JP2014181332A - 保存安定性に優れたポリアミドイミド樹脂溶液 - Google Patents

保存安定性に優れたポリアミドイミド樹脂溶液 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的なコストを増加させずに高温下での長期の保存安定性に優れたポリアミドイミド樹脂溶液を提供する。
【解決手段】ポリアミドイミド樹脂と水とを含有するポリアミドイミド樹脂溶液であって、ポリアミドイミド樹脂が、樹脂中のアミド結合、イミド結合、及びウレア結合の合計を100モル%としたときに、ウレア結合を1モル%以上7モル%以下含有すること、及び水が樹脂溶液に210mg/kg以上750mg/kg以下の割合で存在することを特徴とするポリアミドイミド樹脂溶液。
【選択図】なし

Description

本発明は、高温下での長期保存安定性に優れた保存用ポリアミドイミド樹脂溶液に関する。本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、潤滑塗料やコーティング材料、接着剤、成型材料、耐熱絶縁塗料などに用いることができる。
ポリアミドイミド樹脂を用いた塗料は、その良好な耐熱性、耐溶剤性および耐薬品性から、潤滑塗料や各種基材のコーティング材、摺動部のバインダー樹脂として広く用いられている。
ポリアミドイミド樹脂は、生産された拠点からドラム缶等に封入され、顧客に販売されるケースが多い。近年、生産拠点の海外移転や海外出荷の機会が増え、高温下(60℃程度)での輸送や空調管理のない倉庫での保存安定性が求められている。しかし、従来のポリアミドイミド樹脂溶液は、60℃では増粘、減粘、固化等が見られるといった問題がある。
特許文献1では、スルホン基やフルオレン環などの嵩高い置換基を構造中に導入することで保存安定性を改善している。しかし、これらの化合物は、工業的に高価であるといった欠点がある。
特許文献2では、ポリイミド系前駆体に水を添加することで、0℃以下での保存安定性を改善している。しかし、高温下での保存安定性の改善については全く検討されていない。また、水を添加するという記載があるのみであり、溶解性を改良する結合の導入等については一切検討されていない。
特開2008−201861号公報 特開平08−127715号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みなされたものであり、その目的は、工業的なコストを増加させずに高温下での長期の保存安定性に優れたポリアミドイミド樹脂溶液を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、ポリアミドイミド樹脂に特定量のウレア基を導入し、さらに通常の重合時に含まれる量より多い水を存在させることにより、上記目的を達成できることを見い出し、本発明の完成に至った。
本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を有するものである。
(1)ポリアミドイミド樹脂と水とを含有するポリアミドイミド樹脂溶液であって、
ポリアミドイミド樹脂が、樹脂中のアミド結合、イミド結合、及びウレア結合の合計を100モル%としたときに、ウレア結合を1モル%以上7モル%以下含有すること、及び
水が樹脂溶液に210mg/kg以上750mg/kg以下の割合で存在すること
を特徴とするポリアミドイミド樹脂溶液。
(2)ポリアミドイミド樹脂が一般式[I]の繰り返し単位を有することを特徴とする(1)に記載のポリアミドイミド樹脂溶液。
式中、Yは一般式[II]、[III]、または[IV]のいずれかを示す。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示す。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示す。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示し、Xはアルキレン基、カルボニル基、エーテル基又はスルホニル基を示す。
(3)ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が8500以上100000以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリアミドイミド樹脂溶液。
(4)有機溶剤をさらに含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂溶液。
(5)有機溶剤が非プロトン性極性溶剤であることを特徴とする(4)に記載のポリアミドイミド樹脂溶液。
本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、ポリアミドイミド樹脂に特定量のウレア基を導入し、かつ通常の重合反応時より多い過剰な水を存在させているので、ポリアミドイミド樹脂の溶解性に優れ、結果として高温下での長期の保存安定性に優れる。本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、従来のポリアミドイミド樹脂溶液と比較して、高温下での保存安定性に著しく優れるため、海外輸送や空調管理のない倉庫等での長期保存において極めて有用である。
以下、本発明のポリアミドイミド樹脂溶液を詳細に説明する。
