JP2017002364A - 表面被覆金属微粒子の分散溶液、ならびにこの分散溶液の塗布および焼結する工程を含む、焼結導電体および導電接続部材の製造方法 - Google Patents

表面被覆金属微粒子の分散溶液、ならびにこの分散溶液の塗布および焼結する工程を含む、焼結導電体および導電接続部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、導電性および密着性に優れた金属焼結体を製造することが可能な表面被覆金属微粒子の分散溶液等を提供する。
【解決手段】本発明の表面被覆金属微粒子の分散溶液は、平均一次粒径が5〜300nmであり、高分子分散剤(D)で被覆された表面をもつ金属核粒子(P1)と、金属核粒子(P1)の前記表面の少なくとも一部に形成され、金属核粒子とは同一金属の酸化物である金属酸化物を主として含有する第1被覆部(B1)と、前記金属核粒子(P1)の、第1被覆部(B1)が存在しない前記表面上、および第1被覆部(B1)の表面上の少なくとも一方に形成され、金属核粒子とは同一金属のイオンである金属イオンをカルボン酸と反応させてなる金属化合物を主として含有する第2被覆部(B2)とを含んでなる表面被覆金属微粒子(P)が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含有する有機溶媒(S)に分散していることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば300℃以下の比較的低温の焼成においても、導電性に優れる金属焼結体を得ることが可能な表面被覆金属微粒子の分散溶液、ならびにこの分散溶液の塗布および焼結する工程を含む、焼結導電体および導電接続部材の製造方法に関する。
従来から、ナノサイズ(具体的には1μm未満のサイズをいう。以下同じ)の金属微粒子は、バルク金属に比べて融点が低くなる他、触媒活性、磁気特性、比熱特性、光学特性の変化等を発現することから、電子材料、触媒材料、蛍光体材料、発光体材料等の分野で広く用いられている。最近では、このようなナノサイズの金属微粒子を含有する導電性ペーストやインクのような配線形成材料を使用し、配線パターンをインクジェットプリンタ等により印刷し、焼成して配線を形成する技術が注目されており、この技術は、特にプリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続等に適用されるようになった。
ナノサイズの金属微粒子を製造する方法としては、大別すると気相合成法と液相合成法の2種類の製法が知られている。ここで気相合成法は、気相中に導入した金属蒸気から固体の金属微粒子を生成する方法であり、また、液相合成法は、溶液中に溶解し、解離状態にある金属イオンを還元することにより金属微粒子を析出させる方法である。さらに、液相合成法としては、一般に還元剤を使用して金属イオンを還元する方法と、電気化学的にカソード電極上で金属イオンを還元する方法とが挙げられる。
ナノサイズの金属微粒子を溶媒中に分散させた分散溶液を、導電ペーストやインクとして、基板等に塗布し、その後に焼結して金属焼結体を形成する方法としては、例えば特許文献1には、金属ナノ粒子分散液の塗布膜を50℃〜120℃の温度に加熱しつつ、酸素分子を10体積%〜25体積%の範囲で含有する混合気体を5秒間〜15秒間塗布膜表面に吹き付け、金属ナノ粒子表面に酸化被膜を形成する酸化処理と、アルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物の蒸気を10体積%〜30体積%の範囲で含有する混合気体を、120秒間〜300秒間塗布膜表面に吹き付け、金属ナノ粒子表面の酸化被膜を還元する還元処理と組み合わせた酸化・還元処理サイクルを複数回繰り返すことで、金属ナノ粒子の低温焼結を段階的に進行させ、金属ナノ粒子焼結体層を形成する方法が開示されている。
特許文献2には、平均粒径が10μm〜2μmの銅粉、平均粒径が1μm〜0.2μmの微細銅粉、平均粒径が1.4μm〜0.2μmの粉末状のガラスフリット、分散剤、有機バインダ、分散溶媒を含有し、軟化点が300℃〜400℃の範囲のガラスフリットを採用した焼成型導電性銅ペーストであり、焼成処理工程では、大気雰囲気下、350℃〜450℃の範囲に加熱して、分散剤、有機バインダを除去する酸化処理と、水素ガスを含む還元性雰囲気下、350℃〜450℃の範囲に加熱して、微細銅粉表面の酸化被膜を還元除去し、銅粉、微細銅粉の焼結を行う還元処理を組み合わせることで、焼成型導電体を作製することが開示されている。
特許文献3には、平均凝集粒子径が0.5〜20μmである銅フィラーと、平均凝集粒子径が50〜200nmである銅ナノ粒子と、脂肪族カルボン酸と、樹脂バインダとを含むペーストを基板上に塗布し、焼成して導電膜を形成することが開示されている。
特許文献4には、コア部が銅であり、シェル部が酸化銅であるコア/シェル構造を有する粒子を還元性の分散媒に分散させてなる分散液を基板上に塗布し、塗膜を形成する工程と、前記塗膜を加熱し、該塗膜中の粒子の酸化銅を銅に還元するとともに、還元されて得られた銅粒子同士を焼結する工程と、を含む導電性基板の製造方法が開示されている。
特許文献5には、表面酸化膜層を有する銅ナノ粒子または酸化銅ナノ粒子を含有する分散液を用いて、微細な配線パターンの塗布層を基板上に描画する工程と、塗布層中に含まれる前記ナノ粒子に対して、表面酸化膜層または酸化銅を還元する処理を施し、さらに焼成して焼結体を形成する工程とを有する、微細な銅系配線パターンの形成方法が開示されている。
特開2012−140669号公報 特開2012−109148号公報 国際公開第2010/032841号 特開2009−218497号公報 特許第3939735号公報
しかしながら、特許文献1は、金属ナノ粒子分散液からなる塗布膜を低温焼結する工程において、酸素含有混合気体の気流雰囲気中で処理して酸化被膜を形成する酸化処理サブステップと、オキソ基等を有する有機化合物の蒸気が混合されている還元性混合気体の気流雰囲気中で酸化被膜を還元除去する還元処理サブステップを行なうことを必須としており、これら複数の雰囲気をそれぞれ制御することは焼結工程を煩雑にするとともに、導電性等に優れた金属焼結体を安定して製造する場合には適さない。
