JP4084465B2 - ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られる塗膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られる塗膜及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、さらにはポリイミド前駆体溶液から得られるポリイミド塗膜及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドは、エレクトロニクス分野への応用に有用なものであり、半導体デバイス上への絶縁フィルムや保護コーティングとして用いられている。特に全芳香族ポリイミドは、その優れた耐熱性、機械的特性、電気的特性から、フレキシブル回路基板や集積回路等において高密度化、多機能化等に大きく貢献している。このように、微細な回路の層間絶縁膜や保護膜を形成させる場合、従来よりポリイミド前駆体溶液が用いられてきた。このポリイミド前駆体溶液としては、下記一般式に示すポリアミド酸からなる溶液が知られている。
【0003】
【化8】
Figure 0004084465
【0004】
これらポリアミド酸の溶液は、溶媒中で芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させることにより製造されるもので、例えば特公昭36−10999号公報、特開昭62−275165号公報、特開昭64−5057号公報、特公平2−38149号公報、特公平2−38150号公報、特開平1−299871号公報、特開昭58−122920号公報、特公平1−34454号公報、特開昭58−185624号公報、Journal of Polymer Science, Macromolecular Reviews Vol.11 P.199 (1976)、米国特許第4238528号、特公平3−4588号公報、特公平7−30247号公報、特開平7−41556号公報、特開平7−62095号公報、特開平7−133349号公報、特開平7−149896号公報、特開平6−207014号公報、特公平7−17870号公報、特公平7−17871号公報、IBM Technical Disclosure Bulletin Vol.20 No.6 P.2041 (1977)等には、溶媒として非プロトン性極性溶媒を用いるものや、特開平6−1915号公報には、溶媒として水溶性エーテル系化合物、水溶性アルコール系化合物、水溶性ケトン系化合物及び水から選ばれる混合溶媒を用いるものなど、種々の溶液が開示されている。
【0005】
また、ポリイミド前駆体溶液における溶質としてのポリイミド前駆体としてはポリアミド酸以外にも種々のポリマーが知られている。例えば、MacromoleculesVol.22 P.4477 (1989) やPolyimides and Other High Temperature Polymers.P.45 (1991)には、下記一般式に示すポリアミド酸エステルが開示されており、
【0006】
【化9】
Figure 0004084465
【0007】
Macromolecules Vol.24 P.3475 (1991) には、下記一般式に示すポリアミド酸トリメチルシリルエステルが開示されており、
【0008】
【化10】
Figure 0004084465
【0009】
Journal of Polymer Science Part B Vol.8 P.29 (1970) 、Journal of PolymerScience Part B Vol.8 P.559(1970)、日本化学会誌 Vol.1972 P.1992、Journalof Polymer Science Polymer Chemistry Edition Vol.13 P.365 (1975)には、下記式に示すポリアミド酸ビス(ジエチルアミド)が開示されている。
【0010】
【化11】
Figure 0004084465
【0011】
上述したこれらポリイミド前駆体はいずれも高重合度のポリマーの溶液である。これらポリマー溶液からポリイミド塗膜を得る際は、一般的にはこのポリマー溶液を銅、ガラス等の基材上にコーティングし、加熱することにより溶媒の除去及びイミド化を行いポリイミド塗膜を得る。
【0012】
しかしながら、この高重合度のポリマー溶液をコーティングする場合には、その重合度故に塗工可能な溶液の粘度とするためには、溶質濃度を低くしなければならないという問題があった。また、生産性を高めるために、溶質濃度を高めると溶液の粘度が高くなり、塗工できなくなってしまうという問題もあり、またたとえ塗工できたとしても、機械的、熱的特性に優れた塗膜やフィルムが得られないという問題があった。さらに、ポリマー溶液は長期の保存に耐え難く、その重合度を維持しつつ長期間保存することは極めて困難であった。
【0013】
【本発明が解決しようとする課題】
