JP4893786B2 - 導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ペーストと、該導電性ペーストを用いた金属膜の製造方法と、該導電性ペーストを用いた積層セラミック電子部品の製造方法とに関する。
近年、電子機器の軽薄短小化が進んできている。これに伴い、その電子機器に使用される積層セラミック電子部品においても、より一層の小型化・高容量化が進められている。
積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサを小型化・高容量化するために最も効果的な方法は、内部電極層と誘電体層を双方ともに可能な限り薄くし(薄層化)、かつそれらを可能な限り多く積層する(多層化)ことである。
積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に複数配置された積層構造のコンデンサ素体を有する。コンデンサ素体の両端部には、一対の外部端子電極が形成してある。この積層セラミックコンデンサは、まずセラミックグリーンシートと焼成前内部電極層とを必要枚数だけ交互に複数積層させて焼成前コンデンサ素体を製造し、次にこれを焼成した後、焼成後コンデンサ素体の両端部に一対の外部端子電極を形成して製造される。焼成前内部電極層は、所定パターンの内部電極ペースト膜や金属薄膜などが用いられる。
このように、積層セラミックコンデンサの製造に際しては、セラミックグリーンシートと焼成前内部電極層とを同時に焼成することになる。このため、焼成前内部電極層に含まれる導電材には、セラミックグリーンシートに含まれる誘電体原料粉末の焼結温度に近い焼結温度を持つこと、誘電体粉末と反応しないこと、焼成後の誘電体層に拡散しないこと、などが要求される。
従来は、これらの要求を満足させるために、焼成前内部電極層に含まれる導電材には、PtやPdなどの貴金属を使用してきた。しかしながら、貴金属はそれ自体が高価であり、結果として最終的に得られる積層セラミックコンデンサがコスト高になるという欠点があった。そこで、誘電体粉末の焼結温度を900〜1100℃に低下させ、焼成前内部電極層に含まれる導電材にAg−Pd合金を用いたり、Niなどの安価な卑金属を用いたものが広く知られている(特許文献1)。
しかしながら、焼成前内部電極層に含まれる導電材にNiを用いた場合を例示すると、焼成前内部電極層の厚みを薄くしていくと、還元雰囲気での焼成中に、導電材に含まれるNi粒子は焼結により球状化し、隣接するNi粒子同士が連結し、凝集するため、焼成前内部電極層の厚みを薄くすることには限界があった。また、Ni粉自体の粒径に限界があるため、厚みを薄くすることには限界があった。
また、焼成前内部電極層を薄膜化するために、金属レジネートを用いた電極層の製造方法が提案されている(特許文献2,3,4)。
しかしながら、金属レジネートは有機成分が多いために、焼成工程において脱バインダすることが困難である。また、脱バインダする際に、体積変化が大きく、層間剥離等を引き起こし、電子部品の特性を悪化させてしまうことがある。さらにまた、金属レジネートは高価であり、積層セラミック電子部品がコスト高になってしまうという問題がある。
特許第3944495号 公報 特開2005−79504号 公報 特開平7−14420号 公報 特開平7−176448号 公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、積層セラミック電子部品の内部電極を形成するために用いられ、従来の内部電極層よりも、はるかに薄い内部電極層を形成することができる導電性ペーストを提供することである。また、本発明の別の目的は、このような導電性ペーストを用いて製造される金属膜の製造方法と、積層セラミック電子部品の製造方法と、を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る導電性ペーストは、水溶性金属塩と、有機溶媒と、有機バインダと、水とを含み、前記水に溶けた前記水溶性金属塩が、W/Oエマルジョンの形態で前記有機溶媒中に分散していることを特徴とする。
好ましくは、前記水溶性金属塩は、Ni塩である。
好ましくは、前記有機バインダは、前記有機溶媒に可溶である。
好ましくは、前記W/Oエマルジョンの含有割合は、導電性ペースト100重量%に対して、20重量%以下、さらに好ましくは、12〜18重量%の範囲である。
好ましくは、前記有機溶媒の体積は、前記水の体積よりも大きい。
好ましくは、(有機溶媒+有機バインダ)/(水+水溶性金属塩)の重量比は、4%以上、さらに好ましくは、4〜49%の範囲である。
本発明に係る金属膜の製造方法は、上記のいずれかに記載の導電性ペーストを用いて、還元性雰囲気中で、かつ、水分を含む雰囲気中で加熱する工程を有することを特徴とする。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシートと、上記のいずれかに記載の導電性ペーストを用いて所定パターンで形成される内部電極層とを、交互に複数重ねたグリーンセラミック積層体を焼成することを特徴とする。
好ましくは、前記導電性ペーストを、前記セラミックグリーンシートに塗布し、乾燥してグリーンセラミック積層体を得る。