本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、ポリアミドイミド樹脂が溶媒に溶解された状態のものであり、特にポリアミドイミド樹脂と水、さらに任意選択的に有機溶剤を含有するものである。本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、ポリアミドイミド樹脂が樹脂中のアミド結合、イミド結合、及びウレア結合の合計を100モル%としたときに、ウレア結合を1モル%以上7モル%以下含有すること、さらに、樹脂溶液中に210mg/kg以上750mg/kg以下の水が含有されていることを特徴とする。
本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、かかる特徴を有するので、高温での長期保存安定性を達成することができる。これにより、樹脂溶液の輸送時の品質の安定性を確保できる。ここで、「保存安定性」は、製造直後のポリアミドイミド樹脂溶液を60℃(±5℃)で維持して保存し、保存を開始した日を0日目とし、10日経過ごとにその溶液粘度を測定することによって判断する。保存は、熱風乾燥機(ヤマト化学製DH42)を用いて、ポリアミドイミド樹脂溶液を密封状態で維持して行い、測定は、東京計器(株)製BL型のB型粘度計を用いて25℃で行う。以下の数式に基づいて、各測定日における溶液粘度の変化率を計算し、溶液粘度の変化率が10%未満である場合は、保存安定性があるとし、10%以上である場合は、保存安定性がないと判断する。
上記式において、溶液粘度Aは、製造直後の保存開始前の溶液粘度(mPa・s)を表わし、溶液粘度Bは、保存を開始してから10日目ごとに測定した溶液粘度(mPa・s)を表わす。
本発明のポリアミドイミド樹脂溶液中のポリアミドイミド樹脂は、その樹脂中のアミド結合、イミド結合、及びウレア結合の合計を100モル%としたときに、ウレア結合を1モル%以上7モル%以下、好ましくは1.5モル%以上7モル%以下、さらに好ましくは2モル%以上7モル%以下含有する。
このようにポリアミドイミド樹脂の構造中にウレア結合を導入することにより、ポリアミドイミド樹脂の対称性および結晶性が崩れ、溶解性、溶媒との親和性が向上し、結果として高温下での長期保存安定性の効果に寄与することができる。
ウレア結合が上記範囲より少ないと、上述の効果に十分寄与することができなくなり、一方、ウレア結合が上記範囲より多いと、熱により分解し易いウレア基が増えるため、ポリアミドイミド樹脂が本来有する耐熱性を損なってしまう。耐熱性の一つの指標として、5%重量減少温度がある。耐熱性が損なわれると、この5%重量減少温度が低下する。ウレア結合が上記範囲より多いと、この5%重量減少温度が低下する。ウレア基導入による5%重量減少温度の低下は、10℃以内であることが好ましく、より好ましくは7℃以内、更に好ましくは5℃以内である。
また、本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、210mg/kg以上750mg/kg以下、好ましくは250mg/kg以上700mg/kg以下、特に好ましくは300mg/kg以上700mg/kg以下の水を含有する。
水を別途添加することなしにポリアミドイミドを重合し、ポリアミドイミド樹脂溶液を製造した場合、ポリアミドイミド樹脂溶液中には、平均的には、80〜150mg/kgの水が含まれ、実際には多くとも200mg/kg以下である。これらの水の存在は、重合溶剤や希釈溶剤などの有機溶媒中に上述の量の水分が含まれるためである。しかし、ポリアミドイミド樹脂溶液中に上述の量の水が存在したとしても高温下での長期保存安定性の効果は得られない。本発明者らは、通常の重合反応で含まれる水以外に別途水を樹脂溶液に特定量添加して過剰に水を存在させることにより前述の効果が得られることを見いだした。
水含有量が上記の本発明の範囲未満の場合、60℃の保存安定性改善効果が不十分になり、上記の本発明の範囲を越える場合、ポリアミドイミド樹脂が析出したり、樹脂溶液が懸濁する場合があるため、好ましくない。
ポリアミドイミド樹脂溶液に別途水を添加して過剰量の水を存在させることにより、以下の(i)〜(iii)の効果が発現される。
(i)ポリアミドイミド樹脂溶液の極性が変化し、溶解性が向上する、
(ii)残存している未反応のジイソシアネートと反応して、ウレア結合が生成される、
(iii)残存している未反応のジイソシアネートが封鎖され、60℃保管時のイソシアネート類の反応による増粘が抑制される。
本発明のポリアミドイミド樹脂を構成するイソシアネート成分は、以下の一般式[II]、一般式[III]または一般式[IV]で表される構造を有するイソシアネートから選択される1種以上のイソシアネートであることが好ましい。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示す。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示す。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示し、Xはアルキレン基、カルボニル基、エーテル基又はスルホニル基を示す。
具体的なイソシアネート成分としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、及びo−トリジンジイソシアネートからなる群より選択される一種以上のイソシアネートを使用することができる。また、上記以外にも、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等公知のイソシアネートを使用することができる。
