JP2016025027A - 固体電池用正極の製造方法及び固体電池の製造方法、並びに、正極用スラリー - Google Patents
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Abstract
【課題】硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と負極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することもできる、固体電池用正極の製造方法を提供する。
【解決手段】正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する工程、作製した正極用スラリーを塗工する工程、及び、塗工した正極用スラリーを乾燥させる工程、を備え、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体を用いる、固体電池用正極の製造方法とする。
【選択図】図5
【解決手段】正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する工程、作製した正極用スラリーを塗工する工程、及び、塗工した正極用スラリーを乾燥させる工程、を備え、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体を用いる、固体電池用正極の製造方法とする。
【選択図】図5
Description
本発明は固体電池用正極の製造方法に関する。
安全性に優れる電池の一つとして固体電池が知られている。固体電池は活物質等を含む電極、及び、電極間のセパレータ層として固体電解質層を備えてなる。このような電極や固体電解質層は、活物質や固体電解質等を溶媒に分散させたスラリーを用いて容易に製造可能である。例えば、特許文献1に記載されているように、電極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合してスラリーを作製し、当該スラリーを塗工した後、乾燥させる工程を経て、所望の電極層を得ることができる。この場合のバインダーとしては、例えば、特許文献2、3に開示されたようなポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等のフッ素系バインダーが知られている。
従来のように、スラリーを塗工して電極層を形成する場合、生産性を向上させる観点から、スラリーを塗工後、加熱により急速乾燥を行うことが好ましい。しかしながら、従来のバインダー及び溶媒の組み合わせでは、急速乾燥後、電池性能が悪化する場合があった。すなわち、急速乾燥によって電極においてバインダーが偏在することとなる結果、抵抗が上昇し、電池の出力が低下するという問題があった。
また、従来から使用されている溶媒は、硫化物系固体電解質と反応し、硫化物系固体電解質のリチウムイオン伝導度を低下させてしまう場合があった。
また、バインダーとして、VDFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)との3成分系の共重合体、或いは、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合、集電体と電極層との間の接着力が十分でなく、固体電池を製造する際に電極に剥がれや割れが発生する場合があった。
以上のように、従来においては、固体電池の正極を製造するにあたって、硫化物系固体電解質の劣化を抑制すること、集電体と電極層との間で十分な接着力を担保すること、及び、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することを両立することはできなかった。
そこで本発明は、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と正極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することもできる、固体電池用正極の製造方法、及び、固体電池の製造方法、並びに、正極用スラリーを提供することを課題とする。
正極用スラリーを用いた固体電池用正極の製造方法に関し、本発明者らが鋭意研究を進めたところ、以下の数々の知見を得た。
(1)正極用スラリーにおいて、バインダーとしてフッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とテトラフルオロエチレン(TFE)との3成分系の共重合体、或いは、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合、スラリーの急速乾燥によって抵抗が上昇し、電池の出力が低下する。これは、乾燥に伴い、正極の表面にバインダーが偏析したためと推定される。
(2)硫化物系固体電解質の劣化を抑制するには、スラリーを構成する溶媒として硫化物系固体電解質との反応性の低い溶媒を用いることが有効である。鋭意研究により、酪酸ブチル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのいずれかを用いることが有効であることを突き止めた。
(3)正極用スラリーにおいて、バインダーとして、上記の3成分系の共重合体、或いは、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合、上記(2)のいずれの溶媒を用いても、特に急速乾燥を経て正極とした場合に正極層と集電体との接着力が十分でなくなる。
(4)正極用スラリーにおいて、バインダーとして、VDFとHFPとの2成分系のバインダーを用いた場合、上記(2)のうちジブチルエーテル及びシクロペンチルメチルエーテルに対しては良好に溶解も分散もさせることができず、正極層と集電体との間の接着性も確保できない。一方、上記(2)のうち酪酸ブチルに対しては、バインダーにおける共重合比が特定の場合に限り、バインダーを酪酸ブチルに高度に分散させることができ、正極とした場合に正極層と集電体との間で十分な接着力を確保することもできる。また、急速乾燥による電池容量の低下も抑制できる。具体的には、バインダーにおけるHFPの共重合比(モル比)を10%以上とする。
(5)一方、VDFとHFPとの2成分系バインダーにおいて、HFPの共重合比(モル比)を20%超とした場合、HFPの共重合比の増加とともに柔軟性が増していき、バインダーが柔らかくなってしまう。すなわち、バインダーとして適切に機能させるために、バインダーにおけるHFPの共重合比(モル比)は20%以下とする。
(6)以上の通り、固体電池用正極の製造に際しては、所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いた場合に限り、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と正極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することもできる。
(1)正極用スラリーにおいて、バインダーとしてフッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とテトラフルオロエチレン(TFE)との3成分系の共重合体、或いは、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合、スラリーの急速乾燥によって抵抗が上昇し、電池の出力が低下する。これは、乾燥に伴い、正極の表面にバインダーが偏析したためと推定される。
(2)硫化物系固体電解質の劣化を抑制するには、スラリーを構成する溶媒として硫化物系固体電解質との反応性の低い溶媒を用いることが有効である。鋭意研究により、酪酸ブチル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのいずれかを用いることが有効であることを突き止めた。
(3)正極用スラリーにおいて、バインダーとして、上記の3成分系の共重合体、或いは、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合、上記(2)のいずれの溶媒を用いても、特に急速乾燥を経て正極とした場合に正極層と集電体との接着力が十分でなくなる。
(4)正極用スラリーにおいて、バインダーとして、VDFとHFPとの2成分系のバインダーを用いた場合、上記(2)のうちジブチルエーテル及びシクロペンチルメチルエーテルに対しては良好に溶解も分散もさせることができず、正極層と集電体との間の接着性も確保できない。一方、上記(2)のうち酪酸ブチルに対しては、バインダーにおける共重合比が特定の場合に限り、バインダーを酪酸ブチルに高度に分散させることができ、正極とした場合に正極層と集電体との間で十分な接着力を確保することもできる。また、急速乾燥による電池容量の低下も抑制できる。具体的には、バインダーにおけるHFPの共重合比(モル比)を10%以上とする。
