JP2005310703A - 導電性インクおよびそれを用いた導電性被膜 - Google Patents

導電性インクおよびそれを用いた導電性被膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 基材上にコーティング剤として供給されて描画する方法により導電性被膜が形成される導電性インクであって、スクリーン印刷をはじめとする高粘度インクを必要とする印刷方法を用いた場合にも描画特性に優れた導電性インクおよびそれを用いた導電性被膜を実現する。
【解決手段】 本発明の導電性インクは、水系媒体に、分散剤、金属微粒子および水溶性樹脂(増粘剤)を含有させてなる導電性インクにおいて、前記水溶性樹脂の含有量が、金属微粒子に対し5重量%以下でかつ水系媒体に対し0.1重量%以上であり、20℃〜25℃、せん断速度1〜25/秒における粘度が1Pa・秒以上である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、種々の分野で電極、樹脂に導電性を付与するのに使用可能な導電性インクおよびそれを用いた導電性被膜に関するものである。
導電性被膜の製造方法としては従来から、例えば金属の真空蒸着、化学蒸着、イオンスパッタリング等が行われてきた。しかしながら、これらの方法は真空系または密閉系での作業を必要とするため、操作が煩雑な上、量産性に乏しく高価であるという問題があった。
また、メッキによって導電性被膜を形成する方法もあるが、この場合、多量の廃液を処理する必要があり、材料ロスが大きく余分なコストが掛かる上、環境に対する負荷が大きい問題があった。
さらに、配線のパターンを形成する時には、フォトリソグラフィー法が広く用いられているが、この場合、基材上に形成された導電性被膜の必要部分をマスクする工程が余分に必要である。用いられる感光性樹脂や除去された金属導電性被膜、およびそれらを溶解させた廃液が多量に排出されるため、この点でも、処理費用がかさみ、環境負荷が大きい。
これらの方法に対して、特許文献1、2のように、導電性被膜を形成する材料をコーティング剤として供給し、基材上に描画する方法では、特別な環境を設ける必要もなく簡単な設備で生産できるため、広いスペースを占有する必要もなく、投資も少なくてすむ。また、材料ロスや廃液もほとんどないことから、コスト面でも有利であり、環境負荷も小さくできる。
コーティング剤には、従来より、銀や他の金属微粒子を樹脂成分や有機溶媒に練り込んだ金属ペーストや導電性インクと称されるものを用い、ディスペンサーやスクリーン印刷で塗布することが多い。また、最近では、粘度の低いコロイド状の金属微粒子の分散液をインクジェット方式で描画し、配線パターンを形成する方法も試みられている。
コーティング剤の溶媒としては、有機溶剤系、水系いずれの系も用いることができるが、有機溶剤系の場合、塗布の際に溶剤の揮発による人体に対する影響や環境に対する負荷が問題となる。これに対し、水系、特に水を用いることで、人体に対する影響や環境に対する負荷を低減することができる。
他に、コーティング剤のなかには、有機金属化合物とともに還元剤を樹脂成分や有機溶媒に練り込み還元反応を起こすことによって金属微粒子の分散体を得、溶剤を除去することにより導電性被膜を形成するものもあるが、コーティング剤の作製後、保管中や印刷等による塗布の際にも反応が進行することから、コーティング剤の使用可能時間が短く、印刷適性に乏しいという問題がある。
上述した、導電性被膜を形成する材料をコーティング剤として供給し、基材上に描画する方法として、特許文献1の技術では、金属微粒子分散コーティング剤で描画後の配線パターンを加熱処理することにより金属微粒子同士が焼結し、高い導電性が発現する。
しかしながら、上記特許文献1の方法では、200℃以上の温度での熱処理を必要とすることから、描画を行う基材が変形や溶融、劣化等の損傷を受けるため、基材の材料選択が制約を受けてしまう問題があった。
これに対して、特許文献2の技術では、コーティング剤の元になる金属コロイド液の金属微粒子に吸着する分散剤として、特定のものを用いることにより、低い温度の加熱処理で高導電性を発現できる。
特開2001−35255号公報(公開日平成13年2月9日) 特開2003−187640号公報(公開日平成15年7月4日)
