JP2014159551A - 熱硬化性組成物、硬化膜および電子部品 - Google Patents

熱硬化性組成物、硬化膜および電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】膜面均一性、耐熱性および機械特性にバランス良く優れた硬化膜を形成し得る、溶質濃度が高くても低粘度であり保存安定性に優れる熱硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】化合物(A)と化合物(B)とを含有する熱硬化性組成物。
(A)式(1)で表される基を1つ以上有する、カルボン酸エステル
(B)ジアミン
Figure 2014159551

(式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性組成物、硬化膜および電子部品に関し、特定のカルボン酸エステルおよびジアミンを含む熱硬化性組成物、該組成物から得られた硬化膜ならびに該硬化膜を有する電子部品に関する。
より詳しくは、例えば電子部品製作において絶縁膜層を形成するために用いられる熱硬化性組成物、該組成物から得られた硬化膜、および、該硬化膜を有する電子部品に関する。
電子通信分野では、耐熱性および電気絶縁性に優れる等の理由から、ポリイミド膜が広く用いられている(特許文献1〜3)。
また、膜を製造する際には、生産性および成膜容易性などの点から、溶液塗布法が採用されている。
溶液塗布法を用いて、ポリイミド膜を形成する際の材料として、ポリイミドを含有する溶液や、加熱処理することによりポリイミドとなるポリアミド酸を含有する溶液などが各種提案されている(特許文献4〜8)。
これら溶液を塗布する際には、塗工可能な粘度の溶液を用いる必要があるが、前記特許文献に記載の溶液は、いずれも高重合度のポリマーを含む溶液であるため粘度が高く、塗工可能な溶液にするには、ポリマー濃度を下げなければならなかった。
しかしながら、高重合度のポリマーは、溶媒に対する溶解性が低いため、ポリマー濃度を低くしても、溶液を調製することは容易ではなく、また、ポリマー濃度の低い溶液を調製できたとしても、ポリマー成分の析出などにより、長期の保存安定性が低く、さらに、膜の生産性も低下していた。
このような問題を解決するため、例えば、特定の式で表されるテトラカルボン酸(及び/又はそのエステル誘導体)とジアミンとからなるポリイミド前駆体と、このポリイミド前駆体を溶解しない溶媒とからなるポリイミド前駆体分散液が報告されている(特許文献9)。
特開2000−039714号公報 特開2003−238683号公報 特開2004−094118号公報 特開2009−221309号公報 特開2009−120811号公報 特開2010−189631号公報 特開昭60−210630号公報 特開昭59−164328号公報 特開2000−290369号公報
しかしながら、前記特許文献9に記載の分散液を用いて硬化膜を形成する場合、加熱処理において膜面が膨れてしまい、膜面が均一な(厚みムラのない)硬化膜を得ることが困難であることが分かった。また、前記分散液を用いた場合には、従来のポリイミドやポリアミド酸を含む組成物から得られた硬化膜が有する特性と同程度の特性を有する硬化膜を得ることが難しいことが分かった。
本発明は、膜面均一性、耐熱性および機械特性にバランス良く優れる硬化膜を形成し得る、溶質濃度が高くても低粘度であり保存安定性に優れる熱硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、特定のカルボン酸エステル(A)とジアミン(B)とを含む熱硬化性組成物を用いることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は以下の通りである。
[1] 化合物(A)と化合物(B)とを含有する熱硬化性組成物。
(A)式(1)で表される基を1つ以上有する、カルボン酸エステル
(B)ジアミン
Figure 2014159551
(式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
[2] カルボン酸エステル(A)が、カルボン酸無水物(a1)と式(2)で表される化合物(a2)とを反応させて得られるカルボン酸エステルである、[1]に記載の熱硬化性組成物。
Figure 2014159551
(式(2)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
[3] カルボン酸無水物(a1)が、テトラカルボン酸無水物および熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[2]に記載の熱硬化性組成物。
[4] カルボン酸無水物(a1)が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物、4−エチニルフタル酸無水物、および、4−フェニルエチニルフタル酸無水物からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、[2]または[3]に記載の熱硬化性組成物。
[5] ジアミン(B)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、3,3’−ジメトキシベンジジン、イソホロンジアミン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、ダイマー酸型ジアミン、および、式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、[1]〜[4]の何れかに記載の熱硬化性組成物。
Figure 2014159551
(式(3)中、R3は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R4は独立してメチレンまたはフェニレンであり、該フェニレンの少なくとも1つの水素は炭素数1〜6のアルキルで置き換えられていてもよく、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)
[6] さらに溶剤(C)を含有する、[1]〜[5]の何れかに記載の熱硬化性組成物。
[7] [1]〜[6]の何れかに記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られた硬化膜。
[8] [7]に記載の硬化膜を有する電子部品。
本発明によれば、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成し得る、溶質濃度が高くても低粘度であり保存安定性に優れる熱硬化性組成物を得ることができる。
1.熱硬化性組成物
本発明の熱硬化性組成物(以下単に「本発明の組成物」ともいう。)は、特定のカルボン酸エステル(A)およびジアミン(B)を含有する熱硬化性組成物であれば特に限定されない。
本発明の組成物は、ポリイミドやポリアミド酸ではなく、前記カルボン酸エステル(A)およびジアミン(B)を含むため、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成し得る、溶質濃度が高くても低粘度であり保存安定性に優れる熱硬化性組成物となる。
なお、本発明における「溶質濃度」とは、本発明の組成物中における、該組成物から硬化物を形成した時の該硬化物中の重合体を形成し得る成分の濃度のことをいう。
なお、本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、溶剤や添加剤を含んでもよい。なお、本発明の組成物は、無色、有色のどちらであってもよい。
1−1.カルボン酸エステル(A)
カルボン酸エステル(A)(以下「成分(A)」ともいう。)は、下記式(1)で表される基を1つ以上有する、カルボン酸エステルである。
Figure 2014159551
(式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
