JP6278969B2 - 銀被覆銅粉 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ペーストなどの導電性材料として好適に用いることができる銀被覆銅粉に関する。
導電性ペーストは、樹脂系バインダと溶媒からなるビヒクル中に導電性粉末を分散させた流動性組成物であり、電気回路の形成や、セラミックコンデンサの外部電極の形成や、電磁波シールドフィルムの形成、ボンディングフィルムの形成などに広く用いられている。
この種の導電性ペーストは、樹脂の硬化によって導電性粉末が圧着されて導通が確保される樹脂硬化型と、焼成によって有機成分が揮発して導電性粉末が焼結して導通が確保される焼成型とに分類される。
前者の樹脂硬化型導電性ペーストは、一般的に、金属粉末からなる導電性粉末と、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる有機バインダとを含んだペースト状組成物であって、熱を加えることによって熱硬化型樹脂が導電性粉末とともに硬化収縮して、樹脂を介して導電性粉末同士が圧着され接触状態となり、導通性が確保されるものである。この樹脂硬化型導電性ペーストは100℃から精々200℃までの比較的低温域で処理可能であり、熱ダメージが少ないため、プリント配線基板や熱に弱い樹脂基板、電磁波シールドフィルム、ボンディングフィルムなどに主に使用されている。
他方、後者の焼成型導電性ペーストは、一般に導電性粉末(金属粉末)とガラスフリットとを有機ビヒクル中に分散させてなるペースト状組成物であり、500〜900℃にて焼成することにより、有機ビヒクルが揮発し、さらに導電性粉末が焼結することによって導通性が確保されるものである。この際、ガラスフリットは、この導電膜を基板に接着させる作用を有し、有機ビヒクルは、金属粉末およびガラスフリットを印刷可能にするための有機液体媒体として作用する。
焼成型導電性ペーストは、焼成温度が高いため、プリント配線基板や樹脂材料には使用できないが、焼結して金属が一体化することから低抵抗化を実現することができ、例えば積層セラミックコンデンサの外部電極などに使用されている。
銀は、導電性に優れているため、異方導電性フィルム、導電性ペースト、導電性接着剤など、各種導電性材料の主要構成材料として用いられている。例えば銀粉に結合剤および溶剤を混合して導電性ペーストとし、この導電性ペーストを用いて基板上に回路パターンを印刷し、焼き付けることでプリント配線板や電子部品の電気回路などを形成することができる。
しかし、銀はとても高価であるため、芯材粒子の表面に、貴金属の膜をメッキしてなる銀被覆粉と呼ばれる導電性粉末が開発され使用されている。例えば特許文献1には、芯材としての銀被覆銅粒子の表面を、酸化銀、炭酸銀、及び有機酸銀のいずれかの銀化合物で被覆してなる銀化合物被覆銅粉であって、SSA(m3/g)が0.1〜10.0であり、D50(μm)が0.5〜10.0であり、1wt%〜40wt%の割合で銀化合物を粒子表面に付着させてなる銀化合物被覆銅粉が開示されている。
銅粉粒子表面に銀を被覆させる方法として、還元メッキ被覆法と置換メッキ被覆の2種類を挙げることができる。
還元メッキ被覆法は、銅粉粒子の表面に、還元剤で還元された銀の微粒子を緻密に被覆させていく方法であり、例えば特許文献2には、還元剤が溶存した水溶液中で金属銅粉と硝酸銀を反応させる銀被覆銅粉の製造方法が提案されている。
他方、置換メッキ被覆法は、銅粉粒子の界面で、銀イオンが金属の銅と電子の授受を行い、銀イオンが金属の銀に還元され、代わりに金属の銅が酸化され銅イオンになることで、銅粉粒子の表面層を銀層とする方法であり、例えば特許文献3には、銀イオンが存在する有機溶媒含有溶液中で、銀イオンと金属銅との置換反応により、銀を銅粒子の表面に被覆する銀被覆銅粉の製造方法が記載されている。
銀被覆銅粉に関しては、特許文献4において、銅粉粒子の表面に銀層を備えたデンドライト状導電性粉末であって、銀の含有量がデンドライト状導電性粉末全体に対して3.0〜30.0質量%であることを特徴とするデンドライト状導電性粉末が提案されている。
また、特許文献5において、銅粉粒子表面が銀で被覆されてなるデンドライト状を呈する銀被覆銅粉粒子からなる銀被覆銅粉であって、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される比表面積(「球形近似比表面積」と称する)に対するBET一点法で測定される比表面積(「BET比表面積」と称する)の比率(BET比表面積/球形近似比表面積)が6.0〜15.0であることを特徴とする銀被覆銅粉を提案されている。
さらに特許文献6において、銅粉粒子表面が銀で被覆されてなる銀被覆銅粉粒子からなる銀被覆銅粉であって、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて銀被覆銅粉粒子を観察した際、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して、二次元的或いは三次元的に成長したデンドライト状を呈し、かつ、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmであり、主軸から伸びた枝の中で最も長い枝の長さbが0.6μm〜10.0μmであるデンドライト状を呈する銀被覆銅粉粒子を含有することを特徴とする銀被覆銅粉が提案されている。
特開2008―106368号公報 特開2000−248303号公報 特開2006−161081号公報 特開2012−153967号公報 特開2013−89576号公報 特開2013−100592号公報 特開平1−247584号公報
ところで、銀被覆銅粉の芯材、すなわち銅粉粒子の製法として、従来から、電解銅粉のデンドライト形態を整えるために、電解液に塩素を添加して電解する方法が知られている(特許文献7参照)。しかしながら、残留塩素の影響で、実際に電解液に塩素を添加して電解してみると、銅粉粒子に銀を被覆する際、銀を均一に被覆させることが困難であり、期待したほど導電性を高めることができないという問題が判明した。特に銀の被覆量が少ない場合には、銀を均一に被覆させることが特に困難であるため、銀を被覆しても導電性を有効に高めることができないことが分かってきた。
そこで本発明は、電解法で得られた銅粉粒子の表面が銀又は銀合金で被覆されてなる構成を有する銀被覆銅粉粒子からなる銀被覆銅粉に関し、塩素を含んでいても、導電性を高めることができる、新たな銀被覆銅粉を提供せんとするものである。