(5)一方、VDFとHFPとの2成分系バインダーにおいて、HFPの共重合比(モル比)を20%超とした場合、HFPの共重合比の増加とともに柔軟性が増していき、バインダーが柔らかくなってしまう。すなわち、バインダーとして適切に機能させるために、バインダーにおけるHFPの共重合比(モル比)は20%以下とする。
(6)以上の通り、固体電池用正極の製造に際しては、所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いた場合に限り、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と正極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することもできる。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。すなわち、
第1の本発明は、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する工程、作製した正極用スラリーを塗工する工程、及び、塗工した正極用スラリーを乾燥させる工程、を備え、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体を用いる、固体電池用正極の製造方法である。
第1の本発明は、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する工程、作製した正極用スラリーを塗工する工程、及び、塗工した正極用スラリーを乾燥させる工程、を備え、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体を用いる、固体電池用正極の製造方法である。
本発明において、「正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する」とは、正極活物質、硫化物系固体電解質、バインダー及び溶媒に加えて、正極活物質、硫化物系固体電解質、バインダー及び溶媒以外の任意成分を混合して正極用スラリーを作製しても良い趣旨である。任意成分としては導電助剤等が挙げられる。
第2の本発明は、第1の本発明に係る製造方法により得られた固体電池用正極と固体電解質を含む固体電解質層と負極活物質を含む負極とを積層する工程を備える、固体電池の製造方法である。
第3の本発明は、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを含み、溶媒が酪酸ブチルであり、バインダーが、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体である、正極用スラリーである。
第3の本発明において、正極活物質100質量部に対してバインダーを0.5質量部以上3.5質量部以下含むことが好ましい。
本発明においては、固体電池用正極の製造に際して、バインダーとして所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いている。このような本発明によれば、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と正極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することもできる。
1.固体電池用正極の製造方法
本発明に係る固体電池用正極の製造方法は、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する工程、作製した正極用スラリーを塗工する工程、及び、塗工した正極用スラリーを乾燥させる工程、を備え、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともにVDF単量体単位とHFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体を用いることを特徴とする。
本発明に係る固体電池用正極の製造方法は、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する工程、作製した正極用スラリーを塗工する工程、及び、塗工した正極用スラリーを乾燥させる工程、を備え、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともにVDF単量体単位とHFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体を用いることを特徴とする。
1.1.正極用スラリーを作製する工程
本発明においては、まず、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する。以下、正極用スラリーを構成する各成分について説明する。
本発明においては、まず、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する。以下、正極用スラリーを構成する各成分について説明する。
1.1.1.正極活物質
本発明において正極用スラリーには正極活物質が含まれている。正極活物質としては固体電池の正極活物質として公知の正極活物質を適用可能である。特に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を用いることが好ましい。具体的には、LiCoO2、Li(Ni,Co,Al)O2、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3O2(xは0以上の実数)、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoMnO4、Li2NiMn3O8、Li3Fe2(PO4)3、Li3V2(PO4)3、Li1+xMn2−x−yMyO4(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、Znからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属)により表される組成を有する異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(LixTiOy)、LiMPO4(Mは、Fe、Mn、Co又はNi)により表される組成を有するリン酸金属リチウム等を挙げることができる。これらの中でも、本発明においては、LiCoO2、Li(Ni,Co,Al)O2、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2を正極活物質として用いることが好ましい。また、本発明においては、これら各材料の表面をコーティングした正極活物質を用いてもよい。本発明に使用できるコーティング材は、リチウムイオン伝導性を有し、且つ、活物質の表面において被覆層の形態を維持し得る物質を含んでいればよい。コーティング材としては、例えば、LiNbO3、Li4Ti5O12、Li3PO4等が挙げられる。正極活物質の形状は特に限定されないが、粉末状が好ましい。
本発明において正極用スラリーには正極活物質が含まれている。正極活物質としては固体電池の正極活物質として公知の正極活物質を適用可能である。特に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を用いることが好ましい。具体的には、LiCoO2、Li(Ni,Co,Al)O2、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3O2(xは0以上の実数)、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoMnO4、Li2NiMn3O8、Li3Fe2(PO4)3、Li3V2(PO4)3、Li1+xMn2−x−yMyO4(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、Znからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属)により表される組成を有する異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(LixTiOy)、LiMPO4(Mは、Fe、Mn、Co又はNi)により表される組成を有するリン酸金属リチウム等を挙げることができる。これらの中でも、本発明においては、LiCoO2、Li(Ni,Co,Al)O2、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2を正極活物質として用いることが好ましい。また、本発明においては、これら各材料の表面をコーティングした正極活物質を用いてもよい。本発明に使用できるコーティング材は、リチウムイオン伝導性を有し、且つ、活物質の表面において被覆層の形態を維持し得る物質を含んでいればよい。コーティング材としては、例えば、LiNbO3、Li4Ti5O12、Li3PO4等が挙げられる。正極活物質の形状は特に限定されないが、粉末状が好ましい。
