JP4394535B2 - ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents

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本発明は、導電ペースト用に好適な金属ニッケル粉末の製造方法に係り、特に積層セラミックコンデンサ内部電極に用いられ、耐酸化還元性と焼結特性に優れた金属ニッケル粉末の製造方法に関する。
従来、銀、パラジウム、白金または金などの貴金属粉末、あるいはニッケル、コバルト、鉄、モリブデン、またはタングステンなどの卑金属粉末は、電子材料用の導電ペーストとして、特に積層セラミックコンデンサの内部電極用として用いられている。一般に、積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層と内部電極として使用される金属層とを交互に積層し、誘電体セラミック層の両端に、内部電極の金属層に接続される外部電極が接続された構成となっている。ここで、誘電体層として使用されるセラミックとしては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウムなどの誘電率の高い材料を主成分とするものが用いられている。
一方、内部電極を構成する金属としては、前述の貴金属粉末あるいは卑金属粉末が使用されるが、最近はより安価な電子材料が要求されるため、卑金属を利用した積層セラミックコンデンサの開発が盛んに行われており、特にニッケル粉末が代表的なものである。
積層セラミックコンデンサの一般的な製造方法としては、チタン酸バリウム等の誘電体粉末を有機バインダと混合し懸濁させ、ドクターブレード法によりシート状に成形して誘電体グリーンシートを作成する。一方、内部電極とする金属粉末を有機溶剤、可塑剤、有機バインダ等の有機化合物と混合し、金属粉末ペーストを形成して、これを上記グリーンシート上にスクリーン印刷法で印刷する。その後、乾燥、積層および圧着を順次行い、加熱処理にて有機成分を除去した後、1300℃前後またはそれ以上の温度で焼成する。その後両端に外部電極を焼き付けて、積層セラミックコンデンサを得る。
上記積層セラミックコンデンサの製造工程においては、誘電体グリーンシートに金属ペーストを印刷し、積層および圧着を行った後、加熱処理にて有機成分を蒸発除去するが、この加熱処理は通常大気中で250〜400℃で行われる。このように、酸化雰囲気中で加熱処理が行われると、金属粉末は酸化し、それにより金属粉末の体積が膨張する。また、上記加熱処理による有機成分蒸発除去は還元雰囲気中で行われる場合もあり、この場合は、金属粉末は還元されて収縮する。さらにこの有機成分除去のための加熱処理の後、さらに高温に加熱し焼結するが、この焼結は水素ガス雰囲気等の還元性雰囲気で行う。これにより、金属粉末は体積の収縮が起きる。
このように、積層セラミックコンデンサを製造する工程においては、酸化還元反応により金属粉末に膨張・収縮が起こって体積変化が生じる。一方、誘電体自身も焼結により体積変化が生じるが、誘電体と金属粉末という異なった物質を同時に焼結するため、焼結過程でのそれぞれの物質の膨張・収縮の体積変化などの焼結挙動が異なる。このため、金属ペースト層に歪みが生じ、結果としてクラックまたは剥離などデラミネーションといわれる層状構造の破壊が起きるという問題があった。
具体的には、例えばチタン酸バリウムを主成分とする誘電体は、1000℃以上、通常1200〜1300℃で焼結が始まるのに対し、内部電極に用いられる金属粉末の焼結は、それよりも低い温度、例えばニッケル粉末の場合、通常400〜500℃で焼結が始まる。このような焼結挙動(焼結開始温度)の違いがデラミネーション発生の一つの大きな要因となっている。
