JP7226507B2 - ポリアミドイミド樹脂組成物、フッ素塗料、及び導電性組成物 - Google Patents
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Description
各種用途において、ポリアミドイミド樹脂の溶解及び希釈に用いる溶媒として、また合成時に用いる溶媒として、一般に、N-メチル-2-ピロリドン等の極性溶媒が知られている。なかでも、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)は、ポリアミドイミド樹脂に対して優れた溶解性を付与できることから、好適な溶媒として汎用されている。
しかし、NMP以外の有機溶媒中で合成して得られたポリアミドイミドの水系樹脂組成物は、貯蔵安定性に乏しいという問題がある。そのため、貯蔵中、ポリアミドイミド樹脂組成物が濁ったり、上記樹脂組成物の特性が低下して、所望とする金属基材への密着性や機械強度等の特性を得ることが困難となりやすい。
他の実施形態は、上記実施形態のポリアミドイミド樹脂組成物と、フッ素樹脂とを含むフッ素塗料に関する。
更に他の実施形態は、上記実施形態のフッ素塗料により形成された塗膜を、少なくとも一部の表面に有する基材又は物品に関する。
更に他の実施形態は、上記実施形態のポリアミドイミド樹脂組成物と、導電性材料とを含む導電性組成物に関する。
1.ポリアミドイミド樹脂組成物
ポリアミドイミド樹脂組成物は、水系であり、ポリアミドイミド樹脂と、N-エチル-2-ピロリドンと、水と、塩基性化合物とを少なくとも含む。上記樹脂組成物は、耐熱性樹脂組成物でもある。なお、本明細書において、水系のポリアミドイミド樹脂組成物を「ポリアミドイミド樹脂組成物」、又は「樹脂組成物」と称すことがある。また、「樹脂組成物」、「ワニス」、及び「塗料」は、等価の意味で用いられることがある。
ポリアミドイミド樹脂組成物は、60℃で7日間の保管前後での粘度変化率が-30%以内であることが好ましい。上記粘度変化率が-30%以内である場合、保管後の特性低下が抑制され、例えば、優れた密着性を得ることが容易である。粘度変化率は、-25%以内であることがより好ましい。粘度変化率が上記範囲内であれば樹脂組成物の濁りなど、外観の変化も起こり難い。
上記粘度変化率(%)は、より具体的には、下記(式1)から算出される値を表す。
(式1)
粘度変化率(%)=(V2-V1)/V1×100
式1において、「V1」は、保管前に測定した樹脂組成物の粘度を表す。「V2」は、上記樹脂組成物を密閉容器内に入れ、この容器を60℃に設定した乾燥器内で7日間にわたって保管した後に測定した粘度を表す。
粘度の測定は、JIS C 2103に準拠し、B型回転粘度計を用い、25℃、ローター3号、回転数12rpmの条件下で実施される。
成分(A)のポリアミドイミド樹脂は、ジイソシアネート化合物と、酸成分としての三塩基酸無水物又は三塩基酸ハライドとを反応させて得られる樹脂である。ここで、各原料化合物は、各々、任意に複数種を組み合わせて使用してもよい。
ジカルボン酸としては、特に限定されないが、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、及びセバシン酸等が挙げられる。テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは、単独で用いられるほか、複数種を任意の組み合わせで使用してもよい。
三塩基酸以外のカルボン酸(ジカルボン酸とテトラカルボン酸)の総量は、ポリアミドイミド樹脂の特性を保つ観点から、全カルボン酸中に0~50モル%の範囲で使用されるのが好ましく、0~30モル%の範囲であることがより好ましい。
ポリアミドイミド樹脂組成物は、有機溶媒として成分(B)のN-エチル-2-ピロリドンを含む。
ポリアミドイミド樹脂組成物は、本発明による効果を低下させない範囲で、N-エチル-2-ピロリドン以外の有機溶媒を含んでいてもよい。
ポリアミドイミド樹脂組成物は、さらに成分(C)の水を含む。水としては、イオン交換水が好ましく用いられる。
水の含有量は、ポリアミドイミド樹脂の水への溶解性を向上させる観点から、組成物中に10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましく、一方、水は組成物中に80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。また、N-エチル-2-ピロリドンを含む有機溶媒と水の合計量、すなわち組成物中の全溶媒中に、水が10質量%以上(対溶媒比10質量%以上)であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましく、一方、水の対溶媒比は、90質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
一実施形態において、ポリアミドイミド樹脂組成物は上記成分(A)、(B)及び(C)から構成することもできる。しかし、ポリアミドイミド樹脂の水への溶解性を高めるために、さらに塩基性化合物を含むことが好ましい。したがって、好ましい実施形態において、ポリアミド樹脂組成物は、成分(D)として塩基性化合物を含む。塩基性化合物は、ポリアミドイミド樹脂に含まれるカルボキシル基と反応して塩を形成することで、樹脂の水への溶解性を高めることができる。
塩基性化合物としては、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N″,N″-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’,N’-トリメチルアミノエチルピペラジン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、シクロヘキサノールアミン、N-メチルシクロヘキサノールアミン、N-ベンジルエタノールアミン等のアルカノールアミン類;
