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導電性ペーストおよびそれを用いた多層セラミック電子部品の製造方法

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JP3102454B2

Japan

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English
Inventor
清美 佐々木
Current Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd

Worldwide applications
1993 JP

Application JP16557193A events
First worldwide family litigation filed
2000-10-23
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Expired - Lifetime

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚膜用の導電性ペース
トおよびこれを導電体として用いた積層セラミックコン
デンサ等の多層セラミック電子部品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化にともない、その電子
機器に使用される積層セラミックコンデンサ、多層セラ
ミック基板等のセラミックグリーンシートと導電性ペー
スト層を同時焼成して得られる多層セラミック電子部品
においても、薄層化、高密度化等により、小型化が進め
られている。
【0003】これら多層セラミック電子部品は通常、ド
クターブレード法等で得たセラミックグリーンシートに
導電性ペーストをスクリーン印刷等により印刷し積層し
た後、この積層したセラミックグリーンシートと導電性
ペースト層を同時に焼成して得られる。また、このスク
リーン印刷用の導電性ペーストとしては、金属粉末等の
導電性材料をエチルセルロース樹脂やアルキッド樹脂等
のバインダーおよび溶剤を含有する有機ビヒクルに分散
させたものが用いられる。
【0004】従来、この導電性ペーストの溶剤として
は、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオール、
ケロシン等の溶剤が使用されていた(例えば、特開平2
−5591)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の厚
膜用の導電性ペーストにおいては、エチルセルロース樹
脂やアルキッド樹脂等のバインダー成分をブチルカルビ
トールアセテート、テルピネオールあるいはケロシン等
の溶剤に溶解した有機ビヒクル中に金属粉末等の一定量
の導電性材料を分散させている。また、この厚膜用の導
電性ペーストの粘度は、ペースト中のバインダー成分の
量等を増減させて、スクリーン印刷に適した粘度に調整
している。
【0006】ところが、ペースト中のバインダー成分が
多いと、例えば積層セラミックコンデンサの製造過程に
おいて、特に最近のように薄層化して積層枚数が多くな
ると、焼成時のバインダー成分の蒸発、熱分解、酸化分
解等が不十分となり、残留する炭素量が増加し、積層し
たセラミックグリーンシートと導電性ペースト層の間に
焼成時にデラミネーションが生じやすかった。また、デ
ラミネーションに至らないまでも、残留炭素により絶縁
抵抗等のコンデンサの電気的特性が劣化する原因にもな
った。
【0007】また、バインダー成分の多い導電性ペース
トは、チクソトロピー性が増すため、スクリーン印刷後
の印刷面のレベリンング性が悪く、印刷パターンの端部
が盛り上がり、厚みを薄く均一に形成できなくなり、厚
みの厚い部分で同様にデラミネーションが生じやすくな
るという問題点を有していた。
【0008】そこで、本発明の目的は、厚膜用の導電性
ペーストにおいて、セラミックグリーンシートと同時焼
成したときのデラミネーションや、多層セラミック電子
部品としたときの残留炭素による電気的特性の劣化のお
こりにくい厚膜用の導電性ペーストを提供すると共に、
その厚膜用の導電性ペーストを用いた多層セラミック電
子部品の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の導電性ペーストは、セラミックグリーンシ
ート上に印刷して同時焼成する導電性ペーストにおい
て、溶剤成分として水素添加テルピネオールを含有する
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明の多層セラミック電子部品の
製造方法は、セラミックグリーンシート上に、溶剤成分
として水素添加テルピネオールを含有する導電性ペース
トを印刷し、該セラミックグリーンシートを複数枚積層
し、焼成することを特徴とする。
【0011】なお、導電性ペースト中の溶剤以外の成分
は、公知の材料を使用する。即ち、導電性材料として
は、同時焼成するセラミックグリーンシートの焼成温度
および雰囲気に耐えるものであれば良いが、積層セラミ
ックコンデンサ用としては、Pd,Ag,Au,Pt,
Ni,Cu等の単体あるいはこれらの混合物、合金の粉
末を用いることができる。また、多層セラミック基板用
としてはAg,Pd,Cu等の単体あるいはこれらの混
合物、合金の粉末を用いることができる。バインダーと
してはエチルセルロース樹脂、アルキド樹脂等に必要に
応じて可塑剤、分散剤等を添加して、単体あるいは混合
して用いることができる。
【0012】そして、多層セラミック電子部品として
は、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダ
クタ、積層セラミックLC部品、多層セラミック基板等
があり、これらは、本発明の導電性ペーストを用いて、
公知の製造方法で得ることができる。すなわち、例えば
ドクターブレード法等で得たセラミックグリーンシート
にスクリーン印刷法等により本発明の導電性ペーストを
塗布し導電性ペースト層を形成する。次に、所望の構造
になるように必要枚数積層して圧着し積層体とする。そ
の後、このこのセラミックグリーンシートと導電性ペー
スト層の積層体を同時焼成して積層セラミックを得た
