JP2002348470A - 耐熱性樹脂組成物及び塗料 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物及び塗料

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JP2002348470A
JP2002348470A JP2001157232A JP2001157232A JP2002348470A JP 2002348470 A JP2002348470 A JP 2002348470A JP 2001157232 A JP2001157232 A JP 2001157232A JP 2001157232 A JP2001157232 A JP 2001157232A JP 2002348470 A JP2002348470 A JP 2002348470A
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resin
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JP2001157232A
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English (en)
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Takehiko Saotome
毅彦 五月女
Seiichi Yotsuya
聖一 四家
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤含有量を低減させ環境汚染や作業環
境の悪化がなく、安全衛生面に対して有利であり、か
つ、塗料及び塗膜特性が良好であり、更に、煮沸後の塗
膜特性が良好な耐熱性樹脂組成物及びこれを塗膜成分と
してなる塗料を提供する。 【解決手段】 水溶性ポリアミドイミド樹脂及びメラミ
ン樹脂を含有してなる耐熱性樹脂組成物及びこれを塗膜
成分としてなる塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性樹脂組成物
及び塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドイミド樹脂が優れた耐熱性、
耐薬品性、機械的特性を有することは良く知られてお
り、耐熱電線用塗料、金属表面保護塗料等として広く実
用に供されている。ポリアミドイミド樹脂の一般的な製
造法についても公知(例えば特公昭44−19274号
公報)であるが、従来、この樹脂は一般の溶剤類には不
溶性のためN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の高価な極性型の有機溶剤類に溶解し、有機溶剤型
樹脂溶液として実用に供していた。
【0003】しかし、これらの有機溶剤類の使用によ
り、環境汚染、安全衛生、経済性および塗装作業性等に
おいて大きな問題が生じている。
【0004】近年、環境保全に対する関心が高まり、有
機溶剤に代わり媒体に水を使用する水性樹脂溶液が注目
されている。媒体に無害で安価な水を使用することは、
環境汚染や安全衛生面だけでなく、経済性にも非常に有
効である。
【0005】これらを受けて、水溶性ポリアミドイミド
樹脂の開発を検討し、安定的な製造方法を確立するに至
った(特願2000−352952)。しかしながら、
得られた組成物から作製した塗膜は煮沸により剥離し、
煮沸後の外観および密着性に劣ることが分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
溶剤含有量を低減させ環境汚染や作業環境の悪化がな
く、安全衛生面に対して有利であり、かつ、塗料及び塗
膜特性が良好であり、更に、煮沸後の塗膜特性が良好な
耐熱性樹脂組成物及びこれを塗膜成分としてなる塗料を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のものに関
する。 (1) 水溶性ポリアミドイミド樹脂及びメラミン樹脂
を含有してなる耐熱性樹脂組成物。 (2) 水溶性ポリアミドイミド樹脂が(A)塩基性極
性溶媒中で、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合
物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを
反応させて得られるポリアミドイミド樹脂と(B)塩基
性化合物と(C)水とを配合してなり、(B)成分の塩
基性化合物が(A)成分のポリアミドイミド樹脂中に含
まれるカルボキシル基及びポリアミドイミド樹脂中の酸
無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価に
対して、1〜20当量配合されている(1)記載の耐熱
性樹脂組成物。 (3) (C)成分の水が(A)成分、(B)成分及び
(C)成分の合計量に対して、5〜99重量%配合され
ている(1)又は(2)記載の耐熱性樹脂組成物。 (4) ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が5,0
00〜50,000で、かつ、カルボキシル基及び酸無
水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価がポ
リアミドイミド樹脂1gあたり10〜100mgである
(1)〜(3)のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成物。 (5) (B)成分の塩基性化合物がアルキルアミン又
はアルカノールアミンである(1)〜(3)のいずれか
に記載の耐熱性樹脂組成物。 (6) ポリアミドイミド樹脂100重量部に対してメ
ラミン樹脂0.5〜5.0重量部を含有する(1)記載
の耐熱性樹脂組成物。 (7) メラミン樹脂がメチル化メラミンである(1)
又は(6)記載の耐熱性樹脂組成物。 (8) (1)〜(7)のいずれかに記載の耐熱性樹脂
組成物を塗膜成分としてなる塗料。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリアミドイ
ミド樹脂は、一般式(I)で示される繰り返し構造単位
を有するものが好ましい。
【0009】
【化1】 [式中、R1は3価の有機基を表し、R2は2価の有機基
を表し、nは整数を表す。] R1としては、芳香環を有する炭素数6〜20の3価の