本発明は、電解法で得られた銅粉粒子の表面が銀又は銀合金で被覆されてなる構成を有する銀被覆銅粉粒子を含有する銀被覆銅粉であって、塩素の濃度が5wtppm〜250wtppmであり、且つ、X線光電子分光分析法による測定される、当該銀被覆銅粉粒子表面におけるCu、CuO及びCu2Oの合計Cu濃度(ρCu)と銀の濃度(ρAg)との比率(ρCu/ρAg)が0.12以下であることを特徴とする銀被覆銅粉を提案する。
本発明が提案する銀被覆銅粉は、電解法で得られた銅粉粒子の表面が銀又は銀合金で被覆されてなる構成を有する銀被覆銅粉粒子を含有する銀被覆銅粉において、銀被覆銅粉粒子表面における銅(Cu、CuO及びCu2Oの合計量)の割合を低くして銀を均一に被覆したことによって、塩素を含んでいても導電性を有効に高めることができるようになった。よって、本発明が提案する銀被覆銅粉は、導電性ペーストなどの材料として特に有効に用いることができる。
本発明の銀被覆銅粉を構成する銀被覆銅粉粒子の粒子形状のモデル図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。但し、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されるものではない。
<本銀被覆銅粉>
本実施形態に係る銀被覆銅粉(「本銀被覆銅粉」と称する)は、芯材としての銅粉粒子の表面が銀又は銀合金で被覆されてなる構成を有する銀被覆銅粉粒子(「本銀被覆銅粉粒子」と称する)を含有する粉体である。
(芯材粒子)
芯材としての銅粉粒子は、電解法で得られた銅粉粒子であればよい。例えば球状を呈する銅粉粒子なども含まれる。中でも、本銀被覆銅粉粒子の形状としてデンドライト状が好ましいという観点から、芯材粒子はデンドライト状を呈する銅粉粒子であるのが好ましい。
(本銀被覆銅粉粒子の形状)
本銀被覆銅粉粒子の形状は特に限定するものではない。例えば球状、略球状、楕円粒状、略楕円球状、角柱状、芋状、プレート状、フレーク状、針状、デンドライト状などの様々形状であってもよい。中でも、デンドライト状を呈する銀被覆銅粉粒子であれば、粒子同士の接点の数が多く、優れた導通性を得ることができる。例えば導電性ペーストなどに含まれる導電性粉末粒子がデンドライト状を呈していれば、球状粒子などに比べて、粒子同士の接点の数が多くなるため、導電性粉末の量を少なくしても導電特性を高めることができる。よって、本銀被覆銅粉粒子の形状は、デンドライト状であるのが好ましい。
ここで、「デンドライト状」とは、図1のモデル図に示されるように、電子顕微鏡(500〜20、000倍)で観察した際に、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が垂直若しくは斜めに分岐して、二次元的或いは三次元的に成長した形状を呈するという意味である。この際、主軸とは、複数の枝がそこから分岐している基となる棒状部分を示す。
中でも、本銀被覆銅粉粒子を電子顕微鏡(500〜20,000倍)で観察した際、次のような所定の特徴を有するデンドライト状を呈するのが特に好ましい。
・主軸の太さaは0.3μm〜5.0μmであることが好ましく、中でも0.4μm以上或いは4.5μm以下、中でも特に特に0.5μm以上或いは4.0μm以下であるのがさらに好ましい。
デンドライトにおける主軸の太さaが0.3μm以上であれば、主軸がしっかりとしているために枝が成長し易い一方、5.0μm以下であれば、粒子が凝集し易いことがなく、例えば松ぼっくり状になるのを防ぐことができる。
・主軸から伸びた枝の中で最も長い枝の長さb(「枝長b」と称する)は、デンドライトの成長度合いを示しており、0.7μm〜12.0μmであることが好ましく、中でも1.0μm以上或いは10.0μm以下、その中でも1.2μm以上或いは8.0μm以下であるのがさらに好ましい。
枝長bが0.7μm以上であれば、デンドライトが十分に成長しており、少ない量で導電性を高めることができるなどの効果を享受できる一方、枝長bが12.0μm以下であれば、本銀被覆銅粉の流動性が低下して取り扱いが難しくなることもないから、好ましい。
・主軸の長径Lに対する枝の本数(枝本数/長径L)は、デンドライトの枝の多さを示しており、0.5本/μm〜4.0本/μmであるのが好ましく、中でも0.6本/μm以上或いは3.5本/μm以下、その中でも特に0.8本/μm以上或いは3.0本/μm以下であるのがさらに好ましい。枝本数/長径Lが0.5本/μm以上であれば、枝の数は十分に多く、接点を十分に確保できる一方、枝本数/長径Lが4.0本/μm以下であれば、枝の数が多過ぎて本銀被覆銅粉の流動性が劣るようになるのを防ぐことができる。
なお、分岐枝の本数は、写真で確認できる本数であり、隠れた分岐枝の本数は無視した本数である。
但し、本銀被覆銅粉を電子顕微鏡(500〜20,000倍)で観察した際、多くが上記の如きデンドライト状粒子で占められていれば、それ以外の形状の粒子が混じっていても、本銀被覆銅粉が上記の如きデンドライト状粒子のみからなる場合と同様の効果を得ることができる。よって、かかる観点から、本銀被覆銅粉を電子顕微鏡(500〜20,000倍)で観察した際、上記の如き本銀被覆銅粉粒子が全銅粉粒子のうちの80個数%以上、好ましくは90個数%以上を占めていれば、上記の如きデンドライト状とは認められない非デンドライト状の銀被覆銅粉粒子を含んでいてもよい。
ちなみに、本銅粉を構成する銅粉粒子のうち、デンドライト状粒子と認められる粒子における、主軸の太さaの平均値は0.5μm〜4.0μmであることが好ましく、中でも1.0μm以上或いは3.0μm以下、中でも特に1.2μm以上或いは2.0μm以下であるのがさらに好ましい。
また、本銅粉を構成する銅粉粒子のうち、デンドライト状粒子と認められる粒子における枝長bの平均は、0.7μm〜8.0μmであることが好ましく、中でも3.0μm以上或いは6.0μm以下、中でも特に特に2.0μm以上或いは4.0μm以下であるのがさらに好ましい。
また、枝本数/主軸長径Lの平均値は、1.0〜4.0本/μmであるのが好ましく、中でも1.5本/μm以上或いは3.0本/μm以下、その中でも1.7本/μm以上或いは2.5本/μm以下であるのがさらに好ましい。
この際、平均値の求め方としては、本銅粉を構成する銅粉粒子のうち、任意に50個以上のデンドライト状粒子を計測して、その平均値を求める必要がある。
上記のように本銀被覆銅粉粒子のデンドライト形状を発達させるためには、言い換えれば、デンドライトの枝を長く成長させるためには、後述するように、本銀被覆銅粉粒子の芯材、すなわち銅粉の製造において、後述する電解装置を使用して所定の電解条件下で、電解液に塩素を添加して電解を行うことが好ましい。
