JP2013256625A - 水系ポリアミドイミドワニス及び塗料 - Google Patents

水系ポリアミドイミドワニス及び塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐沸水性に優れる水系ポリアミドイミドワニスを提供することにある。
【解決手段】
(A)ポリアミドイミド樹脂、(B)塩基性化合物及び(C)水を配合してなる水系ポリアミドイミドワニスで、(A)成分のポリアミドイミド樹脂が、アミン成分としてジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物、酸成分として三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸無水物クロライド、及び四塩基酸二無水物を反応させて得られ、四塩基酸二無水物がジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物であることを特徴とする水系ポリアミドイミドワニス。ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物の配合量が全酸成分に対して20〜70モル%であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水系ポリアミドイミドワニス及び塗料に関する。
環境保全面、安全衛生面、経済性及び塗装作業性等の面から有機溶剤に代わり媒体に水を使用する水性樹脂溶液が注目されおり、ポリアミドイミド樹脂について、その末端に残存するカルボキシル基と塩基性化合物とを反応させるポリアミドイミド樹脂の水溶化方法が報告されている(例えば特開2002−284993等)。現在、この方法で作製された水系ポリアミドイミドワニスは自動車、厨房器具又は家電など様々な用途に耐熱保護コーティング剤として使用されているが、一部の厨房器具用途で耐沸水性の低さが問題となっており、耐沸水性に優れる水系ポリアミドイミドワニスの開発が強く望まれている。
特開2002-284993号公報
本発明の目的は、耐沸水性に優れる水系ポリアミドイミドワニス及びこれを塗膜成分としてなる塗料を提供することにある。
上述の耐沸水性に優れる水系ポリアミドイミドワニスに関して検討した結果、アミン成分としてジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物、酸成分として三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸無水物クロライド、及び四塩基酸二無水物を反応させて得られるポリアミドイミド樹脂、塩基性化合物及び水を配合してなる水系ポリアミドイミドワニスに、四塩基酸二無水物としてジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物を必須成分とすることで耐沸水性が改善されることを見出して本発明に至った。すなわち本発明は、次のものに関する。
1. (A)ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物を反応成分として含むポリアミドイミド樹脂、(B)塩基性化合物及び(C)水を配合してなる水系ポリアミドイミドワニス。
2. (A)成分のポリアミドイミド樹脂が、アミン成分としてジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物、酸成分として三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸無水物クロライド、及びジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物を含む四塩基酸二無水物を反応させて得られる項1記載の水系ポリアミドイミドワニス。
3. ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物の配合量が全酸成分に対して20〜70モル%である項2に記載の水系ポリアミドイミドワニス。
4. (B)成分の塩基性化合物が(A)成分のポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及びポリアミドイミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸基に対して、1〜20当量配合されている項1〜3のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニス。
5. (C)成分の水が(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、5〜99重量%配合されている項1〜4のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニス。
6. ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が5,000〜50,000で、かつ、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が10〜100である項1〜5のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニス。
7. (B)成分の塩基性化合物がアルキルアミン又はアルカノールアミンである項1〜6のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニス。
8. 項1〜7のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニスを塗膜成分としてなる塗料。
本発明の水系ポリアミドイミドワニスは、耐熱性樹脂組成物であって耐沸水性に優れていることから、特に厨房器具用途に多大な有効性を有するものである。ここで、厨房器具としては、例えば、炊飯器の内釜、ホットプレート、フライパン等の沸騰水と接触する可能性のある器具、又は90℃以上(あるいは100℃以上)に加熱される器具である。
本発明のポリアミドイミド樹脂は、前記のようにアミン成分としてジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物、酸成分として三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸無水物クロライド、及び四塩基酸二無水物を反応させて得られるものである。ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドは、それぞれ芳香族化合物を使用することが好ましい。上記製造法に用いられる代表的な化合物を次に列挙する。
まず、ジイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびトリジンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ジアミンとしては、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、スルホンジアニリン、ジアミノベンズアニリド、キシリレンジアミン、フェニレンジアミンおよびトリジン等が挙げられる。
また、三塩基酸無水物としては、トリメリット酸無水物等が挙げられ、三塩基酸無水物クロライドとしては、トリメリット酸無水物クロライド等が挙げられる。
また、四塩基酸二無水物としてはジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物を必須成分とし、他にピロメリット酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物およびビフェニルテトラカルボン酸二無水物等を併用してもよい。ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物の配合量は全酸成分に対して20〜70モル%とするのが好ましい。20モル%未満では耐沸水性の向上効果が期待できず、また70モル%を越えると樹脂の溶解性が低下し、経日で濁りが発生しやすくなる。配合量は30〜50モル%とするのがより好ましい。ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物の使用は、そのジフェニルスルホン骨格とともにイミド結合をより高濃度でポリアミドイミド樹脂中に導入することができ、また、ポリアミドイミド樹脂のN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒への溶解性を向上させる上で好ましい。
