JP2021136226A - 負極活物質層形成用組成物、およびそれを用いた負極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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敦志 門田
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Abstract

【課題】充放電サイクル特性および環境保全に優れた負極活物質層形成用組成物、およびそれを用いた負極およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】負極活物質と、導電助剤と、バインダーと、媒体と、塩基性化合物と、を含む負極活物質層形成用組成物において、前記負極活物質は、ケイ素(Si)元素を含み、前記バインダーは、ポリアミドイミドを含み、前記ポリアミドイミドはカルボキシル基を含み、前記媒体は、水を含み、前記カルボキシル基の酸価に対して、前記塩基性化合物が0.1〜20当量含まれる、負極活物質層形成用組成物が提供される。【選択図】図1

Description

本開示は、負極活物質層形成用組成物、およびそれを用いた負極およびリチウムイオン二次電池に関する。
近年、ビデオカメラ、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が広く普及しており、その小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、ポータブル電子機器の電源として、電池、特に軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池の開発が進められている。
特に、充放電反応にリチウムイオンの吸蔵および放出を利用するリチウムイオン二次電池は、鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも大きなエネルギー密度が得られるため、大きな期待が寄せられている。
リチウムイオン二次電池は、正極、負極、正極と負極とを絶縁するためのセパレータ、および正極と負極との間でリチウムイオンの移動を可能にするための電解液、によって主に構成され、前述の正極および前述の負極は、金属箔からなる集電体の両面または片面に各種の活物質層が塗布されてなるものである。正極は、正極用集電体の上に正極活物質層を有し、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウムなどの正極活物質が含まれている。一方、負極は、負極用集電体の上に負極活物質層を有し、例えば天然黒鉛、人造黒鉛などを含む負極活物質が含まれている。
ところが最近では、電子機器の高性能化、多機能化に伴って、電池容量のさらなる高容量化が求められており、これを受けて、黒鉛(理論容量372mAh/g)に代わる新規負極活物質が検討されている。
黒鉛に代わる高容量の負極活物質としては、リチウム金属、およびリチウムと合金化が可能なケイ素(Si)、ケイ素の酸化物(例えばSiO)、スズ(Sn)などの合金系負極材料が挙げられるが、特にケイ素(4199mAh/g)、ケイ素酸化物(2000mAh/g)では高い理論容量を示すことから、電池容量の大幅な向上が期待される。
ところが負極活物質としてケイ素を用いると、充放電時に負極活物質層が激しく膨張および収縮するため、負極に多大な応力が加わる。その結果、集電体上に形成された負極活物質層にクラックが発生したり、負極活物質層と集電体との間で剥離を生じたり、負極活物質層の見かけの厚さが増加するといった問題がある。
これにより、電池容量の高容量化が図られる一方で、このような体積膨張(以下、膨張収縮と記することがある)によって、負極活物質−負極活物質、および負極活物質−集電体での導電パスが遮断され、その結果、リチウムイオン二次電池の重要な特性である充放電サイクル特性が低下するといった課題があった。
前述した課題に対して、例えば、高強度を有するバインダーとしてポリイミドや、ポリアミドイミドを負極用バインダーに用いることが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかしながら、昨今における市場の要求は留まらず、更なる充放電サイクル特性の改善が求められている。
また近年、環境保全の面から集電体への負極活物質層の塗布の際に、有機溶剤に代わり媒体として水を使用することが求められている。例えば、樹脂末端に残存するカルボキシル基と塩基性化合物を作用させた水溶性ポリアミドイミドが報告されているものの(特許文献4参照)、負極用バインダーへの適用にはまだ特性が不十分であった。
特開2007−242405公報
特開2010−205609公報
特開2011−048969公報
特開2002−284993公報
本開示は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、充放電サイクル特性および環境保全に優れた負極活物質層形成用組成物、およびそれを用いた負極およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、負極活物質と、導電助剤と、バインダーと、媒体と、塩基性化合物と、を含む負極活物質層形成用組成物において、前記負極活物質は、ケイ素(Si)元素を含み、前記バインダーは、ポリアミドイミドを含み、前記ポリアミドイミドはカルボキシル基を含み、前記媒体は、水を含み、前記カルボキシル基の酸価に対して、前記塩基性化合物が0.1〜20当量含まれる、負極活物質層形成用組成物が提供される。
この観点によれば、バインダーであるポリアミドイミドを効果的に水溶化することが可能となり、また、塩基性化合物が活物質表面に吸着しやすいことで、活物質とバインダーとの結着性に優れた負極活物質層形成用組成物が実現可能となる。
また、ポリアミドイミドの数平均分子量が、5,000〜50,000であって、かつ、酸価が5〜100である負極活物質層形成用組成物が提供される。
この観点によれば、負極活物質の膨張収縮に耐えるだけの十分な機械的強度を持つポリアミドイミドを得ることが可能であり、さらには、安定性の高い負極活物質層形成用組成物が提供される。
