JP3510689B2 - ポリアミド酸溶液の製造方法 - Google Patents

ポリアミド酸溶液の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、重合度の高いポリアミ
ド酸を高濃度に含有しており、成形するのに適した粘度
を有しているポリアミド酸溶液の製造方法に関するもの
である。 【0002】 【従来の技術】ジャーナル・オブ・ポリマーサイエン
ス、マクロモレキュラー・レビューズ(Journal of Poly
mer Science, Macromolecular Reviews)第11巻(19
76)第164頁表2には、ポリアミド酸を溶解する溶
媒が記載されている。この表には、具体的な溶媒とし
て、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルホスホ
ルアミド(HMPA)、N−メチルカプロラクタム、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、N−アセチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)等が列挙されている。これらは、いわゆる非プロト
ン系極性溶媒と称されるものであり、双極子モーメント
が約3.0デバイよりも大きな極性を有するものであ
る。前記のDMAc、NMP、DMSO、DMFの双極
子モーメントは各々3.7デバイ、4.1デバイ、4.3デバ
イ、3.9デバイである。これらの溶媒は、ポリアミド酸
を溶解する溶媒であると同時にジアミンとテトラカルボ
ン酸二無水物とを重合させて、ポリアミド酸を得る際の
重合溶媒として使用できることも記載されている。 【0003】さらに、同文献199頁〜205頁には、
これら非プロトン系極性溶媒に溶解したポリアミド酸溶
液を基材上に流延し、溶媒を留去してイミド化するとポ
リイミド被覆物が、また、剥離してポリイミドフイルム
を得ることが記載されている。 【0004】また、米国特許第4238528号明細書
にはポリアミド酸、溶剤〔例えば、NMP/アセトン、
NMP/セロソルブ、NMP/キシレン、NMP/トル
エン、NMP/トルエンおよび(2−エトキシエタノー
ル)−セロソルブ/アセトン〕および非イオン性フルオ
ロカーボン表面活性剤の組み合せよりなるポリアミド酸
溶液が開示されている。 【0005】また、特公平3−4588号公報には非プ
ロトン系極性有機溶媒(DMAc、NMP、DMSO、
DMFから選ばれる)、ポリアミド酸、ハロゲン化脂肪
族炭化水素、特定の有機溶媒および有機シランよりなる
ポリアミド酸溶液が開示されている。さらに、1977
年11月のアイビーエム技術公開会報(IBM Technical
Disclosure Bulletin),第20巻,第6号,第204
1頁にはDMSOおよび無水ピロメリット酸並びにNM
Pおよびジアミノジフエニルエーテルとを混合すること
によって形成されるポリアミド酸溶液が開示されてい
る。 【0006】しかしながら、これらのポリアミド酸の溶
媒として利用されてきたDMAc、NMP、DMSO、
DMFのような非プロトン系極性溶媒は、次に挙げる文
献中に指摘されているように双極子モーメントが大きい
ので、溶質であるポリアミド酸と強く会合している(Jo
urnal of Polymer Science, A-1, vol.4, 2607〜2616,1
966 年, 同誌 A vol.25,2005〜2020,1987 年, 同誌 A v
ol.25, 2479 〜2491,1987年, 工業化学雑誌 71巻 9
号,1559〜1564頁,1968年,ANTEC'91の予稿集,1742〜
1745頁. )。すなわち、溶媒と溶質との溶媒和が強いた
めにポリイミドフイルムや被覆物を製造する際、後述す
るような様々な問題があった。また、これら溶媒は、特
公平3-4588号公報に記載の如く、双極子モーメントが大
きいので、表面張力が大きく、かつ粘性が高いことに起
因する問題もあった。 【0007】すなわち、従来使用されてきたDMAc、
NMP、DMSO、DMFの如き非プロトン系極性溶媒
にポリアミド酸を溶解した溶液では、溶液の経時安定性
が悪く、成形時や被覆時における作業条件を一定に保つ
ことが困難であるとともに、成形時や被覆時に溶媒除去
が難しかった。また、従来ポリアミド酸溶液は、ジアミ