が適している。
上記の塩基性化合物以外に、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の苛性アルカリ、又はアンモニア水等を併用してもよい。
一実施形態において、塩基性化合物として、アルカノールアミン類を使用することが好ましく、なかでもN,N-ジメチルエタノールアミンを使用することがより好ましい。
一実施形態において、塩基性化合物の配合量は、ポリアミドイミド樹脂中に含まれるカルボキシル基及び開環させた酸無水物基を合わせた酸価に対して、4.5~6.5当量、より好ましくは5~6当量となる割合で使用することが望ましい。
一実施形態のポリアミドイミド樹脂組成物は、上記成分(A)~(D)に加え、その使用目的に応じて任意の成分を含むことができる。この組成物は、上記ポリアミドイミド樹脂以外のポリアミドイミド樹脂を、一部に含むこともできる。
ポリアミドイミド樹脂の製造方法は、ジイソシアネート化合物と、三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸ハライドとを、有機溶媒中で反応させる重合工程を含む。好ましい実施形態において、有機溶媒は、N-エチル-2-ピロリドンを含む。使用する原料化合物については、上記ポリアミドイミド樹脂組成物の項において説明したとおりである。
ブロック化ポリアミドイミド樹脂を製造する場合、上記重合工程に加えて、ポリアミドイミド樹脂末端イソシアネート基をアルコール等のブロック剤でブロックする工程をさらに含む。後述するが、重合工程とブロック化工程は、別工程で行ってもよいが、両工程を同時に、つまり重合とブロック化を同時に行ってもよい。
反応温度は、特に限定されず、一般に80~180℃の温度であることが好ましい。
重合反応は、空気中の水分の影響を低減するため、窒素等の雰囲気下で行うことが好ましい。
(1)酸成分、及びジイソシアネート成分(及びジアミン成分)を一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
(2)酸成分と、ジイソシアネート成分(及びジアミン成分)の過剰量とを反応させて、末端にイソシアネート基又はアミノ基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、酸成分を追加して末端のイソシアネート基(及びアミノ基)と反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
(3)酸成分の過剰量と、ジイソシアネート成分(及びジアミン成分)を反応させて、末端に酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、ジイソシアネート成分及び/又はジアミン成分を追加して末端の酸又は酸無水物基と反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法。
ブロック化における末端ブロック剤の配合量は、樹脂製造時に使用する全ジイソシアネート配合量を100質量部としたときに、1.0~10.0質量部であることが好ましく、得られる樹脂組成物の貯蔵安定性の観点から2.5~5.0質量部であることがより好ましい。
上述した(A)ポリアミドイミド樹脂、(B)N-エチル-2-ピロリドン、(C)水、及び(D)塩基性化合物を含む、好ましい実施形態のポリアミドイミド樹脂組成物は、上記ポリアミドイミド樹脂の製造方法により得られたポリアミドイミド樹脂を含む反応溶液に水を添加することにより、好ましく製造することができる。
すなわち、一実施形態において、ポリアミドイミド樹脂組成物の製造方法は、
ジイソシアネート化合物と、三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸ハライドとを、N-エチル-2-ピロリドンを含む有機溶媒中で反応させる重合工程、及び
得られた樹脂溶液に塩基性化合物を添加した後に、水を添加する工程、を含む。
他の実施形態において、上記製造方法は、
ジイソシアネート化合物と、三塩基酸無水物及び/又は三塩基酸ハライドとを、含む有機溶媒中で反応させる重合工程、及び
得られた樹脂溶液に塩基性化合物を添加した後に、水及び希釈用有機溶媒を添加する工程、を含む。この実施形態において、重合工程時に使用する有機溶媒、及び/又は希釈用有機溶媒は、少なくともN-エチル-2-ピロリドンを含む。
ポリアミドイミド樹脂としてブロック化ポリアミドイミド樹脂を使用する場合、重合工程と同時にブロック工程を実施しても、又はブロック工程を別途追加してもよい。
ポリアミドイミド樹脂組成物は、水により任意の濃度への希釈が可能であり、高温焼成後も基材への密着性に優れた塗膜を形成できるので、各種用途に向けた塗料として用いることが好ましい。すなわち、塗料は、ポリアミドイミド樹脂組成物を含み、必要に応じて、顔料、充填材、消泡剤、防腐剤、界面活性剤等の任意成分を添加したものであってよい。また、ポリアミドイミド樹脂以外の樹脂をさらに含んでいてもよい。
ポリアミドイミド樹脂組成物を塗料用とする際に、塗膜形成方法等に応じた適切な粘度とするために、水又は有機溶媒により任意に希釈することが好ましい。
(フッ素塗料)
フッ素塗料は、ポリアミドイミド樹脂組成物、又は、上記ポリアミドイミド樹脂の製造方法により得られたポリアミドイミド樹脂と、フッ素樹脂とを含む。フッ素塗料は、塗膜の密着性、耐熱性及び硬度に優れるため、家電又は厨房器具用の塗料として好適である。
フッ素塗料に混合されるフッ素樹脂には、非粘着性、耐食性、耐熱性及び耐薬品性等の特性が求められる。好ましいフッ素樹脂として、代表的に、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロビニルエーテル共重合体、又は四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体が挙げられる。これらを単独で、又は複数種を組み合わせて使用してもよい。