後、外部電極を塗布し焼き付ける等の加工をして多層セ
ラミック電子部品を得る。
【0013】
【作用】本発明の導電性ペーストは、溶剤として水素添
加テルピネオールを用いる。これにより、従来ブチルカ
ルビトールアセテート、テルピネオールあるいはケロシ
ン等の溶剤を用いていた場合と比較して、少ないバイン
ダー量で均一な印刷膜厚が得られる導電性ペーストとす
ることができる。即ち、バインダー成分の比率の少ない
印刷特性の良好な導電性ペーストを得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を、積層セラミックコ
ンデンサを製造する場合について説明する。まず、エチ
ルセルロース樹脂とアルキッド樹脂からなるバインダー
を、水素添加テルピネオールに1〜20重量%溶解し
て、導電性ペースト用の有機ビヒクルを用意した。同様
に、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールお
よびケロシンの各溶剤についても、エチルセルロースと
アルキッド樹脂からなる1〜20重量%のバインダーを
溶解して、導電性ペースト用の有機ビヒクルを用意し、
比較例とした。表1に用意した有機ビヒクルそれぞれの
組成を示す。次に、Pd粉末に先に用意した有機ビヒク
ルをそれぞれ40重量%添加し、三本ロールで混練して
それぞれPdペーストとした。
【0015】一方、BaTiO3 系セラミック原料粉末
にポリビニールブチラールの有機バインダーおよびトル
エンの有機溶剤を加え混練してスラリーを得た。続い
て、このスラリーをドクターブレード法によりシート状
に成形して、厚さ30μmのセラミックグリーンシート
を作製した。
【0016】その後、グリーンシートの一面に先に準備
した各Pdペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、乾
燥させ導電性ペースト層を形成した。ここで、この導電
性ペースト層の厚み形状を、接触式表面あらさ計で測定
して確認した。次に、導電性ペースト層を有する所定枚
数のセラミックグリーンシートを容量電極を形成するよ
うに積み重ねた後、導電性ペースト層を有しないセラミ
ックグリーンシートに挟んで圧着して、積層体とした。
その後、この積層体のセラミックグリーンシートおよび
導電性ペースト中のバインダー成分を熱処理して除去し
た後、さらに昇温して積層誘電体セラミックの焼結体を
得た。そして最後に、この積層誘電体セラミックの内部
の容量電極が露出している焼結体の端面にAgペースト
を塗布し、焼き付けて外部電極を形成して、積層セラミ
ックコンデンサを完成させた。
【0017】次に、これらの積層セラミックコンデンサ
を内部の容量電極に垂直な面で切断・研磨して、内部の
容量電極とセラミック誘電体層との間のデラミネーショ
ンの有無を実体顕微鏡で確認した。
【0018】表1に有機ビヒクルの組成とともに、その
結果を示す。表1において、導電性ペースト層の形状の
欄の○印は、導電性ペーストのレベリング性が良く、印
刷された導電性ペースト層の厚み形状が印刷パターン内
の一縁端部から他の縁端部まで直線状をしており、ほぼ
均一な膜厚であったものを示す。×印は、導電性ペース
トの粘度が高くチクソトロピー性が増して印刷面のレベ
リンング性が悪いため、導電性ペースト層の厚み形状が
印刷パターン内の縁端部で盛り上がり、不均一な膜厚で
あったものを示す。△印は、導電性ペーストの粘度が低
く、滲んでスクリーン印刷できなかったものを示す。ま
た、デラミネーションの欄の数字は[デラミネーション
が認められた試料数/総供試数]を示し、△印は、電極
形状の欄の△印と同一である。
【0019】表1より明らかな通り、本発明の水素添加
テルピネオールを有機ビヒクルの溶剤として用いた導電
性ペーストは、従来のブチルカルビトールアセテート、
テルピネオールあるいはケロシンの溶剤を用いていた場
合と比較して、少ないバインダー量で均一な印刷厚み形
状が得られている。即ち均一な印刷厚み形状を得るため
には、従来のブチルカルビトールアセテート、テルピネ
オールあるいはケロシンを溶剤とした場合には、5〜1
0%のバインダーを添加する必要があったのに対し、水
素添加テルピネオールの場合には、1〜5%のバインダ
ー量で十分である。このため、得られた積層誘電体セラ
ミックのデラミネーションの発生率が、(10〜20)
/20から(0〜2)/20へと大幅に減少している。
【0020】なお、以上実施例において、積層セラミッ
クコンデンサを製造する場合について説明したが、他の
積層セラミックインダクタ、積層セラミックLC部品、
多層セラミック基板等の同様の積層構造を取る多層セラ
ミック電子部品を製造する場合にも、同様の効果が得ら
れることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
導電性ペーストは、従来より少ないバインダー量で均一
な印刷膜厚が得られる。従って、積層セラミックコンデ
ンサ等のセラミックグリーンシートと導電性ペースト層
を同時焼成して得られる多層セラミック電子部品のデラ
ミネーションを防止することができる。
【0022】また、導電性ペースト中のバインダー量が
少ない分、同時焼成して得られる多層セラミック電子部
品に残留する炭素量が少なくなり、電気的特性の劣化を
防止することができる。
【0023】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/16 H01G 4/12 H05K 1/09,3/46

Claims (2)
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    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックグリーンシート上に印刷して
    同時焼成する導電性ペーストにおいて、溶剤成分として
    水素添加テルピネオールを含有することを特徴とする導
    電性ペースト。
  2. 【請求項2】 セラミックグリーンシート上に、溶剤成
    分として水素添加テルピネオールを含有する導電性ペー
    ストを印刷し、該セラミックグリーンシートを複数枚積
    層し、焼成することを特徴とする多層セラミック電子部
    品の製造方法。