JP2000290369A - ポリイミド前駆体分散液、それから得られるポリイミド塗膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド前駆体分散液、それから得られるポリイミド塗膜及びその製造方法

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JP2000290369A
JP2000290369A JP11096500A JP9650099A JP2000290369A JP 2000290369 A JP2000290369 A JP 2000290369A JP 11096500 A JP11096500 A JP 11096500A JP 9650099 A JP9650099 A JP 9650099A JP 2000290369 A JP2000290369 A JP 2000290369A
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polyimide
polyimide precursor
solvent
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precursor dispersion
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Akira Shigeta
朗 繁田
Soichiro Kishimoto
聡一郎 岸本
Keitaro Seto
圭太郎 瀬戸
Yoshiaki Echigo
良彰 越後
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミド前駆体を高濃度で含むにも関わら
ず、保存安定性に優れるポリイミド前駆体分散液の提
供、この分散液から得られる表面状態が良く、塗膜物性
も良好なポリイミド塗膜の提供及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 特定のテトラカルボン酸(及び/又はそ
のエステル誘導体)と特定のジアミンとからなるポリイ
ミド前駆体と、このポリイミド前駆体を溶解しない溶媒
とからなるポリイミド前駆体分散液、及びこのポリイミ
ド前駆体分散液を基材上に塗工し、加熱して溶剤を留去
し、熱イミド化し、ポリイミドを熱軟化してポリイミド
皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド前駆体
分散液及びそれから得られるポリイミド塗膜及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、エレクトロニクス分野へ
の応用に有用なものであり、半導体デバイス上への絶縁
フィルムや保護コーティングとして用いられている。特
に全芳香族ポリイミドは、その優れた耐熱性、機械的特
性、電気的特性から、フレキシブル回路基板や集積回路
等において高密度化、多機能化等に大きく貢献してい
る。このような層間絶縁膜や保護膜を形成させる場合、
主にポリイミド前駆体や可溶性ポリイミドの溶液(ワニ
ス)が用いられてきた。ポリイミド前駆体溶液として
は、下記一般式に示すポリアミド酸の溶液がよく知られ
ている。
【0003】
【化4】
【0004】ポリアミド酸溶液からポリイミド塗膜を得
るには、一般的にはこのポリマー溶液を銅、ガラス等の
基材上にコーティングし、加熱することにより溶媒の除
去及びイミド化を行い、ポリイミド塗膜を得ている。し
かし、ポリアミド酸溶液からポリイミド塗膜を得る場合
には、イミド化に伴って水が発生するため、1回の塗工
では薄い膜しか形成することができず、膜を厚くするた
めにはくり返し塗工とイミド化を行うことが必要であっ
た。また、溶液であるために複雑な形状や鋭いエッジ部
等に均一にコーティングすることが困難であるという問
題を有していた。さらに、ポリアミド酸は加水分解され
やすいために分子量の低下が起こりやすく、長期にわた
って溶液を保存することが困難であった。また、ポリア
ミド酸が加水分解されやすいという問題に対し、下式に
示す可溶性ポリイミドを溶質とした溶液(ワニス)が知
られている。
【0005】
【化5】
【0006】しかしながら、ここで用いられる可溶性ポ
リイミドは高重合度のポリマーであり、高重合度のポリ
マー溶液をコーティングする場合には、その重合度故に
塗工可能な溶液の粘度とするためには、溶質濃度を低く
しなければならないという問題があった。また、生産性
を高めるために、溶質濃度を高めると溶液の粘度が高く
なり、塗工できなくなってしまうという問題もあり、ま
たたとえ塗工できたとしても、機械的、熱的特性に優れ
た塗膜やフィルムが得られないという問題があった。こ
の様な問題を有していたにも関わらず、ポリイミド皮膜
を形成させるための材料として上記ワニス以外の材料は
全く知られていなかったのが現状である。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本
発明の課題は、ポリイミド前駆体を高濃度で含むにも関
わらず、保存安定性に優れたポリイミド前駆体分散液、
それから得られる表面状態が良く、塗膜物性も良好なポ
リイミド塗膜及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、特定のポリイミド前駆体
を非溶剤中に分散させた分散液から、表面状態が良く、
塗膜物性も良好なポリイミド塗膜が得られることを見い
出した。すなわち、後述する下記一般式(1)に示すテ
トラカルボン酸(及び/又はそのエステル誘導体)と下
記一般式(2)に示すジアミンとからなるポリイミド前
駆体と、このポリイミド前駆体の非溶媒とからなるポリ
イミド前駆体分散液は、ポリイミド前駆体を高濃度で含
