JPH1092226A - 導電性組成物 - Google Patents
導電性組成物Info
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- JPH1092226A JPH1092226A JP8240556A JP24055696A JPH1092226A JP H1092226 A JPH1092226 A JP H1092226A JP 8240556 A JP8240556 A JP 8240556A JP 24055696 A JP24055696 A JP 24055696A JP H1092226 A JPH1092226 A JP H1092226A
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- powder
- conductive
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 層厚みの薄い平滑な電極層を形成するととも
に、電気的特性の劣化やデラミネーションなどの内部欠
陥を防止することが可能な導電性組成物を提供する。 【解決手段】 導電粉末と、有機ビヒクルと、アニオン
界面活性剤とからなることを特徴とする。アニオン界面
活性剤は、導電性組成物100wt%のうち0.5〜5
wt%含有する。また、アニオン界面活性剤としてはリ
ン酸エステル系を用いる。
に、電気的特性の劣化やデラミネーションなどの内部欠
陥を防止することが可能な導電性組成物を提供する。 【解決手段】 導電粉末と、有機ビヒクルと、アニオン
界面活性剤とからなることを特徴とする。アニオン界面
活性剤は、導電性組成物100wt%のうち0.5〜5
wt%含有する。また、アニオン界面活性剤としてはリ
ン酸エステル系を用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性組成物に関
するものである。
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型高密度化にともない、そ
の電子機器に使用される積層セラミックコンデンサにお
いても小型大容量化、高密度化が進められている。さら
に、積層セラミックコンデンサのコストダウンを図るた
め、内部電極材料としてPdなどの貴金属に代わってN
iなどの卑金属が用いられるようになってきている。
の電子機器に使用される積層セラミックコンデンサにお
いても小型大容量化、高密度化が進められている。さら
に、積層セラミックコンデンサのコストダウンを図るた
め、内部電極材料としてPdなどの貴金属に代わってN
iなどの卑金属が用いられるようになってきている。
【0003】通常、このNiなどの卑金属を内部電極と
する積層セラミックコンデンサは、次のようにして製造
されている。即ち、まず、誘電体セラミック層としてド
クターブレード法などで得たセラミックグリーンシート
に、Niなどの卑金属を導電成分とする導電性組成物を
内部電極層としてスクリーン印刷法などにより印刷す
る。次に、積層し圧着した後、このセラミックグリーン
シートと内部電極層とからなる圧着体を還元雰囲気中で
同時焼成し、その後、外部電極を形成して得られる。ま
た、このスクリーン印刷用の導電性組成物としては、N
iなどの卑金属粉末をエチルセルロース樹脂やアルキッ
ド樹脂などの樹脂成分およびテルピネオールなどの溶剤
成分を含有する有機ビヒクルに分散させたペースト状の
ものが用いられている。
する積層セラミックコンデンサは、次のようにして製造
されている。即ち、まず、誘電体セラミック層としてド
クターブレード法などで得たセラミックグリーンシート
に、Niなどの卑金属を導電成分とする導電性組成物を
内部電極層としてスクリーン印刷法などにより印刷す
る。次に、積層し圧着した後、このセラミックグリーン
シートと内部電極層とからなる圧着体を還元雰囲気中で
同時焼成し、その後、外部電極を形成して得られる。ま
た、このスクリーン印刷用の導電性組成物としては、N
iなどの卑金属粉末をエチルセルロース樹脂やアルキッ
ド樹脂などの樹脂成分およびテルピネオールなどの溶剤
成分を含有する有機ビヒクルに分散させたペースト状の
ものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、Niを内部電極
とする積層セラミックコンデンサの製造において、内部
電極層の膜厚は、スクリーン印刷後の導電性組成物の乾
燥膜厚で5〜10μmとする必要があった。これは、乾
燥膜厚が5μm未満では、焼成後の内部電極層が網目状
化したり切れたりして、静電容量が小さくなるなどの電
気特性の悪化が生じるためである。
