JP6666723B2 - 銀被覆テルル粉及びその製造方法、並びに導電性ペースト - Google Patents

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本発明は、銀被覆テルル粉及びその製造方法、並びに導電性ペーストに関する。
従来より、銀粉、バインダ、溶剤、ガラスフリットなどを含有する導電性ペーストが使用されている。このような導電性ペーストは、特性としてより高い導電性が要求されている。
このような中、金属テルルや酸化テルルなどの低融点金属を添加物として含有し、導電性を向上した導電性ペーストが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、酸化テルルを含有する酸化テルル系ガラスを用いたガラスフリットを含み、良好な太陽電池特性が得られる導電性ペーストが提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
しかし、金属テルルは、酸化されやすく、前記金属テルル(融点:499.5℃)より融点の高い酸化テルル(融点:733℃)となりやすく、導電性ペーストに混合して、焼成する場合に、最適な焼成温度が比較的高温になってしまう。
国際公開第2010/016186号パンフレット 特表2013−531863号公報 特開2013−533188号公報 特開2011−96747号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、導電性ペーストに用いた場合に、低温焼成性が良好な銀被覆テルル粉、及びその製造方法、並びに導電性ペーストを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明による銀被覆テルル粉の製造方法は、テルル粉を銀錯体溶液に添加し、前記テルル粉の表面の少なくとも一部を、銀、及び銀とテルルからなる化合物の少なくとも一方で被覆する。この場合、脂肪酸を添加することが好ましく、前記テルル粉の表面の少なくとも一部を、銀、及び銀とテルルからなる化合物の少なくとも一方に被覆後に、ろ過、洗浄、乾燥、及び解砕することがより好ましく、前記テルル粉を銀錯体溶液に添加した後に、熟成する熟成時間を有し、前記熟成する時間が、10分間以上であることが更に好ましい。
本発明による銀被覆テルル粉の製造方法は、テルル粉を銀錯体溶液に添加した後、ろ過、洗浄、乾燥、及び解砕する工程を有し、粉末X線回折分析において、テルル(Te)、AgTe、AgTe、及びAgの少なくともいずれかを検出する。
本発明による銀被覆テルル粉は、テルル粉の表面に、銀、及び銀とテルルからなる化合物の少なくとも一方を有する銀被覆テルル粉である。また、粉末X線回折分析において、テルル(Te)、AgTe、AgTe、Agを検出することを特徴とする。この場合、表面に表面処理剤を更に有することが好ましい。
本発明による導電性ペーストは、導電粉と、樹脂と、ガラスフリットと、有機溶媒と、上記の銀被覆テルル粉とを含有する。この場合、前記樹脂が、アクリル系樹脂を含むことが好ましく、粉末又は前記ガラスフリットの成分として酸化亜鉛を含むことがより好ましい。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、導電性ペーストに用いた場合に、低温焼成性が良好な銀被覆テルル粉及びその製造方法、並びに導電性ペーストを提供することができる。
図1は、本発明の銀被覆テルル粉の製造方法の概略説明図である。 図2は、実施例1で得られた銀被覆テルル粉の粉末X線回折分析の測定結果を示すチャートである。 図3は、実施例3で得られた銀被覆テルル粉の粉末X線回折分析の測定結果を示すチャートである。 図4は、実施例1で得られた銀被覆テルル粉の示差熱分析結果を示すグラフである。 図5は、実施例2で得られた銀被覆テルル粉の示差熱分析結果を示すグラフである。 図6は、実施例3で得られた銀被覆テルル粉の示差熱分析結果を示すグラフである。 図7は、実施例4で得られた銀被覆テルル粉の示差熱分析結果を示すグラフである。 図8は、比較例2で得られた銀被覆テルル粉の示差熱分析結果を示すグラフである。
(銀被覆テルル粉)
本発明の銀被覆テルル粉は、テルル粉の表面に、銀、及び銀とテルルからなる化合物(以下、「銀テルル化合物」とも称することがある)の少なくとも一方を有し、必要に応じてその他の成分を含有してなり、表面処理剤が付着されてなることが好ましい。なお、銀被覆テルル粉の表面は、銀である場合、銀テルル化合物である場合、銀及び銀テルル化合物の両方を有する場合のいずれでもよい。銀被覆テルル粉の「銀被覆」との記載において、銀とは上記のように銀に限定されるものではなく、また、被覆とは、被覆形態であることの視認が困難である場合には、粉末X線回折装置を用いて本発明と同様の粉末が得られていると確認できるものとする。
