JP5975072B2 - 固体電池用負極の製造方法及び固体電池の製造方法、並びに、負極用スラリー - Google Patents

固体電池用負極の製造方法及び固体電池の製造方法、並びに、負極用スラリー Download PDF

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Description

本発明は固体電池用負極の製造方法に関する。
安全性に優れる電池の一つとして固体電池が知られている。固体電池は活物質等を含む電極、及び、電極間のセパレータ層として固体電解質層を備えてなる。このような電極や固体電解質層は、活物質や固体電解質等を溶媒に分散させたスラリーを用いて容易に製造可能である。例えば、特許文献1に記載されているように、電極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合してスラリーを作製し、当該スラリーを塗工した後、乾燥させる工程を経て、所望の電極層を得ることができる。
特開2013−118143号公報
従来においては、例えば、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いていた。バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いる場合、ポリフッ化ビニリデンの溶解性の観点から、溶媒としてN−メチルピロリドン等を好適に用いることができる。
しかしながら、本発明者らが鋭意研究したところ、N−メチルピロリドンは硫化物系固体電解質と反応し、電解質のリチウムイオン伝導度を低下させてしまうことが分かった。
一方で、溶媒として酪酸ブチルなどのエステル系溶媒或いはジブチルエーテル等のエーテル系溶媒を用いた場合、溶媒に対するポリフッ化ビニリデンの溶解性等が問題となる。この観点から、従来においては、フッ化ビニリデンと他の単量体との共重合体とすることで、バインダーの溶媒に対する溶解性等を調整しており、特に好ましいバインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とテトラフルオロエチレン(TFE)との3成分系の共重合体を用いていた。
しかしながら、本発明者らが鋭意研究したところ、このような3成分系のバインダーを用いた場合、初期充電時に電池の容量が低下することを知見した。
また、従来のように、バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン或いはVDFとHFPとTFEとの3成分系の共重合体を用いた場合、集電体と電極層との間の接着力が十分でなく、固体電池を製造する際に電極に剥がれや割れが発生する場合があった。
以上のように、従来においては、固体電池の負極を製造するにあたって、硫化物系固体電解質の劣化を抑制すること、集電体と電極層との間で十分な接着力を担保すること、及び、負極起因の容量劣化を抑制することを両立することはできなかった。
そこで本発明は、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と負極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、負極起因の容量劣化を抑制することもできる、固体電池用負極の製造方法、及び、固体電池の製造方法、並びに、負極用スラリーを提供することを課題とする。
負極用スラリーを用いた固体電池用負極の製造方法に関し、本発明者らが鋭意研究を進めたところ、以下の数々の知見を得た。
(1)負極において、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とテトラフルオロエチレン(TFE)との3成分系の共重合体を用いた場合、固体電池の初期充電時に、3V付近でバインダーが還元分解を起こし、負極に起因する不可逆容量が発生する(すなわち、電池容量が低下する)。これは、充電時にリチウムイオンとバインダーのTFE部分とが反応したためと推定される。この点を確認すべく鋭意研究し、実際にTFEを除いたバインダーにおいて負極起因の容量低下が起きないことを確認した。すなわち、電池の容量低下を抑制するためには、バインダーにTFEを使用しないことが有効である。
(2)硫化物系固体電解質の劣化を抑制するには、スラリーを構成する溶媒として硫化物系固体電解質との反応性の低い溶媒を用いることが有効である。鋭意研究により、酪酸ブチル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのいずれかを用いることが有効であることを突き止めた。
(3)上記(1)に鑑み、電池の容量低下を抑制するため、TFEを使用しないバインダーとして1成分系のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた場合、上記(2)の酪酸ブチル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのいずれにも良好に溶解も分散もさせることができず、負極層と集電体との間の接着性も確保できない。
(4)上記(1)に鑑み、電池の容量低下を抑制するため、TFEを使用しないバインダーとしてVDFとHFPとの2成分系のバインダーを用いた場合、上記(2)のうちジブチルエーテル及びシクロペンチルメチルエーテルに対しては良好に溶解も分散もさせることができず、負極層と集電体との間の接着性も確保できない。一方、上記(2)のうち酪酸ブチルに対しては、バインダーにおける共重合比が特定の場合に限り、バインダーを酪酸ブチルに高度に分散させることができ、負極とした場合に負極層と集電体との間で十分な接着力を確保することもできる。具体的には、バインダーにおけるHFPの共重合比(モル比)を10%以上とする。
(5)一方、VDFとHFPとの2成分系バインダーにおいて、HFPの共重合比(モル比)を20%超とした場合、HFPの共重合比の増加とともに柔軟性が増していき、バインダーが柔らかくなってしまう。すなわち、バインダーとして適切に機能させるために、バインダーにおけるHFPの共重合比(モル比)は25%以下、好ましくは20%以下とする。
