JP2019169274A - 全固体二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、高い容量維持率を有する全固体二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本開示の全固体二次電池は、正極活物質層、負極活物質層、及び、固体電解質層を備える全固体二次電池であって、前記全固体電池は酪酸ブチルを含有し、前記正極活物質層、前記負極活物質層、及び前記固体電解質層の合計質量を100質量%としたとき、前記酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本開示は、全固体二次電池に関する。
電解液を用いずに固体電解質を使用した全固体電池が、エネルギー密度の高さから注目されている。このような全固体電池を製造する場合に、電極材料を溶媒に分散又は溶解したスラリーを用いて電極の形状に成形後、溶媒を除去して電極を製造する方法が提案されている。
特許文献1には、フッ化ビニリデン単量体単位を含むフッ素系共重合体、正極活物質、及び溶媒又は分散媒を少なくとも含有する硫化物系固体電池用正極用スラリーが開示されている。特許文献1には、前記スラリーに用いられる溶媒又は分散媒として酪酸ブチルが好ましい旨記載されている。
特開2014−007138号公報
しかし、本研究者らは、溶媒又は分散媒として酪酸ブチルを用いて製造した全固体電池では、充放電を繰り返した場合に容量が低下する場合があることを知見した。
本開示は、上記実情に鑑み、高い容量維持率を有する全固体二次電池を提供することを目的とする。
本開示の全固体二次電池は、正極活物質層、負極活物質層、及び、固体電解質層を備える全固体二次電池であって、前記全固体電池は酪酸ブチルを含有し、前記正極活物質層、前記負極活物質層、及び前記固体電解質層の合計質量を100質量%としたとき、前記酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下であることを特徴とする。
本開示によれば、高い容量維持率を有する全固体二次電池を提供することができる。
本開示の全固体二次電池の構成例の模式図である。 正極活物質層、負極活物質層、及び固体電解質層の合計質量を100質量%としたときの酪酸ブチルの含有割合と比容量維持率(%)の関係を示すグラフである。 正極活物質層、負極活物質層、及び固体電解質層の合計質量を100質量%としたときの酪酸ブチルの含有割合と初期放電比容量の関係を示すグラフである。
本開示の全固体二次電池は、負極活物質層、正極活物質層、及び、固体電解質層を備える全固体二次電池であって、前記全固体二次電池は酪酸ブチルを含有し、前記負極活物質層、前記正極活物質層、及び前記固体電解質層の合計質量を100質量%としたとき、前記酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下であることを特徴とする。
酪酸ブチルは、一般的な条件下で固体電解質との反応性が低く、電極材料を溶媒に分散又は溶解したときの沈降速度が遅く、揮発スピードも穏やかであるという特性を有するため、電極材料を分散又は溶解したスラリーを用いて電極を製造する場合の溶媒として適していることが知られている。
また、このような溶媒は、スラリーを用いて電極の形状に成形後、乾燥などにより除去されるが、製造効率などの観点から、完全に除去することは困難であり、得られる電極中に一部残存することが知られている。溶媒として酪酸ブチルを用いて製造された電池では、酪酸ブチルが少量残存した場合には電極内での原料の分散性やバインダーのマイグレーションに対して好影響を与え、また、比較的多量に残存した場合であっても他の溶媒と比較して電池の放電容量などの性能に与える影響が小さいため、好ましいと考えられていた。
しかし、本研究者らは更なる検討を進めたところ、固体電解質を用いた全固体電池では、電池内に特定量以上に酪酸ブチルが残存すると、容量維持率が低下する場合があることを知見した。
酪酸ブチルが、容量維持率を低下させる機序は明らかではないが、容量維持率の低下が確認された全固体二次電池を解析すると、電極活物質層内の固体電解質粒子に多孔質(ポーラス)化している部分が確認された。このことから、充放電に伴い電極に繰り返し高い電位がかかると、固体電解質粒子と特定量以上残留した酪酸ブチルが反応し、固体電解質粒子が劣化して抵抗が増加するため、容量維持率が低下すると推定される。
本開示の全固体二次電池では酪酸ブチルの含有量を、従来の電池で許容されていた残留量より低い範囲とすることで、容量維持率の低下を抑制することができると考えられる。