また、特許文献2は、ガラスフリットを含有する導電性銅ペーストを使用しているため、焼成時にガラスフリットを軟化、流動化させるため、ガラスフリットの軟化点以上の温度である350〜450℃まで高温焼成を行なう必要があり、かかる高温焼成を必須とする金属焼結体の製造方法は、用途によっては適用できないという問題がある。特に、近年における導電性ペーストやインクの適用分野では、不活性ガス雰囲気中で300℃以下の比較的低温で焼成しても導電性の高い金属焼結体を得られることが望ましい。
さらに、特許文献3に記載の導電ペーストは、銅ナノ粒子を含有するだけではなく、銅ナノ粒子よりも大きな粒径(0.5〜20μm)をもち、銅ナノ粒子の2倍以上の質量割合の銅フィラーを含有するため、上述したような金属ナノ粒子特有の特性を十分に発現することはできず、また、銅ナノ粒子と銅フィラーとの間に空隙が生じやすく、これらの空隙の比率に応じて樹脂バインダを含有することを必須としているが、樹脂バインダを含有させると、金属焼結体中に樹脂成分等の不純物成分が残存する可能性があり、導電性等の性能に悪影響を及ぼす恐れがあるという問題もあった。
また、特許文献4では、コア部が銅であり、シェル部が酸化銅であるコア/シェル構造を有する粒子を、還元性の分散媒に分散させた分散溶液を、加熱・焼結する際に、酸化銅が銅に還元されるとともに、還元された銅粒子同士の焼結が促進されるが、シェル部の酸化銅がすべて還元されてしまった後は、焼結が促進されなくなって、十分な焼結性が得られなくなるという問題がある。
さらに、特許文献5では、表面酸化膜層を有する銅ナノ粒子または酸化銅ナノ粒子を含有する分散液を、還元能を有する有機化合物の存在下で還元・焼成することによって、銅系配線パターンを形成する方法であるが、かかる方法もまた、特許文献4と同様、酸化銅がすべて還元されてしまった後は、焼結が促進されなくなって、十分な焼結性が得られなくなるという問題がある。
本発明の目的は、有機溶媒(S)中に、金属核粒子(P1)の表面性状の適正化を図った表面被覆金属微粒子(P)を分散させることにより、導電性および密着性に優れた金属焼結体を製造することが可能な表面被覆金属微粒子の分散溶液、ならびにこの分散溶液の塗布および焼結する工程を含む、焼結導電体および導電接続部材の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ナノサイズの金属核粒子(例えば銅核粒子)を、酢酸または金属酢酸塩(例えば酢酸銅)の水溶液を用いた湿式方式(液相中)で酸化処理したときに、金属核粒子の表面が金属酸化物(例えば酸化銅(I))と金属酢酸塩(例えば酢酸銅)とで被覆され、耐酸化性と焼結性を併せ持った表面被覆金属微粒子が生成されること、および、このように処理された表面被覆金属核粒子(例えば表面被覆銅核粒子)は、焼成時に金属酸化物(例えば酸化銅(I))の触媒効果で溶媒が分解され、金属核粒子の表面に形成されている金属酸化物が還元されると共に、金属酢酸塩(例えば酢酸銅)が分解し、新たな金属(例えば銅)が金属核粒子の表面および金属核粒子同士の間に析出して、焼成後に生成される金属焼結体の導電性および密着性が格段に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
以上のことから、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)平均一次粒径が5〜300nmであり、高分子分散剤(D)で被覆された表面をもつ金属核粒子(P1)と、該金属核粒子(P1)の前記表面の少なくとも一部に形成され、前記金属核粒子とは同一金属の酸化物である金属酸化物を主として含有する第1被覆部(B1)と、前記金属核粒子(P1)の、前記第1被覆部(B1)が存在しない前記表面上、および前記第1被覆部(B1)の表面上の少なくとも一方に形成され、前記金属核粒子とは同一金属のイオンである金属イオンをカルボン酸と反応させてなる金属化合物を主として含有する第2被覆部(B2)とを含んでなる表面被覆金属微粒子(P)が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含有する有機溶媒(S)に分散していることを特徴とする、表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(2)前記金属核粒子(P1)は、銅、銀、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種からなる上記(1)に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(3)前記第2被覆部(B2)は、前記金属核粒子(P1)100質量部に対し0.1〜10質量部である上記(1)または(2)に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(4)前記カルボン酸は、沸点または分解温度が300℃より低い上記(1)、(2)または(3)に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(5)前記カルボン酸は、モノカルボン酸である上記(4)に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(6)前記カルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸またはカプリン酸であることを特徴とする上記(5)に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(7)前記有機溶媒(S)は、前記金属核粒子(P1)100質量部に対し、40〜80質量部であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(8)前記有機溶媒(S)は、常圧における沸点が140〜350℃の範囲である上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(9)前記有機化合物(S1)は、ヒドロキシル基の結合している炭素原子に1又は2の水素原子が結合している有機化合物である上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(10)前記有機溶媒(S)は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、および1,2,4−ブタントリオールの中から選択される1種または2種以上である上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(11)前記金属核粒子(P1)が銅微粒子であり、前記第1被覆部(B1)の前記金属酸化物が酸化銅(