従来は、特定のカルボン酸エステル(A)の代わりに、カルボン酸無水物を用いていたが、通常、該カルボン酸無水物は室温でもジアミン(B)と反応してしまうため、組成物の保存中に性状が変化すること、また、重合したポリマーが析出することがあった。このため、このような組成物は、冷凍保存する必要があった。
一方、本発明では、熱硬化性組成物中に、前記特定のカルボン酸エステル(A)を含むため、上記効果を有する組成物となり、特に、室温での保存安定性および保存容易性に優れる組成物となる。
前記カルボン酸エステル(A)は、カルボン酸無水物(a1)と式(2)で表される化合物(a2)とを反応させて得られた化合物であることが好ましい。
1−1−1.カルボン酸無水物(a1)
カルボン酸無水物(a1)としては、特に制限されないが、芳香環を含むカルボン酸無水物が好ましく、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜が得られるなどの点から、テトラカルボン酸無水物および/または熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物がより好ましく、化合物(a2)に溶解し得る化合物であることがさらに好ましい。
カルボン酸無水物(a1)は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、テトラカルボン酸無水物および熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物を併用してもよい。カルボン酸無水物(a1)として、これらを併用すると、ポリイミド鎖同士の架橋が起こり、より耐熱性および機械特性に優れた硬化膜を形成できる。
1−1−1−1.熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物
熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物としては特に制限されない。
熱硬化性不飽和結合を有する基としては、重合性2重結合を有する基、エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基等が挙げられ、架橋反応性および得られる硬化物の耐熱性などの点から、エチニル基が好ましい。
熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物としては、4−エチニルフタル酸無水物(略語:4−EPA)、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アリルナジック酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、アリルこはく酸無水物等が挙げられる。
これらの中でも化合物(a2)に溶解し、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜が得られるなどの点から4−エチニルフタル酸無水物が好ましい。
1−1−1−2.テトラカルボン酸無水物
テトラカルボン酸無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(略語:s−BPDA)、ピロメリット酸二無水物(略語:PMDA)、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(略語:ODPA)、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物および3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらの中でも、化合物(a2)に溶解し、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜が得られるなどの点から3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(略語:s−BPDA)、ピロメリット酸二無水物(略語:PMDA)、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(略語:ODPA)が好ましい。
1−1−2.化合物(a2)
化合物(a2)は、下記式(2)で表される。
このような化合物(a2)を使用することによって、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成することができる熱硬化性組成物が得られる。
Figure 2014159551
(式(2)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
1は、カルボン酸エステル(A)を容易に合成することができる、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点から、好ましくは炭素数1〜6のアルキルであり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキルである。
前記アルキルは、直鎖であってもよく分岐を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
nが2以上の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一であってもよく異なってもよい。このことは、本発明の他の式においても同様である。
2は好ましくは炭素数2のアルキレンである。
前記アルキレンは、直鎖であってもよく分岐を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
nは、カルボン酸エステル(A)を容易に合成することができる、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点から、好ましくは2または3であり、より好ましくは2である。
化合物(a2)は、その構造と、沸点が所定の関係にあることが好ましい。
該構造としては、式(2)で表されるような直鎖状の化合物であることが好ましく、沸点としては、好ましくは100〜260℃、より好ましくは120〜240℃である。
本発明の組成物は、カルボン酸エステル(A)を含み、該カルボン酸エステル(A)は、カルボン酸無水物(a1)と化合物(a2)とを反応させて得られた化合物であることが好ましい。このエステル化には、通常ある程度の温度が必要であり、低沸点の化合物(a2)を用いると、この反応を高温で行うことができなくなる。従って、低沸点の化合物(a2)を用いる場合には、低温で長時間反応させなければ、カルボン酸エステル(A)を合成できず、組成物の調製段階で生産性よく組成物を得ることができない場合がある。
また、本発明の組成物は、好ましくは、熱をかけることによりイミド化させて用いられる。この際には、通常、カルボン酸エステル(A)から化合物(a2)由来の成分が脱離し、該成分は揮発する。このイミド化は、ある程度の高温下で行われるため、脱離した成分の沸点が低いと、硬化物形成時に急激に揮発し、硬化物の膨れ、硬化物に発泡やワキ由来の欠陥が生じる場合がある。
一方、脱離した成分の沸点が高いと、イミド化の過程で該成分が揮発せずに硬化物内に残るため、さらなる加熱が必要になることがあり、硬化膜の生産性が劣る場合がある。
従って、化合物(a2)の沸点は、前記範囲にあることが好ましいが、たとえ、沸点が前記範囲にあるアルコールであっても、式(2)で表される構造を有していない場合には、本発明の効果を奏することができない傾向にある。
例えば、分岐を有するアルコール等は、式(2)で表される構造を有していなくても、沸点が前記範囲にある場合があるが、このような化合物を用いた場合、カルボン酸エステル(A)を容易に合成することはできず、また、カルボン酸エステル(A)から、該アルコール由来の成分が脱離し難くなるため、従来のポリイミド膜が有する特性などの所望の特性を有する硬化物を得ることができなくなる傾向にある。
