条件下で30分間保管した後、剥離フィルム側をステンレス板に固定し、引張試験機(島津製作所社製,製品名「AG−IS500N」)を用いて180°の剥離角度、300mm/分の剥離速度でアクリル粘着テープ側を剥離し、剥離するのに必要な力(剥離力;mN/20mm)を測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られた剥離力(mN/20mm)に基づいて、以下の判断基準により、粘着シートに対する剥離性を評価した。結果を表1に示す。
○…剥離力が4000mN/20mm未満である。
×…剥離力が4000mN/20mm以上である。
〔試験例4〕(セラミックグリーンシートに対する剥離力の測定)
チタン酸バリウム(BaTiO;堺化学工業社製,製品名:BT−03)100質量部、ポリビニルブチラール(積水化学工業社製,製品名:エスレックB・KBM−2)10質量部、およびフタル酸ジオクチル(関東化学社製,製品名:フタル酸ジオクチル鹿1級)5質量部に、トルエン69質量部およびエタノール46質量部を加え、ボールミルにて混合分散させて、セラミックスラリーを調製した。
試験例1において剥離剤層の硬化性について○という評価を得た実施例1〜12および比較例1に係る剥離フィルムについて、製造してから常温で24時間保管した後、剥離剤層の剥離面に、アプリケーターを用いて上記セラミックスラリーを均一に塗工し、その後、乾燥機にて80℃で1分間乾燥させた。これにより、剥離フィルム上に厚さ3μmのセラミックグリーンシートが得られた。このようにして、セラミックグリーンシート付剥離フィルムを製造した。
このセラミックグリーンシート付剥離フィルムを、室温23度、湿度50%の雰囲気下に24時間静置した。次に、セラミックグリーンシートにおける剥離フィルムとは反対側の面に対し、アクリル粘着テープ(日東電工社製,製品名:31Bテープ)を貼付し、その状態で20mm幅に裁断した。これを測定サンプルとした。
当該測定サンプルの粘着テープ側を平板に固定し、引張試験機(島津製作所社製,製品名「AG−IS500N」)を用いて180°の剥離角度、100mm/分の剥離速度でセラミックグリーンシートから剥離フィルムを剥離し、剥離するのに必要な力(剥離力;mN/20mm)を測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られた剥離力(mN/20mm)に基づいて、以下の判断基準により、セラミックグリーンシートに対する剥離性を評価した。結果を表1に示す。
○…剥離力が100mN/20mm以下である。
×…剥離力が100mN/20mm超である。
Figure 0006967432
表1から明らかなように、実施例に係る剥離フィルムは、優れた剥離性を示した。さらに、実施例で得られた剥離フィルムでは、剥離剤層の剥離面が高い平滑性を示した。
本発明のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムは、セラミックグリーンシートの成形に好適である。

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材の片側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムであって、
    前記剥離剤層が、アミノ樹脂と、活性エネルギー線硬化性成分と、前記アミノ樹脂および前記活性エネルギー線硬化性成分の少なくとも一方が有する少なくとも一種の官能基と反応し得る反応性官能基を有する長鎖アルキル基含有化合物と、酸触媒と、光重合開始剤とを含有する剥離剤組成物から形成されており、
    前記アミノ樹脂が有する前記官能基が、−NH基、−N−CH −OH基および−N−CH −R基(Rは、炭素数1〜8個のアルキル基である)から選択される少なくとも1つであり、
    前記活性エネルギー線硬化性成分が有する前記官能基が、ビニル基およびヒドロキシ基から選択される少なくとも1つであり、
    前記剥離剤組成物中における前記長鎖アルキル基含有化合物の配合量が、前記アミノ樹脂100質量部に対して、0.01量部以上、50量部以下である
    ことを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  2. 前記長鎖アルキル基含有化合物は、炭素数12以上、40以下の長鎖アルキル基を含有することを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  3. 前記反応性官能基は、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、カルボキシ基およびチオール基から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  4. 前記アミノ樹脂は、メラミン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  5. 前記剥離剤組成物中における前記活性エネルギー線硬化性成分の配合量は、前記アミノ樹脂100質量部に対して、10質量部以上、1000質量部以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  6. 前記剥離剤組成物中における前記酸触媒の配合量は、前記アミノ樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上、20質量部以下であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  7. 前記剥離剤組成物中における前記光重合開始剤の配合量は、前記活性エネルギー線硬化性成分100質量部に対して、0.5質量部以上、25質量部以下であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  8. 前記活性エネルギー線硬化性成分は、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシ基を有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム。
  9. 基材と、前記基材の片側に設けられた剥離剤層とを備えたセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの製造方法であって、
    アミノ樹脂と、活性エネルギー線硬化性成分と、前記アミノ樹脂および前記活性エネルギー線硬化性成分の少なくとも一方が有する少なくとも一種の官能基と反応し得る反応性官能基を有する長鎖アルキル基含有化合物と、酸触媒と、光重合開始剤とを含有する剥離剤組成物を前記基材の片面側に塗布して、塗布層を形成する工程、および
    前記塗布層を加熱し、さらに、前記塗布層に対して活性エネルギー線を照射して、前記剥離剤層を形成する工程
    を含み、
    前記アミノ樹脂が有する前記官能基が、−NH基、−N−CH −OH基および−N−CH −R基(Rは、炭素数1〜8個のアルキル基である)から選択される少なくとも1つであり、
    前記活性エネルギー線硬化性成分が有する前記官能基が、ビニル基およびヒドロキシ基から選択される少なくとも1つであり、
    前記剥離剤組成物中における前記長鎖アルキル基含有化合物の配合量が、前記アミノ樹脂100質量部に対して、0.01量部以上、50量部以下である
    ことを特徴とするセラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルムの製造方法。
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