JP2016058558A - 熱電変換材料、熱電変換材料の製造方法および熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換材料、熱電変換材料の製造方法および熱電変換モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】熱電変換性能に優れる熱電変換材料を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る熱電変換材料10は、複数の母相粒子22、およびナノ粒子30を備える。母相粒子22は結晶構造を有する。ナノ粒子30は酸化物を含み母相粒子22同士の界面に存在する。ナノ粒子30は、当該結晶構造を構成する少なくともの1つの元素を含む。熱電変換材料10は、走査型電子顕微鏡を用いて6μm×4μmの範囲を1枚の断面観察像として取得したとき、断面観察像に観察される母相粒子22とナノ粒子30とから成る粒子群の円面積相当径の平均である平均粒径dが100nm以上1000nm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱電変換材料、熱電変換材料の製造方法および熱電変換モジュールに関する。
熱電変換材料について、熱電変換性能の向上が求められている。たとえば、特許文献1には、酸化物ナノ粒子を熱電変換材料に含有させ、フォノン散乱を生じさせて熱電変換性能を向上させる方法が記載されている。
特開2013−254924号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、水熱処理を行う必要があった。さらに、発明者が鋭意検討したところ、特許文献1に記載の方法では、更なる熱電変換効率向上の要求に対応できないことが明らかになった。
本発明は、熱電変換性能に優れる熱電変換材料を提供するものである。
本発明によれば、
結晶構造を有する複数の母相粒子と、
酸化物を含み前記母相粒子同士の界面に存在するナノ粒子とを備え、
前記ナノ粒子は、前記結晶構造を構成する少なくともの1つの元素を含み、
走査型電子顕微鏡を用いて6μm×4μmの範囲を1枚の断面観察像として取得したとき、前記断面観察像に観察される前記母相粒子と前記ナノ粒子とから成る粒子群の円面積相当径の平均である平均粒径dが100nm以上1000nm以下である、熱電変換材料
が提供される。
本発明によれば、
上記の熱電変換材料を備える、熱電変換モジュール
が提供される。
本発明によれば、
複数の原料を準備する工程と、
前記複数の原料から合金粉末を生成する工程と、
前記合金粉末を粉砕して結晶構造を有する複数の母相粒子と酸化物を含むナノ粒子とを形成する粉砕工程と、
前記母相粒子および前記ナノ粒子を含む混合物を焼結する工程とを含み、
前記粉砕工程では、粉砕と相互凝集を繰り返しながら前記合金粉末を粉砕し、
走査型電子顕微鏡を用いて6μm×4μmの範囲を1枚の断面観察像として取得したとき、前記断面観察像に観察される前記母相粒子と前記ナノ粒子とから成る粒子群の円面積相当径の平均である平均粒径dが100nm以上1000nm以下である、熱電変換材料の製造方法
が提供される。
本発明によれば、
結晶構造を有する複数の母相粒子と、
酸化物を含み前記母相粒子同士の界面に位置するナノ粒子とを備え、
前記ナノ粒子は、前記結晶構造を構成する少なくともの1つの元素を含み、
全体に対する酸素の含有量が10質量%以下である、熱電変換材料
が提供される。
本発明によれば、熱電変換性能に優れる熱電変換材料を提供することができる。
実施形態に係る熱電変換材料の構造の例を模式的に示す図である。 実施形態に係る平均粒径dの測定方法について説明するための図である。 実施形態に係る熱電変換モジュールの構造の例を模式的に示す図である。 ガスアトマイズ装置の構造の例を模式的に示す図である。 乾式ビーズミル装置の構造の例を模式的に示す図である。 実施形態に係る粉砕工程の例について説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施形態に係る熱電変換材料10の構造の例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る熱電変換材料10は、複数の母相粒子22、およびナノ粒子30を備える。母相粒子22は結晶構造を有する。ナノ粒子30は酸化物を含み母相粒子22同士の界面に存在する。ナノ粒子30は、当該結晶構造を構成する少なくとも1つの元素を含む。熱電変換材料10は、走査型電子顕微鏡を用いて6μm×4μmの範囲を1枚の断面観察像として取得したとき、断面観察像に観察される母相粒子22とナノ粒子30とから成る粒子群の円面積相当径の平均である平均粒径dが100nm以上1000nm以下であることが好ましい。以下に詳細に説明する。
熱電変換材料10は母相粒子22とナノ粒子30が密に凝集した構造を有している。母相粒子22はそれぞれが1つの結晶粒であり、母相粒子22同士の間には界面が存在する。ナノ粒子30は主に母相粒子22を酸化させた酸化物、または、母相粒子22の結晶構造に含まれる元素の酸化物の組成を有しており、母相粒子22同士の界面に点在している。また、熱電変換材料10中には、ボイド(空隙)が存在してもよく、さらにボイドにナノ粒子30が凝集していてもよい。熱電変換材料10は、たとえばマトリクス20中にナノ粒子30が分散したコンポジット材でありうる。
ナノ粒子30は母相粒子22を基に生じた酸化物であり、母相粒子22よりも酸素含有比率が高い。なお、熱電変換材料10内における酸素含有比率(たとえば構成元素比率[atomic%])の分布は、エネルギー分散型X線分析(EDX:Energy Dispersibe X−ray spectrometry)を用いて測定できる。ナノ粒子30の形状は特に限定されず、母相粒子22同士の界面にたとえば球状あるいは層状に存在しうるが、熱電変換材料10は球状のナノ粒子30を複数含むことが好ましい。また、熱電変換材料10は熱電変換効率向上の観点から、100nm以下の粒径の球状のナノ粒子30を複数含むことが好ましく、50nm以下の粒径の球状のナノ粒子30を複数含むことがより好ましい。ここで、球状とは真球に限らず、走査型電子顕微鏡で観察される断面が楕円や多角形であるような形状であっても良い。また、粒径とは、走査型電子顕微鏡で観察される断面の円面積相当径をいう。
熱電変換材料10は、走査型電子顕微鏡を用いて6μm×4μmの範囲を1枚の断面観察像として取得したとき、断面観察像に観察される母相粒子22とナノ粒子30とから成る粒子群の円面積相当径の平均である平均粒径dが100nm以上1000nm以下であることが好ましい。また、平均粒径dは200nm以上であることがより好ましく、300nm以上であることがさらに好ましい。また、平均粒径dは800nm以下であることがより好ましく、750nm以下であることがさらに好ましい。上記下限以上、上記上限以下であれば、熱電変換材料10の変換性能をより向上させることができる。
