JP2017025380A - 銀コート銅粉及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅の芯材粒子の表面が、均一かつ緻密な銀の層によって被覆され、高い導電性を有する銀コート銅粉を提供すること。
【解決手段】本発明の銀コート銅粉は、X線回折によって得られる銀の(111)面の回折強度IAgと、銅の(111)面の回折強度ICuとの比であるIAg/ICuの値が0.10以上0.30以下である。銀の含有割合が7.0質量%以上30質量%以下である。また、X線回折によって得られる銀の結晶子径DXRDが16nm以上45nm以下であることが好適である。更に、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積体積50容量%における体積累積粒径D50が0.1μm以上15μm以下であることも好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀コート銅粉及びその製造方法に関する。
銅粉は導電性ペーストの原料として広く用いられている。導電性ペーストは、その取り扱いの容易さ故に、実験目的なものから電子産業用途に到るまで広範に使用されている。特に、銀コート層によって表面が被覆された銀コート銅粉は、導電性ペーストに加工されて、スクリーン印刷法を用いたプリント配線板の回路形成や、各種電気的接点部等に応用され、電気的導通確保の材料として用いられている。この理由は、銀コート銅粉は、通常の銅粉と比較して電気的伝導性に優れるからである。また銀コート銅粉は、銀のみからなる銀粉と異なり、高価でないので経済的にも有利である。したがって、導電特性に優れた銀コート銅粉を用いた導電性ペーストによって導体形成を行うと、低抵抗の導体を低コストで製造できる。
銀コート銅粉に関する従来技術としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。同文献には、アルカリ性溶液中で銅微粉表面の有機物を除去・水洗し、次に酸性溶液中で銅微粉表面の酸化物を酸洗・水洗した後、この銅微粉を分散させた酸性溶液中に還元剤を添加しpHを調整して銅微粉スラリーを調製し、この銅微粉スラリーに銀イオン溶液を添加することで、無電解置換めっきと還元型無電解めっきにより銅微粉表面に銀層を形成することが記載されている。銀層を形成した後の銅微粉は、水素気流下の還元性雰囲気中、150〜220℃で熱処理される。
特許文献2に銀コート銅粉は、特許文献1に記載の製造工程において、無電解置換めっきと還元型無電解めっきにより銅微粉表面に銀層を形成するとき及び銀層の形成後に、超音波を照射している。
国際公開第2008/059789号パンフレット 特開2011−214080号公報
特許文献1及び2に記載の技術では、有機物をアルカリで除去し、更に酸化物を酸で除去していることに起因して、銅微粒子の表面がエッチングされてしまい、表面が粗くなってしまう。その結果、銀の被覆が均一に起こりにくい。また特許文献1及び2に記載の技術では、無電解置換めっきと還元型無電解めっきを同時に行っているところ、そのような操作においては実際には無電解置換めっきが支配的に起こることから、そのことに起因しても、銀の被覆が均一に起こりにくい。更に、特許文献1に記載の技術では、水素気流下の還元性雰囲気中での熱処理によって、酸化銅に由来する酸素による水蒸気が発生し、この水蒸気が原因で、銀微粒子どうしの焼結が妨げられやすい。特許文献2に記載の技術では、超音波を照射しながら銀の析出を行っているので、銀が均一に析出するように考えられるが、超音波の照射前は、芯材である銅微粒子が凝集した状態になっており、その凝集状体のまま超音波を照射しても該銅微粒子の分散状態は向上しづらい。そのことに起因して、特許文献2に記載の技術では、銀の均一な析出は容易でない。
したがって本発明の課題は、銀コート銅粉の改良にあり、更に詳細には銀の被覆層が均一に、かつ緻密に形成された銀コート銅粉を提供することにある。
本発明は、銅の芯材粒子と該芯材粒子の表面に配置された銀の被覆層とを有する銀コート銅粒子を有する銀コート銅粉において、
X線回折によって得られる銀の(111)面の回折強度IAgと、銅の(111)面の回折強度ICuとの比であるIAg/ICuの値が0.10以上0.30以下であり、
銀の含有割合が7.0質量%以上30質量%以下である、銀コート銅粉を提供するものである。
また本発明は、前記の銀コート銅粉の好適な製造方法として、
銅の芯材粒子の表面に存在する酸化物を、還元又は溶解によって除去する工程と、
酸化物を除去後の銅の芯材粒子の表面に、還元によって銀を析出させて該芯材粒子の表面を銀で被覆する工程と、
