JP2002284993A - 耐熱性樹脂組成物及び塗料 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物及び塗料

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JP2002284993A
JP2002284993A JP2001138302A JP2001138302A JP2002284993A JP 2002284993 A JP2002284993 A JP 2002284993A JP 2001138302 A JP2001138302 A JP 2001138302A JP 2001138302 A JP2001138302 A JP 2001138302A JP 2002284993 A JP2002284993 A JP 2002284993A
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毅彦 五月女
Seiichi Yotsuya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤含有量を低減させ、環境汚染や作業
環境の悪化がなく、安全衛生面に対して有利であり、か
つ塗料及び塗膜特性が良好な耐熱性樹脂組成物及びこれ
を塗膜成分としてなる塗料を提供する。 【解決手段】 (A)塩基性極性溶媒中で、ジイソシア
ネート化合物又はジアミン化合物と三塩基酸無水物又は
三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるポリ
アミドイミド樹脂と(B)塩基性化合物と(C)水とを
配合してなり、(B)成分の塩基性化合物が(A)成分
のポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及
びポリアミドイミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカ
ルボキシル基を合わせた酸価に対して、1〜20当量配
合されている耐熱性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性樹脂組成物
及び塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドイミド樹脂が優れた耐熱性、
耐薬品性、機械的特性を有することは良く知られてお
り、耐熱電線用塗料、金属表面保護塗料等として広く実
用に供されている。ポリアミドイミド樹脂の一般的な製
造法についても公知(例えば特公昭44−19274号
公報)であるが、従来、この樹脂は一般の溶剤類には不
溶性のためN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の高価な極性型の有機溶剤類に溶解し、有機溶剤型
樹脂溶液として実用に供していた。
【0003】しかし、これらの有機溶剤型樹脂溶液は加
熱及び乾燥工程において多量の溶剤を放出するため、大
気汚染や水質汚染等の環境汚染や、人体への有害性や作
業環境の悪化等の安全衛生面等で大きな問題となってい
る。
【0004】また、これらの有機溶剤は高価であるた
め、有機溶剤の多量な使用により樹脂溶液が高価になる
という経済性の問題もある。さらに、これら極性溶媒は
親水性であるがゆえに、塗装作業中に吸湿して部分的に
樹脂が析出したり、場合によってはゲル化して、塗装作
業性に支障をきたすような問題もある。
【0005】近年、環境保全に対する関心が高まり、有
機溶剤に代わり媒体に水を使用する水性樹脂溶液が注目
されている。媒体に無害で安価な水を使用することは、
環境汚染や安全衛生面だけでなく、経済性にも非常に有
効である。また、親水性溶媒の一部又は全部を水で置換
すれば、最初から組成物中に水分を含むわけであるか
ら、吸湿の問題を回避することができ、したがって吸湿
に起因する上述したような既存のポリアミドイミド組成
物の欠点をなくすことができる。
【0006】従来のポリアミドイミド樹脂の水溶化方法
としては、樹脂末端に残存するカルボキシル基と塩基性
化合物を作用させることは良く知られている(例えば特
公昭60−6367号公報、特公昭60−6366号公
報等)。しかしながら、上記方法で得られた組成物は安
定的な製造が困難であり、かつ、経日にてゲル化等の不
具合が生じるため、実用化に至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
溶剤含有量を低減させ、環境汚染や作業環境の悪化がな
く、安全衛生面に対して有利であり、かつ塗料及び塗膜
特性が良好な耐熱性樹脂組成物及びこれを塗膜成分とし
てなる塗料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)塩基性
極性溶媒中で、ジイソシアネート化合物又はジアミン化
