JP2019052080A - 銀被覆ガラス粉末およびその製造方法 - Google Patents

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彦一 張替
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徳昭 野上
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洋 神賀
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愛子 平田
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Abstract

【課題】太陽電池の電極を基板上に形成するための導電性ペーストの材料として使用した場合に、太陽電池の変換効率を高めることができ且つ電極と基板との接着強度を高めることができる、銀被覆ガラス粉末およびその製造方法を提供する。【解決手段】銀被覆ガラス粉末は、15〜50質量%のテルルと5〜30質量%のビスマスを含むガラス粉末の表面に、銀(およびテルル)を主成分とする被覆層が形成され、銀被覆ガラス粉末中の銀の含有量が5〜20質量%である。【選択図】図1

Description

本発明は、銀被覆ガラス粉末およびその製造方法に関し、特に、積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池などの基板の電極や回路などの電子部品に使用する導電性ペースト用の銀被覆ガラス粉末およびその製造方法に関する。
従来、積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池などの基板の電極や回路など電子部品に使用する導電性ペーストとして、導電性および耐酸化性に優れた銀粉をガラスフリットとともに樹脂などの有機成分中に分散させた導電性ペーストが使用されている。
近年、太陽電池の電極を形成するための導電性ペーストとして、銀粉末と、テルルを含むガラス転移温度150〜300℃であるガラスフリットと、有機シラン化合物と、有機ビヒクルとを含む、太陽電池電極形成用組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−127276号公報(段落番号0010)
しかし、特許文献1のように、有機シラン化合物を含む導電性ペーストを太陽電池の電極をウエハなどの基板上に形成するために使用すると、太陽電池の変換効率を高めることができるものの、電極と基板との接着強度が低下するという問題がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、太陽電池の電極を基板上に形成するための導電性ペーストの材料として使用した場合に、太陽電池の変換効率を高めることができ且つ電極と基板との接着強度を高めることができる、銀被覆ガラス粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、テルルとビスマスを含むガラス粉末の表面に、銀を主成分とする被覆層を形成することにより、太陽電池の電極を基板上に形成するための導電性ペーストの材料として使用した場合に、太陽電池の変換効率を高めることができ且つ電極と基板との接着強度を高めることができる、銀被覆ガラス粉末を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銀被覆ガラス粉末は、テルルとビスマスを含むガラス粉末の表面に、銀を主成分とする被覆層が形成されていることを特徴とする。この銀被覆ガラス粉末において、ガラス粉末中のテルルの含有量は15〜50質量%であるのが好ましく、ビスマスの含有量は5〜30質量%であるのが好ましい。銀被覆ガラス粉末中の銀の含有量は5〜20質量%であるのが好ましい。また、ガラス粉末は、40質量%以下の鉛を含んでもよく、リチウム、アルミニウム、ケイ素および亜鉛からなる群から選ばれる一種以上を合計で0.1〜10質量%含んでもよい。また、被覆層はテルルを含んでもよい。銀被覆ガラス粉末のレーザー回折法による平均粒径D50は0.1〜10μmであるのが好ましい。また、銀被覆ガラス粉末の表面に脂肪酸を付着させてもよい。
本発明による銀被覆ガラス粉末の製造方法は、テルルとビスマスを含むガラス粉末を銀イオン含有溶液中に浸漬し、その溶液に錯化剤またはアルカリと還元剤とを添加して、析出した銀からなる被覆層をガラス粉末の表面に形成することを特徴とする。この銀被覆ガラス粉末の製造方法において、ガラス粉末中のテルルの含有量は15〜50質量%であるのが好ましく、ビスマスの含有量は5〜30質量%であるのが好ましい。銀被覆ガラス粉末中の銀の含有量は5〜20質量%であるのが好ましい。また、ガラス粉末は、40質量%以下の鉛を含んでもよく、リチウム、アルミニウム、ケイ素および亜鉛からなる群から選ばれる一種以上を合計で0.1〜10質量%含んでもよい。また、被覆層はテルルを含んでもよい。ガラス粉末のレーザー回折法による平均粒径D50は0.1〜10μmであるのが好ましい。
本発明による導電性ペーストは、上記の銀被覆ガラス粉末と、導電性粉体と、有機ビヒクルとを含むことを特徴とする。この導電性ペーストは、有機シラン化合物を含んでもよい。この有機シラン化合物はシロキサン化合物であるのが好ましく、導電性ペースト中の有機シラン化合物の含有量は0.1〜1.0質量%であるのが好ましい。
本発明によれば、太陽電池の電極を基板上に形成するための導電性ペーストの材料として使用した場合に、太陽電池の変換効率を高めることができ且つ電極と基板との接着強度を高めることができる、銀被覆ガラス粉末を製造することができる。
実施例1のガラス粉末および銀被覆ガラス粉末のX線回折パターンを示す図である。 実施例2のガラス粉末および銀被覆ガラス粉末のX線回折パターンを示す図である。
本発明による銀被覆ガラス粉末の実施の形態では、テルルとビスマスを含むガラス粉末の表面に、銀を主成分とする被覆層が形成されている。
ガラス粉末中のテルルの含有量は15〜50質量%であるのが好ましく、20〜45質量%であるのがさらに好ましい。ガラス粉末中のビスマスの含有量は5〜30質量%であるのが好ましく、10〜20質量%であるのがさらに好ましい。なお、ガラス粉末を用いた導電性ペーストを使用して太陽電池の電極を形成する場合、ガラス粉末が(窒化珪素からなる)基板と反応してファイヤースルー(焼成貫通)し、300℃程度で軟化することが求められている。ガラス粉末中のテルルは、二酸化テルルとして基板と反応してファイヤースルーする成分であるが、少な過ぎるとファイヤースルーが不十分であり、多過ぎると短絡が生じる。一方、ガラス粉末中のビスマスは、酸化ビスマスとしてガラスの軟化点を下げる効果がある。そのため、ガラス粉末中のテルルとビスマスの含有量は、それぞれ上記の範囲にするのが好ましい。また、ガラス粉末は、40質量%以下(好ましくは35質量%以下)の鉛を含んでもよく、リチウム、アルミニウム、ケイ素および亜鉛からなる群から選ばれる一種以上を合計で0.1〜10質量%(好ましくは3〜9質量%)含んでもよい。なお、ガラス粉末中の組成分析は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により行うことができる。また、ガラス粉末のレーザー回折法による平均粒径D50は、好ましくは0.1〜10μmであり、さらに好ましくは0.5〜5μmである。
銀被覆ガラス粉末中の銀の含有量は5〜20質量%であるのが好ましく、7〜15質量%であるのがさらに好ましい。なお、銀被覆ガラス粉末中の組成分析は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により行うことができる。また、銀被覆ガラス粉末のレーザー回折法による平均粒径D50は、好ましくは0.1〜10μmであり、さらに好ましくは0.5〜5μmである。