銀で被覆された銅の芯材粒子を真空下に加熱処理する工程とを有する銀コート銅粉の製造方法を提供するものである。
更に本発明は、前記の銀コート銅粉の別の好適な製造方法として、
銅の芯材粒子の表面に存在する酸化物を、還元又は溶解によって除去する工程と、
酸化物を除去後の銅の芯材粒子の表面に、還元によって銀を析出させて該芯材粒子の表面を銀で被覆する工程とを有し、
酸化物の除去から銀の被覆までにわたる工程を、分散機を用いた分散状態下に行う、銀コート銅粉の製造方法を提供するものである。
本発明の銀コート銅粉は、銅の芯材粒子の表面が、均一かつ緻密な銀の層によって被覆されているので、高い導電性を有するものとなる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の銀コート銅粉は、銅の芯材粒子の表面が、銀の被覆層(以下「銀コート層」とも言う。)で被覆されている銀コート銅粒子の集合体から構成されるものである。銀コート銅粉は、銀コート銅粒子のみから実質的になるが、不可避不純物を含有することは許容される。また、銅の芯材粒子は、銅を含む粒子であるか、又は実質的に銅のみからなり、不可避不純物を含む粒子であってもよい。銀コート層は、銀を含む層であるか、又は実質的に銀のみからなり、不可避不純物を含む層であってもよい。更に必要に応じ、本発明の銀コート銅粉に、それ以外の粉体等を含有させてもよい。
銀コート銅粒子において、銀コート層は、銅の芯材粒子(以下、単に「芯材粒子」とも言う。)の表面を連続して被覆している。銀コート銅粒子は、その表面の全域が銀のみからなり、下地である銅は銀コート銅粒子の表面に一切露出していない状態になっていることが好ましいが、後述するIAg/ICuの値を満たす限り、銅の一部が表面に露出していることは妨げられない。
本発明の銀コート銅粉は、芯材粒子の表面を被覆している銀コート層に特徴の一つを有している。詳細には、この銀コート層は、層の厚みに対して銀の結晶子径が相対的に大きいものである。また、好適には銀コート層の表面が比較的平滑なものである。このような構造の銀コート層によって、芯材粒子の表面の全域が被覆されていることによって、本発明の銀コート銅粒子はその導電性が高いものとなる。したがって本発明の銀コート銅粒子を焼成して製造された導体は、その導電性が高いものとなる。これに対して、先に述べた特許文献1及び2に記載の銀コート銅粒子においては、銀コート層が均一に形成されていないので、該銀コート銅粒子を焼成して導体を製造した場合、該導体の導電性を充分に高めることが容易でない。
上述したとおり、本発明の銀コート銅粉は、銀コート層の厚みに対して銀の結晶子径が相対的に大きいものである。具体的は、本発明の銀コート銅粉を測定対象としてX線回折によって得られる銀の結晶子径DXRDは、16nm以上45nm以下であることが好ましく、20nm以上42nm以下であることが更に好ましい。DXRDが大きいということは、銀コート層における銀の結晶粒界の数が少なくなる傾向にあることであり、銀コート層の緻密性向上を意味している。結晶粒界の数は銀コート層の導電性に影響し、結晶粒界の数が少ないほど、銀コート層の導電性は高くなる。このように、本発明においては、銀コート層のDXRDを大きくすることによって、銀コート層の導電性を高めている。銀コート層のDXRDを大きくするためには、例えば後述する方法で銀コート銅粒子を製造すればよい。
銀コート層の厚みが比較的大きい場合、銀の結晶子径DXRDを大きくすることは比較的容易である。しかし、その場合には、銀コート銅粉に占める銀の割合が高くなり、銀粉そのものと比較した場合の経済的優位性が減殺されてしまう。これに対して、本発明においては、銀コート層の厚みを比較的薄くした状態であっても、銀の結晶子径DXRDが大きいという点に技術的及び経済的な優位性を有する。銀コート銅粉において銀コート層の厚みを測定することは容易でないことから、本発明においては、銀コート銅粉に占める銀の含有割合をもって、銀コート層の厚みの指標としている。この観点から、本発明においては、銀コート銅粉に占める銀の含有割合を好ましくは7.0質量%以上30質量%以下、更に好ましくは10質量%以上25質量%以下、一層好ましくは10質量%以上20質量%以下という低割合としている。
銀コート銅粉に占める銀の割合は例えば、銀コート銅粉を酸性溶液に溶解して水溶液となし、この水溶液を対象として、ICP発光分析によって銀及び銅を定量分析することで求められる。
