JPH0740485B2 - リチウム二次電池用の正極合剤の製造法 - Google Patents

リチウム二次電池用の正極合剤の製造法

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JPH0740485B2
JPH0740485B2 JP63312308A JP31230888A JPH0740485B2 JP H0740485 B2 JPH0740485 B2 JP H0740485B2 JP 63312308 A JP63312308 A JP 63312308A JP 31230888 A JP31230888 A JP 31230888A JP H0740485 B2 JPH0740485 B2 JP H0740485B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はリチウムを負極とした高エネルギ密度に有する
リチウム二次電池の正極合剤の製造法に関するものであ
る。
従来の技術 周知のようにリチウム一次電池用の二酸化マンガン正極
は、導電剤にカーボンブラックやグラファイト等の炭素
粉末、また結着剤には二酸化マンガンの加熱脱水処理に
耐えうる四フッ化エチレン樹脂等のフッ素系の樹脂を用
いている。そしてこれらを水などを用いて混練し、粘土
状またはペースト状にして網状またはエキスパンドメタ
ル状の極板芯体に充填し、圧延するなどして極板として
いる。ところが、二酸化マンガンはリチウム二次電池用
の正極活物質としても有望であることがわかり、製造法
ならびに極板の形態を含め、新たな検討が必要となって
きた。例えば、最初にリチウム二次電池を製品化したカ
ナダのMoLi ENERGY社(以後MO社と略す)の電池の場
合、正極活物質にMoS2用いており、これを有機溶剤で練
りペースト状にし、アルミニウム箔に塗着した正極を用
いている。このような形態の正極を用いる理由は二つあ
り、 (1)極板の薄形大面積化をはかるためである。リチウ
ム二次電池の場合、サイクルは負極のリチウムの消耗と
共に進み、負極の消耗速度は充放電の電流密度に比例す
るといわれている。即ち、このように極板を薄形大面積
化することはサイクル寿命を延ばす効果があると考えら
れる。
(2)正極と対向するリチウム表面の消耗反応を均一に
するためである。例えば、正極芯体に網状またはエキス
パンドメタル状のものを用いた場合、負極リウチムは対
向する正極のその芯体の網目に沿って消耗することがわ
かった。そして、多くの場合、この偏った消耗の果てに
起こる負極の破断でサイクル寿命が著しく短くなること
がわかった。即ち、正極の極板芯体の形態は平滑なフィ
ルム状が好ましい。
以上のように正極にフィルム状極板芯体を用い、かつ正
負極とも薄形大面積の極板とし、スパイラル状に巻いて
電池を構成することがリチウム二次電池の好ましい形と
考えられる。さらに正極芯体としての化学的安定性およ
び加工容易性を考慮するとアルミニウム箔が好ましいと
考えられる。
上記MO社のMoS2の場合、活物質の表面を部分的に酸化
し、電気伝導性に優れたMoO2を形成するため、新たに導
電剤は加えていない。しかし、周知のように二酸化マン
ガンを用いて正極を作る場合、導電剤の炭素粉末は必須
要素であり、さらにかさ高い炭素粉末を含むため、結着
剤を用いないと極板形成が不可能であることがわかって
いる。特に、結着剤は二酸化マンガンの加熱脱水処理に
耐える点とスパイラル状構成に適した柔軟性を与える点
で四フッ化エチレン樹脂が好ましい。
発明が解決しようとする課題 アルミニウム箔のようなフィルム状極板芯体を用いて二
酸化マンガン正極を作る方法はこれまで知られていなか
ったが、フィルム状極板芯体を使える可能性のある極板
製造法としては、従来技術の中ではペーストの塗着方式
がある。特に、二酸化マンガンのペースト製造法に関す
る先行技術には三洋電機(株)より出願された特開昭54
−46344号および特開昭56−88261号、同じく東芝電池
(株)出願にかかる特開昭60−127661号がある。これら
の先行技術には、二酸化マンガン活物質粉末に結着剤と
粘性剤溶液を加えてペーストを作る方法が記してあり、