とする積層セラミックコンデンサの製造において、内部
電極層の膜厚は、スクリーン印刷後の導電性組成物の乾
燥膜厚で5〜10μmとする必要があった。これは、乾
燥膜厚が5μm未満では、焼成後の内部電極層が網目状
化したり切れたりして、静電容量が小さくなるなどの電
気特性の悪化が生じるためである。
【0005】一方、市場の小型大容量化・高密度化の要
求に対応して、積層セラミックコンデンサの薄層化およ
び多層化、すなわち、誘電体セラミック層を薄くし層数
を増大させるとともに、内部電極層を薄くし層数を増大
させるという必要が生じている。
求に対応して、積層セラミックコンデンサの薄層化およ
び多層化、すなわち、誘電体セラミック層を薄くし層数
を増大させるとともに、内部電極層を薄くし層数を増大
させるという必要が生じている。
【0006】しかしながら、従来の乾燥膜厚5〜10μ
mでは厚すぎて、積層した圧着体に内部歪みが生じやす
くなるとともに焼成時の脱バインダが不十分となり、焼
成後にデラミネーションなどの内部欠陥が発生し、製品
の信頼性を悪化させるという問題点を有していた。
mでは厚すぎて、積層した圧着体に内部歪みが生じやす
くなるとともに焼成時の脱バインダが不十分となり、焼
成後にデラミネーションなどの内部欠陥が発生し、製品
の信頼性を悪化させるという問題点を有していた。
【0007】そこで、本発明の目的は、膜厚の薄い平滑
な電極層を形成するとともに、電気的特性の劣化やデラ
ミネーションなどの内部欠陥を防止することが可能な導
電性組成物を提供することにある。
な電極層を形成するとともに、電気的特性の劣化やデラ
ミネーションなどの内部欠陥を防止することが可能な導
電性組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような目
的に鑑みてなされたものである。本発明の導電性組成物
は、導電粉末と、有機ビヒクルと、アニオン界面活性剤
とからなることに特徴がある。
的に鑑みてなされたものである。本発明の導電性組成物
は、導電粉末と、有機ビヒクルと、アニオン界面活性剤
とからなることに特徴がある。
【0009】また、本発明の導電性組成物においては、
前記アニオン界面活性剤は、前記導電性組成物100w
t%のうち0.5〜5wt%含有することが好ましい。
前記アニオン界面活性剤は、前記導電性組成物100w
t%のうち0.5〜5wt%含有することが好ましい。
【0010】また、本発明の導電性組成物においては、
前記アニオン界面活性剤は、リン酸エステル系であるこ
とが好ましい。
前記アニオン界面活性剤は、リン酸エステル系であるこ
とが好ましい。
【0011】また、本発明の導電性組成物においては、
前記導電粉末は、Ni粉末であることが好ましい。
前記導電粉末は、Ni粉末であることが好ましい。
【0012】また、本発明の導電性組成物においては、
前記Ni粉末の平均粒径は0.3〜0.8μmの範囲内
であることが好ましい。
前記Ni粉末の平均粒径は0.3〜0.8μmの範囲内
であることが好ましい。
【0013】また、本発明の導電性組成物においては、
前記Ni粉末は、導電性組成物100wt%のうち30
〜50wt%含有することが好ましい。
前記Ni粉末は、導電性組成物100wt%のうち30
〜50wt%含有することが好ましい。
【0014】さらに、本発明の導電性組成物は、積層セ
ラミックコンデンサの内部電極に用いられることが好ま
しい。
ラミックコンデンサの内部電極に用いられることが好ま
しい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の導電性組成物は、導電粉末と有機
ビヒクルとアニオン界面活性剤とを有している。このよ
うな組成を有することによって、膜厚の薄い平滑な電極
層を形成するとともに、電気的特性の劣化やデラミネー
ションなどの内部欠陥を防止することが可能となる。
て説明する。本発明の導電性組成物は、導電粉末と有機
ビヒクルとアニオン界面活性剤とを有している。このよ
うな組成を有することによって、膜厚の薄い平滑な電極
層を形成するとともに、電気的特性の劣化やデラミネー
ションなどの内部欠陥を防止することが可能となる。
【0016】なぜなら、アニオン界面活性剤が導電粉末
と有機ビヒクルとの界面に作用して両者の濡れを促進さ
せる。その結果、均一で平滑な電極膜を形成することが
でき、膜厚の薄い電極膜でも電気的特性を満足すること
が可能となるからである。また、デラミネーションなど
の内部欠陥防止に有効なのは、電極膜を薄く形成するこ
とができ、積層した場合に歪みが小さくなるためであ
る。
と有機ビヒクルとの界面に作用して両者の濡れを促進さ