化合物(a2)としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノノニルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトール、略語:ECa)、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノノニルエーテル、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノノニルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノペンチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノヘプチルエーテル、プロピレングリコールモノオクチルエーテル、プロピレングリコールモノノニルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、ジプロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノニルエーテル、
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノニルエーテル等が挙げられる。
これらの中でもカルボン酸エステル(A)を容易に合成することができる、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点からジエチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
1−1−3.カルボン酸エステル(A)の合成条件
カルボン酸エステル(A)は、好ましくはカルボン酸無水物(a1)中の酸無水物基と化合物(a2)中の水酸基とを反応させることで得ることができる。
この反応における、カルボン酸無水物(a1)と化合物(a2)との使用比率としては、カルボン酸無水物(a1)中の酸無水物基の合計モル数をα、化合物(a2)中の水酸基の合計モル数βとすると、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な、安定性に優れる組成物を得ることができるなどの点から、β/αが1以上であることが好ましい。
また、前記反応における反応温度は、通常60〜160℃、好ましくは70〜160℃であり、反応時間は、通常0.5〜10時間、好ましくは0.5〜8時間であり、反応圧力は例えば常圧下である。
1−2.ジアミン(B)
ジアミン(B)(以下「成分(B)」ともいう。)は、アミノ基を2つ有する化合物であれば特に制限されず、−NH2を2つ有する化合物であることが好ましく、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜が得られるなどの点から、−NH2を2つ有し、かつ、芳香環を有する化合物であることがより好ましい。
ジアミン(B)は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジアミン(B)の具体例としては、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(略語:DDS)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(略語:DDE)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(略語:BAPS−M)、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(略語:BAPP)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(略語:HFBAPP)、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(略語:TPE−R)、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、3,3’−ジメトキシベンジジン(略語:DMB)、イソホロンジアミン、ダイマー酸型ジアミン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、および下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014159551
式(3)中、R3は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R4は独立してメチレンまたはフェニレンであり、該フェニレンの少なくとも1つの水素は炭素数1〜6のアルキルで置き換えられていてもよく、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。
前記フェニレンを置換してもよい炭素数1〜6のアルキルとしては、特に制限されないが、好ましくは炭素数1〜3のアルキルである。
前記ダイマー酸型ジアミンは、例えば、ダイマー酸の還元的アミノ化反応によって得られる。この反応は、例えば、アンモニアおよび触媒を使用する還元法や、特開平9−12712号公報等に記載の公知の方法によって行うことができる。
ダイマー酸とは、不飽和脂肪酸が分子間重合反応等によって二量化して得られる二塩基酸である。ダイマー酸には、合成条件および精製条件にもよるが、通常はダイマー酸の他、モノマー酸やトリマー酸等も少量含まれる。前記二量化後には得られた分子内に二重結合が残存するが、本発明では、水素添加反応により、分子内に存在する二重結合が還元されて飽和二塩基酸となったものもダイマー酸に含めるものとする。
ダイマー酸は、具体的には、例えば、ルイス酸やブレンステッド酸を触媒として用いて、不飽和脂肪酸の重合を行うことによって得られる。ダイマー酸は、公知の方法(例:特開平9−12712号公報)によって合成することができる。
不飽和脂肪酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、ステアロール酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、セトレイン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびニシン酸からなる群より選択される1種以上の化合物が挙げられる。
不飽和脂肪酸の炭素数は、好ましくは4〜24、より好ましくは14〜20である。
例えば、リノール酸を用いてダイマー酸を製造する場合、得られる混合物は一般的に炭素数36のダイマー酸を主成分として含むが、炭素数18のモノマー酸および炭素数54のトリマー酸等も副成分として少量含むのが一般的であり、原料由来の様々な構造を含む。
ダイマー酸型ジアミンは、例えば、下記式(a)〜(f)のいずれかで表される構造を有する化合物、または、これらの化合物中の一部もしくはすべての不飽和結合を単結合にした化合物であることが好ましい。
Figure 2014159551
(式(a)〜(f)中、m、n、pおよびqはそれぞれ独立に0〜15の整数である。)
ダイマー酸型ジアミンの市販品としては、例えば、バーサミン551(商品名、BASFジャパン(株))、プリアミン1074(商品名、クローダジャパン(株))が挙げられる。ダイマー酸型ジアミンは、ダイマー酸の還元的アミノ化反応によって得られたジアミンを水素添加してなる化合物も含み、その市販品としては、例えば、バーサミン552(商品名、BASFジャパン(株))が挙げられる。
ジアミン(B)は、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点から、DDS、DDE、BAPS−M、BAPP、HFBAPP、TPE−RおよびDMBが好ましい。