合物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドと
を反応させて得られるポリアミドイミド樹脂と(B)塩
基性化合物と(C)水とを配合してなり、(B)成分の
塩基性化合物が(A)成分のポリアミドイミド樹脂中に
含まれるカルボキシル基及びポリアミドイミド樹脂中の
酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価
に対して、1〜20当量配合されている耐熱性樹脂組成
物に関する。
【0009】また、本発明は、前記の(C)成分の水が
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対し
て、5〜99重量%配合されている耐熱性樹脂組成物に
関する。また、本発明は、前記のポリアミドイミド樹脂
の数平均分子量が5,000〜50,000で、かつ、
カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシ
ル基を合わせた酸価が10〜100である耐熱性樹脂組
成物に関する。
【0010】また、本発明は、前記の(B)成分の塩基
性化合物がアルキルアミン又はアルカノールアミンであ
る耐熱性樹脂組成物に関する。
【0011】さらに、本発明は、前記の耐熱性樹脂組成
物を塗膜成分としてなる塗料に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリアミドイ
ミド樹脂は、一般式(I)で示される繰り返し構造単位
を有するものが好ましい。
【0013】
【化1】 [式中、Rは3価の有機基を表し、 Rは2価の有
機基を表し、nは整数を表す。] Rとしては、芳香環を有する炭素数6〜20の3価の
有機基が好ましく、R としては、芳香環を有する炭素
数6〜20の2価の有機基が好ましい。nは繰り返し構
造単位(I)の数であり、R及びRの構造によって
異なるが、一般的に10〜200とするのが好ましい。
このようなポリアミドイミド樹脂は、塩基性極性溶媒中
でジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と三塩基
酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて
得ることができる。塩基性極性溶媒としては、N−メチ
ル−2−ピロリドン等の高沸点溶媒を用いるのが好まし
い。また、使用量に特に制限はないが、ジイソシアネー
ト化合物又はジアミン化合物と三塩基酸無水物の総量1
00重量部に対して100〜500重量部とするのが好
ましい。反応温度は、通常、80〜180℃である。
【0014】ジイソシアネート化合物又はジアミン化合
物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドは、
それぞれ芳香族化合物を使用することが好ましい。上記
製造法に用いられる代表的な化合物を次に列挙する。ま
ず、ジイソシアネート化合物としては、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、3,3′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、パラフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ジアミンとしては、4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジ
アミン、フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0015】また、三塩基酸無水物としては、トリメリ
ット酸無水物等が挙げられ、三塩基酸無水物クロライド
としては、トリメリット酸無水物クロライド等が挙げら
れる。ポリアミドイミド樹脂を合成する際に、ジカルボ
ン酸、テトラカルボン酸二無水物等をポリアミドイミド
樹脂の特性を損なわない範囲で同時に反応させることが
できる。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、アジピン酸等が挙げられ、テトラカルボン酸二
無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物等が挙げられる。
【0016】前記ジイソシアネート化合物又はジアミン
化合物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライド
と必要に応じて使用するジカルボン酸及びテトラカルボ
ン酸二無水物の使用量は、生成されるポリアミドイミド
樹脂の分子量、架橋度の観点から酸成分の総量1.0モ
ルに対してジイソシアネート化合物又はジアミン化合物
を0.8〜1.1モルとすることが好ましく、0.95
〜1.08モルとすることがより好ましく、特に、1.
