JP5060227B2 - ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電極などに好適に用いることができる金属ニッケル粉末の製造方法に係り、特に、導電ペースト用に用いて優れた特性を発揮することができる金属ニッケル粉末の製造方法に関する。
従来、銀、パラジウム、白金または金などの貴金属粉末、あるいはニッケル、コバルト、鉄、モリブデン、またはタングステンなどの卑金属粉末は、電子材料用の導電ペーストとして、特に積層セラミックコンデンサの内部電極用として用いられている。一般に、積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層と内部電極として使用される金属層とを交互に積層し、誘電体セラミック層の両端に、内部電極の金属層に接続される外部電極が接続された構成となっている。ここで、誘電体層として使用されるセラミックとしては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウムなどの誘電率の高い材料を主成分とするものが用いられている。
一方、内部電極を構成する金属としては、前述の貴金属粉末あるいは卑金属粉末が使用されるが、最近はより安価な電子材料が要求されるため、卑金属を利用した積層セラミックコンデンサの開発が盛んに行われており、特に、ニッケル粉末が代表的なものである。
積層セラミックコンデンサの一般的な製造方法では、チタン酸バリウムなどの誘電体粉末を有機バインダと混合し懸濁させ、ドクターブレード法によりシート状に成形して誘電体グリーンシートを作製する。一方、内部電極とする金属粉末を有機溶剤、可塑剤、有機バインダなどの有機化合物と混合し、金属粉末ペーストを作製し、これを上記グリーンシート上にスクリーン印刷法で印刷する。その後、乾燥、積層および圧着を順次行い、加熱処理にて有機成分を除去した後、1300℃前後またはそれ以上の温度で焼成する。その後、両端に外部電極を焼き付けて積層セラミックコンデンサを得る。
積層セラミックコンデンサは、電子機器の高性能化、小型化、大容量化、高周波化に伴い、小型化、多層化、薄層化が急激に進んでいる。この動向に伴い、積層セラミックコンデンサの内部電極の厚みも薄層化が進み、例えば、1μmを切る厚さまで進んでいる。その結果、積層セラミックコンデンサ内部電極用のニッケル粉末の要求される粒径はより細かくなり、0.4μm以下、さらには0.2μm以下、0.1μm以下となりつつある。
一般にニッケル粉末は、セラミックス誘電体よりも焼結開始温度が低く、熱収縮が大きい。このため、積層したグリーンシートを焼成する際、金属粉末ペースト層の剥離やクラックなどのデラミネーションといわれる構造欠陥が発生しやすいという問題がある。
そこで、このような問題を回避するため、高温焼成時の焼結挙動を誘電体に近づけ、熱収縮が開始する温度が高いニッケル粉末が求められている。例えば、ニッケル粉末の表面を0.02〜0.20重量%の硫黄または硫酸基で被覆したニッケル粉末が提案されている(特許文献1)。
硫黄を含むニッケル粉の製造方法としては、硫黄粉末とニッケル粉末とを混合して密閉容器内で加熱する方法、ニッケル粉末に硫化水素ガスや亜硫酸ガスなどの硫黄を含むガスを接触させる方法、ニッケル粉末に硫黄化合物を含む溶液を接触させる方法がある。気相還元反応では、硫黄を含有するガスを反応系内に添加する方法、硫黄化合物を含む塩化ニッケル原料を用いる方法などが知られている(特許文献1〜5など)。
特開2004−244654号公報 特開2007−157563号公報(段落0029) 特開平11−80816号公報 特開平11−80817号公報 特開2007−191771号公報
得られたニッケル粉を、硫黄を含むガスで接触させる方法や、硫黄化合物を含む溶液と接触させる方法では、ニッケル粉を製造した後に、硫黄化合物を添加する処理が必要となり効率が悪い。一方、気相還元反応のうち硫黄化合物を含む塩化ニッケル原料を用いる方法では、塩化ニッケルを原料に用いているため、塩化ニッケル原料の昇華の制御が難しく、安定してニッケル粉を製造することが困難であるという欠点がある。また、硫黄を含有するガスを反応系内に添加する方法では、硫黄とニッケルの組成制御が難しいという欠点があった。
したがって、本発明は、積層セラミックコンデンサの製造工程において、優れた焼結挙動を示し、結果としてデラミネーションを防止できる導電ペースト用、特に、積層セラミックコンデンサ用に適したニッケル粉末の製造方法を提供することを目的としている。
