JP4497491B2 - 銀コロイド水溶液、銀コロイド水溶液の製造方法、導電性被膜及び導電性被膜の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液状態では低粘度で分散性が良いため取扱いが容易であり、溶媒に水のみを使用するため環境に優しく、塗布、乾燥後は優れた導電性を有する被膜が得られるため、ブラウン管の電磁波遮蔽用、建材又は自動車の赤外線遮蔽用、電子機器の静電気帯電防止剤用、曇ガラスの熱線用、ICカード用コイル、回路基板に形成する電極、スルーホール又は回路自体等に好適に用いられる銀コロイド水溶液、該銀コロイド水溶液の製造方法、該銀コロイド水溶液を用いて形成した導電性被膜及び導電性被膜の形成方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
回路基板上に形成する電極等に導電性被膜を用いる場合には、他の用途に比べて優れた導電性が要求され、この分野では、従来より、銀や他の貴金属粒子を樹脂成分や有機溶媒で練り込んだ銀ペースト等が広く用いられている。
しかし、上記銀ペースト等は、高粘度で取扱いにくく、また、塗りにくいために精細な用途に向かず、乾燥時又は焼成時の溶剤臭が強いという問題がある。さらに、それらが大気中に揮発しやすいため環境に悪影響を及ぼす可能性が強く、また、多くの樹脂分を含有するため導電性が損なわれやすいという問題がある。
【0003】
透明導電膜の分野では、化学還元法によって製造した銀コロイドを使用する例があるが、従来の化学還元法によって製造した銀コロイドは、加熱焼成後の体積抵抗率が10-2〜102 Ωcm程度であって、回路基板用としては使用しづらい。これは、回路基板用の導電膜は、少なくとも10-4〜10-5Ω・cm程度の体積抵抗率が必要であるからである。導電性を上げるためには、銀以外の含有物をできるだけ少なくする必要がある。
【0004】
また、高粘度の銀ペーストでは問題にならないが、低粘度のインクにおいては分散安定性の問題が必ず生じる。
従来の化学還元法で製造した銀コロイドでは、銀含量を上げると沈殿が生じてしまい、常に攪拌する必要があるので工業的には不利である。一方、銀含量を下げすぎると、必要な厚みを出すために何度も重ね塗る必要が生じるので、これも不利である。従って、銀含量を上げても分散安定性の良い銀コロイドを製造する必要がある。
【0005】
上記銀コロイドを得るために用いる銀コロイドの分散剤は、大まかに低分子系分散剤と高分子系分散剤とに分類することができる。
上記低分子系分散剤は、銀コロイドの表面に作用し、分散性を大きく支配するが、分散剤の量が多いと成膜後の導電性を悪化させることとなりるため、少量で分散性を良好にすることができる低分子系分散剤が求められている。
【0006】
また、上記高分子系分散剤としては、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、各種蛋白質のような高分子がよく添加されるが、このような非導電性物質の添加は確実に体積抵抗率を大きくする。ただし、塗布時の成膜性の面では有利に働くので、少量の添加で分散性と成膜性に大きく寄与する高分子分散剤が必要となる。
【0007】
上記問題に対応するために、例えば、特開平10−66861号公報では、硝酸銀と分散剤であるクエン酸ナトリウムと還元剤である硫酸第一鉄をモル比で1:3.69:3.36の割合で添加しており、また、特開平9−53030号公報では、上記と同じ物質を1:3.24:1.84の割合で添加しているが、どちらも発明の詳細な説明では、これらの物質について、その使用範囲が規定されていないため、好適に使用し得る範囲を把握することができない。
【0008】
過剰の分散剤や還元剤は、銀の還元と分散に関して有効に働かないまま残存し、過剰の電解質となって銀コロイドの凝析を促進させるため、除去工程が煩雑になり、また、非導電性不純物となって成膜後の導電性を悪化させる。また、分散剤が少なければ沈殿が生じやすくなり、使用前の再攪拌工程が必要になってくる。さらに、銀粒子に吸着した分散剤は有機不純物となって成膜後の導電性を悪化させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、銀含有量を上げても分散安定性が良い銀コロイド水溶液、該銀コロイド水溶液の製造方法、導電性に優れる導電性被膜、及び、作業性、接着性に優れる導電性被膜の形成方法等を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の銀コロイド水溶液は、銀粒子及び分散剤を含む固形分の濃度が1〜20重量%の銀コロイド水溶液であって、上記分散剤は、COO基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