JP4218244B2 - 二次電池電極用スラリー組成物、二次電池電極および二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は二次電池電極用スラリー組成物、それを用いて得られる二次電池電極および該電極を有する二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノート型パソコン、携帯電話、PDAなどの携帯端末の普及が著しい。これら携帯端末の電源として、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池などの二次電池が多く用いられている。
近年、携帯端末には、より快適な携帯性が求められて小型化、薄型化、軽量化、高性能化が急速に進み、二次電池にも小型化に加えて一層の高性能化が要求されている。
二次電池の高性能化に向けて、電極、電解液、その他の電池部材の改良が検討されており、特に重要な電極については、電極活物質(以下、単に「活物質」ということがある。)や集電体そのものの検討の他、活物質などを集電体に結着するためのバインダーとなるポリマーの検討が鍵になっている。
電極は、通常、水や有機液体等の液状媒体にバインダーとなるポリマーを分散または溶解させ、これに活物質および必要に応じて導電性カーボン等の導電付与剤を混合して二次電池電極用スラリー組成物を得、この二次電池電極用スラリー組成物を集電体に塗布し、乾燥して製造される。
【0003】
二次電池の高性能化には、電池容量、寿命(サイクル特性)、および高レートでの充放電容量の維持率(レート特性)の向上が必要である。電池容量は、活物質の充填量に強く影響される。一方、レート特性は電子の移動の容易さに影響されるのでレート特性の向上にはカーボンなどの導電付与剤の増量が効果的である。電池という限られた空間内で活物質と導電付与剤を増量するには、バインダー量を低減する必要がある。しかしながら、バインダー量を低減すると活物質の結着性が損なわれ、繰り返し充放電により集電体から活物質が剥離してサイクル特性が悪化するという問題があった。
このように、これまで、電池の高容量化やレート特性の向上と、活物質の結着性やサイクル特性の向上とを両立させることは困難であり、使用量が少なくても活物質を強く結着できるバインダーが求められていた。
【0004】
例えば、リチウムイオン二次電池の正極用バインダーとしてはポリビニリデンフルオライド系重合体などのフッ素系ポリマーが工業的に汎用されている。フッ素系ポリマーをバインダーとして用いると流動性が良く、固形分の沈降性の少ないスラリーが得られ、電極の製造が容易であるが、結着力や柔軟性が不足しているので多量に使用しなければならず、電池の高容量化やレート特性の向上が難しいという問題があった。
上記のフッ素系ポリマーの欠点を改善するため、フッ素系ポリマーを減量して他のポリマーと併用することが試みられている。例えば、ブタジエン系ポリマーとの併用(特開平6−215761号公報)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)または水素化NBRとの併用(特開平9−63590号公報)、アクリル系ポリマーとの併用(特開平9−199132号公報)などである。しかし、これらいずれによっても結着性が不十分で、電池の高容量化やレート特性の向上とサイクル特性の両立は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況のもと本発明の目的は、流動性が良く、固形分の沈降性が少なく、かつ、使用量が少なくても結着性が良好なバインダーを含有する二次電池電極用スラリー組成物、および該スラリー組成物を用いて製造される電極を提供することである。
また本発明の他の目的は、電池の高容量化とレート特性の向上を達成した二次電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意研究した結果、N−メチルピロリドンに対する不溶分量が異なる2種のフッ素非含有ポリマーと、フッ素含有ポリマーとからなるバインダーを用いることにより、上記目的にかなう二次電池電極用スラリー組成物および二次電池を安定して製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0007】
かくして、本発明によれば下記(1)〜(5)が提供される。
(1) N−メチルピロリドンに対する不溶分量が50重量%以上であるフッ素非含有ポリマー(A)と、N−メチルピロリドンに対する不溶分量が5重量%以下であるフッ素非含有ポリマー(B)と、フッ素含有ポリマー(C)と、
前記ポリマー(C)を溶解する液状媒体と、
電極活物質と、を含有してなる二次電池電極用スラリー組成物。
(2) 前記ポリマー(A)と前記ポリマー(B)の配合割合が、(A)/(B)の重量比で、1/10〜10/1であり、かつ、前記ポリマー(C)の配合量が、前記ポリマー(A)と前記ポリマー(B)の合計量に対して5〜80重量%となる量である前記(1)記載の二次電池電極用スラリー組成物。
(3) 前記ポリマー(A)のガラス転移温度が−80℃〜0℃である前記(1)または(2)記載の二次電池電極用スラリー組成物。
(4) 前記ポリマー(B)のガラス転移温度が−80℃〜0℃である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の二次電池電極用スラリー組成物。