しかしながら、特許文献2の方法では、コーティング剤の粘度が低いことから、スクリーン印刷をはじめとする高粘度インクを必要とする印刷方法には適さないため、印刷方法が制約を受けてしまうという問題を生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、この導電性インクを用いることで、スクリーン印刷をはじめとする高粘度インクを必要とする印刷方法を用いた場合にも優れた描画特性を示す導電性被膜を形成することができる導電性インクおよびそれを用いた導電性被膜を実現することにある。
上記の課題を解決するため、本発明に係る導電性インクは、水系媒体に、分散剤、金属微粒子および水溶性樹脂を含有させてなる導電性インクにおいて、前記水溶性樹脂の含有量が、金属微粒子に対し5重量%以下でかつ水系媒体に対し0.1重量%以上であり、20℃〜25℃、せん断速度1〜25/秒における粘度が1Pa・秒以上であることを特徴としている。
上記の構成により、20℃〜25℃、せん断速度1〜25/秒における粘度が1Pa・秒以上である。したがって、導電性被膜を形成するべく導電性インクをコーティング剤として使用したとき、その粘度が高い。それゆえ、この導電性インクを用いることで、スクリーン印刷をはじめとする高粘度インクを必要とする印刷方法を用いた場合にも優れた描画特性を示す導電性被膜を形成することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る導電性インクは、上記の構成に加えて、上記水溶性樹脂が水溶性の多糖類であることを特徴としている。
上記の構成により、水溶性樹脂が水溶性の多糖類である。したがって、上記の構成による効果に加えて、特殊な構造の原料物質を必要とせず、製造が容易になるという効果を奏する。
また、本発明に係る導電性インクは、上記の構成に加えて、上記水溶性の多糖類が、セルロース誘導体、キサンタンガム、グアーガムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴としている。
上記の構成により、上記水溶性の多糖類が、セルロース誘導体、キサンタンガム、グアーガムから選ばれる。したがって、上記の構成による効果に加えて、増粘の効果が大きいという効果を奏する。
また、本発明に係る導電性インクは、上記の構成に加えて、上記金属微粒子が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴としている。
また、本発明に係る導電性インクは、上記の構成に加えて、上記分散剤が、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の数はOH基の数以上であるヒドロキシ酸またはその塩であることを特徴としている。
上記の構成により、上記分散剤が、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の数はOH基の数以上であるヒドロキシ酸またはその塩である。したがって、上記の構成による効果に加えて、低温で加熱しても十分な高導電性を示す導電性被膜を形成することができ、その結果、基材の材料選択の幅を広げることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る導電性被膜は、導電性インクからなる導電性被膜において、上記のいずれかに記載の導電性インクからなることを特徴としている。
上記の構成により、20℃〜25℃、せん断速度1〜25/秒における粘度が1Pa・秒以上である。したがって、導電性被膜を形成するべく導電性インクをコーティング剤として使用したとき、その粘度が高い。それゆえ、この導電性インクを用いることで、スクリーン印刷をはじめとする高粘度インクを必要とする印刷方法を用いた場合にも優れた描画特性を示す導電性被膜を形成することができるという効果を奏する。
以上のように、本発明に係る導電性インクは、前記水溶性樹脂の含有量が、金属微粒子に対し5重量%以下でかつ水系媒体に対し0.1重量%以上であり、20℃〜25℃、せん断速度1〜25/秒における粘度が1Pa・秒以上である構成である。
また、本発明に係る導電性被膜は、上記のいずれかに記載の導電性インクからなる構成である。
これにより、導電性被膜を形成するべく導電性インクをコーティング剤として使用したとき、その粘度が高い。それゆえ、この導電性インクを用いることで、スクリーン印刷をはじめとする高粘度インクを必要とする印刷方法を用いた場合にも優れた描画特性を示す導電性被膜を形成することができるという効果を奏する。
本発明では、金属コロイド液を用いた低粘度導電性インクをベースにして、水溶性の多糖類を添加することで、高粘度・低温焼結性を有する導電性インクの開発を行った。
本発明の導電性インクは、
