JP2020119773A - 電極積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
リチウムイオン電池等の電池の分野において、正極と負極の間に介在する電解質として、有機溶媒を含む電解液の代わりに固体電解質を使用する全固体電池の開発が行われている。全固体電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。全固体電池では、各層間の物理的な接触により導通をとっているため、各層が互いに接触するように配置される。
本開示は、上記実情に鑑み、少なくとも負極と固体電解質層との界面における負極と固体電解質層との接触不良を抑制し、さらに好適には負極集電体と負極との界面における負極集電体と負極との接触不良を抑制することができる電極積層体を提供することを目的とする。
前記負極及び前記固体電解質層が、バインダーとしてフッ化物系バインダーを含み、
前記負極の総質量を100質量%としたとき、前記負極中に前記バインダーが2.5質量%以上含まれ、
前記固体電解質層の総質量を100質量%としたとき、前記固体電解質層中に前記バインダーが0.8質量%以上含まれ、
前記固体電解質層を積層方向に対して垂直に二等分割して前記負極側を固体電解質層の上層(e)とし、もう一方を固体電解質層の下層(f)とし、
前記負極を積層方向に対して垂直に二等分割して前記固体電解質層側を負極上部とし、前記負極集電体側を負極下部とし、
さらに、前記負極上部を積層方向に対して垂直に二等分割して前記固体電解質層側を負極の最上層(a)とし、前記負極集電体側を負極の上層(b)とし、
前記固体電解質層におけるSEM−EDXにより算出される前記下層(f)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積に対する前記上層(e)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積の比(上層(e)/下層(f))の値が、0.6のとき、
前記負極上部におけるSEM−EDXにより算出される前記最上層(a)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積に対する前記上層(b)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積の比(上層(b)/最上層(a))の値と、前記上層(e)/下層(f)の値の合計が1.0〜1.6であるか、又は、
前記上層(e)/下層(f)の値が1.0以上のとき、前記上層(b)/最上層(a)の値と前記上層(e)/下層(f)の値との合計が1.4以上であることを特徴とする電極積層体を提供する。
前記負極及び前記固体電解質層が、バインダーとしてフッ化物系バインダーを含み、
前記負極の総質量を100質量%としたとき、前記負極中に前記バインダーが2.5質量%以上含まれ、
前記固体電解質層の総質量を100質量%としたとき、前記固体電解質層中に前記バインダーが0.8質量%以上含まれ、
前記固体電解質層を積層方向に対して垂直に二等分割して前記負極側を固体電解質層の上層(e)とし、もう一方を固体電解質層の下層(f)とし、
前記負極を積層方向に対して垂直に二等分割して前記固体電解質層側を負極上部とし、前記負極集電体側を負極下部とし、
さらに、前記負極上部を積層方向に対して垂直に二等分割して前記固体電解質層側を負極の最上層(a)とし、前記負極集電体側を負極の上層(b)とし、
前記固体電解質層におけるSEM−EDXにより算出される前記下層(f)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積に対する前記上層(e)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積の比(上層(e)/下層(f))の値が、0.6のとき、
前記負極上部におけるSEM−EDXにより算出される前記最上層(a)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積に対する前記上層(b)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積の比(上層(b)/最上層(a))の値と、前記上層(e)/下層(f)の値の合計が1.0〜1.6であるか、又は、
前記上層(e)/下層(f)の値が1.0以上のとき、前記上層(b)/最上層(a)の値と前記上層(e)/下層(f)の値との合計が1.4以上であることを特徴とする電極積層体を提供する。
そして、従来の硫化物全固体電池の負極と固体電解質層(以下SE層と記載することがある)は、便宜的に重ね合わせて圧密させることで成型される場合があり、以下に負極と固体電解質層の成型方法の一例を記載する。