銀コート銅粉に占める銀の含有割合が低い場合であっても、銀の被覆状態が均一でないときには、銀コート銅粉の導電性を高めることは容易でない。これに対して本発明の銀コート銅粉は、銀コート層が比較的薄く均一に形成されていることも特徴の一つである。銀コート層の均一性は、例えばX線回折によって得られる銀の回折強度と銅の回折強度との比を尺度に評価することができる。具体的には、X線回折によって得られる銀の(111)面の回折強度IAgと、銅の(111)面の回折強度ICuとの比であるIAg/ICuの値が0.10以上0.30以下であることが好ましい。IAg/ICuの値が0.10以上になると、均一かつ緻密な銀の層によって被覆され高い導電性を有する。導電性の点からはIAg/ICuの値は高いほどよいが、IAg/ICuの値が0.30以下となるようにすると、銀の使用量が少なくてすみ経済的である。導電性と経済性の観点からIAg/ICuの値は0.15以上0.30以下であることが更に好ましく、0.20以上0.30以下であることが一層好ましい。
上述の結晶子径DXRDを算出するには、例えば(株)リガク製のRINT−TTRIIIを用い、銀コート銅粉のX線回折測定により得られた銀の(111)面の回折ピークを解析し、シェラー(Scherrer)法により算出する。IAg/ICuの値も、例えば(株)リガク製のRINT−TTRIIIを用いて測定することができる。回折強度IAg及びICuは、ベースラインを基準としたピーク高さと定義する。なお、装置及び測定条件は以下のように設定した。
<装置条件>
X線管球:Cu
検出器:シンチレーションカウンタ((株)リガク製)
粉末X線解析ソフトウェア:PDXL((株)リガク製)
<測定条件>
管電圧:40kV
管電流:20mA
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:1°/min
測定範囲:20°〜100°
ところで、粒子のBET比表面積は粒子径に依存し、同質量の粉体であれば、粒子径が大きくなるに連れてBET比表面積は小さくなる。本発明の銀コート銅粉においては、銀コート銅粒子の粒径が比較的小さいにもかかわらず、BET比表面積が比較的小さい点にも特徴の一つを有する。銀コート銅粒子の粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積体積50容量%における体積累積粒径D50で表すことができる。そして本発明の銀コート銅粉は、粒径D50が0.1μm以上15μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることが更に好ましく、1μm以上5μm以下であることが一層好ましい。
粒径D50は例えば次の方法で測定される。0.1gの試料を、SNディスパーサント5468の0.1質量%水溶液(サンノプコ社製)と混合した後、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製 US−300T)で5分間分散させる。そしてレーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(Leeds+Northrup社製)を用いて粒度分布を測定する。
後述する方法に従い本発明の銀コート銅粉を製造すると、銀コート層の表面が比較的平滑となる。これによって銀コート銅粒子どうしの接触点の数が増加し、導電性が向上する。銀コート層の表面平滑性は、例えば銀コート銅粉のBET比表面積を尺度として評価することができる。そして本発明の銀コート銅粉は、BET比表面積の値が比較的小さい点にも特徴の一つを有する。具体的には、本発明の銀コート銅粉のBET比表面積の値は、銀コート銅粉の粒径D50が上述の範囲であることを条件として、0.20m/g以上1.20m/g以下であることが好ましく、0.25m/g以上1.0m/g以下であることが更に好ましく、0.30m/g以上0.90m/g以下であることが一層好ましい。
BET比表面積は、例えば銀コート銅粉2.0gを、75℃で10分間の脱気処理を行った後、モノソーブ(カンタクロム社製)を用いBET1点法で測定される。
先に述べたとおり、本発明の銀コート銅粉においては、芯材粒子の表面が、銀コート層で薄く被覆されている。したがって、芯材粒子の粒径と銀コート銅粒子の粒径との間に大きな相違はない。芯材粒子の粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積体積50容量%における体積累積粒径D50で表して0.1μm以上15μm以下であることが好ましく、1μm以上5μm以下であることが更に好ましく、1μm以上3μm以下であることが一層好ましい。芯材粒子の粒径D50の値は、銀コート銅粒子の粒径D50の値と同様の方法で測定できる。
本発明の銀コート銅粉においては、銀コート銅粒子の形状に特に制限はない。一般に銀コート銅粒子は、充填性の向上及びそれに起因する導電性の向上の観点から球形であることが好ましいが、これ以外の形状、例えばフレーク状や紡錘状であってもよい。芯材粒子の形状も、銀コート銅粒子と同様に球形であることが好ましい。