I)であり、前記第2被覆部(B2)の前記金属化合物が酢酸銅である上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(12)X線回折により測定したCu(111)面でのピーク強度をH、CuO(111)面のピーク強度をHとするとき、前記第1被覆部(B1)は、前記ピーク強度(H2)が、前記ピーク強度(H)と前記ピーク強度(H)の和に対する比(H/[H+H])にして、0.67〜0.90の範囲となるように形成される上記(11)に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(13)FT−IRにより測定した赤外吸収スペクトルにおいて、前記第1被覆層(B1)中に存在するCuOに起因する650cm−1位置でのスペクトルピークの大きさをK1、カルボン酸と反応させて生成される前記第2被覆層(B2)中に存在するカルボキシレート基に起因する1560cm−1位置でのスペクトルピークの大きさをK2とするとき、前記大きさ(K2)が、前記大きさ(K1)と前記大きさ(K2)の和に対する比(K2/[K1+K2])にして、0.3〜0.6の範囲であることを特徴とする、上記(11)または(12)に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
(14)上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液を基板に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度での加熱処理により焼結して、基板上に金属微粒子(P)の導電体を形成することを特徴とする、焼結導電体の製造方法。
(15)上記(1)から(13)のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液を、電子部品における半導体素子、回路基板の電極端子および導電性基板のいずれかの一の接合面に塗布した後、該塗布した前記一の接合面上に、更に接続する別の電極端子および導電性基板のいずれかの他の接合面を積層配置し、加熱処理により焼結して、前記一の接合面と前記他の接合面とを、金属微粒子(P)の導電接続部材で接合することを特徴とする、導電接続部材の製造方法。
本発明に従う表面被覆金属微粒子の分散溶液は、平均一次粒径が5〜300nmである金属核粒子(P1)と、この金属核粒子(P1)の表面の少なくとも一部に形成され、前記金属核粒子とは同一金属の酸化物である金属酸化物を主として含有する第1被覆部(B1)と、前記金属核粒子(P1)の、前記第1被覆部(B1)が存在しない表面上、および前記第1被覆部(B1)の表面上の少なくとも一方に形成され、前記金属核粒子とは同一金属のイオンである金属イオンをカルボン酸と反応させてなる金属化合物を主として含有する第2被覆部(B2)とで構成された表面被覆金属微粒子(P)を、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含有する有機溶媒(S)に分散させたものであって、この分散溶液を、基板等に塗布して塗布膜を形成し、その後、塗布膜を、例えば300℃以下の比較的低温で焼結することにより、金属核粒子の表面に形成されている第1被覆部(B1)の金属酸化物の触媒効果で有機溶媒(S)が分解されるとともに、第1被覆部(B1)の金属酸化物が還元され、これと同時に、第2被覆部(B2)の金属カルボン酸塩が分解するとともに、この分解した金属イオンが、金属核粒子の表面および金属核粒子同士の間に金属として還元析出する結果、焼成後に生成される金属焼結体の導電性および密着性を格段に向上させることができる。
本発明の表面被覆金属微粒子の分散溶液は、平均一次粒径が5〜300nmである金属核粒子(P1)と、該金属核粒子(P1)の表面の少なくとも一部に形成され、前記金属核粒子とは同一金属の酸化物である金属酸化物を主として含有する第1被覆部(B1)と、前記金属核粒子(P1)の、前記第1被覆部(B1)が存在しない表面上、および前記第1被覆部(B1)の表面上の少なくとも一方に形成され、前記金属核粒子とは同一金属のイオンである金属イオンをカルボン酸と反応させてなる金属化合物を主として含有する第2被覆部(B2)とで構成された表面被覆金属微粒子(P)を、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含有する有機溶媒(S)に分散させた溶液である。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。
〔1〕表面被覆金属微粒子の分散溶液(第1の実施形態)
(1)表面被覆金属微粒子(P) 表面被覆金属微粒子(P)は、金属核粒子(P1)と、第1被覆部(B1)と、第2被覆部(B2)とで構成されている。
(a)金属核粒子(P1)
金属核粒子(P1)は、平均一次粒径が5〜300nmの範囲であり、高分子分散剤(D)で被覆された表面をもつ金属核粒子であることが必要とされる。平均一次粒径が5nm未満とすることは、高度な製造技術を伴うことによる製造コストの上昇を招く等の観点から現実的ではなく、また、300nmよりも大きいと、焼成時に、有機溶媒(S)から水素ガスを発生させて焼結を促進させる還元作用を発揮させるための金属核粒子(P1)の触媒効果が大きく低下するとともに、ナノサイズ特有の特性を十分に発現することができなくなるからである。なお、平均一次粒径を300nm以下に制御する手段としては、例えば、添加剤濃度や処理液温度などの還元条件を適宜変更する方法が挙げられる。
尚、ここでいう「一次粒径」とは、凝集した状態の粒子である二次粒子を構成する個々の(一次)粒子である金属核粒子の直径(一次粒径)を意味する。また、「平均一次粒径」とは、測定した複数個の金属核粒子の一次粒径の平均値であって、具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、観察可能な任意に選択した所定個数(例えば80個)の金属核粒子の一次粒径を測定し、測定した金属核粒子全体のうち、粒径を小さい方から順に数えて、金属核粒子全体の5%に相当する金属核粒子の一次粒径(4個)と、粒径を大きい方から順に数えて、金属核粒子全体の5%に相当する金属核粒子の一次粒径(4個)とを除いた、残り90%(72個)に相当する金属核粒子の一次粒径の平均値を意味する。