せる。その結果、均一で平滑な電極膜を形成することが
でき、膜厚の薄い電極膜でも電気的特性を満足すること
が可能となるからである。また、デラミネーションなど
の内部欠陥防止に有効なのは、電極膜を薄く形成するこ
とができ、積層した場合に歪みが小さくなるためであ
る。
【0017】本発明で用いられるアニオン界面活性剤
は、上述したような特性を有していれば、組成等は特に
限定されるものではない。具体的には、リン酸エステル
系、硫酸エステル系が代表される。好ましくはリン酸エ
ステル系である。この場合、比較的少量で濡れ性を向上
させることができる点で有効である。
は、上述したような特性を有していれば、組成等は特に
限定されるものではない。具体的には、リン酸エステル
系、硫酸エステル系が代表される。好ましくはリン酸エ
ステル系である。この場合、比較的少量で濡れ性を向上
させることができる点で有効である。
【0018】なお、リン酸エステル系としては、ポリオ
キシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルが代表
される。さらに具体的にはRO(CH2CH2O)P
(O)AB(ただし、A、Bは、OHまたはRO(CH
2CH2)n)が代表される。
キシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルが代表
される。さらに具体的にはRO(CH2CH2O)P
(O)AB(ただし、A、Bは、OHまたはRO(CH
2CH2)n)が代表される。
【0019】上記アニオン界面活性剤の含有量は、上記
のような特性が得られる適量であれば特に限定されるも
のではないが、好ましくは上記導電性組成物100wt
%のうち0.5〜5wt%の範囲内である。含有量が
0.5wt%未満の場合には、添加効果に乏しく、上記
特性が充分に得られないので好ましくない。一方、含有
量が5wt%を越える場合には、粘度が極端に下がり、
にじみ等が生じるのでスクリーン印刷には適さない。
のような特性が得られる適量であれば特に限定されるも
のではないが、好ましくは上記導電性組成物100wt
%のうち0.5〜5wt%の範囲内である。含有量が
0.5wt%未満の場合には、添加効果に乏しく、上記
特性が充分に得られないので好ましくない。一方、含有
量が5wt%を越える場合には、粘度が極端に下がり、
にじみ等が生じるのでスクリーン印刷には適さない。
【0020】また、本発明で用いられる導電粉末は必ず
しも限定されるものではない。具体的にはNi、Pd、
Cu、Agなどが挙げられる。好ましくはNi粉末であ
る。
しも限定されるものではない。具体的にはNi、Pd、
Cu、Agなどが挙げられる。好ましくはNi粉末であ
る。
【0021】また、Ni粉末を用いた場合には、粉末の
平均粒径は0.3〜0.8μmの範囲内が好ましい。平
均粒径が0.3μm未満の場合には、導電性組成物の乾
燥後の厚膜体の焼成収縮率が大きくなり、膜厚が薄いと
電極切れが発生しやすいので好ましくない。一方、平均
粒径が0.8μmを越える場合には、導電性組成物の乾
燥後の厚膜体の表面粗さが大きくなるので好ましくな
い。
平均粒径は0.3〜0.8μmの範囲内が好ましい。平
均粒径が0.3μm未満の場合には、導電性組成物の乾
燥後の厚膜体の焼成収縮率が大きくなり、膜厚が薄いと
電極切れが発生しやすいので好ましくない。一方、平均
粒径が0.8μmを越える場合には、導電性組成物の乾
燥後の厚膜体の表面粗さが大きくなるので好ましくな
い。
【0022】上記Ni粉末の含有量は、必ずしも限定さ
れるものではないが、好ましくは上記導電性組成物10
0wt%のうち30〜50wt%の範囲内である。Ni
粉末の含有量が30wt%未満の場合には、導電性組成
物の乾燥膜厚が薄くなるので好ましくない。一方、含有
量が50wt%を越える場合には、導電性組成物の乾燥
膜厚が厚くなり、積層セラミックコンデンサの薄層化、
多層化に充分対応できないので好ましくない。
れるものではないが、好ましくは上記導電性組成物10
0wt%のうち30〜50wt%の範囲内である。Ni
粉末の含有量が30wt%未満の場合には、導電性組成
物の乾燥膜厚が薄くなるので好ましくない。一方、含有
量が50wt%を越える場合には、導電性組成物の乾燥
膜厚が厚くなり、積層セラミックコンデンサの薄層化、
多層化に充分対応できないので好ましくない。
【0023】さらに、本発明で用いられる有機ビヒクル
は特に限定されるものではなく、広く一般に用いられて
いるものであれば利用できる。具体的には、樹脂成分と
してエチルセルロース樹脂、アルキッド樹脂、アクリル
樹脂などが挙げられる。なお、これらは単独あるいは適
宜組み合わせて用いてもよい。また、溶剤成分としては
