JP2000336408A - 積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造方法および製造装置 - Google Patents
積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造方法および製造装置Info
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Abstract
得られる従来の気相化学反応法による製造方法を改良
し、0.1〜1.0μmの範囲以内の所望の平均粒径お
よび広すぎない所望の粒度分布をもつ粉末を良好な生産
性で製造する方法、およびその装置を提供する。 【解決手段】 本発明の製造方法は、塩化ニッケル蒸気
と、該塩化ニッケル蒸気のキャリアで、100〜140
0℃に加熱した不活性ガスとを混合して、該塩化ニッケ
ル蒸気の分圧が0.35〜0.90の塩化ニッケル・キ
ャリア混合ガスを調製した後、該混合ガスを水素還元し
てニッケル粒子を生成させ、該ニッケル粒子を回収す
る。製造装置は、上記製造方法を実施するための装置で
あり、不活性ガスを加熱する加熱部と、塩化ニッケル蒸
気を生成させる蒸発部と、上記混合ガスを調製する混合
部と、上記水素還元を起こさせる反応部と、上記ニッケ
ル粒子を分離回収する回収部とからなる。
Description
ンデンサーの電極に用いられるニッケル粉末の製造方法
および製造装置に関する。なお、本明細書では、積層セ
ラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末を「粉末」と
いう。
誘電体と内部電極とが交互に積み重なった積層体からな
り、端部に外部電極と呼ばれる電極を取り付けた構造と
なっている。ここで、誘電体の素材は、一般に、チタン
酸バリウムや、鉛を含むペロブスカイト型酸化物が用い
られる。
にして作製する。
ド法によりシート状に形成する。
般に呼ばれる)の表面に内部電極用ニッケルペーストを
スクリーン印刷法にて転写し、乾燥する。
ね、圧縮し圧着する。
を一般に用いる)に装入し、1300℃程度の温度で焼
成して有機ビヒクルを燃焼・熱分解させ(脱バインダと
一般に呼ばれる)、引き続き誘電体やニッケルペースト
中の粉末を焼結させる。
せた後、外部電極用ニッケルペーストにその磨かれた端
面を浸し、乾燥する。
し、900℃程度で焼成して有機ビヒクルの燃焼と電極
の焼結とを連続して行う(外部電極の形成)。
極に半田をのせ易くするため、外部電極表面にニッケル
めっきなどを施し、積層セラミックコンデンサーを完成
する。
外部電極用ニッケルペーストは、一般に、粉末、有機ビ
ヒクル、希釈溶剤などから構成され、有機ビヒクルに粉
末をロールミルなどで混練し希釈溶剤を加えることによ
り製造される。
れる粉末には種々の特性が要求されている。特に重要と
される特性としては、粒子結晶性、分散性、充填性、平
均粒径および粒度分布である(粒子結晶性を以下「結晶
性」という)。結晶性、分散性、充填性はいずれも、高
い方が優れる。これらについて、以下、(1)〜(5)
で詳しく述べる。
焼結挙動に結晶性が大きく影響するためである。結晶性
の低い粉末は、脱バインダのために雰囲気に少量加える
酸素によって酸化し易い。酸化した粉末は、焼結性が極
端に悪化するので、焼結が満足に進まず、従って電極と
して機能せず目的とする静電容量が得られない。また、
酸化が生じない条件で脱バインダしても、結晶性の低い
粉末は、高い焼結性のために過焼結となって島状に孤立
してしまい、従って電極として機能せず目的とする静電
容量が得られない。
しペースト化しても、凝集状態のままで存在する場合が
多い。そのため、焼成後の電極表面に突起となってしま
う場合が多い。このような突起があると、積層セラミッ
クコンデンサーとしての耐電圧特性を大きく劣化させて
しまう。
影響するためである。充填性の低い粉末を内部電極に用
いた場合には、内部電極印刷後の乾燥膜中に空隙が多数
残留してしまう。このような乾燥膜を焼成すると、内部
電極膜中に空隙が多数残留する。そのため、設計した電
極面積が得られず、目的とする静電容量が得られない。
平均粒径は、一般に0.1〜1.0μmである。しかる
に近年は、積層セラミックコンデンサーの小型化、高容
量化を達成することを目的として、内部電極膜厚は1.