フッ素樹脂の形状は、水分散液又は粉体のどちらでも使用可能であり、特に形状に制約はない。フッ素樹脂の混合量には特に制限はないが、高密着性及び非粘着性等のバランスの良い塗膜を得るためには、ポリアミドイミド樹脂100質量部に対して50~800質量部とすることが好ましく、100~500質量部とすることがより好ましい。
上記フッ素塗料、又はその他の塗料には、必要に応じて、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミド樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物等を、単独で又は混合して用いることができる。
なお、エポキシ化合物は単独で添加してポリアミドイミド樹脂と反応させてもよいが、硬化後にエポキシ化合物の未反応物が残留しにくいように、硬化剤又は硬化促進剤等と共に添加してもよい。
導電性材料は、例えば、導電性を有する無機材料、又はカーボン材料であってよい。特に限定するものではないが、電極形成用に使用する場合、導電性塗料は、ポリアミドイミド樹脂組成物と、正極活物質又は負極活物質とを含み、導電助剤をさらに含むことが好ましい。活物質、及び導電助剤は、各種電池の形態に応じて適切に選択することが好ましく、例えば、リチウム電池の負極を形成する場合、カーボン材料やシリコン材料を使用することができる。リチウム電池の電極では、耐溶剤性も要求されるため、導電性塗料は、上記フッ素塗料で説明したフッ素樹脂をさらに含んでもよい。また、必要に応じて、さらに分散剤等のその他の成分を含んでもよい。
本実施形態の基材又は物品は、上記塗料により形成された塗膜を、その基材又は物品の少なくとも一部の表面に有するものである。したがって、例えば、基材又は物品は、上記フッ素塗料又は導電性塗料から形成された塗膜を有する。
一実施形態において、塗膜は、塗膜に安全性及び耐煮沸性等が求められる様々な基材又は物品の表面に形成することができ、この実施形態に対して、フッ素塗料を好適に使用することができる。塗膜が形成される表面は、水蒸気に曝される表面及び/又は高温に曝される表面であることが好ましい。
基材は、これらの調理家電又は厨房器具に用いられるものであることが好ましい。
なかでも、フッ素塗料の実施形態では、被塗物に塗布し硬化させることにより、従来に比べ、高温焼成後にも、基材への密着性及び耐スチーム性に優れる塗膜を形成することができる。従って、家電又は厨房器具のように、表面の塗膜に安全性、耐煮沸性又は耐スチーム性、及び耐熱性が要求される様々な用途向けに、多大な有益性を有している。
<数平均分子量>
GPC機種:東ソー株式会社製のHLC-8320GPC
検出器:東ソー株式会社製のRI
波長:270nm
データ処理機:ATT 8
カラム:Gelpack GL-S300MDT-5×2
カラムサイズ:8mmφ×300mm
カラム温度 :40℃
溶媒:DMF/THF=1/1(リットル)+リン酸0.06M+臭化リチウム0.06M 試料濃度:5mg/1mL
注入量:5μL
圧力:49kgf/cm2(4.8×106Pa)
流量:1.0mL/min<酸価>
ポリアミドイミド樹脂組成物を0.5g採取し、これに1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンを0.15g加え、さらにN-メチル-2-ピロリドン約60gとイオン交換水約1mLを加え、ポリアミドイミド樹脂が完全に溶解するまで攪拌した。これを、0.05モル/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液を使用して電位差滴定装置で滴定し、ポリアミドイミド樹脂中の、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価を得た。
無水トリメリット酸304.1g、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート396.2g、及びN-エチル-2-ピロリドン700.3gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら1時間かけて徐々に昇温して90℃まで上げた。このまま2時間加熱を続けた後、反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら徐々に昇温して120℃まで上げ、加熱開始から5時間加熱を続けた後、反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃/2時間)は、48質量%であった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は15,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は45mgKOH/gであった。
無水トリメリット酸467.0g、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート608.4g、及びN-エチル-2-ピロリドン1165.0gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら1時間かけて徐々に昇温して100℃まで上げた。このまま2時間加熱を続けた後、反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら徐々に昇温して140℃まで上げ、加熱開始から4時間加熱を続けた後、反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