1.1.2.硫化物系固体電解質
本発明において正極用スラリーには硫化物系固体電解質が含まれている。硫化物系固体電解質としては、分子構造中又は組成中に硫黄原子を含む固体電解質であって、硫化物系固体電池の固体電解質として公知の硫化物系固体電解質を適用可能である。特に、硫化物を含むガラス又はガラスセラミックス状の固体電解質であることが好ましい。例えば、Li、A(AはP、Si、Ge、Al及びBのうちの少なくとも一つ)、並びに、Sを含有する固体電解質が好ましく、これらにさらにハロゲン元素を含有する固体電解質がより好ましい。
具体的には、Li2S−P2S5、Li2S−P2S3、Li2S−P2S3−P2S5、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P2S5、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5、LiI−Li2S−SiS2−P2S5、Li2S−SiS2−Li4SiO4、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li3PS4−Li4GeS4、Li3.4P0.6Si0.4S4、Li3.25P0.25Ge0.76S4、Li4−xGe1−xPxS4等を例示することができる。固体電解質の形状は特に限定されないが、粉末状が好ましい。
本発明において正極用スラリーには硫化物系固体電解質が含まれている。硫化物系固体電解質としては、分子構造中又は組成中に硫黄原子を含む固体電解質であって、硫化物系固体電池の固体電解質として公知の硫化物系固体電解質を適用可能である。特に、硫化物を含むガラス又はガラスセラミックス状の固体電解質であることが好ましい。例えば、Li、A(AはP、Si、Ge、Al及びBのうちの少なくとも一つ)、並びに、Sを含有する固体電解質が好ましく、これらにさらにハロゲン元素を含有する固体電解質がより好ましい。
具体的には、Li2S−P2S5、Li2S−P2S3、Li2S−P2S3−P2S5、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P2S5、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5、LiI−Li2S−SiS2−P2S5、Li2S−SiS2−Li4SiO4、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li3PS4−Li4GeS4、Li3.4P0.6Si0.4S4、Li3.25P0.25Ge0.76S4、Li4−xGe1−xPxS4等を例示することができる。固体電解質の形状は特に限定されないが、粉末状が好ましい。
1.1.3.バインダー
本発明において正極用スラリーにはバインダーが含まれている。本発明においてはバインダーとして従来とは異なるバインダーを用いる。具体的には、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位を所定の共重合比で共重合してなる2成分系のバインダーを用いる。これにより、正極層と集電体との間で十分な接着力を確保できるとともに、急速乾燥時における抵抗の上昇を抑えることもできる。
本発明において正極用スラリーにはバインダーが含まれている。本発明においてはバインダーとして従来とは異なるバインダーを用いる。具体的には、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位を所定の共重合比で共重合してなる2成分系のバインダーを用いる。これにより、正極層と集電体との間で十分な接着力を確保できるとともに、急速乾燥時における抵抗の上昇を抑えることもできる。
本発明において用いられるバインダーは、VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下であることが重要である。HFP単量体単位のモル比が10%未満であると、バインダーを後述する溶媒(酪酸ブチル)に良好に分散させることができない場合があり、また、正極層と集電体との間で十分な接着力を確保することができなくなる場合もある。一方、HFP単量体単位のモル比が20%超であると、HFPの共重合比の増加とともに柔軟性が増していき、バインダーが柔らかくなってしまう。本発明は、バインダーの共重合比に関し、このように限られた範囲内で顕著且つ特有の効果を見出したものと言える。
本発明において用いられるバインダーは、水に対して溶解性を示さないものが好ましい。特に、バインダーの含水分が質量基準で100ppm以下であることが好ましい。
本発明において用いられるバインダーは、その分子量の上限が好ましくは150万以下、より好ましくは91万以下、さらに好ましくは70万以下であり、下限が好ましくは27万以上、より好ましくは32万以上である。バインダーの分子量をこのような範囲とすることで、接着力等の諸特性に一層優れるバインダーとすることができる。
1.1.4.溶媒
本発明において正極用スラリーには溶媒が含まれている。本発明においては溶媒として酪酸ブチルを用いることが重要である。酪酸ブチルは上述した特定のバインダーを良好に分散させることができ、且つ、上述した硫化物系固体電解質との反応を抑制することもできる。
本発明において正極用スラリーには溶媒が含まれている。本発明においては溶媒として酪酸ブチルを用いることが重要である。酪酸ブチルは上述した特定のバインダーを良好に分散させることができ、且つ、上述した硫化物系固体電解質との反応を抑制することもできる。
本発明において用いられる溶媒(酪酸ブチル)は、水に対して溶解性をほとんど示さない。正極用スラリーに適用する場合、溶媒(酪酸ブチル)の含水分が質量基準で100ppm以下であることが好ましい。
1.1.5.その他の任意成分
本発明において正極用スラリーには、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分以外の成分が含まれていてもよい。例えば、導電助剤等である。導電助剤としては公知のものを用いることができる。例えば、炭素繊維等である。
本発明において正極用スラリーには、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分以外の成分が含まれていてもよい。例えば、導電助剤等である。導電助剤としては公知のものを用いることができる。例えば、炭素繊維等である。
正極用スラリーを作製する工程においては、上述の各成分を混合して正極用スラリーとする。各成分の混合順序は特に限定されるものではなく、溶媒中に各成分を添加して混合すればよい。
なお、溶媒中に各成分を分散させる場合、分散処理の形態としては、超音波処理のほか、高速ディスクによる分散等が有り得る。
正極用スラリーを作製する工程において、バインダー、正極活物質及び硫化物系固体電解質の混合比については、正極とした場合に適切に機能するような混合比であればよく、公知の混合比を採用できる。
ただし、本発明者らの知見によれば、上述の正極活物質100質量部に対して上述のバインダーを0.5質量部以上3.5質量部以下含ませることが特に好ましい。バインダーが少なすぎると、正極とした場合において正極層内の密着性及び正極層と集電体との間の密着性に劣り、正極のハンドリングが困難となる場合がある。一方、バインダーが多すぎると、正極の抵抗が大きくなって、十分な性能を有する固体電池を得ることができなくなる場合がある。
ただし、本発明者らの知見によれば、上述の正極活物質100質量部に対して上述のバインダーを0.5質量部以上3.5質量部以下含ませることが特に好ましい。バインダーが少なすぎると、正極とした場合において正極層内の密着性及び正極層と集電体との間の密着性に劣り、正極のハンドリングが困難となる場合がある。一方、バインダーが多すぎると、正極の抵抗が大きくなって、十分な性能を有する固体電池を得ることができなくなる場合がある。
正極用スラリーを作製する工程において、溶媒に対する固形分(正極活物質、硫化物系固体電解質及びバインダー、並びに、その他の任意成分)の量は特に限定されるものではないが、例えば、正極用スラリーにおける固形分が30質量%以上75質量%以下となるようにすることが好ましい。このような固形分比率であれば、より容易に正極を製造することができる。固形分比率の下限はより好ましくは55質量%以上であり、上限はより好ましくは70質量%以下である。
1.2.正極用スラリーの塗工
本発明においては、上述のようにして作製された正極用スラリーを塗工する。例えば、正極用スラリーを基材上に塗工する。基材としては、金属箔や金属メッシュ等の正極集電体として機能する基材の他、後述の乾燥の後で、乾燥した正極層を容易に剥離可能な基材フィルム等を用いることもできる。或いは、固体電池の固体電解質層の表面に正極用スラリーを塗工してもよい。