以下、本開示の全固体二次電池について詳細に説明する。
(1)負極活物質層
本開示の全固体二次電池において、負極活物質層は集電体と共に全固体二次電池の負極として機能するものであれば、特に制限はないが、通常、負極活物質を含み、必要に応じ、固体電解質、結着剤、及び導電材等の他の成分を含む。
図1に示すように、通常、負極3は、負極集電体3−2と負極活物質層3−1を有し、正極2と反対側の側面において固体電解質層1と負極活物質層3−1が接合し、更に、固体電解質層1と反対側の側面おいて負極活物質層3−1と負極集電体3−2が接合している。
なお、本開示において用いる負極集電体は、全固体二次電池に使用できるものであれば、特に制限はない。負極集電体の材料としては、Al、Zn、Sn、Ni、SUS、及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属材料であってもよい。なお、負極集電体の表面が上記材料で構成されていれば、内部が表面と異なる材料で構成されていてもよい。本開示の電池がLiイオン電池である場合には、耐Li還元性の観点から、Ni又はSUSを用いてもよい。負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状、パンチングメタル状、発泡体等とすることができる。
(負極活物質)
本開示において前記負極活物質は、全固体二次電池中において、正極活物質との関係で電池化学反応上の負極活物質として機能し、金属元素Mイオンの移動を伴う電気化学反応を進行させる物質であれば、特に制限されず負極活物質として用いることができ、従来全固体二次電池の負極活物質として知られている物質も、本開示において用いることができる。
負極活物質の原料としては、例えば、炭素系活物質である黒鉛、ハードカーボン、及び、CNT、合金系活物質であるSi合金系活物質、及び、Sn合金系活物質、並びに、チタン酸リチウム等を挙げることができる。
なお、合金系活物質と使用した負極では、充放電に伴う体積変化が大きい。上述のように、従来技術の全固体二次電池に含まれる充放電に伴いポーラス化した脆弱な固体電解質粒子では、体積変化により粒子構造自体が破壊されるため、容量維持率に対する影響が大きい。
そのため、酪酸ブチルの含有割合が低く設定された本開示の全固体二次電池は、負極活物質として合金系活物質を使用した負極において、高い効果を発揮すると考えられる。
負極活物質層中の負極活物質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば40質量%以上であり、50質量%〜90質量%の範囲内であってもよく、50質量%〜70質量%の範囲内であってもよい。
負極活物質の形状にも特に制限はなく、例えば、粒子状、膜状の形状等が挙げられ、粒子状であってもよい。
(固体電解質)
本開示において負極活物質層に用いられる固体電解質は、全固体二次電池に使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、本開示の電池がLiイオン電池である場合には、Liイオンの伝導度が高い酸化物系非晶質固体電解質、硫化物系非晶質固体電解質、結晶質酸化物・窒化物等が好ましく用いられる。
前記酸化物系非晶質固体電解質としては、例えばLiO−B−P、LiO−SiO等が挙げられ、前記硫化物系非晶質固体電解質としては、例えば、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P等が挙げられる。また、前記結晶質酸化物・窒化物等としては、LiI、LiN、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(w<1)、Li3.6Si0.60.4等が挙げられる。
なお、酸化物系固体電解質と比較して、硫化物系固体電解質では、充放電に伴いポーラス化しやすい。
そのため、酪酸ブチルの含有割合が低く設定された本開示の全固体二次電池では、固体電解質として硫化物系固体電解質を使用した場合に、高い効果を発揮すると考えられる。
負極活物質層中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以上であり、20質量%〜50質量%の範囲内であってもよく、25質量%〜45質量%の範囲内であってもよい。
固体電解質の形状にも特に制限はなく、例えば、粒子状、膜状の形状等が挙げられ、粒子状であってもよい。
(導電材)
本開示において負極活物質層に用いられる導電材は、全固体二次電池に使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、前記導電材の原料は、アセチレンブラックやファーネスブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材であってもよい。
