JP2001011388A - 電極ペースト組成物およびそれを用いる積層コンデンサの製造方法 - Google Patents
電極ペースト組成物およびそれを用いる積層コンデンサの製造方法Info
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Abstract
れる未焼成の誘電体層を冒すことなく内部電極を形成で
き、かつ印刷に用いた版を水で洗浄できる電極ペースト
組成物、およびそれを用いる積層コンデンサの製造方
法。 【解決手段】 (A)導電性粒子および/またはその前
駆体;(B)水溶性樹脂;ならびに(C)水で希釈可能
なグリコール類および/またはグリセリンを含み、水を
実質的に含まないか、水の含有量が(C)と水の合計量
に対して35重量%以下である積層コンデンサ用電極ペ
ースト組成物;ならびにそれを用いて内部電極を形成す
る積層コンデンサの製造方法。
Description
物に関し、また、それを用いる積層コンデンサの製造方
法に関する。さらに詳細には、本発明は、未焼成の誘電
体層の表面に印刷しても誘電体層を冒さず、かつ環境に
悪影響を及ぼさない電極ペースト組成物、およびそれを
用いる積層コンデンサの製造方法に関する。
コンデンサは、ポリエチレンテレフタレートフィルムの
ような基板に、未焼成の誘電体層と内部電極とを交互に
積層し、プレスすることによって未焼成チップを形成さ
せた後、その横端部に外部電極(端子電極)用ペースト
を塗布して、全体を焼成するか、上記のチップを焼成し
た後、上記と同様の塗布および別途に行う焼成により外
部電極を設けるかによって、製造することができる。
のような誘電体粒子を、樹脂と溶媒を主成分とするビヒ
クル中に分散させて得られる誘電体ペーストを、基材ま
たは未焼成の内部電極の表面に印刷または塗布し、乾燥
することによって形成される。そして、環境中に有機溶
媒を排出しない配慮と、引火の危険性や作業環境への悪
影響を防止することから、樹脂としてポリビニルアルコ
ールのような水溶性樹脂を用い、溶媒として水を用いる
ことが、一般に行われている。
を、必要に応じて非誘電性粒子とともに、有機樹脂およ
びそれを溶解させる有機溶媒からなる有機ビヒクルに分
散させて得られる電極ペースト組成物を印刷し、乾燥す
ることによって層状に形成される。特開平5−1095
73号公報および特開平10−50551号公報には、
有機樹脂としてエチルセルロース、ニトロセルロース、
ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート
のような樹脂を、これを溶解するテルピネオール、メチ
ルエチルケトン、ミネラルスピリットのような有機溶媒
をビヒクルとして用いることが開示されている。しかし
ながら、これらの樹脂および溶媒は、いずれも水に貧溶
ないし不溶であり、印刷により、水溶性樹脂を含む未焼
成の誘電体層を冒すことはないが、印刷に用いたスクリ
ーン版のような版を水によって洗浄することができず、
排水中に多量の有機溶媒を放出する。また乾燥工程で、
引火性かつ有害な有機溶媒を排出する。
ニルアルコールやポリエチレングリコールのような水溶
性樹脂と、水または水を多量に含む溶媒とからなるビヒ
クルを用いると、これを前述のような水溶性樹脂系の誘
電体ペーストを用いて形成された未焼成の誘電体層に印
刷したときに、該誘電体層の樹脂を膨潤および/または
溶解させるので、積層コンデンサのチップを製造するこ
とができない。
の導電体ペーストとしては、特開平5−174620号
公報には、セルロース系、ポリビニルアルコール系など
の水溶性または水分散性の樹脂と、水−グリセリン混合
溶媒、テルピネオール、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールなどの溶媒とを組み合わ
せたビヒクルに、酸化銅を分散させた、銅配線層または
銅電極層を形成するためのペーストが開示されている。
たは温水に可溶な各種の樹脂、シリカ微粉末および導電
性粉末を含む水溶性導電性ペーストを、回路の形成、導
電性接着剤などに用いることが開示され、該ペーストに
用いられる溶媒としては、水、アルコール系溶媒をはじ
めとして、水溶性から非水溶性にいたる各種の溶媒が記
載されている。
の水溶性樹脂と、水または水−グリセリン混合溶媒とを
