JP5618775B2 - 電池正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電極活物質がフッ素樹脂水性ディスパージョンおよび水溶性ポリアミドイミド樹脂を含む結着剤により結着されてなる電池正極、特にこれを備えたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、エネルギー密度が高くかつ小型軽量化が図れることから、高容量のポータブル電子機器用や自動車用のバッテリーとして、リチウムイオン二次電池が注目されている。このリチウムイオン二次電池は、活物質であるLiCoO2等のリチウム含有遷移金属酸化物を含む正極と、炭素材料を主成分とし充電時には該リチウムイオンを吸蔵し放電時には該リチウムイオンを放出することのできる負極、および有機溶媒にリチウムが含まれる支持塩が溶解されてなる非水電解液とから構成され、充放電を繰り返すことによって二次電池として機能することが知られている。
リチウムイオン二次電池に使用される電池正極は、金属集電体上に活物質層が形成された電極であり、この正極を製造する方法としては、正極活物質、カーボンブラックなどの導電材、結着剤及び分散剤を含むスラリーを調整し活物質層として集電体(一般的にアルミ箔が用いられる)にコーティングするのが一般的である。
結着剤は、二次電池の充放電時に生じる活物質の体積変化に耐えて活物質同士を結着させて亀裂を防止するほか、活物質層を集電体に結着(「接着」ともいう)させて活物質の剥離や脱落を防止する機能を持つが、通常、導電性に乏しいため、導電材が加えられ、安定した結着力と導電性とを備えて、電池の充放電特性を向上させる事が要求されている。
リチウムイオン二次電池正極用のフッ素樹脂系結着剤としては、従来、有機溶剤系のポリフッ化ビニリデン(PVDF)もしくは水性ディスパージョン系のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が使用されている。PTFEの場合は、極板作成時に圧延等によって剪断力を掛けることで繊維化して網目構造が形成されるため、電極材料間の結着力を保持しながら活物質の表面を覆う割合が少なく、高負荷特性に優れている。また、PTFEは電解液を吸収しても、PVDFに比して膨潤する度合いが小さく、活物質や導電材各粒子間距離を拡大しないため、安定した結着性を発揮できる。
しかし、PTFE等の水性ディスパージョン系結着剤を用いる場合、従来導電材として使用されているカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等が親油性であるので、これらを均一に水系分散媒中で正極材に分散させるため、カルボキシメチルセルロース(CMC)(特許文献1)やポリビニルアルコールなどの分散剤として作用する物質の添加が必要であった。ところがこれらの分散剤を用いた電池は、初期の結着力も充分ではない上に、使用されている間に分解し、結着力が低下したりガスを発生させて電池性能を劣化させ、また破裂や分解生成物による副反応を起こす危険性などの問題があった。
一方、結着剤として非水溶性のポリアミドイミド樹脂の使用も提案されている(特許文献2)。しかしこの場合、ガスの発生は起こらないが、上記PTFEを用いる場合と比較すると結着力が劣るという問題があった。
特開平2−158055号公報 特開2008−27766号公報
上記のように、PTFE等のフッ素樹脂水性ディスパージョンのみまたは非水溶性のポリアミドイミド樹脂のみを結着剤として使用した場合、またフッ素樹脂水性ディスパージョンと組み合わせてCMCを分散剤として用いる場合は、電極活物質や導電材の均一な分散、その活物質層の集電体への強固な結着、および充放電を経ても活物質層内外での結着力が低下しないことが要求されるところ、これらが充分なものとは言えず、電極活物質の能力を効率よく引き出すことができないため、長時間の使用また使用条件によって電池特性が低下していた。
集電体との結着(接着)力が不足すると、高温保存中や繰り返し充放電使用中に、集電体から活物質の剥離や脱落が生じて、充放電特性の低下や負荷特性の悪化を促す原因となる。特に振動が激しい自動車用電池用途では電極の集電体への結着力が非常に重要な点となっていて改善が求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、優れた電池性能を容易に得ることができ、かつ使用条件での電池特性の低下が少なく、かつ結着性に優れ、生産効率が高いため安価に製造できるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を行った。その結果、CMCの代わりに水溶性ポリアミドイミド樹脂をフッ素樹脂水性ディスパージョンと組み合わせて用いることにより、導電材を均一に分散させ、且つ電極活物質同士を強固に結着させるだけでなく、活物質層の集電体への結着(接着)力を向上させて、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は、フッ素樹脂水性ディスパージョンおよび水溶性ポリアミドイミド樹脂を含む結着剤により、電極活物質が結着されたリチウムイオン二次電池正極を提供する。フッ素樹脂水性ディスパージョンと水溶性ポリアミドイミド樹脂とを含む結着剤を用いることにより、電極活物質同士を強固に結着させるだけでなく、集電体であるアルミ箔表面と活物質層の結着(接着)力を向上させて集電体からの活物質の剥離や脱落を防ぎ、充放電特性の低下を抑えられる。また、分散剤であるCMC分解による電池性能劣化を避けることができる。