<テルル粉>
前記テルル粉は、テルルを含有する粉体である。
前記テルル粉中のテルルの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が特に好ましい。
前記テルル粉としては、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、三津和化学薬品株式会社製、三菱マテリアル株式会社製、和光純薬工業株式会社製、新興化学工業株式会社製などを使用できる。
前記テルル粉の体積平均粒子径としては、得られる銀被覆テルル粉の体積平均粒子径に大きく影響する点から、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
前記体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折式の粒度分布測定器などを用いて測定することができる。
<銀被覆>
前記銀被覆としては、テルル粉表面の被覆部分が一部であっても、全部であってもよい。
前記銀や銀テルル化合物を被覆することで、導電性ペーストに用いた場合に、低温焼成性、導電性、及びファイヤースルー性をより向上できる。
前記テルル粉の表面の少なくとも一部を、銀、及び銀テルル化合物の少なくとも一方で被覆された銀被覆テルル粉とすることで、酸化されにくいテルル粉を得ることができる。前記銀テルル化合物としては、少なくとも金属間化合物であるAgTe、AgTeを含むことが好ましく、AgTeを含むことがより好ましい。
また、前記銀被覆テルル粉としては、示差熱分析(以下、「DTA分析」とも称することがある)において300℃〜400℃の間に少なくとも1つの吸熱ピークを持つ特徴を備えた銀、及び銀テルル化合物の少なくとも一方を表面に有することが好ましい。
前記銀被覆テルル粉の粒度分布としては、レーザー回折式粒度分布装置により測定することができる累積10%粒子径(D10)は、0.1μm〜10μmが好ましく、0.3μm〜5μmがより好ましく、1μm〜2μmが特に好ましい。また、累積50%粒子径(D50)は、0.1μm〜20μmが好ましく、0.3μm〜10μmがより好ましく、1μm〜5μmが特に好ましい。更に、累積90%粒子径(D90)は、1μm〜40μmが好ましく、5μm〜30μmがより好ましく、10μm〜20μmが特に好ましい。前記累積10%粒子径(D10)が0.1μm未満、前記累積50%粒子径(D50)が0.1μm未満、及び前記累積90%粒子径(D90)が1μm未満であると、銀被覆テルル粉の導電性が不十分となることがあり、前記累積10%粒子径(D10)が10μm、前記累積50%粒子径(D50)が15μm、及び前記累積90%粒子径(D90)が40μmを超えると、微細な配線の形成が困難になる場合がある。
前記銀被覆テルル粉の粒度分布は、例えば、レーザー回折式粒度分布装置(日機装株式会社製、マイクロトラック)により測定することができる。
前記銀被覆テルル粉の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、細線化が進む導電性用途に適用することを考えると、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。前記体積平均粒子径が、10μmを超えると、細線化が進む導電性用途に用いることが困難となることがある。
前記体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折式の粒度分布測定器などを用いて測定することができる。
前記銀被覆テルル粉の融点としては、特に制限はなく、300℃〜500℃が好ましく、400℃〜500℃がより好ましい。前記融点が、300℃未満であると、ファイヤースルーが行われやすくなり、太陽電池の導電性ペーストとして用いた場合に、表面電極がSiN層のみならず、n型拡散層まで突き抜けてpn接合が破壊させる可能性が高くなる傾向にあり、500℃を超えると、低温焼成性が不十分となることがある。前記融点は、示差熱分析測定装置(株式会社リガク製、TG8120)にて、大気中で500℃まで、毎分10℃の昇温速度で測定することができる。
前記銀被覆テルル粉のBET比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1m/g〜30m/gが好ましい。前記BET比表面積としては、例えば、市販のBET比表面積測定器などを用いて測定することができる。
