JP6428032B2 - 樹脂組成物、それを用いた放熱塗料および電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のカルボン酸エステルおよびジアミンを含む熱硬化性組成物(I)と無機フィラー(II)とを含有する樹脂組成物、それを用いた放熱塗料ならびに電子部品に関する。
より詳しくは、例えば電子部品製作において放熱部材を形成するために用いられる樹脂組成物、該組成物から得られた放熱塗料、および、該放熱塗料を熱硬化させた硬化膜を有する電子部品に関する。
近年、高性能化、高機能化が進む自動車や太陽光発電用パワーコンディショナー、無停電電源装置(UPS)、医療機器用電源などに使用されるパワー半導体モジュールは高性能化が進み、それに伴い、発熱量も増加している。とくにSiCを使用した次世代型のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などでは、電力制御時の損失を低減するために、電力用半導体の動作温度が上昇し続けており、半導体と内部基板間、銅配線と内部基板間の熱膨張率の差によるクラックの発生や配線の剥がれ、熱による誤作動等を防止する上で、発熱に伴う部品の冷却が重要になっている。
その他にも、ブレーキ部品、排気管、エンジンブロック、モーターの外装などの自動車部品や、ガスタービン等の発電機用部品、熱交換器、金属の溶解・溶接用部品などの産業用機器など、発熱量が大きくかつ冷却を必要とする部品は多岐にわたっている。
これらの発熱する機器の冷却法としては、該機器を構成する部品の配置の最適化、金属製のヒートシンクやファンモータ等の放熱器の利用が挙げられる。
ところが電気自動車やハイブリッド自動車等のエコカーの普及や、環境対応製品の需要の高まりから、該電子機器内における各部品の小型化および軽量化が求められており、また実装密度が飛躍的に高くなっているため、限られた空間内における占有体積の問題から前記の放熱器等の利用が困難な場合がある。このような場合には、発熱している部品に金属材料や樹脂材料等の材料を接触させて、発生した熱をこれらの材料へ移動させてから放熱する方法や、蓄熱している部材表面の放射率を上げることで熱を遠赤外線として外部に放出させる方法がしばしばとられる。
また、電子機器や自動車の熱設計において、ヒートシンクは重要な放熱部材の1つである。アルミニウム製のヒートシンクでは、放熱効果をより高める方法として、陽極酸化処理をして表面をアルマイト加工する方法が知られている。しかし、アルマイト加工は脱脂処理、水洗および陽極酸化処理とそれぞれの工程毎に浴槽を変える必要がある。また陽極酸化処理で得られる皮膜には微細孔が多数存在し、この微細孔がクラックや腐食の原因となるため、さらに後工程として封孔処理が必要となる。このようにアルマイト加工は、多くの工程を必要として生産性が悪いという問題点がある。
このような問題を解決するため、例えば放熱塗料などが知られているが、有機系は耐熱温度が低く、高耐熱の放熱塗料としては水ガラスをベースにした無機塗料(例えば特許文献1参照)が知られている。
特開2004−002813号公報
しかしながら、上記の高耐熱の放熱塗料は水ガラスをベースにした無機塗料であり、強いアルカリ性を示し、塗膜が脆かったり、使用面、加工面に問題があった。
本発明は、優れた放熱性をもち、膜面均一性、耐熱性および機械特性にバランス良く優れる硬化膜を形成し得る、固形分濃度が高くても低粘度であり保存安定性に優れる樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、特定のカルボン酸エステル(A)とジアミン(B)とを含む熱硬化性組成物(I)を無機フィラーと共に用いることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は以下の通りである。
[1] 式(1)で表される基を少なくとも1つ有するカルボン酸エステル(A)と、ジアミン(B)とを有する熱硬化性組成物(I)と;無機フィラー(II)とを含有する樹脂組成物。
Figure 0006428032
(式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立して炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
[2] カルボン酸エステル(A)が、カルボン酸無水物(a1)と式(2)で表される化合物(a2)とを反応させて得られるカルボン酸エステルである、[1]項に記載の樹脂組成物。
Figure 0006428032
(式(2)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立して炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
[3] カルボン酸無水物(a1)が、テトラカルボン酸無水物および熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[2]項に記載の樹脂組成物。
[4] カルボン酸無水物(a1)が、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物、4−エチニルフタル酸無水物、および、4−フェニルエチニルフタル酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[2]または[3]項に記載の樹脂組成物。
[5] ジアミン(B)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、3,3’−ジメトキシベンジジン、イソホロンジアミン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、ダイマー酸型ジアミン、および、式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[1]〜[4]項の何れか1項に記載の樹脂組成物。
Figure 0006428032
(式(3)中、R3は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R4は独立してメチレンまたはフェニレンであり、該フェニレンの少なくとも1つの水素は炭素数1〜6のアルキルで置き換えられていてもよく、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)
[6] さらに溶剤(C)を含有する、[1]〜[5]項の何れか1項に記載の樹脂組成物。
[7] 前記無機フィラー(II)が、金属粉、金属酸化物粉、金属窒化物粉、金属水酸化物粉、金属炭化物粉、炭素材料粉および鉱物粉からなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を含む、[1]〜[6]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[8] 前記無機フィラー(II)が、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ニッケル粉、窒化アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、酸化亜鉛粉、酸化マグネシウム粉、酸化ケイ素粉、ケイ酸塩粉、窒化ケイ素粉、炭化ケイ素粉、炭化タングステン粉、窒化ホウ素粉、水酸化アルミニウム粉、水酸化マグネシウム粉、酸化窒化アルミニウム粉、グラファイト粉、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド粉、炭素繊維、フラーレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を含む、[1]〜[7]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[9] 前記無機フィラー(II)が窒化アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、酸化亜鉛粉、酸化マグネシウム粉、炭化ケイ素粉、コーディエライト粉、ムライト粉および窒化ホウ素粉からなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を含む、[1]〜[8]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[10] 前記無機フィラー(II)が鉱物粉からなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を含む、[1]〜[8]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[11] 前記無機フィラーが、斜方晶系のケイ酸塩鉱物粉から選ばれる少なくとも1種である、[10]項に記載の樹脂組成物。
[12] 前記斜方晶系のケイ酸塩鉱物粉がコーディエライト粉またはムライト粉から選ばれる少なくとも1種である[11]項に記載の樹脂組成物。
