JP7110986B2 - 導電性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性組成物に関し、さらに詳述すると、エネルギー貯蔵デバイス用電極に使用するアンダーコート層形成用組成物として好適な導電性組成物に関する。
スマートフォンやデジタルカメラ、携帯ゲーム機などの携帯電子機器の小型軽量化や高機能化の要求に伴い、近年、高性能電池の開発が積極的に進められており、充電により繰り返し使用できる二次電池の需要が大きく伸びている。
中でも、リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度、高電圧を有し、また充放電時におけるメモリー効果が無いことなどから、現在最も精力的に開発が進められている二次電池である。
また、近年の環境問題への取り組みから、電気自動車の開発も活発に進められており、その動力源としての二次電池には、より高い性能が求められるようになってきている。
ところで、リチウムイオン二次電池は、リチウムを吸蔵、放出できる正極と負極と、これらの間に介在するセパレータを容器内に収容し、その中に電解液(リチウムイオンポリマー二次電池の場合は液状電解液の代わりにゲル状または全固体型の電解質)を満たした構造を有する。
正極および負極は、一般的に、リチウムを吸蔵、放出できる活物質と、主に炭素材料からなる導電材、さらにポリマーバインダーを含む組成物を、銅箔やアルミニウム箔などの集電体上に塗布することで製造される。このバインダーは、活物質と導電材、さらにこれらと金属箔を接着するために用いられ、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのN-メチルピロリドン(NMP)に可溶なフッ素系樹脂や、オレフィン系重合体の水分散体などが市販されている。
上述したように、リチウムイオン二次電池は電気自動車などの動力源としての応用も期待されており、これまで以上の長寿命や安全性が求められている。
しかし、上述したバインダーの集電体に対する接着力は十分とは言えず、電極板の裁断工程や巻回工程等の製造工程時に、活物質や導電材の一部が集電体から剥離、脱落し、微小短絡や電池容量のばらつきを生じる原因となる。
さらに、長期間の使用により、電解液によるバインダーの膨潤や、活物質のリチウム吸蔵、放出による体積変化に伴う電極合材の体積変化により、電極合材と集電体間の接触抵抗が増大したり、活物質や導電材の一部が集電体から剥離、脱落したりすることによる電池容量の劣化が起こるという問題や、さらには安全性の点で問題もある。
特に、近年では正極系では固溶体系、負極系ではケイ素などの合金系といった、充放電容量が既存のものより大きく、そのために充放電による体積変化も大きい活物質の開発が進められており、上述した電極合材の集電体からの剥離は、早急に解決すべき問題であるといえる。
上記課題を解決する試みとして、集電体と活物質層の間の密着性を高め、接触抵抗を低下させることで電池を低抵抗化する技術として、集電体と活物質層との間に導電性のアンダーコート層を挿入する手法が開発されている。
例えば、特許文献1では、炭素を導電性フィラーとする導電層をアンダーコート層として、集電体と活物質層との間に配設する技術が開示されており、アンダーコート層を備えた複合集電体(以下、複合集電体とも称する)を用いることで、集電体と活物質層の間の接触抵抗を低減でき、かつ、高速放電時の容量減少も抑制でき、さらに電池の劣化をも抑制できることが示され、また、特許文献2や特許文献3でも同様の技術が開示されている。
さらに、特許文献4や特許文献5では、カーボンナノチューブ(以下、CNTとも略記する)を導電性フィラーとしたアンダーコート層が開示されている。
一方、一般にリチウムイオン電池を製造する際、活物質層の塗工にはダイコート法が用いられる。これは、ダイコート法によって、リチウムイオン電池に必要とされるパターンが生産性良く得られるためである。そのため、アンダーコート層を形成させる塗工工程にも、ダイコート法が適用できれば、装置の使用率等の観点から生産性が向上する。
ダイコート法で用いられる塗工液は、一般に1000mPa・s以上の粘度が必要とされ、それ以下の粘度では、間欠部位を良好に形成することができない。そのため、活物質層形成用塗工液は1000mPa・s以上に調整されている。
アンダーコート層形成用の塗工液も、ダイコート法にて塗工する場合には、1000mPa・s程度もしくはそれ以上の粘度であることが望まれる。
しかし、特許文献5に開示されたCNTの水系塗工液は、10mPa・s程度であり、ダイコート法で塗工するには粘度が低すぎるという欠点があった。
一般に粘度を上昇させるには増粘剤を添加すればよいが、増粘剤は導電性を有していないため、これを大量に添加するとアンダーコート層の絶縁性が上昇し、結果として電池の高抵抗化を招いてしまう。
一方、増粘剤の添加量が少ないと、粘度が十分に上がらない場合があり、さらに、増粘剤とCNT等との相互作用により分散性が低下する可能性があった。
特開平9-097625号公報 特開2000-011991号公報 特開平11-149916号公報 国際公開第2014/042080号 国際公開第2015/029949号
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、アンダーコート層形成用組成物として好適な粘度を有する導電性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、CNT等の導電材、分散剤および溶媒を含む組成物に、増粘剤を使用して粘度を所定範囲に調整することで、アンダーコート層の形成に適している組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. 導電材、分散剤、増粘剤および溶媒を含み、25℃における粘度が、20~50,000mPa・sである導電性組成物、
2. 前記粘度が、100~50,000mPa・sである1の導電性組成物、
3. 前記粘度が、300~50,000mPa・sである2の導電性組成物、
4. 前記増粘剤が、分岐構造を持つ多糖類を含む1~3のいずれかの導電性組成物、
5. 前記増粘剤が、キサンタンガムを含む4の導電性組成物、
6. 前記導電材が、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、カーボンナノチューブ、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、ITO、酸化ルテニウム、アルミニウム、およびニッケルから選ばれる少なくとも1種を含む1~5のいずれかの導電性組成物、
7. 前記導電材が、カーボンナノチューブを含む6の導電性組成物、
8. 前記溶媒が、水を含む1~7のいずれかの導電性組成物、
9. 前記分散剤が、側鎖にオキサゾリン基を有するポリマーを含む1~8のいずれかの導電性組成物、
10. 前記側鎖にオキサゾリン基を有するポリマーが、下記式(1)で表されるオキサゾリンモノマーの重合物である9の導電性組成物、
Figure 0007110986000001
(式中、Xは、重合性炭素-炭素二重結合含有基を表し、R1~R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、または炭素数7~20のアラルキル基を表す。)
11. 架橋剤を含む1~10のいずれかの導電性組成物、
12. マトリックスとなるポリマーを含む1~11のいずれかの導電性組成物、
13. 安定剤として塩基性化合物を含む1~12のいずれかの導電性組成物、
14. 前記塩基性化合物のpKaが6以上である13の導電性組成物、
15. 前記塩基性化合物が、アンモニアまたはアミン系化合物である13または14の導電性組成物、
16. アンダーコート層形成用である1~5および7~15のいずれかの導電性組成物、
17. 16の導電性組成物から得られ、膜厚が1~500nmであるアンダーコート層、
18. 16の導電性組成物を用いてなるエネルギー貯蔵デバイスの電極用複合集電体、
19. 18のエネルギー貯蔵デバイスの電極用複合集電体を備えるエネルギー貯蔵デバイス用電極、
20. 19のエネルギー貯蔵デバイス用電極を備えるエネルギー貯蔵デバイス、
21. リチウムイオン二次電池である20のエネルギー貯蔵デバイス
を提供する。
本発明によれば、ダイコート法を用いた場合にも良好な薄膜を形成できる程度の粘度を有するアンダーコート層形成用組成物として好適な導電性組成物を提供することができる。
この組成物から得られたアンダーコート層を有する電極を用いることで、低抵抗なエネルギー貯蔵デバイスおよびその簡便かつ効率的な製造方法を提供できる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る導電性組成物は、導電材、分散剤、増粘剤および溶媒を含み、25℃における粘度が、20~50,000mPa・sであることを特徴とする。
本発明における組成物の粘度は、各種塗布法による作業性の観点から、20~50,000mPa・sとされているが、上述したダイコートを用いて塗工することを考慮すると、その下限は、100mPa・s以上が好ましく、300mPa・s以上がより好ましく、500mPa・s以上がより一層好ましい。