COO基の数がOH基と同じか、それよりも多いヒドロキシ酸塩であり、上記固形分の熱重量分析による500℃までの加熱減量が1〜4重量%であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の銀コロイド水溶液の製造方法は、分散剤と還元剤とを溶解した水溶液中に銀塩水溶液を滴下して銀コロイド水溶液を製造する方法であって、上記分散剤として、COO基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COO基の数がOH基と同じか、それよりも多いヒドロキシ酸塩を用いたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の導電性被膜は、上記銀コロイド水溶液を基材上に塗布し、乾燥することにより形成される導電性被膜で、その体積抵抗率が1×10−3Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の導電性被膜の形成方法は、上記導電性被膜を形成する方法であって、基材表面に予め水溶性高分子溶液を塗布し、乾燥させて接着層を設けた後、上記接着層上に上記銀コロイド水溶液を塗布し、加熱することを特徴とする。以下に本発明を詳述する。
【0014】
まず、本発明の銀コロイド水溶液の製造方法について説明する。
本発明の銀コロイド水溶液の製造方法は、分散剤と還元剤とを溶解した水溶液中に銀塩水溶液を滴下する方法であって、上記分散剤として、COO基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COO基の数がOH基と同じか、それよりも多いヒドロキシ酸塩を用いることを特徴とする。
【0015】
本発明の銀コロイド水溶液の製造方法では、まず初めに、分散剤と還元剤とを溶解した水溶液を調製する。
【0016】
上記分散剤は、COO基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COO基の数がOH基と同じか、それよりも多いヒドロキシ酸塩である。これらの分散剤は、製造した銀粒子表面に吸着し、分散剤中に存在するCOO- 基の電気的反発力により、銀粒子を水溶液中に均一に分散させて銀コロイド水溶液を安定化する働きを有する。
【0017】
上記分散剤中のCOO基とOH基の数が3個未満であったり、COO基の数がOH基の数よりも少ないと、銀コロイドの分散性が低下してしまう。
【0018】
上記分散剤としては、例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、クエン酸三アンモニウム、りんご酸二ナトリウム等を挙げることができる。
【0019】
上記分散剤の配合量としては、出発物質である硝酸銀のような銀塩中の銀と分散剤とのモル比が1:1〜1:100程度となるように配合することが好ましい。銀塩に対する分散剤のモル比が大きくなると、粒径が小さくなって成膜後の粒子同士の接触点が増えるため、体積抵抗値の低い被膜を得ることができる。
【0020】
上記還元剤は、上記出発物質である硝酸銀(Ag+ NO3 - )のような銀塩中のAg+ イオンを還元して銀粒子を生成するという働きを有する。
【0021】
上記還元剤としては特に限定されないが、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン系;水酸化ホウ素ナトリウム、水素ガス、ヨウ化水素等の水素化合物系;一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物系;Fe(II)化合物、Sn(II)化合物等の低原子価金属塩系;D−グルコースのような糖類、ホルムアルデヒド等の有機化合物系等が挙げられる。これらの化合物を使用する際には、光や熱を加えて還元反応を促進させてもよい。
【0022】
上記還元剤の配合量としては、上記出発物質である銀塩を完全に還元できる量が必要であるが、過剰な還元剤は不純物として銀コロイド水溶液中に残存してしまい、成膜後の導電性を悪化させる等の原因となるため、必要最小限の量が好ましい。具体的な配合量としては、上記銀塩と還元剤とのモル比が1:1〜1:3程度である。
【0023】
本発明では、分散剤と還元剤とを溶解して水溶液を調製した後、この水溶液のpHを6〜10に調整することが好ましい。
【0024】
これは、以下のような理由による。例えば、分散剤であるクエン酸三ナトリウムと還元剤である硫酸第一鉄とを混合した場合、全体の濃度にもよるがpHは大体4〜5程度と、上記したpH6を下回る。このとき存在する水素イオンは、下記反応式(1);
【0025】
【化1】
【0026】