本発明に係る導電性ペーストを用いて金属膜を形成することで、極薄の内部電極層を形成することができる。本発明によれば、内部電極層を形成するための導電性ペーストに水溶性金属塩(たとえば、Ni塩)を用い、導電材としてNi粒子を用いないことから、内部電極層の厚みの限界がNi粒子径にとらわれることがなくなる。つまり、Niイオンを還元し、Niを析出させて膜を形成するために、金属膜(内部電極層)の厚みを極薄にすることができる。また、Ni粒子を使用しないので、Ni粒子の凝集が発生せず、導電性ペーストの作製が容易であり、Ni粒子を用いた導電性ペーストよりも安価に導電性ペーストを作製することができる。さらにまた、金属レジネートを用いた導電性ペーストに比べ、有機成分が少ないために容易に脱バインダすることができるので、容易に積層セラミック電子部品を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図を示す。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。まず、本発明に係る積層セラミック電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサを例示して説明する。
積層セラミックコンデンサ
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素体10を有する。このコンデンサ素体10の両側端部には、素体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4,4が形成してある。内部電極層3は、各側端面がコンデンサ素体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4,4は、コンデンサ素体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
コンデンサ素体10の外形や寸法には特に制限はなく、用途に応じて適宜設定することができ、通常、外形はほぼ直方体形状とし、寸法は通常、縦(0.2〜5.7mm)×横(0.1〜5.0mm)×高さ(0.1〜5.0mm)程度とすることができる。
誘電体層2は、後述するセラミックグリーンシートを焼成して形成され、その材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。誘電体層2の厚みは、本実施形態では、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下に薄層化されている。
内部電極層3は、後述する所定パターンの導電性ペーストを焼成して形成される。内部電極層3の厚さは、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.7μm以下に薄層化されている。
外部電極4の材質は、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。外部電極4の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の製造方法の一例を説明する。まず、焼成後に図1に示す誘電体層2を構成することになるセラミックグリーンシートを製造するために、誘電体ペーストを準備する。
誘電体ペーストの作製
まず、セラミックグリーンシートを形成するための誘電体ペーストを作製した。BaTiO系セラミック粉末と、有機バインダとしてのポリビニルブチラール樹脂(PVB)(重合度:800)と、溶剤としてのプロピルアルコール、キシレン、メチルエチルケトン、2−ブトキシエチルアルコール、可塑剤としてのフタル酸ジオクチルを準備した。次に、セラミック粉末100重量部に対して、6重量部のPVBと、150重量部の溶剤と、可塑剤をそれぞれ秤量し、直径2mmのジルコニアボールとともにボールミルで21時間混練し、スラリー化して誘電体ペーストを得た。なお、可塑剤は、ポリビニルブチラール100重量部に対して50重量部添加した。
セラミックグリーンシートの形成
そして、支持体としてのPETフィルムの離型処理された面上に、誘電体ペーストをドクターブレード等の方法により、所定厚みで塗布し、乾燥することで、グリーンシートを作製した。グリーンシートの厚みは、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは0.5〜5μm程度である。
導電性ペーストの作製
次いで、内部電極層3を形成するための導電性ペーストを作製した。導電性ペーストは、水溶性金属塩と、有機溶媒と、有機バインダと、水とを含有する。
水溶性金属塩としては、特に限定されないが、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ギ酸塩などが挙げられ、これらの中でもギ酸塩あるいは酢酸塩が好ましい。金属成分としてはNiが好ましい。また、脱バインダ工程での積層セラミック電子部品の収縮を抑えることができるという観点からNi含有量が相対的に高い、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケルがさらに好ましい。
このような水溶性金属塩は、導電性ペースト中に、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%含まれる。
有機溶媒は、特に限定はされないが、好ましくはターピニルアセテートを主成分とする。全有機溶媒中のターピニルアセテートの含有量は、95重量%以上であることが好ましく、より好ましくは100重量%である。微量であるが、ターピニルアセテートと組み合わせて用いることが可能な溶媒としては、α−ターピニルアセテート、イソボニルアセテート、イソボニルプロピオネート、イソボニルブチレート、イソボニルイソブチレート、ジヒドロターピニルアセテート、ジヒドロターピニルメチルエーテル、ターピネオール、ブチルカルビトールなどがある。
有機溶媒は、導電性ペースト中に、水溶性金属塩100重量部に対して、好ましくは1000〜100000重量部、より好ましくは5000〜10000重量部で含まれる。有機溶媒量が少なすぎるとペースト粘度が高くなりすぎ、多すぎるとペースト粘度が低くなりすぎる不都合がある。