ジアミン(B)としては、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点から、下記式(4)で表される化合物が好ましい。特に、カルボン酸無水物(a1)として、ODPA、PMDA、s−BPDAまたは4−EPAを用いた場合、ジアミン(B)として該化合物を用いると、前記効果に加え、得られる硬化膜は、過度に硬くなりすぎず、膜厚ムラや、発泡やワキ由来の欠陥や、ひび割れなどが起こりにくくなるため好ましい。
Figure 2014159551
(式(4)中、R5は、単結合、−O−、−C(CH32−または−C(CF32−であり、R6は独立して、炭素数1〜3のアルキルまたは炭素数1〜3のアルコキシであり、aおよびbはそれぞれ独立して0または1である。)
1−3.成分(A)および(B)の含有量
成分(A)および(B)は、成分(A)中の式(1)で表される基、ならびに、成分(A)中に含まれ得るカルボキシル基および酸無水物基の合計モル数をN’、成分(B)中のアミノ基の合計モル数をMとした場合に、N’/Mが、好ましくは0.5〜5、より好ましくは0.75〜4.5となる量で本発明の組成物中に含まれることが望ましい。
また、成分(A)が、カルボン酸無水物(a1)と化合物(a2)とを反応させて得られた成分である場合には、成分(A)および(B)は、使用したカルボン酸無水物(a1)の酸無水物基の合計モル数をN、成分(B)中のアミノ基の合計モル数をMとした場合に、N/Mが、好ましくは0.75〜1.25、より好ましくは0.9〜1.1となる量で本発明の組成物中に含まれることが望ましい。
成分(A)および(B)の含有量が前記範囲にあると、本発明の組成物から硬化膜を形成する際に、該硬化膜中に残存する未反応の成分(A)および(B)の量が少なく、得られる硬化膜の特性が良好となるなどの点から好ましい。
1−4.溶剤(C)
本発明の組成物は、必要により、溶質濃度および粘度の調整等のために、溶剤(C)を含んでいてもよい。
このような溶剤(C)としては、保存安定性に優れる組成物が得られるなどの点から、成分(A)および(B)を溶解することができる溶剤であることが好ましい。
溶剤(C)は、沸点が低過ぎると、得られる硬化膜の膜面の均一性が低下する場合があり、また、沸点が高すぎると、得られる硬化膜中に該溶剤が残存し、膜の特性が低下する恐れがある。このため、溶剤(C)の沸点は、90〜300℃の範囲にあることが好ましく、100〜280℃の範囲にあることがより好ましい。
溶剤(C)としては、例えば、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(1−エトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(1−ブトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、δ−ヘキサノラクトン、メチルエチルスルホキシドおよびジエチルスルホキシドが挙げられる。
溶剤(C)は、1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤(C)の含有量は、本発明の組成物の用途や塗装方法に応じて、適宜決めればよいが、貯蔵安定性などの点から、本発明の組成物100重量%に対し、20〜95重量%が好ましく、30〜90重量%がより好ましい。
1−5.添加剤
本発明の組成物は、目的とする特性によっては、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)、成分(B)および溶剤(C)以外の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、高分子化合物、エポキシ化合物、アクリル樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、エポキシ硬化剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、顔料、チタンブラック、カーボンブラックおよび染料が挙げられる。これらの添加剤は、目的とする特性によって、適宜、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1−5−1.高分子化合物
高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミド酸、可溶性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸エステル、ポリエステル、ポリビニルアルコールおよびポリオキシエチレンが挙げられる。高分子化合物としては、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子化合物の重量平均分子量としては、溶解性に優れるなどの点から、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは1,000〜180,000であり、さらに好ましくは1,000〜160,000であり、特に好ましくは1,000〜150,000である。
重量平均分子量が1,000以上である高分子化合物を用いると、該高分子化合物は、本発明の組成物から硬化膜を形成する際に蒸発することがなく、化学的・機械的に安定な硬化膜が得られる。
高分子化合物の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により測定することができる。
本発明の組成物中の高分子化合物の濃度は、通常0〜20重量%であり、好ましくは0〜10重量%である。このような濃度範囲であると、良好な膜面均一性、耐熱性および機械特性を有する硬化膜が得られる傾向にある。
1−5−2.エポキシ化合物
エポキシ化合物は、オキシラン基やオキセタン基を有する化合物であれば特に限定されないが、オキシラン基を2つ以上有する化合物が好ましい。
なお、本発明において、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有していても、オキシラン基またはオキセタン基を含むモノマーからなる重合体は、エポキシ化合物であり、オキシラン基またはオキセタン基を含むアルコキシシラン類もエポキシ化合物である。
本発明の組成物がこれらのエポキシ化合物を含有すると、耐熱性に優れる硬化膜が得られるため好ましい。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの重合体、およびオキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタンが挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと共重合させる他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドが挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの重合体、および、オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、n−ブチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、および、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体が挙げられる
オキシラン基またはオキセタン基を有するアルコキシシラン類の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