テレピネオール、ブチルカルビトール、ケロシンなどが
挙げられる。なお、これらは単独あるいは適宜組み合わ
せて用いてもよい。
は特に限定されるものではなく、広く一般に用いられて
いるものであれば利用できる。具体的には、樹脂成分と
してエチルセルロース樹脂、アルキッド樹脂、アクリル
樹脂などが挙げられる。なお、これらは単独あるいは適
宜組み合わせて用いてもよい。また、溶剤成分としては
テレピネオール、ブチルカルビトール、ケロシンなどが
挙げられる。なお、これらは単独あるいは適宜組み合わ
せて用いてもよい。
【0024】次に、本発明を実施例に基づき、さらに具
体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0025】
【実施例】まず、導電性組成物(以下、導電性Niペー
ストとする。)を作製した。即ち、粒径範囲が0.1〜
1.2μmであって平均粒径が0.3μm〜1.0μm
のNi粉末25〜55重量%と、エチルセルロース樹脂
およびアルキッド樹脂をテレピネオール溶剤に溶解した
有機ビヒクル74〜40重量%と、アニオン界面活性剤
としてリン酸エステル系のもの、カチオン界面活性剤と
して第4級アンモニウム系のものをそれぞれ0.5〜
5.0wt%とを混合した後、三本ロールで混練して導
電性Niペーストとした。なお、数値範囲はいずれもN
i粉末と有機ビヒクルと界面活性剤との合計を100w
t%としたものである。
ストとする。)を作製した。即ち、粒径範囲が0.1〜
1.2μmであって平均粒径が0.3μm〜1.0μm
のNi粉末25〜55重量%と、エチルセルロース樹脂
およびアルキッド樹脂をテレピネオール溶剤に溶解した
有機ビヒクル74〜40重量%と、アニオン界面活性剤
としてリン酸エステル系のもの、カチオン界面活性剤と
して第4級アンモニウム系のものをそれぞれ0.5〜
5.0wt%とを混合した後、三本ロールで混練して導
電性Niペーストとした。なお、数値範囲はいずれもN
i粉末と有機ビヒクルと界面活性剤との合計を100w
t%としたものである。
【0026】表1に、作製した導電性Niペーストのそ
れぞれの組成を示す。表1において*印を付した試料は
本発明の範囲外のものである。
れぞれの組成を示す。表1において*印を付した試料は
本発明の範囲外のものである。
【0027】
【表1】
【0028】次に、上記導電性Niペーストを内部電極
として、積層セラミックコンデンサを作製した。即ち、
まず、非還元性のBaTiO3系セラミック原料粉末に
ポリビニールブチラールの有機バインダーおよびトルエ
ンの有機溶剤を加え混練してスラリーを得た。続いて、
このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成
形して、厚さ8μmのセラミックグリーンシートを作製
した。
として、積層セラミックコンデンサを作製した。即ち、
まず、非還元性のBaTiO3系セラミック原料粉末に
ポリビニールブチラールの有機バインダーおよびトルエ
ンの有機溶剤を加え混練してスラリーを得た。続いて、
このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成
形して、厚さ8μmのセラミックグリーンシートを作製
した。
【0029】その後、このグリーンシートに先に準備し
た各導電性Niペーストをスクリーン印刷し、乾燥させ
て導電性Niペーストの厚膜体を形成した。ここで、乾
燥後の厚膜体にX線を照射したときに発生する蛍光X線
の強度により乾燥膜厚を測定し、また、接触針式粗さ計
により乾燥後の厚膜体の表面粗さをJIS B 060
1に定める中心線平均粗さ(Ra)と十点平均粗さ(R
z)として測定した。表1にその測定結果および評価を
示す。なお、評価はそれぞれ◎:非常に良好である、
○:良好である、×:実用的に問題あり、とした。
た各導電性Niペーストをスクリーン印刷し、乾燥させ
て導電性Niペーストの厚膜体を形成した。ここで、乾
燥後の厚膜体にX線を照射したときに発生する蛍光X線
の強度により乾燥膜厚を測定し、また、接触針式粗さ計
により乾燥後の厚膜体の表面粗さをJIS B 060
1に定める中心線平均粗さ(Ra)と十点平均粗さ(R
z)として測定した。表1にその測定結果および評価を
示す。なお、評価はそれぞれ◎:非常に良好である、
○:良好である、×:実用的に問題あり、とした。
【0030】次に、上記導電性Niペーストの厚膜体を
形成した所定枚数のセラミックグリーンシートを容量電
極を形成するように積み重ね、厚膜体を有しないセラミ
ックグリーンシートに挟んで圧着した後、所定のチップ
寸法に切断し圧着体とした。