[13] [1]〜[12]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む放熱塗料。
[14] [1]〜[12]項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物または[13]項に記載の放熱塗料を含む放熱部材。
[15] [14]項に記載の放熱部材を用いた電子部品。
本発明によれば、放熱性に優れ、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成し得る、固形分濃度が高くても低粘度であり保存安定性に優れる樹脂組成物を得ることができる。
1.熱硬化性組成物(I)
本発明に用いる熱硬化性組成物(I)(以下単に「熱硬化性組成物」ともいう。)は、特定のカルボン酸エステル(A)およびジアミン(B)を含有する熱硬化性組成物であれば特に限定されない。
熱硬化性組成物は、ポリイミドやポリアミド酸ではなく、前記カルボン酸エステル(A)およびジアミン(B)を含むため、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成し得る、固形分濃度が高くても低粘度であり保存安定性に優れる熱硬化性組成物となる。
従来は、特定のカルボン酸エステル(A)の代わりに、カルボン酸無水物を用いていたが、通常、該カルボン酸無水物は室温でもジアミン(B)と反応してしまうため、組成物の保存中に性状が変化すること、また、重合したポリマーが析出することがあった。このため、このような組成物は、冷凍保存する必要があった。
一方、本発明では、熱硬化性組成物中に、前記特定のカルボン酸エステル(A)を含むため、上記効果を有する組成物となり、特に、室温での保存安定性および保存容易性に優れる組成物となる。
なお、本発明における「固形分濃度」とは、樹脂組成物中における、熱硬化性組成物から硬化物を形成した時の該硬化物中の重合体を形成し得る成分と、無機フィラーを足した総和の濃度(樹脂組成物全体に対する重量%)のことをいう。
なお、熱硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、溶剤や添加剤を含んでもよい。なお、熱硬化性組成物は、無色、有色のどちらであってもよい。
1−1.カルボン酸エステル(A)
カルボン酸エステル(A)(以下「成分(A)」ともいう。)は、下記式(1)で表される基を1つ以上有する、カルボン酸エステルである。
Figure 0006428032
(式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
前記カルボン酸エステル(A)は、カルボン酸無水物(a1)と式(2)で表される化合物(a2)とを反応させて得られた化合物であることが好ましい。
1−1−1.カルボン酸無水物(a1)
カルボン酸無水物(a1)としては、特に制限されないが、芳香環を含むカルボン酸無水物が好ましく、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜が得られるなどの点から、テトラカルボン酸無水物および/または熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物がより好ましく、化合物(a2)に溶解し得る化合物であることがさらに好ましい。
カルボン酸無水物(a1)は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、テトラカルボン酸無水物および熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物を併用してもよい。カルボン酸無水物(a1)として、これらを併用すると、ポリイミド鎖同士の架橋が起こり、より耐熱性および機械特性に優れた硬化膜を形成できる。
1−1−1−1.熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物
熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物としては特に制限されない。
熱硬化性不飽和結合を有する基としては、重合性2重結合を有する基、エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基等が挙げられ、架橋反応性および得られる硬化物の耐熱性などの点から、エチニル基が好ましい。
熱硬化性不飽和結合を有するジカルボン酸無水物としては、4−エチニルフタル酸無水物(略語:4−EPA)、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アリルナジック酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、アリルこはく酸無水物等が挙げられる。
これらの中でも化合物(a2)に溶解し、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜が得られるなどの点から4−エチニルフタル酸無水物が好ましい。
1−1−1−2.テトラカルボン酸無水物
テトラカルボン酸無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(略語:s−BPDA)、ピロメリット酸二無水物(略語:PMDA)、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(略語:ODPA)、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物および3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらの中でも、化合物(a2)に溶解し、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜が得られるなどの点から3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(略語:s−BPDA)、ピロメリット酸二無水物(略語:PMDA)、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(略語:ODPA)が好ましい。
1−1−2.化合物(a2)
化合物(a2)は、下記式(2)で表される。
このような化合物(a2)を使用することによって、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成することができる熱硬化性組成物が得られる。
Figure 0006428032
(式(2)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立に炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)
1は、カルボン酸エステル(A)を容易に合成することができる、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点から、好ましくは炭素数1〜6のアルキルであり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキルである。
前記アルキルは、直鎖であってもよく分岐を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
nが2以上の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一であってもよく異なってもよい。このことは、本発明の他の式においても同様である。
2は好ましくは炭素数2のアルキレンである。
前記アルキレンは、直鎖であってもよく分岐を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
nは、カルボン酸エステル(A)を容易に合成することができる、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点から、好ましくは2または3であり、より好ましくは2である。
化合物(a2)は、沸点が所定の範囲にあることが好ましい。化合物(a2)の沸点は、好ましくは100〜260℃、より好ましくは120〜240℃である。
熱硬化性組成物は、カルボン酸エステル(A)を含み、該カルボン酸エステル(A)は、カルボン酸無水物(a1)と化合物(a2)とを反応させて得られた化合物であることが好ましい。このエステル化には、通常ある程度の温度が必要であるが、化合物(a2)の沸点が上記範囲より低い場合でも、低温で長時間反応させることで、カルボン酸エステル(A)を合成し、組成物を得ることができる。
また、熱硬化性組成物は、好ましくは、熱をかけることによりイミド化させて用いられる。この際(熱硬化後)には、通常、カルボン酸エステル(A)から化合物(a2)由来の成分が脱離し、該成分は揮発する。このイミド化は、ある程度の高温下で行われるため、脱離した成分の沸点が低いと、硬化物形成時に急激に揮発し、硬化物の膨れ、硬化物に発泡やワキ由来の欠陥が生じる場合がある。
一方、脱離した成分の沸点が高いと、イミド化の過程で該成分が揮発せずに硬化物内に残るため、さらなる加熱が必要になることがあり、硬化膜の生産性が劣る場合がある。