このペーストを極板芯体に塗着または塗布して極板とし
ている。
そこでこの先行技術に基づいて導電剤にアセチレンブラ
ック、結着剤に四フッ化エチレン樹脂、粘性剤にカルボ
キシルセルロースを用いペーストを試作した。そしてこ
のペーストを用い塗着試験を行った。塗着方法は第2図
のようなステンレス板の枠1を用い、これを水平に広げ
た極板芯体2上に(矢印方向7に)置き、さらにこの枠
内にペースト3をのせ、ポリイミド樹脂のブレード(樹
脂へら)4を枠に沿って動かし(矢印5のように)充填
するというもので、充填後枠を取り除くと枠の厚みに相
当するペースト層6が形成できるというものである。エ
キスパンドメタルやネット状の極板芯体を用いた場合、
芯体の網目にペーストが食い込みながら塗着されるため
塗着ギャップ(塗着層の厚みを調製するための枠の厚
み)の大小にかかわらずうまく充填できることがわかっ
た。しかし、アルミニウム箔の場合、ペーストそのもの
がアルミニウム箔上を滑り均一な塗着はできないという
問題があった。薄い塗着層の形成はさらに困難であり、
枠の厚みを1.0mmに満たないほどに小さくするとペース
トが一塊となってブレードに引きずられアルミニウム箔
上を滑り塗着不可能となった。
従って、アルミニウム箔上には塗着によって正極合剤を
薄く形成するためには正極合剤ペーストの改良、即ち正
極合剤のインク化が必要であると考えられる。
本発明が上記の課題に着目してなされたものであって、
二酸化マンガンとカーボンと四フッ化エチレン樹脂を含
み、かつアルミニウム箔上への塗着に適したインク状正
極合剤の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明は二酸化マンガン活
物質粉末と導電剤の炭素粉末を混合し、この混合物を0.
5重量%〜2.0重量%の濃度のカルボキシメチルセルロー
ス(CMC)の水溶液とともに混練して糊状にした後、こ
の糊状物に固形分としての添加量が二酸化マンガンに対
して3重量%〜10重量%となる四フッ化エチレン樹脂の
ディスパージョン水溶液を加え、さらに混練しインク状
にすることを特徴とし、望ましくは導電剤の炭素粉末は
カーボンブラックであり、その添加量は二酸化マンガン
に対して2重量%〜6重量%であり、さらにグラファイ
ト粉末を二酸化マンガンに対し少なくとも2重量%以上
含むことを特徴とし、又、CMC水溶液の添加量は二酸化
マンガン100gに対して80c.c.〜150c.c.であることを特
徴とする。
上記の本発明の製造法は具体的には下記の通りである。
まず二酸化マンガン活物質粉末と導電剤の炭素粉末を混
合粉末合剤とする。ただし導電剤は、二酸化マンガンに
対し2重量%以上、6重量%以下のカーボンブラックで
あり、さらに二酸化マンガンに対し少なくとも2重量%
のグラファイト粉末を含むことが好ましい。次いで、こ
の粉末合剤を0.5重量%以上、2.0重量%以下の濃度範囲
にはいるCMC水溶液とともに混練して糊状にする。この
時のCMC水溶液の添加量は二酸化マンガン100gに対して8
0c.c.以上、150c.c.以下であることが好ましい。さらに
糊状のまま十分に混練する。その後に四フッ化エチレン
樹脂のディスパージョン水溶液を加え、さらに混練す
る。この時、四フッ化エチレン樹脂の固形分としての添
加量が二酸化マンガンに対して5重量%以上、10重量%
以下となるように調製する。また、四フッ化エチレン樹
脂のディスパージョン水溶液を加えてしばらく混練する
と合剤の粘度が急上昇する。そしてさらに混練を続ける
と再び粘度が低下する。以上の工程を終え、得られたも
のが目的のインク状正極合剤である。また、混練中にお
いてインク状正極合剤中には空気の泡が溜るので塗着ま
たは印刷する前に一度メッシュを通過させ脱泡すること
が好ましい。
作用 本発明の製造法になるインク状正極合剤を先の塗着装置
を用いてアルミニウム箔に塗着した結果、均一な塗着層
が得られた。
特に従来例で示したペーストがまったく塗れなくなった
狭い塗着ギャップの条件下でもこのインク状正極合剤で
は優れた塗着層を形成することができた。本発明のイン
ク状正極合剤と上述のペーストは含まれる材料成分に関
してはほとんど変わらないにもかかわらず、その流体と
しての性質は大きく異なっている。特に異なる性質は、