被覆層中の銀の含有量は、オージェ電子分光法(AES)によって銀被覆ガラス粉末の最表面から深さ10nmまでの領域における銀を定量したときに、50質量%以上であり、60質量%以上であるのが好ましい。また、ガラス粉末中のテルルは、酸にもアルカリにも溶け易いため、銀粒子を還元析出させてガラス粉末の表面を銀で被覆する際に被覆層中に導入され易いので、被覆層は、テルルを含んでもよく(すなわち、オージェ電子分光法(AES)によって銀被覆ガラス粉末の最表面から深さ10nmまでの領域にテルルが検出されてもよく)、被覆層中の銀とテルルの合計の含有量は、オージェ電子分光法(AES)によって銀被覆ガラス粉末の最表面から深さ10nmまでの領域における銀とテルルを定量したときに、90質量%以上であるのが好ましい。この被覆層の厚さは、10〜400nmであるのが好ましく、20〜300nmであるのがさらに好ましい。
上記の銀被覆ガラス粉末の実施の形態は、テルルとビスマスを含むガラス粉末を銀イオン含有溶液中に浸漬し、その溶液に錯化剤またはアルカリと還元剤とを添加して、析出した銀からなる被覆層をガラス粉末の表面に形成することによって製造することができる。
被覆層は、ガラス粉末を銀イオン含有溶液中に浸漬し、その溶液に錯化剤またはアルカリと還元剤とを添加して、銀粒子を還元析出させる湿式還元法によって、析出した銀でガラス粉末の表面を被覆することにより形成する。この被覆層の形成では、銀イオン含有溶液中に攪拌しながらガラス粉末を浸漬して得られたスラリーに、錯化剤またはアルカリと還元剤とを添加することにより、ガラス粉末の表面に銀粒子を析出させる。この被覆層の形成では、ガラス粉末の表面全体を完全に銀で覆わなくてもよく、ガラス粉末の表面の一部が露出してもよい。
銀イオン含有溶液としては、硝酸銀水溶液などを使用することができる。この銀イオン含有溶液に錯化剤またはアルカリを添加することによって、銀塩錯体または銀中間体を含有する水溶液またはスラリーを生成することができる。銀塩錯体を含有する水溶液またはスラリーを生成するための錯化剤としては、アンモニア水、アンモニウム塩、キレート化合物などを使用することができる。銀中間体を含有する水溶液またはスラリーを生成するためのアルカリとしては、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどを使用することができる。これらの中で、硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して銀アンミン錯体水溶液を生成するのが好ましい。アンミン錯体中のアンモニアの配位数は2であるため、アンモニアの添加量は、銀1モル当たり2モル以上であるが、アンモニアの添加量が多過ぎると錯体が安定化し過ぎて還元が進み難くなるので、銀1モル当たり8モル以下であるのが好ましい。なお、還元剤の添加量を多くするなどの調整を行えば、アンモニアの添加量が8モルを超えても銀被覆ガラス粉末を得ることができる。
還元剤としては、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜燐酸ナトリウム、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどの1種以上を使用することができる。これらの中で、アスコルビン酸、アルカノールアミン、水素化硼素ナトリウム、ヒドロキノン、ヒドラジンおよびホルマリンからなる群から選ばれる1種以上を使用するのが好ましく、ホルマリンまたはヒドラジンを使用するのがさらに好ましく、ヒドラジンを使用するのが最も好ましい。還元剤の添加量は、銀の収率を高めるために、銀に対して1当量以上であるのが好ましく、還元力が弱い還元剤を使用する場合には、銀に対して2当量以上、例えば、10〜20当量でもよい。
上記の銀被覆ガラス粉末の表面には、(表面処理剤として)脂肪酸が付着しているのが好ましい。銀被覆ガラス粉末の表面に脂肪酸を付着させることにより、銀被覆ガラス粉末を用いた導電性ペーストを焼成して太陽電池の電極を基板上に形成する場合に、焼成時に表面の脂肪酸が燃焼し、その燃焼熱によりガラスの軟化を促進し、より低温で基板と反応してファイヤースルー(焼成貫通)することが可能になり、太陽電池の変換効率を向上させることができると考えられる。このように銀被覆ガラス粉末の表面に脂肪酸を付着させるためには、ガラス粉末を銀イオン含有溶液中に浸漬し、その溶液に錯化剤またはアルカリと還元剤とを添加して、銀粒子を還元析出させた後に、その溶液に脂肪酸(または脂肪酸を水やアルコールに溶解させた溶液)を添加して、脂肪酸を銀に吸着させるのが好ましい。このように溶液中に脂肪酸を添加すれば、ガラス粉末の表面に銀粒子を析出させた後に銀被覆ガラス粉末をろ過し、純水で洗浄し、乾燥させることにより、表面に吸着されなかった過剰な脂肪酸を容易に除去することができるので、乾燥した銀被覆ガラス粉末に脂肪酸を吸着させる場合よりも好ましい。
脂肪酸としては、炭素数16〜18の脂肪酸を使用するのが好ましい。このような脂肪酸は、銀に吸着され易く、燃焼温度がガラスの軟化温度に近いからである。このような脂肪酸として、パルミチン酸(C1632)(示差熱・熱重量同時測定装置(TG−DTA装置)による示差熱分析(DTA)曲線の発熱ピーク位置の温度として求められた燃焼温度が209.6℃)や、ステアリン酸(C1836)(TG−DTA装置によるDTA曲線の発熱ピーク位置の温度として求められた燃焼温度が216.1℃)を使用するのが好ましい。なお、ミリスチン酸(C1428)は、TG−DTA装置によるDTA曲線の発熱ピーク位置の温度として求められた燃焼温度が202.1℃であり、パルミチン酸やステアリン酸と比べて、燃焼温度が低く、ガラスの軟化温度との差が大きくなる。
脂肪酸の添加量は、パルミチン酸の場合は、銀とガラス粉末の合計に対して0.6〜0.8質量%であるのが好ましく、ステアリン酸の場合は、銀とガラス粉末の合計に対して0.10〜0.15質量%であるのが好ましい。脂肪酸の添加量が少な過ぎると、銀被覆ガラス粉末を用いた導電性ペーストを焼成して太陽電池の電極を基板上に形成する場合に、焼成時の脂肪酸の燃焼熱によりガラスの軟化を促進し、より低温で基板と反応してファイヤースルー(焼成貫通)する効果を得ることができなくなり、多過ぎると、ガラス粉末の分散性が悪くなり、基板との反応が不均一になり、太陽電池の変換効率を向上させることができなくなる。
上記の銀被覆ガラス粉末の実施の形態と、導電性粉体と、有機ビヒクルとを混合して、混練処理を行うことによって、導電性ペーストを得ることができる。
導電性粉体として、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、金粉などを使用することができるが、銀粉を使用するのが好ましく、銅粉などの表面を銀で被覆した銀被覆銅粉などを使用してもよい。導電性粉体として銀粉を使用する場合には、BET比表面積が0.1〜2m/g(好ましくは0.2〜1.5m/g)、タップ密度がは3〜7g/cm(好ましくは4〜6g/cm)、強熱減量値(Ig−loss)が0.001〜0.9%(好ましくは0.02〜0.8%)、レーザー回折法による平均粒径D50が0.1〜5μm(好ましくは0.3〜4μm)の銀粉を使用することができる。このような銀粉として、内部に空隙がある銀粉(空隙タイプの銀粉)(例えば、DOWAハイテック株式会社製のAG−2−1C、AG−3−8SDI、AG−4−8F、AG−4−8FHD)を使用してもよいし、内部に空隙がなく緻密な銀粉(緻密タイプの銀粉)(例えば、DOWAハイテック株式会社製のAG−4−54F、AG−6−11)を使用してもよいし、これらの銀粉を組み合わせて使用してもよい。この導電性粉体の含有量は、導電性ペーストに対して80〜95質量%であるのが好ましく、85〜92質量%であるのがさらに好ましい。