図2は、平均粒径dの測定方法について説明するための図である。平均粒径dは以下のようにして測定することができる。まず、熱電変換材料10から小片を切り取り、平面(断面の露出面)を有するサンプルに加工、研磨する。サンプルの当該平面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察する。得られた観察像を画像解析して、観察像中の各粒子の円面積相当径を算出する。観察像中の粒子の円面積相当径の平均値を、平均粒径dとして求める。より具体的な方法は、以下の通りである。断面の観察においては、6μm×4μmの範囲を1枚の観察像として取得する。画像解析では、まず図2(a)のように観察像中の粒子同士の界面を抽出する。そして、抽出した界面が観察像中で閉じている場合、その閉じた界面の内側を1つの粒子の断面とみなして図2(b)のように抽出する。観察像中から抽出された複数の粒子の断面の断面積、および円面積相当径をそれぞれ求める。ここで、円面積相当径を直径とする円の面積と、当該断面積とが同じである。平均粒径は20個以上の円面積相当径の平均値とする。1枚の観察像中で20個分の円面積相当径が得られない場合は、2枚以上の観察像を用いて算出する。
図2(b)で抽出される粒子には、母相粒子22とナノ粒子30が含まれうる。ただし、上記範囲の観察像で明確に観察されない微小な粒子や薄い層などは平均粒径dに影響しない。ナノ粒子30は母相粒子22に比べて微小なものが主であり、平均粒径dは母相粒子22の平均粒径に近い値となる。
熱電変換材料10の材料全体に対する酸素の含有量は10質量%以下であることが好ましく、0.80質量%以下であることがより好ましく、0.50質量%以下であることがさらに好ましい。上記上限以下であれば、熱電変換材料10の変換性能をより向上させることができる。また、熱電変換材料10の材料全体に対する酸素の含有量は0.01質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましい。上記下限以上であれば、熱電変換材料10の変換性能をより向上させることができる。
なお、酸素含有量のさらに好ましい範囲は、熱電変換材料10の含有元素や組成に応じて異なりうるため、含有元素や組成に応じてさらに選択することができる。
熱電変換材料10における酸素の含有量は不活性ガス融解法を用いて測定することができる。
熱電変換材料10の多数キャリアのキャリア濃度は1.0×1023−3以上であることが好ましく、1.0×1025−3以上であることがより好ましく、4.0×1026−3以上であることがさらに好ましい。また、熱電変換材料10の多数キャリアのキャリア濃度は、1.0×1029−3以下であることが好ましく、1.0×1027−3以下であることがより好ましく、9.0×1026−3以下であることがさらに好ましい。上記下限以上、上記上限以下であれば、熱電変換材料10の変換性能をより向上させることができる。キャリア濃度は、熱電変換材料10の含有元素や組成に応じてさらに選択することができる。
熱電変換材料10のホールのキャリア濃度および電子のキャリア濃度はホール効果測定装置を用いて測定することができる。多数キャリアのキャリア濃度は、これらのうちの大きい方であり、p型の熱電変換材料10においてはホール、n型の熱電変換材料10においては電子のキャリア濃度である。
熱電変換材料10は、無次元性能指数ZTの最大値が1以上であることが好ましい。ZTの最大値が1以上であれば熱電変換材料10が実用に適する。
また、熱電変換材料10は100℃から600℃の温度範囲で積分したZT積分値が170K以上であることが好ましく、350K以上であることがより好ましく、370K以上であることがさらに好ましい。
熱電変換材料の性能を示す指標のひとつとして、詳しく後述する無次元性能指数ZTがある。ZTは温度Tに依存する値であり、ある温度のみで優れていても、使用が想定される他の温度帯で劣っていれば実用下で優れた熱電変換を実現することはできない。本発明者は、変換性能を示す指標として、使用が想定される温度帯でのZT積分値に注目し、ZT積分値を上げることで、実用下でより効果的に熱電変換性能を向上させられることを見出したものである。
ZT積分値は次の様に求めることができる。まず、100℃から600℃の温度範囲でゼーベック係数S、電気抵抗率ρ、および熱伝導率κを測定し、ZT=ST/(κ・ρ)の関係から、無次元性能指数ZTを算出する。ここで、Sはゼーベック係数、Tは絶対温度、κは熱伝導率、ρは電気抵抗率である。そして、100℃から600℃の温度範囲、すなわちT=373〜873でZTを積分し、ZT積分値として求める。
本実施形態に係る熱電変換材料10は、結晶構造を有する母相粒子22を有し、その結晶構造が主として一般式R(0≦r≦1、3≦t≦5、9≦x≦15)で表される組成を有することが好ましい。ここで、Rは、希土類元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される1種以上の元素からなる。Tは、希土類元素と第4族元素とを除く遷移金属元素からなる群から選択される1種以上の元素からなる。Xは第14族元素、窒素を除く第15族元素、および酸素を除く第16族元素からなる群から選択される1種以上の非金属元素からなる。
希土類元素としては、たとえばSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuが挙げられる。アルカリ金属元素としては、たとえばLi、Na、K、Rb、Cs、およびFrが挙げられる。アルカリ土類金属元素としては、たとえばCa、Sr、およびBaが挙げられる。第4族元素としては、たとえばTi、Zr、およびHfが挙げられる。第13族元素としては、B、Al、Ga、In、およびTlが挙げられる。
Rが複数の元素からなる場合、それらは異なる2つ以上の族から選択された複数の元素でもよいし、同一の族から選択された複数の元素でもよい。
Rとしては、p型熱電変換材料においては、たとえば希土類元素のLa及びCe、第4族元素のTi、Zr、およびHf、第13族元素のAl、Ga、およびInからなる群から選択される1種以上の元素を主とすることができる。Rとしては、n型熱電変換材料においては、たとえば希土類元素のYb、アルカリ土類金属元素のCa、Sr及びBa、第13族元素のAl、Ga、およびInからなる群から選択される1種以上の元素を主とすることができる。
熱電変換材料10はn型でもよいし、p型でもよい。なお、熱電変換材料10がn型であれば、熱電変換性能をより効果的に向上させることができる。
希土類元素と第4族元素とを除く遷移金属元素としては、たとえばV、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、およびAuが挙げられる。Tとしては、熱電変換材料10の熱電変換性能の向上の観点から、Fe、Co、およびNiからなる群から選択される1種以上の元素を主とすることが好ましい。
第14族元素としては、たとえばC、Si、およびGeが挙げられる。第15族元素としては、たとえばP、As、およびSbが挙げられる。第16族元素としては、たとえばS、Se、およびTeが挙げられる。
本実施形態に係る熱電変換材料10は、一般式R(0≦r≦1、3≦t≦5、9≦x≦15)で表される組成であれば特に限定されないが、Xをプニコゲン元素(第15族元素)とし、化学式RT12で表される充填スクッテルダイト構造を有することが好ましい。
なお、母相粒子22の結晶構造においては、上述の組成を有する結晶構造のうち一部の構成原子が置換され、酸素、窒素、およびその他意図せず混入する不純物元素のうちの1つ以上の元素に置き換わったような構造が、わずかに含まれてもよい。
なお、母相粒子22においては、酸素、窒素、およびその他意図せず混入する不純物元素のうちの1つ以上の元素が原子としてわずかに含まれてもよい。
本実施形態に係る熱電変換モジュール40について以下に説明する。
図3は、本実施形態に係る熱電変換モジュール40の構造の例を模式的に示す図である。
熱電変換モジュール40は上記した熱電変換材料10を備える。以下に詳細に説明する。