(6)以上の通り、固体電池用負極の製造に際しては、所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いた場合に限り、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と負極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、負極起因の容量劣化を抑制することもできる。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。すなわち、
第1の本発明は、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して負極用スラリーを作製する工程、作製した負極用スラリーを塗工する工程、及び、塗工した負極用スラリーを乾燥させる工程、を備え、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともにVDF単量体単位とHFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上25%以下である共重合体を用いる、固体電池用負極の製造方法である。
本発明において、「負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して負極用スラリーを作製する」とは、負極活物質、硫化物系固体電解質、バインダー及び溶媒に加えて、負極活物質、硫化物系固体電解質、バインダー及び溶媒以外の任意成分を混合して負極スラリーを作製しても良い趣旨である。
第1の本発明において、スラリーを作製する工程が、溶媒にバインダーを添加した後で静置し、当該バインダーを膨潤させる工程と、バインダーを膨潤させた後でバインダーを溶媒に分散させる工程と、を備えることが好ましい。
この場合は、溶媒にバインダーを添加した後でバインダーが透明状態となるまで静置することが好ましい。「透明状態」とは、溶媒において膨潤したバインダーの向こう側が目視で透けて見える状態をいい、半透明をも含む概念である。例えば、溶媒中でバインダーを2時間以上静置することでバインダーを「透明状態」とすることができる。
第1の本発明では、スラリーを作製する工程において、負極活物質100質量部に対してバインダーを0.5質量部以上3.5質量部以下含ませることが好ましい。
第2の本発明は、第1の本発明に係る製造方法により得られた固体電池用負極と固体電解質を含む固体電解質層と正極活物質を含む正極とを積層する工程を備える、固体電池の製造方法である。
第3の本発明は、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを含み、溶媒が酪酸ブチルであり、バインダーが、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上25%以下である共重合体である、スラリーである。
第3の本発明において、負極活物質100質量部に対してバインダーを0.5質量部以上3.5質量部以下含むことが好ましい。
本発明においては、固体電池用負極の製造に際して、バインダーとして所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いている。このような本発明によれば、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と負極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、負極起因の容量劣化を抑制することもできる、固体電池用負極の製造方法、及び、固体電池の製造方法を提供することができる。
実施例におけるバインダー溶液の調製手順を説明するための概略図である。 実施例における負極用スラリーの作製手順を説明するための概略図である。 実施例における固体電池の作製手順を説明するための概略図である。 負極の接着力を評価するための垂直剥離試験の方法を説明するための概略図である。 接着力の評価結果を示す図である。 酪酸ブチルにおける2成分系バインダーの膨潤を説明するための図である。 2成分系バインダーを酪酸ブチルにおいて膨潤させないまま短時間の超音波処理に供した場合に発生するダマ(ままこ)の様子を示す図である。
1.固体電池用負極の製造方法
本発明に係る固体電池用負極の製造方法は、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して負極用スラリーを作製する工程、作製した負極用スラリーを塗工する工程、及び、塗工した負極用スラリーを乾燥させる工程、を備え、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともにVDF単量体単位とHFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上25%以下である共重合体を用いることを特徴とする。
1.1.負極用スラリーを作製する工程
本発明においては、まず、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して負極用スラリーを作製する。以下、負極用スラリーを構成する各成分について説明する。
1.1.1.負極活物質
本発明において負極用スラリーには負極活物質が含まれている。負極活物質としては固体電池の負極活物質として公知の負極活物質を適用可能である。特に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を用いることが好ましい。例えば、リチウム合金、金属酸化物、グラファイトやハードカーボン等の炭素材料、ケイ素及びケイ素合金、LiTi12等を挙げることができる。特にグラファイトが好ましい。負極活物質の形状は特に限定されないが、粉末状が好ましい。
1.1.2.硫化物系固体電解質
本発明において負極用スラリーには硫化物系固体電解質が含まれている。硫化物系固体電解質としては、分子構造中又は組成中に硫黄原子を含む固体電解質であって、硫化物系固体電池の固体電解質として公知の硫化物固体電解質を適用可能である。特に、硫化物を含むガラス又はガラスセラミックス状の固体電解質であることが好ましい。例えば、Li、A(AはP、Si、Ge、Al及びBのうちの少なくとも一つ)、並びに、Sを含有する固体電解質が好ましく、これらにさらにハロゲン元素を含有する固体電解質がより好ましい。