また、最も好ましいイソシアネート成分としては、一般式[II]として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、一般式[III]として2,4−トリレンジイソシアネート、一般式[IV]としてo−トリジンジイソシアネートを挙げることができる。
本発明のポリアミドイミド樹脂を構成する酸成分は、トリメリット酸無水物であることが好ましい。しかし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他の酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸無水物や1,3−シクロヘキサンジカルボン酸,1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを使用することができる。
従って、本発明のポリアミドイミド樹脂は、以下の一般式[I]で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
式中、Yは一般式[II]、[III]、または[IV]のいずれかを示す。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示す。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示す。
式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示し、Xはアルキレン基、カルボニル基、エーテル基又はスルホニル基を示す。
本発明のポリアミドイミド樹脂は、従来公知のいずれの方法でも製造することができるが、ポリアミドイミド樹脂の骨格中にウレア結合を導入する観点からイソシアネート法が好ましい。イソシアネート法でポリアミドイミド樹脂を合成する場合、酸成分の合計と、イソシアネート成分の合計のモル比率は、(酸成分/イソシアネート成分)=0.90〜1.20の範囲が好ましく、更に好ましくは0.92〜1.10である。モル比率が上記範囲外である場合、分子量が上がらないため機械特性が低下する可能性や、三次元架橋のためゲル化する可能性がある。重合温度は、通常50℃〜220℃、好ましくは70℃〜200℃、更に好ましくは80℃〜150℃である。
本発明のポリアミドイミド樹脂は、特定量のウレア結合を骨格中に有することを特徴とする。ウレア結合の骨格中への導入方法としては、例えば以下の方法が挙げられ、これらの方法は、単独で行っても、複数の方法を併用しても良い。
(i)溶剤中に含まれる水とイソシアネートとを反応させることにより発生するアミンとイソシアネートを反応させる方法、
(ii)アミンとイソシアネートを反応させる方法、
(iii)重合前〜重合工程後〜冷却工程〜冷却工程終了後のいずれかの工程でポリアミドイミド溶液中に水を添加することにより、ウレア結合を形成させる方法、
(iv)ウレア結合を持つ化合物をポリアミドイミド樹脂に共重合する方法、
(v)無触媒で重合することで副反応物としてウレア結合を形成する方法。
水は、ポリアミドイミド樹脂溶液の製造工程のいずれかの工程において添加すればよく、前述のウレア結合の骨格中への導入方法の(iii)で達成してもよい。
上述の(iii)のウレア結合の骨格中への導入方法を採用する場合、イソシアネートを含む溶液への水の添加は、例えば、以下の(a)〜(c)の方法の1つ以上で行なうことができる。
(a)重合前〜重合工程
ポリアミドイミド樹脂の原料となるモノマー等を反応容器に仕込む準備段階から、昇温することにより重合反応が開始され重合反応が進行中である工程で、水を添加する方法、
(b)重合工程終了〜冷却工程
重合反応を終了後、降温を開始してから常温(20℃±15℃)まで冷却するまでの工程で、水を添加する方法、
(c)冷却工程終了後
常温まで冷却後、重合されたポリアミドイミド樹脂を含む溶液に、水を添加し、残存する未反応のイソシアネートと反応させる方法。
ウレア結合を骨格中に導入する場合に使用する水は、特に限定されないが、イオン性不純物を低減させる面から、純水及び/又は超純水が好ましい。コスト的な面から、純水が好ましく、純水の中でもイオン交換水が更に好ましい。
ポリアミドイミド樹脂の重合溶剤は、公知の非プロトン性極性溶剤を用いることが好ましい。非プロトン性極性溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤や、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤といった公知の溶剤を利用することができる。中でもアミド系溶剤が好ましく、更に好ましくはN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノンであり、特に好ましくはN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンである。
ポリアミドイミド樹脂を製造する際、反応を促進するために必要に応じて触媒を用いても良い。例えば、トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等のアミン類、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のハロゲン化金属、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの無機塩基が挙げられる。触媒量は酸成分100モル%に対して0モル%以上10モル%以下が好ましく、更に好ましくは0.5モル%以上5モル%以下である。触媒量が上記範囲を超える場合、乾燥塗膜を形成した際に、乾燥塗膜から触媒がブリードアウトする可能性や、ポリアミドイミド樹脂の分解を加速してしまう可能性がある。