前記銀被覆テルル粉としては、粉末X線回折装置(商品名:SmartLab、株式会社リガク製)を用いて、ステップ0.02°、測定速度50°/minの条件にて測定することにより、銀被覆テルル粉が得られていることを確認することができる。
前記銀被覆テルル粉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機物からなる表面処理剤にて表面が被覆されていることが好ましい。これにより、導電性ペーストにした際に有機媒体へのなじみが格段によくなる。
<表面処理剤>
前記表面処理剤としては、有機物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪酸、界面活性剤、有機金属化合物、キレート剤、高分子分散剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、金属と脂肪酸が塩を形成したものなども用いることができる。これらの中でも、分散性の点から、オレイン酸が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤;脂肪族4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;イミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機金属化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセチルアセトントリブトキシジルコニウム、クエン酸マグネシウム、ジエチル亜鉛、ジブチルスズオキサイド、ジメチル亜鉛、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリエチルインジウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルガリウム、モノブチルスズオキサイド、テトライソシアネートシラン、テトラメチルシラン、テトラメトキシシラン、ポリメトキシシロキサン、モノメチルトリイソシアネートシラン、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−チアトリアゾール、2H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,5−オキサトリアゾール、1,2,3,5−チアトリアゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール又はこれらの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記高分子分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペプチド、ゼラチン、エチルセルロース、カルボキシルエチルセルロース、コラーゲンペプチド、アルブミン、アラビアゴム、プロタルビン酸、リサルビン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記表面処理剤を用いる場合は、1種以上の表面処理剤を選択して、銀の還元析出の前、還元析出の後、又は還元析出中のスラリー状の反応系に添加することで、表面処理剤が付着された銀被覆テルル粉が得られる。
前記銀被覆テルル粉中の銀の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、銀被覆テルル粉全量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上80質量%以下がより好ましく、30質量%以上70質量%以下が特に好ましい。前記銀の含有量が、10質量%未満であると、十分な導電性が得られないことがあり、90質量%を超えると、コストメリットが小さくなってしまうことがある。
前記銀テルル化合物中の銀の含有量(質量%)としては、銀テルル化合物全量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上80質量%以下がより好ましく、30質量%以上70質量%以下が特に好ましい。
(銀被覆テルル粉の製造方法)
本発明の銀被覆テルル粉の製造方法は、テルル粉を銀錯体溶液に添加し、必要に応じてその他の成分を添加して、銀の還元反応により銀、及び銀テルル化合物の少なくとも一方をテルル粉表面に析出させてテルル粉を被覆することができる。また、銀錯体溶液中の未還元銀を無くすために、還元反応が終了するまで銀、及び銀テルル化合物の少なくとも一方をテルル粉表面に析出させる熟成時間を有していてもよく、更に必要に応じて被覆後に、ろ過、洗浄、乾燥、及び解砕する工程を含んでいてよい。