また、ポリアミドイミドが、脂肪族構造を含む負極活物質層形成用組成物が提供される。
この観点によれば、負極活物質の膨張収縮への耐久性が更に向上する。
また、集電体と、上記の何れかに記載の負極活物質層形成用組成物から形成された負極活物質層と、を含む負極が提供される。
この観点によれば、サイクル特性に優れた負極が実現可能となる。
また、上記の負極と、正極と、セパレータと、電解液と、を含むリチウムイオン二次電池が提供される。
この観点によれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が実現可能となる。
以上説明したように本開示によれば、負極活物質層形成用組成物、およびそれを用いた負極およびリチウムイオン二次電池のサイクル特性が大幅に向上する。
本開示の実施形態に係る二次電池を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[二次電池の構成]
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る二次電池100の構成について説明する。
二次電池100は、正極20と、負極30と、セパレータ層10とを備える。二次電池100の形態は、特に限定されない。即ち、二次電池100は、円筒形、角形、ラミネート形、ボタン形等のいずれであってもよい。
負極30は、負極集電体32と、負極活物質層34とを有する。
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
負極活物質層34は、負極活物質、負極導電助剤、負極バインダー、塩基性化合物および媒体である水を混ぜることで負極活物質層形成用組成物を調整し、この組成物を負極集電体32上に塗工、乾燥し、必要に応じて圧延することで形成される。
負極活物質としては、ケイ素(Si)元素を含むものが好ましい。ケイ素元素を含むものとしてはシリコン、またはケイ素化合物が挙げられる。それらの2種以上を併用してもよい。
ケイ素化合物としては、例えば、SiOxで示される、ケイ素と酸素を構成元素に含む化合物が挙げられる。xは、0.5≦x≦1.5の範囲が好ましい。(以下、「SiOx」と表記する)。
上記SiOxは、Siの微結晶または非晶質相を含んでいてもよく、この場合、SiとOの原子比は、Siの微結晶または非晶質相のSiを含めた比率となる。すなわち、SiOxには、非晶質のSiOマトリックス中に、Si(例えば、微結晶Si)が分散した構造のものが含まれ、この非晶質のSiOと、その中に分散しているSiを合わせて、前記の原子比xが0.5≦x≦1.5を満足していればよい。例えば、非晶質のSiOマトリックス中に、Siが分散した構造で、SiOとSiのモル比が1:1の化合物の場合、x=1であるので、構造式としてはSiOで表記される。
また、SiOxを使用する場合、その表面を炭素で被覆していることが好ましい。SiOxは、導電性が乏しいため、負極活物質として用いる際には、良好な電池特性の確保のために、負極導電助剤を使用し、負極活物質層内におけるSiOxと負極導電助剤との混合・分散を良好にして、優れた導電ネットワークを形成する必要がある。そこで、SiOxの表面を炭素で被覆すれば、例えば、単にSiOxと負極導電助剤とを混合して使用する場合よりも、負極における導電ネットワークが良好に形成される。
負極導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。負極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、負極活物質層34は負極導電助剤を含まなくてもよい。
負極バインダーとしては、ポリアミドイミドが挙げられる。負極活物質同士を結合すると共に、負極活物質と負極集電体32とを結合する。
ポリアミドイミドは、塩基性極性溶媒中で、アミン成分としてジアミン化合物及び/又はジイソシアネート化合物と酸成分としてジカルボン酸化合物、ジオール化合物、三塩基酸無水物、三塩基酸無水物モノクロライド及び/又は四塩基酸無水物とを共重合させて得られる。上記製造法に用いられる代表的な化合物を次に列挙する。
ジアミン化合物及びジイソシアネート化合物としては、トリジン、ジヒドロキシベンジジン、ジアニシジン、ジアミノジフェニルメタン、ジメチルジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トルエンジアミン、ビス(トリフルオロメチル)ジアミノジフェニル、トリジンスルホン、ジアミノベンゾフェノン、チオジアニリン、スルホニルジアニリン、ジアミノベンズアニリド、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス[(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[(アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ジアミノベンジジン、ヘキサメチレンジアミン、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物、三塩基酸無水物、三塩基酸無水物モノクロライド及び四塩基酸無水物としては、ナフタレンジカルボン酸、ヒドロキシナフトエ酸、オキシナフトエ酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水トリメリット酸クロライド、セバシン酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシビフェニルカルボン酸、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリカーボネートジオール、ドデカン二酸、12−アミノドデカン酸、ブラシル酸、シュウ酸(無水物)、イタコン酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、3,3’−チオジプロピオン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、無水クエン酸、グルコン酸、乳酸、フマル酸、DL−リンゴ酸、キシリトール、D−ソルビトール、DL−アラニン、無水ピロメリット酸、オキシジフタル酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、ターフェニルテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
