JP2014051602A - アクリルゴム組成物およびゴム架橋物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐燃料油性および引張応力に優れたゴム架橋物を与えることのできるアクリルゴム組成物および架橋性アクリルゴム組成物、並びに該架橋性アクリルゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物を提供することを目的とする。
【解決手段】 アクリルゴム(A)、並びに、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(B)、を含有してなるアクリルゴム組成物を提供する。また、アクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有アクリルゴムであることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】 アクリルゴム(A)、並びに、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(B)、を含有してなるアクリルゴム組成物を提供する。また、アクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有アクリルゴムであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐燃料油性および引張応力に優れたゴム架橋物を与えることのできるアクリルゴム組成物および架橋性アクリルゴム組成物、並びに該架橋性アクリルゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物に関する。
従来から、アクリルゴムは、耐油性、耐熱性などに優れているため、自動車関連の分野などで、シール材、ホース材、防振材、チューブ材、ベルト材あるいはブーツ材のような金属部材やオイルなどと接触する部位に使用されるゴム部材として広く用いられている。
かかる状況に対して、特許文献1は、耐油性に優れるアクリルゴムとして、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有するアクリルゴムを開示している。
しかしながら、従来のアクリルゴムで要求されていた耐油性は、潤滑油に対する耐油性であり、新たに燃料油と接触する用途に展開しようとすると、アクリルゴムが膨潤して劣化してしまうという問題があった。
しかしながら、従来のアクリルゴムで要求されていた耐油性は、潤滑油に対する耐油性であり、新たに燃料油と接触する用途に展開しようとすると、アクリルゴムが膨潤して劣化してしまうという問題があった。
本発明は、耐燃料油性および引張応力に優れたゴム架橋物を与えることのできるアクリルゴム組成物および架橋性アクリルゴム組成物、並びに該架橋性アクリルゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、
アクリルゴムと、原子移動ラジカル重合法で得られた特定組成の重合体とを、併用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
アクリルゴムと、原子移動ラジカル重合法で得られた特定組成の重合体とを、併用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、
アクリルゴム(A)、並びに、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(B)、を含有してなるアクリルゴム組成物が提供される。
また、上記アクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有アクリルゴムであることが好ましい。
そして、上記アクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有エチレン−アクリレートゴムであることが好ましい。
さらに、上記重合体(B)が、重合体の末端にアミノ基を有するものであることが好ましい。
また、本発明によれば、上記に記載のアクリルゴム組成物に、架橋剤を配合してなる架橋性アクリルゴム組成物、および、該架橋性アクリルゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。
アクリルゴム(A)、並びに、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(B)、を含有してなるアクリルゴム組成物が提供される。
また、上記アクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有アクリルゴムであることが好ましい。
そして、上記アクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有エチレン−アクリレートゴムであることが好ましい。
さらに、上記重合体(B)が、重合体の末端にアミノ基を有するものであることが好ましい。
また、本発明によれば、上記に記載のアクリルゴム組成物に、架橋剤を配合してなる架橋性アクリルゴム組成物、および、該架橋性アクリルゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。
本発明によれば、耐燃料油性および引張応力に優れたゴム架橋物を与えることのできるアクリルゴム組成物および架橋性アクリルゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該架橋性アクリルゴム組成物を架橋することにより得られ、耐燃料油性および引張応力に優れたゴム架橋物を提供することができる。
本発明のアクリルゴム組成物は、アクリルゴム(A)、並びに、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(B)、を含有してなる。
アクリルゴム(A)
まず、本発明で用いるアクリルゴム(A)について説明する。本発明で用いるアクリルゴム(A)は、分子中に、主成分(本発明においては、ゴム全単量体単位中50重量%以上有するものを言う。)としての(メタ)アクリル酸エステル単量体(アクリル酸エステル単量体および/またはメタクリル酸エステル単量体を表す。以下、同様。)単位を含有するものであればよく、特に限定されない。例えば、本発明で用いるアクリルゴム(A)としては、分子中に、主成分としての(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50〜100重量%、エチレン単位0〜50重量%、および架橋性単量体単位0〜10重量%を含有する重合体などが挙げられる。
しかしながら、本発明の効果がより一層顕著になることから、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50〜99.9重量%、エチレン単位0〜49.9重量%、および架橋性単量体単位を0.1〜10重量%含有することが好ましい。
まず、本発明で用いるアクリルゴム(A)について説明する。本発明で用いるアクリルゴム(A)は、分子中に、主成分(本発明においては、ゴム全単量体単位中50重量%以上有するものを言う。)としての(メタ)アクリル酸エステル単量体(アクリル酸エステル単量体および/またはメタクリル酸エステル単量体を表す。以下、同様。)単位を含有するものであればよく、特に限定されない。例えば、本発明で用いるアクリルゴム(A)としては、分子中に、主成分としての(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50〜100重量%、エチレン単位0〜50重量%、および架橋性単量体単位0〜10重量%を含有する重合体などが挙げられる。
しかしながら、本発明の効果がより一層顕著になることから、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50〜99.9重量%、エチレン単位0〜49.9重量%、および架橋性単量体単位を0.1〜10重量%含有することが好ましい。
本発明で用いるアクリルゴム(A)の主成分である(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体が好適に用いられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、および(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸エチルおよび(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましく、アクリル酸エチルおよびアクリル酸n−ブチルが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、炭素数2〜8のアルコキシアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、および(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルおよび(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが好ましく、アクリル酸2−エトキシエチルおよびアクリル酸2−メトキシエチルが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
本発明で用いるアクリルゴム(A)中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、50〜100重量%、好ましくは50〜99.9重量%、より好ましくは59.9〜99.4重量%、さらに好ましくは67〜98.5重量%である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。
なお、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、アクリルゴム(A)中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の全量に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位30〜100重量%、および、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位0〜70重量%からなるものとすることが好ましい。
架橋性単量体単位を形成する架橋性単量体としては、特に限定されないが、例えば、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体;エポキシ基を有する単量体;ハロゲン原子を有する単量体;ジエン単量体;などが挙げられるが、本発明の効果がより一層顕著になることから、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体が好ましい。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜12のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸、および炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステルなどが挙げられる。
炭素数3〜12のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、およびケイ皮酸などが挙げられる。
炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸の具体例としては、フマル酸、マレイン酸などのブテンジオン酸;イタコン酸;シトラコン酸;クロロマレイン酸;などが挙げられる。
炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステルの具体例としては、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノn−ブチルなどのブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシルなどのブテンジオン酸モノ環状アルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノn−ブチル、イタコン酸モノシクロヘキシルなどのイタコン酸モノエステル;などが挙げられる。
炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸の具体例としては、フマル酸、マレイン酸などのブテンジオン酸;イタコン酸;シトラコン酸;クロロマレイン酸;などが挙げられる。
炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステルの具体例としては、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノn−ブチルなどのブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシルなどのブテンジオン酸モノ環状アルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノn−ブチル、イタコン酸モノシクロヘキシルなどのイタコン酸モノエステル;などが挙げられる。
これらの中でも、ブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル、およびブテンジオン酸モノ環状アルキルエステルが好ましく、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、およびマレイン酸モノシクロヘキシルがより好ましく、フマル酸モノn−ブチルがさらに好ましい。これらのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。なお、上記単量体のうち、ジカルボン酸には、無水物として存在しているものも含まれる。
本発明において、架橋性単量体として、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体を用いた場合には、アクリルゴム(A)を、カルボキシル基含有アクリルゴムとすることができる。アクリルゴム(A)を、カルボキシル基含有アクリルゴムとすると、本発明の効果がより一層顕著になることから、好ましい。
本発明で用いるアクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有アクリルゴムである場合における、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有量が少な過ぎると、使用する架橋剤の種類によっては架橋が不十分となる場合があり、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有量が多すぎると、得られるゴム架橋物の伸びが低下したり、耐圧縮永久歪性に劣る場合がある。
また、本発明で用いるアクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有アクリルゴムである場合における、カルボキシル基の含有量、すなわち、アクリルゴム100g当たりのカルボキシル基のモル数(ephr)は、好ましくは4×10−4〜4×10−1(ephr)、より好ましくは1×10−3〜2×10−1(ephr)、さらに好ましくは5×10−3〜1×10−1(ephr)である。カルボキシル基の含有量が少なすぎると、架橋が不十分となり、得られるゴム架橋物の機械的特性が不十分となったり、成形品(ゴム架橋物)の表面肌が滑らかさに欠けたりするおそれがある。一方、多すぎると、得られるゴム架橋物の伸びが低下したり、耐圧縮永久歪性に劣る場合がある。
エポキシ基を有する単量体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;アリルグリシジルエーテルおよびビニルグリシジルなどのエーテルエポキシ基含有エーテル;などが挙げられる。
ハロゲン原子を有する単量体としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステル、(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステル、ハロゲン含有不飽和エーテル、ハロゲン含有不飽和ケトン、ハロメチル基含有芳香族ビニル化合物、ハロゲン含有不飽和アミド、およびハロアセチル基含有不飽和単量体などが挙げられる。
ハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステルの具体例としては、クロロ酢酸ビニル、2−クロロプロピオン酸ビニル、およびクロロ酢酸アリルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸1−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸1,2−ジクロロエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロプロピル、および(メタ)アクリル酸2,3−ジクロロプロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(クロロアセトキシ)プロピル、および(メタ)アクリル酸3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)エチル、および(メタ)アクリル酸3−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)プロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸1−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸1,2−ジクロロエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロプロピル、および(メタ)アクリル酸2,3−ジクロロプロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(クロロアセトキシ)プロピル、および(メタ)アクリル酸3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)エチル、および(メタ)アクリル酸3−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)プロピルなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和エーテルの具体例としては、クロロメチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、3−クロロプロピルビニルエーテル、2−クロロエチルアリルエーテル、および3−クロロプロピルアリルエーテルなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和ケトンの具体例としては、2−クロロエチルビニルケトン、3−クロロプロピルビニルケトン、および2−クロロエチルアリルケトンなどが挙げられる。
ハロメチル基含有芳香族ビニル化合物の具体例としては、p−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、およびp−クロロメチル−α−メチルスチレンなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和ケトンの具体例としては、2−クロロエチルビニルケトン、3−クロロプロピルビニルケトン、および2−クロロエチルアリルケトンなどが挙げられる。
ハロメチル基含有芳香族ビニル化合物の具体例としては、p−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、およびp−クロロメチル−α−メチルスチレンなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和アミドの具体例としては、N−クロロメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
ハロアセチル基含有不飽和単量体の具体例としては、3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルアリルエーテル、p−ビニルベンジルクロロ酢酸エステルなどが挙げられる。
ハロアセチル基含有不飽和単量体の具体例としては、3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルアリルエーテル、p−ビニルベンジルクロロ酢酸エステルなどが挙げられる。
ジエン単量体としては、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体が挙げられる。
共役ジエン単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、およびピペリレンなどを挙げることができる。
非共役ジエン単量体の具体例としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、および(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタジエニルエチルなどを挙げることができる
共役ジエン単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、およびピペリレンなどを挙げることができる。
非共役ジエン単量体の具体例としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、および(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタジエニルエチルなどを挙げることができる
また、本発明で用いるアクリルゴム(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、エチレン単位、および架橋性単量体単位に加えて、必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステル単量体、エチレン、および架橋性単量体と共重合可能なその他の単量体の単位を有していてもよい。
共重合可能なその他の単量体としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、アクリロイルオキシ基を2個以上有する単量体(以下、「多官能アクリル単量体」と言うことがある。)、α−オレフィン単量体、ビニルエーテル化合物、およびビニルエステル化合物などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、およびジビニルベンゼンなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
多官能アクリル単量体の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
α−オレフィン単量体の具体例としては、プロピレン、1−ブテン、および1−オクテンなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物の具体例としては、エチルビニルエーテル、およびn−ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルエステル化合物の具体例としては、酢酸ビニル、およびプロピオン酸ビニルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
多官能アクリル単量体の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
α−オレフィン単量体の具体例としては、プロピレン、1−ブテン、および1−オクテンなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物の具体例としては、エチルビニルエーテル、およびn−ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルエステル化合物の具体例としては、酢酸ビニル、およびプロピオン酸ビニルなどが挙げられる。
これらの中でも、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、および酢酸ビニルが好ましく、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、および酢酸ビニルがより好ましい。
共重合可能なその他の単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。本発明で用いるアクリルゴム中における、その他の単量体の単位の含有量は、0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、より好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
本発明で用いるアクリルゴムは、それぞれ上記単量体を重合することにより得ることができる。重合反応の形態としては、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、および溶液重合法のいずれも用いることができるが、重合反応の制御の容易性などの点から、従来公知のアクリルゴムの製造法として一般的に用いられている常圧下での乳化重合法によるのが好ましい。