(5) N−メチルピロリドンに対する不溶分量が50重量%以上であるフッ素非含有ポリマー(A)と、N−メチルピロリドンに対する不溶分量が5重量%以下であるフッ素非含有ポリマー(B)と、フッ素含有ポリマー(C)とを有するバインダーと、
電極活物質と、を含有する混合層が集電体に結着してある二次電池電極。
(6) 前記(5)記載の電極を有する二次電池。
【0008】
また、本発明の好ましい態様として、次の(7)〜(10)が提供される。
(7)前記二次電池電極がリチウムイオン正極である前記(1)記載の二次電池電極用スラリー組成物。
(8)前記ポリマー(A)がアクリルゴムである前記(7)記載の二次電池電極用スラリー組成物。
(9)前記ポリマー(B)が5〜80mol%のエチレン単位を含有するポリマーである前記(7)記載の二次電池電極用スラリー組成物。
(10)液状媒体がN−メチルピロリドンである前記(7)記載の二次電池電極用スラリー組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の二次電池電極用スラリー組成物(以下、単に「スラリー組成物」と記すことがある。)は、電極活物質、それを集電体に結着するためのバインダーとなる重合体および液状媒体を含有してなるものである。
本発明の二次電池電極用スラリー組成物において、バインダー全体としては液状媒体にある程度溶解するが、完全には溶解しない特定のポリマーの組合せを使用する。その理由は、バインダーが液状媒体に溶解することによりスラリー組成物が塗工に好適な高粘度になるようにし、かつ、バインダーがスラリー組成物中で繊維状および粒子状を保持することによりバインダーが活物質の表面を覆い隠して電池反応を阻害することのないようにするためである。
【0010】
本発明においてバインダーとして、フッ素非含有ポリマーであるポリマー(A)およびポリマー(B)と、フッ素含有ポリマーであるポリマー(C)とを用い、液状媒体としてポリマー(C)を溶解するものを使用する。なお、本発明においてフッ素非含有ポリマーとは実質的にフッ素含有モノマー単位を含まないポリマーであり、フッ素含有モノマー単位含有量は全モノマー単位に対し1モル%以下である。
ポリマー(A)は、液状媒体や電解液によって溶解され難いポリマーとするためにN−メチルピロリドン(以下、「NMP」と記すことがある。)に対する不溶分、すなわちゲルを含有することが必要である。ポリマー(A)のNMP不溶分量は50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。NMP不溶分量が過度に小さいと電池のサイクル特性が低下するおそれがある。
本発明においてNMP不溶分量は、NMP20ミリリットルにポリマー0.2gを温度60℃で72時間浸漬した後、80メッシュの篩でろ過し、篩上の成分を乾燥して求めた重量を浸漬前のポリマー重量(0.2g)で除して求められる百分率で表わす。
液状媒体に不溶性のフッ素非含有ポリマー(A)は、通常、ガラス転移温度(以下、「Tg」と記すことがある。)が−80〜0℃であり、好ましくは−60〜−5℃、より好ましくは−50〜−10℃である。
【0011】
ポリマー(A)が上記範囲のNMP不溶分量を有するようにするためには、多官能エチレン性不飽和モノマーを含有するモノマーを用いて架橋重合体を形成させることが好ましい。多官能エチレン性不飽和モノマーの使用量は、ポリマー(A)製造のための全モノマー使用量に対する割合が、通常、0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%になるようにする。
【0012】
多官能エチレン性不飽和モノマーの例としては、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;エチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;ジエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレートなどのジアクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリル酸エステル類;ブタジエン、イソプレンなどのジエン類などが挙げられる。
上記の各特性を備えたポリマー(A)の例としては、アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸−アクリロニトリル−エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸−トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などのアクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
【0013】
ポリマー(A)の粒子径は、通常、0.005〜1000μm、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.05〜10μmである。粒子径が大きすぎるとバインダーとして必要な量が多くなりすぎ、電極の内部抵抗が増加する。逆に、粒子径が小さすぎると活物質の表面を覆い隠して電池反応を阻害してしまう。
ここで、粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだポリマー粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径である。