また本発明は、上記フッ素樹脂水性ディスパージョンが、ポリテトラフルオロエチレンである上記リチウムイオン二次電池正極を提供する。
さらに本発明は、フッ素樹脂水性ディスパージョンおよび水溶性ポリアミドイミド樹脂を含む結着剤により、電極活物質が結着された電池正極を備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池を提供する。
本発明は、リチウムイオン二次電池正極作製用の水系スラリー調整において、水溶性ポリアミドイミド樹脂をフッ素樹脂水性ディスパージョンと組み合わせて用いることにより、水溶性ポリアミドイミド樹脂のカーボン分散効果により滑らかで均一なスラリーが得られるほか、優れた結着剤として電極活物質同士を強固に結着させ、さらに集電体との結着(接着)力を向上させ、電極の剥離や脱落を抑制できる。その結果、電解液への耐膨潤性
に優れ、電極を高密度化しても高い容量を維持できる電池正極を提供できる。且つ、CMCや界面活性剤などの分散剤は不使用もしくは極少量に抑えられるため、CMCの分解によると思われる電池性能劣化も抑制できる。
実施例1〜3のサンプル電極における結着(接着)強度試験(碁盤目試験)の評価結果を示す表である。 比較例1〜3のサンプル電極における結着(接着)強度試験(碁盤目試験)の評価結果を示す表である。 充放電サイクル試験の結果を示したグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。また、本発明は、本明細書及び図面によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施し得る。
上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池は、フッ素樹脂水性ディスパージョンと水溶性ポリアミドイミド樹脂を含む結着剤により、電極活物質が均一且つ強固に結着されてなる電極を備えていることを特徴とする。
本発明において電極は、電極活物質と、フッ素樹脂水性ディスパージョンおよび水溶性ポリアミドイミド樹脂を含む結着剤のみから形成されたものを用いることもできるが、カーボンブラック等の導電材を選択し、電極活物質及びその導電材を上記結着剤を用いて均一に混合したものを集電体上に層状に結着(接着)して形成した電極を用いることが望ましい。こうした電極は、電極活物質、導電材及び上記結着剤を、分散媒を用いて互いに分散しあうように混合し、得られた合剤を集電体に塗布した後、分散媒を揮発させることにより形成することができる。
活物質層に使用される電極活物質および導電材は、当該技術分野で一般的に使用されているものであれば特に限定されない。
本発明において用いられる正極の電極活物質(本明細書中では「正極活物質」とも称する)としては、従来用いられているリチウム含有遷移金属酸化物粒子が好適であり、具体的にはLiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnCoO4、LiCoPo4等のリチウム酸化物、TiO2、MnO2、MoO3、V25等のカルコゲン化合物のうち一種、あるいは複数種が組み合わされて使用される。
導電材としては、従来の炭素材または金属もしくはその化合物を用いることができる。炭素材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等が活物質層内部の導電性及び活物質層と集電体間の界面での導電性を高めるために用いられる。
また活物質層には当該技術分野で従来使用されてきた他の成分、分散剤、界面活性剤等も適宜使用することができる。
電解液には、極性が大きく溶解力に優れたエチレンカーボネートやジエチルカーボネートのような非水溶媒が使用され、例えばLiPF6のような支持電解塩が添加されている。
結着剤は、この電解液に対して溶解や過度の膨潤を引き起こさないことが必要であり、結着剤が過度に膨潤すると活物質同士、あるいは活物質層と集電体間の接触不良が生じ、導電ネットワークが崩壊して電池容量や出力の低下の原因となる。
本発明において結着剤として好ましく用いられるフッ素樹脂水性ディスパージョンとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などが挙げられるが、繊維化による粒子同士の結着力向上を期待できることからPTFEがより好ましい。またこれらの混合であってもよく、例えばPTFE/FEP等の組み合わせが好ましい。