0〜1.08モル使用されることが好ましい。また、酸
成分中、ジカルボン酸及びテトラカルボン酸二無水物
は、これらの総量が0〜50モル%の範囲で使用される
のが好ましい。
【0017】なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子
量は、樹脂合成時にサンプリングしてゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレ
ンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になる
まで合成を継続することにより上記範囲に管理される。
【0018】本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂
は、数平均分子量が5,000〜50,000のものが
好ましい。数平均分子量が5,000未満では、塗膜と
したときの、塗膜の耐熱性や機械的特性等の諸特性が低
下する傾向があり、50,000を超えると、塗料とし
て適正な濃度で溶媒に溶解したときに粘度が高くなり、
塗装時の作業性に劣る傾向がある。このことから、数平
均分子量は10,000〜30,000とすることが好
ましく、15,000〜25,000とすることが特に
好ましい。
【0019】また、カルボキシル基及び酸無水物基を開
環させたカルボキシル基を合わせた酸価が10〜100
であることが好ましく、10未満であると塩基性化合物
と反応するカルボキシル基が不足するため、水溶化が困
難となり、100を超えると最終的に得られる耐熱性樹
脂組成物が経日にてゲル化しやすくなる。このことか
ら、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボ
キシル基を合わせた酸価が20〜80とすることがより
好ましく、30〜60とすることが特に好ましい。
【0020】なお、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシ
ル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わ
せた酸価は、以下の方法で得ることができる。ます、ポ
リアミドイミド樹脂を約0.5gとり、これに1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンを約0.15g
加え、さらにN−メチル−2−ピロリドンを約60g及
びイオン交換水を約1ml加え、ポリアミドイミド樹脂
が完全に溶解するまで攪拌する。これを0.05モル/
lエタノール性水酸化カリウム溶液を使用して電位差滴
定装置で滴定し、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル
基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせ
た酸価を得る。
【0021】本発明において、塩基性化合物としてはト
リエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジア
ミン、N−メチルモルフォリン等のアルキルアミン、メ
チルアニリン、ジメチルアニリン等のアルキルアニリ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパ
ノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−
ジメチルエタノールアミン、シクロヘキサノールアミ
ン、N−メチルシクロヘキサノールアミン、N−ベンジ
ルエタノールアミン等のアルカノールアミン類が適して
いるが、これら以外の塩基性化合物、例えば水酸化ナト
リウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリ又はアンモニ
ア水等を使用してもよく特に制限はない。好ましくは、
トリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、トリエチ
レンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが使
用される。
【0022】塩基性化合物は、上記の有機溶媒中で反応
させて得られるポリアミドイミド樹脂中に含まれるカル
ボキシル基及び開環させた酸無水物基を合わせた酸価に
対して、1〜20当量用いられる。1当量未満では樹脂
の水溶化が困難となり、20当量を越えると樹脂の加水
分解が促進され、長期の保存により粘度又は特性低下を
きたすことがある。このことから、カルボキシル基及び
酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価
に対して、2〜10当量とすることが好ましく、3〜8
当量とすることが特に好ましい。
【0023】塩基性化合物はポリアミドイミド樹脂の末
端にあるカルボキシル基と塩を形成して親水性基とな
る。塩形成に際しては水の共存下に行ってもよいし、塩
基性化合物を添加した後、水を加えてもよい。塩を形成
させる温度は0℃〜200℃、好ましくは40℃〜13
0℃の範囲で行われる。
【0024】塩基性化合物の種類と量及び水の添加方法
によって、得られる水性樹脂組成物の形態はエマルジョ
ン状、半透明溶液、透明溶液等となるが、貯蔵安定性、
塗装作業性の点から、半透明あるいは透明溶液にするこ
とが好ましい。水としてはイオン交換水が好ましく用い
られ、(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量に
対して好ましくは5〜99重量%、より好ましくは20
〜60重量%配合される。この配合量が5重量%未満で
は含有する水が少ないことから一般に水溶性ポリマーと
して称されず、99重量%を超えると塗料として機能し
なくなる傾向がある。
【0025】このようにして得られた耐熱性樹脂組成物
は使用する際に必要に応じて適当な濃度に希釈される。
希釈溶媒としては、水、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、N−メチル
−2−ピロリドン等の極性溶媒の他に、助溶媒として、
ポリオール類、これらの低級アルキルエーテル化物、ア
セチル化物等を用いてもよい。例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、イソプロピルアルコール、又はそれら
のモノメチルエーテル化物、モノエチルエーテル、モノ
イソプロピルエーテル化物、モノブチルエーテル化物、
ジメチルエーテル化物及びこれらのモノアセチル化物等
が使用される。
【0026】本発明の製造法によって得られる耐熱性樹
脂組成物は耐熱性、電気絶縁性、耐摩耗性及び耐薬品性