流体としての流れ性、すなわち流体にずり応力をかけた
ときの抵抗力である。従来のペーストの場合、アルミニ
ウム箔に対する付着力に比べ、このずり変形に対する抵
抗力が大きいため塗着できないものと思われる。
この点、本発明のインク状正極合剤の場合、この抵抗力
よりむしろ付着力が大きく、うまく塗着できるものと思
われる。上述のずり変形に対する抵抗力は、流体中に分
散する活物質、炭素粉末、結着剤およびCMCなど固形成
分個々の性質はもちろんのこと、相互の絡み状態によっ
て決まると考えられる。すなわち、塗着に適した流体と
は、各成分が互いの動きを束縛せず、自由に動ける状態
をもつ流体であると考えられる。そして、本発明製造法
を用いると塗着に適した流体、特にアルミニウム箔への
塗着に適したインク状正極合剤が得られたのは、粉末合
剤とCMC水溶液との混練で予めCMCの繊維が合剤中の活物
質および導電剤粒子を包み込み、後に加えた四フッ化エ
チレン樹脂繊維は既に構成されているCMC繊維のネット
ワークに沿って配置され、混練後にいかなる外力が加わ
っても四フッ化エチレン樹脂繊維はCMC繊維に沿って滑
り、互いに絡み合わないというメカニズムのためだと考
えられる。また、結着剤の添加後の混練において、一時
的に流体粘度の上昇がみられるが、このレオロジックな
変化のメカニズムは不明である。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 インク状正極合剤を調合するに当たっての予備検討とし
て、必要な材料の選択をまず行った。従来からこのよう
なペーストまたはインク状正極合剤を作るには、粘度調
節用の増粘剤が必要であるといわれているため、増粘剤
について検討を行った。結着剤は二酸化マンガンの熱処
理ならびに極板柔軟性の都合から四フッ化エチレン樹脂
を用いるが、このような用途では、ダイキン(株)製の
D−1、および三井フロロケミカル(株)製の30J等に
代表される水溶性のディスパージョンが好ましい。従っ
て、増粘剤も水溶性のものを検討した。水溶性の増粘剤
としては、ポリビニルアルコール(PVA)、メチルセル
ロース(MC)、カルボキシルメチルセルロース(CM
C)、ポリアクリル酸ソーダ(PANa)等がある。そこ
で、これらの増粘剤と四フッ化エチレン樹脂のディスパ
ージョン水溶液との相溶性を調べてみた。方法は上記増
粘剤の1%水溶液を作り、これに上記四フッ化エチレン
樹脂のディスパージョン水溶液を滴下し、均一に分散す
るか否かを観察するものである。まず、PVAとPANaにつ
いては、四フッ化エチレン樹脂の二次粒子を作り樹脂の
沈澱が起こった。またMCとCMCはいずれも均一に分散し
たが、増粘性に関してはCMCの方が優れていた。以上の
結果により増粘剤としてはCMCを選んだ。周知のようにC
MCには、エーテル化度(鎖状高分子であるCMCの一部を
エーテル結合を持つ置換基で置き換えた比率で、親水性
の度合をしめすもの)と1重量%水溶液の粘度規格とい
うものがあり、これらの値の異なる多くの品種がある。
そこで、エーテル化度と上記粘度規格の異なる種々のCM
Cについて同様の分散試験を行った結果、エーテル化度
が0.6に満たない製品の場合、四フッ化エチレン樹脂が
均一に分散せず、沈澱こそしないが分散液にむらが発生
した。即ちエーテル化度は0.6以上必要であると判断し
た。また、エーテル化度が0.6以上であれば均一に分散
するが、粘度規格が1000cpsに満たないものは粘性が低
く好ましいとはいえなかった。
また、粘度規格が3000cpsを越えるとこの分散液自体が
弾力性を帯びた流体となり、流れ性が低下することがわ
かった。そこで、CMC濃度を下げ粘度を下げる試みも行
ったが、分散液にむらが生じ始めた。これは、上記のCM
C繊維のネットワークに収容できなくなった四フッ化エ
チレン樹脂繊維が分離したためと考えられる。
以上の結果より本実施例に用いるCMCはエーテル化度0.6
5、粘度規格2000cpsの材料とした。
実施例2 実施例1で決定したCMC材料を用い0.3重量%、0.5重量
%、0.8重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.