これらの中でも、乾燥後に正極層と集電体との間に優れた接着性が得られる観点からは、集電体の表面に正極用スラリーを塗工することが好ましい。集電体としては、正極集電体として公知のものをいずれも適用できる。例えばアルミニウム箔等が好適に用いられる。
本発明においては、上述のようにして作製された正極用スラリーを塗工する。例えば、正極用スラリーを基材上に塗工する。基材としては、金属箔や金属メッシュ等の正極集電体として機能する基材の他、後述の乾燥の後で、乾燥した正極層を容易に剥離可能な基材フィルム等を用いることもできる。或いは、固体電池の固体電解質層の表面に正極用スラリーを塗工してもよい。
これらの中でも、乾燥後に正極層と集電体との間に優れた接着性が得られる観点からは、集電体の表面に正極用スラリーを塗工することが好ましい。集電体としては、正極集電体として公知のものをいずれも適用できる。例えばアルミニウム箔等が好適に用いられる。
正極用スラリーの塗工自体は公知の方法により実施可能である。例えば、スプレーによる塗工やドクターブレードを用いた塗工等が挙げられる。基材表面に均一且つ容易に正極用スラリーを塗工できる観点からは、ドクターブレードを用いて塗工することが好ましい。
1.3.正極用スラリーの乾燥
本発明においては、上述のようにして塗工された正極用スラリーを乾燥する。これにより基材表面に正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーとを含んだ正極層を形成することができ、固体電池用正極を得ることができる。ここで、本発明においては、溶媒として酪酸ブチルを用い、且つ、バインダーとして所定の共重合比を有する2成分系のバインダーを用いているため、正極層の接着強度が高い。すなわち、基材表面に正極層を強固に接着させることができる。
本発明においては、上述のようにして塗工された正極用スラリーを乾燥する。これにより基材表面に正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーとを含んだ正極層を形成することができ、固体電池用正極を得ることができる。ここで、本発明においては、溶媒として酪酸ブチルを用い、且つ、バインダーとして所定の共重合比を有する2成分系のバインダーを用いているため、正極層の接着強度が高い。すなわち、基材表面に正極層を強固に接着させることができる。
乾燥は自然乾燥であってもよいし、加熱手段を用いた加熱乾燥(急速乾燥)であってもよい。生産性に優れる観点からは急速乾燥が好ましい。乾燥温度や乾燥時間については、正極用スラリーに含まれる溶媒量や正極層とした場合の形態等に応じて適宜調整すればよい。ここで、本発明においては、溶媒として酪酸ブチルを用い、且つ、バインダーとして特定の共重合比を有する2成分系のバインダーを用いているため、急速乾燥をした場合であっても、抵抗の上昇及び電池の出力低下を抑制可能である。
乾燥後に形成される正極層の形態(厚み等)については、特に限定されるものではなく、硫化物系固体電池の正極として適切な形態とすればよい。例えば、厚み40μm以上120μm以下の薄膜状の層とすることが好ましい。
以上の通り、本発明に係る固体電池用正極の製造方法によれば、バインダーとして所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いているため、溶媒との反応による硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と正極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することもできる。
2.固体電池の製造方法
本発明は固体電池の製造方法としての側面も有する。すなわち、上述の固体電池用正極の製造方法により得られた固体電池用正極と固体電解質を含む固体電解質層と負極活物質を含む負極とを積層する工程を備える、固体電池の製造方法である。固体電池としては、上述の製造方法により得られる正極が用いられていればよく、正極以外の構成は特に限定されるものではない。ただし、固体電解質層及び負極の双方に上述の硫化物系固体電解質が含まれた硫化物系全固体電池とすることが好ましく、硫化物系全固体リチウム電池とすることが最も好ましい。
本発明は固体電池の製造方法としての側面も有する。すなわち、上述の固体電池用正極の製造方法により得られた固体電池用正極と固体電解質を含む固体電解質層と負極活物質を含む負極とを積層する工程を備える、固体電池の製造方法である。固体電池としては、上述の製造方法により得られる正極が用いられていればよく、正極以外の構成は特に限定されるものではない。ただし、固体電解質層及び負極の双方に上述の硫化物系固体電解質が含まれた硫化物系全固体電池とすることが好ましく、硫化物系全固体リチウム電池とすることが最も好ましい。
2.1.固体電解質層
固体電池を製造するにあたっては、固体電解質層を作製する必要がある。固体電解質層は公知の方法により容易に得られる。例えば、溶媒に固体電解質とバインダーとを添加して電解質スラリーを作製し、当該電解質スラリーを基材上に塗工したうえで、乾燥させることで、基材上に固体電解質層を形成することができる。ここから基材を除去することで固体電解質層が得られる。或いは、上述の正極の表面に電解質スラリーを塗布し、正極の表面に固体電解質層を直接形成してもよいし、後述の負極の表面に同様の方法で固体電解質層を直接形成してもよい。さらには、電解質スラリーを用いずに固体電解質層を作製することも可能である。すなわち、固体電解質粉末とバインダーとを乾式混合し、ホットプレス等によってプレス成形して固体電解質層を得てもよい。
固体電池を製造するにあたっては、固体電解質層を作製する必要がある。固体電解質層は公知の方法により容易に得られる。例えば、溶媒に固体電解質とバインダーとを添加して電解質スラリーを作製し、当該電解質スラリーを基材上に塗工したうえで、乾燥させることで、基材上に固体電解質層を形成することができる。ここから基材を除去することで固体電解質層が得られる。或いは、上述の正極の表面に電解質スラリーを塗布し、正極の表面に固体電解質層を直接形成してもよいし、後述の負極の表面に同様の方法で固体電解質層を直接形成してもよい。さらには、電解質スラリーを用いずに固体電解質層を作製することも可能である。すなわち、固体電解質粉末とバインダーとを乾式混合し、ホットプレス等によってプレス成形して固体電解質層を得てもよい。
尚、本発明はあくまでも正極の製造方法に特徴を有するものであって、固体電解質層についてはその形態は特に限定されるものではない。固体電解質層を作製するにあたって、バインダーや、電解質スラリーに用いられる溶媒は、上述した正極用スラリーに含まれるバインダーや酪酸ブチル以外のものを用いることもできる。例えば、バインダーとしてブタジエン系ゴムを用い、溶媒としてヘプタンを用いてもよい。また、固体電解質層に用いられる固体電解質は硫化物系固体電解質に限られない。例えば、酸化物系固体電解質を用いて固体電解質層を構成してもよい。ただし、より高性能な固体電池とする観点からは、固体電解質として上述した硫化物系固体電解質を用いて固体電解質層を構成することが好ましい。
2.2.負極
固体電池を製造するにあたっては、負極を作製する必要がある。負極は公知の方法により容易に得られる。例えば、溶媒に負極活物質と固体電解質とバインダーとを添加して負極用スラリーを作製し、当該負極用スラリーを基材上に塗工したうえで、乾燥させることで、基材上に負極層を形成することができる。この場合の基材は、上述した正極層を形成する場合と同様に、集電体等の各種基材を用いることができる。集電体としては、負極集電体として公知のものをいずれも適用できる。例えば銅箔等が好適に用いられる。或いは、上述の固体電解質層の表面に負極用スラリーを塗布し、固体電解質層の表面に負極層を直接形成してもよい。さらには、負極用スラリーを用いずに負極を作製することも可能である。すなわち、負極活物質粉末と固体電解質粉末とバインダーとを乾式混合し、集電体上でホットプレス等によってプレス成形して負極層を得てもよい。或いは、ホットプレスにより負極層を得た後、負極層の表面に集電体を貼りつけてもよい。
固体電池を製造するにあたっては、負極を作製する必要がある。負極は公知の方法により容易に得られる。例えば、溶媒に負極活物質と固体電解質とバインダーとを添加して負極用スラリーを作製し、当該負極用スラリーを基材上に塗工したうえで、乾燥させることで、基材上に負極層を形成することができる。この場合の基材は、上述した正極層を形成する場合と同様に、集電体等の各種基材を用いることができる。集電体としては、負極集電体として公知のものをいずれも適用できる。例えば銅箔等が好適に用いられる。或いは、上述の固体電解質層の表面に負極用スラリーを塗布し、固体電解質層の表面に負極層を直接形成してもよい。さらには、負極用スラリーを用いずに負極を作製することも可能である。すなわち、負極活物質粉末と固体電解質粉末とバインダーとを乾式混合し、集電体上でホットプレス等によってプレス成形して負極層を得てもよい。或いは、ホットプレスにより負極層を得た後、負極層の表面に集電体を貼りつけてもよい。