(含有塩素濃度)
本銀被覆銅粉の塩素濃度、すなわち含有塩素濃度は、5wtppm〜250wtppmであるのが好ましく、中でも10wtppm以上或いは220wtppm以下、その中でも20wtppm以上或いは200wtppm以下、その中でも特に30wtppm以上或いは180wtppm以下、その中でも50wtppm以上であるのがさらに好ましい。
本銀被覆銅粉の含有塩素濃度が250wtppm以下であれば、残留塩素による悪影響を効果的に抑制することができる。例えば銅粉粒子に銀を被覆する際に均一な厚さに均一に被覆することができる。なお、本銀被覆銅粉の含有塩素濃度は5wtppm程度が検出限界である。
本銀被覆銅粉の含有塩素濃度を5wtppm〜250wtppmとするには、芯材となる銅粉を電解法によって製造する際、電解液に塩素を添加する一方、電解して得られた直後の銅粉を、pH8以上のアルカリ溶液と接触させるアルカリ処理を行うのが好ましい。
デンドライト状銅粉粒子を含有する銅粉を製造する際、塩素を添加した電解液を用いて電解を行うのが好ましいが、その場合、単に純水で洗浄しただけでは、粒子内部に塩素が残留してしまうため、残留塩素による悪影響を効果的に抑制することができない。そこで、前述のようにアルカリ処理することによって、粒子内部、少なくとも悪影響を及ぼす表面近傍内部の塩素までも除去することによって、芯材となる銅粉さらには本銀被覆銅粉の含有塩素濃度を5wtppm〜250wtppmとすることで、残留塩素による悪影響を効果的に抑制することができ、例えば銅粉粒子に銀を被覆する際に均一な厚さに被覆させることができる。
ちなみに、pH8以上のアルカリ溶液によりアルカリ処理の代わりに、純水を用いて洗浄した結果、芯材となる銅粉及び本銀被覆銅粉の含有塩素濃度を5wtppm〜250wtppmとすることはできないことが確認されている。
(酸素濃度)
本銀被覆銅粉の酸素濃度は0.20質量%以下であるのが好ましい。
本銀被覆銅粉の酸素濃度が0.20質量%以下であれば、導電性をさらに良好にすることができる。かかる観点から、本銀被覆銅粉の酸素濃度は0.18質量%以下であるのがさらに好ましく、中でも0.15質量%以下であるのが特に好ましい。
本銀被覆銅粉の酸素濃度を0.20質量%以下とするためには、芯材とする銅粉を製造する際、乾燥雰囲気の酸素濃度や乾燥温度を制御したり、或いは、電解後の銅粉をアルカリ処理したりする方法を挙げることができる。但し、この方法に限定するものではない。
(粒子表面の銅割合)
本銀被覆銅粉は、X線光電子分光分析法による測定される、当該銀被覆銅粉粒子表面におけるCu、CuO及びCu2Oの合計Cu濃度(ρCu)と銀の濃度(ρAg)との比率(ρCu/ρAg)が0.12以下であることが重要である。
銀被覆銅粉粒子表面におけるCu、CuO及びCu2Oの合計Cu濃度(ρCu)と銀の濃度(ρAg)との比率(ρCu/ρAg)が0.12以下であれば、塩素を含んでいても、導電性を有効に高めることができる。
かかる観点から、当該銀被覆銅粉粒子表面におけるCu、CuO及びCu2Oの合計Cu濃度(ρCu)と銀の濃度(ρAg)との比率(ρCu/ρAg)は、0.12以下であることが重要であり、中でも0.10以下であるのが好ましく、その中でも0.08以下、特に0.06以下であるのがさらに好ましい。なお、分析精度などを考慮すると、ρCu/ρAgの下限値は0.01程度となると推定される。
本銀被覆銅粉において、粒子表面における銅割合をこのように低くするためには、言い換えれば、芯材である銅粉粒子に銀を均一に被覆するためには、上述のように、芯材となる銅粉を電解法によって製造する際、電解液に塩素を添加する一方で、電解して得られた直後の銅粉を、pH8以上のアルカリ溶液と接触させるアルカリ処理を行うのが好ましい。
(銀の量)
本銀被覆銅粉において、銀の含有量は、本銀被覆銅粉全体に対して0.5〜35.0質量%であるのが好ましい。銀の含有量が、本銀被覆銅粉全体の0.5質量%以上を占めれば、本銀被覆銅粉を構成する粒子が重なり合った時、粒子表面の銀同士が接触するため、導電性を高めることが出来る。その一方、35.0質量%を超えると、必要以上に銀を被覆することになり不経済である。言い換えれば、35.0質量%以下であれば、製造の方法にもよるが、銀粒子と比較して経済的により優位となるから好ましい。このような観点から、銀の含有量は、本銀被覆銅粉全体の0.5〜35.0質量%であるのが好ましく、中でも3.0質量%以上或いは25.0質量%以下、その中でも5.0質量%以上或いは20.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
(D50)
本銀被覆銅粉の中心粒径(D50)、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50は、1.0μm〜30.0μmであるのが好ましい。導電粒子として大きな粒子であると、ペースト中の導電粒子のネットワークが少なくなるため、導電性能が低下するおそれがある。その一方、粒子径が小さ過ぎると、銀の被覆にムラをなくすためには、銀の含有量を多くする必要があり、経済的に無駄である。
よって、本銀被覆銅粉の中心粒径(D50)は1.0μm〜30.0μmであるのが好ましく、中でも2.0μm以上或いは25.0μm以下、その中でも特に3.0μm以上或いは20.0μm以下であるのがさらに好ましい。
(BET比表面積)
本銀被覆銅粉のBET比表面積(SSA)は、例えば0.30〜2.00m2/gであるのが好ましい。0.30m2/gより著しく小さいと、枝が発達しておらず、松ぼっくり若しくは球状に近づくため、本発明が規定するデンドライト状を呈することができなくなる。他方、2.00m2/gよりも著しく大きくなると、デンドライトの枝が細くなりすぎて、ペーストとした際などにデンドライトの枝を折らないで分散させることが困難となるなど、後のペースト工程で不具合が発生して、目的とする導電性を確保することができない可能性があるため好ましくない。
よって、本銀被覆銅粉のBET一点法で測定される比表面積は0.30〜2.00m2/gであるのが好しく、中でも0.40m2/g以上或いは1.80m2/g以下、その中でも特に1.50m2/g以下であるのがさらに好ましい。
(タップ嵩密度:TD)
本銀被覆銅粉のタップ嵩密度は、0.5〜2.0g/cm3であるのが好ましい。本銀被覆銅粉のタップ嵩密度は、そのデンドライト形状の発達度合いにより左右されることになる。本銀被覆銅粉粒子はデンドライト形状が発達しているため、タップ嵩密度は低くなり、2.0g/cm3以下とすることができる。他方、タップ嵩密度が0.5g/cm3以上であれば、ペースト作製時の取り扱いが容易となるばかりか、より一層高い導電性を得ることができる。