1つ目の負極(負極A)はニッケル箔の両面に負極用スラリーを塗布し、乾燥させることにより作製する。
2つ目の負極(負極B)は、アルミ転写箔の片面に負極用スラリーを塗布し、乾燥させることにより作製する。
その後、負極Aと負極Bを重ね合わせ、25℃、1t/cm2でプレスを行い、片面塗工して形成した負極Bの転写用アルミ箔を剥離させ、負極とする。
そして、転写用アルミ箔を剥離させた負極に、転写用アルミ箔の片面に形成させたSE層を重ね合わせ、25℃、1t/cm2でプレスを行い、SE層の転写用アルミ箔を剥離させる。その際、負極とSE層の接着力が不足することで接着不良の不具合が発生することがある。
本研究者は、負極とSE層の積層方向の断面での負極及びSE層に含まれるバインダーの偏析状態を制御することにより、負極とSE層の接着性が確保できる条件を見出した。負極およびSE層は負極とSE層との接着面側のバインダーの存在比率を高くすることで、負極とSE層との接着性を上げることができる。特に、負極とSE層との接着性はSE層に含まれるバインダーの存在比率に大きく依存していることを見出し、負極とSE層に含まれるバインダーの適切な存在比率を見出した。
図2は、本開示の負極集電体と負極の構成の一例を示す断面模式図である。図2において、負極集電体はニッケル箔であり、ニッケル箔上に負極が積層されている。
図1〜2に示すように本開示において負極は、高さ方向(積層方向)に最上層(a)、上層(b)、下層(c)、及び最下層(d)に4等分割した場合、最上層(a)と上層(b)から成る部位を負極上部、また、下層(c)と最下層(d)から成る部位を負極下部とする。
図3は、本開示の固体電解質層の一例を示す断面模式図である。図3において、固体電解質層は支持体である転写用のアルミ箔上に積層されている。
図1、3に示すように、本開示において固体電解質層は、固体電解質層を高さ方向(積層方向)に2等分割した場合、負極側を上層(e)、もう一方(アルミ箔側)を下層(f)とする。
本開示においては、負極及び固体電解質層に含まれるバインダーの負極及び固体電解質層の厚さ方向の分布の偏析指標としてマイグレーション指数を用いる。
マイグレーション指数は、負極及び固体電解質層の断面をSEM−EDX(Energy Dispersive X−ray spectrometry)分析することにより、算出できる。
測定手順は次のとおりである。先ず負極及び固体電解質層から断面観察用のサンプルを切り出し、クロスセクションポリッシャ等を用いて断面の清浄化を行う。このとき断面は、負極及び固体電解質層の表面に対して必ずしも垂直でなくてもよい。たとえば断面は、表面に対する垂直面から±5°程度傾斜した面であってもよい。
次に所定の元素または化合物でバインダーを修飾する。たとえば、PVDFのようにフッ素(F)を含有する樹脂の場合には、Fのマッピングを行えばよい。すなわちフッ素の分布はバインダーの分布とみなす。バインダーがフッ素系樹脂でない場合には、適宜指標となる元素が選択される。SBRのように炭素−炭素二重結合を含むバインダーの場合には、臭素(Br)等で当該二重結合を修飾できる。
バインダーを修飾した後、該断面をSEM−EDXで面分析して所定の元素のマッピングを行う。例えば、負極の断面を厚さ方向に2等分し、負極集電体側を第1領域、SE層側を第2領域とする。第2領域における所定の元素の検出強度の積算値を、第1領域における所定の元素の検出強度の積算値で除することにより、負極のマイグレーション指数を算出できる。バインダーが均一に分布していれば、マイグレーション指数は1.0に近い値となる。
負極及びSE層のマイグレーション指数は、負極及びSE層の形成に用いるスラリーの溶媒量や粘度等を調整することにより制御することができる。
前記負極上部におけるSEM−EDXにより算出される前記最上層(a)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積に対する前記上層(b)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積の比(上層(b)/最上層(a))の値と、上層(e)/下層(f)の値の合計が1.0〜1.6であるか、又は、
前記上層(e)/下層(f)の値が1.0以上のとき、前記上層(b)/最上層(a)の値と前記上層(e)/下層(f)の値との合計が1.4以上である。
本開示の電極積層体は、上記条件を満たすことにより、負極と固体電解質層との界面における負極と固体電解質層との接触不良を抑制することができる。
式(1)
SE層のマイグレーション指数(上層(e)/下層(f))=上層(e)のフッ素(F)の存在面積/下層(f)のFの存在面積
式(2)
負極上部のマイグレーション指数(上層(b)/最上層(a))=最上層(a)のFの存在面積/上層(b)のFの存在面積