有機ビヒクルは、有機溶剤と有機樹脂成分を含むのが好ましい。有機溶剤は、導電性ペーストの使用目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、ブチルカルビトール(BC)、エチルカルビトールアセテート(ECA)、エチルカルビトール(EC)、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラデカン、テトラリン、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、エチルカルビトール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(テキサノール)などから、1種以上の溶媒を選択して使用することができる。この有機溶剤の含有量は、導電性ペーストに対して0〜20質量%であるのが好ましく、0〜10質量%であるのがさらに好ましい。有機樹脂成分として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、エチルセルロースなどの1種以上を使用することができる。この有機樹脂成分の含有量は、導電性ペーストに対して0.02〜1.5質量%であるのが好ましく、0.03〜1.2質量%であるのがさらに好ましい。
導電性ペーストは、有機シラン化合物を含んでもよい。この有機シラン化合物として、ジメチルポリシロキサン(好ましくは分子量17,000のジメチルポリシロキサン)などのシロキサン化合物を使用することができる。この有機シラン化合物の含有量は、導電性ペーストに対して0.1〜1.0質量%であるのが好ましく、0.2〜0.6質量%であるのがさらに好ましい。
導電性ペーストの粘度は、25℃で10〜1,000Pa・sであるのが好ましい。10Pa・s未満であると、ペーストの印刷時ににじみが発生する場合があり、1,000Pa・sを超えると、印刷むらが発生する場合がある。
また、導電性ペーストは、硬化剤を含むのが好ましく、界面活性剤、分散剤、レオロジー調整剤、シランカップリング剤、イオン捕集材などの他の成分を含んでもよい。
以下、本発明による銀被覆ガラス粉末およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
PbとTeとBiを含むガラス粉末を用意し、このガラス粉末の粒度分布として、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製のMICROTRAC MT3300EXII)により、ガラス粉末の体積基準の累積分布を求めたところ、累積10%粒子径(D10)は0.8μm、累積50%粒子径(D50)は1.8μm、累積90%粒子径(D90)は3.4μmであった。また、このガラス粉末のBET比表面積を、比表面積測定装置(株式会社マウンテック製のMacsorb)を用いて、窒素吸着によるBET1点法で測定したところ、1.56m/gであった。また、このガラス粉末の組成分析を高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により行ったところ、25質量%のTeと、32質量%のPbと、17質量%のBiと、0.8質量%のLiと、0.6質量%のAlと、1質量%のSiと、1.2質量%のZnと、残部として酸素を含むガラス粉末であった。なお、この組成分析は、ガラス粉末0.045gを、61質量%の硝酸(関東化学株式会社製の精密分析用試薬(UGR)の硝酸)5mLと蒸留水10mLを加えて加熱溶解させ、放冷した後、5Cろ紙を通過させ、ろ液を50mLに定容して、ICP発光分光分析装置(セイコーインスツル株式会社製のSPS5100)により測定して得られた測定値と、ろ紙上の残渣を蒸留水で石英ビーカー中に移し、37質量%の硝酸(関東化学株式会社製の精密分析用試薬(UGR)の硝酸)5mLと96質量%の硝酸(関東化学株式会社製の精密分析用試薬(UGR)の硝酸)2mLを加えて加熱溶解させることにより、硫酸白煙を発して乾固させた後、純水10mLと塩酸5mLを加えて加熱溶解させ、放冷した後、50mLに定容し、上記のICP発光分光分析装置により測定して得られた測定値とを合計して行った。
また、上記のガラス粉末について、X線回折(XRD)分析装置(株式会社リガク製の全自動多目的水平型X線回折装置Smart Lab)により、X線源としてCuKα線を使用して、ステップ0.01、測定速度5°/分として35〜80°/2θの範囲を測定して、X線回折(XRD)測定を行った。このX線回折測定により得られたX線回折パターンを図1に示す。
また、1Lビーカー中で攪拌されている状態の純水787gに32質量%の銀を含む硝酸銀水溶液3.47gを混合して、1.11gの銀を含む硝酸銀水溶液を得た後、この希釈した硝酸銀水溶液に28質量%のアンモニア水2.5gを錯化剤として添加して、銀アンミン錯塩水溶液(pH11)を得た。この銀アンミン錯塩水溶液の液温を30℃にした後、実施例1と同様のガラス粉末10gを添加し、その直後に、還元剤としてのヒドラジン0.3gと(溶媒としての純水中にTEM粒径5〜40nmの銀ナノ粒子0.01g(水溶液中の銀の量に対して0.001倍)を含む)銀コロイド10.3gと純水20gとを混合した液を添加し、(未還元銀が液中に残らないように)5分間熟成させ、銀を主成分とするとともにテルルを含有する層によりガラス粉末を被覆した後、この銀被覆ガラス粉末含有スラリーを吸引ろ過し、電位が0.5mS/m以下になるまで純水で洗浄して、得られたケーキを75℃の真空乾燥機で10分間乾燥させて、銀被覆ガラス粉末(銀を主成分とするとともにテルルを含有する層で被覆したガラス粉末)を得た。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末について、上記のガラス粉末と同様の方法により、粒度分布を求め、BET比表面積を測定し、組成分析を行った。その結果、銀被覆ガラス粉末の累積10%粒子径(D10)は0.7μm、累積50%粒子径(D50)は1.8μm、累積90%粒子径(D90)は3.5μmであり、BET比表面積は1.90m/gあった。また、この銀被覆ガラス粉末は、9質量%のAgと、21質量%のTeと、28質量%のPbと、15質量%のBiと、0.7質量%のLiと、0.5質量%のAlと、1質量%のSiと、1.1質量%のZnと、残部として酸素を含む銀被覆ガラス粉末であった。
また、上記の銀被覆ガラス粉末について、上記のガラス粉末と同様の方法により、X線回折(XRD)測定を行った。このX線回折測定により得られたX線回折パターンを図1に示す。この銀被覆ガラス粉のX線回折パターンでは、38.0737°にAg由来のピークがあり、その半価幅は0.3387オングストローム(0.03387nm)であった。また、この銀被覆ガラス粉のX線回折パターンから、Scherrerの式(Dhkl=Kλ/βcosθ)によって結晶子径(Dx)を求めた。この式中、Dhklは結晶子径の大きさ(hklに垂直な方向の結晶子の大きさ)(nm)、λは測定X線の波長(nm)(CuKα線使用時1.5418オングストローム)、βは結晶子の大きさによる回折線の広がり(rad)(半価幅を用いて表す)、θは回折角のブラッグ角(rad)(入射角と反射角が等しいときの角度であり、ピークトップの角度を使用する)、KはScherrer定数(Dやβの定義などにより異なるが、K=0.94とする)である。その結果、銀被覆ガラス粉末の結晶子径(Dx)は、259.1オングストローム(25.91nm)であった。