化合物(a2)としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノノニルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトール、略語:ECa)、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノノニルエーテル、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノノニルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノペンチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノヘプチルエーテル、プロピレングリコールモノオクチルエーテル、プロピレングリコールモノノニルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、ジプロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノニルエーテル、
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノニルエーテル等が挙げられる。
これらの中でもカルボン酸エステル(A)を容易に合成することができる、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点からジエチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
1−1−3.カルボン酸エステル(A)の合成条件
カルボン酸エステル(A)は、好ましくはカルボン酸無水物(a1)中の酸無水物基と化合物(a2)中の水酸基とを反応させることで得ることができる。
この反応における、カルボン酸無水物(a1)と化合物(a2)との使用比率としては、カルボン酸無水物(a1)中の酸無水物基の合計モル数をα、化合物(a2)中の水酸基の合計モル数βとすると、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な、安定性に優れる組成物を得ることができるなどの点から、β/αが1以上であることが好ましい。
また、前記反応における反応温度は、通常60〜160℃、好ましくは70〜160℃であり、反応時間は、通常0.5〜10時間、好ましくは0.5〜8時間であり、反応圧力は例えば常圧下である。
1−2.ジアミン(B)
ジアミン(B)(以下「成分(B)」ともいう。)は、アミノ基を2つ有する化合物であれば特に制限されず、−NH2を2つ有する化合物であることが好ましく、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜が得られるなどの点から、−NH2を2つ有し、かつ、芳香環を有する化合物であることがより好ましい。
ジアミン(B)は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジアミン(B)の具体例としては、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(略語:DDS)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(略語:DDE)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(略語:BAPS−M)、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(略語:BAPP)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(略語:HFBAPP)、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(略語:TPE−R)、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、3,3’−ジメトキシベンジジン(略語:DMB)、イソホロンジアミン、ダイマー酸型ジアミン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、および下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006428032
式(3)中、R3は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R4は独立してメチレンまたはフェニレンであり、該フェニレンの少なくとも1つの水素は炭素数1〜6のアルキルで置き換えられていてもよく、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。
前記フェニレンを置換してもよい炭素数1〜6のアルキルとしては、特に制限されないが、好ましくは炭素数1〜3のアルキルである。
前記ダイマー酸型ジアミンは、例えば、ダイマー酸の還元的アミノ化反応によって得られる。この反応は、例えば、アンモニアおよび触媒を使用する還元法や、特開平9−12712号公報等に記載の公知の方法によって行うことができる。
ダイマー酸とは、不飽和脂肪酸が分子間重合反応等によって二量化して得られる二塩基酸である。ダイマー酸には、合成条件および精製条件にもよるが、通常はダイマー酸の他、モノマー酸やトリマー酸等も少量含まれる。前記二量化後には得られた分子内に二重結合が残存するが、本発明では、水素添加反応により、分子内に存在する二重結合が還元されて飽和二塩基酸となったものもダイマー酸に含めるものとする。
ダイマー酸は、具体的には、例えば、ルイス酸やブレンステッド酸を触媒として用いて、不飽和脂肪酸の重合を行うことによって得られる。ダイマー酸は、公知の方法(例:特開平9−12712号公報)によって合成することができる。
不飽和脂肪酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、ステアロール酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、セトレイン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびニシン酸からなる群より選択される1種以上の化合物が挙げられる。
不飽和脂肪酸の炭素数は、好ましくは4〜24、より好ましくは14〜20である。
例えば、リノール酸を用いてダイマー酸を製造する場合、得られる混合物は一般的に炭素数36のダイマー酸を主成分として含むが、炭素数18のモノマー酸および炭素数54のトリマー酸等も副成分として少量含むのが一般的であり、原料由来の様々な構造を含む。
ダイマー酸型ジアミンは、例えば、下記式(a)〜(f)のいずれかで表される構造を有する化合物、または、これらの化合物中の一部もしくはすべての不飽和結合を単結合にした化合物であることが好ましい。
Figure 0006428032
(式(a)〜(f)中、m、n、pおよびqはそれぞれ独立に0〜15の整数である。)
ダイマー酸型ジアミンの市販品としては、例えば、バーサミン551(商品名、BASFジャパン(株))、プリアミン1074(商品名、クローダジャパン(株))が挙げられる。ダイマー酸型ジアミンは、ダイマー酸の還元的アミノ化反応によって得られたジアミンを水素添加してなる化合物も含み、その市販品としては、例えば、バーサミン552(商品名、BASFジャパン(株))が挙げられる。
ジアミン(B)は、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な樹脂組成物を得ることができるなどの点から、DDS、DDE、BAPS−M、BAPP、HFBAPP、TPE−RおよびDMBが好ましい。
ジアミン(B)としては、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成可能な組成物を得ることができるなどの点から、下記式(4)で表される化合物が好ましい。特に、カルボン酸無水物(a1)として、ODPA、PMDA、s−BPDAまたは4−EPAを用いた場合、ジアミン(B)として該化合物を用いると、前記効果に加え、得られる硬化膜は、過度に硬くなりすぎず、膜厚ムラや、発泡やワキ由来の欠陥や、ひび割れなどが起こりにくくなるため好ましい。
Figure 0006428032
(式(4)中、R5は、単結合、−O−、−C(CH32−または−C(CF32−であり、R6は独立して、炭素数1〜3のアルキルまたは炭素数1〜3のアルコキシであり、
aおよびbはそれぞれ独立して0または1である。)
1−3.成分(A)および(B)の含有量
成分(A)および(B)は、成分(A)中の式(1)で表される基、ならびに、成分(A)中に含まれ得るカルボキシル基および酸無水物基の合計モル数をN’、成分(B)中のアミノ基の合計モル数をMとした場合に、N’/Mが、好ましくは0.5〜5、より好ましくは0.75〜4.5となる量で熱硬化性組成物中に含まれることが望ましい。