前記負極下部におけるSEM−EDXにより算出される前記最下層(d)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積に対する前記下層(c)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積の比(下層(c)/最下層(d))の値が2.0以下であることが好ましい。
本開示で用いる負極下部のマイグレーション指数(下層(c)/最下層(d))は以下の式(3)から求められる。
式(3)
負極下部のマイグレーション指数(下層(c)/最下層(d))=下層(c)のFの存在面積/最下層(d)のFの存在面積
負極は、負極活物質とバインダーを含み、任意成分として、固体電解質、及び導電材等が含まれていてもよい。
リチウム合金としては、LiSn、LiSi、LiAl、LiGe、LiSb、LiP、及びLiIn等が挙げられる。
Si合金としては、Li等の金属との合金等が挙げられ、その他、Sn、Ge、及びAlからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属との合金であってもよい。
負極活物質の形状については、特に限定されるものではないが、例えば粒子状、薄膜状とすることができる。
負極活物質が粒子である場合の当該粒子の平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上30μm以下であることがより好ましい。
負極におけるバインダーの含有量は、負極の総質量を100質量%としたとき、下限が2.5質量%以上であればよく、上限は特に限定されないが、イオン伝導性を高める観点から、5.5質量%以下としてもよい。
負極における導電材の含有量は特に限定されないが、負極の総質量を100質量%としたとき、イオン伝導性を高める観点から、下限が1.7質量%以上であってもよく、上限が、負極容量を高める観点から、5.5質量%以下としてもよい。
負極集電体としては、電池の集電体として使用可能な公知の金属材料を用いることができる。そのような金属材料としては、SUS、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、及びIn等を例示することができる。
負極集電体の形態は特に限定されるものではなく、箔状、メッシュ状等、種々の形態とすることができる。
負極集電体には、外部端子と接続するための負極リードを備えていてもよい。
固体電解質層は、少なくとも固体電解質とバインダーを含む。
固体電解質は、硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2S−P2S5、Li2S−SiS2、LiX−Li2S−SiS2、LiX−Li2S−P2S5、LiX−Li2O−Li2S−P2S5、LiX−Li2S−P2O5、LiX−Li3PO4−P2S5、及びLi3PS4等が挙げられる。なお、上記「Li2S−P2S5」の記載は、Li2SおよびP2S5を含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。また、上記LiXの「X」は、ハロゲン元素を示す。上記LiXを含む原料組成物中にLiXは1種又は2種以上含まれていてもよい。LiXが2種以上含まれる場合、2種以上の混合比率は特に限定されるものではない。
硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2SとP2S5との質量比(Li2S/P2S5)が0.5以上となるように、Li2S及びP2S5を混合して作製される硫化物系固体電解質を挙げることができる。また、質量比でLi2S:P2S5が70:30となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製される硫化物系固体電解質が、イオン伝導性の点から好ましく用いられる。
硫化物系固体電解質における各元素のモル比は、原料における各元素の含有量を調製することにより制御できる。また、硫化物系固体電解質における各元素のモル比や組成は、例えば、ICP発光分析法で測定することができる。
硫化物系固体電解質の結晶状態は、例えば、硫化物系固体電解質に対してCuKα線を使用した粉末X線回折測定を行うことにより確認することができる。
メカニカルミリングは、原料組成物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でもボールミルが好ましく、特に遊星型ボールミルが好ましい。所望のガラスを効率良く得ることができるからである。
また、結晶は、例えば、ガラスを熱処理すること、又は、原料組成物に対して固相反応処理すること等により得ることができる。
熱処理温度は、ガラスの熱分析測定により観測される結晶化温度(Tc)よりも高い温度であればよく、通常、195℃以上である。一方、熱処理温度の上限は特に限定されない。