上記状況に鑑み、本発明の課題は、高濃度かつ低粘度のポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られる良好な物性を有するポリイミド塗膜及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定のモノマーを組み合わせれば、重合体でなくともそれらモノマーを含む溶液から、良好な物性を有するポリイミド塗膜が得られることを見い出した。すなわち、後述する一般式(1)に示すジアミンと一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルとからなるモノマーの塩を含有するポリイミド前駆体溶液は、モノマーの塩を高濃度で溶解しているいるにもかかわらず、低粘度を示し、しかも、この溶液からは高強度のポリイミド塗膜が得られるとの知見を得、これらの知見に基づいて、本発明に到達したものである。かかる知見は、従来、ポリイミド前駆体溶液を構成するポリイミド前駆体が高重合度のものしか知られていなかったことに鑑みれば全く驚くべき知見である。
【0015】
すなわち、本発明の要旨は、第1に、下記一般式(1)に示すジアミンと下記一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルからなる塩が溶質として溶媒中に溶解していることを特徴とするポリイミド前駆体溶液である。
【0016】
第2に、溶媒中に下記一般式(1)に示すジアミンを溶解した後、このジアミン1モルに対し下記一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルを0.95〜1.05モル加えることを特徴とするポリイミド前駆体溶液の製造方法である。
【0017】
【化12】
Figure 0004084465
【0018】
一般式(1)、(2)において、R及びR ''' は次のものであり、
【化13】
Figure 0004084465
' は次のものから選ばれ、
【化14】
Figure 0004084465
R''は炭素数1から5までのアルキル基であり、R''''は水素もしくは、炭素数1から5までのアルキル基である。〕
【0019】
第3に、前記ポリイミド前駆体溶液から得られるポリイミド塗膜である。第4に、前記ポリイミド前駆体溶液を基材上に塗工し、加熱してイミド化することを特徴とするポリイミド塗膜の製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。まず、本発明で用いる用語について説明する。
【0021】
(1)塩
アミノ基を有する化合物とカルボキシル基を有する化合物とを溶媒中で混合して得られる複合体をいい、アミノ基とカルボキシル基とはいかなる状態の結合(イオン結合もしくは非イオン結合)をしていても良い。
【0022】
(2)ポリイミド
ポリマー鎖の繰り返し単位の80モル%以上がイミド構造を有する有機ポリマーをいう。そして、この有機ポリマーは、耐熱性を示す。
【0023】
(3)ポリイミド前駆体
加熱又は、化学的作用により閉環してポリイミドとなる有機化合物をいう。ここで、閉環とはイミド環構造が形成されることをいう。
【0024】
(4)ポリイミド溶液
ポリイミド前駆体が溶媒に溶解しているものである。ここで溶媒とは、25℃で液状の化合物をいう。
【0025】
(5)粘度
(株)トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、20℃における回転粘度を測定したものである。
【0026】
(6)溶質濃度
溶液中に占めるポリイミド前駆体の重量割合を百分率で表した数値である。
【0027】
(7)ポリイミド塗膜
例えば銅、アルミニウム、ガラス等の基材上に形成されたポリイミドの膜をいう。これらポリイミド塗膜のなかで基材と密着したまま使用されるものをポリイミド被覆物といい、基材から剥離して使用されるものをポリイミドフィルムという。
【0028】
さらに本発明について説明する。本発明のポリイミド前駆体溶液は、一般式(1)に示すジアミンと一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルとからなる塩が溶質として溶媒中に溶解している。一般式(1)に示すジアミンにおいて、Rは次のものである。
【0029】
【化15】
Figure 0004084465
【0030】
R' は次のものから選ばれる。
【0031】
【化16】
Figure 0004084465
【0032】
R''は炭素数1から5までのアルキル基であり、その具体例としては次のものが挙げられる。
【0033】
【化17】
Figure 0004084465
【0034】
特に、R''としては次のものが好ましい。
【0035】
【化18】
Figure 0004084465
【0036】
一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルにおいてR''''は水素もしくは、炭素数1から5までのアルキル基である。R''' は次のものである。
【0037】
【化19】
Figure 0004084465
【0038】
R''''の具体例としては次のようなものが挙げられ、
【0039】
【化20】
Figure 0004084465
【0040】
特にR''''としては次のものが好ましい。
【0041】
【化21】
Figure 0004084465
【0042】
本発明のポリイミド前駆体溶液において、溶媒としては一般式(1)に示すジアミンと一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルからなる塩を溶かす溶媒であればいかなる溶媒も用いることができる。
【0043】