図1に、本実施形態に係る銀被覆テルル粉の製造方法の概略説明図を示す。
本実施形態においては、原料を調製する原料調液工程、前記原料調液工程において得られた銀化合物含有溶液中の銀を錯化する錯化工程、前記錯化工程で得られた銀錯体溶液に、テルル粉を加えて撹拌することで銀、及び銀テルル化合物の少なくとも一方によりテルル粉を被覆する被覆工程、前記被覆工程後に脂肪酸等を用いて表面処理を行う表面処理工程、前記表面処理工程後に、ろ過・洗浄するろ過・洗浄工程、乾燥させる工程、解砕する工程、分級する工程などが挙げられる。
<原料調液工程>
前記原料調液工程は、原料を調製する工程である。
純水が攪拌されている状態の反応槽に、銀化合物を入れ撹拌し、銀化合物含有水溶液を得ることができる。
前記銀化合物としては、例えば、硝酸銀、炭酸銀、酢酸銀などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、コスト等の面から硝酸銀を用いることが好ましい。
<錯化工程>
前記錯化工程は、前記原料調液工程において得られる銀化合物含有水溶液中の銀を錯体化する工程である。
前記錯化工程としては、前記原料調液工程で得られた銀化合物含有水溶液中の銀を錯体化することにより、銀錯体溶液を得ることができる。
前記錯体化する方法としては、例えば、銀錯化剤を用いる方法などがある。
前記銀錯化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニア水、アンモニウム塩、キレート化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アンモニア水が好ましい。
前記銀錯化剤として、アンモニア水を用いると銀アンミン錯体が得られる。銀アンミン錯体中のアンモニアの配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニア2モル以上を添加する。また、アンモニアの添加量が多過ぎると、錯体が安定化し過ぎて還元が進み難くなるので、アンモニアの添加量は銀1モル当たり8モル以下が好ましい。なお、還元剤の添加量を多くするなどの調整を行えば、アンモニアの添加量が8モルを超えても銀被覆テルル粉を得ることは可能である。
<被覆工程>
前記被覆工程としては、前記錯化工程で得られる銀錯体溶液にテルル粉を添加し、必要に応じてその他の成分を加えて、還元反応を起こさせることで銀、及び銀テルル化合物の少なくとも一方によりテルル粉の表面を被覆する。
前記被覆工程においては、金属間の酸化還元電位差を駆動力とし、銀(Ag)とテルル(Te)との以下の反応(反応式1)が起こると考えられる。
Te+4Ag→Te4++Ag … (反応式1)
しかし、前記反応式1の反応が完了してAgが析出する前に、AgTeやAgTeといったAgとTeの金属間化合物が生成してテルル表面に析出する場合がある。Agが析出するか、銀テルル化合物が析出するか、その両方かは、被覆工程におけるテルル粉表面の状況により変わる。
前記被覆工程は熟成時間を設けてもよい。前記の「熟成」とは、テルル粉と銀錯体溶液とを混合し、撹拌しながら、テルル粉表面に銀、及び銀テルル化合物の少なくとも一方を生成させる反応を、銀錯体溶液中の未還元銀が無くなるまで継続し、テルル粉に銀テルル化合物又は銀を被覆することを意味する。
前記熟成時間は、特に制限はないが、10分間以上が好ましい。前記熟成する時間が、10分間未満であると、テルル粉表面に銀、又は銀テルル化合物の被覆率が低くなる傾向にある。
銀錯体溶液中の未還元銀の存在の有無としては、反応液をろ過したろ液に食塩水を加え白濁するか否かで確認することができる。即ち、ろ液中に銀(Ag)イオンが残っていなければ、食塩(NaCl)由来の塩化物と銀(Ag)イオンとが反応して生成される難溶性の塩化銀(AgCl;白色)が生じないため、反応終了と判断することができる。前記被覆工程及び前記熟成時間中の液温としては、特に制限はないが、10℃〜50℃が好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、還元剤、還元助剤、表面処理剤などが挙げられる。なお、テルル粉自体が還元剤であるため、還元剤、還元助剤は必須ではない。また、以下に記載するとおり、表面処理工程の表面処理剤を、還元反応前や還元中のタイミングで投じてもよい。
前記還元剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜燐酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アスコルビン酸、アルカノールアミン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン、ホルマリンが好ましく、ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウムがより好ましい。