本開示のポリアミドイミドとしては、脂肪族構造を含むものが好ましい。負極バインダーが負極活物質の膨張収縮に耐えるためには、負極バインダーには伸縮性と強靭性の両立が求められる。ポリアミドイミドが、脂肪族構造を含むことによって、伸縮性を付与することが可能となり、ポリアミドイミド本来の強靭性との両立が実現できる。
脂肪族構造の導入には、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、12−アミノドデカン酸などの化合物を用いることが好ましい。
なお、ポリアミドイミドの製造に使用されるジアミン化合物、ジイソシアネート化合物、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物、三塩基酸無水物、三塩基酸無水物モノクロライド及び四塩基酸無水物は上記の化合物に限定されるものではなく、その他の脂肪族構造及び芳香族構造を有する多種多様な化合物を使用出来る。
ポリアミドイミドの重合に使用される塩基性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等を用いることが出来るが、アミドイミド化反応を高温で短時間に行うためには、N−メチル−2−ピロリドンなどの高沸点溶媒を用いることが好ましい。
また、溶媒の使用量には得に制限はないが、アミン成分と酸成分の総量100重量部に対して50〜500重量部とすることが好ましい。ポリアミドイミドの合成条件は多様であり、一概に特定できないが、通常、80〜170℃の温度で行われ、空気中の水分の影響を低減するため、窒素などの雰囲気下で行うことが好ましい。
本開示のポリアミドイミドは、数平均分子量が5,000から50,000のものが好ましい。数平均分子量が5,000未満では負極活物質の膨張収縮に耐えるだけの十分な機械的強度が得られず、50,000を超えると水溶性が低下したり、負極活物質層形成用組成物の粘度が高くなることで負極活物質や導電助剤の分散性が悪化する可能性がある。
なお、ポリアミドイミドの数平均分子量は、樹脂合成時にサンプルリングしてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に管理される。
また、本開示のポリアミドイミドは、ポリアミドイミドに含まれるカルボキシル基の酸価が5〜100であることが好ましい。5未満であると塩基性化合物と反応するカルボキシル基が不足するため、水溶化が困難となり、100を超えると最終的に得られる組成物が経日にてゲル化する可能性がある。
なお、ポリアミドイミドに含まれるカルボキシル基の酸価は、以下の方法で得ることができる。まず、ポリアミドイミドを約0.5gとり、これに1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンを約0.15g加え、さらにN−メチル−2−ピロリドンを約60g及びイオン交換水を約1ml加え、ポリアミドイミドが完全に溶解するまで攪拌する。これを0.05モル/lエタノール性水酸化カリウム溶液を使用して電位差滴定装置で滴定し、ポリアミドイミドに含まれるカルボキシル基の酸価を得る。
塩基性化合物としてはトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン等のアルキルアミン、メチルアニリン、ジメチルアニリン等のアルキルアニリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、シクロヘキサノールアミン、N−メチルシクロヘキサノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン等のアルカノールアミン類が適しているが、これら以外の塩基性化合物、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリ又はアンモニア水などを使用してもよく特に制限はない。中でも、トリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが好ましい。
ポリアミドイミド中に含まれるカルボキシル基の酸価に対して、塩基性化合物を0.1〜20当量含むことで、効果的にポリアミドイミドを水溶化することができる。塩基性化合物は、ポリアミドイミドの末端にあるカルボキシル基と塩を形成して親水性基となる。また、塩基性化合物がケイ素(Si)やケイ素化合物の活物質表面に吸着しやすいことで、負極バインダーであるポリアミドイミドとの結着性が大きく向上する。0.1当量未満ではポリアミドイミドの水溶化が困難となる可能性があり、20当量を越えるとポリアミドイミドの加水分解が促進され、組成物の長期の保存により特性低下をきたす可能性がある。
負極活物質層形成用組成物は、負極活物質、負極導電助剤、負極バインダー、塩基性化合物を媒体である水と混ぜることで調整する。組成物全体に対し、負極活物質は80〜95質量%、負極導電助剤は0.1〜10質量%、負極バインダーは0.5〜20質量%の範囲が好ましい。塩基性化合物は、上述の通り、ポリアミドイミド中に含まれるカルボキシル基の酸価に対して、0.1〜20当量配合する。
負極活物質および負極導電助剤の分散性を高めるため、攪拌機、デイゾルバー、ホモジナイザー、3本ロール、サンドミル、ボールミル等を適宜組み合わせて組成物を調整してもよい。
このようにして得られた負極活物質層形成用組成物は、粘度調整や負極集電体へ塗れ性改善のため、希釈溶媒を添加してもよい。希釈溶媒としては、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、γ‐ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ポリオール類、これらの低級アルキルエーテル化物、アセチル化物等を用いてもよい。