乳化重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれでもよい。重合は、通常、0〜70℃、好ましくは5〜50℃の温度範囲で行われる。
このようにして製造される、本発明で用いるアクリルゴム(A)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)(ポリマームーニー)は、好ましくは10〜80、より好ましくは20〜70、さらに好ましくは25〜60である。
本発明においては、このように製造されるアクリルゴム(A)を、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
本発明においては、このように製造されるアクリルゴム(A)として、エチレン−アクリレートゴム(エチレン単位を含有するアクリルゴムを、「エチレン−アクリレートゴム」と表す。)0.1〜100重量%を含むものを用いることが好ましい。
アクリルゴム(A)として、エチレン−アクリレートゴム0.1〜100重量%を含むものを用いる場合における、エチレン−アクリレートゴムと、エチレン−アクリレートゴム以外のアクリルゴムとの割合は、通常、「エチレン−アクリレートゴム:エチレン−アクリレートゴム以外のアクリルゴム」=0.1〜100重量%:99.9〜0重量%、好ましくは10〜100重量%:90〜0重量%、より好ましくは20〜100重量%:80〜0重量%である。
エチレン−アクリレートゴムの割合が上記範囲内であると、アクリルゴム(A)の加工性、ならびに得られるゴム架橋物の強度などの機械的特性、および耐熱性を優れたものとすることができる。
エチレン−アクリレートゴムの割合が上記範囲内であると、アクリルゴム(A)の加工性、ならびに得られるゴム架橋物の強度などの機械的特性、および耐熱性を優れたものとすることができる。
エチレン−アクリレートゴムとしては、分子中に、主成分としての(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50〜99.9重量%、エチレン単位0.1〜50重量%、および架橋性単量体単位0〜10重量%を含有する重合体であることが好ましい。
また、エチレン−アクリレートゴム以外のアクリルゴムとしては、上述した、主成分としての(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50〜100重量%、および架橋性単量体単位0〜10重量%を含有し、かつ、エチレン単位を有しない重合体などを用いることができる。
エチレン−アクリレートゴムの主成分である(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、特に限定されないが、上述した(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体が好ましい。
エチレン−アクリレートゴム中における、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、好ましくは50〜99.9重量%、より好ましくは59.9〜99.4重量%、さらに好ましくは67〜98.5重量%、特に好ましくは69〜98重量%である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。
なお、エチレン−アクリレートゴムにおいては、エチレン−アクリレートゴム中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の全量に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位30〜100重量%、および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位70〜0重量%からなるものとすることが好ましい。
エチレン−アクリレートゴムは、エチレン単位を必須成分とし、エチレン単位の含有量は、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。エチレン単位の含有量が上記範囲内にあると、得られるゴム架橋物の強度などの機械的特性、耐候性、耐熱性、および耐燃料油性に優れる。
エチレン−アクリレートゴムは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位およびエチレン単位に加えて、架橋性単量体単位を含有していてもよい。なお、架橋性単量体単位を形成する架橋性単量体としては、上述したものが挙げられる。
エチレン−アクリレートゴム中における、架橋性単量体単位の含有量は、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。架橋性単量体単位の含有量が多すぎると、得られるゴム架橋物の伸びが低下したり、圧縮永久歪率が増大したりする可能性があり、逆に、少なすぎると機械的特性が十分でない場合がある。
エチレン−アクリレートゴム中における、架橋性単量体単位の含有量は、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。架橋性単量体単位の含有量が多すぎると、得られるゴム架橋物の伸びが低下したり、圧縮永久歪率が増大したりする可能性があり、逆に、少なすぎると機械的特性が十分でない場合がある。
なお、上述した架橋性単量体のなかでも、エチレン−アクリレートゴムを、カルボキシル基を架橋点として持つカルボキシル基含有エチレン−アクリレートゴムとすることができ、これにより、得られるゴム架橋物の耐燃料油性を向上させることができるという点より、上述したα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体を用いることが好ましい。
また、本発明で用いるエチレン−アクリレートゴムは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、エチレン単位、および架橋性単量体単位に加えて、必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステル単量体、エチレン、および架橋性単量体と共重合可能なその他の単量体の単位を有していてもよい。共重合可能なその他の単量体としては、上述したものが挙げられる。
本発明で用いるエチレン−アクリレートゴム中における、その他の単量体の単位の含有量は、好ましくは0〜49.9重量%、より好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%である。
本発明で用いるエチレン−アクリレートゴム中における、その他の単量体の単位の含有量は、好ましくは0〜49.9重量%、より好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%である。
本発明で用いるアクリルゴムを構成するエチレン−アクリレートゴムは、上記単量体を重合することにより得ることができる。重合反応の形態としては、上述したように、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、および溶液重合法のいずれも用いることができ、任意の重合法を選択することができる。
重合体(B)
本発明で用いる重合体(B)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体である。
なお、本発明の効果がより一層顕著になることから、重合体(B)が、重合体の末端にアミノ基を有することが好ましい。
本発明で用いる重合体(B)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体である。
なお、本発明の効果がより一層顕著になることから、重合体(B)が、重合体の末端にアミノ基を有することが好ましい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成するα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されず、たとえば、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは15〜85重量%、さらに好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは50〜80重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が上記範囲にある場合に、得られるゴム架橋物の耐燃料油性および耐寒性が良好になる。
また、重合体(B)は、本発明の効果がより一層顕著になることから、さらにα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位を含有することが好ましい。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位を形成するα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシプロピル、メタクリル酸4−エトキシブチル、アクリル酸6−メトキシヘキシル、メタクリル酸4−エトキシヘプチル、アクリル酸8−メトキシオクチルなどの炭素数2〜12のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸α−シアノエチル、メタクリル酸α−シアノエチル、メタクリル酸シアノブチルなどの炭素数2〜12のシアノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基を有する(メタ) アクリル酸エステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどの炭素数1〜12のフルオロアルキル基を有する(メタ) アクリル酸エステル;などが挙げられるが、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび炭素数2〜12のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシプロピルなどの炭素数2〜5のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、アクリル酸2−メトキシエチルが特に好ましい。なお、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体は、一種単独でも、複数種を併用してもよい。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは0〜90重量%、より好ましくは15〜85重量%、さらに好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。
また、全単量体単位に対する、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位とα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の合計含有量は、好ましくは80〜100重量%である。
また、全単量体単位に対する、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位とα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位の合計含有量は、好ましくは80〜100重量%である。
本発明で用いる重合体(B)は、共役ジエン単量体単位を含有していてもよい。共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレンなどの炭素数4〜6の共役ジエン単量体が好ましく、1,3−ブタジエンおよびイソプレンがより好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。共役ジエン単量体は、1種単独でも、複数種を併用しても良い。
なお、共役ジエン単量体単位の含有量としては、好ましくは0〜15重量%、より好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0重量%(共役ジエン単量体単位を有さない。)である。共役ジエン単量体単位の含有量が少ないほど、得られるゴム架橋物の耐熱性が良好なものとなる。
なお、共役ジエン単量体単位の含有量としては、好ましくは0〜15重量%、より好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0重量%(共役ジエン単量体単位を有さない。)である。共役ジエン単量体単位の含有量が少ないほど、得られるゴム架橋物の耐熱性が良好なものとなる。
また、本発明で用いる重合体(B)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体および共役ジエン単量体と共重合可能なその他の単量体を共重合したものであっても良い。このようなその他の単量体としては、エチレン、α−オレフィン単量体、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル単量体などが例示される。