5重量%および3.0重量%のCMC水溶液を用意した。これ
までリチウム電池用の導電剤としては、カーボンブラッ
クとよばれるかさ密度の低い炭素粉末が優れた導電剤と
して用いられてきた。そこで、二酸化マンガン粉末100g
に導電剤として5gのカーボンブラック(以後ブラックと
呼ぶ)を混合した粉末合剤をいくつか用意した。
そして、この粉末合剤と上記各濃度のCMC水溶液との混
練を試みた。混練は第4図に示すような容器10と回転羽
11からなる混練機を用いた。またCMC水溶液の添加量は
上記粉末合剤(二酸化マンガン100gを含む)に対し50c.
c.、80c.c.、100c.c.、120c.c.、150c.c.170c.c.及び20
0c.c.である場合について検討した。いずれの場合もあ
る種の流体となるが、その流体としての性質はそれぞれ
に異なっていた。これらの流体にはまた結着剤は含まれ
ていないが、この時点で第2図の方法で塗着試験を試み
た。この時の枠厚は0.5mmを用いた。この結果、流体に
よっては、固形分の凝集によると思われる不均一な塗着
層になったり、アルミニウム箔上を一塊となって滑る塗
着不可能なものがあった。第2表はこの塗着試験の結果
をまとめたもので、評価は均一塗着可(表中の○印)、
塗着不均一(表中の△印)、塗着不可能(表中の×印)
の3段階に分類した。次いで、均一塗着できたものに関
して、その乾燥後の状態も観察した。その結果、例えば
CMC濃度の高い場合とCMC水溶液添加量の多い場合、第3
図に示すようなCMC糊の固まった層8に合剤粉末9を疎
らに分布したような不均一層になるものが現れた。ま
た、第5図のようにひび割れ12が入った塗着層になるも
のも現れた。これは特にCMC濃度の低い場合に顕著であ
った。
第1表は、以上の乾燥後の塗着層の結果をまとめたもの
で、評価は均一塗着層(表中の○印)不均一塗着層(表
中の△印)、ひび割れ塗着層(表中の×印)の3段階に
分類した。以上の第1表と第2表との結果から、上記組
成の粉末合剤の場合ではあるがCMC濃度は少なくとも0.5
重量%以上、多くとも2.0重量%以上であることが好ま
しく、またCMC水溶液添加量は二酸化マンガン100gに対
して少なくとも80c.c.以上、多くとも150c.c.以下であ
ることが好ましいことがわかった。
実施例3 実施例2における検討は二酸化マンガン100gに対してブ
ラック5gを混合した粉末合剤に限定されるので、本実施
例では導電剤の混合量についての検討を行った。そこ
で、ブラックの混合量を二酸化マンガン100gに対し1g,2
g,4g,6g,8gと変えて上記と同様の塗着試験を行ってみ
た。ここでブラック混合量の検討範囲を上記のように限
定したのは、予備検討の結果によるもので、この範囲の
上限を越えるものは充填容量密度が極めて低くなること
及び下限を越えるものは活物質利用率が極めて低くなる
ことが明らかになったためである。
次いで塗着試験の結果であるが、ブラックが2gから6gの
範囲では、実施例2の結果と極めて近いものとなった。
ところがブラックが1gの場合、CMC濃度は実施例2と同
様に少なくとも0.5重量%以上、多くとも2.0重量%以下
であることが好ましく、またCMC水溶液添加量は二酸化
マンガン100gに対して少なくとも50c.c.以上、多くとも
120c.c.以下であることが好ましいという結果となっ
た。また、ブラックが8gの場合は、CMC濃度はやはり少
なくとも0.5重量%以上、多くとも2.0重量%以下である
ことが好ましく、またCMC水溶液添加量は二酸化マンガ
ン100gに対して少なくとも100c.c.以上、多くとも170c.