このPTFEを塗布した極板を圧延することによりPTFEが繊維化し、3次元網目構造を形成するので、結着剤間の結着力を持たせながらも反応面である活物質の表面全体を覆うことを抑制できる。
また、同様に本発明に用いられる水溶性ポリアミドイミド樹脂は、水溶性であるため水により任意の濃度への希釈が可能であり、実施例にて説明するようにフッ素樹脂水性ディスパージョン、特にPTFE製品と均一に分散することが可能である。
本発明に用いられる水溶性ポリアミドイミド樹脂は、極性溶媒中で、アミン成分としてジイソシアネート化合物またはジアミン化合物と、酸成分として三塩基酸無水物または三塩基酸無水物クロライドとを共重合させて得られるポリアミドイミド樹脂であり、この末端にあるカルボキシル基と塩を形成して親水基とするため塩基化合物で処理したものである。
ジイソシアネート化合物またはジアミン化合物、三塩基酸無水物または三塩基酸無水物クロライドは、それぞれ芳香族化合物を使用することが望ましい。ジイソシアネート化合物としては4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3′−ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート等が好ましく、ジアミン化合物としては4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン等が好ましい。また、三塩基酸無水物としてはトリメリット酸無水物等が好ましく、三塩基酸無水物クロライドとしてはトリメリット酸無水物クロライド等が好ましい。塩基性化合物としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン等のアルキルアミン、トリエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等のアルカノールアミンが好ましく使用される。
具体的な水溶性ポリアミドイミド樹脂及びその製造法は、特公昭60−6366号公報、特開2002−284993号公報、特開平10−67934号公報などに記載されている。このような水溶性ポリアミドイミド樹脂の市販品としては、日立化成工業(株)製HPC−1000(例えば、HPC−1000−28)などがあり、このような水溶性ポリアミドイミド樹脂は、例えば、固形分濃度約30%そしてN−メチル−2−ピロリドン/イオン水=50/50の水性溶媒として入手できる。耐熱性としてTg≧280℃、熱分解開始温度≧400℃、および機械特性として弾性率≧2.5GPを示すようなものは、特に好ましい。
正極用活物質と導電材の合計質量に対して、正極用結着剤に含まれる水溶性ポリアミドイミド樹脂の含有量は、0.01〜8質量%であることが好ましい。水溶性ポリアミドイミド樹脂の含有量が8質量%を超えると、得られる電極における電気抵抗値が高くなる傾向がある。また、0.01質量%未満であると、活物質と導電材および集電体との十分な結着性を得ることができない。
また使用されるフッ素樹脂水性ディスパージョンおよび水溶性ポリアミドイミド樹脂を含む結着剤固形分の量は、正極活物質100質量部に対して固形分として0.5〜15質量部が好ましく、0.05〜10質量部が特に好ましい。この量が0.5質量部より少ないと結着不良になりやすく、15質量部より多いと正極活物質や導電材である炭素粉末の量が相対的に少なくなる。
本発明における電池正極用スラリーを製造する条件や方法は、特に限定されず、二次電池正極用結着剤と活物質と導電材とを常温もしくは適当に制御された温度で混合した後、機械的分散処理、超音波分散処理等が使用できる。また、必要に応じて上述した他成分や溶媒などを添加することもできる。
均一な分散状態を確保するためにある程度強いシェアを掛ける必要がある導電材を使用する場合には、正極活物質と炭素粉末および水溶性ポリアミドイミド樹脂を水系媒体に溶解させた溶液を加えて混練りし、その後さらにPTFE溶液を加えて混練りする。
本発明における電池正極用スラリーを集電体上に塗布乾燥することにより、正極を形成することができる。集電体としては、導電性を有する物質であればよく、例えばアルミニウム、ニッケル、銅などの金属が挙げられる。集電体の厚みに特に制限はないが、通常5〜50μmの薄膜が用いられる。
スラリーを集電体上に塗布する方法としては、例えばドクターブレードやアプリケーター等を用いる方法が挙げられ、水性媒体を除去する方法としては、例えば60〜180℃、好ましくは80〜150℃で5〜120分間乾燥し、さらに例えば120℃で数時間減圧乾燥する方法も挙げられる。塗布、乾燥後の電極の厚みは30〜150μmが好ましい。電極の厚みや密度を制御するために、例えばロールプレス機によってプレスすることが好ましい。