尚、本発明はあくまでも正極の製造方法に特徴を有するものであって、負極についてはその形態は特に限定されるものではない。負極を作製するにあたって、バインダーや、負極用スラリーに用いられる溶媒は、上述した正極用スラリーに含まれるバインダーや酪酸ブチル以外のものを用いることもできる。また、負極活物質としては固体電池の負極活物質として公知のものを用いればよい。特にリチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を用いることが好ましい。例えば、リチウム合金、金属酸化物、グラファイトやハードカーボン等の炭素材料、ケイ素及びケイ素合金、Li4Ti5O12等を挙げることができる。特にグラファイトが好ましい。負極に含まれる固体電解質についても特に限定されず、上述の硫化物系固体電解質のほか、酸化物系固体電解質を用いることも可能である。ただし、より高性能な固体電池とする観点からは、固体電解質として上述した硫化物系固体電解質を用いて負極を構成することが好ましい。
このようにして得られた負極及び固体電解質層並びに上述の正極を所定の大きさに打ち抜いて互いに積層したうえで、適当な圧力にてプレス成形して一体化することで、正極、固体電解質層及び負極をこの順に備える発電体を製造することができる。そして当該発電体に適当な端子等を設け、電池ケース内に密封するなどして固体電池を容易に製造できる。ここで、本発明においては、正極において正極層と集電体との間で高い接着力が担保されている。そのため、正極を打ち抜く際、正極の割れや剥がれを抑制することができる。また、本発明においては、上述の方法で正極が製造されているため、電池抵抗の上昇が抑制され、出力の大きな電池が得られる。
3.正極用スラリー
本発明は固体電池の正極用スラリーとしての側面も有する。すなわち、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを含み、溶媒が酪酸ブチルであり、バインダーが、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともにVDF単量体単位とHFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体である、正極用スラリーである。各成分の詳細については上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
本発明は固体電池の正極用スラリーとしての側面も有する。すなわち、正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを含み、溶媒が酪酸ブチルであり、バインダーが、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともにVDF単量体単位とHFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体である、正極用スラリーである。各成分の詳細については上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
このように、本発明に係る正極用スラリーによれば、バインダーとして所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いているため、溶媒との反応による硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、正極とした場合に集電体と正極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することもできる。
以下、実施例に基づいて、本発明について詳述するが、本発明は以下の具体的な形態に限定されるものではない。
1.従来のバインダーの課題
VDF単量体単位、TFE単量体単位及びHFP単量体単位からなる3成分系の共重合体をバインダーとして用いて正極スラリーとし、当該スラリーを塗工後、急速乾燥させて正極とし、当該正極を用いて電池を製造した場合、自然乾燥により正極を製造した場合と比較して、電池の出力が低下する問題があった。鋭意研究したところ、急速乾燥時に正極表面にバインダーが偏析し、抵抗が上昇したことが原因であることを突き止めた。
一方で、従来のバインダーと溶媒との組み合わせにあっては、正極層と集電体との接着性が十分でないという問題や、硫化物系固体電解質が溶媒と反応して劣化してしまうという問題があった。
これら問題を解決すべく、正極用スラリーに適用するバインダー及び溶媒について検討を行った。
VDF単量体単位、TFE単量体単位及びHFP単量体単位からなる3成分系の共重合体をバインダーとして用いて正極スラリーとし、当該スラリーを塗工後、急速乾燥させて正極とし、当該正極を用いて電池を製造した場合、自然乾燥により正極を製造した場合と比較して、電池の出力が低下する問題があった。鋭意研究したところ、急速乾燥時に正極表面にバインダーが偏析し、抵抗が上昇したことが原因であることを突き止めた。
一方で、従来のバインダーと溶媒との組み合わせにあっては、正極層と集電体との接着性が十分でないという問題や、硫化物系固体電解質が溶媒と反応して劣化してしまうという問題があった。
これら問題を解決すべく、正極用スラリーに適用するバインダー及び溶媒について検討を行った。
2.正極の作製
2.1.バインダー溶液の調製
図1に示す流れで、バインダー溶液を調製した。具体的には以下の通りである。
2.1.バインダー溶液の調製
図1に示す流れで、バインダー溶液を調製した。具体的には以下の通りである。
(調製例1)
ポリフッ化ビニリデン(PVDF、VDF100%)の粉末を、メタクリル酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、一晩攪拌してバインダー溶液(1)を調製した。ここで、バインダー溶液(1)全体を100質量%としてバインダーが20質量%含まれるようにした。尚、PVDFは酪酸ブチルに溶解も分散もできなかったため、バインダー溶液の溶媒として酪酸ブチルに替えてメタクリル酸ブチルを用いることとした。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF、VDF100%)の粉末を、メタクリル酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、一晩攪拌してバインダー溶液(1)を調製した。ここで、バインダー溶液(1)全体を100質量%としてバインダーが20質量%含まれるようにした。尚、PVDFは酪酸ブチルに溶解も分散もできなかったため、バインダー溶液の溶媒として酪酸ブチルに替えてメタクリル酸ブチルを用いることとした。
(調製例2)
VDF:TFE:HFP=55モル%:25モル%:20モル%の比率で共重合させた3成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、一晩攪拌してバインダーを溶解させ、バインダー溶液(2)を調製した。ここで、バインダー溶液(2)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
VDF:TFE:HFP=55モル%:25モル%:20モル%の比率で共重合させた3成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、一晩攪拌してバインダーを溶解させ、バインダー溶液(2)を調製した。ここで、バインダー溶液(2)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
(調製例3)
HFP:VDF=10モル%:90モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(3)を調製した。ここで、バインダー溶液(3)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
HFP:VDF=10モル%:90モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(3)を調製した。ここで、バインダー溶液(3)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
(調製例4)
HFP:VDF=15モル%:85モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(4)を調製した。ここで、バインダー溶液(4)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