前記還元剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記還元助剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、還元力の強い還元助剤が好ましい。前記還元力の強い還元助剤を用いることで未反応銀をなくすことが可能である。この場合、還元剤と還元助剤が同じものであっても構わない。還元力の強い還元助剤としては、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
また、前記還元助剤として、コロイド粒子が分散した液を添加することにより、コロイド粒子が核となり、銀が析出する場を増やすため、未還元銀をなくすことが可能である。前記コロイド粒子としては、導電性の観点から、金属のコロイド粒子を用いることが好ましい。
前記還元助剤の添加量としては、特に制限はなく、未還元銀が出ないように適宜調整することができる。
<表面処理工程>
前記表面処理工程は必須ではない。必要に応じて、前記被覆工程で得られる銀被覆テルル粉を、例えば、表面処理剤などで被覆する工程である。前記銀被覆テルル粉を表面処理剤で処理することにより、粉末が凝集することを抑制することができる。
実施例においては被覆工程終了の直後のタイミングとしたが、前記表面処理剤を添加するタイミングとしては、テルル粉の添加前、被覆工程中、被覆工程後、解砕工程時のいずれでも構わない。また、撹拌、温度調整は適宜実施することができる。
前記表面処理剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水性反応系に仕込まれるテルルに対して0.05質量%〜2質量%の間で銀被覆テルル粉が所望の特性になるように調整すればよく、また、各々の表面処理剤の添加量の比率は、銀被覆テルル粉が所望の特性になるように調整すればよい。
<ろ過・洗浄工程、乾燥工程、解砕工程、及び分級工程>
前記分散工程で得られる銀含有スラリーをろ過し、水洗することによって、流動性がほとんどない塊状のケーキが得られる。ケーキの乾燥を早める、乾燥時の凝集を防ぐ、などの目的で、ケーキ中の水を低級アルコールやポリオールなどで置換してもよい。ケーキを強制循環式大気乾燥機、真空乾燥機、気流乾燥装置等の乾燥機によって乾燥した後、解砕することにより、銀被覆テルル粉が得られる。解砕の代わりに、粒子を機械的に流動化させることができる装置に銀粒子を投入して、粒子同士を機械的に衝突させることによって、粒子表面の凹凸や角張った部分を滑らかにする表面平滑化処理を行ってもよい。また、解砕や表面平滑化処理の後に分級処理を行ってもよい。なお、乾燥、粉砕及び分級を行うことができる一体型の装置(例えば、株式会社ホソカワミクロン製のドライマイスタ、ミクロンドライヤ等)を用いて乾燥、粉砕及び分級を行ってもよい。
(導電性ペースト)
本発明の導電性ペーストは、本発明の銀被覆テルル粉、銀粉等の導電粉、樹脂、ガラスフリット、及び有機溶媒を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記導電性ペーストの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の銀被覆テルル粉、銀粉、ガラスフリット、樹脂、及び有機溶媒を、超音波分散、ディスパー、三本ロールミル、ボールミル、ビーズミル、二軸ニーダー、自公転式攪拌機などを用い、混合することにより作製することができる。
前記導電性ペーストにおける前記銀被覆テルル粉の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記導電性ペーストの粘度が、25℃で、10Pa・s〜1,000Pa・sとなるように調整することが好ましい。前記粘度が、10Pa・s未満であると、低粘度の領域では「にじみ」が発生することがあり、1,000Pa・sを超えると、高粘度の領域では「かすれ」、と言った印刷の不具合が発生することがある。また、導電性ペーストの粘度は、粘度調整剤の添加や溶剤の種類等の銀被覆テルル粉の含有量以外でも調整することが可能である。
本発明の銀被覆テルル粉を含有した前記導電性ペーストは、前記樹脂としてアクリル系樹脂を含むことが好ましい。
前記アクリル系樹脂とは、メタクリル酸メチルの重合体又はアクリル酸エステルとの共重合体の総称である。また、アクリル系樹脂には用途に応じて特定の分子を付加させることも可能である。