以下、製造例、実施例、試験例または比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
電極作製
(実施例1)
LiCoO2(日本化学セルシードC10N)とカーボンブラック(電気化学工業デンカブラック)と水溶性ポリアミドイミド(日立化成工業株式会社製 HPC−1000−28)をLiCoO2/カーボンブラック/水溶性ポリアミドイミド(PAI)=95/5/3になるように、またスラリーの固形分濃度が(ポリテトラフルオロエチレン水性ディスパージョン添加後に)70%になるように水を加えた。得られた混合物を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製あわとり練太郎 ARE−250)を用いて、2000rpmで5分間混練してスラリーを得た。次いで、ポリテトラフルオロエチレン水性ディスパージョン(PTFE)(三井・デュポンフロロケミカル(株)製 31−JR)をLiCoO2/カーボンブラック/水溶性ポリアミドイミド/PTFE=95/5/3/10になるようにスラリーに滴下し、更に2000rpmで3分間混合した。20cm幅、厚み20μmのアルミ箔を約7cm切り出し、ガラス板にアセトンを1ml程度まいて、切り出したアルミ箔をアセトンでガラス板に密着させた。更に、アセトンをアルミ箔上に1ml程度ふりまいて、ペーパータオルで拭くことでアルミ箔表面を脱脂した。得られたスラリーをガラス板上のアルミ箔の上にアプリケータ(BYK Gardner社製 4面アプリケータ PA−2021)を用いて、コーティングを行った(このときアプリケータとアルミ箔表面の空隙が100μmとなる)。得られた電極を150℃に設定した乾燥機
で30分間乾燥して、更に350℃に設定した熱風乾燥機で30分間乾燥して、サンプル電極を得た。
(実施例2)
LiCoO2/カーボンブラック/水溶性ポリアミドイミド/PTFE=95/5/3/5、スラリー固形分濃度70%になるように、実施例1と同様に電極を作製した。
(実施例3)
LiCoO2/カーボンブラック/水溶性ポリアミドイミド/PTFE=95/5/2/5、スラリー固形分濃度75%になるように、実施例1と同様に電極を作製した。
(実施例4)
LiCoO2/カーボンブラック/水溶性ポリアミドイミド/PTFE=95/5/2/3、スラリー固形分濃度70%になるように、実施例1と同様に電極を作製した。
(実施例5)
LiCoO2(日本化学セルシードC10N)とカーボンブラック(電気化学工業デンカブラック)と水溶性ポリアミドイミド(日立化成工業株式会社製 HPC−1000−28)をLiCoO2/カーボンブラック/ポリアミドイミド=95/5/2になるように、またスラリーの最終的な固形分濃度(PTFE水性ディスパージョン添加後)が70%になるように水を加えた。得られた混合物を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製あわとり練太郎 ARE−250)を用いて、2000rpmで5分間混練してスラリーを得た。次いで、ポリテトラフルオロエチレン水性ディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル(株)製 31−JR)及び、FEP水性ディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル(株)製 120−JRB)をLiCoO2/カーボンブラック/ポリアミドイミド/PTFE/FEP=95/5/2/1.5/1.5になるようにスラリーに滴下し、更に2000rpmで3分間混合した。以下のプロセスは実施例1と同様に行った。
(比較例1)
水溶性ポリアミドイミド(日立化成工業 HPC−1000−28)の代わりにカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(試薬グレード)の10wt%水溶液を用いる以外は実施例1と同様の工程でスラリーを作製した。
(配合 LiCoO2/カーボンブラック/CMC/PTFE=95/5/3/10、スラリー固形分濃度 70%)
コーティングも同様に行った。得られた電極を150℃に設定した乾燥機で30分間乾燥してサンプル電極を得た。
(比較例2)
LiCoO2/カーボンブラック/CMC/PTFE=95/5/3/5、スラリー固形分濃度40%になるように、実施例1と同様にスラリーを作製した。
(スラリー固形分濃度が50%以上では、スラリーがPTFEの繊維化によりダマになってしまい、平滑な電極が得られなかったので、スラリー固形分濃度を40%とした。)
コーティングも同様に行った。得られた電極を150℃に設定した乾燥機で30分間乾燥し、更に350℃に設定した熱風乾燥機で30分間乾燥して、サンプル電極を得た。
(比較例3)
LiCoO2(日本化学セルシードC10N)とカーボンブラック(電気化学工業デンカブラック)と水溶性ポリアミドイミド(日立化成工業株式会社製 HPC−1000−28)をLiCoO2/カーボンブラック/ポリアミドイミド=95/5/5になるよう