α−オレフィン単量体としては、炭素数が3〜12のものが好ましく、たとえば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
フッ素含有ビニル単量体としては、たとえば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
これらの共重合可能なその他の単量体は、複数種類を併用してもよい。その他の単量体の単位の含有量は、重合体(B)の全単量体単位に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
本発明で用いる重合体(B)は、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体である。
原子移動ラジカル重合法は、遷移金属錯体を触媒とし、有機ハロゲン化合物を重合開始剤とするラジカル重合法であって、重合中のポリマー成長末端のラジカルを有する「活性種」の作用により、未反応単量体をラジカル重合していくものである。そのため原子移動ラジカル重合反応が終了すると、得られた重合体の一方の末端には、有機ハロゲン化合物の残基(ハロゲンが脱離した形態のもの)が結合し、もう一方の末端には脱離したハロゲン原子が結合したものになる。
原子移動ラジカル重合法は、従来公知のラジカル重合法であり、例えば、特表平10−509475号、Polymer Journal,vol.38,No.10,pp1023-1034(2006)、特表2005−524743号、特開2000−186126号、特開平11−116606号などに記載の方法に準じて、実施することができる。
原子移動ラジカル重合法は、遷移金属錯体を触媒とし、有機ハロゲン化合物を重合開始剤とするラジカル重合法であって、重合中のポリマー成長末端のラジカルを有する「活性種」の作用により、未反応単量体をラジカル重合していくものである。そのため原子移動ラジカル重合反応が終了すると、得られた重合体の一方の末端には、有機ハロゲン化合物の残基(ハロゲンが脱離した形態のもの)が結合し、もう一方の末端には脱離したハロゲン原子が結合したものになる。
原子移動ラジカル重合法は、従来公知のラジカル重合法であり、例えば、特表平10−509475号、Polymer Journal,vol.38,No.10,pp1023-1034(2006)、特表2005−524743号、特開2000−186126号、特開平11−116606号などに記載の方法に準じて、実施することができる。
上記原子移動ラジカル重合法の触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、7、8、9、10、11族の遷移金属錯体が好ましく、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体がさらに好ましく、1価の銅の錯体が特に好ましい。
1価の銅の錯体を形成する1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅等であるが、塩化第一銅が好ましい。
銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が好適に使用されるが、2,2′−ビピリジンが好ましい。
1価の銅の錯体を形成する1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅等であるが、塩化第一銅が好ましい。
銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が好適に使用されるが、2,2′−ビピリジンが好ましい。
上記遷移金属錯体中の遷移金属の使用量は、重合に用いる単量体1モルに対して、好ましくは0.0001〜0.05モル、さらに好ましくは0.001〜0.02モル、特に好ましくは0.002〜0.01モルである。
また、上記遷移金属錯体を形成するための配位子の使用量は、遷移金属1モルに対して、好ましくは1〜5モル、さらに好ましくは2〜4モル、特に好ましくは3モルである。
また、上記遷移金属錯体を形成するための配位子の使用量は、遷移金属1モルに対して、好ましくは1〜5モル、さらに好ましくは2〜4モル、特に好ましくは3モルである。
上記原子移動ラジカル重合法の重合開始剤として用いられる有機ハロゲン化合物としては、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物であれば特に限定されないが、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物およびベンジル位にハロゲンを有する化合物が好ましく、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物が特に好ましい。α位にハロゲンを有するカルボニル化合物の具体例としては、2−ブロモイソ酪酸メチル(2−ブロモ−2−メチル−プロパン酸メチル)、2−クロロ−2−エチル−プロパン酸エチル、2−ブロモ−2−エチル−ブタン酸メチル、2−ヨード−2−エチル−ブタン酸メチル、2−ブロモ−2−メチル−ペンタン酸メチルなどが挙げられるが、炭素数が4〜15のα位にハロゲンを有するカルボニル化合物が好ましく、炭素数が4〜8のα位にハロゲンを有するカルボニル化合物がより好ましく、炭素数が4〜8のα位に臭素原子を有するエステルがさらに好ましく、2−ブロモイソ酪酸メチルが特に好ましい。
なお、ベンジル位にハロゲンを有する化合物としては、塩化ベンジルや臭化ベンジルなどが挙げられる。
なお、ベンジル位にハロゲンを有する化合物としては、塩化ベンジルや臭化ベンジルなどが挙げられる。
有機ハロゲン化合物の使用量は、上記遷移金属1モルに対して、好ましくは1〜5モル、さらに好ましくは1〜3モル、特に好ましくは2モルである。
原子移動ラジカル重合法は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、原子移動ラジカル重合を阻害しない有機溶媒であれば特に限定されず、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;等が挙げられが、カーボネート系溶媒が好ましく、エチレンカーボネートが特に好ましい。
また、原子移動ラジカル重合は、40〜90℃で行うことが好ましく、50〜80℃で行うことが特に好ましい。
重合体(B)の1H−NMRによって測定した数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは2,000〜10,000である。重合体(B)の数平均分子量(Mn)が上記範囲にある場合に、本発明の効果がより一層顕著になる。
なお、1H−NMRによって測定した数平均分子量(Mn)とは、上述の原子移動ラジカル重合法で得られる、重合体の一方の末端には有機ハロゲン化合物の残基(ハロゲンが脱離した形態のもの)が結合し、もう一方の末端には脱離したハロゲン原子が結合した重合体(B)を、1H−NMRで測定し、有機ハロゲン化合物の特定の炭素原子に結合しているプロトン由来のピーク面積を基準とし、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位等の他の単量体単位の特定の炭素原子に結合しているプロトン由来のピーク面積との比を求め、有機ハロゲン化合物に対する他の単量体単位の割合を算出し、分子量を積算することにより求めた数平均分子量で、具体的には後述の実施例に記載したものに準じれば良い。
なお、1H−NMRによって測定した数平均分子量(Mn)とは、上述の原子移動ラジカル重合法で得られる、重合体の一方の末端には有機ハロゲン化合物の残基(ハロゲンが脱離した形態のもの)が結合し、もう一方の末端には脱離したハロゲン原子が結合した重合体(B)を、1H−NMRで測定し、有機ハロゲン化合物の特定の炭素原子に結合しているプロトン由来のピーク面積を基準とし、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル単量体単位等の他の単量体単位の特定の炭素原子に結合しているプロトン由来のピーク面積との比を求め、有機ハロゲン化合物に対する他の単量体単位の割合を算出し、分子量を積算することにより求めた数平均分子量で、具体的には後述の実施例に記載したものに準じれば良い。
また、本発明で用いる重合体(B)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られ、重合体の末端にアミノ基を有する重合体であることが好ましい。アクリルゴム(A)がカルボキシル基含有アクリルゴムであり、重合体(B)が、重合体の末端にアミノ基を有する重合体である場合には、アクリルゴム(A)中のカルボキシル基と、末端にアミノ基を有する重合体(B)が反応して、アクリルゴム(A)に重合体(B)がグラフト結合した重合体が得られ易く、本発明の効果がより一層顕著になる。
重合体の末端にアミノ基を有する重合体(B)(以下、「末端アミノ基重合体(B)」ということがある。)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば上述の重合方法により片方の末端にハロゲン原子が結合した重合体(B)を含有する重合体溶液(x)を得た後に30℃以下に冷却し、アンモニア水を加え、60℃以上に再度加熱し、末端のハロゲン原子をアミノ基に置換することにより得ることができる。この場合において、不純物を取り除くために、30℃以下に冷却した重合体溶液(x)にイオン交換水を加えて重合体(B)を沈殿させ、ろ過して得られた重合体(B)を乾燥した後、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの有機溶媒に再溶解させて、得られた片方の末端にハロゲン原子が結合した重合体(B)を含有する重合体溶液(y)に、アンモニア水を加え、60℃以上に加熱し、末端のハロゲン原子をアミノ基に置換することにより得ることもできる。なお、末端アミノ基重合体(B)の溶液から、末端アミノ基重合体(B)を単離するには、30℃以下に冷却し、多量のイソプロピルアルコールやトルエンなどの貧溶媒を加えて、末端アミノ基重合体(B)を沈殿させ、ろ過して得られた末端アミノ基重合体(B)を乾燥すれば良い。
アクリルゴム組成物
本発明のアクリルゴム組成物は、アクリルゴム(A)、並びに、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(B)、を含有してなる。
本発明のアクリルゴム組成物中の、アクリルゴム(A)と重合体(B)の含有割合は、アクリルゴム(A)100重量部に対し、重合体(B)を1〜70重量部含有することが好ましく、5〜50重量部含有することがより好ましく、10〜40重量部含有することが特に好ましい。
アクリルゴム(A)と重合体(B)の含有割合が上記範囲にある場合に、得られるゴム架橋物が耐燃料油性および耐寒性のバランスに優れたものになり易い。
本発明のアクリルゴム組成物は、アクリルゴム(A)、並びに、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(B)、を含有してなる。
本発明のアクリルゴム組成物中の、アクリルゴム(A)と重合体(B)の含有割合は、アクリルゴム(A)100重量部に対し、重合体(B)を1〜70重量部含有することが好ましく、5〜50重量部含有することがより好ましく、10〜40重量部含有することが特に好ましい。
アクリルゴム(A)と重合体(B)の含有割合が上記範囲にある場合に、得られるゴム架橋物が耐燃料油性および耐寒性のバランスに優れたものになり易い。
本発明のアクリルゴム組成物には、本発明の効果が阻害されない範囲で、上述したアクリルゴム(A)および重合体(B)以外のその他の重合体を配合してもよい。その他の重合体としては、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、天然ゴムおよびポリイソプレンゴムなどを挙げることができる。その他の重合体を配合する場合における、ゴム組成物中の配合量は、アクリルゴム(A)および重合体(B)の合計100重量部に対して、好ましくは30重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
架橋性アクリルゴム組成物
本発明の架橋性アクリルゴム組成物は、上記アクリルゴム組成物と、架橋剤とを含有してなるものである。