本実施形態に係る熱電変換モジュール40は、熱電変換材料10として、n型熱電変換材料12およびp型熱電変換材料14を少なくとも1つずつ備える。そして、熱電変換モジュール40は、複数の電極42および接合部材44をさらに備える。熱電変換モジュール40では、n型熱電変換材料12とp型熱電変換材料14とを組み合わせたペアが1つ以上、電気的に直列に接続されている。熱電変換モジュール40を用いて、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換できる。あるいは、電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換できる。
接合部材44はn型熱電変換材料12およびp型熱電変換材料14と、電極42とをそれぞれ接合する接合部材として機能する。接合部材44は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、鉄、および鉄合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属層を有する接合層である。また、接合部材44は一種の金属層からなってもよいが、二種以上の金属層からなっても構わない。接合部材44はスパッタリング、蒸着、溶射、あるいは放電プラズマ焼結(SPS:Spark Plasma Sintering)法などの公知の方法によって、熱電変換材料10に積層させることができる。
電極42は、接合部材44を介して、n型熱電変換材料12及びp型熱電変換材料14とそれぞれ接続されている。電極42は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、鉄、および鉄合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属の層を含む事が好ましい。また、電極42において接合部44と接する層、および、接合部材44において電極42と接する層は、互いに同じ組成の金属からなることがより好ましい。これにより、両者の密着性を高めることができる。電極42は、たとえば、クロム、銅、パラジウム、錫、およびニオブからなる群より選択される少なくとも一種の金属の層を含んでも良い。電極42は、スパッタリング、蒸着、容射、SPS法、あるいは微小レーザー溶接などの公知の方法によって、接合部材44に積層させることができる。
次に、本実施形態に係る熱電変換材料10の製造方法について説明する。
熱電変換材料10の製造方法は、複数の原料を準備する工程、合金粉末50を生成する工程、粉砕工程、および焼結する工程を含む。合金粉末50を生成する工程では、準備した複数の原料から合金粉末50を生成する。粉砕工程では、合金粉末50を粉砕して、結晶構造を有する複数の母相粒子22と酸化物を含むナノ粒子30とを形成する。焼結する工程では、母相粒子22およびナノ粒子30を含む混合物を焼結する。粉砕工程では、粉砕と相互凝集を繰り返しながら合金粉末50を粉砕する。上述のように、熱電変換材料10は、走査型電子顕微鏡を用いて6μm×4μmの範囲を1枚の断面観察像として取得したとき、断面観察像に観察される母相粒子22とナノ粒子30とから成る粒子群の円面積相当径の平均である平均粒径dが100nm以上1000nm以下であるものとすることが好ましい。以下に詳細に説明する。
まず、原料を準備する工程では、複数の原料を準備する。各原料は、上述した母相粒子22の一般式に含まれる各元素の単体からなる原料、および純金属の原料である。
本実施形態に係る合金粉末50を生成する工程は、アトマイズ法を用いて行うことができる。中でも、ガスアトマイズ法を用いることが好ましい。ガスアトマイズ法を用いることで、高性能の熱電変換材料10の安定的な製造が可能となる。
本実施形態に係る合金粉末50を生成する工程に用いるガスアトマイズ装置100について以下に説明する。図4は、ガスアトマイズ装置100の構造の例を模式的に示す図である。
本図に示すように、ガスアトマイズ装置100は、坩堝110と、坩堝110下に設けられた噴射室112と、噴射室112下に設けられた回収室120と、噴射室112と接続する粉体分離器170(サイクロンセパレータ)を介して噴射室112内に生成された合金粉末50を回収する回収室122を有している。
坩堝110は、高周波電源130と接続している。坩堝110は、高周波電源130により高周波加熱される。これにより、坩堝110内の原料が加熱されることとなる。
坩堝110と噴射室112との間には、これらを接続するノズル114が設けられている。坩堝110内に保持される溶融した原料は、ノズル114から噴射室112へ滴下される。そして、この滴下された原料に噴霧ガスを吹き付けて微粒化する。このようにして噴射室112内へ噴霧された原料は、噴射室112内を下降する過程で冷却凝固される。これにより、合金粉末50が生成されることとなる。
回収室122は、噴射室112の側面に設けられた搬送パイプ126を介して噴射室112と接続した粉体分離器170の下方に位置している。後述するように、噴射室112内に生成された合金粉末50の一部は、噴射室112と接続する粉体分離器170により吸引されて、搬送パイプ126を介して粉体分離器170に送り込まれ、その後回収室122側へ回収される。
以下に、本実施形態に係る合金粉末50を生成する方法の例について説明する。
まず、所定の比率で、上述した複数の原料を坩堝110に入れる。次いで、坩堝110を、高周波電源130を用いた高周波加熱により、1200℃まで加熱し、1時間保持する。これにより、坩堝110内に保持された原料を加熱し、溶融する。
このとき、坩堝110には蓋がされている。これにより、原料の加熱溶融時に、原料に含まれるSb等の有害物質が外部へ放出されることを防止することが可能となる。
次いで、高周波加熱により坩堝110内を昇温し、原料を昇温する。原料を昇温することにより、原料の流動性を高めることができる。原料の昇温は、例えば5分以内の短期間で行われる。これにより、原料の蒸発を抑えることができる。
本実施形態において、坩堝110内に保持される原料は、例えば保持温度の1200℃から1250℃まで昇温される。坩堝110内に保持される原料の昇温幅は、10℃以上100℃以下であることが好ましい。昇温幅を10℃以上とすることで、ガスアトマイズ法を用いて原料を噴射室112へ噴射するための、十分な流動性を得ることができる。また、昇温幅を100℃以下とすることで、原料の蒸発を抑え、原料の組成が変動してしまうことを抑制できる。
上述のように原料を昇温した後、直ぐに、坩堝110内に保持されている溶融した原料を、ガスアトマイズ法を用いて噴射室112へ噴霧し、合金粉末50を生成する。坩堝110内に保持されている原料は、ノズル114から噴射室112へ滴下される。
ガスアトマイズ法による合金粉末50の生成は、例えば次のように行われる。すなわち、坩堝110内から噴射室112へ滴下される原料に噴霧ガスを吹き付けて微粒化する。噴霧ガスとしては、例えばアルゴンガスを用いることができる。噴霧ガスの噴射圧は、例えば6MPaである。そして、噴射室112内へ噴霧された原料は、噴射室112内を下降する過程で冷却凝固される。これにより、合金粉末50が生成されることとなる。
次いで、噴射室112に生成された合金粉末50を分級する。合金粉末50の分級は、回収室120、および回収室122により行われる。
噴射室112内で生成された合金粉末50のうち粒子径が大きいものは、噴射室112と接続する粉体分離器170によって吸引されずに下降し、回収室120により回収される。回収室120において回収される合金粉末50のメジアン径は、例えば40μm以上100μm以下である。
