JP2000049031A - コンデンサの電極組成物及びそれを用いた電極ペースト - Google Patents

コンデンサの電極組成物及びそれを用いた電極ペースト

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JP2000049031A
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dielectric
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Yohachi Yamashita
洋八 山下
Hideyuki Kanai
秀之 金井
Taisei Shoji
大成 東海林
Yuichi Nakano
裕一 仲野
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Nippon Chemi Con Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体を薄層化しても、絶縁抵抗、耐圧等の
電気的特性に優れた信頼性の高い積層焼結体を得ること
ができる電極組成物及びそれを用いた電極ペーストを提
供する。 【解決手段】 ニッケルを主成分とし、これに5価ある
いは6価の遷移金属元素、すなわち、Nb,Ta,V,
Mo,Wのうち少なくとも1種類以上を0.5〜5wt
%添加し、平均粒径を0.2〜1.0μmとした合金粉
末によって電極組成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ用の電
極組成物及びそれを用いた電極ペーストに関するもので
あり、特に、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸ネオジウム及びチタンジルコン酸鉛などの
チタン酸塩からなる誘電体の上部電極や下部電極に適し
た、Ni系の合金金属を含む電極組成物、及びそれを用
いた電極ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品の小型高性能化、低コスト化の
要求が高まるにつれて、積層セラミックコンデンサ(M
LC)もますます小型化、多層化、卑金属化が進展して
おり、積層数が200層を超えるものも現れ、誘電体の
厚みも5μm以下のものが製造されつつある。
【0003】このような積層セラミックコンデンサは、
複数の誘電体セラミックス層と、各誘電体セラミックス
層間に形成され、前記誘電体セラミックス層の両端面に
導出される内部電極と、前記内部電極と接続された外部
電極とから構成されている。
【0004】また、前記積層セラミックコンデンサは、
通常、以下のようにして製造されている。すなわち、チ
タン酸バリウム(BaTiO3 )等の誘電体粉末とポリ
ビニールブチラール等の有機バインダーを混合してスラ
リー状にし、ドクターブレード法等によってグリーンシ
ートを作成し、このグリーンシートの表面に内部電極と
なる金属粉末を含有する電極ペーストをスクリーン印刷
法等によって印刷し、積層、圧着後、空気中で1300
〜1400℃の温度で焼成する。得られた焼結体の両端
面に、前記内部電極と導通する外部電極を塗布、焼き付
けて、積層セラミックコンデンサが得られる。
【0005】なお、前記内部電極用金属ペーストは、平
均粒径が0.2〜1.0μmの純粋(>99.8%)の
ニッケルの微粉末からなる金属粉末、セルロース系ある
いはアクリル系樹脂からなる有機バインダー、及びター
ピネオール、トリメチルベンゼン等からなる溶剤などか
ら構成され、3本ロールミルによって混練し、混合分散
することにより製造される。
【0006】また、通常は、グリーンシートの表面に内
部電極用の電極ペーストを印刷し、積層、圧着して得ら
れるグリーンチップについて、空気中で250〜350
℃で脱脂を行い、その後に、10-8atm〜10-12
tmの雰囲気中、1200〜1300℃の温度で数時間
焼成し、さらに、その後に600〜1100℃の10-2
atmから10-6atmの雰囲気で熱処理を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなニッケルの微粉末を主成分とした従来の電極組
成物及びそれを用いた電極ペーストには、以下に述べる
ような問題点があった。すなわち、上述したように、3
〜10μm厚みのグリーンシートに用いられるバインダ
ーとしては、その強度を保持するためにポリビニールブ
チラール(PVB)樹脂などが広く用いられているが、