また、成分(A)が、カルボン酸無水物(a1)と化合物(a2)とを反応させて得られた成分である場合には、成分(A)および(B)は、使用したカルボン酸無水物(a1)の酸無水物基の合計モル数をN、成分(B)中のアミノ基の合計モル数をMとした場合に、N/Mが、好ましくは0.75〜1.25、より好ましくは0.9〜1.1となる量で熱硬化性組成物中に含まれることが望ましい。
成分(A)および(B)の含有量が前記範囲にあると、熱硬化性組成物から硬化膜を形成する際に、該硬化膜中に残存する未反応の成分(A)および(B)の量が少なく、得られる硬化膜の特性が良好となるなどの点から好ましい。
1−4.無機フィラー(II)
熱硬化性組成物は、無機フィラー(II)(以下単に「無機フィラー」ともいう。)を含むことで、遠赤外線の輻射を効果的に果たし、熱拡散性および耐熱特性が向上した樹脂組成物とすることができる。
前記無機フィラーとしては、特に制限されないが、熱伝導性フィラーが好ましく、金属粉、金属酸化物粉、金属窒化物粉、金属水酸化物粉、金属酸窒化物粉、金属炭化物粉などの金属または金属化合物含有フィラー、炭素材料フィラーおよびコーディエライト粉、ムライト粉などの鉱物フィラー等が挙げられる。
前記金属粉としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属およびこれら金属を含有する合金からなる粉などが挙げられる。前記金属酸化物粉としては、酸化アルミニウム粉、酸化亜鉛粉、酸化マグネシウム粉、酸化ケイ素粉、酸化チタン粉、ケイ酸塩粉などが挙げられる。前記金属窒化物粉としては、窒化アルミニウム粉、窒化ホウ素粉、窒化ケイ素粉などが挙げられる。前記金属水酸化物粉としては、水酸化アルミニウム粉、水酸化マグネシウム粉などが挙げられる。前記金属酸窒化物としては、酸化窒化アルミニウム粉などが挙げられ、前記金属炭化物粉としては、炭化ケイ素粉、炭化タングステン粉などが挙げられる。
これらの中でも、熱拡散性および入手容易性などの点から窒化アルミニウム粉、窒化ホウ素粉、酸化アルミニウム粉、酸化亜鉛粉、酸化マグネシウム粉、水酸化アルミニウム粉、炭化ケイ素粉および炭化タングステン粉が好ましく、酸化亜鉛粉、酸化アルミニウム粉、窒化アルミニウム粉、窒化ホウ素粉、酸化マグネシウム粉および炭化ケイ素粉がより好ましい。
前記金属または金属化合物含有フィラーとしては、窒化アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、および針状(特にテトラポット形状)の酸化亜鉛粉を用いることが好ましい。
酸化亜鉛は、窒化アルミニウムに比べ、熱拡散率は低いが、針状またはテトラポット形状の酸化亜鉛粉を用いると、粒子状の酸化亜鉛粉を用いる場合より放熱特性に優れる樹脂組成物が得られる。
また、酸化アルミニウムは、窒化アルミニウムや酸化亜鉛に比べ、熱拡散率は低いが、化学的に安定であり、水や酸により反応したり、水や酸に溶解したりしないので、高い耐候性を有する樹脂組成物を得ることができる。
前記無機フィラーとして窒化アルミニウム粉を用いると、放熱特性により優れる樹脂組成物を得ることができる。
前記炭素材料フィラーとしては、グラファイト粉(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛、ケッチェンブラック)、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド粉、炭素繊維およびフラーレンなどが挙げられ、これらの中でも熱拡散性に優れるなどの点から、グラファイト粉、カーボンナノチューブおよびダイヤモンド粉が好ましい。
前記鉱物粉としては、遠赤外線の放射率が高い点から、斜方晶系のケイ酸塩鉱物粉であるコーディエライト粉およびムライト粉が好ましい。
前記無機フィラーの形状としては、特に制限されないが、粒子状(球状、楕円球状を含む)、偏平状、柱状、針状(テトラポット形状、樹枝状を含む)および不定形状などが挙げられる。これらの形状は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置やSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて確認することができる。
前記金属または金属化合物含有フィラー、および鉱物粉の一次粒子の平均径は、目的に応じて適宜選択すればよいが、熱拡散性などの点から、好ましくは0.001〜30μmであり、より好ましくは0.01〜10μmである。
なお、金属または金属化合物含有フィラー、および鉱物粉の一次粒子の平均径とは、該フィラーが粒子状の場合は、粒子の直径(楕円球状の場合は長軸の長さ)のことをいい、該フィラーが扁平状の場合は、最も長い辺のことをいい、該フィラーが柱状の場合は、円の直径(楕円の長軸)または柱の長さのうちいずれか長い方のことをいい、該フィラーが針状の場合は、針の長さのことをいう。
前記炭素材料フィラーの一次粒子の平均径は、形成したい最終製品の大きさ、本発明の樹脂組成物の厚み等に応じて適宜選択すればよいが、熱拡散性などの点から、好ましくは0.001〜20μmであり、より好ましくは0.002〜10μmである。炭素材料からなるフィラーの平均径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置やSEM(走査型電子顕微鏡)などを用いて確認することができる。なお、カーボンナノチューブや炭素繊維の平均径とは、チューブや繊維の長さのことをいう。
前記無機フィラーは、平均径や形状が所望の範囲にある市販品をそのまま用いてもよく、平均径や形状が所望の範囲になるように市販品を粉砕、分級、加熱等したものを用いてもよい。
前記無機フィラーとしては、分散処理、防水処理などの表面処理された市販品をそのまま用いてもよく、該市販品から表面処理剤を除去したものを用いてもよい。また、表面処理されていない市販品を表面処理して用いてもよい。特に窒化アルミニウムおよび酸化マグネシウムは空気中の水分により劣化しやすいので、防水処理されたものを使用することが望ましい。
前記無機フィラーとしては、上述のフィラーを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機フィラーの配合量は、本発明の樹脂組成物中に、5〜85体積%である。
本発明の樹脂組成物を発熱源から熱を外部に伝達する用途で使用する場合には、熱拡散率が高い組成物が得られるなどの点で、前記無機フィラーの配合量は20〜85%であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、無機フィラーの配合量が本発明の樹脂組成物中に、好ましくは50〜80体積%、より好ましくは60〜70体積%であっても、金属板、グラファイト板、樹脂製フィルム等への接着性が良好であり、加工時の剥がれ、割れ等の発生が少ないなどに優れる樹脂組成物を得ることができる。
前記無機フィラーが本発明の樹脂組成物中に40体積%以上の割合で含まれていると、金属板、グラファイト板、樹脂性フィルム等への接着性を維持しつつ、熱拡散性が向上した組成物が得られるため好ましい。
前記無機フィラーの配合量が80体積%以下の割合で含まれていると、金属板、グラファイト板、樹脂性フィルム等への接着性と熱拡散率にバランスよく優れる組成物が得られ、前記無機フィラーの配合量が5体積%以上の割合で含まれていると、熱拡散性が高い樹脂組成物が得られるため好ましい。
本発明の樹脂組成物を発熱源からの遠赤外線を利用して熱を外部に伝達する用途で使用する場合には、熱拡散と熱放射をあわせた効果が高い組成物が得られるなどの点で前記無機フィラーの配合量は5%以上であることが好ましい。
1−5.溶剤(C)
本発明の樹脂組成物は、必要により、固形分濃度および粘度の調整等のために、溶剤(C)を含んでいてもよい。
このような溶剤(C)としては、保存安定性に優れる組成物が得られるなどの点から、成分(A)および(B)を溶解することができる溶剤であることが好ましい。
溶剤(C)は、沸点が低過ぎると、得られる硬化膜の膜面の均一性が低下する場合があり、また、沸点が高すぎると、得られる硬化膜中に該溶剤が残存し、膜の特性が低下する恐れがある。このため、溶剤(C)の沸点は、90〜300℃の範囲にあることが好ましく、100〜280℃の範囲にあることがより好ましい。
溶剤(C)としては、例えば、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(1−エトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(1−ブトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、δ−ヘキサノラクトン、メチルエチルスルホキシドおよびジエチルスルホキシドが挙げられる。
溶剤(C)は、1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤(C)の含有量は、本発明の樹脂組成物の用途や塗装方法に応じて、適宜決めればよいが、貯蔵安定性などの点から、本発明の樹脂組成物100重量%に対し、20〜95重量%が好ましく、30〜90重量%がより好ましい。