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末1.82重量部と、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8F、BET比表面積=0.43m/g、タップ密度(TAP)=5.4g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.66%、D10=1.2μm、D50=1.9μm、D90=2.8μm)90.90重量部と、チクソ剤としてステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)0.3重量部と、バインダー樹脂としてエチルセルロース(和光純薬工業株式会社製のエチルセルロース10cps、溶剤としてのブチルカルビトールアセテート(BCA)中に30質量%)0.4重量部およびアクリル樹脂(日本カーバイド工業株式会社製のEU−5638、BCA中に46.1質量%)2.4重量部と、添加剤としてオレイン酸(和光純薬工業株式会社製)0.5重量部と、溶剤としてテキサノール(CS−12)1.6重量部と、テキサノール(CS−12)とブチルカルビトールアセテート(BCA)(和光純薬工業株式会社製)の混合物2.1重量部とを、自公転式真空攪拌脱泡装置(株式会社シンキー社製のあわとり練太郎)により混合(予備混練)した後、3本ロール(EXAKT社製のM−80S)により混練することにより、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度をコーン半径1.2cm(CPE−52)のコーンプレートを用いて粘度計(ブルックフィールド社製のDV−III Ultra)により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ460(Pa・s)、89(Pa・s)であった。なお、この導電性ペーストに0.6重量部の溶剤(BCA)を加えて上記の混合(予備混練)および混練して得られた(粘度調整後の)導電性ペースト(Ag含有量90.5重量部)の粘度を上記の粘度計により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ258(Pa・s)、68.8(Pa・s)であった。
次に、太陽電池用シリコン基板(株式会社E&M製、105Ω/□、6インチ単結晶)を用意し、それぞれのシリコン基板の裏面にスクリーン印刷機(マイクロテック株式会社製のMT−320T)によりアルミペースト(東洋アルミニウム株式会社製のアルソーラー17−7022)を印刷した後に、熱風式乾燥機により200℃で10分間乾燥するとともに、シリコン基板の表面にスクリーン印刷機(マイクロテック株式会社製のMT−320T)により、上記の導電性ペーストを幅35μmの100本のフィンガー電極形状と幅1.3mmの3本のバスバー電極形状に印刷した後、熱風式乾燥機により200℃で10分間乾燥し、高速焼成IR炉(日本ガイシ株式会社製)のイン−アウト21秒間としてピーク温度770℃で焼成して太陽電池を作製した。
上記の太陽電池にソーラーシミュレータ(株式会社ワコム電創製)のキセノンランプにより光照射エネルギー100mW/cmの疑似太陽光を照射して電池特性試験を行った。その結果、太陽電池の出力端子を短絡させたときに両端子間に流れる電流(短絡電流)Iscは9.047A、太陽電池の出力端子を開放したときの両端子間の電圧(開放電圧)Vocは0.636V、電流密度Jsc(1cm当たりの短絡電流Isc)は0.0375A/cm、最大出力Pmax(=Imax・Vmax)を開放電圧Vocと電流密度Jscの積で除した値(曲線因子)FF(=Pmax/Voc・Isc)は79.38、変換効率(発電効率)Eff(最大出力Pmaxを(1cm当たりの)照射光量(W)で除した値に100を乗じた値)は18.74%で良好であり、直列抵抗Rsは0.0065Ω/□であった。
また、上記の太陽電池を2インチ角に割って、2インチ角のアルミナ基板上に、バスバー電極がアルミナ基板の対角線上に延びるように両面テープで貼り付け、50℃のホットプレート上において、バスバー電極の部分にインターコネクト線(日立金属株式会社製のSSA−SPS)0.2mm×1.5mmを380℃の半田ごてにより半田付けした後、引張圧縮試験機(株式会社今田製作所製の型番SV51−0−50M)によりインターコネクト線を90°の方向に0.5mm/sの速度で引っ張り、剥がれたときの強度の最大値を接着強度(剥離強さ)として求めた。その結果、3回の測定値は、それぞれ3.23N、2.74N、3.82N、その平均値は3.27N(3N以上)であり、接着強度は良好であった。
[比較例1]
実施例1と同様のガラス粉末1.65重量部と、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8F)91.07重量部と、チクソ剤としてステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)0.3重量部と、バインダー樹脂としてエチルセルロース(和光純薬工業株式会社製、溶剤としてのブチルカルビトールアセテート(BCA)中に30質量%、粘度10cps)0.4重量部およびアクリル樹脂(日本カーバイド工業株式会社製のEU−5638、BCA中に46.1質量%)2.4重量部と、添加剤としてオレイン酸(和光純薬工業株式会社製)0.5重量部と、溶剤としてテキサノール(CS−12)1.6重量部と、テキサノール(CS−12)とブチルカルビトールアセテート(BCA)(和光純薬工業株式会社製)の混合物2.1重量部とを、自公転式真空攪拌脱泡装置(株式会社シンキー社製のあわとり練太郎)により混合(予備混練)した後、3本ロール(EXAKT社製のM−80S)により混練することにより、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ437(Pa・s)、90(Pa・s)であった。なお、この導電性ペーストに0.8重量部の溶剤(BCA)を加えて上記の混合(予備混練)および混練して得られた(粘度調整後の)導電性ペースト(Ag含有量90.3重量部)の粘度を上記の粘度計により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ261(Pa・s)、58.6(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.000A、開放電圧Vocは0.636V、電流密度Jsc(1cm当たりの短絡電流Isc)は0.0375A/cm、曲線因子FFは78.64、変換効率Effは18.51%で良好であり、直列抵抗Rsは0.0067Ω/□であった。
また、上記の太陽電池について、実施例1と同様の方法により、接着強度を求めたところ、3回の測定値は、それぞれ2.45N、2.74N、2.35N、その平均値は2.52Nであり、3Nより低く、接着強度は良好でなかった。
[実施例2]
PbとBiを含むガラス粉末を用意し、このガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、粒度分布を求め、BET比表面積を測定し、組成分析を行った。その結果、このガラス粉末の累積10%粒子径(D10)は0.6μm、累積50%粒子径(D50)は1.1μm、累積90%粒子径(D90)は2.5μmであり、BET比表面積は4.02m/gあった。また、このガラス粉末は、40質量%のTeと、16質量%のBiと、1.7質量%のLiと、4.9質量%のZnと、残部として酸素を含むガラス粉末であった。
また、上記のガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、X線回折(XRD)測定を行った。このX線回折測定により得られたX線回折パターンを図2に示す。
上記のガラス粉末を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀被覆ガラス粉末(銀を主成分とするとともにテルルを含有する層で被覆したガラス粉末)を得た。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、粒度分布を求め、BET比表面積を測定し、組成分析を行った。その結果、銀被覆ガラス粉末の累積10%粒子径(D10)は0.5μm、累積50%粒子径(D50)は1.0μm、累積90%粒子径(D90)は1.9μmであり、BET比表面積は5.73m/gあった。また、この銀被覆ガラス粉末は、11質量%のAgと、41質量%のTeと、15質量%のBiと、1.3質量%のLiと、4.5質量%のZnと、残部として酸素を含む銀被覆ガラス粉末であった。