本発明のポリアミドイミド樹脂は、数平均分子量が8500以上100000以下であることが好ましく、更に好ましくは9000以上70000以下、特に好ましくは9000以上50000以下である。数平均分子量が上記範囲未満になると、繊維、フィルム等の成形物にした時に機械的性質が著しく悪くなる可能性がある。また、平均分子量が上記範囲を超えると、ハンドリングが悪くなる可能性がある。また、分散比(重量平均分子量/数平均分子量)の値は、1.5以上5以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.8以上4以下、特に好ましくは2以上3以下である。
なお、重量平均分子量、数平均分子量は以下の方法で測定した。ポリアミドイミド樹脂に、試料濃度が0.05重量%となるように溶離液(DMAc/LiBr30mM)を加え、孔径が0.2μmのメンブランフィルターでろ過したものを測定試料とした。上記試料を昭和電工(株)製のShodex GPC−101を用い、TOSOH製のTSKgel GMHXL ×2+TSKgel G2000HXLをカラムとして用い、40℃、流量0.7ml/minで測定した。検出器としては、屈折率計を用いた。また、分子量は標準PEGを用いて換算した。
本発明のポリアミドイミド樹脂は、公知の有機溶剤を用いて希釈してもよい。希釈溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤や、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶剤、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤といった公知の溶剤を利用することができる。中でもアミド系溶剤が好ましく、更に好ましくはN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノンであり、特に好ましくはN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンである。
本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、高温での長期保存安定性に優れるため、塗料、潤滑塗料、接着剤、耐熱絶縁塗料、成型材料に使用することができる。特に、潤滑塗料に好適に使用することができる。
潤滑塗料に使用する場合、本発明のポリアミドイミド樹脂溶液に「固体潤滑剤」および「耐磨耗材」等を加え、ボールミルや3本ロールミル、サンドミル等を用いて分散させことで摺動部材用溶液を調製することができる。
潤滑塗料に使用する場合、本発明のポリアミドイミド樹脂溶液に固体潤滑剤を加えてもよい。固体潤滑剤としては、二硫化モリブデンや二硫化タングステンなどの硫化物、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルブニルエーテル、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリブニリデンフルオライド、トリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素化合物、およびグラファイト等が挙げられる。固体潤滑剤の配合量は、ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して5重量部以上500重量部以下、好ましくは10重量部以上200重量部以下である。固体潤滑剤が上記範囲未満では摩擦係数の低減効果及び耐焼付け特性が十分発揮されないことがある。一方、上記範囲を越えると耐摩耗性が不十分になる場合がある。
潤滑塗料に使用する場合、本発明のポリアミドイミド樹脂溶液に耐磨耗材を加えてもよい。耐磨耗材としては、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド、シリカ等が挙げられ、それらは単独もしくは2種以上を用いることができる。また、その耐磨耗材の粒子径は0.1μm以上10μm以下であり、その配合量はポリアミドイミド樹脂100重量部に対して5重量部以上500重量部以下であることが好ましい。耐磨耗材の粒子径が0.1μm未満である場合は耐摩耗性の向上効果が小さく、また10μmを超えると潤滑膜から脱落しやすくなる。
本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、ポリアミドイミド樹脂が、樹脂中のアミド結合、イミド結合、及びウレア結合の合計を100モル%としたときに、ウレア結合が1モル%以上7モル%以下であること、そして水が樹脂溶液に210mg/kg以上750mg/kg以下の割合で存在することにより、高温での長期の保存安定性を飛躍的に改善している。ポリアミドイミド樹脂の構造中にエステル基やエーテル基を導入することにより保存安定性の改善も行なうこともできるが、ポリアミドイミドの優れた耐熱性等の機械特性を損なうといった問題がある。そのため、従来のポリアミドイミドでは、スルホン基やフルオレン環等を構造中に導入することで、保存安定性を達成していたが、これらの化合物は工業的に高価であるためコスト面で問題があった。本発明では、これらの問題を克服するために、構造中に特定量のウレア結合を導入したポリアミドイミド樹脂と特定量の水とを含有することにより、高温での保存安定性を改善しており、従来のポリアミドイミド樹脂溶液と比べて高温での長期保存安定性において格段に優れた改善が図られている。