上記のようなデラミネーションの問題を解決する手段としては、種々の方法が提案されている。例えば特許文献1には、特定の粒径に対するタップ密度(一定条件で容器をタッピングして得られる粉体のかさ密度)がある規定値以上を有するニッケル粉末が開示されている。また、特許文献2には、平均粒径が0.2〜0.5μmで、平均粒径の2倍以上の粗粒子の存在率が個数基準で0.1%以下であるニッケル超微粉が開示されている。上記特許文献1に開示されたニッケル超微粉は、積層セラミックコンデンサの内部電極として使用した際のクラック、剥離等の内部欠陥の発生を抑制することを目的とするものである。また、上記特許文献2に開示されたニッケル超微粉も、積層セラミックコンデンサの内部電極のショートの発生や、クラック、剥離を抑制することを課題とするものである。
特開平8−246001号公報(特許請求の範囲) 特開2002−252139号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、上記の従来の方法は、粗粉の発生を抑制してデラミネーションの発生をある程度改善しているが、酸化・還元挙動あるいは焼結挙動に基づく積層セラミックコンデンサのデラミネーションを防止する方法としては十分ではなく、さらなる改善が要求されていた。
よって本発明は、積層セラミックコンデンサの製造工程において優れた酸化挙動、還元挙動および焼結挙動を示し、結果として積層セラミックコンデンサのデラミネーションを防止することができる導電ペースト用、特に積層セラミックコンデンサ用に適したニッケル粉末の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、本発明のニッケル粉末の製造方法は、ニッケル粉末を硫黄ガスまたは硫黄化合物含有ガスにより150〜300℃で処理することによって、ニッケル粉末の表面にニッケルと硫黄を含む化合物層を設けることを特徴としている。
本発明のニッケル粉末の製造方法によれば、ニッケル粉末の表面にニッケルおよび硫黄を含む化合物層が設けられているので、酸化雰囲気中または還元雰囲気中におけるニッケルの酸化還元反応を抑制することができ、ニッケル粉末の酸化還元開始温度が高温化する。また、この化合物層が存在する間は焼結が開始されず、焼結開始温度も高温化する。このため、ニッケル粉末の収縮率減少等の酸化挙動、還元挙動および焼結挙動が改善される。その結果、積層セラミックコンデンサの製造工程において、デラミネーションの発生を抑制することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明のニッケル粉末は、気相法や液相法など公知の方法により製造することができるが、特に塩化ニッケルガスと還元性ガスとを接触させることによりニッケル粉末を生成させる気相還元法、あるいは熱分解性のニッケル化合物を噴霧して熱分解する噴霧熱分解法が、生成する金属微粉末の粒子径を容易に制御することができ、さらに球状の粒子が効率よく製造することができるという点において好ましい方法である。このような気相還元法によるニッケル粉末の製造装置の模式図を図1に示す。
ニッケル粉末気相還元法においては、気化させた塩化ニッケルのガスと水素等の還元性ガスとを反応させるが、固体の塩化ニッケルを加熱し蒸発させて塩化ニッケルガスを生成させてもよい。しかしながら、塩化ニッケルの酸化または吸湿防止またエネルギー効率を考慮すると、金属ニッケルに塩素ガスを接触させて塩化ニッケルガスを連続的に発生させ、この塩化ニッケルガスを還元工程に直接供給し、次いで還元性ガスと接触させ塩化ニッケルガスを連続的に還元してニッケル微粉末を製造する方法が有利である。
気相還元反応によるニッケル粉末の製造過程では、塩化ニッケルガスと還元性ガスとが接触した瞬間にニッケル原子が生成し、ニッケル原子同士が衝突・凝集することによって超微粒子が生成し、成長してゆく。そして、還元工程での塩化ニッケルガスの分圧や温度等の条件によって、生成されるニッケル微粉末の粒径が決まる。上記のようなニッケル粉末の製造方法によれば、塩素ガスの供給量に応じた量の塩化ニッケルガスが発生するから、塩素ガスの供給量を制御することで還元工程へ供給する塩化ニッケルガスの量を調整することができ、これによって生成するニッケル微粉末の粒径を制御することができる。
さらに、金属塩化物ガスは、塩素ガスと金属との反応で発生するから、固体金属塩化物の加熱蒸発により金属塩化物ガスを発生させる方法と異なり、キャリアガスの使用を少なくすることができるばかりでなく、製造条件によっては使用しないことも可能である。したがって、気相還元反応の方が、キャリアガスの使用量低減とそれに伴う加熱エネルギーの低減により、製造コストの低減を図ることができる。