また、上記の銀被覆ガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、X線回折(XRD)測定を行った。このX線回折測定により得られたX線回折パターンを図1に示す。この銀被覆ガラス粉のX線回折パターンでは、38.0806°にAg由来のピークがあり、その半価幅は0.2318オングストローム(0.02318nm)であった。また、この銀被覆ガラス粉のX線回折パターンから、実施例1と同様の方法により、銀被覆ガラス粉末の結晶子径(Dx)を求めたところ、264.5オングストローム(26.45nm)であった。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ734(Pa・s)、143(Pa・s)であった。なお、この導電性ペーストに0.9重量部の溶剤(BCA)を加えて上記の混合(予備混練)および混練して得られた(粘度調整後の)導電性ペースト(Ag含有量90.3重量部)の粘度を上記の粘度計により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ259(Pa・s)、56.4(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.033A、開放電圧Vocは0.634V、電流密度Jscは0.0371A/cm、曲線因子FFは79.12、変換効率Effは18.65%で良好であり、直列抵抗Rsは0.0064Ω/□であった。
また、上記の太陽電池について、実施例1と同様の方法により、接着強度を求めたところ、3回の測定値は、それぞれ4.21N、4.02N、4.21N、その平均値は4.15N(3N以上)であり、接着強度は良好であった。
[比較例2]
実施例2と同様のガラス粉末を使用した以外は、比較例1と同様の方法により、導電性ペーストを得た。このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ802(Pa・s)、124(Pa・s)であった。なお、この導電性ペーストに1.0重量部の溶剤(BCA)を加えて上記の混合(予備混練)および混練して得られた(粘度調整後の)導電性ペースト(Ag含有量90.1重量部)の粘度を上記の粘度計により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ262(Pa・s)、61.1(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同法の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.002A、開放電圧Vocは0.634V、電流密度Jscは0.0371A/cm、曲線因子FFは77.92、変換効率Effは18.30%でやや良好であり、直列抵抗Rsは0.0070Ω/□であった。
また、上記の太陽電池について、実施例1と同様の方法により、接着強度を求めたところ、3回の測定値は、それぞれ4.12N、4.21N、4.02N、その平均値は4.12N(3N以上)であり、接着強度は良好であった。
[比較例3]
PbとTeを含むガラス粉末を用意し、このガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、粒度分布を求め、BET比表面積を測定し、組成分析を行った。その結果、このガラス粉末の累積10%粒子径(D10)は0.6μm、累積50%粒子径(D50)は1.6μm、累積90%粒子径(D90)は10.1μmであり、BET比表面積は1.09m/gあった。また、このガラス粉末は、36質量%のTeと、25質量%のPbと、1.4質量%のLiと、0.7質量%のAlと、1.6質量%のSiと、5.2質量%のZnと、残部として酸素を含むガラス粉末であった。
上記のガラス粉末を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀被覆ガラス粉末(銀を主成分とするとともにテルルを含有する層で被覆したガラス粉末)を得た。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、粒度分布を求め、BET比表面積を測定し、組成分析を行った。その結果、銀被覆ガラス粉末の累積10%粒子径(D10)は0.6μm、累積50%粒子径(D50)は1.5μm、累積90%粒子径(D90)は7.3μmであり、BET比表面積は2.44m/gあった。また、この銀被覆ガラス粉末は、8質量%のAgと、32質量%のTeと、24質量%のPbと、1.4質量%のLiと、0.6質量%のAlと、1.4質量%のSiと、5.2質量%のZnと、残部として酸素を含む銀被覆ガラス粉末であった。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ389(Pa・s)、89(Pa・s)であった。なお、この導電性ペーストに0.6重量部の溶剤(BCA)を加えて上記の混合(予備混練)および混練して得られた(粘度調整後の)導電性ペースト(Ag含有量90.4重量部)の粘度を上記の粘度計により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ306(Pa・s)、78.0(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.068A、開放電圧Vocは0.635V、電流密度Jscは0.0374A/cm、曲線因子FFは78.48、変換効率Effは18.58%で良好であり、直列抵抗Rsは0.0066Ω/□であった。
また、上記の太陽電池について、実施例1と同様の方法により、接着強度を求めたところ、3回の測定値は、それぞれ2.45N、2.45N、2.55N、その平均値は2.48Nであり、3Nより低く、接着強度は良好でなかった。
[比較例4]
比較例3と同様のガラス粉末を使用した以外は、比較例1と同様の方法により、導電性ペーストを得た。このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ777(Pa・s)、132(Pa・s)であった。なお、この導電性ペーストに0.6重量部の溶剤(BCA)を加えて上記の混合(予備混練)および混練して得られた(粘度調整後の)導電性ペースト(Ag含有量89.6重量部)の粘度を上記の粘度計により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ290(Pa・s)、62.0(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同法の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.070A、開放電圧Vocは0.634V、電流密度Jscは0.0372A/cm、曲線因子FFは78.01、変換効率Effは18.44%でやや良好であり、直列抵抗Rsは0.0072Ω/□であった。
また、上記の太陽電池について、実施例1と同様の方法により、接着強度を求めたところ、3回の測定値は、それぞれ4.12N、3.33N、3.23N、その平均値は3.56N(3N以上)であり、接着強度は良好であった。
これらの実施例1〜2および比較例1〜4の結果を表1〜表5に示す。
Figure 2019052080
Figure 2019052080
Figure 2019052080
Figure 2019052080
Figure 2019052080
表1〜表5からわかるように、実施例1〜2の銀被覆ガラス粉末を用いた導電性ペーストを太陽電池のバスバー電極の形成に使用すると、比較例1〜4の銀被覆ガラス粉末を用いた導電性ペーストを使用した場合と比べて、太陽電池の変換効率を向上させることができ、接着強度も向上させることができる。
[実施例3〜4および比較例5〜6]