で表される反応の平衡を右辺に移動させ、COOHの量が多くなる。従って、その後銀塩溶液を滴下して得られる銀粒子表面の電気的反発力が減少し、銀粒子の分散性が低下してしまうことになるからである。
【0027】
そこで、分散剤と還元剤とを溶解して水溶液を調製した後、この水溶液にアルカリ性の化合物を添加し、水素イオン濃度を低下させる。
【0028】
アルカリ性の化合物としては特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水等を挙げることができる。これらの中では、少量で容易にpHを調整できる水酸化ナトリウムが好ましい。
【0029】
一方、アルカリ性の化合物の添加量が多すぎて、pHが10を超えると、鉄イオンのような残存している還元剤のイオンの水酸化物の沈殿が起こりやすくなるため好ましくない。
【0030】
次に、本発明の銀コロイド水溶液の製造方法では、調製した上記分散剤と還元剤とが溶解した水溶液に銀塩を含む水溶液を滴下する。
【0031】
上記銀塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸銀、炭酸銀、酸化銀、硫酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀、クロム酸銀、硝酸銀、二クロム酸銀等を挙げることができる。
これらの中では、水への溶解度が大きい硝酸銀が好ましい。
【0032】
上記銀塩の量は、目的とする銀コロイドの含有量、及び、還元剤により還元される割合を考慮して定められるが、例えば、硝酸銀の場合、水溶液100重量部に対して15〜70重量部程度である。
【0033】
上記銀塩水溶液は、上記銀塩を純水に溶かすことにより調製し、調製した銀塩の水溶液を徐々に上記分散剤と還元剤とが溶解した水溶液中に滴下する。
【0034】
本工程で、銀塩は還元剤により銀粒子に還元され、さらに、該銀粒子の表面に分散剤が吸着し、このような分散剤の吸着した銀粒子が水溶液中にコロイド状に分散した水溶液が得られる。
【0035】
得られた溶液中には、銀コロイドのほかに、還元剤の残留物や分散剤が存在しており、液全体のイオン濃度が高くなっている。このような状態の液は、凝析が起こり、沈殿しやすい。そこで、このような水溶液中の余分なイオンを取り除い、イオン濃度を低下させるために洗浄を行う。
【0036】
洗浄の方法としては、例えば、得られた銀コロイドを含む水溶液を一定期間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、純水を加えて再度攪拌し、さらに一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を幾度が繰り返す方法、上記静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過等でイオンを取り除く方法等を挙げることができる。
【0037】
本発明の銀コロイド水溶液の製造方法では、上記工程の後、必要により銀コロイド水溶液に水酸化アルカリ金属水溶液を添加し、最終的なpHを6〜11に調整することが好ましい。
【0038】
これは、還元後に洗浄を行ったため、電解質イオンであるナトリウム濃度が減少している場合があり、このような状態の水溶液では、下記反応式(2);
【0039】
【化2】
【0040】
で表される反応の平衡が右辺へ移動する。
このままでは、銀コロイドの電気的反発力が減少して銀粒子の分散性が低下するため、適当量の水酸化アルカリを添加することにより、反応式(2)の平衡を左辺に移動させ、銀コロイドを安定化させるのである。
【0041】
このときに使用する上記水酸化アルカリ金属としては、例えば、最初にpHを調整する際に用いた化合物と同様の化合物を挙げることができる。
【0042】
pHが6未満では、反応式(2)の平衡が右辺に移動するため、銀コロイドが不安定化し、一方、pHが11を超えると、鉄イオンのような残存しているイオンの水酸化塩の沈殿が起こりやすくなるため好ましくない。ただし、予め鉄イオン等を取り除いておけば、pHが11を超えても大きな問題はない。
【0043】
なお、ナトリウムイオン等の陽イオンは水酸化物の形で加えるのが好ましい。これは、水の自己プロトリシスを利用できるため最も効果的にナトリウムイオン等の陽イオンを水溶液中に加えることができるからである
【0044】
上記方法を用いることにより、本発明の銀コロイド水溶液を製造することができる。
得られた上記銀コロイド水溶液には、さらに、銀コロイド水溶液の固形分100重量部に対して0.1〜5重量部以下の割合で非イオン性高分子をしてもよい。
【0045】
上記非イオン性高分子は、保護コロイドとも呼ばれており、上記非イオン性高分子を添加することにより、銀粒子の間に高分子鎖が存在することとなり、そのため、銀粒子同士の接近と凝集とを抑制することができ、より高濃度の銀粒子を安定分散させることができる。