電子伝導性の観点から、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材であってもよく、当該カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーはVGCF(気相法炭素繊維)であってもよい。
負極活物質層中の導電材の割合は、特に限定されるものではないが、例えば1.0質量%以上であり、1.0質量%〜12.0質量%の範囲内であってもよく、2.0質量%〜10.0質量%の範囲内であってもよい。
(結着剤)
負極活物質層には、更に、必要に応じて結着剤が含まれていてもよい。
前記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブチレンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂等を用いることができ、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)であってもよい。
負極活物質層中の結着剤の割合は、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜10%(vol/vol)の範囲内であってもよく、1〜5%(vol/vol)の範囲内であってもよい。
本開示の全固体二次電池の製造方法に特に制限はないが、通常、少なくとも負極活物質層、又は、後述する正極活物質層のいずれか一方が、溶媒である酪酸ブチルに電極の原料を懸濁したスラリーを用いて製造される。負極活物質層、又は、正極活物質層の両方を、溶媒である酪酸ブチルに電極の原料を懸濁したスラリーを用いて製造してもよい。
負極活物質層のみを、溶媒である酪酸ブチルに電極の原料を懸濁したスラリーを用いて製造する場合には、溶媒である酪酸ブチルに電極の原料を懸濁したスラリーを後述する固体電解質層の上又は負極集電体の上に塗布、乾燥して、最終的に、前記負極活物質層、前記正極活物質層、及び前記固体電解質層の合計質量を100質量%としたときに、酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下となるまで除去されるように、製造される。
負極活物質層及び正極活物質層の両方を、溶媒である酪酸ブチルに電極の原料を懸濁したスラリーを用いて製造する場合には、溶媒である酪酸ブチルに電極の原料を懸濁したスラリーを固体電解質層の上又は負極集電体の上に塗布、乾燥して、最終的に、前記負極活物質層、前記正極活物質層、及び前記固体電解質層の合計質量を100質量%としたときに、負極活物質層及び正極活物質層中の酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下となるまで除去されるように、製造される。
また、負極活物質層は、固体電解質層や集電体以外の支持体上に形成してもよい。その場合、当該支持体から負極活物質層を剥離し、剥離した負極活物質層を、固体電解質層又は負極集電体の上に接合する。
また、正極活物質層のみを、溶媒である酪酸ブチルに電極の原料を懸濁したスラリーを用いて製造して、負極活物質層を溶媒である酪酸ブチルに電極の原料を懸濁したスラリーを用いずに製造する場合には、例えば、負極活物質層用原料の粉末を圧縮成形して製造してもよい。圧縮成形する場合には、例えば、負極活物質層用原料の粉末を投入し均一な厚みに堆積して圧縮成形することにより、負極活物質層を作製してもよい。
負極活物質層用原料の粉末を圧縮成形する場合には、通常、400〜1000MPa程度のプレス圧を負荷する。また、ロールプレスを用いて圧縮成形してもよく、その場合には線圧を10〜100kN/cmに設定してもよい。
(2)正極活物質層
本開示の全固体二次電池において、正極活物質層は集電体と共に全固体二次電池の正極として機能するものであれば、特に制限はないが、通常、金属元素Mを含有する正極活物質を含み、必要に応じ、結着剤、固体電解質、及び導電材等の他の成分を含む。例えば、図1に示すように、本開示において、正極2は、当該正極活物質、及び、必要に応じ、結着剤、固体電解質、及び導電材等の他の成分を含む正極活物質層2−1と正極集電体2−2を有するものであってもよい。
正極で集電体に特に制限はないが、例えば、Cu及び銅合金、並びに、CuにNi、Cr、C等をメッキ又は蒸着したものを用いることができる。
