JP2003187640A - 金属コロイド液及び導電性被膜 - Google Patents
金属コロイド液及び導電性被膜Info
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Abstract
きる金属コロイド液及びそれを用いてなる導電性被膜を
提供する。 【解決手段】 COOH基とOH基とを合わせて3個以
上有し、かつ、COOH基の数はOH基の数以上である
ヒドロキシ酸又はその塩を分散剤として用い、化学還元
法によって製造される金属コロイド液であって、金属の
1次粒子径が20nm以下である金属コロイド液。
Description
導電性被膜を得ることができる金属コロイド液及びそれ
を用いてなる導電性被膜に関する。
蔽、建材又は自動車の赤外線遮蔽、電子機器や携帯電話
の静電気帯電防止剤、曇りガラスの熱線、回線基板やI
Cカードの配線、樹脂に導電性を付与するためのコーテ
ィング、スルーホール、回路自体等の広い範囲に用途を
有する。
例えば、金属の真空蒸着、化学蒸着、イオンスパッタリ
ング等が行われていた。しかしながら、これらの方法は
真空系又は密閉系での作業を必要とするため、操作が煩
雑な上、高価で量産性に乏しいという問題があった。
せた金属コロイド液を塗布し、加熱焼成することにより
導電性被膜を得る方法が提案されている。この方法によ
れば、真空系又は密閉系での作業を必要とせず、簡便な
操作で、安価に導電性被膜を得ることができる。しかし
ながら、実用上充分な導電性を有する被膜を得るために
は200℃程度以上の高い温度で加熱する必要があり、
耐熱性に乏しい基材の上に導電性被膜を形成することが
できないという問題があった。
鑑み、低温で加熱して高導電性被膜を得ることができる
金属コロイド液及びそれを用いてなる導電性被膜を提供
することを目的とするものである。
OH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の
数はOH基の数以上であるヒドロキシ酸又はその塩を分
散剤として用い、化学還元法によって製造される金属コ
ロイド液であって、金属の1次粒子径が20nm以下で
ある金属コロイド液である。
を用いれば、100℃程度の低温で加熱しても実用上充
分な導電性被膜が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。以下に本発明を詳述する。
れに吸着する分散剤、及び、分散媒からなる。上記金属
粒子としては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白
金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、
オスミウム等からなるものを挙げることができる。なか
でも、金、銀、白金又はパラジウムが好ましく、より好
ましくは金又は銀である。これらの金属は単独で用いら
れてもよく、2種以上が併用されてもよい。特に銀を用
いる場合には、銀とその他の金属とを併用することが好
ましい。銀を用いると、その金属コロイド液を用いて形
成される導電性被膜の導電率が良好となるが、マイグレ
ーションの問題を考慮する必要がある。銀とその他の金
属とを併用することにより、上記マイグレーションが起
こりにくくなる。上記その他の金属としては、金、銅、
白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウ
ム、オスミウム等を挙げることができる。なかでも、
金、銅、白金又はパラジウムが好適である。
る場合、銀の比率としては、金属全体に対して30〜9
9重量%であることが好ましい。30重量%未満である
と、その金属コロイド液を用いて形成される被膜の導電
性が低下することがあり、99重量%を超えると、マイ
グレーション性を解決することが困難となる。より好ま
しくは、40〜95重量%であり、更に好ましくは60
〜90重量%である。
としては、1〜500g/Lであることが好ましい。1
g/L未満であると、薄すぎて所望の膜厚を得るために
塗り重ねる回数が増え、500g/Lを超えると、粘度
が上がりすぎて取り扱いにくくなる。
子の1次粒子径は20nm以下である。20nmを超え
ると、低温で加熱した場合、高導電性な被膜を得にく
い。好ましくは、10nm以下である。
は、COOH基とOH基とを合わせて3個以上有し、か
つ、COOH基の数はOH基の数以上であるヒドロキシ
酸又はその塩を分散剤として用いる。このような分散剤
としては、例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三