また、ポリアミドイミド樹脂を合成する際に、ジカルボン酸をポリアミドイミド樹脂の特性を損なわない範囲で同時に反応させることができる。 ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸およびセバシン酸等が挙げられる。
前記ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドと四塩基酸二無水物と必要に応じて使用するジカルボン酸の使用量は、生成されるポリアミドイミド樹脂の分子量、架橋度の観点から酸成分の総量1.0モルに対してジイソシアネート化合物又はジアミン化合物を0.8〜1.5モルとすることが好ましく、0.95〜1.3モルとすることがより好ましく、特に、1.0〜1.2モル使用されることが好ましい。
本発明のポリアミドイミド樹脂は、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライド及び四塩基酸二無水物とを塩基性極性溶媒中で反応させる。ここで、塩基性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどを用いることができるが、ポリアミドイミド化反応を高温で短時間に行うためには、N−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶媒を用いるのが好ましい。また、溶媒の使用量に特に制限はないが、ジイソシアネート成分と酸成分の総量100重量部に対して100〜500重量部とするのが好ましい。ポリアミドイミド樹脂の合成条件は、多様であり、一概に特定できないが、通常、100〜150℃の温度で行われ、空気中の水分の影響を低減するため、窒素などの雰囲気下で行うのが好ましい。
なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングしてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に管理される。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は、数平均分子量が5,000〜50,000のものが好ましい。数平均分子量が5,000未満では、塗膜としたときの、塗膜の耐熱性や機械的特性等の諸特性が低下する傾向があり、50,000を超えると、塗料として適正な濃度で溶媒に溶解したときに粘度が高くなり、塗装時の作業性に劣る傾向がある。このことから、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は10,000〜45,000とすることが好ましく、15,000〜4,000とすることが特に好ましい。
また、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が10〜100であることが好ましく、10未満であると塩基性化合物と反応するカルボキシル基が不足するため、水溶化が困難となり、100を超えると最終的に得られる水系ポリアミドイミドワニスが経日にてゲル化しやすくなる。このことから、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が15〜80とすることがより好ましく、20〜60とすることが特に好ましい。
なお、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は、以下の方法で得ることができる。ます、ポリアミドイミド樹脂を約0.5gとり、これに1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンを約0.15g加え、さらにN−メチル−2−ピロリドンを約60g及びイオン交換水を約1ml加え、ポリアミドイミド樹脂が完全に溶解するまで攪拌する。これを0.05モル/lエタノール性水酸化カリウム溶液を使用して電位差滴定装置で滴定し、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価を得る。
本発明において、塩基性化合物としてはトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン等のアルキルアミン、メチルアニリン、ジメチルアニリン等のアルキルアニリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、シクロヘキサノールアミン、N−メチルシクロヘキサノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン等のアルカノールアミン類が適しているが、これら以外の塩基性化合物、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリ又はアンモニア水等を使用してもよく特に制限はない。好ましくは、トリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが使用される。
塩基性化合物は、上記の有機溶媒中で反応させて得られるポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及び開環させた酸無水物基を合わせた酸価に対して、1〜20当量用いられる。1当量未満では樹脂の水溶化が困難となり、20当量を越えると樹脂の加水分解が促進され、長期の保存により粘度又は特性低下をきたすことがある。このことから、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価に対して、2〜10当量とすることが好ましく、3〜8当量とすることが特に好ましい。
塩基性化合物はポリアミドイミド樹脂の末端にあるカルボキシル基と塩を形成して親水性基となる。塩形成に際しては水の共存下に行ってもよいし、塩基性化合物を添加した後、水を加えてもよい。塩を形成させる温度は0℃〜200℃、好ましくは40℃〜130℃の範囲で行われる。
塩基性化合物の種類と量及び水の添加方法によって、得られる水性樹脂組成物の形態はエマルジョン状、半透明溶液、透明溶液等となるが、貯蔵安定性、塗装作業性の点から、半透明あるいは透明溶液にすることが好ましい。
水としてはイオン交換水が好ましく用いられ、(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量に対して好ましくは5〜99重量%、より好ましくは20〜60重量%配合される。この配合量が5重量%未満では含有する水が少ないことから一般に水溶性ポリマーとして称されず、99重量%を超えると塗料として機能しなくなる傾向がある。
このようにして得られた水系ポリアミドイミドワニスは使用する際に必要に応じて適当な濃度に希釈される。希釈溶媒としては、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒の他に、助溶媒として、ポリオール類、これらの低級アルキルエーテル化物、アセチル化物等を用いてもよい。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、イソプロピルアルコール、又はそれらのモノメチルエーテル化物、モノエチルエーテル、モノイソプロピルエーテル化物、モノブチルエーテル化物、ジメチルエーテル化物及びこれらのモノアセチル化物等が使用される。
本発明による水系ポリアミドイミドワニスは、被塗物に塗布、硬化させて、被塗物表面に塗膜を形成する。
次に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、発明の主旨に基づいたこれら以外の多くの実施態様を含むことは言うまでもない。
ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物0.4モル、無水トリメリット酸0.6モル、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート1.1モルおよびN−メチル−2−ピロリドンを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して120℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら120℃を保持し、このまま約6時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約23,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は約32であった。なお、数平均分子量は次の条件にて測定した。
機種:日立 L6000
検出器:日立 L4000型UV
波長:270nm
データ処理機:ATT 8