本発明の導電性組成物に用いられる導電材としては、特に限定されるものではなく、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、カーボンナノチューブ(CNT)、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、ITO、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル等の公知の導電材から適宜選択して用いることができるが、本発明では、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、CNT、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛等の導電性炭素材料を用いることが好ましく、特に、CNTを含む導電材を用いることがより好ましく、CNT単独の導電材を用いることがより一層好ましい。
CNTは、一般的に、アーク放電法、化学気相成長法(CVD法)、レーザー・アブレーション法等によって作製されるが、本発明に使用されるCNTはいずれの方法で得られたものでもよい。また、CNTには1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT(以下、SWCNTとも略記する)と、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT(以下、DWCNTとも略記する)と、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNT(MWCNT)とがあるが、本発明においては、SWCNT、DWCNT、MWCNTをそれぞれ単体で、または複数を組み合わせて使用できる。
なお、上記の方法でSWCNT、DWCNTまたはMWCNTを作製する際には、ニッケル、鉄、コバルト、イットリウムなどの触媒金属も残存することがあるため、この不純物を除去するための精製を必要とする場合がある。不純物の除去には、硝酸、硫酸などによる酸処理とともに超音波処理が有効である。しかし、硝酸、硫酸などによる酸処理ではCNTを構成するπ共役系が破壊され、CNT本来の特性が損なわれてしまう可能性があるため、適切な条件で精製して使用することが望ましい。
本発明で使用可能なCNTの具体例としては、スパーグロス法CNT〔国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構製〕、eDIPS‐CNT〔国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構製〕、SWNTシリーズ〔(株)名城ナノカーボン製:商品名〕、VGCFシリーズ〔昭和電工(株)製:商品名〕、FloTubeシリーズ〔CNano Technology社製:商品名〕、AMC〔宇部興産(株)製:商品名〕、NANOCYL NC7000シリーズ〔Nanocyl S.A. 社製:商品名〕、Baytubes〔BAYER社製:商品名〕、GRAPHISTRENGTH〔アルケマ社製:商品名〕、MWNT7〔保土谷化学工業(株)製:商品名〕、ハイペリオンCNT〔Hypeprion Catalysis International社製:商品名〕等が挙げられる。
分散剤としては、従来、CNT等の導電性炭素材料の分散剤として用いられているものから適宜選択することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、アクリル樹脂エマルジョン、水溶性アクリル系ポリマー、スチレンエマルジョン、シリコンエマルジョン、アクリルシリコンエマルジョン、フッ素樹脂エマルジョン、EVAエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、国際公開第2014/04280号記載のトリアリールアミン系高分岐ポリマー、国際公開第2015/029949号記載の側鎖にオキサゾリン基を有するポリマー等が挙げられるが、本発明においては、国際公開第2015/029949号記載の側鎖にオキサゾリン基を有するポリマーを含む分散剤を用いることが好ましい。
側鎖にオキサゾリン基を有するポリマー(以下、オキサゾリンポリマーという)としては、式(1)に示されるような2位に重合性炭素-炭素二重結合含有基を有するオキサゾリンモノマーをラジカル重合して得られる、オキサゾリン環の2位でポリマー主鎖またはスペーサー基に結合した繰り返し単位を有する、側鎖にオキサゾリン基を有するビニル系ポリマーが好ましい。
Figure 0007110986000002
上記Xは、重合性炭素-炭素二重結合含有基を表し、R1~R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、または炭素数7~20のアラルキル基を表す。
オキサゾリンモノマーが有する重合性炭素-炭素二重結合含有基としては、重合性炭素-炭素二重結合を含んでいれば特に限定されるものではないが、重合性炭素-炭素二重結合を含む鎖状炭化水素基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素数2~8のアルケニル基等が好ましい。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1~5のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数6~20のアリール基の具体例としては、フェニル基、キシリル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
炭素数7~20のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1)で示される2位に重合性炭素-炭素二重結合含有基を有するオキサゾリンモノマーの具体例としては、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-エチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-プロピル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-ブチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-エチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-プロピル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-ブチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-エチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-プロピル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-ブチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-プロピル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-ブチル-2-オキサゾリン等が挙げられるが、入手容易性などの点から、2-イソプロペニル-2-オキサゾリンが好ましい。
また、水系溶媒を用いて導電性組成物を調製することを考慮すると、オキサゾリンポリマーも水溶性であることが好ましい。
このような水溶性のオキサゾリンポリマーは、上記式(1)で表されるオキサゾリンモノマーのホモポリマーでもよいが、水への溶解性をより高めるため、上記オキサゾリンモノマーと親水性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとの少なくとも2種のモノマーをラジカル重合させて得られたものであることが好ましい。
親水性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、アクリル酸2-アミノエチルおよびその塩、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール、メタクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、メタクリル酸2-アミノエチルおよびその塩、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物が好適である。
また、オキサゾリンポリマーのCNT分散能に悪影響を及ぼさない範囲で、上記オキサゾリンモノマーおよび親水性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー以外のその他のモノマーを併用することができる。
その他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のα-オレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロオレフィン系モノマー;スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマーなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いるオキサゾリンポリマーの製造に用いられるモノマー成分において、オキサゾリンモノマーの含有率は、得られるオキサゾリンポリマーのCNT分散能をより高めるという点から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がより一層好ましい。なお、モノマー成分におけるオキサゾリンモノマーの含有率の上限値は100質量%であり、この場合は、オキサゾリンモノマーのホモポリマーが得られる。