前記アクリル系樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、三菱レイヨン株式会社製のBR−102、東亞合成株式会社製のアルフロンUC−3000などが挙げられる。
本発明の銀被覆テルル粉を含有した前記導電性ペーストは、酸化亜鉛(ZnO)を含むことが好ましい。前記酸化亜鉛(ZnO)は粉末として添加してもよいし、ガラフフリットの組成としてZnOを含むものを使用することでもよいし、両方でもよい。
前記酸化亜鉛(ZnO)を含まない場合は、銀被覆テルル粉がゆっくりと酸化され、十分に酸化される前に軟化したガラスに取り込まれてしまうので、太陽電池表面のSiNx膜へ酸化剤として有効に作用することができない。このため、太陽電池セルのファイヤースルーによる銀の拡散が阻害されて電気的コンタクトが十分に取れず特性を発揮できないためである。
本発明の銀被覆テルル粉を含有した前記導電性ペーストは、従来の導電性ペーストに比較して、焼成型太陽電池の電極、種々の電子部品の電極や回路などを形成するための導電性ペーストとして、利用可能であり、特に、太陽電池用の導電性ペーストとして好適に利用可能である。本発明の銀被覆テルル粉は、焼成型導電性ペーストに特に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるもの
ではない。
(実施例1)
−銀被覆テルル粉の作製−
本実施例では、作製した銀被覆テルル粉のテルルに対する銀の質量比が3:1となるように銀とテルルの投入量を決定した。25℃の純水3,944gが、332rpmで攪拌している状態の反応槽に、銀15g(0.035mol/L)を含む硝酸銀水溶液47gを投入した。
引き続き、この反応槽中へ錯体化剤としての28質量%のアンモニア水34gを添加し、5分間反応させ、銀アンミン錯体水溶液を得た。この銀アンミン錯体水溶液にテルル粉(和光純薬工業株式会社製、−18+60メッシュ、純度99.999%)50gを添加して、銀と銀テルル化合物の両方をテルル粉表面に析出させた。10分間熟成させて銀又は銀テルル化合物が十分に析出した後に、添加したテルル粉の質量に対して0.23質量%のオレイン酸となるように、0.115gのオレイン酸を溶かしたエタノール希釈溶液0.6gを添加し5分間撹拌して銀被覆テルル粉含有スラリーを得た。得られた銀被覆テルル粉含有スラリーを吸引濾過し、純水で洗浄して、ケーキを得た。
得られたケーキを70℃の真空乾燥機で5時間乾燥させ、乾燥した銀被覆テルル粉末を得た。コーヒーミルによる解砕を20秒間で2回行い、150μmメッシュの篩を用いて分級して、実施例1の銀被覆テルル粉を得た。
得られた銀被覆テルル粉について、粉末X線回折装置(株式会社リガク製、SmartLab)を用いて、ステップ0.02°、測定速度50°/minの条件にて生成物の組成を確認した。
実施例1で得られた銀被覆テルル粉の粉末X線回折分析の測定結果を示すチャートを図2に示す。その結果、テルル(Te)のピーク強度が最も強く、次いで、AgTe、AgTe、Agの順にピークを有していることが観察された。このチャートから、テルル粉の少なくとも表面の一部が主としてAgTeのような銀テルル化合物の被覆された銀被覆テルル粉が得られたことが確認できた。
(実施例2)
オレイン酸を溶かしたエタノール希釈溶液を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、実施例2の銀被覆テルル粉を得た。実施例1と同様にして、生成物の組成を確認したところ、実施例1の銀被覆テルル粉と同様のチャートを示し、銀被覆テルル粉が得られたことが確認できた。
(実施例3)
本実施例では、作製した銀被覆テルル粉のテルルに対する銀の質量比が1:1となるように銀とテルルの投入量を変更した。即ち、実施例1において、銀15g(0.035mol/L)を、銀38g(0.089mol/L)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の銀被覆テルル粉を得た。実施例1と同様にして、生成物の組成を確認した。
実施例3で得られた銀被覆テルル粉の粉末X線回折分析の測定結果を示すチャートを図3に示す。その結果、Teのピーク強度が最も強く、次いで、AgTe、AgTe、Agの順にピークを有していることが観察された。このチャートから、テルル粉の少なくとも表面の一部が主としてAgTeのような銀テルル化合物に被覆された銀被覆テルル粉が得られたことが確認できた。また、実施例1のチャート(図2)に比べてAgTeやAgTeのような銀テルル化合物のピークが強く出ており、実施例1に比べて厚い被覆が形成されたことが示唆された。