【0014】
ポリマー(B)は、NMP不溶分量が5重量%以下のフッ素非含有ポリマーである。ポリマー(B)が持つ好適なポリマー構造は、特に制限はないが、重合体を構成する繰り返し単位の中でエチレン単位含有量が5〜95モル%存在することが好ましく、35〜90モル%存在することがより好ましく、40〜80モル%存在することが特に好ましい。エチレン単位含有量が過度に少ないと、ポリマー(B)の溶液がチクソトロピー性でなくなり電極用スラリーを塗工しにくくなるおそれがあり、逆に、過度に多いと、ポリマー(B)が電極用スラリー組成物の液状媒体に溶解し難くなる。
【0015】
上記の好適なポリマー構造を有するポリマー(B)は、エチレンを原料モノマーの一部として用いてエチレン単位含有量が上記範囲になるよう重合したものでもよいし、あるいは、ブタジエンなどの共役ジエン類のモノマーを原料モノマーの一部に用いて得られた重合体を水素化することにより上記範囲のエチレン単位含有量を有するようにしたものでもよい。後者の方法による場合、耐酸化性を低下させないために、不飽和結合の割合が小さいことが好ましいので、ヨウ素価は15以下であることが好ましい。
【0016】
ポリマー(B)は、エチレン単位以外の共重合可能なモノマー単位を有していてもよい。共重合可能なモノマーとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸n−ラウリルなどのメタクリル酸エステル類;2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合物;プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、イソブテン、3−メチル−1−ブテンなどのα−オレフィンモノマー;などが挙げられる。ポリマー(B)は、ブロック重合体であってもランダム重合体であってもよい。
ポリマー(B)の好ましい例としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体水素化物、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。
【0017】
また、ポリマー(B)は、Tgが、好ましくは−80〜0℃であり、より好ましくは−60〜−5℃であり、特に好ましくは−40〜−10℃である。Tgが高すぎるとポリマー(B)が活物質などと集電体上に形成する混合層に柔軟性がなく、電池の充放電を繰り返すと混合層にクラックが生じて活物質が集電体から脱落しやすくなるおそれがある。また、Tgが低すぎると電池容量が低下する可能性がある。
【0018】
本発明においてポリマー(C)として使用するフッ素含有ポリマーは、フッ素含有モノマー単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含み、液状媒体に可溶性のポリマーである。フッ素含有モノマーとしては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、三フッ化塩化ビニル、フッ化ビニル、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどが挙げられるが、フッ化ビニリデンが好ましい。フッ化ビニリデン以外のフッ素含有モノマーを使用する場合は、その全量が全フッ素含有モノマーの好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下となるようにフッ化ビニリデンと併せて使用する。
ポリマー(C)は、フッ素含有モノマーと共重合可能なフッ素非含有モノマー単位を50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下有していてもよい。フッ素非含有モノマー単位の含有量が多すぎると、電解液に対する耐溶剤性が低下して電極から活物質が脱落しやすくなるおそれがある。
【0019】
フッ素含有モノマーと共重合可能なモノマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの1−オレフィン;スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル(アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルの略記。以後同様。)などの不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル化合物;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド化合物;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有ビニル化合物;アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有不飽和化合物;(メタ)アクリルジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有不飽和化合物;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸などのスルホン酸基含有不飽和化合物;3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパン硫酸などの硫酸基含有不飽和化合物;(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−燐酸プロピル、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパン燐酸などの燐酸基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0020】