【0046】
また、非イオン性高分子を含む銀コロイド水溶液は、適当な粘度を有するため、成膜性にも優れる。
【0047】
添加する高分子として、非イオン性高分子を選択したのは、ゼラチンやポリアクリル酸塩のようなイオン性のものはイオン基濃度が高い場合にはかえって銀コロイドを凝析させるためである。
【0048】
上記非イオン性高分子の添加量が0.1重量部未満であると、高分子による成膜性向上の効果が充分に得られず、一方、5重量部を超えると成膜性は非常に優れるが、形成された導電性被膜の導電性が悪化する。
【0049】
上記非イオン性高分子としては特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、セルロース類等を挙げることができる。
【0050】
上記非イオン性高分子の添加方法には、上記した銀コロイド水溶液に添加する方法のほかに、銀塩水溶液と分散剤等を含む水溶液との二液のいずれかに、または、両方に添加する方法があるが、このような方法は、銀濃度がかなり低い場合には有効に作用するが、銀濃度が高い場合は有効に作用せず、粒径の大きい銀粒子が生成して全く分散しなかったりするため好ましくない。
【0051】
上記非イオン性高分子の添加時期は、銀コロイド製造後ならいつでもよい。
例えば、還元反応後の洗浄工程において、添加する純水の代わりに所定濃度に調整した非イオン性高分子を含む水溶液を用いてもよい。
また数回の洗浄を行う場合に、最初だけ非イオン性高分子を含む水溶液を用い、後は純水で洗浄すれば銀粒子に吸着した以外の過剰の高分子が取り除かれるため一層効果的である。
【0052】
次に、本発明の銀コロイド水溶液について説明する。
本発明の銀コロイド水溶液は、銀粒子を含む固形分(以下、単に固形分ともいう)の濃度が1〜20重量%であって、上記固形分の熱重量分析による500℃までの加熱減量が1〜25重量%である。
【0053】
本発明の銀コロイド水溶液は、通常、上述した方法により製造され、分散剤が表面に吸着した銀粒子が水溶液中に安定的に分散した状態にあるものをいい、この銀コロイド水溶液において、銀粒子を含む固形分の濃度は、1〜20重量%である。この銀コロイド水溶液は、上述したように、非イオン性高分子を含んでいてもよい。
【0054】
ここで、銀粒子を含む固形分とは、銀コロイド水溶液から大部分の水をシリカゲル等により取り除いた後、70℃以下の温度で乾燥させたときに残存する固形分をいい、通常、この固形分は、銀粒子、分散剤及び残留還元剤等からなる。
【0055】
上記固形分の濃度が1重量%未満であると、銀の含有量が少なすぎるため、導電性被膜を形成した際、必要な厚みを出すために何度も重ね塗る必要が生じ工業的に不利である。一方、上記固形分の濃度が20重量%を超えると、銀の含有量が多くなりすぎるために沈殿が生じやすくなり、これを防ぐためには常に攪拌している必要が生じ、これも工業的に不利である。上記固形分の濃度は、1〜20重量%が好ましい。
【0056】
上記固形分の熱重量分析による500℃までの加熱減量は、1〜25重量%である。
上記固形分を500℃まで加熱すると、分散剤、残留還元剤、非イオン性高分子等が酸化分解され、大部分のものはガス化されて消失する。残留還元剤の量は、僅かであると考えられるので、500℃までの加熱による減量は、非イオン性高分子が添加されていない場合は、ほぼ固形分中の分散剤の量に相当し、非イオン性高分子が添加されている場合には、ほぼ固形分中の分散剤と非イオン性高分子の量に相当すると考えてよい。
【0057】
上記固形分の加熱減量が、1重量%未満であると、銀粒子に対する分散剤や非イオン性高分子の量が少ないため銀粒子の充分な分散性が得られず、25重量%を超えると、銀粒子に対する分散剤や非イオン性高分子の量が多すぎるために、導電性被膜の導電性がかなり悪化する。分散剤や非イオン性高分子の量が多い場合、成膜後に加熱焼成して有機分を分解消失させることで導電性はある程度改善することができるが、導電性被膜にひび割れ等が起こり易くなるため好ましくない。より好ましくは、1〜20重量%である。
【0058】
上記固形分の熱重量分析による500℃までの加熱減量が、1〜25重量%である銀コロイド水溶液は、分散安定性に優れており、また、分散剤等の量も適切であるため、この銀コロイド水溶液を用いると、導電性に優れた導電性被膜を形成することができる。
銀塩と分散剤とのモル比が1:1〜1:100程度となるように配合された銀コロイド水溶液は、分散安定性に優れており、銀粒子の粒径が小さい。従って、この銀コロイド水溶液を用いて形成した導電性被膜は、銀粒子同士の接触点が増え、体積抵抗率が小さくなる。
【0059】
次に、本発明の導電性被膜について説明する。