むにも関わらず、保存安定性に優れ、この分散液から
は、表面状態が良く、高強度のポリイミド塗膜が得られ
るとの知見を得、これらの知見に基づいて、本発明に到
達したものである。かかる知見は、従来、ポリイミド塗
膜を形成する組成物としてポリアミド酸溶液や可溶性ポ
リイミド溶液しか知られていなかったことに鑑みれば全
く驚くべき知見である。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、第1に、下記
一般式(1)に示すテトラカルボン酸(及び/又はその
エステル誘導体)と下記一般式(2)に示すジアミンと
からなるポリイミド前駆体と、このポリイミド前駆体を
溶解しない溶媒とからなるポリイミド前駆体分散液であ
る。
【0010】
【化6】
【0011】〔式中、R1 は少なくとも1つの炭素6員
環を含む4価の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基
はこの残基中異なった炭素原子に直接連結しており、4
つのうちの2つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接す
る炭素原子に結合しており、R 2 は水素又は炭素数1〜
7の一価の有機基を示し、R3 は少なくとも1つの炭素
6員環を持つ2価の芳香族残基を示す。〕
【0012】第2に、前記ポリイミド前駆体分散液から
得られるポリイミド塗膜である。第3に、前記ポリイミ
ド前駆体分散液を基材上に塗工し、加熱して溶剤を留去
し、熱イミド化し、ポリイミドを熱軟化してポリイミド
皮膜を形成することを特徴とするポリイミド塗膜の製造
方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明のポリイミド前駆体分散液は、熱可塑性ポリ
イミドの前駆体となるテトラカルボン酸(及び又はその
エステル誘導体)とジアミンが、この熱可塑性ポリイミ
ド前駆体の非溶剤である溶媒中に分散しているものであ
る。熱可塑性ポリイミドとは、線状構造を有し、加熱に
より軟化するポリイミドと定義される。一般式(1)に
おいて、R1 は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価
の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基はこの残基中
異なった炭素原子に直連結しており、4つのうちの2つ
ずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結
合している。R1 の具体例としては次のようなものが挙
げられる。
【0014】
【化7】
【0015】R1 としては、次のものが好ましい。
【0016】
【化8】
【0017】また、R2 としては水素又は炭素数1〜7
の一価の有機基を示し、その具体例としては次のような
ものが挙げられる。
【0018】
【化9】
【0019】特に、R2 としては次のものが好ましい。
【0020】
【化10】
【0021】一般式(2)において、R3 は少なくとも
1つの炭素6員環を持つ2価の芳香族残基を示し、R3
の具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0022】
【化11】
【0023】特に、R3 としては次のものが好ましい。
【0024】
【化12】
【0025】本発明の分散液において、用いる溶媒とし
ては、下記一般式(1)に示すテトラカルボン酸(及び
/又はそのエステル誘導体)と下記一般式(2)に示す
ジアミンとからなるポリイミド前駆体を溶解しない溶媒
であればいかなる溶媒も用いることができ、例えば、
水、非プロトン性極性溶媒、エーテル系化合物、アルコ
ール系化合物、エステル系化合物、ケトン系化合物、無
極性又は低極性溶媒等が用いられる。
【0026】具体的には、非プロトン性極性溶媒として
は、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシド、ヘキサメチルフォスフォラアミド等が挙げら
れ、エーテル系化合物としては、2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキ
シ)エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノー
ル、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノ
ヘキシルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ
エチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ
−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノー
ル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエー
テル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメ
トキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げら
れる。
【0027】また、アルコール系化合物としては、メタ
ノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノ
ール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,
4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、グリセリン、ジアセト