還元雰囲気で焼成する積層セラミックコンデンサでは、
脱脂時に、これらの有機物バインダーをなるべく多く分
解飛散させ、焼成時には残留有機物を除去しておくこと
が重要であることが指摘されている。そして、これらの
有機物を完全に分解させるためには、空気中において、
350℃〜450℃程度で数時間の脱脂が必要とされて
いる。
【0008】しかしながら、積層セラミックコンデンサ
の内部電極材料として、従来から一般的に用いられてい
る平均粒径が0.2〜0.5μmのNi電極材料を用い
た場合に、大気中において350℃程度で脱脂を行う
と、内部電極を構成するNiが一部酸化してNiOとな
るために、体積膨張が起こり、グリーンチップにクラッ
クを生じてしまうという欠点があった。また、これを防
ぐためには、N2 雰囲気中で長時間をかけて脱脂する必
要があり、製造工程が長くなり、工程管理が困難になる
という欠点があった。
【0009】また、従来のように、純粋(>99.8
%)のNi粉を用いて、誘電体の厚さが5μm以下の積
層セラミックコンデンサを作製すると、その耐圧や信頼
性が大幅に低下する現象が見られた。なお、この現象
は、サイズが30mm3 を越えるような大型の積層セラ
ミックコンデンサにおいて特に顕著であった。
【0010】このような現象は、焼成時のNi金属と誘
電体の焼結曲線が乖離しているために起こると推察され
ている。すなわち、内部電極に用いられる平均粒径が
0.5μm以下の従来のNi粉は、900℃近辺ですで
に焼結が開始し、1150℃でほぼ完全に焼結してしま
う。一方、誘電体に用いられるチタン酸塩においては、
1000℃程度から焼結が始まり、1250℃〜135
0℃付近で焼結が完了するため、Ni粉とチタン酸塩の
収縮曲線が大幅に異なり、デラミネーションやクラック
の原因となると考えられる。
【0011】また、大型サイズの積層セラミックコンデ
ンサで、誘電体の厚みが5μm以下になると、容量のエ
ージングレートが極端に増大する傾向が見られるが、こ
れは、内部電極のNiが焼成中に一部酸化されてNiO
となり、誘電体と反応してNiOが多量に添加された誘
電体層を電極近傍に形成してしまうためであると考えら
れている。
【0012】これらの欠陥以外にも、特に、5.0×
5.7×2.0mmサイズで、厚さが5μm以下の誘電
体層を有するような大型の積層セラミックコンデンサを
製造する場合には、絶縁耐圧が200V以下、すなわち
40V/μm以下に低下したり、容量抵抗積CR値が5
00ΩF以下に低下するという問題点が存在した。
【0013】これらの問題を解決するために、これまで
にも特開昭64−80007号に示されているように、
単純に炭化物粉末を添加したり、希土類元素を添加した
りする方法が提案されているが、大型の積層セラミック
コンデンサを薄層化した時の信頼性については充分では
なかった。
【0014】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解消するために提案されたものであり、その目的
は、誘電体を薄層化しても、絶縁抵抗、耐圧等の電気的
特性に優れた信頼性の高い積層焼結体を得ることができ
る電極組成物、及びそれを用いた電極ペーストを提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、電極材料とし
て、主成分がニッケル(Ni)からなり、5価あるいは
6価の遷移金属元素、すなわちニオブ(Nb),タンタ
ル(Ta)、バナジウム(V),モリブデン(Mo),
タングステン(W)の少なくとも1種類を0.5〜5w
t%添加した合金電極材料を用いることにより、従来の
課題を解決できることを見出した。
【0016】なお、本発明において、Niに添加する添
加物の量を0.5wt%以上としたのは、0.5wt%
以下では、金属Niの酸化速度や焼結速度を遅らせる効
果がほとんどなく、また薄層化した時の耐圧や絶縁抵抗
を向上させ、エージングレートを低下させる効果もほと
んど見られないためである。一方、5wt%以上では、
合金金属の抵抗が増大し、積層セラミックコンデンサの
等価直列抵抗が増大するためである。
【0017】また、本発明の電極組成物は、平均粒径D
50が0.2〜1.0μmであることが必要であり、さ
らに好ましくは0.3〜0.5μmであることが望まし
い。なお、平均粒径D50とは、電子顕微鏡写真を画像
解析して求めた個数基準の粒度分布における50%粒子
径である。
【0018】また、上記電極組成物を電極ペーストにす
る場合は、適当な樹脂(例えば、エチルセルロース等の
セルロース系樹脂やアクリル系樹脂)とターピネオール