ノジフェニルエーテルのようなジアミンとピロメリット
酸二無水物のようなテトラカルボン酸二無水物を前記の
ような非プロトン系極性溶媒中で重合反応させる、いわ
ゆる低温溶液重合法で製造されてきた。この場合の重合
溶媒はモノマーを高濃度で溶解させる良溶媒でかつ水分
を含有しない溶媒を使用しなければならないと信じられ
てきた。すなわち、溶媒中に水が共存すると、酸無水物
の加水分解反応が進行するので、厳密な脱水系で反応を
行う必要があり、反応装置が複雑になるという問題があ
った。また極性溶媒が高価なため、製造コストが高くな
るという問題もあった。さらに成形体や被覆物にした
際、残留溶媒が多く、得られる成形体や被覆物の電気的
特性が十分でない等の問題があった。また、成形体に残
留している溶媒は使用時に高温になると分解して、有害
な一酸化炭素を発生するという問題もあった。 【0008】このような問題を解決するために、本発明
者らは特開平6−1915号公報において、テトラヒド
ロフラン(THF)とメタノールとの混合溶媒を初めと
して新規な溶媒を用いたポリアミド酸溶液と、その製造
方法について提案した。しかしこの方法では、高重合度
でかつ高濃度のポリアミド酸溶液を得ることが難しかっ
た。このため特開平6−1915号公報の方法で得られ
るポリアミド酸溶液は、高濃度のものでも粘度が低く、
フィルムや被覆物などを製造する際に取り扱いが困難で
あり、この溶液から得られたポリイミドフィルムや被覆
物は可とう性がよくなかった。そこで、非プロトン系極
性溶媒を用いないで製造することができて、濃度が高
く、かつ重合度が高くて適度に粘度が高いポリアミド酸
溶液が要求されていた。また、本発明者らは特願平6−
141081号において、ポリアミド酸を重合した後、
低沸点溶媒を除去して濃縮し、適度な回転粘度を有する
高濃度ポリアミド酸溶液を得る方法について提案した。
しかしこの方法では、重合と濃縮の2つの工程が必要で
あり、装置が複雑になるなどの問題があった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本発
明の課題は、THFとメタノール混合溶媒中でポリアミ
ド酸を重合する工程だけで、重合度の高いポリアミド酸
を高濃度に含有しており、成形するのに適した粘度を有
しているポリアミド酸溶液を得ることができるポリアミ
ド酸溶液の製造方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、THFとメタノール混合
溶媒にジアミンを過飽和状態にまで完全に溶解した溶液
に、テトラカルボン酸二無水物を添加して重合すると、
高濃度かつ高重合度で、成形するのに適した粘度(回転
粘度)を有するポリアミド酸溶液が得られることを見い
だし、本発明に到達した。 【0011】すなわち、本発明の要旨は、下記式(1)
で示される構成単位を有しているポリアミド酸の溶液を
製造するに当たり、テトラヒドロフランとメタノールと
の混合溶媒にジアミンを過飽和状態に溶解した溶液に、
テトラカルボン酸二無水物を添加して重合することを特
徴とするポリアミド酸溶液の製造方法である。 【0012】 【化2】 【0013】以下本発明について詳細に説明する。本発
明で得られるポリアミド酸の溶液は、ポリアミド酸とT
HFとメタノール混合溶媒とからなり、ポリアミド酸は
式(1)で示され構成単位を有しており、このポリアミ
ド酸は加熱又は化学的作用により閉環してポリ(4,
4’−オキシジフエニレンピロメリットイミド)とな
る。閉環させる方法としては、加熱による方法、無水酢
酸やピリジンのような閉環剤を用いる方法等従来知られ
ている方法が適用できる。また、上記式(1)で示され
るポリアミド酸と共重合できる他のポリアミド酸として
は全芳香族系のポリアミド酸が挙げられ、特に式(2)
で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸が好まし
い。 【0014】 【化3】 【0015】式(2)におけるRは少なくとも1つの炭
素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、4価のうちの
2価ずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子
に結合している。Rの具体例としては次のようなものが