かかる観点から、本銀被覆銅粉のタップ嵩密度は0.5〜2.0g/cm3であるのが好ましく、中でも0.7g/cm3以上或いは1.8g/cm3以下、その中でも特に0.9g/cm3以上或いは1.6g/cm3以下であるのがさらに好ましい。
<製造方法>
本銀被覆銅粉は、芯材としての所望の銅粉を水に分散させ、必要に応じてキレート剤を添加した後、水に可溶な銀塩を加えて置換反応させて銅粉粒子の表面層を銀に置換させ、得られた銀被覆銅粉を溶液から取り出して、必要に応じてキレート剤を用いて洗浄した後、乾燥させることで得ることができる。但し、この製造方法に限定されるものではない。
なお、このような方法で、芯材としての銅粉粒子の表面に銀又は銀合金を被覆すれば、芯材として用いる銅粉粒子の形状をほぼそのまま本銀被覆銅粉の粒子形状に転化させることができる。
(芯材として用いる銅粉の製法)
芯材として用いる銅粉は、前述したように、電解法で得られた銅粉、中でも、枝が十分に発達したデンドライト状を呈する電解銅粉を用いるのが好ましい。
上述したような枝が十分に発達したデンドライト状を呈する電解銅粉は、次のような電解法によって製造することができる。
電解法としては、例えば、銅イオンを含む硫酸酸性の電解液に陽極と陰極を浸漬し、これに直流電流を流して電気分解を行い、陰極表面に粉末状に銅を析出させ、機械的又は電気的方法により掻き落として回収し、洗浄し、乾燥し、必要に応じて篩別工程などを経て電解銅粉を製造する方法を例示できる。
電解に際しては、電解液に塩素を添加して、電解液の塩素濃度を3〜300mg/L、中でも5〜200mg/Lに調整するのが好ましい。
また、電解法で銅粉を製造する場合、銅の析出に伴って電解液中の銅イオンが消費されるため、電極板付近の電解液の銅イオン濃度は薄くなり、そのままでは電解効率が低下してしまう。そのため、通常は電解効率を高めるために、電解槽内の電解液の循環を行って電極間の電解液の銅イオン濃度が薄くならないようにしている。
しかし、各銅粉粒子のデンドライトを発達させるためには、言い換えれば主軸から伸びる枝の成長を促すためには、電極付近の電解液の銅イオン濃度が低い方が好ましいことが分かってきた。そこで、銅粉の製造においては、電解槽の大きさ、電極枚数、電極間距離及び電解液の循環量を調整し、電極付近の電解液の銅イオン濃度を低く調整するのが好ましい。この際、少なくとも電解槽の底部の電解液の銅イオン濃度よりも、電極間の電解液の銅イオン濃度が常に薄くなるように調整するのが好ましい。
デンドライト状銅粉粒子の粒子径を調整するには、上記条件の範囲内で技術常識に基づいて適宜条件を設定すればよい。例えば、大きな粒径のデンドライト状銅粉粒子を得ようとするならば、銅濃度は上記好ましい範囲内で比較的高い濃度に設定するのが好ましく、電流密度は、上記好ましい範囲内で比較的低い密度に設定するのが好ましく、電解時間は、上記好ましい範囲内で比較的長い時間に設定するのが好ましい。小さな粒径のデンドライト状銅粉粒子を得ようとするならば、前記の逆の考え方で各条件を設定するのが好ましい。一例としては銅濃度を1g/L〜30g/Lとし、電流密度を100A/m2〜4000A/m2とし、電解時間を3分〜8時間とすればよい。
このように電解した後、電解析出した銅粉を、必要に応じて水で洗浄した後、水と混合してスラリーとするか、或いは、銅粉ケーキとした後、pH8以上のアルカリ溶液を混合して、必要に応じて撹拌して、銅粉とアルカリ溶液とを接触させるアルカリ処理を行い、水などで洗浄することにより、銅粉の含有塩素濃度を低減させるのが好ましい。
アルカリ処理においては、電解銅粉析出後のスラリー又は銅粉ケーキのpHを8以上、中でも9以上或いは12以下、その中でも10以上或いは11以下となるように調整するのが好ましい。 また、このようなアルカリ処理に用いるアルカリ剤としては、例えば炭酸アンモニウム溶液、苛性ソーダ溶液、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などを挙げることができる。
また、電解銅粉粒子の表面は、必要に応じて、有機物を用いて耐酸化処理を施し、銅粉粒子表面に有機物層を形成するようにしてもよい。必ずしも有機物層を形成する必要はないが、銅粉粒子表面の酸化による経時変化を考慮すると形成した方がより好ましい。
この耐酸化処理に用いる有機物は、特にその種類を限定するものではなく、例えば膠、ゼラチン、有機脂肪酸、カップリング剤等を挙げることができる。
耐酸化処理の方法、すなわち有機物層の形成方法は、乾式法でも湿式法でもよい。乾式法であれば、有機物と銅粉粒子をV型混合器等で混合する方法、湿式法であれば水−銅粉粒子スラリーに有機物を添加し表面に吸着させる方法等を挙げることができる。但し、これらに限ったものではない。
例えば、電解銅粉析出後にアルカリ処理した後、銅粉ケーキ及び所望の有機物を含んだ水溶液と、有機溶媒とを混合して、銅粉表面に有機物を付着させる方法は好ましい一例である。
なお、芯材は、必要に応じて、置換反応前に表面酸化物(酸化皮膜)を除去する処理を行なうのがよい。例えば、芯材を水に投入して攪拌混合した後、ヒドラジン等の還元剤を加えて攪拌混合して反応させればよい。この際、加えた還元剤を十分に洗浄して芯材から除去するのが好ましい。
(銀の被覆)
次に、上述のようにして作製した銅粉粒子の表面に銀又は銀合金を被覆する方法について説明する。一例として、置換メッキ被覆法について説明する。但し、銅粉粒子の表面に銀又は銀合金を被覆する方法をこの方法に限定するものではない。
置換メッキ被覆法は、還元メッキ被覆法に比べて、芯材(銅粉粒子)表面に銀又は銀合金をより均一に被覆することができるばかりか、被覆後の粒子の凝集を抑えることができ、さらには、より安価に製造できるという特徴を有している。よって、置換メッキ被覆法を採用するのが好ましい。
なお、上記のように銅粉粒子表面に疎水性の有機物層が形成されている場合、銀を被覆する際には脱脂処理をして、銅粉粒子の表面を親水化する必要がある。この脱脂処理する場合、通常のように機械撹拌すると銅粉の粒子形状、特にデンドライト銅粉粒子の枝部分が折れてしまう可能性があるため、銅粉粒子形状を維持することができる強度で撹拌もしくは漬け置き等の無撹拌の状態で脱脂処理するのが好ましい。その一方で、銅粉粒子をゼラチン等の親水性の表面処理剤で表面処理して親水性化した場合は、脱脂処理する必要がないため、銅粉粒子の形状を維持できる観点から、このような処理が好ましい。