また、高分子分散剤(D)としては、分子量が1000以上であることが好ましい。高分子分散剤(D)の分子量が1000以上であると、高分子分散剤(D)で被覆された金属核粒子(P1)を焼成する際に、蒸発又は分解されずに、得られる焼結体の外表面に分布して焼結体の耐食性を向上する効果を発揮する。このような効果を発揮できる高分子分散剤(D)としては、分子量が1000以上のポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上を例示することができる。また、高分子分散剤(D)で被覆された金属核粒子(P1)中における、高分子分散剤(D)の割合は0.1〜3質量%であることが好ましい。
金属核粒子(P1)の製造方法は、特に制限はなく、例えば、還元反応水溶液中で銅イオンを電解還元する方法や、還元剤を用いた非電解還元法等が挙げられる。
金属核粒子(P1)としては、導電性、加熱処理(焼結性)、市場における入手の容易性等から、銅、銀、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種からなることが好ましく、特に材料コスト等の観点から、銅であることがより好適である。
(b)第1被覆部(B1)
第1被覆部(B1)は、金属核粒子(P1)の表面の少なくとも一部に形成され、前記金属核粒子とは同一金属の酸化物である金属酸化物を主として含有する。ここで、第1被覆部(B1)を、「金属核粒子(P1)の表面の少なくとも一部」に形成するとしたのは、金属核粒子(P1)の表面全体にわたって第1被覆部(B1)を層として形成する場合や、金属核粒子(P1)の表面の一部に島状等に点在させ、金属核粒子(P1)の表面の残部を第2被覆部(B2)で形成する場合を含めるためである。また、第1被覆部(B1)が「金属酸化物を主として含有する」としたのは、第1被覆部(B1)が、金属核粒子と同一金属の金属酸化物だけからなる場合だけではなく、少なくとも金属核粒子(P1)100質量部に対し、前記金属酸化物の含有量が2.0質量部以上である場合を含めるためである。
第1被覆部(B1)の金属酸化物は、金属核粒子(P1)が銅核粒子である場合には、酸化銅(I)(CuO)であることが好ましい。この場合、X線回折により測定したCu(111)面でのピーク強度をH、CuO(111)面のピーク強度をHとするとき、第1被覆部(B1)は、前記ピーク強度(H)が、前記ピーク強度(H)と前記ピーク強度(H)の和に対する比(H/[H+H])にして、0.67〜0.90の範囲となるように形成されることが好ましい。本発明は、銅核粒子(P1)の表面に、第1被覆部(B1)、好適には酸化銅(I)(CuO)のナノ粒子を形成させて、コアシェル型の複合粒子を用いるとともに、これらの複合粒子を分散させるためにポリオール溶媒(主に、グリセリンorグリセロール)を用い、前記比(H/[H+H])を0.67〜0.90の範囲に限定することによって、酸化銅の触媒効果でグリセリンが分解されて酸化銅は還元されると同時に、グリセリンの分解により、生成される分解物が粒子焼結時に焼結を促進させる効果を奏することができる(触媒焼結性)。しかしながら、前記比(H/[H+H])が0.67未満であると、酸化銅の触媒効果が低下してしまい、焼結に有効なグリセリンの分解物が生成されず、触媒焼結性が十分に得られなくなるおそれがあり、一方、前記比(H/[H+H])が0.90を超えると、酸化物層が厚くなりすぎて銅核粒子間の焼結を阻害するおそれがあるからである。
X線源としてCuKαを用いたX線回折によると、酸化銅(I)(CuO)の(111)面は2θ=36°付近にピークが現れ、一方、銅(Cu)の(111)面は2θ=43°付近にピークが現れる。尚、酸化銅として存在するのは、酸化銅(I)(CuO)のみであり、酸化銅(II)(CuO)は、通常存在しない。表面層が酸化銅(CuO)からなる銅核粒子(P1)に占める、表面層および銅核粒子の内部に存在する酸化銅(CuO)の割合は、X線回折測定において2θ=43°付近に存在するCu(111)面のピーク高さをH、2θ=36°付近に存在するCuO(111)面のピーク高さをHとしたときにX線回折ピーク強度比(H/[H+H])から求めることができる。
(c)第2被覆部(B2)
第2被覆部(B2)は、金属核粒子(P1)の、第1被覆部(B1)が存在しない表面上、および前記第1被覆部(B1)の表面上の少なくとも一方に形成され、前記金属核粒子とは同一金属のイオンである金属イオンをカルボン酸と反応させてなる金属化合物を主として含有する。ここで、第2被覆部(B2)を、「金属核粒子(P1)の、第1被覆部(B1)が存在しない表面上、および前記第1被覆部(B1)の表面上の少なくとも一方」に形成するとしたのは、第1被覆部(B1)が金属核粒子(P1)の表面の一部に点在して形成され、かつ金属核粒子(P1)の、第1被覆部(B1)が存在しない表面上や、さらに、点在する第1被覆部(B1)上にも、第2被覆部(B2)が、島状等に点在して形成される場合や、第1被覆部(B1)が、金属核粒子(P1)の表面全体に層として形成され、かつ第1被覆部(B1)の表面上に、第2被覆部(B2)が形成される場合を含めるためである。また、第2被覆部(B2)が「金属化合物を主として含有する」としたのは、第2被覆部(B2)が、金属核粒子と同一金属の金属化合物だけからなる場合だけではなく、少なくとも金属核粒子(P1)100質量部に対し、前記金属化合物の含有量が2.0質量部以上である場合を含めるためである。
第2被覆部(B2)は、金属核粒子(P1)100質量部に対し0.1〜10質量部であることが好ましい。第2被覆部(B2)が、金属核粒子(P1)100質量部に対し0.1質量部未満だと、加熱時の第2被覆部(B2)の分解に伴う還元析出効果が低下し、焼成後の膜の抵抗率が増加する。また、10質量部を超えると、分散溶液中の溶媒の量が不足しがちになって、加熱後も第2被覆部の金属化合物の一部が残留するおそれがあるからである。
カルボン酸は、沸点または分解温度が300℃より低いことが好ましい。カルボン酸の沸点または分解温度が300℃以上だと、焼成時に第2被覆部(B2)の金属化合物を構成するカルボン酸金属塩の分解が生じにくくなって、カルボン酸金属塩の金属イオンが、金属核粒子(P1)の表面上に金属として還元析出することができなくなるおそれがあるからである。
また、カルボン酸は、モノカルボン酸であることが好ましく、具体的には、ギ酸(沸点:100.5℃)、酢酸(沸点:118℃)、プロピオン酸(沸点:141.1℃)、酪酸(沸点:163.5℃)、カプリル酸(沸点:239.7℃)、カプロン酸(沸点:205℃)またはカプリン酸(沸点:268℃)であることがより好適である。特に、第2被覆部(B2)の金属化合物は、金属核粒子(P1)が銅核粒子である場合には、カルボン酸銅、特に酢酸銅であることが好ましい。