などの有機溶剤とを混合して、Ni合金粉末の固形分が
40〜60wt%となるように均一に分散させることが
望ましい。さらに好ましくは、Ni合金粉末の固形分は
45〜55wt%であることが望ましい。
【0019】なお、これらの電極ペーストは、通常のス
クリーン印刷法やグラビア印刷法によって、誘電体グリ
ーンシートへ塗布することができる。また、薄膜コンデ
ンサの上部電極や下部電極に用いる場合には、スパッタ
リングや蒸着法により形成することもできる。
【0020】また、本発明の電極組成の微粒子は、一般
的に良く知られた溶液から作製する液相法や気相法によ
り作製することができる。これらの詳細な製造方法は、
例えば、特開平1−136910号や特開平8−246
001号に記載されているものとほぼ同様である。しか
しながら、粒径の揃ったNi合金金属を作製するために
は、塩化ニッケル蒸気の気相水素還元方法により製造さ
れるのが望ましい。
【0021】これらの合金粉末においては、熱的に安定
な酸化膜がNiの表面に形成されるために、400℃程
度の空気中でも体積増加が起きにくいことが特徴であ
る。また、その焼結特性がチタン酸塩とより近いため
に、焼成時のストレスが生じにくいのが特徴である。
【0022】また、チタン酸塩との同時焼成時に、電極
近傍の5〜6価の元素濃度を誘電体組成中央部よりも高
い濃度にすることができるので、Ni電極の一部が酸化
してできたNiO(2価)の過剰な酸素欠陥を有効に補
償することができるようになる。このため、酸化ニッケ
ルの誘電体中への拡散により生じる絶縁抵抗、耐電圧及
び信頼性の低下、さらにエージングレートの増加などの
これまでの問題点を有効に解決することができる。その
結果、誘電体の厚さが5μm以下の大型サイズの積層セ
ラミックコンデンサを作製した場合でも、高い信頼性や
耐圧を保持することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例1〜15及び比較例1
〜5を用いて説明する。なお、実施例及び比較例におい
て、内部電極に用いられる電極組成物の組成が異なる以
外は、同一の条件で試料を作成した。
【0024】[1.合金粉末の調製]実施例及び比較例
の合金粉末は、表1に示した組成に従って、塩化ニッケ
ルに塩化物のモリブデン、タンタル、ニオブ、タングス
テンなどを混合し、水素を用いて1000〜1400℃
で化学反応させることにより、平均粒径が0.4μmの
合金粉末を作製した。
【0025】
【表1】
【0026】[2.電極ペーストの調製]表1に示した
組成を有する実施例1〜15及び比較例1〜5の金属粉
末に、適当量のエチルセルロース、ターピネオールを入
れて3本ロールで混合し、粘性が100回転で10Pa
・sの電極ペーストを作製した。具体的には、実施例1
〜15及び比較例1〜5の各Ni合金粒子100重量部
と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブ
チルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量
部、及びブチルカルビトール10重量部とを3本ロール
により混練し、電極ペーストを調製した。
【0027】[3.積層セラミックコンデンサの調製]
続いて、上記の電極ペーストを用いて、以下のようにし
て積層セラミックコンデンサを作製した。まず、誘電体
組成としてチタン酸バリウム(BaTiO3 )に少量の
MnO,CaO,MgO、アルミノシリケートガラスな
どを含む市販のX7R規格の耐還元性雰囲気対応の誘電
体材料を用いて、下記の誘電体スラリーを調製した。す
なわち、上記誘電体粉末合計1000gに対して、トル
エンとエチルアルコール及びMEK(メチルエチルケト
ン)を300g:200g:250gの割合で入れ、ホ
モジナイザーを用いて分散させた。これらのスラリーを
通常の良く知られている分散方法であるボールミルやア
トリッションミルを用いて20時間分散させた。さら
に、これにポリビニールブチラール(PVB)からなる
樹脂8%と可塑剤1.5%を含む溶液を入れ、スラリー
を作製した。なお、これらのスラリーの粘性は、約10
0mpsに調製した。
【0028】続いて、これらのスラリーをドクターブレ
ード装置を用いて厚さ5μmのグリーンシートに成形
し、このグリーンシートに、上記の方法で調製した電極
ペーストを2μmの厚みに印刷した。具体的には、上記
誘電体スラリーを用いて、PETフィルム上にグリーン
シートを作製し、この上に内部電極層用ペーストを印刷
した。次いで、PETフィルムからシートを剥離して積