次に、本発明の銀コート銅粉の好適な製造方法について説明する。本製造方法は、方法Iと方法IIに大別される。いずれの方法を採用しても、目的とする銀コート銅粉を好適に製造することができる。まず、方法I及び方法IIに共通する工程について説明する。
方法I及び方法IIのいずれにおいても、以下の(イ)及び(ロ)の工程が行われる。
(イ)銅の芯材粒子を還元して該芯材粒子の表面に存在する酸化物を除去する工程。
(ロ)酸化物を除去後の銅の芯材粒子の表面に、還元によって銀を析出させて該銅粒子の表面を銀で被覆する工程。
(イ)の工程は、前処理工程に当たるものであり、例えば還元剤又は酸を使用して銅粒子の表面に存在する酸化物を還元又は溶解によって除去する。還元剤としては、例えばヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、シュウ酸及びギ酸などを用いることができる。酸としては、メタンスルホン酸及び硫酸などを用いることができる。本工程を行うことによって、銀を析出させるべき銅の芯材粒子の表面を清浄な状態にすることができる。先に述べた特許文献1及び2に記載の技術においても前処理工程を行っているが、これらの文献においては酸による銅のエッチングで芯材粒子の表面を処理しており、そのことに起因して芯材粒子の表面が粗くなってしまうという不都合がある。これとは対照的に、還元剤を用いた前処理を行っている本発明では、該前処理によって芯材粒子の表面が粗くなることはないので、芯材粒子の表面平滑状態が保たれるという利点がある。
(ロ)の工程は、銅の芯材粒子の表面に銀コート層を形成する工程である。一般に、銀イオンの還元には、(i)還元剤を用いて銀イオンを還元析出させる方法、(ii)銀と銅のイオン化傾向の差を利用した置換反応によって銀を析出させる方法、(iii)(i)と(ii)を複合化した方法などが知られているところ、本発明においては、(iii)の方法を採用すると、緻密な銀コート層を形成することができるので有利である。以下、この方法について説明する。
前記の(iii)の方法は、以下の第1工程ないし第3工程を含む。
〔第1工程〕
第1工程では、銅の芯材粒子を製造する。
〔第2工程〕
第2工程では、銀イオンと、銅の芯材粒子とを水中で接触させて置換めっきを行い、該芯材粒子の表面に銀を析出させる。この析出によって得られた粒子のことを便宜的に「前駆体粒子」と呼ぶ。
〔第3工程〕
第3工程では、第2工程で得られた前駆体粒子と、銀イオンと、銀イオンの還元剤とを水中で接触させて、該前駆体粒子の表面に更に銀を析出させる。
第1工程では、銅の芯材粒子を種々の方法で製造することができる。例えば、ヒドラジン等の各種の還元剤を用い、酢酸銅や硫酸銅などの銅化合物を湿式で還元することで芯材粒子を得ることができる。あるいは、銅の溶湯を用いアトマイズ法によって芯材粒子を得ることができる。更に、電解法によって芯材粒子を得ることができる。
第2工程においては、銅の芯材粒子を水中で銀イオンと接触させる。銀イオンは、銀源となる銀化合物から生成させる。銀化合物としては、例えば硝酸銀等の水溶性銀化合物を用いることができる。水中における銀イオンの濃度は、0.01〜10mol/L、特に0.04〜2.0mol/Lに設定することが、望ましい量の銀を芯材粒子の表面に析出させ得る観点から好ましい。
一方、水中における芯材粒子の量は、1〜1000g/L、特に50〜500g/Lとすることが、やはり望ましい量の銀を芯材粒子の表面に析出させ得る観点から好ましい。
芯材粒子と銀イオンとの添加の順序に特に制限はない。例えば芯材粒子と銀イオンとを同時に水中に添加することができる。置換めっきによる銀の析出のコントロールのしやすさの観点からは、水中に芯材粒子を予め分散させてスラリーを調製し、このスラリーに銀源となる銀化合物を添加することが好ましい。この場合、スラリーは常温でもよく、あるいは0℃以上80℃以下の温度範囲でもよい。また、銀化合物の添加に先立ち、スラリー中にエチレンジアミン四酢酸、トリエチレンジアミン、イミノ二酢酸、クエン酸若しくは酒石酸、又はそれらの塩等の錯化剤を添加しておき、銀の還元をコントロールするようにしてもよい。
銀化合物の添加は、水溶液の状態で行うことが好ましい。この水溶液は、スラリー中に一括添加することもでき、あるいは所定の時間にわたって連続的に又は不連続に添加することもできる。置換めっきの反応を制御しやすい点から、銀化合物の水溶液は、所定の時間にわたってスラリーに添加することが好ましい。