ポリマー(A)、ポリマー(B)およびポリマー(C)の製法は特に限定されない。例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法または溶液重合法などの公知の重合法により重合して得ることができる。
ポリマー(A)は乳化重合法で製造することが、液状媒体に分散したときの粒子径の制御が容易であるので好ましい。
【0021】
本発明における全バインダーの量は、電極活物質100重量部に対して、通常、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である。全バインダー量が少なすぎると電極から活物質が脱落しやすくなるおそれがあり、逆に多すぎると活物質がバインダーに覆い隠されて電池反応が阻害される可能性がある。
【0022】
ポリマー(A)とポリマー(B)の重量比は、通常、10/1〜1/10、好ましくは1/5〜5/1、より好ましくは1/3〜3/1である。ポリマーAの重量比率を小さくしすぎると結着性、柔軟性が低下するおそれがあり、逆に大きくしすぎるとスラリー組成物の流動性が低下する可能性がある。また、ポリマー(C)の配合量は、ポリマー(A)とポリマー(B)の合計量に対して5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。ポリマー(C)の配合量をポリマー(A)とポリマー(B)の合計量の80重量%より大きくすると、結着性、柔軟性が低下してサイクル特性が低下するおそれがある。逆に、5重量%より小さくするとスラリー組成物の活物質沈降性が改善されない可能性がある。
【0023】
本発明の二次電池電極用スラリー組成物に用いる液状媒体は、ポリマー(C)を溶解する液体であれば特に制限されないが、常圧における沸点が好ましくは80℃以上350℃以下、より好ましくは100℃以上300℃以下のものである。
かかる液状媒体の例としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類が挙げられる。中でもN−メチルピロリドンが、集電体への塗布性やポリマー(A)の分散性が良好なので特に好ましい。
本発明において液状媒体の量は、バインダーや後述する電極活物質および導電付与剤の種類に応じ、塗工に好適な粘度になるように調整して用いる。バインダー、電極活物質および導電付与剤を合わせた固形分の濃度は50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%である。
【0024】
本発明の二次電池電極用スラリー組成物に配合される電極活物質は、二次電池の種類により異なる。
リチウムイオン二次電池の場合、負極活物質、正極活物質とも、通常のリチウムイオン二次電池電極の製造に使用されるものであればいずれであっても用いることができる。負極活物質としては、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料、ポリアセン等の導電性高分子などが例示される。
【0025】
正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4などのリチウム含有複合金属酸化物;TiS2、TiS3、非晶質MoS3などの遷移金属硫化物;Cu2V2O3、非晶質V2O−P2O5、MoO3、V2O5、V6O13などの遷移金属酸化物;が例示される。さらに、ポリアセチレン、ポリp−フェニレンなどの導電性高分子など有機系化合物を用いることもできる。
【0026】
ニッケル水素二次電池の場合、電極活物質は、通常のニッケル水素二次電池で使用されるものであれば、いずれも用いることができ、負極活物質としては、水素吸蔵合金を用いることができる。
また、正極活物質としては、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケルなどを用いることができる。
【0027】
本発明の二次電池電極用スラリー組成物には、必要に応じて導電付与剤が添加される。導電付与剤としては、リチウムイオン二次電池ではグラファイト、活性炭などのカーボンが用いられる。
ニッケル水素二次電池で用いられる導電付与剤は、正極では酸化コバルト、負極ではニッケル粉末、酸化コバルト、酸化チタン、カーボンなどを挙げることができる。
上記両電池において、カーボンとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、黒鉛、炭素繊維、フラーレン類を挙げることができる。中でも、アセチレンブラック、ファーネスブラックが好ましい。
導電付与剤の使用量は、活物質100重量部あたり、通常、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。
【0028】