正極20は、正極集電体22と、その一面に設けられた正極活物質層24とを有する。正極集電体22は、導電性を有する材料により構成されていればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔などの金属薄板を用いることができる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および離脱させることが可能な材料、例えば、リチウム酸化物、リチウム硫化物、あるいはリチウムを含む層間化合物等のリチウム含有化合物が好適であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするには、一般式LixMOで表されるリチウム複合酸化物、あるいはリチウムを含んだ層間化合物が好ましい。なお、Mは1種類以上の遷移金属が好ましく、具体的には、コバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)、鉄、アルミニウム、バナジウム(V)、チタン(Ti)のうちの少なくとも1種が好ましい。xは、電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。また、他にもスピネル型結晶構造を有するマンガンスピネル(LiMn)や、オリビン型結晶構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO)なども、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。
具体的には、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、LiNixCoyMnzMaO(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素が挙げられる)、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素、またはVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNixCoyAlzO(0.9<x+y+z<1.1)などが挙げられる。また、これらの材料に限定することはなく、他にも、リチウムイオンを電気化学的に挿入および脱離する正極活物質材料であれば、特に制限はされない。
正極20に用いられる正極バインダーとしては、本実施形態のポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド、ポリウレタン、エチレンビニルアルコール、ポリアクリレート、などの溶剤系バインダー、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンーブタジエン共重合体などの水系バインダーが好適に用いることができる。
導電性を向上させることを目的として、正極導電助剤を添加してもよい。正極導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、正極活物質層24は正極導電助剤を含まなくてもよい。
正極活物質層24は、例えば、正極活物質、正極導電助剤、及び正極バインダーを適当な有機溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)に分散させることで組成物を形成し、この組成物を正極集電体22上に塗工、乾燥し、必要に応じて圧延することで形成される。
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布があげられる。
また、上記のセパレータ材料には無機粒子やポリマー成分がコートされていてもよい。無機粒子としては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウムなどの酸化物やチタン酸バリウムなどの誘電材料があげられる。ポリマー成分としては、負極用のバインダー類、正極用のバインダー類、高分子電解質類(ポリエチレングリコールやポリエチレンカーボネートなどの高分子材料とリチウム塩の複合物)、イオン交換樹脂類(ポリジメチルジアリルアンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸塩等)、その他には、ポリビニルアルコール、CMC、ポリブチラール、ポリアクリル酸などがあげられる。
非水電解液は、電解質であるアルカリ金属塩と、溶媒とを含む。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiSOCF、LiN(SOF)、LiN(SOCF、LiN(SOF)(SOCF)、LiN(SOCFCF、LiC(SOCFCF、LiC(SOCF、LiI、LiCl、LiF、LiPF(SOCF)、LiPF(SOCF等が挙げられる。ナトリウム塩としては、NaN(SOF)、NaN(SOCF等が挙げられる。カリウム塩としては、KN(SOF)、KN(SOCF等が挙げられる。
アルカリ金属塩の濃度は、0.8〜5.0mol/L程度であることが好ましい。
溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、3−フルオロプロピルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル等のカルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル、ジメチルスルホキシド、亜硫酸ジメチル等の鎖状スルホン酸エステル、スルホラン、プロパンサルトン等の環状スルホン酸エステル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、スクシノニトリル等のニトリル化合物、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、ジプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、トリグライム、テトラグライム等の鎖状エーテル、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル等のハイドロフルオロエーテル、リン酸トリエチル、リン酸トリメチル等のリン酸エステル類、メチルホスホン酸ジメチル等のホスホン酸エステル類、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのフッ素化エーテル類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。アルカリ金属塩の溶解性の観点から、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2―ジメトキシエタン、トリグライム、テトラグライム、アセトニトリルが好ましい。