組み合わせたビヒクルに、各種の金属、金属酸化物、ケ
イ酸ガラスなどを分散させた印刷用ペーストが開示され
ている。
平9−286924号公報には、水溶性の熱硬化性また
は熱可塑性樹脂を水と相溶性のグリコール類に溶解させ
て得たビヒクルに、導電性粒子を分散させた導電性組成
物によって塗膜を形成させ、焼成して導電体を形成する
ことが開示されている。
た導電性ペーストを、積層コンデンサの内部電極の形成
に用いるという記載はなく、また積層された未焼成の誘
電体層に及ぼす影響について論じた記載はない。
溶媒として含む誘電体ペーストから得られる未焼成の誘
電体層を冒すことなく内部電極を形成することができ、
かつ印刷に用いた版を水で洗浄でき、外部環境および作
業環境に悪影響を及ぼさない電極ペースト組成物を提供
することである。本発明のもう一つの目的は、そのよう
な電極ペースト組成物を用いて、積層コンデンサを製造
する方法を提供することである。
題を解決するために研究を重ねた結果、水溶性樹脂、特
に水溶性のヒドロキシアルキルセルロースを樹脂として
用い、水で希釈可能なグリコール類および/またはグリ
セリン、特にグリコール類を溶媒として用いたビヒクル
に、導電性粒子またはその前駆体を分散させることによ
り、その課題を達成しうることを見出して、本発明を完
成するに至った。
ペースト組成物は、 (A)導電性粒子および/またはその前駆体; (B)水溶性樹脂;ならびに (C)水で希釈可能なグリコール類および/またはグリ
セリンを含み、水を実質的に含まないか、水の含有量が
(C)と水の合計量に対して35重量%以下であること
を特徴とし;本発明の積層コンデンサの製造方法は、 (1)水を溶媒として含む誘電体ペーストを、基材に印
刷または塗布する工程; (2)誘電体ペーストを乾燥して、誘電体層を形成する
工程; (3)請求項1〜4のいずれか1項記載の電極ペースト
組成部を、誘電体層の表面に印刷する工程; (4)電極ペースト組成物を乾燥して、内部電極を形成
する工程; (5)工程(1)〜(4)を反復して、積層体を形成す
る工程、ただし、反復中の(1)においては、内部電極
の表面、また内部電極を形成しない部位では下地の誘電
体層の表面に印刷または塗布する;および (6)積層体を焼成する工程をその順に含むことを特徴
とする。
いられる(A)成分は、導電性粒子および/またはその
前駆体である。導電性粒子としては、銅、銀、ニッケ
ル、亜鉛、ルテニウム、パラジウムなどの金属、または
それら相互の合金、たとえば銀−パラジウムのような金
属粒子;それらの1種を基体とし、他を表面被覆に用い
た複合金属粒子などが例示される。また、導電性粒子の
前駆体としては、酸化銅(II)、酸化パラジウムなどの
金属酸化物粒子が例示される。これらは、水素気流中で
高温に、たとえば酸化銅(II)の場合約300℃に加熱
することにより、還元して、それぞれの金属粒子に転換
することができる。(A)成分は、1種を用いても、2
種以上を用いてもよい。
き、安定性に優れ、マイグレーションがないことから、
ニッケル粒子が最も好ましい。ニッケル粒子としては、
たとえば硫酸ニッケルのようなニッケル塩の還元、プラ
ズマ熱分解などによって得られるものが好ましく、焼成
の際の収縮率が小さく、電極の導通不良を起こすことな
く、また内部電極の厚さを薄くすることが可能で、層間
剥離を起こしにくいことから、粒子径は0.1〜2μm
が好ましく、0.2〜1μmがさらに好ましい。
よび(C)の合計量に対して35〜60重量%が好まし
く、40〜55重量%がさらに好ましい。
樹脂としては、メチルセルロース、2−ヒドロキシエチ
ルセルロース、2−ヒドロキシエチル(メチル)セルロ
ース、2−ヒドロキシプロピルセルロース、2−ヒドロ
キシプロピル(メチル)セルロース、2−ヒドロキシブ
チル(メチル)セルロース、カルボキシメチルセルロー
スアンモニウム塩などのエーテル化セルロース系樹脂;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化
物、ポリビニルアルコールの部分ブチラール化物、ポリ
ビニルアルコールとポリアクリル酸のブロック共重合体
のようなポリビニルアルコール系樹脂;ポリアクリル酸
エステルの部分ケン化物、ポリアクリルアミド、ポリ