置換めっきによって芯材粒子の表面に銀が析出して前駆体粒子が得られる。前駆体粒子における銀の析出量は、最終的に得られる銀コート銅粉における銀の量の0.1質量%以上50質量%以下、特に1質量%以上10質量%以下とすることが、緻密な銀コート層を形成し得る点から好ましい。
第3工程においては、第2工程で得られた前駆体粒子を含むスラリーに、銀イオン及び銀イオンの還元剤を添加する。この場合、第2工程で得られた前駆体粒子を一旦固液分離した後に水に分散させてスラリーとなしてもよく、あるいは第2工程で得られた前駆体粒子のスラリーをそのまま第3工程に供してもよい。後者の場合、スラリー中に、第2工程で添加した銀イオンが残存していてもよく、あるいは残存していなくてもよい。
第3工程において添加する銀イオンは、第2工程と同じく水溶性銀化合物から生成させる。銀化合物は、水溶液の状態でスラリーに添加することが好ましい。銀水溶液中の銀イオンの濃度は好ましくは0.01mol/L以上10mol/L以下、更に好ましくは0.1mol/L以上2.0mol/L以下である。この範囲の濃度を有する銀水溶液を、1g/L以上1000g/L以下、特に50g/L以上500g/L以下の前駆体粒子を含む前記スラリーにおける該前駆体粒子100質量部に対して0.1質量部以上55質量部以下、特に1質量部以上25質量部以下添加することが、緻密な銀コート層を形成し得る点から好ましい。
第3工程において添加する還元剤としては、銀の置換めっき及び還元めっきを同時に進行させ得る程度の還元力を有するものを用いることが好ましい。このような還元剤を用いることで、緻密な銀コート層を首尾よく形成することができる。還元性の強い還元剤を用いると、還元めっきが一方的に進行してしまい目的とする緻密な構造を有する銀コート層を形成することが容易でない。一方、還元性の弱い還元剤を用いると、銀イオンの還元めっきが進行しづらく、そのことに起因してやはり緻密な構造を有する銀コート層を形成することが容易でない。以上の観点から、還元剤としては、これを水に溶解したときに酸性を示す有機還元剤を用いることが好ましい。具体的には、ギ酸、シュウ酸、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、ホルムアルデヒドなどがある。これらの有機還元剤は1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。その中でも、L−アスコルビン酸を用いることが好ましい。ここで言う「酸性」とは、有機還元剤0.1モルを1000gの水に溶解した水溶液が、25℃において1以上6以下のpHを示すことである。
還元剤の添加量は、添加する銀溶液中の銀イオンに対して0.5当量以上5.0当量以下、特に1.0当量以上2.0当量以下とすることが、銀の置換めっき及び還元めっきを同時に進行させやすい点から好ましい。
前駆体粒子を含むスラリーに還元剤及び銀イオンを添加するときの順序に特に制限はない。銀イオンの還元を制御して、緻密な銀コート層を形成する観点からは、スラリー中に還元剤を添加した後に銀イオンを添加することが好ましい。銀源となる銀化合物は、スラリー中に一括添加することもでき、あるいは所定の時間にわたって連続的に又は不連続に添加することもできる。銀イオンの還元を制御しやすい点から、銀化合物はその水溶液の状態で、所定の時間にわたってスラリーに添加することが好ましい。
第3工程において、銀の置換めっき及び還元めっきを同時に進行させるときには、スラリーを常温の状態にしておいてもよく、あるいは0℃以上80℃以下の温度範囲で加熱しておいてもよい。このように、置換めっきと還元めっきと順次行うことで、本発明の銀コート銅粉が得られる。
次に、方法Iに特有の方法について説明する。方法Iにおいては、上述の方法で得られた銀コート銅粉を真空下に加熱処理する。この処理を行うことで、銀コート層が焼結によって緻密化するとともに、銀コート層中の銀の結晶子径が増大する。更に、銀コート層と、銅の芯材粒子との界面における銀−銅間の結合が強固になり、銀コート層の密着性が高まる。その上、銀コート層の表面が滑らかになる。これに対して、先に述べた特許文献1に記載の技術でも銀コート銅粉の加熱処理を行っているが、銀コート層が均一に形成されていないことに起因して、銀の充分な焼結が進行しづらい。また、還元雰囲気下での加熱であることに起因して、水蒸気が発生しやすく、そのことに起因しても銀の充分な焼結が進行しづらい。
真空の程度としては、絶対圧で表して1×10Pa以下、特に1×10Pa以下であることが好ましい。加熱温度は、加熱手段にもよるが、150℃以上250℃以下であることが好ましく、180℃以上200℃以下であることが更に好ましい。加熱時間は、加熱温度が前記の範囲内であることを条件として、1分以上180分以下であることが好ましく、30分以上120分以下であることが更に好ましい。