スラリー組成物調製のための混合攪拌には、スラリー中に、電極活物質の凝集体が残らないような混合機と、必要にして十分な分散条件とを選択する必要がある。分散の程度は粒ゲージにより測定可能であるが、少なくとも100μmより大きい凝集物が無くなるように混合分散すべきである。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどが例示される。
【0029】
本発明の二次電池電極は、金属箔などの集電体に、本発明の二次電池電極用スラリーを塗布し、乾燥することにより、バインダーおよび活物質を、さらに必要により加えられた導電付与剤、増粘剤などを含有する混合層を結着させてなるものである。
本発明の二次電池電極は、正極、負極のいずれにも使用することができ、正極に使用するのが好ましく、リチウムイオン二次電池の正極に用いるのがより好ましい。
集電体は、導電性材料からなるものであれば特に制限されない。リチウムイオン二次電池では、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレスなどの金属製のものであるが、特に正極にアルミニウムを、負極に銅を用いた場合、本発明のバインダー組成物の効果が最もよく現れる。ニッケル水素二次電池では、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金網、発泡金属、網状金属繊維焼結体、金属メッキ樹脂板などを挙げることができる。
集電体の形状は特に制限されないが、通常、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものである。
【0030】
スラリーの集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。塗布するスラリー量も特に制限されないが、液状媒体を乾燥して除去した後に形成される、活物質、バインダーなどからなる混合層の厚さが、通常、0.005〜5mm、好ましくは0.01〜2mmになる量が一般的である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥速度は、通常は応力集中によって活物質層に亀裂が入ったり、活物質層が集電体から剥離したりしない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く液状媒体が除去できるように調整する。
更に、乾燥後の集電体をプレスすることにより電極の活物質の密度を高めてもよい。プレス方法は、金型プレスやロールプレスなどの方法が挙げられる。
【0031】
本発明の二次電池は、上記の二次電池電極や電解液を含み、セパレーター等の部品を用いて、常法に従って製造されるものである。具体的な製造方法としては、例えば、負極と正極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
【0032】
電解液は、通常の二次電池に用いられるものであれば、液状でもゲル状でもよく、負極活物質、正極活物質の種類に応じて電池としての機能を発揮するものを選択すればよい。
電解質としては、リチウムイオン二次電池では、従来より公知のリチウム塩がいずれも使用でき、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiB10Cl10、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiB(C2H5)4、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiC4F9S3、Li(CF3SO2)2N、低級脂肪酸カルボン酸リチウムなどが挙げられる。また、ニッケル水素二次電池では、例えば、従来公知の濃度が5モル/リットル以上の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。
【0033】
この電解質を溶解させる溶媒は特に限定されるものではない。具体例としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類等が挙げられ、これらは単独もしくは二種以上の混合溶媒として使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下で記す「部」および「%」は、特記しない限り重量基準である。
実施例および比較例における操作および試験は以下の方法によった。
【0035】
〔スラリー組成物およびその成分の特性〕
(1)粒子径
ポリマーの粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだポリマー粒子100個の径を測定し、その平均値として算出される個数平均粒子径として求めた。
(2)ガラス転移温度(Tg)
バインダーとなる重合体のTgは、示差走査型熱量計(DSC)により、昇温速度10℃/分で測定した。
(3)エチレン単位含有量
ポリマーのエチレン単位含有量は、1H−および13C−NMR測定により求めた。
【0036】
(4)NMP不溶分量
ポリマーのNMP不溶分量は、ポリマー0.2gをNMP20ミリリットルに60℃、72時間浸漬した後、80メッシュの篩でろ過し、篩上の成分を乾燥して求めた重量の、浸漬前の重量に対する百分率で示した。
(5)スラリー粘度
温度23℃においてBrookfield L型粘度計でローター番号4、回転数6rpmで1分間回転後の粘度を求めた。
(6)スラリー沈降性