5〜0.8μm程度と薄膜化されてきているために、平
均粒径が0.1〜0.6μm程度の粉末が特に使用され
ている。
ーションやクラックなどの内部構造欠陥が発生しやすく
なったり、積層セラミックコンデンサーの耐電圧特性を
大きく劣化させたりする。一方、平均粒径が上記上限を
超えると、内部電極膜厚より大きい粒径の粒子が含まれ
るために内部電極膜が薄膜化できないばかりでなく、設
計した電極面積が得られ難くなる。
0μm、好ましくは0.1〜0.6μmのものが用いら
れる。
部電極層の焼成時における収縮挙動は、それらの組成、
焼成雰囲気などによって変わる場合が多い。内部電極と
誘電体層との収縮挙動にミスマッチが大きいと、焼成途
中において素体内部に応力が発生し、内部構造欠陥が発
生してしまう場合がある。そのため、内部電極層の収縮
挙動を誘電体層の収縮挙動に適応させる必要がある。し
かるに、内部電極層の収縮挙動は、使用する粉末の平均
粒径によって変化する。従って、粉末は、誘電体層の収
縮挙動に適応する平均粒径をもつものを用いることが必
要となる。
な粉末粒子と比べて異常に粒径の大きい粒子(以下、粗
大粒子といい、前記内部電極膜厚より大きい粒径の粒子
も粗大粒子に含まれる)が粉末に混入している。粗大粒
子は、焼成後の電極面上に突起として残り、積層セラミ
ックコンデンサーの耐電圧特性が大きく劣化してしま
う。従って、粉末は、粒度分布が広すぎないものを用い
ることが必要である。
布によっても変化する。従って、粉末は、誘電体層の収
縮挙動に適応する粒度分布をもつものを用いることが必
要となる。
―365806号公報および特開平10−219313
号公報に記載の気相化学反応法や、特開平10−102
108号公報に記載の噴霧熱分解反応法が提案されてい
る。これらの製造方法によれば、高い結晶性、分散性お
よび充填性を有する粉末が得られる。
載の方法 この方法は、塩化ニッケル蒸気と該塩化ニッケル蒸気の
キャリアガスとを混合して、塩化ニッケル・キャリア混
合ガスを調製する第1工程、該混合ガスを1453℃未
満で水素還元してニッケル粒子を生成させる第2工程、
および該ニッケル粒子を回収する第3工程からなる。
(b)の問題点を有していた。
分布、つまり所望の粒度分布をもつ粉末を製造すること
が全くできなかった。
粗大粒子が多く含まれて、粒度分布が広がりすぎるとと
もに見かけの平均粒径が大きくなるので、該粗大粒子を
分離除去する(例えば分級する)必要がさらに生じる。
また、粗大粒子を生成するのにも水素ガスが消費される
ので、水素ガスの反応効率が悪い。従って、粉末の生産
性が低かった。
(a)大型の装置を用いる、(b)塩化ニッケル蒸気分
圧を大きくする、(c)キャリアガス供給速度を増加さ
せることにより生産速度を増加させるという方法が考え
られる。しかし、(a)および(c)の方法では、所望
の粒度分布をもつ粉末が相変わらず全く製造し難いばか
りでなく、粉末の生産性がさらに悪くなった。また、
(b)の方法では、塩化ニッケル蒸気分圧を0.3より
大きくできない。
記載の方法固体ニッケルと塩素ガスとを接触させ塩化ニ
ッケル蒸気を生成させ、塩素ガス、キャリアガスととも
に反応部へ流入させ、次いで、反応部で水素ガスと反応
を行わせて粉末を生成させる。
(b)の問題点を有している。
めに、塩化ニッケル蒸気と塩素ガスとの混合気体中に水
素ガスを混合する。このとき、水素ガスと塩素ガスとの
混合により生じた水素・塩素混合ガスは爆発性を示す。
この混合ガスの爆発限界値は、水素容量で5.8〜8
8.5%と非常に広く、従って反応中においては常に爆
発の危険を伴っている。
塩化ニッケル蒸気との反応に消費されるのみならず、塩
素ガスと反応して塩酸を生成するという反応にも消費さ
れるので、塩化ニッケル蒸気との反応に必要とされる量
よりも過剰に供給する必要がある(水素ガスの反応効率
が悪い)。
記載の方法 ニッケル塩を含む溶液を噴霧して液滴にし、ニッケル塩
の分解温度よりも高い温度まで該液滴を加熱してニッケ
ル塩を熱分解することにより、粉末を生成させる。しか
し、この方法では、次の(a)〜(c)の問題点を有し
ている。
て生成する液滴粒子の粒度に大きく影響を受ける。従っ
て、生成する粉末の粒度をコントロールするためには、
液滴の粒度をコントロールする必要がある。しかし、液
滴を生成させる方法、例えばスプレーノズルや超音波な
どを用いる方法では、液滴の粒度をコントロールするこ
とが非常に難しい。
熱分解が高い温度となっている液滴表面からおこって、
粒子状のニッケル殻が形成される。そのため、ニッケル
殻の中央部には蒸散しきれなかった水分などが閉じこめ
られてしまう。内部に取り残された水分は、熱分解か進
行すると、上記ニッケル殻をうち破って蒸散する場合が
あり、その結果、表面に穴が開いたり、内部が空洞とな
ったりした粒子が生成してしまう。このような粒子から
なる粉末を積層セラミックコンデンサー用電極に用いた
場合、焼成途中においての焼結による収縮量が大きくな
るために、内部応力が発生して内部構造欠陥が発生して
しまう。
濃度を増加させると、生成した粒子同士の融着などが生
じ、粉末の分散性を極端に悪化させてしまう。従って生
産性を向上させることが非常に難しい。
鑑み、結晶性・分散性・充填性の高い粉末が安全に(爆
発の危険がなく)得られる上記気相化学反応法による製
造方法を改良し、0.1〜1.0μm、好ましくは0.