本開示において正極活物質は、金属元素Mを含む活物質であれば特に制限されるものではない。負極活物質との関係で電池化学反応上の正極活物質として機能し、上述の金属元素Mイオンの移動を伴う電池化学反応を進行させる物質であれば、特に制限されず正極活物質として用いることができ、従来、全固体二次電池の正極活物質として知られている物質も、本開示において用いることができる。
例えば、本開示の全固体二次電池が、全固体リチウムイオン二次電池である場合には、正極活物質の原料としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3、Li1+xMn2−x−y(LがAl、Mg、Co、Fe、Ni、Znから選ばれる1種以上の元素)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(LiTiO)、リン酸金属リチウム(LiLPO、L=Fe、Mn、Co、Ni等)等を挙げることができる。
前記正極活物質は、Mイオン伝導性を有し、かつ、活物質や固体電解質と接触しても流動しない物質を含有する被覆層を有していてもよい。本開示の電池がLiイオン電池である場合には、当該物質としては、例えば、LiNbO、LiTi12、LiPOが挙げられる。
前記正極活物質の形状は特に限定されないが、膜状であっても粒子状であってもよい。
正極中の正極活物質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば60質量%以上であり、70質量%〜95質量%の範囲内であってもよく、80質量%〜90質量%の範囲内であってもよい。
正極活物質層で使用される固体電解質の原料は、全固体二次電池に使用できるものであれば、特に制限はないが、負極で使用される固体電解質の原料と同様に、Mイオンの伝導度が高い酸化物系非晶質固体電解質、硫化物系非晶質固体電解質、結晶質酸化物・窒化物等が好ましく用いられる。
導電材、結着剤の原料としては、負極で使用する材料と同様のものを用いることができる。
例えば、正極活物質層は、負極活物質層と同じ方法で製造することができる。
(3)固体電解質層
前記固体電解質層も、Mイオン伝導性固体電解質原料を含み、全固体二次電池の固体電解質層として機能するものであれば、特に制限はないが、通常、前記Mイオン伝導性固体電解質原料の他、必要に応じ、結着剤等の他の成分を含む。
固体電解質、結着剤の原料としては、正極及び負極で使用する材料と同様のものを用いることができる。
固体電解質層中の固体電解質原料の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、70質量%〜99.99質量%の範囲内であってもよく、90質量%〜99.9質量%の範囲内であってもよい。
固体電解質層を形成する方法としては、固体電解質原料及び必要に応じ他の成分を含む固体電解質材料の粉末を圧縮成形する方法が挙げられる。固体電解質材料の粉末を圧縮成形する場合には、通常、負極用合材の原料粉末を圧縮成形する場合と同様に、400〜1000MPa程度のプレス圧を負荷する。また、ロールプレスを用いて圧縮成形してもよく、その場合には線圧を10〜100kN/cmに設定してもよい。
また、他の方法としては、固体電解質原料及び必要に応じ他の成分を含有する固体電解質材料の溶液又は分散液を用いたキャスト成膜法などを行うことができる。
4.全固体二次電池
本開示の全固体二次電池は、正極活物質層、負極活物質層、及び、固体電解質層を備える全固体電池であって、前記全固体電池は酪酸ブチルを含有し、前記正極活物質層、前記負極活物質層、及び前記固体電解質層の合計質量を100質量%としたとき、前記酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下であることを特徴とする。当該酪酸ブチルの含有割合は0.05〜0.158質量%の範囲であることが好ましく、0.05〜0.95質量%の範囲であることがより好ましい。
本開示の全固体電池では、全固体電池に含有される酪酸ブチルの含有量を従来技術の固体電池で許容される範囲より低い上記特定の範囲に制限することによって、サイクル特性を向上することが可能となった。
本開示の全固体二次電池は、典型的には、図1に示すように、正極2、負極3、並びに、当該正極2及び当該負極3の間に配置される固体電解質層1を備え、正極−固体電解質層−負極集合体101として構成される。
上記の正極−固体電解質層−負極集合体101が、機能的単位であるセルとなる。当該セルをそのまま本開示の全固体二次電池として用いてもよいし、複数のセルを集積して電気的に接続することによりセル集合体として、本開示の全固体二次電池として用いてもよい。