従来の置換メッキ被覆法においては、反応溶液から銀被覆銅粉を取り出す時に、水などで濾過・洗浄していたが、水で洗浄しただけでは、銅イオンの一部が銀被覆銅粉に吸着されるため、粒子表面に銅イオンが残留することになり、この状態で乾燥させると、銅イオンが酸化銅を形成し、粒子表面に酸化銅の被膜ができてしまう。
これに対し、キレート剤を用いて洗浄することで、置換反応後に銅の再吸着を防止することができるため、粒子表面に残留する銅イオンを抑制することができ、その結果、粒子表面に酸化銅の被膜が出来ることを抑制して、導電性を高めることができる。
但し、キレート剤を用いて洗浄した場合、キレート剤が残留する可能性があるため、純水などを用いて洗浄するのが好ましい。
キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸塩(以下「EDTA」という)、ジエチレントリアミン五酢酸、イミノ二酢酸などのアミノカルボン酸系キレート剤のほか、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸)、1,3-プロパンジアミン四酢酸から選ばれた1種又は2種以上のものを挙げることができるが、中でもEDTAを用いるのが好ましい。
銀塩を加える際、溶液のpH、すなわち置換反応させる際の溶液のpHは3〜4に調整するのが好ましい。
銀塩としては、水に可溶な銀塩、すなわちAgイオン供給源としては、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、シュウ酸銀、塩素酸銀、6フッ化リン酸銀、4フッ化ホウ酸銀、6フッ化ヒ酸銀、硫酸銀から選ばれた1種又は2種以上を挙げることができる。
銀塩の添加量は、理論当量以上、例えば銅を芯材として用いる場合、銅1モルに対して銀2モル以上、特に2.1モル以上となるように添加するのが好ましい。2モルより少ないと、置換が不十分となり銀粉粒子中に銅が多く残留することになる。但し、2.5モル以上入れても不経済である。
本銀被覆銅粉における銀の含有率は、銀塩の添加量、反応時間、反応速度、キレート剤の添加量などによって調整することができる。
置換反応終了後は、銀粉粒子を十分に洗浄し、乾燥させるのが好ましい。
(用途)
本銀被覆銅粉は導電特性に優れているため、本銀被覆銅粉を用いて導電性ペーストや導電性接着剤などの導電性樹脂組成物、さらには導電性塗料など、各種導電性材料の主要構成材料として好適に用いることができる。
例えば導電性ペーストを作製するには、本銀被覆銅粉をバインダ及び溶剤、さらに必要に応じて硬化剤やカップリング剤、腐食抑制剤などと混合して導電性ペーストを作製することができる。
この際、バインダとしては、液状のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができるが、これらに限定するものではない。
溶剤としては、テルピネオール、エチルカルビトール、カルビトールアセテート、ブチルセロソルブ等が挙げることができる。
硬化剤としては、2エチル4メチルイミダゾールなどを挙げることができる。
腐食抑制剤としては、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール等を挙げることができる。
導電性ペーストは、これを用いて基板上に回路パターンを形成して各種電気回路を形成することができる。例えば焼成済み基板或いは未焼成基板に塗布又は印刷し、加熱し、必要に応じて加圧して焼き付けることでプリント配線板や各種電子部品の電気回路や外部電極などを形成することができる。また、電磁波シールドフィルムや、ボンディングフィルムなどの形成にも利用することができる。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「好ましくYより小さい」の意を包含する。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
<粒子形状の観察>
実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)について、走査型電子顕微鏡(5,000倍)にて、任意の500個の粒子の形状をそれぞれ観察し、主軸の太さa(「主軸太さa」)、主軸から伸びた枝の中で最も長い枝の長さb(「枝長b」)、主軸の長径に対する枝の本数(「枝本数/長径L」)を測定し、その平均値を表1に示した。なお、この平均値とは、デンドライト状銅粉粒子と認められる粒子における平均値である。
また、表1には、太さaが0.3μm〜5.0μmの範囲内であり、長さbが0.7μm〜12.0μmの範囲内であり、且つ枝本数/長径Lが0.5〜4.0本/μmであるデンドライト状銅粉粒子(「特殊デンドライト」と称する)が、全銅粉粒子のうちに占める個数割合を「全粒子中の特殊デンドライトの個数割合」として表1に示した。
また、太さaが0.3μm〜5.0μmの範囲内であり、長さbが0.7μm〜12.0μmの範囲内であり、且つ枝本数/長径Lが0.5〜4.0本/μmであるデンドライト状銅粉粒子(「特殊デンドライト」と称する)が、デンドライト状銅粉粒子のうちに占める個数割合を、「デンドライト中の特殊デンドライトの個数割合」として表1に示した。
なお、粒子形状の観察の際、粒子同士が重ならないように、カーボンテープ上に少量の銅粉(サンプル)を付けて測定を行った。
<粒度測定>
実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)を少量ビーカーに取り、3%トリトンX溶液(関東化学製)を2、3滴添加し、粉末になじませてから、0.1%SNディスパーサント41溶液(サンノプコ製)50mLを添加し、その後、超音波分散器TIPφ20(日本精機製作所製)を用いて2分間分散処理して測定用サンプルを調製した。
この測定用サンプルを、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置MT3300(日機装製)を用いて体積累積基準D50を測定した。
<BET比表面積の測定>
実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)の比表面積は、マックソーブ社製モノソーブにて、BET一点法で測定し、BET比表面積として表1に示した。
<含有塩素濃度の測定>
実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)を、純水を用いて洗浄し、洗浄後の液の塩素濃度が5wtppm以下となるまで洗浄した。このように洗浄した銀被覆銅粉(サンプル)を硝酸で全溶解し、得られた溶液中の塩素濃度を分光光度計で測定することにより、含有塩素濃度(wtppm)を測定した。なお、表1中の「<5」は、測定限界未満であったことを示している。