また、塩化工程で発生した塩化ニッケルガスに不活性ガスを混合することにより、還元工程における塩化ニッケルガスの分圧を制御することができる。このように、塩素ガスの供給量もしくは還元工程に供給する塩化ニッケルガスの分圧を制御することにより、ニッケル粉末の粒径を制御することができ、よってニッケル粉末の粒径を安定させることができるとともに、粒径を任意に設定することができる。
上記のような気相還元法によるニッケル粉末の製造条件は、平均粒径1μm以下になるように任意に設定するが、例えば、出発原料である金属ニッケルの粒径は約5〜20mmの粒状、塊状、板状等が好ましく、また、その純度は慨して99.5%以上が好ましい。この金属ニッケルを、まず塩素ガスと反応させて塩化ニッケルガスを生成させるが、その際の温度は、反応を十分進めるために800℃以上とし、かつニッケルの融点である1453℃以下とする。反応速度と塩化炉の耐久性を考慮すると、実用的には900℃〜1100℃の範囲が好ましい。
次いで、この塩化ニッケルガスを還元工程に直接供給し、水素ガス等の還元性ガスと接触反応させるが、窒素やアルゴン等の不活性ガスを、塩化ニッケルガスに対し1〜30モル%混合し、この混合ガスを還元工程に導入してもよい。また、塩化ニッケルガスとともに、または独立に塩素ガスを還元工程に供給することもできる。このように塩素ガスを還元工程に供給することによって、塩化ニッケルガスの分圧が調整でき、生成するニッケル粉末の粒径を制御することが可能となる。還元反応の温度は反応完結に十分な温度以上であればよいが、固体状のニッケル粉末を生成する方が取扱いが容易であるので、ニッケルの融点以下が好ましく、経済性を考慮すると900℃〜1100℃が実用的である。
このように還元反応を行いニッケル粉末を生成させたら、次は生成ニッケル粉末を冷却する。冷却の際、生成したニッケルの一次粒子同士の凝集による二次粒子の生成を防止して所望の粒径のニッケル粉末を得るために、還元反応を終えた1000℃付近のガス流を400〜800℃程度まで窒素ガス等の不活性ガスを吹き込むことにより急速冷却させることが望ましい。その後、生成したニッケル粉末を、例えばバグフィルター等により分離、回収する。
また、噴霧熱分解法によるニッケル粉末の製造方法では、熱分解性のニッケル化合物を原料とするが、具体的には、硝酸塩、硫酸塩、オキシ硝酸塩、オキシ硫酸塩、塩化物、アンモニウム錯体、リン酸塩、カルボン酸塩、アルコキシ化合物などの1種または2種以上である。このニッケル化合物を含む溶液を噴霧して、微細な液滴を作るが、このときの溶媒としては、水、アルコール、アセトン、エーテル等が用いられる。また、噴霧の方法は、超音波または二重ジェットノズル等の噴霧方法により行う。このようにして微細な液滴とし、高温で加熱して金属化合物を熱分解し、ニッケル粉末を生成させる。このときの加熱温度は、使用される特定のニッケル化合物が熱分解する温度以上であり、好ましくは金属の融点付近である。
液相法による金属微粉末の製造方法では、硫酸ニッケル、塩化ニッケルあるいはニッケル錯体を含むニッケル水溶液を、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物中に添加するなどして接触させニッケル水酸化物を生成させ、次いでヒドラジンなどの還元剤でニッケル水酸化物を還元し金属ニッケル粉末を得る。このように生成した金属ニッケル粉末は、均一な粒子を得るために必要に応じて解砕処理する。
以上のようにして得られたニッケル粉末は、炭酸水溶液中に懸濁させ処理することが望ましい。炭酸水溶液で処理することにより、ニッケル表面に付着している塩素などの不純物が十分に除去されるとともに、ニッケル粉末の表面に存在する水酸化ニッケルなどの水酸化物や粒子同士の摩擦などにより表面から剥離して形成された微粒子が除去され、均一な酸化ニッケルの被膜を形成することができる。