具体的には、LiS−P、LiS−P、LiS−P−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiI−LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、LiPS−LiGeS、Li3.40.6Si0.4、Li3.250.25Ge0.76、Li4−xGe1−x等を例示することができる。固体電解質の形状は特に限定されないが、粉末状が好ましい。
1.1.3.バインダー
本発明において負極用スラリーにはバインダーが含まれている。本発明においてはバインダーとして従来とは異なるバインダーを用いる。具体的には、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなる2成分系のバインダーを用いる。これにより、固体電池とした場合において、初期充電時の電池容量の低下を抑制することができる。
本発明において用いられるバインダーは、VDF単量体単位とHFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上25%以下であることが重要である。HFP単量体単位のモル比が10%未満であると、バインダーを後述する溶媒(酪酸ブチル)に良好に分散させることができない場合があり、また、負極層と集電体との間で十分な接着力を確保することができなくなる場合もある。一方、HFP単量体単位のモル比が20%超であると、HFPの共重合比の増加とともに柔軟性が増していき、バインダーが柔らかくなる。すなわち、バインダーとして適切に機能させるために、バインダーにおけるHFPの共重合比(モル比)は25%以下、好ましくは20%以下とする。尚、HFPの共重合比が25%の場合であっても、硫化物系固体電解質との反応は抑制できる。また、HFPの共重合比が25%であっても、TFEを含んでいないため不可逆容量は発生しない。さらに、バインダーの接着力はHFPの共重合比の増加とともに増大する。すなわち、HFPの共重合比が25%であっても十分な接着力が担保される。
本発明は、バインダーの共重合比に関し、このように限られた範囲内で顕著且つ特有の効果を見出したものと言える。
本発明において用いられるバインダーは、その分子量の上限が好ましくは150万以下、より好ましくは91万以下、さらに好ましくは70万以下であり、下限が好ましくは27万以上、より好ましくは32万以上である。バインダーの分子量をこのような範囲とすることで、接着力等の諸特性に一層優れるバインダーとすることができる。
1.1.4.溶媒
本発明において負極用スラリーには溶媒が含まれている。本発明においては溶媒として酪酸ブチルを用いることが重要である。酪酸ブチルは上述した特定のバインダーを良好に分散させることができ、且つ、上述した硫化物系固体電解質との反応を抑制することもできる。
1.1.5.その他の任意成分
本発明において負極用スラリーには、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分以外の成分が含まれていてもよい。例えば、導電助剤等である。
負極用スラリーを作製する工程においては、上述の各成分を混合して負極用スラリーとする。各成分の混合順序は特に限定されるものではなく、溶媒中に各成分を添加して混合すればよい。ただし、バインダーが高度に分散した負極用スラリーを得る観点から、以下の方法で混合することが好ましい。
すなわち、負極用スラリーを作製する工程が、上述の溶媒に上述のバインダーを添加した後で静置し、該バインダーを膨潤させる工程と、バインダーを膨潤させた後でバインダーを溶媒に分散させる工程とを備える場合、バインダーを溶媒中に高度に分散させることができる。
本発明において用いられるバインダーは、酪酸ブチルに溶解し難い。しかしながら、バインダーを酪酸ブチルに添加した場合、バインダーに酪酸ブチルが浸透し、時間の経過とともにバインダーを膨潤させることができる。
本発明者らの鋭意研究により、溶媒にバインダーを添加した後でバインダーを膨潤させずに(すなわち、静置せずに)直ちに分散処理を行う場合、バインダーの表面が水あめ状態となり、解砕、分散が困難となる場合があることが分かった。このような場合であっても、分散処理を長時間行うことで所望の負極用スラリーを製造可能であるものの、分散処理を長時間とした場合、溶媒の蒸発等が懸念される。そこで、本発明者らは、短時間の分散処理で良好な分散性を得るため種々の工夫を試みた結果、バインダーを酪酸ブチルで膨潤させることで、バインダーの解砕、分散が容易となることを知見した。すなわち、酪酸ブチルにバインダーを添加した後で、静置してバインダーを膨潤させ、その後、分散処理を行うことで、短時間でバインダーを高度に分散させることができる。
尚、バインダーが膨潤したかどうかは、目視で容易に判断できる。すなわち、酪酸ブチルに添加した直後は酪酸ブチルの下部に固形状の白色のバインダーがはっきりと確認できるが、時間の経過とともに酪酸ブチルの浸透によってバインダーが膨らみ、半透明な状態となる。バインダーの膨潤度合いについては、引き続き行われる超音波処理の形態等に応じて適宜調整すればよい。このように、バインダーの大きさや色の変化を観察することで、バインダーが膨潤したか否かを容易に判断できる。
バインダー添加後の静置時間については、バインダーが膨潤したと判断される時間であればよい。バインダーの形態によって多少増減するものの、例えば、酪酸ブチル中で2時間以上静置することで、バインダーを十分に膨潤させることができる。
本発明においては、以下の手順で負極用スラリーを作製することが好ましい。
(1)酪酸ブチル中に上述のバインダーを添加し、一定時間静置後、超音波処理を施すことで、バインダーが酪酸ブチル中に高度に分散された「バインダー溶液(スラリー)」を得る。
(2)酪酸ブチルに、(1)で得られたバインダー溶液と別途用意した負極活物質又は硫化物系固体電解質とを添加し、分散処理(例えば超音波処理)を施すことで、負極活物質又は硫化物系固体電解質とバインダーとが酪酸ブチル中に高度に分散された「負極活物質・バインダースラリー」又は「固体電解質・バインダースラリー」を得る。