一方、得られるオキサゾリンポリマーの水溶性をより高めるという点から、モノマー成分における親水性官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーの含有率は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がより一層好ましい。
また、モノマー成分におけるその他の単量体の含有率は、上述のとおり、得られるオキサゾリンポリマーのCNT分散能に影響を与えない範囲であり、また、その種類によって異なるため一概には決定できないが、5~95質量%、好ましくは10~90質量%の範囲で適宜設定すればよい。
オキサゾリンポリマーの平均分子量は特に限定されるものではないが、重量平均分子量が1,000~2,000,000が好ましく、2,000~1,000,000がより好ましい。
本発明で使用可能なオキサゾリンポリマーは、上記モノマーを従来公知のラジカル重合にて合成することができるが、市販品として入手することもでき、そのような市販品としては、例えば、エポクロスWS-300((株)日本触媒製、固形分濃度10質量%、水溶液)、エポクロスWS-700((株)日本触媒製、固形分濃度25質量%、水溶液)、エポクロスWS-500((株)日本触媒製、固形分濃度39質量%、水/1-メトキシ-2-プロパノール溶液)、Poly(2-ethyl-2-oxazoline)(Aldrich)、Poly(2-ethyl-2-oxazoline)(AlfaAesar)、Poly(2-ethyl-2-oxazoline)(VWR International,LLC)等が挙げられる。
なお、溶液として市販されている場合、そのまま使用しても、目的とする溶媒に置換してから使用してもよい。
本発明において、CNTと分散剤との混合比率は、質量比で1,000:1~1:100程度とすることができる。
また、組成物中における分散剤の濃度は、CNTを溶媒に分散させ得る濃度であれば特に限定されるものではないが、組成物中に0.001~30質量%程度とすることが好ましく、0.002~20質量%程度とすることがより好ましい。
さらに、組成物中におけるCNTの濃度は、目的とする導電層(アンダーコート層)の目付量や、要求される機械的、電気的、熱的特性などにおいて変化するものであり、また、少なくともCNTの一部が孤立分散し、本発明で規定される目付量で導電層(アンダーコート層)を作製できる限り任意であるが、組成物中に0.0001~30質量%程度とすることが好ましく、0.001~20質量%程度とすることがより好ましく、0.001~10質量%程度とすることがより一層好ましい。
増粘剤としては、従来、増粘剤として用いられているものから適宜選択することができるが、増粘効果および導電材の分散性を保つという観点から、分岐構造を持つ多糖類を含むものを用いることが好ましく、キサンタンガムを含むものを用いることがより好ましく、キサンタンガム単独で用いることがより一層好ましい。
キサンタンガムの平均分子量は特に限定されるものではないが、重量平均分子量10,000~50,000,000が好ましく、100,000~10,000,000がより好ましい。
キサンタンガムを含む増粘剤の添加量は、必要とする粘度に合わせて適宜設定すればよいが、塗工に最適な粘度の組成物を得るという観点から、全組成物に対して0.01~5質量%が好ましく、0.02~1質量%がより好ましい。また、アンダーコート層の導電性を保つという観点から、導電材とキサンタンガムを含む増粘剤との混合比率は、質量比で100:1~1:10程度が好ましい。
本発明で使用可能なキサンタンガムは、市販品として入手することができ、そのような市販品としては、例えば、KELZAN(三晶(株)製)、KELZAN ASX(三晶(株)製)、KELZAN AR(三晶(株)製)、KELTROL CG-SFT(三晶(株)製)、エコーガム(DSP五協フード&ケミカル(株)製)、SOAXAN(三菱化学フーズ(株)製)等が挙げられる。
溶媒としては、特に限定されるものではないが、本発明では、水を含む水系溶媒を用いることが好ましく、組成物の粘度等を考慮すると、水単独溶媒が好ましい。
水以外の溶媒としては、従来、導電性組成物の調製に用いられるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン(DME)などのエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などのアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノールなどのアルコール類;n-ヘプタン、n-ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類等の有機溶媒が挙げられ、これらの溶媒は、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。
特に、CNTの孤立分散の割合を向上させ得るという点から、NMP、DMF、THF、メタノール、イソプロパノールが好ましく、これらの溶媒は、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。
本発明の導電性組成物には、マトリックスとなる高分子を添加してもよい。マトリックス高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔P(VDF-HFP)〕、フッ化ビニリデン-塩化3フッ化エチレン共重合体〔P(VDF-CTFE)〕などのフッ素系樹脂、ポリビニルピロリドン、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)、EEA(エチレン-アクリル酸エチル共重合体)などのポリオレフィン系樹脂;PS(ポリスチレン)、HIPS(ハイインパクトポリスチレン)、AS(アクリロニトリル-スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、MS(メタクリル酸メチル-スチレン共重合体)、スチレン-ブタジエンゴムなどのポリスチレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアクリル酸ナトリウム、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などの(メタ)アクリル樹脂;PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、PLA(ポリ乳酸)、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート/アジペートなどのポリエステル樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;変性ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;ポリグルコール酸;変性でんぷん;酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、三酢酸セルロース;キチン、キトサン;リグニン等の熱可塑性樹脂や、ポリアニリンおよびその半酸化体であるエメラルジンベース;ポリチオフェン;ポリピロール;ポリフェニレンビニレン;ポリフェニレン;ポリアセチレン等の導電性高分子、さらにはエポキシ樹脂;ウレタンアクリレート;フェノール樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂などが挙げられるが、本発明の導電性炭素材料分散液においては、溶媒として水を用いることが好適であることから、マトリックス高分子としても水溶性のもの、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、水溶性セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレングリコール等が挙げられるが、特に、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が好適である。
マトリックス高分子は、市販品として入手することもでき、そのような市販品としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、重合度2,700~7,500)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬工業(株)製)、アルギン酸ナトリウム(関東化学(株)製、鹿1級)、メトローズSHシリーズ(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)、メトローズSEシリーズ(ヒドロキシエチルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)、JC-25(完全ケン化型ポリビニルアルコール、日本酢ビ・ポバール(株)製)、JM-17(中間ケン化型ポリビニルアルコール、日本酢ビ・ポバール(株)製)、JP-03(部分ケン化型ポリビニルアルコール、日本酢ビ・ポバール(株)製)、ポリスチレンスルホン酸(Aldrich社製、固形分濃度18質量%、水溶液)等が挙げられる。