HFP:VDF=15モル%:85モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(4)を調製した。ここで、バインダー溶液(4)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
(調製例5)
HFP:VDF=20モル%:80モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(5)を調製した。ここで、バインダー溶液(5)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
HFP:VDF=20モル%:80モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(5)を調製した。ここで、バインダー溶液(5)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
2.2.正極用スラリーの作製
溶媒、上記のバインダー溶液、導電助剤、硫化物系固体電解質及び正極活物質を用いて、図2に示す流れで、実施例及び比較例に係る正極用スラリーを作製した。具体的には以下の通りである。
溶媒、上記のバインダー溶液、導電助剤、硫化物系固体電解質及び正極活物質を用いて、図2に示す流れで、実施例及び比較例に係る正極用スラリーを作製した。具体的には以下の通りである。
(比較例1)
9mlPET容器中、バインダー溶液(1)を、導電助剤である炭素繊維(VGCF、昭和電工社製)とともに溶媒である酪酸ブチルに添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を1回行った。得られたスラリーに硫化物系固体電解質(30LiI・70(0.75Li2S・0.25P2S5))を添加し、前記超音波処理(30秒)を2回行い、その後、さらに正極活物質(3元系正極活物質(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、日亜化学社製)の表面に厚み約10μmのニオブ酸リチウムのコート層を設けたもの)を添加し、超音波処理(30秒)を2回行うことで、比較例1に係る正極用スラリーを得た。
尚、正極活物質とバインダーとの質量比は、活物質:バインダー=100:2.5:とした。また、正極用スラリーにおける固形分比は60質量%であった。(尚、以下の実施例及び比較例でも同様の質量比、固形分比とした。)
比較例1では、バインダー溶液(1)中の溶媒としてメタクリル酸ブチルを用いているため、結果として正極用スラリーにおける溶媒はメタクリル酸ブチルと酪酸ブチルとの混合溶媒となった。比較例1では、メタクリル酸ブチルが全溶媒量に対して20質量%となるようにした。
9mlPET容器中、バインダー溶液(1)を、導電助剤である炭素繊維(VGCF、昭和電工社製)とともに溶媒である酪酸ブチルに添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を1回行った。得られたスラリーに硫化物系固体電解質(30LiI・70(0.75Li2S・0.25P2S5))を添加し、前記超音波処理(30秒)を2回行い、その後、さらに正極活物質(3元系正極活物質(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、日亜化学社製)の表面に厚み約10μmのニオブ酸リチウムのコート層を設けたもの)を添加し、超音波処理(30秒)を2回行うことで、比較例1に係る正極用スラリーを得た。
尚、正極活物質とバインダーとの質量比は、活物質:バインダー=100:2.5:とした。また、正極用スラリーにおける固形分比は60質量%であった。(尚、以下の実施例及び比較例でも同様の質量比、固形分比とした。)
比較例1では、バインダー溶液(1)中の溶媒としてメタクリル酸ブチルを用いているため、結果として正極用スラリーにおける溶媒はメタクリル酸ブチルと酪酸ブチルとの混合溶媒となった。比較例1では、メタクリル酸ブチルが全溶媒量に対して20質量%となるようにした。
(比較例2)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例3)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例4)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例5)
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(2)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(2)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例6)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例7)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例8)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例9)
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(3)を用い、且つ、溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(3)を用い、且つ、溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例10)
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例9と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例9と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例11)
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例9と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例9と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例12)
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(5)を用い、且つ、溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(5)を用い、且つ、溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例13)
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例12と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例12と同様にして正極用スラリーを得た。
(比較例14)
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例12と同様にして正極用スラリーを得た。
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例12と同様にして正極用スラリーを得た。
<実施例1>
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(3)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(3)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
<実施例2>
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(4)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(4)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
<実施例3>
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(5)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(5)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして正極用スラリーを得た。
2.3.正極用スラリーの塗工・乾燥
各正極用スラリーを正極集電体であるアルミニウム箔上にドクターブレードを用いて塗工し、自然乾燥又は急速乾燥させて、正極集電体の表面に厚み40〜120μmの正極層を形成し、正極とした。