(3)(2)で得られた「負極活物質・バインダースラリー」又は「固体電解質・バインダースラリー」に硫化物系固体電解質又は負極活物質を添加し、分散処理(例えば超音波処理)を施すことで、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーとが酪酸ブチル中に高度に分散した「負極用スラリー」を得る。
このように、バインダー、負極活物質及び硫化物系固体電解質を段階的に添加し、逐次分散処理を施すことで、各成分が溶媒中に高度に分散された負極用スラリーを容易に得ることができる。これら以外の任意成分(導電助剤等)を添加する場合も同様で、逐次分散処理を施しつつ添加することが好ましい。
ただし、酪酸ブチル中に、バインダー、負極活物質及び硫化物系固体電解質、並びに、任意成分を一度に添加し、一度に分散処理を施した場合であっても、所望の負極用スラリーを得ることが可能である。
なお、分散処理の形態としては、一例として上記の超音波処理があげられる。また、他にも高速ディスクによる分散等も考えられる
負極用スラリーを作製する工程において、バインダー、負極活物質及び硫化物系固体電解質の混合比については、負極とした場合に適切に機能するような混合比であればよく、公知の混合比を採用できる。
ただし、本発明者らの知見によれば、上述の負極活物質100質量部に対して上述のバインダーを0.5質量部以上3.5質量部以下含ませることが特に好ましい。バインダーが少なすぎると、負極とした場合において負極層内の密着性及び負極層と集電体との間の密着性に劣り、負極のハンドリングが困難となる場合がある。一方、バインダーが多すぎると、負極の抵抗が大きくなって、十分な性能を有する固体電池を得ることができなくなる場合がある。
負極用スラリーを作製する工程において、溶媒に対する固形分(負極活物質、硫化物系固体電解質及びバインダー)の量は特に限定されるものではないが、例えば、負極用スラリーにおける固形分が30質量%以上75質量%以下となるようにすることが好ましい。このような固形分比率であれば、より容易に負極を製造することができる。固形分比率の下限はより好ましくは50質量%以上であり、上限はより好ましくは70質量%以下である。
1.2.負極用スラリーの塗工
本発明においては、上述のようにして作製された負極用スラリーを塗工する。例えば、負極用スラリーを基材上に塗工する。基材としては、金属箔や金属メッシュ等の負極集電体として機能する基材の他、後述の乾燥の後で、乾燥した負極層を容易に剥離可能な基材フィルム等を用いることもできる。或いは、固体電池の固体電解質層の表面に負極用スラリーを塗工してもよい。
これらの中でも、乾燥後に負極層と集電体とで優れた接着性が得られる観点からは、集電体の表面に負極用スラリーを塗工することが好ましい。集電体としては、負極集電体として公知のものをいずれも適用できる。例えば銅箔等が好適に用いられる。
負極用スラリーの塗工自体は公知の方法により実施可能である。例えば、スプレーによる塗工やドクターブレードを用いた塗工等が挙げられる。基材表面に均一且つ容易に負極用スラリーを塗工できる観点からは、ドクターブレードを用いて塗工することが好ましい。
1.3.負極用スラリーの乾燥
本発明においては、上述のようにして塗工された負極用スラリーを乾燥する。これにより基材表面に負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーとを含んだ負極層を形成することができ、固体電池用負極を得ることができる。ここで、本発明においては、溶媒として酪酸ブチルを用い、且つ、バインダーとして所定の2成分系のバインダーを用いているため、負極層の接着強度が高い。すなわち、基材表面に負極層を強固に接着させることができる。
乾燥は自然乾燥であってもよいし、加熱手段を用いた急速乾燥であってもよい。生産性に優れる観点からは急速乾燥が好ましい。乾燥温度や乾燥時間については、負極用スラリーに含まれる溶媒量や負極層とした場合の形態等に応じて適宜調整すればよい。
乾燥後に形成される負極層の形態(厚み等)については、特に限定されるものではなく、硫化物系固体電池の負極として適切な形態とすればよい。例えば50μm以上300μm以下の電極とすることが可能である。或いは、当該範囲を外れる電極であってもよく、電池設計に応じた電極を作製可能である。
以上の通り、本発明に係る固体電池用負極の製造方法によれば、バインダーとして所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いているため、溶媒との反応による硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と負極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、負極の容量劣化を抑制することもできる。
2.固体電池の製造方法
本発明は固体電池の製造方法としての側面も有する。すなわち、上述の固体電池用負極の製造方法により得られた固体電池用負極と固体電解質を含む固体電解質層と正極活物質を含む正極とを積層する工程を備える、固体電池の製造方法である。固体電池としては、上述の製造方法により得られる負極が用いられていればよく、負極以外の構成は特に限定されるものではない。ただし、固体電解質層及び正極の双方に上述の硫化物系固体電解質が含まれた硫化物系全固体電池とすることが好ましく、硫化物系全固体リチウム電池とすることが最も好ましい。
2.1.固体電解質層
固体電池を製造するにあたっては、固体電解質層を作製する必要がある。固体電解質層は公知の方法により容易に得られる。例えば、溶媒に固体電解質とバインダーとを添加して電解質スラリーを作製し、当該電解質スラリーを基材上に塗工したうえで、乾燥させることで、基材上に固体電解質層を形成することができる。ここから基材を除去することで固体電解質層が得られる。或いは、上述の負極の表面に電解質スラリーを塗布し、負極の表面に固体電解質層を直接形成してもよいし、後述の正極の表面に同様の方法で固体電解質層を直接形成してもよい。さらには、電解質スラリーを用いずに固体電解質層を作製することも可能である。すなわち、固体電解質粉末とバインダーとを乾式混合し、ホットプレス等によってプレス成形して固体電解質層を得てもよい。