次に、方法IIに特有の方法について説明する。方法IIにおいては、上述の(イ)及び(ロ)の工程のすべてを、分散機を用いた分散状態下に行う。つまり、酸化物の除去から銀の被覆までにわたる工程を、分散機を用いた分散状態下に行う。この操作によって、銀コート層の均一な形成を首尾よく行うことができ、銀コート層が緻密化するとともに、銀コート層中の銀の結晶子径が増大する。具体的には、(イ)の工程において分散処理を行うことで、銅の芯材粒子どうしの凝集を抑制できる。また(ロ)の工程において分散処理を行うことで、液中において各物質が局在化することが抑制され、各物質の濃度が均一化する。これらのことに起因して、銀コート層の均一な形成を首尾よく行うことができる。これとは対照的に、先に述べた特許文献1及び2の技術でも分散処理を行っているが、その分散処理は銀コート層の形成工程のみにとどまり、全工程にわたっての分散処理は行っていない。そのことに起因して、銀の還元析出を充分に均一に行うことができず、緻密な銀コート層の形成や、銀の結晶子径の増大は達成されない。
方法IIにおいて用いることのできる分散機としては、例えば高圧ホモジナイザ、超音波ホモジナイザ、超高速ホモジナイザなどが挙げられる。超音波ホモジナイザを用いる場合、バッチ式で液に超音波を照射してもよく、あるいは循環式で液に超音波を照射してもよい。分散のために加えるエネルギーは、液中の粒子の凝集が抑制されて、充分に分散可能な程度であればよい。
以上の各方法によって、目的とする銀コート銅粉を首尾よく得ることができる。このようにして得られた銀コート銅粉は、これを含む導電性組成物の状態で好適に用いられる。例えば銀コート銅粉をバインダ樹脂及び有機溶媒と混合し、更に必要に応じてガラスフリット等と混合して導電性ペーストとなすことができる。あるいは、銀コート銅粉を有機溶媒等と混合してインクとなすことができる。このようにして得られた導電性ペーストやインクを適用対象物の表面に施し、必要に応じ加熱することで、所望のパターンを有する導体膜を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
本実施例では、上述した方法Iに従い銀コート銅粉を製造した。
(1)銅の芯材粒子の前処理
36Lのビーカー中で、粒径D50が約1μmの銅の芯材粒子3000gと、50℃の純水9000mLとを混ぜて銅スラリーを得た。この銅スラリーにヒドラジンを90g加え30分間撹拌し、芯材粒子の表面に存在する酸化物の除去を行った。
(2)銀の置換めっき
次いで、濾過洗浄を行い湿潤状態で銅粉を回収した。続いて、回収した銅粉体を、40℃の純水15000mL中に加え撹拌を行いスラリー状態にした。このスラリーに、エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウムを127.5g、クエン酸200gを添加した。更にこのスラリーに、硝酸銀水溶液を240mL/minの割合で1分間連続的に添加した。硝酸銀水溶液は、硝酸銀1075.8gを7200mLの純水に溶解して調製したものである。この操作によって、銀の置換めっきを行った。
(3)銀の還元めっき
次いで、液の電導度が300μS以下となるまで純水で洗浄を行った。その後再び40℃の純水15000mLを加えスラリー状態にした。このスラリーに、エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウムを127.5g、クエン酸を200g添加した。次いで、還元剤としてアスコルビン酸641.4gを添加し、前記の硝酸銀溶液を240mL/minの割合で全量添加し、還元めっきを行った。このようにして、銀コート銅粉を得た。
(4)銀コート銅粉の熱処理
得られた銀コート銅粉を洗浄し、次いで大気下70℃で乾燥を5時間行った。引き続き、絶対圧1.0×10Paの真空下に150℃で1時間にわたり熱処理を行い、目的とする銀コート銅粉とした。
〔実施例2ないし4〕
実施例1における真空下での熱処理条件を、以下の表1に示すとおりとする以外は、実施例1と同様にして銀コート銅粉を得た。
〔実施例5〕
本実施例では、上述した方法Iに従い銀コート銅粉を製造した。
(1)銅の芯材粒子の前処理
20Lのビーカー中で、粒径D50が約3μmの銅の芯材粒子2000gと、50℃の純水10000mLとを混ぜて銅スラリーを得た。この銅スラリーにヒドラジンを60g加え30分間撹拌し、芯材粒子の表面に存在する酸化物の除去を行った。
(2)銀の置換めっき