マトリックス高分子の含有量は、特に限定されるものではないが、組成物中に、0.0001~99質量%程度とすることが好ましく、0.001~90質量%程度とすることがより好ましい。
なお、本発明の導電性組成物には、用いる分散剤と架橋反応を起こす架橋剤や、自己架橋する架橋剤を含んでいてもよい。これらの架橋剤は、使用する溶媒に溶解することが好ましい。
オキサゾリンポリマーの架橋剤としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、スルフィン酸基、エポキシ基等のオキサゾリン基との反応性を有する官能基を2個以上有する化合物であれば特に限定されるものではないが、カルボキシル基を2個以上有する化合物が好ましい。なお、薄膜形成時の加熱や、酸触媒の存在下で上記官能基が生じて架橋反応を起こす官能基、例えば、カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等を有する化合物も架橋剤として用いることができる。
オキサゾリン基と架橋反応を起こす化合物の具体例としては、酸触媒の存在下で架橋反応性を発揮する、ポリアクリル酸やそのコポリマー等の合成高分子およびカルボキシメチルセルロースやアルギン酸といった天然高分子の金属塩、加熱により架橋反応性を発揮する、上記合成高分子および天然高分子のアンモニウム塩等が挙げられるが、特に、酸触媒の存在下や加熱条件下で架橋反応性を発揮するポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸アンモニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースリチウム、カルボキシメチルセルロースアンモニウム等が好ましい。
このようなオキサゾリン基と架橋反応を起こす化合物は、市販品として入手することもでき、そのような市販品としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、重合度2,700~7,500)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬工業(株)製)、アルギン酸ナトリウム(関東化学(株)製、鹿1級)、アロンA-30(ポリアクリル酸アンモニウム、東亞合成(株)製、固形分濃度32質量%、水溶液)、DN-800H(カルボキシメチルセルロースアンモニウム、ダイセルファインケム(株)製)、アルギン酸アンモニウム((株)キミカ製)等が挙げられる。
自己架橋する架橋剤としては、例えば、水酸基に対してアルデヒド基、エポキシ基、ビニル基、イソシアネート基、アルコキシ基、カルボキシル基に対してアルデヒド基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基に対してイソシアネート基、アルデヒド基などの、互いに反応する架橋性官能基を同一分子内に有している化合物や、同じ架橋性官能基同士で反応する水酸基(脱水縮合)、メルカプト基(ジスルフィド結合)、エステル基(クライゼン縮合)、シラノール基(脱水縮合)、ビニル基、アクリル基などを有している化合物などが挙げられる。
自己架橋する架橋剤の具体例としては、酸触媒の存在下で架橋反応性を発揮する多官能アクリレート、テトラアルコキシシラン、ブロックイソシアネート基を有するモノマーおよび水酸基、カルボン酸、アミノ基の少なくとも1つを有するモノマーのブロックコポリマーなどが挙げられる。
このような自己架橋する架橋剤は、市販品として入手することもでき、そのような市販品としては、例えば、多官能アクリレートでは、A-9300(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、新中村化学工業(株)製)、A-GLY-9E(Ethoxylated glycerine triacrylate(EO9mol)、新中村化学工業(株)製)、A-TMMT(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、新中村化学工業(株)製)、テトラアルコキシシランでは、テトラメトキシシラン(東京化成工業(株)製)、テトラエトキシシラン(東横化学(株)製)、ブロックイソシアネート基を有するポリマーでは、エラストロンシリーズE-37、H-3、H38、BAP、NEW BAP-15、C-52、F-29、W-11P、MF-9、MF-25K(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
これら架橋剤の添加量は、使用する溶媒、使用する基材、要求される粘度、要求される膜形状などにより変動するが、分散剤に対して0.001~80質量%、好ましくは0.01~50質量%、より好ましくは0.05~40質量%である。これら架橋剤は自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、分散剤と架橋反応を起こすものであり、分散剤中に架橋性置換基が存在する場合はそれらの架橋性置換基により架橋反応が促進される。
本発明では、架橋反応を促進するための触媒として、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸等の酸性化合物、および/または2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、有機スルホン酸アルキルエステル等の熱酸発生剤を添加する事ができる。
触媒の添加量はCNT分散剤に対して、0.0001~20質量%、好ましくは0.0005~10質量%、より好ましくは0.001~3質量%である。
さらに、本発明の導電性組成物には、組成物の保存安定性を改善するために、安定剤として塩基性化合物を添加することが好ましく、保存安定性をより高めることを考慮すると、pKaが6以上の塩基性化合物を添加することが好適である。なお、pKaの上限は、安定化効果が奏される限り特に限定されるものではないが、本発明では、通常20程度であり、好ましくは、15以下である。
安定剤として使用可能な塩基性化合物としては、特に限定されるものではないが、本発明では、特に、アンモニアまたはアミン系化合物が好ましい。
アミン系化合物の好適例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、s-ブチルアミン、t-ブチルアミン等の鎖状アルキルアミン化合物;シクロヘキシルアミン、キヌクリジン、モルホリン等の脂環状アミン化合物;ベンジルアミン等のアラルキルアミン;イミダゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール等の含窒素ヘテロ環化合物などが挙げられる。
これらの中でも、アンモニア、シクロヘキシルアミン、モルホリンが好ましい。
安定剤の添加量は、安定化効果が奏される限り特に限定されるものではないが、増粘剤として用いるキサンタンガムのカルボン酸基に対して1~50当量程度とすることができるが、3~30当量が好ましく、5~25当量がより好ましい。
特に、アンモニアを使用する場合、組成物の安定化効果向上という点から、その添加量は、キサンタンガムのカルボン酸基に対して5~20当量が好ましく、10~20当量がより好ましい。
本発明の導電性組成物の調製法は、特に限定されるものではなく、導電材、分散剤、増粘剤および溶媒、並びに必要に応じて用いられるマトリックスポリマー、架橋剤および安定剤を任意の順序で混合して分散液を調製すればよい。
この際、混合物を分散処理することが好ましく、この処理により、CNT等の導電材の分散割合をより向上させることができる。分散処理としては、機械的処理である、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル等を用いる湿式処理や、バス型やプローブ型のソニケータを用いる超音波処理が挙げられるが、特に、ジェットミルを用いた湿式処理や超音波処理が好適である。
分散処理の時間は任意であるが、1分間から10時間程度が好ましく、5分間から5時間程度がより好ましい。この際、必要に応じて加熱処理を施しても構わない。
なお、マトリックスポリマー等の任意成分を用いる場合、これらは、分散剤、導電材、増粘剤および溶媒からなる混合物を調製した後から加えてもよい。
以上で説明した導電性組成物を集電基板の少なくとも一方の面に塗布し、これを自然または加熱乾燥し、アンダーコート層を形成して本発明のアンダーコート箔を作製することができる。
アンダーコート層の厚みは、得られるデバイスの内部抵抗を低減することを考慮すると、1nm~10μmが好ましく、1nm~1μmがより好ましく、1~500nmがより一層好ましい。
アンダーコート層の膜厚は、例えば、アンダーコート箔から適当な大きさの試験片を切り出し、それを手で裂く等の手法により断面を露出させ、走査電子顕微鏡(SEM)等の顕微鏡観察により、断面部分でアンダーコート層が露出した部分から求めることができる。