ガラスの結晶化温度(Tc)は、示差熱分析(DTA)により測定することができる。
熱処理時間は、所望の結晶化度が得られる時間であれば特に限定されるものではないが、例えば1分間〜24時間の範囲内であり、中でも、1分間〜10時間の範囲内が挙げられる。
熱処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、焼成炉を用いる方法を挙げることができる。
また、固体電解質の粒子の平均粒径(D50)は、特に限定されないが、下限が0.5μm以上であることが好ましく、上限が2μm以下であることが好ましい。
固体電解質は、1種単独で、又は2種以上のものを用いることができる。また、2種以上の固体電解質を用いる場合、2種以上の固体電解質を混合してもよい。
固体電解質層に含有させるバインダーは、固体電解質層の総質量を100質量%としたとき、下限が、0.8質量%以上であればよく、上限は、特に限定されないが、イオン伝導性を高める観点から、2.0質量%以下としてもよい。
本開示の電極積層体の製造方法は、前述した本開示の電極積層体を得ることができる方法であれば特に限定はされない。
接着する際に付与する圧力は、特に限定されないが、1〜100MPa程度であってもよい。
プレスする際の温度は、特に限定されず、材料の劣化温度未満となるように適宜調整してもよい。
プレスする際の加圧の方法としては、特に制限されないが、例えば、平板プレス、又はロールプレス等を用いて圧力を付加する方法等が挙げられる。
支持体上に負極を形成する方法としては、特に限定されないが、負極活物質、バインダー、及び溶媒並びに必要に応じ他の成分を含む負極用スラリーを用意し、当該負極用スラリーを支持体の一面上に塗布し、当該負極用スラリーを乾燥する方法等が挙げられる。
負極用スラリーに用いられる溶媒は、例えば酢酸ブチル、ヘプタン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
負極用スラリーを塗布する方法は、特に限定されず、ドクターブレード法、メタルマスク印刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
支持体としては、自己支持性を有するものを適宜選択して用いることができ、特に限定はされず、例えばアルミ、ニッケルなどの金属箔等を用いることができる。
固体電解質層を形成する方法としては、特に限定されないが、固体電解質、バインダー、及び溶媒並びに必要に応じ他の成分を含む固体電解質層用スラリーを用意し、当該固体電解質層用スラリーを支持体の一面上に塗布し、当該固体電解質層用スラリーを乾燥する方法等が挙げられる。溶媒や、塗布方法等は、負極の場合と同様である。
本開示の積層体は、全固体電池の層構成の一部として用いることができる。
全固体電池としては、負極の反応として金属リチウムの析出−溶解反応を利用した全固体リチウム電池、正極と負極との間をリチウムイオンが移動する全固体リチウムイオン電池、全固体ナトリウム電池、全固体マグネシウム電池及び全固体カルシウム電池等を挙げることができ、全固体リチウムイオン電池であってもよい。また、全固体電池は、一次電池であってもよく二次電池であってもよい。
全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、及び角型等を挙げることができる。
(負極及び負極集電体)
負極集電体としてニッケル箔(厚み18μm)を用いた。
転写用支持体としてアルミ箔(厚み15μm)を用いた。
負極活物質として一次粒径が0.8μmのチタン酸リチウム(LTO)の粒子を71.0質量部、固体電解質として一次粒径が0.5μmの硫化リンリチウムの粒子を23.9質量部、導電材として直径が0.15μmの炭素繊維(VGCF)を1.7質量部、バインダーとしてPVdFを3.4質量部、溶媒として酪酸ブチルを89質量部用意し、これらを混合し、負極用スラリーを調製した。
炉内温度を150℃に設定した熱風恒温槽において、当該スラリーをニッケル箔の両面に塗布し、乾燥させて、ニッケル箔の両面に負極A(厚み65μm)を形成した。
一方、炉内温度を150℃に設定した熱風恒温槽において、当該スラリーをアルミ箔の片面に塗布し、乾燥させて、アルミ箔の片面に負極B(厚み65μm)を形成した。
そして、負極Aと負極Bを重ねあわせ、25℃、1t/cm2の条件でプレスを行い、負極Aと負極Bを接着させて、負極Bのアルミ箔を剥離し、ニッケル箔上に負極Aと負極Bの積層体(厚み103μm)を形成させた。
転写用支持体としてアルミ箔(厚み15μm)を用いた。
固体電解質として一次粒径が2.0μmの硫化リンリチウムの粒子を99.0質量部、バインダーとして PVdFを1.0質量部、溶媒として酪酸ブチルを75.4質量部用意し、これらを混合し固体電解質層用スラリーを調製した。