実施例3として、実施例1と同様の銀被覆ガラス粉末を使用し、ジメチルポリシロキサン(信越シリコーン株式会社製のKF−96−500cs(動粘度(25℃)=500mm/s、分子量17,000))0.4重量部を添加し、実施例1で使用した銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8F)90.90重量部に代えて、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−3−8SDI、BET比表面積=0.53m/g、タップ密度(TAP)=5.4g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.71%、D10=1.0μm、D50=1.6μm、D90=2.6μm)86.36重量部と、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−2−1C、BET比表面積=1.04m/g、タップ密度(TAP)=4.7g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.37%、D10=0.3μm、D50=0.7μm、D90=1.4μm)4.55重量部とを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.157A、開放電圧Vocは0.636V、電流密度Jscは0.0377A/cm、曲線因子FFは79.46、変換効率Effは19.03%で非常に良好であった。
実施例4として、ジメチルポリシロキサンを添加しなかった以外は、実施例3と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.047A、開放電圧Vocは0.636V、電流密度Jscは0.0377A/cm、曲線因子FFは79.38、変換効率Effは18.74%で(実施例3より低かったが)良好であった。
比較例5として、比較例1と同様のガラス粉末を使用し、実施例3と同様のジメチルポリシロキサン0.4重量部を添加し、比較例1で使用した銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8F)91.07重量部に代えて、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−3−8SDI)86.52重量部と、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−2−1C)4.55重量部とを使用した以外は、比較例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.114A、開放電圧Vocは0.635V、電流密度Jscは0.0375A/cm、曲線因子FFは79.30、変換効率Effは18.87%で(実施例3より低かったが)良好であった。
比較例6として、ジメチルポリシロキサンを添加しなかった以外は、比較例5と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.000A、開放電圧Vocは0.636V、電流密度Jscは0.0377A/cm、曲線因子FFは78.64、変換効率Effは18.51%で実施例4よりも低かった。
[実施例5〜6および比較例7〜8]
実施例5として、実施例1と同様の銀被覆ガラス粉末を使用し、実施例3と同様のジメチルポリシロキサン0.4重量部を添加し、実施例1で使用した銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8F)90.91重量部に代えて、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−54F、BET比表面積=0.38m/g、タップ密度(TAP)=5.0g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.29%、D10=0.8μm、D50=1.6μm、D90=3.0μm)90.91重量部を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.294A、開放電圧Vocは0.636V、電流密度Jscは0.0384A/cm、曲線因子FFは79.31、変換効率Effは19.29%で非常に良好であった。
実施例6として、ジメチルポリシロキサンを添加しなかった以外は、実施例5と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.110A、開放電圧Vocは0.634V、電流密度Jscは0.0376A/cm、曲線因子FFは78.83、変換効率Effは18.74%で(実施例5より低かったが)良好であった。
比較例7として、比較例1と同様のガラス粉末を使用し、実施例3と同様のジメチルポリシロキサン0.4重量部を添加し、比較例1で使用した銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8F)91.07重量部に代えて、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−54F、BET比表面積=0.38m/g、タップ密度(TAP)=5.0g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.29%、D10=0.8μm、D50=1.6μm、D90=3.0μm)91.07重量部を使用した以外は、比較例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.281A、開放電圧Vocは0.635V、電流密度Jscは0.0382A/cm、曲線因子FFは79.45、変換効率Effは19.27%で(実施例5より低かったが)非常に良好であった。
比較例8として、ジメチルポリシロキサンを添加しなかった以外は、比較例7と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.133A、開放電圧Vocは0.634V、電流密度Jscは0.0375A/cm、曲線因子FFは78.42、変換効率Effは18.67%で実施例6よりも低かった。
[実施例7〜8および比較例9〜10]
実施例7として、実施例1と同様の銀被覆ガラス粉末を使用し、実施例3と同様のジメチルポリシロキサン0.4重量部を添加し、実施例1で使用した銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8F)90.90重量部に代えて、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−6−11、BET比表面積=0.21m/g、タップ密度(TAP)=5.6g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.03%、D10=2.3μm、D50=3.6μm、D90=5.9μm)81.96重量部と、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−2−1C、BET比表面積=1.04m/g、タップ密度(TAP)=4.7g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.37%、D10=0.3μm、D50=0.7μm、D90=1.4μm)9.11重量部とを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.316A、開放電圧Vocは0.635V、電流密度Jscは0.0380A/cm、曲線因子FFは79.02、変換効率Effは19.25%で非常に良好であった。
実施例8として、ジメチルポリシロキサンを添加しなかった以外は、実施例7と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.187A、開放電圧Vocは0.634V、電流密度Jscは0.0377A/cm、曲線因子FFは78.44、変換効率Effは18.81%で(実施例7より低かったが)良好であった。