有機バインダは、特に限定はされないが、好ましくはエチルセルロースを主成分とする。有機バインダ中のエチルセルロースの含有量は、95重量%以上であることが好ましく、より好ましくは100重量%である。ごく微量ではあるが、エチルセルロースと組み合わせて用いることが可能な樹脂としては、ポリビニルブチラールやアクリル樹脂などがある。
有機バインダは、導電性ペースト中に、水溶性金属塩100重量部に対して、好ましくは1000〜10000重量部で含まれる。バインダ量が少なすぎると、印刷後の皮膜強度が低下する傾向にあり、多すぎると、焼成前の電極パターン中の金属塩の比率が低下し、焼成後に形成される内部電極の平滑性を維持することができない。また、ごく微量ではあるが、有機溶媒及び有機バインダとともに含有させることが可能なものとしては、可塑剤、レベリング剤などがある。
また、有機バインダは有機溶媒に可溶であることが好ましい。そして、水に溶けた水溶性金属塩が有機溶媒中に分散し、W/Oエマルジョンとなることが好ましい。W/Oエマルジョンの含有割合は、導電性ペースト100重量%に対して、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは12〜18重量%の範囲である。有機溶媒の体積は水の体積よりも大きいことが好ましい。
また、(有機溶媒+有機バインダ)/(水+水溶性金属塩)の重量比は、好ましくは4%以上であり、より好ましくは4〜49%の範囲である。
導電性ペースト中には、接着性の改善のために、可塑剤が含まれてもよい。可塑剤としては、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。本実施形態では、好ましくは、アジピン酸ジオクチル(DOA)、フタル酸ブチルブチレングリコール(BPBG)、フタル酸ジドデシル(DDP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ベンジルブチル(BBP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、セバシン酸ジブチルなどが用いられる。中でも、フタル酸ジオクチル(DOP)が特に好ましい。可塑剤は、有機バインダ100重量部に対して、好ましくは25〜150重量部、より好ましくは25〜100重量部で含有される。可塑剤の添加により、そのペーストを用いて形成される電極層の接着力は高まり、電極層とグリーンシートとの接着力が向上する。このような効果を得るためには、可塑剤の添加量は、25重量部以上が好ましい。
また、W/Oエマルジョンを安定化させるために、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤を添加しても良い。
導電性ペーストの粘度は、BROOKFIELD社製 VISCMETR HBDVI+を用いてスピンドル(SC4−14)/チャンバー(6R)、液温25℃、ズリ速度4S−1の条件で測定した場合に、好ましくは1〜20Pa・s、より好ましくは3〜15Pa・sである。粘度が低すぎるとにじみ、高すぎるとパターン欠けやメッシュ跡が残るという不都合がある。
本実施形態の導電性ペーストは、有機溶媒としてターピニルアセテートを含むので、経時的粘度変化が少ない。具体的には、調整時の粘度V0と、静置1日後の粘度V1と、静置7日後の粘度V7と、静置30日後の粘度V30とを、それぞれ測定したときの粘度変化率が極めて小さく、経時的粘度変化が抑制されている。
導電性ペーストは、上記各成分を、ボールミルなどで混練し、スラリー化することにより得ることができる。
電極層の形成
次に、キャリアシート上に形成されたセラミックグリーンシートの表面に、焼成後に図1に示す内部電極層3となる所定パターンの電極層(内部電極パターン)を導電性ペーストを用いて形成する。
電極層の厚さは、0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.3μmである。電極層の厚さが厚すぎると、積層数を減少せざるをえなくなり取得容量が少なくなり、高容量化しにくくなる。一方、厚みが薄すぎると均一に形成することが困難であり、電極途切れが発生しやすくなる。
電極層の厚さは、現状の技術では前記範囲の程度であるが、電極の途切れが生じない範囲で薄い方がより望ましい。
電極層の形成方法は、層を均一に形成できる方法であれば特に限定されないが、本実施形態では、導電性ペーストを用いたスクリーン印刷法が用いられる。
グリーンチップの作製、焼成など
次に、以上のような、所定パターンの内部電極パターンが表面に形成されたグリーンシートを複数積層して、グリーンチップを作製し、脱バインダ工程、焼成工程、必要に応じて行われるアニール工程を経て形成された、焼結体で構成されるコンデンサ素体10に、外部電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部電極4,4を形成して、積層セラミックコンデンサ1が製造される。グリーンチップの焼成工程は、還元性雰囲気中で、かつ、水分を含む雰囲気中で熱処理により行われる。
本実施形態の作用効果
本実施形態では、導電性ペーストに水溶性金属塩と、有機溶媒と、有機バインダと、水とを含む。このため、導電材としてNi粒子を用いた導電性ペーストに比べ、はるかに薄い内部電極層を形成することができる。また、金属レジネートを用いる場合に比べ、容易に、安価で高機能な内部電極層を形成することができる。
以上より、本実施形態の導電性ペーストは、最終物たる電子部品の小型化・高容量化に極めて有益である。
その他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、多層セラミック基板などにも適用できることは勿論である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
