JP5982320B2 - コーティング剤組成物及びコーティング膜形成方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、優れた塗工性を有し、均質な被膜を形成することが可能なコーティング剤組成物及びコーティング膜形成方法を提供することを課題とする。
本実施形態に係るコーティング剤組成物は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸とm−キシリレンジアミンを反応させて得られる塩を溶質とし、水とアルコールの混合物を溶媒とする溶液を含有する。前記混合物におけるアルコールの比率は、1質量%以上40質量%以下である。また、アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
加熱方法は特に限定されるものではなく、炉加熱、熱風乾燥、赤外線照射、紫外線照射等の各種公知の方法を採用することができる。また、必要に応じて、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で加熱処理を行ってもよい。
よって、本実施形態のコーティング剤組成物は、そのままクリアーワニスとして用いることができる。また、塗料、インキ、磁気テープ、導電材料、表面処理剤(例えばオーバープリントニス)のバインダーとして使用することもできる。
カルボン酸成分であるベンゾフェノンテトラカルボン酸は、剛直なイミド系高分子の母核となる構造を分子内に有しており、コーティング膜に優れた強度を付与する作用を有している。
また、ジアミン成分であるm−キシリレンジアミンは、窒素上の活性水素を2つ有するため、樹脂特性を発現するイミド閉環反応を、加熱乾燥時に分子内で速やかに進行させ、素材の信頼度を高める作用を有している。
さらに、コーティング剤組成物には、顔料、分散剤、垂れ止め剤、紫外線吸収剤等の公知のコーティング剤用添加剤を添加してもよい。これらのコーティング剤用添加剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、基材の材質はプラスチックが好適であるが、紙、木材、金属、ガラス、セラミック等を採用することもできる。
(参考例1)
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、水45.0gと、n−プロパノール5.0gと、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸36.2gとを装入し、22℃にて30分間攪拌混合した。その後、m−キシリレンジアミン13.8gを加えて攪拌混合すると、褐色溶液が得られた。この溶液の固形分濃度は50質量%で、20℃における粘度は62mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、水45.0gと、イソプロパノール5.0gと、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸36.2gとを装入し、22℃にて30分間攪拌混合した。その後、m−キシリレンジアミン13.8gを加えて攪拌混合すると、褐色溶液が得られた。この溶液の固形分濃度は50質量%で、20℃における粘度は58mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、水45.0gと、n−ブタノール5.0gと、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸36.2gとを装入し、22℃にて30分間攪拌混合した。その後、m−キシリレンジアミン13.8gを加えて攪拌混合すると、微白濁褐色溶液が得られた。この溶液の固形分濃度は50質量%で、20℃における粘度は50mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、水45.0gと、イソブタノール5.0gと、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸36.2gとを装入し、22℃にて30分間攪拌混合した。その後、m−キシリレンジアミン13.8gを加えて攪拌混合すると、微白濁褐色溶液が得られた。この溶液の固形分濃度は50質量%で、20℃における粘度は60mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、水50.0gと、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸36.2gとを装入し、22℃にて30分間攪拌混合した。その後、m−キシリレンジアミン13.8gを加えて攪拌混合すると、褐色溶液が得られた。この溶液の固形分濃度は50質量%で、20℃における粘度は50mPa・sであった。
これらの結果から、参考例1〜4の溶液は優れた塗工性を有していることが分かる。また、参考例1〜4の溶液から得られたコーティング膜は、剥離が生じにくく、基材に対する密着性が優れていることが分かる。
参考例1で得られた溶液10gに脱水ヒマシ油(よう素価130g)0.3gを添加、混合した後、30分間静置した。この溶液に沈殿は生じず、相溶性が優れていることが分かった。溶液の固形分濃度は51質量%で、20℃における粘度は98mPa・sであった。また、この溶液について、参考例1〜4及び比較例1の場合と同様の方法で、塗装性と密着性を評価した。結果を表2に示す。なお、表2においては、溶液に沈殿が生じず、相溶性が優れている場合は○印、溶液に沈殿が生じ、相溶性が劣る場合は×印で示してある。
参考例2で得られた溶液10gに脱水ヒマシ油(よう素価130g)0.3gを添加、混合した後、30分間静置した。この溶液に沈殿は生じず、相溶性が優れていることが分かった。溶液の固形分濃度は51質量%で、20℃における粘度は95mPa・sであった。また、この溶液について、参考例1〜4及び比較例1の場合と同様の方法で、塗装性と密着性を評価した。結果を表2に示す。
参考例3で得られた溶液10gに脱水ヒマシ油(よう素価130g)0.3gを添加、混合した後、30分間静置した。この溶液に沈殿は生じず、相溶性が優れていることが分かった。溶液の固形分濃度は51質量%で、20℃における粘度は91mPa・sであった。また、この溶液について、参考例1〜4及び比較例1の場合と同様の方法で、塗装性と密着性を評価した。結果を表2に示す。
参考例4で得られた溶液10gに脱水ヒマシ油(よう素価130g)0.3gを添加、混合した後、30分間静置した。この溶液に沈殿は生じず、相溶性が優れていることが分かった。溶液の固形分濃度は51質量%で、20℃における粘度は95mPa・sであった。また、この溶液について、参考例1〜4及び比較例1の場合と同様の方法で、塗装性と密着性を評価した。結果を表2に示す。
比較例1で得られた溶液10gに脱水ヒマシ油(よう素価130g)0.3gを添加、混合した後、30分間静置した。この溶液には沈殿が生じ、相溶性が劣ることが分かった。沈殿が生じたため、この溶液については塗装性と密着性の評価は行わなかった。
Claims (2)
- ベンゾフェノンテトラカルボン酸とm−キシリレンジアミンを反応させて得られる塩を溶質とし、水とアルコールの混合物を溶媒とする溶液を含有し、さらに乾性油を含有するとともに、前記混合物における前記アルコールの比率が1質量%以上40質量%以下であり、前記アルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするコーティング剤組成物。
- 請求項1に記載のコーティング剤組成物を基材上に膜状に配した後に、前記溶媒を除去するとともに前記塩のイミド化反応を行って、ポリイミド樹脂の膜を形成することを特徴とするコーティング膜形成方法。
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