ものが挙げられる。 【0016】 【化4】 【0017】特に、Rとしては次のものが好ましい。 【0018】 【化5】 【0019】また、R’は1〜4個の炭素6員環を持つ
2価の芳香族残基を示す。R’の具体例としては次のよ
うなものが挙げられる。 【0020】 【化6】【0021】 【化7】【0022】また、特にR’としては、次のものが好ま
しい。 【0023】 【化8】 【0024】本発明において、溶媒はTHFとメタノー
ルとの混合溶媒が用いられる。THFとメタノールの混
合割合は重量比で90:10〜60:40、特に85:
15〜65:35が好ましい。THFの混合割合が重量
比で60未満でも、90を超ても透明溶液が得られない
傾向にある。ちなみにTHF、メタノールの双極子モー
メントは、各々1.70デバイ、1.66デバイであ
り、いづれも3.0デバイ未満であり、かつ単独では本
発明におけるポリアミド酸を溶解しない。 【0025】さらに、溶媒として同一分子内にエーテル
基とアルコール性水酸基を有する化合物を、本発明を損
なわない範囲で添加することができる。このような化合
物としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエ
タノール、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノー
ル、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタ
ノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレ
ングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、
テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパ
ノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、3−メト
キシ−3−メチルブタノール等が挙げられる。 【0026】ポリアミド酸溶液を製造するには、まず、
ジアミノジフェニルエーテル(DADE)を含むジアミ
ン成分を、THFとメタノールとの混合溶媒中に溶解す
る。本発明においては、重合を開始する時点でジアミン
が過飽和状態で完全に溶解している必要がある。ポリア
ミド酸溶液の濃度が13重量%以上になるようにジアミ
ンを仕込むためには、液温を45℃以上にしてジアミン
溶解する。つぎにこのジアミン溶液を40℃以下に冷却
して過飽和状態のジアミン溶液を得る。このときジアミ
ンが析出しない範囲で、より低い温度に冷却することが
好ましい。この過飽和状態のジアミン溶液に、ピロメリ
ット酸二無水物(PMDA)を含むテトラカルボン酸二
無水物を添加して重合反応を行う。 【0027】反応温度は、10〜45℃が好ましく、2
0℃〜40℃がより好ましい。反応に要する時間は、反
応系内が均一な透明溶液になるまでの時間が必要である
が、通常1〜200分が好ましく、5〜100分がより
好ましい。テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応
割合は等モルで行うのが好ましいが、これらモノマーの
比率を若干変動させることにより、ポリアミド酸の重合
度を任意に調節することができる。このようにして、ポ
リアミド酸が式(1)で示される構成単位を有してお
り、重合度の高いポリアミド酸を高濃度に含有してお
り、成形するのに適した粘度を有しているポリアミド酸
溶液を得る。 【0028】ところで本発明のように溶媒がTHFとメ
タノールとの混合溶媒の場合、45℃以上でジアミンを
溶解してから、冷却せずにテトラカルボン酸二無水物を
添加すると、反応による発熱によって溶媒が沸騰するこ
とがあり危険なだけでなく、得られたポリアミド酸溶液
の回転粘度は低く、物性的に劣るものとなる。また、ジ
アミンが完全に溶けていないスラリーの状態でテトラカ
ルボン酸二無水物を添加した場合、回転粘度の高いポリ
アミド酸溶液を得ることは難しい。 【0029】本発明によって得られるポリアミド酸溶液
におけるポリアミド酸の濃度は、13重量%以上であ
り、15〜40重量%がより好ましい。濃度が13重量
%より小さくては、成形するために十分な回転粘度を有
しておらず、40重量%を超えると回転粘度が高くなり