導電性ペーストの作製
まず、イオン交換水100gに、酢酸ニッケル四水和物4.8gを溶かし、第1液を作製した。次に、有機溶媒としてターピニルアセテート300gに、有機バインダとしてエチルセルロース100gを溶かし、BROOKFIELD社製 VISCMETR HBDVI+を用いてスピンドル(SC4−14)/チャンバー(6R)、液温25℃、ズリ速度4S−1の条件で測定した場合に、粘度が1〜20Pa・sとなる第2液を400g作製した。
第2液を撹拌しながら、マイクロピペットを用いて0.2μl/sにて第1液を第2液に滴下した。その後、微小メディアを用いたメディアミルにより2時間撹拌し、W/Oエマルジョンである導電性ペーストを作製した。
誘電体ペーストの作製
BaTiO系セラミック粉末と、有機バインダとしてのポリビニルブチラール(PVB)と、溶媒としてのメタノールを準備した。次に、セラミック粉末に対して、10重量%の有機バインダと、150重量%の溶媒とをそれぞれ秤量し、ボールミルで混練し、スラリー化して誘電体ペーストを得た。
金属膜の形成
PETフィルム上に上記誘電体ペーストをドクターブレード法によって、所定厚みで塗布し、乾燥することで、厚みが1μmのセラミックグリーンシートを形成した。次に、セラミックグリーンシート上に、導電性ペーストの付着量が0.4mg/cmになるように製版にて透過体積を調整し、スクリーン印刷法によって約0.2μm厚の導電性ペースト膜を形成した。
導電性ペースト膜を、水素濃度3%、露点30℃の雰囲気下において熱処理(800℃、10min)を行うことにより、金属膜を形成した。
得られた金属膜は、連続性を有し、金属膜の比抵抗測定を行うと、6.9×10−5Ω・cmであり、Niの理論値とほぼ同じであった。
以上のことから、ほぼ欠陥のない金属膜が形成されており、SEMにて膜断面の測長を行ったところ、金属膜の厚みは約100nmであり、極薄の金属膜を形成できることが確認できた。
一般に、NiやCuなどの卑金属を内部電極とする積層セラミック電子部品では金属の酸化を抑制するため還元焼成が用いられている。このため、本発明に係る導電性ペーストを用いて金属膜を形成することで、極薄の内部電極層を形成することができる。本発明によれば、内部電極層を形成するための導電性ペーストに水溶性金属塩(たとえば、Ni塩)を用い、導電材としてNi粒子を用いないことから、内部電極層の厚みの限界がNi粒子径にとらわれることがなくなる。つまり、Niイオンを還元し、Niを析出させて膜を形成するために、金属膜(内部電極層)の厚みを極薄にすることができる。また、Ni粒子を使用しないので、Ni粒子の凝集が発生せず、導電性ペーストの作製が容易であり、Ni粒子を用いた導電性ペーストよりも安価に導電性ペーストを作製することができる。さらにまた、金属レジネートに比べ、有機成分が少ないために容易に脱バインダすることができるので、容易に積層セラミック電子部品を製造することができる。
また、本発明の導電性ペーストに、水溶性金属塩としてNi塩とともに、それ以外の水溶性金属塩を用いることで、より均質な合金膜を形成することもできる。
上記実施例では、100nmの厚みの金属膜を形成することができたが、第1液の金属イオン濃度を変化させることにより、任意の厚みの金属膜を形成することができるのは言うまでもない。
1… 積層セラミックコンデンサ
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極
10…コンデンサ素体

Claims (9)

  1. 水溶性金属塩と、有機溶媒と、有機バインダと、水とを含み、
    前記水に溶けた前記水溶性金属塩が、W/Oエマルジョンの形態で前記有機溶媒中に分散している導電性ペースト。
  2. 前記水溶性金属塩は、Ni塩である請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記有機バインダは、前記有機溶媒に可溶である請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記W/Oエマルジョンの含有割合は、導電性ペースト100重量%に対して、20重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペースト。
  5. 前記有機溶媒の体積は、前記水の体積よりも大きい請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. (有機溶媒+有機バインダ)/(水+水溶性金属塩)の重量比は、4%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ペースト。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペーストを用いて、還元性雰囲気中で、かつ、水分を含む雰囲気中で加熱する工程を有する金属膜の製造方法。
  8. セラミックグリーンシートと、請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペーストを用いて所定パターンで形成される内部電極層とを、交互に複数重ねたグリーンセラミック積層体を焼成する積層セラミック電子部品の製造方法。
  9. 前記導電性ペーストを、前記セラミックグリーンシートに塗布し、乾燥してグリーンセラミック積層体を得る請求項8に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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