JP2010095648A - 耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた塗料 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機溶剤含有量を低減させ、環境汚染や作業環境の悪化がなく、安全衛生面に対して有利で、高温にさらされても鋼板に対して優れた密着性を有する耐熱性樹脂組成物及びこれを塗膜成分とした塗料を提供する。
【解決手段】 (A)塩基性極性溶媒中で、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂、(B)塩基性化合物、(C)水及び(D)アセチルアセトン鉄(III)を配合してなる耐熱性樹脂組成物。(B)塩基性化合物が、(A)成分のポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及びポリアミドイミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価に対して、1〜20当量配合されると好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた塗料に関する。
環境保全面、安全衛生面、経済性及び塗装作業性等の面から有機溶剤に代わり媒体に水を使用する水性樹脂溶液が注目され、樹脂末端に残存するカルボキシル基と塩基性化合物を作用させるポリアミドイミド樹脂の水溶化方法が報告されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、上記方法で作製された水溶性のポリアミドイミド樹脂は、高温にさらされると鋼板への密着力が低下するため、この点の改善が強く望まれている。
特開2002−284993号公報
本発明は、有機溶剤含有量を低減させ、環境汚染や作業環境の悪化がなく、安全衛生面に対して有利であり、かつ高温にさらされても鋼板に対して優れた密着性を有する耐熱性樹脂組成物及びこれを塗膜成分としてなる塗料を提供することにある。
上述の高温にさらされた後の鋼板に対する密着性に関して検討した結果、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂と塩基性化合物によって得られる耐熱性樹脂組成物に、アセチルアセトン鉄(III)を配合することによって、鋼板に対する密着性の低下が改善され、かつ有機溶剤の低減により環境にも寄与できることを見出して本発明に至った。
すなわち、本発明は、[1](A)塩基性極性溶媒中で、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂、(B)塩基性化合物、(C)水及び(D)アセチルアセトン鉄(III)を配合してなる耐熱性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[2](B)塩基性化合物が、(A)成分のポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及びポリアミドイミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価に対して、1〜20当量配合される上記[1]に記載の耐熱性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[3](C)成分の水が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、5〜99質量%配合される上記[1]又は[2]に記載の耐熱性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[4]前記のポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が、5,000〜50,000、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が10〜100mgKOH/gである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[5](B)成分の塩基性化合物がアルキルアミン又はアルカノールアミンである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[6](D)成分のアセチルアセトン鉄(III)が、耐熱性樹脂組成物100質量%に対して、0.01〜20質量%配合される上記[1]〜[5]のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物を塗膜成分としてなる塗料に関する。
本発明の耐熱性樹脂組成物は、塗膜としたとき、高温にさらされても鋼板に対して密着性が低下せず、かつ有機溶剤含有量を低減させていることより、各種の用途の中でも特に高耐熱用途に有用であり、かつ環境汚染や作業環境の悪化がなく、安全衛生面に対して有利であることから、工業的に多大な有効性を有するものである。
本発明は、(A)塩基性極性溶媒中で、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂、(B)塩基性化合物、(C)水及び(D)アセチルアセトン鉄(III)を配合してなる耐熱性樹脂組成物である。
本発明で用いるポリアミドイミド樹脂は、前記のようにジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるものである。ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドは、それぞれ芳香族化合物を使用することが好ましい。ポリアミドイミド樹脂の製造に用いられる代表的な化合物を次に列挙する。
ジイソシアネート化合物としては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3′−ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ジアミンとしては、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン等が挙げられる。
また、三塩基酸無水物としては、トリメリット酸無水物等が挙げられ、三塩基酸無水物クロライドとしては、トリメリット酸無水物クロライド等が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂を合成する際に、ジカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物等をポリアミドイミド樹脂の特性を損なわない範囲で同時に反応させることができる。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等が挙げられ、テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
前記ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドと必要に応じて使用するジカルボン酸及びテトラカルボン酸二無水物の使用量は、生成されるポリアミドイミド樹脂の分子量、架橋度の観点から酸成分の総量1.0モルに対して、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物を0.8〜1.1モルとすることが好ましく、0.95〜1.08モルとすることがより好ましく、特に、1.0〜1.08モル使用されることが好ましい。また、酸成分中、ジカルボン酸及びテトラカルボン酸二無水物は、これらの総量が0〜50モル%の範囲で使用されるのが好ましい。