<酸素濃度の測定>
実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)を、堀場製作所社製「EMGA-820ST」を用いてHe雰囲気中で加熱溶融し、酸素濃度(wt%)を測定した。
<XPSによる表面分析>
X線光電子分光分析(X−rayPhotoelectronSpectroscopy、XPS)により、実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)の粒子表面の分析を行った。
X線源として、Mg−Kα線(1253.6eV)を用いて、15KV×26.7mAで操作した。
帯電補正:SiO2 の結合エネルギーを103.2eVとして帯電補正を行った。
供試試料:加圧成形機により、230kg/cm2 の圧力でディクス状に成形した。
上記方法により、実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)について、粒子表面から約5nmまでの深さのAg及びCu成分について定量分析を行った。
表1には、粒子表面におけるAgの合計Ag濃度(ρAg)を「Ag(wt%)」又は「Ag(atomic%)」として示し、粒子表面におけるCu、CuO(Cu濃度換算)及びCu2O(Cu濃度換算)の合計Cu濃度(ρCu)を「Cu(atomic%)」として示し、粒子表面におけるAg濃度(ρAg)に対する、Cu、CuO及びCu2Oの合計Cu濃度(ρCu)の比率を「ρCu/ρAg」として示した。
<タップ嵩密度(TD)測定>
実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)のタップ嵩密度(g/cm3)は、試料200gを用いてパウダーテスターPT−E型(ホソカワミクロン製)により測定した。
<導電性ペーストの導電性(比抵抗)評価>
実施例・比較例で得た銀被覆銅粉(サンプル)を、樹脂ワニスに対して60質量%の比率で配合し、シンキー社製あわ取り練太郎(型番AR−100)を用いて十分に混合してペーストとし、そのペーストをガラス板上に塗布し、大気中にて180℃で3分間乾燥させた後、四極端子型(AgilnetTechnologies社製)にて電気抵抗を測定した。
そして、比抵抗(Ω・cm)=幅(cm)×膜厚(μm)×電気抵抗(Ω)/(長さ(cm)×104)という式にて、導電性ペーストの導電性(比抵抗)を算出し、表1に示した。
<実施例1>
2.5m×1.1m×1.5mの大きさ(約4m3)の電解槽内に、それぞれ大きさ(1.0m×1.0m)9枚のSUS製陰極板と不溶性陽極板(DSE(ペルメレック電極社製))とを電極間距離5cmとなるように吊設し、電解液としての硫酸銅溶液を30L/分で循環させて、この電解液に陽極と陰極を浸漬し、これに直流電流を流して電気分解を行い、陰極表面に粉末状の銅を析出させた。
この際、循環させる電解液のCu濃度を10g/L、硫酸(H2SO4)濃度を100g/L、塩素濃度を50mg/Lとし、且つ、電流密度を800A/m2に調整して30分間電解を実施した。この時の溶液のpHは1であった。
電解中、電解槽の底部の電解液の銅イオン濃度よりも、電極間の電解液の銅イオン濃度が常に薄く維持されていた。
そして、陰極表面に析出した銅を、機械的に掻き落として回収し、その後、洗浄し、銅粉1kg相当の含水銅粉ケーキを得た。このケーキを水3Lに分散させてスラリーとし、pH9になるまで炭酸アンモニウム溶液を添加し、撹拌して“アルカリ化処理”を行った。その後、純水で洗浄して不純物を取り除いた。
次に、工業用ゼラチン(新田ゼラチン社製)10g/Lの水溶液1Lを加えて撹拌した後、減圧状態(1×10-3Pa)で80℃、6時間乾燥させ、電解銅粉を得た。
こうして得られた電解銅粉を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が垂直若しくは斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈していることを確認できた。
こうして得られた電解銅粉25kgを、50℃に保温した純水50L中に投入してよく攪拌させた。これとは別に、純水5Lに硝酸銀4.5kg投入して硝酸銀溶液を作製した。先ほど銅粉を溶解した溶液に硝酸銀溶液を一括添加した。この状態で2時間攪拌を行い、銀被覆銅粉スラリーを得た。
次に、真空ろ過にて銀被覆銅粉スラリーのろ過を行い、ろ過が終わった後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)600gを純水6Lに溶解させた溶液を用いて洗浄し、続いて3Lの純水で残留EDTAを洗浄した。その後、120℃で3時間乾燥させてデンドライト状銀被覆銅粉(サンプル)を得た。銀の被覆量は、銀被覆銅粉全体の10.8質量%であった。
得られたデンドライト状銀被覆銅粉(サンプル)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銀被覆銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈しており、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmの範囲内であり、最も長い枝の長さbが0.7μm〜12.0μmの範囲内であり、主軸の長径Lに対する枝の分岐本数(枝本数/長径L)0.5〜4.0本/μmであることが確認された。
また、表1に示すように、この銀被覆銅粉の導電性を測定したところ、良好な値を示した。
(実施例2、3)
実施例1の“アルカリ処理”において、pH9になるまで炭酸アンモニウム溶液を添加してアルカリ処理を行った代わりに、実施例2では、pH11になるまでアンモニア水を添加してアルカリ処理を行い、実施例3では、pH14まで苛性ソーダを添加してアルカリ処理を行い、銀コート処理を行った。この点以外は、実施例1と同様に銀被覆銅粉(サンプル)を得た。
得られた銀被覆銅粉(サンプル)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銀被覆銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈しており、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmの範囲内であり、最も長い枝の長さbが0.7μm〜12.0μmの範囲内であり、主軸の長径Lに対する枝の分岐本数(枝本数/長径L)0.5〜4.0本/μmであることが確認された。