c.以下であることが好ましいという結果となった。さら
に実用性にそくした活物質利用率と充填容量密度の観点
からみるとブラックの混合量は上記の2gから6gの範囲が
好ましい。
以上の検討では導電剤にブラックを用いたが、例えばブ
ラックに比べかさ密度の高い結晶質のグラファイト粉末
を用いた場合も検討した。ところがグラファイトのみを
導電剤とすると極めて活物質の利用率が低いことが判明
した。またブラックとグラファイトの併用も試みたが、
活物質利用率の観点からはやはりブラックは二酸化マン
ガン100gに対して少なくとも2gは必要であることがわか
った。さらにブラックを2g以上含みグラファイトも加え
る場合の検討を進めた結果、粉末合剤のかさがほぼ同様
であれば、CMC濃度及びCMC水溶液の添加量に関する結果
はブラックのみの場合とほぼ同様になることが判明した
(尚、以上のような結着剤を含まない時点の流体を以後
一次インクと呼ぶ)。
実施例4 次に、結着剤の含まれる場合のその添加量に関する検討
を行った。結着剤を加えて混練したものが本発明の製造
法における完成品であるが、以後これを二次インクと呼
ぶ。ここでは実施例2と同じ粉末合剤(二酸化マンガン
100gにアセチレンブラック5gを混合したもの)を用い、
1.0重量%濃度のCMC水溶液100c.c.を加えて混練した一
次インクを調製した。用いる結着剤は四フッ化エチレン
樹脂のディスパージョン水溶液で1c.c.中に固形分とし
て0.9gの樹脂を含むものである。まず上記一次インクに
対する結着剤の添加量が固形分としてそれぞれ1g,2g,3
g,4g,5g,6g,7g,8g,9g,10g,11g,12gとなるように加え、
混練を試みた。その結果、結着剤添加量が10g以上の二
次インクでは団子状になりほとんど流れ性のない塗着不
可能なものになってしまった。そこで塗着可能と思われ
る結着剤添加量が9g以下のものについてアルミニウム箔
上への塗着を実施例2と同じ方法で試みた。その結果、
結着剤添加量が8g,9gのものは塗着こそできるものの流
れ性に乏しく均一な塗着層を得ることが困難であること
がわかった。また、結着剤の添加量が7g以下のものに関
してはいずれも均一な塗着層を得ることができた。つぎ
に均一な塗着層が得られたものについて、乾燥後の曲げ
試験を行った。これは、極板の強度と柔軟性を調べるも
ので、第6図に示すように直径1cmのステンレス棒13に
塗着乾燥後のアルミニウム箔14を巻くという簡単なもの
である。この曲げ試験の結果、結着剤が1g,2gの場合、
塗着層が脱落することがわかった。これは結着性の不足
にほかならない。即ち、本実施例の粉末合剤ではある
が、結着剤の添加量は、3g以上、7g以下が好ましいとい
える。さらに、CMC濃度及びCMC水溶液の添加量の異なる
一次インクにおいてもこの結着剤の添加量に関する検討
を行ってみた。しかし、やはり上記と同様に結着剤の添
加量は、3g以上、7g以下が好ましいという結果となっ
た。
つぎに、粉末合剤中にグラファイトを含む場合の結着剤
の添加量に関する検討も行ってみた。その結果、グラフ
ァイトの添加により二次インクの流れ性が向上すること
がわかった。そこで、どの程度のグラファイトの添加量
が必要かを検討した結果、少なくとも二酸化マンガン10
0gに対して2g以上のグラファイトを添加すると効果が現
れることがわかった。さらにグラファイトを添加するこ
とにより、上記の均一な塗着層を得ることが困難であっ
た結着剤添加量が8g,9gのものについても均一な塗着層
が得られることがわかった。さらに、結着剤添加量が10
gのものでさえ塗着可能となることがわかった。本来グ
ラファイト粉末は滑り性を有しており、この性質が効果
として現れたものと思われる。
実施例5 以上の実施例におけるインク状正極合剤の製造工程を第
1図に基づいて説明すると、まず二酸化マンガン20と導
電剤21とを混合22して粉末合剤を調製し、次いでCMC水
溶液23と共に混練24し一次インクとし、その後結着剤25
を加えさらに混練26し完成品のインク状正極合剤27(二
次インク)とするというものであった。以後この方法を
第一の方法と呼ぶ。次に、第一の方法以外の方法につい
ても試みた。考えられる第二の方法は、元来、粉末固形
であるCMCを粉末合剤中に予め分散させておき、これに
水を加え混練し一次インクとし、以後第一の方法に従う
ものである。この第二の方法で試作を行った結果、第一