等の諸特性に優れ、コイル含浸ワニス、ワイヤエナメ
ル、ワニスクロス類等の電気絶縁用ワニスや、顔料又は
充填剤等と混合して耐熱性電気絶縁用塗料、又は表面仕
上げ剤等の用途に用いることができる。特に、塗料の塗
膜成分として好ましい。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、発明
の主旨に基づいたこれら以外の多くの実施態様を含むこ
とは言うまでもない。
【0028】実施例1 無水トリメリット酸1106.2g、4,4−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート1455.8g、N−メチル
−2−ピロリドン2562.0gを温度計、攪拌機、冷
却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で
攪拌しながら約2時間かけて徐々に昇温して130℃ま
で上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注
意しながら130℃を保持し、このまま約6時間加熱を
続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を
得た。
【0029】このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分
(200℃−2h)は約50重量%で、粘度(30℃)
は約85.0Pa・sであった。また、ポリアミドイミ
ド樹脂の数平均分子量は約17,000で、カルボキシ
ル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わ
せた酸価は約40であった。なお、数平均分子量は次の
条件にて測定した。 機種:日立 L6000 検出器:日立 L4000型UV 波長:270nm データ処理機:ATT 8 カラム:Gelpack GL−S300MDT−5×2 カラムサイズ:8mmφ×300mm 溶媒:DMF/THF=1/1(リットル)+リン酸0.06M
+臭化リチウム0.06M 試料濃度:5mg/1ml 注入量:5μl 圧力:49kgf/cm(4.8×106Pa) 流量:1.0ml/min
【0030】このポリアミドイミド樹脂溶液2,700
gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、
乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して5
0℃まで上げた。50℃に達したところでトリエチルア
ミンを447.1g(4当量)添加し、50℃に保ちな
がら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換
水を加えた。最終的にイオン交換水が1348.8g
(30重量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性
樹脂組成物を得た。
【0031】実施例2 無水トリメリット酸382.9g、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート503.9g、N−メチル−
2−ピロリドン886.8gを温度計、攪拌機、冷却管
を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌
しながら約1時間かけて徐々に昇温して80℃まで上げ
た。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しな
がら80℃を保ち、加熱開始から約7時間加熱を続けた
後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃−
2h)は約50重量%で、粘度(30℃)は約80.0
Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平
均分子量は約15,000で、カルボキシル基及び酸無
水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は約
50であった。このポリアミドイミド樹脂溶液200g
を温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾
燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して90
℃まで上げた。90℃に達したところでN−メチルモル
ホリンを70.8g(8当量)添加し、90℃に保ちな
がら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換
水を加えた。最終的にイオン交換水が180.5g(4
0重量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性樹脂
組成物を得た。
【0032】実施例3 無水トリメリット酸233.8g、無水ベンゾフェノン
テトラカルボン酸98.0g、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート384.6g、N−メチル−2−
ピロリドン1671.6gを温度計、攪拌機、冷却管を
備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌し
ながら約1時間かけて徐々に昇温して120℃まで上げ
た。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しな
がら徐々に昇温して150℃まで上げ、加熱開始から5
時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド
樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮
発分(200℃−2h)は約30重量%で、粘度(30
℃)は約2.1Pa・sであった。また、ポリアミドイ
ミド樹脂の数平均分子量は約23,000で、カルボキ
シル基及び酸無水物基を合わせた酸価は約30であっ
た。このポリアミドイミド樹脂溶液200gを温度計、
攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒
素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して110℃まで上
げた。110℃に達したところでN,N−ジメチルエタ
ノールアミンを17.6g(6当量)添加し、110℃
に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイ
オン交換水を加えた。最終的にイオン交換水が217.