ンアルコール等が挙げられ、エステル系化合物として
は、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸
エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリ
コールモノメエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジ酢酸グリコール等が挙げら
れ、ケトン系化合物としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケト
ン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシ
クロヘキサノン、イソホロン、2,4−ペンタンジオ
ン、アセトニルアセトン等が挙げられ、無極性又は低極
性溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベ
ンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロ
ロベンゼン等が挙げられ、上記各化合物は、単独もしく
は二種以上を混合して用いることができる。このうち特
に好ましい例としては、水を挙げることができる。
【0028】本発明におけるポリイミド前駆体分散液中
のポリイミド前駆体の固形分濃度は、10重量%以上が
好ましい。35重量%以上がより好ましく、40重量%
以上がさらに好ましい。10重量%未満では表面状態の
均一な塗膜が得られにくくなる傾向にあり、均一な塗膜
を得るためには、多数回の塗工を要するので、好ましく
ない。本発明の分散液中のポリイミド前駆体の平均粒子
径は、概ね20ミクロン以下であることが好ましい。塗
膜とした場合の均一性を勘案すれば、10ミクロン以下
であることが好ましく、より好ましくは5ミクロン以下
である。平均粒子径が20ミクロンより大きいと塗膜の
表面平滑性が低下する傾向にある。
【0029】本発明のポリイミド前駆体分散液は、一般
式(1)に示すテトラカルボン酸(及び/又はそのエス
テル誘導体)と一般式(2)に示すジアミンとからなる
ポリイミド前駆体を前述した溶剤に混合分散することで
調製することができる。ポリイミド前駆体は、予め公知
の方法で得られたものを微粉砕した後に分散して用いる
か、溶剤にフレーク状のポリイミド前駆体を添加した後
に、湿式粉砕機を用いて前述した粒子径まで粉砕しつつ
分散させてもよい。
【0030】さらに、本発明のポリイミド前駆体分散液
には、必要に応じて例えば、有機シラン、顔料、導電性
のカーボンブラック及び金属粒子のような充填剤、摩滅
剤、誘電体、潤滑剤等の他公知の添加物を本発明の効果
を損なわない範囲で添加することができる。また、分散
液の粘度を調製したり、チキソ性を付与するためにシリ
カゾルの微粒子やカオリンなど膨潤性の粘土類、雲母類
など、もしくはこのポリイミド前駆体を溶解する溶媒を
添加してもよい。さらには、熱可塑性ポリイミド以外の
ポリイミド類、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾ
ール、ポリベンゾチアゾール、アラミドなどの耐熱性ポ
リマーを添加することもできる。
【0031】本発明においてポリイミド塗膜とは、例え
ば、銅、アルミニウム、ガラス等の基材上に形成された
ポリイミドの膜をいい、これらポリイミド塗膜のうち、
基材と密着したまま使用されるものをポリイミド被覆物
といい、基材から剥離して使用されるものをポリイミド
フィルムという。
【0032】そして、ポリイミド被覆物を得るには、ポ
リイミド前駆体分散液を従来公知のスプレイコート法、
浸漬法、刷毛塗り等の方法により基材上に塗工し、加熱
して溶媒を除去し、熱イミド化して、熱可塑性ポリイミ
ドのガラス転移温度以上に加熱して、ポリマーを熱軟化
させてポリイミド皮膜を形成させる。ポリイミドフィル
ムを得るには、スリット状ノズルから押し出したり、バ
ーコーター、ロールコーター等により基材上に塗工し、
加熱して溶媒を除去し、熱イミド化して、熱可塑性ポリ
イミドのガラス転移温度以上に加熱して、ポリマーを熱
軟化させて融着させた後に基材上から剥離することによ
り形成させる。
【0033】このように、本発明のポリイミド前駆体分
散液は耐熱性の皮膜を与える塗料として有用なものであ
り、本発明のポリイミド前駆体分散液、ポリイミドフィ
ルム及び被覆物は、例えば、耐熱絶縁テープ、耐熱粘着
テープ、高密度磁気記録ベース、コンデンサー、FPC
用のフィルム等の製造に用いられる。また、例えば、フ
ッ素樹脂やグラファイト等を充填した摺動部材、ガラス
繊維や炭素繊維で強化した構造部材、小型コイルのボビ
ン、スリーブ、端末絶縁用チューブ等の成形材や成形品
の製造に用いられる。また、パワートランジスターの絶
縁スペーサ、磁気ヘッドスペーサ、パワーリレーのスペ
ーサ、トランスのスペーサ等の積層材の製造に用いられ
る。また、電線・ケーブル絶縁被膜用、太陽電池、低温
貯蔵タンク、宇宙断熱材、集積回路、スロットライナー
等のコーティング材の製造に用いられる。また、限外ろ
過膜、逆浸透膜、ガス分離膜の製造に用いられる。ま
た、耐熱性を有する糸、織物、不織布等の製造にも用い
られる。さらに、分散液をそのまま織物、不織布に含浸
することにより耐熱性の複合材を形成することができ
る。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。 参考例 1(ポリイミド前駆体の調製) 攪拌機付きの三つ口フラスコにテトラヒドロフラン15
1.5重量部、メタノール68.92重量部、3,
3’,4,4’−オキシジフタル酸二無水物150.3
重量部を仕込み、ここにジメチルアミノエタノール1.