の方法とほぼ同様のインク状正極合剤が得られることが
わかった。しかし、この方法は一次インクの混練の初期
にCMC粉末を介した二次粒子を作るため、均一な混練を
行うためには第一の方法と比べて混練時間を長くするな
ど必要以上の労力を費やさなければならなかった。即
ち、CMCは予め水溶液としてから用いることが好まし
い。従って、この第二の方法でもインク状正極合剤は得
られるが、製造法としては第一の方法が優れている。次
に第三の方法として、粉末合剤とCMC水溶液と結着剤を
同時に加え混練する方法が考えられる。この第三の方法
は工程の簡便性から考えると優れた方法に見えるが、大
きな欠点を有していた。それは、この方法を用い混練す
ると団子状の流れ性に乏しいものになってしまうことで
ある。特に、CMC水溶液の量が少ない場合に顕著に起こ
ることがわかった。このインク状正極合剤の流れ性確保
のメカニズムはまず粉末合剤粒子をCMC繊維が包み込
み、このCMC繊維のネットワークに沿って四フッ化エチ
レン樹脂繊維が配置することによると既に述べたが、第
三の方法ではこのメカニズムが形成される前に粉末合剤
粒子に四フッ化エチレン樹脂繊維が絡み、団子化が進む
ものと考えられる。従って、同様の理由から、粉末合剤
に対しCMC水溶液より先に結着剤を加えるすべての方法
はインク状正極合剤になり得ないと考えられる。次に第
四の方法として、予めCMC水溶液中に結着剤を分散させ
ておき、これを粉末合剤に加え混練する方法が考えられ
る。この方法を用いると、一部の条件で発生する団子化
を除きほぼ目的のインク状正極合剤が得られた。この一
部の条件とは、結着剤添加量が二酸化マンガン100gに対
し8g以上でかつCMC濃度が1重量%以下でその添加量が1
00c.c.以下の時であった。インク状正極合剤の流れ性確
保のメカニズムから考えると、この第四の方法の場合の
特に上記で言及した条件下では、CMC繊維が粉末合剤を
包み込む過程に問題があると思われる。即ち、上記条件
では結着剤量が多くCMCの量が少ないため、粉末合剤粒
子をCMC繊維が包み込む前に結着剤繊維が絡んでしまっ
たと思われる。以上のように、インク状正極合剤の製造
工程としては第一の方法が最適であるといえる。
発明の効果 本発明の製造法により得られたインク状正極合剤によれ
ばアルミニウム箔等フィルム状極板芯体に対する付着力
が流体にずり応力をかけたときの抵抗力より大きく、う
まく塗布できるので二酸化マンガン正極のフィルム状極
板芯体への適用が可能となり、サイクル寿命に優れたリ
チウム二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例の製造工程を示す図、第2図は
塗着試験装置図、第3図及び第5図はいずれも塗着乾燥
後の極板状態の平面図、第4図は混練機の概要図、第6
図は曲げ試験の方法を示す図である。 20……二酸化マンガン、21……導電剤、22……混合、23
……CMC水溶液、24……混練、25……結着剤、26……混
練、27……インク状正極合剤。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化マンガン活物質粉末と導電剤の炭素
    粉末を混合し、この混合物を0.5重量%〜2.0重量%の濃
    度のカルボキシルメチルセルロース水溶液とともに混練
    して糊状にした後、この糊状物に固形分としての添加量
    が二酸化マンガンに対して3重量%〜10重量%となる四
    フッ化エチレン樹脂のディスパージョン水溶液を加え、
    さらに混練しインク状にすることを特徴とするリチウム
    二次電池用の正極合剤の製造法。
  2. 【請求項2】導電剤の炭素粉末はカーボンブラックであ
    り、その添加量は二酸化マンガンに対して2重量%〜6
    重量%であり、さらにグラファイト粉末を二酸化マンガ
    ンに対し少なくとも2重量%以上含むことを特徴とする
    請求項1記載のリチウム二次電池用の正極合剤の製造
    法。
  3. 【請求項3】カルボキシルメチルセルロース水溶液の添
    加量は二酸化マンガン100gに対して80c.c.〜150c.c.で
    あることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池
    用の正極合剤の製造法。
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