次いで、40℃に降温したこのスラリーに、エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウムを200.0g、クエン酸133.3gを添加した。更にこのスラリーに、硝酸銀水溶液を80mL/minの割合で2分間連続的に添加した。硝酸銀水溶液は、硝酸銀717.2gを4800mLの純水に溶解して調製したものである。この操作によって、銀の置換めっきを行った。
(3)銀の還元めっき
次いで、液の電導度が300μS以下となるまで純水で洗浄を行った。その後再び40℃の純水10000mLを加えスラリー状態にした。このスラリーに、エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウムを200.0g、クエン酸を133.3g添加した。次いで、還元剤としてアスコルビン酸427.6gを添加し、前記の硝酸銀溶液を80mL/minの割合で全量添加し、還元めっきを行った。このようにして、銀コート銅粉を得た。
(4)銀コート銅粉の熱処理
得られた銀コート銅粉を洗浄し、次いで大気下70℃で乾燥を5時間行った。引き続き、絶対圧1.0×10Paの真空下に200℃で1時間にわたり熱処理を行い、目的とする銀コート銅粉とした。
〔実施例6〕
本実施例では、上述した方法IIに従い、ホモジナイザを用いて銀コート銅粉を製造した。本実施例においては、上述した実施例1において、真空下での加熱処理を行わず、かつ真空下での加熱処理の前までの全工程を、ホモジナイザ(IKA製のT−50 digital ULTRA−TURRAX(登録商標))による分散状態下で行った。ホモジナイザの撹拌条件は6000rpmとした。このようにして目的とする銀コート銅粉を得た。
〔実施例7〕
本実施例では、上述した方法IIに従いバッチ式超音波ホモジナイザを用いて銀コート銅粉を製造した。
(1)銅の芯材粒子の前処理
10Lのビーカー中で、一次粒子径が約1μmの銅の芯材粒子900gと、50℃の純水4500mLとを混ぜて銅スラリーを得た。この銅スラリーにメタンスルホン酸を180mL加え、30分間撹拌し、芯材粒子の表面に存在する酸化物の除去を行った。
(2)銀の置換めっき
次いで、スラリーに、エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウムを38.3g添加し5分間撹拌した。引き続き、クエン酸を60g添加し5分間撹拌した。このスラリーに硝酸銀溶液を72mL/minの割合で1分間添加した。硝酸銀水溶液は、硝酸銀322.7gを2160mLの純水に溶解して調製したものである。この操作によって、銀の置換めっきを行った。
(3)銀の還元めっき
次いでスラリーに、還元剤としてアスコルビン酸1924gを添加し、前記の硝酸銀溶液を72mL/minの割合で全量添加し、還元めっきを行った。このようにして、銀コート銅粉を得た。
以上のすべての工程を、超音波の照射を行いながら進行させた。超音波の照射条件は、400W(24kHz)とした。
最後に大気下70℃で乾燥を5時間行った。このようにして、目的とする銀コート銅粉を得た。
〔実施例8〕
本実施例では、上述した方法IIに従い循環式超音波ホモジナイザを用いて銀コート銅粉を製造した。本実施例では、実施例7において行ったバッチ式の超音波の照射に代えて、循環式超音波分散機を用いた。スラリーの循環条件は12L/minとした。これ以外は実施例6と同様にして、目的とする銀コート銅粉を得た。
〔実施例9〕
本実施例では、粒径D50が10μmの銅の芯材粒子を用い、実施例6の方法(すなわち方法II)に従い目的とする銀コート銅粉を得た。
〔実施例10〕
本実施例では、粒径D50が1μmの銅の芯材粒子を用い、実施例6の方法(すなわち方法II)に従いホモジナイザによる分散を行いながら銀コート銅粉を得た。更に、得られた銀コート銅粉を、方法Iに従い、絶対圧1.0×10Paの真空下に200℃で1時間にわたり熱処理を行い、目的とする銀コート銅粉を得た。
〔比較例1〕
本比較例は、特許文献1(国際公開第2008/059789号パンフレット)の実施例3に相当するものである。
10Lのビーカー中で、実施例1で用いた銅の芯材粒子と同様の芯材粒子1000gと、40℃の純水2000mLと、25質量%水酸化ナトリウム水溶液25mLとを混ぜて20分間撹拌し、続いて一次デカンテーション処理を行い、更に純水2000mLを加えて20分間撹拌した。
次いで、二次デカンテーション処理を行い、硫酸濃度15g/Lの硫酸水溶液5000mLを加えて30分間撹拌した。更に、三次デカンテーション処理を行い、純水5000mLを加えて5分間撹拌した。
次いで、四次デカンテーション処理を行い、質量1%酒石酸ナトリウムカリウム溶液5000mLを加えて数分間撹拌し、銅スラリーを形成した。