一方で、他の合金粉末50は、噴射室112と接続する粉体分離器170により吸引されて、搬送パイプ126を介して粉体分離器170へ送り込まれ、その後回収室122へ回収される。回収室122により回収される合金粉末50のメジアン径は、例えば10μm以上20μm以下である。
合金粉末50を生成する工程では、ガスアトマイズ法の代わりに、たとえばメルトスピニング法を用いることができる。メルトスピニング法はたとえば単ロールメルトスピニング法または双ロールメルトスピニング法である。メルトスピニング法を用いる場合、合金粉末50は主にフレーク状の粒子として得ることができる。
以下に、合金粉末50を生成する工程の変形例として、単ロールメルトスピニング法を用いて合金粉末50を生成する方法について説明する。
単ロールメルトスピニング法では、準備した原料を加熱溶融させ、回転する単ロールに対して噴射する。噴射の際、単ロールは冷却されており、溶融した原料は単ロール上で急冷され、リボン状の薄片が得られる。薄片を粗く粉砕してフレーク状の合金粉末50を得る。溶融した原料の単ロールへの噴射や、薄片の粉砕は、不活性ガス雰囲気で行い、合金粉末50は大気に暴露されることなく回収される。
単ロールメルトスピニング法において、原料の加熱溶融は、たとえば真空中または不活性ガス雰囲気中、1000℃以上1300℃以下の温度まで高周波加熱し、30秒間以上10分間以内の間保持することによって行うことができる。単ロールとしてはたとえば、直径300mmのCuロールを用いる事ができ、単ロールをたとえば1000rpm以上、5000rpm以下の回転速度で回転させながら溶融した原料を噴射する。原料の噴射には、たとえば直径0.5mmの噴射ノズルを用いることができる。
合金粉末50を生成する工程では、上記のガスアトマイズ法、単ロールメルトスピニング法や双ロールメルトスピニング法に代えて、他にたとえば水アトマイズ法、遠心アトマイズ法、メカニカルアロイング法、溶解法、固相反応法、化学合成法、または単結晶育成法などを用いることができる。溶解法はたとえば加熱溶解法、高周波溶解法、アーク溶解法である。合金粉末50の形状は特に限定されず、生成方法に依存して異なりうる。
合金粉末50は、準備した各原料に含まれる元素からなる合金を主な成分とする粒子である。合金粉末50は、たとえば一般式R(0≦r≦1、3≦t≦5、9≦x≦15)で表される組成を有する。また、合金粉末50の粒子の表面がわずかに酸化されていてもよい。
次いで、粉砕工程を行う。本実施形態に係る粉砕工程は、たとえば乾式ビーズミル法を用いて行うことができる。
以下に、乾式ビーズミル法に用いる乾式ビーズミル装置200の構造の例について図5を参照して説明する。乾式ビーズミル装置200は粉砕容器210、排気手段220、酸素濃度測定手段222、不活性ガス供給手段224、冷却手段226、温度測定手段228、回収容器230、排出弁232、およびアジテーター240を備える。粉砕容器210には、粉砕容器210内を攪拌するアジテーター240が挿入されている。排気手段220は粉砕容器210内を排気する。酸素濃度測定手段222は、粉砕容器210内の酸素濃度を測定する。不活性ガス供給手段224は粉砕容器210内に不活性ガスを供給する。不活性ガスとしてはたとえばアルゴンガスや窒素ガスを用いることができる。粉砕容器210は二重構造を有しており、冷却手段226は粉砕容器210の内壁と外壁の間の空間に冷却水を還流させて粉砕容器210の過剰な温度上昇を防ぐ。温度測定手段228は粉砕容器210内の温度を測定する。粉砕容器210の下部には排出弁232を介して回収容器230が接続されている。
続いて、乾式ビーズミル装置200を用いた合金粉末50の粉砕方法について説明する。
具体的には以下のように行うことができる。まず、乾式ビーズミル装置200の粉砕容器210に、合金粉末50を生成する工程で得た合金粉末50、およびビーズを投入する。合金粉末50の投入量はたとえば100g以上1kg以下とすることができ、ビーズの投入量はたとえば500g以上1500g以下とすることができる。ビーズとしてたとえばZrOビーズやSUSj−2製ビーズを用いることができる。ビーズとしてはたとえば直径が0.5mm以上10mm以下のものを用いることができる。
上記のようなアトマイズ法で合金粉末50を生成する場合、乾式ビーズミル装置200の粉砕容器210には、回収室120および回収室122により回収された合金粉末50を投入してもよく、回収室120により回収された合金粉末50のみを投入してもよい。また、合金粉末50を生成する工程の後、適宜、合金粉末50の粒の大きさを選別して用いることもできる。粉砕容器210に投入される合金粉末50すなわち、粉砕工程を行う前の合金粉末50の粒子のメジアン径は1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。
次いで、粉砕容器210内を排気手段220で排気し、排気した粉砕容器210に不活性ガス供給手段224で不活性ガスを導入する。このような不活性ガス置換を5回以上繰り返すことで、酸素濃度測定手段222によって測定される粉砕容器210内の酸素濃度を100ppm以下にする。酸素濃度100ppm以下の条件で、アジテーター240を駆動し、アジテーター240の回転により粉砕容器210内の合金粉末50を粉砕する。アジテーターの回転速度はたとえば100rpm以上2500rpm以下である。
アジテーター240を連続運転している間、粉砕容器210内には不活性ガスを微量流し続け、粉砕容器210内を大気圧以上に保っておく。このことにより、粉砕容器210内の酸素濃度を低く維持することができる。アジテーター240を連続運転している間、粉砕容器210を冷却手段226により冷却する。このことにより、摩擦で粉砕容器210内に生じる熱を廃熱する。このとき、温度測定手段228により測定される粉砕容器210内の温度を一定に保つよう冷却手段226を制御しても良い。設定した運転時間が経過した時点でアジテーター240を停止させ、排出弁232を開けて合金粉末50の粉砕物を回収容器230に移す。運転時間(粉砕時間)はたとえば30分以上10時間以下である。排出弁232にはビーズよりも小さな複数の開口を有するフィルターが取り付けられており、回収容器230にはその開口よりも小さな合金粉末50の粉砕物のみが回収される。回収容器230にはあらかじめ不活性ガスが満たされており、合金粉末50の粉砕物は大気にさらされることなく回収される。
上述のように合金粉末50を粉砕し、アジテーター240を停止させたとき、粉砕容器210の内壁に合金粉末50の粉砕物が凝集して固着していることがある。この場合、回収容器230での回収が困難であれば、次のようにして凝集した凝集体60を回収する。まず、粉砕容器210内を不活性ガスで満たして密閉する。そして粉砕容器210を乾式ビーズミル装置200から取り外して、不活性ガスで満たされたグローブボックス内へ搬入する。グローブボックス内で粉砕容器210を開封し、凝集体60を壁面からはぎ取って回収する。なお、固着物にはビーズは混ざらず、合金粉末の粉砕物のみが固着している。凝集体60は数十秒から数分間、不活性ガス中でミキサーにかけて砕いた後、次の工程に用いる。
粉砕工程では、乾式ビーズミル法の代わりに、たとえばボールミル法、湿式ビーズミル法、ジェットミル法などを用いることができるが、中でも乾式ビーズミル法またはボールミル法を用いることが好ましい。乾式ビーズミル法またはボールミル法を用いることにより、平均粒径dと酸素含有量のバランスに優れ、ひいては熱電変換性能に優れる熱電変換材料を安定して作製することができる。