尚、本発明はあくまでも負極の製造方法に特徴を有するものであって、固体電解質層についてはその形態は特に限定されるものではない。固体電解質層を作製するにあたって、バインダーや、電解質スラリーに用いられる溶媒は、上述した負極用スラリーに含まれるバインダーや酪酸ブチル以外のものを用いることもできる。例えば、バインダーとしてブタジエン系ゴムを用い、溶媒としてヘプタンを用いてもよい。また、固体電解質層に用いられる固体電解質は硫化物系固体電解質に限られない。例えば、酸化物系固体電解質を用いて固体電解質層を構成してもよい。ただし、より高性能な固体電池とする観点からは、固体電解質として上述した硫化物系固体電解質を用いて固体電解質層を構成することが好ましい。
2.2.正極
固体電池を製造するにあたっては、正極を作製する必要がある。正極は公知の方法により容易に得られる。例えば、溶媒に正極活物質と固体電解質とバインダーとを添加して正極用スラリーを作製し、当該正極用スラリーを基材上に塗工したうえで、乾燥させることで、基材上に正極層を形成することができる。この場合の基材は、上述した負極層を形成する場合と同様に、集電体等の各種基材を用いることができる。集電体としては、正極集電体として公知のものをいずれも適用できる。例えばアルミニウム箔等が好適に用いられる。或いは、上述の固体電解質層の表面に正極用スラリーを塗布し、固体電解質層の表面に正極層を直接形成してもよい。さらには、正極用スラリーを用いずに正極を作製することも可能である。すなわち、正極活物質粉末と固体電解質粉末とバインダーとを乾式混合し、集電体上でホットプレス等によってプレス成形して正極層を得てもよい。或いは、ホットプレスにより正極層を得た後、正極層の表面に集電体を貼りつけてもよい。
尚、本発明はあくまでも負極の製造方法に特徴を有するものであって、正極についてはその形態は特に限定されるものではない。正極を作製するにあたって、バインダーや、正極用スラリーに用いられる溶媒は、上述した負極用スラリーに含まれるバインダーや酪酸ブチル以外のものを用いることもできる。また、正極活物質としては固体電池の正極活物質として公知のものを用いればよい。特にリチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を用いることが好ましい。例えば、Liを含む複合酸化物等である。正極に含まれる固体電解質についても特に限定されず、上述の硫化物系固体電解質のほか、酸化物系固体電解質を用いることも可能である。ただし、より高性能な固体電池とする観点からは、固体電解質として上述した硫化物系固体電解質を用いて正極を構成することが好ましい。
このようにして得られた正極及び固体電解質層並びに上述の負極を所定の大きさに打ち抜いた後、互いに積層したうえで、適当な圧力にてプレス成形して一体化することで、正極、固体電解質層及び負極をこの順に備える発電体を製造することができる。そして当該発電体に適当な端子等を設け、電池ケース内に封入するなどして固体電池を容易に製造できる。ここで、本発明においては、負極において負極層と集電体との間で高い接着力が担保されている。そのため、負極を打ち抜く際、負極の割れや剥がれを抑制することができる。また、本発明においては、負極に含まれるバインダーにTFEが含まれていない。それゆえ、固体電池の初期充電時に電池の容量低下を抑制することができる。
3.負極用スラリー
本発明は固体電池の負極用スラリーとしての側面も有する。すなわち、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを含み、溶媒が酪酸ブチルであり、バインダーが、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともにVDF単量体単位とHFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上25%以下である共重合体である、負極用スラリーである。各成分の詳細については上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
このように、本発明に係る負極用スラリーによれば、バインダーとして所定の共重合比を有するVDFとHFPとの2成分系バインダーを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いているため、溶媒との反応による硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、負極とした場合に集電体と負極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、固体電池とした場合に初期充電時に負極起因の容量劣化を抑制することもできる
以下、実施例に基づいて、本発明について詳述するが、本発明は以下の具体的な形態に限定されるものではない。
1.従来のバインダーの課題
VDF単量体単位、TFE単量体単位及びHFP単量体単位からなる3成分系の共重合体をバインダーとして用いて負極を製造し、当該負極を用いて固体電池を製造し充放電を行ったところ、初期充電時に副反応に由来するプラトーが3V付近に観察され、電池の容量が低下した。鋭意研究したところ、当該バインダー中に含まれているTFE成分が初期充電時に還元分解したものと推定された。そこで、TFE成分を抜いたVDF及びHFPからなる2成分系のバインダーについての適用を試みた。
2.負極の作製
2.1.バインダー溶液の調製
図1に示す流れで、バインダー溶液を調製した。具体的には以下の通りである。
(調製例1)
ポリフッ化ビニリデン(PVDF、VDF100%)の粉末を、メタクリル酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、一晩攪拌してバインダー溶液(1)を調製した。ここで、バインダー溶液(1)全体を100質量%としてバインダーが20質量%含まれるようにした。尚、PVDFは酪酸ブチルに溶解も分散もできなかったため、バインダー溶液の溶媒として酪酸ブチルに替えてメタクリル酸ブチルを用いることとした。
(調製例2)
VDF:TFE:HFP=55モル%:25モル%:20モル%の比率で共重合してなる3成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、一晩攪拌してバインダーを溶解させ、バインダー溶液(2)を調製した。ここで、バインダー溶液(2)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