本発明の導電性被膜は、銀コロイド水溶液を基材上に塗布した後、加熱することにより形成される導電性被膜であって、上記導電性被膜の体積抵抗率が1×10-3Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0060】
本発明の導電性被膜は、上記銀コロイド水溶液を基材上に塗布した後、加熱することにより形成される。
上記基材としては特に限定されないが、例えば、アルミナ焼結体、フェノール樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ガラス等からなる基板;ガラス、樹脂、セラミック等からなる建材;樹脂やセラミック等で表面が形成された電子機器等を挙げることができる。
また、その形状としては、板状、フィルム状等を挙げることができる。
【0061】
上記基材上に上記銀コロイド水溶液を塗布する方法としては特に限定されないが、例えば、バーコート法、スピンコート法、刷毛による方法等を挙げることができる。
【0062】
また、上記導電性被膜の体積抵抗率は、1×10-3Ω・cm以下であることが好ましい。このときの体積抵抗率は、120℃で加熱、乾燥した際の体積抵抗率をいう。
上記体積抵抗率が1×10-3Ω・cmを超えると、導電性が要求される用途、すなわち回路基板上に形成する電極等に用いることが困難となる。
【0063】
上記導電性被膜の200℃で5分間加熱した後の体積抵抗率は、1×10-4Ω・cm以下と、より低抵抗であることが好ましい。
200℃で加熱を行った場合には、水分や若干の有機分が消失し、銀粒子の焼結も起こるため、被膜の導電性が向上するからである。
【0064】
900℃で5分間加熱した後の体積抵抗率は、1×10-5Ω・cm以下と、更に低抵抗であることが好ましい。
900℃で加熱を行った場合には、殆どの有機分が分解、消失し、銀粒子の焼結が一層進行するため、被膜の導電性が大きく向上するからである。
【0065】
200℃で5分間加熱し、さらに加圧を行った後の体積抵抗率は、7×10-5Ω・cm以下であることが好ましい。
加熱工程と加圧工程とにより、銀粒子同士の密着性が向上し、接触面積が増加するため、相乗的に導電性が向上するからである。
【0066】
次に、本発明の導電性被膜の形成方法について説明する。
本発明の導電性被膜の形成方法は、基材表面に予め水溶性高分子溶液を塗布し、乾燥させて接着層を設けた後、上記接着層上に銀コロイド水溶液を塗布し、加熱することを特徴とする。
【0067】
基材上に、本発明の銀コロイド水溶液を塗布する場合、通常は、基材上に直接銀コロイド水溶液を塗布し、加熱することにより導電性被膜を形成する。
しかし、基材として、上記の通り様々な基材を用いるため、基材の種類によっては表面張力が高くてうまく濡れない場合がある。このような場合には界面活性剤の添加が極めて一般的だが、非導電性有機物の添加は導電性を低下させる。
【0068】
そこで、本発明の場合には、予め基材表面に、基材と導電性被膜との両方に親和性を有する水溶性高分子からなる接着層を設け、この接着層上に上記銀コロイド水溶液を塗布して、導電性被膜を形成する。これにより、結果的に基材との密着性に優れた導電性被膜を形成することができる。
【0069】
本発明の導電性被膜の形成方法では、まず、基材表面に予め水溶性高分子溶液を塗布し、乾燥させて接着層を設ける。
【0070】
上記基材としては、本発明の導電性被膜の説明において対象とした基材と同様のものを挙げることができ、その形状も同様のものを挙げることができる。
【0071】
上記水溶性高分子としては、上記非イオン性高分子と同様のものを挙げることができる。なお、上記水溶性高分子は、ラインの一元化や設備の共通化に都合がよいことから導電インクに近い特性を持つ低粘度のものがより好ましい。
【0072】
上記基材上に上記水溶性高分子を塗布する方法としては、本発明の導電性被膜の説明において銀コロイド水溶液を塗布する際に用いた方法と同様の方法を用いることができる。
【0073】
次に、本発明の導電性被膜の形成方法では、上記接着層上に本発明の銀コロイド水溶液を塗布し、加熱する。
【0074】
上記塗布および加熱の方法としては、上記した本発明の導電性被膜の説明において用いた方法と同様の方法を用いることができる。
【0075】
上記導電性被膜の形成方法により得られた導電性被膜の体積抵抗率は、上述した導電性被膜の場合と同程度であることが好ましい。
【0076】
以上、説明してきたように、本発明の銀コロイド水溶液の製造方法を用いることにより、銀コロイドの凝析を抑制して分散性を向上させることができ、銀コロイド水溶液の貯蔵安定性を損なうことなく銀含有量を上げることができる。
また、少量の非イオン性高分子の添加で、銀コロイド水溶液中の銀粒子の分散性がさらに向上し、また、銀コロイド水溶液の粘性の増加により成膜性も大きく向上する。