また、本発明において、金属核粒子(P1)と、第1被覆部(B1)と、第2被覆部(B2)とで構成される表面被覆金属微粒子(P)の形成方法としては、特に限定はしないが、例えば、金属イオン(例えば銅イオン)を、反応水溶液(例えば酢酸や酢酸銅の水溶液等)中で酸素ガスを含む酸化性ガスをバブリングさせながら還元することにより得ることができる。その他、金属核粒子(P1)は、過酸化水素や硝酸などの酸化剤を反応水溶液中へ添加することにより還元析出することもできる。
反応水溶液中の(モノ)カルボン酸濃度は、0.1〜1質量%であることが好ましい。前記(モノ)カルボン酸濃度が0.1質量%未満では、粒子が酸化されず、反応時間を長くしても酸化しないと分かった。また、前記(モノ)カルボン酸濃度が1質量%よりも大きくすると、粒子の酸化は認められるものの、金属ナノ粒子が、処理後に反応水溶液に溶けて反応水溶液が変色するなどの液を劣化させる傾向があるためである。そのため、反応水溶液中の(モノ)カルボン酸濃度は、0.1〜1質量%とすることが好ましい。
さらに、金属核粒子(P1)が銅核粒子、第1被覆部(B1)の金属酸化物が酸化銅(I)、そして第2被覆部(B2)の金属化合物が酢酸銅である場合には、FT−IRにより測定した赤外吸収スペクトルにおいて、前記第1被覆層(B1)中に存在するCuOに起因する650cm−1位置でのスペクトルピークの大きさをK1、カルボン酸と反応させて生成される前記第2被覆層(B2)中に存在するカルボキシレート基に起因する1560cm−1位置でのスペクトルピークの大きさをK2とするとき、前記大きさ(K2)が、前記大きさ(K1)と前記大きさ(K2)の和に対する比(K2/[K1+K2])にして、0.3〜0.6の範囲であることが好ましい。前記比(K2/[K1+K2])が、0.3よりも小さいと、加熱に伴う還元析出効果が低下し、焼成後の膜の抵抗率が増加し、密着性が低下する恐れがあり、また、0.6よりも大きいと、溶媒不足で加熱後でも残留し抵抗の阻害のおそれがあるからである。
FT−IRにより測定した赤外吸収スペクトルでは、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、KBr錠剤法で粒子の表面有機修飾剤起因のカルボニル基のピークや酸化CuO起因のピークと、酢酸や酢酸銅で処理した結果のカルボキシレート基に起因したピークが確認できる。まず、金属核粒子(P1)に第1被覆部(B1)だけを形成する酸化処理だけを行った場合の赤外吸収スペクトルでは、表面有機修飾剤起因のカルボニル基のピーク1700cm−1とCuO起因の650cm−1吸収ピークが確認された。次に、金属核粒子(P1)に第1被覆部(B1)と第2被覆部(B2)の双方を形成した表面被覆金属粒子(P)の赤外吸収スペクトルでは、表面有機修飾剤起因のカルボニル基のピーク1700cm−1に加えて、表面に配位したと考えられるカルボキシレート基のC=O非対称性伸縮振動に基づく1560cm−1のピークと、CuO起因の650cm−1吸収ピークが確認された。カルボン酸の処理前にすでに、表面有機修飾剤起因のカルボニル基の吸収ピークおよび、CuO起因の吸収ピークは確認されていた(酸化処理後はこのピークが大きくなる)ことから、既存の粒子表面構造上にカルボキシレート基が形成したものと考えられる。
そこで、第1被覆部(B1)中に主として含有する酸化銅に起因するスペクトルピーク650cm−1の大きさをK1、第2被覆部(B2)中に主として含有する酢酸銅に起因するスペクトルピーク1560cm−1の大きさをK2にしたとき、前記大きさ(K2)が、前記大きさ(K1)と前記大きさ(K2)の和に対する比(K2/[K1+K2])を求めることにより、表面被覆金属微粒子(P)の表面に存在する第2被覆部(B2)の割合を相対的に推定することができる。
(2)有機化合物(S1)を含有する有機溶媒(S)
本発明では、有機溶媒(S)を、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含有する有機溶媒に限定することを必要とする。また、有機溶媒(S)の常圧における沸点が140〜350℃の範囲であることが好ましい。前記の通り、金属核粒子(P1)、特に銅核粒子の触媒活性は著しく高いので、焼結の際に有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度範囲で還元性ガス雰囲気を形成して焼結反応が開始することが好ましいが、100℃以上で銅核粒子の焼結が進行しやすいため、有機溶媒(S)の沸点は140℃以上とするのが好ましい。また、沸点が350℃を超える有機溶媒を用いると揮発しづらく焼結後も残留する可能性があるので、有機溶媒(S)の沸点は350℃以下とすることが好ましい。
(a)有機化合物(S1)
少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、及び1,2,4−ブタントリオールの中から選択される1種又は2種以上であることが望ましい。
また、有機化合物(S1)として、トレイトール、エリトリト−ル、ペンタエリスリト−ル、ペンチト−ル、キシリトール、リビトール、アラビトール、ヘキシト−ル、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、グリセルアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコ−ス、フルクト−ス、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクト−ス、キシロ−ス、アラビノ−ス、イソマルト−ス、グルコヘプト−ス、ヘプト−ス、マルトトリオース、ラクツロース、及びトレハロース、等の糖類も使用することが可能であるが、これらの中で融点が高いものについては他の有機溶媒と混合して使用することができる。
一般に時間の経過により分散溶液中の金属微粒子同士は接合する傾向にあるが、有機化合物(S1)は優れた分散性を有しているため、有機化合物(S1)を有機溶媒(S)中に存在させるとこのような接合をより効果的に抑制して、分散液の一層の長期安定化を図ることが可能になる。また有機化合物(S1)を有機溶媒(S)中に存在させると、その表面被覆金属微粒子の分散液を基板上に塗布して焼結した際、その焼成膜(焼結膜)の均一性が向上し、導電性の高い焼成膜を得ることができる。