水系媒体に、分散剤、金属微粒子および水溶性樹脂(増粘剤)を含有させてなる導電性インクにおいて、
前記水溶性樹脂の含有量が、金属微粒子に対し5重量%以下でかつ水系媒体に対し0.1重量%以上であり、
20℃〜25℃、せん断速度1〜25/秒における粘度が1Pa・秒以上である。
上記の構成によって、水溶性樹脂が増粘剤として作用し、スクリーン印刷をはじめとする汎用の描画装置、印刷機械等に適用可能となり、描画適性に優れる。
すなわち、導電性被膜を形成させるのに用いる基材が広範囲になり、例えば、熱に強い金属、ガラス、セラミックをはじめ、高温をかけると変形や分解のおそれのある高分子系の材料、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等に適用可能となる。
上記基材と本発明の導電性インクの濡れ性が悪い場合には、基材を表面処理し、濡れ性を向上させることができる。表面処理方法としては、公知の手法を用いることができ、例えば、
物理的に表面を荒らす方法;
プラズマ処理、オゾン処理、コロナ処理等の乾式化学処理法;
クロム酸混液、濃硫酸、濃塩酸中に浸漬させる方法;
シランカップリング剤やチタネートカップリング剤による湿式化学処理
等を挙げることができる。これらの方法は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記基材上に本発明の導電性インクを塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、凹板印刷、フレキソ印刷、バーコート法による方法等を挙げることができる。
本発明の導電性被膜が形成された基材を、必要に応じて加熱してもよい。上記加熱方法としては特に限定されず、例えば、オーブン中で加熱する方法の他、誘電加熱法、高周波過熱法等を挙げることができる。
本発明の導電性インクにおいて、上記水溶性樹脂としては、水溶性の多糖類を用いることができる。
上記水溶性の多糖類としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム、グアーガム等を挙げることができる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガムが増粘の効果が大きく好適に用いることができる。
本発明の導電性インクにおける上記水溶性の多糖類等の水溶性樹脂の含有量としては、金属に対して5重量%以下であり、かつ、水単独または水と相溶する溶媒と水との混合物(水系媒体)に対して0.1重量%以上であることが望ましい。金属に対して5重量%を超えると、絶縁体である上記多糖類等の水溶性樹脂が金属微粒子の焼成・接触を阻害し、導電性を悪くする。また、水系媒体に対して0.1重量%未満であると、上記水溶性の多糖類等の水溶性樹脂を混ぜたことによる増粘の効果が小さい。
本発明の導電性インクは、20℃〜25℃、せん断速度1〜25/秒における粘度が1Pa・秒以上であることが好ましい。また、同条件で、粘度が500Pa・秒以下であることが好ましい。粘度が500Pa・秒を超えると、流動性が不足し、塗布が行いにくくなり、塗布後均一厚にレベリングするのが難しくなる。
上記水溶性の多糖類を混合して本発明の導電性インクを製造する方法としては特に限定されず、水溶性の多糖類単体を金属コロイドに混ぜてもよく、水溶性の多糖類を金属コロイドと相溶する溶媒に予め溶かしておいてから、その溶液を金属コロイドに加えてもよい。
本発明の導電性インクにおいて、上記金属微粒子としては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよびオスミウム等を挙げることができる。これらのなかでも、金、銀、白金、パラジウムが好ましい。また、これらの金属は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
特に銀を用いる場合には、銀とその他の金属を併用することが好ましい。銀を用いると、その導電性インクを用いて形成される導電性被膜の導電率が良好となるが、エレクトロマイグレーションの問題を考慮する必要が生じる。エレクトロマイグレーションを防止するためには、銀とその他の金属とを併用することが好ましい。上記その他の金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム等を挙げることができる。なかでも、金、銅、白金、パラジウムが好適である。