また、表1に示すように、この銀被覆銅粉の導電性を測定したところ、良好な値を示した。
(実施例4)
2.5m×1.1m×1.5mの大きさ(約4m3)の電解槽内に、それぞれ大きさ(1.0m×1.0m)9枚のSUS製陰極板と不溶性陽極板(DSE(ペルメレック電極社製))とを電極間距離5cmとなるように吊設し、電解液としての硫酸銅溶液を30L/分で循環させて、この電解液に陽極と陰極を浸漬し、これに直流電流を流して電気分解を行い、陰極表面に粉末状の銅を析出させた。
この際、循環させる電解液のCu濃度を5g/L、硫酸(H2SO4)濃度を80g/L、塩素濃度を100mg/Lとし、且つ、電流密度を1200A/m2に調整して10分間電解を実施した。この時の溶液のpHは1であった。
電解中、電解槽の底部の電解液の銅イオン濃度よりも、電極間の電解液の銅イオン濃度が常に薄く維持されていた。
そして、陰極表面に析出した銅を、機械的に掻き落として回収し、その後、洗浄し、銅粉1kg相当の含水銅粉ケーキを得た。このケーキを水3Lに分散させてスラリーとし、pH9になるまで炭酸アンモニウム溶液を添加し、撹拌してアルカリ化処理を行った。その後、純水で洗浄して不純物を取り除いた。
次に、工業用ゼラチン(新田ゼラチン社製)10g/Lの水溶液1Lを加えて撹拌した後、減圧状態(1×10-3Pa)で80℃、6時間乾燥させ、電解銅粉を得た。
こうして得られた電解銅粉を、実施例1と同じように銀被覆工程を行って銀被覆銅粉(サンプル)を得た。
こうして得られた銀被覆銅粉(サンプル)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銀被覆銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈しており、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmの範囲内であり、最も長い枝の長さbが0.7μm〜12.0μmの範囲内であり、主軸の長径Lに対する枝の分岐本数(枝本数/長径L)0.5〜4.0本/μmであることが確認された。
また、表1に示すように、この銀被覆銅粉の導電性を測定したところ、良好な値を示した。
(実施例5、6)
実施例4のアルカリ処理において、pH9になるまで炭酸アンモニウム溶液を添加してアルカリ処理を行った代わりに、実施例5では、pH11になるまでアンモニア水を添加してアルカリ処理を行い、実施例6では、pH14まで苛性ソーダを添加してアルカリ処理を行った。この点以外は、実施例4と同様にして銀被覆銅粉(サンプル)を得た。
こうして得られた銀被覆銅粉(サンプル)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銀被覆銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈しており、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmの範囲内であり、最も長い枝の長さbが0.7μm〜12.0μmの範囲内であり、主軸の長径Lに対する枝の分岐本数(枝本数/長径L)0.5〜4.0本/μmであることが確認された。
また、表1に示すように、この銀被覆銅粉の導電性を測定したところ、良好な値を示した。
(実施例7)
2.5m×1.1m×1.5mの大きさ(約4m3)の電解槽内に、それぞれ大きさ(1.0m×1.0m)9枚のSUS製陰極板と不溶性陽極板(DSE(ペルメレック電極社製))とを電極間距離5cmとなるように吊設し、電解液としての硫酸銅溶液を30L/分で循環させて、この電解液に陽極と陰極を浸漬し、これに直流電流を流して電気分解を行い、陰極表面に粉末状の銅を析出させた。
この際、循環させる電解液のCu濃度を20g/L、硫酸(H2SO4)濃度を80g/L、塩素濃度を20mg/Lとし、且つ、電流密度を500A/m2に調整して10分間電解を実施した。この時の溶液のpHは1であった。
電解中、電解槽の底部の電解液の銅イオン濃度よりも、電極間の電解液の銅イオン濃度が常に薄く維持されていた。
そして、陰極表面に析出した銅を、機械的に掻き落として回収し、その後、洗浄し、銅粉1kg相当の含水銅粉ケーキを得た。このケーキを水3Lに分散させてスラリーとし、pH9になるまで炭酸アンモニウム溶液を添加し、撹拌してアルカリ化処理を行った。その後、純水で洗浄して不純物を取り除いた。
次に、工業用ゼラチン(新田ゼラチン社製)10g/Lの水溶液1Lを加えて撹拌した後、減圧状態(1×10-3Pa)で80℃、6時間乾燥させ、電解銅粉を得た。
こうして得られた電解銅粉を、実施例1と同じように銀被覆工程を行って銀被覆銅粉(サンプル)を得た。
こうして得られた銀被覆銅粉(サンプル)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銀被覆銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈しており、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmの範囲内であり、最も長い枝の長さbが0.7μm〜12.0μmの範囲内であり、主軸の長径Lに対する枝の分岐本数(枝本数/長径L)0.5〜4.0本/μmであることが確認された。
また、表1に示すように、この銀被覆銅粉の導電性を測定したところ、良好な値を示した。
(実施例8)
実施例4の“電流密度”において、電流密度を3000A/m2、“塩素濃度”を30mg/Lとした点以外は、実施例4と同様に銀被覆銅粉(サンプル)を得た。
得られた銀被覆銅粉(サンプル)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銀被覆銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈しており、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmの範囲内であり、最も長い枝の長さbが0.7μm〜12.0μmの範囲内であり、主軸の長径Lに対する枝の分岐本数(枝本数/長径L)0.5〜4.0本/μmであることが確認された。
また、表1に示すように、この銀被覆銅粉の導電性を測定したところ、良好な値を示した。
(比較例1)