また、溶媒としてイオン液体が含まれていてもよい。イオン液体としては、−30℃〜120℃で液体であるカチオン種とアニオン種とを含む化合物が使用できる。
カチオン種としては、窒素を含む窒素系カチオン、リンを含むリン系カチオン、硫黄を含む硫黄系カチオンを用いることができる。これらのカチオン成分は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。窒素系カチオンの例としては、イミダゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、アゾニアスピロカチオンなど鎖状または環状のアンモニウムカチオンを挙げることができる。リン系カチオンの例としては、鎖状または環状のホスホニウムカチオンが挙げられる。硫黄系カチオンの例としては、鎖状または環状のスルホニウムカチオンが挙げられる。
アニオン種としては、AlCl 、NO 、NO 、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF)2.3 、CHCO 、CFCO 、CHSO 、CFSO 、(CFSO、CCO 、CSO 、(CFSO)(CFCO)N、(CN)、次式で表されるイミドアニオン((SO(CF)xF)(SO2(CF2)yF)N(ただし、xとyはそれぞれ独立しており、0〜5の整数を示す。))、等が挙げられる。これらのアニオン種は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属塩の溶解性の観点から、カチオン成分としては、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオンが好ましく、アニオン成分としては、イミドアニオン、PF 、BF のアニオンが好ましく、さらに、(SOF)、(SOCF、(SOCF)(SOF)N、がより好ましい。
なお、非水電解液には、各種の添加剤(負極SEI(Solid Electrolyte Interface)形成剤、界面活性剤等)を添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレン、炭酸フェニルエチレン、コハク酸無水物、リチウムビスオキサラート、テトラフルオロホウ酸リチウム、ジニトリル化合物、プロパンスルトン、ブタンスルトン、プロペンスルトン、3−スルフォレン、フッ素化アリルエーテル、フッ素化アクリレート等が挙げられる。
外装体50は、その内部に積層体40及び電解液を密封するものである。外装体50は、電解液の外部への漏出や、外部からの二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、外装体50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
リード60、62は、アルミ等の導電助剤料から形成されている。そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体22、負極集電体32にそれぞれ溶接し、正極20の正極活物質層24と負極30の保護膜31との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解液と共に外装体50内に挿入し、外装体50の入り口をシールすることで二次電池100が製造される。
以下、本開示を実施例により具体的に説明する。実施例1〜14として、下記に記載の通りに、ポリアミドイミドの合成、負極活物質層形成用組成物の調合、負極および二次電池の作製を行い、ポリアミドイミドの数平均分子量、酸価、水溶性・安定性評価、また、二次電池のサイクル特性評価を行った。また、比較のために、比較例1〜3を作製し、同様に評価を行った。それらの結果を表1に示す。
(実施例1)
[ポリアミドイミドの合成]
無水トリメリット酸(全酸成分に対して100モル%)11.0g、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート14.5g(全アミン成分に対して100モル%)及びN−メチル−2−ピロリドン25gを乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して130℃まで上げ、このまま6時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド溶液を得た。
ポリアミドイミドの数平均分子量は20,000で、カルボキシル基の酸価は36であった。なお、数平均分子量は次の条件にて測定した。
機種:日立 L6000
検出器:日立 L4000型UV
波長:270nm
データ処理機:ATT 8
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5×2
前記ポリアミドイミド溶液を200mlのメタノールに投入し、析出したポリアミドイミドを回収した。回収したポリアミドイミドを60℃5時間真空乾燥した。
[負極活物質層形成用組成物の調合]
水38g、上記ポリアミドイミド1.4g、塩基性化合物としてトリエチルアミンを上記酸価に対して7当量添加し、1時間攪拌した。目視で、透明な溶液が得られれば、ポリアミドイミドが「水溶化可能」であるとし、未溶解の固体が確認できれば、「水溶化不可」としたところ、水溶化可能であった。また、この溶液を1週間放置し、再度、数平均分子量の測定を行い、安定性評価を行った。加水分解による数平均分子量の減少率が10%未満のものを「良好」、10%以上30%未満のものを「一部加水分解」、30%以上のものを「加水分解大」として評価したところ、良好であった。