すぎて使用上に問題が生じることがある。さらに、ポリ
アミド酸の固有粘度[η]は0.6dl/g以上である
ものが好ましい。[η]が0.6dl/gより小さくて
は目的の可とう性のあるポリイミド成形体および被覆物
が得られない傾向にある。なお、[η]は、重合体の分
子量と直接関係する値であり、N,N−ジメチルアセト
アミド溶媒におけるポリアミド酸の濃度を0.5重量%
とし、30℃で重合体の溶液が標準粘度計の一定容積の
毛細管を流れる時間と溶媒のみが流れる時間を測定する
ことにより、次式により計算することができる。なお、
Cは溶液中のポリアミド酸の濃度であって、溶液1dl
あたりのポリアミド酸のグラム数で表す。 【0030】 【数1】 【0031】また、本発明で得られるポリアミド酸溶液
の20℃における回転粘度は30ポイズ以上であること
が好ましい。30ポイズ未満のポリアミド酸溶液は、基
材上に塗工して被覆物を形成させる際などに液だれ等が
起こり、取扱いが困難であるためである。ポリアミド酸
溶液の回転粘度に特に上限はないが、あまり回転粘度が
高くなりすぎると、場合によっては取扱いが困難にな
る。 【0032】ポリアミド酸溶液において、ポリアミド酸
が部分イミド化している場合のイミド化率は35モル%
以下が好ましい。35モル%を超えてイミド化したポリ
アミド酸は溶解性が低下する傾向にある。なお、部分イ
ミド化率は、赤外吸収スペクトルの604cm-1および
882cm-1に基づく吸収を測定することにより求める
ことができ、部分イミド化率を計算するには、次式によ
り計算することができる。 【0033】 【数2】 【0034】ただし、a、a' は次式であらわされ、a
は被験体の吸光度比であり、a' は閉環率100%のも
のの吸光度比である。 【0035】 【数3】 【0036】ポリアミド酸溶液を部分イミド化したポリ
アミド酸の溶液に変換するためには、ポリアミド酸溶液
を60℃以上で、1〜200分間溶媒を留去することな
く加熱するか、もしくは、ピリジンおよび無水酢酸、ピ
コリンおよび無水酢酸、2,6−ルチジンおよび無水酢
酸のような公知のイミド化触媒を添加し、0〜20℃で
1〜100時間撹拌下反応させればよい。イミド化触媒
の添加量としてはモノマー1モルに対し、無水酢酸を
0.01〜0.35モル、ピリジン、2,6−ルチジ
ン、トリエチルアミンなどの塩基を0.01〜3.5モ
ル程度が好ましい。 【0037】さらに、本発明で得られるポリアミド酸の
溶液には、必要に応じて例えば、有機シラン、顔料、導
電性のカーボンブラックおよび金属粒子のような充填
材、磨滅材、誘電体、潤滑材等の他公知の添加物を本発
明の効果を損なわない範囲で添加することができる。ま
た、他の重合体や、エーテル類、アルコール類、ケトン
類、エステル、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の
溶媒を本発明を損なわない範囲で添加することができ
る。 【0038】ポリアミド酸の溶液から得られる成形体お
よび被覆物は、例えば、耐熱絶縁テープ、耐熱粘着テー
プ、高密度磁気記録ベース、コンデンサー、フレキシブ
ルプリント配線板(FPC)用のフイルム等の製造に用
いられる。また、例えば、フッ素樹脂やグラフアイト等
を充填したしゅう動部材、ガラス繊維や炭素繊維で強化
した構造部材、小型コイルのボビン、スリーブ、端末絶
縁用チユーブ等の成形材や成形品の製造に用いられる。
また、パワートランジスターの絶縁スペーサ、磁気ヘツ
ドスペーサ、パワーリレーのスペーサ、トランスのスペ
ーサ等の積層材の製造に用いられる。また、電線・ケー
ブル絶縁被覆用、太陽電池、低温貯蔵タンク、宇宙断熱
材、集積回路、スロットライナー等のエナメルコーテイ
ング材の製造に用いられる。また、限外ろ過膜、逆浸透
膜、ガス分離膜の製造に用いられる。さらに、耐熱性を
有する糸、織物、不織布などの製造にも用いられる。 【0039】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 【0040】実施例1 DADE3.571g、THF36.1g、メタノール
6.4gを三つ口フラスコに入れて、50℃に保って十
分に攪拌し、DADEを完全に溶解した。これを水浴に
移して温度を27℃まで冷却した。しかし、DADEは
析出せず、この溶液は過飽和状態であった。これに3.