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのようなアクリル
系樹脂;ポリビニルピロリドン、ポリビニルイソブチル
エーテルのようなビニル系樹脂;ポリエチレングリコー
ル、エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体の
ようなポリエーテルなどが例示され、1種を用いても、
2種以上を混合して用いてもよい。
き現象がなく、印刷適性に優れていることから、エーテ
ル化セルロース系樹脂が好ましく、その中でもヒドロキ
シアルキルセルロースがさらに好ましい。後述の(C)
成分として特に好ましいグリコール類に対する溶解性が
優れていることから、2−ヒドロキシプロピルセルロー
スが特に好ましい。
よび(C)の合計量に対して1〜7重量%が好ましく、
2.5〜4重量%がさらに好ましい。
類および/またはグリセリンである。このような有機溶
媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペン
タンジオールのような、分子中にエーテル結合が存在し
ていてもよいグリコール類;およびグリセリンが例示さ
れ、1種でも、2種以上の混合溶媒として用いてもよ
い。これらのうち、適度の乾燥性を示すことから、グリ
コール類が好ましく、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブタンジオール類、ジプロピレングリコー
ルなどが特に好ましい。
適性に優れ、印刷に用いたスクリーンから水によって容
易に除去が可能で、作業用の臭気の問題がなく、環境へ
の影響が少ないばかりでなく、未焼成の誘電体層の表面
に印刷しても該誘電体層を冒すことがない電極ペースト
組成物が得られる。
よび(C)の合計量に対して25〜45重量%が好まし
く、28〜40重量%がさらに好ましい。
して、水性混合溶媒として用いてもよい。ただし、水が
多すぎると、電極ペースト組成物を未焼成の誘電体層の
表面に印刷する際に、該誘電体層のポリマーを膨潤およ
び/または溶解させるので、水を実質的に含有しない
か、水の量が、(C)成分と水との合計量に対して35
重量%以下である。
(D)成分として、糖類を配合することにより、電極ペ
ースト組成物を印刷する際に、下地の未焼成誘電体層に
対する優れた密着性を与え、積層体の層間剥離を防止で
き、さらに精密な印刷パターンを形成させることができ
る。糖類としては、D−グルコース、D−フルクトー
ス、スクロースおよびそれらの異性体が例示され、1種
を用いても、2種以上を用いてもよい。また、蜂蜜のよ
うに、複数の糖類と有機酸などを含む混合物を用いても
よい。
ら、(A)、(B)および(C)の合計量に対して、通
常35重量%以下であり、5〜28重量%が好ましい。
び印刷工程における発泡を防ぎ、内部電極を精度よく作
製するために、消泡剤を添加してもよい。そのような消
泡剤としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチル
シロキサンとポリオキシアルキレンのブロックまたはグ
ラフト共重合体、フルオロアルキル基含有ポリシロキサ
ン、それらの1種以上を有効成分として含むエマルショ
ン、ポリプロピレングリコール、オキシエチレン・オキ
シプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エス
テル、アセチレンジオールとその誘導体、オクチルアル
コールなどが例示される。
に、必要に応じて、レベリング剤;誘電体粒子、特に誘
電体ペーストに配合したのと同じチタン酸バリウムのよ
うな誘電体粒子;シリカ、アルミナ、ガラスフリットの
ようなその他の非導電性粒子;およびその他の任意の添
加剤を配合することができる。
ン印刷に用いられる場合、常温における見掛粘度は10
〜500Pa・sが好ましく、13〜50Pa・sがさらに好ま
しい。
次のようにして調製できる。すなわち、(B)成分およ
び必要に応じて配合する(D)成分や、その他の(C)
成分に溶解する任意成分を、(C)成分に溶解ないし分
散させて、ビヒクルを調製する。これに、(A)成分お
よび必要に応じて配合する誘電体粒子などの不溶性成分
を加えて、三本ロール、ライカイ機、ポットミル、ニー