粉砕工程をボールミル法を用いて行う場合、まず、酸素濃度が0.01wt%未満のグローブボックス内で、ボールミル装置のポッドに、合金粉末50を生成する工程で得た合金粉末50、およびボールを投入する。合金粉末50の投入量はたとえば5g以上200g以下とすることができる。ボールとしてたとえばZrOのボールを用いることができる。ボールとしてはたとえば直径が1mm以上50mm以下のものを用いることができ、ポッドへの投入量はたとえば30g以上1kg以下である。ポッドをたとえば100rpm以上1000rpm以下の回転速度で回転させることで、合金粉末50を粉砕することができる。また、回転は、加速度にしてたとえば5G以上30G以下とすることができる。粉砕時間は5分間以上3000分間以下とすることができる。
粉砕工程により得られた合金粉末50の粉砕物には、母相粒子22、ナノ粒子30、およびそれらが凝集した凝集体60が含まれうる。なお、ナノ粒子30は、母相粒子22の表面の少なくとも一部に形成された酸化層としても存在しうる。粉砕工程については、詳しく後述する。
次いで、粉砕工程により得られた合金粉末50の粉砕物(母相粒子22およびナノ粒子30を含む混合物)を焼結する。本実施形態に係る焼結する工程は、たとえばSPS法により行うことができる。SPS法はたとえば次のように行われる。まず、合金粉末50の粉砕物をカーボンダイスに入れ、真空または不活性ガス雰囲気中において、20〜60MPaの圧力の下でパルス電流をかけながら500〜750℃の温度まで加熱し、10分間保持する。次いで、室温まで冷却する。
このようにして、本実施形態に係る熱電変換材料10が製造される。
ここでは、SPS法を用いて焼結する工程を行う例について説明したが、この例に限定されず、SPS法の代わりに、たとえばホットプレス法、加熱焼結法、または熱処理法などを用いることができる。
なお、焼結する工程では、粒子同士が結合し合ったり、粒子が結晶成長したりすることにより、粉砕後の合金粉末50の粒子径に比べて熱電変換材料10中の粒子群の粒径が大きくなることがある。上述した平均粒径dは、熱電変換材料10における粒径を対象としている。
ここで、図6を参照して本実施形態に係る粉砕工程の例について詳細に説明する。なお本図は、粉砕工程前、または粉砕工程中の粒子の断面図を示しており、各粒子の大きさや酸化層の厚みは実際の比率とは異なる。
まず、合金粉末50を生成する工程の直後の合金粉末50は、図6(a)のように合金の非酸化物54からなる。なお、非酸化物54には、意図せず置換、混入した酸素がわずかに存在しうるが、以下では便宜的に非酸化物と呼ぶ。その表面には、酸化層52がほとんど形成されていない。粉砕工程において、まず合金粉末50は気体もしくは液体中で攪拌される。その際、その気体や液体に含まれる酸素等によって非酸化物54の最表面が酸化され、図6(b)のように合金粉末50の表面に酸化層52が形成される。上述した乾式ビーズミル法を用いた粉砕工程の例では、合金粉末50は不活性ガス中で粉砕されるが、完全に酸素を排除することは困難であるため、このような酸化が生じる。ここで、酸化層52は、非酸化物54が酸化された酸化物の組成を有する。もしくは酸化層52は、非酸化物54の結晶構造を構成する少なくとも1つの元素を含む酸化物から成る。たとえば非酸化物54がYbを含む場合、酸化層52はYbから成る。たとえば非酸化物54がLaを含む場合、酸化層52はLaから成る。
粉砕工程は、粒子の粉砕を伴う。たとえば合金粉末50の粒子が粉砕され、図6(c)のように、酸化層52と非酸化物54を含むより小さな粒子が生成されたり、粒子表面の酸化層52の一部が剥がれ落ちて酸化物のみから成る微小粒子53が生成されたりする。これらの粒子はさらに粉砕されて、より小さな粒子が生成されうる。粉砕において生じる粒子や、酸化層52が部分的に剥離した粒子の表面には非酸化物54が新たに露出する。露出した非酸化物54の表面は継続する粉砕工程の間で新たに酸化されうる。
また、粉砕工程は粒子の相互凝集を伴う。たとえば、合金粉末50が粉砕されて生じた粒子は、たとえば圧力や熱によって互いに凝集し、図6(d)のような凝集体60を形成する。凝集体60には、粉砕により生じる粒子、たとえば微小粒子53や、酸化層52と非酸化物54とを含む粒子などが含まれうる。凝集体60において、凝集体60の表面では粒子の酸化が進みやすいが凝集体60の内部では、粒子の酸化は抑制される。凝集体60は、粉砕工程中、再び粉砕されてより小さな凝集体60や、粒子に分離しうる。また、複数の凝集体60同士がさらに凝集してより大きな凝集体60を形成しうる。
粉砕工程では、上述のような粉砕と相互凝集を繰り返しながら合金粉末50を粉砕する。粉砕工程で得た合金粉末50の粉砕物には、非酸化物54が母相粒子22として、微小粒子53および酸化層52がナノ粒子30として含まれる。また、粉砕物には母相粒子22やナノ粒子30の凝集体60が含まれる。なお、酸化層52は、層状のナノ粒子30として、母相粒子22の表面の一部または全体に形成された状態で含まれる。なお、複数のナノ粒子30の組成は互いに同一とは限らず、それぞれのナノ粒子30は互いに異なる組成を有していてよい。
上述したように、粉砕工程では母相粒子22およびナノ粒子30が凝集した凝集体60が生成されることが好ましい。凝集体60が生成されることで、粉砕工程における酸化を緩やかに進めることができ、熱電変換材料10の酸素含有量の制御性をより向上させることができる。粉砕工程では、たとえば乾式ビーズミルを用いて粉砕工程を行う場合、粒子が200℃程度まで加熱され、さらにアジテーター240で攪拌されたり粉砕容器210に押しつけられたりして加圧されることによって、粉砕中に凝集体60が生成される。
粉砕工程では、合金粉末50を気体中または真空中で粉砕する乾式法を用いて粉砕することが好ましい。また、乾式ビーズミル法により合金粉末50を粉砕することがより好ましい。上記方法を用いることで、より凝集体60が形成されやすくなる。そのため、酸化を緩やかに進めることができ、熱電変換材料10の酸素含有量の制御性をより向上させることができる。
粉砕工程では、分散剤を用いないことが好ましい。分散剤を用いないことで、より凝集体60が形成されやすくなる。そのため、酸化を緩やかに進めることができ、熱電変換材料10の酸素含有量の制御性をより向上させることができる。
平均粒径d、熱電変換材料10の酸素含有量、およびキャリア濃度は、たとえば、粉砕工程前の合金粉末50の粒子の条件や粉砕工程の条件を複合的に制御することで調整することができる。粉砕工程前の合金粉末50の粒子の条件は、たとえば、合金粉末50の生成方法、合金粉末50の組成、粒径などである。また、粉砕工程の条件は、たとえば乾式ビーズミル法を用いる場合、たとえば用いるビーズのサイズ、ビーズの量、粉砕容器210に導入する合金粉末50の量、アジテーター240の回転速度、連続運転時間、粉砕容器210の温度、粉砕容器210内の酸素濃度などである。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る熱電変換材料10では、母相粒子22およびナノ粒子30からなる粒子群の平均粒径dが最適化されているため、良好な熱電変換効率が得られる。
熱電変換材料の性能を示す指標のひとつとして、無次元性能指数ZTがある。ZTはZT=ST/((κel+κph)ρ)で表される。ここで、κelは電子による熱伝導率、κphはフォノンによる熱伝導率であり、κ=κel+κphが成り立つ。