(実施例4)
オレイン酸を溶かしたエタノール希釈溶液を用いなかった以外は、実施例3と同様にして、実施例4の銀被覆テルル粉を得た。生成物の組成を確認したところ、実施例3の銀被覆テルル粉と同様のチャートを示し、銀被覆テルル粉が得られたことが確認できた。
(比較例1)
銀アンミン錯体水溶液を用いず、純水が入った反応槽中へ原料のテルル粉50gと、0.115gのオレイン酸を溶かしたエタノール希釈溶液0.6gを添加し、5分間撹拌してスラリーを得た以外は、実施例1と同様にして、比較例1のテルル粉を得た。
(比較例2)
原料のテルル粉そのままを、比較例2のテルル粉とした。
次に、実施例及び比較例の反応条件などについて、以下の表1にまとめて示す。また、得られた銀被覆テルル粉及びテルル粉について、以下のようにして、粉体特性の測定を行った。結果を表1に示した。
<粒度分布>
銀被覆テルル粉及びテルル粉の粒度分布としては、レーザー回折式粒度分布装置(日機装株式会社製、マイクロトラック粒度分布測定装置(Microtrac MT3300EXII))により測定して、累積10%粒子径(D10)、累積50%粒子径(D50)、及び累積90%粒子径(D90)を求めた。
<BET比表面積の測定>
銀被覆テルル粉及びテルル粉のBET比表面積としては、比表面積測定装置(装置名:Macsorb、Mountech社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定した。なお、BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃で10分間とした。
<発熱ピーク及び吸収ピーク、並びに重量変化率>
銀被覆テルル粉及びテルル粉の発熱ピーク及び吸収ピークについて、示差熱分析測定装置(リガク株式会社製、TG8120)にて、大気中で室温から500℃まで、毎分10℃の昇温速度で測定した。前記実施例1〜4及び前記比較例2で得られた銀被覆テルル粉の示差熱分析結果を図4〜図8に示す。
また、重量変化率について、下記式に基づいて、大気中で室温から500℃まで昇温させた時の重量変化率を測定した。
重量変化率(%)=[(大気中500℃での重量−室温での重量)/室温での重量]
×100
<炭素量>
銀被覆テルル粉及びテルル粉の炭素量としては、炭素分析計(株式会社堀場製作所製、EMIA−810)を用いて測定した。前記炭素量を測定することにより、銀被覆テルル粉及びテルル粉の表面に付着した表面処理剤の定量を行うことができる。なお、この分析により銀被覆テルル粉及びテルル粉の表面に表面処理剤が存在するか否かも判定できる。なお、実施例1と2の測定は省略した。
<銀含有量>
銀被覆テルル粉の銀含有量は、銀被覆テルル粉を硝酸で加熱溶解し、結合誘導プラズマ(ICP)発光分析(SII社製、SPS5100)により測定した。
表1中の発熱ピークと吸熱ピークの結果から、テルル粉の融点よりも低い温度である300℃〜400℃の間に少なくとも1つの吸熱ピークが生じており、この実施例の銀被覆テルル粉を導電性ペーストに用いた場合、比較例のテルル粉に比べて低い温度でテルルが拡散することが予想され、より低温の焼成でも導電性に優れる導電膜の作製が可能となることがわかった。
(実施例5)
<導電性ペーストの作製>
銀粉(DOWAハイテック株式会社製、AG−4−8F):84.0質量%、実施例3に記載の銀含有量49%の銀被覆テルル粉:3.9質量%、酸化亜鉛(純正化学株式会社製):0.5質量%、樹脂1(日本カーバイト株式会社製、EU−5638、樹脂分46.1質量%)樹脂量換算で1.1質量%、樹脂2(和光純薬工業株式会社製、エチルセルロース)0.1質量%、溶剤1(JMC株式会社製、テキサノール(TEX))3.1質量%、溶剤2(和光純薬工業株式会社製、ブチルカルビトールアセテート(BCA))3.1質量%、ガラスフリット(奥野製薬株式会社製、G3−3812、軟化点538℃)3.3質量%、酸化ビスマス(DOWAハイテック株式会社製)0.2質量%、ステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)0.2質量%、オレイン酸(和光純薬工業株式会社製)0.5質量%、となるように秤量し、自公転式真空攪拌脱泡装置(株式会社シンキー社製、あわとり練太郎)により混合(予備混練)した後、3本ロール(オットハーマン社製、EXAKT80S)により混練することにより、導電性ペーストを得た。
<太陽電池特性の評価>
太陽電池用シリコン基板(80Ω/□)上に、スクリーン印刷機(MT−320T、マイクロテック株式会社製)を用いて基板裏面に、アルミペースト(東洋アルミ株式会社製のアルソーラー14−7021)を用いて154mm厚のベタパターンを形成した。