本発明のポリアミドイミド樹脂は、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを塩基性極性溶媒中で反応させることで得られる。ここで、塩基性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどを用いることができ、ポリアミドイミド化反応を高温で短時間に行うためには、N−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶媒を用いるのが好ましい。また、溶媒の使用量に特に制限はないが、ジイソシアネート成分と酸成分の総量100質量部に対して100〜500質量部とするのが好ましい。ポリアミドイミド樹脂の合成条件は、多様であり、一概に特定できないが、通常、120〜155℃の温度で行われ、空気中の水分の影響を低減するため、窒素などの雰囲気下で行うのが好ましい。
なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングしてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に管理される。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は、数平均分子量が5,000〜50,000のものが好ましい。数平均分子量が5,000未満では、塗膜としたときの、塗膜の耐熱性や機械的特性等の諸特性が低下する傾向があり、50,000を超えると、塗料として適正な濃度で溶媒に溶解したときに粘度が高くなり、塗装時の作業性に劣る傾向がある。このことから、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、10,000〜30,000とすることが好ましく、15,000〜25,000とすることが特に好ましい。
また、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が、10〜100mgKOH/gであることが好ましく、10mgKOH/g未満であると(B)塩基性化合物と反応するカルボキシル基が不足するため、水溶化が困難となり、100mgKOH/gを超えると最終的に得られる水系耐熱性樹脂組成物が経日にてゲル化しやすくなる。このことから、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が20〜80mgKOH/gとすることがより好ましく、30〜60mgKOH/gとすることが特に好ましい。
なお、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は、以下の方法で得ることができる。ポリアミドイミド樹脂を約0.5gとり、これに1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンを約0.15g加え、さらにN−メチル−2−ピロリドンを約60g及びイオン交換水を約1ml加え、ポリアミドイミド樹脂が完全に溶解するまで攪拌する。これを0.05モル/lエタノール性水酸化カリウム溶液を使用して電位差滴定装置で滴定し、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価を得る。
本発明において用いる(B)塩基性化合物としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン等のアルキルアミン、メチルアニリン、ジメチルアニリン等のアルキルアニリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、シクロヘキサノールアミン、N−メチルシクロヘキサノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン等のアルカノールアミン類が適しているが、これら以外の塩基性化合物、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリ又はアンモニア水等を使用してもよく特に制限はない。好ましくは、トリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが使用される。
(B)塩基性化合物は、上記の有機溶媒中で反応させて得られるポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及び開環させた酸無水物基を合わせた酸価に対して、1〜20当量用いると好ましい。1当量未満では、樹脂の水溶化が困難となり、20当量を超えると樹脂の加水分解が促進され、長期の保存により粘度又は特性低下をきたすことがある。このことから、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価に対して、2〜10当量とすることがより好ましく、3〜8当量とすることが特に好ましい。
塩基性化合物は、ポリアミドイミド樹脂の末端にあるカルボキシル基と塩を形成して親水性基となる。塩形成に際しては水の共存下に行ってもよいし、塩基性化合物を添加した後、水を加えてもよい。塩を形成させる温度は0℃〜200℃、好ましくは40℃〜130℃の範囲で行われる。
塩基性化合物の種類と量及び水の添加方法によって、得られる水性樹脂組成物の形態は、エマルジョン状、半透明溶液、透明溶液等となるが、貯蔵安定性、塗装作業性の点から、半透明あるいは透明溶液にすることが好ましい。
水としてはイオン交換水が好ましく用いられ、(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量に対して好ましくは5〜99質量%、より好ましくは20〜60質量%配合される。この配合量が5質量%未満では含有する水が少ないことから一般に水溶性ポリマーとして称されず、99質量%を超えると塗料として機能しなくなる傾向がある。
アセチルアセトン鉄(III)の配合量は、ポリアミドイミド樹脂100質量%に対し、0.01〜20質量%の範囲が好ましい。0.01質量%未満では、密着性向上効果が小さくなり、20質量%を超えると塗膜の耐熱性が漸次低下する傾向を示す。このことから、アセチルアセトン鉄(III)の配合量は、ポリアミドイミド樹脂100質量%に対し、0.05〜10質量%とすることが好ましく、0.1〜8質量%とすることがより好ましい。
このようにして得られた水系の耐熱性樹脂組成物は、使用する際に必要に応じて適当な濃度に希釈される。希釈溶媒としては、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒の他に、助溶媒として、ポリオール類、これらの低級アルキルエーテル化物、アセチル化物等を用いてもよい。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、イソプロピルアルコール、又はそれらのモノメチルエーテル化物、モノエチルエーテル、モノイソプロピルエーテル化物、モノブチルエーテル化物、ジメチルエーテル化物及びこれらのモノアセチル化物等が使用される。
本発明による耐熱性樹脂組成物は、被塗物に塗布、硬化させて、被塗物表面に塗膜を形成する。鋼板を被塗物としたとき、特に著しい効果を挙げることができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではなく、発明の主旨に基づいたこれら以外の多くの実施態様を含むことは言うまでもない。
(実施例1)
無水トリメリット酸1106.2g、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート1455.8g、N−メチル−2−ピロリドン2562.0gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら約2時間かけて徐々に昇温して130℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら130℃を保持し、このまま約6時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃、2時間加熱して測定)は、約50質量%で、粘度(30℃)は85.0Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、17,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は40mgKOH/gであった。なお、数平均分子量は次の条件にて測定した。