ダーのような混合手段によって均一に分散させ、電極ペ
ースト組成物が得られる。調製温度は特に限定されず、
たとえば常温で調製することができる。
ン印刷のような方法を用いて印刷することができ、特に
未焼成の誘電体層の表面に、該誘電体層を冒すことなく
印刷できる。
て、まず基材に、(1)水を溶媒として含む誘電体ペー
ストを印刷または塗布する。印刷は、たとえばスクリー
ン印刷、転写などによって行い、塗布は、たとえばアプ
リケータ、ディスペンサなどを用いて行う。基材として
は、ポリエチレンテレフタレートフィルムが例示され
る。誘電体ペーストは、誘電体粒子、水溶性樹脂および
水を含む。誘電体粒子としては、チタン酸マグネシウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チ
タン酸バリウム、チタン酸鉛、スズ酸カルシウム、スズ
酸バリウム、ジルコン酸バリウムおよびそれらの固溶
体、ペロブスカイトなどが例示され、1種を用いても、
2種以上を併用してもよい。優れた誘電特性から、チタ
ン酸バリウムが好ましい。水溶性樹脂としては、前述の
ポリビニルアルコール系樹脂が例示され、特にポリビニ
ルアルコールが好ましい。さらに、イソプロパノール、
ジエチレングリコールモノブチルエーテルのような水溶
性溶媒を、水と併用してもよい。また、分散剤を配合し
てもよい。誘電体ペーストの組成は、通常、誘電体粒子
が50〜80重量%、水溶性樹脂が5〜20重量%、水
が10〜30重量%である。誘電体ペーストを印刷また
は塗布する厚さは、通常、焼成後の誘電体層の厚さが2
〜10μmになるような厚さである。
体ペーストを乾燥して、誘電体層を形成する。乾燥は、
通常70〜120℃に2〜15分間加熱することによっ
て実施される。
(B)および(C)成分を含み、必要に応じて(D)成
分およびその他の任意の配合する成分を含む本発明の電
極ペースト組成物を印刷する。精度のよい薄い印刷面を
得るには、スクリーン印刷によることが好ましい。印刷
する厚さは、通常、焼成後の内部電極の厚さが0.5〜
10μmになるような厚さである。
成物を乾燥して、内部電極を形成する。乾燥は、通常7
0〜120℃に2〜15分間加熱することによって実施
される。
を、所望の積層回数が得られるまで反復する。ただし、
この反復工程においては、(1)の誘電体ペーストの印
刷または塗布は、形成された内部電極の表面に実施す
る。また、内部電極を形成しない部位では、乾燥した下
地の誘電体層の表面に実施する。内部電極は、通常、後
述の一対の外部電極に対して交互に接続するように積層
する。積層の回数は、形成される誘電体層と内部電極の
合計として、目的に応じて通常20〜1,000回、好
ましくは50〜500回である。また、反復は、通常、
所望の回数反復した後の(2)の誘電体層の形成で終わ
る。
層体を、基材から外し、切断して積層チップを作製した
後、焼成を行う。また、焼成の前に、積層チップの横端
部に外部電極用の導電ペーストを塗布し、該積層チップ
と同時に焼成するか、積層チップの焼成後に外部電極用
の導電ペーストを塗布し、その後に別途、焼成を行うこ
とにより、一対の外部電極を形成する。積層チップの焼
成条件は、内部電極の導電性粒子および誘電体層の誘電
体粒子の種類によっても異なるが、通常、焼成炉を用い
て600〜1,300℃で7〜15時間である。
ラジウムのような導電体の前駆体粒子を用いたときは、
焼成の前に、水素気流中、前駆体の種類に応じて300
〜500℃で還元して導電体に転換する。
説明する。本発明は、これらの実施例によって限定され
るものではない。実施例および比較例において、部は重
量部、組成の%は重量%で示す。
−ヒドロキシプロピル基の含有量が53.4〜77.5
重量%の、互いに重合度が異なり、下記のような溶液粘
度を有する2−ヒドロキシプロピルセルロースであり、
表1において、次の略称で示す。 HPC−1 : 2%水溶液の20℃における粘度 3.0〜5.9cP HPC−2 : 〃 150〜400cP HPC−3 : 〃 1,000〜4,000cP
次の略称で示す。 TEG : トリエチレングリコール PG : プロピレングリコール DPG : ジプロピレングリコール
および水20%をポットミルに仕込み、72時間混合し
て誘電体ペーストを調製した。これをポリエチレンテレ