次に、熱風乾燥機を用いて200℃で10分間乾燥させた。
前記基板表面に、前記導電性ペーストを用いて50μm幅のフィンガー電極と、3本のバスバー電極を形成した。
熱風乾燥機を用いて200℃で10分間乾燥させた。
高速焼成IR炉(日本碍子株式会社製)を用いて、ピーク温度820℃ in−out 21secにて高速加熱した。以上により、太陽電池を作製した。
次に、得られた太陽電池の変換効率を、WACOM社製ソーラーシュミレーターを用いて測定した。結果を表4に示した。
(比較例3)
実施例5において、銀被覆テルル粉を用いずに酸化テルル粉(和光純薬工業株式会社製、純度98%)2.4質量%を添加し、銀粉を85.8質量%とし、表4に記載のとおりの組成とした以外は、実施例5と同様にして、導電性ペーストを得た。なお、銀被覆テルル粉に含まれる銀の量を考慮し、比較例3と実施例5とで導電性ペースト中の銀とテルルの含有量は、ほぼ同等である。なお、銀被覆テルル粉の原料のテルル粉よりも酸化テルル粉を用いた方が高い変換効率を有するため、酸化テルル粉を比較例とした。
得られた導電性ペーストを用い、実施例5と同様にして、太陽電池を作製し、変換効率を測定した。結果を表4に示した。
(実施例6)
実施例5において、ガラスフリットを、奥野製薬株式会社製のG3−3812(主成分Bi、SiO、B、軟化点538℃)から、旭硝子株式会社製のASF−1898B(主成分RO、B、ZnO、軟化点526℃)に代えた以外は、実施例5と同様にして、導電性ペーストを得た。
得られた導電性ペーストを用い、実施例5と同様にして、太陽電池を作製し、変換効率を測定した。結果を表4に示した。
(比較例4)
実施例6において、銀被覆テルル粉を用いずに酸化テルル粉(和光純薬工業株式会社製、純度98%)2.4質量%を添加し、銀粉を85.8質量%とし、表4に記載のとおりの組成とした以外は、実施例6と同様にして、導電性ペーストを得た。なお、銀被覆テルル粉に含まれる銀の量を考慮し、比較例4と実施例6とで導電性ペースト中の銀とテルルの含有量はほぼ同等である。なお、銀被覆テルル粉の原料のテルル粉よりも酸化テルル粉を用いた方が高い変換効率を有するため、酸化テルル粉を比較例とした。
得られた導電性ペーストを用い、実施例5と同様にして、太陽電池を作製し、変換効率を測定した。結果を表4に示した。
次に、実施例5〜6及び比較例3〜4の組成、配合量、条件、変換効率の測定結果などについて、以下の表2〜表4にまとめて示す。
本発明の銀被覆テルル粉を用いた導電性ペーストは、酸化テルル粉を用いた場合に比べて太陽光による発電効率を向上させる効果を有することが分かった。
本発明の銀被覆テルル粉は、種々の電子部品の電極や回路を形成するための導電性ペーストとして利用可能であり、特に、太陽電池用の導電性ペーストとして好適に利用可能である。

Claims (10)

  1. テルル粉を銀錯体溶液に添加し、前記テルル粉の表面の少なくとも一部を、銀、及び銀とテルルからなる化合物被覆し、
    粉末X線回折分析において、テルル、Ag Te、Ag Te 、Agを検出することを特徴とする銀被覆テルル粉の製造方法。
  2. 脂肪酸を添加する請求項1に記載の銀被覆テルル粉の製造方法。
  3. テルル粉の表面の少なくとも一部を、銀、及び銀とテルルからなる化合物被覆後に、ろ過、洗浄、乾燥、及び解砕する請求項1から2のいずれかに記載の銀被覆テルル粉の製造方法。
  4. テルル粉を銀錯体溶液に添加した後に、熟成する時間を有し、前記熟成する時間が、10分間以上である請求項1から3のいずれかに記載の銀被覆テルル粉の製造方法。
  5. テルル粉の表面に、銀、及び銀とテルルからなる化合物し、
    粉末X線回折分析において、テルル、Ag Te、Ag Te 、Agを検出することを特徴とする銀被覆テルル粉。
  6. 表面に表面処理剤を更に有する請求項5に記載の銀被覆テルル粉。
  7. 請求項5に記載の銀被覆テルル粉と、導電粉と、樹脂と、ガラスフリットと、有機溶媒と、を含有することを特徴とする導電性ペースト。
  8. 前記樹脂が、アクリル系樹脂を含む請求項に記載の導電性ペースト。
  9. 粉末又は前記ガラスフリットの成分として酸化亜鉛を含む請求項又はに記載の導電性ペースト。
  10. テルル粉を銀錯体溶液に添加した後、ろ過、洗浄、乾燥、及び解砕する工程を有し、
    粉末X線回折分析において、テルル、AgTe、AgTe、Agを検出することを特徴とする銀被覆テルル粉の製造方法。
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