有機化合物(S1)は、ヒドロキシル基の結合している炭素原子に1又は2の水素原子が結合している有機化合物であることが好ましい。炭素原子に水素原子が結合した第一級アルコール又は第二級アルコールでは酸化反応によって還元性の水素ガスを放出しやすいからである。
(b)有機溶媒(S)
有機溶媒(S)中に含有させる有機化合物としては、有機化合物(S1)だけであってもよいが、この有機化合物(S1)に加えて、以下に記載する有機化合物(X)、有機化合物(Y)等を、必要に応じて適宜混合したものを用いることができる。
有機化合物(X)は、アミド基(−CON=)を有する化合物であり、特に比誘電率が高いものが好ましい。アミド基を有する有機化合物(X)として、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトアミド等が挙げられるが、これらを混合して使用することもできる。これらの中でも比誘電率が100以上である、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトアミドなどが好適に使用できる。尚、N−メチルアセトアミド(融点:26〜28℃)のように常温で固体の場合には他の溶媒と混合して作業温度で液状として使用することができる。有機化合物(X)は、有機溶媒中で微粒子の分散性と保存安定性を向上する作用を有し、また本発明の表面被覆金属微粒子の分散溶液を基板上に塗布後焼成して得られる焼成膜の導電性を向上する作用をも有する。
有機化合物(Y)として、一般式R−O−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるエーテル系化合物(Y1)、一般式R−C(=O)−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜2である。)で表されるケトン系化合物(Y2)、及び一般式R−(N−R)−R(R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基、又は水素原子で、炭素原子数は0〜2である。)で表されるアミン系化合物(Y3)、の中から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
前記エーテル系化合物(Y1)としては、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アリルエーテル等が例示できる。前記ケトン系化合物(Y2)としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が例示できる。また、前記アミン系化合物(Y3)としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン等が例示できる。
有機化合物(Y)は、混合溶媒中で溶媒分子間の相互作用を低下させ、分散粒子の溶媒に対する親和性を向上する作用を有していると考えられる。このような効果は一般に沸点の低い溶媒において期待され、特に常温における沸点が100℃以下の有機化合物は、有効な溶媒分子間の相互作用を低減する効果が得られることから好ましい。有機化合物(Y)の中でも特にエーテル系化合物(Y1)が、その溶媒分子間の相互作用を低減する効果が大きいことから好ましい。
有機溶媒(S)は、金属核粒子(P1)100質量部に対し、40〜80質量部であることが好ましい。有機溶媒(S)が、金属核粒子(P1)100質量部に対し、40質量部未満だと、有機溶媒(S)不足状態で還元作用が低下して焼結が不十分になるおそれがあり、また、80質量部超えだと、焼結後の膜厚が薄くなり割れ易くなるおそれがあるからである。
(3)表面被覆金属微粒子の分散溶液
表面被覆金属微粒子の分散溶液は、上述のように作製した表面被覆金属微粒子を、上述した、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含有する有機溶媒(S)中に混合し、分散させることによって得ることができる。
(4)表面被覆金属微粒子の分散溶液の塗布・焼結方法
表面被覆金属微粒子の分散溶液の塗布・焼結方法としては、表面被覆金属微粒子の分散溶液を基板に塗布方法を限定されずに、例えば、スクリーン印刷、マスク印刷、スプレーコート、バーコート、ナイフコート、スピンコート、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷等を用いて塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度範囲で電気炉またはホットプレート上で、無加圧または所定圧力での加圧下で加熱することにより焼結する方法が挙げられる。
〔2〕焼結導電体の製造方法(第2の実施形態)
第2の実施形態である「焼結導電体の製造方法」は、第1の実施形態である「表面被覆金属微粒子の分散溶液」を基板に塗布し、大気雰囲気中、もしくは不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度範囲で焼結することにより、基板上に金属微粒子の導電体を形成することにある。第1の実施形態である、表面被覆金属微粒子(P)が、有機溶媒(S)に分散されている表面被覆金属微粒子の分散溶液は、例えば300℃以下の比較的低温でかつ水素ガス等の還元剤を使用することなくインクジェットやマスク印刷等により基板上に配置して焼成し、導電性を有する焼結導電体を形成することが可能である。前述の通り、150℃以下での焼結温度でも焼結導電体を形成することが可能となる。
上記基板は、特に制限はなく使用目的等により、ガラス、ポリイミド等が使用できる。焼成前に予め乾燥工程を設けることが望ましい。乾燥条件は、使用する有機溶媒(S)にもよるが、例えば100〜200℃で15〜30分程度であり、焼成条件は、塗布厚みにもよるが、有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度範囲で焼結することが望ましい。例えば190〜250℃、10〜40分間程度で焼結することができる。
〔3〕導電接続部材の製造方法(第3の実施形態)
第3の実施形態である「導電接続部材の製造方法」は、第1の実施形態である「表面被覆金属微粒子の分散溶液」を電子部品における半導体素子もしくは回路基板の電極端子又は導電性基板の接合面に載せ、この上に更に接続する他方の電極端子又は導電性基板の接合面を配置し、加熱処理により焼結して形成するものである。
導電接続部材としては半導体素子間を接合するための導電性バンプ、半導体素子と導電性基板間を接合するための導電性ダイボンド部等が挙げられるがこれらに限定されない。