6g(50重量%)となるまで加えて、透明で均一な耐
熱性樹脂組成物を得た。
【0033】比較例1 無水トリメリット酸876.9g、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート1153.8g、N−メチル
−2−ピロリドン4,738.3gを温度計、攪拌機、
冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中
で攪拌しながら約1時間かけて徐々に昇温して110℃
まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に
注意しながら徐々に昇温して120℃まで上げた。加熱
開始から約8時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリ
アミドイミド樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹
脂溶液の不揮発分(200℃−2h)は約30重量%
で、粘度(30℃)は約1.8Pa・sであった。ま
た、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約21,0
00で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカ
ルボキシル基を合わせた酸価は約35であった。
【0034】試験例 実施例1、2及び3に記載の耐熱性樹脂組成物、及び比
較例1に記載のポリアミドイミド樹脂の樹脂特性(外観
及び粘度)及び塗膜特性(強度、弾性率、伸び率、耐熱
性)を調査し比較した。塗膜特性の強度、弾性率及び伸
び率は以下の方法で試験を行った。実施例1、2及び3
記載の耐熱性樹脂組成物及び比較例1記載のポリアミド
イミド樹脂溶液をガラス板上に塗布し、100℃で10
分間加熱し、さらに400℃で15分間加熱して硬化さ
せ、ガラス板から剥離させて塗膜を得た(塗膜厚約15
μm)。この塗膜を室温にて試験速度が5mm/min
で塗膜の機械的特性を評価し、塗膜の強度、弾性率及び
伸び率を比較した。
【0035】塗膜特性の耐熱性は、以下の方法で試験を
行った。実施例1、2及び3記載の耐熱性樹脂組成物及
び比較例1記載のポリアミドイミド樹脂溶液をガラス板
上に塗布し、100℃で10分間加熱し、さらに400
℃で15分間加熱して硬化させ、ガラス板から剥離させ
て塗膜を得た。この塗膜で熱重量分析(サンプル量10
mg、昇温速度10℃/分、窒素30ml/分)を行
い、それぞれの塗膜の耐熱性を比較した。試験の結果を
表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から、本発明の耐熱性樹脂組成物(実
施例1、2及び3)は、比較例1と比較して、イオン交
換水を含有しているにもかかわらず、塗料及び塗膜特性
がほぼ同等に良好であることが分かる。
【0038】
【発明の効果】本発明の水溶性ポリアミドイミド樹脂系
耐熱性樹脂組成物は、イオン交換水含有により有機溶剤
量を低減させたため、環境汚染や作業環境の悪化等の安
全衛生面に対して有利であり、かつ、塗料及び塗膜特性
が良好であることから、各種基材への絶縁皮膜をはじめ
保護コート等の各種耐熱塗料用途にも好適に利用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/30 H01B 3/30 N Fターム(参考) 4J002 CM041 DE027 DE056 DF006 EN026 EN036 EN066 EN106 GH01 HA04 HA07 4J038 DJ051 GA06 HA156 HA176 HA306 JB03 JB06 JB09 LA02 MA08 MA14 NA04 NA11 NA14 NA21 NA27 PB09 PC02 5G305 AA02 AA11 AB01 AB24 AB40 BA05 BA09 CA24 CB16 CD20 DA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩基性極性溶媒中で、ジイソシア
    ネート化合物又はジアミン化合物と三塩基酸無水物又は
    三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるポリ
    アミドイミド樹脂と(B)塩基性化合物と(C)水とを
    配合してなり、(B)成分の塩基性化合物が(A)成分
    のポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及
    びポリアミドイミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカ
    ルボキシル基を合わせた酸価に対して、1〜20当量配
    合されている耐熱性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (C)成分の水が(A)成分、(B)成
    分及び(C)成分の合計量に対して、5〜99重量%配
    合されている請求項1記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が
    5,000〜50,000で、かつ、カルボキシル基及
    び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸
    価が10〜100である請求項1又は2記載の耐熱性樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分の塩基性化合物がアルキルア
    ミン又はアルカノールアミンである請求項1又は2記載
    の耐熱性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の耐熱性樹
    脂組成物を塗膜成分としてなる塗料。
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