(調製例3)
HFP:VDF=10モル%:90モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(3)を調製した。ここで、バインダー溶液(3)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
(調製例4)
HFP:VDF=15モル%:85モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(4)を調製した。ここで、バインダー溶液(4)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
(調製例5)
HFP:VDF=20モル%:80モル%の比率で共重合してなる2成分系のバインダー粉末を用意し、これを酪酸ブチル(キシダ化学社製)中に添加し、2時間静置してバインダーを膨潤させた後で、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(1分)を3回繰り返し、バインダー溶液(5)を調製した。ここで、バインダー溶液(5)全体を100質量%としてバインダーが5質量%含まれるようにした。
尚、バインダーは酪酸ブチルに完全には溶解せず、溶媒中に高分散された。
2.2.負極用スラリーの作製
調製したバインダー溶液を用いて、図2に示す流れで、実施例及び比較例に係る負極用スラリーを作製した。具体的には以下の通りである。
(比較例1)
9mlPET容器中、調製例1に係るバインダー溶液(1)を、負極活物質である黒鉛(三菱化学社製)とともに溶媒である酪酸ブチル(キシダ化学社製)に添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を1回行い、「負極活物質・バインダースラリー」を調製した。尚、比較例1では、バインダー溶液(1)中の溶媒としてメタクリル酸ブチルを用いているため、結果として「負極活物質・バインダースラリー」及び「負極用スラリー」おける溶媒はメタクリル酸ブチルと酪酸ブチルとの混合溶媒となった。
得られた負極活物質・バインダースラリーに、調製例1に係るバインダー溶液(1)と硫化物系固体電解質(30LiI・70(0.75LiS・0.25P))とを添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を3回行うことで、負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーとが高度に分散した「負極用スラリー」を得た。ここで、メタクリル酸ブチルが全溶媒量に対して13質量%となるようにした。
最終的に得られた負極用スラリーにおいては、固形分比率が63質量%であった。また、負極活物質とバインダーとの含有比については、負極活物質100質量部に対してバインダーが3.5質量部であった。(尚、以下の実施例及び比較例でも同様の質量比、固形分比に調製した。)
(比較例2)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例3)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例4)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例5)
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(2)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例6)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例7)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例8)
溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例9)
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(3)を用い、且つ、溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例10)
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例9と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例11)
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例9と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例12)
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(5)を用い、且つ、溶媒として酪酸ブチル(nBB)に替えてN−メチルピロリドン(NMP)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例13)
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてジブチルエーテル(DBE)を用いたこと以外は、比較例12と同様にして負極用スラリーを得た。
(比較例14)
溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)に替えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと以外は、比較例12と同様にして負極用スラリーを得た。
<実施例1>
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(3)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
<実施例2>
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(4)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
<実施例3>