本発明で用いる架橋剤としては、上述したアクリルゴム(A)に含有される架橋性単量体の種類、およびアクリルゴム組成物の成形用途により適宜選択すればよいが、上述したアクリルゴム(A)を架橋可能なものであれば、特に限定されない。このような架橋剤としては、例えば、ジアミン化合物などの多価アミン化合物、およびその炭酸塩;硫黄;硫黄共与体;トリアジンチオール化合物;多価エポキシ化合物;有機カルボン酸アンモニウム塩;有機過酸化物;ジチオカルバミン酸金属塩;多価カルボン酸;四級オニウム塩;イミダゾール化合物;イソシアヌル酸化合物;有機過酸化物;などの従来公知の架橋剤を用いることができる。これらの架橋剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
本発明の架橋性アクリルゴム組成物は、上記アクリルゴム組成物と、架橋剤とを含有してなるものである。
本発明で用いる架橋剤としては、上述したアクリルゴム(A)に含有される架橋性単量体の種類、およびアクリルゴム組成物の成形用途により適宜選択すればよいが、上述したアクリルゴム(A)を架橋可能なものであれば、特に限定されない。このような架橋剤としては、例えば、ジアミン化合物などの多価アミン化合物、およびその炭酸塩;硫黄;硫黄共与体;トリアジンチオール化合物;多価エポキシ化合物;有機カルボン酸アンモニウム塩;有機過酸化物;ジチオカルバミン酸金属塩;多価カルボン酸;四級オニウム塩;イミダゾール化合物;イソシアヌル酸化合物;有機過酸化物;などの従来公知の架橋剤を用いることができる。これらの架橋剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
これらのなかでも、本発明で用いるアクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有アクリルゴムである場合には、架橋剤として、多価アミン化合物、およびその炭酸塩を用いることが好ましい。
多価アミン化合物、およびその炭酸塩としては、特に限定されないが、炭素数4〜30の多価アミン化合物、およびその炭酸塩が好ましい。このような多価アミン化合物、およびその炭酸塩の例としては、脂肪族多価アミン化合物、およびその炭酸塩、ならびに芳香族多価アミン化合物などが挙げられる。
脂肪族多価アミン化合物、およびその炭酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、およびN,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジアミンカーバメートが好ましい。
芳香族多価アミン化合物としては、特に限定されないが、例えば、4,4’−メチレンジアニリン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、および1,3,5−ベンゼントリアミンなどが挙げられる。これらの中でも、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンが好ましい。
本発明で用いるアクリルゴム(A)が、エポキシ基含有アクリルゴムである場合には、架橋剤として、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメ−トなどの脂肪族多価アミン化合物、およびその炭酸塩;4,4’−メチレンジアニリンなどの芳香族多価アミン化合物;安息香酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウムなどのカルボン酸アンモニウム塩;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン酸金属塩;テトラデカンニ酸などの多価カルボン酸;セチルトリメチルアンモニウムブロマイドなどの四級オニウム塩;2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物;イソシアヌル酸アンモニウムなどのイソシアヌル酸化合物;などを用いることができ、これらの中でも、カルボン酸アンモニウム塩およびジチオカルバミン酸金属塩が好ましく、安息香酸アンモニウムがより好ましい。
本発明で用いるアクリルゴム(A)が、ハロゲン原子含有アクリルゴムである場合には、架橋剤として、硫黄、硫黄供与体、またはトリアジンチオール化合物を用いることが好ましい。
硫黄供与体の具体例としては、ジペンタメチレンチウラムヘキササルファイド、トリエチルチウラムジサルファイドなどが挙げられる。
トリアジンチオール化合物の具体例としては、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、および6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールなどが挙げられるが、これらの中でも、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールが好ましい。
さらに、本発明で用いるアクリルゴム(A)が、カルボキシル基およびハロゲン原子を共に含有するアクリルゴムである場合には、カルボキシル基を架橋点とする際には、多価アミン化合物、およびその炭酸塩が好ましく、また、ハロゲン原子を架橋点とする際には、硫黄、硫黄供与体、またはトリアジンチオール化合物が好ましい。これらの架橋剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができ、カルボキシル基を架橋点とする際に好適な架橋剤と、ハロゲン原子を架橋点とする際に好適な架橋剤とを、併用することができる。なお、多価アミン化合物、およびその炭酸塩、硫黄供与体、ならびにトリアジンチオール化合物の具体例としては、上述したものが挙げられる。
また、本発明で用いるアクリルゴム(A)が、エチレン−アクリレートゴム0.1〜100重量%を含むものであり、かつ、該エチレン−アクリレートゴムを含むアクリルゴム(A)が、カルボキシル基を架橋点として持つ場合には、架橋剤として、上述したカルボキシル基含有アクリルゴムである場合と同様のものを用いることができる。
本発明の架橋性アクリルゴム組成物中における、架橋剤の含有量は、アクリルゴム(A)100重量部に対し、0.05〜20重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部である。架橋剤の含有量が上記範囲内であると、架橋が十分に行われ、得られるゴム架橋物の機械的特性が優れる。一方、架橋剤の含有量が少なすぎる場合には、架橋が不十分となり、得られるゴム架橋物の形状維持が困難になる場合があり、多すぎると、得られるゴム架橋物が硬くなりすぎる場合がある。
また、本発明の架橋性アクリルゴム組成物は、さらに架橋促進剤を含有していることが好ましい。
架橋促進剤としては、特に限定されないが、上述したアクリルゴム(A)がカルボキシル基含有アクリルゴムであり、かつ、架橋剤が多価アミン化合物、またはその炭酸塩である場合には、脂肪族1価2級アミン化合物、脂肪族1価3級アミン化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第4級オニウム塩、第3級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩、およびジアザビシクロアルケン化合物などが好ましく用いられる。これらの架橋促進剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
架橋促進剤としては、特に限定されないが、上述したアクリルゴム(A)がカルボキシル基含有アクリルゴムであり、かつ、架橋剤が多価アミン化合物、またはその炭酸塩である場合には、脂肪族1価2級アミン化合物、脂肪族1価3級アミン化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第4級オニウム塩、第3級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩、およびジアザビシクロアルケン化合物などが好ましく用いられる。これらの架橋促進剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
また、上述したアクリルゴム(A)がエポキシ基含有アクリルゴムであり、かつ、架橋剤がジチオカルバミン酸金属塩である場合には、架橋促進剤としては、架橋剤として用いたジチオカルバミン酸金属塩以外のその他のジチオカルバミン酸金属塩などが好ましく用いられる。これらの架橋促進剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
さらに、上述したアクリルゴム(A)がハロゲン原子含有アクリルゴムであり、かつ、架橋剤が硫黄または硫黄供与体である場合には、架橋促進剤としては、脂肪酸金属石鹸などが好ましく用いられる。
また、アクリルゴム(A)がハロゲン原子含有アクリルゴムであり、かつ、架橋剤がトリアジンチオール化合物である場合には、架橋促進剤としては、ジチオカルバミン酸塩およびその誘導体、チオ尿素化合物、ならびにチウラムスルフィド化合物などが好ましく用いられる。これらの架橋促進剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
また、アクリルゴム(A)がハロゲン原子含有アクリルゴムであり、かつ、架橋剤がトリアジンチオール化合物である場合には、架橋促進剤としては、ジチオカルバミン酸塩およびその誘導体、チオ尿素化合物、ならびにチウラムスルフィド化合物などが好ましく用いられる。これらの架橋促進剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
そして、アクリルゴム(A)が、カルボキシル基およびハロゲン原子を共に含有するアクリルゴムであり、かつ、架橋剤が多価アミン化合物、またはその炭酸塩である場合には、架橋促進剤としては、脂肪族1価2級アミン化合物、脂肪族1価3級アミン化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第4級オニウム塩、第3級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩、およびジアザビシクロアルケン化合物などが好ましく用いられる。
また、アクリルゴム(A)が、カルボキシル基およびハロゲン原子を共に含有するアクリルゴムであり、かつ、架橋剤が硫黄または硫黄供与体である場合には、架橋促進剤としては、脂肪酸金属石鹸などが好ましく用いられる。さらに、アクリルゴム(A)が、カルボキシル基およびハロゲン原子を共に含有するアクリルゴムであり、かつ、架橋剤がトリアジンチオール化合物である場合は、架橋促進剤としては、ジチオカルバミン酸塩およびその誘導体、チオ尿素化合物、ならびにチウラムスルフィド化合物などが好ましく用いられる。これらの架橋促進剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができ、カルボキシル基を架橋点とする際に好適な架橋促進剤と、ハロゲン原子を架橋点とする際に好適な架橋促進剤とを、併用することができる。
また、アクリルゴム(A)が、カルボキシル基およびハロゲン原子を共に含有するアクリルゴムであり、かつ、架橋剤が硫黄または硫黄供与体である場合には、架橋促進剤としては、脂肪酸金属石鹸などが好ましく用いられる。さらに、アクリルゴム(A)が、カルボキシル基およびハロゲン原子を共に含有するアクリルゴムであり、かつ、架橋剤がトリアジンチオール化合物である場合は、架橋促進剤としては、ジチオカルバミン酸塩およびその誘導体、チオ尿素化合物、ならびにチウラムスルフィド化合物などが好ましく用いられる。これらの架橋促進剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができ、カルボキシル基を架橋点とする際に好適な架橋促進剤と、ハロゲン原子を架橋点とする際に好適な架橋促進剤とを、併用することができる。
また、アクリルゴム(A)が、エチレン−アクリレートゴム0.1〜100重量%を含むものであり、かつ、該エチレン−アクリレートゴムを含むアクリルゴム(A)が、カルボキシル基を架橋点として持つ場合において、架橋剤が多価アミン化合物、またはその炭酸塩である場合には、脂肪族1価2級アミン化合物、脂肪族1価3級アミン化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、第4級オニウム塩、第3級ホスフィン化合物、弱酸のアルカリ金属塩、およびジアザビシクロアルケン化合物などが好ましく用いられる。これらの架橋促進剤は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
脂肪族1価2級アミン化合物は、アンモニアの水素原子の2つを脂肪族炭化水素基で置換した化合物である。水素原子と置換する脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜30のものであり、より好ましくは炭素数8〜20のものである。脂肪族1価2級アミン化合物の具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジセチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジ−シス−9−オクタデセニルアミン、およびジノナデシルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジセチルアミン、ジオクタデシルアミン、ジ−シス−9−オクタデセニルアミン、およびジノナデシルアミンなどが好ましい。