集電基板の一面あたりのアンダーコート層の目付量は、上記膜厚を満たす限り特に限定されるものではないが、3g/m2以下が好ましく、1g/m2以下がより好ましく、0.05g/m2未満がより一層好ましい。
一方、アンダーコート層の機能を担保して優れた特性の電池を再現性よく得るため、集電基板の一面あたりのアンダーコート層の目付量を好ましくは0.001g/m2以上、より好ましくは0.005g/m2以上、より一層好ましくは0.01g/m2以上、さらに好ましくは0.015g/m2以上とする。
なお、アンダーコート層の目付量は、アンダーコート層の面積(m2)に対するアンダーコート層の質量(g)の割合であり、アンダーコート層がパターン状に形成されている場合、当該面積はアンダーコート層のみの面積であり、パターン状に形成されたアンダーコート層の間に露出する集電基板の面積を含まない。
アンダーコート層の質量は、例えば、アンダーコート箔から適当な大きさの試験片を切り出し、その質量W0を測定し、その後、アンダーコート箔からアンダーコート層を剥離し、アンダーコート層を剥離した後の質量W1を測定し、その差(W0-W1)から算出する、あるいは、予め集電基板の質量W2を測定しておき、その後、アンダーコート層を形成したアンダーコート箔の質量W3を測定し、その差(W3-W2)から算出することができる。
アンダーコート層を剥離する方法としては、例えばアンダーコート層が溶解、もしくは膨潤する溶剤に、アンダーコート層を浸漬させ、布等でアンダーコート層をふき取るなどの方法が挙げられる。
目付量や膜厚は、公知の方法で調整することができる。例えば、塗布によりアンダーコート層を形成する場合、アンダーコート層を形成するための塗工液(アンダーコート層形成用組成物)の固形分濃度、塗布回数、塗工機の塗工液投入口のクリアランスなどを変えることで調整できる。
目付量や膜厚を多くしたい場合は、固形分濃度を高くしたり、塗布回数を増やしたり、クリアランスを大きくしたりする。目付量や膜厚を少なくしたい場合は、固形分濃度を低くしたり、塗布回数を減らしたり、クリアランスを小さくしたりする。
集電基板としては、従来、エネルギー貯蔵デバイス電極の集電基板として用いられているものから適宜選択すればよく、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀およびそれらの合金や、カーボン材料、金属酸化物、導電性高分子等の薄膜を用いることができるが、超音波溶接等の溶接を適用して電極構造体を作製する場合、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀およびそれらの合金からなる金属箔を用いることが好ましい。
集電基板の厚みは特に限定されるものではないが、本発明においては、1~100μmが好ましい。
導電性組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、スリットコート法、ロールコート法、フレキソ印刷法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法などが挙げられるが、作業効率等の点から、インクジェット法、キャスティング法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、ダイコート法が好適である。
加熱乾燥する場合の温度も任意であるが、50~200℃程度が好ましく、80~150℃程度がより好ましい。
本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極は、上記アンダーコート層上に、活物質層を形成して作製することができる。
本発明におけるエネルギー貯蔵デバイスとしては、例えば、電気二重層キャパシタ、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、プロトンポリマー電池、ニッケル水素電池、アルミ固体コンデンサ、電解コンデンサ、鉛蓄電池等の各種エネルギー貯蔵デバイスが挙げられるが、本発明のアンダーコート箔は、特に、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池に好適に用いることができる。
ここで、活物質としては、従来、エネルギー貯蔵デバイス電極に用いられている各種活物質を用いることができる。
例えば、リチウム二次電池やリチウムイオン二次電池の場合、正極活物質としてリチウムイオンを吸着・離脱可能なカルコゲン化合物またはリチウムイオン含有カルコゲン化合物、ポリアニオン系化合物、硫黄単体およびその化合物等を用いることができる。
このようなリチウムイオンを吸着離脱可能なカルコゲン化合物としては、例えばFeS2、TiS2、MoS2、V26、V613、MnO2等が挙げられる。
リチウムイオン含有カルコゲン化合物としては、例えばLiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiMo24、LiV38、LiNiO2、LixNiy1-y2(但し、Mは、Co、Mn、Ti、Cr,V、Al、Sn、Pb、およびZnから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を表し、0.05≦x≦1.10、0.5≦y≦1.0)などが挙げられる。
ポリアニオン系化合物としては、例えばLiFePO4等が挙げられる。
硫黄化合物としては、例えばLi2S、ルベアン酸等が挙げられる。
一方、上記負極を構成する負極活物質としては、アルカリ金属、アルカリ合金、リチウムイオンを吸蔵・放出する周期表4~15族の元素から選ばれる少なくとも1種の単体、酸化物、硫化物、窒化物、またはリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な炭素材料を使用することができる。
アルカリ金属としては、Li、Na、K等が挙げられ、アルカリ金属合金としては、例えば、Li-Al、Li-Mg、Li-Al-Ni、Na-Hg、Na-Zn等が挙げられる。
リチウムイオンを吸蔵放出する周期表4~15族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の単体としては、例えば、ケイ素やスズ、アルミニウム、亜鉛、砒素等が挙げられる。
同じく酸化物としては、例えば、スズケイ素酸化物(SnSiO3)、リチウム酸化ビスマス(Li3BiO4)、リチウム酸化亜鉛(Li2ZnO2)、リチウム酸化チタン(Li4Ti512)、酸化チタン等が挙げられる。
同じく硫化物としては、リチウム硫化鉄(LixFeS2(0≦x≦3))、リチウム硫化銅(LixCuS(0≦x≦3))等が挙げられる。
同じく窒化物としては、リチウム含有遷移金属窒化物が挙げられ、具体的には、LixyN(M=Co、Ni、Cu、0≦x≦3、0≦y≦0.5)、リチウム鉄窒化物(Li3FeN4)等が挙げられる。
リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な炭素材料としては、グラファイト、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、カーボンナノチューブ、またはこれらの焼結体等が挙げられる。
また、電気二重層キャパシタの場合、活物質として炭素質材料を用いることができる。
この炭素質材料としては、活性炭等が挙げられ、例えば、フェノール樹脂を炭化後、賦活処理して得られた活性炭が挙げられる。
活物質層は、以上で説明した活物質と、以下で説明するバインダーポリマーおよび必要に応じて溶媒を合わせて作製した電極スラリーを、アンダーコート層上に塗布し、自然または加熱乾燥して形成することができる。
バインダーポリマーとしては、公知の材料から適宜選択して用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔P(VDF-HFP)〕、フッ化ビニリデン-塩化3フッ化エチレン共重合体〔P(VDF-CTFE)〕、ポリビニルアルコール、ポリイミド、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、スチレン-ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアニリン等の導電性高分子などが挙げられる。
なお、バインダーポリマーの添加量は、活物質100質量部に対して、0.1~20質量部、特に、1~10質量部が好ましい。
溶媒としては、上記導電性組成物で例示した溶媒が挙げられ、それらの中からバインダーの種類に応じて適宜選択すればよいが、PVdF等の非水溶性のバインダーの場合はNMPが好適であり、PAA等の水溶性のバインダーの場合は水が好適である。
なお、上記電極スラリーは、導電助剤を含んでいてもよい。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
電極スラリーの塗布方法としては、上述した導電性組成物と同様の手法が挙げられる。
また、加熱乾燥する場合の温度も任意であるが、50~400℃程度が好ましく、80~150℃程度がより好ましい。
また電極は、必要に応じてプレスすることができる。プレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特に金型プレス法やロールプレス法が好ましい。ロールプレス法でのプレス圧は、特に限定されないが、0.2~3ton/cmが好ましい。