例えば、非プロトン性極性溶媒として、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスフォラアミド等が挙げられ、エーテル系化合物として、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられ、水溶性アルコール系化合物として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
【0044】
上記各溶媒は単独で、もしくは二種以上を混合して用いてることができる。このうち特に好ましい例としては、単独溶媒としてN、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられ、混合溶媒としては、N−メチルピロリドンとジエチレングリコールモノメチルエーテル、N−メチルピロリドンとメタノール、N−メチルピロリドンと2―メトキシエタノール等の組み合わせがあげられる。
【0045】
本発明におけるポリイミド前駆体溶液のポリイミド前駆体の濃度は、30重量%以上が好ましい。35重量%以上がより好ましく、40重量%以上がさらに好ましい。30重量%未満では、塗工の際の生産性を高める効果が薄くなることがある。また、ポリイミド前駆体溶液の粘度は、100ポイズ以下が好ましく、85ポイズ以下がより好ましく、60ポイズ以下がさらに好ましい。100ポイズを超えると塗工が困難になることがある。
【0046】
本発明におけるポリイミド前駆体溶液は、溶媒中に一般式(1)に示すジアミンを溶解した後、このジアミン1モルに対し一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルを0.95〜1.05モル加えることによって製造することができる。ここでは、好ましい例として、溶媒として非プロトン性極性化合物を用いた方法について述べる。
【0047】
まず、一般式(1)に示すジアミンを、非プロトン性極性化合物中に溶解させた後、得られたジアミン溶液に一般式(2)に示す芳香族テトラカルボン酸及び/又はそのエステルを添加する。反応温度は、−30〜60℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。一般式(2)に示す芳香族テトラカルボン酸及び/又はそのエステルの添加割合は、0.95〜1.05モル、好ましくは0.97〜1.03モルである。R''' を骨格とする芳香族テトラカルボン酸及び/又はそのエステルの添加割合が、0.95〜1.05モルの範囲外では目的とする塩が得られにくくなる傾向にある。
【0048】
一般式(1)に示すジアミンを合成する際には、公知の如何なる合成法を用いてもかまわない。縮合剤を用いる方法や、酸塩化物を用いる方法、混酸無水物を用いる方法など広く有機合成に用いられる方法が挙げられる。また、ジアミンを単離する必要が無い系、例えば、縮合剤としてジシクロヘキシルカルボジイミドを用いてジアミンを合成した場合には、反応後はジシクロヘキシルカルボジイミドは不溶化して析出するので、これを除去して、得られたジアミン溶液をそのまま用いてもかまわない。溶媒として、混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々のモノマーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合し、撹拌下、所定の温度と時間で反応させることにより、目的とするポリイミド前駆体溶液が得られる。また、一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルを添加する方法は、前記ジアミン溶液に撹拌下、個体のままか、もしくは溶液にして添加する。
【0049】
さらに、本発明のポリイミド前駆体溶液には、必要に応じて例えば、有機シラン、顔料、導電性のカーボンブラック及び金属粒子のような充填剤、摩滅剤、誘電体、潤滑剤等の他公知の添加物を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。また、他の重合体や例えば水不溶性のエーテル類、アルコール類、ケトン類、エステル、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の溶媒を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
【0050】
また、ポリイミド前駆体溶液からポリイミドフィルムを成形するには、スリット状ノズルから押し出したり、バーコーター等により基材上に塗工し、乾燥して溶媒を除去し、これをイミド化した後、ポリイミド塗膜を形成させ、基材から剥離して製造することができる。ポリイミド被覆物を得るには、ポリイミド前駆体溶液を従来公知のスピンコート法、スプレイコート法、浸漬法等の方法により基材上に塗工し、乾燥して溶媒を除去した後、イミド化して、ポリイミド塗膜を形成させる。
【0051】
このように、本発明のポリイミド前駆体溶液、それから得られるポリイミド塗膜(ポリイミドフィルム又はポリイミド被覆物)は、例えば、耐熱絶縁テープ、耐熱粘着テープ、高密度磁気記録ベース、コンデンサー、FPC用のフィルム等の製造に用いられる。また、例えば、フッ素樹脂やグラファイト等を充填した摺動部材、ガラス繊維や炭素繊維で強化した構造部材、小型コイルのボビン、スリーブ、端末絶縁用チューブ等の成形材や成形品の製造に用いられる。また、パワートランジスターの絶縁スペーサ、磁気ヘッドスペーサ、パワーリレーのスペーサ、トランスのスペーサ等の積層材の製造に用いられる。また、電線・ケーブル絶縁被膜用、太陽電池、低温貯蔵タンク、宇宙断熱材、集積回路、スロットライナー等のエナメルコーティング材の製造に用いられる。また、限外ろ過膜、逆浸透膜、ガス分離膜の製造に用いられる。また、耐熱性を有する糸、織物、不織布等の製造にも用いられる。