1〜0.6μmの範囲以内の所望の平均粒径および広す
ぎない所望の粒度分布をもつ粉末を良好な生産性で製造
する方法、およびその装置を提供することを課題とす
る。
解決すべく鋭意研究した結果、次の(1)〜(6)の事
項を見いだし、本発明に到達した。
ニッケル蒸気が水素ガスと反応して生成するニッケル粒
子より粒径が異常に大きい。よって、固体粒子が反応部
へ流入し、反応部で水素ガスと反応してニッケルとなっ
たものなどであると推察される。この固体粒子には、
(a)塩化ニッケル蒸気が低い温度のアルゴンガスと接
触し冷却されて再固化した固体塩化ニッケル粒子、
(b)蒸発する前にアルゴンガスによって飛散した固体
塩化ニッケル粒子、(c)上記(b)の固体塩化ニッケ
ル粒子中の酸化ニッケル粒子(後述)などが挙げられ
る。
り、(a)粗大粒子の量を著しく減少させることができ
る、(b)アルゴンガスの供給速度を増加させて、生産
速度を増加させることができる。従って、粒度分布の広
すぎない粉末を著しく生産性を向上させて製造すること
ができる。
ど、平均粒径が小さく、粒度分布が狭い粉末を得ること
ができる。
ほど、塩化ニッケル蒸気から生成するニッケル粒子の粒
径は大きくなるので、アルゴンガスの加熱温度を上げる
ことにより、塩化ニッケル蒸気分圧を従来より上げて、
つまり生産性を従来より向上させて、従来と同様の平均
粒径をもつ粉末を製造することができる。
ニッケル蒸気分圧を適宜変化させることにより、所望の
平均粒径および粒度分布をもつ粉末を得ることができ
る。
した粉末が水素ガスの供給管に付着し、該供給管内部を
塞いでいくことが生産性を低下させる原因の一つになっ
ている。
もの(第1発明)は、生成するニッケル粒子の形状に注
目したもので、塩化ニッケル蒸気と該塩化ニッケル蒸気
のキャリアガスとを混合して、塩化ニッケル・キャリア
混合ガスを調製する第1工程、該混合ガスを1453℃
未満で水素還元してニッケル粒子を生成させる第2工
程、および該ニッケル粒子を回収する第3工程からなる
粉末の製造方法において、(1)100〜1400℃、
好ましくは200〜1300℃、より好ましくは800
℃以上に加熱した不活性ガスを該キャリアガスとし、
(2)該混合ガスの塩化ニッケル蒸気分圧を0.35〜
0.90、好ましくは0.35〜0.60とし、および
(3)水素還元温度を800℃以上、好ましくは900
〜1250℃とすることを特徴とする。
発明)は、生成するニッケル粒子の形状および粒度分布
に注目したもので、第1発明における第1工程と第2工
程との間で固体粒子を分離除去する工程を行うものであ
る。すなわち、第1発明における第1工程である第1工
程、第1工程における混合ガスに含まれる固体粒子を該
混合ガスから分離除去する第2工程、該分離除去ガスを
800℃以上、1453℃未満、好ましくは900〜1
250℃で水素還元してニッケル粒子を生成させる第3
工程、および第1発明における第3工程である第4工程
からなる。
ガスは、水素ガスとの反応性をもたない窒素ガス、アル
ゴンガスなどのガスである。第2発明により第1発明よ
り生産性が一層向上する。
離除去を、開口径が好ましくは40〜150μm、より
好ましくは50〜100μmの濾過器を用いて行うと、
固体粒子を効果的に分離除去することができる。
の第3工程で、水素還元のために水素ガスを供給する供
給管を、好ましくは200℃以下、より好ましくは10
0℃以下に冷却すると、長時間におよぶ粉末の製造を実
現できるので、生産性がさらに一層向上して好ましい。
水素還元のために供給する水素ガス量は、塩化ニッケル
を還元する化学量論量の1.0〜3.0倍が好ましく、
1.5〜2.5倍がより好ましい。
明の第3工程で、ニッケル粒子を生成させ、次に該ニッ
ケル粒子を含むガスを冷却した後、第1発明の第3工程
および第2発明の第4工程で該ニッケル粒子を回収する
ことができる。
(第3発明)は、上記第1発明を実施するものであっ
て、(1)塩化ニッケル蒸気のキャリアである不活性ガ
スを加熱する温度制御可能な加熱器を有する加熱部と、
(2)固体塩化ニッケルを加熱して塩化ニッケル蒸気を
生成させる加熱器を有する蒸発部と、(3)該加熱キャ
リアガスを導入する導入管を有し、該加熱キャリアガス