エポキシ化合物の具体例としては、商品名「jER807」、「jER815」、「jER825」、「jER827」、「jER828」、「jER190P」、「jER191P」、「jER1004」、「jER1256」(三菱化学(株))、商品名「アラルダイトCY177」、「アラルダイトCY184」(ハンツマン・ジャパン(株))、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド3000」、「EHPE−3150」(ダイセル化学工業(株))、商品名「テクモアVG3101L」((株)プリンテック)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、およびN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。これらの中でもアラルダイトCY184、セロキサイド2021P、テクモアVG3101LまたはjER828を用いると、膜面均一性が特に良好な硬化膜が得られるため好ましい。
エポキシ化合物の具体例として、さらに下記式(I)〜(VI)で表される化合物が挙げられる。これらの中では、下記式(I)、(V)および(VI)で表される化合物が、膜面均一性が特に良好な硬化膜が得られるため好ましい。
Figure 2014159551
式(V)中、Rf、RgおよびRhはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜30の有機基である。この炭素数1〜30の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の炭化水素基が挙げられる。
式(VI)中、Rcは炭素数2〜100の有機基である。この炭素数2〜100の有機基としては、例えば、炭素数2〜100の炭化水素基、炭素数6〜40の芳香族基を含む基が挙げられる。
式(VI)中、Rdは独立に、炭素数1〜30の有機基である。この炭素数1〜30の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基が挙げられ、環構造または酸素を含んでいてもよい炭素数1〜30の炭化水素基が好ましい。環構造としては、フェニル、シクロヘキシル、ナフチル、シクロヘキセニルおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルなどが挙げられる。
式(VI)中、Reは独立に、オキセタン、オキシランまたは1,2−エポキシシクロヘキサンを有する有機基であり、好ましくは下記式(VII)〜(IX)からなる群より選ばれる有機基である。
Figure 2014159551
前記式(VII)中、Riは水素または炭素数1〜3のアルキルである。
前記式(VI)で表される化合物の好ましい例として、下記式(X)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014159551
エポキシ化合物は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中にエポキシ化合物が含まれる場合、該組成物中のエポキシ化合物の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。前記濃度範囲であると、得られる硬化膜の膜面均一性、耐熱性および機械特性が良好となる。
1−5−3.アクリル樹脂
アクリル樹脂は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合体であれば特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を有する単官能重合性(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基を有しない単官能重合性(メタ)アクリレート;二官能(メタ)アクリレート;三官能以上の多官能(メタ)アクリレート;等のモノマーの単独重合体、およびこれらモノマーの共重合体が挙げられる。また、これらのモノマーと、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、ビニルトルエン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸などの単量体とが共重合された重合体でもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両者または一方を示す。
また、重合性を有する基の数が1つである場合を単官能、2つある場合を二官能と表現する。三官能や多官能の意味も、重合性基の数に基づく表現である。
ヒドロキシル基を有する単官能重合性(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中では、形成される硬化膜を柔軟にできる点から、4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましい。
ヒドロキシル基を有しない単官能重合性(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]およびシクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、N−アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレートおよびトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能以上の多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、およびウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
アクリル樹脂は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中にアクリル樹脂が含まれる場合、該組成物中のアクリル樹脂の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。前記濃度範囲であると、膜面均一性、耐熱性および機械特性に優れる硬化膜が得られる。
1−5−4.界面活性剤
本発明の組成物は、基板などの塗布対象物への濡れ性、レベリング性、または、本発明の組成物をインクジェット印刷等する場合の吐出性を向上させるために、界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤としては、本発明の組成物をインクジェット印刷等する場合の吐出性を向上できる点から、例えば、商品名「BYK−300」、「BYK−306」、「BYK−335」、「BYK−310」、「BYK−341」、「BYK−344」、「BYK−370」(ビック・ケミー(株))等のシリコン系界面活性剤;商品名「BYK−354」、「BYK−358」、「BYK−361」(ビック・ケミー(株))等のアクリル系界面活性剤;商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」(ネオス(株))等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中に界面活性剤が含まれる場合、該組成物中の界面活性剤の濃度は、好ましくは0.01〜1重量%である。
1−5−5.帯電防止剤
帯電防止剤は、本発明の組成物の帯電を防止するために使用するものである。このような帯電防止剤としては、特に限定されず、公知の帯電防止剤を用いることができるが、具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や、四級アンモニウム塩などが挙げられる。
帯電防止剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中に帯電防止剤が含まれる場合、該組成物中の帯電防止剤の濃度は、好ましくは0.01〜1重量%である。
1−5−6.カップリング剤
カップリング剤としては、特に限定されず、公知のカップリング剤を用いることができ、シランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤の例としては、トリアルコキシシラン化合物およびジアルコキシシラン化合物が挙げられる。