正極活物質層と負極活物質層それぞれの厚みは、通常0.1μm〜10mm程度であり、固体電解質層の厚みは、通常0.01μm〜1mm程度である。
電池を作製する方法は、特に限定されるものではなく、上述のように製造した正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び、負極集電体を、この順番で配置した状態で接合してもよい。
1.全固体二次電池の製造
[実施例1]
(1)負極の製造
固体電解質材料であるLiBr及びLiIを含むLiS−P系非晶質固体電解質400mg、負極活物質材料であるのSi単体粒子500mg、結着剤であるPVdF系樹脂の5質量%酪酸ブチル溶液1200mg、並びに、導電助剤材料であるVGCF40mgをポリプロピレン製容器に添加した。当該容器を超音波分散装置中で30秒間超音波処理後、振とう器を用いて30分間浸透処理することで、負極活物質層成形用スラリーを調製した。
このように準備した負極活物質層成形用スラリーを、アプリケーターを使用するブレード法により、集電体であるCu箔上に塗工し、100℃に調整したホットプレート上で30分間乾燥した。
(2)正極の作製
固体電解質原料であるLiBr及びLiIを含むLiS−P系非晶質固体電解質350mg、正極活物質原料である平均粒子径が6μmのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粒子2200mg、結着剤であるPVdF系樹脂の5質量%酪酸ブチル溶液1400mg、並びに、導電助剤であるVGCF30mg、をポリプロピレン製容器に添加した。当該容器を超音波分散装置中で30秒間超音波処理後、振とう器を用いて30分間浸透処理することで、正極活物質層成形用スラリーを調製した。
このように準備した正極活物質層成形用スラリーを、アプリケーターを使用するブレード法により、集電体であるAl箔上に塗工し、100℃に調整したホットプレート上で30分間乾燥した。
(3)固体電解質層の作製
固体電解質原料である平均粒径が1μmであるLiBr及びLiIを含むLiS−P系非晶質固体電解質500mg、並びに、結着剤であるブチレンゴム系樹脂の5質量%酪酸ブチル溶液750mg、をポリプロピレン製容器に添加した。当該容器を超音波分散装置中で30秒間超音波処理後、振とう器を用いて30分間浸透処理することで、固体電解質層成形用スラリーを調製した。
このように準備した固体電解質層成形用スラリーを、アプリケーターを使用するブレード法により、基盤であるAl箔上に塗工し、100℃に調整したホットプレート上で30分間乾燥することにより固体電解質層を得た。同様の方法で固体電解質層を合計3枚準備した。
(4)電池の作製
酪酸ブチルの飽和度が50ppmとなるように調製されたグローブボックス内で、(1)及び(3)で得られた負極活物質層と固体電解質層が接するように、負極と固体電解質部材を積層した。この負極部材―固体電解質層―アルミニウム箔積層体に対して、緻密化を目的として、ロール間ギャップ100μm、送り速度0.5m/minの条件で、ロールプレスを用いて5kN/cmの圧力を印加した。固体電解質層の基盤として使用したアルミニウム箔を剥がして、負極―固体電解質層積層体を得た。
(2)及び(3)で得られた正極活物質層と固体電解質層が接するように、正極と固体電解質層を積層した。この正極―固体電解質層―アルミニウム箔積層体に対して、緻密化を目的として、ロール間ギャップ100μm、送り速度0.5m/minの条件で、ロールプレスを用いて5kN/cmの圧力を印加した。固体電解質層の基盤として使用したアルミニウム箔を剥がして、正極―固体電解質層積層体を得た。
負極―固体電解質層積層体に、固体電解質層同士が接するように(3)で準備した固体電解質層を更に積層後、(3)で準備した固体電解質層から基盤として使用したアルミニウム箔を剥離した。
この固体電解質層が転写された負極―固体電解質層積層体に正極―固体電解質層積層体が位置し、且つ、固体電解質層同士が接触するように重ね合わせた状態で、130℃で200MPaの圧力を1分間印加し、集電体を有する電池(25cm×6cm)を得た。
このように得られた電池を、酪酸ブチルの飽和度が50ppmとなるように調製されたグローブボックス中に30分間保持した後で、前記電池に密閉可能な治具を設置して、20MPa拘束圧を付与した。
上述のように得られた電池に対して、1.0Cで4.55Vまで定電流で通電後、終止電流1/100Cまで定電圧で通電することで初回充電を行った。初回充電後の電池について、1.0Cで2.5Vまで定電流で放電後、終止電流1/100Cまで定電圧で初回放電することによって実施例1のリチウムイオン固体電池を得た。