と該塩化ニッケル蒸気とを混合して塩化ニッケル・キャ
リア混合ガスを調製する混合部と、(4)該混合部から
受けた該混合ガスを水素還元してニッケル粒子を生成さ
せるための水素ガスを供給する供給管、および該水素還
元の反応温度に加熱する温度制御可能な加熱器を有する
反応部と、(5)該水素還元後のガスから該ニッケル粒
子を分離回収する固気分離器を有する回収部とからな
る。
発明)は、上記第2発明を実施するものであって、
(1)第3発明における加熱部、蒸発部および混合部
と、(2)該混合部から受けた混合ガスから、含まれる
固体粒子を捕捉して分離除去する固氣分離器を有する捕
捉部と、(3)該捕捉部から受けた該分離除去ガスを水
素還元によりニッケル粒子を生成させる反応をおこさせ
るために、水素ガスを供給する供給管、および該反応の
反応温度に加熱する温度制御可能な加熱器を有する反応
部と、(4)第3発明における回収部とからなる。
および混合部に換えて、該蒸発部および該混合部を兼ね
る、すなわち加熱キャリアガスを導入する導入管、およ
び固体塩化ニッケルを加熱して塩化ニッケル蒸気を生成
させる加熱器を有し、該加熱キャリアガスと該塩化ニッ
ケル蒸気とを混合して塩化ニッケル・キャリア混合ガス
を調製する蒸発・混合部を設けてもよい。また、反応部
の供給管を冷却する冷却ジャケットを該供給管が備える
と、長時間におよぶ粉末の製造を実現できるので、生産
性がさらに一層向上して好ましい。そして、水素還元後
の該ニッケル粒子を含むガスを冷却し、回収部に送る冷
却部を設けることができる。
性ガスを、塩化ニッケルのキャリアガスに用いる。その
ため、水素ガスと混ざって爆発する危険性がない。
より好ましくは800℃以上の温度に加熱したキャリア
ガスを塩化ニッケル蒸気と混合する。キャリアガスの加
熱温度が増大するほど、平均粒径が小さく、かつ粒度分
布が狭い粉末が得られる。従って、所望の平均粒径また
は粒度分布をもつ粉末を得ることができる、言い換えれ
ば、平均粒径または粒度分布のコントロール性よく粉末
を得ることができる。その理由は次の(i)〜(ii
i)のように推察される。
り、前記固体粒子のうちの再固化固体塩化ニッケル粒子
の粒径を小さくできる(粒径の小さくなった再固化固体
塩化ニッケル粒子を、以下「固体微粒子」という)。
るほど、固体微粒子の生成量および粒径が減少する。
れる粉末は、微粒子化しているものの、塩化ニッケル蒸
気から生成した粉末より粒径が比較的大きい。
を用いることにより、生産性が格段に向上する。その理
由は次の(i)〜(iv)の通りである。
とができる。
ていた水素ガスの反応効率が上がる。
めに、キャリアガスを加熱しない場合に比べてより高い
塩化ニッケル蒸気分圧領域で反応させることができる。
何故なら、(イ)塩化ニッケル蒸気分圧が増大するほ
ど、粉末の平均粒径は大きくなる、(ロ)キャリアガス
の加熱温度が増大するほど、平均粒径が小さい粉末が得
られるからである。
ることにより生産速度を増加させることができる。何故
なら、キャリアガスを加熱しない場合と違って、キャリ
アガス自体が既に所望の温度に加熱されていて、平均粒
径または粒度分布のコントロール性が失われないからで
ある。なお、特開平4―365806号公報に記載の方
法において粉末の生産性を上げるために、(イ)大型の
装置を用いる、(ロ)キャリアガス供給速度を増加させ
ることにより生産速度を増加させようとすると、前述し
たように粉末の生産性がさらに悪くなったのは、炉壁か
ら遠い部分のキャリアガスほどその温度が上がりづらく
なるからである。
た場合には、次のような顕著な効果をもたらす。すなわ
ち、反応部で加熱を行わなくてもその温度が維持でき、
もしくは上昇する。このことにより、炉体に与えるエネ
ルギーが少なくてすみ、大幅なコストダウンを行うこと
が可能となる。これは、塩化ニッケルと水素ガスとの反
応が発熱反応であるからである。
記キャリアガス加熱による作用効果が充分に得られな
い。一方、キャリアガス温度が1400℃を超えると、
キャリアガスを加熱するために供給するエネルギーがよ
り多く必要となり、経済的に不利となる。
に、塩化ニッケル蒸気分圧は、全圧を1.0としたとき
に、0.35〜0.90とする。とりわけ0.1〜0.