バインダー溶液(1)に替えてバインダー溶液(5)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして負極用スラリーを得た。
2.3.負極用スラリーの塗工・乾燥
各負極用スラリーを負極集電体である銅箔上にドクターブレードを用いて塗工し、乾燥させて、負極集電体の表面に厚み100μmの負極層が形成されてなる負極を得た。
3.正極の作製
溶媒として酪酸ブチル(キシダ化学社製)を、正極活物質として三元系活物質(日亜化学社製)を、固体電解質として上述の硫化物系固体電解質を、バインダーとして上述の3成分系のバインダーを用いて、正極用スラリーを作製し、作製した正極用スラリーを正極集電体であるアルミニウム箔上にドクターブレードを用いて塗工し、乾燥させて、正極集電体の表面に厚み80μmの正極層が形成されてなる正極を得た。正極層における正極活物質とバインダーとの質量比は正極活物質:バインダー=100:2.5とした。
正極用スラリーの作製は以下の通りとした。すなわち、溶媒である酪酸ブチルに導電助剤とバインダーを添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を1回行いスラリーを得た。得られたスラリーに固体電解質を添加し、前記超音波ホモジナイザーを用いて超音波処理(30秒)を2回行い、さらに正極活物質を添加して同様の前記超音波処理(30秒)を2回行った。正極活物質、固体電解質及びバインダーが高度に溶解又は分散された正極用スラリーを得た。尚、この時の固形分は60%であった。
4.固体電解質層の作製
溶媒としてヘプタンを、固体電解質として上述の硫化物系固体電解質を、バインダー溶液としてブタジエン系ゴムのヘプタン溶液を用いて、電解質スラリーを作製し、作製した電解質スラリーを剥離可能な基材(アルミニウム箔)上にドクターブレードを用いて塗工し、乾燥させたうえで、基材上に厚み40μmの固体電解質層を形成した。固体電解質層における固体電解質及びバインダーの質量比は固体電解質:バインダー=100質量部:1質量部とした。
電解質スラリーの作製は以下の通りとした。すなわち、溶媒であるヘプタンに固体電解質及びバインダー溶液を添加し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UD50(50W))を用いて超音波処理(30秒)を1回行い、固体電解質及びバインダーが高度に溶解又は分散された電解質スラリーを得た。尚、この時の固形分は37%であった。
5.固体電池の作製
作製した正極及び負極と固体電解質層とを打ち抜き加工した後で、図3に示すように正極及び負極を対向させ、基材を除去した固体電解質層を挟んで積層し、プレスして一体化させて、固体電池を作製した。
6.性能評価
6.1.溶媒とバインダーとの組み合わせが電池性能に及ぼす影響
(1)溶媒と電解質との反応性評価
上述の硫化物系固体電解質を溶媒と一定時間接触させ、溶媒に接触する前のリチウムイオン伝導率と溶媒に接触させた後のリチウムイオン伝導率とをそれぞれ測定し、溶媒と電解質との反応性を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:接触前と比較して、接触後においてもLiイオン伝導率90%以上を維持
×:溶媒と電解質との反応によって、電極形成が不可能となり、Liイオン伝導率の測定不可
(2)接着力評価
負極集電体と負極層との接着力を評価した。具体的には引張荷重測定機(アイコーエンジニアリング社製、RX−5/MODEL−2257)を用い、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、室温にて垂直剥離試験を行った。図4は、接着力の測定態様の概略を示した断面模式図である。図4中、二重波線は図の省略を意味する。まず、負極用スラリーを塗工した面13a(負極層)を上にして、両面テープ14によりサンプル13を台座15に固定した。引っ張り荷重測定機11のアタッチメント先端部11aに別の両面テープ12を貼り付け、当該両面テープの接着面をサンプル13側に向けた。引っ張り荷重測定機11を、サンプル13に対し、垂直に等速(約20mm/min)で下降させ、両面テープ12と負極用スラリーを塗工した面13a(負極層)とを接触させた後、引っ張り荷重測定機11を上昇させた。塗膜(負極層)が剥がれた際の引っ張り荷重を、当該サンプルの接着力とした。接着力を以下の評価基準で評価した。
○:10N/cm
△:2N/cm以上10N/cm以下
×:2N/cm未満
(3)負極容量の評価
作製した固体電池に対して充放電を行い、初期充電時に負極の容量低下が生じるか否かを評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:容量低下なし
×:容量低下あり
評価結果を下記表1に示す。
<溶媒と電解質との反応性の評価結果>
表1に示す通り、溶媒としてnBB、DBE、CPMEを用いた場合は、溶媒と硫化物系固体電解質との反応を抑制できた。一方、溶媒としてNMPを用いた場合(比較例2、6、9及び12)、溶媒と硫化物系固体電解質とが反応し負極の作製が困難となった。具体的には、硫化物系固体電解質が溶媒に溶解後、ベタついた状態のままとなり、乾燥ができなかった。当然、固体電池を作製することもできなかった。
<接着力の評価結果>
(溶媒としてnBBを用いた場合)
表1に示す通り、溶媒としてnBBを用いた場合は、バインダーの種類によって、接着性が大きく変化した。具体的には、バインダーとしてPVDFを用いた場合(比較例1)、負極層と集電体と接着力が2N/cm未満となり、固体電池の作製にあたって負極を打ち抜いた場合に、負極の剥がれや割れが確認され、固体電池の製造において歩留まりの低下が懸念された。
また、バインダーとしてVDFとTFEとHFPとの3成分系バインダーを用いた場合(比較例5)、接着力が2N/cm以上となったものの、固体電池の作製にあたって負極を打ち抜いた場合に、所定の頻度で負極の剥がれや割れが確認され、十分な接着力とは言えなかった。
一方、バインダーとしてVDFとHFPとを所定の比率で共重合して得られる2成分系のバインダーを用いた場合(実施例1〜3)、接着力が飛躍的に向上し、固体電池の作製にあたって負極を打ち抜いた場合にも、負極の剥がれや割れがほとんど生じなかった。