本発明のニッケル粉末の製造方法は、硫黄化合物とニッケル金属と塩素ガスを接触させる塩化工程と、塩化工程で発生した塩化ニッケルを含むガスを還元性ガスと接触させ、塩化ニッケルを連続的に還元する還元工程を備えたことを特徴としている。
また、上記ニッケル粉末の製造方法においては、硫黄化合物を外周部に有する硫黄含有率0.01重量%以上2重量%以下のニッケル金属を用いることを特徴としている。
本発明のニッケル粉末の製造方法によれば、効率よく硫黄を含むニッケル粉末を製造することができる。また、これによって得られる導電ペーストは、積層セラミックコンデンサの内部電極用として好適である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
まず、気相還元法によるニッケル粉末の製造条件を説明する。本発明においては製造条件は特に限定されるものではないが、例えばニッケル粉末の平均粒径が0.05μm以上1μm以下、硫黄含有量が0.01重量%以上2重量%以下となるように適宜設定される。この場合、例えば、出発原料である硫黄化合物を外周部に有するニッケルショットMの粒径は約5〜20mmの粒状、塊状、板状などが好ましく、また、その純度は、慨して99.5%以上が好ましい。硫黄化合物を外周部に有するニッケルショットMは、ニッケル粒の外周囲に硫黄、硫黄とニッケルの化合物、例えばNiS、Ni、NiS、Niなどで少なくとも部分的に覆われた構造である。中でも硫黄が入手し易く好ましい。なお、硫黄や硫黄化合物は、ニッケル粒を完全に覆っていても構わないし、部分的に被覆していても構わない。
硫黄や硫黄化合物の被覆量は、ニッケル粉末P中の目的の硫黄含有量に応じて調整することができ、硫黄含有量として上述のように0.01重量%以上2重量%以下となるように調整される。このような硫黄や硫黄化合物を外周部に有するニッケルショットを用いることで、得られるニッケル粉末Pの硫黄濃度制御が容易である。また、出発原料の補充においても、硫黄含有量を精度よく制御することが可能であり、また補充作業は容易に行うことができる。
上記のようなニッケルショットMは、ニッケル粒の1/10以下の粒径の硫黄、硫黄化合物の粉体を混合することにより得られる。混合方法は、通常の攪拌手段や粉砕手段、例えば、容器内部に攪拌羽根を有する攪拌装置、ドラムミキサー、コーンミキサー、ロータリーミキサー、Vミキサー、自転・公転縦型ミキサー、ボールミル、ハンマーミルなどを用いることができる。これらの装置に、所定量のニッケル粒と硫黄、硫黄化合物の粉体を投入し混合することにより、外周部に硫黄化合物を有するニッケルショットMを得ることができる。また、有機高分子化合物のバインダーを用い、硫黄化合物をニッケルショットMの外周部に付着させた後、加熱処理等により、バインダーを除去したものも用いることができる。
ニッケルショットMを、まず塩素ガスと反応させて塩化ニッケルガスを生成させる。その際の温度は、ニッケルの場合、反応を十分進めるために800℃以上とし、かつニッケルの融点である1453℃以下とする。反応速度と塩化炉の耐久性を考慮すると、実用的には900℃〜1100℃の範囲が好ましい。
次いで、塩化ニッケルガスを還元工程に直接供給し、水素ガスなどの還元性ガスと接触させて反応させる。この場合、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを塩化ニッケルガスに対し、1〜40モル%混合し、この混合ガスを還元工程に導入してもよい。不活性ガスを導入することで、単位時間の反応量は減少するが、安定して、連結粒の少ない0.05μm以上1μm以下のニッケル粉末Pを得ることができる。
還元反応の温度は、反応完結に十分な温度以上であればよい。また、ニッケル粉末Pの粒径を1μm以下とするために、1150℃以下、好ましくは1080℃以下とする。ただし、固体状の粉末を生成する方が取扱いが容易であるので、ニッケルの融点以下が好ましい。一方、温度が低すぎると、塩化ニッケルが析出するため、990℃以上とする。
このように還元反応を行ってニッケル粉末Pを生成した後、ニッケル粉末Pを冷却する。冷却に際しては、還元反応を終えた1000℃付近のガス流に窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込むことにより、400〜800℃程度まで急速冷却することが望ましく、これにより、生成したニッケルの一次粒子同士の凝集による二次粒子の生成を防止して所望の粒径のニッケル粉末Pを得ることができる。その後、生成したニッケル粉末Pを、例えばバグフィルターなどにより分離、回収する。本発明では、熱収縮温度が高く、デラミネーションが生じにくい粉末を、経済的に得ることができる。
