JP4888679B2 - 耐熱性樹脂組成物及び塗料 - Google Patents
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しかし、上記方法で作製された水溶性のポリアミドイミド樹脂はステンレス基材への密着性に劣り、この改善が強く望まれている。
本発明は、(A)式(I)
また、本発明は、前記の(C)成分の水が(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、5〜99重量%配合されているステンレス基材用塗料に関する。
また、本発明は、前記のポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が5,000〜50,000で、かつ、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が10〜100であるステンレス基材用塗料に関する。
また、本発明は、前記の(B)成分の塩基性化合物がアルキルアミン又はアルカノール
アミンであるステンレス基材用塗料に関する。
イソシアネート成分及び/又はアミン成分と酸成分の使用量は、生成されるポリアミドイミド樹脂の分子量、架橋度の観点から酸成分の総量1.0モルに対してジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分を0.8〜1.1モルとすることが好ましく、0.95〜1.08モルとすることがより好ましく、特に、1.0〜1.08モル使用されることが好ましい。
なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングしてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に管理される。
なお、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は、以下の方法で得ることができる。ます、ポリアミドイミド樹脂を約0.5gとり、これに1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンを約0.15g加え、さらにN−メチル−2−ピロリドンを約60g及びイオン交換水を約1ml加え、ポリアミドイミド樹脂が完全に溶解するまで攪拌する。これを0.05モル/lエタノール性水酸化カリウム溶液を使用して電位差滴定装置で滴定し、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価を得る。
無水トリメリット酸1106.2g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート291.2g、3,3’−ジメチル−ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート1229.9g、N−メチル−2−ピロリドン2627.3gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら約2時間かけて徐々に昇温して130℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら130℃を保持し、このまま約6時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃−2h)は約50重量%で、粘度(30℃)は約85.0Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約17,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は約40であった。なお、数平均分子量は次の条件にて測定した。
機種:日立 L6000
検出器:日立 L4000型UV
波長:270nm
データ処理機:ATT 8
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5×2
カラムサイズ:8mmφ×300mm
溶媒:DMF/THF=1/1(リットル)+リン酸0.06M+臭化リチウム0.06M
試料濃度:5mg/1ml
注入量:5μl
圧力:49kgf/cm2(4.8×106Pa)
流量:1.0ml/min
このポリアミドイミド樹脂溶液2,700gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して50℃まで上げた。50℃に達したところでトリエチルアミンを447.1g(4当量)添加し、50℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水が1348.8g(30重量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性樹脂組成物を得た。
無水トリメリット酸382.9g、パラフェニレンジイソシアネート32.2g、2,2’−ジメチル−ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート478.9g、N−メチル−2−ピロリドン894.0gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら約1時間かけて徐々に昇温して80℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら80℃を保ち、加熱開始から約7時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃−2h)は約50重量%で、粘度(30℃)は約80.0Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約15,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は約50であった。
このポリアミドイミド樹脂溶液200gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して90℃まで上げた。90℃に達したところでN−メチルモルホリンを70.8g(8当量)添加し、90℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水が180.5g(40重量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性樹脂組成物を得た。
無水トリメリット酸876.9g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1153.8g、N−メチル−2−ピロリドン4738.3gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら約1時間かけて徐々に昇温して110℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら徐々に昇温して120℃まで上げた。加熱開始から約8時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃−2h)は約30重量%で、粘度(30℃)は約1.8Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約21,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は約35であった。
実施例1及び2、及び比較例1で得られた塗料を1mmの厚みのステンレス基板(SUS430)に塗布した後、300℃で30分間焼付けて膜厚約10μmの塗膜板を形成した。この塗膜の密着性を以下の手法にて測定し比較した。
密着性測定条件
(1)ステンレス基板上に塗布硬化させた塗膜に市販のカッターを使用して縦横それぞれに1mm間隔で11本の切れ目を入れ、100個のマス目を作る。
(2)このマス目全体を覆うように市販の粘着テープ(幅18mm)を張りつけ、一気に引き剥がす。
(3)上記の粘着テープでの剥離を5回行い、約9割り以上の面積で塗膜が残っていたマス目を数える。
(例えば100ならば全てのマス目が残っていたことを意味し、0ならば全て剥離してしまったことを意味する。)
本試験の結果を表1に示す。
Claims (5)
- (B)成分の塩基性化合物が(A)成分のポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及びポリアミドイミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価に対して、1〜20当量配合されていることを特徴とする請求項1記載のステンレス基材用塗料。
- (C)成分の水が(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、5〜99重量%配合されていることを特徴とする請求項1記載のステンレス基材用塗料。
- (A)成分のポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が5,000〜50,000で、かつ、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が10〜100であることを特徴とする請求項1、2又は3の何れかに記載のステンレス基材用塗料。
- (B)成分の塩基性化合物がアルキルアミン又はアルカノールアミンであることを特徴と
する請求項1〜4何れかに記載のステンレス基材用塗料。
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