次に、負極活物質として減圧下において1000℃の熱処理で不均化反応させたSiOxを25gと、導電助剤としてアセチレンブラック1.4gを上記溶液に添加し、ホモジナイザーで分散することで負極活物質層形成用組成物を得た。
[負極の作製]
上記組成物を負極集電体である銅箔上にドクターブレードで塗工し、100℃で2時間真空乾燥、圧延することで、負極活物質層34を形成した。金型を用いて22×32mmの電極サイズに打ち抜き、負極を作製した。
[正極の作製]
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO)を96wt%と、導電助剤としてケッチェンブラックを2wt%と、バインダーとしてPVDFを2wt%と、N−メチル−2−ピロリドンの溶媒とを混合分散させて、ペースト状の正極活物質層形成用組成物を調整した。上記組成物を正極集電体であるアルミニウム箔上にドクターブレードで塗工し、100℃で2時間真空乾燥、圧延することで、正極活物質層24を形成した。金型を用いて20×30mmの電極サイズに打ち抜き、正極を作製した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
作製した負極と、正極とを、厚さ16μmの24×35mmサイズのポリエチレン製のセパレーターを介して積層し、電極体を作製した。さらに、前述の電極体の負極において、負極活物質層を設けていない銅箔の突起端部にニッケル製の負極リードを取り付け、一方、正極においては、正極活物質層を設けていないアルミニウム箔の突起端部にアルミニウム製の正極リードを超音波融着機によって取り付けた。そしてこの電極体を、外装体用のアルミニウムのラミネートフィルムに融着させ、前述のラミネートフィルムを折り畳むことで前述の電極体を外装体内に挿入させた。外装体周囲の1辺を除いてヒートシールすることにより閉口部を形成し、この開口部より、EC/DECが3:7の割合で配合された溶媒中に、リチウム塩として1モル濃度のLiPFが添加された電解液を注入した。そして、前述の外装体の開口部を真空シール機によって減圧しながらヒートシールで密封し、リチウムイオン二次電池を作製した。
[充放電サイクル特性]
上記のリチウムイオン二次電池は、下記に示す充放電試験条件によって充放電を繰り返し、充放電サイクル特性を評価した。充放電サイクル試験条件は、25℃の温度下において、0.5Cの定電流で4.2Vになるまで定電流定電圧充電(CC−CV充電)させて充電容量を測定した。その後、1.0Cの定電流で電池電圧が2.5Vとなるまで定電流(CC放電)で放電させて放電容量を測定した。これを1サイクルとし、これを300サイクル繰り返した後の放電容量維持率によって、充放電サイクル特性を評価した。
なお、0.5Cとは公称容量値の容量を有する電池セルを定電流充電、または定電流放電した場合、2時間で充電および放電が終了となる電流値のことである。なお、1Cの場合では、1時間で充電および放電が終了となる電流値を意味する。
なお、300サイクル後の放電容量維持率は、以下の計算式によって定義される。300サイクル後の放電容量維持率(%)=(300サイクル後の放電容量/1サイクル後の放電容量)×100
(実施例2)
ポリアミドイミドの合成において、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して100モル%)を、ヘキサメチレンジイソシアネート(全アミン成分に対して50モル%)と4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して50モル%)に変更し、負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてトリエチルアミンをポリアミドイミドの酸価に対して0.1当量添加する以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてトリエチルアミンをポリアミドイミドの酸価に対して1当量添加する以外は、実施例2と同様に行った。
(実施例4)
負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてトリエチルアミンをポリアミドイミドの酸価に対して5当量添加する以外は、実施例2と同様に行った。
(実施例5)
負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてトリエチルアミンをポリアミドイミドの酸価に対して10当量添加する以外は、実施例2と同様に行った。
(実施例6)
負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてトリエチルアミンをポリアミドイミドの酸価に対して20当量添加する以外は、実施例2と同様に行った。
(実施例7)
ポリアミドイミドの合成において、無水トリメリット酸(全酸成分に対して100モル%)を無水トリメリット酸(全酸成分に対して80モル%)と無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸(全酸成分に対して20モル%)に変更し、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して100モル%)を、ヘキサメチレンジイソシアネート(全アミン成分に対して25モル%)と4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して75モル%)に変更し、加熱時間を1時間に変更し、さらに、負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてN,N−ジメチルエタノールアミンをポリアミドイミドの酸価に対して6当量添加する以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例8)
ポリアミドイミドの合成において、加熱時間を2時間に変更する以外は、実施例7と同様に行った。
(実施例9)
ポリアミドイミドの合成において、加熱時間を6時間に変更する以外は、実施例7と同様に行った。
(実施例10)
ポリアミドイミドの合成において、加熱時間を12時間に変更する以外は、実施例7と同様に行った。
(実施例11)