6μm程度といった小粒径の粉末を得るためには、全圧
を0.35〜0.60とする。塩化ニッケル蒸気分圧が
0.35未満では生産性が約1/2以下に低下する。一
方、0.90を超えると、平均粒径が過大になりやすく
なる。
キャリアガス量や塩化ニッケル原料量、および塩化ニッ
ケルを蒸発させる温度などによって行うことができる。
末の平均粒径は増大する。従って、所望の平均粒径をも
つ粉末を得ることができる。
体粒子を捕捉することにより、工程が簡略できるととも
に、水素ガス反応効率が上がって、一層生産性が向上す
る。固体粒子の主なものは、前述したように(i)蒸発
する前にキャリアガスによって飛散した固体塩化ニッケ
ル粒子、(ii)該(i)の固体塩化ニッケル粒子中の
酸化ニッケル粒子などである。なお、再固化固体塩化ニ
ッケル粒子は、上記(b)で述べたように有効に利用さ
れる。
由を次に述べる。すなわち、原料である固体塩化ニッケ
ルは、その性質として吸湿性が非常に大きい。そのため
ハンドリング途中などで水分を吸収し、蒸発させるため
の加熱時において、塩化ニッケルと吸湿した水分との加
水分解反応が生じ、酸化ニッケル粒子が生成してしま
う。
や、セラミックなどによって構成される多孔質薄壁材、
ハニカムフィルターなどの濾過器を用いることができ
る。材質には特に制限がないがコンタミネーションや耐
熱性などの点を考慮すると、生成させる粉末と同一材質
のニッケルが望ましい。濾過器の開口径は40〜150
μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。開
口径が小さすぎる場合、圧力損失が大きくなってしま
い、大きすぎる場合には固体粒子の捕捉能力が大きく低
下してしまう。
略化できるとともに、水素ガス反応効率が上がる理由は
次の通りである。すなわち、固体粒子はその粒径が10
〜50μm程度と非常に大きい。このような固体粒子が
反応部に侵入すると、水素と反応して、塩化ニッケル蒸
気と水素との反応によって生成する粒子よりも粒径が3
〜5μm程度の非常に大きい粗大粒子となる。そのため
反応後回収される粉末の平均粒径は非常に大きく、また
粒度分布は非常に広くなってしまう。このような粉末か
ら粗大粒子を分離除去しようとすると、そのための工程
が必要になる。また、粗大粒子を生成させるに要した水
素ガスが無駄になって、水素ガス反応効率が低下する。
下、より好ましくは100℃以下に冷却すると、長時間
におよぶ粉末の製造を実現でき、生産性について著しい
改善効果を確保できる。
給管は生成した粉末へのコンタミネーションを抑制する
ために、粉末と同一材質のニッケルとする場合が多く、
そのため粉末は供給管に付着しやすい状態にある。供給
管を冷却しないで反応を継続的に行っていると、生成し
た粉末が該供給管に付着する。供給管に最初に付着した
粉末を基体としてその上に粉末がさらに接触・付着す
る。粉末生成反応温度では粉末の焼結性は著しく大きく
なるために粉末の焼結が進行し、該供給管内部を塞いで
いくと考えられる。最悪の場合、供給管内をすべて閉塞
させてしまって、粉末の生成反応をそれ以上続けること
ができなくなるばかりでなく、反応部内圧が上昇し、反
応部ひいては装置の破壊という事態を招いてしまう場合
もある。これに対して、供給管の表面を上記温度以下に
冷却しておくと、粉末は該供給管に接触しても焼結性が
著しく低く抑えられるため、該供給管とほとんど焼結し
ない。そればかりでなく、ガスの流れや重力の働きによ
り供給管から剥がれやすくなる。水素ガス供給管の温度
が200℃を超えると、生成した粉末の付着抑制効果が
非常に乏しくなる。
で、キャリアガスと反応せず、そのため良好な反応効率
で水素ガスを使うことができる。
して該混合ガスから分離除去すると、水素ガスは該固体
粒子とも反応せず、そのため塩化ニッケル蒸気と固体微
粒子との反応に必要な量だけ供給すればよい。言い換え
れば、一層良好な反応効率で水素ガスを使うことができ
る。
る化学量論量の1.0〜3.0倍が好ましく、1.5〜
2.5倍がより好ましい。水素ガスを過剰に供給する
と、反応部内にて大きな水素の流れをもたらし、塩化ニ
ッケル蒸気との混合が不均一となって生成する粉末の、
とりわけ粒度分布を悪化させる。また、消費されない水
素を供給することとなるので不経済である。供給する水
素ガス量が上記化学量論量よりも少ない場合には、塩化
ニッケルと水素ガスとの化学反応が十分に行われず、粉
末の収率や純度が悪化する。
して固体塩化ニッケルになることのない温度が必要であ
り、かつ反応完結に十分な温度であればよい。本発明者
の実験によれば、反応部の温度は800℃以上、145
3℃(ニッケルの融点)未満が必要となる。反応部を加
熱する加熱炉および反応部部材などの耐久性、経済性、
また加熱に要するエネルギーコストなどの経済性を考慮
すると、900〜1250℃程度がより好ましい。
ルの再固化が生じてしまう。また塩化ニッケルと水素ガ
スとの化学反応が十分に行われず、反応効率が悪化し、
生産性が悪くなるという問題を生ずる。一方、反応部の
温度が1453℃以上では、生成した粉末が液滴で存在
し、異常に粒成長した粒子が発生したり、反応部内壁に
付着する粉末量が増大したりして、粉末の収率が悪化し
てしまう。
結晶性・分散性・充填性、(ii)0.1〜1.0μ
m、特に0.1〜0.6μmの範囲以内の所望の平均粒
径、(iii)広すぎない所望の粒度分布、および(i
v)球状の粒子形状をもつ粉末を、安全に(爆発の危険
がなく)、良好な生産性で製造することができる。
造装置の一実施例の模式図である。
気のキャリアである不活性ガスを加熱する温度制御可能
な加熱器11を有する加熱部10と、(b)収容器21