導電性バンプは、表面被覆金属微粒子の分散液を電子部品における半導体素子もしくは回路基板の電極端子の接合面に載せ(塗布、印刷等も含まれる)、この上に更に接続する他方の電極端子の接合面を配置した後、加熱処理、又は加圧下に加熱処理により焼結して形成される。前記接続する他方の電極端子にはワイヤボンディングを行う場合の金ワイヤ等のワイヤも含まれる。尚、前記分散溶液上に更に接続する他方の電極端子の接合面を配置する際に位置合わせを行うことが望ましい。
導電性ダイボンド部は、通常、表面被覆金属微粒子の分散液を電子部品における回路基板の接合面に載せ(塗布、印刷等も含まれる)、この上に更に接続する他方の電極端子の接合面を配置した後、加熱処理、又は加圧下に加熱処理により焼結して形成される。
前記加圧下の加熱処理は、両電極端子間、又は電極端子と基板間の加圧により導電接続部材前躯体と両電極端子接合面、又は電極端子と導電性基板間との接合を確実にするか、または導電接続部材前躯体に適切な変形を生じさせて電極端子接合面との確実な接合を行うことができるとともに、導電接続部材前躯体と電極端子接合面との接合面積が大きくなり、接合信頼性を一層向上することができる。また、半導体素子と導電接続部材前躯体間を加圧型ヒートツ−ル等を用いて加圧下で焼成すると、接合部での焼結性が向上してより良好な接合部が得られる。前記両電極端子間、又は電極端子と基板間の加圧は、0.5〜15MPaが好ましい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例において使用した材料、及び評価方法を以下に記載する。
[実施例1-11および比較例1-3]
(1)金属核粒子(P1)の調製
金属核粒子(P1)の原料として酢酸第二銅((CHCOO)Cu・1HO)0.2gを蒸留水10mlに溶解させた酢酸銅水溶液10mlを調製した。また、還元剤溶液中、銅イオンの濃度が5.0mol/リットル(l)となるように、水素化ホウ素ナトリウムと蒸留水とを混合した水素化ホウ素ナトリウム水溶液100mlを調製した。その後、水素化ホウ素ナトリウム水溶液に、高分子分散剤(D)としてポリビニルピロリドン(PVP、数平均分子量約3500)0.5gを添加して、攪拌溶解させ、続いて、窒素ガス雰囲気中で、酢酸銅水溶液10mlを滴下した。次に、得られた混合液に、凝集促進剤としてクロロホルムを5ml添加して攪拌した。数分間攪拌した後に静置すると、上相である水相の下部に銅微粒子が凝集した。この水相を遠心分離機に供給し、ポリビニルピロリドンに被覆された銅微粒子を分離、回収した。
(2)表面被覆金属微粒子(P)の調製
表面被覆金属微粒子(P)は、回収した(P1)を酢酸水溶液0.1wt%中に2.0g投入して酸素を含むガスをバブリングさせながら約60分間攪拌反応させることにより得ることができる。
(3)表面被覆金属微粒子(P)の分散溶液の調製
得られた表面被覆金属微粒子(P)3.0gと50mlのエタノールとを試験管に入れ、超音波ホモジナイザーを用いてよく撹拌した後、遠心分離機で粒子成分を回収するエタノール洗浄を3回、続いて、同じく試験管中で、50mlの1−ブタノールとを入れよく撹拌した後、遠心分離機で表面被覆金属微粒子(P)を回収する1−ブタノール洗浄を3回行った。上記の方法によって得られた表面被覆金属微粒子(P)を、有機溶媒であるグリセリン(グリセロール)に添加、超音波ホモジナイザーを用いて攪拌して、表面被覆金属微粒子(P)の分散溶液を得た。
(4)評価方法
(I)銅核粒子(P1)の平均一次粒径の測定方法
銅核粒子(P1)の平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、観察可能な任意に選択した80個の銅核粒子の一次粒径を測定し、測定した銅核粒子全体のうち、粒径を小さい方から順に数えて、銅核粒子全体の5%に相当する銅核粒子の一次粒径(4個)と、粒径を大きい方から順に数えて、銅核粒子全体の5%に相当する銅核粒子の一次粒径(4個)とを除いた、残り90%(72個)に相当する銅核粒子の一次粒径の平均値であり、この平均値を算出した。算出した平均一次粒径を表1および表2に示す。
(II)X線回折でのピーク強度の比(H/[H+H])の算出方法
比(H/[H+H])は、X線回折測定装置((株)リガク製、X線回折測定装置、型式:Geigerflex RAD-A)を用い、CuKαをX線源として測定したX線回折パターンにより、2θ=36°付近に現れる酸化銅(I)(CuO)(111)面のピーク強度と、2θ=43°付近に現れる銅(Cu)(111)面のピーク強度の測定値から算出した。算出した前記ピーク強度の比(H/[H+H])を表1及び表2に示す。
(III)赤外吸収スペクトルでのピークの大きさの比(K2/[K1+K2])の算出方法
赤外吸収スペクトルでのピークの大きさの比(K2/[K1+K2])は、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光(株)製、型式:FT/IR−4100)を用い、FT−IRにより測定した赤外吸収スペクトルにおいて、第1被覆層(B1)中に存在するCuOに起因する650cm−1位置でのスペクトルピークの大きさK1と、酢酸または酢酸銅と反応させて生成される前記第2被覆層(B2)中に存在するカルボキシレート基に起因する1560cm−1位置でのスペクトルピークの大きさK2の測定値から算出した。算出した前記比(K2/[K1+K2])を表1および表2に示す。
(IV)焼成して得られた焼成膜の抵抗率(Ω・cm)
得られた表面被覆銅微粒子(P)の分散溶液をスキージ法でガラス基板(サイズ:20mm×20mm)上に塗布(塗布サイズ:40mm×40mm)した。その後、大気意中150℃で10分乾燥をさせ、窒素ガス雰囲気中250℃で20分間焼成して塗膜を室温まで炉冷し、銅焼成膜を得た。直流四端子法(使用測定機:三菱化学(株)製、型式:ロレスターGP(四端子電気抵抗測定モード))を使用して、銅焼成膜の抵抗値を測定し、導電性を評価した。この評価結果を表1に示す。
(V)密着性(焼成膜の硬度)の評価
(IV)と同様に、ガラス基板上に焼成膜を形成し、この焼成膜の硬度は、JIS K5600−5−4:1999に準拠した鉛筆硬度試験にて測定し、傷がつかなかった鉛筆のうち、最も硬い鉛筆の硬度(硬度記号)と等価であるとし、この硬度記号に基づいて密着性を評価した。この評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2017002364