[実施例2]
酪酸ブチルの飽和度が350ppmとなるように調製されたグローブボックス内で、電池を保持したこと以外は、実施例1と同様に実施例2のリチウムイオン固体電池を作製した。
[比較例1]
実施例1において溶媒として使用した酪酸ブチルを全てヘプタンに置き換えたこと、及び、グローブボックス内の酪酸ブチルの飽和度を0ppmにしたこと以外は、実施例1と同様に比較例1のリチウムイオン固体電池を作製した。
[比較例2]
酪酸ブチルの飽和度が850ppmとなるように調製されたグローブボックス内で、電池を保持したこと以外は、実施例1と同様に比較例2のリチウムイオン固体電池を作製した。
[比較例3]
酪酸ブチルの飽和度が1700ppmとなるように調製されたグローブボックス内で、電池を保持したこと以外は、実施例1と同様に比較例3のリチウムイオン固体電池を作製した。
[比較例4]
酪酸ブチルの飽和度が2000ppmとなるように調製されたグローブボックス内で、電池を保持したこと以外は、実施例1と同様に比較例4のリチウムイオン固体電池を作製した。
2.全固体電池の評価
(1)サイクル特性の評価
実施例1、2、比較例1乃至4の全固体リチウムイオン二次電池に対して、定電流―定電圧放電を行った。まず、上述のように得られた全固体リチウムイオン二次電池を放電した(終止電流1/100C)。放電後の電池に対して、3時間率(1/3C)で、所定の電圧まで定電圧−定電流の条件で充電後、定電流―定電圧放電条件で放電し、1サイクル目の放電容量を測定した。
同一条件で、充放電サイクルを5サイクル繰り返し、5サイクル目の放電容量を測定した。
5サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除することにより、5サイクル目における容量維持率を算出した。
3.結果
表1に、電池製造時に使用した溶媒の種類、負極活物質層、正極活物質層、及び固体電解質層の合計質量を100質量%としたときの酪酸ブチルの含有割合、比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の1サイクル目容量を100%とした場合の各電池の1サイクル目比容量、並びに、比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の各電池の5サイクル目容量維持率を100%とした場合の5サイクル目比容量維持率を示す。
表1に示すように、酪酸ブチルを有さない比較例1の電池の5サイクル容量維持率を100%とすると、酪酸ブチルの含有割合が0.166%以上である比較例2乃至4電池の5サイクル比容量維持率は99%以下であった。
これに対し、酪酸ブチルの含有割合が0.05%である実施例1の電池の5サイクル比容量維持率は110%、酪酸ブチルの含有割合が0.095%である実施例2の5サイクル比容量維持率は109%と高かった。
図2に示すように、酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下である範囲において、5サイクル比容量維持率が100%を超えており、高い容量維持率を有する全固体二次電池であることが確認された。
なお、表1及び図3に示すように、1サイクル目比容量を比較すると、酪酸ブチルの含有割合が0.285質量%を超えるまで、容量に大きな影響はない。このような理由から、従来は、酪酸ブチルは、0.285質量%以下であれば電池性能に影響を及ぼさないと判断されていたと考えられる。
以上の結果より、正極活物質層、負極活物質層、及び、固体電解質層を備える全固体二次電池であって、前記全固体電池は酪酸ブチルを含有し、前記正極活物質層、前記負極活物質層、及び前記固体電解質層の合計質量を100質量%としたとき、前記酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下であることを特徴とする、本開示の全固体二次電池は、高い容量維持率を有することが明らかとなった。
1 固体電解質層
2 正極
2−1 正極活物質層
2−2 正極集電体
3 負極
3−1 負極活物質層
3−2 負極集電体
101 全固体二次電池

Claims (1)

  1. 正極活物質層、負極活物質層、及び、固体電解質層を備える全固体二次電池であって、
    前記全固体電池は酪酸ブチルを含有し、前記正極活物質層、前記負極活物質層、及び前記固体電解質層の合計質量を100質量%としたとき、前記酪酸ブチルの含有割合が0質量%を超えて0.158質量%以下であることを特徴とする全固体二次電池。
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