本発明の効果を以下の実施例により具体的に実証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の特性値の評価は以下の方法に依った。
(1)重量平均分子量、数平均分子量、分散比(重量平均分子量/数平均分子量):
ポリアミドイミド樹脂に、試料濃度が0.05重量%となるように溶離液(DMAc/LiBr30mM)を加え、孔径が0.2μmのメンブランフィルターでろ過したものを測定試料とした。上記試料を昭和電工(株)製のShodex GPC−101を用い、TOSOH製のTSKgel GMHXL ×2+TSKgel G2000HXLをカラムとして用い、40℃、流量0.7ml/minで測定した。検出器としては、屈折率計を用いた。また、分子量は標準PEGを用いて換算した。
(2)保存安定性
製造直後のポリアミドイミド樹脂溶液を60℃(±5℃)で維持して保存し、保存を開始した日を0日目とし、10日経過ごとにその溶液粘度を測定した。保存は、熱風乾燥機(ヤマト化学製DH42)を用いて、ポリアミドイミド樹脂溶液を密封状態で維持して行い、測定は、東京計器(株)製BL型のB型粘度計を用いて25℃で行った。以下の数式に基づいて、各測定日における溶液粘度の変化率を計算し、溶液粘度の変化率が10%未満である場合は、保存安定性があるとし、10%以上である場合は、保存安定性がないと判断した。そして、溶液粘度の変化率が10%未満を維持した最長の測定日を表の結果に記載した。なお、10日目にすでに溶液粘度の変化率が10%以上であった場合は、60℃での保存安定性を「10日未満」と表示した。
上記式において、溶液粘度Aは、製造直後の保存開始前の溶液粘度(mPa・s)を表わし、溶液粘度Bは、保存を開始してから10日目ごとに測定した溶液粘度(mPa・s)を表わす。
(3)ウレア結合の測定方法
ポリアミドイミド樹脂中に含まれるアミド結合、イミド結合およびウレア結合の比率の測定は、次の方法で行った。ポリアミドイミド樹脂100mgをDMSO−d 0.6mlに溶解し、試料を調製した。調製した試料をH−NMRにて測定した。また、ポリアミドイミド樹脂とDMSO−dを体積比が1:1となるように混合して試料を調製し、13C−NMRにて測定した。
(4)水の含有量の測定
三菱化学(株)社製水分率測定装置モイスチャーメーターCA−200を使用し、カールフィッシャー法にて測定した。
(5)5%重量減少温度の測定
ポリマー溶液を充分に乾燥させたものを試料として、下記条件で熱天秤測定(TGA)を行い、試料の重量が5%減少する温度を5%重量減少温度とした。
装置名:MACサイエンス社製 TG−DTA2000S
パン:アルミパン(非気密型)
試料重量:20mg
昇温開始温度:30℃
昇温速度:20℃/min
雰囲気:窒素
(実施例1)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に無水トリメリット酸2モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1.87モル、触媒としてフッ化カリウム0.02モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度が45重量%となるようにし、100℃で2時間、次いで120℃で4時間反応させた。固形分濃度が39重量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンで希釈し、更に固形分濃度31重量%となるようにキシレンで希釈して、ポリアミドイミド樹脂溶液Aを得た。
ポリアミドイミド樹脂溶液Aを80℃まで冷却した後、固形分濃度が30重量%となるように水(ポリアミドイミド樹脂溶液に対して0.3重量%)及びN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤を加えて1時間攪拌し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液1を得た。
(実施例2)
実施例1で得られたポリアミドイミド樹脂溶液1に、水をポリアミドイミド樹脂溶液に対して0.2重量%添加した。1時間攪拌、混合して、ポリアミドイミド樹脂溶液2を得た。
(実施例3)
実施例1で得られたポリアミドイミド樹脂溶液1に、水をポリアミドイミド樹脂溶液に対して0.4重量%添加した。1時間攪拌、混合して、ポリアミドイミド樹脂溶液3を得た。
(実施例4〜6)
実施例1と同様にして、但し、表1に示すようにポリアミドイミド樹脂溶液Aに添加する水の添加量のみを変更し、ポリアミドイミド樹脂溶液4〜6を得た。
(実施例7)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1.84モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度45%となるようにし、無触媒で100℃1時間、120℃1時間、150℃6時間反応させた。固形分濃度が39重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤で希釈し、更に固形分濃度31重量%となるようにキシレンで希釈して、ポリアミドイミド樹脂溶液Bを得た。