得られたニッケル粉末は、積層セラミックコンデンサの内部電極用などに用いられる。従来と同様に、誘電体粉末のセラミックスグリーンシートの上に、内部電極用のペースト状のニッケル粉末を印刷し、それらを積層して圧着した後、焼結する。
上述した気相還元法においては、気化させた塩化ニッケルと水素などの還元性ガスとを反応させる。硫黄化合物を外周部に有するニッケルショットMにおいては、ニッケル分は塩素ガスにより塩化ニッケルとして気化する。ニッケルショットMにおける硫黄化合物は、加熱により、硫黄単体または、ニッケルショットM内への拡散が生じ、一端NiSやNiなどの硫黄化合物などとなり、これが単独または塩素と反応して気化している。気相還元反応によるニッケル粉末の製造過程では、塩化ニッケルと還元性ガスとが接触した瞬間にニッケル金属原子が生成し、金属原子同士が衝突・凝集することによって超微粒子が生成し、成長してゆく。硫黄および硫黄化合物は、ニッケル金属の成長過程で、ニッケル金属中に取り込まれてゆくと考えられる。そして、還元工程での塩化ニッケルガスの分圧や温度などの条件によって、生成されるニッケル合金粉末Pの粒径、組成が決まる。また、硫黄分の割合は、硫黄で被覆されたニッケルショットMの硫黄量により調整することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施形態を実施するための装置について説明する。図1は、本発明のニッケル粉末の製造装置を示す。図1において、符号1は金属ニッケルの塩化炉である。塩化炉1には、原料となる硫黄化合物を外周部に有するニッケルショットMが保持されており、塩化炉1の上部には、塩素ガス供給ノズル12が、下部には窒素ガス供給ノズル13が設けられている。また、塩化炉1の周囲には、加熱手段11が設けられている。
塩化炉1の底部には複数のノズル(図示略)が設けられており、これらノズルは塩化炉1の下側で合流して塩化物移送ノズル22を構成し、還元炉2の頂部に接続されている。還元炉2の上部には水素ガス供給ノズル23が、下部には窒素ガス供給ノズル24が設けられている。また、還元炉2の周囲には加熱手段21が設けられている。
次に、上記構成のニッケル粉末の製造装置の動作を説明する。加熱手段11によって加熱を開始するとともに、塩素ガス供給ノズル12より塩素ガスを供給すると、塩化炉1内でニッケルショットMの塩化反応が生じる。この反応の結果生じた塩化ニッケルは気体状態に保たれ、窒素ガス供給ノズル13から供給される窒素ガスと混合される。
上記塩素炉1における塩化反応によって生じた塩化ニッケルガスは、塩化物移送ノズル22を通じて下流側の還元炉2に供給される。還元炉2には、水素ガス供給ノズル23によって水素ガスが供給され、塩化ニッケルガスは還元され、ニッケル粉末Pが生じる。ニッケル粉末Pは、窒素ガス供給ノズル24から供給される窒素ガスによって冷却され、図示しない次工程に移送されて洗浄・回収される。例えば、洗浄工程では、水や炭酸水溶液などにより洗浄され、気流乾燥、真空乾燥、加熱乾燥などにより乾燥された後、回収される。
次に、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。ここで、本発明の製造方法により得たニッケル粉末の平均粒径、粒子形状、焼結挙動、硫黄濃度、塩素濃度の評価は以下の方法により行った。
A.平均粒径
走査電子顕微鏡によりニッケル粉末の写真を撮影し、その写真から粒子200個の粒径を測定してその平均値を算出した。なお、粒径は粒子を包み込む最小円の直径とした。
B.粒子形状(連結粒の割合)
電子顕微鏡によりニッケル粉末の写真を撮影し、その写真から粒子200個の形状を観察して、連結粒の割合(%)を算出した。
C.焼結挙動
ニッケル粉末1gに対して樟脳3重量%およびアセトン3重量%を混合し、この混合物を、内径5mm、高さ10mmの円柱状金属に充填し、面圧0.17トンの荷重をかけて試験ピースを作製した。この試験ピースの焼結開始温度を、熱膨張収縮挙動測定装置(TMA−8310:株式会社リガク社製)を用いて、弱還元性雰囲気(2%水素−98%窒素混合ガス)の下、昇温速度5℃/分の条件で測定した。
D.硫黄含有量の測定方法
株式会社堀場製作所製EMGA−520SPを使用して、燃焼−赤外線吸収法により測定した。ニッケル粉末と金属錫および金属タングステンをアルミナるつぼに入れ、酸素気流中で高周波電流によって加熱、燃焼させ、発生したSOを赤外線により検出、定量し、ニッケル粉末中の硫黄含有量とした。
E.塩素含有量の測定方法
ニッケル粉末を硝酸に溶解し、硝酸銀水溶液で滴定する硝酸銀滴定法により求めた。なお、硝酸銀滴定は、JIS H1615−1997に準拠して行った。