カリウム、クエン酸三リチウム、リンゴ酸二ナトリウ
ム、酒石酸二ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、ク
エン酸、クエン酸一カリウム、クエン酸水素二ナトリウ
ム、クエン酸二水素カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸一ナ
トリウム、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナ
トリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウ
ム、グリコール酸等を挙げることができる。これらの分
散剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されて
もよい。
溶剤が好ましい。分散媒として水及び/又は水溶性溶剤
を用いることにより、金属コロイド液を加熱焼成して導
電性被膜を製造する際、溶剤臭が強くならず、環境にも
悪影響が少ない。より好ましくは水である。
しては特に限定されず、例えば、まず金属粒子を含む溶
液を作製し、次いで、その溶液の洗浄を行う方法等を挙
げることができる。上記金属粒子を含む溶液を作製する
方法としては化学還元法による方法であれば特に限定さ
れず、例えば、分散剤と分散媒と金属塩又は金属イオン
の混合物を、何らかの方法により還元させればよい。
酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、
硫化銀等の銀塩;塩化金酸、塩化金カリウム、塩化金ナ
トリウム等の金塩;塩化白金酸、塩化白金、酸化白金、
塩化白金酸カリウム等の白金塩;硝酸パラジウム、酢酸
パラジウム、塩化パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パ
ラジウム等のパラジウム塩等を挙げることができる。こ
れらの金属塩は単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
限定されず、還元剤を用いて還元させてもよく、紫外線
等の光、電子線、熱エネルギー等を用いて還元させても
よい。上記還元剤としては分散媒に溶解し、上記金属塩
を還元させることができるものであれば特に限定され
ず、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒ
ドラジン等のアミン化合物;水酸化ホウ素ナトリウム、
ヨウ化水素、水素ガス等の水素化合物;一酸化炭素、亜
硫酸等の酸化物;硫酸第一鉄、酸化鉄、フマル酸鉄、乳
酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸錫、塩化錫、二リン酸
錫、シュウ酸錫、酸化錫、硫酸錫等の低原子価金属塩;
ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タ
ンニン、タンニン酸、サリチル酸、D−グルコース等の
糖等の有機化合物等を挙げることができる。上記の各種
還元剤を使用する際には、更に、光や熱を加えて還元反
応を促進させてもよい。
属粒子を含む溶液を製造する方法としては、例えば、上
記金属塩を純水等に溶かして金属塩溶液を調製し、その
金属塩溶液を徐々に分散剤と還元剤とが溶解した水溶液
中に滴下する方法等を挙げることができる。
液中には、金属粒子及びその金属粒子に吸着した分散剤
の他に、還元剤の残留物や金属粒子に吸着していない分
散剤が存在しており、液全体の電解質濃度が高くなって
いる。このような状態の液は、金属粒子の凝析が起こ
り、沈殿しやすい。上記金属粒子を含む溶液を洗浄して
余分な電解質を取り除くことで沈殿を抑制することがで
きる。
た金属粒子を含む液を一定期間静置し、生じた上澄み液
を取り除いた上で、純水を加えて再度攪拌し、更に一定
期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度か繰
り返す方法、上記の静置の代わりに遠心分離を行う方
法、限外濾過装置やイオン交換装置等により脱塩する方
法等を挙げることができる。なかでも、脱塩する方法が
好ましい。また、脱塩等した液は、適宜濃縮してもよ
い。
作製する方法としては特に限定されず、例えば、銀とそ
の他の金属とからなる混合金属コロイド液を作製する場
合には、上記の方法にて、銀コロイド液とその他の金属
の金属コロイド液とを別々に作製し、その後混合して混
合金属コロイド液としてもよく、銀イオン溶液とその他
の金属イオン溶液とを混合し、その後に還元してもよ
い。
塗布し、乾燥させ、加熱することにより導電性被膜を製