形成した所定枚数のセラミックグリーンシートを容量電
極を形成するように積み重ね、厚膜体を有しないセラミ
ックグリーンシートに挟んで圧着した後、所定のチップ
寸法に切断し圧着体とした。
【0031】その後、N2中で1300℃で5時間焼成
して積層セラミックの焼結体を得た。そして、最後に、
この積層セラミック焼結体の内部の容量電極が露出して
いる焼結体の端部に導電性Agペーストを塗付し、空気
中750℃で焼き付けて外部電極を形成して、積層セラ
ミックコンデンサを完成させた。
して積層セラミックの焼結体を得た。そして、最後に、
この積層セラミック焼結体の内部の容量電極が露出して
いる焼結体の端部に導電性Agペーストを塗付し、空気
中750℃で焼き付けて外部電極を形成して、積層セラ
ミックコンデンサを完成させた。
【0032】ここで、表1の評価結果について説明す
る。表1の試料No.1〜試料No.6の評価を◎とし
たのは、いずれもNi粉末の平均粒径が0.3〜0.8
μm、Ni粉末の含有量が30〜50wt%、有機ビヒ
クルの含有量が69〜45wt%、アニオン界面活性剤
1〜5wt%の範囲内のものであり、このような導電性
Niペーストを用いて、スクリーン印刷法で内部電極層
を形成することにより、その乾燥膜厚は0.5〜2.0
μm、表面粗さは中心線平均粗さ(Ra)が0.5μm
以下で、十点平均粗さ(Rz)が2.0μm以下になる
からである。
る。表1の試料No.1〜試料No.6の評価を◎とし
たのは、いずれもNi粉末の平均粒径が0.3〜0.8
μm、Ni粉末の含有量が30〜50wt%、有機ビヒ
クルの含有量が69〜45wt%、アニオン界面活性剤
1〜5wt%の範囲内のものであり、このような導電性
Niペーストを用いて、スクリーン印刷法で内部電極層
を形成することにより、その乾燥膜厚は0.5〜2.0
μm、表面粗さは中心線平均粗さ(Ra)が0.5μm
以下で、十点平均粗さ(Rz)が2.0μm以下になる
からである。
【0033】上記試料No.1〜試料No.6を用いた
場合には、積層セラミックコンデンサのさらなる薄層化
およびさらなる多層化、例えば、誘電体セラミック層を
4.5μm以下に薄くし層数を増大させるとともに、内
部電極層を2.0μm以下に薄くし層数を増大させると
いったものに対しても、積層した圧着体に内部歪みが生
じにくく、焼成時の脱バインダーも容易であり、焼成後
にデラミネーションなどの内部欠陥が発生することも防
止できるので、製品の信頼性がより一層向上することに
なる。
場合には、積層セラミックコンデンサのさらなる薄層化
およびさらなる多層化、例えば、誘電体セラミック層を
4.5μm以下に薄くし層数を増大させるとともに、内
部電極層を2.0μm以下に薄くし層数を増大させると
いったものに対しても、積層した圧着体に内部歪みが生
じにくく、焼成時の脱バインダーも容易であり、焼成後
にデラミネーションなどの内部欠陥が発生することも防
止できるので、製品の信頼性がより一層向上することに
なる。
【0034】また、試料No.7の評価を○としたの
は、Ni粉末の含有量が50wt%を越えることによ
り、その乾燥膜厚が2.0μmを越え、十点平均粗さ
(Rz)が2.0μmを越えてしまうからである。
は、Ni粉末の含有量が50wt%を越えることによ
り、その乾燥膜厚が2.0μmを越え、十点平均粗さ
(Rz)が2.0μmを越えてしまうからである。
【0035】また、試料No.8の評価を○としたの
は、Ni粉末の含有量が30wt%未満であるため、そ
の乾燥膜厚が0.5未満と薄くなるからである。
は、Ni粉末の含有量が30wt%未満であるため、そ
の乾燥膜厚が0.5未満と薄くなるからである。
【0036】また、試料No.9の評価を○としたの
は、アニオン界面活性剤の含有量が1.0未満であるた
め、厚膜体の十点平均粗さ(Rz)が2.0μmを越え
るからである。
は、アニオン界面活性剤の含有量が1.0未満であるた
め、厚膜体の十点平均粗さ(Rz)が2.0μmを越え
るからである。
【0037】また、試料No.10の評価を○としたの
は、Ni粉末の平均粒径が0.8μmを越えるため、厚
膜体の中心線平均粗さ(Ra)が0.5μmを越え、十
点平均粗さ(Rz)が2.0μmを越えてしまうからで
ある。
は、Ni粉末の平均粒径が0.8μmを越えるため、厚
膜体の中心線平均粗さ(Ra)が0.5μmを越え、十
点平均粗さ(Rz)が2.0μmを越えてしまうからで
ある。
【0038】上記試料No.7〜試料No.10は、試
料No.1〜試料No.6と比較すると幾分劣化してい
るが、従来のものに比べて積層セラミックコンデンサの
薄層化および多層化に充分対応できているものである。
料No.1〜試料No.6と比較すると幾分劣化してい