比較例9として、比較例1と同様のガラス粉末を使用し、実施例3と同様のジメチルポリシロキサン0.4重量部を添加し、比較例1で使用した銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8F)91.07重量部に代えて、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−6−11、BET比表面積=0.21m/g、タップ密度(TAP)=5.6g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.03%、D10=2.3μm、D50=3.6μm、D90=5.9μm)81.80重量部と、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−2−1C、BET比表面積=1.04m/g、タップ密度(TAP)=4.7g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.37%、D10=0.3μm、D50=0.7μm、D90=1.4μm)9.11重量部とを使用した以外は、比較例1と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.294A、開放電圧Vocは0.636V、電流密度Jscは0.0378A/cm、曲線因子FFは78.86、変換効率Effは19.17%で(実施例7より低かったが)非常に良好であった。
比較例10として、ジメチルポリシロキサンを添加しなかった以外は、比較例9と同様の方法により、導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.148A、開放電圧Vocは0.634V、電流密度Jscは0.0377A/cm、曲線因子FFは78.50、変換効率Effは18.74%で実施例8よりも低かった。
これらの実施例3〜8および比較例5〜10の結果を表6〜表7に示す。
Figure 2019052080
Figure 2019052080
表6〜表7からわかるように、ジメチルシロキサンを添加した実施例3、5および7の銀被覆ガラス粉末や比較例5、7および9のガラス粉末を用いた導電性ペーストを太陽電池のバスバー電極の形成に使用すると、ジメチルシロキサンを添加しない実施例4、6および8の銀被覆ガラス粉末や比較例6、8および10のガラス粉末を用いた導電性ペーストを使用した場合と比べて、太陽電池の変換効率を向上させることができるが、ジメチルシロキサンを添加しない実施例4、6および8の銀被覆ガラス粉末を用いた導電性ペーストを使用した場合でも、太陽電池の変換効率を比較的高くすることができる。
[実施例9]
実施例1と同様の銀被覆ガラス粉末2.2重量部と、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8FHD、BET比表面積=0.42m/g、タップ密度(TAP)=6.0g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.60%、D10=1.2μm、D50=1.7μm、D90=2.5μm)85.3重量部と、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−2−1C、BET比表面積=1.04m/g、タップ密度(TAP)=4.7g/cm、強熱減量値(Ig−loss)=0.37%、D10=0.3μm、D50=0.7μm、D90=1.4μm)4.5重量部と、バインダー樹脂としてエチルセルロース(和光純薬工業株式会社製のエチルセルロース300cps)0.1重量部およびエチルセルロース(和光純薬工業株式会社製のエチルセルロース10cps)0.1重量部と、添加剤としてオレイン酸(和光純薬工業株式会社製)0.2重量部と、溶剤としてテルピネオール(和光純薬工業株式会社製)2.3質量%、テキサノール(JNC株式会社製のCS−12)2.3重量部およびブチルカルビトールアセテート(BCA)(和光純薬工業株式会社製)2.3重量部と、ジメチルポリシロキサン(信越シリコーン株式会社製のKF−96−100cs)0.4重量部と、トリエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製)0.2重量部とを、自公転式真空攪拌脱泡装置(株式会社シンキー社製のあわとり練太郎)により混合(予備混練)した後、3本ロール(EXAKT社製のM−80S)により混練することにより、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ159(Pa・s)、64(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.160A、開放電圧Vocは0.637V、電流密度Jscは0.038A/cm、曲線因子FFは79.21、変換効率Effは19.00%で良好であり、直列抵抗Rsは0.0064Ω/□であった。
[実施例10]
実施例1と同様の銀アンミン錯塩水溶液(pH11)の液温を30℃にした後、実施例1と同様のガラス粉末10gを添加し、その直後に、還元剤としてのヒドラジン0.3gと(溶媒としての純水中にTEM粒径5〜40nmの銀ナノ粒子0.01g(水溶液中の銀の量に対して0.001倍)を含む)銀コロイド10.3gと純水20gとを混合した液を添加し、その4分後に、パルミチン酸(和光純薬工業株式会社製の試薬特級、C1632)0.04gをネオエタノール(大伸化学株式会社製のネオエタノールP−7)0.9gに溶解させた溶液を添加し、(未還元銀が液中に残らないように)5分間熟成させ、銀を主成分とするとともにテルルを含有する層によりガラス粉末を被覆した後、この銀被覆ガラス粉末含有スラリーを吸引ろ過し、電位が0.5mS/m以下になるまで純水で洗浄して、得られたケーキを75℃の真空乾燥機で10分間乾燥させて、(表面にパルミチン酸が付着した)銀被覆ガラス粉末(銀を主成分とするとともにテルルを含有する層で被覆したガラス粉末)を得た。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、粒度分布を求め、BET比表面積を測定し、組成分析を行った。その結果、銀被覆ガラス粉末の累積10%粒子径(D10)は0.9μm、累積50%粒子径(D50)は2.1μm、累積90%粒子径(D90)は3.8μmであり、BET比表面積は1.83m/gあった。また、この銀被覆ガラス粉末は、11質量%のAgと、21質量%のTeと、28質量%のPbと、14質量%のBiと、0.7質量%のLiと、0.5質量%のAlと、1質量%のSiと、1.1質量%のZnと、残部として酸素を含む銀被覆ガラス粉末であった。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末を実施例1の銀被覆ガラス粉末の代わりに使用した以外は、実施例9と同様の方法により、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ126(Pa・s)、59(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.175A、開放電圧Vocは0.638V、電流密度Jscは0.038A/cm、曲線因子FFは79.05、変換効率Effは18.97%で良好であり、直列抵抗Rsは0.0065Ω/□であった。
[実施例11]
パルミチン酸の量を0.06gにした以外は、実施例10と同様の方法により、(表面にパルミチン酸が付着した)銀被覆ガラス粉末(銀を主成分とするとともにテルルを含有する層で被覆したガラス粉末)を得た。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、粒度分布を求め、BET比表面積を測定し、組成分析を行った。その結果、銀被覆ガラス粉末の累積10%粒子径(D10)は0.7μm、累積50%粒子径(D50)は2.0μm、累積90%粒子径(D90)は3.8μmであり、BET比表面積は1.86m/gあった。また、この銀被覆ガラス粉末は、9質量%のAgと、23質量%のTeと、27質量%のPbと、13質量%のBiと、0.6質量%のLiと、0.3質量%のAlと、1質量%のSiと、1.0質量%のZnと、残部として酸素を含む銀被覆ガラス粉末であった。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末を実施例1の銀被覆ガラス粉末の代わりに使用した以外は、実施例9と同様の方法により、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ123(Pa・s)、66(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.192A、開放電圧Vocは0.639V、電流密度Jscは0.038A/cm、曲線因子FFは79.10、変換効率Effは19.12%で良好であり、直列抵抗Rsは0.0066Ω/□であった。