有機基が好ましく、R2としては、芳香環を有する炭素
数6〜20の2価の有機基が好ましい。nは繰り返し構
造単位(I)の数であり、R1及びR2の構造によって異
なるが、一般的に10〜200とするのが好ましい。こ
のようなポリアミドイミド樹脂は、塩基性極性溶媒中で
ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と三塩基酸
無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得
ることができる。塩基性極性溶媒としては、N−メチル
−2−ピロリドン等の高沸点溶媒を用いるのが好まし
い。また、使用量に得に制限はないが、ジイソシアネー
ト化合物又はジアミン化合物と三塩基酸無水物の総量1
00重量部に対して100〜500重量部とするのが好
ましい。反応温度は、通常、80〜180℃である。
【0010】ジイソシアネート化合物又はジアミン化合
物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドは、
それぞれ芳香族化合物を使用することが好ましい。上記
製造法に用いられる代表的な化合物を次に列挙する。ま
ず、ジイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、3,3’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、パラフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジ
アミン、フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0011】また、三塩基酸無水物としては、トリメリ
ット酸無水物等が挙げられ、三塩基酸無水物クロライド
としては、トリメリット酸無水物クロライド等が挙げら
れる。ポリアミドイミド樹脂を合成する際に、ジカルボ
ン酸、テトラカルボン酸二無水物等をポリアミドイミド
樹脂の特性を損なわない範囲で同時に反応させることが
できる。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、アジピン酸等が挙げられ、テトラカルボン酸二
無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物等が挙げられる。
【0012】前記ジイソシアネート化合物又はジアミン
化合物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライド
と必要に応じて使用するジカルボン酸及びテトラカルボ
ン酸二無水物の使用量は、生成されるポリアミドイミド
樹脂の分子量、架橋度の観点から酸成分の総量1.0モ
ルに対してジイソシアネート化合物又はジアミン化合物
を0.8〜1.1モルとすることが好ましく、0.95
〜1.08モルとすることがより好ましく、特に、1.
0〜1.08モル使用されることが好ましい。また、酸
成分中、ジカルボン酸及びテトラカルボン酸二無水物
は、これらの総量が0〜50モル%の範囲で使用される
のが好ましい。
【0013】なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子
量は、樹脂合成時にサンプリングしてゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレ
ンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になる
まで合成を継続することにより上記範囲に管理される。
【0014】本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂
は、数平均分子量が5,000〜50,000のものが
好ましい。数平均分子量が5,000未満では、塗膜と
したときの、塗膜の耐熱性や機械的特性等の諸特性が低
下する傾向があり、50,000を越えると、塗料とし
て適正な濃度で溶媒に溶解したときに粘度が高くなり、
塗装時の作業性に劣る傾向がある。このことから、数平
均分子量は10,000〜30,000とすることが好
ましく、15,000〜25,000とすることが特に
好ましい。
【0015】また、カルボキシル基及び酸無水物基を開
環させたカルボキシル基を合わせた酸価が1gあたり1
0〜100mgであることが好ましく、10mg未満で
あると塩基性化合物と反応するカルボキシル基が不足す
るため、水溶化が困難となり、100mgを越えると最
終的に得られる耐熱性樹脂組成物が経日にてゲル化しや
すくなる。このことから、カルボキシル基及び酸無水物
基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価が、ポリ
アミドイミド樹脂の1gあたり20〜80mgとするこ
とがより好ましく、30〜60mgとすることが特に好
ましい。
【0016】なお、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシ
ル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わ
せた酸価は、以下の方法で得ることができる。ます、ポ
リアミドイミド樹脂を約0.5gとり、これに1,4−
ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンを約0.15g
加え、更にN−メチル−2−ピロリドンを約60g及び
イオン交換水を約1ml加え、ポリアミドイミド樹脂が
完全に溶解するまで攪拌する。これを0.05モル/l
エタノール性水酸化カリウム溶液を使用して電位差滴定
装置で滴定し、ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基
及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた
酸価を得る。
【0017】本発明において、塩基性化合物としてはト
リエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジア
ミン、N−メチルモルフォリン等のアルキルアミン、メ
チルアニリン、ジメチルアニリン等のアルキルアニリ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパ
ノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−