1−6.添加剤
本発明の樹脂組成物は、目的とする特性によっては、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)、成分(B)および溶剤(C)以外の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、高分子化合物、エポキシ化合物、アクリル樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、エポキシ硬化剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、顔料、チタンブラック、カーボンブラックおよび染料が挙げられる。これらの添加剤は、目的とする特性によって、適宜、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1−6−1.高分子化合物
高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミド酸、可溶性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸エステル、ポリエステル、ポリビニルアルコールおよびポリオキシエチレンが挙げられる。高分子化合物としては、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子化合物の重量平均分子量としては、溶解性に優れるなどの点から、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは1,000〜180,000であり、さらに好ましくは1,000〜160,000であり、特に好ましくは1,000〜150,000である。
重量平均分子量が1,000以上である高分子化合物を用いると、該高分子化合物は、本発明の樹脂組成物から硬化膜を形成する際に蒸発することがなく、化学的・機械的に安定な硬化膜が得られる。
高分子化合物の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により測定することができる。
本発明の樹脂組成物中の高分子化合物の濃度は、通常0〜20重量%であり、好ましくは0〜10重量%である。このような濃度範囲であると、良好な膜面均一性、耐熱性および機械特性を有する硬化膜が得られる傾向にある。
1−6−2.エポキシ化合物
エポキシ化合物は、オキシラン基やオキセタン基を有する化合物であれば特に限定されないが、オキシラン基を2つ以上有する化合物が好ましい。
なお、本発明において、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有していても、オキシラン基またはオキセタン基を含むモノマーからなる重合体は、エポキシ化合物であり、オキシラン基またはオキセタン基を含むアルコキシシラン類もエポキシ化合物である。
本発明の樹脂組成物がこれらのエポキシ化合物を含有すると、耐熱性に優れる硬化膜が得られるため好ましい。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの重合体、およびオキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタンが挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと共重合させる他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドが挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの重合体、および、オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、n−ブチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、および、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体が挙げられる
オキシラン基またはオキセタン基を有するアルコキシシラン類の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
エポキシ化合物の具体例としては、商品名「jER807」、「jER815」、「jER825」、「jER827」、「jER828」、「jER190P」、「jER191P」、「jER1004」、「jER1256」(三菱化学(株))、商品名「アラルダイトCY177」、「アラルダイトCY184」(ハンツマン・ジャパン(株))、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド3000」、「EHPE−3150」(ダイセル化学工業(株))、商品名「テクモアVG3101L」((株)プリンテック)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、およびN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。これらの中でもアラルダイトCY184、セロキサイド2021P、テクモアVG3101LまたはjER828を用いると、膜面均一性が特に良好な硬化膜が得られるため好ましい。
エポキシ化合物の具体例として、さらに下記式(I)〜(VI)で表される化合物が挙げられる。これらの中では、下記式(I)、(V)および(VI)で表される化合物が、膜面均一性が特に良好な硬化膜が得られるため好ましい。
Figure 0006428032
式(V)中、Rf、RgおよびRhはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜30の有機基である。この炭素数1〜30の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の炭化水素基が挙げられる。
式(VI)中、Rcは炭素数2〜100の有機基である。この炭素数2〜100の有機基としては、例えば、炭素数2〜100の炭化水素基、炭素数6〜40の芳香族基を含む基が挙げられる。
式(VI)中、Rdは独立に、炭素数1〜30の有機基である。この炭素数1〜30の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基が挙げられ、環構造または酸素を含んでいてもよい炭素数1〜30の炭化水素基が好ましい。環構造としては、フェニル、シクロヘキシル、ナフチル、シクロヘキセニルおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルなどが挙げられる。
式(VI)中、Reは独立に、オキセタン、オキシランまたは1,2−エポキシシクロヘキサンを有する有機基であり、好ましくは下記式(VII)〜(IX)からなる群より選ばれる有機基である。
Figure 0006428032
前記式(VII)中、Riは水素または炭素数1〜3のアルキルである。
前記式(VI)で表される化合物の好ましい例として、下記式(X)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006428032
エポキシ化合物は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物中にエポキシ化合物が含まれる場合、該組成物中のエポキシ化合物の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。前記濃度範囲であると、得られる硬化膜の膜面均一性、耐熱性および機械特性が良好となる。
1−6−3.アクリル樹脂
アクリル樹脂は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合体であれば特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を有する単官能重合性(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基を有しない単官能重合性(メタ)アクリレート;二官能(メタ)アクリレート;三官能以上の多官能(メタ)アクリレート;等のモノマーの単独重合体、およびこれらモノマーの共重合体が挙げられる。また、これらのモノマーと、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、ビニルトルエン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸などの単量体とが共重合された重合体でもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両者または一方を示す。
また、重合性を有する基の数が1つである場合を単官能、2つある場合を二官能と表現する。三官能や多官能の意味も、重合性基の数に基づく表現である。