脂肪族1価3級アミン化合物は、アンモニアの3つの水素原子全てを脂肪族炭化水素基で置換した化合物である。水素原子と置換する脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜30のものであり、より好ましくは炭素数1〜22のものである。脂肪族1価3級アミン化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリアリルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリウンデシルアミン、トリドデシルアミン、トリトリデシルアミン、トリテトラデシルアミン、トリペンタデシルアミン、トリセチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリオクタデシルアミン、トリ−シス−9−オクタデセニルアミン、トリノナデシルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルセチルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、N,N−ジメチルベヘニルアミン、N−メチルジデシルアミン、N−メチルジドデシルアミン、N−メチルジテトラデシルアミン、N−メチルジセチルアミン、N−メチルジオクタデシルアミン、N−メチルジベヘニルアミン、およびジメチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルセチルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、およびN,N−ジメチルベヘニルアミンなどが好ましい。
グアニジン化合物の具体例としては、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジンなどが挙げられ、1,3−ジ−o−トリルグアニジンが好ましい。
イミダゾール化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
第4級オニウム塩の具体例としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリn−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
第3級ホスフィン化合物の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。
弱酸のアルカリ金属塩の具体例としては、ナトリウム、カリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩、およびナトリウム、カリウムのステアリン酸塩、ラウリン酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
ジアザビシクロアルケン化合物の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)などが挙げられる。
イミダゾール化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
第4級オニウム塩の具体例としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリn−ブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
第3級ホスフィン化合物の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィンなどが挙げられる。
弱酸のアルカリ金属塩の具体例としては、ナトリウム、カリウムのリン酸塩、炭酸塩などの無機弱酸塩、およびナトリウム、カリウムのステアリン酸塩、ラウリン酸塩などの有機弱酸塩が挙げられる。
ジアザビシクロアルケン化合物の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)などが挙げられる。
脂肪酸金属石鹸の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、および2−エチルヘキサン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩およびその誘導体の具体例としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、メチルベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、メチルシクロヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジメチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどのジチオカルバミン酸金属塩;ジチオカルバミン酸金属塩と、ジブチルアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどのアミンとの錯塩あるいは複塩;などが挙げられる。これらの中でも、アクリルゴム(A)がハロゲン原子含有アクリルゴム、またはカルボキシル基およびハロゲン原子含有アクリルゴムであり、かつ、架橋剤としてトリアジンチオール化合物を用いる場合には、亜鉛を用いたジチオカルバミン酸金属塩が好ましく、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛がより好ましい。一方、アクリルゴム(A)がエポキシ基含有アクリルゴムであり、かつ、架橋剤としてジチオカルバミン酸亜鉛を用いる場合には、ジチオカルバミン酸第二鉄が好ましい。
チオ尿素化合物の具体例としては、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、N,N’−ジオルトトリルチオ尿素トリメチルチオ尿素、およびエチレンチオ尿素などが挙げられる。これらの中でも、N,N’−ジエチルチオ尿素が好ましい。
チウラムスルフィド化合物の具体例としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラ−n−ブチルチウラムジスルフィド、およびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられる。
本発明の架橋性アクリルゴム組成物中における、架橋促進剤の含有量は、アクリゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.3〜10重量部である。架橋促進剤の含有量が上記範囲内であると、架橋が十分に行われ、得られるゴム架橋物の機械的特性が優れる。一方、架橋促進剤が少なすぎると、架橋が十分に進行せず、得られるゴム架橋物の機械的特性が劣る可能性があり、架橋促進剤が多すぎると、架橋時に架橋速度が早くなりすぎたり、得られるゴム架橋物表面ヘの架橋促進剤のブルームが生じたり、ゴム架橋物が硬くなりすぎたりするおそれがある。
本発明の架橋性アクリルゴム組成物には、アクリルゴム(A)、架橋剤、必要に応じて使用される架橋促進剤の他に、ゴム加工分野において通常使用される配合剤を配合することができる。このような配合剤としては、たとえば、カーボンブラック、シリカなどの補強性充填剤;炭酸カルシウムやクレーなどの非補強性充填剤;老化防止剤;光安定剤;スコーチ防止剤;可塑剤;加工助剤;滑剤;粘着剤;潤滑剤;難燃剤;防黴剤;帯電防止剤;着色剤;シランカップリング剤;架橋遅延剤;などが挙げられる。これらの配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を適宜配合することができる。
さらに、本発明の架橋性アクリルゴム組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明で用いるアクリルゴム(A)以外のゴム、エラストマー、樹脂などをさらに配合してもよい。例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどのゴム;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリシロキサン系エラストマーなどのエラストマー;ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などの樹脂;などを配合することができる。なお、アクリルゴム(A)以外のゴム、エラストマー、および樹脂の合計配合量は、本発明で用いるアクリルゴム(A)100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは1重量部以下である。
架橋性アクリルゴム組成物の調製方法
本発明の架橋性アクリルゴム組成物は、アクリルゴム(A)に、架橋剤、必要に応じて使用される架橋促進剤、および必要に応じて使用されるその他の配合剤などを配合し、バンバリーミキサーやニーダーなどで混合、混練し、次いで、混練ロールを用いて、さらに混練することにより調製される。
本発明の架橋性アクリルゴム組成物は、アクリルゴム(A)に、架橋剤、必要に応じて使用される架橋促進剤、および必要に応じて使用されるその他の配合剤などを配合し、バンバリーミキサーやニーダーなどで混合、混練し、次いで、混練ロールを用いて、さらに混練することにより調製される。
各成分の配合順序は、特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を充分に混合した後、熱で反応や分解しやすい成分である架橋剤や架橋促進剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合することが好ましい。
本発明の架橋性アクリルゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4、100℃)(コンパウンドムーニー)は、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜90、さらに好ましくは25〜80である。
ゴム架橋物
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性アクリルゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性アクリルゴム組成物を用い、所望の形状に対応した成形機、例えば、押出機、射出成形機、圧縮機、およびロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、ゴム架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、130〜220℃、好ましくは150〜190℃であり、架橋時間は、通常、2分〜10時間、好ましくは3分〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、および熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の架橋性アクリルゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明のゴム架橋物は、本発明の架橋性アクリルゴム組成物を用い、所望の形状に対応した成形機、例えば、押出機、射出成形機、圧縮機、およびロールなどにより成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、ゴム架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、130〜220℃、好ましくは150〜190℃であり、架橋時間は、通常、2分〜10時間、好ましくは3分〜5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、および熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、本発明のゴム架橋物は、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。二次架橋は、加熱方法、架橋温度、形状などにより異なるが、好ましくは1〜48時間行う。加熱方法、加熱温度は適宜選択すればよい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物は、上述した本発明のアクリルゴム組成物を用いて得られるものであるため、耐燃料油性および耐寒性のバランスに優れたものである。