ポリアミドイミドの合成において、無水トリメリット酸(全酸成分に対して100モル%)を無水トリメリット酸(全酸成分に対して70モル%)とセバシン酸(全酸成分に対して30モル%)に変更し、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して100モル%)を、ヘキサメチレンジイソシアネート(全アミン成分に対して40モル%)と4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して60モル%)に変更し、負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてN−メチルモルホリンをポリアミドイミドの酸価に対して5当量添加する以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例12)
ポリアミドイミドの合成において、無水トリメリット酸(全酸成分に対して100モル%)を無水トリメリット酸(全酸成分に対して60モル%)とアジピン酸(全酸成分に対して40モル%)に変更し、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して100モル%)を、ヘキサメチレンジイソシアネート(全アミン成分に対して40モル%)と4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して60モル%)に変更し、負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてトリエチレンジアミンをポリアミドイミドの酸価に対して5当量添加する以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例13)
ポリアミドイミドの合成において、無水トリメリット酸(全酸成分に対して100モル%)を無水トリメリット酸(全酸成分に対して80モル%)とドデカン二酸(全酸成分に対して20モル%)に変更し、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して100モル%)を、ヘキサメチレンジイソシアネート(全アミン成分に対して40モル%)と4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して60モル%)に変更し、負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物としてメチルアニリンをポリアミドイミドの酸価に対して5当量添加する以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例14)
ポリアミドイミドの合成において、無水トリメリット酸(全酸成分に対して100モル%)を無水トリメリット酸(全酸成分に対して80モル%)と無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸酸(全酸成分に対して20モル%)に変更し、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(全アミン成分に対して100モル%)を、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(全アミン成分に対して20モル%)とヘキサメチレンジイソシアネート(全アミン成分に対して80モル%)に変更し、負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物をポリアミドイミドの酸価に対して5当量添加する以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例1)
負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物を添加しないこと以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例2)
負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物をポリアミドイミドの酸価に対して22当量添加する以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例3)
負極活物質層形成用組成物の調合において、塩基性化合物をポリアミドイミドの酸価に対して40当量添加する以外は、実施例1と同様に行った。
Figure 2021136226
本結果より、本実施形態においては良好なポリアミドイミドの水溶化・安定性、およびサイクル特性が得られることが分かる。
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、30…負極、31…保護膜、32…負極集電体、34…負極活物質層、40…積層体、50…外装体、60,62…リード、100…二次電池

Claims (5)

  1. 負極活物質と、
    導電助剤と、
    バインダーと、
    媒体と、
    塩基性化合物と、を含み、
    前記負極活物質は、ケイ素(Si)元素を含み、
    前記バインダーは、ポリアミドイミドを含み、
    前記ポリアミドイミドはカルボキシル基を含み、
    前記媒体は、水を含み、
    前記カルボキシル基の酸価に対して、前記塩基性化合物が0.1〜20当量含まれる、負極活物質層形成用組成物。
  2. 前記ポリアミドイミドの数平均分子量が、5,000〜50,000であって、かつ、前記酸価が5〜100である、請求項1に記載の負極活物質層形成用組成物。
  3. 前記ポリアミドイミドが、脂肪族構造を含む、請求項1または2に記載の負極活物質層形成用組成物。
  4. 集電体と、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の負極活物質層形成用組成物を含む負極活物質層と、を含む負極。
  5. 請求項4に記載の負極と、
    正極と、
    セパレータと、
    電解液と、を含むリチウムイオン二次電池。
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