[実施例12]
パルミチン酸0.04gをネオエタノール0.9gに溶解させた溶液に代えて、ステアリン酸(C1836)0.01gをネオエタノール0.9gに溶解させた溶液を使用した以外は、実施例10と同様の方法により、(表面にステアリン酸が付着した)銀被覆ガラス粉末(銀を主成分とするとともにテルルを含有する層で被覆したガラス粉末)を得た。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末について、実施例1と同様の方法により、粒度分布を求め、BET比表面積を測定し、組成分析を行った。その結果、銀被覆ガラス粉末の累積10%粒子径(D10)は0.8μm、累積50%粒子径(D50)は1.9μm、累積90%粒子径(D90)は3.9μmであり、BET比表面積は1.88m/gあった。また、この銀被覆ガラス粉末は、10質量%のAgと、22質量%のTeと、29質量%のPbと、12質量%のBiと、0.7質量%のLiと、0.4質量%のAlと、1質量%のSiと、1.0質量%のZnと、残部として酸素を含む銀被覆ガラス粉末であった。
このようにして得られた銀被覆ガラス粉末を実施例1の銀被覆ガラス粉末の代わりに使用した以外は、実施例9と同様の方法により、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ133(Pa・s)、69(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.158A、開放電圧Vocは0.638V、電流密度Jscは0.038A/cm、曲線因子FFは78.94、変換効率Effは19.07%で良好であり、直列抵抗Rsは0.0065Ω/□であった。
[比較例11]
銀被覆ガラス粉末に代えて実施例1のガラス粉末2.0重量部を使用し、銀粉(DOWAハイテック株式会社製のAG−4−8FHD)の量を85.5重量部とした以外は、実施例9と同様の方法により、導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストの粘度を実施例1と同様の方法により25℃において1rpmおよび5rpmで測定したところ、それぞれ144(Pa・s)、70(Pa・s)であった。
また、上記の導電性ペーストを使用して、実施例1と同様の方法により、太陽電池を作製し、電池特性試験を行った。その結果、短絡電流Iscは9.138A、開放電圧Vocは0.637V、電流密度Jscは0.038A/cm、曲線因子FFは79.00、変換効率Effは18.91%で実施例9〜12よりも低く、直列抵抗Rsは0.0065Ω/□であった。
これらの実施例9〜12および比較例11の結果を表8〜表10に示す。
Figure 2019052080
Figure 2019052080
Figure 2019052080
表8〜表10からわかるように、表面にパルミチン酸やステアリン酸などの脂肪酸が付着した銀被覆ガラス粉末を用いた導電性ペーストを使用すると、太陽電池の変換効率を高くすることができる。
本発明による銀被覆ガラス粉末は、回路基板の導体パターン、太陽電池などの基板の電極や回路などの電子部品に使用する導電性ペーストの作製に利用することができる。

Claims (19)

  1. テルルとビスマスを含むガラス粉末の表面に、銀を主成分とする被覆層が形成されていることを特徴とする、銀被覆ガラス粉末。
  2. 前記ガラス粉末中のテルルの含有量が15〜50質量%であり、ビスマスの含有量が5〜30質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の銀被覆ガラス粉末。
  3. 前記銀被覆ガラス粉末中の銀の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の銀被覆ガラス粉末。
  4. 前記ガラス粉末が40質量%以下の鉛を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末。
  5. 前記ガラス粉末がリチウム、アルミニウム、ケイ素および亜鉛からなる群から選ばれる一種以上を合計で0.1〜10質量%含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末。
  6. 前記被覆層がテルルを含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末。
  7. 前記銀被覆ガラス粉末のレーザー回折法による平均粒径D50が0.1〜10μmであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末。
  8. 前記銀被覆ガラス粉末の表面に脂肪酸が付着していることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末
  9. テルルとビスマスを含むガラス粉末を銀イオン含有溶液中に浸漬し、その溶液に錯化剤またはアルカリと還元剤とを添加して、析出した銀からなる被覆層をガラス粉末の表面に形成することを特徴とする、銀被覆ガラス粉末の製造方法。
  10. 前記ガラス粉末中のテルルの含有量が15〜50質量%であり、ビスマスの含有量が5〜30質量%であることを特徴とする、請求項9に記載の銀被覆ガラス粉末の製造方法。
  11. 前記銀被覆ガラス粉末中の銀の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする、請求項9または10に記載の銀被覆ガラス粉末の製造方法。
  12. 前記ガラス粉末が40質量%以下の鉛を含むことを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末の製造方法。
  13. 前記ガラス粉末がリチウム、アルミニウム、ケイ素および亜鉛からなる群から選ばれる一種以上を合計で0.1〜10質量%含むことを特徴とする、請求項9乃至12のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末の製造方法。
  14. 前記被覆層がテルルを含むことを特徴とする、請求項9乃至13のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末の製造方法。
  15. 前記ガラス粉末のレーザー回折法による平均粒径D50が0.1〜10μmであることを特徴とする、請求項9乃至14のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末の製造方法。
  16. 請求項1乃至8のいずれかに記載の銀被覆ガラス粉末と、導電性粉体と、有機ビヒクルとを含むことを特徴とする、導電性ペースト。
  17. 前記導電性ペーストが有機シラン化合物を含むことを特徴とする、請求項16に記載の導電性ペースト。
  18. 前記有機シラン化合物がシロキサン化合物であることを特徴とする、請求項17に記載の導電性ペースト。
  19. 前記有機シラン化合物の含有量が0.1〜1.0質量%であることを特徴とする、請求項17または18に記載の導電性ペースト。
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