JP2009013456A - ニッケル合金粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塩化ニッケルガスと、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタルから選ばれる少なくとも一種類の金属塩化物ガスとの混合ガスを、980℃以上1150℃以下で気相水素還元することにより、平均粒径が10nm以上100nm未満のニッケル合金粉末を得ることを特徴とするニッケル合金粉末の製造方法。
【選択図】図1
Description
上記積層セラミックコンデンサの製造工程においては、誘電体グリーンシートに金属ペーストを印刷し、積層および圧着を行った後、加熱処理にて有機成分を蒸発除去するが、この加熱処理は通常大気中で250〜400℃で行われる。このように、酸化雰囲気中で加熱処理が行われると、金属粉末は酸化し、それにより金属粉末の体積が膨張する。また、上記加熱処理による有機成分蒸発除去は還元雰囲気中で行われる場合もあり、この場合は、金属粉末は還元されて収縮する。さらにこの有機成分除去のための加熱処理の後、さらに高温に加熱し焼結するが、この焼結は水素ガス雰囲気等の還元性雰囲気で行う。これにより、金属粉末は体積の収縮が起きる。
(1)粉末表面の活性が向上する。このため、粒径が細かくなると空気中の酸素と反応しやすくなり、ハンドリング等に問題が生じる。また、凝集も発生しやすくなり、ペーストとする際の分散性が悪くなる。
(2)気相還元法で作製する際、粒子同士の連結が発生しやすくなる。
(3)焼結性が良くなる。従って、焼結開始温度がより低くなり、MLCCとした際、デラミネーション発生がしやすくなる。
また、本発明の製造方法によるニッケル合金粉末は、これを内部電極に用いた積層セラミックコンデンサの製造工程において、有機成分を除去するために酸化性雰囲気で加熱処理した際の重量変化が少ない。また、還元性雰囲気で加熱処理した際には、還元開始温度がより高温であり、加熱処理中における急激な重量減少が生じ難い、等の耐還元性に優れるものである。
電子顕微鏡によりニッケル合金粉末の写真を撮影し、その写真から粒子200個の粒径を測定してその平均値を算出した。
電子顕微鏡によりニッケル合金粉末の写真を撮影し、その写真から粒子200個の形状を観察して、連結粒の割合(%)を算出した。
X線回折パターンにて、合金となっているか確認を行った。なお、X線回折測定条件は下記の通りである。
(X線回折測定条件)
回折装置 RAD−1C(株式会社リガク製)
X線管球 Cu
管電圧・管電流 40kV、30mA
スリット DS−SS:1度、RS:0.15mm
モノクロメータ グラファイト
測定間隔 0.002度
計数方法 定時計数法
合金元素の金属元素の分析は高周波誘導プラズマ(ICP)発光分光法にて行った。
ニッケル粉末1g、樟脳3重量%およびアセトン3重量%を混合し、この混合物を、内径5mm、高さ10mmの円柱状金属に充填し、面圧0.17トンの荷重をかけて試験ピースを作製した。この試験ピースの焼結開始温度を、熱膨張収縮挙動測定装置(TMA−8310:株式会社リガク社製)を用いて、弱還元性雰囲気(2%水素−98%窒素混合ガス)の下、昇温速度5℃/分の条件で測定した。
タングステン−ニッケル合金粉末の調製
図1に示すニッケル合金粉末製造装置の塩化炉1A内に、出発原料である平均粒径5mmの金属ニッケルショットM1を充填するとともに、加熱手段11Aで炉内雰囲気温度を1100℃とした。次いで、ノズル12Aから塩化炉1A内に塩素ガスを流速0.85Nl/分にて供給し、金属ニッケルショットM1を塩化して塩化ニッケルガスを発生させ、この後、ノズル13Aから供給した窒素ガスを塩化ニッケルガスに混合した。一方、塩化炉1B内に、出発原料である平均粒径5mmのタングステンショットM2を充填するとともに、加熱手段11Bで炉内雰囲気温度を1100℃とした。次いで、ノズル12Bから塩化炉1B内に塩素ガスを流速0.3Nl/分にて供給し、タングステンショットM2を塩化して塩化タングステンガスを発生させ、この後、ノズル13Bから供給した窒素ガスを塩化タングステンガスに混合した。塩素ガス量は、塩化ニッケルに対し20wt%の塩化タングステンが得られる量である。
モリブデン−ニッケル合金粉末の調製
タングステンをモリブデンに変更し、モリブデンショットへの塩素ガス流量を1.5Nl/分に変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
得られた乾燥ニッケル合金粉末は、XRDにて、ニッケル、モリブデンのピークは観察されず、合金となっていることを確認した。粒径、合金組成、焼結開始温度を表1に示す。
ニオブ−ニッケル合金粉末の調製
タングステンをニオブに変更し、ニオブショットへの塩素ガス流量を1.88Nl/分に変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
得られた乾燥ニッケル合金粉末は、XRDにて、ニッケル、ニオブのピークは観察されず、合金となっていることを確認した。粒径、合金組成、焼結開始温度を表1に示す。
タンタル−ニッケル合金粉末の調製
タングステンをタンタルに変更し、タンタルショットへの塩素ガス流量を1.25Nl/分に変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
得られた乾燥ニッケル合金粉末はXRDにて、タンタル、ニッケルのピークは観察されず、合金となっていることを確認した。粒径、合金組成、焼結開始温度を表1に示す。
11A,11B 加熱手段
12A,12B 塩素ガス供給ノズル
13A,13B 窒素ガス供給ノズル
2 還元炉
21 加熱手段
22 塩化ニッケル移送ノズル
23 水素ガス供給ノズル
24 ノズル
M1 原料のニッケル
M2 原料の金属
P ニッケル合金粉末
Claims (3)
- 塩化ニッケルガスと、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタルから選ばれる少なくとも一種類の金属塩化物ガスとの混合ガスを、980℃以上1150℃以下で気相水素還元することにより、平均粒径が10nm以上100nm未満のニッケル合金粉末を得ることを特徴とするニッケル合金粉末の製造方法。
- 金属ニッケルと塩素ガスを接触させて得られた塩化ニッケルガスと、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタルから選ばれる少なくとも一種類の金属と塩素ガスを接触させて得られた金属塩化物ガスとの混合ガスを気相水素還元することを特徴とする請求項1に記載のニッケル合金粉末の製造方法。
- 上記ニッケル合金粉末は、積層セラミックスコンデンサの内部電極用であることを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル合金粉末の製造方法。
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2007
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