るが、従来のものに比べて積層セラミックコンデンサの
薄層化および多層化に充分対応できているものである。
【0039】さらに、試料No.11、試料No.12
の評価を×としたのは、界面活性剤としてカチオン界面
活性剤を用いているため、厚膜体の中心線平均粗さ(R
a)が0.5μmを越え、十点平均粗さ(Rz)が2.
0μmを大きく越えてしまうからである。
の評価を×としたのは、界面活性剤としてカチオン界面
活性剤を用いているため、厚膜体の中心線平均粗さ(R
a)が0.5μmを越え、十点平均粗さ(Rz)が2.
0μmを大きく越えてしまうからである。
【0040】上記試料No.11、試料No.12を用
いた場合には、積層セラミックコンデンサの薄層化およ
び多層化に対応できておらず、実用的ではない。
いた場合には、積層セラミックコンデンサの薄層化およ
び多層化に対応できておらず、実用的ではない。
【0041】
【発明の効果】本発明の導電性組成物を用いれば、膜厚
の薄い平滑な電極層を形成することができるとともに、
電気的特性の劣化やデラミネーションなどの内部欠陥を
防止することが可能となる。
の薄い平滑な電極層を形成することができるとともに、
電気的特性の劣化やデラミネーションなどの内部欠陥を
防止することが可能となる。
【0042】従って、積層セラミックコンデンサの内部
電極としては特に有効であり、積層セラミックコンデン
サの薄層化および多層化に対応することが可能である。
電極としては特に有効であり、積層セラミックコンデン
サの薄層化および多層化に対応することが可能である。
Claims (7)
- 【請求項1】 導電粉末と、有機ビヒクルと、アニオン
界面活性剤とからなることを特徴とする導電性組成物。 - 【請求項2】 前記アニオン界面活性剤は、前記導電性
組成物100wt%のうち0.5〜5wt%含有するこ
とを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。 - 【請求項3】 前記アニオン界面活性剤は、リン酸エス
テル系であることを特徴とする請求項1または請求項2
に記載の導電性組成物。 - 【請求項4】 前記導電粉末は、Ni粉末であることを
特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の導
電性組成物。 - 【請求項5】 前記Ni粉末の平均粒径は0.3〜0.
8μmの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載
の導電性組成物。 - 【請求項6】 前記Ni粉末は、導電性組成物100w
t%のうち30〜50wt%含有することを特徴とする
請求項4または請求項5に記載の導電性組成物。 - 【請求項7】 積層セラミックコンデンサの内部電極に
用いられることを特徴とする請求項1から請求項6のい
ずれかに記載の導電性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8240556A JPH1092226A (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 導電性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8240556A JPH1092226A (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 導電性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1092226A true JPH1092226A (ja) | 1998-04-10 |
Family
ID=17061292
Family Applications (1)
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JP8240556A Pending JPH1092226A (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 導電性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH1092226A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1996
- 1996-09-11 JP JP8240556A patent/JPH1092226A/ja active Pending
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