造することができる。本発明の金属コロイド液を加熱焼
成することにより、得られる導電性被膜の導電性は一層
高まる。上記加熱方法としては特に限定されず、例え
ば、オーブン中で加熱する方法の他、誘電加熱法、高周
波加熱法等を挙げることができる。
℃程度の低温で加熱して得た導電性被膜は、従来の金属
コロイド液を100℃程度で加熱して得た導電性被膜に
比べて導電性が高く、ブラウン管の電磁波遮蔽、建材又
は自動車の赤外線遮蔽、電子機器や携帯電話の静電気帯
電防止剤、曇りガラスの熱線、回線基板やICカードの
配線、樹脂に導電性を付与するためのコーティング、ス
ルーホール、回路自体等に用いることができる。本発明
の金属コロイド液からなる導電性被膜もまた、本発明の
1つである。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
トリウム二水和物(和光純薬工業社製)17.1gと、
還元剤としてタンニン酸(和光純薬工業社製)0.70
gとを水280gに溶解させた水溶液に、10Nの水酸
化ナトリウム水溶液3mLを加え、次いで室温雰囲気中
でマグネティックスターラーにより攪拌しながら硝酸銀
(和光純薬工業社製)1.97gを含む水溶液3mLを
滴下して銀粒子を含む水溶液を得た。得られた銀粒子を
含む水溶液を限外濾過器(ADVANTEC社製、UH
P−62K)とフィルター(ADVANTEC社製、ウ
ルトラフィルターQ0500)とを用いて脱塩した。C
M−20S(東亜電波工業社製)で測定した濾液の電気
導度が100μS/cm以下になるまで脱塩を繰り返し
た後20mLまで濃縮し、この濃縮液を3000rpm
で10分間遠心分離した。このとき、下層の沈殿と上層
の分散液に分離するが、この上層の分散液を銀コロイド
水溶液として採取した。
ポリイミドフィルム表面に得られた銀コロイド水溶液を
刷毛で塗布し、乾燥した。所望の厚さの導電性被膜を得
るために、塗布と乾燥とを繰り返し行った。その後、2
00℃で20分間又は100℃で20分間の加熱焼成を
行い、導電性被膜を形成した。得られた導電性被膜の厚
さは、導電性被膜の重量を金属の比重で除し、更に導電
性被膜の幅及び長さで除して求めた。
に硫酸第一鉄七水和物(和光純薬工業社製)6.46g
を用い、水酸化ナトリウム水溶液を加えなかったこと以
外は実施例1と同様に銀コロイド水溶液、導電性被膜を
得た。
物17.1gの代りにグリシン(和光純薬工業社製)
1.75gを用い、タンニン酸(和光純薬工業社製)の
使用量を1.12gとしたこと以外は実施例1と同様に
銀コロイド水溶液、導電性被膜及び固形分を得た。
導電性被膜及び固形分を用いて以下の評価を行った。結
果を表1及び表2に示した。
ド液の金属の粒子径を測定し、ヒストグラム法により解
析した。このとき双峰性、三峰性を示すが、最も小さい
側にあるピークの平均値を1次粒子径とした。
M&C社製)により測定し、体積抵抗率を下記式を用い
て算出した。
2で作製した銀コロイド水溶液を200℃で加熱焼成し
て得た被膜は高い導電性を示した。しかし、焼成温度を
100℃にすると、実施例1で作製した銀コロイド水溶
液から得た被膜は高い導電性を示したのに対して、比較
例1、2で作製した銀コロイド水溶液から得た被膜の導
電性は低いものであった。
性被膜を得ることができる金属コロイド液及びそれを用
いてなる導電性被膜を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 COOH基とOH基とを合わせて3個以
上有し、かつ、COOH基の数はOH基の数以上である
ヒドロキシ酸又はその塩を分散剤として用い、化学還元
法によって製造される金属コロイド液であって、金属の
1次粒子径が20nm以下であることを特徴とする金属
コロイド液。 - 【請求項2】 分散媒が水であることを特徴とする請求
項1記載の金属コロイド液。 - 【請求項3】 金属は金又は銀であることを特徴とする
請求項1又は2記載の金属コロイド液。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の金属コロイド
液からなることを特徴とする導電性被膜。
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-
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- 2001-12-18 JP JP2001385056A patent/JP2003187640A/ja active Pending
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