ジメチルエタノールアミン、シクロヘキサノールアミ
ン、N−メチルシクロヘキサノールアミン、N−ベンジ
ルエタノールアミン等のアルカノールアミン類が適して
いるが、これら以外の塩基性化合物、例えば水酸化ナト
リウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリ又はアンモニ
ア水等を使用してもよく特に制限はない。好ましくは、
トリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、トリエチ
レンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンが使
用される。
【0018】塩基性化合物は、上記の有機溶媒中で反応
させて得られるポリアミドイミド樹脂中に含まれるカル
ボキシル基及び開環させた酸無水物基を合わせた酸価に
対して、1〜20当量用いられる。1当量未満では樹脂
の水溶化が困難となり、20当量を越えると樹脂の加水
分解が促進され、長期の保存により粘度又は特性低下を
きたすことがある。このことから、カルボキシル基及び
酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価
に対して、2〜10当量とすることが好ましく、3〜8
当量とすることが特に好ましい。
【0019】塩基性化合物はポリアミドイミド樹脂の末
端にあるカルボキシル基と塩を形成して親水性基とな
る。塩形成に際しては水の共存下に行ってもよいし、塩
基性化合物を添加した後、水を加えてもよい。塩を形成
させる温度は0℃〜200℃、好ましくは40℃〜13
0℃の範囲で行われる。
【0020】塩基性化合物の種類と量及び水の添加方法
によって、得られる水性樹脂組成物の形態はエマルジョ
ン状、半透明溶液、透明溶液等となるが、貯蔵安定性、
塗装作業性の点から、半透明あるいは透明溶液にするこ
とが好ましい。水としてはイオン交換水が好ましく用い
られ、(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量に
対して好ましくは5〜99重量%、より好ましくは20
〜60重量%配合される。この配合量が5重量%未満で
は含有する水が少ないことから一般に水溶性ポリマーと
して称されず、99重量%を超えると塗料として機能し
なくなる傾向がある。
【0021】メラミン樹脂としては特に制限はなく、メ
チル化メラミン、ブチル化メラミン、イソブチル化メラ
ミンなどが挙げられる。中でも水溶性を有するメチル化
メラミンが最も好ましい。
【0022】メラミン樹脂は、水溶性ポリアミドイミド
樹脂100重量部に対して0.5〜5.0重量部で含有
される。含有量が0.5重量部未満では煮沸により塗膜
は剥離し、5.0重量部を越えると煮沸後の密着性はメ
チル化メラミン樹脂を添加していないものと比較して変
化が見られなくなる。このことから、メラミン樹脂含有
量はポリアミドイミド樹脂100重量部に対して0.8
〜4.0重量部とすることが好ましく、1.0〜3.0
重量部とすることが特に好ましい。
【0023】このようにして得られた耐熱性樹脂組成物
は使用する際に必要に応じて適当な濃度に希釈される。
希釈溶媒としては、水、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、N−メチル
−2−ピロリドン等の極性溶媒の他に、助溶媒として、
ポリオール類、これらの低級アルキルエーテル化物、ア
セチル化物等を用いてもよい。例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、イソプロピルアルコール、又はそれら
のモノメチルエーテル化物、モノエチルエーテル、モノ
イソプロピルエーテル化物、モノブチルエーテル化物、
ジメチルエーテル化物及びこれらのモノアセチル化物等
が使用される。
【0024】本発明の製造法によって得られる耐熱性樹
脂組成物は耐熱性、電気絶縁性、耐摩耗性、耐薬品性及
び耐煮沸性等の諸特性に優れ、コイル含浸ワニス、ワイ
ヤエナメル、ワニスクロス類等の電気絶縁用ワニスや、
顔料又は充填剤等と混合して耐熱性電気絶縁用塗料、又
は表面仕上げ剤等の用途に用いることができる。特に、
塗料の塗膜成分として好ましい。
【0025】次に本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、発
明の主旨に基づいたこれら以外の多くの実施態様を含む
ことは言うまでもない。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】実施例1 無水トリメリット酸1106.2g、4,4−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート1455.8g、N−メチル
−2−ピロリドン2562.0gを温度計、攪拌機、冷
却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で
攪拌しながら約2時間かけて徐々に昇温して130℃ま
で上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注
意しながら130℃を保持し、このまま約6時間加熱を
続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を
得た。
【0028】このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分
(200℃−2h)は約50重量%で、粘度(30℃)
は約85.0Pa・sであった。また、ポリアミドイミ
ド樹脂の数平均分子量は約17,000で、カルボキシ
ル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わ
せた酸価は樹脂1gあたり約40mgであった。
【0029】このポリアミドイミド樹脂溶液2,700
gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、
乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して5
0℃まで上げた。50℃に達したところでトリエチルア
ミンを447.1g(4当量)添加し、50℃に保ちな
がら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交換