[実施例1]
図1に示すニッケル合金粉末の製造装置の塩化炉1内に、出発原料である平均粒径約0.05mmの硫黄粉で被覆した平均粒径5mmの金属ニッケルショットM(硫黄/ニッケル(重量比)=0.1%)を充填するとともに、加熱手段11で炉内雰囲気温度を1100℃とした。ニッケルショットは、ニッケル粒と硫黄粉をボールミルにより30分間混合し、硫黄粉で被覆したニッケルショットMを得た。
次いで、ノズル12から塩化炉1内に塩素ガスを流速4Nl/分にて供給し、ニッケルショットMを塩化して塩化ニッケルガスを発生させ、この後、ノズル13から供給した窒素ガスを塩化ニッケルガスに混合した。
そして、塩化ニッケルガスと窒素ガスとの混合ガスを、加熱手段21で1000℃の炉内雰囲気温度とした還元炉2内に、ノズル22から流速2.3m/秒(1000℃換算)で導入した。これと同時に、ノズル23から還元炉20内に水素ガスを流速7Nl/分で供給して塩化ニッケルガスを還元し、ニッケル粉末Pを得た。
さらに、還元工程にて生成したニッケル粉末Pに、ノズル24から供給した窒素ガスを接触させ、ニッケル粉末Pを冷却した。この後、ニッケル粉末Pを分離回収して湯洗洗浄しその後、気流乾燥機で乾燥処理した後、解砕処理を行い、乾燥ニッケル粉末を得た。
[実施例2]
出発原料の硫黄/ニッケル(重量比)=0.05%をとした以外は、実施例1と同様にニッケル粉末を得た。
[実施例3]
出発原料の硫黄/ニッケル(重量比)=0.2%をとした以外は、実施例1と同様にニッケル粉末を得た。
[比較例1]
実施例1の出発原料を硫黄を含まないニッケルショットとし、水素ガスに、硫化水素ガスを混合して、水素ガス供給ノズル23から、硫化水素中の硫黄/塩化ニッケル中のニッケル(重量比換算)=0.1%となるように、還元炉2に供給した以外は、実施例1と同様にニッケル粉末を得た。
[比較例2]
実施例1の出発原料を硫黄を含まないニッケルショットとし、水素ガスに、硫化水素ガスを混合して、水素ガス供給ノズル23から、硫化水素中の硫黄/塩化ニッケル中のニッケル(重量比換算)=0.05%となるように、還元炉2に供給した以外は、実施例1と同様にニッケル粉末を得た。
[比較例3]
実施例1の出発原料を硫黄を含まないニッケルショットとし、水素ガスに、硫化水素ガスを混合して、水素ガス供給ノズル23から、硫化水素中の硫黄/塩化ニッケル中のニッケル(重量比換算)=0.2%となるように、実施例1と同様にニッケル粉末を得た。
得られたニッケル粉末の評価結果を表1に示す。硫黄を添加しないで作製したニッケル粉の焼結開始温度は250℃であり、焼結開始温度が高くなることがわかる。また、その焼結開始温度は硫黄濃度に従い上昇する。得られたニッケル粉の連結粒は少ない。さらに、表1に示すように、実施例1〜3のニッケル粉末は、比較例1〜3のニッケル粉末と比較して硫黄含有量のバラツキが小さく、塩素含有量を低くすることができる。
Figure 0005060227
[比較例4]
実施例1の出発原料として平均粒径約0.05mmの硫黄粒と平均粒径5mmのニッケルショットM(硫黄/ニッケル(重量比)=0.1%)を別個に充填した以外は、実施例1と同様にニッケル粉末を得た。
実施例1と比較例4において、塩化ニッケルの還元反応を連続して行った。反応時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間における金属ニッケル粉中の硫黄含有量を表2に示す。表2に示すように、実施例1のニッケル粉の硫黄濃度のばらつきが小さいことが判った。
Figure 0005060227
本発明の実施例で用いたニッケル粉末の製造装置の縦断面図である。
符号の説明
1 塩化炉
11 加熱手段
12 塩素ガス供給ノズル
13 窒素ガス供給ノズル
2 還元炉
21 加熱手段
22 塩化ニッケル移送ノズル
23 水素ガス供給ノズル
24 ノズル

Claims (3)

  1. 硫黄化合物を外周部に有し、その硫黄含有量が0.01重量%以上2重量%以下のニッケル金属と塩素ガスを接触させる塩化工程と、塩化工程で発生した塩化ニッケルを含むガスを還元性ガスと接触させ、塩化ニッケルを連続的に還元する還元工程を備えたことを特徴とするニッケル粉末の製造方法。
  2. 前記硫黄含有量が0.05重量%以上2重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
  3. 硫黄化合物が硫黄であることを特徴とする請求項1または2記載のニッケル粉末の製造方法。
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