本発明の導電性インクにおいて、上記金属微粒子の平均粒子径は、1〜400nmであることが好ましい。平均粒子径が1nm未満である粒子の製造はコストが高すぎて実用的でなく、400nmを超えると、粒子の分散安定性が経時的に変化しやすい。
上記分散剤としては、水系媒体に溶解し、分散効果を示すものであれば特に限定されない。また、分散剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の導電性インクにおいて、上記分散剤としては、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の数はOH基の数以上であるヒドロキシ酸またはその塩を用いることが好ましい。これにより、印刷後120℃〜150℃程度の低温加熱処理でも高い導電性を発現する導電性被膜を形成することが可能となる。その結果、描画装置、印刷機械等の制約を軽減するとともに、耐熱性に乏しい基材上にも導電性被膜を形成することができる。このような分散剤としては、溶媒に溶解し、分散効果を示すものであれば特に限定されず、具体的には、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、グリコール酸ナトリウム等のイオン性化合物等を挙げることができる。また、これらの分散剤は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
本発明の導電性インクにおいて、上記金属微粒子の固形分濃度が10重量%以上であることが好ましい。ここで、固形分とは、導電性インクから大部分の溶媒をシリカゲル等により取り除いた後、70℃以下の温度で乾燥させたときに残存する固形分をいい、通常、この固形分は、金属成分、残留分散剤、残留還元剤および残留樹脂等からなる。
上記固形分の濃度が10重量%未満であると、金属の含有量が少なすぎるので、導電性インクを用いて導電性被膜を形成する際、必要な厚みを出すために何度も重ね塗る必要が生じ、工業的に不利である。
本発明の導電性インクには上記の他にも、液の特性を改質するための添加剤を含んでもよい。上記分散剤、水溶性の樹脂以外の添加剤としては、例として消泡剤、レベリング剤、揮発抑制剤等が挙げられるが、特に限定されない。
本発明の導電性インクは上述のような構成からなり、低温での処理が可能であることから、適応できる基材の種類が多くなり、スクリーン印刷をはじめ、汎用の描画装置、印刷機械等を用いて、導電性に優れた導電パターンを形成することが可能である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)導電性インクの作製
分散剤としてクエン酸三ナトリウム二水和物(和光純薬工業社製)512.64gを含有する水溶液1L(リットル)に、10N−NaOH水溶液90mLと、還元剤としてタンニン酸(和光純薬工業社製)10.8gを含有する水溶液0.5Lを加え、室温でマグネティックスターラーにより撹拌しながら硝酸銀(和光純薬工業社製)59.1gを含有する水溶液1.5Lを滴下して、銀粒子を含有する溶液を得た。得られた銀粒子を含有する溶液を中空糸モジュール(旭化成製、マイクローザUFラボモジュールSLP−1053)を用いて脱塩した。CM−20S(東亜電波工業社製)で測定したろ液の電導度が5μS/cm以下になるまで脱塩を繰り返した後、限外ろ過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて溶液中の銀固形分が50重量%以上になるまで濃縮し、この濃縮液を3000rpmで10分間遠心分離した。このとき、下層の沈殿と上層の分散液に分離するが、この上層の分散液を銀コロイド水溶液として採取した。
その後、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製HECダイセルSP900)を、重量比で銀とヒドロキシエチルセルロースの割合が1対0.02(すなわち2重量%)になるように加え、ペンシルミキサー(iuchi社製)にて撹拌することにより、導電性インクを得た。
(2)導電性被膜の作製
スライドガラス上に導電性インクを刷毛で塗布し、自然乾燥した後、ギヤオーブン中で120℃または150℃にて30分間加熱処理した。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして作製した銀コロイド水溶液に、キサンタンガム(三晶(株)製KELZAN S)を、重量比で銀とキサンタンガムの割合が1対0.02になるように加え、ペンシルミキサー(iuchi社製)にて撹拌することにより、導電性インクを得た。
さらに、実施例1と同様にして導電性被膜を得た。