43重量部を添加し40℃で1時間加熱した。さらに、
60℃に温度を上げて2時間攪拌した後に液は透明とな
り、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル100重量
部とフタル酸4.98重量部を、添加して溶解させた。
この溶液をステンレスバット上に流延し、常温で溶媒を
減圧留去した。この後、温度を100℃に上げ14時間
乾燥した。得られた固形物をスピードミルで粉砕し粉末
化し、熱可塑性ポリイミド前駆体の粉末を調製した。こ
の粉末のIRスペクトル解析を行ったところ、イミド環
の吸収はなくカルボン酸の吸収が観測された。
【0035】実施例1〜7 参考例1において調製した熱可塑性ポリイミド前駆体を
表1に示した割合で表に示した溶媒100重量部に添加
した後、ビーズミルを用いて8000rpmで20分間
分散させポリイミド前駆体分散液を調製した。得られた
分散液をを室温で1週間放置して、粒子の凝集や沈降の
有無を目視で評価した。さらに、この分散液を用いて塗
膜の形成を行った。ステンレス基板上に分散液を約30
0ミクロンにスプレーコートしたのち、窒素ガス中80
℃で30分間、240℃で30分間、300℃で1時間
加熱してステンレス上にポリイミド塗膜を形成させた。
前記のようにして得られたポリイミド前駆体分散液及び
ポリイミド塗膜の表面状態を評価し、これらの結果を表
1に示す。なお、表面がゆずはだとなった実施例4を除
き、得られた塗膜をステンレスから剥離して、塗膜の機
械的物性をJISK−7127によって測定した。これ
らの結果も表1に記す。
【0036】
【表1】
【0037】いずれの分散液を用いても、ポリイミドの
塗膜が形成できることが明らかになった。さらに、実施
例3の分散液を室温で2ヶ月間保存したところ粒子の沈
降が起こっている様子が観察された。この沈降した分散
液を、再度300rpmの攪拌機でかき混ぜたところ、
調製時の分散状態に戻ることがわかった。また、再攪拌
した分散液を用いて実施例と同様に塗膜を形成させたと
ころ、同等の表面状態を有していることを確認すること
ができた。以上の結果から、本発明の分散液は塗料とし
ての保存安定性にも優れていることが明らかになった。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明のポリイミド前駆
体分散液は、ポリマーの溶液ではなくモノマーの混合物
とその非溶媒から構成されており、ポリイミド前駆体を
高濃度で分散しているにも関わらず、保存安定性に優
れ、この分散液からは表面状態が良く、塗膜物性も良好
なポリイミド塗膜が容易に得られる。したがって、本発
明のポリイミド前駆体分散液は、各種絶縁膜や耐熱性皮
膜の形成に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越後 良彰 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J002 CM041 DE026 EA016 EA036 EB126 EC036 EC046 EC056 ED026 ED036 EE036 EH036 EH046 EL066 EL106 EP016 EU026 EV206 EW156 FD206 GH01 4J038 DJ021 MA02 MA10 NA26 PA19 4J043 PA02 PA19 QB15 QB25 RA05 RA06 SA06 SA42 SA52 SA54 SB01 TA32 TB01 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UA262 UB011 UB021 UB061 UB062 UB122 UB131 UB151 UB152 UB221 UB301 UB302 UB401 UB402 VA012 VA022 VA042 VA051 VA052 VA061 VA071 VA081 XA13 XA18 YA13 YA22 ZA05 ZA27 ZB03 ZB47

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)に示すテトラカルボン
    酸(及び/又はそのエステル誘導体)と下記一般式
    (2)に示すジアミンとからなるポリイミド前駆体と、
    このポリイミド前駆体を溶解しない溶媒とからなるポリ
    イミド前駆体分散液。 【化1】 〔式中、R1 は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価
    の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基はこの残基中
    異なった炭素原子に直接連結しており、4つのうちの2
    つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に
    結合しており、R 2 は水素又は炭素数1〜7の一価の有
    機基を示し、R3 は少なくとも1つの炭素6員環を持つ
    2価の芳香族残基を示す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(1)におけるR1 が下式に示す
    ものであることを特徴とする請求項1記載のポリイミド
    前駆体分散液。 【化2】
  3. 【請求項3】 一般式(1)におけるR3 が下式に示す
    ものであることを特徴とする請求項1記載のポリイミド
    前駆体分散液。 【化3】
  4. 【請求項4】 ポリイミド前駆体を溶解しない溶媒が水
    であることを特徴とする請求項1記載のポリイミド前駆
    体分散液。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のポリイミド前駆体分散液
    から得られるポリイミド塗膜。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のポリイミド前駆体分散液
    を基材上に塗工し、加熱して溶剤を留去し、熱イミド化
    し、ポリイミドを熱軟化してポリイミド皮膜を形成する
    ことを特徴とするポリイミド塗膜の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006307114A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Hitachi Chem Co Ltd ポリイミド樹脂、塗料、シームレス管状体及び耐熱性塗料
EP2787024A2 (en) 2013-01-28 2014-10-08 JNC Corporation Thermosetting composition, hardened film and electronic component

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