本発明に係るエネルギー貯蔵デバイスは、上述したエネルギー貯蔵デバイス電極を備えたものであり、より具体的には、少なくとも一対の正負極と、これら各極間に介在するセパレータと、電解質とを備えて構成され、正負極の少なくとも一方が、上述したエネルギー貯蔵デバイス電極から構成される。
このエネルギー貯蔵デバイスは、電極として上述したエネルギー貯蔵デバイス電極を用いることにその特徴があるため、その他のデバイス構成部材であるセパレータや、電解質などは、公知の材料から適宜選択して用いることができる。
セパレータとしては、例えば、セルロース系セパレータ、ポリオレフィン系セパレータなどが挙げられる。
電解質としては、液体、固体のいずれでもよく、また水系、非水系のいずれでもよいが、本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極は、非水系電解質を用いたデバイスに適用した場合にも実用上十分な性能を発揮させ得る。
非水系電解質としては、電解質塩を非水系有機溶媒に溶かしてなる非水系電解液が挙げられる。
電解質塩としては、4フッ化硼酸リチウム、6フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のリチウム塩;テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラプロピルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルトリエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムパークロレート等の4級アンモニウム塩、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド等のリチウムイミドなどが挙げられる。
非水系有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類などが挙げられる。
エネルギー貯蔵デバイスの形態は特に限定されるものではなく、円筒型、扁平巻回角型、積層角型、コイン型、扁平巻回ラミネート型、積層ラミネート型等の従来公知の各種形態のセルを採用することができる。
コイン型に適用する場合、上述した本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極を、所定の円盤状に打ち抜いて用いればよい。
例えば、リチウムイオン二次電池は、コインセルのワッシャーとスペーサーが溶接されたフタに、一方の電極を設置し、その上に、電解液を含浸させた同形状のセパレータを重ね、さらに上から、活物質層を下にして本発明のエネルギー貯蔵デバイス電極を重ね、ケースとガスケットを載せて、コインセルかしめ機で密封して作製することができる。
積層ラミネート型に適用する場合、活物質層がアンダーコート層表面の一部又は全面に形成された電極における、活物質層が形成されていない部分(溶接部)で金属タブと溶接して得られた電極構造体を用いればよい。なお、アンダーコート層が形成され、かつ、活物質層が形成されていない部分で溶接する場合、集電基板の一面あたりのアンダーコート層の目付量を好ましくは0.1g/m2以下、より好ましくは0.09g/m2以下、より一層好ましくは0.05g/m2未満とする。
この場合、電極構造体を構成する電極は一枚でも複数枚でもよいが、一般的には、正負極とも複数枚が用いられる。
正極を形成するための複数枚の電極は、負極を形成するための複数枚の電極板と、一枚ずつ交互に重ねることが好ましく、その際、正極と負極の間には上述したセパレータを介在させることが好ましい。
金属タブは、複数枚の電極の最も外側の電極の溶接部で溶接しても、複数枚の電極のうち、任意の隣接する2枚の電極の溶接部間に金属タブを挟んで溶接してもよい。
金属タブの材質は、一般的にエネルギー貯蔵デバイスに使用されるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅などの金属;ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム合金、チタン合金、銅合金などの合金などが挙げられるが、溶接効率を考慮すると、アルミニウム、銅およびニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を含んで構成されるものが好ましい。
金属タブの形状は、箔状が好ましく、その厚さは0.05~1mm程度が好ましい。
溶接方法は、金属同士の溶接に用いられる公知の方法を用いることができ、その具体例としては、TIG溶接、スポット溶接、レーザー溶接、超音波溶接などが挙げられるが、超音波溶接にて電極と金属タブとを接合することが好ましい。
超音波溶接の手法としては、例えば、複数枚の電極をアンビルとホーンとの間に配置し、溶接部に金属タブを配置して超音波をかけて一括して溶接する手法や、電極同士を先に溶接し、その後、金属タブを溶接する手法などが挙げられる。
本発明では、いずれの手法でも、金属タブと電極とが上記溶接部で溶接されるだけでなく、複数枚の電極同士も互いに超音波溶接されることになる。
溶接時の圧力、周波数、出力、処理時間等は、特に限定されるものではなく、用いる材料やアンダーコート層の有無、目付量などを考慮して適宜設定すればよい。
以上のようにして作製した電極構造体を、ラミネートパックに収納し、上述した電解液を注入した後、ヒートシールすることでラミネートセルが得られる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、使用した測定装置は以下のとおりである。
(1)プローブ型超音波照射装置
装置:Hielscher Ultrasonics社製、UIP1000
(2)ワイヤーバーコーター
装置:(株)エスエムテー製、PM-9050MC
(3)充放電測定装置
装置:東洋システム(株)製、TOSCAT 3100
(4)ホモディスパー
装置:プライミクス(株)製、T.K.ロボミックス(ホモディスパー2.5型(φ32)付き)
(5)薄膜旋回型高速ミキサー
装置:プライミクス(株)製、フィルミクス40型
(6)自転・公転ミキサー
装置:(株)シンキー製、あわとり錬太郎ARE-310
(7)ロールプレス機
装置:宝泉(株)製、超小型卓上熱ロールプレス機HSR-60150H
(8)コインセルかしめ機
装置:宝泉(株)製、手動コインカシメ機CR2032
(9)走査電子顕微鏡(SEM)
装置:日本電子(株)製、JSM-7400F
(10)粘度計
装置:東機産業(株)製、VISCOMETER TVE-22L
[1]アンダーコート液の製造
[実施例1-1]
分散剤としてオキサゾリンポリマーを含む水溶液であるエポクロスWS-700((株)日本触媒製、固形分濃度25質量%、Mw=4×104、オキサゾリン基量4.5mmol/g)2.0gと、蒸留水47.5gとを混合し、そこへMWCNT(Nanocyl社製NC7000、外径10nm)0.5gを混合した。得られた混合物に対して、プローブ型超音波照射装置を用いて室温で30分間超音波処理を行い、沈降物がなくMWCNTが均一に分散した黒色のMWCNT含有分散液A1を得た。
得られたMWCNT含有分散液5gに、ポリアクリル酸アンモニウムを含む水溶液であるアロンA-30(東亞合成(株)製、固形分濃度30.8質量%)64.9mgと、エポクロスWS-700 15.2mgと、増粘剤として、キサンタンガム(KELZAN、三晶(株)製)の1質量%水溶液2gと、蒸留水2.92gとを加えて撹拌し、アンダーコート液B1を得た。得られたアンダーコート液B1は、沈降等がない分散液として得られ、その粘度は500mPa・sであった。
[比較例1-1]
増粘剤として、キサンタンガムのかわりにカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(NaCMC、アズワン製)を用いた以外は、実施例1と同様にアンダーコート液B2を作製した。得られたアンダーコート液B2は、黒色の沈降が見られ、分散性が低下していた。
[比較例1-2]
増粘剤として、キサンタンガムのかわりにカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩(NH4CMC、(株)ダイセル製、DN800H)を用いた以外は、実施例1と同様にアンダーコート液B3を作製した。得られたアンダーコート液B3は、黒色の沈降が見られ、分散性が低下していた。
[比較例1-3]
増粘剤として、キサンタンガムのかわりにメチルセルロース(MC、信越化学工業(株)製、SM-100)を用いた以外は、実施例1と同様にアンダーコート液B4を作製した。得られたアンダーコート液B4は、10分程度でゲル化した。
[比較例1-4]
増粘剤として、キサンタンガムのかわりにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、信越化学工業(株)製、65SH-4000)を用いた以外は、実施例1と同様にアンダーコート液B5を作製した。得られたアンダーコート液B5は、10分程度でゲル化した。
[比較例1-5]
キサンタンガムを加えなかった以外は、実施例1と同様にアンダーコート液B6を作製した。得られたアンダーコート液B6は、沈降等がない分散液として得られ、その粘度は29mPa・sであった。
上記実施例1-1および比較例1-1~1-5のまとめを表1に示す。