ポリアミドイミド樹脂溶液Bを80℃まで冷却した後、固形分濃度が30重量%となるように水(ポリアミドイミド樹脂溶液に対して0.3重量%)及びN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤を加えて1時間攪拌し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液7を得た。
(実施例8)
実施例7と同様にして、但し、表1に示すようにポリアミドイミド樹脂Bに添加する水の添加量のみを変更し、ポリアミドイミド樹脂溶液8を得た。
(実施例9)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート2モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度45%となるようにした後、水を2.2g添加した。その後無触媒で100℃1時間、120℃1時間、150℃6時間反応させた。固形分濃度が39重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤で希釈し、更に固形分濃度31重量%となるようにキシレンで希釈して、ポリアミドイミド樹脂溶液Cを得た。
ポリアミドイミド樹脂溶液Cを80℃まで冷却した後、固形分濃度が30重量%となるように水(ポリアミドイミド樹脂溶液に対して0.4重量%)及びN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤を加えて1時間攪拌し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液9を得た。
(実施例10)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、o−トリジンジイソシアネート1.6モル、トリレンジイソシアネート0.4モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度20重量%となるようにし、90℃5時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂溶液Dを得た。
ポリアミドイミド樹脂溶液Dを80℃まで冷却した後、固形分濃度が14重量%となるように水(ポリアミドイミド樹脂溶液に対して0.3重量%)及びN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤を加えて1時間攪拌し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液10を得た。
(実施例11)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、o−トリジンジイソシアネート1.6モル、トリレンジイソシアネート0.4モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度20重量%となるようにし、90℃5時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂溶液Eを得た。
ポリアミドイミド樹脂溶液Eを80℃まで冷却した後、固形分濃度が14重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤を加えて1時間攪拌し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液Fを得た。
得られたポリアミドイミド樹脂溶液Fに、水をポリアミドイミド樹脂溶液に対して0.5重量%添加した。1時間攪拌、混合して、ポリアミドイミド樹脂溶液11を得た。
(比較例1)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1.87モル、触媒としてフッ化カリウム0.04モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度37.5重量%となるようにし、100℃2時間、120℃4時間反応させた。反応後、固形分濃度が30重量%となるようキシレンで希釈し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液12を得た。
(比較例2)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、o−トリジンジイソシアネート1.6モル、トリレンジイソシアネート0.4モル、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.04モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度20重量%となるようにし、90℃5時間反応させた。反応後、固形分濃度が14重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液13を得た。
(比較例3)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート2.02モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度が45重量%となるようにした後、水を3.3g添加した。その後、100℃で2時間、次いで150℃で4時間反応させた。その後、固形分濃度が30重量%となるようにキシレンを加えて1時間攪拌し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液Gを得た。