929gのPMDAを粉体のまま添加し、十分攪拌し、
1時間後に黄色透明溶液を得た。このとき、ポリアミド
酸の濃度は15.0重量%であり、固有粘度[η]は
0.9dl/gであり、この溶液の回転粘度は46.2
ポイズであった。この溶液を圧延銅箔(厚み35μm)
に200μmの厚みで塗工し、50℃で3時間乾燥して
から枠に固定し、80℃で1時間、200℃で10時間
熱処理を行ってイミド化し、ポリイミド被覆物を得た。
得られたポリイミド被覆物の被膜は厚みが15μmであ
り、銅箔面同士を合わせるように折り曲げても、被膜に
外観上の変化はなく、可とう性に優れたものであった。 【0041】実施例2 DADE4.688g、THF28.0g、メタノール
12.0gを三つ口フラスコに入れて、57℃に保って
十分に攪拌し、DADEを完全に溶解した。これを水浴
に移して温度を35℃まで冷却した。しかし、DADE
は析出せず、この溶液は過飽和状態であった。これに
5.312gのPMDAを粉体のまま添加し、十分攪拌
し、1時間後に黄色透明溶液を得た。このとき、ポリア
ミド酸の濃度は20.3重量%であり、固有粘度[η]
は0.8dl/gであり、この溶液の回転粘度は58.
7ポイズであった。この溶液を圧延銅箔(厚み35μ
m)に200μmの厚みで塗工し、50℃で3時間乾燥
してから枠に固定し、80℃で1時間、200℃で10
時間熱処理を行ってイミド化し、ポリイミド被覆物を得
た。得られたポリイミド被覆物の被膜は厚みが20μm
であり、銅箔面同士を合わせるように折り曲げても、被
膜に外観上の変化はなく、可とう性に優れたものであっ
た。 【0042】比較例1 DADE3.571g、THF36.1g、メタノール
6.4gを三つ口フラスコに入れて、27℃に保って十
分攪拌し、DADEを分散させた。このDADEが溶け
残った状態のスラリーに、3.929gのPMDAを粉
体のまま添加し十分攪拌してポリアミド酸溶液を得た。
この時、ポリアミド酸の濃度は15.0重量%であり、
固有粘度[η]は0.5dl/gであり、この溶液の回
転粘度は3.5ポイズであった。この溶液は回転粘度が
低く、銅箔上に塗工した際に液だれが起こり、取扱いが
困難であった。 【0043】 【発明の効果】以上のように構成されているので、本発
明によれば、THFとメタノール混合溶媒中でポリアミ
ド酸を重合する工程だけで、重合度の高いポリアミド酸
を高濃度に含有しており、成形するのに適した粘度を有
しているポリアミド酸溶液が得られる。このポリアミド
酸溶液から得られるポリイミド成形体やポリイミド被膜
などは、非プロトン系極性溶媒を含まないものであり、
可とう性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−1915(JP,A) 特開 平6−57529(JP,A) 特開 平6−293834(JP,A) 特開 平7−324163(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記式(1)で示される構成単位を有し
    ているポリアミド酸の溶液を製造するに当たり、テトラ
    ヒドロフランとメタノールとの混合溶媒にジアミンを過
    飽和状態に溶解した溶液に、テトラカルボン酸二無水物
    を添加して重合することを特徴とするポリアミド酸溶液
    の製造方法。 【化1】
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