炭酸水溶液中に懸濁して処理する際、気相還元法、噴霧熱分解法によるニッケル粉末の製造方法では、生成したニッケル粉末を通常純水で洗浄するが、その洗浄を炭酸水溶液で行う方法、あるいは純水洗浄後の水スラリー中に炭酸ガスを吹き込むか、あるいは炭酸水溶液を添加して処理することもできる。特に、気相還元法を採用した場合、純水洗浄の途中あるいは後に、スラリー状態において炭酸水溶液と接触して処理することが、製造工程の簡略化の面において有利である。
この炭酸水溶液での処理は、pH5.5〜6.5の範囲、好ましくはpH5.5〜6.0である。炭酸水溶液中での処理をpH5.5未満で行った場合には、ニッケル粉末の表面に不均一な酸化皮膜が生成しニッケル粉末の焼結性を低下させることになる。また、ニッケル粉末自体が溶解し、表面の荒れが生じる。pH6.5を超えて行った場合には、ニッケル粉末の表面に付着、もしくは吸着した水酸化物を除去することができず、乾燥後に残存した水酸化物が不均一な酸化皮膜となる。
このようにしてニッケル粉末を炭酸処理した後、そのニッケル粉末を乾燥する。乾燥方法は公知の方法を採用することができ、具体的には高温のガスと接触させ乾燥する気流乾燥、加熱乾燥および真空乾燥などが挙げられる。これらのうち、気流乾燥は粒子同士の接触による酸化皮膜の摩耗がないため、好ましい方法である。また、ニッケル粉末の表面に均質な酸化皮膜を形成させるためには、短時間に水分を除去して乾燥することが望ましい。
具体的には、ニッケル粉末が水スラリーの状態もしくは水分が約50質量%の状態から、水分が0.1質量%以下になるまでの時間は、1分以内、好ましくは30秒以内、より好ましくは10秒以内である。このような短時間でニッケル粉末を乾燥することができるという点でも、気流乾燥方法は数秒での乾燥が可能であり、好ましい方法である。この気流乾燥では高温の窒素ガスなどと接触させるが、このときの温度は200〜300℃、好ましくは250℃前後のガスを接触させる。
本発明のニッケル粉末は、上記炭酸水溶液による処理の後、乾燥し、次いで大気中または酸素ガス雰囲気などの酸化性雰囲気中で加熱処理することが好ましく、特に好ましくは炭酸水溶液による処理を行い、次いで気流乾燥を行って水分を0.1質量%以下にした後、酸化性雰囲気中で加熱処理を行うことである。
ニッケル粉末の焼結開始温度については、以下の事実が知られている。すなわち、ニッケル粉末表面に酸化皮膜等の皮膜が存在する間は焼結が開始されないが、焼成温度の上昇に伴い、酸化皮膜が還元されて存在しなくなると、ニッケル粉末の焼結が開始される。ニッケル粉末は通常200〜300℃で焼結が始まるので、200〜300℃以上に加熱されても還元されないよう、均質で安定な酸化皮膜を形成することにより、ニッケル粉末の耐還元性が向上し、このため焼結開始温度をより高温側に移行することが可能となる。このように、耐還元性を向上させることが可能な均質で安定した酸化皮膜を形成するには、上記酸化性雰囲気での加熱処理温度を、100〜400℃とすることが好ましく、より好ましくは200〜300℃、特に好ましくは200〜250℃である。また、加熱処理時間は、通常30分〜10時間であり、ニッケル粉末中の酸素含有量が0.3〜2.0質量%になるように処理を行う。
次に、上記のようにして得られたニッケル粉末に硫黄ガスまたは硫黄含有ガスを接触させることにより処理する。硫黄ガスまたは硫黄含有ガスにより処理することによって、ニッケル粉末の表面にNi−SやNi−S−Oのような硫黄とニッケルを含有する層が生じ、ニッケル耐還元性および焼結挙動等の熱挙動を改善することができる。硫黄含有化合物ガスとしては、硫化水素ガス、亜硫酸ガス等を挙げることができ、また、硫化ニッケル等の硫黄含有化合物を加熱蒸発させて生成したものを使用することも可能である。これら硫黄含有ガスは、例えば水素−窒素混合ガス等の還元性ガスと混合して使用すると、ニッケル粉末表面に硫黄含有化合物層が形成されるだけでなく、ニッケル粉末表面の酸素量を調製し酸化皮膜を均質化することができ、また、塩化物等の不純物を除去することが可能となり、より効果的である。