ZTを上げるにはたとえば熱電変換材料に含まれる粒子径を小さくする方法が考えられる。粒子径を小さくすれば、粒子界面が増えるので、κphを下げることができる。
一方で、粒子径を小さくするに従い、焼結工程以前の粉末において酸素に触れる表面積が増加し、熱電変換材料における酸化物の含有比率が高くなる。酸化物の分布による効果など定かでない点もあるが、酸化物の含有比率の変化は、熱電変換材料のキャリア濃度の変化を引き起こす。そして、S、ρ、κelはキャリア濃度に依存するため、ZTは、粒子径の変化に加えて、酸化の程度に影響を受ける。つまり、熱電変換材料の変換性能向上のためには、粒子径、酸素含有量、キャリア濃度などを複合的に最適化することが必要である。本願発明は、粒子径を適した条件にすることにより、これらのバランスに優れ、ひいては変換性能に優れる熱電変換材料を提供できるものである。
また、粒子径とともに、酸化量を高度に制御することにより、熱電変換効率の更なる向上が図れる。本実施形態に係る熱電変換材料の製造方法では、合金粉末の粉砕を行う際、粒子の粉砕の一方で凝集を伴う。そのため、凝集した粒子では酸化を抑制することができ、材料全体に対する酸化を緩やかに進めることができ、熱電変換材料における酸素の含有量を容易に制御することができる。
また、合金粉末を粉砕する工程では、上述したように合金粉末の粒の表面に酸化層が形成され、形成された酸化層は少なくとも部分的に粉砕の過程で剥がれ落ちる。この剥がれ落ちた酸化層がナノ粒子として分散しうるため、粉砕条件を調整することによって、径の小さい酸化物のナノ粒子をマトリクスに適宜含ませることができる。
特許文献1には、様々な大きさの酸化物ナノ粒子を熱電変換材料に含有させ、フォノン散乱を生じさせて熱伝導率を低下させる方法が記載されている。この方法では、溶液中で母相成分やナノ粒子成分の微粒子の凝集集合体が生成した後、水熱処理により母相成分を合金化し、ナノ粒子を酸化させている。このような合成で得られる熱電変換材料では、母相成分の結晶粒径およびナノ粒子の径は必然的に小さくなり、特許文献1においては母相の結晶粒子径は30nm程度である。粒子径が小さいことで、フォノンによる熱伝導率は低下する。しかし、水熱処理においては、ナノ粒子のみならず母相の粒子の表面にも酸化層が形成されうるため、粒子径が小さいことで、材料全体として酸素含有量が増大する。また、酸素含有量の制御も困難である。つまり、このような熱電変換材料では過剰な酸素を含有し、熱電変換性能を害することとなる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[1]原料の準備
まず、原料としてYbの純金属146g、Caの純金属11g、Alの純金属8g、Gaの純金属20g、Inの純金属33g、Feの純金属40g、Coの純金属621g、Sbの単体4100gをそれぞれ準備した。
[2]合金粉末の生成
次に、合金粉末の生成を行った。具体的にはまず、上記[1]で準備した各原料をガスアトマイズ装置の坩堝に入れ、高周波加熱により1200℃まで加熱して溶融した。次いで、坩堝内に保持されている原料を、高周波加熱により2分間で1250℃まで昇温した。次いで、坩堝内の溶融した原料を噴射室に噴霧し、合金粉末を生成した。生成した合金粉末は、噴射室の下方に位置する回収室と、噴射室の側方に設けられた粉体分離器の下方に位置する回収室により回収した。次いで、合金粉末を粒径150μm以下に分級した。
[3]合金粉末の粉砕
次に、合金粉末を乾式ビーズミル法で粉砕した。具体的にはまず、上記[2]で分級して得た合金粉末を500gと、ZrOのビーズを1200g、乾式ビーズミル装置の粉砕容器に投入した。ビーズとしては、直径2mmのビーズ1を用いた。次いで、粉砕容器内の排気とアルゴンガス導入を5回繰り返し行い、粉砕容器内の酸素濃度を100ppm以下にした。次いで、アジテーターを415rpmの回転速度で5時間駆動することで、合金粉末の粉砕物(母相粒子およびナノ粒子を含む混合物)を得た。粉砕する間、粉砕容器内には微量のアルゴンガスを流し続け、粉砕容器は水冷式チラーで冷却した。
[4]粉砕物の焼結
次に、粉砕物を焼結した。具体的にはまず、上記[3]で得られた粉砕物をカーボンダイスに入れた。次いで、アルゴンガス雰囲気において、40MPaの圧力下でパルス電流を流し、700℃の温度まで加熱した。そのまま10分間保持した後、室温まで冷却した。以上の様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。熱電変換材料の組成はICP(Inductively Coupled Plasma)分析によって測定した。
(実施例2)
上記[3]において、ビーズ1の代わりに、直径3mmのビーズ2を用いて粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(実施例3)
上記[3]において、粉砕容器への合金粉末の投入量を300gとし、ビーズ1の代わりに、直径5mmのビーズ3を用いて粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(実施例4)
上記[3]において、ビーズ1の代わりにビーズ3を用いて粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(実施例5)
上記[3]において、粉砕容器への合金粉末の投入量を700gとし、ビーズ1の代わりにビーズ3を用いて粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(実施例6)
上記[3]において、ビーズ1の代わりに直径10mmのビーズ4を用いて粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(実施例7)
上記[3]において、ビーズ1の代わりにビーズ4を用い、粉砕時間(アジテーターの駆動時間)を2.5時間として粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(実施例8)
上記[3]において、粉砕容器への合金粉末の投入量を700gとし、ビーズ1の代わりにビーズ4を用いて粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(実施例9)
上記[3]において、粉砕容器への合金粉末の投入量を900gとし、ビーズ1の代わりにビーズ4を用いて粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
実施例1〜実施例9、および後に説明する比較例2における、乾式ビーズミルの条件を表1にまとめて示す。
(実施例10)
上記[3]において、乾式ビーズミル法の代わりにボールミル法を用いて、合金粉末を粉砕した以外は実施例1と同様にしてYb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。ボールミル法を用いた粉砕は具体的には次の様にした。上記[2]で分級して得た合金粉末を15gと、直径5mmのZrOのボールを200g、酸素濃度が0.01wt%未満のグローブボックス内にて、ボールミル装置のポッドに投入し、400rpmの回転速度(加速度20Gに相当)で、1800分間の粉砕時間でボールミルして合金粉末の粉砕物を得た。
(実施例11〜実施例16)
上記[3]において、乾式ビーズミル法の代わりに、ボールミル法をそれぞれ表2に示す条件で行い、合金粉末を粉砕した。なお、表2に示した以外は、実施例10と同様にして合金粉末を粉砕した。