トリアルコキシシラン化合物またはジアルコキシシラン化合物としては、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらの中では、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシランおよびγ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
カップリング剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中にカップリング剤が含まれる場合、該組成物中のカップリング剤の濃度は、好ましくは0.01〜3重量%である。
1−5−7.エポキシ硬化剤
エポキシ硬化剤は、特に限定されず、公知のエポキシ硬化剤を用いることができ、具体的には、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾールおよびその誘導体、ジシアンジアミド類、芳香族アミン、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物などを用いることができる。
なお、多価カルボン酸とは、1分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物のことをいう。
エポキシ硬化剤としては、さらに具体的には、ジシアンジアミド等のジシアンジアミド類;アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の有機酸ジヒドラジド化合物;2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;無水フタル酸、無水トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物等の多価カルボン酸無水物;およびトリメリット酸等の多価カルボン酸などが挙げられる。これらの中では、無水トリメリット酸、トリメリット酸および1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物が好ましい。
エポキシ硬化剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中にエポキシ硬化剤が含まれる場合、該組成物中のエポキシ硬化剤の濃度は、好ましくは0.2〜5重量%である。
1−6.熱硬化性組成物の物性等
本発明の組成物は、成分(A)および(B)を含むため、溶質濃度の高い組成物であっても、溶液塗布法などの従来公知の塗布法を制限なく使用することができ、硬化膜を容易に形成することができる。
このため、1回の塗工でも膜厚の厚い硬化膜を形成することができ、生産性よく、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成することができる。
従って、例えば、1回の塗工で膜厚の厚い硬化膜を形成する際には、本発明の組成物中の溶質濃度を高くすればよいし、インクジェット法で本発明の組成物を塗布する場合など、所定の低い粘度の組成物が求められる場合には、該組成物中の溶質濃度を低くすればよい。
成分(A)および(B)は、溶剤への溶解性にも優れるため、このような濃度調節も容易にできる。
本発明の組成物中の溶質濃度は、以上のように、用いる用途に応じて適宜決めればよいが、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%である。
本発明の組成物中の溶質濃度が前記範囲にあると、溶液塗布法などの従来公知の塗布法を用いて、容易に生産性よく、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成することができる。
また、本発明の組成物の粘度も、前記のように、用いる用途に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは2〜20,000mPa・s、より好ましくは5〜15,000mPa・sである。
本発明の組成物中の粘度が前記範囲にあると、溶液塗布法などの従来公知の塗布法を用いて、容易に生産性よく硬化膜を形成することができる。
本発明の組成物は、通常の使用状況を考慮すると、室温下で3日以上、好ましくは7日以上、組成物中に沈殿や分離が生じないような組成物であることが望ましい。
2.硬化膜
本発明の硬化膜は、前記本発明の組成物を硬化させることで得ることができる。
このような硬化膜の製造方法は、特に制限されないが、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成することができるなどの点から、本発明の組成物を基板上などに塗布することで塗膜を形成し(塗膜形成工程)、これを乾燥処理(乾燥工程)および加熱処理する(加熱工程)方法が好ましい。
2−1.塗膜形成工程
本発明の組成物を基板上に塗布する方法としては、特に制限はなく、求められる硬化膜の厚みや組成物の粘度などに応じて、公知の塗布方法を適宜選択して使用できる。具体的には、アプリケーター、ドクターブレードナイフコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ロータリーコーター、フローコーター、ダイコーター、バーコーター等を用いる塗布方法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法等の塗布方法、インクジェット印刷、スクリーン印刷やグラビア印刷等に代表される印刷技術などが挙げられる。
前記組成物を塗布する基板として、例えば、FR−1、FR−3、FR−4、CEM−3またはE668等のプリント基板の各種規格に適合する、ガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、グリーンエポキシ基板およびBT(ビスマレイミドトリアジン)レジン基板が挙げられる。
さらに、例えば、銅、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、スズ、クロムまたはステンレス等の金属からなる基板(これらの金属からなる層を表面に有する基板であってもよい);酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、ジルコニウムのケイ酸塩(ジルコン)、酸化マグネシウム(マグネシア)、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、硫化カドミウム、硫化モリブデン、酸化ベリリウム(ベリリア)、酸化ケイ素(シリカ)、炭化ケイ素(シリコンカーバイト)、窒化ケイ素(シリコンナイトライド)、窒化ホウ素(ボロンナイトライド)、酸化亜鉛、ムライト、フェライト、ステアタイト、ホルステライト、スピネルまたはスポジュメン等の無機物からなる基板(これらの無機物からなる層を表面に有する基板であってもよい);PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる基板(これらの重合体からなる層を表面に有する基板であってもよい);シリコン、ゲルマニウムまたはガリウム砒素等からなる半導体基板(例シリコンウエハー);ガラス基板;酸化スズ、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウムスズ)またはATO(酸化アンチモンスズ)等の電極材料(配線)が表面に形成された基板挙げられる。
本発明の硬化膜は、好ましくは上述したポリイミド樹脂からなる基板、特にポリイミド樹脂からなるフィルム状の基板、およびシリコンウエハー上に形成される。
2−2.乾燥工程
乾燥工程は、塗膜中から、溶剤を除去し塗膜の特性と加熱工程後の塗膜面の均一性を付与することを目的に行う。