に、また混合物の固形分濃度が70%になるように水を加えた。得られた混合物を自転公転式ミキサー(株式会社シンキー製あわとり練太郎ARE−250)を用いて、2000rpmで5分間混練してスラリーを得た。このスラリーを実施例1と同様にアルミ箔上にコーティングを行い、150℃に設定した乾燥機で30分間乾燥し、更に350℃に設定した熱風乾燥機で30分間乾燥して、サンプル電極を得た。
(比較例4)
LiCoO2/カーボンブラック/CMC/PTFE=95/5/2/3、スラリー固形分濃度50%になるように、実施例1と同様にスラリーを作製した。
(スラリー固形分濃度が60%以上では、スラリーがPTFEの繊維化によりダマになってしまい、平滑な電極が得られなかったので、スラリー固形分濃度を50%とした。)
コーティングも同様に行った。得られた電極を150℃に設定した乾燥機で30分間乾燥し、サンプル電極を得た。
以下の表に上記実施例および比較例の配合組成(固形分重量比)およびスラリー濃度を示す。
結着強度試験(碁盤目試験)
得られた電極表面にカミソリを用いて1mm幅で切り込みを入れて、次にその切り込みと垂直に同様に1mm幅の切り込みを入れて10×10のマス目状の切り込みを作った。この切り込み部分にセロテープを貼り、親指の腹でしっかりと押さえた後、テープを電極から剥がした。同じ切り込みを入れた部分にセロテープを貼って剥がすことを計3回繰り返し、その様子を観察した。その結果を図1および図2に示す。
CMCを用いる比較例1ではテープに電極の部分がかなり付いてきてしまうのに対し、CMCの代わりにPAIを用いる以外は比較例1と同じ条件の実施例1ではテープにはほとんど電極が付かずに、アルミ箔上に電極が残っていた。
また、実施例2、3の電極では、カミソリで切り込みを入れた部分はテープと共に剥離してしまうが、それ以外の部分では、電極膜はアルミ箔上に残っていた。
これに対し、比較例2では全面的に電極膜が剥離してしまい、アルミ箔表面が完全に露出した。
結着剤としてPAIのみを用いた比較例3でも、全面的に電極膜が剥離してしまい、アルミ箔表面が完全に露出した。また、比較例3の電極は膜が硬く、曲げると割れてしまっていた。
結着強度試験(ピール試験)
得られた電極を5cm×10cmのアルミ板に両面テープを用いて張り付けた。ScotchテープNo.898を30cm程度切り取り、テープ端から11cm部分で折り返した。残った部分を電極表面に貼り付け、消しゴムで押さえつけて圧着した。(参考:JIS K6894)
引っ張り試験機(テンシロン)を用いて、速度50mm/minで距離110mmで180°剥離を行った。
引っ張り距離0〜110mmの間の積分平均荷重を測定した。
下表がその結果である。表中、配合組成は固形分重量比である。
比較例3のサンプル電極は、柔軟性がなく、アルミ箔上でひび割れしているため、テストピースを作製することができず、試験を実施することができなかった。
充放電サイクル試験
実施例1、比較例1で得られた電極をφ30で円形に打ち抜き、150℃で3時間真空
乾燥させたものを正極として用い、負極に金属リチウム箔を用い、電解液として1.0M
LiPF6溶液(溶媒:キシダ化学 EC/DMC=3/7)を用い、セパレータとしてセルガード#2400を用いて、アルゴン雰囲気にしたグローブボックス中でHSセル(宝泉(株)製)電池セルを作製した。
LiCoO2 1g当たり140mAhを1Cとして、充電・放電とも0.2Cで充放電サイクル試験を行った。電圧は負極である金属リチウムに対して3〜4.2Vとした。その結果を図3に示す。
結果、実施例1の電極では、活物質であるコバルト酸リチウムの質量1g当たりの初期放電容量が147.3mAhであったのに対し、比較例1の電極では145.6mAhであった。20サイクル目では、実施例1の電極では、コバルト酸リチウムの質量1g当たりの放電容量が145.0mAhであったのに対し、比較例1の電極では142.1mAhであった。20サイクル時点での容量保持率を計算すると、実施例1の電極では98.4%であったのに対し、比較例1の電極では、97.6%と若干ではあるが、実施例1の電極のほうが容量劣化が小さかった。

Claims (3)

  1. フッ素樹脂水性ディスパージョンおよび水溶性ポリアミドイミド樹脂を含む結着剤により、電極活物質が結着されたリチウムイオン二次電池正極。
  2. 前記フッ素樹脂水性ディスパージョンが、ポリテトラフルオロエチレンである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池正極。
  3. フッ素樹脂水性ディスパージョンおよび水溶性ポリアミドイミド樹脂を含む結着剤により、電極活物質が結着された電池正極を備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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