〔比較例1〕
ヒドロキシエチルセルロースを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして作製することにより、導電性インクおよび導電性被膜を得た。
〔比較例2〕
実施例1と同様にして作製した銀コロイド水溶液に,ポリアクリル酸(和光純薬工業社製 平均分子量約1,000,000)を、体積比で銀とポリアクリル酸の割合が1対0.02になるように加え、ペンシルミキサー(iuchi社製)にて撹拌することにより、導電性インクを得た。
さらに、実施例1と同様にして導電性被膜を得た。
〔評価〕
実施例1〜2および比較例1〜2で得た導電性インクおよび導電性被膜に対して以下の評価を行った。
(1)導電性インクの粘度
導電性インクの粘度を、ストレスレオメーターRC20型(レオテック社製)により、せん断速度1〜25/秒下において測定した。この際の測定条件は下記の通りである。但し、比較例1の粘度は測定範囲外であり、比較例2の導電性インクは銀粒子の沈降が見られ、正確な測定値を得ることができなかった。なお、評価基準としては、25℃での粘度が、せん断速度1〜25/秒のときに1Pa・秒以上であることとした。測定条件は以下の通りである。すなわち、
測定モード:せん断速度依存
測定治具:コーンプレート(C50−2)
測定温度:25℃
である。
(2)導電性被膜の導電性
導電性被膜の電気抵抗をダブルブリッジ2769(横河M&C社製)により測定し、体積抵抗率は下記式を用いて算出した。但し、比較例2の120℃に加熱した際の体積抵抗率は測定範囲外であった。なお、評価基準としては、体積抵抗率が50μΩ・cm以下を○(良好)とし、50μΩ・cmを超えるものを×(不良)とした。ここで、
ρv=RWT/L
ρv:体積抵抗率(Ω・cm)
R:測定端子間の導電性被膜の電気抵抗(Ω)
W:測定端子間の導電性被膜の幅(cm)
T:測定端子間の導電性被膜の厚み(cm)
L:測定端子間の導電性被膜の長さ(cm)
である。
表1に結果を示す。表中、A、B、C、Dがそれぞれ、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2に対応する。
Figure 2005310703
表1に示した結果より、金属コロイド液に各実施例のような水溶性の多糖類を配合することで、高い粘度を有することから、印刷による描画適性に優れる上、低温で加熱して高導電性を示す導電性被膜を形成することができる導電性インクが得られることがわかった。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、ブラウン管の電磁波遮蔽、建材または自動車の赤外線遮蔽、電子機器や携帯電話の静電気帯電防止剤、曇ガラスの熱線、回路基材やICカードの配線、フラットパネルディスプレイの電極、樹脂に導電性を付与するためのコーティング、スルーホール、回路自体等の用途にも適用できる。

Claims (6)

  1. 水系媒体に、分散剤、金属微粒子および水溶性樹脂を含有させてなる導電性インクにおいて、
    前記水溶性樹脂の含有量が、金属微粒子に対し5重量%以下でかつ水系媒体に対し0.1重量%以上であり、
    20℃〜25℃、せん断速度1〜25/秒における粘度が1Pa・秒以上であることを特徴とする導電性インク。
  2. 上記水溶性樹脂が水溶性の多糖類であることを特徴とする請求項1に記載の導電性インク。
  3. 上記水溶性の多糖類が、セルロース誘導体、キサンタンガム、グアーガムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載の導電性インク。
  4. 上記金属微粒子が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の導電性インク。
  5. 上記分散剤が、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の数はOH基の数以上であるヒドロキシ酸またはその塩であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の導電性インク。
  6. 導電性インクからなる導電性被膜において、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の導電性インクからなることを特徴とする導電性被膜。
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