そのため、本発明のゴム架橋物は、その特性を活かして、O−リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、メカニカルシール、ウェルヘッドシール、電気・電子機器用シール、空気圧機器用シールなどの各種シール;シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;各種ベルト;燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジエーターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ、等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;クッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材などの減衰材ゴム部品;などとして好適に用いられ、特に、耐燃料油性および耐寒性が要求される燃料ホース用途に、好適に用いられる。
そのため、本発明のゴム架橋物は、その特性を活かして、O−リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、メカニカルシール、ウェルヘッドシール、電気・電子機器用シール、空気圧機器用シールなどの各種シール;シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;各種ベルト;燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジエーターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ、等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;クッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材などの減衰材ゴム部品;などとして好適に用いられ、特に、耐燃料油性および耐寒性が要求される燃料ホース用途に、好適に用いられる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下において、特記しない限り「部」は重量基準である。なお、試験、評価は以下によった。
ムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)
アクリルゴムのムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)は、JIS K6300に従って測定した(単位は〔ML1+4、100℃〕)。
アクリルゴムのムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)は、JIS K6300に従って測定した(単位は〔ML1+4、100℃〕)。
常態物性(引張応力)
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。次いで、得られたゴム架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片を用いて、常温での機械特性として、JIS K6251に従い、20%引張応力(M20)および50%引張応力(M50)を測定した。
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。次いで、得られたゴム架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片を用いて、常温での機械特性として、JIS K6251に従い、20%引張応力(M20)および50%引張応力(M50)を測定した。
耐燃料油浸漬試験
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。次いで、得られたゴム架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物をダンベルで打ち抜いて幅2cm、長さ3cmの試験片を作製した。得られた試験片を、温度40℃、72時間の条件で、試験油(イソオクタン/トルエン/エタノール=40/40/20(体積比))に、72時間浸漬することにより、耐燃料油浸漬試験を行った。具体的には、試験油に浸漬前後のゴム架橋物の体積を測定し、浸漬後の体積変化率△V(単位:%)を「体積変化率△V=([油浸漬後の体積−油浸漬前の体積]/油浸漬前の体積)×100」にしたがって算出することで、耐燃料油性の評価を行った。この場合において、[油浸漬後の体積−油浸漬前の体積]が負の値になる場合には、その絶対値を入れて計算を行う。
体積変化率△Vの値が小さいほど、燃料油による膨潤の度合いが小さく、耐燃料油性に優れると判断できる。
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。次いで、得られたゴム架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物をダンベルで打ち抜いて幅2cm、長さ3cmの試験片を作製した。得られた試験片を、温度40℃、72時間の条件で、試験油(イソオクタン/トルエン/エタノール=40/40/20(体積比))に、72時間浸漬することにより、耐燃料油浸漬試験を行った。具体的には、試験油に浸漬前後のゴム架橋物の体積を測定し、浸漬後の体積変化率△V(単位:%)を「体積変化率△V=([油浸漬後の体積−油浸漬前の体積]/油浸漬前の体積)×100」にしたがって算出することで、耐燃料油性の評価を行った。この場合において、[油浸漬後の体積−油浸漬前の体積]が負の値になる場合には、その絶対値を入れて計算を行う。
体積変化率△Vの値が小さいほど、燃料油による膨潤の度合いが小さく、耐燃料油性に優れると判断できる。
耐寒性試験
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。次いで、得られたゴム架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物を用い、JIS K6261に従い、TR試験(低温弾性回復試験)により架橋物の耐寒性を測定した。(伸長させた試験片を凍結させ、温度を連続的に上昇させることによって伸長されていた試験片の回復性を測定する。例えば、昇温により試験片の長さが10%収縮(回復)する時の温度をTR10と表示する。)TR10(単位:℃)が低いほど、耐寒性に優れると判断できる。
架橋性ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状のゴム架橋物を得た。次いで、得られたゴム架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物を用い、JIS K6261に従い、TR試験(低温弾性回復試験)により架橋物の耐寒性を測定した。(伸長させた試験片を凍結させ、温度を連続的に上昇させることによって伸長されていた試験片の回復性を測定する。例えば、昇温により試験片の長さが10%収縮(回復)する時の温度をTR10と表示する。)TR10(単位:℃)が低いほど、耐寒性に優れると判断できる。
原子移動ラジカル重合法で得られた重合体の数平均分子量(Mn)および組成
製造例2で得られた、60℃で24時間乾燥後(アンモニア水と接触させる前のもの)のアクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチルの共重合体の1H−NMRを、測定装置(商品名「AVANCEIII500」、BRUKER社製)を用いて測定し、共重合体の数平均分子量(Mn)および組成を求めた。
具体的には、下記の構造式の丸で囲んだ位置の炭素原子に結合しているプロトン由来のピーク面積をそれぞれ求め、2−ブロモイソ酪酸メチルのプロトン由来のピーク面積を基準とし、アクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチルのプロトン由来のピーク面積との比(各炭素原子に結合しているプロトンの数を計算に入れる)から、2−ブロモイソ酪酸メチル1モルに対する、共重合体中のアクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチルのモル数を求め、それぞれの分子量をかけ算することにより、共重合体の分子量および組成を算出した。
なお、下記の構造式は、ピーク面積の測定対象となるプロトンが結合している炭素原子の位置を示すためのもので、便宜上、原子移動ラジカル重合する前の単量体の形態で示してある。
製造例2で得られた、60℃で24時間乾燥後(アンモニア水と接触させる前のもの)のアクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチルの共重合体の1H−NMRを、測定装置(商品名「AVANCEIII500」、BRUKER社製)を用いて測定し、共重合体の数平均分子量(Mn)および組成を求めた。
具体的には、下記の構造式の丸で囲んだ位置の炭素原子に結合しているプロトン由来のピーク面積をそれぞれ求め、2−ブロモイソ酪酸メチルのプロトン由来のピーク面積を基準とし、アクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチルのプロトン由来のピーク面積との比(各炭素原子に結合しているプロトンの数を計算に入れる)から、2−ブロモイソ酪酸メチル1モルに対する、共重合体中のアクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチルのモル数を求め、それぞれの分子量をかけ算することにより、共重合体の分子量および組成を算出した。
なお、下記の構造式は、ピーク面積の測定対象となるプロトンが結合している炭素原子の位置を示すためのもので、便宜上、原子移動ラジカル重合する前の単量体の形態で示してある。
製造例1(カルボキシル基含有アクリルゴム(a1)の製造)
温度計、攪拌装置を備えた重合反応器に、水200部、ラウリル硫酸ナトリウム3部、アクリル酸エチル49部、アクリル酸n−ブチル49部、およびフマル酸モノn−ブチル2部を仕込んだ。その後、減圧脱気および窒素置換を2度行って酸素を十分除去した後、クメンハイドロパーオキシド0.005部、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.002部を加えて常圧下、温度30℃で乳化重合を開始し、重合転化率が95%に達するまで反応させた。得られた乳化重合液を塩化カルシウム水溶液で凝固し、水洗、乾燥してカルボキシル基含有アクリルゴム(a1)を得た。得られたカルボキシル基含有アクリルゴム(a1)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は35であった。なお、上記得られたカルボキシル基含有アクリルゴム(a1)の組成は、アクリル酸エチル単位49重量%、アクリル酸n−ブチル単位49重量%、およびフマル酸モノn−ブチル単位2重量%であった。
温度計、攪拌装置を備えた重合反応器に、水200部、ラウリル硫酸ナトリウム3部、アクリル酸エチル49部、アクリル酸n−ブチル49部、およびフマル酸モノn−ブチル2部を仕込んだ。その後、減圧脱気および窒素置換を2度行って酸素を十分除去した後、クメンハイドロパーオキシド0.005部、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.002部を加えて常圧下、温度30℃で乳化重合を開始し、重合転化率が95%に達するまで反応させた。得られた乳化重合液を塩化カルシウム水溶液で凝固し、水洗、乾燥してカルボキシル基含有アクリルゴム(a1)を得た。得られたカルボキシル基含有アクリルゴム(a1)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は35であった。なお、上記得られたカルボキシル基含有アクリルゴム(a1)の組成は、アクリル酸エチル単位49重量%、アクリル酸n−ブチル単位49重量%、およびフマル酸モノn−ブチル単位2重量%であった。
製造例2
(アクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチル共重合体(b1)の製造)
反応器に、CuCl(塩化第一銅)3部(相対モル比:1、触媒)、2,2′−ビピリジン14部(相対モル比:3、配位子)、アクリロニトリル272部(相対モル比:172)、アクリル酸2−メトキシエチル117部(相対モル比:30)、2−ブロモイソ酪酸メチル11部(相対モル比:2、重合開始剤)およびエチレンカーボネート408部(溶媒、融点40℃以上に加温して液状としたもの)を入れ、Ar(アルゴン)で置換した後に、60℃に昇温し、原子移動ラジカル重合反応を20時間行った。
反応終了後、反応器を30℃以下に冷却し、溶媒であるエチレンカーボネートが固体状になったため、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)945部を加えて溶解させた後、貧溶媒であるイオン交換水30,000部を加えて共重合体を沈殿させ、ろ過した後、60℃で24時間乾燥した。