各正極用スラリーを正極集電体であるアルミニウム箔上にドクターブレードを用いて塗工し、自然乾燥又は急速乾燥させて、正極集電体の表面に厚み40〜120μmの正極層を形成し、正極とした。
自然乾燥の条件は以下の通りとした。
スラリーの塗工後、室温にて60分静置し、その後、ホットプレート上に載置して100℃で30分加熱し、残留溶媒を除去した。尚、室温で60分乾燥させただけで、残留溶媒は1%以下とほとんど乾燥した状態にあるが、本実施例では、残溶媒による性能への影響を確認するため、自然乾燥後、100℃での乾燥を行うものとした。
スラリーの塗工後、室温にて60分静置し、その後、ホットプレート上に載置して100℃で30分加熱し、残留溶媒を除去した。尚、室温で60分乾燥させただけで、残留溶媒は1%以下とほとんど乾燥した状態にあるが、本実施例では、残溶媒による性能への影響を確認するため、自然乾燥後、100℃での乾燥を行うものとした。
加熱による急速乾燥の条件は以下の通りとした。
スラリーの塗工直後に、ホットプレート上に載置して150℃で1分間加熱し、溶媒を除去した。
スラリーの塗工直後に、ホットプレート上に載置して150℃で1分間加熱し、溶媒を除去した。
3.負極の作製
溶媒として酪酸ブチル(キシダ化学社製)を、負極活物質(1)として黒鉛(三菱化学社製)を、負極活物質(2)としてアルミニウム粉末(高純度化学社製)を、固体電解質として上述の硫化物系固体電解質を、バインダー溶液として上述の3成分系のバインダー溶液(2)を用いて、負極用スラリーを作製した。具体的には、9mlPET容器中、調製例2に係るバインダー溶液(2)を、負極活物質(1)、(2)とともに溶媒である酪酸ブチル(キシダ化学社製)に添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を1回行い、「負極活物質・バインダースラリー」を調製した。得られた負極活物質・バインダースラリーに、調製例2に係るバインダー溶液(2)と硫化物系固体電解質(30LiI・70(0.75Li2S・0.25P2S5))とを添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を3回行うことで、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーとが高度に分散した「負極用スラリー」を得た。
尚、負極用スラリーにおける活物質とバインダーとの質量比は活物質(1):活物質(2):バインダー=100:4.2:3.5とした。また、負極用スラリーにおける固形分比は63質量%であった。
溶媒として酪酸ブチル(キシダ化学社製)を、負極活物質(1)として黒鉛(三菱化学社製)を、負極活物質(2)としてアルミニウム粉末(高純度化学社製)を、固体電解質として上述の硫化物系固体電解質を、バインダー溶液として上述の3成分系のバインダー溶液(2)を用いて、負極用スラリーを作製した。具体的には、9mlPET容器中、調製例2に係るバインダー溶液(2)を、負極活物質(1)、(2)とともに溶媒である酪酸ブチル(キシダ化学社製)に添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を1回行い、「負極活物質・バインダースラリー」を調製した。得られた負極活物質・バインダースラリーに、調製例2に係るバインダー溶液(2)と硫化物系固体電解質(30LiI・70(0.75Li2S・0.25P2S5))とを添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を3回行うことで、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーとが高度に分散した「負極用スラリー」を得た。
尚、負極用スラリーにおける活物質とバインダーとの質量比は活物質(1):活物質(2):バインダー=100:4.2:3.5とした。また、負極用スラリーにおける固形分比は63質量%であった。
作製した負極用スラリーを負極集電体である銅箔上にドクターブレードを用いて塗工し、乾燥させて、負極集電体の表面に厚み90μmの負極層が形成されてなる負極を得た。
4.固体電解質層の作製
溶媒としてヘプタンを、固体電解質として上述の硫化物系固体電解質を、バインダー溶液としてブタジエン系ゴムのヘプタン溶液を用いて、電解質スラリーを作製した。具体的には、溶媒であるヘプタンに固体電解質及びバインダー溶液を添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を4回行い、固体電解質及びバインダーが高度に溶解又は分散された電解質スラリーを得た。
尚、電解質スラリーにおける固体電解質及びバインダーの質量比は固体電解質:バインダー=100質量部:1質量部とした。また、電解質スラリーにおける固形分比は40質量%であった。
溶媒としてヘプタンを、固体電解質として上述の硫化物系固体電解質を、バインダー溶液としてブタジエン系ゴムのヘプタン溶液を用いて、電解質スラリーを作製した。具体的には、溶媒であるヘプタンに固体電解質及びバインダー溶液を添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を4回行い、固体電解質及びバインダーが高度に溶解又は分散された電解質スラリーを得た。
尚、電解質スラリーにおける固体電解質及びバインダーの質量比は固体電解質:バインダー=100質量部:1質量部とした。また、電解質スラリーにおける固形分比は40質量%であった。
作製した電解質スラリーを剥離可能な基材(アルミニウム箔)上にドクターブレードを用いて塗工し、乾燥させたうえで、基材上に厚み30〜60μmの固体電解質層を形成した。
5.固体電池の作製
作製した正極及び負極と固体電解質層とを打ち抜き加工した後で、図3に示すように正極及び負極を対向させ、基材を除去した固体電解質層を挟んで積層し、プレスして一体化させて、固体電池を作製した。
作製した正極及び負極と固体電解質層とを打ち抜き加工した後で、図3に示すように正極及び負極を対向させ、基材を除去した固体電解質層を挟んで積層し、プレスして一体化させて、固体電池を作製した。
6.性能評価
(1)溶媒と電解質との反応性評価
上述の硫化物系固体電解質を溶媒と一定時間接触させ、溶媒に接触する前のリチウムイオン伝導率と溶媒に接触させた後のリチウムイオン伝導率とをそれぞれ測定し、溶媒と電解質との反応性を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:接触前と比較して、接触後においてもLiイオン伝導率90%以上を維持
×:溶媒と電解質との反応によって、電極形成が不可能となり、Liイオン伝導率の測定不可
(1)溶媒と電解質との反応性評価
上述の硫化物系固体電解質を溶媒と一定時間接触させ、溶媒に接触する前のリチウムイオン伝導率と溶媒に接触させた後のリチウムイオン伝導率とをそれぞれ測定し、溶媒と電解質との反応性を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:接触前と比較して、接触後においてもLiイオン伝導率90%以上を維持
×:溶媒と電解質との反応によって、電極形成が不可能となり、Liイオン伝導率の測定不可
(2)接着力評価
正極集電体と正極層との接着力を評価した。具体的には引張荷重測定機(アイコーエンジニアリング社製、RX−5/MODEL−2257)を用い、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、室温にて垂直剥離試験を行った。図4は、接着力の測定態様の概略を示した断面模式図である。図4中、二重波線は図の省略を意味する。まず、正極用スラリーを塗工した面13a(正極層)を上にして、両面テープ14によりサンプル13を台座15に固定した。引っ張り荷重測定機11のアタッチメント先端部11aに別の両面テープ12を貼り付け、当該両面テープの接着面をサンプル13側に向けた。引っ張り荷重測定機11を、サンプル13に対し、垂直に等速(約20mm/min)で下降させ、両面テープ12と正極用スラリーを塗工した面13a(正極層)とを接触させた後、引っ張り荷重測定機11を上昇させた。塗膜(正極層)が剥がれた際の引っ張り荷重を、当該サンプルの接着力とした。接着力を以下の評価基準で評価した。
○:10N/cm2超
△:2N/cm2以上10N/cm2以下
×:2N/cm2未満