実施例1において、陰極表面に析出した銅を、機械的に掻き落として回収し、その後、洗浄し、銅粉1kg相当の含水銅粉ケーキを得た。このケーキを水3Lに分散させ、工業用ゼラチン(新田ゼラチン社製)10g/Lの水溶液1Lを加えた後、純水で洗浄した。次に、減圧状態(1×10-3Pa)で80℃、6時間乾燥させ、電解銅粉を得た。これ以外の点は、実施例1と同様にして銀被覆銅粉(サンプル)を得た。
こうして得られた銀被覆銅粉(サンプル)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銀被覆銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が垂直若しくは斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈していることを確認できた。
(比較例2)
実施例4において、陰極表面に析出した銅を、機械的に掻き落として回収し、その後、洗浄し、銅粉1kg相当の含水銅粉ケーキを得た。このケーキを水3Lに分散させ、工業用ゼラチン(新田ゼラチン社製)10g/Lの水溶液1Lを加えた後、純水で洗浄した。次に、減圧状態(1×10-3Pa)で80℃、6時間乾燥させ、電解銅粉を得た。これ以外の点は、実施例1と同様にして銀被覆銅粉(サンプル)を得た。
こうして得られた銀被覆銅粉(サンプル)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、少なくとも90個数%以上の銀被覆銅粉粒子は、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して三次元的に成長したデンドライト状を呈していることを確認できた。
(比較例3)
5.0m×1.1m×1.5mの大きさ(約8m3)の電解槽内に、それぞれ大きさ(1.0m×1.0m)19枚の銅陰極板と銅陽極板とを電極間距離10cmとなるように吊設し、電解液としての硫酸銅溶液を150L/分で循環させて、この電解液に陽極と陰極を浸漬し、これに直流電流を流して電気分解を行い、陰極表面に粉末状の銅を析出させ、陰極表面に析出した銅を、機械的に掻き落として回収し、その後、洗浄し、銅粉1kg相当の含水銅粉ケーキを得た。
この際、循環させる電解液のCu濃度を80g/L、硫酸(H2SO4)濃度を200g/L、電流密度を90A/m2に調整して6時間電解を実施した。
このケーキを水3Lに分散させてスラリーとし、pH9になるまで炭酸アンモニウム溶液を添加し、撹拌してアルカリ化処理を行った。その後、純水で洗浄して不純物を取り除いた。
次に、工業用ゼラチン(新田ゼラチン社製)10g/Lの水溶液1Lを加えて撹拌した後、減圧状態(1×10-3Pa)で80℃、6時間乾燥させ、電解銅粉を得た。
こうして得られた電解銅粉を、実施例1と同じように銀被覆工程を行って銀被覆銅粉(サンプル)を得た。
得られた電解銅粉の粒子形状は松ぼっくり状であり、主軸太さ、枝長、枝本数/長径Lの測定は出来なかった。
(考察)
上記実施例とこれまで行った試験結果を総合的に考えると、塩素の濃度が5wtppm〜250wtppmであっても、銀被覆銅粉粒子表面におけるCu、CuO及びCu2Oの合計Cu濃度(ρCu)と銀の濃度(ρAg)との比率(ρCu/ρAg)が0.12以下であれば、導電性を有効に高めることができることが分かった。
実施例で得られた被覆銅粉を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した結果、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して、二次元的或いは三次元的に成長したデンドライト状を呈し、かつ、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmであり、主軸から伸びた枝の中で最も長い枝の長さbが0.7μm〜12.0μmであるデンドライト状(「特殊デンドライト状」と称する)を呈するデンドライト状銀被覆銅粉粒子が、全銀被覆銅粉粒子のうちの80個数%以上を占めることを確認することができた。
また、実施例で得られた被覆銅粉を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した結果、上記特殊デンドライト状を呈するデンドライト状銀被覆銅粉粒子が、デンドライト状銀被覆銅粉粒子のうちの90個数%以上を占めることを確認することができた。

Claims (6)

  1. デンドライト状を呈するデンドライト状銅粉粒子の表面が銀又は銀合金で被覆されてなる構成を有する銀被覆銅粉粒子を含有する銀被覆銅粉であって、
    銀の被覆量が、銀被覆銅粉全体の0.5〜3.0質量%であり、且つ、塩素の濃度が5wtppm〜250wtppmであり、且つ、X線光電子分光分析法による測定される、当該銀被覆銅粉粒子表面におけるCu、CuO及びCu2Oの合計Cu濃度(ρCu、原子%)と銀の濃度(ρAg、原子%)との比率(ρCu/ρAg)が0.12以下であることを特徴とする銀被覆銅粉。
  2. BET比表面積0.30〜2.00m2/gであることを特徴とする請求項1に記載の銀被覆銅粉。
  3. レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50が1.0μm〜30.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の銀被覆銅粉。
  4. 前記銀被覆銅粉は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて銀被覆銅粉粒子を観察した際、一本の主軸を備えており、該主軸から複数の枝が斜めに分岐して、二次元的或いは三次元的に成長したデンドライト状を呈し、かつ、主軸の太さaが0.3μm〜5.0μmであり、主軸から伸びた枝の中で最も長い枝の長さbが0.7μm〜12.0μmであるデンドライト状を呈するデンドライト状銀被覆銅粉粒子が、全銀被覆銅粉粒子のうちの80個数%以上を占めることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の銀被覆銅粉。
  5. 請求項4記載のデンドライト状銀被覆銅粉粒子は、主軸の長径Lに対する枝の分岐本数(枝本数/長径L)0.5本/μm〜4.0本/μmであることを特徴とする請求項4に記載の銀被覆銅粉。
  6. 酸素濃度が0.20質量%以下であって、且つ、タップ嵩密度が0.5〜2.0g/cm3であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の銀被覆銅粉。
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