次に、乾燥後の共重合体376部を、ジメチルスルホキシド(DMSO)1650部に溶解させ、28重量%のアンモニア水(アンモニアの相対モル比:200)を加え、80℃で72時間反応させ、共重合体の末端に結合した臭素原子をアミノ基で置換した。
置換反応終了後、反応器を30℃以下に冷却し、貧溶媒であるトルエンを、共重合体の大部分が沈殿がするまで注入し、得られた沈殿物をろ過後、90℃で48時間真空乾燥して、末端にアミノ基を有する、アクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチルの共重合体(b1)を得た。
上記の1H−NMRで分析したところ、共重合体(b1)の数平均分子量(Mn)は5800であり、共重合体(b1)の組成は、アクリル酸2−メトキシエチル単位30重量%、アクリロニトリル単位70重量%であった。
また、共重合体(b1)の13C−NMRを、測定装置(商品名「AVANCEIII500」、BRUKER社製)を用いて測定したところ、アミノ基が結合した炭素原子のピークが観察され、共重合体(b1)にアミノ基が結合していることが確認された。さらに、末端CHBr基由来の1H−NMRピークが、アンモニア水による置換反応によりCHNH2になる結果、1H−NMRのピークがシフトした事からも反応の進行が確認できた。
(アクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチル共重合体(b1)の製造)
反応器に、CuCl(塩化第一銅)3部(相対モル比:1、触媒)、2,2′−ビピリジン14部(相対モル比:3、配位子)、アクリロニトリル272部(相対モル比:172)、アクリル酸2−メトキシエチル117部(相対モル比:30)、2−ブロモイソ酪酸メチル11部(相対モル比:2、重合開始剤)およびエチレンカーボネート408部(溶媒、融点40℃以上に加温して液状としたもの)を入れ、Ar(アルゴン)で置換した後に、60℃に昇温し、原子移動ラジカル重合反応を20時間行った。
反応終了後、反応器を30℃以下に冷却し、溶媒であるエチレンカーボネートが固体状になったため、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)945部を加えて溶解させた後、貧溶媒であるイオン交換水30,000部を加えて共重合体を沈殿させ、ろ過した後、60℃で24時間乾燥した。
次に、乾燥後の共重合体376部を、ジメチルスルホキシド(DMSO)1650部に溶解させ、28重量%のアンモニア水(アンモニアの相対モル比:200)を加え、80℃で72時間反応させ、共重合体の末端に結合した臭素原子をアミノ基で置換した。
置換反応終了後、反応器を30℃以下に冷却し、貧溶媒であるトルエンを、共重合体の大部分が沈殿がするまで注入し、得られた沈殿物をろ過後、90℃で48時間真空乾燥して、末端にアミノ基を有する、アクリロニトリルとアクリル酸2−メトキシエチルの共重合体(b1)を得た。
上記の1H−NMRで分析したところ、共重合体(b1)の数平均分子量(Mn)は5800であり、共重合体(b1)の組成は、アクリル酸2−メトキシエチル単位30重量%、アクリロニトリル単位70重量%であった。
また、共重合体(b1)の13C−NMRを、測定装置(商品名「AVANCEIII500」、BRUKER社製)を用いて測定したところ、アミノ基が結合した炭素原子のピークが観察され、共重合体(b1)にアミノ基が結合していることが確認された。さらに、末端CHBr基由来の1H−NMRピークが、アンモニア水による置換反応によりCHNH2になる結果、1H−NMRのピークがシフトした事からも反応の進行が確認できた。
実施例1
バンバリーミキサを用いて、アクリルゴム(a1)75部および製造例2で得られた共重合体(b1)25部に、FEFカーボンブラック(商品名:シーストSO、東海カーボン社製)50部、トリメリット酸エステル(商品名:アデカサイザーC−8、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名:ナウガード445、Crompton社製、老化防止剤)1.5部、ステアリン酸(滑剤)1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名:フォスファノールRL210、東邦化学工業社製、加工助剤)1部を添加して、110℃で5分間混練した。次いで、得られた混合物を、温度40℃にしたロールに移して、DBU(商品名:RHENOGRAN XLA−60(GE2014)、RheinChemie社製、DBU60%(ジンクジアルキルジフォスフェイト塩になっている部分を含む)並びにアクリル酸ポリマーと分散剤40%からなるもの、塩基性架橋促進剤)4部、および、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(商品名:Diak#1、デュポン・ダウ・エラストマー社製、ポリアミン架橋剤)0.1部を添加して混練し、架橋性アクリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性アクリルゴム組成物を用いて、常態物性(引張応力)、耐燃料油性および耐寒性を測定した。結果を表1に示す。
バンバリーミキサを用いて、アクリルゴム(a1)75部および製造例2で得られた共重合体(b1)25部に、FEFカーボンブラック(商品名:シーストSO、東海カーボン社製)50部、トリメリット酸エステル(商品名:アデカサイザーC−8、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名:ナウガード445、Crompton社製、老化防止剤)1.5部、ステアリン酸(滑剤)1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名:フォスファノールRL210、東邦化学工業社製、加工助剤)1部を添加して、110℃で5分間混練した。次いで、得られた混合物を、温度40℃にしたロールに移して、DBU(商品名:RHENOGRAN XLA−60(GE2014)、RheinChemie社製、DBU60%(ジンクジアルキルジフォスフェイト塩になっている部分を含む)並びにアクリル酸ポリマーと分散剤40%からなるもの、塩基性架橋促進剤)4部、および、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(商品名:Diak#1、デュポン・ダウ・エラストマー社製、ポリアミン架橋剤)0.1部を添加して混練し、架橋性アクリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性アクリルゴム組成物を用いて、常態物性(引張応力)、耐燃料油性および耐寒性を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
アクリルゴム(a1)75部に代えて、エチレン−アクリレートゴム(商品名「VAMAC−G」、DuPont社製、エチレン−アクリル酸エステル−ブテンジオン酸モノエステル共重合体)75部を用い、ヘキサメチレンジアミンカルバメート0.1部に代えて、ヘキサメチレンジアミンカルバメート0.8部を用いた以外は、実施例1と同様にして架橋性アクリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性アクリルゴム組成物を用いて、常態物性(引張応力)、耐燃料油性および耐寒性を測定した。結果を表1に示す。
アクリルゴム(a1)75部に代えて、エチレン−アクリレートゴム(商品名「VAMAC−G」、DuPont社製、エチレン−アクリル酸エステル−ブテンジオン酸モノエステル共重合体)75部を用い、ヘキサメチレンジアミンカルバメート0.1部に代えて、ヘキサメチレンジアミンカルバメート0.8部を用いた以外は、実施例1と同様にして架橋性アクリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性アクリルゴム組成物を用いて、常態物性(引張応力)、耐燃料油性および耐寒性を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
アクリルゴム(a1)75部および製造例2で得られた共重合体(b1)25部に代えて、アクリルゴム(a1)100部を用いた以外は、実施例1と同様にして、架橋性アクリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性アクリルゴム組成物を用いて、常態物性(引張応力)、耐燃料油性および耐寒性を測定した。結果を表1に示す。
アクリルゴム(a1)75部および製造例2で得られた共重合体(b1)25部に代えて、アクリルゴム(a1)100部を用いた以外は、実施例1と同様にして、架橋性アクリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性アクリルゴム組成物を用いて、常態物性(引張応力)、耐燃料油性および耐寒性を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
エチレン−アクリレートゴム(商品名「VAMAC−G」、DuPont社製)75部および製造例2で得られた共重合体(b1)25部に代えて、エチレン−アクリレートゴム(商品名「VAMAC−G」、DuPont社製)100部を用いた以外は、実施例2と同様にして、架橋性アクリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性アクリルゴム組成物を用いて、常態物性(引張応力)、耐燃料油性および耐寒性を測定した。結果を表1に示す。
エチレン−アクリレートゴム(商品名「VAMAC−G」、DuPont社製)75部および製造例2で得られた共重合体(b1)25部に代えて、エチレン−アクリレートゴム(商品名「VAMAC−G」、DuPont社製)100部を用いた以外は、実施例2と同様にして、架橋性アクリルゴム組成物を得た。
そして、得られた架橋性アクリルゴム組成物を用いて、常態物性(引張応力)、耐燃料油性および耐寒性を測定した。結果を表1に示す。
表1より、アクリルゴム(a1)および原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(b1)からなるアクリルゴム組成物に、ポリアミン架橋剤を配合してなる架橋性アクリルゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物は、耐寒性を損なうことがなく、耐燃料油性および引張応力に優れる結果となった(実施例1)。また、エチレン−アクリレートゴムおよび原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(b1)からなるアクリルゴム組成物に、ポリアミン架橋剤を配合してなる架橋性アクリルゴム組成物を用いて得られるゴム架橋物も、耐寒性を損なうことがなく、耐燃料油性および引張応力に優れる結果となった(実施例2)
一方、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(b1)を使用しないために本発明の要件を満たさない場合は、得られるゴム架橋物は、耐燃料油性および引張応力に劣る結果となった(比較例1および2)。
Claims (6)
- アクリルゴム(A)、並びに、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有し、原子移動ラジカル重合法で得られた重合体(B)、を含有してなるアクリルゴム組成物。
- 前記アクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有アクリルゴムである請求項1に記載のアクリルゴム組成物。
- 前記アクリルゴム(A)が、カルボキシル基含有エチレン−アクリレートゴムである請求項1に記載のアクリルゴム組成物。
- 前記重合体(B)が、重合体の末端にアミノ基を有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリルゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクリルゴム組成物に、架橋剤を配合してなる架橋性アクリルゴム組成物。
- 請求項5に記載の架橋性アクリルゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
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- 2012-09-07 JP JP2012197332A patent/JP2014051602A/ja active Pending
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