ニッケル粉末を硫黄ガスまたは硫黄含有ガスで処理する際の温度範囲は20〜300℃、好ましくは150〜250℃であり、処理時間は5〜60分、好ましくは10〜15分である。硫黄ガスまたは硫黄含有ガスの導入量は、処理後のニッケル粉末中の硫黄含有量で0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.8質量%となるように調整する。ニッケル粉末表面の硫黄含有量が0.01質量%未満では、ニッケル粉末の還元挙動および焼結挙動改善の効果が得られない。また、ニッケル粉末表面の硫黄含有量が1質量%を超えると、積層セラミックコンデンサの電気特性を劣化させるという問題が生じる。本発明のニッケル粉末の製造方法においては、平均粒径が1μm以下、好ましくは0.05〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、BETによる比表面積が1〜20m/gであるニッケル粉末を硫黄ガスまたは硫黄化合物含有ガスで処理するとより効果的である。
ニッケル粉末を塩化ニッケルガスと還元性ガスの気相反応法によって製造する場合、塩化ニッケルガスの還元性ガスによる還元反応を、硫黄ガスあるいは硫黄化合物ガス雰囲気中で行うことによって硫黄を含むニッケル粉末を製造する方法、または塩化ニッケルガスを還元する還元ガスに硫黄ガスあるいは硫黄化合物ガスを含有させることによって硫黄を含むニッケル粉末を製造することも可能である。しかしながら、このような方法でニッケル粉末を製造した場合、硫黄含有化合物層形成の制御が困難であるため、
(1)硫黄が生成したニッケル粒子の内部にまで存在してしまう、
(2)均質な硫黄化合物層が得られない、
(3)硫黄化合物層が厚くなり過ぎる、
等の問題が生じる。このような問題点が生じると、ニッケル粉末の還元挙動および焼結挙動を逆に低下させてしまったり、あるいは焼結性を低下させてしまうことになる。さらに、このように硫黄あるいは硫黄化合物ガス含有雰囲気中で塩化ニッケルガスを還元して製造したニッケル粉末は、
(4)塩素含有量が高い、
(5)洗浄しても塩素が落ち難い、すなわち洗浄効率が極めて悪い
という問題も生じる。ニッケル粉末中に塩素等のハロゲン化物が残留すると、ニッケル粉末の酸化を促進して錆を誘発し、さらには導電ペーストとして内部電極に使用した場合、マイグレーションと呼ばれる金属イオンの移動を引き起こし、内部電極の破損を生じさせるため好ましくない。
これに対し、本発明のニッケル粉の製造方法、すなわち、気相還元法、噴霧熱分解法、あるいは液相法等によって製造したニッケル粉末を、硫黄または硫黄化合物含有ガスで処理してニッケル粉末表面にニッケルと硫黄を含む化合物層を形成させる製造方法は、還元挙動および焼結挙動に優れ、かつ塩素等の残留ハロゲン化物の少ないニッケル粉末を得ることができる。
また、上記硫黄または硫黄化合物含有ガスで処理する前に、ニッケル粉末を解砕処理することによって、還元挙動および焼結挙動をより向上させることができる。
本発明の製造方法によるニッケル粉末は、これを内部電極に用いた積層セラミックコンデンサの製造工程において有機成分を除去するために酸化性雰囲気で加熱処理した際の重量変化が少ない。また、還元性雰囲気で加熱処理した際には、還元開始温度がより高温であり、加熱処理中における急激な重量減少が生じ難い、等の耐還元性に優れるものである。さらには、焼結開始温度が高く、焼結開始による体積変化が少ない。これは、前記したように、積層セラミックコンデンサの焼成時にデラミネーションが発生し難くなることを意味する。したがって、本発明の製造方法によるニッケル粉末は、積層セラミックコンデンサの製造工程において優れた酸化挙動、還元挙動および焼結挙動を示し、デラミネーションが生じにくくなるという効果が奏される。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をより具体的に説明する。なお、本明細書において、ニッケル粉末の平均粒径、硫黄濃度、塩素濃度、還元挙動および焼結挙動は下記の方法で調べた。
a.平均粒径
電子顕微鏡によりニッケル粉末の写真を撮影し、その写真から粒子200個の粒径を測定してその平均値を算出した。なお、粒径は粒子を包み込む最小円の直径とした。
b.硫黄濃度
株式会社堀場製作所製EMGA−520SPを使用して、燃焼−赤外線吸収法により測定した。ニッケル粉末0.5gと金属錫および金属タングステンをアルミナるつぼに入れ、酸素気流中で高周波電流によって加熱、燃焼させ、発生したSOを赤外線により検出、定量し、ニッケル粉末中の硫黄濃度とした。