その他の工程は実施例1と同様にしてYb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(実施例17)
まず、上記[1]と同じ元素の重量比率で、総重量が20gとなるように原料を準備した。その上で、準備した原料を上記[2]でガスアトマイズ法を用いる代わりに、単ロールメルトスピニング法を用いて合金粉末を得た。次いで、合金粉末を粒径150μm以下に分級した。分級して得られた合金粉末をボールミル法により粉砕した。最後に、上記[4]と同様にして合金粉末の粉砕物を焼結し、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
ここで、単ロールメルトスピニング法は以下の様にして行った。まず、準備した原料を単ロールメルトスピニング装置の溶解坩堝にセットし、2×10−3Paの真空中、1200℃まで高周波加熱し、1分間保持した。その後、回転させたCuロールに溶融した原料を直径0.5mmの噴射ノズルを通して噴射し、フレーク状の合金粉末を得た。Cuロールは直径300mmのものを用い、2500rpmの回転速度で回転させた。
また、ボールミル法は、実施例10と同様にして行った。
(比較例1)
上記[4]において、粉砕物の代わりに、上記[2]で分級して得た合金粉末を粉砕せずに焼結した以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(比較例2)
上記[3]において、粉砕容器への合金粉末の投入量を1800gとし、ビーズ1の代わりに直径10mmのSUSj−2製ビーズ5を用い、粉砕時間(アジテーターの駆動時間)を16時間として粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。
(比較例3)
上記[3]において、乾式ビーズミル法の代わりに湿式ビーズミル法を用いて粉砕して、Yb0.3Ca0.1Al0.1Ga0.1In0.1Fe0.25Co3.75Sb12で表されるn型ステックルダイトの熱電変換材料を得た。粉砕工程以外は実施例1と同様にして熱電変換材料を得た。
湿式ビーズミル法を用いた粉砕方法は具体的には次の様にした。まず、上記[2]で分級して得た合金粉末を200g、ZrOのビーズを485g、イソプロピルアルコールを800g、湿式ビーズミル装置の粉砕容器に投入した。ビーズとしては、直径1mmのビーズを用いた。充填率が粉砕容器の体積の85%、湿式ビーズミルの流量が0.35L/min、周速が12m/s、スクリーン目開きが0.3mmである条件で、30分間ビーズミルした。次いで、ZrOのビーズを直径0.2mm、スクリーン目開きを0.07mmに変更して30分間、さらにZrOのビーズを直径0.1mm、スクリーン目開きを0.03mmに変更して30分間ビーズミルした。粉砕する間、粉砕容器は水冷式チラーで冷却した。このようにして得たスラリーからZrOのビーズとイソプロピルアルコールを分離し、乾燥して、合金粉末の粉砕物を得た。
<熱電変換材料の評価>
実施例1〜実施例17、および比較例1〜比較例3においてそれぞれ得られた熱電変換材料について、以下の様に酸素含有量、平均粒径、ナノ粒子の有無、およびZT積分値を測定した。
(酸素含有量)
熱電変換材料の酸素含有量を測定した。酸素含有量は、酸素・窒素・水素分析装置(LECO社製、TC−436AR)を用いて、不活性ガス融解法により測定した。
酸素含有量は、実施例1で0.41質量%、実施例2で0.33質量%、実施例3で0.43質量%、実施例4で0.31質量%、実施例5で0.26質量%、実施例6で0.31質量%、実施例7で0.22質量%、実施例8で0.20質量%、実施例9で0.17質量%、実施例10で0.19質量%、実施例11で0.22質量%、実施例12で0.38質量%、実施例13で0.20質量%、実施例14で0.23質量%、実施例15で0.20質量%、実施例16で0.23質量%、実施例17で0.21質量%、比較例1で0.10質量%、比較例2で0.90質量%、比較例3で2.30質量%であった。
(平均粒径d)
熱電変換材料における、平均粒径dを測定した。具体的にはまず、熱電変換材料から小片を切り取り、平面(断面の露出面)を有するサンプルに加工、研磨した。サンプルの当該平面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S4700)を用いて観察した。まず、6μm×4μmの範囲を1枚の観察像として取得し、画像解析によって平均粒径dを求めた。ただし、比較例1および比較例2については、粒径が上記範囲の大きさを超えていたため、より広い範囲の観察像を取得して平均粒径を求めた。画像解析では、まず観察像中の粒子同士の界面を抽出し、抽出した界面が観察像中で閉じている場合、その閉じた界面の内側を1つの粒子の断面とみなして抽出した。観察像中から抽出された複数の粒子の断面の断面積、および円面積相当径をそれぞれ求めた。ここで、円面積相当径を直径とする円の面積と、当該断面積とが同じである。20個以上の円面積相当径の平均値を平均粒径dとした。
平均粒径dは、実施例1で530nm、実施例2で450nm、実施例3で510nm、実施例4で550nm、実施例5で680nm、実施例6で530nm、実施例7で237nm、実施例8で317nm、実施例9で266nm、実施例10で298nm、実施例11で320nm、実施例12で786nm、実施例13で520nm、実施例14で318nm、実施例15で550nm、実施例16で424nm、実施例17で560nm、比較例1で150000nm、比較例2で6000nm、比較例3で50nmであった。
(ナノ粒子の有無)
EDX装置を用いて、上記の破面を分析した。実施例1〜実施例17、および比較例1〜比較例3の熱電変換材料において、母相粒子の界面に、母相粒子よりも酸素含有比率が高い層(層状のナノ粒子)が確認された。ナノ粒子は、母相粒子を構成するYb、Ca、Al、Ga、In、Fe、Co、およびSbの元素のうち少なくともいずれかを含む酸化物であった。また、実施例1〜実施例17、比較例2、および比較例3の熱電変換材料において、母相粒子よりも酸素含有比率が高い球状の粒子(球状のナノ粒子)で、粒径が50nm以下のものが複数観察された。一方、比較例1の熱電変換材料においては、球状のナノ粒子は極端に少なかった。
(ZT積分値)
熱電変換材料のZT積分値を測定した。具体的には、まず、熱電特性評価装置(アルバック理工株式会社製、ZEM−2)およびレーザフラッシュ法熱定数測定装置(アルバック理工株式会社製、TC−7000H)を用いて、100℃から600℃の温度範囲でゼーベック係数S、電気抵抗率ρ、および熱伝導率κを測定した。そして、ZT=ST/(κ・ρ)の関係から、無次元性能指数ZTを算出し、さらに、100℃から600℃の温度範囲でZTを積分し、ZT積分値として求めた。
ZT積分値は、実施例1で372K、実施例2で396K、実施例3で376K、実施例4で422K、実施例5で449K、実施例6で423K、実施例7で419K、実施例8で415K、実施例9で387K、実施例10で395K、実施例11で400K、実施例12で371K、実施例13で399K、実施例14で388K、実施例15で430K、実施例16で411K、実施例17で400K、比較例1で360K、比較例2で8K、比較例3で5Kであった。
酸素含有量、平均粒径、ナノ粒子の有無、およびZT積分値の測定結果を表3にまとめて示す。