Figure 0007110986000003
表1に示されるように、比較例1-1~1-4で使用したセルロース系の増粘剤は、MWCNT含有分散液に添加することでゲル化等が起こるため、これらの組成物はアンダーコート液として使用することができない。また、比較例1-5で示したように、増粘剤を加えないと粘度は29mPa・sと低い。一方、増粘剤としてキサンタンガムを使用した実施例1-1では、分散性が維持されるうえに、500mPa・s程度と、高い粘度をもつアンダーコート液を作製できていることがわかる。
[実施例1-2]
実施例1-1で得られたMWCNT含有分散液A1 6.9gに、アロンA-30 89.6mgと、エポクロスWS-700 21.0mgと、増粘剤として、キサンタンガムの1質量%水溶液2.76gと、蒸留水229mgとを加えて撹拌し、アンダーコート液B7を得た。得られたアンダーコート液B7は、沈降等がない分散液として得られ、その粘度は1012mPa・sであった。
[比較例1-6]
増粘剤として、キサンタンガムのかわりにカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(NaCMC、アズワン(株)製)を用いた以外は、実施例1-2と同様にして、アンダーコート液B8を作製した。得られたアンダーコート液B8は、黒色の沈降が見られ、分散性が低下していた。
[比較例1-7]
増粘剤として、キサンタンガムのかわりにカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩(NH4CMC、(株)ダイセル製、DN800H)を用いた以外は、実施例1-2と同様にして、アンダーコート液B9を作製した。得られたアンダーコート液B9は、黒色の沈降が見られ、分散性が低下していた。
[比較例1-8]
増粘剤として、キサンタンガムのかわりにメチルセルロース(MC、信越化学工業(株)製、SM-100)を用いた以外は、実施例1-2と同様にして、アンダーコート液B10を作製した。得られたアンダーコート液B10は、すぐにゲル化した。
[比較例1-9]
増粘剤として、キサンタンガムのかわりにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、信越化学工業(株)製、65SH-4000)を用いた以外は、実施例1-2と同様にして、アンダーコート液B11を作製した。得られたアンダーコート液B11は、すぐにゲル化した。
上記実施例1-2および比較例1-6~1-9のまとめを表2に示す。
Figure 0007110986000004
表2に示されるように、さらにアンダーコート液の粘度を高めることを目的に、固形分比率を変更せずに固形分濃度を上昇させた場合、増粘剤としてキサンタンガムを使用した実施例1-2では、分散性を低下させることなく、1000mPa・s程度と、さらに高い粘度をもつアンダーコート液を作製できていることがわかる。
[2]LFPを活物質に用いた電極及びリチウムイオン電池の製造
[実施例2-1]
実施例1-1で得られたアンダーコート液B1を、集電基板であるアルミ箔(厚み15μm)にワイヤーバーコーター(OSP13、ウェット膜厚13μm)で均一に展開後、150℃で20分乾燥してアンダーコート層を形成し、アンダーコート箔C1を作製した。アンダーコート箔を裂いて、SEMにより断面を観察したところ、アンダーコート層の厚みは約100nmであった。
活物質としてリン酸鉄リチウム(LFP、TATUNG FINE CHEMICALS CO.)13.9g、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)の水分散液(48.5質量%、JSR(株)製TRD2001)0.550g、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩(NH4CMC、(株)ダイセル製DN-800H)0.267gおよび純水15.3gを、ホモディスパーにて8,000rpmで5分間混合した。次いで、薄膜旋回型高速ミキサーを用いて周速25m/秒で60秒の混合処理をし、さらに自転・公転ミキサーにて2,200rpmで30秒脱泡して電極スラリー(固形分濃度48質量%、LFP:SBR:NH4CMC=104:2:2(質量比))を作製した。
得られた電極スラリーを、アンダーコート箔C1に均一(ウェット膜厚200μm)に展開後、80℃で30分、次いで120℃で30分乾燥してアンダーコート層上に活物質層を形成し、さらにロールプレス機で圧着して活物質層の厚み70μm、密度1.86g/cm3の電極を作製した。
得られた電極を、直径10mmの円盤状に打ち抜き、質量を測定した後、100℃で15時間真空乾燥し、アルゴンで満たされたグローブボックスに移した。
2032型のコインセル(宝泉(株)製)のワッシャーとスペーサーが溶接されたフタに、直径14mmに打ち抜いたリチウム箔(本荘ケミカル(株)製、厚み0.17mm)を6枚重ねたものを設置し、その上に、電解液(キシダ化学(株)製、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1(体積比)、電解質であるリチウムヘキサフルオロホスフェートを1mol/L含む。)を24時間以上染み込ませた、直径16mmに打ち抜いたセパレータ(セルガード(株)製、2400)を一枚重ねた。さらに上から、活物質を塗布した面を下にして電極B1を重ねた。電解液を1滴滴下した後、ケースとガスケットを載せて、コインセルかしめ機で密封した。その後24時間静置し、試験用の二次電池とした。
[実施例2-2]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7を用いた以外は、実施例2-1と同様にして、アンダーコート箔C7を作製した。アンダーコート箔を裂いて、SEMにより断面を観察したところ、アンダーコート層の厚みは約160nmであった。さらに、得られたアンダーコート箔C7を用い、実施例2-1と同様にして試験用の二次電池を作製した。
[比較例2-1]
無垢のアルミ箔を用いた以外は、実施例2-1と同様にして試験用の二次電池を作製した。
実施例2-1~2-2および比較例2-1で作製したリチウムイオン二次電池について、充放電測定装置を用いて電極の物性を下記の条件で評価した。5C放電時の容量を表3に示す。
・電流:0.5C定電流充電、5C定電流放電(LFPの容量を170mAh/gとした)
・カットオフ電圧:4.50V-2.00V
・温度:室温
Figure 0007110986000005
表3に示されるように、実施例2-1と比較例2-1を比較した場合、実施例2-1ではアンダーコート箔を用いているため、電池の抵抗が低く、5C放電時の容量が大きくなっていることがわかる。
また、実施例2-2で作製した二次電池の結果から、アンダーコート液の固形分濃度を高めて高粘度化しても、作製されるアンダーコート箔の性能には変化がないことがわかる。
[3]TiO2(B)を活物質に用いた電極およびリチウムイオン電池の製造
[実施例3-1]
活物質としてJ. Electrochem. Soc., 159(1), A49-A54 (2012)に記載の方法で合成したTiO2(B)9.53g、バインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)の水分散液(48.5質量%、JSR(株)製TRD2001)0.378g、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩(NH4CMC、(株)ダイセル製DN-800H)0.183gおよび純水19.9gを、ホモディスパーにて6,000rpmで5分間混合した。次いで、薄膜旋回型高速ミキサーを用いて周速25m/秒で60秒の混合処理をし、さらに自転・公転ミキサーにて2,200rpmで30秒脱泡して電極スラリー(固形分濃度33質量%、TiO2(B):SBR:NH4CMC=104:2:2(質量比))を作製した。
得られた電極スラリーを、実施例2-1で得られたアンダーコート箔C1に均一(ウェット膜厚200μm)に展開後、80℃で30分、次いで120℃で30分乾燥してアンダーコート層上に活物質層を形成し、さらにロールプレス機で圧着することで、活物質層の厚み45μmの電極を作製した。
得られた電極を、直径10mmの円盤状に打ち抜き、質量を測定した後、100℃で15時間真空乾燥し、アルゴンで満たされたグローブボックスに移した。
2032型のコインセル(宝泉(株)製)のワッシャーとスペーサーが溶接されたフタに、直径14mmに打ち抜いたリチウム箔(本荘ケミカル(株)製、厚み0.17mm)を6枚重ねたものを設置し、その上に、電解液(キシダ化学(株)製、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1(体積比)、電解質であるリチウムヘキサフルオロホスフェートを1mol/L含む。)を24時間以上染み込ませた、直径16mmに打ち抜いたセパレータ(セルガード(株)製、2400)を一枚重ねた。さらに上から、活物質を塗布した面を下にして電極C1を重ねた。電解液を1滴滴下したのち、ケースとガスケットを載せて、コインセルかしめ機で密封した。その後24時間静置し、試験用の二次電池とした。
[実施例3-2]
実施例2-2で得られたアンダーコート箔C7を用いた以外は、実施例3-1と同様にして試験用の二次電池を作製した。