炉内温度を150℃に設定した熱風恒温槽において、当該スラリーをアルミ箔の片面に塗布し、乾燥させて、アルミ箔の片面に固体電解質層を形成した。
上記で得た負極Aと負極Bの積層体の負極Bと固体電解質層とを重ねあわせ、25℃、1t/cm2の条件でプレスを行い、負極Bと固体電解質層を接着させ、固体電解質層のアルミ箔を剥離し、負極A、ニッケル箔、負極A、負極B、固体電解質層がこの順で積層してなる電極積層体を得た。
当該電極積層体において、負極Bが負極上部であり、負極Aが負極下部である。
SEM−EDX分析により、固体電解質層のマイグレーション指数(上層(e)/下層(f))、負極上部のマイグレーション指数(上層(b)/最上層(a))、負極下部のマイグレーション指数(下層(c)/最下層(d))をそれぞれ算出した。結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例1における固体電解質層のマイグレーション指数(上層(e)/下層(f))は、0.4であり、負極上部のマイグレーション指数(上層(b)/最上層(a))は、0.4であり、負極下部のマイグレーション指数(下層(c)/最下層(d))は、1.5であった。
得られた電極積層体の負極B(負極上部)と固体電解質層との接着性(剥離の有無)及び負極A(負極下部)と負極集電体との接着性(剥離の有無)を確認した。評価方法は、電極積層体を5個作成し5個中一個でも負極B(負極上部)と固体電解質層との接着不良があれば接着性が悪いとして×とし、5個全て剥離が確認されなければ接着性良好として○とした。結果を表1に示す。
上記同様に、得られた電極積層体の負極A(負極下部)と負極集電体との接着性(剥離の有無)を確認した。結果を表1に示す。
比較例2〜9については表1に、実施例1〜14については表2に、実施例15〜27については表3に、比較例10〜15及び実施例28〜33については表4に、実施例34〜37については表5に示すように、固体電解質層のマイグレーション指数(上層(e)/下層(f))、負極上部のマイグレーション指数(上層(b)/最上層(a))、負極下部のマイグレーション指数(下層(c)/最下層(d))、負極のバインダーの種類、固体電解質層のバインダーの種類、負極のバインダーの含量、及び固体電解質層のバインダーの含量の少なくともいずれか一つを変更したこと以外は比較例1と同様に電極積層体を作製し、マイグレーション指数算出および、接着性評価を行った。
一方、固体電解質層のマイグレーション指数(上層(e)/下層(f))が0.6の比較例5、7、9において、固体電解質層のマイグレーション指数(上層(e)/下層(f))と負極上部のマイグレーション指数(上層(b)/最上層(a))の合計が1.6を超え、2.1〜3.1であると、負極上部とSE層の接着性が悪いことがわかる。
Claims (1)
- 負極集電体と負極と固体電解質層とがこの順に積層された全固体電池用の電極積層体であって、
前記負極及び前記固体電解質層が、バインダーとしてフッ化物系バインダーを含み、
前記負極の総質量を100質量%としたとき、前記負極中に前記バインダーが2.5質量%以上含まれ、
前記固体電解質層の総質量を100質量%としたとき、前記固体電解質層中に前記バインダーが0.8質量%以上含まれ、
前記固体電解質層を積層方向に対して垂直に二等分割して前記負極側を固体電解質層の上層(e)とし、もう一方を固体電解質層の下層(f)とし、
前記負極を積層方向に対して垂直に二等分割して前記固体電解質層側を負極上部とし、前記負極集電体側を負極下部とし、
さらに、前記負極上部を積層方向に対して垂直に二等分割して前記固体電解質層側を負極の最上層(a)とし、前記負極集電体側を負極の上層(b)とし、
前記固体電解質層におけるSEM−EDXにより算出される前記下層(f)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積に対する前記上層(e)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積の比(上層(e)/下層(f))の値が、0.6のとき、
前記負極上部におけるSEM−EDXにより算出される前記最上層(a)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積に対する前記上層(b)の積層方向の断面における前記バインダーの存在面積の比(上層(b)/最上層(a))の値と、前記上層(e)/下層(f)の値の合計が1.0〜1.6であるか、又は、
前記上層(e)/下層(f)の値が1.0以上のとき、前記上層(b)/最上層(a)の値と前記上層(e)/下層(f)の値との合計が1.4以上であることを特徴とする電極積層体。
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