乾燥工程における温度および時間は、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を得るために、好ましくは、通常50〜120℃で、オーブンを用いる場合は10〜100分、ホットプレートを用いる場合は10〜80分である。
2−3.加熱工程
加熱工程は乾燥工程で残存している溶剤を除去、塗膜中の成分(A)から化合物(a2)由来の成分を脱離および揮発させ、成分(A)と成分(B)との反応によるイミド結合の形成、ならびに、用いるカルボン酸無水物(a1)によっては、熱硬化性不飽和結合部位における架橋反応を促し、硬化膜を製造することなどを目的に行う。
加熱工程の温度および時間は、前記乾燥処理と同様の理由により、好ましくは200〜450℃、より好ましくは250〜400℃で、オーブンを用いる場合は30〜200分間である。
得られる硬化膜の厚みは、所望の用途に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは1〜200μmであり、より好ましくは1〜150μmである。本発明の組成物は、溶質濃度を高くしても低粘度であり保存安定性に優れるため、従来の組成物より膜厚の厚い硬化膜を生産性よく容易に形成することができる。
2−4.硬化膜の物性等
本発明の硬化膜は、前記本発明の組成物を硬化させることで得られるため、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる。また、本発明の硬化膜は、好ましくはポリイミド(イミド基を複数有する重合体)を含む。この場合には、上記特性とともに、従来のポリイミド膜が有する、耐電圧、誘電率および誘電損失等の電気的特性、折り曲げ試験、弾性率および引張伸度等の機械的特性、耐酸性、耐アルカリ性および耐めっき性等の化学的安定性、熱分解温度、ガラス転移温度および線膨張係数等の熱的特性などの特性と同等またはそれ以上の特性を有する。
このため、本発明の硬化膜は、電子部品等の絶縁膜、保護膜等として好適に用いることができる。
本発明の硬化膜の5%重量減少温度は高いことが好ましく、該硬化膜を電子通信分野、特に半導体素子用途に用いる場合には、これらの用途に用いた際の該硬化膜からのアウトガスが生じにくいなどの点から、好ましくは450℃以上であり、より好ましくは460℃以上である。
本発明の硬化膜のガラス転移温度は高いことが好ましく、様々な用途において安定した硬化膜を得るなどの点から、好ましくは250℃以上であり、より好ましくは260〜600℃である。
本発明の硬化膜を絶縁膜として用いる場合、該硬化膜の線膨張係数は、該硬化膜にクラックが生じにくい、および、該硬化膜を支持体上に配置して使用する際の熱応力による支持体からの剥離が生じにくいなどの点から、該支持体と同程度の線膨張係数を有することが好ましい。
従って、前記線膨張係数は、用いる支持体に応じて、適宜調整すればよいが、該硬化膜を電子通信分野に用いる場合には、通常80ppm/℃以下、好ましくは70ppm/℃以下である。
本発明の硬化膜の線膨張係数は、用いる成分(A)および(B)を適宜選択することで調節できる。
3.電子部品
本発明の電子部品は、前記本発明の硬化膜を有する。このような電子部品としては、例えば、電子材料用基板が挙げられ、具体的には、フィルム基板、半導体ウェハ基板などが挙げられる。
前記フィルム基板としては、例えば、インクジェット印刷法などにより予め配線が形成されたポリイミドフィルムなどのフィルム状の基板上に、本発明の組成物を塗布して塗膜を形成し、その後、当該塗膜を乾燥・加熱することによって硬化させることで得られる基板が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で用いる、反応原料および溶剤の名称を略号で示す。以下の記述にはこの略号を使用する。
カルボン酸無水物(a1)
・ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・4−EPA:4−エチニルフタル酸無水物
・PTCDA:ペリレンテトラカルボン酸二無水物
化合物(a2)
・ECa:エチルカルビトール
OH基含有化合物
・MeOH:メタノール
・EHeOH:2−エチル−1−ヘキサノール
・CS−12(商品名、JNC(株)):イソ酪酸3−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチルペンチルと2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−3−モノイソブチラートとの混合物
ジアミン(B)
・BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
・DDE:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
・HFBAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン
・TPE−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
・DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
・BAPS−M:ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン
・DMB:3,3’−ジメトキシベンジジン
溶剤(C)
・EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
・GBL:γ−ブチルラクトン
[実施例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた50mLの反応容器中に、(a1)としてODPA[2.1521g]と、(a2)としてECa[7.5g]とを仕込み、得られた反応容器をオイルバス中130℃で4時間攪拌したところ、均一な液体が得られた。その後さらに、130℃で1時間攪拌し、カルボン酸エステル(A)を得た。次に、オイルバスからフラスコを取り出し、室温まで冷ました。その後、(B)としてBAPP[2.8479g]と、(C)としてEDM[7.5g]とを添加し、均一な溶液になるまで攪拌し、熱硬化性組成物を得た。該組成物を用いて下記評価(1)〜(6)を行った。
[実施例2〜12]
表1に示す原料を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で熱硬化性組成物を調製し、下記評価(1)〜(6)を行った。
[比較例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた50mLのフラスコ中に、(a1)としてODPA[2.1521g]と、(B)としてBAPP[2.8479g]と、(C)としてEDM[15g]とを仕込み、室温で1時間攪拌した。その後、フラスコ内を確認したところ、溶液中にポリマー成分が析出し、不溶であったため以後の評価を断念した。
[比較例2]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた50mLのフラスコ中に、(C)としてGBL[22.5g]と、(B)としてBAPP[1.42395g]とを仕込み、室温で1時間攪拌・溶解し、その後氷水で4℃まで冷却した。そこへ(a1)としてODPA[1.0761g]を添加したところ、10℃程度の発熱が見られた。発熱が終了したところで、フラスコを氷水から取り出し、室温で3時間攪拌することで熱硬化性組成物を得た。該組成物を用いて下記評価(1)〜(6)を行った。しかし、調製から2日後、組成物が白濁し始めており、保存安定性が不良であった。
[比較例3]
実施例1におけるカルボン酸エステル(A)の合成において、表2に示す原料を使用し、オイルバスの温度を70℃にし、実施例1と同様の方法で24時間攪拌した。しかし、ODPAがMeOHに溶解せず、以後の評価を断念した。
[比較例4]