c.塩素濃度
ニッケル粉末を硝酸に溶解し、硝酸銀溶液で滴定する硝酸銀滴定法により求めた。なお、硝酸銀滴定は、JIS H1615−1997に準拠して行った。
d.還元挙動
熱重量−示差熱分析機(TG−DTA、TG8120:株式会社リガク社製)にて、弱還元性雰囲気(1.5%水素−98.5%窒素)中で5℃/分の昇温速度で700℃まで加熱し、その際の重量変化を測定した。
e.焼結挙動
ニッケル粉末1g、樟脳3重量%およびアセトン3重量%を混合し、この混合物を、内径5mm、高さ10mmの円柱状金属に充填し、面圧0.17トンの荷重をかけて試験ピースを作製した。この試験ピースの焼結開始温度を、熱膨張収縮挙動測定装置(TMA−8310:株式会社リガク社製)を用いて、弱還元性雰囲気(1.5%水素−98.5%窒素混合ガス)の下、昇温速度5℃/分の条件で測定した。
[実施例]
A.ニッケル粉末の調製
図1に示すニッケル粉末製造装置の塩化炉1内に、出発原料である平均粒径5mmの金属ニッケルショットMを充填するとともに、加熱手段11で炉内雰囲気温度を1100℃とした。次いで、ノズル12から塩化炉1内に塩素ガスを供給し、金属ニッケルショットMを塩化して塩化ニッケルガスを発生させ、この後、ノズル13から供給した窒素ガスを塩化ニッケルガスに混合した。そして、塩化ニッケルガスと窒素ガスとの混合ガスを、加熱手段21で1000℃の炉内雰囲気温度とした還元炉2内に、ノズル22から流速2.3m/秒(1000℃換算)で導入した。
これと同時に、ノズル23から還元炉20内に水素ガスを流速7Nl/分で供給して塩化ニッケルガスを還元し、ニッケル粉末Pを得た。さらに、還元工程にて生成したニッケル粉末Pに、ノズル24から供給した窒素ガスを接触させ、ニッケル粉末Pを冷却した。この後、ニッケル粉末Pを分離回収して湯洗洗浄し、ニッケル粉末スラリー中に炭酸ガスを吹き込んでpH5.5とし、常温下においてニッケル粉末を炭酸水溶液中で60分処理した。その後、気流乾燥機で乾燥処理した後、大気中200℃で30分間加熱処理を行った後、ジェットミル解砕処理を行い、乾燥ニッケル粉末を得た。
B.ニッケル粉末の硫化処理
上記のようにして得られた乾燥ニッケル粉末130gを容器に入れ、180℃に加熱した。ニッケル粉末の下方向より硫化水素ガスと1.5%水素−窒素混合ガスをそれぞれ0.1L/分、10L/分で導入し、10分間硫化処理した。
[比較例1]
実施例の「A.ニッケル粉末の調製」と同様にして得られた乾燥ニッケル粉末で、硫化処理を行わないものを比較例1のニッケル粉末とした。
上記実施例および比較例1のニッケル粉末につき、平均粒径、硫黄濃度を上記の方法で測定し、その結果を表1に示す。また、実施例および比較例1のニッケル粉末の還元挙動および焼結挙動を上記の方法で調べた。実施例および比較例1のニッケル粉末の還元挙動を図2に、焼結挙動を図3に示す。
Figure 0004394535
図2から明らかなように、比較例1のニッケル粉末は220℃近辺で重量減が生じ始め、700℃まで加熱した際の重量減少率が約−1.8%である。これに対し、本発明のニッケル粉末は比較例よりも高温の250℃付近から重量減が始まっており、700℃における重量減少率は約−1.2%である。これは、本発明のニッケル粉末は還元開始温度が高く、重量減少率が小さい、すなわち耐還元性に優れることを意味している。
また、図3から明らかなように、比較例のニッケル粉末が250℃付近において体積変化が生じ、これは焼結の開始点と認められ、600℃付近での収縮率が−16%近くに達している。これ対し、本発明のニッケル粉末は450℃付近まで体積変化がなく、600℃付近まで加熱した際の収縮率も−8%前後である。これらの結果から、本発明のニッケル粉末は、従来のニッケル粉末よりも焼結挙動に優れることが判る。
[比較例2]