フタレートフィルムの一方の表面に、アプリケータを用
いて、焼成後の層の厚さが3μmになるように塗布し、
熱風乾燥器により100℃で5分間加熱することによっ
て乾燥し、誘電体層を得た。
物を、次の方法によって調製した。すなわち、表1に示
すグリコール類、または場合によってグリコール類に加
えられた水または糖類を含む混合液に、表1に示す2−
ヒドロキシプロピルセルロースを溶解させた。この溶液
をライカイ機に仕込み、表1に示す量の粒径0.4μm
のニッケル粒子と、チタン酸バリウム粒子とを加えて1
0分間混合し、電極ペースト組成物を調製した。組成物
の25℃における見掛粘度を、表1に示す。
に、焼成後の厚さが1.5μmになるように、スクリー
ン印刷によってパターン印刷した。ついで、熱風乾燥器
により、100℃で指触乾燥するまで乾燥させて、内部
電極を得た。その際、電極ペースト組成物を繰返し印刷
した際の指触乾燥時間を5点測定した。その平均値を、
乾燥性として表1に示す。
び該内部電極を形成しない部位では下地の誘電体層の表
面に、前述の方法で誘電体ペーストを塗布し、以下、上
記の工程を反復して、各50層の誘電体層と内部電極を
交互に積層し、最後に誘電体層を設けた未焼成の積層体
を作製した。
に用いた溶媒を滴下して、誘電体層の膨潤および/また
は樹脂の溶解が認められるか、あるいは誘電体層をスパ
チュラで押えたときにスパチュラに付着したとき、シー
トアタック×と評価した。これらの異常が認められない
とき、シートアタック○と評価した。
いたスクリーンの版面を、水で洗浄して、洗浄可能なと
き洗浄性○、樹脂が一部でも残っていたら洗浄性×と評
価した。
し、ボイドや積層の不均一が認められるとき断面観察
×、これらの異常が認められるとき、断面観察○と評価
した。
び乾燥性とともに、表1に示す。
ースト組成物を用いて内部電極を作製したとき、下地の
誘電体層を冒すことがなく、良好な積層チップが得られ
た。また、スクリーン印刷の後のスクリーンの、水によ
る洗浄が可能であった。これに対して、比較例1の積層
体チップでは、電極ペースト組成物によって未焼成の誘
電体層が冒され、その断面の観察の結果も、ボイドや積
層の不均一が認められた。
を形成するための電極ペースト組成物として、水性誘電
体ペーストから得られた未焼成誘電体層の表面に印刷す
る際に、該誘電体層の樹脂を膨潤および/または溶解す
ることなく、かつ作業環境に優れ、印刷に用いた版を水
で容易に洗浄でき、良好な内部電極を容易に形成できる
電極ペースト組成物が得られる。また、本発明の電極ペ
ースト組成物を用いて内部電極を形成することにより、
層間剥離のない優れた積層コンデンサを、安定して容易
に得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)導電性粒子および/またはその前
駆体; (B)水溶性樹脂;ならびに (C)水で希釈可能なグリコール類および/またはグリ
セリンを含み、水を実質的に含まないか、水の含有量が
(C)と水の合計量に対して35重量%以下であること
を特徴とする積層コンデンサ用電極ペースト組成物。 - 【請求項2】 (B)が、ヒドロキシアルキルセルロー
スである、請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 (B)が、2−ヒドロキシプロピルセル
ロースである、請求項2記載の組成物。 - 【請求項4】 さらに(D)糖類を含む、請求項1〜3
のいずれか1項記載の組成物。 - 【請求項5】 (1)水を溶媒として含む誘電体ペース
トを、基材に印刷または塗布する工程; (2)誘電体ペーストを乾燥して、誘電体層を形成する
工程; (3)請求項1〜4のいずれか1項記載の電極ペースト
組成物を、誘電体層の表面に印刷する工程; (4)電極ペースト組成物を乾燥して、内部電極を形成
する工程; (5)工程(1)〜(4)を反復して、積層体を形成す
る工程、ただし、反復中の(1)においては、内部電極
の表面、また内部電極を形成しない部位では下地の誘電
体層の表面に印刷または塗布する;および (6)積層体を焼成する工程をその順に含むことを特徴
とする積層コンデンサの製造方法。
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