表2に示す原料を使用したこと以外は実施例1と同じ条件で組成物を調製した。しかし、翌日、フラスコ内に析出物が生じており、以後の評価を断念した。
[比較例5]
実施例1におけるカルボン酸エステル(A)の合成において、表2に示す原料を使用し、実施例1と同様の方法で、24時間攪拌した。しかし、ODPAがCS−12に溶解せず、以後の評価を断念した。
[比較例6]
実施例1におけるカルボン酸エステル(A)の合成において、表2に示す原料を使用し、実施例1と同様の方法で、24時間攪拌した。しかし、PTCDAがEHeOHに溶解せず、以後の評価を断念した。
〔評価方法〕
実施例および比較例で用いた評価方法を以下に示す。
(1)粘度(mPa・s)
熱硬化性組成物の粘度は、25℃にて、E型粘度計(商品名:TV−22、東機産業(株)製)を用いて測定した。
(2)室温保存安定性
熱硬化性組成物の室温保存安定性を評価した。熱硬化性組成物を室温下で、7日経過後の状態を観察して、不溶物の生成が確認されず、室温保存しても熱硬化性組成物が安定しているものに対して、○と評価し、室温保存した際に、熱硬化性組成物が濁っていたり、ゲル化している等の不溶物の生成が確認できるものに対して、×と評価した。
(3)膜面均一性
アプリケーターを用いて熱硬化性組成物を基材(アルミホイル)上に塗布し、ホットプレートを用いて、50℃で30分間、次いで80℃で30分間乾燥させた。さらに得られた塗膜付基材をオーブンに入れて、実施例1で得られた熱硬化性組成物を用いた場合には250℃で120分間加熱することで、実施例2〜12で得られた熱硬化性組成物を用いた場合には200℃で30分間加熱した後、400℃で30分間加熱することで、比較例2で得られた熱硬化性組成物を用いた場合には、200℃で30分間加熱した後、300℃で30分間加熱することで、硬化膜(膜厚:50μm)付基材を形成した。膜面均一性の評価としては、得られた硬化膜付基材の硬化膜面を目視にて観察し、膨れやムラがなく均一な膜が形成されているものに対して、○と評価した。
(4)5%重量減少温度
膜面均一性を評価する際と同様にして硬化膜付基材を作成し、得られた硬化膜付基材から硬化膜を剥離し、長さ3mm、幅3mmにカットした。カットした硬化膜複数枚を合計重量が約10mgになるように重ね、サンプル容器(アルミパン)の中に入れ、得られたサンプル容器および示差熱重量同時測定装置(セイコーインスツル(株)製、SSC5200)を用いて、硬化膜の5%重量減少温度を測定した。
測定条件を以下に示す。
昇温開始温度:30℃
昇温終了温度:600℃
昇温速度:10℃/min
雰囲気:空気中
(5)ガラス転移温度
膜面均一性を評価する際と同様にして硬化膜付基材を作成し、得られた硬化膜付基材から硬化膜を剥離し、長さ23mm、幅5mmにカットした後、粘弾性測定装置(セイコーインスツル(株)製、DMS6100)を用いて、硬化膜のガラス転移温度を測定した。
測定条件を以下に示す。
昇温開始温度:30℃
昇温終了温度:600℃
昇温速度:10℃/min
雰囲気:空気中
(6)線膨張係数
膜面均一性を評価する際と同様にして硬化膜付基材を作成し、得られた硬化膜付基材から硬化膜を剥離し、長さ10mm、幅3mmにカットした後、熱・応力・歪測定装置(セイコーインスツル(株)製、TMA/SS6100)を用いて硬化膜の線膨張係数を測定した。
測定条件を下記に示す。
昇温開始温度:30℃
昇温終了温度:300℃
昇温速度:10℃/min
雰囲気:空気中
線膨張係数の算出:50〜125℃(ファーストスキャン)
以上の実施例および比較例の評価結果を表1または表2に記す。
Figure 2014159551
Figure 2014159551
上記の実施例および比較例の結果から明らかなように、実施例1〜12で得られた熱硬化性組成物は、少なくとも7日の室温保存において、いずれも不溶物の生成もなく、安定に保存することができ、容易にカルボン酸エステル(A)および熱硬化性組成物を製造でき、溶質濃度が40重量%である組成物であっても、従来公知の塗布法を用いることができ、保存安定性に優れていた。
実施例1〜12で得られた組成物から形成された硬化膜面は、いずれも均一であり、膨れやムラが見られなかった。
また、実施例1〜12で得られた組成物から形成された硬化膜は、5%重量減少温度およびガラス転移温度が、いずれも、それぞれ450℃および250℃を超え、線膨張係数が80ppm/℃以下であり、電子通信分野における絶縁膜としての特性を備えていることがわかった。
上記の実施例の結果から明らかなように、本発明の熱硬化性組成物は、溶質濃度が高くても低粘度であり、保存安定性に優れ、塗膜均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れた硬化膜を得ることができる。
本発明の熱硬化性組成物は、例えば、プリント配線基板用絶縁膜および半導体素子用絶縁膜、さらに、電子部品形成用材料として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 化合物(A)と化合物(B)とを含有する熱硬化性組成物。
    (A)式(1)で表される基を1つ以上有する、カルボン酸エステル
    (B)ジアミン
    Figure 2014159551
    (式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
  2. カルボン酸エステル(A)が、カルボン酸無水物(a1)と式(2)で表される化合物(a2)とを反応させて得られるカルボン酸エステルである、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
    Figure 2014159551
    (式(2)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
  3. カルボン酸無水物(a1)が、テトラカルボン酸無水物および熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項2に記載の熱硬化性組成物。
  4. カルボン酸無水物(a1)が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物、4−エチニルフタル酸無水物、および、4−フェニルエチニルフタル酸無水物からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項2または3に記載の熱硬化性組成物。
  5. ジアミン(B)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、3,3’−ジメトキシベンジジン、イソホロンジアミン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、ダイマー酸型ジアミン、および、式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項1〜4の何れか1項に記載の熱硬化性組成物。
    Figure 2014159551
    (式(3)中、R3は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R4は独立してメチレンまたはフェニレンであり、該フェニレンの少なくとも1つの水素は炭素数1〜6のアルキルで置き換えられていてもよく、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)
  6. さらに溶剤(C)を含有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の熱硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られた硬化膜。
  8. 請求項7に記載の硬化膜を有する電子部品。
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