無水トリメリット酸162.3g、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート152.3g、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート62.5g、及びN-エチル-2-ピロリドン460.9gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら2時間かけて徐々に昇温して100℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら100℃を保持し、このまま7時間加熱を続けた後、反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
無水トリメリット酸196.7g、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート256.3g、及びN-エチル-2-ピロリドン553.7gを、温度計、攪拌機、及び冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で攪拌しながら1時間かけて徐々に昇温して100℃まで上げた。このまま1時間加熱を続けた後、反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら徐々に昇温して130℃まで上げ、加熱開始から6時間加熱を続けた後、反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
上記実施例、及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂組成物(ワニス)について、以下の手順に従い、それぞれ60℃で7日間保管した前後での粘度変化率(%)を算出した。
先ず、ポリアミドイミド樹脂組成物(ワニス)を保管前にその粘度を測定した。次に、上記樹脂組成物(ワニス)の一定量を密閉容器に入れ、この密閉容器を60℃に設定した乾燥器内で7日間にわたって保管した後に粘度を測定した。それぞれの測定値から、下記(式1)に従い、粘度変化率を算出した。
(式1)
粘度変化率(%)=(V2-V1)/V1×100
式1において、「V1」は、保管前に測定した粘度を表す。「V2」は、60℃で7日間保管後に測定した粘度を表す。
なお、それぞれの粘度測定は、JIS C 2103に準拠し、B型回転粘度計を用い、25℃、ローター3号、回転数12rpmの条件下で実施した。
(ワニス外観)
上記実施例、及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂組成物(ワニス)を、それぞれ密閉容器に入れて60℃の環境下で保管し、7日間経過した後のワニス外観を目視で観察した。
(密着性低下率)
上記実施例、及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂組成物(試験用塗料)を、アルミ基板(1×50×150mm、(株)パルテック製)の上に塗布した。次いで、以下の手順に従い密着性試験を行った。
すなわち、各試験用塗料を塗布した上記基板を、80℃で10分間予備乾燥させた後、400℃で10分間焼成し、塗膜厚が、5ヶ所の平均値で10μmの塗膜を得た。この塗膜に切り込みを入れて、1mm四方のマスを10×10マス作製し、粘着テープ(ニチバン(株)製)を用いて5回剥離を行い、残ったマス目の数を数えた。
上記密着性試験は、加熱保存前の樹脂組成物と、60℃で7日間にわたって保存した後の樹脂組成物との双方について実施し、下記(式2)に従い、密着性低下率(%)を算出した。
(式2)
密着性低下率(%)=(A2-A1)/A1×100
式2において、「A1」は、保管前の樹脂組成物を用いて実施した密着性の評価結果を表す。「A2」は、60℃で7日間の保管後の樹脂組成物を用いて実施した密着性の評価結果を表す。
以上のことから、NMP以外の溶媒を使用した樹脂組成物において、60℃で7日間保管前後での粘度減少を一定範囲内とすることにより、優れた貯蔵安定性が得られ、また特性低下を抑制できることがわかる。
Claims (7)
- (A)ポリアミドイミド樹脂、(B)N-エチル-2-ピロリドン、(C)水、及び(D)塩基性化合物を含み、
前記(A)ポリアミドイミド樹脂のカルボキシル基と酸無水物基を開環させたカルボキシル基とを合わせた酸価が35~50mgKOH/gであり、前記(A)ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は15,000~25,000の範囲であり、
前記(D)塩基性化合物がアルキルアミン又はアルカノールアミンであり、
60℃で7日間保管した前後での粘度変化率が-30%以内であるポリアミドイミド樹脂組成物。 - 前記(D)塩基性化合物がアルカノールアミンである、請求項1に記載のポリアミドイミド樹脂組成物。
- 前記(C)水の含有量が、樹脂組成物の全質量を基準として10質量%以上である、請求項1又は2に記載のポリアミドイミド樹脂組成物。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載のポリアミドイミド樹脂組成物と、フッ素樹脂とを含むフッ素塗料。
- 請求項4に記載のフッ素塗料により形成された塗膜を、少なくとも一部の表面に有する基材。
- 請求項4に記載のフッ素塗料により形成された塗膜を、少なくとも一部の表面に有する物品。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載のポリアミドイミド樹脂組成物と、導電性材料とを含む、導電性組成物。
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