ヒドロキシル基を有する単官能重合性(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中では、形成される硬化膜を柔軟にできる点から、4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましい。
ヒドロキシル基を有しない単官能重合性(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]およびシクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、N−アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレートおよびトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能以上の多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、およびウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
アクリル樹脂は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物中にアクリル樹脂が含まれる場合、該組成物中のアクリル樹脂の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。前記濃度範囲であると、膜面均一性、耐熱性および機械特性に優れる硬化膜が得られる。
1−6−4.界面活性剤
本発明の樹脂組成物は、基板などの塗布対象物への濡れ性、レベリング性、または、本発明の樹脂組成物をインクジェット印刷等する場合の吐出性を向上させるために、界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤としては、本発明の組成物をインクジェット印刷等する場合の吐出性を向上できる点から、例えば、商品名「BYK−300」、「BYK−306」、「BYK−335」、「BYK−310」、「BYK−341」、「BYK−344」、「BYK−370」(ビック・ケミー(株))等のシリコン系界面活性剤;商品名「BYK−354」、「BYK−358」、「BYK−361」(ビック・ケミー(株))等のアクリル系界面活性剤;商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」(ネオス(株))等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中に界面活性剤が含まれる場合、該組成物中の界面活性剤の濃度は、好ましくは0.01〜1重量%である。
1−6−5.帯電防止剤
帯電防止剤は、本発明の組成物の帯電を防止するために使用するものである。このような帯電防止剤としては、特に限定されず、公知の帯電防止剤を用いることができるが、具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や、四級アンモニウム塩などが挙げられる。
帯電防止剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中に帯電防止剤が含まれる場合、該組成物中の帯電防止剤の濃度は、好ましくは0.01〜1重量%である。
1−6−6.カップリング剤
カップリング剤としては、特に限定されず、公知のカップリング剤を用いることができ、シランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤の例としては、トリアルコキシシラン化合物およびジアルコキシシラン化合物が挙げられる。
トリアルコキシシラン化合物またはジアルコキシシラン化合物としては、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらの中では、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシランおよびγ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
カップリング剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中にカップリング剤が含まれる場合、該組成物中のカップリング剤の濃度は、好ましくは0.01〜3重量%である。
1−6−7.エポキシ硬化剤
本発明の樹脂組成物中にエポキシ化合物が含まれる場合、エポキシ硬化剤も含まれることが好ましい。エポキシ硬化剤は、特に限定されず、公知のエポキシ硬化剤を用いることができ、具体的には、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾールおよびその誘導体、ジシアンジアミド類、芳香族アミン、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物などを用いることができる。
なお、多価カルボン酸とは、1分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物のことをいう。
エポキシ硬化剤としては、さらに具体的には、ジシアンジアミド等のジシアンジアミド類;アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の有機酸ジヒドラジド化合物;2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;無水フタル酸、無水トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物等の多価カルボン酸無水物;およびトリメリット酸等の多価カルボン酸などが挙げられる。これらの中では、無水トリメリット酸、トリメリット酸および1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物が好ましい。
エポキシ硬化剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中にエポキシ硬化剤が含まれる場合、該組成物中のエポキシ硬化剤の濃度は、好ましくは0.2〜5重量%である。
1−7.樹脂組成物の物性等
本発明の樹脂組成物は、成分(A)、(B)および無機フィラー(II)を含むため、固形分濃度の高い組成物であっても、溶液塗布法などの従来公知の塗布法を制限なく使用することができ、硬化膜を容易に形成することができる。
このため、1回の塗工でも膜厚の厚い硬化膜を形成することができ、生産性よく、膜面均一性、放熱性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成することができる。
従って、例えば、1回の塗工で膜厚の厚い硬化膜を形成する際には、本発明の樹脂組成物中の固形分濃度を高くすればよいし、インクジェット法で本発明の組成物を塗布する場合など、所定の低い粘度の組成物が求められる場合には、該組成物中の固形分濃度を低くすればよい。
成分(A)および(B)は、溶剤への溶解性にも優れるため、このような濃度調節も容易にできる。
本発明の樹脂組成物中の固形分濃度は、以上のように、用いる用途に応じて適宜決めればよいが、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%である。
本発明の組成物中の固形分濃度が前記範囲にあると、溶液塗布法などの従来公知の塗布法を用いて、容易に生産性よく、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成することができる。
また、本発明の組成物の粘度も、前記のように、用いる用途に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは2〜20,000mPa・s、より好ましくは5〜15,000mPa・sである。
本発明の組成物中の粘度が前記範囲にあると、溶液塗布法などの従来公知の塗布法を用いて、容易に生産性よく硬化膜を形成することができる。
−1.放熱塗料
本発明の樹脂組成物の具体的な使用方法として、放熱塗料を挙げることができる。本発明の樹脂組成物を放熱塗料として使用する場合、この放熱塗料を除熱・放熱を行いたい対象部材に塗布した後、加熱することにより、あるいは対象部材自体の熱により熱硬化させることで硬化膜となる。この硬化膜は、含まれるフィラーの高い輻射性および熱伝導効果によって効率的に部材の温度を下げることができる。
2−2.放熱部材
本発明の放熱部材は、排気管やモーターの外装などの自動車部品や、金属筐体、ヒートシンクなどの放熱部材上に、本発明の組成物を塗布して塗膜を形成し、その後、当該塗膜を乾燥・加熱することによって硬化させることで得られる部品などが挙げられる。
2−3.電子部品
本発明の電子部品は、前記の硬化膜もしくは、前述の放熱部材を有する。このような電子部品としては、例えば、パワー半導体モジュールが挙げられ、具体的には、GIBT基板などが挙げられる。
.硬化膜