実施例の「A.ニッケル粉末の調製」において、塩化ニッケルガスを水素ガスで還元する際、水素ガスとともに硫化水素ガスを0.4Nl/分で供給し、硫黄含有ニッケル粉末を得た。さらに、還元工程にて生成したニッケル粉末に、ノズル24から供給した窒素ガスを接触させ、硫黄含有ニッケル粉末を冷却した。この後、硫黄含有ニッケル粉末を分離回収して湯洗洗浄し、気流乾燥機で乾燥処理した後、大気中200℃で30分間加熱処理を行い、比較例2の硫黄含有ニッケル粉末を得た。実施例で実施した炭酸洗浄処理は行わなかった。また、実施例で行った「B.ニッケル粉末の硫化処理」は行わなかった。
実施例および比較例2のニッケル粉末の塩素濃度および焼結挙動を上記方法により調べた結果を表2に示す。表2は、実施例および比較例2のニッケル粉末を上記焼結挙動測定方法によって測定し、得られた収縮率曲線において、700℃まで加熱した際の収縮率を示したものである。
Figure 0004394535
表2から明らかなように、本発明のニッケル粉末(気相還元法により得られたニッケル粉末を炭酸処理し、乾燥、加熱処理した後、硫化水素ガスで硫化処理することにより得られた、ニッケル−硫黄化合物層を有するニッケル粉末)は、比較例2のニッケル粉末(塩化ニッケルガスを水素ガスで気相還元してニッケル粉末を製造する際に、水素ガスとともに硫化水素ガスを導入して得られた硫黄含有ニッケル粉)と比べ、塩素含有量が低く、また、硫黄含有量はほぼ同じであるが700℃まで加熱した際の収縮率が小さいものであることがわかる。すなわち、本発明の製造方法によるニッケル粉末は、収縮率が極めて小さい、すなわち焼結挙動に優れたものであることを示している。
以上の結果から、本発明のニッケル粉末では、積層セラミックコンデンサの製造工程において優れた酸化挙動、耐還元性および焼結挙動を示し、結果としてデラミネーションの防止に極めて有効なものであることが実証された。
本発明のニッケル粉末の製造方法によれば、表面にニッケルと硫黄を含有する化合物層が形成されるので、積層セラミックコンデンサの製造工程において優れた酸化挙動、還元挙動および焼結挙動を示し、結果として積層セラミックコンデンサのデラミネーションを防止することができる導電ペースト用、特に積層セラミックコンデンサ用に適したニッケル粉末を製造することが可能である。
本発明の実施例で用いたニッケル粉末の製造装置の縦断面図である。 実施例および比較例1のニッケル粉末の還元挙動を示すグラフである。 実施例および比較例2のニッケル粉末の焼結挙動を示すグラフである。
符号の説明
1 塩化炉
11 加熱手段
12 塩素ガス供給ノズル
13 窒素ガス供給ノズル
2 還元炉
21 加熱手段
22 塩化ニッケル移送ノズル
23 水素ガス供給ノズル
24 ノズル
M 原料のニッケル粉末
P 製造されたニッケル粉末

Claims (6)

  1. ニッケル粉末を硫黄ガスまたは硫黄化合物含有ガスにより150〜300℃で処理することによって、上記ニッケル粉末の表面にニッケルと硫黄を含む化合物層を設けることを特徴とする記載のニッケル粉末の製造方法。
  2. ニッケル粉末を硫黄ガスまたは硫黄化合物含有ガスと、還元性ガスとの混合ガスにより処理することによって、上記ニッケル粉末の表面にニッケルと硫黄と酸素を含む化合物層を設けることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
  3. 前記硫黄化合物が硫化水素であることを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル粉末の製造方法。
  4. 処理時間が5〜60分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法。
  5. 前記ニッケル粉末を炭酸水溶液で洗浄処理し、乾燥し、続いて前記硫黄または硫黄化合物含有ガスにより処理して上記ニッケル粉末の表面にニッケルと硫黄を含む化合物層を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法。
  6. 前記ニッケル粉末が塩化ニッケル蒸気の気相還元法、あるいはニッケル化合物の熱分解法により得られたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のニッケル粉末の製造方法。
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