表3から、平均粒径dが100nm以上であり1000nm以下である実施例1から実施例17の熱電変換材料において、ZT積分値が高く熱電変換性能に優れることが確認された。実施例1から実施例17の酸素含有量はいずれも10質量%以下であった。一方、平均粒径dが上記範囲にない比較例1から比較例3では、ZT積分値が低かった。
また、表3から、酸素含有量が0.8質量%以下であり0.15質量%以上である実施例1から実施例17の熱電変換材料において、ZT積分値がより高く熱電変換性能に優れることが確認された。一方、酸素含有量が0.15質量%を下回る比較例1、および酸素含有量が0.8質量%を上回る比較例2および比較例3では、ZT積分値が低かった。
また、湿式ビーズミル法を用いた比較例3は、乾式ビーズミル法を用いた実施例1から実施例9のいずれよりも、酸素含有量が大幅に高かった。なお、平均粒径dが同程度の場合でも、湿式ビーズミル法では乾式ビーズミル法よりも酸素含有量が高くなることが別途確認された。これは、液体中に粒子が比較的良く分散した状態で粉砕されることで、粒子の酸化が過剰に進んだためと思われる。粒子が良く分散することによる過剰な酸化は、たとえば溶液中で粒子の合成を行ったり、処理を行ったりするような場合でも、同様に生じると理解できる。
一方、乾式法を用いる場合には、適度な凝集を伴うため、湿式法に比べて酸化が抑制できると思われる。
(キャリア濃度)
また、実施例1〜実施例11、および比較例1において、それぞれ得られた熱電変換材料について、さらに多数キャリアのキャリア濃度を測定した。測定は、ホール効果測定装置(東陽テクニカ製、Resistest)を用いて行った。
キャリア濃度は、実施例1で10×1026−3、実施例2で4.4×1026−3、実施例3で3.7×1026−3、実施例4で5.9×1026−3、実施例5で7.1×1026−3、実施例6で5.9×1026−3、実施例7で5.9×1026−3、実施例8で7.1×1026−3、実施例9で8.2×1026−3、実施例10で8.1×1026−3、実施例11で8.5×1026−3、比較例1で10×1026−3であった。
測定結果を、ZT積分値と合わせて表4にまとめて示す。なお、表におけるキャリア濃度の単位は「×1026−3」である。
表4より、実施例1から実施例11において、キャリア濃度は1.0×1023−3以上1.0×1029−3以下の範囲にあった。また、キャリア濃度が4.0×1026−3以上であり、9.0×1026−3以下である実施例2、および実施例4から実施例11の熱電変換材料において、ZT積分値がより高く熱電変換性能に特に優れることが確認された。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 熱電変換材料
100 ガスアトマイズ装置
110 坩堝
112 噴射室
114 ノズル
12 n型熱電変換材料
120、122 回収室
126 搬送パイプ
130 高周波電源
14 p型熱電変換材料
170 粉体分離器
20 マトリクス
200 乾式ビーズミル装置
210 粉砕容器
22 母相粒子
220 排気手段
222 酸素濃度測定手段
224 不活性ガス供給手段
226 冷却手段
228 温度測定手段
230 回収容器
232 排出弁
240 アジテーター
30 ナノ粒子
40 熱電変換モジュール
42 電極
44 接合部材
50 合金粉末
52 酸化層
53 微小粒子
54 非酸化物
60 凝集体

Claims (13)

  1. 結晶構造を有する複数の母相粒子と、
    酸化物を含み前記母相粒子同士の界面に存在するナノ粒子とを備え、
    前記ナノ粒子は、前記結晶構造を構成する少なくともの1つの元素を含み、
    走査型電子顕微鏡を用いて6μm×4μmの範囲を1枚の断面観察像として取得したとき、前記断面観察像に観察される前記母相粒子と前記ナノ粒子とから成る粒子群の円面積相当径の平均である平均粒径dが100nm以上1000nm以下である、熱電変換材料。
  2. 請求項1に記載の熱電変換材料において、
    全体に対する酸素の含有量が10質量%以下である、熱電変換材料。
  3. 請求項1または2に記載の熱電変換材料において、
    前記結晶構造は主として一般式R(0≦r≦1、3≦t≦5、9≦x≦15)で表される組成を有し、
    Rは、希土類元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、第4族元素、および第13族元素からなる群から選択される1種以上の元素からなり、
    Tは、希土類元素と第4族元素とを除く遷移金属元素からなる群から選択される1種以上の元素からなり、
    Xは第14族元素、窒素を除く第15族元素、および酸素を除く第16族元素からなる群から選択される1種以上の元素からなる、熱電変換材料。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    多数キャリアのキャリア濃度が1.0×1023−3以上1.0×1029−3以下である、熱電変換材料。
  5. 請求項1か4のいずれか一項に記載の熱電変換材料において、
    無次元性能指数ZTを100℃から600℃の温度で積分したZT積分値が170K以上である、熱電変換材料。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の熱電変換材料を備える、熱電変換モジュール。
  7. 複数の原料を準備する工程と、
    前記複数の原料から合金粉末を生成する工程と、
    前記合金粉末を粉砕して結晶構造を有する複数の母相粒子と酸化物を含むナノ粒子とを形成する粉砕工程と、
    前記母相粒子および前記ナノ粒子を含む混合物を焼結する工程とを含み、
    前記粉砕工程では、粉砕と相互凝集を繰り返しながら前記合金粉末を粉砕し、
    走査型電子顕微鏡を用いて6μm×4μmの範囲を1枚の断面観察像として取得したとき、前記断面観察像に観察される前記母相粒子と前記ナノ粒子とから成る粒子群の円面積相当径の平均である平均粒径dが100nm以上1000nm以下である熱電変換材料の製造方法。
  8. 請求項7に記載の熱電変換材料の製造方法において、
    前記粉砕工程では、前記母相粒子および前記ナノ粒子が凝集した凝集体が生成される、熱電変換材料の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の熱電変換材料の製造方法において、
    前記粉砕工程では、前記合金粉末を気体中または真空中で粉砕する乾式法を用いて粉砕する、熱電変換材料の製造方法。
  10. 請求項9に記載の熱電変換材料の製造方法において、
    前記粉砕工程では、乾式ビーズミル法またはボールミル法により前記合金粉末を粉砕する、熱電変換材料の製造方法。
  11. 請求項7から10のいずれか一項に記載の熱電変換材料の製造方法において、
    前記合金粉末を生成する工程では、アトマイズ法を用いて前記合金粉末を生成する、熱電変換材料の製造方法。
  12. 請求項7から10のいずれか一項に記載の熱電変換材料の製造方法において、
    前記合金粉末を生成する工程では、メルトスピニング法を用いて前記合金粉末を生成する、熱電変換材料の製造方法。
  13. 結晶構造を有する複数の母相粒子と、
    酸化物を含み前記母相粒子同士の界面に位置するナノ粒子とを備え、
    前記ナノ粒子は、前記結晶構造を構成する少なくともの1つの元素を含み、
    全体に対する酸素の含有量が10質量%以下である、熱電変換材料。
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