この銅スラリーに硝酸銀アンモニア溶液1000mL(硝酸銀360gを400mLのアンモニア水に添加したもの)を、30分間の時間をかけてゆっくりと添加しながら置換反応処理及び還元反応処理を行い、更に30分間の撹拌をして銀めっき銅微粉を得た。
その後、五次デカンテーション処理を行い、純水7000mLを加えて5分間撹拌した。更に六次デカンテーション処理を行い、純水7000mLを加えて5分間撹拌した。そして、濾過洗浄、吸引脱水することで銀コート銅粉と溶液とを濾別し、銀コート銅粉を90℃で2時間乾燥した。
得られた銀コート銅粉500gを管状炉に入れ、水素気流下(3.0〜3.5L/min)の還元性雰囲気中で200℃、30分間熱処理した。
〔比較例2〕
本比較例も、特許文献1(国際公開第2008/059789号パンフレット)の実施例3に相当するものであり、前記の比較例1における条件を一部変更したものである。
比較例1における三次デカンテーション処理までの操作と同様の操作を行った後、四次デカンテーション処理を行い、質量1%酒石酸ナトリウムカリウム溶液2500mLを加えて数分間撹拌し、銅スラリーを形成した。
この銅スラリーに硝酸銀アンモニア溶液1000mL(硝酸銀180gを200mLのアンモニア水に添加したもの)を、30分間の時間をかけてゆっくりと添加しながら置換反応処理及び還元反応処理を行い、更に30分間の撹拌をして銀めっき銅微粉を得た。
その後の五次及び六次デカンテーション処理、濾過洗浄、吸引脱水、乾燥、並びに還元性雰囲気中での熱処理は比較例1と同様にして、銀コート銅粉を得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた銀コート銅粉について、銀の含有割合、粒径D50、BET比表面積、銀の結晶子径DXRD及び回折強度比IAg/ICuを測定した。更に以下の方法で圧粉抵抗値を測定した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔銀コート銅粉の圧粉抵抗〕
銀コート銅粉15gを500kgf/cmの圧力でプレスし、直径25mmのペレットを作製した。そのペレットの電気抵抗を、ダイヤインスツルメンツ製のPD−41を用い四端子法によって測定した。
Figure 2017025380
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた銀コート銅粉は、比較例の銀コート銅粉に比べて圧粉抵抗値が低く、導電性が高いものであることが判る。

Claims (7)

  1. 銅の芯材粒子と該芯材粒子の表面に配置された銀の被覆層とを有する銀コート銅粒子を有する銀コート銅粉において、
    X線回折によって得られる銀の(111)面の回折強度IAgと、銅の(111)面の回折強度ICuとの比であるIAg/ICuの値が0.10以上0.30以下であり、
    銀の含有割合が7.0質量%以上30質量%以下である、銀コート銅粉。
  2. X線回折によって得られる銀の結晶子径DXRDが16nm以上45nm以下である請求項1に記載の銀コート銅粉。
  3. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積体積50容量%における体積累積粒径D50が0.1μm以上15μm以下である請求項1又は2に記載の銀コート銅粉。
  4. 請求項1に記載の銀コート銅粉の製造方法であって、
    銅の芯材粒子の表面に存在する酸化物を、還元又は溶解によって除去する工程と、
    酸化物を除去後の銅の芯材粒子の表面に、還元によって銀を析出させて該芯材粒子の表面を銀で被覆する工程と、
    銀で被覆された銅の芯材粒子を真空下に加熱処理する工程とを有する銀コート銅粉の製造方法。
  5. 請求項1に記載の銀コート銅粉の製造方法であって、
    銅の芯材粒子の表面に存在する酸化物を、還元又は溶解によって除去する工程と、
    酸化物を除去後の銅の芯材粒子の表面に、還元によって銀を析出させて該芯材粒子の表面を銀で被覆する工程とを有し、
    酸化物の除去から銀の被覆までにわたる工程を、分散機を用いた分散状態下に行う、銀コート銅粉の製造方法。
  6. 酸化物を除去後の銅の芯材粒子と、銀イオンとを水中で接触させて置換めっきを行い、該芯材粒子の表面に銀を析出させ、次いで
    銀を析出させた銅の粒子と、銀イオンと、銀イオンの還元剤とを水中で接触させて、該粒子の表面に更に銀を析出させて、該粒子の表面を銀で被覆する請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の銀コート銅粉を含む導電性組成物。
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