水を加えた。最終的にイオン交換水が1348.8g
(30重量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性
樹脂組成物を得た。
【0030】上記方法で作製された耐熱性樹脂組成物に
おいて、メラミン樹脂含有量がポリアミドイミド樹脂1
00重量部に対して5重量部となるようにメチル化メラ
ミン樹脂を添加した。
【0031】実施例2 無水トリメリット酸382.9g、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート503.9g、N−メチル−
2−ピロリドン886.8gを温度計、攪拌機、冷却管
を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌
しながら約1時間かけて徐々に昇温して80℃まで上げ
た。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しな
がら80℃を保ち、加熱開始から約7時間加熱を続けた
後反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃−
2h)は約50重量%で、粘度(30℃)は約80.0
Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平
均分子量は約15,000で、カルボキシル基及び酸無
水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は樹
脂1gあたり約50mgであった。このポリアミドイミ
ド樹脂溶液200gを温度計、攪拌機、冷却管を備えた
フラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら
徐々に昇温して90℃まで上げた。90℃に達したとこ
ろでN−メチルモルホリンを70.8g(8当量)添加
し、90℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌しなが
ら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水
が180.5g(40重量%)となるまで加えて、透明
で均一な耐熱性樹脂組成物を得た。上記方法で作製され
た耐熱性樹脂組成物において、メラミン樹脂含有量がポ
リアミドイミド樹脂100重量部に対して3重量部とな
るようにメチル化メラミン樹脂を添加した。
【0032】実施例3 無水トリメリット酸233.8g、無水ベンゾフェノン
テトラカルボン酸98.0g、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート384.6g、N−メチル−2−
ピロリドン1671.6gを温度計、攪拌機、冷却管を
備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌し
ながら約1時間かけて徐々に昇温して120℃まで上げ
た。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しな
がら徐々に昇温して150℃まで上げ、加熱開始から5
時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリアミドイミド
樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮
発分(200℃−2h)は約30重量%で、粘度(30
℃)は約2.1Pa・sであった。また、ポリアミドイ
ミド樹脂の数平均分子量は約23,000で、カルボキ
シル基及び酸無水物基を合わせた酸価は樹脂1gあたり
約30mgであった。このポリアミドイミド樹脂溶液2
00gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入
れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温し
て110℃まで上げた。110℃に達したところでN,
N−ジメチルエタノールアミンを17.6g(6当量)
添加し、110℃に保ちながら十分に攪拌した後、攪拌
しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン
交換水が217.6g(50重量%)となるまで加え
て、透明で均一な耐熱性樹脂組成物を得た。上記方法で
作製された耐熱性樹脂組成物において、メラミン樹脂含
有量がポリアミドイミド樹脂100重量部に対して1重
量部となるようにメチル化メラミン樹脂を添加した。
【0033】比較例1 無水トリメリット酸876.9g、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート1153.8g、N−メチル
−2−ピロリドン4,738.3gを温度計、攪拌機、
冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中
で攪拌しながら約1時間かけて徐々に昇温して110℃
まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に
注意しながら徐々に昇温して120℃まで上げた。加熱
開始から約8時間加熱を続けた後反応を停止させ、ポリ
アミドイミド樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹
脂溶液の不揮発分(200℃−2h)は約30重量%
で、粘度(30℃)は約1.8Pa・sであった。ま
た、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約21,0
00で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカ
ルボキシル基を合わせた酸価は樹脂1gあたり約35m
gであった。このポリアミドイミド樹脂溶液2000g
を温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾
燥させた窒素気流中で攪拌しながら徐々に昇温して90
℃まで上げた。90℃に達したところでN−メチルモル
ホリンを365.7g(7当量)添加し、90℃に保ち
ながら十分に攪拌した後、攪拌しながら徐々にイオン交
換水を加えた。最終的にイオン交換水が1577.1g
(40重量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性