スラリーを高さ40mm、容積5ccの円筒ガラス瓶に高さ25mmになるように仕込み、密栓をして静置し、24時間後にガラス瓶中のスラリーの上部5mm相当をサンプリングし、固形分濃度を測定した。下式により固形分濃度の変化率を求めた。変化率の値が小さいほどスラリー沈降性の度合いが小さい。
変化率(%)={1−(経時上層固形分濃度/初期固形分濃度)}×100
【0037】
〔二次電池電極の特性〕
(7)折り曲げ試験
実施例、比較例において調製したリチウムイオン二次電池正極用スラリー組成物をアルミニウム箔(厚さ20μm)にドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃、15分間乾燥機で乾燥した。さらに真空乾燥機にて0.6kPa、120℃で2時間減圧乾燥した後、2軸のロールプレスによって電極密度が3.2g/cm3となるように圧縮してリチウムイオン二次電池正極を得た。
得られた正極を幅3cm×長さ9cmの矩形に切って机上に置き、長手方向の中央(4.5cmの所)の上に短手方向に横たえた直径1mmのステンレス丸棒を半周巻いて180°折り曲げたときの折り曲げ部分外側の塗膜(混合層)の状態を、10枚の電極片について個別に観察し、10枚全てにひび割れまたは剥がれが全く生じていない場合を○、1枚以上に1箇所以上のひび割れまたは剥がれが生じた場合を×と評価した。
【0038】
(8)結着力の試験
上記(7)に記す方法で得たリチウムイオン二次電池正極から、長さ100mm、幅25mmの長方形を塗布方向が長辺となるように切り出して試験片とする。試験片の混合層面全面にセロハンテープを貼り付けた後、試験片の一端のセロハンテープ端と集電体箔端を垂直方向に引張り速度50mm/分で引っ張って剥がしたときの応力を測定する。応力が大きいほど混合層の集電体への結着力が大きいと判断する。単位は(N/cm)である。
【0039】
〔二次電池の特性〕
(9)リチウムイオン二次電池の製造
負極としては金属リチウムを使用した。上記(7)に記す方法で得た正極および負極を直径15mmの円形に切り抜き、直径18mm、厚さ25μmの円形ポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーターを介在させて、互いに活物質が対向し、外装容器底面に正極のアルミニウム箔が接触するように配置し、さらに負極の上にエキスパンドメタルを入れ、ポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。この容器中に下記の電解液を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約2mmのコイン型電池を製造した。電解液はエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=33/67(20℃での体積比)にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した溶液を用いた。
【0040】
(10)電池容量の測定
電池容量の測定は、25℃で充放電レートを0.1Cとし、定電流法(電流密度:0.5mA/g−活物質)で1.2Vに充電し、3Vまで放電する充放電を各5回繰り返し、その都度電池容量を測定する。繰り返し測定した電池容量の平均値を評価結果とする。単位は(mAh/g)である。
(11)レート特性
測定条件を、定電流量を1Cに変更したほかは、電池容量の測定と同様に各定電流量における3サイクル目の放電容量〔単位=mAh/g:活物質当たり(以下、電気容量に関しては同じ)〕を測定した。3サイクル目における0.1Cでの放電容量に対する1Cでの放電容量の割合を百分率で算出した。この値が大きいほど、高速充放電が可能なことを示す。
【0041】
バインダーとして用いた各ポリマーの組成を下記に示す(単位:モル%)。
アクリルゴムa
アクリル酸2−エチルヘキシル 70
メタクリロニトリル 25
メタクリル酸 4
ジエチレングリコールジアクリレート 1
アクリルゴムb
アクリル酸ブチル 65
アクリロニトリル 26
メタクリル酸 8
ジエチレングリコールジアクリレート 1
【0042】
アクリロニトリル−ブタジエンゴム水素化物(水素化NBR)
エチレン単位 77
アクリロニトリル 23
エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)
エチレン単位 38
アクリル酸メチル 62
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
ブタジエン 41
アクリロニトリル 59
メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体(PMMA)
メタクリル酸メチル 97
無水マレイン酸 3
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
#1100(クレハ化学社製)
【0043】
実施例1