得られたポリアミドイミド樹脂溶液Gに、水をポリアミドイミド樹脂溶液に対して1.5重量%添加し、1時間攪拌、混合して、ポリアミドイミド樹脂溶液14を得た。
(比較例4)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1.87モル、触媒としてフッ化カリウム0.04モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度37.5重量%となるようにし、100℃2時間、120℃4時間反応させ、ポリアミドイミド樹脂溶液Hを得た。ポリアミドイミド樹脂溶液Hを80℃まで冷却した後、固形分濃度が30重量%となるように水(ポリアミドイミド樹脂溶液に対して1.5重量%)及びN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤を加えて1時間攪拌し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液15を得た。
(比較例5)
窒素導入管と冷却装置の付いた反応容器に、無水トリメリット酸2モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1.8モル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.2モル、溶剤として初期水分率が100mg/kgであるN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、固形分濃度40重量%となるようにし、100℃2時間、130℃4時間反応させた後、固形分濃度が30重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを加えて1時間攪拌し、常温まで冷却して、ポリアミドイミド樹脂溶液16を得た。
以上のようにして得られたポリアミドイミド樹脂溶液を用いて、60℃での保存安定性の評価を行った。結果を表1に示す。表1中の略号は以下のものを意味する。
TMA :無水トリメリット酸
MDI :4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
TDI :2,4−トリレンジイソシアネート
ToDI:o−トリジンジイソシアネート
DBU :1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
KF :フッ化カリウム
表1から理解されるように、ウレア結合の量及び水の量が本発明で規定する範囲内である実施例1〜11では、50日以上60日未満、さらには80日以上90日未満の長期間にわたって60℃での保存安定性が達成されており、5%重量減少温度の低下も見られていない。一方、ウレア結合の量及び水の量が少なすぎる比較例1,2、ウレア結合の量及び水の量が多すぎる比較例3、水の量が多すぎる比較例4、及びウレア結合の量が多すぎ、かつ水の量が少なすぎる比較例5はいずれも、60℃での保存安定性が10日未満(比較例1,3〜5)又は20日未満(比較例2)であり、60℃での保存安定性に極めて劣る。さらに、比較例3及び5では、ウレア結合の量が多すぎるため、5%重量減少温度も低下している。これらのことから、本発明の条件を満たすポリアミドイミド樹脂溶液は、耐熱性を保持したまま、少なくとも60℃において長期間保存安定性を有しており、海外輸送や空調管理のない倉庫等での長期保存において極めて有用である。
本発明のポリアミドイミド樹脂溶液は、高温下での保存安定性に著しく優れているので、海外輸送や空調管理のない倉庫等での長期保存において極めて有用である。

Claims (5)

  1. ポリアミドイミド樹脂と水とを含有するポリアミドイミド樹脂溶液であって、
    ポリアミドイミド樹脂が、樹脂中のアミド結合、イミド結合、及びウレア結合の合計を100モル%としたときに、ウレア結合を1モル%以上7モル%以下含有すること、及び
    水が樹脂溶液に210mg/kg以上750mg/kg以下の割合で存在すること
    を特徴とするポリアミドイミド樹脂溶液。
  2. ポリアミドイミド樹脂が一般式[I]の繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1に記載のポリアミドイミド樹脂溶液。
    式中、Yは一般式[II]、[III]、または[IV]のいずれかを示す。
    式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示す。
    式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示す。
    式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素またはメチル基を示し、Xはアルキレン基、カルボニル基、エーテル基又はスルホニル基を示す。
  3. ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が8500以上100000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミドイミド樹脂溶液。
  4. 有機溶剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂溶液。
  5. 有機溶剤が非プロトン性極性溶剤であることを特徴とする請求項4に記載のポリアミドイミド樹脂溶液。
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