図5に、溶媒として酪酸ブチルを用い、バインダーとしてPVDF(HFP0%)、HFP10%の2成分系バインダー、HFP20%の2成分系バインダー、又は、従来の3成分系バインダーのいずれかを用いた場合において、負極の接着力を比較した結果を示す。図5から明らかなように、溶媒として酪酸ブチルを用い、且つ、バインダーとしてHFP10モル%〜20モル%の2成分系バインダーを用いた場合、極めて高い接着力が得られることが分かる。
(溶媒としてNMPを用いた場合)
上述の通り、溶媒としてNMPを用いた場合(比較例2、6、9及び12)、硫化物系固体電解質のべたつきを解消できず、負極そのものを作製できなかった。
(溶媒としてDBEを用いた場合)
表1に示す通り、溶媒としてDBEを用いた場合、バインダーの種類によらず、いずれも十分な接着力は得られなかった。具体的には、バインダーとしてPVDFを用いた場合(比較例3)、VDFとTFEとHFPとの3成分系バインダーを用いた場合(比較例7)、VDFとHFPとの2成分系バインダーを用いた場合(比較例10及び13)のいずれにおいても、負極の作製までは可能であったが、負極の打ち抜きが不可能なほど接着力が小さかった。
(溶媒としてCPMEを用いた場合)
表1に示す通り、溶媒としてCPMEを用いた場合も、バインダーの種類によらず、いずれも十分な接着力は得られなかった。ただし、DBEを用いた場合よりは若干接着力が向上し、ごく一部について負極の打ち抜きが可能であった。
<初期充電時における負極容量の低下の評価結果>
表1に示す結果から明らかなように、比較例1、4、5及び実施例1〜3についてのみ、固体電池を作製できた。しかしながら、バインダーとしてVDFとTFEとHFPとの3成分系バインダーを用いた場合、固体電池の初期充電時に3V付近にプラトーが現れ、負極の容量低下が確認された。それ以外のバインダーについては、プラトーは確認されず、負極容量は低下しなかった。具体的には、実施例に係る固体電池においては、初期充電効率(放電容量/充放電容量)を従来よりも2%程度向上させることができた。
以上の結果から、固体電池用負極の製造に際しては、負極用スラリーにおいてVDFとHFPとの2成分系バインダーであってHFPの共重合比(モル比)が10〜20%のものを用い、且つ、溶媒として酪酸ブチルを用いた場合に限り、硫化物系固体電解質の劣化を抑制でき、集電体と負極層との間で十分な接着力を担保でき、且つ、負極の容量劣化を抑制することもできることが分かる。
6.2.スラリー作製時のバインダー溶液の調製について
上記の実施例では、酪酸ブチルに2成分系バインダーを添加した後で、一定時間静置することにより、バインダーを膨潤させた後で、超音波処理に供するものとして説明した。以下、これによる効果について説明する。
図6に示すように、酪酸ブチルに2成分系バインダーを添加した直後は、白色顆粒状(2mm未満)のバインダーが酪酸ブチルの下方に沈殿したような状態となる(図6(A))。しかしながら、時間の経過とともにバインダー中に酪酸ブチルが浸透し、バインダーが膨潤して半透明な状態となる(図6(B))。このとき、膨潤した半透明なバインダーによって酪酸ブチルの下方に靄がかかったような状態となる。このようにバインダーを膨張させたうえで超音波処理に供することで、上述したような3分という短い時間でバインダーを酪酸ブチル中に高分散させることができる(図6(C))。
一方、酪酸ブチルにバインダーを添加した直後、バインダーを膨潤させることなく超音波処理に供した場合、バインダー粒子の外側が水飴状となって、バインダーを短時間で高分散させることができなくなる。例えば、3分間超音波処理した場合、図7に示すようにバインダーが凝集してダマ(ままこ)が発生してしまう。超音波処理を続行したところ、30分(膨潤処理を行う場合と比較して10倍)という長時間の間、超音波処理を続けることで、バインダーが酪酸ブチル中に高分散したバインダー溶液が得られた。ただし、超音波処理を長時間行った場合、溶媒温度が上昇して蒸発の懸念がある。すなわち、生産性の観点以外にも、濃度ズレ等の不具合を避ける観点から、処理時間はできるだけ短いほうがよい。
以上のように、負極用スラリーを作製する場合は、酪酸ブチルにバインダーを添加した後で静置し、バインダーを膨潤させたうえで、その後、超音波処理によってバインダーを溶媒に分散させることが好ましいことが分かった。特に、溶媒にバインダーを添加した後でバインダーが透明状態になるまで(実施例では2時間以上)静置することが好ましいことが分かった。
本発明により得られる固体電池用負極は、硫化物系固体電池の負極として、好適に利用可能である。特に、全固体リチウム二次電池の負極として有用である。

Claims (4)

  1. 負極活物質と硫化物系固体電解質とバインダーと溶媒とを混合して負極用スラリーを作製する工程、
    作製した前記負極用スラリーを塗工する工程、及び、
    塗工した前記負極用スラリーを乾燥させる工程、
    を備え、
    前記溶媒として酪酸ブチルを用い、
    前記バインダーとして、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位からなるとともに該VDF単量体単位と該HFP単量体単位との合計に対するHFP単量体単位のモル比が10%以上25%以下である共重合体を用い
    前記負極用スラリーを作製する工程が、前記溶媒に前記バインダーを添加した後で静置し、該バインダーを膨潤させる工程と、バインダーを膨潤させた後で前記バインダーを前記溶媒に分散させる工程と、を備える、
    固体電池用負極の製造方法。
  2. 前記溶媒に前記バインダーを添加した後、前記バインダーが透明状態となるまで静置する、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記負極用スラリーを作製する工程において、前記負極活物質100質量部に対して前記バインダーを0.5質量部以上3.5質量部以下含ませる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法により得られた固体電池用負極と固体電解質を含む固体電解質層と正極活物質を含む正極とを積層する工程を備える、固体電池の製造方法。
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