【0077】
また、一般的な銀ペーストでは多くの樹脂成分やガラスフリットが含まれているため、乾燥温度や焼成温度はかなり高温が必要である。
しかし、本発明の銀コロイド水溶液は、銀粒子中に含まれる非導電性の共存物が少なく、また、形成した導電性被膜は、比較的低い温度で共存有機物の揮発が進行し、銀粒子の接触点が増加するため、高導電性の導電性被膜となる。さらに、高温で処理した場合には、ガラスフリットのような無機成分を含む銀ペーストよりも高い導電性を示す。
【0078】
さらに、本発明の導電性被膜の形成方法により形成し導電性被膜は、上述したように非イオン性高分子膜からなる接着剤層の上に形成されており、基材との接着性に優れる。また、非イオン性高分子膜は、濡れ性に優れるため、塗布時に効率良く作業を行うことができる。
【0079】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0080】
実施例1
銀コロイド水溶液の製造
クエン酸三ナトリウム二水和物(和光純薬工業社製 試薬特級)3.41gと硫酸第一鉄七水和物(和光純薬工業社製 試薬特級)3.23gとを溶解させた水溶液約20mlを室温下にマグネティックスターラーで攪拌しながら0.657g/mlの硝酸銀(和光純薬工業社製試薬特級)水溶液1.5mlを滴下させて銀コロイド水溶液を製造した。
このときの硝酸銀とクエン酸ナトリウムのモル比は1:2である。さらに上記銀コロイド水溶液に純水を加えて最終的に25mlの銀コロイド水溶液とした。
【0081】
銀コロイド水溶液の洗浄
得られた銀コロイド水溶液を一晩静置して、生じた上澄み液約19mlをスポイトアウトした後、約7mlのイオン交換水を加えて超音波洗浄機に15分間かけた。さらに、一晩静置して生じた上澄み液約7mlをスポイトアウトした後、約7mlのイオン交換水を加えて超音波洗浄機に15分間かけて銀コロイド水溶液を得た。
【0082】
導電被膜の形成
得られた銀コロイド水溶液を市販のアルミナ焼結板上に刷毛で塗布して導電性被膜を形成した。
導電性被膜の厚みは、塗布、乾燥前後のアルミナ焼結板の重量差から塗布重量を求めた後、銀の固有密度(10.5g/cm3 )で除すことによりその体積を求め、さらに塗布面積で除すことにより計算した。
乾燥は、120℃で10分間加熱することにより行った。その後場合によっては、200℃又は900℃で5分以上加熱を行い、その後に体積抵抗率を測定した。表1には、各実施例及び比較例で使用した還元剤、硝酸銀と分散剤のモル比、還元剤添加後及び洗浄後のpH、2回目洗浄時の純水量及び洗浄時の高分子溶液の有無とその濃度について示した。
【0083】
得られた銀コロイド水溶液の固形分濃度、加熱減量、インクの塗布性、基板との密着性及び体積抵抗率を下記方法を用いて求めた。結果を表2に示した。
【0084】
評価方法
(1)固形分濃度の計算
銀コロイド水溶液の重量と、この銀コロイド水溶液を濾過して、およその水分を除去した後、70℃で乾燥させた時の重量変化から計算した。
【0085】
(2)加熱減量の測定
上記(1)の条件で乾燥させた銀コロイド水溶液の乾燥物について、セイコー電子工業社製のTG/DTA300を用いて500℃までの減量を求めた。
【0086】
(3)銀コロイド水溶液の塗布性
刷毛塗りしたときの塗り易さを相対的に判断した。
評価基準
◎:極めて均一な膜厚が得られる
○:均一な膜厚が得られる
【0087】
(4)基材との接着性
セロテープをこするように強く密着させてそれを剥がしたときに被膜が剥がれるかどうかを見た。
評価基準
◎:強固に密着していて全く剥がれない
○:極微量剥がれた部分が存在する
【0088】
(3)体積抵抗率の測定
横河M&C社製の携帯型ダブルブリッジ2769を用いて測定した。
(4)pHの測定
堀場製作所製のF−12を用いて測定した。
【0089】
実施例2
実施例1と同様の方法で調製したクエン酸酸ナトリウム二水和物と硫酸第一鉄七水和物を溶解した水溶液に、14重量%に調整した水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製 試薬特級)水溶液を少量滴下してpHを6に調整した以外は実施例1と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0090】
実施例3
pHを8に調整した以外は実施例2と同様にして銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0091】
実施例4
実施例1と同様の方法で製造し、洗浄を行った銀コロイド水溶液に、14重量%の水酸化ナトリウム水溶液を少量滴下してpHを8に調整した以外は実施例1と同様にして銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0092】