本発明の樹脂組成物は、熱硬化させて硬化膜とすることができる。この硬化膜は放熱材として使用することができる。このような硬化膜の製造方法は、特に制限されないが、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を形成することができるなどの点から、本発明の組成物を基材上などに塗布することで塗膜を形成し(塗膜形成工程)、これを乾燥処理(乾燥工程)および加熱処理する(加熱工程)方法が好ましい。
−1.塗膜形成工程
本発明の組成物を基材上に塗布する方法としては、特に制限はなく、求められる硬化膜の厚みや組成物の粘度などに応じて、公知の塗布方法を適宜選択して使用できる。具体的には、アプリケーター、ドクターブレードナイフコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ロータリーコーター、フローコーター、ダイコーター、バーコーター等を用いる塗布方法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法等の塗布方法、インクジェット印刷、スクリーン印刷やグラビア印刷等に代表される印刷技術などが挙げられる。ただし、インクジェット印刷やダイコーター等を使用する際はノズルの口径やダイのスリット幅より無機フィラー(II)の直径が小さい必要がある。
前記組成物を塗布する基材として、例えば、各種金属、各種合金、ガラスなどが挙げられる。
さらに、例えば、銅、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、スズ、クロムまたはステンレス等の金属からなる基材(これらの金属からなる層を表面に有する基材であってもよい);酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、ジルコニウムのケイ酸塩(ジルコン)、酸化マグネシウム(マグネシア)、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、硫化カドミウム、硫化モリブデン、酸化ベリリウム(ベリリア)、酸化ケイ素(シリカ)、炭化ケイ素(シリコンカーバイト)、窒化ケイ素(シリコンナイトライド)、窒化ホウ素(ボロンナイトライド)、酸化亜鉛、ムライト、フェライト、ステアタイト、ホルステライト、スピネルまたはスポジュメン等の無機物からなる基材(これらの無機物からなる層を表面に有する基材であってもよい);PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる基材(これらの重合体からなる層を表面に有する基材であってもよい);シリコン、ゲルマニウムまたはガリウム砒素等からなる半導体基材(例シリコンウエハー);ガラス;酸化スズ、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウムスズ)またはATO(酸化アンチモンスズ)等の電極材料(配線)が表面に形成された基材などが挙げられる。
本発明の硬化膜は、好ましくは上述した各種金属および各種合金からなる基材上に形成される。
−2.乾燥工程
乾燥工程は、塗膜中から、溶剤を除去し塗膜の特性と加熱工程後の塗膜面の均一性を付与することを目的に行う。
乾燥工程における温度および時間は、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる硬化膜を得るために、好ましくは、通常50〜160℃で、加熱時間は通常10〜100分間である。例えば、オーブンを用いる場合は10〜100分、ホットプレートを用いる場合は10〜80分である。
−3.加熱工程
加熱工程は乾燥工程で残存している溶剤を除去、塗膜中の成分(A)から化合物(a2)由来の成分を脱離および揮発させ、成分(A)と成分(B)との反応によるイミド結合の形成、ならびに、用いるカルボン酸無水物(a1)によっては、熱硬化性不飽和結合部位における架橋反応を促し、硬化膜を製造することなどを目的に行う。
加熱工程の温度および時間は、前記乾燥処理と同様の理由により、好ましくは150〜450℃、より好ましくは200〜350℃で、加熱時間は通常30〜200分間である。
得られる硬化膜の厚みは、所望の用途に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは1〜200μmであり、より好ましくは10〜100μmである。本発明の組成物は、固形分濃度を高くしても低粘度であり保存安定性に優れるため、従来の組成物より膜厚の厚い硬化膜を生産性よく容易に形成することができる。
−4.硬化膜の物性等
本発明の硬化膜は、前記本発明の組成物を硬化させることで得られるため、放熱性、膜面均一性、耐熱性および機械特性等にバランス良く優れる。また、本発明の硬化膜は、好ましくはポリイミド(イミド基を複数有する重合体)を含む。無機フィラー(II)に導電性では無いフィラーを用いた場合には、上記特性とともに、従来のポリイミド膜が有する、耐電圧、誘電率および誘電損失等の電気的特性、折り曲げ試験、弾性率および引張伸度等の機械的特性、耐酸性、耐アルカリ性および耐めっき性等の化学的安定性、熱分解温度、ガラス転移温度および線膨張係数等の熱的特性などの特性と同等またはそれ以上の特性を有する。
このため、無機フィラー(II)に導電性では無いフィラーを用いた場合には、本発明の硬化膜は、放熱性樹脂としてだけでなく、電子部品等の絶縁膜、保護膜等としても好適に用いることができる。
本発明の硬化膜の5%質量損失温度は高いことが好ましく、該硬化膜を電子通信分野、特に半導体素子用途に用いる場合には、これらの用途に用いた際の該硬化膜からのアウトガスが生じにくいなどの点から、好ましくは450℃以上であり、より好ましくは500℃以上である。
本発明の硬化膜のガラス転移温度は高いことが好ましく、様々な用途において安定した硬化膜を得るなどの点から、好ましくは250℃以上であり、より好ましくは260〜600℃である。
本発明の硬化膜を絶縁膜として用いる場合、該硬化膜の線膨張係数は、該硬化膜にクラックが生じにくい、および、該硬化膜を支持体上に配置して使用する際の熱応力による支持体からの剥離が生じにくいなどの点から、該支持体と同程度の線膨張係数を有することが好ましい。
従って、前記線膨張係数は、用いる支持体に応じて、適宜調整すればよいが、該硬化膜を電子通信分野に用いる場合には、通常80ppm/℃以下、好ましくは70ppm/℃以下である。
本発明の硬化膜の線膨張係数は、用いる成分(A)および(B)を適宜選択することで調節できる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で用いる、反応原料および溶剤の名称を略号で示す。以下の記述にはこの略号を使用する。
カルボン酸無水物(a1)
・ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
化合物(a2)
・ECa:エチルカルビトール
無機フィラー(II)
・コーディエライト:丸ス釉薬合資会社製、合成コーディエライトSS−1000
ジアミン(B)
・BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
・DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
比較樹脂
・アクリル樹脂(熱硬化性):東亜合成(株)(商品名)アロニックスM−305
[実施例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた50mLの反応容器中に、(a1)としてODPA[2.1521g]と、(a2)としてECa[5g]とを仕込み、得られた反応容器をオイルバス中130℃で4時間攪拌したところ、均一な液体が得られた。その後さらに、130℃で1時間攪拌し、カルボン酸エステル(A)を得た。次に、オイルバスからフラスコを取り出し、室温まで冷却した。その後、(B)としてBAPP[2.8479g]を添加し、均一な溶液になるまで攪拌し、熱硬化性組成物(I)を得た。そこへ無機フィラー(II)としてコーディエライト[7.5g]を添加し1時間攪拌し、該組成物を得た。
[実施例2]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた50mLの反応容器中に、(a1)としてODPA[2.1521g]と、(a2)としてECa[8.5g]とを仕込み、得られた反応容器をオイルバス中130℃で4時間攪拌したところ、均一な液体が得られた。その後さらに、130℃で1時間攪拌し、カルボン酸エステル(A)を得た。次に、オイルバスからフラスコを取り出し、室温まで冷却した。その後、(B)としてDDS[1.7225g]を添加し、均一な溶液になるまで攪拌し、熱硬化性組成物(I)を得た。そこへ無機フィラー(II)としてコーディエライト[5.8119g]を添加し1時間攪拌し、該組成物を得た。
[実施例3]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた50mLの反応容器中に、(a1)としてODPA[2.1521g]と、(a2)としてECa[6.475g]とを仕込み、得られた反応容器をオイルバス中130℃で4時間攪拌したところ、均一な液体が得られた。その後さらに、130℃で1時間攪拌し、カルボン酸エステル(A)を得た。次に、オイルバスからフラスコを取り出し、室温まで冷却した。その後、(B)としてDDS[0.86125g]とBAPP[1.4240g]を添加し、均一な溶液になるまで攪拌し、熱硬化性組成物(I)を得た。そこへ無機フィラー(II)としてコーディエライト[5.5134g]を添加し1時間攪拌し、該組成物を得た。