【0052】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例においてBAA−BPADE/PPDとは、下記式で示されるジアミンであり、
【0053】
【化22】
Figure 0004084465
【0054】
BAA−BPADE/ODAとは、下記式で示されるジアミンである。
【0055】
【化23】
Figure 0004084465
【0056】
いずれのジアミンも原料であるビフェニルテトラカルボン酸ジメチルエステルとパラフェニレンジアミンもしくはオキシジアニリンとをジシクロヘキシルカルボジイミドにより合成し、NMRにより生成の確認を行った。
【0057】
実施例1
BAA−BPADE/PPD18.85g(35.0mmol)を、N−メチルピロリドン58.3gに溶解し8℃に保った。これにビフェニルテトラカルボン酸ジメチルエステル12.54g(35.0mmol)を徐々に加え、さらに1時間撹拌を続けたところ、均一な緑黄色透明な溶液が得られた(固形分濃度35重量%)。この溶液の粘度を測定したところ、10.2ポイズであった。さらにこの溶液をフィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に30μmの厚さで流延し、窒素雰囲気下80℃で5時間乾燥した後、窒素雰囲気下300℃で5時間加熱イミド化を行った。得られたポリイミド塗膜をガラス板上から剥離して、ポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの厚さは、10μmであり、引っ張り強度は29.8kg/mm2 であった。
【0058】
実施例2
BAA−BPADE/ODA25.29g(35.0mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド70.3gに溶解し、8℃に保った。これにビフェニルテトラカルボン酸ジメチルエステル12.54g(35.0mmol)を徐々に加え、さらに1時間撹拌を続けたところ、均一な黄色透明な溶液が得られた(固形分濃度40重量%)。この溶液の粘度を測定したところ、6.6ポイズであった。さらにこの溶液をフィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に50μmの厚さで流延し、窒素雰囲気下80℃で5時間乾燥した後、窒素雰囲気下300℃で5時間加熱イミド化を行った。得られたポリイミド塗膜をガラス板上から剥離して、ポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの厚さは、19μmであり、引っ張り強度は14.5kg/mm2 であった。
【0059】
【発明の効果】
本発明のポリイミド前駆体溶液は、高濃度かつ低粘度のポリイミド前駆体溶液であり、このようなポリイミド前駆体溶液が本発明の製造方法によれば容易に製造することができる。またこのポリイミド前駆体溶液からは良好な物性を有するポリイミド塗膜(ポリイミドフィルム又はポリイミド被覆物)を容易に得ることができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)に示すジアミンと下記一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステルからなる塩が溶質として溶媒中に溶解していることを特徴とするポリイミド前駆体溶液。
    Figure 0004084465
    一般式(1)、(2)において、R及びR ''' は次のものであり、
    Figure 0004084465
    ' は次のものから選ばれ、
    Figure 0004084465
    R''は炭素数1から5までのアルキル基であり、R''''は水素もしくは、炭素数1から5までのアルキル基である。〕
  2. 一般式(1)、(2)において、R、R' 、R''、R''' 、R''''がそれぞれ次のものであることを特徴とする請求項1記載のポリイミド前駆体溶液。
    Figure 0004084465
  3. 溶質濃度が30重量%以上であり、かつ粘度が100ポイズ以下であることを特徴とする請求項1記載のポリイミド前駆体溶液。
  4. 溶媒中に、下記一般式(1)に示すジアミン1モルを溶解した後、下記一般式(2)に示すテトラカルボン酸及び/又はそのエステル0.95〜1.05モル加えることを特徴とする請求項1記載のポリイミド前駆体溶液の製造方法。
    Figure 0004084465
    一般式(1)、(2)において、R及びR ''' は次のものであり、
    Figure 0004084465
    ' は次のものから選ばれ、
    Figure 0004084465
    R''は炭素数1から5までのアルキル基であり、R''''は水素もしくは、炭素数1から5までのアルキル基である。〕
  5. 請求項1記載のポリイミド前駆体溶液から得られるポリイミド塗膜。
  6. 請求項1記載のポリイミド前駆体溶液を基材上に塗工し、加熱してイミド化することを特徴とするポリイミド塗膜の製造方法。
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