機種:日立 L6000
検出器:日立 L4000型UV
波長:270nm
データ処理機:ATT 8
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5×2
カラムサイズ:直径8mm×300mm
溶媒:DMF/THF=1/l(リットル)+リン酸0.06M+臭化リチウム0.06M
試料濃度:5mg/1ml
注入量:5μl
圧力:49kgf/cm(4.8×106Pa)
流量:1.0ml/min
このポリアミドイミド樹脂溶液2,700gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して50℃まで上げた。50℃に達したところでトリエチルアミンを447.1g(4当量)添加し、50℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水が1348.8g(30質量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性樹脂組成物を得た。
上記方法で作製された耐熱性樹脂組成物100質量%(不揮発分30質量%)にアセチルアセトン鉄(III)1.2質量%を配合し、耐熱性樹脂組成物を得た。
(実施例2)
無水トリメリット酸233.8g、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸98.0g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート384.6g、N−メチル−2−ピロリドン1671.6gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら約1時間かけて徐々に昇温して120℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら徐々に昇温して150℃まで上げ、加熱開始から5時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃、2時間加熱して測定)は、30質量%で、粘度(30℃)は2.1Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、23,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を合わせた酸価は30mgKOH/gであった。
このポリアミドイミド樹脂溶液200gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して110℃まで上げた。110℃に達したところでN,N−ジメチルエタノールアミンを17.6g(6当量)添加し、110℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水が217.6g(50質量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性樹脂組成物を得た。
上記方法で作製された耐熱性樹脂組成物100質量%(不揮発分14質量%)にアセチルアセトン鉄(III)2.0質量%を配合し、耐熱性樹脂組成物を得た。
(比較例1)
無水トリメリット酸876.9g、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1153.8g、N−メチル−2−ピロリドン4,738.3gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら約1時間かけて徐々に昇温して110℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら徐々に昇温して120℃まで上げた。加熱開始から約8時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃、2時間加熱して測定)は30質量%で、粘度(30℃)は1.8Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、21,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は35mgKOH/gであった。
[試験例]
実施例1及び2、及び比較例1で得られた耐熱性樹脂組成物(塗料)を鋼板(SPCC)に塗布した後、300℃で30分間焼付けて膜厚10μmの塗膜板を形成した。塗膜を形成した鋼板について、初期及び300℃に所定の時間さらした後の密着性を旧JIS K5400に準じて測定した(%、クロスカット残率)。その結果を表1に示した。
Figure 2010095648
比較例1の初期において、密着性の数値に幅があるのは初期密着性に試料間のばらつきがあるためであり、実施例1及び2の数値に幅がないのは試料間のばらつきがないことを示す。また、ポリアミドイミド樹脂を何度か合成したロット間の密着性のばらつきは、前記と同様、比較例1では、ばらつきが大きく、実施例では、ばらつきが少なかった。
表1から、実施例1及び2で得られた塗料は、比較例の塗料と比較して、有機溶剤含有量が低減され、かつ、実施例1及び2で得られた塗料から得られた塗膜は、比較例の塗料から得られた塗膜と比較して、初期及び300℃劣化試験後の密着性が著しく優れていることがわかる。

Claims (7)

  1. (A)塩基性極性溶媒中で、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂、(B)塩基性化合物、(C)水及び(D)アセチルアセトン鉄(III)を配合してなる耐熱性樹脂組成物。
  2. (B)塩基性化合物が、(A)成分のポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及びポリアミドイミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価に対して、1〜20当量配合される請求項1に記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. (C)成分の水が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して、5〜99質量%配合される請求項1または請求項2に記載の耐熱性樹脂組成物。
  4. ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が、5,000〜50,000、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が10〜100mgKOH/gである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物。
  5. (B)成分の塩基性化合物が、アルキルアミン又はアルカノールアミンである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物。
  6. (D)成分のアセチルアセトン鉄(III)が、耐熱性樹脂組成物100質量%に対して、0.01〜20質量%配合される請求項1〜請求項5のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物を塗膜成分としてなる塗料。
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