樹脂組成物を得た。
【0034】試験例 実施例1、2及び3、及び比較例1に記載の耐熱性樹脂
組成物の樹脂特性(外観及び粘度)、塗膜特性(強度、
弾性率、伸び率、耐熱性)及び煮沸後の塗膜特性(外観
及び密着性)を調査し比較した。塗膜特性の強度、弾性
率及び伸び率は以下の方法で試験を行った。実施例1、
2及び3、及び比較例1に記載の耐熱性樹脂組成物溶液
をガラス板上に塗布し、100℃で10分間加熱し、更
に400℃で15分間加熱して硬化させ、ガラス板から
剥離させて塗膜を得た(塗膜厚約15μm)。この塗膜
を室温にて試験速度が5mm/minで塗膜の機械的特
性を評価し、塗膜の強度、弾性率及び伸び率を比較し
た。
【0035】塗膜特性の耐熱性は、以下の方法で試験を
行った。実施例1、2及び3、及び比較例1に記載の耐
熱性樹脂組成物溶液をガラス板上に塗布し、100℃で
10分間加熱し、更に400℃で15分間加熱して硬化
させ、ガラス板から剥離させて塗膜を得た。この塗膜で
熱重量分析(サンプル量10mg、昇温速度10℃/
分、窒素30ml/分)を行い、それぞれの塗膜の耐熱
性を比較した。
【0036】煮沸後の塗膜特性の塗膜外観は、以下の方
法で試験を行った。実施例1、2及び3、及び比較例1
に記載の耐熱性樹脂組成物溶液を未研磨のアルミ基板に
塗布し、100℃で10分間加熱し、更に240℃で3
0分間加熱して硬化させ塗膜板を得た(塗膜厚約15μ
m)。この塗膜板を激しく沸騰させた水道水中で30分
間煮沸し、煮沸後の塗膜の外観を目視にて評価し比較し
た。
【0037】煮沸後の塗膜特性の密着性は、以下の方法
で試験を行った。実施例1、2及び3、及び比較例1に
記載の耐熱性樹脂組成物を未研磨のアルミ基板に塗布
し、100℃で10分間加熱し、更に240℃で30分
間加熱して硬化させ塗膜板を得た。この塗膜板を激しく
沸騰させた水道水中で30分間煮沸し、煮沸後の塗膜の
密着性をJIS K5400(%、クロスカット残率)
に準じて評価し比較した。煮沸後の密着性は、評価を二
枚の基板にて二回づつ行い、計四つの測定値の範囲とし
た。この試験結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から、本発明の耐熱性樹脂組成物(実
施例1、2及び3)は、比較例1と比較して、塗料及び
塗膜特性がほぼ同等に良好であり、かつ、煮沸後の塗膜
特性が良好であることが分かる。
【0040】
【発明の効果】本発明の水溶性ポリアミドイミド樹脂系
耐熱性樹脂組成物は、イオン交換水含有により有機溶剤
量を低減させたため環境汚染や作業環境の悪化等の安全
衛生面に対して有利であり、かつ、塗料及び塗膜特性が
良好であり、更に、煮沸後の塗膜特性が良好であること
から、各種基材への絶縁皮膜をはじめ保護コート等の各
種耐熱塗料用途にも好適に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 79/08 C08L 61:28 61:28) Fターム(参考) 4J002 CC182 CM041 DE027 EN006 EN026 EN036 EN066 EN106 EU236 FD206 FD207 GH01 4J038 DA162 DJ051 KA03 KA06 MA08 MA10 MA13 MA14 NA04 NA11 NA14 NA21 PB09 4J043 PA02 QB15 QB23 QB26 QB58 RA05 RA34 SA06 SA11 SB01 SB02 TA11 TA21 TA25 TB01 UA121 UA122 UA131 UB012 UB121 UB301 XA13 ZA06 ZA11 ZA12 ZA31 ZB03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ポリアミドイミド樹脂及びメラミ
    ン樹脂を含有してなる耐熱性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性ポリアミドイミド樹脂が(A)塩
    基性極性溶媒中で、ジイソシアネート化合物又はジアミ
    ン化合物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライ
    ドとを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂と
    (B)塩基性化合物と(C)水とを配合してなり、
    (B)成分の塩基性化合物が(A)成分のポリアミドイ
    ミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及びポリアミドイ
    ミド樹脂中の酸無水物基を開環させたカルボキシル基を
    合わせた酸価に対して、1〜20当量配合されている請
    求項1記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分の水が(A)成分、(B)成
    分及び(C)成分の合計量に対して、5〜99重量%配
    合されている請求項1又は2記載の耐熱性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が
    5,000〜50,000で、かつ、カルボキシル基及
    び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸
    価がポリアミドイミド樹脂1gあたり10〜100mg
    である請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の塩基性化合物がアルキルア
    ミン又はアルカノールアミンである請求項1〜3のいず
    れかに記載の耐熱性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリアミドイミド樹脂100重量部に対
    してメラミン樹脂0.5〜5.0重量部を含有する請求
    項1記載の耐熱性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 メラミン樹脂がメチル化メラミンである
    請求項1又は6記載の耐熱性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の耐熱性
    樹脂組成物を塗膜成分としてなる塗料。
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