実施例5
実施例3と同様の方法で製造、洗浄した銀コロイド水溶液に、14重量%の水酸化ナトリウム水溶液を少量滴下してpHを8に調整した以外は実施例3と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0093】
実施例6
pHを10に調整した以外は実施例5と同様に銀コロイド水溶液を製造した。配合を表1に示し、実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示した。
【0094】
実施例7
2回目の洗浄時に加える純水の量を約2mlとした以外は実施例6と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0095】
実施例8
実施例1と同様の方法でで製造した銀コロイド水溶液の1回目の洗浄に0.013重量%に調整したポリビニルピロリドン(ナカライテスク社製 ポリビニルピロリドンK−30)水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0096】
実施例9
銀コロイド水溶液の1回目の洗浄に0.013重量%に調整したポリビニルピロリドン水溶液を用いた以外は実施例3と同様にして銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0097】
実施例10
製造した銀コロイド水溶液の1回目の洗浄に0.05重量%に調整したポリビニルアルコール(クラレ社製 クラレポバールPVA−117)水溶液を用いた以外は実施例1と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0098】
実施例11
予めアルミナ焼結板に、粘度を15mPa・sに調整した高分子水溶液(旭電化工業社製 アデカレジンEM−0436)を塗布して120℃で30分加熱させて硬化させておく。そこに実施例1と同様の条件で製造、洗浄した銀コロイド水溶液を塗布し、導電性被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0099】
実施例12
クエン酸三ナトリウム量を8.53g(硝酸銀とクエン酸三ナトリウムのモル比は1:5)とした以外は実施例1と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0100】
実施例13
クエン酸三ナトリウム量を34.1g(硝酸銀とクエン酸三ナトリウムのモル比は1:20)とした以外は実施例1と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0101】
実施例14
クエン酸三ナトリウム量を170.6g(硝酸銀とクエン酸三ナトリウムのモル比は1:100)とした以外は実施例1と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0102】
比較例1
クエン酸三ナトリウム量を0.853g(硝酸銀とクエン酸三ナトリウムのモル比は1:0.5)とした以外は実施例1と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。なお、以下の比較例においてと、銀粒子が均一分散していないものは、基材への塗布を行っていない。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0103】
比較例2
pHを11に調整した以外は実施例2と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0104】
比較例3
pHを12に調整した以外は実施例4と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0105】
比較例4
1.3重量%に調整したポリビニルピロリドン水溶液を用いた以外は実施例8と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0106】
比較例5
クエン酸三ナトリウムの代わりにグリコール酸ナトリウム(ナカライテスク社製)1.14g(硝酸銀とグリコール酸ナトリウムのモル比は1:2)を用いた以外は実施例1と同様に銀コロイド水溶液を製造し、実施例1と同様の評価を行った。配合を表1に示し、結果を表2に示した。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
表2に示した結果より明らかなように、実施例1〜14で得られた銀コロイド水溶液は、固形分濃度が1〜20重量%の範囲内にあり、加熱減量が1〜25重量%の範囲内にあり、アルミナ焼結板上に被膜を形成する際に塗布性が良好であった。また、形成された導電性被膜は、充分に体積抵抗率の低いものであった。