層し、80℃で0.5トン/cm2 の静水圧を用いて加
圧接着して、グリーンチップを得た。なお、積層数は1
00層とした。
【0029】次いで、このグリーンチップを所定サイズ
に切断し、ジルコニアセッターに搭載し、脱バインダ処
理を行った。その後に次の条件で焼成及びアニールを連
続的に行ない、コンデンサチップ体を作製した。なお、
脱バインダ処理、焼成及びアニールの条件は、以下の通
りである。また、それぞれの雰囲気ガスの加湿にはウェ
ッターを用いた。 (脱バインダ処理)昇温速度:15℃/時間 保持温度:400℃ 温度保持時間:8時間 雰囲気ガス:空気中 (焼成) 昇温速度:300℃/時間 保持温度:1320℃ 温度保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気ガス:加湿したN2 とH2 との混合ガス 酸素分圧:10-11 atm (アニール) 保持温度:1000℃ 温度保持時間:8時間 昇温、降温速度:500℃/時間 雰囲気ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-6atm
【0030】得られたコンデンサチップ体の端面をバレ
ル処理により研磨した後、平均粒径0.5μmのCu粒
子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹
脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解した
もの)35重量部、及びブチルカルビトール7重量部と
を混練し、ペースト化した外部電極用ペーストを前記端
面に転写し、N2 +H2 雰囲気中で800℃にて10分
間焼成して外部電極を形成し、図1に示すような構成を
有する積層セラミックコンデンサを得た。なお、図にお
いて、1は誘電体層、2は内部電極、3は外部電極であ
る。
【0031】[4.試験結果]このようにして製造した
焼成後の各サンプルのサイズは、5.0×5.7×2.
5mmであり、有効誘電体層の厚さは4μm×100
層、内部電極層の厚さは約1.0〜1.5μmであっ
た。各サンプルの特性を、表2に示す。
【0032】なお、表2に示した各試験項目の内容は以
下の通りである。 (外観検査)脱脂後及び焼成後のクラックの有無を、目
視で各サンプル20個について行い、その不良率を求め
た。 (容量及び誘電損失)20℃における静電容量、誘電損
失を1v、1rmsの条件で測定した。 (絶縁抵抗)素子に10vの電圧を印加し、1分後の漏
れ電流を測定した。その値より絶縁抵抗を測定した。 (耐圧)素子に電圧を印加して、電流が10mA以上流
れた電圧を耐圧とした。測定数は10個であり、その平
均を求めた。
【0033】
【表2】
【0034】表1及び表2から明らかなように、実施例
1〜15において、脱脂後にクラックが生じたのは、実
施例3の20個中1個のみであり、また、焼成後にクラ
ックが生じたのは、1例もなかった。このことから、本
発明のNi合金組成物を用いることにより、400℃で
脱バインダ処理を行ってもクラックが生じにくいことは
明らかである。
【0035】一方、比較例においては、タングステン
(W)を10wt%添加した合金粉末を用いた比較例1
において、脱脂後にはクラックが生じたなかったもの
の、焼成後には20個中2個にクラックが生じた。これ
に対し、タングステン(W)を1wt%添加した合金粉
末を用いた実施例2、及び2wt%添加した合金粉末を
用いた実施例8においては、脱脂後、焼成後ともにクラ
ックが生じたのは1例もなかった。
【0036】また、バナジウム(V)を0.2wt%添
加した合金粉末を用いた比較例2において、脱脂後にク
ラックが生じたのは20個中8個であり、また、焼成後
には20個中2個にクラックが生じた。これに対し、バ
ナジウム(V)を1wt%添加した合金粉末を用いた実
施例4においては、脱脂後、焼成後ともにクラックが生
じたのは1例もなかった。
【0037】これらの結果から、Ni微粉末に添加する
金属の量を適切に調整することによって、脱脂後あるい
は焼成後にクラックが生じる割合を減ずることができる
ことが判明した。また、タングステン(W)のみを添加
した上記比較例1(10wt%添加)と実施例2(1w
t%添加)及び実施例8(2wt%添加)について、そ
の電気的特性を比較すると、表2に示したように、容
量、誘電損失、耐圧及び絶縁抵抗のいずれにおいても、
実施例の方が優れていることは明らかである。
【0038】また、タンタル(Ta)を2wt%添加し
た合金粉末を用いた実施例5と、何も添加していない比