Figure 2017002364
(5)評価結果
表1に示す結果から、実施例1〜11は、いずれも焼成膜の抵抗率が518μΩ・cm以下と低く、導電性が優れており、また、焼成膜の硬度も2H以上と高く、密着性に優れていた。これに対し、表2に示す結果から、銅核粒子の表面に、酢酸銅被覆が存在しない比較例1〜3は、いずれも焼成膜の抵抗率が815μΩ・cm以上と高く、導電性が劣っており、また、焼成膜の硬度も、それぞれB以下と低く、密着性が劣っていた。
本発明によれば、焼成後に生成される金属焼結体の導電性および密着性を格段に向上させることができる表面被覆金属微粒子の分散溶液を提供することができる。

Claims (15)

  1. 平均一次粒径が5〜300nmであり、高分子分散剤(D)で被覆された表面をもつ金属核粒子(P1)と、
    該金属核粒子(P1)の前記表面の少なくとも一部に形成され、前記金属核粒子とは同一金属の酸化物である金属酸化物を主として含有する第1被覆部(B1)と、
    前記金属核粒子(P1)の、前記第1被覆部(B1)が存在しない前記表面上、および前記第1被覆部(B1)の表面上の少なくとも一方に形成され、前記金属核粒子とは同一金属のイオンである金属イオンをカルボン酸と反応させてなる金属化合物を主として含有する第2被覆部(B2)と
    を含んでなる表面被覆金属微粒子(P)が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機化合物(S1)を含有する有機溶媒(S)に分散していることを特徴とする、表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  2. 前記金属核粒子(P1)は、銅、銀、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選択される少なくとも1種からなる請求項1に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  3. 前記第2被覆部(B2)は、前記金属核粒子(P1)100質量部に対し0.1〜10質量部である請求項1または2に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  4. 前記カルボン酸は、沸点または分解温度が300℃より低い請求項1、2または3に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  5. 前記カルボン酸は、モノカルボン酸である請求項4に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  6. 前記カルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸またはカプリン酸であることを特徴とする請求項5に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  7. 前記有機溶媒(S)は、前記金属核粒子(P1)100質量部に対し、40〜80質量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  8. 前記有機溶媒(S)は、常圧における沸点が140〜350℃の範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  9. 前記有機化合物(S1)は、ヒドロキシル基の結合している炭素原子に1又は2の水素原子が結合している有機化合物である請求項1〜8のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  10. 前記有機溶媒(S)は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、および1,2,4−ブタントリオールの中から選択される1種または2種以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  11. 前記金属核粒子(P1)が銅微粒子であり、前記第1被覆部(B1)の前記金属酸化物が酸化銅(I)であり、前記第2被覆部(B2)の前記金属化合物が酢酸銅である請求項1〜10のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  12. X線回折により測定したCu(111)面でのピーク強度をH、CuO(111)面のピーク強度をHとするとき、
    前記第1被覆部(B1)は、前記ピーク強度(H2)が、前記ピーク強度(H)と前記ピーク強度(H)の和に対する比(H/[H+H])にして、0.67〜0.90の範囲となるように形成される請求項11に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  13. FT−IRにより測定した赤外吸収スペクトルにおいて、前記第1被覆層(B1)中に存在するCuOに起因する650cm−1位置でのスペクトルピークの大きさをK1、カルボン酸と反応させて生成される前記第2被覆層(B2)中に存在するカルボキシレート基に起因する1560cm−1位置でのスペクトルピークの大きさをK2とするとき、前記大きさ(K2)が、前記大きさ(K1)と前記大きさ(K2)の和に対する比(K2/[K1+K2])にして、0.3〜0.6の範囲であることを特徴とする、請求項11または12に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液を基板に塗布し、大気雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で、有機溶媒(S)の沸点よりも40〜50℃だけ低い温度での加熱処理により焼結して、基板上に金属微粒子(P)の導電体を形成することを特徴とする、焼結導電体の製造方法。
  15. 請求項1から13のいずれか1項に記載の表面被覆金属微粒子の分散溶液を、電子部品における半導体素子、回路基板の電極端子および導電性基板のいずれかの一の接合面に塗布した後、該塗布した前記一の接合面上に、更に接続する別の電極端子および導電性基板のいずれかの他の接合面を積層配置し、加熱処理により焼結して、前記一の接合面と前記他の接合面とを、金属微粒子(P)の導電接続部材で接合することを特徴とする、導電接続部材の製造方法。
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