[比較例3-1]
無垢のアルミ箔を用いた以外は、実施例3-1と同様にして試験用の二次電池を作製した。
実施例3-1,3-2および比較例3-1で作製したリチウムイオン二次電池について、充放電測定装置を用いて電極の物性を下記の条件で評価した。各二次電池の0.5C放電時の容量を表4に示す。
[測定条件]
・電流:0.5C定電流充電、0.5C定電流放電(TiO2(B)の容量を336mAh/gとし、最初に0.1Cにて5サイクル充放電を行った後、充放電レートを0.5Cとした)
・カットオフ電圧:3.00V-1.00V
・温度:室温
Figure 0007110986000006
表4に示されるように、活物質としてTiO2(B)を用いた場合にも、実施例3-1と比較例3-1を比較した場合、アンダーコート箔を用いている実施例3-1の二次電池では、抵抗が低いため、0.5C放電時の容量が大きくなっていることがわかる。
また、実施例3-2で作製した二次電池の結果から、アンダーコート液の固形分濃度を高めて高粘度化しても、製造されるアンダーコート箔の性能には変化がないことがわかる。
[4]安定剤を含むアンダーコート液の製造
[実施例4-1]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7 10gに対し、0.58%のアンモニア水(純正化学(株)製、29%アンモニア水を純水にて希釈)0.87gと純水0.87gを加え、アンダーコート液B12を得た。
[実施例4-2]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7 10gに対し、0.58%のアンモニア水1.305gと純水0.435gを加え、アンダーコート液B13を得た。
[実施例4-3]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7 10gに対し、0.58%のアンモニア水1.74gを加え、アンダーコート液B14を得た。
[実施例4-4]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7 10gに対し、0.58%のアンモニア水0.435gと純水1.305gを加え、アンダーコート液B15を得た。
[実施例4-5]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7 10gに対し、純水1.74gを加え、アンダーコート液B16を得た。
上記実施例4-1~4-5で作製したアンダーコート液について、50℃の恒温槽に保存し、保存安定性を調べた。粘度測定の結果を表5に示す。
Figure 0007110986000007
表5に示されるように、実施例4-5のキサンタンガムを増粘剤として含むアンダーコート液は、作製直後は流動性のあるコート液であるが、高温保存時においては、3日程度でゲル化してしまう。
これに対し、キサンタンガムのカルボン酸基を中和するアンモニアを共存させた実施例4-1~4-4のアンダーコート液では、保存安定性が改善され、50℃で17日保存してもゲル化が生じないことがわかる。特に、実施例4-1,4-2で作製したアンダーコート液は、50℃で17日保存しても、粘度に大きな変化が見られないことがわかる。
以上のことから、キサンタンガムを増粘剤として含むアンダーコート液の保存安定性を向上させるためには、キサンタンガムのカルボン酸基に対して5~20当量のアンモニアを添加することが好適であることがわかる。
[実施例4-6]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7 10gに対し、モルホリン(東京化成工業(株)製)を0.0516gと純水5.11gを加え、アンダーコート液B17を得た。
[実施例4-7]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7 10gに対し、ピリジン(和光純薬工業(株)製)を0.0469gと純水5.11gを加え、アンダーコート液B18を得た。
[実施例4-8]
実施例1-2で得られたアンダーコート液B7 10gに対し、純水5.16gを加え、アンダーコート液B19を得た。
前記実施例4-6~4-7で作製したアンダーコート液について、50℃の恒温槽に保存し、保存安定性を調べた。粘度測定の結果を表6に示す。
Figure 0007110986000008
表6に示されたように、pKa9.2のアンモニアより塩基性の弱いpKa8.5のモルホリンを用いても、アンモニアと同様、キサンタンガムを増粘剤としてもつアンダーコート液の保存安定性を改善することができることがわかる。
一方、塩基性がさらに低いpKa5.2のピリジンを用いると、保存安定性が十分に改善できないことがわかる。
以上のことから、キサンタンガムを増粘剤として含むアンダーコート液の保存安定性の改善には、pKaが6以上の塩基性化合物を安定剤として用いることが好適であることがわかる。

Claims (16)

  1. 導電材、分散剤、増粘剤、安定剤としてpKaが6以上である塩基性化合物および溶媒を含み、
    前記導電材が、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、カーボンナノチューブ、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、ITO、酸化ルテニウム、アルミニウム、およびニッケルから選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記塩基性化合物が、アンモニア、シクロヘキシルアミン、またはモルホリンであり、
    前記増粘剤が、分岐構造を持つ多糖類を含み、
    25℃におけるE型粘度計による粘度が、20~50,000mPa・sであることを特徴とする導電性組成物。
  2. 導電材、分散剤、増粘剤、安定剤としてpKaが6以上である塩基性化合物および溶媒を含み、
    前記導電材が、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、カーボンナノチューブ、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、ITO、酸化ルテニウム、アルミニウム、およびニッケルから選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記塩基性化合物が、アンモニア、シクロヘキシルアミン、またはモルホリンであり、
    前記分散剤が、側鎖にオキサゾリン基を有するポリマーを含み、
    25℃におけるE型粘度計による粘度が、20~50,000mPa・sであることを特徴とする導電性組成物。
  3. 導電材、分散剤、増粘剤、架橋剤、安定剤としてpKaが6以上である塩基性化合物および溶媒を含み、
    前記導電材が、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、カーボンナノチューブ、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、ITO、酸化ルテニウム、アルミニウム、およびニッケルから選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記塩基性化合物が、アンモニア、シクロヘキシルアミン、またはモルホリンであり、
    25℃におけるE型粘度計による粘度が、20~50,000mPa・sであることを特徴とする導電性組成物。
  4. 前記粘度が、100~50,000mPa・sである請求項1~3のいずれか1項記載の導電性組成物。
  5. 前記粘度が、300~50,000mPa・sである請求項4記載の導電性組成物。
  6. 前記増粘剤が、キサンタンガムを含む請求項1記載の導電性組成物。
  7. 前記導電材が、カーボンナノチューブを含む請求項1~3のいずれか1項記載の導電性組成物。
  8. 前記溶媒が、水を含む請求項1~7のいずれか1項記載の導電性組成物。
  9. 前記側鎖にオキサゾリン基を有するポリマーが、下記式(1)で表されるオキサゾリンモノマーの重合物である請求項2記載の導電性組成物。
    Figure 0007110986000009
    (式中、Xは、重合性炭素-炭素二重結合含有基を表し、R1~R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、または炭素数7~20のアラルキル基を表す。)
  10. マトリックスとなるポリマーを含む請求項1~9のいずれか1項記載の導電性組成物。
  11. アンダーコート層形成用である請求項7~10のいずれか1項記載の導電性組成物。
  12. 請求項11記載の導電性組成物から得られ、膜厚が1~500nmであるアンダーコート層。
  13. 請求項11記載の導電性組成物を用いてなるエネルギー貯蔵デバイスの電極用複合集電体。
  14. 請求項13記載のエネルギー貯蔵デバイスの電極用複合集電体を備えるエネルギー貯蔵デバイス用電極。
  15. 請求項14記載のエネルギー貯蔵デバイス用電極を備えるエネルギー貯蔵デバイス。
  16. リチウムイオン二次電池である請求項15記載のエネルギー貯蔵デバイス。
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