正極集電体と正極層との接着力を評価した。具体的には引張荷重測定機(アイコーエンジニアリング社製、RX−5/MODEL−2257)を用い、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、室温にて垂直剥離試験を行った。図4は、接着力の測定態様の概略を示した断面模式図である。図4中、二重波線は図の省略を意味する。まず、正極用スラリーを塗工した面13a(正極層)を上にして、両面テープ14によりサンプル13を台座15に固定した。引っ張り荷重測定機11のアタッチメント先端部11aに別の両面テープ12を貼り付け、当該両面テープの接着面をサンプル13側に向けた。引っ張り荷重測定機11を、サンプル13に対し、垂直に等速(約20mm/min)で下降させ、両面テープ12と正極用スラリーを塗工した面13a(正極層)とを接触させた後、引っ張り荷重測定機11を上昇させた。塗膜(正極層)が剥がれた際の引っ張り荷重を、当該サンプルの接着力とした。接着力を以下の評価基準で評価した。
○:10N/cm2超
△:2N/cm2以上10N/cm2以下
×:2N/cm2未満
(3)電池の出力評価
自然乾燥させた正極を用いた場合と、急速乾燥させた正極を用いた場合とで、固体電池とした場合の抵抗値[Ω]を比較した。
自然乾燥させた正極を用いた場合と、急速乾燥させた正極を用いた場合とで、固体電池とした場合の抵抗値[Ω]を比較した。
電解質の反応性の評価結果、及び、接着力の評価結果を下記表1に示す。
<溶媒と電解質との反応性の評価結果>
表1に示す通り、溶媒としてnBB、DBE、CPMEを用いた場合は、溶媒と硫化物系固体電解質との反応を抑制できた。一方、溶媒としてNMPを用いた場合(比較例2、6、9及び12)、溶媒と硫化物系固体電解質とが反応し正極の作製が困難となった。具体的には、硫化物系固体電解質が溶媒に溶解後、ベタついた状態のままとなり、乾燥ができなかった。当然、固体電池を作製することもできなかった。
表1に示す通り、溶媒としてnBB、DBE、CPMEを用いた場合は、溶媒と硫化物系固体電解質との反応を抑制できた。一方、溶媒としてNMPを用いた場合(比較例2、6、9及び12)、溶媒と硫化物系固体電解質とが反応し正極の作製が困難となった。具体的には、硫化物系固体電解質が溶媒に溶解後、ベタついた状態のままとなり、乾燥ができなかった。当然、固体電池を作製することもできなかった。
<接着力の評価結果>
(溶媒としてnBBを用いた場合)
表1に示す通り、溶媒としてnBBを用いた場合は、バインダーの種類によって、接着性が大きく変化した。具体的には、バインダーとしてPVDFを用いた場合(比較例1)、正極層と集電体と接着力が2N/cm2未満となり、固体電池の作製にあたって正極を打ち抜いた場合に、正極の剥がれや割れが確認され、固体電池の製造において歩留まりの低下が懸念された。
また、バインダーとしてVDFとTFEとHFPとの3成分系バインダーを用いた場合(比較例5)、接着力が2N/cm2以上となったものの、固体電池の作製にあたって正極を打ち抜いた場合に、所定の頻度で正極の剥がれや割れが確認され、十分な接着力とは言えなかった。
一方、バインダーとしてVDFとHFPとを所定の比率で共重合して得られる2成分系のバインダーを用いた場合(実施例1〜3)、接着力が飛躍的に向上し、固体電池の作製にあたって負極を打ち抜いた場合にも、負極の剥がれや割れがほとんど生じなかった。
(溶媒としてnBBを用いた場合)
表1に示す通り、溶媒としてnBBを用いた場合は、バインダーの種類によって、接着性が大きく変化した。具体的には、バインダーとしてPVDFを用いた場合(比較例1)、正極層と集電体と接着力が2N/cm2未満となり、固体電池の作製にあたって正極を打ち抜いた場合に、正極の剥がれや割れが確認され、固体電池の製造において歩留まりの低下が懸念された。
また、バインダーとしてVDFとTFEとHFPとの3成分系バインダーを用いた場合(比較例5)、接着力が2N/cm2以上となったものの、固体電池の作製にあたって正極を打ち抜いた場合に、所定の頻度で正極の剥がれや割れが確認され、十分な接着力とは言えなかった。
一方、バインダーとしてVDFとHFPとを所定の比率で共重合して得られる2成分系のバインダーを用いた場合(実施例1〜3)、接着力が飛躍的に向上し、固体電池の作製にあたって負極を打ち抜いた場合にも、負極の剥がれや割れがほとんど生じなかった。
(溶媒としてNMPを用いた場合)
上述の通り、溶媒としてNMPを用いた場合(比較例2、6、9及び12)、硫化物系固体電解質のべたつきを解消できず、正極そのものを作製できなかった。
上述の通り、溶媒としてNMPを用いた場合(比較例2、6、9及び12)、硫化物系固体電解質のべたつきを解消できず、正極そのものを作製できなかった。
(溶媒としてDBEを用いた場合)
表1に示す通り、溶媒としてDBEを用いた場合、バインダーの種類によらず、いずれも十分な接着力は得られなかった。具体的には、バインダーとしてPVDFを用いた場合(比較例3)、VDFとTFEとHFPとの3成分系バインダーを用いた場合(比較例7)、VDFとHFPとの2成分系バインダーを用いた場合(比較例10及び13)のいずれにおいても、正極の作製までは可能であったが、正極の打ち抜きが不可能なほど接着力が小さかった。
表1に示す通り、溶媒としてDBEを用いた場合、バインダーの種類によらず、いずれも十分な接着力は得られなかった。具体的には、バインダーとしてPVDFを用いた場合(比較例3)、VDFとTFEとHFPとの3成分系バインダーを用いた場合(比較例7)、VDFとHFPとの2成分系バインダーを用いた場合(比較例10及び13)のいずれにおいても、正極の作製までは可能であったが、正極の打ち抜きが不可能なほど接着力が小さかった。
(溶媒としてCPMEを用いた場合)
表1に示す通り、溶媒としてCPMEを用いた場合も、バインダーの種類によらず、いずれも十分な接着力は得られなかった。ただし、DBEを用いた場合よりは若干接着力が向上し、ごく一部について正極の打ち抜きが可能であった。
表1に示す通り、溶媒としてCPMEを用いた場合も、バインダーの種類によらず、いずれも十分な接着力は得られなかった。ただし、DBEを用いた場合よりは若干接着力が向上し、ごく一部について正極の打ち抜きが可能であった。
電池の出力の評価結果を図5に示す。図5では、比較例5、実施例1及び3について、自然乾燥させた正極を用いた場合と、急速乾燥させた正極を用いた場合とで、固体電池とした場合の抵抗値を比較した。
図5に示す結果から明らかなように、比較例5にあっては、急速乾燥により正極を製造した場合、自然乾燥による場合と比較して、固体電池とした場合の抵抗が約2倍に上昇しており、固体電池の出力が低下した。
一方、実施例1、3については、急速乾燥により正極を製造した場合、自然乾燥による場合と比較して、電池抵抗はほとんど変わらなかった。
図5に示す結果から明らかなように、比較例5にあっては、急速乾燥により正極を製造した場合、自然乾燥による場合と比較して、固体電池とした場合の抵抗が約2倍に上昇しており、固体電池の出力が低下した。
一方、実施例1、3については、急速乾燥により正極を製造した場合、自然乾燥による場合と比較して、電池抵抗はほとんど変わらなかった。
以上の結果から、固体電池用負極の製造に際しては、正極用スラリーにおいてVDFとHFPとの2成分系バインダーであってHFPの共重合比(モル比)が10〜20%のものを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いた場合に限り、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と負極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、急速乾燥による電池の出力の低下を抑制することもできることが分かる。
本発明により得られる固体電池用正極は、硫化物系固体電池の正極として、好適に利用可能である。特に、全固体リチウム二次電池の正極として有用である。
Claims (4)
- 正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して正極用スラリーを作製する工程、
作製した前記正極用スラリーを塗工する工程、及び、
塗工した前記正極用スラリーを乾燥させる工程、
を備え、
前記溶媒として酪酸ブチルを用い、
前記バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体を用いる、
固体電池用正極の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法により得られた固体電池用正極と固体電解質を含む固体電解質層と負極活物質を含む負極とを積層する工程を備える、固体電池の製造方法。
- 正極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを含み、
前記溶媒が酪酸ブチルであり、
前記バインダーが、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上20%以下である共重合体である、
正極用スラリー。 - 前記正極活物質100質量部に対して前記バインダーを0.5質量部以上3.5質量部以下含む、請求項3に記載の正極用スラリー。
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