2対のフック型回転翼を有するプラネタリーミキサーにコバルト酸リチウム(LiCoO2)100部と、フッ素非含有ポリマー(A)成分としてアクリルゴムaをNMPに分散した分散液を固形分基準で0.6部とを仕込み、固形分濃度85%で2時間混練、分散した。次いで導電付与剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、HS−100)3部とフッ素非含有ポリマー(B)成分として水素化NBRをNMPに溶解した溶液を固形分基準で0.2部とを顔料分散機で分散、調製したカーボン塗料(固形分濃度35%)12.8部とフッ素含有ポリマー(C)成分としてPVDFをNMPに溶解した溶液を固形分基準で0.2部とをプラネタリーミキサーに仕込み、固形分濃度80%で1時間混合してリチウムイオン二次電池正極用スラリーを得た。スラリーの粘度は7,800mPa・s、スラリー沈降性の変化率は3時間で4.2%であった。このスラリーを用いて作製した電極および二次電池の特性を試験した結果を表1に記す。
【0044】
実施例2〜5、比較例1〜5
表1および2に示す成分および量で実施例1同様の装置を用いてスラリーを調製し、スラリー、スラリーを用いて作製した電極および二次電池の特性を試験した。試験結果を表1および表2に記す。
なお、固形分濃度はB型粘度計ロータ番号4、6rpmの粘度で7000〜9000mPa・sになるように調製した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
表1が示すように、本発明の二次電池電極用スラリー組成物はいずれも沈降性が3時間で6%以下と極めて沈降しがたく、これらを用いて作製された電極は総て折り曲げ試験および結着力に優れ、これらの電極を有する二次電池は高容量で高レート特性を示した(実施例1〜5)。特に各実施例はバインダーの総量が少量でもこれら本発明の効果が得られることを示している。
一方、表2に見られるように、NMP可溶性フッ素含有ポリマーのみをバインダーとして用いたスラリー組成物は、沈降しにくい長所があるものの、結着力が不十分で、電極は折り曲げ試験が不良で、電池作成時に活物質が剥離したため容量、レート特性は測定不可能であった(比較例1)。
NMP可溶性フッ素含有ポリマーと、NMP不溶分5%以下のフッ素非含有ポリマーの2種を併用するバインダーを使用したスラリー組成物は、沈降しにくいが、フッ素含有ポリマーが2.7部では混合層の結着力が不足するので、電極は折り曲げ試験が不良で、二次電池は容量、レート特性ともに小さかった(比較例2)。また、これら2種のバインダーを併用し、しかもフッ素含有ポリマーを10部と多量用いると、混合層の結着力は大きいが柔軟性が低下し、折り曲げ試験が不良で、電池容量、レート特性ともに低下した(比較例3)。
NMP不溶分50%以上含有するフッ素非含有ポリマーと、NMP可溶性のフッ素含有ポリマーとの併用バインダーを使用すると、スラリーは沈降しにくいものの、混合層の結着力は小さく、二次電池の容量およびレート特性はある程度の改善が見られるに留まった(比較例4)。
また、NMP不溶分50%以上含有するフッ素非含有ポリマーのみをバインダーに用いると、スラリー組成物の沈降性が大きく、電極は結着力大きいものの、電池容量およびレート特性は低かった(比較例5)。
【0048】
【発明の効果】
本発明により、流動性が良く、固形分の沈降性が少なく、かつ、使用量が少なくても結着性が良好なバインダーを含有する電極用スラリー組成物、および該スラリー組成物を用いて製造される電極が提供される。
Claims (6)
- 多官能性エチレン性不飽和モノマーを含有するモノマーを用いた架橋重合体であって、該多官能性エチレン性不飽和モノマーの使用量が全モノマー使用量に対して0.3〜5重量%であり、N−メチルピロリドンに対する不溶分量が50重量%以上であるフッ素非含有ポリマー(A)と、
エチレン単位含有量が5〜95モル%であり、N−メチルピロリドンに対する不溶分量が5重量%以下であるフッ素非含有ポリマー(B)と、
N−メチルピロリドンに溶解するフッ素含有ポリマー(C)と、
N−メチルピロリドンと、
電極活物質と、を含有してなるリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。 - 前記ポリマー(A)と前記ポリマー(B)の配合割合が、(A)/(B)の重量比で、1/10〜10/1であり、かつ、前記ポリマー(C)の配合量が、前記ポリマー(A)と前記ポリマー(B)の合計量に対して5〜80重量%である請求項1記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
- 前記ポリマー(A)のガラス転移温度が−80℃〜0℃である請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
- 前記ポリマー(B)のガラス転移温度が−80℃〜0℃である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
- 多官能性エチレン性不飽和モノマーを含有するモノマーを用いた架橋重合体であって、該多官能性エチレン性不飽和モノマーの使用量が全モノマー使用量に対して0.3〜5重量%であり、N−メチルピロリドンに対する不溶分量が50重量%以上であるフッ素非含有ポリマー(A)と、
エチレン単位含有量が5〜95モル%であり、N−メチルピロリドンに対する不溶分量が5重量%以下であるフッ素非含有ポリマー(B)と、
N−メチルピロリドンに溶解するフッ素含有ポリマー(C)とを有するバインダーと、
電極活物質と、を含有する混合層が集電体に結着してあるリチウムイオン二次電池電極。 - 請求項5記載の電極を有するリチウムイオン二次電池。
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