【0110】
一方、比較例1で得られた銀コロイド水溶液は、加熱減量が0.8重量%と小さく、分散剤の量が少ないため、銀粒子が水溶液中で均一に分散しておらず、基板への塗布が不可能であった。比較例2で得られた銀コロイド水溶液は、還元剤添加後のpHを高くしすぎたため、該銀コロイド水溶液中に水酸化鉄の沈殿が生成した。
【0111】
また、比較例3で得られた銀コロイド水溶液は、最終的なpHを高くしすぎたため、比較例5で得られた銀コロイド水溶液は、グリコール酸を使用しているため、該銀コロイド水溶液中で均一に分散していなかった。
さらに、比較例4で得られた銀コロイド水溶液は、非イオン性高分子の量が多すぎるため、加熱減量が28重量%と大きく、体積抵抗率が大きくなってしまった。
【0112】
実施例1、3、9で得られた銀コロイド水溶液を基材に塗布して導電性被膜を形成した後、200℃で5分間焼成し、さらに、鉄製ローラーを用いて5kgf/cm2 の力で加圧処理した後の体積抵抗率を測定結果については、実施例1の場合には、1×10-5Ω・cm、実施例3の場合には、8×10-6Ω・cm、実施例9の場合には、9×10-6Ω・cmと、いずれの場合も、加圧処理する前よりも体積抵抗率が低下した。
【0113】
【発明の効果】
本発明の銀コロイド水溶液は、上述の構成からなるので、銀含有量を上げても分散安定性に優れ、この銀コロイド水溶液を用いて形成した導電性被膜は、導電性に優れる。
【0114】
また、本発明の銀コロイド水溶液の製造方法は、上述の構成からなるので、銀コロイド水溶液の貯蔵安定性を損なうことなく銀含有量を上げることができ、分散安定性に優れる本発明の銀コロイド水溶液を製造することができる。
【0115】
また、本発明の導電性被膜は、上述の構成からなるので、高い導電性が要求される用途、例えば、回路基板上に形成する電極等に好適に用いる事ができる。
また、本発明の導電性被膜の形成方法は、上述の構成からなるので、効率良く塗布を行うことができ、形成された導電性被膜は、基材との密着性に優れる。
Claims (10)
- 銀粒子及び分散剤を含む固形分の濃度が1〜20重量%の銀コロイド水溶液であって、
前記分散剤は、COO基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COO基の数がOH基と同じか、それよりも多いヒドロキシ酸塩であり、
前記固形分の熱重量分析による500℃までの加熱減量が1〜4重量%であることを特徴とする銀コロイド水溶液。 - 分散剤と還元剤とを溶解した水溶液中に銀塩水溶液を滴下して、請求項1に記載の銀コロイド水溶液を製造する方法であって、
前記分散剤として、COO基とOH基とを合わせて3個以上有し、かつ、COO基の数がOH基と同じか、それよりも多いヒドロキシ酸塩を用いたことを特徴とする銀コロイド水溶液の製造方法。 - 分散剤と還元剤とを溶解した水溶液のpHを6〜10に調整した後、銀塩水溶液を滴下する請求項2記載の銀コロイド水溶液の製造方法。
- 分散剤と還元剤とを溶解した水溶液中に銀塩水溶液を滴下した後、銀コロイドを含む水溶液を一定期間静置し、生じた上澄み液を取り除いた上で、純水を加えて再度攪拌し、さらに一定期間静置して生じた上澄み液を取り除く工程を繰り返す方法、前記静置の代わりに遠心分離を行う方法、及び、限外濾過でイオンを取り除く方法のうちの少なくとも1つの方法による洗浄を行う請求項2又は3に記載の銀コロイド水溶液の製造方法。
- 銀コロイド水溶液に水酸化アルカリ金属水溶液を添加して最終的なpHを6〜11に調整する請求項2、3又は4記載の銀コロイド水溶液の製造方法。
- 請求項2、3、4又は5記載の製造方法により製造されてなることを特徴とする銀コロイド水溶液。
- 非イオン性高分子を含有し、前記非イオン性高分子の量が、銀コロイド水溶液の固形分の1〜2重量%である請求項1又は6記載の銀コロイド水溶液。
- 請求項1、6又は7記載の銀コロイド水溶液を基材上に塗布し、乾燥することにより形成される、その体積抵抗率が1×10−3Ω・cm以下であることを特徴とする導電性被膜。
- 請求項1、6又は7記載の銀コロイド水溶液を基材上に塗布して成膜し、乾燥し、加熱処理することにより形成される、その体積抵抗率が1×10−4Ω・cm以下であることを特徴とする導電性被膜。
- 請求項8又は9記載の導電性被膜を形成する方法であって、
基材表面に予め水溶性高分子溶液を塗布し、乾燥させて接着層を設けた後、
前記接着層上に、請求項1、6又は7に記載の銀コロイド水溶液を塗布し、加熱することを特徴とする導電性被膜の形成方法。
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