に収容された固体塩化ニッケルを加熱して塩化ニッケル
蒸気を生成させる加熱器22を有する蒸発部20と、
(c)該加熱キャリアガスを導入する導入管31を有
し、該加熱キャリアガスと該塩化ニッケル蒸気とを混合
して塩化ニッケル・キャリア混合ガスを調製する混合部
30と、(d)混合部30から受けた該混合ガスから、
含まれる固体粒子を捕捉して分離除去する濾過器41を
有する捕捉部40と、(e)捕捉部40から受けた該分
離除去ガスを水素還元するための水素ガスを供給すると
ともに、自身が冷却される冷却ジャケット51aをもつ
供給管51、および該水素還元の反応温度に加熱する温
度制御可能な加熱器52を有する反応部50と、(f)
反応部50のガスを冷却する冷却部60と、(g)冷却
部60で冷却したガスから該ニッケル粒子を分離回収す
る固気分離器71を有する回収部70とからなる。
ガスを所望温度まで加熱する。なお、キャリアガスの温
度を熱電対12で測定する。
塩化ニッケルを入れ、目的とする温度まで収容器21内
を加熱し塩化ニッケル蒸気を発生させる。なお、収容器
21内の温度を熱電対23で測定する。一方、加熱部1
0の加熱器11によって加熱されたキャリアガスを混合
部30の導入管31から混合部30に導入し、塩化ニッ
ケル蒸気と混合して塩化ニッケル・キャリア混合ガスを
調製する。
を通過する。この際、濾過器41は、含まれる固体粒子
を捕捉して上記混合ガスから分離除去する。
とともに、冷却ジャケット51aにより200℃以下に
冷却された供給管51より水素ガスを供給する。反応部
50は加熱器52により所望温度に加熱されているの
で、上記分離除去ガス中の塩化ニッケル蒸気および固体
微粒子と水素ガスとが混合、接触し化学反応を起こして
粉末が生成する。なお、反応部50内の温度を熱電対5
3で、供給管51の温度を熱電対54で測定する。
却部60を経て、回収部70に送られ、円筒濾紙などの
固気分離器71によって粉末とガスとの固気分離を行
い、粉末を回収する。
り詳しく説明する。
180℃において72時間乾燥させ結晶水を除いたもの
を原料に用いた。また、製造装置は図1のもので、詳細
は次の通りである。
配管によって混合部30の導入管31に接続されてい
る。熱電対12によってキャリアガス加熱温度をモニタ
リングした。
mの空洞円柱の構造をなしている。熱電対23によって
塩化ニッケル蒸気温度をモニタリングした。
の中央に、直径10cm、長さ2mの空洞円柱をつなぎ
あわせた構造をなしている。熱電対53によって反応温
度をモニタリングした。
4mm・内径8mmのものを用いた。これが、直径8m
mの吹き出し口となって水素ガスを供給する構造となっ
ている。冷却ジャケット51aを通す冷却剤には水を用
いた。ただし、参考例1ではシリコン油を用い、参考例
2では何も流さなかった。熱電対54によって供給管5
1の温度をモニタリングした。
1〜4]アルゴンガスを所定温度に加熱し25Nリット
ル/分で混合部30に供給し、蒸発部20において原料
塩化ニッケルを蒸発させて得られた塩化ニッケル蒸気と
混合部30で混合した。そして、所定の塩化ニッケル蒸
気分圧の塩化ニッケル・アルゴン混合ガスを調製した。
0を上記混合ガスに経させ、固体粒子が分離除去された
分離除去ガスを、所定温度に保持された反応部50に移
送した。
給管51から10Nリットル/分で供給される水素ガス
と、上記分離除去ガスとを所定温度で5時間継続して反
応させた。
から回収部70に移送した。回収部70で粉末とガスと
を分離し、粉末を回収した。
5時間、真空乾燥を行い、製品粉末を得た。
1に示す。なお、実施例1、2、9では、反応に必要な
熱は、反応部50の調整器52からの加熱によらず、反
応による発熱を利用した。これにより反応部温度は所定
温度に維持できた。
00倍のSEM写真から粒子100個以上を測長し、個
数基準の積算粒度分布における50%粒子径(通常、d
50と示す)を平均粒径とした。
00倍のSEM写真から球形のものを○、非球形のもの
を△、ネッキングなどの数個の粒子が結合した状態のも
のが見られるものを×とした。
X100型)にて粉末の粒度分布を測定し、積算粒度分
布において積算値が10体積%となる粒子径d10および
同積算値が90体積%となる粒子径d90を求め、粒度分
布比d90/d10を算出した。この値が大きいほど粒度分
布は広いことになる。
(株)製全自動粉粒体真比重測定装置(オート・トゥル
ー・デンサーMAT−5000型)にて粉末の真密度を
測定した。この値が高いほど充填性は高いことになる。
により評価した。X線回折装置には、理学電機(株)製
のRotaflex Rad−rVB型を用いた。結晶
子サイズが1000A(オングストローム)以上のもの
を○、それ未満のものを×とした。
出し、付着したニッケルの厚み(t)を測定し、ニッケ
ル付着度t/dを算出した。この値が小さいほど供給管
51へのニッケル付着量は小さいことになる。
2のニッケル付着度欄中の「−」は、ニッケル付着がな
く(t=0.00mm)、付着率が0.00であること
を示す。
ル蒸気分圧を適宜変化させることによって、所望の平均
粒径および粒度分布をもつ粉末が生産性よく得られる。
ではいずれも、(a)平均粒径が0.1〜1.0μm
(実施例2以外は0.1〜0.6μm)であり、(b)
充填性、結晶性および分散性が満足でき、(c)粒度分
布が広すぎず、(d)形状が球形の粉末が生産性よく得
られた。
2では、供給管温度が高くなるとともに、ニッケル付着
度が高くなっていた。実施例10、11では供給管温度
が200℃以下でありニッケルの付着が極く微量であっ
た。
の開口径が大きめの開口径をもつ濾過器を捕捉部で用い