較例5について、容量の経時変化であるエージングレー
トを測定したところ、前者では1.0%であったのに対
して、比較例5では1.9%と大きな差が見られた。こ
のことから、本発明の電極組成物を用いた場合には、エ
ージングレートが小さい積層セラミックコンデンサを得
ることができることが判明した。
【0039】また、表2の結果から、絶縁抵抗について
検討してみると、比較例1〜5においては10〜450
ΩFであるのに対し、実施例1〜15においては300
0〜5200ΩFと飛躍的に向上している。次に、耐圧
について検討してみると、比較例1〜5においては26
〜40v/μmであるのに対し、実施例1〜15におい
ては55〜75v/μmと約2倍となっている。このこ
とから、本発明の電極組成物を用いることにより、厚さ
が4μmレベルの薄い誘電体を用いても、その絶縁抵抗
及び耐圧が優れていることが明らかとなった。
【0040】[5.他の実施形態]上述した実施例にお
いては、積層セラミックコンデンサを用いて本発明の作
用・効果を説明したが、本発明は上記の実施例に限定さ
れるものではなく、誘電体として、チタン酸バリウムや
チタン酸ストロンチウム、チタン酸ネオジウム及びチタ
ンジルコン酸鉛などのチタン酸塩を用いた積層コンデン
サや積層圧電体、薄膜コンデンサ等に適用することがで
きることは言うまでもない。
【0041】また、本発明では、例えば、Ta,Nb,
Mo,W,Vなどを合金としてNi金属に加えることが
より望ましいと述べたが、Ni金属の表面にこれらの添
加物がコーテイングされているような形態や、さらに添
加物の一部がすでにある程度の酸化物になったものを使
用してもほぼ同様な効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
誘電体を薄層化しても、絶縁抵抗、耐圧等の電気的特性
に優れた信頼性の高い積層焼結体を得ることができる電
極組成物及びそれを用いた電極ペーストを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極組成物を用いて作成した積層セラ
ミックコンデンサの一例を示す図
【符号の説明】
1…誘電体層 2…内部電極 3…外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 秀之 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 東海林 大成 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内 (72)発明者 仲野 裕一 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内 Fターム(参考) 5E001 AB03 AC03 AC09 AD03 AE00 AE02 AE03 AF06 AH01 AH05 AJ01 AJ02 5E082 AA01 AB03 BC35 EE04 EE23 EE35 FG06 FG22 FG25 FG26 FG27 FG46 FG52 FG54 GG10 GG11 GG28 JJ03 JJ12 JJ23 MM22 MM24 PP03 PP09 5G301 DA02 DA09 DA10 DA14 DA42 DD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルを主成分とし、これに5価ある
    いは6価の遷移金属元素を添加した合金粉末からなるこ
    とを特徴とする電極組成物。
  2. 【請求項2】 前記遷移金属元素が、Nb,Ta,V,
    Mo,Wのうち少なくとも1種類以上からなることを特
    徴とする請求項1に記載の電極組成物。
  3. 【請求項3】 前記ニッケルの含有量が95〜99.5
    wt%、前記遷移金属元素の含有量が0.5〜5wt%
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    電極組成物。
  4. 【請求項4】 平均粒径が0.2〜1.0μmであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載の電極組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
    載の電極組成物を、所定の分散媒体に40〜60wt%
    添加して形成したことを特徴とする電極ペースト。
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