[比較例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた50mLの反応容器中に、(a1)としてODPA[2.1521g]と、(a2)としてECa[5g]とを仕込み、得られた反応容器をオイルバス中130℃で4時間攪拌したところ、均一な液体が得られた。その後さらに、130℃で1時間攪拌し、カルボン酸エステル(A)を得た。次に、オイルバスからフラスコを取り出し、室温まで冷却した。その後、(B)としてBAPP[2.8479g]を添加し、均一な溶液になるまで攪拌し、熱硬化性組成物(I)を得た。
[比較例2]
アクリル樹脂(熱硬化性)、およびコーディエライトを、それぞれ100重量部、42.9重量部を秤量してポリプロピレン製の容器に入れ、自転・公転ミキサーで混合し、比較例2の試料とした。
<1.実装放熱特性の評価>
実施例および比較例について、放熱特性の評価を示す。
<1−1 放熱部材の調製>
実施例1〜3および比較例1に係る放熱部材は、ヘラを用いて、実施例および比較例の各試料を40×40(mm)四方で厚み0.4mmのアルミニウム板に塗布した。塗布膜厚は、それぞれの実施例および比較例の塗膜が約40μmになるように調整した。膜厚は、Nikon社製 DIGIMICRO MFC−101Aを使用して測定した。
ホットプレートを用いて、150度で30分間加熱し、塗布した実施例および比較例の各試料を乾燥させた後に、200℃のオーブンで30分、さらに250℃のオーブンで120分加熱硬化させることでアルミニウム板を有する放熱部材を形成した。オーブンはKATO社製 小型熱風循環式恒温器 TR0 トランジャップオーブンを用いた。
比較例2に係る放熱部材は、調製した試料を40×40(mm)四方で厚み0.4mmのアルミ板にスピンコートで塗布した後に190度のホットプレートで硬化させ、アルミ板を有する放熱部材を形成した。
<1−2 放熱特性の評価>
測定用サンプルのアルミニウム板面側とトランジスタ(東芝トランジスタ製 シリコンNPN 三重拡散形 2SD2012)を両面テープ(住友スリーエム(株)製、熱伝導性接着剤転写テープNo.9885、10mm×10mm)を用いて貼り合わせた。トランジスタ-の測定用サンプルを張り合わせる面の裏面にK熱電対(理化工業(株)製、ST−50)を取り付け、データロガーを用いてパソコンにてその温度を記録した。このヒーターを取り付けた測定用サンプルを40℃に設定した恒温槽中央に静置し、セラミックヒーターの温度が40℃で一定になったことを確認した後、トランジスタに直流安定化電源を用いて1.18V印加し、3600秒後のトランジスタ表面の温度を測定した。トランジスタは一定の熱量を発生しているので、取り付けてある放熱部材の放熱効果が高いほど、トランジスタの温度は低下する。すなわち、トランジスタの温度が低くなる放熱部材ほど放熱効果が高いといえる。
実施例1〜3および比較例1〜3の試料を用いて放熱部材を調製し、その放熱特性を評価した。評価結果を下記に示す。
Figure 0006428032
表1の示す結果から、本発明の実施例1〜3の樹脂組成物を用いた放熱部材は、比較例1〜3と比較して優れた放熱性を有していることがわかる。また、実施例1の樹脂組成物を用いた放熱試験結果から、(a1)としてODPA、(a2)としてECa、(B)としてBAPPが特に好ましい。
<2.膜物性の評価>
実施例および比較例について、膜物性の評価を示す。<2.膜物性の評価>で用いた試料は、<1.放熱特性の評価>で用いたものと同様である。
<2−1 耐熱性の評価>
アルミカップに試料を流し込み、<1−1 放熱部材の調製> と同様の温度条件で硬化させ硬化膜を作製した。なお、硬化膜の厚さは乾燥後に1mmとなるよう調整した。この硬化膜を切り取り、示差熱熱重量同時測定装置EXSTAR TG/DTA6000シリーズ(SIIナノテクノロジー(株)社製)を用いて、塗膜の5%質量損失温度を測定した。
Figure 0006428032
上記の結果から、本発明の樹脂組成物からなる硬化膜は、優れた耐熱性を有することがわかる。このため、より高い温度領域での使用が可能であり、アウトガスが生じにくいなどの点から好ましい。熱硬化性アクリル塗料硬化膜(比較例2)については、耐熱温度が低く、また加熱による体積収縮率が大きいためクラックが入って基材から剥がれ落ちてしまうため好ましくない。
<2−2 塗膜密着性の評価>
厚さ0.4mmのアルミニウム板、厚さ0.4mmの銅版のそれぞれに、樹脂組成物を<1−1 放熱部材の調製>と同様の手順で製膜した。密着性試験は、JIS−K5600−5−6に準じ、10×10で100マスの切り込みを付け、TQC ISO付着テープ/STANDARD(コーテック(株)社製)を用い、塗膜の剥離の有無を判定した。全く剥離しなかった場合を○、剥離しなかったマスの数が70マス以上の場合を△、70マス未満の場合を×とした。
実施例1〜3および比較例1〜2で作製した試料を用いて、製膜した塗膜の密着性試験を行った結果を下記に示す。
Figure 0006428032
上記の結果から、本発明の樹脂組成物からなる硬化膜は、いずれも優れた基材密着性を有することがわかる。基材との密着性に優れているため、発熱部から効率よく熱が伝わり高い放熱性能を得ることができる。
<2−3 耐屈曲性の評価>
実施例1〜3および比較例1〜2で作製した試料を用いて、製膜した塗膜の耐屈曲性試験を行った結果を下記に示す。 厚さ0.4mmのアルミニウム板に、樹脂組成物を<1−1 放熱部材の調製>と同様の手順で製膜した。耐屈曲性試験は、アルミニウム板を、塗膜面を外側にして90度折り曲げたとき、塗膜に亀裂ができなかったものを○、亀裂ができたものを×とした。
Figure 0006428032
上記の結果から、本発明の樹脂組成物からなる硬化膜は、実施例1〜3のいずれも、非常に優れた耐屈曲性を有することがわかる。このため、基材への塗装後に打ち抜きや曲げ加工なども可能となる。
本発明の樹脂組成物は、放熱塗料として利用することができ、これを熱硬化させることで電子部品等の放熱部材を形成することがでる。その放熱部材は、これを備えた電子部品として利用することができる。

Claims (3)

  1. 式(1)で表される基を少なくとも1つ有するカルボン酸エステル(A)と、ジアミン(B)とを有する熱硬化性組成物(I)と;無機フィラー(II)とを含有する樹脂組成物であって、カルボン酸エステル(A)が、カルボン酸無水物(a1)と式(2)で表される化合物(a2)とを反応させて得られるカルボン酸エステルであり、前記カルボン酸無水物(a1)が、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、ジアミン(B)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、3,3’−ジメトキシベンジジン、イソホロンジアミン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、ダイマー酸型ジアミン、および、式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、前記無機フィラー(II)が、コーディエライト粉およびムライト粉からなる群より選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物。

    Figure 0006428032
    (式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立して炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)

    Figure 0006428032

    (式(2)中、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R2は独立して炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜3の整数である。)

    Figure 0006428032

    (式(3)中、R3は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R4は独立してメチレンまたはフェニレンであり、該フェニレンの少なくとも1つの水素は炭素数1〜6のアルキルで置き換えられていてもよく、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)
  2. さらに溶剤(C)を含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む放熱塗料
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