たために、回収部で回収した粉末に粗大粒子が混ざり、
その粉末の粒度分布が広くなった。
ルゴンガスを用いたために、回収部で回収した粉末に粗
大粒子が混ざり、その粉末の粒度分布が広くなった。
℃と低く、塩化ニッケル分圧が0.30と低いために、
(a)粒子形状が非球形化した、(b)粒度分布が広
い、(c)結晶性が悪い粉末が得られた。
℃と低く、塩化ニッケル分圧が0.95と高いために、
(a)平均粒径が大きい、(b)粒子形状が非球形化し
た、(c)粒度分布が広い、(d)結晶性が悪い粉末が
得られた。
490℃と高く、また塩化ニッケル分圧が0.30と低
い(比較例3)か、0.95と高い(比較例4)ため
に、(a)ニッケル粒子同士が結合して形状が非球形化
した多数の粒子を含む、(b)粒度分布が広い粉末が得
られた。
よび製造装置によれば、以下の効果が得られる。
るので、粉末の結晶性・分散性・充填性が高い。
ガスを用いることにより、反応中においての爆発などの
危険性がない。
することにより、(a)塩化ニッケル蒸気分圧が高い状
態で生産することができるため、生産性が従来と比べて
著しく改善される、(b)平均粒径が0.1〜1.0μ
mで、粒度分布が広狭自由の粉末を製造することができ
る、(c)キャリアガス温度を800℃以上とした場
合、反応部の加熱を行わなくても反応熱により反応を継
続的に行わせることができ、コスト的に非常に有利にな
る。
粉末による該供給管の閉塞が抑制され、連続した反応が
可能となるため、生産性が一層向上する。
末中への粗大粒子の混入が抑制され、生産性が一層向上
する。
製造装置の一実施例の模式図である。
Claims (23)
- 【請求項1】 塩化ニッケル蒸気と該塩化ニッケル蒸気
のキャリアガスとを混合して、塩化ニッケル・キャリア
混合ガスを調製する第1工程、該混合ガスを1453℃
未満で水素還元してニッケル粒子を生成させる第2工
程、および該ニッケル粒子を回収する第3工程からなる
ニッケル粉末の製造方法において、(1)100〜14
00℃に加熱した不活性ガスを該キャリアガスとし、
(2)該混合ガスの塩化ニッケル蒸気分圧を0.35〜
0.90とし、および(3)水素還元温度を800℃以
上とすることを特徴とする積層セラミックコンデンサー
電極用ニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項2】 塩化ニッケル蒸気と該塩化ニッケル蒸気
のキャリアガスとを混合して、塩化ニッケル・キャリア
混合ガスを調製するA工程、該混合ガスを1453℃未
満で水素還元してニッケル粒子を生成させるB工程、お
よび該ニッケル粒子を回収するC工程からなるニッケル
粉末の製造方法において、(1)200〜1400℃に
加熱した不活性ガスを該キャリアガスとし、該混合ガス
の塩化ニッケル蒸気分圧を0.35〜0.90とした該
A工程を第1工程とし、(2)該第1工程における該混
合ガスに含まれる固体粒子を該混合ガスから分離除去す
る工程を第2工程とし、(3)該第2工程から受けた分
離除去ガスを該B工程における混合ガスとし、水素還元
温度を800℃以上とした該B工程を第3工程とし、お
よび(4)該C工程を第4工程とすることを特徴とする
積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造
方法。 - 【請求項3】 不活性ガスは、窒素ガスまたはアルゴン
ガスである請求項1または2に記載の積層セラミックコ
ンデンサー電極用ニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項4】 第1工程におけるキャリアガスが200
〜1300℃に加熱された請求項1または2に記載の積
層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造方
法。 - 【請求項5】 第1工程におけるキャリアガスが800
℃以上に加熱された請求項1または2に記載の積層セラ
ミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項6】 第1工程における混合ガスの塩化ニッケ
ル蒸気分圧が0.35〜0.60である請求項1または
2に記載の積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル
粉末の製造方法。 - 【請求項7】 第2工程における固体粒子の分離除去
は、開口径が40〜150μmの濾過器を用いて行う請
求項2に記載の積層セラミックコンデンサー電極用ニッ
ケル粉末の製造方法。 - 【請求項8】 濾過器の開口径が50〜100μmであ
る請求項7に記載の積層セラミックコンデンサー電極用
ニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項9】 水素還元温度が900〜1250℃であ
る請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ
ー電極用ニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項10】 水素還元のために水素ガスを供給する
供給管が、200℃以下に冷却される請求項1または2
に記載の積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉
末の製造方法。 - 【請求項11】 供給管が100℃以下に冷却される請
求項10に記載の積層セラミックコンデンサー電極用ニ
ッケル粉末の製造方法。 - 【請求項12】 水素還元のために供給する水素ガス量
は、塩化ニッケルを還元する化学量論量の1.0〜3.