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5×2
カラムサイズ:8mmφ×300mm
溶媒:DMF/THF=1/1(リットル)+リン酸0.06M+臭化リチウム0.06M
試料濃度:5mg/1ml
注入量:5μl
圧力:49kgf/cm(4.8×10Pa)
流量:1.0ml/min
このポリアミドイミド樹脂溶液を温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して60℃まで上げた。60℃に達したところでトリエチルアミンを5当量添加し、60℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水の割合が30重量%となるまで加えて、透明で均一な水系ポリアミドイミドワニスを得た。
ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物0.3モル、無水トリメリット酸0.6モル、ピロメリット酸二無水物0.1モル、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、o−トリジンジイソシアネート0.4モルおよびN−メチル−2−ピロリドンを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して120℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら120℃を保持し、このまま約7時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約25,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を合わせた酸価は約30であった。
このポリアミドイミド樹脂溶液を温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して60℃まで上げた。60℃に達したところでN,N−ジメチルエタノールアミンを5当量添加し、60℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水の割合が30重量%となるまで加えて、透明で均一な水系ポリアミドイミドワニスを得た。
ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物0.6モル、無水トリメリット酸0.4モル、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1.1モルおよびN−メチル−2−ピロリドンを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して120℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら120℃を保持し、このまま約5時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約20,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を合わせた酸価は約38であった。
このポリアミドイミド樹脂溶液を温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して60℃まで上げた。60℃に達したところでN,N−ジメチルエタノールアミンを5当量添加し、60℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水の割合が30重量%となるまで加えて、透明で均一な水系ポリアミドイミドワニスを得た。
比較例1
無水トリメリット酸1.0モル、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1.1モルおよびN−メチル−2−ピロリドンを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら約1時間かけて徐々に昇温して120℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら120℃を保持し、このまま約6時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約22,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は約34であった。
このポリアミドイミド樹脂溶液を温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して60℃まで上げた。60℃に達したところでトリエチルアミンを5当量添加し、60℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水の割合が30重量%となるまで加えて、透明で均一な水系ポリアミドイミドワニスを得た。
試験例
実施例1〜3及び比較例1で得られた水系ポリアミドイミドワニスを未研磨のアルミ基板(A1050P)に塗布し、80℃で10分間硬化させた後に270℃で30分間硬化させて、膜厚約10μmの塗膜板を形成した。この塗膜板を沸騰水中に24時間浸漬し、浸漬後の密着性を確認した。この結果を表1に示す。
Figure 2013256625
1)旧JIS K 5400(%、クロスカット残率)に準拠し、クロスカット後にテープ剥離5回行った後の残率。
各実施例又は比較例において、2枚の基板にて各2回測定し、計4つの測定値を範囲で示す。
表1から、実施例1及び2で得られた水系ポリアミドイミドワニスから得られた塗膜は、比較例の水系ポリアミドイミドワニスから得られた塗膜と比較して、耐沸水性が著しく優れていることがわかる。

Claims (8)

  1. (A)ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物を反応成分として含むポリアミドイミド樹脂、(B)塩基性化合物及び(C)水を配合してなる水系ポリアミドイミドワニス。
  2. (A)成分のポリアミドイミド樹脂が、アミン成分としてジイソシアネート化合物及び/又はジアミン化合物、酸成分として三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸無水物クロライド、及びジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物を含む四塩基酸二無水物を反応させて得られる請求項1記載の水系ポリアミドイミドワニス。
  3. ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’,−テトラカルボン酸二無水物の配合量が全酸成分に対して20〜70モル%である請求項2に記載の水系ポリアミドイミドワニス。
  4. (B)成分の塩基性化合物が(A)成分のポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及びポリアミドイミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸基に対して、1〜20当量配合されている請求項1〜3のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニス。
  5. (C)成分の水が(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、5〜99重量%配合されている請求項1〜4のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニス。
  6. ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が5,000〜50,000で、かつ、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が10〜100である請求項1〜5のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニス。
  7. (B)成分の塩基性化合物がアルキルアミン又はアルカノールアミンである請求項1〜6のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニス。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の水系ポリアミドイミドワニスを塗膜成分としてなる塗料。
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