0倍である請求項1、2または10に記載の積層セラミ
ックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項13】 水素ガス量は、塩化ニッケルを還元す
る化学量論量の1.5〜2.5倍である請求項12に記
載の積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の
製造方法。 - 【請求項14】 水素還元してニッケル粒子を生成さ
せ、次に該ニッケル粒子を含むガスを冷却した後、該ニ
ッケル粒子を回収する請求項1または2に記載の積層セ
ラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項15】 (1)塩化ニッケル蒸気のキャリアで
ある不活性ガスを加熱する温度制御可能な加熱器を有す
る加熱部と、(2)固体塩化ニッケルを加熱して塩化ニ
ッケル蒸気を生成させる加熱器を有する蒸発部と、
(3)該加熱キャリアガスを導入する導入管を有し、該
加熱キャリアガスと該塩化ニッケル蒸気とを混合して塩
化ニッケル・キャリア混合ガスを調製する混合部と、
(4)該混合部から受けた該混合ガスを水素還元してニ
ッケル粒子を生成させるための水素ガスを供給する供給
管、および該水素還元の反応温度に加熱する温度制御可
能な加熱器を有する反応部と、(5)該水素還元後のガ
スから該ニッケル粒子を分離回収する固気分離器を有す
る回収部とからなる積層セラミックコンデンサー電極用
ニッケル粉末の製造装置。 - 【請求項16】 (1)塩化ニッケル蒸気のキャリアで
ある不活性ガスを加熱する温度制御可能な加熱器を有す
る加熱部と、(2)該加熱キャリアガスを導入する導入
管、および固体塩化ニッケルを加熱して塩化ニッケル蒸
気を生成させる加熱器を有し、該加熱キャリアガスと該
塩化ニッケル蒸気とを混合して塩化ニッケル・キャリア
混合ガスを調製する蒸発・混合部と、(3)該蒸発・混
合部から受けた該混合ガスを水素還元してニッケル粒子
を生成させるための水素ガスを供給する供給管、および
該水素還元の反応温度に加熱する温度制御可能な加熱器
を有する反応部と、(4)該水素還元後のガスから該ニ
ッケル粒子を分離回収する固気分離器を有する回収部と
からなる積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉
末の製造装置。 - 【請求項17】 (1)塩化ニッケル蒸気のキャリアで
ある不活性ガスを加熱する温度制御可能な加熱器を有す
る加熱部と、(2)固体塩化ニッケルを加熱して塩化ニ
ッケル蒸気を生成させる加熱器を有する蒸発部と、
(3)該加熱キャリアガスを導入する導入管を有し、該
加熱キャリアガスと該塩化ニッケル蒸気とを混合して塩
化ニッケル・キャリア混合ガスを調製する混合部と、
(4)該混合部から受けた該混合ガスから、含まれる固
体粒子を捕捉して分離除去する固氣分離器を有する捕捉
部と、(5)該捕捉部から受けた該分離除去ガスを水素
還元してニッケル粒子を生成させるための水素ガスを供
給する供給管、および該水素還元の反応温度に加熱する
温度制御可能な加熱器を有する反応部と、(6)該水素
還元後のガスから該ニッケル粒子を分離回収する固気分
離器を有する回収部とからなる積層セラミックコンデン
サー電極用ニッケル粉末の製造装置。 - 【請求項18】 (1)塩化ニッケル蒸気のキャリアで
ある不活性ガスを加熱する温度制御可能な加熱器を有す
る加熱部と、(2)該加熱キャリアガスを導入する導入
管、および固体塩化ニッケルを加熱して塩化ニッケル蒸
気を生成させる加熱器を有し、該加熱キャリアガスと該
塩化ニッケル蒸気とを混合して塩化ニッケル・キャリア
混合ガスを調製する蒸発・混合部と、(3)該蒸発・混
合部から受けた該混合ガスから、含まれる固体粒子を捕
捉して分離除去する固氣分離器を有する捕捉部と、
(4)該捕捉部から受けた該分離除去ガスを水素還元し
てニッケル粒子を生成させるための水素ガスを供給する
供給管、および該水素還元の反応温度に加熱する温度制
御可能な加熱器を有する反応部と、(5)該水素還元後
のガスから該ニッケル粒子を分離回収する固気分離器を
有する回収部とからなる積層セラミックコンデンサー電
極用ニッケル粉末の製造装置。 - 【請求項19】 不活性ガスは、窒素ガスまたはアルゴ
ンガスである請求項15〜18のいずれかに記載の積層
セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造装
置。 - 【請求項20】 捕捉部の固氣分離器は、40〜150
μmの開口径をもつ濾過器である請求項17または18
に記載の積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉
末の製造装置。 - 【請求項21】 濾過器の開口径が50〜100μmで
ある請求項20に記載の積層セラミックコンデンサー電
極用ニッケル粉末の製造装置。 - 【請求項22】 反応部の供給管は、該供給管を冷却す
る冷却ジャケットを備える請求項15〜18のいずれか
に記載の積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉
末の製造装置。 - 【請求項23】 水素還元後のガスを冷却し、回収部に
送る冷却部を有する請求項15〜18のいずれかに記載
の積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製
造装置。
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JP14730699A JP4075214B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | 積層セラミックコンデンサー電極用ニッケル粉末の製造方法および製造装置 |
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1999
- 1999-05-26 JP JP14730699A patent/JP4075214B2/ja not_active Expired - Lifetime
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